(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗濯ケア成分が、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、ポリマー分散剤、泥汚れ除去剤、再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、香料送達系、構造化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、顔料、酸化防止剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗濯ケア組成物。
織物物品を処理する方法であって、(a)請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗濯ケア組成物を提供する工程と、(b)前記洗濯ケア組成物を液体媒体に添加する工程と、(c)前記液体媒体中に織物物品を配置する工程と、(d)任意に、前記織物をすすぐ工程と、(e)前記織物物品を乾燥させる工程と、を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、C
1〜C
8アルコキシ、及びブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドなどの繰り返し単位を有するポリオールのアルコキシ誘導体を含むことを意図する。
【0009】
本明細書で使用するとき、互換可能な用語「アルキレンオキシ」及び「オキシアルキレン」、並びに互換可能な用語「ポリアルキレンオキシ」及び「ポリオキシアルキレン」は、一般に、以下の繰り返し単位:−C
2H
4O−、−C
3H
6O−、−C
4H
8O−、及びこれらの任意の組み合わせの1つ又は2つ以上をそれぞれ含有する分子構造を指す。これら基に対応する非限定的な構造としては、例えば、−CH
2CH
2O−、−CH
2CH
2CH
2O−、−CH
2CH
2CH
2CH
2O−、−CH
2CH(CH
3)O−、及び−CH
2CH(CH
2CH
3)O−が挙げられる。更に、ポリオキシアルキレン構成要素は、C
2〜20アルキレンオキシ基、グリシジル基、又はこれらの混合物から選択される1つ以上のモノマーからなる群から選択されてもよい。
【0010】
本明細書において、用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」及び「ブチレンオキシド」は、それぞれ、これらの典型的な表記である「EO」、「PO」及び「BO」で示される場合がある。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」及び「アルキル末端保護された」は、置換又は無置換の炭化水素から水素原子を除去することによって形成される任意の一価基を意味することを意図する。非限定的な例としては、C
1〜C
18アルキル基、一態様では、C
1〜C
6アルキル基を含む分岐状又は非分岐状、置換又は無置換のヒドロカルビル部分が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、用語「アリール」は、C
3〜C
12アリール基を含むことを意図する。用語「アリール」は、炭素環式及び複素環式のアリール基の両方を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「アルカリル」は、任意のアルキル置換アリール置換基及びアリール置換アルキル置換基を指す。より具体的には、この用語は、追加の置換基を含んでいても含んでいなくてもよいC
7〜16アルキル置換アリール置換基及びC
7〜16アリール置換アルキル置換基を指すことを意図する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「洗剤組成物」は、洗濯ケア組成物の一部であり、布地を洗濯するための製品が挙げられるがこれに限定されない洗浄組成物を含む。このような組成物は、洗浄工程の前に用いるための前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに、漂白添加剤及び「シミ取りスティック」又は前処理タイプのような洗浄助剤であってもよい。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「洗濯ケア組成物」は、特に指定しない限り、顆粒状、粉末状、液状、ゲル状、ペースト状、単位用量型、棒状、及び/又はフレーク状の洗浄剤及び/又は布地処理組成物を含み、例えば、布地を洗濯するための製品、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地フレッシュニング組成物、並びに布地をケア及びメンテナンスするためのその他の製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いるための前処理組成物であっても、すすぎ添加用組成物、並びに漂白添加剤及び/又は「シミ取りスティック」、又は前処理組成物、又は乾燥機添加用シートなどの基材を有する製品などの洗浄助剤であってもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ロイコ」(例えば、化合物、部分、ラジカル、染料、モノマー、断片、又はポリマーに関して使用するとき)は、特定の化学的又は物理的なトリガに曝露された際、1つ以上の化学的及び/又は物理的な変化を受け、その結果、第1の色状態(例えば、無着色又は実質的に無色)から第2のより高度に有色の状態へとシフトする実体(例えば、有機化合物又はその一部)を指す。好適な化学的又は物理的なトリガとしては、酸化、pH変化、温度変化、及び電磁放射線(例えば、光)曝露における変化が挙げられるが、これらに限定されない。ロイコ実体において生じる好適な化学的又は物理的な変化としては、分子内環化などの酸化及び非酸化的変化が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、一態様では、好適なロイコ実体は、発色団の可逆的に還元された形態であり得る。一態様では、ロイコ部分は、好ましくは、上記の化学的及び/又は物理的なトリガの1つ以上に曝露された際、第1及び第2のπ系を組み込んだ第3の複合共役π系に変換され得る、少なくとも第1及び第2のπ系を含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「ロイコ組成物」又は「ロイコ着色剤組成物」は、本明細書で更に詳細に記載されるように、独立して選択される構造を有する少なくとも2種のロイコ化合物を含む組成物を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、ロイコ着色剤の「平均分子量」は、その分子量分布によって決定したときの重量平均分子量として報告され、その製造プロセスの結果として、本明細書に開示されるロイコ着色剤は、そのポリマー部分に繰り返し単位の分布を含み得る。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「最大吸光係数」及び「最大モル吸光係数」は、400ナノメートル〜750ナノメートルの範囲における最大吸光波長(本明細書では最大波長とも称する)におけるモル吸光係数を表すことを意図する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「第1の色」は、トリガ前の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、無色及び実質的に無色を含む任意の色を含むことを意図する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「第2の色」は、トリガ後の洗濯ケア組成物の色を指すために使用され、目視検査又は分光測光分析などの分析技術の使用のいずれかを通じて洗濯ケア組成物の第1の色と区別可能な任意の色を含むことを意図する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「変換剤」は、その既知の形態(一重項及び三重項の状態)のいずれかにおける分子酸素以外の、当該技術分野において既知の任意の酸化剤を指す。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「トリガ剤」は、ロイコ組成物を無色又は実質的に無色の状態から有色の状態に変換するのに好適な反応物質を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、重量基準でセルロースの少なくとも大部分を占めるあらゆる基材を含むことが意図される。セルロースは、木材、綿、亜麻布、黄麻及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維、パルプの形態、並びに粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってよい。セルロース繊維としては、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維から形成される物品としては、布地などの織物製品が挙げられる。パルプから形成される物品としては、紙が挙げられる。
【0025】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は記述されるものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「含む(「include/s」及び「including」)」は非限定的であることを意味する。
【0027】
本明細書において使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0028】
本発明で使用する場合、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0029】
本出願人らの発明のパラメータのそれぞれの値を求めるには、本出願の試験方法の項で開示される試験方法を用いるべきである。
【0030】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0031】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、全組成に基づいて計算される。
【0032】
一態様では、200〜1,000nm(より好ましくは400〜750nm)の範囲の波長における最大吸光度における当該第2の有色状態のモル吸光係数は、第2の有色状態の最大吸光度の波長における当該第1の色状態のモル吸光係数の好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは10倍、更により好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍である。好ましくは、200〜1,000nm(より好ましくは400〜750nm)の範囲の波長における最大吸光度における当該第2の有色状態のモル吸光係数は、対応する波長範囲における当該第1の色状態の最大モル吸光係数の少なくとも5倍、好ましくは10倍、更により好ましくは25倍、最も好ましくは少なくとも50倍である。当業者であれば、これら比がはるかに高くなり得ることを理解するであろう。例えば、第1の色状態は、400〜750nmの波長範囲においてわずか10M
−1cm
−1の最大モル吸光係数を有していてよく、第2の有色状態は、400〜750nmの波長範囲において80,000M
−1cm
−1以上もの最大モル吸光係数を有していてよく、この場合、吸光係数の比は8,000:1以上になる。
【0033】
一態様では、400〜750nmの範囲の波長における当該第1の色状態の最大モル吸光係数は1000M
−1cm
−1未満であり、400〜750nmの範囲の波長における当該第2の有色状態の最大モル吸光係数は、5,000M
−1cm
−1よりも大きく、好ましくは10,000、25,000、50,000又は更には100,000M
−1cm
−1よりも大きい。当業者であれば、1つを超えるロイコ部分を含むポリマーが、第1の色状態において有意に高い最大モル吸光係数を有し得る(例えば、多数のロイコ部分の相加効果又は第2の有色状態に変換された1つ以上のロイコ部分の存在に起因する)ことを認識し、理解するであろう。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「ホワイトニング剤」は、白色の綿布における場合、210〜345の相対色相角、又は更には240〜320の相対色相角、又は更には250〜300(例えば、250〜290)の相対色相角を有する色相を当該布に提供する、トリガされたら染料を形成することができる染料又はロイコ着色剤を指す。好ましいホワイトニング剤としては、染料、染料クレイ結合体、顔料、ロイコ着色剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
ホワイトニング剤(時に、色調染料、青味染料又はシェーディング染料と呼ばれることもある)は、典型的には、青又は紫の色合いを布地にもたらす。ホワイトニング剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。布地ホワイトニング剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン(オキサジン及びチアジンを含む)、アゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン(トリフェニルメタン及びキサンテンを含む)、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の化学分類の染料から選択することができる。
【0036】
好適なホワイトニング剤としては、小分子染料、ポリマー染料及び染料−クレイ結合体が挙げられる。好ましいホワイトニング剤は、小分子染料及びポリマー染料から選択される。
【0037】
小分子染料
好適な小分子染料を、カラーインデックス(C.I.,Society of Dyers and Colourists,(Bradford,UK))分類の酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応染料、溶剤染料、又は分散染料に該当する染料からなる群から選択することができる。好ましくは、そのような染料は、青色、紫色、赤色、緑色、又は黒色に分類されるものでよく、単独若しくは他の染料との組み合わせで、又は他の補助含有成分との組み合わせで、所望の色調を与えることができる。反応染料は、原料とする際に、加水分解された染料を少量含有していてもよく、洗剤処方中又は洗浄中に、更に加水分解されてもよい。また、そのような加水分解された染料及び混合物も、好適な小分子染料としての役割を果たすことができる。
【0038】
別の態様においては、好適な染料としては、ダイレクトバイオレット(5、7、9、11、31、35、48、51、66、及び99)、ダイレクトブルー(1、71、80、及び279)、アシッドレッド(17、73、52、88、及び150)、アシッドバイオレット(15、17、24、43、49、及び50)、アシッドブルー(15、17、25、29、40、45、48、75、80、83、90、及び113)、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット(1、3、4、10、及び35)、ベーシックブルー(3、16、22、47、66、75、及び159)、アントラキノン系分散染料又は溶剤染料(ソルベントバイオレット(11、13、14、15、15、26、28、29、30、31、32、33、34、26、37、38、40、41、42、45、48、59)、ソルベントブルー(11、12、13、14、15、17、18、19、20、21、22、35、36、40、41、45、59、59:1、63、65、68、69、78、90)、ディスパースバイオレット(1、4、8、11、11:1、14、15、17、22、26、27、28、29、34、35、36、38、41、44、46、47、51、56、57、59、60、61、62、64、65、67、68、70、71、72、78、79、81、83、84、85、87、89、105)、ディスパースブルー(2、3、3:2、8、9、13、13:1、14、16、17、18、19、22、23、24、26、27、28、31、32、34、35、40、45、52、53、54、55、56、60、61、62、64、65、68、70、72、73、76、77、80、81、83、84、86、87、89、91、93、95、97、98、103、104、105、107、108、109、11、112、113、114、115、116、117、118、119、123、126、127、131、132、134、136、140、141、144、145、147、150、151、152、153、154、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、168、169、170、176、179、180、180:1、181、182、184、185、190、191、192、196、197、198、199、203、204、213、214、215、216、217、218、223、226、227、228、229、230、231、232、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、249、252、261、262、263、271、272、273、274、275、276、277、289、282、288、289、292、293、296、297、298、299、300、302、306、307、308、309、310、311、312、314、318、320、323、325、326、327、331、332、334、347、350、359、361、363、372、377、及び379)、アゾ系分散染料(ディスパースブルー(10、11、12、21、30、33、36、38、42、43、44、47、79、79:1、79:2、79:3、82、85、88、90、94、96、100、101、102、106、106:1、121、122、124、125、128、130、133、137、138、139、142、146、148、149、165、165:1、165:2、165:3、171、173、174、175、177、183、187、189、193、194、200、201、202、206、207、209、210、211、212、219、220、224、225、248、252、253、254、255、256、257、258、259、260、264、265、266、267、268、269、270、278、279、281、283、284、285、286、287、290、291、294、295、301、304、313、315、316、317:319、321、322、324、328、330、333、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、351、352、353、355、356、358、360、366、367、368、369、371、373、374、375、376、及び378)、ディスパースバイオレット(2、3、5、6、7、9、10、12、3、16、24、25,33,39、42、43、45、48、49、50、53、54、55、58、60、63、66、69、75、76、77、82、86、88、91、92、93、93:1、94、95、96、97、98、99、100、102、104、106、及び107)など)などのカラーインデックス名によって表される染料からなる群から選択されるものを挙げることができる。好ましくは、小分子染料は、C.I.番号アシッドバイオレット17、アシッドブルー80、アシッドバイオレット50、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0039】
