(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品等には同一の符号を付しており、それら部品等の名称及び機能も同じである。従って、それらの部品等について重複する説明は省略している。
【0019】
(実施形態1)
−マウスシールド−
図1は、本実施形態におけるマウスシールドAの斜視図である。
図2は、本実施形態におけるマウスシールドAの平面展開図である。
図3は、
図1のマウスシールドAの装着時におけるシールド1の遮蔽状態を示す斜視図である。
図4は、
図1のマウスシールドAの装着時におけるシールド1の退避状態を示す斜視図である。
【0020】
なお、図において、符号Xは、使用者Pから視た前後方向を示している。符号Yは、使用者Pから視た左右方向Yを示している。符号Zは、使用者Pから視た上下方向を示している。
図1において、補強部251の図示を省略している。また、
図2において、取付部材8の図示を省略している。
【0021】
先ず、マウスシールドAの構成を説明する。マウスシールドAは、シールド1と、帯状体2と、を有している(
図1、
図2参照)。シールド1は、前方向側において、取付部材8を介して帯状体2に取り付けられている(
図1参照)。取付部材8は、例えば、プラスチックビス、プラスチックスナップ等から形成されている。以下、マウスシールドAの各構成要素について詳述する。
【0022】
<シールド>
シールド1は、平面視異六角形状(具体的には、略矩形の下側の隣接する2つの角がそれぞれ斜辺19a,19bによって切り欠かれた形状)に形成されている(
図1、
図2参照)。シールド1は、例えば、厚さ0.2mm〜0.8mm程度の板紙、ボール紙、ケント紙、カード紙等の紙部材から形成されている。本実施形態において、シールド1の全長及び全幅は、それぞれ、約158mm及び約150mmに設定されている。なお、紙部材の種類や寸法は上記の例に限定されない。
【0023】
シールド1の斜辺19aと斜辺19bとの中間部、かつ下端縁側には、透孔15aが設けられている(
図2参照)。透孔15aには、取付部材8が前後方向に沿って取り付けられている(
図1参照)。シールド1は、取付部材8を回動軸として、取付部材8を通過する軸芯α周りに回動可能となっている。なお、シールド1は取付部材8によって、手で触らない限りは自重等で不測に回動しない程度の強さで帯状体2に取り付けられている。軸芯αは、取付部材8の取付方向、すなわち、前後方向に沿っている。シールド1を軸芯α周りに回動させることにより、帯状体2に対するシールド1の角度が調整可能となっている。シールド1が帯状体2に対して約90度起こされているとき、シールド1は、帯状体2の上方に約120mm突出している状態となる(
図3参照)。なお、この突出長さは一例であり、これに限定されない。
【0024】
なお、取付部材8は、使用者Pの体型の大小に応じて、透孔15aの上方に設けられた透孔15bに取り付けられていてもよい(
図2参照)。取付部材8が透孔15bに取り付けられた場合、取付部材8が透孔15aに取り付けられた場合と比較して、シールド1が帯状体2に対して約90度起こされているときの帯状体2に対するシールド1の突出量が小さくなる。なお、この透孔15bは設けられていなくともよい。
【0025】
<帯状体>
帯状体2は、環状体2aを形成可能な略短冊状の板片からなり、使用者Pの頸部周りに着脱可能に装着される(
図1、
図2参照)。ここで「頸部周り」とは、使用者Pの頸部及び肩部を指す。帯状体2は、例えば、厚さ0.2mm〜0.8mm程度の板紙、ボール紙、ケント紙、カード紙等の紙部材から形成されている。本実施形態において、帯状体2の全長は、約680mmに設定されている。なお、紙部材の種類や寸法は上記の例に限定されない。
【0026】
帯状体2の一端側上端縁には、帯状体2の幅方向に沿って、所定の間隔をもって複数の第1スリット21が設けられている(
図2参照)。帯状体2の他端側下端縁には、第1スリット21に対応するように、帯状体2の幅方向に沿って、所定の間隔をもって複数の第2スリット22が設けられている(
図2参照)。
【0027】
複数の第1スリット21及び複数の第2スリット22のうち、それぞれ任意に選択されたスリット同士を係合させることにより、環状体2aが形成される。このようにして環状体2aが使用者Pの頸部周りに形成されることにより、帯状体2が使用者Pの頸部周りに装着される(
