(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記切り欠き部は、上記バックガードの左右方向における一方の端部側且つ後方側に向かうにつれて上記距離が短くなる第1の多段形状部と、上記バックガードの左右方向における他方の端部側且つ後方側に向かうにつれて上記距離が短くなる第2の多段形状部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の洗面化粧台。
上面視において、上記段部は、上記バックガードが固定される位置にある状態で上記壁面と平行となるように形成される平行部と、該平行部と連続的に形成され且つ前後方向において上記平行部とは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗面化粧台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、一般的にはパネル本体の材質として樹脂を用いていたが、近年、洗面台の扉や洗面化粧台が設置される空間の壁面との関係に合わせてパネル本体およびミラーキャビネットについても意匠選択を行いたいという要望がある。また、利便性向上のために、樹脂だけでなく、例えば鋼板のパネル本体の品揃えが欲しいという要望がある。このような要望に対応すべく、材質の異なる数種類のパネル本体を品揃えしようとすると、それぞれの材質ごとで強度や得意な加工などが異なるため、上述した位置決め構造を行うためには、それぞれの材質のパネル本体ごとに洗面台を準備する必要がある。具体的には、材質が異なることで差込部の適した厚みが異なるため、差込部の厚みに応じた洗面台が必要となる。このように、それぞれの材質のパネル本体ごとに洗面台を準備するとなると、例えばリフォーム等をきっかけに、洗面化粧台の設置後に使用者がパネル本体の材質の変更を希望した場合、パネル本体だけでなく、洗面台まで交換する必要がある。さらに、洗面台の種類が増えるため、在庫確保用の保管スペースを広くとることが必要となってしまうという問題がある。
また、このような問題を解決するために、1つの洗面台により複数の材質のパネル本体に対応するための手段として、パネル本体の差込部の厚みを材質によらず統一するために、別パーツを用いるという方法が考えられる。しかしながら、このような方法の場合、別パーツをパネル部材に取り付ける工程が増えるため、パネル本体の取り付けの手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、パネル本体の取り付けの手間を増やすことなく、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は、壁面に沿って設置される洗面化粧台であって、下方に向かって凹んだ凹状の洗面ボウル部と、洗面ボウル部の後端部に立設されたバックガードと、を有する洗面台と、洗面台の上部に設けられ、固定される位置にある状態で、バックガードの壁面側にオーバーラップするように下方にむけて突出する差込部を有するパネル本体と、を備え、バックガードは、固定される位置にある状態で、バックガードの後端部と壁面との間に差込部が差し込み可能な隙間が形成されるように前方に向かって凹んだ凹状の切り欠き部を有し、切り欠き部は、バックガードの後端部と壁面との間の隙間の距離が異なる複数の段部を有する。
【0007】
このように構成された本発明においては、切り欠き部は、バックガードの後端部と壁面との間の隙間の距離が異なる複数の段部を有するため、異なる材質のパネル本体を備える場合であっても、材質ごとに洗面台を準備する必要がない。すなわち、予め数種類の材質に備えて、切り欠き部の段部を複数形成しておくことにより、例えば、パネルの差込部の厚みが比較的に厚くなる材質の場合には、切り欠き部の段部のうちバッグガードと壁面との隙間が比較的に大きい段部に差込部を差し込むことでパネルの位置決めを行うことができる。一方、パネルの差込部の厚みが比較的に薄くなる材質の場合には、切り欠き部の段部のうちバッグガードと壁面との隙間が比較的に小さい段部に差込部を差し込むことでパネルの位置決めを行うことができる。よって、パネル本体の取り付けの手間を増やすことなく、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、切り欠き部は、バックガードの左右方向における一方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第1の多段形状部と、バックガードの左右方向における
他方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第2の多段形状部と、を有する。
【0009】
このように構成された本発明においては、切り欠き部は、バックガードの左右方向における一方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第1の多段形状部と、バックガードの左右方向における
他方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第2の多段形状部と、を有するため、パネル本体の差込部は、左右方向における第1の多段形状部と第2の多段形状部との間に配置することができる。そのため、パネル本体の前後方向の位置決めだけでなく、パネル本体の左右方向の位置決めも行うことができる。よって、パネル本体の取り付けの手間をさらに軽減しながらも、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、切り欠き部は、複数設けられており、複数の切り欠き部の少なくとも一部が、第1の多段形状部と、第2の多段形状部と、有する。