別の態様においては、好適な小分子染料としては、CAS番号が52583−54−7、42783−06−2、210758−04−6、104366−25−8、122063−39−2、167940−11−6、52239−04−0、105076−77−5、84425−43−4、及び87606−56−2の染料、並びに非アゾ染料ディパースブルー250、354、364、ソルベントバイオレット8、ソルベントブルー43、57、Lumogen Fブルー650、及びLumogen Fバイオレット570が挙げられる。
【0040】
別の態様において、好適な小分子染料としては、フタロシアニン部分に、好ましくはAl−及びSi−フタロシアニン部分に、有機結合部分を介して共有結合した、アゾ染料、好ましくはモノアゾ染料が挙げられる。
【0041】
ポリマー染料
好適なポリマー染料としては、共有結合した(共役したと称することもある)色原体(染料ポリマー共役体としても知られるもの)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖中に共重合した色原体モノマーを有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される染料が挙げられる。
【0042】
ポリマー染料としては次の(a)〜(f)が挙げられる。すなわち、(a)水溶性ポリエステルポリマーに、その上の少なくとも1つ、好ましくは2つの遊離OH基を介して結合した、反応染料。水溶性ポリエステルポリマーは、フェニルジカルボキシレート、オキシアルキレンオキシ、及びポリオキシアルキレンオキシの、コモノマーを含んでもよい。(b)通常的には直鎖状又は分枝状のポリアルキルアミンであるポリアミンに結合した、反応染料。ポリマー中のアミンは、1級でも、2級でも、3級でもよい。1つの態様において、ポリエチレンイミンが好ましい。別の態様において、ポリアミンはエトキシル化されたものである。(c)アニオン性基を含有する染料に結合したアルケンと、染料部位に結合していない1つ以上の更なるアルケンコモノマーとの、共重合によって得ることのできる負荷電の基がある染料部分を有する、染料ポリマー。(d)カチオン性基を含有する染料に結合したアルケンと、染料部位に結合していない1つ以上の更なるアルケンコモノマーとの、共重合によって得ることのできる正荷電の基がある染料部分を有する、染料ポリマー。(e)カルボキシレート基を含有するポリマーアゾポリオキシアルキレン染料(いくつかの態様では、4未満、又は3未満、又は更には2未満のpKa値を有するカルボン酸基を有するものが好ましい場合がある)。並びに(f)少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリマーと、を含む染料ポリマー結合体であって、上記ポリマーが、好ましくは、多糖類、タンパク質、ポリアルキレンイミン、ポリアミド、ポリオール、及びシリコーンからなる群から選択される染料ポリマー結合体。1つの態様において、カルボキシメチルセルロース(CMC)は、C.I.リアクティブブルー19(Megazyme,Wicklow、(Ireland)により、製品名「AZO−CM−CELLULOSE」、製品コードS−ACMCで販売)と結合したCMCなど、1つ以上の反応性青色染料、反応性紫色染料、又は反応性赤色染料と共有結合したものでよい。
【0043】
他の好適なポリマー染料としては、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料をはじめとするアルコキシル化炭素環アゾ着色料及びアルコキシル化複素環アゾ着色料、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。好ましいポリマー染料は、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色料等の任意に置換されたアルコキシル化染料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料をはじめとするアルコキシル化炭素環アゾ着色料及びアルコキシル化複素環アゾ着色料、並びにこれらの混合物、例えばLiquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で市販されている布地直接着色剤を含む。
【0044】
好適なポリマー青味染料を以下に例示する。そのようなアルコキシル化化合物の全てと同様に、有機合成により、異なるアルコキシル化度を有する分子の混合物を製造することができる。典型的なエトキシル化プロセス中、例えば、エチレンオキサイド付加の無秩序さにより、異なるエトキシル化度を有するオリゴマーの混合物が得られる。多くの場合ポワソンの法則に従う、そのエチレンオキサイド数の分布の結果として、市販材料は、特性がいく分異なる物質を含有する。例えば、1つの態様において、エトキシル化から得られる生成物は、一般構造式(以下の式A、x+y=5のもの)が示唆し得る、5つの(CH
2CH
2O)単位を含有する単一の化合物ではない。むしろ、生成物は、数種の同族体の混合物であり、そのエチレンオキサイド単位の合計が、約2〜約10で変動する。通常的に使用し布地シェーディング染料を直接得ることのできる工業関連プロセスにより、典型的には、そのような混合物が得られ、又はあまり一般的でない場合として精製工程を経てもよい。
【0045】
好ましくは、ホワイトニング剤は、以下の構造を有する:
染料−(G)
a−NR
1R
2
[式中、−(G)
a−NR
1R
2基は染料の芳香環に結合し、Gは、独立して−SO
2−又は−C(O)−であり、染料の−SO
3H又は−CO
2H残基に由来してもよく、添え字aは、0又は1の値を有する整数であり、R
1及びR
2は、独立して、H、ポリオキシアルキレン鎖、C
1〜8シクロアルキル、C
1〜8アルキル、C
7〜16アルカリル(シクロアルキル基、アルキル基、及びアルカリル基は、エーテル(C−O−C)結合、エステル(−C(O)O−及び−OC(O)O−を含む)結合、及び/又はアミド(−C(O)NH−及び−C(O)NR
3−、式中、R
3はC
1〜4アルキルである)結合を含んでもよく、隣接する炭素上の1つ又は2つの水素原子対は、除去されて炭素−炭素二重結合又は三重結合を形成してもよく、アルキル鎖は、−Cl、−Br、−CN、−OH、ポリオキシアルキレン鎖、及びこれらの混合物で置換されてもよい)、C
6〜10アリール(ポリオキシアルキレン鎖で任意に置換される)、及びこれらの混合物から選択され、上記ポリオキシアルキレン鎖は、独立して、約2〜約100、約2〜約50、約3〜約30、又は約4〜約20の繰り返し単位を有する]。好ましくは、繰り返し単位は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものである。好ましくは、繰り返し単位は、本質的にエチレンオキサイドである。
【0046】
好ましくは、ホワイトニング剤は式Aの構造を有し得、
【0047】
【化1】
式中、添え字x及びyは、独立して、1〜10から選択される。ホワイトニング剤は、以下に示されるような一般構造に対して予期される変形を有し得、
【0048】
【化2】
式中、上で示す部分Aは、上では破線矢印により示される部分Bの芳香環上の3つの部位のうちの1つに、遠位の窒素原子(矢印を参照)を介して結合されている。好ましくは、上記A部分は、アリール環パラ上の位置で部分B上のN置換基に結合され、これは、典型的には、このようなアゾカップリング反応における優勢な結合点である。しかしながら、A部分は、部分B上のN置換基に対してオルトに位置する他の2つの指示された位置のいずれかで結合されてもよく、上記結合は、典型的には、このようなアゾカップリング反応において副生成物を構成し、当業者であれば、このような物質が優勢なパラ異性体と共に少量で存在し得ることを認識する。このカップリングから得られる2つの典型的な生成物を以下に示しており、一方はパラ位にあり、他方は2つの可能なオルト位のうちの1つにある。このような混合物は、通常、更なる精製なしに使用される。
【0050】
上の部分B内の添え字x及びyは、独立して、1〜10から選択される。また、いくつかの態様において、平均エトキシル化度、x+yは、エトキシレート基の平均数と称される場合もあり、約3〜約12、好ましくは約4〜約8である。いくつかの実施形態において、平均エトキシル化度、x+yは、約5〜約6であってよい。
【0051】
混合物中に存在するエトキシル化の範囲は、組み込まれたエトキシレートの平均数に応じて変動する。5又は8のいずれかのエトキシレートによる、トルイジンのエトキシル化についての典型的な分布が、Journal of Chromatography A1989,volume462,pp39−47で、42ページの表2に示されている。ホワイトニング剤を合成するには、米国特許第4,912,203号(Klugerら)に開示されている手順に従い、当該技術分野で公知の手順により、1級芳香族アミンを適切な量のエチレンオキサイドと反応させる。着色料の調製に有用なポリエチレンオキシ置換m−トルイジンを、多くの公知の方法によって調製することができる。しかし、ポリエチレンオキシ基のm−トルイジン分子中への組み込みは、m−トルイジンのエチレンオキサイドとの反応によることが好ましい。一般的に、反応は2段階で進行し、第1段階は、相当するN,N−ジヒドロキシエチル置換m−トルイジンの生成である。いくつかの態様において、この第1段階においては触媒を利用しない(例えば、米国特許第3,927,044号(Fosterら)の第4欄第16〜25行に開示)。次に、ジヒドロキシエチル置換m−トルイジンを、ナトリウムなどの触媒の存在下、追加のエチレンオキサイドと反応(米国特許第3,157,633号(Kuhn)の調製IIに記載)させるものであり、又は水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムの存在下、追加のエチレンオキサイドと反応(米国特許第5,071,440号(Hinesら)の実施例5に記載)させてもよい。反応混合物に追加されるエチレンオキサイドの量により、最終的に窒素原子に結合するエチレンオキシ基の数が決定される。
【0052】
いくつかの態様において、プロトン性又は非プロトン性であり得る溶媒中にホワイトニング剤を溶解することが有利であり得る。典型的には、取り扱い及び配合を容易にするために、そのようなホワイトニング剤は、例えば、PEG200のような低分子量ポリエチレングリコールなどの極性プロトン性溶媒中に溶解され得る。いくつかの態様において、過剰量のm−トルイジンカプラーなどのポリエチレンオキシ置換カプラーをホワイトニング剤の生成に用い、最終的な着色料混合物中の成分として留めてもよい。特定の態様においては、過剰量のカプラー又は希釈溶媒を存在させて、それが組み込まれる、原料、予備混合物、最終生成物、又は更には最終生成物から調製した洗浄溶液などの混合物に、有利な特性をもたらすこともできる。
【0053】
染料−クレイ結合体
好適な染料クレイ結合体としては、少なくとも1つのカチオン染料/塩基性染料及びスメクタイトクレイを含む群から選択される染料クレイ結合体が挙げられ、好ましいクレイは、モンモリロナイトクレイ、ヘクトライトクレイ、サポナイトクレイ、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。別の態様において、好適な染料クレイ結合体としては、クレイと、以下の群:C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、C.I.ベーシックブラック1〜11から選択される1つのカチオン染料/塩基性染料と、からなる群から選択される、染料クレイ結合体が挙げられる。更に別の態様において、好適な染料クレイ結合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595結合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015結合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555結合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040結合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160結合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2結合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595結合体、ヘクトライトトベーシックブルーB9 C.I.52015結合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555結合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040結合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160結合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2結合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595結合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015結合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555結合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040結合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160結合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2結合体、及びそれらの混合物からなる群から選択される、染料クレイ結合体が挙げられる。
【0054】
顔料
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であっても、C1〜C3−アルキル又はフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、これらのフェニル及び複素環式ラジカルは、置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子当たり最大2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子当たり最大14個の臭素原子を含有するポリクロロ−銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。他の好適な顔料は、国際公開第2008/090091号に記載されている。別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、モナストラールブルー及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。特に好ましいのは、ピグメントブルー15〜20、特にピグメントブルー15及び/又は16である。他の好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、モナストラールブルー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0055】
本発明の洗浄組成物中のホワイトニング剤の総量は、典型的には、全洗浄組成物に基づいて0.0001〜0.25重量%、好ましくは0.001〜0.10重量%、最も好ましくは0.005〜0.05重量%である。洗浄液に基づいて、ホワイトニング剤の濃度は、典型的には1ppb〜5ppm、好ましくは10ppb〜500ppbである。当然のことながら、これは、用いられるホワイトニング剤の等価重量に依存する。濃度に対する調整が、例えば、高分子量のポリマーに結合した発色団の数に応じて必要とされ得、これは、非常に高い等価重量値を有するホワイトニング剤を生じさせ得る。当業者であれば、挙げられた範囲を使用されるホワイトニング剤に応じてどのように調整するかを知っている。上記のホワイトニング剤の総量の範囲は、約500g/当量の等価重量を有するホワイトニング剤に基づく。
【0056】
本発明は、色相を提供して織物基材を白色化するために、液体洗濯洗剤などの洗濯ケア組成物で使用するのに有用であり得るロイコ着色剤の分類に関する。ロイコ着色剤は、本質的に無色であるか、又はほんのわずかに有色であるが、活性化時に強烈に発色することができる化合物である。洗濯ケア組成物においてロイコ化合物を使用する1つの利点は、このような化合物は活性化されるまで無色であるので、洗濯ケア組成物がそれ自体の色を呈することができる点である。ロイコ着色剤は、一般に、洗濯ケア組成物の原色を変化させない。したがって、このような組成物の製造業者は、青味剤などの添加成分が組成物の最終色値に影響を及ぼすことに関して懸念することなく、消費者にとって最も魅力的な色を処方することができる。
【0057】
一態様では、本発明は、洗濯ケア成分と複数のホワイトニング剤とを含む洗濯ケア組成物に関し、上記ホワイトニング剤は、
(a)第1のホワイトニング剤(WA1)と、
(b)第2のホワイトニング剤(WA2)と、
(c)第3のホワイトニング剤(WA3)と、を含み、
第1のホワイトニング剤は、アクリジン、アントラキノン、アジン(オキサジン及びチアジンを含む)、アゾ、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン(トリフェニルメタン及びキサンテンを含む)、及びこれらの混合物からなる群から選択される化学分類に属する染料であり、好ましくは、第1のホワイトニング剤は、アントラキノン、アジン、アゾ、トリアリールメタン、及びこれらの混合物からなる群から選択される化学分類に属する青味染料であり、最も好ましくは、第1のホワイトニング剤は、アントラキノン又はアゾ染料であり、
第2のホワイトニング剤は、
【0059】
からなる群から選択される1つ以上の化合物から選択される染料であり、
式(I)の構造では、各環A、B及びCにおける各個々のR
o、R
m、及びR
p基は、独立して水素、重水素、及びR
5からなる群から選択され、各R
5は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、同じヘテロ原子に結合しているR
1、R
2及びR
3のいずれか2つが結合して、所望により−O−、−NR
15−、及び−S−からなる群から選択される1つ以上の追加のヘテロ原子を含む5員以上の環を形成することができ、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環が6員以上であるとき、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、所望により1つ以上のヘテロ原子を含有する有機リンカーを形成してもよく、一実施形態では、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、−O−及び−S−から選択されるヘテロ原子架橋を形成して、6員縮合環を作り、同じ環におけるR
