特許第6945946号(P6945946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945946
(24)【登録日】2021年9月17日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】漂白剤及び封入体を含む多組成物系
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/395 20060101AFI20210927BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20210927BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20210927BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20210927BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20210927BHJP
   C11D 3/39 20060101ALI20210927BHJP
   D06L 1/16 20060101ALI20210927BHJP
   D06L 4/13 20170101ALI20210927BHJP
【FI】
   C11D3/395
   C11D3/50
   C11D3/37
   C11D17/08
   C11D17/04
   C11D3/39
   D06L1/16
   D06L4/13
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-569870(P2019-569870)
(86)(22)【出願日】2018年6月18日
(65)【公表番号】特表2020-524200(P2020-524200A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】US2018037980
(87)【国際公開番号】WO2018236700
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2019年12月17日
(31)【優先権主張番号】62/522,129
(32)【優先日】2017年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ベックホルト、デニス・アレン
(72)【発明者】
【氏名】チョーラ、ナリニ
(72)【発明者】
【氏名】トレンブレイ、マリオ・エルメン
(72)【発明者】
【氏名】オムニッツ、ジェフリー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シンベイ
【審査官】 山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−525564(JP,A)
【文献】 特表2013−538885(JP,A)
【文献】 特表2009−522386(JP,A)
【文献】 特表2014−510141(JP,A)
【文献】 特表2003−525960(JP,A)
【文献】 特表2013−531079(JP,A)
【文献】 特表2016−525928(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0152147(US,A1)
【文献】 特表2014−534983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
D06L 1/16
A61K 8/11
A61Q 13/00
B01J 13/02
C11B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多組成物系であって、
漂白系を含む第1の組成物と、
コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、
前記シェルはアクリレート材料を含み、
前記コアは有益剤を含む、第2の組成物と、を含み、
前記漂白系が、フタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、又はその塩を含み、
前記第1の組成物、前記第2の組成物、又はその両方が液体組成物である、多組成物系。
【請求項2】
前記アクリレート材料が、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の多組成物系。
【請求項3】
前記アクリレート材料が、1つ以上の多官能性アクリレート部分に由来するポリマーを含む、請求項1又は2に記載の多組成物系。
【請求項4】
前記有益剤が香料原料を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の多組成物系。
【請求項5】
前記コアが、植物油、変性植物油、プロパン−2−イルテトラデカノエート、及びこれらの混合物からなる群から選択される分配調整剤を更に含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の多組成物系。
【請求項6】
前記封入体が、前記封入体の壁の外表面を少なくとも部分的にコーティングする付着ポ
リマーを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の多組成物系。
【請求項7】
前記多組成物系が多区画容器内に収容され、前記第1の組成物は前記容器の第1の区画内にあり、前記第2の組成物は前記容器の第2の区画内にある、請求項1〜のいずれか一項に記載の多組成物系。
【請求項8】
前記第2の組成物が、該第2の組成物の5重量%〜60重量%の界面活性剤系を更に含み、
前記界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の多組成物系。
【請求項9】
布地を処理する方法であって、前記方法は、
a)漂白系を含む第1の組成物と布地を接触させる工程と、
b)コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、
前記シェルはアクリレート材料を含み、
前記のコアは有益剤を含む、第2の組成物と前記布地を接触させる工程と、を含み、 前記漂白系が、フタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、又はその塩を含み、
前記第1の組成物、前記第2の組成物、又はその両方が液体組成物である、方法。
【請求項10】
工程a)及びb)が、同時に起こる、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記布地に接触させる前に、
(a)前記第1及び第2の組成物は、多区画容器内に収容されているか、又は
(b)前記第1の組成物は、第1の容器内に収容され、前記第2の組成物は、第2の容器内に収容されている、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漂白系及び封入体を含む、多組成物系に関する。本開示は、布地を処理する関連方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
漂白剤は、洗濯、自動食器洗浄、及び/又は硬質表面洗浄組成物などの様々な種類の洗浄組成物において洗浄及び悪臭効果を提供することが知られている。例えば、漂白剤は、除去しなければ洗浄組成物によって表面上に付着した香料の特性に望ましくない影響を及ぼし得る悪臭汚れを除去し得る。しかしながら、漂白剤は、酵素又は香料などの洗浄組成物の他の活性成分の安定性に影響を及ぼし得る。
【0003】
漂白剤と他の活性物質との間の相互作用を最小限に抑えるために、様々な戦略が採用されてきた。例えば、輸送及び保管中に漂白剤及び他の活性物質を分離させたままにするために、二重容器系が提案されてきた。しかしながら、漂白剤及び他の活性物質は、なお、自動洗濯機での洗浄サイクル中など、通常の使用中に互いに接触する。結果として、比較的短い接触時間にもかかわらず、漂白剤の存在下での分解により、活性成分の有効性は低減され得る。
【0004】
