(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
開示の実施形態において、「発信元」とは、メッセージを伝達させようとする主体であり、あらゆる組織、個人、又は個人の群であり得る。典型的には、発信元とは別に、発信元を顧客として有しメッセージの発信を発信元から請け負う主体があり、当該主体がメッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法、又はメッセージ伝達シナリオ生成プログラム(以下、単に「メッセージ伝達シナリオ生成装置等」ということがある。)を用いる。しかしながら、これに限られず、発信元自体を含むどのような主体がメッセージ伝達シナリオ生成装置等を用いてもよい。
【0022】
開示の実施形態において、メッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法、又はメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、生成されたメッセージ伝達シナリオに少なくとも部分的に従って、意図された受取人(以下、単に「受取人」ということがある。)にメッセージを伝達させるようにしてもよく、メッセージ伝達シナリオの生成に留めてもよい。メッセージ伝達シナリオ生成装置等がメッセージを伝達させるようにする場合、典型的には、通信事業者等の装置又は人員を介して、意図された受取人に宛てたメッセージの送信等、メッセージ伝達のためのプロセスが遂行される。しかしながら、メッセージ伝達シナリオ生成装置等が、直接メッセージ伝達のためのプロセスを遂行する機能を備えていてもよい。ここで、「通信事業者等」とは、メッセージ伝達のためのプロセスを遂行することができる主体を指し、典型的には、受取人の通信端末と通信網を介して接続された装置を有する通信事業者である。「通信事業者等」の一例は、移動体通信におけるキャリア(移動体通信事業者:MNO(Mobile Network Operator))である。また、このキャリアの通信回線を利用するMVNO(Mobile Virtual Network Operator)も「通信事業者等」の一例である。そのほか、ソーシャル・メディアを運営する事業者、ソーシャル・メディアなどに付随して提供されるメッセージング・サービスを営む事業者、通信端末及びOSあるいはアプリケーション・プログラムを提供し、OSあるいはアプリケーション・プログラムの一機能としてメッセージング・サービスを営む事業者、並びに、チャットボットのようなサービスを運営する事業者も、ここでいう「通信事業者等」の例である。「通信事業者等」にはまた、メッセージ伝達がデジタル通信によらない在来のメッセージ伝達である場合において、電話、郵便、チラシ頒布、及び訪問等を通じてメッセージ伝達のためのプロセスを遂行する主体が含まれる。
【0023】
<実施形態の概要>
開示の実施形態において、メッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法を実施するコンピュータ、又はメッセージ伝達シナリオ生成プログラムによる処理を実行するコンピュータは、発信元からメッセージを含む情報を受け取り、前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得し、前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定し、学習済みモデルに対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する。
【0024】
開示の実施形態の基礎となった考え方は、伝達チャンネル及び伝達タイミングに関し、それぞれ多様な選択肢の中から、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性がより高いと推定される選択肢を選定し、選定された伝達チャンネル及び伝達タイミングをもってメッセージを送るという考え方である。
【0025】
そのうえで、伝達チャンネル及び伝達タイミングをどのように選定するかに関して、開示の実施形態は、次の知見に基づいている。すなわち、意図された受取人にメッセージを送る場合に、そのメッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性、具体的には、例えば当該メッセージが当該受取人に読まれる(適当な場合には、そのうえで、メッセージに関して期待される更なる行動を受取人が起こす)可能性が、相対的に高くなる、伝達チャンネル及び伝達タイミングは、受取人に係る状況とともに、メッセージの内容に係る「メッセージ種別」によって異なる、という知見である。このことはまた、メッセージ種別及び受取人に関する情報と、メッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングとの間には、相関関係が存在する、という知見につながる。この知見に照らせば、機械学習技術を用いることにより、メッセージ種別及び受取人に関する情報に基づいて、メッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定することが可能になる。上記「メッセージ種別」は、メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいて特定される種別であって、メッセージの内容に基づく種別、メッセージを受取人に送る目的を示す種別、メッセージの想定する受取人の類型を示す種別等を含み得る。
【0026】
ここで、メッセージ種別ではなく、メッセージの内容そのもの、及び受取人に関する情報に基づいて、メッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定することも考えられる。しかしながら、メッセージの内容自体は多種多様であるうえ、場合によっては、メッセージの特徴がメッセージの内容自体には必ずしも明確に表現されないこともある。そこで、メッセージの特徴を反映したメッセージ種別を用い、かかるメッセージ種別及び受取人に関する情報に基づいて、メッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定することにより、その推定の精度を高めることが可能になる。
【0027】
上記知見を支持する事項として、まず「受取人に係る状況」について考える。意図された受取人にメッセージを送る場合に、そのメッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングは、受取人に係る状況によって異なることは、次のとおりである。
【0028】
伝達チャンネルと意図された受取人に係る状況との関係に関しては、例えば、意図された受取人が保有する通信端末で利用可能な伝達チャンネルが何か、意図された受取人がいずれの伝達チャンネルのメッセージに対してより頻繁に応答する傾向にあるか、など受取人に係る種々の状況によって、伝達チャンネルのいずれの選択肢が当該受取人に適しているかは影響を受ける。
【0029】
伝達タイミングと意図された受取人に係る状況との関係に関しては、次のとおりである。例えば、メッセージが製品に関連する宣伝である場合において、意図された受取人が勤務時間中にメッセージ通信で当該メッセージを受け取っても、その場では当該メッセージは開封されず、開封が後回しにされる結果、未読のままとなってしまう可能性が十分考えられる。これに対し、意図された受取人が、休日の、自宅にいる間にそのようなメッセージを受け取った場合には、一般に、開封され読まれる可能性が高くなるであろう。そして、上記した勤務時間は、意図された受取人により異なるし、電子メールを一日のうちのある特定の時間帯にまとめて読む傾向があるかないか、当該傾向がある場合にそれがいつの時間帯か、といった、伝達タイミングに影響を及ぼし得る行動上の傾向も、意図された受取人によって異なる。
【0030】
以上のとおり、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングは、受取人に係る状況によって異なる。
【0031】
次に、上記知見をさらに支持する事項として、「メッセージ種別」について考える。意図された受取人にメッセージを送る場合に、そのメッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングは、「受取人に係る状況」とともに「メッセージ種別」によって異なることを示す例として、次のようなものがある。
【0032】
例えば、伝達タイミングを複数の段階で構成する場合に該当する、次の場面を考える。すなわち、メッセージが災害関連の避難情報である場合であって、その災害が、ある地域を数日後に襲う可能性がある水害であるときを想定する。この場面において、後に実際に水害が発生する可能性がより高まった段階では、例えば避難を勧告する、別途のメッセージ伝達を行うことを前提に、第一段階のメッセージ伝達として、当該地域の住民の避難場所を事前に周知する、地図付きのメッセージを該当する地域の住民に送る。したがって、メッセージの内容に基づくメッセージ種別は、災害関連であって、特に予想発生時の数日前の水害に関連したメッセージ、といえる。当該場面において、受取人が、防災情報を伝達する目的を有したアプリケーション・プログラムのユーザであって、当該プログラムを頻繁に利用している履歴を有している場合には、災害関連であるメッセージ種別に照らせば、伝達チャンネルの最も有力な選択肢は当該プログラムであり得る。この場合、学習済みモデルは、メッセージ種別及び受取人に関する情報の入力に応じて、伝達チャンネルとして当該プログラムを選択し得る。その特定の受取人の利用履歴がわからなかったとしても、学習済みモデルは、ユニバーサルな学習済みデータに基づいた推定を行うことが可能である。例えば、一般に当該プログラムのユーザは当該プログラムを頻繁に利用する傾向にあるならば、学習済みモデルは、メッセージ種別が災害関連である場合における、当該受取人に限らない様々な者への過去のメッセージ送出に対するメッセージ開封率に関する学習済みデータを用い、当該受取人が当該プログラムのユーザであるという情報に基づいて、メッセージが効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネルとして、当該プログラムを選択する。そして、伝達タイミングについては、災害関連であるメッセージ種別に照らし、上記第一段階のメッセージ伝達では、即時のメッセージ発出が選択される。第二段階のメッセージ伝達のタイミングとしては、実際に水害が発生する危険性が高まり、特定の警告が発せられたタイミングが計画される。
【0033】
これに対し、メッセージ種別が、製品に関する宣伝である場合には、メッセージが受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングは、大きく異なり得る。ここで、受取人が、特定のソーシャル・メディアの頻繁なユーザであって、そのソーシャル・メディアを通じて当該製品の製造元からのメッセージを受信できるよう登録をしているならば、伝達チャンネルの最も有力な選択肢は、そのソーシャル・メディアであり得る。この場合、学習済みモデルは、メッセージ種別及び受取人に関する情報の入力に応じて、伝達チャンネルとして当該ソーシャル・メディアを選択し得る。他方、受取人が、RCSメッセージに対する高い開封率の履歴を有しており、当該製品の製造元からのRCSメッセージを受信できるようにしているならば、伝達チャンネルの最も有力な選択肢は、RCSであり得る。(なお、受取人のRCSメッセージに対する開封率の履歴が利用可能でなかったとしても、RCSメッセージは、携帯電話への直接配信が可能であり、ポップアップ画面への受信通知も可能であって、受取人の目に触れやすいことを考慮すれば、受取人が当該製品の製造元からのRCSメッセージを受信できるようにしているならば、RCSは伝達チャンネルの有力選択肢たり得る。) この場合、学習済みモデルは、メッセージ種別及び受取人に関する情報の入力に応じて、伝達チャンネルとしてRCSを選択し得る。伝達タイミングについては、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合、一般に、受取人が、休日の、自宅にいる間にメッセージを受け取った場合に、開封され読まれる可能性が相対的に高くなると考えられる。当該受取人が実際にその傾向を有している場合、学習済みモデルは、メッセージ種別及び受取人に関する情報の入力に応じて、伝達タイミングとして当該受取人の休日であって自宅にいるタイミングを選択し得る。すなわち、当該受取人が使用する携帯端末の位置情報が分析可能とされており、実際に、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合に、(当該受取人にとっての休日である)土曜日又は日曜日であって、当該受取人が使用する携帯端末が自宅に位置するときにメッセージが送信されると、メッセージの開封率が高い傾向にあるならば、そのような開封率が高くなる特定の機会が、伝達タイミングの最も有力な選択肢として選択される。たとえ、当該受取人が使用する携帯端末の位置情報が分析可能な状態とされておらず、また、蓄積されている当該受取人に関する情報からは、当該受取人にとっての休日がいつであるかを推定できなかったとしても、学習済みモデルは、ユニバーサルな学習済みデータに基づいた推定を行うことが可能である。すなわち、学習済みモデルは、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合における、当該受取人に限らない様々な者への過去のメッセージ送出に対するメッセージ開封率に関する学習済みデータに基づいて、メッセージが効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達タイミングを出力し得る。
【0034】
以上のとおり、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングは、受取人に係る状況とともに「メッセージ種別」によって異なり、かかる伝達チャンネル及び伝達タイミングと、メッセージ種別及び受取人に関する情報との間には、相関関係が存在する。
【0035】
上記の知見に基づいて構成された開示の実施形態によれば、伝達チャンネル及び伝達タイミングが、メッセージの内容に関連する情報である「メッセージ種別」、及び、意図された受取人に係る状況を表す「受取人に関する情報」に応じて、学習済みモデルを通じ、最適に選定され得る。そのため、例えばメッセージが当該受取人に読まれる(適当な場合には、そのうえで、メッセージに関して期待される更なる行動を受取人が起こす)可能性を、最大限高め得る。
【0036】
これに対し、前記先行技術は、「背景技術」に記載のとおり、通信仕様(通信チャンネル及び送信タイミングを含む。)に関する複数の選択肢のうち、目標とする成果を達成するうえで最も成功すると予測される選択肢を特定することを目指すものであるが、目標とする成果を考慮した通信チャンネル及び送信タイミングの特定を、受取人となる特定のユーザに送信されるコンテンツに応じて行うものではない。したがって、前記先行技術は、通信チャンネル及び送信タイミングをそれぞれの選択肢から選択して特定するに際し、目標とする成果を達成するうえで最も成功すると予測される選択肢が、受取人に送られるコンテンツないしメッセージの特徴、例えばメッセージの内容上の特徴により異なり得ることを考慮した最適化を行うものではない。
【0037】
<機能ブロック図>
図1は、実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100が有する構成を示す、機能ブロック図である。
当該装置は、発信元である発信元サーバ102からメッセージを含む情報を受け取るメッセージ受取部104を有する。当該メッセージ受取部104は、発信元サーバ102から、メッセージのほかに、意図された受取人を特定する情報、さらには、例えば、メッセージ種別に関連する情報、学習済みモデルに対して入力する情報(「他の入力情報」として後述する種々の情報を含む。)、並びに伝達チャンネル及び/又は伝達タイミングに関するバイアスを示す情報を受け取り得る。意図された受取人を特定する情報は、当該受取人を間接的に特定する情報、例えば受取人のアドレスであってもよく、かかるアドレスは、受取人の電話番号又は電話番号に準ずるアドレスであってよい。なお、実施形態の当該装置において、メッセージ受取部104が発信元サーバ102から意図された受取人を特定する情報を受け取ることは必須ではない。例えば、当該装置の内部に、意図された受取人の群に関する情報が保持されており、メッセージ受取部104は発信元サーバ102から、個別の意図された受取人を特定する情報を受け取ることなく、意図された受取人の群の指定のみを受け取るなど、当該装置は他の態様を有していてよい。
【0038】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100はまた、メッセージの意図された受取人に関する情報を取得する受取人情報取得部106、及び、メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定するメッセージ種別特定部108を有する。
当該装置はさらに、学習済みモデル114に対する、メッセージ種別特定部108において特定されたメッセージ種別、及び、受取人情報取得部106が取得した受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、メッセージを受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するメッセージ伝達シナリオ生成部112を備える。ここで、当該メッセージ伝達シナリオ生成部112は、メッセージ種別及び受取人に関する情報以外の情報(「他の入力情報」として後述する種々の情報を含む。)も学習済みモデル114に対して入力されるように、構成されていてもよい。その場合、それら「他の入力情報」をなす情報のうち、一部はメッセージ受取部104を介して発信元サーバ102から取得され得(例:メッセージを伝達する費用に関する情報、発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報)、一部は通信事業者等サーバ120から取得され得る(例:受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報)。
【0039】
図示した実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100では、前記受取人に関する情報は、受取人情報取得部106から個人に関する情報を格納した個人情報データベース118へのアクセスにより、取得される。その際、個人情報データベース118へのアクセスは、例えば、メッセージ受取部104が発信元サーバ102から受け取る、意図された受取人を特定する情報に基づいて、実行される。個人情報データベース118は、メッセージ伝達シナリオ生成装置100が備えていてもよいし、当該装置は備えておらず、当該装置の外部にあってもよい。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100は、メッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部110をさらに有し、前記メッセージ種別特定部108は、そのメッセージ種別関連情報格納部110にアクセスすることにより、メッセージ種別を特定する。当該メッセージ種別関連情報格納部110には、メッセージ種別に関連する情報として、実施形態により、メッセージ種別特定用キーワード、あるいは、学習済みデータを含む情報が、格納されている。