o及びR
m又は同じ環におけるR
m及びR
pが結合して、縮合脂肪族環又は縮合芳香族環を形成してもよく、これら環のいずれもヘテロ原子を含有してもよく、3つの環A、B又はCの少なくとも1つにおいて、R
o及びR
m基の好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは4つ全てが水素であり、好ましくは、環A、B及びCの少なくとも2つにおけるR
o及びR
m基の4つ全てが水素であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCにおける全てのR
o及びR
m基が水素であり、好ましくは、各R
pは、独立して、水素、−OR
1及び−NR
1R
2から選択され、R
pの2つ以下、好ましくは1つ以下が水素であり、好ましくは水素は存在せず、より好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは2つ、最も好ましくは3つ全てのR
pが−NR
1R
2であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCの1つ又は更には2つは、所望により1つ以上の独立して選択されるR
5基で置換されている、独立してO、S及びNから選択される1又は2つのヘテロ原子を含む、独立して選択されるC
3〜C
9ヘテロアリール環で置換されてもよく、
R
1、R
2及びR
3は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
4は、1つ以上の有機モノマーで構成される有機基であり、上記モノマーの分子量が28〜500の範囲であり、
式(II)の構造では、e及びfは、独立して、0〜4の整数であり、各R
20及びR
21は、独立して、ハロゲン、ニトロ基、アルキル基、置換アルキル基、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−OR
1、及び−NR
1R
2からなる群から選択され、
式(III)の構造では、R
30は、架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、−OR
38及び−NR
36R
37からなる群から選択され、各R
36及びR
37は、独立して、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、R
4、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
38は、水素、アシル基、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、g及びhは、独立して、0〜4の整数であり、各R
31及びR
32は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、−NR
34R
35は、架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、R
34及びR
35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、gが2〜4であるとき、任意の2つの隣接するR
31基が結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環における原子の2つ以下が窒素原子であってもよく、
式(IV)の構造では、X
40は、酸素原子、硫黄原子、及びNR
45からなる群から選択され、R
45は、独立して、水素、重水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2OH、−S(O)
2O
−、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
40及びR
41は、独立して、−OR
1及び−NR
1R
2からなる群から選択され、j及びkは、独立して、0〜3の整数であり、R
42及びR
43は、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2R
1、−C(O)NR
1R
2、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、−OR
1、−NR
1R
2からなる群から選択される。
【0060】
式(I)〜(IV)の構造では、R
1、R
2、R
3、及びR
15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
4は1つ以上の有機モノマーからなる有機基であり、上記のモノマー分子量は28〜500、好ましくは43〜350、更により好ましくは43〜250の範囲であり、その有機基は、式I〜IVの構造に一致する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換され得る。
【0061】
好ましくは、第2のホワイトニング剤は、式Vの構造に一致する染料であり、
【0062】
【化5】
式中、各R
4は、独立して、H、メチル、エチル、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1つのR
4基は、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)Hであり、各添え字aは、独立して、1〜100の整数であり、各添え字bは、独立して、0〜50の整数であり、全てのR
4基中の全ての独立して選択されるa整数の合計は、200以下、好ましくは100以下であり、全てのR
4基中の全ての独立して選択されるb整数の合計は、100以下、好ましくは50以下である。好ましくは、少なくとも2つのR
4基はメチル及びエチルから選択され、最も好ましくは、式V中の少なくとも1つのNは、メチル及びエチル、好ましくはメチルから選択される2つのR
4基で置換される。
【0063】
非常に好ましい第2のホワイトニング剤としては、式VIの構造に一致するものが挙げられ、
【0064】
【化6】
式中、各添え字cは、独立して、0、1又は2であり、好ましくは、各cは1であり、各R
4は、独立して、H、メチル、エチル、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、各R
4は((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)Hであり、各添え字aは、独立して、1〜50、より好ましくは1〜25、更により好ましくは1〜20、1〜15、1〜10、1〜5又は更には1〜2の整数であり、各添え字bは、独立して、0〜25、より好ましくは0〜15、更により好ましくは1〜5又は更には1〜3の整数であり、ロイコ着色剤中の全ての独立して選択されるa整数の合計は、100以下、より好ましくは80以下、最も好ましくは60、40、20、10以下又は更には5以下であり、ロイコ着色剤中の全ての独立して選択されるb整数の合計は、50以下、より好ましくは40以下、最も好ましくは30、20、又は更には10以下であり、
化合物I〜VIのいずれかに存在する任意の電荷が、好適な独立して選択される内部又は外部対イオンで平衡化され、
第3のホワイトニング剤は、ジアリールメタンロイコ、トリアリールメタンロイコ、オキサジンロイコ、チアジンロイコ、ヒドロキノンロイコ、アリールアミノフェノールロイコ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるロイコ組成物である。本明細書で使用するのに好適なジアリールメタンロイコ化合物としては、本明細書に記載される第2の有色状態を形成することができるジアリールメチレン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な例としては、ミヒラーメタン、−OH基で置換されたジアリールメチレン(例えば、ミヒラーヒドロール)並びにそのエーテル及びエステル、−CN基などの光切断性部分で置換されたジアリールメチレン(ビス(パラ−N,N−ジメチル)フェニル)アセトニトリル)、並びに同様のこのような化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、第3のホワイトニング剤は、
【0065】
【化7】
(f)これらの混合物
からなる群から選択される1つ以上の化合物から選択されるロイコ組成物であり、
式VII〜XIのその酸化形態に対する比は、少なくとも1:3、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも3:1、最も好ましくは少なくとも9:1又は更には19:1であり、
式(VII)の構造では、環A、B及びCのそれぞれにおける各個々のR
o、R
m及びR
p基は、独立して、水素、重水素及びR
5からなる群から選択され、各R
5は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環が6員以上であるとき、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、所望により1つ以上のヘテロ原子を含有する有機リンカーを形成してもよく、一実施形態では、異なるA、B及びC環における2つのR
o基が結合して、−O−及び−S−から選択されるヘテロ原子架橋を形成して、6員縮合環を作り、同じ環におけるR
o及びR
m又は同じ環におけるR
m及びR
pが結合して、縮合脂肪族環又は縮合芳香族環を形成してもよく、これら環のいずれもヘテロ原子を含有してもよく、3つの環A、B又はCの少なくとも1つにおいて、R
o及びR
m基の好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは4つ全てが水素であり、好ましくは、環A、B及びCの少なくとも2つにおけるR
o及びR
m基の4つ全てが水素であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCにおける全てのR
o及びR
m基が水素であり、好ましくは、各R
pは、独立して、水素、−OR
1及び−NR
1R
2から選択され、R
pの2つ以下、好ましくは1つ以下が水素であり、好ましくは水素は存在せず、より好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは2つ、最も好ましくは3つ全てのR
pが−NR
1R
2であり、いくつかの実施形態では、環A、B及びCの1つ又は更には2つは、所望により1つ以上の独立して選択されるR
5基で置換されている、独立してO、S及びNから選択される1又は2つのヘテロ原子を含む、独立して選択されるC
3〜C
9ヘテロアリール環で置換されてもよく、Gは、独立して、水素、重水素、C
1〜C
16アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシド、ナイトライト、ニトリル、アルキルアミン、イミダゾール、アリールアミン、ポリアルキレンオキシド、ハライド、アルキルスルフィド、アリールスルフィド、又はホスフィンオキシドからなる群から選択され、一態様では、Gの[(重水素)/(重水素+水素)]の比率は、少なくとも0.20、好ましくは少なくとも0.40、更により好ましくは少なくとも0.50、最も好ましくは少なくとも0.60又は更には少なくとも0.80であり、同じヘテロ原子に結合しているR
1、R
2及びR
3のいずれか2つが結合して、所望により−O−、−NR
15−、及び−S−からなる群から選択される1つ以上の追加のヘテロ原子を含む5員以上の環を形成してもよい。
【0066】
式(VIII)〜(IX)の構造では、e及びfは、独立して、0〜4の整数であり、各R
20及びR
21は、独立して、ハロゲン、ニトロ基、アルキル基、置換アルキル基、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−OR
1、及び−NR
1R
2からなる群から選択され、各R
25は、独立して、単糖部分、二糖部分、オリゴ糖部分、及び多糖部分、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、各R
22及びR
23は、独立して、水素、アルキル基、及び置換アルキル基からなる群から選択される。
【0067】
式(X)の構造では、R
30は、架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、−OR
38及び−NR
36R
37からなる群から選択され、各R
36及びR
37は、独立して、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アシル基、R
4、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
38は、水素、アシル基、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、g及びhは、独立して、0〜4の整数であり、各R
31及びR
32は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルカリル、置換アルカリル、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2、−C(O)R
1、−C(O)OR
1、−C(O)O
−、−C(O)NR
1R
2、−OC(O)R
1、−OC(O)OR
1、−OC(O)NR
1R
2、−S(O)
2R
1、−S(O)
2OR
1、−S(O)
2O
−、−S(O)
2NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)OR
2、−NR
1C(O)SR
2、−NR
1C(O)NR
2R
3、−P(O)
2R
1、−P(O)(OR
1)
2、−P(O)(OR
1)O
−、及び−P(O)(O
−)
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、−NR
34R
35は、架橋アミン部分に対してオルト又はパラに位置し、R
34及びR
35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
33は、独立して、水素、−S(O)
2R
1、−C(O)N(H)R
1、−C(O)OR
1、及び−C(O)R
1からなる群から選択され、gが2〜4である場合、任意の2つの隣接するR
31基が結合して、5員以上の縮合環を形成してもよく、縮合環中の原子の2つ以下が窒素原子であってもよい。
【0068】
式(XI)の構造では、X
40は、酸素原子、硫黄原子、及びNR
45からなる群から選択され、R
45は、独立して、水素、重水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2OH、−S(O)
2O
−、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、及び−C(O)NR
1R
2からなる群から選択され、R
40及びR
41は、独立して、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、j及びkは、独立して、0〜3の整数であり、R
42及びR
43は、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、−S(O)
2R
1、−C(O)NR
1R
2、−NC(O)OR
1、−NC(O)SR
1、−C(O)OR
1、−C(O)R
1、−(CH
2)
n−O−R
1、−(CH
2)
n−NR
1R
2からなる群から選択され、添え字nは、0〜4、好ましくは0〜1、最も好ましくは0の整数であり、R
44は、−C(O)R
1、−C(O)NR
1R
2、及び−C(O)OR
1である。
【0069】
好ましい第3のホワイトニング剤は、式XIIの構造に一致するものであり、
【0070】
【化8】
式中、各R
4は、独立して、H、メチル、エチル、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1つのR
4基は、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)Hであり、各添え字aは、独立して、1〜100の整数であり、各添え字bは、独立して、0〜50の整数であり、全てのR
4基中の全ての独立して選択されるa整数の合計は、200以下、好ましくは100以下であり、全てのR
4基中の全ての独立して選択されるb整数の合計は、100以下、好ましくは50以下である。好ましくは、少なくとも2つのR
4基はメチル及びエチルから選択され、最も好ましくは、構造XII中の少なくとも1つのNは、メチル及びエチル、好ましくはメチルから選択される2つのR
4基で置換され、
非常に好ましい第3のホワイトニング剤は、式XIIIの構造に一致するものであり、
【0071】
【化9】
式中、各添え字cは、独立して、0、1又は2であり、好ましくは、各cは1であり、各R
4は、独立して、H、メチル、エチル、((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、各R
4は((CH
2CH
2O)
a(C
3H
6O)
b)Hであり、各添え字aは、独立して、1〜50、より好ましくは1〜25、更により好ましくは1〜20、1〜15、1〜10、1〜5又は更には1〜2の整数であり、各添え字bは、独立して、0〜25、より好ましくは0〜15、更により好ましくは1〜5又は更には1〜3の整数であり、ロイコ着色剤中の全ての独立して選択されるa整数の合計は、100以下、より好ましくは80以下、最も好ましくは60、40、20、10以下又は更には5以下であり、ロイコ着色剤中の全ての独立して選択されるb整数の合計は、50以下、より好ましくは40以下、最も好ましくは30、20、又は更には10以下である。
【0072】
これらの化合物のいずれかに存在する任意の電荷が、好適な独立して選択される内部又は外部対イオンで平衡化され、
好適な独立して選択される外部対イオンは、カチオン性又はアニオン性であってよい。好適なカチオンの例としては、好ましくは第I族及び第II族から選択される1種以上の金属が挙げられるが、これらに限定されず、これらのうち最も好ましいものは、Na、K、Mg、及びCa、又はイミニウム、アンモニウム、及びホスホニウムなどの有機カチオンである。好適なアニオンの例としては、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨーダイド、パークロレート、ハイドロゲンサルフェート、サルフェート、アミノサルフェート、ニトレート、ジヒドロゲンホスフェート、ハイドロゲンホスフェート、ホスフェート、ビカルボネート、カルボネート、メトサルフェート、エトサルフェート、シアネート、チオシアネート、テトラクロロジンケート、ボレート、テトラフルオロボレート、アセテート、クロロアセテート、シアノアセテート、ヒドロキシアセテート、アミノアセテート、メチルアミノアセテート、ジ−及びトリ−クロロアセテート、2−クロロ−プロピオネート、2−ヒドロキシプロピオネート、グリコレート、チオグリコレート、チオアセテート、フェノキシアセテート、トリメチルアセテート、バレレート、パルミテート、アクリレート、オキサレート、マロネート、クロトネート、スクシネート、シトレート、メチレン−ビス−チオグリコレート、エチレン−ビス−イミノアセテート、ニトリロトリアセテート、フマレート、マレエート、ベンゾエート、メチルベンゾエート、クロロベンゾエート、ジクロロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、アミノベンゾエート、フタレート、テレフタレート、インドリルアセテート、クロロベンゼンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ビフェニルスルホネート、及びクロロトルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、上に列挙したものの代わりに使用することができる異なる対イオンを十分に認識している。