図3、
図4参照)。一方、スリットの係合状態が解除されることにより、帯状体2が使用者Pの頸部周りから外される。
【0028】
複数の第2スリット22のスリット幅は、複数の第1スリット21のスリット幅よりも大きく設定されている。これにより、両スリット同士の係脱操作の容易化が図られる。
【0029】
複数の第1スリット21及び複数の第2スリット22の互いの係合位置を適宜選択又は変更することにより、環状体2aの径を所望の大きさに調整することが可能となっている。
【0030】
なお、環状体2aを形成可能とする構成は、これに限られず、例えば、帯状体2の一端側縁にはタブが設けられるとともに、帯状体2の他端側には複数のスリット穴が設けられ、このタブがこれら複数のスリット穴のうち任意のスリット穴に差し込まれる構成であってもよい。あるいは帯状体2の両端同士が面ファスナやスナップボタン等で係脱される構成であってもよい。
【0031】
帯状体2の中央部には、透孔25aが設けられている(
図1、
図2参照)。透孔25aには、取付部材8が取り付けられている(
図1参照)。透孔25aの透孔周辺部250は、補強部251によって、増厚補強されている。具体的には、透孔周辺部250に隣接して設けられた補強部251が、透孔周辺部250の裏面に折り返されることにより、透孔周辺部250が補強される(
図2参照)。補強部251には、透孔25aに対応する透孔25bが設けられている。すなわち、取付部材8は、補強部251が透孔周辺部250の裏面に折り返された状態において、透孔25a及び透孔25bと、シールド1の透孔15aとに貫通している。
【0032】
帯状体2の透孔25aの左右両側には、それぞれ、使用者Pに対する帯状体2の装着時に使用者Pの鎖骨周辺に突き当てられる突き当て部27が下方に向かって突設されている(
図2参照)。突き当て部27は、帯状体2の中央に向かって下り勾配となるよう傾斜している。
【0033】
帯状体2の複数の第1スリット21及び複数の第2スリット22の基端側近傍には、それぞれ、帯状体2の幅方向に沿う第1山折り線23が設けられている(
図2参照)。第1山折り線23に沿って帯状体2が山折りされることにより、帯状体2が使用者Pの頸部周りに沿う形状となることから、使用者Pに対する帯状体2の装着の容易化が図られる。
【0034】
帯状体2の突き当て部27の内側には、それぞれ、帯状体2の下方に傾斜する第2山折り線24が設けられている(
図2参照)。第2山折り線24に沿って帯状体2が山折りされることにより、帯状体2にねじれが生じるとともに帯状体2の形状が安定することから、使用者Pに対する帯状体2の位置、延いては、帯状体2に取り付けられたシールド1の位置の安定化が図られる。
【0035】
以上説明したマウスシールドAは、遮蔽手段と、支持手段と、位置決め手段と、遷移手段と、を備える。次に、本実施形態におけるマウスシールドAに基づいて、これらの手段について、詳述する。
【0036】
<遮蔽手段>
遮蔽手段は、使用者Pの口の前方に位置して該口からの飛沫を遮蔽する手段である。本実施形態において、遮蔽手段は、シールド1によって、次のように実現される。
【0037】
帯状体2に対するシールド1の角度は、シールド1の軸芯α周りの回動によって、調整可能となっている。帯状体2が使用者Pの頸部周りに装着された状態において、シールド1が帯状体2に対して約90度起こされることにより、帯状体2の上方に突出している状態となる(
図3参照)。帯状体2の上方に突出しているシールド1の部分は、使用者Pの口の前方にシールド1が位置しており、使用者Pの口のサイズよりも十分大きく設定されている(
図3参照)。このようなシールド1が使用者Pの口の前方に位置していることにより、使用者Pの口からの飛沫が遮蔽される。
【0038】
なお、帯状体2に対するシールド1の突出量を使用者Pの顔のサイズに合わせて小さくすることが求められる場合、例えば、使用者Pが子どもの場合、取付部材8を透孔15aの代わりに透孔15bに付け替えることにより、帯状体2に対するシールド1の突出量を小さくすることが可能である。
【0039】
<支持手段>
支持手段は、使用者Pの頸部周りに着脱可能に装着され、遮蔽手段を支持する手段である。本実施形態において、支持手段は、帯状体2によって、次のように実現される。