他の戦略としては、例えば、漂白剤又は活性物質のいずれかを保護シェル内に封入することによって、活性成分を漂白剤から保護する試みが挙げられ得る。有益剤を封入するのに有用なシェル材料としては、メラミン−ホルムアルデヒド系ポリマーが挙げられる。香料などの活性剤の封入はまた、遅延放出特性などの望ましい持続性効果を提供し得る。しかしながら、このようなコア−シェル型封入体内の活性剤は、なお洗浄に耐えなければならず、漂白剤の存在下での分解に脆弱なままであり、活性剤の有効性を低下させる。例えば、活性剤は、封入体から漏出し、洗浄液中の漂白剤によって分解され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
漂白剤及び封入有益剤を含む改善された洗浄系、並びに関連方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、漂白系を含む第1の組成物と、コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、第2の組成物と、を含む、多組成物系に関する。
【0007】
本開示はまた、布地を処理する方法に関し、この方法は、布地を洗浄液と接触させる工程を含み、洗浄液は、約30ppm〜約500ppmの漂白系と、約1ppm〜約25ppmのコア−シェル型封入体であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、コア−シェル型封入体と、水と、を含む。
【0008】
本開示はまた、布地を処理する方法に関し、この方法は、(a)漂白系を含む第1の組成物と布地を接触させる工程と、(b)コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、第2の組成物と布地を接触させる工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
図1】多容器系の断面図を示す。
図2】多区画容器の断面図を示す。
図3】複数の単位用量物品の断面図を示す。
図4】多区画単位用量物品の断面図を示す。
図5】本開示による封入体を示す。
図6】本開示によるコーティングされた封入体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、洗浄系及び関連方法に関する。洗浄系は、漂白剤及び封入有益剤を含み、有益剤はシェルによって取り囲まれたコアに存在し、シェルは特定のシェル材料を含む。より具体的には、シェル材料は、アクリレート材料を含み得る。要するに、このような洗浄系では、特定のシェル材料及び/又は付着補助剤を有する封入有益剤を選択することが、改善された洗いたて感をもたらし得ることが見出された。
【0011】
列挙されたシェル材料を含む封入有益剤は、漂白剤を更に含む系で使用される場合であっても、驚くほど堅牢な利益をもたらすことが見出された。理論に束縛されるものではないが、本開示のシェル材料は、メラミンホルムアルデヒドシェル材料を含むものなどの従来の封入体よりも堅牢な封入体(封入有益剤の漏出が少ない)を提供し、それによって、封入有益剤を漂白系からコア内で効果的に保護すると考えられる。あまり堅牢でない封入体は、保管中に有益剤を周囲組成物に漏出させる場合があり、漏出した有益剤は、例えば洗浄液中で互いに接触するときに漂白系によって分解され得る。
【0012】
付着補助剤の存在はまた、性能を改善するのに役立ち得るとも考えられる。このような付着補助剤は、封入体の外表面を少なくとも部分的にコーティングし得る堆積(又は高効率)ポリマーの形態をとり得る。したがって、封入体が堅牢な壁(例えば、メラミンホルムアルデヒド)を有さず、それにより、有益剤の少なくとも一部の漏出を可能にする場合であっても、より高い付着効率によって改善された性能が得られ得る。
【0013】
更に、漂白系の使用は、例えば、封入有益剤の性能又は性質に影響を及ぼし得る悪臭汚れを除去又は中和することによって、適切に選択された封入体を含む組成物の全体的な性能を改善し得ると考えられる。
【0014】
関連する系、組成物、構成成分、及び方法について、下記により詳細に説明する。
【0015】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用されるときの「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。
【0016】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語が使用され得る。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、あったとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在してもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。かかる組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地トリートメント、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得る他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。かかる組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、あるいは洗濯動作のすすぎ又は洗浄サイクル中に加えてもよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、「固体」という用語は、顆粒、粉末、バー、ビーズ、及び錠剤の製品形態を含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、「流体」という用語は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0020】
本明細書で使用するとき、「液体」という用語は、25℃、20秒のせん断速度における粘度が約1〜約2000mPasである液体を有する流体を指す。いくつかの実施形態では、液体の粘度は、25℃、20秒のせん断速度で、約200〜約1000mPasの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、液体の粘度は、25℃、20秒のせん断速度で、約200〜約500mPasの範囲であってよい。
【0021】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0022】
本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏(℃)を単位とする。特に指示がない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行う。
【0023】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0024】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0025】
組成物
本開示は、漂白剤と、特定のシェル材料を含む封入有益剤と、を含む組成物、典型的には多組成物系に関する。封入有益剤は、ポリマーコーティングなどの付着補助剤を含んでもよい。
【0026】
洗浄組成物は、例えば、液体、粉末、単相若しくは多相の単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、バー又はフレークから選択される形態を含む、任意の所望の形態を有してもよい。
【0027】
洗浄組成物は、布地ケア組成物、食器ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、又はこれらの組み合わせであってもよい。洗浄組成物は、布地ケア組成物、好ましくは洗濯洗剤組成物であってもよい。布地ケア組成物は、前処理洗浄方法、洗浄時洗浄方法、又はその両方に好適であってもよい。
【0028】
洗剤組成物は、液体洗濯洗剤であってもよい。液体洗濯洗剤組成物は、約1〜約2000センチポアズ(1〜2000mPa・s)、又は約200〜約800センチポアズ(200〜800mPa・s)の粘度を有してもよい。粘度は、ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを使用し、60RPM/sで25℃にて測定することができる。
【0029】
洗濯洗剤組成物は、固形洗濯洗剤組成物であってもよく、自由流動粒子状洗濯洗剤組成物(すなわち、顆粒状洗剤製品)であってもよい。
【0030】