【0040】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100は、メッセージ伝達シナリオ生成部112により出力される伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を記録する、メッセージ伝達シナリオ記録データベース116をさらに備えていてもよい。当該データベース116に伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報の記録を行うことにより、過去の出力履歴の情報を蓄積していくことができる。さらに、当該装置は、かかる記録を行うことにより、伝達タイミングが2以上の段階で構成される場合において、前の段階における出力の内容を参照することが可能になる。すなわち、後の段階でのメッセージ発出にあたってメッセージ伝達シナリオの更新のため、学習済みモデルに対する情報の入力が改めて行われるときに、当該装置は、前の段階における出力の内容(伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報)を参照し、その内容も入力として活用することができる。
【0041】
既述のとおり、メッセージ伝達シナリオ生成装置は、生成されたメッセージ伝達シナリオに従って、意図された受取人にメッセージを伝達させるようにしてもよく、メッセージ伝達シナリオの生成に留めてもよい。メッセージ伝達シナリオ生成装置100がメッセージを伝達させるようにする場合、通信事業者等の装置である通信事業者等サーバ120に必要な情報を供給することにより、意図された受取人に宛てたメッセージの送信等、メッセージ伝達のためのプロセスが遂行されるようにすることができる。また、メッセージ伝達シナリオ生成装置100は、生成されたメッセージ伝達シナリオを発信元サーバ102に、回答ないし報告の形で送ることができる。
【0042】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置100の各々の部分の機能については、本明細書における以下の説明により、さらに明らかになる。
以下の説明において、基本的に、「他の出力情報」の項目までの説明は、メッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法、及びメッセージ伝達シナリオ生成プログラムに共通する説明である。メッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法、又はメッセージ伝達シナリオ生成プログラムを、総称的に「メッセージ伝達シナリオ生成装置等」ということがある。
【0043】
<伝達チャンネル>
開示の実施形態において、伝達チャンネルの具体例は、SMS、MMS、RCS、電子メール、ソーシャル・メディア、アプリケーション・プログラム上での通知、チャットボット、電話、郵便、チラシ頒布、及び訪問である。メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、それら伝達チャンネルのうちの少なくとも1つを選択して出力するようにしてよい。
メッセージが災害関連の避難情報の場合を例に説明したように、伝達タイミングを複数の段階で構成する場合があり得るが、そのような場合には、伝達タイミングごとに、伝達チャンネルの群から少なくとも1つが選択されるようにしてよい。
【0044】
<伝達タイミング>
開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオにおいて、あるメッセージ又はメッセージの組み合わせを伝達する伝達タイミングは、1又は複数の段階で構成され得る。メッセージは、1のメッセージ、又は複数の段階で構成される伝達タイミングごとに用意されたメッセージの組み合わせであってよい。
【0045】
開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、伝達タイミングの特定を、種々の態様で行い得る。具体的には、各段階のタイミングは、例えば、次の態様又はそれら態様の組み合わせにより特定され得る。すなわち、日による特定、曜日による特定、平日か否かの別の特定、時刻による特定、一日の中の時間帯による特定、即時か否かの特定、時間範囲による特定、所定の時間範囲内におけるランダムな時刻であることによる特定、所定のイベントに関連した特定、前記受取人の行為の有無に関連した特定、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関連した特定、前記受取人が使用する端末の通信状態に関連した特定、及び前記受取人に関する情報に関連した特定である。
【0046】
<受取人に関する情報>
開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオにおいて、メッセージの意図された受取人は、1名でも複数名でもあり得る。例えば、メッセージが企業又は公的組織からの一斉送信の対象である場合には、意図された受取人は多数に上り得る。
したがって、意図された受取人に関する情報は、1名又は複数名の受取人を特定する情報を含み得る。
意図された受取人に関する情報としては、意図された受取人の応答に影響を与え得る種々の事項に関する情報、特に、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得る種々の情報を含ませることができる。
【0047】
意図された受取人に関する情報は、当該受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報を含み得る。
【0048】
ここで、かかる応答状況に関する情報としては、例えば、次の情報又はそれら情報の組み合わせがあり得る。すなわち、メッセージの開封に関する情報、メッセージ内の部分のクリック又はタップに関する情報、メッセージに応答したウェブページへのアクセスに関する情報、メッセージに応答したアプリケーション・プログラムの起動に関する情報、メッセージに応答したチャット・セッションの開始に関する情報、メッセージに応答した情報の提供に関する情報、メッセージに応答した登録に関する情報、メッセージに応答した本人認証に関する情報、メッセージに応答した購買に関する情報、メッセージに応答したサービスの利用に関する情報、メッセージに応答した情報取扱いについての同意に関する情報、メッセージに応答した金銭の支払いに関する情報、メッセージに関連した照会に関する情報、メッセージの受取りの拒否に関する情報、電話への応答に関する情報、郵便物への応答に関する情報、及び訪問への応対に関する情報、並びに応答の頻度に関する情報である。
こうした応答状況に関する情報は、例えば、いかなる伝達チャンネル及び伝達タイミングで伝達されたメッセージ送出に対する応答状況であるかがわかるよう、応答状況に関連付けられた、伝達チャンネルに関する情報及び伝達タイミングに関する情報の少なくともいずれかを含むようにしてよい。
【0049】
応答状況に関する情報は、メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージに対する応答状況に関する情報を含んでいてよい。そのような、メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージは、例えば、伝達タイミングが2以上の段階で構成される場合における、以前の段階で送出されたメッセージであり得る。送出しようとしているメッセージに関連する過去のメッセージに対する応答状況は、送出しようとしているメッセージへの応答状況と高い相関を有し得、したがって、意図された受取人に関する情報の一部として、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得る。
【0050】
意図された受取人に関する情報は、当該受取人への過去のメッセージ送出に対する応答であるか否かによらない、受取人の行動の履歴に関する情報を含み得る。具体的には、そのような受取人の行動の履歴に関する情報は、情報取扱いについての同意の履歴、本人認証の履歴、購買の履歴、ウェブページの閲覧の履歴、及びサービスの利用の履歴の少なくとも1つに関する情報を含み得る。こうした受取人の行動の履歴は、送出しようとしているメッセージへの応答状況と相関し得る。例えば、意図された受取人が、メッセージの発信元である企業に対し、ある伝達チャンネルに係る情報取扱いについて、同意をした履歴があるならば、その伝達チャンネルを通じた当該発信元からのメッセージの伝達に対し、当該受取人は高い開封率を示し得る。したがって、情報取扱いについての同意の履歴は、意図された受取人に関する情報の一部として、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得る。他の具体例についても、同様である。
【0051】
意図された受取人に関する情報は、当該受取人の属性に関する情報を含み得る。具体的には、受取人の属性に関する情報は、保有端末、保有端末で利用可能な伝達チャンネル、利用アプリケーション、生年月日、住所、勤務地、勤務時間、趣味、嗜好、家族構成、契約に係る状況、前記メッセージに関連する金銭に係る状況、及び行動の履歴に係る特徴の少なくとも1つに関する情報を含み得る。例えば、保有端末が何であるかは、その端末で頻繁に利用される傾向がある伝達チャンネルと相関し得る。保有端末で利用可能な伝達チャンネル、利用アプリケーション、あるいは受取人の生年月日から判明する世代といった情報も、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネルを推定するうえでの有用な入力情報となり得る。住所あるいは勤務地は、例えば当該受取人が使用する携帯端末の位置情報と組み合わされ、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得る。
【0052】
意図された受取人に関する情報は、匿名化された又は部分的に匿名化された情報を含み得る。そのような匿名化された又は部分的に匿名化された情報は、発信元から提供された、匿名化された情報、部分的に匿名化された情報、又は匿名化されていない情報から構成され得る。匿名化された又は部分的に匿名化された情報は、例えば、氏名、あるいは、生年月日、住所、及び勤務地といった個人の特定あるいは絞り込みにつながり得る情報を欠くようにすることができる。
また、意図された受取人に関する情報は、暗号化された又は部分的に暗号化された情報を含み得る。例えば、発信元から提供される意図された受取人に関する情報について、提供前又は提供後に、暗号処理技術による暗号処理が施されるようにすることができる。これにより、メッセージ伝達シナリオ生成装置等では、暗号化された状態で情報の利用を行うことができる。なお、暗号処理は、意図された受取人に関する情報に対してのみならず、学習済みモデルに用いる諸データ(例:教師データ)を含む、メッセージ伝達シナリオ生成装置等で用いるあらゆる情報について施されるようにすることができる。
このように、匿名化された状態及び/又は暗号化された状態で上記の情報を取り扱うことで、多くの個人情報をセキュアーに管理しつつ、上記の情報を有効に利用することが可能となる。このようにすることで、実施形態の機能をより高めることができる。
【0053】
開示の実施形態において、意図された受取人に関する情報は、個人に関する情報を格納した個人情報データベースへのアクセスにより取得されるようにすることができる。メッセージ伝達シナリオ生成装置においては、意図された受取人に関する情報は、受取人情報取得部から個人情報データベースへのアクセスにより取得されるようにすることができる。メッセージ伝達シナリオ生成装置における個人情報データベースへのアクセスにあたっては、まずメッセージ受取部が発信元から意図された受取人を特定する情報を受け取り、個人情報データベースへのアクセスが当該受取人を特定する情報に基づいて実行されるようにしてもよい。
【0054】
<学習済みモデル>
開示の実施形態においては、学習済みモデルに対する、メッセージ種別及び意図された受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、当該メッセージを当該受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報の出力がなされる。
その学習済みモデルには、例えば、ニューラルネットワークを用いることができる。
学習に関し、学習済みモデルは、人工知能分野における公知の機械学習の手法を用いて、構成することができる。
【0055】
例えば、機械学習の手法として、教師あり学習の手法を採用してもよい。
一実施形態において、学習済みモデルは、メッセージ種別及び意図された受取人に関する情報を含む情報が入力された際に、当該メッセージを当該受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施されている。
ここで、その教師データは、当該受取人に関する情報及び当該受取人以外の者に関する情報の少なくともいずれかを含む。すなわち、教師データは、当該受取人に関する情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
学習済みモデルは、当該受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報及び当該受取人以外の者への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて学習が行われていてよい。
【0056】
教師あり学習の手法を採用する場合において、教師データを、例えば、次のようにして用意することができる。すなわち、あるメッセージ種別のメッセージが、ある受取人に、ある伝達チャンネル及び伝達タイミングで送られたところ、当該メッセージに関して目標とする応答状況、例えば、当該メッセージが当該受取人に開封されて読まれた、あるいはそのうえで、当該メッセージに関して期待される更なる行動が受取人により起こされたといった応答状況が実現したならば、正解に該当する場合として扱い、当該メッセージ種別、及び、当該受取人に関する情報、並びに、当該伝達チャンネル、及び、当該伝達タイミングを、教師データ(の少なくとも一部)として、教師あり学習のために用いることができる。
【0057】
機械学習の手法としては、教師あり学習の手法に限られず、例えば、強化学習の手法を採用してもよい。その場合、メッセージ送出に対する応答状況に評価値が所定の基準で自動的に付与されるようにし、その評価値を報酬として学習する強化学習が行われるようにしてよい。その評価値としては、例えば、メッセージの未開封に対して「0」、メッセージの開封に対して「1」、メッセージに応答したウェブページへのアクセスに対して「2」、メッセージに応答した購買又はサービスの利用に対して「5」、メッセージに応答した受取人の登録に対して「10」といった値が自動的に付与されるようにすることができる。
【0058】
<メッセージ種別の特定>
開示の実施形態において、メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定する。
【0059】
ここで、メッセージ種別は、発信元から受け取るメッセージ種別関連の情報に少なくとも部分的に基づいて特定がなされるようにしてもよい。
そのために、メッセージ伝達シナリオ生成装置にあっては、メッセージ受取部が発信元からメッセージ種別に関連する情報を受け取り、メッセージ種別特定部が、そのメッセージ種別に関連する情報に少なくとも部分的に基づいてメッセージ種別を特定するようにすることができる。
【0060】
例えば、メッセージ種別については、分類の形で、あらかじめ選択肢が系統立てて用意されていてもよい。その場合に、分類は、階層構造を有していてもよい。例示的に、メッセージ種別の分類において、「災害関連」という大分類のもとに、「水害関連」という中分類が「地震関連」などと並列して置かれ、「水害関連」のもとに「予想発生時の数日前」という小分類が「W1警報発出直後」などと並列して設けられていてもよい。
メッセージ種別について、分類の形であらかじめ選択肢が用意されていなくてもよい。その場合、発信元が自由にメッセージ種別を指定できるようにしてもよい。
【0061】
メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、発信元がメッセージ種別に関連する情報を入力することができるよう、発信元にメッセージ種別の選択肢を(マンマシンインターフェースとしては、例えば、階層化されたドロップダウン・メニューの形態で)提供するようにしてよい。
【0062】
一実施形態によれば、メッセージ種別は、メッセージから抽出した抽出文字列が、用意されたメッセージ種別特定用キーワード(キーワードの組み合わせを含み得る。)を含むか否かを判定することによって、特定がなされるようにしてもよい。例えば、あるメッセージが「避難」(evacuation)、「住民」(residents)、「洪水」(flood)、「雨」(rain)、「予報」(forecast)、及び「通知」(notice)等のキーワードを含む場合には、当該メッセージは「災害関連」かつ「水害関連」の種別に該当するメッセージであると判断され得る。
メッセージ伝達シナリオ生成装置にあっては、当該装置がメッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部を有し、メッセージ種別特定部は、当該メッセージ種別関連情報格納部にアクセスすることにより、メッセージ種別を特定するように構成することができる。この場合、当該メッセージ種別に関連する情報は、メッセージ種別特定用キーワードを含み、メッセージ種別特定部は、メッセージから抽出した抽出文字列がメッセージ種別特定用キーワードを含むか否かを判定してメッセージ種別を特定する。
【0063】
別な一実施形態によれば、メッセージ種別は、機械学習技術を用い、メッセージ及び学習済みデータを含む情報に基づいて、特定がなされるようにしてもよい。
そのために、メッセージ伝達シナリオ生成装置にあっては、先ほどと同様、当該装置がメッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部を有し、メッセージ種別特定部は、当該メッセージ種別関連情報格納部にアクセスすることにより、メッセージ種別を特定するように構成することができる。この場合、当該メッセージ種別に関連する情報は、学習済みデータを含み、メッセージ種別特定部は、メッセージ及び学習済みデータを含む情報に基づいてメッセージ種別を特定する。
【0064】