【0040】
帯状体2は、複数の第1スリット21及び複数の第2スリット22によって環状体2aを形成可能な帯状体である(
図1参照)。環状体2aが使用者Pの頸部周りに形成されることにより、帯状体2が使用者Pの頸部周りに着脱可能に装着される(
図3、
図4参照)。
【0041】
さらに、帯状体2には、シールド1が取付部材8を介して取り付けられている。すなわち、帯状体2は、遮蔽手段であるシールド1を支持するものである。
【0042】
<遷移手段>
遷移手段は、遮蔽手段を、使用者Pの口の前方位置において飛沫を遮蔽する遮蔽状態と、使用者Pの口の前方位置から退避した退避状態との間で遷移させる手段である。本実施形態において、遷移手段は、遮蔽手段であるシールド1を使用者Pの前後方向に沿う軸芯周りに回動させるものであり、取付部材8によって、次のように実現される。
なお、取付部材8は、請求項に記載の「回動軸部」に相当するものである。
【0043】
本実施形態における遮蔽状態とは、シールド1が帯状体2に対して約90度起こされることにより、シールド1が帯状体2の上方に突出しているとともに、使用者Pの口の前方において使用者Pの口からの飛沫を遮蔽している状態を指す(
図3参照)。
【0044】
シールド1は、取付部材8を回動軸として、使用者Pの前後方向に沿う軸芯α周りに回動可能となっている。シールド1が遮蔽状態から軸芯α周りに約120〜150度回動されると、シールド1は、帯状体2の上方に突出している状態から、帯状体2の斜め下方に垂下している状態となる(
図4参照)。帯状体2の斜め下方に垂下している状態のシールド1は、使用者Pの口の前方位置から遠ざかっている。本実施形態における退避状態とは、シールド1が帯状体2の少なくとも斜め下方に垂下している状態を指す(
図4参照)。
【0045】
シールド1が斜辺19a,19bを有する平面視異六角形状に形成されていることにより、シールド1が平面視略矩形状に形成されている場合と比較して、シールド1の退避状態においてシールド1が使用者Pの口からより遠ざかることから、使用者Pの飲食等に支障をきたす虞がない(
図4参照)。
【0046】
シールド1が再び軸芯α周りに回動されるとともに帯状体2に対して約90度起こされると、シールド1は、帯状体2の下方に垂下している退避状態から、帯状体2の上方に突出している遮蔽状態に回帰する。
【0047】
<位置決め手段>
位置決め手段は、支持手段を使用者Pの体に対して位置決めする手段である。本実施形態において、位置決め手段は、帯状体2の突き当て部27によって、次のように実現される。
【0048】
突き当て部27は、使用者Pに対する帯状体2の装着時に使用者Pの鎖骨周辺に突き当てられるものであり、帯状体2の透孔25aの左右両側にそれぞれ設けられている(
図2、
図3参照)。マウスシールドA全体の重量バランスは、シールド1の重さによって前方に偏っている。突き当て部27が使用者Pの鎖骨周辺に突き当てられることにより、マウスシールドA全体の重量バランスの偏りによる帯状体2の前方への傾動が阻止されるとともに、支持手段である帯状体2が使用者Pの体に対して位置決めされる。
【0049】
(実施形態2)
図5は、実施形態2におけるマウスシールドAの斜視図である。
図6は、実施形態2におけるマウスシールドAの平面展開図である。
図7は、
図5のマウスシールドAの装着時におけるシールド1の遮蔽状態を示す斜視図である。
図8は、
図5のマウスシールドAの装着時におけるシールド1の退避状態を示す斜視図である。
図5において、タブ補強部111a,111b及びアーム補強部281a,281bの図示を省略している。
図2において、取付部材8a〜8dの図示を省略している。
【0050】
実施形態2におけるシールド1は、接続部20及び取付部材8a〜8dを介して帯状体2に取り付けられている(
図1参照)。シールド1は、帯状体2の前方に位置している(
図1参照)。
【0051】
<シールド>
実施形態2におけるシールド1は、略矩形状に形成されたシールド本体10と、シールド本体10の左右端縁からそれぞれ略直角に突設されたタブ11a,11bと、を有している(
図6参照)。本実施形態において、シールド本体10の全長及び全幅は、それぞれ、約150mm及び約130mmに設定されている。
【0052】