【0073】
式(VII)〜(XIII)の構造では、R
1、R
2、R
3、及びR
15は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルカリル、置換アルカリル、及びR
4からなる群から選択され、R
4は1つ以上の有機モノマーからなる有機基であり、上記のモノマー分子量は28〜500、好ましくは43〜350、更により好ましくは43〜250の範囲であり、その有機基は、式VII〜XIIIの構造に一致する1つ以上の追加のロイコ着色剤部分で置換され得る。一態様では、R
4は、アルキレンオキシ(ポリエーテル)、オキソアルキレンオキシ(ポリエステル)、オキソアルキレンアミン(ポリアミド)、エピクロロヒドリン、四級化エピクロロヒドリン、アルキレンアミン、ヒドロキシアルキレン、アシルオキシアルキレン、カルボキシアルキレン、カルボアルコキシアルキレン、及び糖からなる群から選択される。任意のロイコ着色剤が3つ以上の連続するモノマーを有するR
4基を含む場合、そのロイコ着色剤は、本明細書において「高分子ロイコ着色剤」として定義される。当業者は、溶解度、分配、付着、除去、染色などの多くの特性属性のいずれかに関する化合物の特性が、その中に組み込まれるこのような連続するモノマーの配置、同一性、及び数に関連することを承知している。したがって、当業者は、このような連続するモノマーの配置、同一性、及び数を調整して、程度の差はあれ予測可能な様式で任意の特定の属性を変化させることができる。
【0074】
一態様では、第1のホワイトニング剤は、以下の構造によって特徴付けられ、
【0075】
【化10】
式中、R
8及びR
9は、独立して、以下から選択され得る:
a)[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]
[式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5であり、好ましくは、R’及びR”は両方ともHであり、zは0であり、x+yは2又は3である]。
b)R
8=アルキル、アリール又はアリールアルキル、及びR
9=[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]
[式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5である]、
c)R
8=[CH
2CH
2(OR
10)CH
2OR
11]及びR
9=[CH
2CH
2(OR
10)CH
2OR
11]
[式中、R
10は、H、(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
R
11は、(C
1〜C
16)アルキル基、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択される]、
d)R
8及びR
9は、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、及びグリシジルヘキサデシルエーテルの、アミノ付加生成物に1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加したものから独立して選択され得る。
【0076】
非常に好ましい第1のホワイトニング剤は、式XVであり、
【0077】
【化11】
式中、x+yは、平均値が5の約2〜約10である。好ましい態様では、第2のホワイトニング剤は、第3のホワイトニング剤の酸化形態である。
【0078】
一態様では、洗濯ケア組成物は、以下の式
((WA2+WA3)/(WA1+WA2+WA3))×100%
の値が、10%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは50%以上、最も好ましくは80%以上であるような当量のホワイトニング剤1、2及び3を含む。
【0079】
別の態様では、この同じ組成物は、以下の式
((WA2)/(WA2+WA3))×100%
の値が、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2.5%以下、最も好ましくは1%以下であるような当量のホワイトニング剤2及びホワイトニング剤3を含む。
【0080】
本発明の洗濯ケア組成物に使用されるホワイトニング剤2とホワイトニング剤3との合計量は、本発明の目的を達成するのに適した任意の濃度であってよい。一態様では、洗濯ケア組成物は、ホワイトニング剤2とホワイトニング剤3を約0.0001重量%〜約1.0重量%、好ましくは0.0005重量%〜約0.5重量%、更により好ましくは約0.0008重量%〜約0.2重量%、最も好ましくは0.004重量%〜約0.1重量%の合計量で含む。
【0081】
別の態様では、洗濯ケア組成物は、ホワイトニング剤2とホワイトニング剤3を0.0025〜5.0ミリ当量/kg、好ましくは0.005〜2.5ミリ当量/kg、更により好ましくは0.01〜1.0ミリ当量/kg、最も好ましくは0.05〜0.50ミリ当量/kgの合計量で含み、ミリ当量/kgの単位は、洗濯組成物のkg当たりのロイコ部分のミリ当量を指す。1つを超えるロイコ部分を含むロイコ着色剤では、ミリ当量数は、以下の等式によるロイコ着色剤のミリモル数に関連する:(ロイコ着色剤のミリモル)×(ロイコ部分のミリ当量数/ロイコ着色剤のミリモル)=ロイコ部分のミリ当量。対応する関係は、1つを超える酸化ロイコ部分を含む酸化ロイコ着色剤、及び少なくとも1つのロイコ部分と少なくとも1つの酸化ロイコ部分との混合物を含む化合物に適用される。ロイコ着色剤当たり単一のロイコ部分しか存在しない場合、ミリ当量/kgの数は、洗濯ケア組成物の1kg当たりのロイコ着色剤のミリモルの数に等しい。
【0082】
一態様では、本発明のロイコ着色剤(WA3)は、45mN/m超、より好ましくは47.5mN/m超、最も好ましくは50mN/m超の表面張力値を有する。別の態様では、ロイコ着色剤(WA2)の第2の有色状態は、45mN/m超、より好ましくは47.5mN/m超、最も好ましくは50mN/m超の表面張力値を有する。本発明の更に別の態様では、ロイコ着色剤(WA3)とその対応する第2の有色状態(WA2)との両方は、45mN/m超、より好ましくは47.5mN/m超、最も好ましくは50mN/m超の表面張力値を有する。
【0083】
上記のロイコ化合物は、家庭用洗濯プロセスなどの織物材料の処理に使用するのに好適であると考えられる。具体的には、ロイコ化合物は、ロイコ化合物の性質に起因して、織物材料の繊維上に付着すると考えられる。更に、織物材料上に付着したら、ロイコ化合物をその有色形態に変換する適切な化学的又は物理的なトリガを適用することによって、ロイコ化合物を有色化合物に変換することができる。例えば、ロイコ化合物が酸化化合物に酸化された際、ロイコ化合物はその有色形態に変換され得る。適切なロイコ部分を選択することによって、ロイコ化合物がその有色形態に変換されたときに所望の色相を織物材料に付与するようにロイコ化合物を設計することができる。例えば、その有色形態に変換された際に青色の色相を呈するロイコ化合物を使用して、時間の経過及び/又は洗濯の繰り返しによって通常生じる織物材料の黄変を相殺することができる。したがって、他の実施形態では、本発明は、上記のロイコ化合物を含む洗濯ケア組成物及び家庭で織物材料を処理する方法(例えば、洗濯又は衣類の物品を洗浄する方法)を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、(a)洗濯ケア成分及び複数のホワイトニング剤を含む洗濯ケア組成物を提供する工程であって、上記ホワイトニング剤が第1、第2、及び第3のホワイトニング剤を含む、工程と、(b)洗濯ケア組成物を液体媒体に添加する工程と、(c)液体媒体中に織物物品を配置する工程と、(d)任意に、この織物をすすぐ工程と、(e)織物物品を乾燥させる工程と、を含む、織物物品を処理するための方法を提供する。
【0085】
好ましくは、第1のホワイトニング剤、第2のホワイトニング剤、第3のホワイトニング剤(ロイコ化合物)、又はより好ましくは3つのホワイトニング剤の組み合わせは、210〜345の相対色相角、又は更には240〜320の相対色相角、又は更には250〜300(例えば、250〜290)の相対色相角を有する色相を布地に与える。相対色相角は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によって求めることができる。しかしながら、好ましくは、相対色相角は、ロイコ実体が全く存在しない綿布と比べて、ロイコ実体の綿布への付着に関して本明細書で更に詳細に記載されるように決定することができる。
【0086】
一実施形態では、ホワイトニング剤のうちの1つ以上は、少なくとも他のホワイトニング剤とは実質的に異なる色相を織物物品に提供し得る。場合によっては、主にホワイトニング剤1及びホワイトニング剤2に由来し得る、消費者が経験する初期色相が、全てのホワイトニング剤からの寄与を反映する最終色相と異なるものであることは有利であり得る。色相のシフトは、単に同じ色相を織物に更に追加することよりも容易に知覚され得ることが知られており、そのため、色相を洗浄直後から1日以上にわたって徐々に変化させることは、視認性を高め、消費者によって知覚される利益を高めることができる。
【0087】
洗濯ケア成分
洗濯ケア組成物は、いくつかの態様では、全体的に又は部分的に組み込まれ得る他の好適な補助剤を含んでもよい。補助剤は、選択ケア組成物の意図する機能に従って選択され得る。第1の組成物は添加剤を含み得る。いくつかの態様では、複数区画の単位用量物品の場合、添加剤は、第1の組成物とは別の区画に封入される、非第1(例えば第2、第3、第4等)の組成物の一部であってよい。非第1の組成物は、任意の好適な組成物であってよい。非第1の組成物は、固体、液体、分散体、ゲル、ペースト又はこれらの混合物の形態であってよい。単位用量が複数の区画を含む場合、ロイコ着色剤は、1つ、2つ、又は更には全ての区画に添加されてもよく、又は存在してもよい。一実施形態では、ロイコ着色剤をより大きな区画に添加して、より低濃度にし、それによって、潜在的な接触染色に関与するあらゆる問題を最小限に抑えることができる。他方、より小さな体積の区画内において抗酸化剤をロイコ着色剤で濃縮することにより、抗酸化剤の局所濃度を高くすることができ、それによって強化された安定性を提供することができる。したがって、当業者には理解されるように、配合者は、単位用量の所望の特性に従ってロイコ着色剤の位置及び量を選択することができる。
【0088】
補助剤
洗濯ケア組成物は、界面活性剤系を含み得る。洗濯ケア組成物は、洗濯ケア組成物の約1重量%〜約80重量%、又は1重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約8重量%〜約40重量%の界面活性剤系を含み得る。
【0089】
界面活性剤:好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な界面活性剤は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。好ましい界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を、好ましくは90:1〜1:90の重量比で含む。場合によっては、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は少なくとも1:1であるのが好ましい。しかしながら、この比は10:1未満であるのが好ましい場合がある。存在する場合、全界面活性剤濃度は好ましくは、本発明の組成物の0.1重量%〜60重量%、1重量%〜50重量%又は更には5重量%〜40重量%である。
【0090】
アニオン性界面活性剤:アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8〜22個の炭素原子又は一般に8〜18個の炭素原子を含有する有機疎水性基と、水溶性化合物を形成するために、好ましくはスルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから選択される少なくとも1つの水可溶化基とを含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、C8〜C22アルキル、又はアシル基を含むこととなる。このような界面活性剤は、水溶性塩の形態で用いられ、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びモノ−から選択され、ナトリウムカチオンが通常選択されるものである。
【0091】
本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸形態で存在してもよく、当該酸形態を中和して、本洗剤組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい中和剤としては、アンモニア、アミン、オリゴアミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野で既知の他の直鎖状若しくは分岐鎖状アルカノールアミンが挙げられ、例えば、かなり好ましいアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えばアニオン性界面活性剤の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0092】
好適なスルホネート界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、特にアルキルベンゼンスルホネート、好ましくはC
10〜13アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる、好ましくは得られる。好適なLABとしては、Sasolによって商標名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaによって商標名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolによって商標名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤は、DETAL触媒方法によって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0093】
好適なサルフェート界面活性剤としては、アルキルサルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルサルフェート、又は主にC
12アルキルサルフェートが挙げられる。
【0094】
好ましいサルフェート界面活性剤は、アルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはアルキルエトキシル化サルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルエトキシル化サルフェートであり、好ましくは、アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5〜20、好ましくは0.5〜10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5〜10、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.5〜3の平均エトキシル化度を有するC
8〜18アルキルエトキシル化サルフェートである。アルキルアルコキシル化サルフェートは、ブロードなアルコキシ分布又はピークのあるアルコキシ分布を有し得る。
【0095】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分岐鎖であってよく(2アルキル置換又は中鎖分岐型を含む)、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。好ましくは、分枝基はアルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基及びこれらの混合物から選択される。単一又は複数のアルキル分枝が、本発明の洗剤で使用されるサルフェート化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在することができる。最も好ましくは、分枝状サルフェート化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0096】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシル化度及び分枝化度で市販されている。市販されているサルフェートとしては、Shell社製のNeodolアルコール、Sasol社製のLial−Isalcheml及びSafol、Procter & Gamble Chemicals社製の天然アルコールをベースにしたものが挙げられる。
【0097】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、C10〜C26直鎖又は分岐鎖、好ましくはC10〜C20直鎖、最も好ましくはC16〜C18直鎖アルキルアルコール、及び2〜20、好ましくは7〜13、より好ましくは8〜12、最も好ましくは9.5〜10.5エトキシレートを含む、アルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。酸形態又はナトリウム若しくはアンモニウムの塩などの塩形態を使用してよく、アルキル鎖は、1つのシス又はトランス二重結合を含有していてもよい。アルキルエーテルカルボン酸は、花王(Akypo(登録商標))、Huntsman(Empicol(登録商標))及びClariant(Emulsogen(登録商標))から入手可能である。
【0098】
非イオン性界面活性剤:好適な非イオン性界面活性剤は、C
8〜C
18アルキルエトキシレート、例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン界面活性剤;C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(好ましくは、このアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位又はこれらの混合物である);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C
12〜C