布地ケア組成物は、単位用量形態であってもよい。単位用量物品は、特定用途のための、物品内に含有される組成物の、単一で使用が容易な用量を提供することを意図している。この単位容量は、パウチ又は水溶性シートの形態であってもよい。パウチは、少なくとも1、2、又は3以上の区画を有してもよい。典型的には、組成物は、この区画のうちの少なくとも1つに収容される。区画は重ねて配置される方向、即ち、これらの区画が共通の壁を共有し、一方が他方の上部に位置するように配置されてよい。少なくとも1つの区画は、別の区画と重なり合っていてもよい。あるいは、区画は並列の方向に、即ち一方が他方の隣に配向されるように位置してよい。区画は「タイヤ及びリム」配置で配向されてもよい。即ち、第1区画が第2区画の隣に配置されるが、第1区画は第2区画を少なくとも部分的に取り囲み、第2区画を完全に包囲はしない。代替的に、一方の区画が、他方の区画内に完全に囲まれていてもよい。単位用量物品は、第1の区画内に第1の組成物と、第2の区画内に第2の組成物と、を含んでもよく、両方の組成物は液体であるか、又は第1の組成物は固体/顆粒状組成物であり、第2の組成物は液体組成物である。
【0031】
単位用量の形態は、区画を形成し、洗剤成分を封入する水溶性フィルムを含んでもよい。好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。例えば、水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含んでもよい。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。好適なフィルムは、米国特許第6166117号、同第6787512号、及び同第2011/0188784号に記載されている、Monosol(Merrillville,Indiana,USA)により供給されている商品名M8630、M8900、M8779、及びM8310のフィルム、並びに対応する溶解度及び変形性特性のPVAフィルムである。
【0032】
布地ケア組成物が液体である場合、布地ケア組成物は、典型的に水を含む。本組成物は、組成物の約1重量%〜約80重量%の水を含み得る。組成物が強力液体洗剤組成物である場合、組成物は典型的には、約40%〜約80%の水を含む。組成物がコンパクト液体洗剤である場合、組成物は典型的には、約20%〜約60%、又は約30%〜約50%の水を含む。組成物が単位用量形態、例えば、水溶性フィルムに封入される場合、組成物は典型的には、20%未満、又は15%未満、又は12%未満、又は10%未満、又は8%未満又は5%未満の水を含む。組成物は、組成物の約1重量%〜20重量%、又は約3重量%〜約15重量%、又は約5重量%〜約12重量%の水を含んでもよい。
【0033】
多組成物系
組成物は、多組成物系の形態であってもよい。系は、第1の組成物及び第2の組成物を含んでもよい。第1の組成物、第2の組成物、又はその両方は、液体組成物であってもよい。
【0034】
第1の組成物は、漂白剤を含んでもよく、第2の組成物は封入体を含んでもよい。第1の組成物、第2の組成物、又はその両方は、以下に記載される添加物材料を更に含んでもよい。第1、第2、又はその両方の組成物は、界面活性剤系を含んでもよい。第2の組成物は、界面活性剤組成物を含んでもよい。
【0035】
多組成物系は、多区画系の形態であってもよい。多区画系は、第1の組成物を収容する第1の区画と、第2の組成物を収容する第2の区画と、を含んでもよい。
【0036】
図1に示すように、多組成物系は、多容器系1の形態であってもよい。第1の区画3は、第1のボトルなどの第1の容器2の一部であってもよく、第2の区画5は、第2のボトルなどの第2の容器4の一部であってもよい。第1及び第2の容器は、それぞれ独自の閉鎖部を有する2つの別個のボトルなど、2つの別個の分離可能な容器2、4であってもよい。第1の容器2は、第1の組成物6を収容し得る。第2の容器4は、第2の組成物7を収容し得る。
【0037】
図2に示されるように、多区画系は、多区画容器8、例えば、第1の区画3及び第2の区画5を含む単一の容器の形態であってもよい。容器8は、多区画ボトル又はチューブの形態、好ましくは二区画ボトル又はチューブの形態であってもよい。
【0038】
多区画容器8は、第1及び第2の組成物6、7が容器から分配され得る出口9を含んでもよい。出口9は、単一の閉鎖部によって封止可能であってもよい。第1及び/又は第2の組成物6、7は、容器8の出口9から注がれるか、又は絞り出されてもよい。
【0039】
多区画容器8は、第1及び第2の区画3、5を分離する内壁10を含んでもよい。
【0040】
容器(複数可)は再密閉可能であってもよく、又は単回使用のみを意図するものであってもよい。第1及び/又は第2の組成物6、7は、容器(複数可)から注がれてもよく、絞り出されてもよい。
【0041】
図3に示されるように、多区画系は、例えば、第1の単位用量物品12が第1の組成物6を含有し、第2の単位用量物品13が第2の組成物7を含有する、複数11の単位用量物品の形態であってもよい。第1及び第2の単位用量物品12、13は、単一のパッケージで、又は異なるパッケージで販売されてもよい。
【0042】
図4に示すように、多区画系は、多区画単位用量物品14の形態であってもよい。物品14は、並べられるか、重ねておかれるか、又はタイヤ及びリム構成であり得る、第1及び第2の区画3、5を含んでもよい。
【0043】
単位用量物品12、13、14は、第1及び/又は第2の組成物3、5を封入する水溶性フィルム15、16、17を含んでもよい。単位用量形態については、下記により詳細に説明する。
【0044】
漂白剤
本開示の組成物、系、及び方法は、漂白系を含んでもよい。漂白系は、漂白剤、又は1つ以上の漂白剤を含む。
【0045】
第1の組成物は、漂白剤を含んでもよい。第1の組成物は、液体組成物又は粒状組成物、好ましくは液体組成物の形態であってもよい。漂白剤は、漂白剤を含む固体粒子を、水、並びに任意追加的に懸濁化剤及び/又はキレート剤と共に含有するスラリーの形態であってもよい。
【0046】
第1の組成物は、多区画系の第1の区画、好ましくは多区画容器の第1の区画内に収容されてもよい。
【0047】
好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成された過酸、漂白触媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
一般に、漂白剤を用いるとき、本開示の組成物は、対象組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤又は漂白剤の混合物を含んでもよい。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、チオキサントン、及びこれらの混合物。
(2)予備形成された過酸類。好適な予備形成された過酸としては、予備形成されたペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキソ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。特に好ましいペルオキシ酸は、フタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、特に、ε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩の融点は30℃〜60℃の範囲である。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。無機過水和物の塩は、使用する場合、典型的には、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%又は1〜30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩又はこれらの混合物、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
(4)R−(C=O)−L(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、漂白活性化剤が疎水性である場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、漂白活性化剤が親水性である場合、6つ未満の炭素原子又は更には4つ未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)を有する漂白活性化剤。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。