【0011】
このように構成された本発明においては、切り欠き部は、複数設けられており、複数の切り欠き部の少なくとも一部が、第1の多段形状部と、第2の多段形状部と、有するため、複数の切り欠きを設けた場合であっても、パネル本体の取り付けの手間をさらに軽減しながらも、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上面視において、段部は、バックガードが固定される位置にある状態で壁面と平行となるように形成される平行部と、平行部と連続的に形成され且つ前後方向において平行部とは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部と、を有する。
【0013】
このように構成された本発明においては、上面視において、段部は、バックガードが固定される位置にある状態で壁面と平行となるように形成される平行部と、平行部と連続的に形成され且つ前後方向において平行部とは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部と、を有するため、パネル本体の差込部をバックガード(切り欠き部)と壁面との隙間に挿入する際に、傾斜部に沿って差込部を誘導することができるため、傾斜部を設けていない場合に比べて、簡単に差込部を所定の位置に誘導することができるとともに、左右方向におけるパネル本体の位置決めを行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗面化粧台によれば、パネル本体の取り付けの手間を増やすことなく、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台を示す全体斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台を示す分解斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台の洗面台を示す上面図である。
図4は、
図3の点線A内の領域を拡大した拡大図である。
図5は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台の段部および差込部を示す後方斜め上方から視た部分斜視図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の洗面化粧台1は、洗面台10と、パネル本体30と、ミラーキャビネット40と、を備える。洗面化粧台1は、図示しない壁面に沿って設置される。ここで、本願明細書においては、ミラーキャビネット40を向いて洗面化粧台1の前に立つ使用者からみて上方を「上方」とし、下方を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とし、手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とする。
【0019】
洗面台10は、例えば床面に設置されるキャビネット部11と、下方に向かって凹んだ凹状の洗面ボウル部13と、ボウル部201の後端部に立設されたバックガード15と、を有する。ボウル部201とバックガード203とについては、一体成形するのが好ましいが、別々に成形したものを接続してもよい。
【0020】
図3乃至
図5に示すように、バックガード15は、切り欠き部20を有する。切り欠き部20は、バックガード15(洗面台10)が壁面に沿って設置された状態、言い換えるとバックガード15が固定される位置にある状態で、バックガード15の後端部と壁面との間に、後述するパネル本体30の差込部が差し込み可能な隙間が形成されるように前方に向かって凹んだ凹状に形成されている。
【0021】
切り欠き部20は、第1の段部21と、第2の段部22と、第3の段部23を有している。第1の段部21、第2の段部22、および第3の段部23は、互いにバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が異なっている。第1の段部21におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離a、第2の段部22におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離b、第3の段部23におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離cの順に、バックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が長くなっている。すなわち、バックガードの左右方向における一方の端部側(右側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている。
【0022】
図4及び