タブ11a,11bには、それぞれ、透孔16a,16bが設けられている(
図6参照)。透孔16a,16bには、それぞれ、取付部材8a,8bが左右方向に沿って取り付けられている(
図5参照)。シールド1は、取付部材8a,8bを回動軸として、取付部材8a,8bを通過する軸芯β周りに回動可能となっている。軸芯βは、取付部材8a,8bの取付方向、すなわち、左右方向に沿っている。シールド1を軸芯β周りに回動させることにより、シールド1が帯状体2に対して昇降動可能となっている。
【0053】
タブ11a,11bは、タブ補強部111a,111bによって、増厚補強されている。具体的には、タブ11a,11bにそれぞれ隣接して設けられたタブ補強部111a,111bが、それぞれタブ11a,11bの裏面に折り返されることにより、タブ11a,11bが補強される(
図6参照)。タブ補強部111a,111bには、それぞれ、透孔16a,16bに対応する透孔16c,16dが設けられている。すなわち、取付部材8aは、タブ補強部111aがタブ11aの裏面に折り返された状態において、透孔16a及び透孔16cに貫通している。同様に、取付部材8bは、タブ補強部111bがタブ11bの裏面に折り返された状態において、透孔16b及び透孔16dに貫通している。
【0054】
<帯状体>
実施形態2における帯状体2の中央部の左右両側には、それぞれアーム28a,28bが前方に向かって延設されており、アーム28a,28bの先端には、シールド1に接続される接続部20が取付部材8c,8dを介して取り付けられている(
図5参照)。
【0055】
アーム28a,28bの先端には、それぞれ、透孔16e,16fが設けられている(
図5、
図6参照)。透孔16e,16fには、それぞれ、取付部材8c,8dが左右方向に沿って取り付けられている(
図5参照)。
【0056】
アーム28a,28bは、アーム補強部281a,281bによって、増厚補強されている。具体的には、アーム28a,28bにそれぞれ隣接して設けられたアーム補強部281a,281bが、アーム28a,28bの裏面に折り返されることによりアーム28a,28bが補強される(
図6参照)。アーム補強部281a,281bには、透孔16e,16fに対応する透孔16g,16hが設けられている。すなわち、取付部材8cは、アーム補強部281aがアーム28aの裏面に折り返された状態において、透孔16e及び透孔16gに貫通している。同様に、取付部材8dは、アーム補強部281bがアーム28bの裏面に折り返された状態において、透孔16f及び透孔16hに貫通している。
【0057】
接続部20は、略コの字状に形成されている(
図5参照)。接続部20のコの字の両側面内側には、それぞれ、透孔16j,16kが設けられており、接続部20のコの字の両側面外側には、それぞれ、透孔16m,16nが設けられている(
図5、
図6参照)。透孔16j,16kには、それぞれ、取付部材8a,8bが左右方向に沿って取り付けられる。透孔16m,16nには、それぞれ、取付部材8c,8dが左右方向に沿って取り付けられる。接続部20は、取付部材8a,8b及び取付部材8c,8dを回動軸として、それぞれ、取付部材8a,8bを通過する軸芯β周り及び取付部材8c,8dを通過する軸芯γ周りに回動可能となっている。軸芯γは、取付部材8c,8dの取付方向、すなわち、左右方向に沿っている。シールド1が接続部20を介して帯状体2に取り付けられていることから、接続部20を軸芯β又は軸芯γ周りに回動させることにより、シールド1が帯状体2に対して昇降動可能となっている。
【0058】
実施形態2における帯状体2の中央部には、さらに、使用者Pが指で摘まむことが可能な摘みタブ29が下方に向かって突設されている(
図6参照)。
【0059】
実施形態2において、アーム28a,28bの基端側には、それぞれ、帯状体2の幅方向に沿う第2山折り線24が設けられている(
図6参照)。第2山折り線24に沿って帯状体2が山折りされることにより、アーム28a,28bが使用者Pの前方を向いた状態に維持されることから、アーム28a,28bの位置の安定化が図られる。
【0060】
次に、実施形態2におけるマウスシールドAに基づいて、遮蔽手段と、支持手段と、遷移手段と、について、詳述する。
【0061】
<遮蔽手段>
実施形態2において、遮蔽手段は、シールド1によって、次のように実現される。