(5)漂白触媒。本開示の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基材に転移させることができる1つ以上の漂白触媒を含んでいてもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン;イミニウム双性イオン;修飾アミン;修飾アミンオキシド;N−スルホニルイミン;N−ホスホニルイミン;N−アシルイミン;チアジアゾールジオキシド;ペルフルオロイミン;環状糖ケトン及びαアミノ−ケトン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい一触媒は、4−(2−(2−((2−ヒドロキシフェニルメチル)メチレン)−ヒドラジニル)−2−オキソエチル)−4−メチルクロリドなどのアシルヒドラゾン型である。
(6)触媒金属錯体。金属含有漂白触媒の好ましい1種は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンなどの、規定の漂白触媒活性の遷移金属カチオンを含む触媒系である。
【0049】
必要に応じて、本明細書における組成物は、マンガン化合物によって触媒され得る。このような化合物及び使用レベルは、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物中に追加の酸化剤源は存在せず、空気由来の分子酸素が酸化源を提供する。
【0050】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載されている。
【0051】
存在する場合、過酸化水素/過酸及び/又は漂白活性化剤の供給源は、概して、布地ケア及びホームケア製品に基づいて約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%又は更には約0.6〜約10重量%の量で組成物中に存在する。1種以上の疎水性過酸又はその前駆体は、1種以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用することができる。
【0052】
典型的には、過酸化水素源及び漂白活性化剤は、一緒に配合される。有効酸素(過酸化物源由来)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1になるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量を選択してもよい。液体洗剤に配合される場合、過酸化物源及び活性化剤は、ホウ酸塩/ソルビトールなどのpHジャンプ系と共に低pH、典型的には3〜5で配合され得る。
【0053】
封入有益剤
本開示の組成物、系、及び/又は方法は、本明細書において「封入体」とも呼ばれる封入有益剤を含んでもよい。
【0054】
第2の組成物は、封入体を含んでもよい。第2の組成物は、液体組成物又は粒状組成物、好ましくは液体組成物の形態であってもよい。第1及び第2の組成物は、両方とも液体組成物であってもよい。
【0055】
第1の組成物は、多区画系の第1の区画、好ましくは多区画容器の第1の区画内に収容されてもよい。
【0056】
図5に概略的に示すように、封入体310は、コア330と、コア330を少なくとも部分的に取り囲む壁320と、を含んでもよい。(本明細書で使用するとき、「壁」及び「シェル」という用語は、封入体に対して互換可能に使用される。)コア330は、香料などの有益剤を含んでもよい。壁320は、外表面325を含んでもよい。図6に概略的に示すように、壁320の外表面325は、コーティング340を含んでもよい。コーティング340は、付着補助ポリマーなどの付着補助剤を含んでもよい。これらの要素について下記により詳細に述べる。
【0057】
封入体の壁は、壁材料を含んでもよい。壁材料は、アクリレート材料を含んでもよい。
【0058】
壁材料としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアクリレート材料が挙げられ得る。壁材料は、ポリアクリレートポリマーを含んでもよい。壁は、約50%〜約100%、又は約70%〜約100%、又は約80%〜約100%のポリアクリレートポリマーを含んでもよい。ポリアクリレートは、ポリアクリレート架橋ポリマーを含み得る。
【0059】
封入体の壁材料は、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料に由来するポリマーを含むアクリレート(acylate)材料を含んでもよい。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合からなる群から選択され得る。壁材料は、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートを含んでもよい。
【0060】
壁材料は、1つ以上の多官能性アクリレート部分及び/又はメタクリレート部分を含むアクリレート材料を含んでもよい。1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料と1つ以上のメタクリレート部分を含む材料との比は、約999:1〜約6:4、又は約99:1〜約8:1、又は約99:1〜約8.5:1であり得る。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合からなる群から選択され得る。壁材料は、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートを含んでもよい。
【0061】
壁材料は、以下からなる群から選択される材料を更に含んでもよい。ポリエチレン;ポリアミド、ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;アクリル;アミノプラスト;ポリオレフィン;多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン;ゼラチン;セラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;非水溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物。
【0062】
壁材はアミノプラストを含むことができる。アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリウレアウレタンを含み得る。アミノプラストは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物を含み得る。壁材は、メラミンホルムアルデヒドを含んでもよく、壁は、下記に述べるようなコーティングを更に含んでもよい。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを有することができる。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ(アクリル酸)及びポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)、並びに任意追加的にポリビニルホルムアミドを含むコーティングを含む壁と、を含んでもよい。
【0063】
コアは、有益剤を含んでもよい。好適な有益剤は、布地などの表面に利益をもたらす有益剤であってもよい。有益剤には、香料原料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素類、高級脂肪酸、精油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭軽減剤、臭気制御材料、キレート化剤、帯電防止剤、柔軟剤、昆虫及びガ駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ抑制剤、衛生化剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ抑制剤、抗ウィルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感維持剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、染料移染防止剤、色保持剤、蛍光増白剤類、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。有益剤は、香料原料(PRM)を含んでもよい。