18アルコール及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物(例えば、BASFから販売されるPluronic(登録商標);アルキル多糖類、好ましくはアルキルポリグリコシド;メチルエステルエトキシレート;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0099】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールである。
【0100】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC
8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、好ましくはアルキルアルコキシル化アルコールは、1〜50、好ましくは1〜30、又は1〜20、又は1〜10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1〜10、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、最も好ましくは3〜7の平均エトキシル化度を有するC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールである。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、7〜10の平均エトキシル化度を有するC
12〜15アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASF製の商標名Lutensol(登録商標)を有するものが挙げられる。
【0101】
カチオン性界面活性剤:好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0102】
好適なカチオン性界面活性剤は、以下の一般式を有する四級アンモニウム化合物である。
(R)(R
1)(R
2)(R
3)N
+X
−
式中、Rは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換C
6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R
1及びR
2は、互いに独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R
3はヒドロキシ、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンとしては、ハライド、好ましくはクロリド;サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。
【0103】
本発明の布地ケア組成物は、組成物の最大約30重量%、あるいは約0.01重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約20重量%のカチオン性界面活性剤を含有することができる。本発明の目的に対して、カチオン性界面活性剤には、布地ケア効果をもたらすことができるものが挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例として、脂肪族アミン、イミダゾリン四級物質及び四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、好ましくは、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タローオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルスルフェート;1,2ジ(ステアロイル−オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリド;ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェートなどのジアルキレンジメチルアンモニウム塩;1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート;1−タロイルアミドエチル−2−タロイルイミダゾリン;N,N”−ジアルキルジエチレントリアミン;脂肪酸が、(水素添加)タロー脂肪酸、パーム脂肪酸、水素添加パーム脂肪酸、オレイン酸、菜種脂肪酸、水素添菜種脂肪酸である脂肪酸でエステル化されたN−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−エチレンジアミン又はN−(2−ヒドロキシイソプロピル)−1,2−エチレンジアミンとグリコール酸との反応生成物;ポリグリセロールエステル(PGEs)、油状糖誘導体及びワックスエマルション並びに上記の混合物である。
【0104】
上記に開示されている柔軟剤活性物質の組み合わせが、本明細書で使用するのに好適であることが理解されよう。
【0105】
両性及び双極性界面活性剤:好適な両性又は双極性界面活性剤としては、アミンオキシド及び/又はベタインが挙げられる。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、特に、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0106】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0107】
ロイコ着色剤希釈剤
ロイコ着色剤組成物中の成分の別の分類は、希釈剤及び/又は溶媒であり得る。希釈剤及び/又は溶媒の目的は、多くの場合、流動性を改善する及び/又はロイコ着色剤の粘度を低下させることであるが、これらに限定されない。多くの場合、その低コスト及び非毒性を考慮して、水が好ましい希釈剤及び/又は溶媒であるが、他の溶媒も同様に使用され得る。好ましい溶媒は、コストが低くかつ危険性が低いものである。好適な溶媒の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコキシル化ポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、Tween20(登録商標)、Tween40(登録商標)、Tween80(登録商標)など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの中でも、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーが好ましい場合がある。これらポリマーは、多くの場合、水による曇点を特徴とし、これは、生成物を水から分離して、望ましくない水溶性不純物を除去するのに役立ち得る。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーの例としては、BASFによるPLURONICシリーズのポリマー及びDowによるTERGITOL(商標)シリーズのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ロイコ着色剤組成物が洗濯ケア組成物に組み込まれたとき、これらポリマーは、非イオン性界面活性剤としても作用し得る。
【0108】
本明細書に記載される洗濯ケア組成物は、以下の成分の非限定的なリストのうちの1つ以上を含んでいてもよい:布地ケア有益剤;洗浄性酵素;沈着助剤;レオロジー変性剤;ビルダー;キレート剤;ブリーチ;漂白剤(bleaching agent);漂白剤前駆体;漂白促進剤;漂白触媒;香料及び/又は香料マイクロカプセル;香料充填ゼオライト;デンプン封入アコード;ポリグリセロールエステル;ホワイトニング剤;真珠光沢剤;酵素安定剤系;アニオン性染料の定着剤を含む除去薬、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合物;光学増白剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー及び/又は汚れ懸濁ポリマーを含むがこれらに限定されないポリマー;分散剤;消泡剤;非水性溶媒;脂肪酸;泡抑制剤、例えばシリコーン泡抑制剤;カチオンデンプン;スカム分散剤;直接染料;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;トルエンスルホネート、クメンスルホネート及びナフタレンスルホネートなどのヒドロトロープ;色斑;着色ビーズ、球体、又は押出物;泥柔軟化剤;抗菌剤。追加的又は代替的に、組成物は、界面活性剤、四級アンモニウム化合物、及び/又は溶剤系を含んでもよい。四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤などの布地強化剤組成物中に存在してもよく、構造NR
4+の正に荷電された多原子イオンである四級アンモニウムカチオンを含み、Rは、アルキル基又はアリール基である。
【0109】
色相染料
当該組成物は、追加の布地シェーディング剤を含み得る。好適な布地シェーディング剤としては、染料、染料−クレイ結合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アッシドレッド、アッシドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット及びベーシックレッド、又はこれらの混合物の色指数(Colour Index、C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。好ましい染料としては、アルコキシル化アゾチオフェン、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット50及びダイレクトバイオレット9が挙げられる。
【0110】
審美着色剤。当該組成物は、1つ以上の審美着色剤を含み得る。好適な審美着色剤としては、染料、染料−クレイ結合体、顔料、及びLiquitint(登録商標)高分子着色剤(Milliken&Company(Spartanburg,South Carolina,USA))が挙げられる。一態様では、好適な染料及び顔料としては、小分子染料及び高分子染料が挙げられる。審美着色剤は、アクリジン、アントラキノン、アジン、アゾ、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、メチン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フェノチアジン、フタロシアニン(例えば、銅フタロシアニン)、ピラゾール、ピラゾロン、キノロン、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン(例えば、トリフェニルメタン)、キサンテン、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの発色団成分を含み得る。
【0111】
本発明の一態様では、審美着色剤としては、Liquitint(登録商標)ブルーAH、Liquitint(登録商標)ブルーBB、Liquitint(登録商標)ブルー275、Liquitint(登録商標)ブルー297、Liquitint(登録商標)ブルーBB、シアン15、Liquitint(登録商標)グリーン101、Liquitint(登録商標)オレンジ272、Liquitint(登録商標)オレンジ255、Liquitint(登録商標)ピンクAM、Liquitint(登録商標)ピンクAMC、Liquitint(登録商標)ピンクST、Liquitint(登録商標)バイオレット129、Liquitint(登録商標)バイオレットLS、Liquitint(登録商標)バイオレット291、Liquitint(登録商標)イエローFT、Liquitint(登録商標)ブルーBuf、Liquitint(登録商標)ピンクAM、Liquitint(登録商標)ピンクPV、アシッドブルー80、アシッドブルー182、アシッドレッド33、アシッドレッド52、アシッドバイオレット48、アシッドバイオレット126、アシッドブルー9、アシッドブルー1、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0112】
封入物。当該組成物は、封入された材料を含み得る。一態様では、封入物は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含み、当該シェルは、当該コアを封入化する。コアは、あらゆる洗濯ケア助剤を含むことができるが、典型的には、コアは、香料;増白剤;色調染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;スキンケア剤、一態様では、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよく、当該シェルは、ポリエチレン;ポリアミド、所望により他のコ−モノマーを含有するポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;セラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物。
【0113】
好ましい封入物は、香料を含む。好ましい封入物は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでいてもよいシェルを含む。他の好ましいカプセルは、ポリアクリレート系シェルを含む。好ましい封入物は、コア材とシェルとを含み、当該シェルは、当該コア材を少なくとも部分的に取り囲むことが開示されている。当該封入物の少なくとも75%、85%、又は更には90%は、0.2MPa〜10MPaの破壊強度、及び封入された有益剤の初期総量に対して0%〜20%、又は更には10%若しくは5%未満の有益剤漏出率を有し得る。当該封入物の少なくとも75%、85%、若しくは更には90%が、(i)1マイクロメートル〜80マイクロメートル、5マイクロメートル〜60マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、若しくは更には15マイクロメートル〜40マイクロメートルの粒径を有し得、及び/又は(ii)当該封入物の少なくとも75%、85%、若しくは更には90%が、30nm〜250nm、80nm〜180nm、又は更には100nm〜160nmの粒子壁厚を有し得るものが好ましい。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、封入物と共に、例えばカプセルスラリー中で用いてよく、及び/又は封入物を組成物に添加する前、添加している間、若しくは添加した後にこのような組成物に添加してよい。好適なカプセルは、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って作製することができる。あるいは、好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。
【0114】
好ましい態様では、組成物は、好ましくは封入物に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0115】
香料。本発明の好ましい組成物は、香料を含む。典型的には、組成物は、国際公開第08/87497号に記載されているような群から選択される1つ以上の香料原材料を含む香料を含む。しかしながら、洗濯ケア組成物において有用ないかなる香料も用いてよい。香料を本発明の組成物に配合する好ましい方法は、水溶性ヒドロキシ化合物、又はメラミン−ホルムアルデヒド又は変性ポリビニルアルコールのいずれかを含む封入香料粒子を介するものである。
【0116】
悪臭低減材料
本開示の洗浄組成物は、悪臭低減材料を含み得る。このような材料は、1種類以上の悪臭の知覚を減らすか、又は更には知覚しなくすることができる。これら材料は、計算された悪臭低減値(「MORV」)によって特徴付けることができ、MORVは国際公開第2016/049389号に示されている試験方法に従って計算される。
【0117】
本明細書で使用するとき、「MORV」は、目的材料について計算された悪臭低減値である。材料のMORVは、このような材料が、1種類以上の悪臭の検知を減らすか、又は更には知覚しなくする能力を示す。
【0118】
本開示の洗浄組成物は、総量が組成物の約0.00025重量%〜約0.5重量%、好ましくは約0.0025重量%〜約0.1重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約0.075重量%、最も好ましくは約0.01重量%〜約0.05重量%の1種類以上の悪臭低減材料を含み得る。洗浄組成物は、約1〜約20種類の悪臭低減材料、より好ましくは1〜約15種類の悪臭低減材料、最も好ましくは1〜約10種類の悪臭低減材料を含み得る。
【0119】
悪臭低減材料のうちの1種類、数種類、又は各種類は、少なくとも0.5、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜5のMORVを有し得る。悪臭低減材料のうちの1種類、数種類、又は各種類は、本明細書に記載するように試験した悪臭の全てのMORV値が>0.5と定義される、ユニバーサルMORVを有し得る。悪臭低減材料の総量は、3未満、より好ましくは約2.5未満、更により好ましくは約2未満、また更により好ましくは約1未満、最も好ましくは約0のブロッカー指数を有し得る。悪臭低減材料の総量は、約3〜約0.001のブロッカー指数の平均を有し得る。
【0120】
本開示の洗浄組成物では、悪臭低減材料は、3未満、好ましくは2未満、より好ましくは1未満、最も好ましくは約0の芳香忠実度指数(Fragrance Fidelity Index)を有し、かつ/又は芳香忠実度指数の平均が3〜約0.001の芳香忠実度指数であってよい。芳香忠実度指数が増加するにつれて、悪臭低減材料(単数又は複数)は、悪臭を弱め続けるが、もたらす芳香効果が次第に小さくなる。
【0121】
本開示の洗浄組成物は、香料を含み得る。悪臭低減組成物の香料の部に対する重量比は、約1:20,000〜約3000:1、好ましくは約1:10,000〜約1,000:1、より好ましくは約5,000:1〜約500:1、最も好ましくは約1:15〜約1:1であってもよい。悪臭低減組成物の香水の部に対する比を狭めると、悪臭低減材料(単数又は複数)は、悪臭を弱め続けるが、もたらす芳香効果が次第に小さくなる。
【0122】
タンニン
本開示の洗浄組成物は、タンニンを含み得る。タンニンは高等植物のポリフェノール二次代謝産物であり、かつタンニンはガロイル部分又はこれらの誘導体が種々のポリオール−、カテキン−及びトリテルペノイド核に結合している(ガロタンニン、エラジタンニン及び複合タンニン)ガロイルエステル並びにそれらの誘導体のいずれかである、あるいはタンニンはフラバニル間結合及び置換パターン(縮合タンニン)を備え得るオリゴマーのプロアントシアニジン及びポリマーのプロアントシアニジンである。本開示の洗浄組成物は、ガロタンニン、エラジタンニン、複合タンニン、縮合型タンニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンニンを含み得る。
【0123】
ポリマー。当該組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。例には、任意に変性されたカルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートのようなポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーがある。
【0124】