メッセージ種別の特定のための具体的手法としては、例えば、ナイーブベイズ(Naïve Bayes)法を用いることができる。あるいは、ニューラルネットワークに対して、多数のメッセージにメッセージ種別を付与した教師データを用いた機械学習処理を施すことにより、学習済みデータを構成し、入力されたメッセージ及び当該学習済みデータを含む情報に基づいてメッセージ種別を特定することができるようにしてもよい。
【0065】
<バイアスによる調整>
開示の実施形態において、メッセージを意図された受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングとしては、学習済みモデルから出力された伝達チャンネル及び伝達タイミングに対し発信元の選好に応じた調整を行ったものが出力されるようにしてもよい。
そのために、メッセージ伝達シナリオ生成装置にあっては、メッセージ受取部は、発信元から伝達チャンネル及び伝達タイミングの少なくとも一方に関するバイアスを示す情報を受け取り、メッセージ伝達シナリオ生成部は、当該バイアスに応じて少なくとも部分的に調整された伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するように構成することができる。
【0066】
伝達チャンネルについていえば、伝達チャンネルの具体的な選択肢(例えば、SMS、RCS、電子メール、ソーシャル・メディア、及びアプリケーション・プログラム上での通知)の各々について、学習済みモデルからの出力に対して、より当該選択肢が選択される向きのバイアスを掛けるか、バイアスを掛けないか、より当該選択肢が選択されない向きのバイアスを掛けるかを、「+5」から「0」を経て「−5」までのバイアス数値スケール上、発信元が連続的に選択し得るようにすることができる。その態様によれば、例えば、SMSについてのバイアス数値スケールが「0」、RCSについて「+4」、電子メールについて「−1」であれば、学習済みモデルからの出力に対して、SMSについてはバイアスを掛けない一方、RCSについては選択される向きのバイアスが相当に強く掛けられ、電子メールについては選択されない向きのバイアスが弱く掛けられ、そのようなバイアスに応じて調整された伝達チャンネルが出力されることになる。
【0067】
伝達タイミングについていえば、伝達タイミングの具体的な選択肢(例えば、平日か否かの別及び一日の中の時間帯による特定に関し、平日の午後7時から午後9時の時間帯など)の各々について、学習済みモデルからの出力に対して、より当該選択肢が選択される向きのバイアスを掛けるか、バイアスを掛けないか、より当該選択肢が選択されない向きのバイアスを掛けるかを、「+5」から「0」を経て「−5」までのバイアス数値スケール上、発信元が連続的に選択し得るようにすることができる。その態様によれば、伝達チャンネルについて記したのと類似の、バイアスに応じた調整がなされた伝達タイミングが出力されることになる。
【0068】
<メッセージ種別の具体例>
前記「実施形態の概要」の項目においても説明したメッセージ種別としては、様々なものがあり得るが、例えば、メッセージ種別を用意しておく際に、あるいは、メッセージ種別の特定のために機械学習技術を用いる場合であって、メッセージ種別を付与した教師データを用いた機械学習処理を行う際に、どのようなメッセージ種別の具体例が使用され得るかについて、さらに説明する。メッセージ種別としては、意図された受取人の応答に影響を与え得る種々の種別、特に、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得る種々の種別を含ませることができる。
【0069】
メッセージ種別は、メッセージを意図された受取人に送る目的を示す種別を含むことができる。
ここで、「受取人に送る目的」は、受取人からの要請に応じること、意図された受取人を含む受取人の群に情報を周知すること、受取人に定期的に情報を提供すること、受取人に依頼をすること、受取人に要求を行うこと、受取人に予告をすること、及び受取人に宣伝を行うことの少なくとも1つを含み得る。
【0070】
例えば、「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージ(例:意図された受取人が先に行った要請(照会を含む。)に応じて情報を提供するためのメッセージ)の送出の場合、そのメッセージは、当該受取人が受取りを期待しているメッセージであるといえる。よって、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、メッセージが受取人により開封され読まれる可能性が非常に高い。それゆえ、携帯電話への直接配信が可能であり、ポップアップ画面への受信通知も可能であって、受取人の目に触れやすい、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、高い開封率を期待でき、さらには、必要に応じメッセージに掲げたリンクからウェブページへの誘導も高い確率で達成し得る、好適な伝達チャンネルということになる。伝達タイミングについては、当該メッセージが受取人により期待されているメッセージであるため、メッセージが準備され次第、即時の発出が、高い開封率を期待できる、好適な伝達タイミングということになる。
【0071】
このように、開示の実施形態によれば、意図された受取人に関する情報のみならず、メッセージ種別を学習済みモデルに対する入力とすることによって、伝達チャンネル及び伝達タイミングが、最適に選定され得る。そのため、メッセージが当該受取人に読まれ、あるいは、そのうえで、メッセージに関して期待される更なる行動を受取人が起こす可能性を、最大限高め得る。上記の「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの例のような場合、メッセージの特徴をなす当該目的の存在が、メッセージの内容自体には必ずしも明確に表現されないこともあり得るが、「受取人からの要請に応じる」目的を示すメッセージ種別を用いることにより、かかるメッセージの特徴が、学習済みモデルの入力情報に的確に反映される。このように、メッセージ種別及び受取人に関する情報に基づいて、メッセージが当該受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定することにより、その推定の精度を、メッセージの内容そのものを学習済みモデルの入力とする場合と比べても、より高めることが可能になる。
【0072】
ここでは、メッセージ種別が、メッセージを意図された受取人に送る目的を示す種別を含む態様に関して、「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの場合を例に詳しく説明したが、本明細書において挙げる、メッセージ種別の他の具体例も、意図された受取人の応答に影響を与え得る種別であって、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得るものである。
【0073】
メッセージ種別は、メッセージの想定する受取人の類型を示す種別を含むことができる。
ここで、「受取人の類型」は、発信元の顧客、発信元の潜在的顧客、特定の組織の構成員、認証手続を行うべき者、同意を行うべき者、特定の製品又はサービスの利用者、特定の製品又はサービスの潜在的利用者、定期的に情報の提供を受ける者、利益又は便益の提供を受ける者、金銭の支払いの督促を受ける者、配達先、訪問作業先、調査への回答の依頼を受ける者、及び特定の地域の住民の少なくとも1つを含み得る。
【0074】
例えば、想定する受取人の類型が「発信元の顧客」であるメッセージの送出の場合において、過去に同一の発信元からのメッセージに対して応答が行われた履歴が、受取人に関する情報から得られるときには、その応答が行われた際の伝達チャンネル及び伝達タイミングでメッセージを送出することにより、応答の可能性を特に高めることができる。
【0075】
また、例えば、想定する受取人の類型が「配達先」あるいは「訪問作業先」であるメッセージの送出の場合においては、当該メッセージは、受取人が受けることになる配達あるいは訪問作業というサービスについてのメッセージであるため、前記した「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの送出の場合と同様、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、メッセージが受取人により開封され読まれる可能性が高い。それゆえ、携帯電話への直接配信が可能であり、ポップアップ画面への受信通知も可能であって、受取人の目に触れやすい、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、好適な伝達チャンネルということになる。伝達タイミングについては、メッセージが準備され次第、即時の発出が、高い開封率を期待できる、好適な伝達タイミングということになる。
【0076】
メッセージ種別は、メッセージの内容に基づく種別を含むことができる。
さらに具体的には、メッセージ種別は、次の少なくとも1つを含むことができる。すなわち、メッセージが災害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが健康に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが意図された受取人の評価に関連するメッセージであることを示す種別、メッセージが製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが製品又はサービスに関連する案内又は宣伝を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが認証手続に関連するメッセージであることを示す種別、メッセージが認証手続に関連するメッセージであって受取人に対して要求する認証手続の形態に関するメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人に関係する情報の取扱いについて受取人が同意するか否かの問い合わせを含むメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人に関係する情報であって受取人又は受取人に関係する情報の取扱いについて同意を与える立場にある主体が取扱いについて同意を与えている情報に関するメッセージであることを示す種別、メッセージが利益又は便益の提供に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人にサービスの提供の停止に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、メッセージが受取人に対する配達又は訪問作業に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、及びメッセージが調査への回答を依頼するメッセージであることを示す種別、である。
【0077】
例えば、メッセージが「災害に関連する通知」を行うメッセージである場合の例については、前記「実施形態の概要」の項目において説明した。
【0078】
また、例えば、メッセージが「健康に関連する通知」を行うメッセージである場合、あるいは、「受取人の評価に関連するメッセージ」である場合においては、当該メッセージは、受取人の利害にかかわる、一般に受取人の関心が高いメッセージであるため、前記した「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの送出の場合と同様、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、メッセージが受取人により開封され読まれる可能性が高い。それゆえ、携帯電話への直接配信が可能であり、ポップアップ画面への受信通知も可能であって、受取人の目に触れやすい、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、好適な伝達チャンネルたり得る。なお、個人情報の授受にあたっては、当該メッセージからセキュリティ水準の高いウェブサイトへ受取人を誘導したうえで行うなど、必要に応じた適切な措置が講じられ得る。
【0079】
ただし、メッセージが、「健康に関連する通知」であって、比較的複雑な内容を有する検診に関する通知であり、その検診の期間の終了時期は2か月後であるといったような場合には、メッセージの伝達に求められる確実性の水準が高い一方、メッセージの送出に求められる即時性の水準は高くない。このような場合、開示の実施形態においては、メッセージのそれらの特徴を反映した、より細分化されたメッセージ種別に基づいて、又は、学習済みモデルに対して入力される他の情報、具体的には、後述する「発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報」のうち「メッセージの送出に求められる即時性」及び「メッセージの伝達に求められる確実性」の観点からの評価にも基づいて、伝達チャンネルとして、上記したSMS若しくはRCS又はアプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知の代わりに、あるいは、併せて、郵便が選択され得る。その場合、伝達タイミングとしては、検診の期間の開始時期より、郵送期間及び関連する手続期間以上前の時期が、選択される。
【0080】
メッセージが「製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知」を行うメッセージである場合にも、当該メッセージは、受取人の利害にかかわる、一般に受取人の関心が高いメッセージであるため、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、受取人により開封され読まれる可能性が高い。よって、メッセージが「健康に関連する通知」を行うメッセージである場合と同様、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、好適な伝達チャンネルたり得る。ただし、かかるメッセージは、「製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知」であることから、比較的複雑で、伝達に正確を期す必要がある内容を有する通知であり得る。そうすると、メッセージの伝達に求められる確実性の水準が高く、また、メッセージの送出に求められる即時性の水準も高いということがあり得る。この場合、開示の実施形態においては、学習済みモデルに対して入力される他の情報、具体的には、後述する「発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報」のうち「メッセージの送出に求められる即時性」及び「メッセージの伝達に求められる確実性」の観点からの評価にも基づいて、伝達タイミングを2段階とすることが選択されるとともに、第二段階では、伝達の確実を期すため、伝達チャンネルとして郵便が選択され得る。すなわち、開示の実施形態においては、即時のタイミングで行われる伝達の第一段階には、製品又はサービスの問題又は障害に関する速報の伝達のため、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知が伝達チャンネルとして選択され、伝達の第二段階には、製品又はサービスの問題又は障害に関する詳報の確実な伝達のため、郵便が伝達チャンネルとして選択され得る。
【0081】
メッセージが「認証手続に関連するメッセージ」である場合について考えると、「認証手続」は、典型的には、情報技術を利用したサービスを受けようとする者が自身を登録する際の本人確認プロセスにおいて、発生する。この場合、受取人には、早く認証手続を完了させ、サービス登録を終えて、サービスの利用を開始したい、という強い動機が存在する。このため、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、メッセージが受取人により開封され読まれる可能性が高い。それゆえ、前記した「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの送出の場合と同様、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、好適な伝達チャンネルたり得る。伝達タイミングについては、即時の発出が、高い開封率を期待できる、好適な伝達タイミングということになる。なお、好適な伝達チャンネルは、「受取人に対して要求する認証手続の形態」によって変化する可能性もあるため、メッセージ種別として、かかる認証手続の形態を反映した種別を設けてもよい。
【0082】
メッセージが「同意」に関係するものである場合について考える。具体例は、メッセージが「受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージ」である場合、メッセージが「受取人に関係する情報の取扱いについて受取人が同意するか否かの問い合わせを含むメッセージ」である場合、及び、メッセージが「受取人に関係する情報であって受取人又は受取人に関係する情報の取扱いについて同意を与える立場にある主体が取扱いについて同意を与えている情報に関するメッセージ」である場合である。このような「同意」に関係するメッセージは、典型的には、サービスの利用を開始しようとする者又はサービスを利用している者の、サービスの利用の開始又は利用の継続に関する、メッセージである。この場合、受取人には、「同意」に係る手続を完了させ、サービスの利用を開始又は継続したい、という強い動機が存在する。このため、そのメッセージが当該受取人の目に触れれば、メッセージが受取人により開封され読まれる可能性が高い。それゆえ、前記した「受取人からの要請に応じる」目的を有したメッセージの送出の場合と同様、SMS又はRCS、あるいは、アプリケーション・プログラム上でのプッシュ型の通知(当該受取人がそのアプリケーション・プログラムをインストールしている場合)が、好適な伝達チャンネルたり得る。伝達タイミングについては、即時の発出が、高い開封率を期待できる、好適な伝達タイミングということになる。
【0083】
メッセージが「利益又は便益の提供に関連する通知を行うメッセージ」である場合、メッセージが「受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージ」である場合、及び、メッセージが「受取人にサービスの提供の停止に関する連絡を行うメッセージ」である場合について考える。それらのメッセージは、既述した、メッセージが「健康に関連する通知」あるいは「製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知」を行うメッセージである場合と同様、受取人の利害にかかわるメッセージであるため、それらのメッセージが当該受取人の目に触れれば、受取人により開封され読まれる可能性が高い。そして、かかるメッセージは、比較的複雑で、伝達に正確を期す必要がある内容を有する可能性がある。そうすると、ここで考えている場合においては、伝達チャンネル及び伝達タイミングの選択に関して、既述した、メッセージが「健康に関連する通知」あるいは「製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知」を行うメッセージである場合と同様の状況が存在する。したがって、ここで考えている場合に対応するメッセージ種別も、意図された受取人の応答に影響を与え得る種別であって、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得るものである。