【0064】
本明細書で使用するとき、「香料原料」という用語は、少なくとも約100g/モルの分子量を有する化合物であって、匂い、芳香、エッセンス又は香りを、単独又は他の香料原料と一緒のいずれかで付与するうえで有用な化合物を指す。本明細書で使用するところの「香料成分」及び「香料原料」なる用語は互換可能である。香料原料という用語はまた、典型的には2つ以上のPRMの混合物を指す香料「アコード」を含んでもよい。
【0065】
一般的なPRMは特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、亜硝酸塩、及びテルペンなどのアルケンを含む。一般的なPRMのリストは、様々な参照元、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」、Vols.I and II;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)に見出すことができる。
【0066】
コアはまた、分配調整剤を含んでもよい。好適な分配調整剤としては、植物油、変性植物油、プロパン−2−イルテトラデカノエート、及びこれらの混合物が挙げられ得る。変性植物油は、エステル化及び/又は臭素化されたものであり得る。植物油は、ヒマシ油及び/又はダイズ油を含む。分配調整剤は、プロパン−2−イルテトラデカノエートであり得る。分配調整剤は、コアの総重量に基づいて、20%超、又は20%超〜約80%、又は20%超〜約70%、又は20%超〜約60%、又は約30%〜約60%、又は約30%〜約50%の濃度でコア内に存在し得る。
【0067】
封入体は、約0.5マイクロメートル〜約100マイクロメートル、又は約1マイクロメートル〜約60マイクロメートルの体積加重平均封入体寸法を有してもよい。
【0068】
封入体は、ポリビニルアルコールポリマーを含んでもよい。ポリビニルアルコールポリマーは、最終製品中のホウ酸塩化合物と相互作用し得る封入体のいずれかの場所又は領域に見出され得る。例えば、ポリビニルアルコールポリマーは、封入体のコア、壁、外表面、及び/又はコーティング中に見出され得る。ポリビニルアルコールは、コーティングなどの封入体成分として封入体に意図的に添加されてもよい。ポリビニルアルコールは、封入体製造プロセスから残る不純物として封入体中に存在してもよく、例えば、ポリビニルアルコールは、封入体が製造される際に、主シェル材料を乳化又は懸濁させるために使用されてもよい。
【0069】
ポリビニルアルコールは、封入体の約0.5重量%〜約40重量%、又は約0.8重量%〜約5重量%の濃度で当該封入体中に存在し得る。ポリビニルアルコールポリマーは、後述のとおり、以下の特徴のうちの1つ、すなわち、加水分解度、粘度、重合度、重量平均分子量、及び/又は数平均分子量によって特徴付けられ得る。
【0070】
好適なポリビニルアルコールポリマーは、約55%〜約99%、又は約75%〜約95%、又は約85%〜約90%、又は約87%〜約89%の加水分解度を有し得る。好適なポリビニルアルコールポリマーは、20℃で4%の水溶液において、約40cps〜約80cps、又は約45cps〜約72cps、又は約45cps〜約60cps、又は45cps〜55cpsの粘度を有し得る。好適なポリビニルアルコールポリマーは、約1500〜約2500、又は約1600〜約2200、又は約1600〜約1900、又は約1600〜約1800の重合度によって特徴付けられ得る。好適なポリビニルアルコールポリマーは、約130,000〜約204,000ダルトン、又は約146,000〜約186,000、又は約146,000〜約160,000、又は約146,000〜約155,000の重量平均分子量によって特徴付けられ得る。好適なポリビニルアルコールポリマーは、約65,000〜約110,000、又は約70,000〜約101,000、又は約70,000〜約90,000、又は約70,000〜約80,000ダルトンの数平均分子量によって特徴付けられ得る。本開示の封入体に見出されるポリビニルアルコールポリマーは、これらの特徴の任意の好適な組み合わせを有してもよい。
【0071】
封入体は、封入体の0.1重量%〜1.1重量%のポリビニルアルコールを含んでもよい。ポリビニルアルコールは、特性(i)55%〜99%の加水分解度、(ii)20℃の4%水溶液中で40mPa.s〜120mPa.sの粘度、(iii)1,500〜2,500の重合度、(iv)65,000Da〜110,000Daの数平均分子量、のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを有してもよい。
【0072】
付着補助剤は、例えば、封入体の壁の外表面のコーティングとして、封入体を少なくとも部分的にコーティングしてもよい。特定のコーティングは、布地などの対象面上への封入体の付着性を向上させることができる。封入体は、約1:200〜約1:2、又は約1:100〜約1:4、又は更には約1:80〜約1:10のコーティングと壁との重量比を有し得る。コーティングは、効能ポリマーを含んでもよい。コーティングは、壁の外表面上で連続的であっても不連続的であってもよい。
【0073】
付着補助剤としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン−無水マレイン酸)、ポリアミン、ワックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン−エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン−ビニルアクリレート、ポリビニルピロリドンメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン、ポリ(プロピレン無水マレイン酸)、無水マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体のコポリマー、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラテックス、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他の変性セルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カゼイン、ペクチン、化工デンプン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン及びポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミンのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられ得る。コーティングは、上記のポリビニルアルコールを含んでもよい。
【0074】
コーティングは、カチオン性効率ポリマーを含んでもよい。カチオン性ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。コーティングは、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0075】
コーティングは、ポリビニルホルムアミドを含んでもよい。ポリビニルホルムアミドは、約5%〜約95%、約7%〜約60%、又は更には約10%〜約40%の加水分解度を有してもよい。
【0076】
効率ポリマーの1つ以上が、約1,000Da〜約50,000,000Da、約5,000Da〜約25,000,000Da、約10,000Da〜約10,000,000Da、又は更には約340,000Da〜約1,500,000Daの平均分子質量を有することができる。効率ポリマーの1つ以上が、効率ポリマー1g当たり約1meq〜約23meq、効率的なポリマー1g当たり約1.2meq〜16meq、効率的なポリマー1g当たり約2meq〜約10meq、又は更には効率的なポリマー1g当たり約1meq〜約4meqの電荷密度を有することができる。
【0077】
コア/シェル封入体は、乳化剤を含んでもよく、乳化剤は、好ましくはアニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、又はこれらの混合物から選択され、好ましくは非イオン性乳化剤である。
【0078】
追加の添加剤