シールド1は、帯状体2の前方に位置しており、使用者Pの口のサイズよりも十分大きく設定されている(
図7参照)。
【0062】
シールド1は、シールド1の軸芯β周りの回動及び接続部20の軸芯β,γ周りの回動のうち一方あるいは両方によって、帯状体2に対して昇降動可能となっている。シールド1の昇降動によって、帯状体2に対するシールド1の上下位置が調整される。帯状体2が使用者Pの頸部周りに装着された状態において、帯状体2に対するシールド1の上下位置が調整されることにより、シールド1が使用者Pの口の前方に位置している状態となる(
図7参照)。このようなシールド1が使用者Pの口の前方に位置していることにより、使用者Pの口からの飛沫が遮蔽される。
【0063】
<支持手段>
実施形態2において、支持手段は、帯状体2及び接続部20によって、次のように実現される。
【0064】
実施形態2における帯状体2は、実施形態1における帯状体2と同様に、環状体2aを形成可能な略短冊状の板片からなるものである(
図5参照)。また、帯状体2は、使用者Pの頸部周りに着脱可能に装着される(
図7、
図8参照)。
【0065】
さらに、帯状体2のアーム28a,28bの先端には、シールド1が接続部20及び取付部材8a〜8dを介して取り付けられている。すなわち、帯状体2は、遮蔽手段であるシールド1を支持するものである。
【0066】
<遷移手段>
実施形態2において、遷移手段は、遮蔽手段であるシールド1を支持手段に対して昇降動させるものであり、接続部20及び取付部材8a〜8dによって、次のように実現される。
なお、取付部材8a,8bは、請求項に記載の「第1回動軸部」に相当するものであり、取付部材8c,8dは、請求項に記載の「第2回動軸部」に相当するものである。
【0067】
実施形態2における遮蔽状態とは、帯状体2に対するシールド1の上下位置が調整されることにより、シールド1が使用者Pの口の前方に位置しているとともに、使用者Pの口の前方において使用者Pの口からの飛沫を遮蔽している状態を指す(
図7参照)。
【0068】
シールド1は、取付部材8a,8bを回動軸とするシールド1の回動及び取付部材8a,8b及び取付部材8c,8dを回動軸とする接続部20の回動のうち一方あるいは両方によって、帯状体2に対して昇降動可能となっている。シールド1が遮蔽状態から下方向に移動されると、シールド1は、使用者Pの口の前方に位置している状態から、使用者Pの胸部に近接している状態となる(
図8参照)。使用者Pの胸部に近接している状態のシールド1は、使用者Pの口の前方位置から遠ざかっている。本実施形態における退避状態とは、シールド1が使用者Pの胸部に近接している状態を指す(
図8参照)。
【0069】
帯状体2に対するシールド1が再び上方向に移動されると、シールド1は、使用者Pの胸部に近接している退避状態から、使用者Pの口の前方に位置している遮蔽状態に回帰する。
【0070】
なお、使用者Pがシールド1を帯状体2に対して昇降動させる際に、使用者Pが帯状体2の摘みタブ29を指で摘まむことにより、シールドの昇降動に伴う帯状体2の移動が制限されることから、シールド1を滑らかに昇降動させることが可能となる。
【0071】
上記の実施形態及び実施例はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態及び実施例のみにより解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0072】
上記の実施形態では、シールド及び帯状体は紙製であるが、これに限らず、両者が共に合成樹脂製であってもよく、また、いずれか一方が紙製で他方が合成樹脂製であってもよい。さらに、シールド及び/又は帯状体は、紙製の基体の表面に合成樹脂被膜や金属被膜を設けたものであってもよい。また、シールド及び/又は帯状体は、その材質に拘らず、表面に抗菌処理を施したものであってもよい。
【解決手段】使用者Pの口の前方に位置して該口からの飛沫を遮蔽する遮蔽手段と、使用者Pの頸部周りに着脱可能に装着され、遮蔽手段を支持する支持手段と、遮蔽手段を、使用者Pの口の前方位置において飛沫を遮蔽する遮蔽状態と使用者Pの口の前方位置から退避した退避状態との間で遷移させる遷移手段と、を備えたことを特徴とするマウスシールドA。