【0084】
<学習済みモデルに対する他の入力情報>
開示の実施形態において、学習済みモデルには、メッセージ種別及び受取人に関する情報以外の情報も入力され得る。そのような、いわば「他の入力情報」としては、意図された受取人の応答に影響を与え得る情報であって、メッセージが意図された受取人に効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネル及び伝達タイミングを推定するうえでの有用な入力情報となり得るものを用いることができる。
【0085】
具体的には、学習済みモデルに対して入力される情報に、次の少なくとも1つを含ませることができる。すなわち、メッセージの全部又は一部、伝達タイミングの段階数、受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報、受取人が使用する端末の通信状態に関する情報、受取人の通信を管理するプラットフォームからの情報、メッセージ中の情報の形態であってテキスト、画像、動画、音、及び訪問者による発話の少なくとも1つを含む形態に関する情報、受取人がメッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様であって目で読むことによる認識、目で視認することによる認識、受取人に向けた一方向の音声を聞くことによる認識、端末を通じて対話することによる認識、及び対面又は電話で対話することによる認識の少なくとも1つを含む態様に関する情報、メッセージを伝達する費用に関する情報、メッセージに対する受取人の応答状況の確認方法に関する情報、並びに発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報である。
【0086】
ここで、「メッセージの重み付けに関する情報」は、メッセージの送出に求められる即時性、受取人がメッセージに応じて行動することの緊急性、メッセージの内容の重要性、及びメッセージの伝達に求められる確実性の少なくとも1つの観点からの評価を含み得る。
【0087】
上記の具体例について、更に説明する。
メッセージに関し、メッセージ種別に加えて、メッセージ自体、すなわち「メッセージの全部又は一部」も学習済みモデルに対して入力するようにしてもよい。それにより、入力情報としてのメッセージ種別を補完する情報を提供することができる。
「伝達タイミングの段階数」に関しては、発信元が段階数を指定し得るようにすることができる。それにより、発信元が意図するメッセージ伝達の段階数に応じた段階数の伝達をメッセージ伝達シナリオが有するように、伝達タイミングが出力される。
【0088】
「受取人の通信を管理するプラットフォームからの情報」は、意図された受取人が、その所属する組織が提供する、通信を管理するプラットフォームを使用して、業務上、メッセージ通信を行っているような場合に、伝達チャンネルを選定するうえで、有用な情報である。例えば、意図された受取人が勤務する企業が、通信を管理するプラットフォームを提供し、そのプラットフォームを使用することを条件に、従業者(意図された受取人を含む。)が業務上の情報を、特定のメッセージ通信のアプリケーション・プログラムを通じて送受信することを認める、という事情があり得る。このような場合、当該プラットフォームが対象とするメッセージ通信は、伝達チャンネルの適切な選択の候補となり得る。
【0089】
「メッセージ中の情報の形態であってテキスト、画像、動画、音、及び訪問者による発話の少なくとも1つを含む形態に関する情報」は、伝達チャンネルを選択するうえでの有用な入力情報となり得る。例えば、メッセージ中に動画が含まれる場合、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージに動画を含ませることができないSMSあるいは郵便といった伝達チャンネルではなく、メッセージに動画を含めることができるRCS等の伝達チャンネルを選択する。また、メッセージ中の情報の形態は、受取人に関する情報を構成する履歴情報となり得る情報としても有用である。例えば、受取人によっては、動画を含むメッセージに対し、良好な応答状況を示す傾向を有し得る。その場合、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージに動画を含めることができないSMSあるいは郵便といった伝達チャンネルより、メッセージに動画を含めることができるRCS等の伝達チャンネルを優先して選択するとともに、発信元から受け取ったメッセージに動画が含まれていない場合には、後述する「メッセージ中の情報の形態に関する推奨」として、動画の使用を推奨することができる。
【0090】
「受取人がメッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様」も、伝達チャンネルを選択するうえでの有用な入力情報となり得る。「メッセージ中の情報」は、特にメッセージ種別に係る情報を含む。かかる態様としては、例示的に、「目で読むことによる認識」を含む態様、「目で視認することによる認識」を含む態様、「受取人に向けた一方向の音声を聞くことによる認識」を含む態様、「端末を通じて対話することによる認識」を含む態様、及び「対面又は電話で対話することによる認識」を含む態様がある。例えば、「受取人がメッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様」が「端末を通じて対話することによる認識」を含む場合には、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、伝達チャンネルとしてチャットボットの選択の優先順位を高める。また、メッセージ中の情報の形態は、受取人に関する情報を構成する履歴情報となり得る情報としても有用である。情報認識の態様によって、受取人にとっての、メッセージ内容の理解のしやすさは変化し得るためである。例えば、意図された受取人が、「目で視認することによる認識」を含む態様のメッセージに対し、良好な応答状況を示す傾向を有するならば、当該受取人については、視覚的に訴求するメッセージを、伝達チャンネルとして例えばRCSを選択して送ることが、効果的であり得る。意図された受取人が、「端末を通じて対話することによる認識」を含む態様のメッセージに対し、良好な応答状況を示す傾向を有するならば、当該受取人については、伝達チャンネルとして例えばチャットボットを通じたメッセージ伝達が、効果的であり得る。
【0091】
「メッセージを伝達する費用」に関しては、例えば発信元が許容できるメッセージ伝達の費用が厳しい制約のもとにある場合、その情報が学習済みモデルに入力されることにより、伝達チャンネルに、送料として相応の費用を要する郵便が選択される可能性が減じられる。
【0092】
「発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報」は、上記のとおり、メッセージの送出に求められる「即時性」、受取人がメッセージに応じて行動することの「緊急性」、メッセージの内容の「重要性」、及びメッセージの伝達に求められる「確実性」の少なくとも1つの観点からの評価を含み得る。「発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報」が伝達チャンネル及び伝達タイミングを選択するうえでの有用な入力情報となり得る点については、メッセージが「健康に関連する通知」である場合及び「製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知」である場合について、既述した。
【0093】
ここでは、上記の「即時性」、「緊急性」、「重要性」、及び「確実性」について更に説明するため、「実施形態の概要」の項目において用いた例である、「メッセージが災害関連の避難情報である場合であって、その災害が、ある地域を数日後に襲う可能性がある水害であるとき」を再び取り上げる。このとき、避難の必要性についての予告あるいは避難場所等の避難情報を対象地域の住民に可能な限り迅速に伝達することが望まれるため、メッセージの送出に求められる「即時性」の水準は高い。他方、受取人がメッセージに応じて行動することの「緊急性」については、水害は数日後に当該地域を襲う可能性があるという状態であることから、当該「緊急性」の水準は、最も高い水準ではなく、比較的高い水準である。メッセージの内容の「重要性」については、メッセージの内容が人命に関わる事項であるため、その「重要性」の水準は高い。メッセージの伝達に求められる「確実性」は、比較的高いという水準である。このような「即時性」、「緊急性」、「重要性」、及び「確実性」についての情報は、学習済みモデルに対する入力情報として、伝達チャンネル及び伝達タイミングの選択に有用である。本例の場合、伝達チャンネルは、即時にメッセージを送出できる伝達チャンネルでなければならないが、「緊急性」が最も高い水準ではないため、伝達チャンネルは、必ずしも携帯端末に直接メッセージを送出するものでなくてもよく、「確実性」の観点から、一定量の情報の伝達が可能である伝達チャンネルが選択され得る。これに対し、実際に水害の警報が発出された段階では、「緊急性」の水準が最も高い水準に上昇し、例えば、SMSのような携帯端末に直接メッセージを送出することができる通信、あるいは、防災情報を伝達する目的を有したアプリケーション・プログラム上の通知が、伝達チャンネルとして選択され得る。
【0094】
<他の出力情報>
開示の実施形態において、メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、伝達チャンネル及び伝達タイミング以外の情報も出力し得る。そのような、いわば「他の出力情報」としては、メッセージ中の情報の形態に関する推奨が含まれ得る。かかる「メッセージ中の情報の形態に関する推奨」は、テキストの書式に関する推奨、画像の使用に関する推奨、動画の使用に関する推奨、音の使用に関する推奨、及び訪問者による発話の使用に関する推奨の少なくとも1つを含み得る。
【0095】
既述のとおり、例えば、受取人によっては、動画を含むメッセージに対し、良好な応答状況を示す傾向を有し得る。そのような場合、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、学習済みモデルに対する入力となる「受取人に関する情報」に含まれる「受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報」に基づき、当該受取人について、伝達チャンネルの選択に関する優先順位を変化させるとともに、「メッセージ中の情報の形態に関する推奨」を行うことができる。例えば、メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージに動画を含めることができないSMSあるいは郵便といった伝達チャンネルより、メッセージに動画を含めることができるRCS等の伝達チャンネルを優先して選択するとともに、発信元から受け取ったメッセージに動画が含まれていない場合には、「メッセージ中の情報の形態に関する推奨」として、動画の使用を推奨することができる。その際、過去に用いられたことがある動画など、特定の動画の使用を推奨することも行い得る。
【0096】
<処理の概要>
図2は、メッセージ伝達シナリオ生成プログラムの一実施形態における処理S200の例の概要を示すフローチャートである。
本明細書及び図面に開示された動作フローの各ステップは、矛盾のない限り順番を入れ換えて実行されてもよい。また、複数のステップが同時に実行されてもよい。各ステップは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。また各ステップの一部は、オペレーティングシステムあるいはハードウェアにより実現されてもよい。
【0097】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ステップS202において、発信元からメッセージを含む情報を受け取る処理をコンピュータに実行させる。なお、以下の説明において、「処理をコンピュータに実行させる」との文言は、適宜省略する。
ステップS204では、実施形態のプログラムは、前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得する。
ステップS206では、前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定する。
ステップS208では、学習済みモデルに対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する。
実施形態のプログラムは、ステップS210において、前記受取人に宛てた前記メッセージの発信のための処理をコンピュータに実行させる。
実施形態のプログラムは、ステップS212において、出力された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を記録する処理をコンピュータに実行させる。この処理は、前記メッセージ伝達シナリオ記録データベース116への記録により実施することができる。
以上で、処理は終了する。
【0098】
<メッセージを含む情報を受け取る処理>
図3は、前記ステップS202における、発信元からメッセージを含む情報を受け取る処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS300)を示すフローチャートである。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ステップS302において、発信元からメッセージを受け取る。
【0099】
ステップS304では、発信元(
図1における参照番号102)から、意図された受取人を特定する情報を受け取る。意図された受取人を特定する情報は、当該受取人を間接的に特定する情報、例えば受取人のアドレスであってよく、かかるアドレスは、受取人の電話番号又は電話番号に準ずるアドレスであってよい。なお、実施形態のプログラムにおいて、発信元から意図された受取人を特定する情報を受け取ることは必須ではない。例えば、当該プログラムが処理を行わせるコンピュータに、意図された受取人の群に関する情報が保持されており、当該コンピュータは発信元から、個別の意図された受取人を特定する情報を受け取ることなく、意図された受取人の群の指定のみを受け取るなど、当該プログラムは他の態様を有していてよい。
続くステップS306、S308、及びS310では、それぞれ、メッセージ種別に関連する情報、学習済みモデルに対して入力する情報(「他の入力情報」として既述した種々の情報を含む。)、及び伝達チャンネル及び/又は伝達タイミングに関するバイアスを示す情報を、発信元から受け取り得る。実施形態のプログラムにおいて、発信元からこれらの情報を受け取ることは必須ではない。
以上で、サブルーチンであるS300の処理は終了する。
【0100】
<受取人に関する情報を取得する処理>
図4は、前記ステップS204における、意図された受取人に関する情報を取得する処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS400)を示すフローチャートである。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ステップS402において、個人に関する情報を格納した個人情報データベース(
図1における参照番号118)へのアクセスを行う。その際、個人情報データベースへのアクセスは、例えば、S304において発信元から受け取った、意図された受取人を特定する情報に基づいて、実行される。個人情報データベースは、当該プログラムが処理を行わせるコンピュータが備えていてもよいし、当該コンピュータは備えておらず、当該コンピュータの外部にあってもよい。
ステップS404では、S402でアクセスした個人情報データベースより、意図された受取人に関する情報を取得する。
以上で、サブルーチンであるS400の処理は終了する。
【0101】
<メッセージ種別を特定する処理>
図5A及び
図5Bからなる
図5は、前記ステップS206における、メッセージ種別を特定する処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS500A及びS500B)を示すフローチャートである。
図5Aに示すS500A及び
図5Bに示すS500Bは、それぞれ異なる実施形態に対応する。
【0102】
図5Aに示す実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ステップS502において、先にS302にて発信元から受け取ったメッセージから文字列を抽出する。
ステップS504では、メッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部(
図1における参照番号110)へのアクセスを行う。
図5Aに示す実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、当該メッセージ種別関連情報格納部に格納されている、メッセージ種別に関連する情報としての、メッセージ種別特定用キーワードを利用する。
続くステップS506では、S502にてメッセージから抽出された抽出文字列が、用意された前記メッセージ種別特定用キーワード(キーワードの組み合わせを含み得る。)を含むか否かの判定に基づき、メッセージ種別の特定を行う。
かかる判定に基づくメッセージ種別の特定の一例は、前記「メッセージ種別の特定」の項目にて説明したとおりである。
以上で、サブルーチンであるS500Aの処理は終了する。
【0103】
図5Bに示す実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、機械学習技術を用い、メッセージ及び学習済みデータを含む情報に基づいて、メッセージ種別を特定する。
当該実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ステップS512において、メッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部(
図1における参照番号110)へのアクセスを行う。この実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、当該メッセージ種別関連情報格納部に格納されている、メッセージ種別に関連する情報としての、学習済みデータを利用する。
続くステップS514では、先にS302にて発信元から受け取ったメッセージ及び前記学習済みデータを含む情報に基づき、メッセージ種別の特定を行う。
かかるメッセージ種別の特定のための具体的手法の例は、前記「メッセージ種別の特定」の項目にて説明したとおりである。