本明細書に記載の洗剤組成物は、従来の洗濯添加剤などの他の従来の洗浄添加剤を含んでもよい。好適な添加剤には、ビルダー、キレート化剤、染料移染防止剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性剤、高分子系分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、例えばPEI600 EO20(例えばBASF)、高分子汚れ放出剤、高分子分散剤、高分子グリース洗浄剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、溶媒、抗菌剤及び/又は保存剤、中和物及び/又はpH調整剤、処理助剤、乳白剤、真珠光沢剤、色素、又はこれらの混合物が挙げられる。典型的な使用濃度としては、下は蛍光増白剤及び日焼け止めのような添加剤の組成物の0.001重量%から、上はビルダーのための組成物の50重量%までの範囲となる。好適な添加剤は、米国特許出願第14/226,878号並びに米国特許第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
第1及び/又は第2の組成物は、界面活性剤系を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%〜約60重量%の界面活性剤系を含んでもよい。組成物は、組成物の約20重量%から、又は約25重量%から、又は約30重量%から、又は約35重量%から、又は約40重量%から、約60重量%まで、又は約55重量%まで、又は約50重量%まで、又は約45重量%までの界面活性剤系を含んでもよい。組成物は、組成物の約35重量%〜約50重量%、又は約40重量%〜約45重量の界面活性剤系を含んでもよい。
【0080】
界面活性剤系は、洗剤組成物の意図される目的に好適な任意の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた布地に洗浄、しみ除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0081】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、アルキルエトキシル化サルフェートを含み得るアルコキシル化サルフェート界面活性剤を含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネートなどのアルキルベンゼンスルホネートを含み得るアニオン性スルホネート界面活性剤を含んでもよい。
【0082】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。いくつかの例では、界面活性剤系は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有してもよい。
【0083】
組成物は、外部構造化系を含んでもよい。構造化系は、例えば、注出するのに好適な粘度、相安定性、及び/又は懸濁能力を提供するために、十分な粘度を組成物に与えるために使用されてもよい。
【0084】
本開示の組成物は、0.01重量%〜5重量%、又は0.1重量%〜1重量%の外部構造化系を含んでもよい。外部構造化剤系は、以下の(i)及び(ii)からなる群から選択されてもよい:
(i)非高分子系結晶質のヒドロキシ官能性構造化剤及び/又は
(ii)高分子系構造化剤。
【0085】
このような外部構造化剤系は、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立して、すなわちこのような効果以外により、液体洗濯洗剤組成物を安定化させるのに十分な降伏応力又は低せん断粘度を付与することができるようなものであってよい。これらは、液体洗濯洗剤組成物に21℃、20s−1にて1〜1500cpsの高せん断粘度、及び5000cpsを超える低せん断粘度(21℃、0.05s−1にて)を付与することができる。粘度は、直径40mm及びギャップサイズ500μmで、平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR550レオメータを使用して測定される。20s−1での高せん断粘度、及び0.5s−1での低せん断粘度は、21℃における3分間の0.1s−1〜25s−1の対数せん断速度曲線から得ることができる。
【0086】
本組成物は、約0.01〜約1重量%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を含んでもよい。このような非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、組成物中への分散を補助するために、予め乳化が可能な結晶化可能グリセリドを含んでもよい。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、本明細書に記載の液体組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油又は「HCO」又はこれらの誘導体が挙げられる。
【0087】
本組成物は、約0.01重量%〜5重量%の天然由来及び/又は合成の高分子構造化剤を含んでもよい。好適な天然由来の高分子系構造剤としては:ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な合成高分子系構造剤としては:ポリカルボキシラート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物であってよい。ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−炭酸と、(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーであってもよい。このようなコポリマーは、商品名Carbopol(登録商標)Aqua 30でNoveon incから入手可能である。
【0088】
組成物は酵素を含んでもよい。布地の洗濯の際に遊離する染料移行を防止するため、並びに布地を修復するための、タンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系のしみの基材からの除去を含む多様な目的のために、酵素を本組成物に含めてもよい。好適な酵素には、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源質のような好適な起源物質からのプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マンナナーゼ及びこれらの混合物が含まれる。本明細書に記載の組成物中で使用され得る他の酵素としては、ヘミセルラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、βグルナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロナーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。酵素の選択は、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、及び活性洗剤、ビルダーなどに対する安定性のような要因に影響される。
【0089】
方法
本開示は、漂白剤及び特定のシェル材料を含む封入有益剤を含む組成物の使用方法及び製造方法に関する。
【0090】
本開示は、布地などの表面の処理方法に関する。この方法は、布地などの表面を洗浄液と接触させる工程を含む。洗浄液は、約30ppm〜約500ppm、又は約50ppm〜約300ppmの漂白系と、約1ppm〜約25ppm、又は約3ppm〜約15ppmのシェル材料を含むコア−シェル型封入体と、水と、を含み得る。洗浄液は、好ましくは約100ppm〜約1500ppm、又は約200ppm〜約1100ppmの濃度で存在し得る、アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤を更に含んでもよい。好適な漂白剤、封入体、及び有益剤については、上でより詳細に説明している。漂白系は、予備形成されたペルオキシ酸又はその塩、好ましくはフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸又はその塩を含んでもよい。シェル材料は、ポリアクリレートを含み得るアクリレート材料を含んでもよい。有益剤は、香料原料を含んでもよい。