図5に示すように、第1の段部21は、上面視において、バックガード15が固定される位置にある状態で、壁面と平行となるように形成される平行部21aと、平行部21aと連続的に形成され且つ前後方向において平行部21aとは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部21bと、を有する。第2の段部22も第1の段部21と同様に、平行部22aと、傾斜部22bを有し、第3の段部23も第1の段部21及び第2の段部22と同様に、平行部23aと、傾斜部23bと、を有する。第2の段部22の傾斜部22aは、平行部22bと連続していない方の端部が第1の段部21の平行部21bと連続している。また、第3の段部の傾斜部23aは、平行部23bと連続していない方の端部が第2の段部22の平行部22bと連続している。なお、傾斜部21b、22b、23bは、直線形状ではなく、湾曲形状であってもよい。
【0023】
さらに、切り欠き部20は、
図4及び
図5に示す洗面台10の右側方だけでなく、左側方にも同様に第1の段部21、第2の段部22、および第3の段部23を有している。洗面台10の右側方に形成された複数の段部との相違点は、洗面台10の左側方に形成された複数の段部21、22、23は、バックガードの左右方向における一方の端部側(左側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている点である。すなわち、切り欠き部20は、洗面台10の右側方に設けられた第1の段部21、第2の段部22、および第3の段部23で構成される第1の多段形状部27と、洗面台10の左側方に設けられた第1の段部21、第2の段部22、および第3の段部23で構成される第1の多段形状部29と、を有する。
【0024】
図6は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台のパネル本体を示す正面図である。
図7は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台の部分断面図である。
【0025】
図6及び
図7に示すように、パネル本体30は、洗面台10の上部に設けられ、差込部33と、パネル部35と、を有する。パネル本体30は、鋼板である。
差込部33は、パネル部35の下端部に形成されており、パネル本体30が固定される位置にある状態で、バックガード15の壁面W側にオーバーラップするように下方にむけて突出するように形成されている。また、差込部33は、左右方向の延びた1つ突出形状となっている。
パネル部35は、上方部且つ左右端部のそれぞれにパネル本体30を壁面に固定するためのネジを挿入可能なネジ孔35を2つ有している。
【0026】
ミラーキャビネット40は、パネル本体30の上部に設けられる。ミラーキャビネット40は、例えば、パネル本体30を壁面に取り付けた後に、壁面に固定される。なお、ミラーキャビネット40は、パネル本体30と一体的に構成されていてもよい。
【0027】
図7及び
図8を用いて、洗面化粧台1のパネル本体30の取り付け方法について、説明する。
図8は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台のパネルの取り付け方法を示す前方斜め上方から視た部分斜視図である。ここで、
図8の2点鎖線は、差込部33を挿入する際の差込部33を示している。
【0028】
まず、洗面台10を壁面Wに沿って床面等に設置した後に、パネル本体30の差込部33をバックガード15と壁面Wとの隙間に挿入することで、パネル本体30の左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを行う。具体的には、
図7及び
図8に示すように、差込部33を第1の段部21に差し込む。このとき、差込部33は、第1の段部21の平行部21aの後方側(壁面側)且つ第1の段部21の傾斜部21bの中央側に位置するため、パネル本体30の左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを簡単に行うことができる。その後、パネル本体30のネジ孔35を介して、パネル本体30を壁面Wに固定する。このようにして、パネル本体30が壁面Wに取り付けられる。
【0029】
次に、
図9乃至
図11を参照して、パネル本体30とは別の材質のパネル本体30Aを用いた洗面化粧台1Aについて説明する。
図9は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台のパネル本体とは材質の異なるパネル本体を示す正面図である。
図10は、
図9に示すパネル本体を用いた洗面化粧台の部分断面図である。
なお、洗面台10は上述したものと同一であるため、説明を省略する。
【0030】
図9及び
図10に示すように、パネル本体30Aは、洗面台10の上部に設けられ、差込部33Aと、パネル部35Aと、を有する。パネル本体30Aは、樹脂である。
差込部33Aは、パネル部35Aの下端部に形成されており、パネル本体30Aが固定される位置にある状態で、バックガード15の壁面W側にオーバーラップするように下方にむけて突出するように形成されている。また、差込部33Aは、左右方向の延びた突出形状であり、パネル部31Aの下端部の左右それぞれに1つずつ形成されている。
パネル部35Aは、上方部且つ左右端部のそれぞれにパネル本体30を壁面に固定するためのネジを挿入可能なネジ孔35Aを2つ有している。
なお、パネル本体30Aは、ミラーキャビネット40と一体的に構成されていてもよい。