以上で、サブルーチンであるS500Bの処理は終了する。
【0104】
なお、サブルーチンS300のステップS306において、メッセージ伝達シナリオ生成プログラムがメッセージ種別に関連する情報を発信元から受け取った場合には、当該情報に少なくとも部分的に基づいて、メッセージ種別を特定することもできる。
【0105】
<伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する処理>
図6は、前記ステップS208における、メッセージを意図された受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS600)を示すフローチャートである。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、学習済みモデル(
図1における参照番号114)に対して入力する、メッセージ種別及び受取人に関する情報以外の情報(「他の入力情報」として既述した種々の情報を含む。)があれば、ステップS602において、当該情報を取得する。その場合、それら「他の入力情報」をなす情報のうち、一部は発信元サーバ(
図1における参照番号102)から取得され得(例:メッセージを伝達する費用に関する情報、発信元又は受取人にとってのメッセージの重み付けに関する情報)、一部は通信事業者等サーバ(
図1における参照番号120)から取得され得る(例:受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報)。
【0106】
ステップS604では、学習済みモデルに対する、メッセージ種別及び意図された受取人に関する情報を含む情報の入力が行われる。当該入力情報は、前のステップS602においてメッセージ種別及び受取人に関する情報以外の情報が取得された場合には、当該情報を含み得る。学習済みモデルについては、前記「学習済みモデル」の項目にて説明したとおりである。
ステップS606では、メッセージを意図された受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングの出力がなされる。
なお、サブルーチンS300のステップS310において、メッセージ伝達シナリオ生成プログラムが伝達チャンネル及び/又は伝達タイミングに関するバイアスを示す情報を発信元から受け取った場合には、プログラムは、ステップS606において、当該バイアスに応じて少なくとも部分的に調整された伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するように構成することができる。かかる調整は、具体的には、前記「バイアスによる調整」の項目にて説明したとおりである。
【0107】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成プログラムにあっては、ステップS608において、伝達チャンネル及び伝達タイミング以外の出力情報として、メッセージ中の情報の形態に関する推奨の出力を行う。かかる「メッセージ中の情報の形態に関する推奨」は、テキストの書式に関する推奨、画像の使用に関する推奨、動画の使用に関する推奨、音の使用に関する推奨、及び訪問者による発話の使用に関する推奨の少なくとも1つを含み得る。推奨の態様の例は、前記「他の出力情報」の項目にて説明したとおりである。
以上で、サブルーチンであるS600の処理は終了する。
【0108】
<メッセージ伝達シナリオの例>
図7は、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置、メッセージ伝達シナリオ生成方法、又はメッセージ伝達シナリオ生成プログラムにおいて、メッセージを受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を有する、生成されたメッセージ伝達シナリオの例を示す表である。
既述のとおり、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオにおいて、あるメッセージ又はメッセージの組み合わせを伝達する伝達タイミングは、1又は複数の段階で構成され得る。メッセージは、1のメッセージ、又は複数の段階で構成される伝達タイミングごとに用意されたメッセージの組み合わせであってよい。伝達タイミングが複数の段階で構成される場合であって、第二段階以降の伝達のためのメッセージが、第一段階の伝達に先立ってメッセージ伝達シナリオを生成する現時点で、用意されていないときには、かかる第二段階以降の伝達のためのメッセージを、空白、プレースホルダ、又は自動生成した暫定的なメッセージとした状態で、メッセージ伝達シナリオが生成されるようにしてもよい。その場合、第二段階以降の伝達のためのメッセージは、のちに用意され、その用意されたメッセージを入力情報としてメッセージ伝達シナリオが更新されるようにし得る。
図7は、伝達タイミングが複数の段階で構成されている例を含むが、伝達タイミングが1段階からなるように限定してもよい。
【0109】
図7は、メッセージ1(M1)からメッセージ6(M6)についてのメッセージ伝達シナリオを例示している。そのうち、メッセージ1については、異なる意図された受取人R11及びR12に対し異なるシナリオが生成されている。それぞれのメッセージについて、意図された受取人として多数の者が存在し得るが、同じメッセージでも異なる受取人に対しては一般に異なるシナリオが生成されることを、そのメッセージ1を用いて代表的に示している。
説明のための行番号の1及び2が、メッセージ1についてのメッセージ伝達シナリオを示しており、行番号1が受取人R11に対するシナリオであり、行番号2が受取人R12に対するシナリオである。以下、行番号3〜7が、それぞれメッセージ2〜6についてのメッセージ伝達シナリオを示している。
【0110】
メッセージ1について説明する。
メッセージ1に関する想定場面は、前記「実施形態の概要」において記載した想定場面の一つに対応する。具体的には、メッセージが災害関連の避難情報である場合であって、その災害が、ある地域を数日後に襲う可能性がある水害であるときを想定している。この場面において、後に実際に水害が発生する可能性がより高まった段階(例として、「W1警報」が発出された段階;第二段階)では、避難を勧告する、用意されている定型のメッセージを伝達することを前提に、第一段階のメッセージ伝達として、暴風雨の予報を知らせるとともに避難の必要性についての予告を行い、該当する地域の住民の避難場所を事前に周知する、地図とその説明付きのメッセージを当該地域の住民に送ることとしている。
【0111】
本例の場合、「メッセージ種別」は、例えば次のようになる。メッセージを受取人に送る目的を示す種別としては、例えば「受取人を含む受取人の群に情報を周知すること」が 該当し得る。メッセージの想定する受取人の類型を示す種別としては、例えば「特定の地域の住民」が該当し得る。メッセージの内容に基づく種別としては、例えば「災害に関連する通知」のうち「水害に関連する通知」であって、「地図情報付きの通知」であり、「災害予想発生時の数日前に発出される通知」が該当し得る。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定する。一実施形態によれば、メッセージからの抽出文字列が、用意されたメッセージ種別特定用キーワードを含むか否かを判定することによって、それらのメッセージ種別の特定がなされる。別な一実施形態によれば、メッセージ及び学習済みデータに基づいて、それらのメッセージ種別の特定がなされる。
【0112】
次に、取得された「受取人に関する情報」によれば、意図された受取人のうち受取人R11は、防災情報を伝達する目的を有した「アプリケーション・プログラム1」のユーザであって、当該プログラムを頻繁に利用している履歴を有している。他方、意図された受取人のうち受取人R12については、当該アプリケーション・プログラム1など防災情報を伝達する目的を有したアプリケーション・プログラムのユーザであるという情報はなく、保有する携帯端末でRCSを利用した記録もない。しかしながら、電子メール・アドレスの記録があり、保有する携帯端末でSMSを利用した履歴もある。
【0113】
「メッセージ種別」及び「受取人に関する情報」以外の、「他の入力情報」は必須ではないが、当該メッセージについては、参考情報として、発信元から「発信元にとってのメッセージの重み付けに関する情報」が受け取られている。それによれば、メッセージの送出に求められる「即時性」の水準は最も高く(5段階評価で「5」)、受取人がメッセージに応じて行動することの「緊急性」の水準は、最も高い水準ではなく、比較的高い水準である(5段階評価で「4」)。なお、第二段階のメッセージが発出される場合の「緊急性」の水準は、最も高いものとなる(5段階評価で「5」)。
【0114】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、学習済みモデルに対する、前記「メッセージ種別」及び前記「受取人に関する情報」を含む情報の入力に応じて、メッセージを受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する。本例の場合には、「他の入力情報」として、前記「発信元にとってのメッセージの重み付けに関する情報」も入力される。
【0115】
本例では、学習済みモデルからは、伝達タイミングに関し、第一段階の「伝達1」の送出時期は「即時」、第二段階の「伝達2」の送出時期は「W1警報発出直後」、という出力がなされている。
【0116】
また、同じく学習済みモデルからは、伝達チャンネルに関し、意図された受取人R11については、伝達1及び2の双方とも「アプリケーション・プログラム1」が出力され、意図された受取人R12については、伝達1に「電子メール」が、伝達2に「SMS」が、それぞれ選択され、出力されている。これら伝達チャンネルの選択は、前記「メッセージ種別」及び前記「受取人に関する情報」に基づいている。
【0117】
具体的には、受取人R11は、メッセージ種別に合致するアプリケーション・プログラム1のユーザであって、当該プログラムを頻繁に利用している履歴を有していることから、学習済みモデルは当該プログラムを選択している。なお、受取人R11のアプリケーション・プログラム1の利用履歴がわからなかったとしても、学習済みモデルは、ユニバーサルな学習済みデータに基づいた推定を行うことが可能である。例えば、一般に当該プログラムのユーザは当該プログラムを頻繁に利用する傾向にあるならば、学習済みモデルは、メッセージ種別が災害関連である場合における、当該受取人に限らない様々な者への過去のメッセージ送出に対するメッセージ開封率に関する学習済みデータを用い、受取人R11が当該プログラムのユーザであるという情報に基づいて、メッセージが効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達チャンネルとして、当該プログラムを選択することができる。
【0118】
受取人R12の場合、災害関連というメッセージ種別に適合するアプリケーション・プログラムのユーザであるという情報はなく、保有する携帯端末でRCSを利用した記録もない一方、電子メール・アドレスの記録があり、保有する携帯端末でSMSを利用した履歴もあること、メッセージ種別が第一段階のメッセージは「地図情報付きの通知」であることを示していることに基づいて、学習済みモデルは当該受取人R12について、伝達1に「電子メール」を、伝達2に「SMS」を、それぞれ選択している。
【0119】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等において、伝達チャンネル及び伝達タイミングの選択は、メッセージ種別及び受取人に関する情報以外の「他の入力情報」にも併せて基づいてなされてもよい。本例の場合、前記伝達チャンネルの選択は、「他の入力情報」としての前記「発信元にとってのメッセージの重み付けに関する情報」における、即時性及び緊急性に関する評価とも整合するものとなっている(「学習済みモデルに対する他の入力情報」の項目における説明を参照。)。
なお、実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等において、メッセージ種別及び受取人に関する情報の入力に応じて出力された伝達チャンネル及び/又は伝達タイミングが、「発信元にとってのメッセージの重み付けに関する情報」のような「他の入力情報」に基づき選択され得る伝達チャンネル及び/又は伝達タイミングとの間で、不整合が存在する場合、メッセージ伝達シナリオ生成装置等が注意を促す警告を出力するように構成してもよい。
以上の学習済みモデルの選択に基づき、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、選択された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを出力する。
【0120】
開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、本例に関し、伝達チャンネル及び伝達タイミング以外の「他の出力情報」として、メッセージ中の情報の形態に関する推奨も出力している。具体的には、過去のメッセージ送出に対する応答状況において、メッセージ種別が「水害に関連する通知」である場合に、メッセージに「画像1」が使用されると、例えば、メッセージに応答したウェブページへのアクセスの頻度が向上する、という一般的傾向が存在し、そのことを学習済みモデルは学習している。そこで、本例の場合、前記メッセージ種別の入力に応じて、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージに「画像1」を使用することの推奨を出力している。ここで出力された推奨は、発信元サーバに伝達され、発信元がメッセージに「画像1」を加える改善を即座に実施し得るようにしている。
なお、遅滞ないメッセージの送出を確保するため、メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、推奨を発信元サーバに伝達した後、発信元が所定時間内に推奨を採用する応答を行わない場合、元のメッセージが送出されるようにする構成を有していてもよい。
【0121】
行番号3のメッセージ2は、メッセージ種別として、「メッセージが製品の障害に関連する通知を行うメッセージ」であることを示す種別を有する場合の例であり、図示のメッセージ伝達シナリオが生成されている。
行番号4のメッセージ3は、メッセージ種別として、「メッセージが認証手続に関連するメッセージ」であって「受取人に対して要求する認証手続の形態に関するメッセージ」であることを示す種別を有する場合の例である。
行番号5のメッセージ4は、メッセージ種別として、「受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージ」であることを示す種別を有する場合の例である。
行番号6のメッセージ5は、メッセージ種別として、「受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージ」であることを示す種別を有する場合の例である。
【0122】
続いて、行番号7のメッセージ6について説明する。
メッセージ6は、製品に関する宣伝である。
本例の場合、「メッセージ種別」は、例えば次のようになる。メッセージを受取人に送る目的を示す種別としては、例えば「受取人に宣伝を行うこと」が 該当し得る。メッセージの想定する受取人の類型を示す種別としては、例えば「発信元の顧客」が該当し得る。メッセージの内容に基づく種別としては、例えば「製品に関連する宣伝を行うメッセージ」が該当し得る。メッセージ種別は、当該製品の製造元、当該製品の種類、当該製品の製品名などの、当該製品に関する情報を含んでいてもよい。
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、既述のとおり、メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定する。
【0123】
次に、取得された「受取人に関する情報」によれば、意図された受取人R61は、「ソーシャル・メディア1」の頻繁なユーザであって、そのソーシャル・メディアを通じて当該製品の製造元である発信元からのメッセージを受信できるよう登録をしている。当該受取人R61が使用する携帯端末の位置情報が分析可能とされており、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合に、(当該受取人にとっての休日である)土曜日又は日曜日であって、当該受取人が使用する携帯端末が自宅に位置するときにメッセージが送信されると、メッセージの開封率が高い傾向が存在する。
【0124】
「メッセージ種別」及び「受取人に関する情報」以外の、「他の入力情報」としては、当該受取人R61が使用する携帯端末の位置情報が、通信事業者等サーバから取得されている。
【0125】
実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、既述のとおり、学習済みモデルに対する、前記「メッセージ種別」及び前記「受取人に関する情報」を含む情報の入力に応じて、メッセージを受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する。
本例では、学習済みモデルからは、伝達チャンネルとして「ソーシャル・メディア1」が、また、伝達タイミングとして「土曜日又は日曜日であって、受取人が使用する端末が自宅に位置するとき」が、それぞれ出力されている。
【0126】
本例では、取得された「受取人に関する情報」から、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合に、(当該受取人にとっての休日である)土曜日又は日曜日であって受取人R61が使用する携帯端末が自宅に位置するときにメッセージが送信されると、メッセージの開封率が高い傾向が存在することが既知であった。しかし、たとえ、当該受取人が使用する携帯端末の位置情報が分析可能な状態とされておらず、また、蓄積されている当該受取人に関する情報からは、当該受取人にとっての休日がいつであるかを推定できなかったとしても、学習済みモデルは、ユニバーサルな学習済みデータに基づいた推定を行うことが可能である。すなわち、学習済みモデルは、メッセージ種別が製品に関する宣伝である場合における、当該受取人に限らない様々な者への過去のメッセージ送出に対するメッセージ開封率に関する学習済みデータに基づいて、メッセージが効果的に伝達される可能性が相対的に高くなる伝達タイミングを出力し得る。
【0127】
以上の学習済みモデルの選択に基づき、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、選択された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを出力する。