【0091】
この方法は、自動洗濯機内で起きてもよい。自動洗濯機は、トップローディング機又はフロントローディング機であってもよい。この方法は、自動洗濯機の洗浄サイクル中に起きてもよい。
【0092】
洗浄溶液は、約10L〜約75Lの体積を有してもよい。従来の北米のトップローディング機は、典型的には約64Lの水を使用する。高効率のフロントローディング機は、典型的には約19Lの水を使用する。高効率のトップローディング機は、典型的には、約25〜30Lの水を使用する。西ヨーロッパの機械は、典型的には約13Lの水を使用する。日本の機械は、典型的には、約30L〜約50Lの水を使用する。
【0093】
洗浄液の水は、約10℃〜約40℃、又は約15℃〜約30℃の初期温度を有し得る。
【0094】
本開示はまた、布地などの表面を処理する方法に関し、この方法は、a)漂白系を含む第1の組成物と布地などの表面を接触させる工程と、b)シェル材料を含む封入有益剤を含む第2の組成物と布地を接触させる工程と、を含む。工程a)は、水の存在下で起きてもよい。工程b)は、水の存在下で起きてもよい。この方法は、上述のように、自動洗濯機内で起きてもよい。
【0095】
工程a)及びb)は、実質的に同時に起きてもよい。例えば、第1及び第2の組成物は、例えば洗浄サイクルが開始する前に、自動洗濯機のドラム内に実質的に同時に分配されてもよい。第1及び第2の組成物は、異なる容器から、又は単一の多区画容器から分配されてもよい。布地に接触させる前に、第1及び第2の組成物は、多区画容器内に収容されてもよい。布地に接触させる前に、第1の組成物は、第1の容器内に収容されてもよく、第2の組成物は、第2の容器内に収容されてもよい。
【0096】
工程a)は、工程b)の前に起きてもよい。例えば、工程a)は、自動洗濯機で洗浄サイクル中に起きてもよく、一方、工程b)は、自動洗濯機ですすぎサイクル中に起きてもよい。第1及び第2の組成物は、自動洗濯機の自動的な所定の投与レジメンに従って分配され得る。
【0097】
本開示の組成物は、布地用添加剤、布地柔軟剤、すすぎ補助剤等の他の組成物と組み合わせて使用してもよい。更に、本開示の組成物は、既知の手洗い方法で使用してもよい。
【0098】
本開示はまた、消費者製品の作製方法に関する。この方法は、漂白剤を含有する第1の組成物を第1の区画に提供する工程と、シェル材料を含む封入有益剤を含有する第2の組成物を第2の区画に提供する工程と、を含み得る。第1及び第2の区画は、安全かつ便利な輸送又は保管を可能にするように封止されてもよい。第1の区画及び第2の区画は、多区画容器の一部であってもよい。多区画容器は、単位用量物品であってもよい。多区画容器は、多区画ボトルであってもよい。
【0099】
本開示による液体組成物は、従来の方法に従って、例えばバッチプロセス又は連続ループプロセスで作製されてもよい。乾燥(例えば、粉末又は顆粒)組成物は、従来の方法に従って、例えば、本明細書に記載の構成成分を含むスラリーを噴霧乾燥又はブロー乾燥することによって作製されてもよい。
【0100】
本明細書に記載される組成物は、布地を処理するために使用され得る単位用量物品を形成するため、パウチ、好ましくは水溶性フィルムで作製されたパウチに封入されてもよい。このようなパウチは、既知の方法に従って作製されてもよい。
【0101】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した段落に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
【0102】
A.多組成物系であって、漂白系を含む第1の組成物と、コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、第2の組成物と、を含む、多組成物系。
【0103】
B.漂白系が、好ましくは予備形成されたペルオキシ酸又はその塩、より好ましくは過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、並びにこれらの混合物を含む、予備形成された過酸を含む、段落Aに記載の多組成物系。
【0104】
C.漂白系が、フタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、好ましくはε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)、又はこれらの塩を含む、段落A〜Bのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0105】
D.アクリレート材料が、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される、段落A〜Cのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0106】
E.アクリレート材料がポリアクリレートを含む、段落A〜Dのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0107】
F.ポリアクリレートが、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含む、段落A〜Eのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0108】
G.アクリレート材料が、好ましくは三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の多官能性アクリレート部分に由来するポリマーを含む、段落A〜Fのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0109】
H.有益剤が香料原料を含む、段落A〜Gのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0110】
I.コアが、植物油、変性植物油、プロパン−2−イルテトラデカノエート、及びこれらの混合物からなる群から選択される分配調整剤を更に含む、段落A〜Hのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0111】
J.封入体が、封入体の壁の外表面を少なくとも部分的にコーティングする付着ポリマーを含む、段落A〜Iのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0112】
K.多組成物系が多区画容器内に収容され、第1の組成物が容器の第1の区画内にあり、第2の組成物が容器の第2の区画内にある、段落A〜Jのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0113】
L.第2の組成物が、第2の組成物の約5重量%〜約60重量%の界面活性剤系を更に含み、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含む、段落A〜Kのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0114】
M.第1の組成物、第2の組成物、又はその両方が液体組成物である、段落A〜Lのいずれか1つに記載の多組成物系。
【0115】
N.布地を処理する方法であって、この方法は、布地を洗浄液と接触させる工程を含み、洗浄液は、約30ppm〜約500ppmの漂白系と、約1ppm〜約25ppmのコア−シェル型封入体であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、コア−シェル型封入チアと、水と、を含む、方法。
【0116】
O.漂白系が、予備形成されたペルオキシ酸又はその塩、好ましくはフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸又はその塩を含み、アクリレート材料はポリアクリレートを含み、有益剤は香料原料を含む、段落Nに記載の方法。
【0117】
P.布地を処理する方法であって、この方法は、(a)漂白系を含む第1の組成物と布地を接触させる工程(例えば、段落A〜Mのいずれか1つに記載のとおり)と、(b)コア−シェル型封入体を含む第2の組成物と布地を接触させる工程であって、シェルはアクリレート材料を含み、コアは有益剤を含む、工程(例えば、段落A〜Mのいずれか1つに記載のとおり)と、を含む、方法。
【0118】
Q.漂白系が、予備形成されたペルオキシ酸又はその塩を含む、段落Pに記載の方法。
【0119】