当該組成物は、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び疎水性の特性が釣り合っている。好適な両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む。これらは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、特に、エトキシル化ポリエチレンイミン、又は内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するポリエチレンイミンを含み得る。典型的には、これらは、0.005〜10重量%、一般的には0.5〜8重量%の量で本発明の組成物に配合され得る。
【0125】
当該組成物は、修飾されたヘキサメチレンジアミンを含み得る。ヘキサメチレンジアミンの修飾としては、以下が挙げられる:(1)ヘキサメチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つ又は2つのアルコキシル化修飾。当該アルコキシル化修飾は、ヘキサメンチレンジアミンの窒素における水素原子を、修飾1つ当たり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、当該アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1〜C4アルキル、スルフェート、カーボネート、若しくはこれらの混合物で末端保護されている;(2)ヘキサメンチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つのC1〜C4アルキル部分の置換及び1つ若しくは2つのアルコキシル化修飾。当該アルコキシル化修飾は、水素原子を、修飾1つ当たり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、当該アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1〜C4アルキル若しくはこれらの混合物で末端保護されている;又は(3)これらの組み合わせ。
【0126】
ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加のグリース除去性能を提供するのに有用である。そのような材料は、国際公開第91/08281号及び国際出願PCT90/01815号に記載されている。化学的に、これら材料は、7〜8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3[式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である]のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%〜約10重量%含まれ得る。
【0127】
別の好適なカルボキシレートポリマーは、(i)カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーから誘導される50〜98重量%未満の構造単位;(ii)スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーから誘導される1重量%から49重量%未満の構造単位;並びに(iii)式(I)及び(II)によって表されるエーテル結合含有モノマーから選択される1種類以上のモノマーから誘導される1〜49重量%の構造単位を含む、コポリマーである:
【0128】
【化12】
式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、但し、Xは、Rが単結合である場合、1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基であり、
【0129】
【化13】
式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である。
【0130】
ポリマーは、少なくとも50kDa、又は更には少なくとも70kDaの重量平均分子量を有することが好ましい場合がある。
【0131】
他の好適なポリマーとしては、両親媒性グラフトコポリマーが挙げられる。好ましい両親媒性グラフトコポリマー(単数又は複数)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含む。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されているSokalan HP22である。他の好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。当該ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は好ましくは約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40〜60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下である。典型的には、これらは、0.005〜10重量%、より典型的には0.05〜8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0132】
当該組成物は、1つ以上の汚れ放出ポリマーを含み得る。例としては、以下の式(VI)、(VII)又は(VIII)の1つによって定義される構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる:
(VI) −[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(VII) −[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(VIII) −[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
[式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meで置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−、若しくはテトラ−アルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H、又はC
1〜C
18のn−若しくはイソ−アルキルから選択され、
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は5個〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である]。
【0133】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6を含むRepel−o−texポリマーなどのポリエステル汚れ遊離ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0134】
また、当該組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含んでいてもよい。好ましいセルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0135】
汚れ放出ポリマー:組成物は、汚れ放出ポリマーを含んでもよい。好適な汚れ放出ポリマーは、以下の構造(I)、(II)又は(III)のうちの1つによって特定される構造を有する:
(I) −[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(II) −[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(III) −[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
[式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meで置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−、若しくはテトラ−アルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H、又はC
1〜C
18のn−若しくはイソ−アルキルから選択され、
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は5個〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である]。
【0136】
好適な汚れ放出ポリマーは、Clariantにより、TexCare(登録商標)シリーズのポリマー、例えば、TexCare(登録商標)SRN240及びTexCare(登録商標)SRA300として販売されている。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Solvayにより、Repel−o−Tex(登録商標)シリーズのポリマー、例えば、Repel−o−Tex(登録商標)SF2及びRepel−o−Tex(登録商標)Crystalとして販売されている。
【0137】
既知のポリマー汚れ放出剤、以下「SRA(単数又は複数)」を、所望により本洗剤組成物に使用してよい。利用する場合、SRAは、一般的に、組成物の0.01重量%〜10.0重量%、典型的には0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.2重量%〜3.0重量%含まれる。
【0138】
好ましいSRAは、典型的には、ポリエステル及びナイロンのような疎水性繊維の表面を親水化するための親水性区分、並びに疎水性繊維上に堆積し、洗浄及びすすぎサイクルの完了までそこに付着し続け、それによって親水性区分のためのアンカーとしての機能を果たす疎水性区分を有する。これにより、後の洗浄手順において、SRAによる処理後に浮かび上がる汚れを、更に容易に洗浄可能にできる。
【0139】
SRAは、例えば種々の荷電性の、例えば、アニオン性又は更にはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含むことができ、構造は、直鎖、分岐鎖又は更には星状であってもよい。これらのSRAは、分子量を制御したり、又は物理特性若しくは表面活性特性を変更したりするのに特に有効であるキャッピング部分を含んでよい。構造及び電荷分布は、異なる型の繊維又は生地への適用に合わせて、あるいは様々な洗剤又は洗剤添加製品用に調整することができる。好適な汚れ放出ポリマーは、ポリエステル汚れ放出ポリマー、例えば、Rhodiaによって供給されているRepel−o−tex、SF−2及びSRP6を含むRepel−o−texポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー、例えば、Sasolによって供給されているMarloquest SLである。SRAの例は、米国特許第4,968,451号、同第4,711,730号、同第4,721,580号、同第4,702,857号、同第4,877,896号、同第3,959,230号、同第3,893,929号、同第4,000,093号、同第5,415,807号、同第4,201,824号、同第4,240,918号、同第4,525,524号、同第4,201,824号、同第4,579,681号、及び同第4,787,989号、欧州特許出願第0 219 048号,同第279,134(A)号,同第457,205(A)号、及び独国特許第2,335,044号に記載されている。
【0140】
カルボキシレートポリマー:当該組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーを含んでもよい。好適なカルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、50,000〜100,000Da、又は60,000Da〜80,000Daの分子量を有するマレエート/アクリレートランダムコポリマーを含む。
【0141】
あるいは、これら物質は、7〜8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含み得る。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3[式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である]のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%〜約10重量%含まれ得る。
【0142】
別の好適なカルボキシレートポリマーは、(i)カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーから誘導される50〜98重量%未満の構造単位;(ii)スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーから誘導される1重量%から49重量%未満の構造単位;並びに(iii)式(I)及び(II)によって表されるエーテル結合含有モノマーから選択される1種類以上のモノマーから誘導される1〜49重量%の構造単位を含む、コポリマーである:
【0143】
【化14】
式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、但し、Xは、Rが単結合である場合、1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基であり、
【0144】
【化15】
式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である。
【0145】
ポリマーは、少なくとも50kDa、又は更には少なくとも70kDaの重量平均分子量を有することが好ましい場合がある。
【0146】
このようなカルボキシレート系ポリマーは、有利には、本明細書の組成物において約0.1重量%〜約7重量%の濃度で使用できる。好適なポリマー分散剤としては、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーが挙げられる。好ましくは、カルボキシレートポリマーは、4,000ダルトン〜9,000ダルトンの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、又は60,000ダルトン〜80,000ダルトンの分子量を有するマレエート/アクリレートコポリマーである。ポリマーポリカルボキシレート及びポリエチレングリコールを使用することもできる。ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系化合物及びモノマー材料から調製されてもよく、当該モノマー材料は、カルボキシル基含有モノマー及び任意の追加モノマーを含む。カルボキシル基含有モノマーとして分類されない任意の追加モノマーとしては、スルホン酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アリルアミンモノマー、四級化アリルアミンモノマー、N−ビニルモノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、ビニルアリールモノマー、イソブチレンモノマー、酢酸ビニルモノマー、これらのいずれかの塩、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。理論に束縛されることを意図するものではないが、ポリマー分散剤は、他のビルダー(低分子量ポリカルボキシレートを含む)と組み合わせて使用したとき、結晶成長防止、粒子状の汚れ放出ペプチゼーション、及び再付着防止によって、全体的な洗剤ビルダーの性能を向上させると考えられる。高分子分散剤の例は、米国特許第3,308,067号、欧州特許出願第66915号、欧州特許第193,360号、及び同第193,360号に見出される。
【0147】
アルコキシル化ポリアミン系ポリマー:当該組成物は、アルコキシル化ポリアミンを含み得る。このような物質としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらの硫酸化物が挙げられるが、これらに限らない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げられる。多種多様なアミン及びポリアクリエンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いまでアルコキシル化してもよく、任意に更に修飾して上記の利点をもたらすこともできる。有用な例は、NH1個当たり20のEO基までエトキシル化されている600g/モルポリエチレンイミンコアであり、BASFから入手可能である。
【0148】
有用なアルコキシル化ポリアミン系ポリマーとしては、アルコキシル化ポリエチレンイミン型が挙げられ、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に結合した1つ以上の側鎖を有するポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、(PEI)
a−(EO)
b−R
1の実験式(I)(式中、aは、当該アルコキシル化ポリエチレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MW
PEI)であり、100〜100,000ダルトンの範囲であり、bは、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1つ以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、5〜40の範囲であり、R
1は、独立して、水素、C
1〜C
4アルキル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される)を有する。
【0149】
他の好適なアルコキシル化ポリアルキレンイミンとしては、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に結合した1つ以上の側鎖を有するポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、(PEI)
o−(EO)
m(PO)
n−R
2又は(PEI)
o−(PO)
n(EO)
m−R
2の実験式(II)(式中、oは、アルコキシル化ポリアルキレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MW
PEI)であり、100〜100,000ダルトンの範囲であり、mは、10〜50の範囲の、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1つ以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、nは、1〜50の範囲の、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1つ以上の側鎖における平均プロポキシル化度であり、R
2は、独立して、水素、C
1〜C
4アルキル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される)を有するものが挙げられる。
【0150】