開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、本例に関し、伝達チャンネル及び伝達タイミング以外の「他の出力情報」として、メッセージ中の情報の形態に関する推奨も出力している。具体的には、過去のメッセージ送出に対する応答状況において、メッセージ種別が「製品に関連する宣伝を行うメッセージ」であって、メッセージが当該製品の製造元からのメッセージである場合に、メッセージにおいて「動画1」が使用されると、メッセージに応答したウェブページへのアクセス及びメッセージに応答した購買の頻度が向上する、という一般的傾向が存在し、そのことを学習済みモデルは学習している。そこで、本例の場合、開示の実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置等は、メッセージにおいて「動画1」へのリンクを提示することの推奨を出力している。ここで出力された推奨は、発信元サーバに伝達され、発信元がメッセージに「動画1」へのリンクを加える改善を即座に実施し得るようにしている。
なお、遅滞ないメッセージの送出を確保するため、既述のとおり、メッセージ伝達シナリオ生成装置等は、推奨を発信元サーバに伝達した後、発信元が所定時間内に推奨を採用する応答を行わない場合、元のメッセージが送出されるようにする構成を有していてもよい。
【0128】
<ハードウェア構成>
図8は、実施形態のメッセージ伝達シナリオ生成装置800、又はメッセージ伝達シナリオ生成方法若しくはメッセージ伝達シナリオ生成プログラムを実行する装置800のハードウェア構成図である。当該装置800は、CPU802、ROM804、RAM806、キー操作部808、通信部810、表示部812、及び外部記憶制御部814を有する。当該装置800は、外部記憶制御部814により、メモリ816に記憶されたメッセージ伝達シナリオ生成プログラムを読み込んで動作することが可能である。メッセージ伝達シナリオ生成プログラムは、ROM804及びRAM806にも保存され得る。すなわち、実施形態を実現するプログラムは、一時的でない(non-transitory)、実体のある(tangible)、そして機械可読の(machine-readable)記憶媒体であるメモリ816、ROM804、及び/又はRAM806に記憶される。当該装置800は、メッセージ伝達シナリオ生成プログラムを実行するCPU802の管理のもとに動作する。
【0129】
以上、実施形態に基づいて説明を行ってきたが、本明細書に記載されている実施形態は一例であって、特許請求の範囲において特定された発明を限定するためのものと解釈してはならない。
【0130】
上述した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0131】
(付記1)
発信元からメッセージを含む情報を受け取るメッセージ受取部と、
前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得する受取人情報取得部と、
前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定するメッセージ種別特定部と、
学習済みモデルに対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するメッセージ伝達シナリオ生成部と、
を備えた
メッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0132】
(付記2)
前記伝達チャンネルは、前記伝達タイミングごとに、
SMS、MMS、RCS、電子メール、ソーシャル・メディア、アプリケーション・プログラム上での通知、チャットボット、電話、郵便、チラシ頒布、及び訪問のうちの少なくとも1つが選択される
付記1に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0133】
(付記3)
前記伝達タイミングは、1以上の段階で構成され、各段階のタイミングは、
日による特定、曜日による特定、平日か否かの別の特定、時刻による特定、一日の中の時間帯による特定、即時か否かの特定、時間範囲による特定、所定の時間範囲内におけるランダムな時刻であることによる特定、所定のイベントに関連した特定、前記受取人の行為の有無に関連した特定、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関連した特定、前記受取人が使用する端末の通信状態に関連した特定、及び前記受取人に関する情報に関連した特定の少なくとも1つを含む
付記1又は2に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0134】
(付記4)
前記受取人に関する情報は、
少なくとも1名の前記受取人を特定する情報を含む
付記1ないし3のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0135】
(付記5)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報を含む
付記1ないし4のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0136】
(付記6)
前記応答状況に関する情報は、
メッセージの開封に関する情報、メッセージ内の部分のクリック又はタップに関する情報、メッセージに応答したウェブページへのアクセスに関する情報、メッセージに応答したアプリケーション・プログラムの起動に関する情報、メッセージに応答したチャット・セッションの開始に関する情報、メッセージに応答した情報の提供に関する情報、メッセージに応答した登録に関する情報、メッセージに応答した本人認証に関する情報、メッセージに応答した購買に関する情報、メッセージに応答したサービスの利用に関する情報、メッセージに応答した情報取扱いについての同意に関する情報、メッセージに応答した金銭の支払いに関する情報、メッセージに関連した照会に関する情報、メッセージの受取りの拒否に関する情報、電話への応答に関する情報、郵便物への応答に関する情報、及び訪問への応対に関する情報、並びに応答の頻度に関する情報の少なくとも1つを含む
付記5に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0137】
(付記7)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答であるか否かによらない、前記受取人の行動の履歴に関する情報を含む
付記1ないし6のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0138】
(付記8)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人の属性に関する情報を含む
付記1ないし7のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0139】
(付記9)
前記受取人に関する情報は、
匿名化された又は部分的に匿名化された情報及び暗号化された又は部分的に暗号化された情報の少なくともいずれかを含む
付記1ないし8のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0140】
(付記10)
前記学習済みモデルは、
前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報が入力された際に、前記メッセージを前記受取人に送る前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された、
付記1ないし9のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0141】
(付記11)
前記教師データは、
前記受取人に関する情報及び前記受取人以外の者に関する情報の少なくともいずれかを含む
付記10に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0142】
(付記12)
前記学習済みモデルは、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報及び前記受取人以外の者への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて学習が行われている
付記1ないし11のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0143】
(付記13)
前記メッセージ受取部は、
前記発信元からさらに前記メッセージ種別に関連する情報を受け取り、
前記メッセージ種別特定部は、
前記メッセージ種別に関連する情報に少なくとも部分的に基づいて前記メッセージ種別を特定する
付記1ないし12のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0144】
(付記14)
前記メッセージ種別に関連する情報が格納されたメッセージ種別関連情報格納部をさらに有し、
前記メッセージ種別特定部は、
前記メッセージ種別関連情報格納部にアクセスすることにより、前記メッセージ種別を特定する
付記1ないし13のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0145】
(付記15)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
メッセージ種別特定用キーワードを含み、
前記メッセージ種別特定部は、
前記メッセージから抽出した抽出文字列が前記メッセージ種別特定用キーワードを含むか否かを判定して前記メッセージ種別を特定する
付記14に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0146】
(付記16)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
学習済みデータを含み、
前記メッセージ種別特定部は、
前記メッセージ及び前記学習済みデータを含む情報に基づいて前記メッセージ種別を特定する
付記14に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0147】
(付記17)
前記メッセージ受取部は、
前記発信元からさらに前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングの少なくとも一方に関するバイアスを示す情報を受け取り、
前記メッセージ伝達シナリオ生成部は、
前記バイアスに応じて少なくとも部分的に調整された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力する
付記1ないし16のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0148】
(付記18)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージを前記受取人に送る目的を示す種別を含む
付記1ないし17のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0149】
(付記19)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの想定する受取人の類型を示す種別を含む
付記1ないし18のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0150】
(付記20)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの内容に基づく種別を含む
付記1ないし19のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0151】
(付記21)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージが災害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが健康に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人の評価に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスに関連する案内又は宣伝を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであって前記受取人に対して要求する認証手続の形態に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報の取扱いについて前記受取人が同意するか否かの問い合わせを含むメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報であって前記受取人又は前記受取人に関係する情報の取扱いについて同意を与える立場にある主体が取扱いについて同意を与えている情報に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが利益又は便益の提供に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人にサービスの提供の停止に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に対する配達又は訪問作業に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、及び前記メッセージが調査への回答を依頼するメッセージであることを示す種別の少なくとも1つを含む
付記20に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0152】
(付記22)
前記学習済みモデルに対して入力される情報は、
前記メッセージの全部又は一部、前記伝達タイミングの段階数、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報、前記受取人が使用する端末の通信状態に関する情報、前記受取人の通信を管理するプラットフォームからの情報、前記メッセージ中の情報の形態であってテキスト、画像、動画、音、及び訪問者による発話の少なくとも1つを含む形態に関する情報、前記受取人が前記メッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様であって目で読むことによる認識、目で視認することによる認識、前記受取人に向けた一方向の音声を聞くことによる認識、端末を通じて対話することによる認識、及び対面又は電話で対話することによる認識の少なくとも1つを含む態様に関する情報、前記メッセージを伝達する費用に関する情報、前記メッセージに対する前記受取人の応答状況の確認方法に関する情報、並びに前記発信元又は前記受取人にとっての前記メッセージの重み付けに関する情報の少なくとも1つをさらに含む
付記1ないし21のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0153】
(付記23)
前記メッセージの重み付けに関する情報は、
前記メッセージの送出に求められる即時性、前記受取人が前記メッセージに応じて行動することの緊急性、前記メッセージの内容の重要性、及び前記メッセージの伝達に求められる確実性の少なくとも1つの観点からの評価を含む
付記22に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0154】
(付記24)
前記メッセージ伝達シナリオ生成部が出力する情報は、
前記メッセージ中の情報の形態に関する推奨をさらに含む
付記1ないし23のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0155】
(付記25)
コンピュータが実行するメッセージ伝達シナリオ生成方法であって、
発信元からメッセージを含む情報を受け取ることと、
前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得することと、
前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定することと、
学習済みモデルに対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力することと
を含むメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0156】
(付記26)
発信元からメッセージを含む情報を受け取り、
前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得し、
前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定し、
学習済みモデルに対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0157】
(付記27)
前記メッセージは、
1のメッセージ又は複数の段階で構成される伝達タイミングごとに用意されたメッセージの組み合わせである
付記1ないし24のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0158】
(付記28)
前記応答状況に関する情報は、
応答状況に関連付けられた、伝達チャンネルに関する情報及び伝達タイミングに関する情報の少なくともいずれかを含む
付記5に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0159】
(付記29)
前記応答状況に関する情報は、
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージに対する応答状況に関する情報を含む
付記5に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0160】
(付記30)
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージは、
前記伝達タイミングが2以上の段階で構成される場合における、以前の段階で送出されたメッセージである
付記29に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0161】
(付記31)
前記受取人の行動の履歴に関する情報は、
情報取扱いについての同意の履歴、本人認証の履歴、購買の履歴、ウェブページの閲覧の履歴、及びサービスの利用の履歴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記7に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0162】
(付記32)
前記受取人の属性に関する情報は、