R.工程a)及びb)が、実質的に同時に起こる、段落P〜Qのいずれか1つに記載の方法。
【0120】
S.布地に接触させる前に、第1及び第2の組成物が多区画容器内に収容されている、段落P〜Rのいずれか1つに記載の方法。
【0121】
T.布地に接触させる前に、第1の組成物が第1の容器内に収容され、第2の組成物が第2の容器内に収容されている、段落P〜Sのいずれか1つに記載の方法。
【0122】
V.多組成物系であって、漂白系を含む第1の組成物と、コア−シェル型封入体を含む第2の組成物であって、シェルは、好ましくはポリビニルホルムアミドなどのカチオン性ポリマーを含むコーティングを含み、任意追加的に、シェルは、メラミンホルムアルデヒドなどのアミノプラストを含み、コアは、香料原料などの有益剤を含む、第2の組成物と、を含み、その他の点で段落A〜Tのいずれか1つに記載のとおりの多組成物系及び関連方法である、多組成物系。
【0123】
試験方法
体積加重平均封入寸法の決定方法
封入寸法は、Particle Sizing Systems(Santa Barbara CA)製Accusizer 780Aを用いて測定される。この器具は、Duke粒径標準を用いて0〜300μmの範囲で較正される。封入寸法評価のためのサンプルは、約1gの乳濁液(乳濁液の体積加重平均封入寸法を求める場合)、又は1gのカプセルスラリー(最終カプセルの体積加重平均封入寸法を求める場合)を約5gの脱イオン水に希釈し、約1gのこの溶液を約25gの水に更に希釈することによって調整する。
【0124】
自動希釈機能を用いて、約1gの最も希釈された試料がAccusizerに添加され、試験が開始される。Accusizerは、9200カウント/秒を超えて読み取るはずである。カウントが9200未満の場合、追加の試料が添加されるべきである。Accusizerは、9200カウント/秒になるまで試験試料を希釈し、評価を開始する。試験から2分後、Accusizerは、体積加重中央寸法を含む結果を表示する。
【0125】
蓄積封入体体積の95%が超えた封入体寸法(95%寸法)、蓄積封入体体積の5%が超えた封入体寸法(5%寸法)、及び中央体積加重封入体寸法(50%寸法−この寸法を上回る封入体体積及びこの寸法を下回る封入体体積の両方が封入体体積の50%)を決定することによって、ブロードネス指数を計算することができる。ブロードネス指数(5)=((95%寸法)−(5%寸法)/50%寸法)。
【実施例】
【0126】
下記の例は、事実上例示的なものであり、制限的であることを意図したものではない。
【0127】
実施例1封入スラリーの調製。
封入スラリーは、以下の手順に従って調製することができる。
【0128】
150gの香油、0.6gのDuPont Vazo−52、及び0.4gのDuPont Vazo−67からなる油剤を、1000rpmで混合しながら(4先端、直径2’’、平らなミル刃)、35℃で温度制御された鋼被覆反応器に加え、窒素ブランケットを100cc/分で適用する。油剤を、45分間かけて75℃に加熱し、75℃で45分間維持し、75分間かけて60℃まで冷却する。
【0129】
37.5gの香油、0.5gの第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.4gの2−カルボキシエチルアクリレート、及び19.5gのSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)からなる第2の油剤を、第1の油剤が60℃に達した時点で加える。合わせた油を、60℃で更に10分間維持する。
【0130】
混合を停止し、112gの5% Celvol 540ポリビニルアルコール、200gの水、1.1gの20% NaOH、及び1.17gのDuPont Vazo−68WSPからなる水溶液を、漏斗を用いて油剤の底部に加える。
【0131】
混合を再開し、2500rpmで60分間混合して、油相を水溶液に乳化する。ミリングが完了した後、3’’プロペラを用いて350rpmで混合を続ける。バッチを60℃で45分間維持し、温度を30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間かけて90℃に加熱し、90℃で8時間維持する。その後、バッチを室温まで冷却する。
【0132】
得られたスラリー中の封入体は、約5〜20マイクロメートルの中央封入体寸法を有する。封入体は、封入体の約10重量%の壁材料と、封入体の約90重量%のコア材料と、を含む。
【0133】
実施例2PAPの存在下での封入体の比較。
実施例2及び3では、以下の命名法が使用される。
【0134】
【表1】
【0135】
以下の試験では、摩擦前及び摩擦後の乾燥布地の臭気(DFO)に関する専門調香師の判定に従って、封入体1及び2の性能を比較する。性能は、PAPの有無にかかわらず、ベース洗剤組成物を含む洗浄サイクル(北米のフロントローディング機)で判定される。それぞれの群について、両方の封入体は、洗浄液中に20ppmの濃度で存在し、PAP(存在する場合)は、洗浄液中に約270ppmで存在する。それぞれの群について、一方の試験の布地を自動乾燥機でタンブル乾燥させ、他方の試験の布地を空気乾燥させた状態で、2回の試験を行う。タンブル乾燥させた試験の結果は、それぞれの群についてほぼ等しいように見えるが、空気乾燥させた試験の結果を以下の表1に示す。PAPと組み合わせた封入体のそれぞれのデータ点について、2つのPAP群(群2及び4)を比較した差のように、相当する非PAP群との差(Δ)も示されている。
【0136】
DFOスコアに関しては、5の差は方向的に異なると見なされ、10の差は消費者が気づくものと見なされる。
【0137】
【表2】
【0138】
表1に示すように、PAPの存在なしでは、封入体1及び2の空気乾燥された布地の性能はほぼ等しい(群1及び3を比較)。しかしながら、PAPの存在下では、封入体2は、空気乾燥された布地において封入体1よりも良好に機能する(群4、Δvs.2を参照されたい)。更に、群4(封入体2+PAP)の結果から、群3(Δvs.3)と比較して、群2と群1の比較(Δvs.1)によって示されるよりも、DFO(摩擦前及び摩擦後)の増加が相対的に大きいことがわかる。
【0139】
実施例3濃度比較。
以下の実施例では、摩擦前及び摩擦後の乾燥布地の臭気(DFO)に関する専門調香師の判定に従って、封入体1及び2の性能を比較した。性能は、PAPの有無にかかわらず、ベース洗剤組成物を含む洗浄サイクル(北米のフロントローディング機)で判定した。それぞれの群について、封入体1は洗浄液中に10ppmの濃度で存在し、封入体2は洗浄液中に2ppmの濃度で存在し、PAP(存在する場合)は洗浄液中に約270ppmで存在した。それぞれの群について、2回の試験を実施した。それぞれの群の平均結果を以下の表2に示す。
【0140】
DFOスコアに関しては、5の差は方向的に異なると見なされ、10の差は消費者が気づくものと見なされる。
【0141】
【表3】
【0142】
表2のデータによって示されるように、封入体2は、封入体2が封入液1の濃度より5倍低い濃度で洗浄液中に存在するという事実にもかかわらず、封入体1がもたらすDFOスコアとは10点未満異なるDFOスコアをもたらしている(すなわち、消費者が気づく差異ではないと見なされる)。
【0143】
他の封入体よりも低い濃度で好適な性能利益を提供する封入体2などの封入体は、コスト関連の理由で(同様の利益を提供するために必要とされるコストが低いため)、及び/又はコンパクトな製剤(処方空間が限定される)において特に好ましい場合がある。
【0144】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0145】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本明細書に援用される。いずれの文献の引用も、こうした文献が本明細書中で開示又は特許請求されるいずれかの開示に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした開示のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0146】
以上、本開示の特定の実施形態について図示、説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変が可能である点は当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6