【0031】
図10及び
図11を用いて、洗面化粧台1Aのパネル本体30Aの取り付け方法について、説明する。
図11は、
図9に示すパネルの取り付け方法を示す前方斜め上方から視た部分斜視図である。ここで、
図11の2点鎖線は、差込部33Aを挿入する際の差込部33Aを示している。
【0032】
まず、洗面台10を壁面Wに沿って床面等に設置した後に、パネル本体30Aの差込部33Aをバックガード15と壁面Wとの隙間に挿入する。左側方側の差込部33Aも同様である。これにより、パネル本体30の左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを行う。具体的には、
図10及び
図11に示すように、差込部33Aを第2の段部22に差し込む。このとき、差込部33Aは、第2の段部22の平行部22aの後方側(壁面側)且つ第2の段部22の傾斜部22bの中央側に位置するため、パネル本体30Aの左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを簡単に行うことができる。その後、パネル本体30Aのネジ孔35Aを介して、パネル本体30Aを壁面Wに固定する。このようにして、パネル本体30Aが壁面Wに取り付けられる。
【0033】
次に、
図12乃至
図14を参照して、パネル本体30およびパネル本体31とは別の材質のパネル本体30Bを用いた洗面化粧台1Bについて説明する。
図12は、本発明の第1実施形態による洗面化粧台のパネル本体とは材質の異なるパネル本体を示す正面図である。
図13は、
図12に示すパネル本体を用いた洗面化粧台の部分断面図である。
なお、洗面台10は上述したものと同一であるため、説明を省略する。
【0034】
図12及び
図13に示すように、パネル本体30Bは、洗面台10の上部に設けられ、差込部33Bと、パネル部35Bと、を有する。パネル本体30Bは、木材である。
差込部33Bは、円筒形状に形成されており、パネル部35Bの下端部に形成された挿入孔32Bに差し込まれ固定されることで、パネル部35Bの下端から突出するように構成されている。差込部32Bは、パネル本体30Bが固定される位置にある状態で、バックガード15の壁面W側にオーバーラップするように下方にむけて突出するように形成されている。また、差込部33Bは、左右方向の延びた突出形状であり、パネル部31Bの下端部の左右それぞれに1つずつ形成されている。
パネル部35Bは、上方部且つ左右端部のそれぞれにパネル本体30を壁面に固定するためのネジを挿入可能なネジ孔35Bを2つ有している。
なお、パネル本体30Bは、ミラーキャビネット40と一体的に構成されていてもよい。
【0035】
図10及び
図11を用いて、洗面化粧台1Bのパネル本体30Bの取り付け方法について、説明する。
図14は、
図12に示すパネルの取り付け方法を示す前方斜め上方から視た部分斜視図である。
ある。ここで、
図14の2点鎖線は、差込部33Bを挿入する際の差込部33Bを示している。
【0036】
まず、洗面台10を壁面Wに沿って床面等に設置した後に、パネル本体30Bの差込部33Bをバックガード15と壁面Wとの隙間に挿入する。左側方側の差込部33Bも同様である。これにより、パネル本体30の左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを行う。具体的には、
図13及び
図14に示すように、差込部33Bを第3の段部23に差し込む。このとき、差込部33Bは、第3の段部23の平行部23aの後方側(壁面側)且つ第3の段部23の傾斜部23bの中央側に位置するため、パネル本体30Bの左右方向における位置決め及び前後方向における位置決めを簡単に行うことができる。その後、パネル本体30Bのネジ孔35Bを介して、パネル本体30Bを壁面Wに固定する。このようにして、パネル本体30Bが壁面Wに取り付けられる。
【0037】
次に、上述した本実施形態による洗面化粧台1、1A、1Bによる作用効果を説明する。
本実施形態による洗面化粧台1、1A、1Bによれば、このように構成された本発明においては、切り欠き部20は、バックガード15の後端部と壁面Wとの間の隙間の距離が異なる複数の段部21、22、23を有するため、異なる材質のパネル本体30、30A,30Bを備える場合であっても、材質ごとに洗面台を準備する必要がない。すなわち、予め数種類の材質(本実施形態では、3種類)に備えて、切り欠き部20の段部を複数形成しておくことにより、例えば、パネル本体の差込部の厚みが比較的に厚くなる材質の場合には、切り欠き部の段部のうちバッグガードと壁面との隙間が比較的に大きい段部に差込部を差し込むことでパネルの位置決めを行うことができる。一方、パネル本体の差込部の厚みが比較的に薄くなる材質の場合には、切り欠き部の段部のうちバッグガードと壁面との隙間が比較的に小さい段部に差込部を差し込むことでパネル本体の位置決めを行うことができる。よって、パネル本体30、30A、30Bの取り付けの手間を増やすことなく、1つの洗面台10により複数の材質のパネル本体30、30A、30Bに対応することができる。
【0038】