保有端末、保有端末で利用可能な伝達チャンネル、利用アプリケーション、生年月日、住所、勤務地、勤務時間、趣味、嗜好、家族構成、契約に係る状況、前記メッセージに関連する金銭に係る状況、及び行動の履歴に係る特徴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記8に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0163】
(付記33)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人情報取得部から個人に関する情報を格納した個人情報データベースへのアクセスにより取得される
付記1ないし24又は付記27ないし32のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0164】
(付記34)
前記メッセージ受取部は、
前記発信元からさらに前記メッセージの意図された受取人を特定する情報を受け取り、
前記個人情報データベースへのアクセスは、
前記受取人を特定する情報に基づいて実行される
付記33に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0165】
(付記35)
前記受取人に送る目的は、
前記受取人からの要請に応じること、前記受取人を含む受取人の群に情報を周知すること、前記受取人に定期的に情報を提供すること、前記受取人に依頼をすること、前記受取人に要求を行うこと、前記受取人に予告をすること、及び前記受取人に宣伝を行うことの少なくとも1つを含む
付記18に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0166】
(付記36)
前記受取人の類型は、
前記発信元の顧客、前記発信元の潜在的顧客、特定の組織の構成員、認証手続を行うべき者、同意を行うべき者、特定の製品又はサービスの利用者、特定の製品又はサービスの潜在的利用者、定期的に情報の提供を受ける者、利益又は便益の提供を受ける者、金銭の支払いの督促を受ける者、配達先、訪問作業先、調査への回答の依頼を受ける者、及び特定の地域の住民の少なくとも1つを含む
付記19に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0167】
(付記37)
前記情報の形態に関する推奨は、
テキストの書式に関する推奨、画像の使用に関する推奨、動画の使用に関する推奨、音の使用に関する推奨、及び訪問者による発話の使用に関する推奨の少なくとも1つを含む
付記24に記載のメッセージ伝達シナリオ生成装置。
【0168】
(付記38)
前記伝達チャンネルは、前記伝達タイミングごとに、
SMS、MMS、RCS、電子メール、ソーシャル・メディア、アプリケーション・プログラム上での通知、チャットボット、電話、郵便、チラシ頒布、及び訪問のうちの少なくとも1つが選択される
付記25に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0169】
(付記39)
前記伝達タイミングは、1以上の段階で構成され、各段階のタイミングは、
日による特定、曜日による特定、平日か否かの別の特定、時刻による特定、一日の中の時間帯による特定、即時か否かの特定、時間範囲による特定、所定の時間範囲内におけるランダムな時刻であることによる特定、所定のイベントに関連した特定、前記受取人の行為の有無に関連した特定、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関連した特定、前記受取人が使用する端末の通信状態に関連した特定、及び前記受取人に関する情報に関連した特定の少なくとも1つを含む
付記25又は38に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0170】
(付記40)
前記受取人に関する情報は、
少なくとも1名の前記受取人を特定する情報を含む
付記25又は付記38ないし39のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0171】
(付記41)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報を含む
付記25又は付記38ないし40のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0172】
(付記42)
前記応答状況に関する情報は、
メッセージの開封に関する情報、メッセージ内の部分のクリック又はタップに関する情報、メッセージに応答したウェブページへのアクセスに関する情報、メッセージに応答したアプリケーション・プログラムの起動に関する情報、メッセージに応答したチャット・セッションの開始に関する情報、メッセージに応答した情報の提供に関する情報、メッセージに応答した登録に関する情報、メッセージに応答した本人認証に関する情報、メッセージに応答した購買に関する情報、メッセージに応答したサービスの利用に関する情報、メッセージに応答した情報取扱いについての同意に関する情報、メッセージに応答した金銭の支払いに関する情報、メッセージに関連した照会に関する情報、メッセージの受取りの拒否に関する情報、電話への応答に関する情報、郵便物への応答に関する情報、及び訪問への応対に関する情報、並びに応答の頻度に関する情報の少なくとも1つを含む
付記41に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0173】
(付記43)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答であるか否かによらない、前記受取人の行動の履歴に関する情報を含む
付記25又は付記38ないし42のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0174】
(付記44)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人の属性に関する情報を含む
付記25又は付記38ないし43のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0175】
(付記45)
前記受取人に関する情報は、
匿名化された又は部分的に匿名化された情報及び暗号化された又は部分的に暗号化された情報の少なくともいずれかを含む
付記25又は付記38ないし44のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0176】
(付記46)
前記学習済みモデルは、
前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報が入力された際に、前記メッセージを前記受取人に送る前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された、
付記25又は付記38ないし45のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0177】
(付記47)
前記教師データは、
前記受取人に関する情報及び前記受取人以外の者に関する情報の少なくともいずれかを含む
付記46に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0178】
(付記48)
前記学習済みモデルは、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報及び前記受取人以外の者への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて学習が行われている
付記25又は付記38ないし47のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0179】
(付記49)
前記メッセージを含む情報を受け取ることは、
前記発信元からさらに前記メッセージ種別に関連する情報を受け取ることを含み、
前記メッセージ種別を特定することは、
前記メッセージ種別に関連する情報に少なくとも部分的に基づいて前記メッセージ種別を特定することを含む
付記25又は付記38ないし48のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0180】
(付記50)
前記メッセージ種別を特定することは、
格納された前記メッセージ種別に関連する情報にアクセスすることにより、前記メッセージ種別を特定することを含む
付記25又は付記38ないし49のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0181】
(付記51)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
メッセージ種別特定用キーワードを含み、
前記メッセージ種別を特定することは、
前記メッセージから抽出した抽出文字列が前記メッセージ種別特定用キーワードを含むか否かを判定して前記メッセージ種別を特定することを含む
付記50に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0182】
(付記52)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
学習済みデータを含み、
前記メッセージ種別を特定することは、
前記メッセージ及び前記学習済みデータを含む情報に基づいて前記メッセージ種別を特定することを含む
付記50に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0183】
(付記53)
前記メッセージを含む情報を受け取ることは、
前記発信元からさらに前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングの少なくとも一方に関するバイアスを示す情報を受け取ることを含み、
前記伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力することは、
前記バイアスに応じて少なくとも部分的に調整された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力することを含む
付記25又は付記38ないし52のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0184】
(付記54)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージを前記受取人に送る目的を示す種別を含む
付記25又は付記38ないし53のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0185】
(付記55)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの想定する受取人の類型を示す種別を含む
付記25又は付記38ないし54のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0186】
(付記56)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの内容に基づく種別を含む
付記25又は付記38ないし55のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0187】
(付記57)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージが災害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが健康に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人の評価に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスに関連する案内又は宣伝を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであって前記受取人に対して要求する認証手続の形態に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報の取扱いについて前記受取人が同意するか否かの問い合わせを含むメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報であって前記受取人又は前記受取人に関係する情報の取扱いについて同意を与える立場にある主体が取扱いについて同意を与えている情報に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが利益又は便益の提供に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人にサービスの提供の停止に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に対する配達又は訪問作業に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、及び前記メッセージが調査への回答を依頼するメッセージであることを示す種別の少なくとも1つを含む
付記56に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0188】
(付記58)
前記学習済みモデルに対して入力される情報は、
前記メッセージの全部又は一部、前記伝達タイミングの段階数、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報、前記受取人が使用する端末の通信状態に関する情報、前記受取人の通信を管理するプラットフォームからの情報、前記メッセージ中の情報の形態であってテキスト、画像、動画、音、及び訪問者による発話の少なくとも1つを含む形態に関する情報、前記受取人が前記メッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様であって目で読むことによる認識、目で視認することによる認識、前記受取人に向けた一方向の音声を聞くことによる認識、端末を通じて対話することによる認識、及び対面又は電話で対話することによる認識の少なくとも1つを含む態様に関する情報、前記メッセージを伝達する費用に関する情報、前記メッセージに対する前記受取人の応答状況の確認方法に関する情報、並びに前記発信元又は前記受取人にとっての前記メッセージの重み付けに関する情報の少なくとも1つをさらに含む
付記25又は付記38ないし57のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0189】
(付記59)
前記メッセージの重み付けに関する情報は、
前記メッセージの送出に求められる即時性、前記受取人が前記メッセージに応じて行動することの緊急性、前記メッセージの内容の重要性、及び前記メッセージの伝達に求められる確実性の少なくとも1つの観点からの評価を含む
付記58に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0190】
(付記60)
前記伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力することにおいて、出力される当該情報は、
前記メッセージ中の情報の形態に関する推奨をさらに含む
付記25又は付記38ないし59のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0191】
(付記61)
前記メッセージは、
1のメッセージ又は複数の段階で構成される伝達タイミングごとに用意されたメッセージの組み合わせである
付記25又は付記38ないし60のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0192】
(付記62)
前記応答状況に関する情報は、
応答状況に関連付けられた、伝達チャンネルに関する情報及び伝達タイミングに関する情報の少なくともいずれかを含む
付記41に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0193】
(付記63)
前記応答状況に関する情報は、
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージに対する応答状況に関する情報を含む
付記41に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0194】
(付記64)
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージは、
前記伝達タイミングが2以上の段階で構成される場合における、以前の段階で送出されたメッセージである
付記63に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0195】
(付記65)
前記受取人の行動の履歴に関する情報は、
情報取扱いについての同意の履歴、本人認証の履歴、購買の履歴、ウェブページの閲覧の履歴、及びサービスの利用の履歴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記43に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0196】
(付記66)
前記受取人の属性に関する情報は、
保有端末、保有端末で利用可能な伝達チャンネル、利用アプリケーション、生年月日、住所、勤務地、勤務時間、趣味、嗜好、家族構成、契約に係る状況、前記メッセージに関連する金銭に係る状況、及び行動の履歴に係る特徴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記44に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0197】
(付記67)
前記受取人に関する情報を取得することは、
個人に関する情報を格納した個人情報データベースへのアクセスにより前記受取人に関する情報が取得されることを含む
付記25又は付記38ないし66のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0198】
(付記68)
前記メッセージを含む情報を受け取ることは、
前記発信元からさらに前記メッセージの意図された受取人を特定する情報を受け取ることを含み、
前記個人情報データベースへのアクセスは、
前記受取人を特定する情報に基づいて実行される
付記67に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0199】
(付記69)
前記受取人に送る目的は、
前記受取人からの要請に応じること、前記受取人を含む受取人の群に情報を周知すること、前記受取人に定期的に情報を提供すること、前記受取人に依頼をすること、前記受取人に要求を行うこと、前記受取人に予告をすること、及び前記受取人に宣伝を行うことの少なくとも1つを含む
付記54に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0200】