両親媒性グラフトコポリマー:両親媒性グラフトコポリマーも、本発明に従って使用することができる。特に有用なポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコール主鎖と(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含むものが挙げられ、本発明においても有用である。。好適なポリエチレングリコールポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコールを含む親水性主鎖、並びに(ii)C
4〜C
25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C
1〜C
6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC
1〜C
6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖(複数可)を含む、ランダムグラフトコポリマーが挙げられる。好適なポリエチレングリコールポリマーは、ランダムグラフト化ポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリエチレングリコール骨格を有する。ポリエチレングリコール骨格の平均分子量は、2,000Da〜20,000Da、又は4,000Da〜8,000Daの範囲であり得る。ポリエチレングリコール骨格のポリ酢酸ビニル側鎖に対する分子量比は、1:1〜1:5又は1:1.2〜1:2の範囲であり得る。エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、1未満、又は0.8未満であってもよく、エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.5〜0.9の範囲であってもよく、又はエチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.1〜0.5、又は0.2〜0.4の範囲であってもよい。好適なポリエチレングリコールポリマーは、Sokalan HP22である。好適なポリエチレングリコールポリマーについては、国際公開第08/007320号に記載されている。
【0151】
セルロース系ポリマー:セルロース系ポリマーは、本発明に従って使用することができる。好適なセルロース系ポリマーは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシルアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースから選択され、より好ましくは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。
【0152】
好適なカルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度、及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0153】
好適なカルボキシメチルセルロースは、例えば、国際公開第09/154933号に記載されているように、0.65超の置換度及び0.45超のブロック性度を有する。
【0154】
また、本発明の消費者製品は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含んでいてもよい。一態様では、セルロースポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。カルボキシメチルセルロースポリマーの例は、CPKelkoによってFinnfix(登録商標)GDAとして市販されているカルボキシメチルセルロース、疎水変性カルボキシメチルセルロース、例えば、CPKelcoによってFinnfix(登録商標)SH1として市販されているカルボキシメチルセルロースのアルキルケテンダイマー誘導体、又はCPKelcoによってFinnfix(登録商標)Vとして市販されているブロック状カルボキシメチルセルロースである。
【0155】
カチオン性ポリマー:カチオン性ポリマーも、本発明に従って使用することができる。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図する用途のpH(一般的に、pH3〜pH9、一実施形態ではpH4〜pH8の範囲のpH)において、少なくとも0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも1.2meq/gm、更に別の実施形態では少なくとも1.5meq/gmであるが、一実施形態では7meq/gm未満、別の実施形態では5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数の、ポリマーの分子量に対する比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般的に、10,000〜10,000,000、一実施形態では、50,000〜5,000,000、別の実施形態では100,000〜3,000,000である。
【0156】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はプロトン化されたカチオン性アミノ部分を含有する。ポリマーが、水中、組成物中、若しくは組成物のコアセルベート相中で可溶性のままであり、かつ対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はそうでなければ、製品の性能、安定性若しくは審美性を過度に損なうことがない限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併せて使用してもよい。このような対イオンの非限定的な例としては、ハライド(例えば、クロリド、フルオリド、ブロミド、ヨーダイド)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0157】
このようなポリマーの非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0158】
本発明に従って使用され得る特に有用なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−メタクリロアミドプロピル−ペンタメチル−1,3−プロピレン−2−オール−アンモニウムジクロリド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−コ−アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド−コ−アクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート−コ−オレイルメタクリレート−コ−ジエチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(エチルメタクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メチルアクリルアミド−コ−ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メタクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルホルムアミド−コ−アクリル酸−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルホルムアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルピロリドン−コ−アクリルアミド−コ−ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン−コ−メタクリルアミド−コ−ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン−コ−ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリエチレンイミン(及びその四級化誘導体を含む)、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0159】
本組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双極性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の帯電物質と共に形成することもできる。
【0160】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0161】
移染阻害剤(DTI)。当該組成物は、1種以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、驚くべきことに、特定の染料に加えて、ポリマー移染防止剤を含む組成物は、性能が向上することを本発明者らは発見した。これは、驚くべきことに、ポリマー移染防止剤が染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP−K15、PVP−K30、ChromaBond S−400、ChromaBond S−403E及びChromabond S−100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66が挙げられる。染料制御剤は、(i)スルホン化フェノール/ホルムアルデヒドポリマー、(ii)尿素誘導体、(iii)染料で分子インプリントされた、エチレン性不飽和モノマーのポリマー、(iv)約2μm以下の平均直径を有する、非水溶性ポリアミドからなる繊維、(v)ベンゾオキサジンモノマー化合物の重合から得ることができるポリマー、及び(vi)これらの組み合わせから選択され得る。他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているとおりである。移染防止剤は、対象組成物中に存在する場合、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更には約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
【0162】
他の水溶性ポリマー:水溶性ポリマーの例としては、限定されるものではないが、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA;ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド;アクリル酸;セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン;アルギネート;キシログルカン;キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンなどのその他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナンなどの天然ガム、ローカストビーン、アラビア、トラガカント、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0163】
アミンの非限定例としては、限定されるものではないが、エーテルアミン、環状アミン、ポリアミン、オリゴアミン(例えばトリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載の組成物は、オリゴアミン、エーテルアミン、環状アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミンを含んでもよい。いくつかの態様では、アミンはアルカノールアミンではない。いくつかの態様では、アミンはポリアルキレンイミンではない。
【0164】
好適なオリゴアミンの例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0165】
エーテルアミン:本明細書に記載される洗浄組成物は、エーテルアミンを含有し得る。当該洗浄組成物は、当該組成物の約0.1重量%〜10重量%、又は約0.2重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約4重量%のエーテルアミンを含有し得る。
【0166】
本開示のエーテルアミンは、約グラム/モル1000グラム/モル未満、又は約100〜約800グラム/モル、又は約200〜約450グラム/モル、又は約290〜約1000グラム/モル、又は約290〜約900グラム/モル、又は約300〜約700グラム/モル、又は約300〜約450グラム/モルの重量平均分子量を有し得る。本発明のエーテルアミンは、約150、又は約200、又は約350、又は約500グラム/モルから約1000、又は約900、又は約800グラム/モルまでの重量平均分子量を有し得る。
【0167】
アルコキシル化フェノール化合物:本開示の洗浄組成物は、アルコキシル化フェノール化合物を含み得る。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアリールフェノール化合物、アルコキシル化ポリアルキルフェノール化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアリールフェノール化合物であってよい。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアルキルフェノール化合物であってよい。
【0168】
アルコキシル化フェノール化合物は、洗浄組成物の約0.2重量%〜約10重量%又は約0.5重量%〜約5重量%の濃度で当該洗浄組成物中に存在し得る。
【0169】
アルコキシル化フェノール化合物は、280〜2880の重量平均分子量を有し得る。
【0170】
酵素。好ましくは、当該組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでよい酵素カクテルである。当該組成物中に存在する場合、上記の追加の酵素は、当該組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在してもよい。
【0171】
プロテアーゼ。好ましくは、当該組成物は、1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に就職された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号、及び国際公開第09/021867号に記載されている、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィラス(B.alkalophilus)、バチルス・ズブチルス(B.subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・ギブソニイ(Bacillus gibsonii)などのバチルス属由来のものを含むサブチリシン(EC 3.4.21.62)。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに同第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型のプロテアーゼ。
(c)国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンスに由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
【0172】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニイ又はバチルス・レンタスに由来するものが挙げられる。
【0173】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)によってAlcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor InternationalによってMaxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay EnzymesによってOpticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の突然変異:S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する米国特許第5,352,604号の
図29に示されている配列、以下BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(いずれもHenkel/Kemira製)、並びに花王製のKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0174】
アミラーゼ。好ましくは、当該組成物は、アミラーゼを含んでもよい。好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルス(Bacillus)の菌種に由来するもの、例えば、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、又は他のバチルス属(Bacillus sp)、例えばバチルス属(Bacillus sp)のNCIB12289、NCIB12512、NCIB12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)である。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる:
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号及び同第97/43424号に記載されている変異体、特に国際公開第96/23874号に配列番号2として列挙されている酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換されている変異体。
(b)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載されている変異体、特に国際公開第06/002643号に配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されている変異体、好ましくはD183
*及びG184
*の欠失も含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されている変異体。
(d)バチルス属707の野生型酵素(米国特許第6,093,562号の配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に、以下の突然変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号において配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を示すもの、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophiluss)に由来する野生型酵素又はその切断バージョン。
【0175】
好適な市販のアルファ−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California)、並びにKAM(登録商標)(花王(103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0176】