また、本実施形態による洗面化粧台1、1A、1Bによれば、切り欠き部20は、バックガード15の左右方向における一方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第1の多段形状部(洗面台10の左側方あるいは右側方に設けられた第1の段部21、第2の22、第3の23)と、左右方向における他方の端部側且つ後方側に向かうにつれて距離が短くなる第2の多段形状部(洗面台10の右側方あるいは左側方に設けられた第1の段部21、第2の22、第3の23)と、を有するため、パネル本体30、30A、30Bの差込部33、33A、33Bは、左右方向における第1の多段形状部と第2の多段形状部との間に配置することができる。そのため、パネル本体30、30A、30Bの前後方向の位置決めだけでなく、パネル本体30、30A、30Bの左右方向の位置決めも行うことができる。よって、パネル本体30、30A、30Bの取り付けの手間をさらに軽減しながらも、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる。
【0039】
ここで、傾斜部21b、22b、23bを設けずに差込部33、33A、33Bを所定の位置に誘導しやすいようにしようとすると、切り欠き部20の左右方向における幅を広く取る必要がある。しかし、そのような構成にすると、パネル本体30、30A、30Bが左右方向に位置ずれしやすくなってしまい、左右方向の位置決めが難しくなる。それに対し、本実施形態による洗面化粧台1、1A、1Bによれば、上面視において、段部21、22、23、は、バックガード15が固定される位置にある状態で壁面Wと平行となるように形成される平行部21a、22a、23aと、平行部と連続的に形成され且つ前後方向において平行部とは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部21b、22b、23bと、を有するため、パネル本体30、30A、30Bの差込部33、33A、33Bをバックガード15(切り欠き部20)と壁面Wとの隙間に挿入する際に、傾斜部21b、22b、23bに沿って差込部33、33A、33Bを誘導することができるため、傾斜部21b、22b、23bを設けていない場合に比べて、簡単に差込部33、33A、33Bを所定の位置に誘導することができるとともに、左右方向におけるパネル本体30、30A、30Bの位置決めを行うことができる。
なお、パネル本体は、鋼板、樹脂、木材以外の材質を用いてもよい。
【0040】
次に、
図15を参照して、本発明の第2実施形態による洗面台について説明する。
図15は、本発明の第2実施形態による洗面化粧台の洗面台を示す上面図である。
本実施形態のトイレ装置は、洗面台の切り欠き部を複数有している点が上述した第1実施形態の洗面台とは異なる。ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
図16は、
図15の点線B内の領域を拡大した拡大図である。
【0041】
図15に示すように、バックガード15は、右側方側に形成された切り欠き部20Aと、左側方側に形成された20A′と、を有する。切り欠き部20Aは、バックガード15(洗面台10)が壁面に沿って設置された状態、言い換えるとバックガード15が固定される位置にある状態で、バックガード15の後端部と壁面との間に、パネル本体の差込部が差し込み可能な隙間が形成されるように前方に向かって凹んだ凹状に形成されている。
【0042】
切り欠き部20Aは、第1の段部21Aと、第2の段部22Aと、第3の段部23A、第4の段部24Aと、第5の段部25Aと、第6の段部26Aを有している。第1の段部21Aと第6の段部26A、第2の段部23Aと第5の段部25A、第3の段部23Aと第4の段部24Aは、それぞれバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が等しくなるように形成されている。また、第1の段部21A(第6の段部26A)、第2の段部23A(第5の段部25A)、第3の段部23A(第4の段部24A)は、互いにバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が異なっている。第1の段部21(第6の段部26A)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離、第2の段部23(第5の段部25A)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離、第3の段部25(第4の段部24A)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離の順に、バックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が長くなっている。第1の段部21A、第2の段部23A、及び第3の段部23Aは、バックガード15の左右方向における一方の端部側(右側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている。第4の段部24A、第5の段部25A、及び第6の段部26Aは、バックガード15の左右方向における一方の端部側(左側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている。すなわち、切り欠き部20Aは、第1の段部21A、第2の段部22A、および第3の段部25で構成される第1の多段形状部と、第4の段部24A、第5の段部25A、及び第6の段部26で構成される第2の多段形状部と、を有し、互いに線対称となるように形成されている。