(付記70)
前記受取人の類型は、
前記発信元の顧客、前記発信元の潜在的顧客、特定の組織の構成員、認証手続を行うべき者、同意を行うべき者、特定の製品又はサービスの利用者、特定の製品又はサービスの潜在的利用者、定期的に情報の提供を受ける者、利益又は便益の提供を受ける者、金銭の支払いの督促を受ける者、配達先、訪問作業先、調査への回答の依頼を受ける者、及び特定の地域の住民の少なくとも1つを含む
付記55に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0201】
(付記71)
前記情報の形態に関する推奨は、
テキストの書式に関する推奨、画像の使用に関する推奨、動画の使用に関する推奨、音の使用に関する推奨、及び訪問者による発話の使用に関する推奨の少なくとも1つを含む
付記60に記載のメッセージ伝達シナリオ生成方法。
【0202】
(付記72)
前記伝達チャンネルは、前記伝達タイミングごとに、
SMS、MMS、RCS、電子メール、ソーシャル・メディア、アプリケーション・プログラム上での通知、チャットボット、電話、郵便、チラシ頒布、及び訪問のうちの少なくとも1つが選択される
付記26に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0203】
(付記73)
前記伝達タイミングは、1以上の段階で構成され、各段階のタイミングは、
日による特定、曜日による特定、平日か否かの別の特定、時刻による特定、一日の中の時間帯による特定、即時か否かの特定、時間範囲による特定、所定の時間範囲内におけるランダムな時刻であることによる特定、所定のイベントに関連した特定、前記受取人の行為の有無に関連した特定、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関連した特定、前記受取人が使用する端末の通信状態に関連した特定、及び前記受取人に関する情報に関連した特定の少なくとも1つを含む
付記26又は72に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0204】
(付記74)
前記受取人に関する情報は、
少なくとも1名の前記受取人を特定する情報を含む
付記26又は付記72ないし73のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0205】
(付記75)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報を含む
付記26又は付記72ないし74のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0206】
(付記76)
前記応答状況に関する情報は、
メッセージの開封に関する情報、メッセージ内の部分のクリック又はタップに関する情報、メッセージに応答したウェブページへのアクセスに関する情報、メッセージに応答したアプリケーション・プログラムの起動に関する情報、メッセージに応答したチャット・セッションの開始に関する情報、メッセージに応答した情報の提供に関する情報、メッセージに応答した登録に関する情報、メッセージに応答した本人認証に関する情報、メッセージに応答した購買に関する情報、メッセージに応答したサービスの利用に関する情報、メッセージに応答した情報取扱いについての同意に関する情報、メッセージに応答した金銭の支払いに関する情報、メッセージに関連した照会に関する情報、メッセージの受取りの拒否に関する情報、電話への応答に関する情報、郵便物への応答に関する情報、及び訪問への応対に関する情報、並びに応答の頻度に関する情報の少なくとも1つを含む
付記75に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0207】
(付記77)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答であるか否かによらない、前記受取人の行動の履歴に関する情報を含む
付記26又は付記72ないし76のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0208】
(付記78)
前記受取人に関する情報は、
前記受取人の属性に関する情報を含む
付記26又は付記72ないし77のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0209】
(付記79)
前記受取人に関する情報は、
匿名化された又は部分的に匿名化された情報及び暗号化された又は部分的に暗号化された情報の少なくともいずれかを含む
付記26又は付記72ないし78のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0210】
(付記80)
前記学習済みモデルは、
前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報が入力された際に、前記メッセージを前記受取人に送る前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された、
付記26又は付記72ないし79のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0211】
(付記81)
前記教師データは、
前記受取人に関する情報及び前記受取人以外の者に関する情報の少なくともいずれかを含む
付記80に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0212】
(付記82)
前記学習済みモデルは、
前記受取人への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報及び前記受取人以外の者への過去のメッセージ送出に対する応答状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて学習が行われている
付記26又は付記72ないし81のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0213】
(付記83)
前記メッセージを含む情報を受け取る処理は、
前記発信元からさらに前記メッセージ種別に関連する情報を受け取る処理を含み、
前記メッセージ種別を特定する処理は、
前記メッセージ種別に関連する情報に少なくとも部分的に基づいて前記メッセージ種別を特定する処理を含む
付記26又は付記72ないし82のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0214】
(付記84)
前記メッセージ種別を特定する処理は、
格納された前記メッセージ種別に関連する情報にアクセスすることにより、前記メッセージ種別を特定する処理を含む
付記26又は付記72ないし83のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0215】
(付記85)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
メッセージ種別特定用キーワードを含み、
前記メッセージ種別を特定する処理は、
前記メッセージから抽出した抽出文字列が前記メッセージ種別特定用キーワードを含むか否かを判定して前記メッセージ種別を特定する処理を含む
付記84に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0216】
(付記86)
前記メッセージ種別に関連する情報は、
学習済みデータを含み、
前記メッセージ種別を特定する処理は、
前記メッセージ及び前記学習済みデータを含む情報に基づいて前記メッセージ種別を特定する処理を含む
付記84に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0217】
(付記87)
前記メッセージを含む情報を受け取る処理は、
前記発信元からさらに前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングの少なくとも一方に関するバイアスを示す情報を受け取る処理を含み、
前記伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する処理は、
前記バイアスに応じて少なくとも部分的に調整された前記伝達チャンネル及び前記伝達タイミングを含む情報を出力する処理を含む
付記26又は付記72ないし86のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0218】
(付記88)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージを前記受取人に送る目的を示す種別を含む
付記26又は付記72ないし87のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0219】
(付記89)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの想定する受取人の類型を示す種別を含む
付記26又は付記72ないし88のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0220】
(付記90)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージの内容に基づく種別を含む
付記26又は付記72ないし89のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0221】
(付記91)
前記メッセージ種別は、
前記メッセージが災害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが健康に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人の評価に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスの問題又は障害に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが製品又はサービスに関連する案内又は宣伝を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが認証手続に関連するメッセージであって前記受取人に対して要求する認証手続の形態に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人のサービスの利用に必要な同意の意思表示に関連するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報の取扱いについて前記受取人が同意するか否かの問い合わせを含むメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に関係する情報であって前記受取人又は前記受取人に関係する情報の取扱いについて同意を与える立場にある主体が取扱いについて同意を与えている情報に関するメッセージであることを示す種別、前記メッセージが利益又は便益の提供に関連する通知を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に金銭の支払いの督促を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人にサービスの提供の停止に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、前記メッセージが前記受取人に対する配達又は訪問作業に関する連絡を行うメッセージであることを示す種別、及び前記メッセージが調査への回答を依頼するメッセージであることを示す種別の少なくとも1つを含む
付記90に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0222】
(付記92)
前記学習済みモデルに対して入力される情報は、
前記メッセージの全部又は一部、前記伝達タイミングの段階数、前記受取人が使用する端末が位置する場所に関する情報、前記受取人が使用する端末の通信状態に関する情報、前記受取人の通信を管理するプラットフォームからの情報、前記メッセージ中の情報の形態であってテキスト、画像、動画、音、及び訪問者による発話の少なくとも1つを含む形態に関する情報、前記受取人が前記メッセージ中の情報を認識する態様として想定される態様であって目で読むことによる認識、目で視認することによる認識、前記受取人に向けた一方向の音声を聞くことによる認識、端末を通じて対話することによる認識、及び対面又は電話で対話することによる認識の少なくとも1つを含む態様に関する情報、前記メッセージを伝達する費用に関する情報、前記メッセージに対する前記受取人の応答状況の確認方法に関する情報、並びに前記発信元又は前記受取人にとっての前記メッセージの重み付けに関する情報の少なくとも1つをさらに含む
付記26又は付記72ないし91のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0223】
(付記93)
前記メッセージの重み付けに関する情報は、
前記メッセージの送出に求められる即時性、前記受取人が前記メッセージに応じて行動することの緊急性、前記メッセージの内容の重要性、及び前記メッセージの伝達に求められる確実性の少なくとも1つの観点からの評価を含む
付記92に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0224】
(付記94)
前記伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力する処理において、出力される当該情報は、
前記メッセージ中の情報の形態に関する推奨をさらに含む
付記26又は付記72ないし93のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0225】
(付記95)
前記メッセージは、
1のメッセージ又は複数の段階で構成される伝達タイミングごとに用意されたメッセージの組み合わせである
付記26又は付記72ないし94のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0226】
(付記96)
前記応答状況に関する情報は、
応答状況に関連付けられた、伝達チャンネルに関する情報及び伝達タイミングに関する情報の少なくともいずれかを含む
付記75に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0227】
(付記97)
前記応答状況に関する情報は、
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージに対する応答状況に関する情報を含む
付記75に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0228】
(付記98)
前記メッセージに関連するメッセージであって過去に送出されたメッセージは、
前記伝達タイミングが2以上の段階で構成される場合における、以前の段階で送出されたメッセージである
付記97に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0229】
(付記99)
前記受取人の行動の履歴に関する情報は、
情報取扱いについての同意の履歴、本人認証の履歴、購買の履歴、ウェブページの閲覧の履歴、及びサービスの利用の履歴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記77に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0230】
(付記100)
前記受取人の属性に関する情報は、
保有端末、保有端末で利用可能な伝達チャンネル、利用アプリケーション、生年月日、住所、勤務地、勤務時間、趣味、嗜好、家族構成、契約に係る状況、前記メッセージに関連する金銭に係る状況、及び行動の履歴に係る特徴の少なくとも1つに関する情報を含む
付記78に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0231】
(付記101)
前記受取人に関する情報を取得する処理は、
個人に関する情報を格納した個人情報データベースへのアクセスにより前記受取人に関する情報が取得される処理を含む
付記26又は付記72ないし100のうちいずれか1項に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0232】
(付記102)
前記メッセージを含む情報を受け取る処理は、
前記発信元からさらに前記メッセージの意図された受取人を特定する情報を受け取る処理を含み、
前記個人情報データベースへのアクセスは、
前記受取人を特定する情報に基づいて実行される
付記101に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0233】
(付記103)
前記受取人に送る目的は、
前記受取人からの要請に応じること、前記受取人を含む受取人の群に情報を周知すること、前記受取人に定期的に情報を提供すること、前記受取人に依頼をすること、前記受取人に要求を行うこと、前記受取人に予告をすること、及び前記受取人に宣伝を行うことの少なくとも1つを含む
付記88に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0234】
(付記104)
前記受取人の類型は、
前記発信元の顧客、前記発信元の潜在的顧客、特定の組織の構成員、認証手続を行うべき者、同意を行うべき者、特定の製品又はサービスの利用者、特定の製品又はサービスの潜在的利用者、定期的に情報の提供を受ける者、利益又は便益の提供を受ける者、金銭の支払いの督促を受ける者、配達先、訪問作業先、調査への回答の依頼を受ける者、及び特定の地域の住民の少なくとも1つを含む
付記89に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
【0235】
(付記105)
前記情報の形態に関する推奨は、
テキストの書式に関する推奨、画像の使用に関する推奨、動画の使用に関する推奨、音の使用に関する推奨、及び訪問者による発話の使用に関する推奨の少なくとも1つを含む
付記94に記載のメッセージ伝達シナリオ生成プログラム。
開示の技術によれば、発信元(102)からメッセージを含む情報を受け取るメッセージ受取部(104)と、前記メッセージの意図された受取人に関する情報を取得する受取人情報取得部(106)と、前記メッセージの内容に関連する情報を含む情報に基づいてメッセージ種別を特定するメッセージ種別特定部(108)と、学習済みモデル(114)に対する、前記メッセージ種別及び前記受取人に関する情報を含む情報の入力に応じて、前記メッセージを前記受取人に送る伝達チャンネル及び伝達タイミングを含む情報を出力するメッセージ伝達シナリオ生成部(112)と、を備えたメッセージ伝達シナリオ生成装置(100)等が提供される。