【0043】
切り欠き部20Bは、洗面台10の右側方だけでなく、左側方にも同様に第1の段部21A′と、第2の段部22A′と、第3の段部23A′、第4の段部24A′と、第5の段部25A′と、第6の段部26A′を有している。第1の段部21A′と第6の段部26A′、第2の段部23A′と第5の段部25A′、第3の段部23A′と第4の段部24A′は、それぞれバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が等しくなるように形成されている。また、第1の段部21A′(第6の段部26A′)、第2の段部23A′(第5の段部25A′)、第3の段部23A′(第4の段部24A′)は、互いにバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が異なっている。第1の段部21(第6の段部26A′)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離、第2の段部23(第5の段部25A′)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離、第3の段部25(第4の段部24A′)におけるバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離の順に、バックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が長くなっている。第1の段部21A′、第2の段部23A′、及び第3の段部23A′は、バックガード15の左右方向における一方の端部側(右側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている。第4の段部24A′、第5の段部25A′、及び第6の段部26A′は、バックガード15の左右方向における一方の端部側(左側方)且つ後方側に向かうにつれてバックガード15の後端部と壁面との間の隙間の距離が短くなっている。すなわち、切り欠き部20A′は、第1の段部21A′、第2の段部22A′、および第3の段部23A′で構成される第1の多段形状部と、第4の段部24A′、第5の段部25A′、及び第6の段部26A′で構成される第2の多段形状部と、を有し、互いに線対称となるように形成されている。
【0044】
上述の洗面台10Aの場合、パネル本体の差込部も2つ形成されることとなる。2つの差込部がそれぞれ切り欠き部20A、20′に差し込まれることによりパネル本体の前後方向および左右方向の位置決めが行われる。
なお、本実施形態では、第1の多段形状部と第2の多段形状部は、それぞれ2つずつ形成されているが、それに限らない。例えば、切り欠き部20Aは、第1の段部21A′、第2の段部22A′、および第3の段部23A′のみを有し、切り欠き部20A′は、第4の段部24A′、第5の段部25A′、及び第6の段部26A′のみを有していてもよい。複数の切り欠き部20A、20A′の少なくとも一部が第1の多段形状部と第2の多段形状部を形成していればよい。
【0045】
図15及び
図16に示すように、第1の段部21Aは、上面視において、バックガード15Aが固定される位置にある状態で、壁面と平行となるように形成される平行部21Aaと、平行部21Aaと連続的に形成され且つ前後方向において平行部21Aaとは重ならないように後方に向かって傾斜する傾斜部21Abと、を有する。第2の段部22Aも第1の段部21Aと同様に、平行部22Aaと、傾斜部22Abを有し、第3の段部23Aも同様に、平行部23Aaと、傾斜部23Abと、を有する。また、第4の段部24Aも同様に、平行部24Aaと、傾斜部24Abと、を有し、第5の段部25Aも同様に、平行部25Aaと、傾斜部25Abと、を有する。さらに、第6の段部26Aも同様に、平行部26Aaと、傾斜部26Abと、を有する。傾斜部22Aaは、平行部22Abと連続していない方の端部が平行部21Abと連続している。傾斜部23Aaは、平行部23Abと連続していない方の端部が平行部22Abと連続している。傾斜部24Aaは、平行部24Abと連続していない方の端部が平行部25Abと連続している。傾斜部25Aaは、平行部25Abと連続していない方の端部が平行部26Abと連続している。平行部23Abと平行部23Abは、同一線上に位置している。
なお、傾斜部21Ab、22Ab、23Ab、24Ab、25Ab、26Abは、直線形状ではなく、湾曲形状であってもよい。また、切り欠き部20A′も同様の構成であるため、説明を省略する。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態による洗面化粧台の作用を説明する。
本実施形態による洗面化粧台によれば、切り欠き部は、複数設けられており、複数の切り欠き部20A、20A′の少なくとも一部が、第1の多段形状部と、第2の多段形状部と、有するため、複数の切り欠き部を設けた場合であっても、パネル本体の取り付けの手間をさらに軽減しながらも、1つの洗面台により複数の材質のパネルに対応することができる
【0047】
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、切り欠き部20の切り欠き部20やパネル本体30などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。