リパーゼ。好ましくは、本発明は、米国特許第6,939,702(B1)号及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているものなどの「第1のサイクルリパーゼ」を含む、1つ以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1の洗浄リパーゼである。本発明の一実施形態では、当該組成物は、第1の洗浄リパーゼを含む。第1の洗浄リパーゼは、以下のアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼを含む:(a)フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)株DSM4109由来の野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有するもの、(b)当該野生型リパーゼと比較して、E1若しくはQ249の15A以内の三次元構造の表面における電気的に中性若しくは負に荷電されたアミノ酸の、正に荷電されたアミノ酸による置換を含むもの、及び(c)C末端にペプチド付加を含むもの、及び/又は(d)N末端にペプチド付加を含む、及び/又は(e)以下の制限を満たすもの:i)当該野生型リパーゼのE210位に負のアミノ酸を含むこと、(ii)当該野生型リパーゼの90位〜101位に対応する領域に負に帯電したアミノ酸を含むこと、及び(iii)当該野生型リパーゼのN94に対応する位置に中性又は陰性のアミノ酸を含むか、及び/又は当該野生型リパーゼの90〜101位に対応する領域に負又は中性の正味の電荷を有すること。T231R及びN233Rの突然変異の1つ以上を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体が好ましい。野生型配列は、Swissprotアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(フミコーラ・ラヌギノサ)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)及びLipoclean(登録商標)として販売されているものが挙げられる。
【0177】
エンドグルカナーゼ。他の好ましい酵素としては、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性を示す微生物由来のエンドグルカナーゼ(E.C.3.2.1.4)が挙げられ、米国特許第7,141,403(B2)号における配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、94%、97%、更には99%の同一性を有するBacillus属のメンバーに対して内因性である微生物ポリペプチド及びその混合物を含む。好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0178】
ペクチン酸リアーゼ。他の好ましい酵素としては、商品名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、並びに商品名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))として販売されているマンナナーゼが挙げられる。
【0179】
ヌクレアーゼ酵素。当該組成物は、ヌクレアーゼ酵素を含み得る。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的断片である。機能的断片又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又は変異体及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが、機能的なバージョンを含む。
【0180】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼである:E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、又はE.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。
【0181】
漂白剤。当該組成物は1つ以上の漂白剤を含むことが好ましい場合がある。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を用いるとき、本発明の組成物は、対象組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤又は漂白剤の混合物を含んでもよい。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、チオキサントン、及びこれらの混合物。
(2)予形成過酸:好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。
特に好ましいペルオキシ酸は、フタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、特に、ε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩の融点は30℃〜60℃の範囲である。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。無機過水和物の塩は、使用する場合、典型的には、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%又は1〜30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩又はこれらの混合物、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
(4)R−(C=O)−L(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、漂白活性剤が疎水性である場合、6個〜14個の炭素原子、又は8個〜12個の炭素原子を有し、漂白活性剤が親水性である場合、6つ未満の炭素原子又は更には4つ未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)を有する漂白活性剤。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。
(5)漂白触媒。本発明の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基質に転移させることができる1つ以上の漂白触媒を含んでいてもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びαアミノ−ケトン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい一触媒は、4−(2−(2−((2−ヒドロキシフェニルメチル)メチレン)−ヒドラジニル)−2−オキソエチル)−4−メチルクロリドなどのアシルヒドラゾン型である。
(6)当該組成物は、好ましくは、触媒金属錯体を含み得る。金属含有漂白触媒の好ましい一種は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンなどの、規定の漂白触媒活性の遷移金属カチオンを含む触媒系である。
【0182】
必要に応じて、本明細書における組成物は、マンガン化合物によって触媒され得る。このような化合物及び使用レベルは、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物中に追加の酸化剤源は存在せず、空気由来の分子酸素が酸化源を提供する。
【0183】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載されている。
【0184】
存在する場合、過酸化水素/過酸及び/又は漂白活性化剤の供給源は、概して、布地ケア及びホームケア製品に基づいて約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%又は更には約0.6〜約10重量%の量で組成物中に存在する。1種以上の疎水性過酸又はその前駆体は、1種以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用することができる。
【0185】
典型的には、過酸化水素源及び漂白活性化剤は、一緒に配合される。有効酸素(過酸化物源由来)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1になるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性剤の量を選択してもよい。液体洗剤に配合される場合、過酸化物源及び活性化剤は、ホウ酸塩/ソルビトールなどのpHジャンプ系と共に低pH、典型的には3〜5で配合され得る。
【0186】
本発明の洗濯ケア組成物は、特に、典型的にほとんどの家庭用上水道にみられるような塩素化水中で使用することができる。あるいは、ロイコを含む系は、電気分解などの他の漂白源と共に使用されてもよく、自動投入システムで使用されてもよい。
【0187】
ビルダー。好ましくは、当該組成物は、1つ以上のビルダー又はビルダー系を含み得る。ビルダーを用いる場合、本発明の組成物は、典型的には、少なくとも1%、2%〜60%のビルダーを含む。本組成物は、低レベル、例えば1〜10又は5重量%のリン酸塩及び/又はゼオライトを含むことが好ましい場合がある。本組成物は、更には、強力なビルダーを実質的に含んでいなくてもよい。強力なビルダーを実質的に含まないとは、ゼオライト及び/又はリン酸塩が「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0188】
キレート剤。好ましくは、当該組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含む。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、ヒドロキサム酸、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、DuPont、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。更に他の好適なキレート剤としては、ピリジニルNオキシド型が挙げられる。
【0189】
蛍光増白剤。好ましくは、当該組成物は、1つ以上の蛍光増白剤を含む。本発明において有用である場合がある市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びにその他の様々な物質の誘導体が挙げられるが、これらに限らない。特に好ましい増白剤は、2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール(napthol)[1,2−d]トリアゾールナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2−ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムから選択される。このような増白剤の他の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik、John Wiley&Sons刊、New York(1982年))に開示されている。本組成物において有用である蛍光増白剤の具体的な非限定例は、米国特許第4,790,856号及び同第3,646,015号に特定されているものである。
【0190】
好ましい増白剤は、以下の構造を有する。
【0192】
好適な蛍光増白剤濃度としては、約0.01、約0.05、約0.1又は更には約0.2重量%の下限から0.5又は更には0.75重量%の上限までが挙げられる。
【0193】
一態様では、増白剤を粘土に装填して粒子を形成してもよい。
【0194】
好ましい増白剤は、全て又は大部分(典型的には少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99重量%)がα結晶構造である。非常に好ましい増白剤は、C.I.蛍光増白剤260、好ましくは以下の構造を有するものを含む。
【0196】
これは、冷水、例えば30℃若しくは25℃又は更には20℃未満の水によく溶解するので、特に有用であり得る。
【0197】
酵素安定剤。当該組成物は、好ましくは、酵素安定剤を含み得る。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する最終布地ケア及びホームケア製品中にカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させることによって、任意の従来の酵素安定剤を用いてよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2−プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、更に安定性を向上させることができる。
【0198】
溶媒系。本発明の組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系であることも、水を含まないか又は好ましくは水を含む有機溶媒の混合物であることもできる。
【0199】
有機溶媒
当該組成物は、任意に、有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、C
4〜14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C
6〜C
16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐鎖アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐鎖アルコール、アルコキシル化直鎖C
1〜C
5アルコール、直鎖C
1〜C
5アルコール、アミン、C
8〜C
14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、2,3ブタンジオール、エタノール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、C1〜C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態には存在しなくてもよいが、より典型的には、液体洗剤組成物の約0.1重量%〜約98重量%の範囲、好ましくは少なくとも約1重量%〜約50重量%、より通常は約5重量%〜約25重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%の当該有機溶媒の濃度で存在する。これら有機溶媒は、水と共に使用されてもよく、又は水なしで使用されてもよい。
【0200】
構造化液体:本発明のいくつかの実施形態では、当該組成物は、構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部的に構造化されて、一次成分(例えば、界面活性剤物質)によって構造体を形成してもよく、及び/又は例えば、増粘剤として用いるために、二次成分(例えば、ポリマー、粘土及び/又はケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化してもよい。当該組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、0.1重量%〜2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は、典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系物質、マイクロファイバーセルロース、Polygel W30(3VSigma)などの疎水変性アルカリ膨潤性エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、例えば、その非エトキシル化誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択され、特に、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪族アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土及びこれらの混合物の群から選択されるものである。好ましい一構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶質物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、硬化ヒマシ油である。いくつかの構造化剤は、ある範囲のアスペクト比を有する糸様構造系を有する。別の好ましい構造化剤は、セルロースに基づくものであり、バイオマス、木材パルプ、柑橘類繊維などを含む多数の供給源に由来してよい。
【0201】
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含んでもよい。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。低融点のそのような化合物は、この章に含まれないと意図される。高融点の化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary、第5版(1993年)、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第2版(1992年)に見出される。存在する場合、高融点脂肪族化合物は、濡れた毛髪に塗布している間のツルツル感、乾いた髪の柔らかさ及びしっとりした感触などのコンディショニング効果を向上させる観点から、好ましくは、組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは1.5重量%〜16重量%、1.5重量%〜8重量%のレベルで組成物中に含まれる。
【0202】
カチオン性ポリマー。本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してもよい。本組成物におけるカチオン性ポリマーの濃度は、典型的には0.05%〜3%、別の実施形態では0.075%〜2.0%、更に別の実施形態では0.1%〜1.0%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図する用途のpH(一般的に、pH3〜pH9、一実施形態ではpH4〜pH8の範囲のpH)において、少なくとも0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも1.2meq/gm、更に別の実施形態では少なくとも1.5meq/gmであるが、一実施形態では7meq/gm未満、別の実施形態では5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数の、ポリマーの分子量に対する比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般的に、10,000〜10,000,000、一実施形態では、50,000〜5,000,000、別の実施形態では100,000〜3,000,000である。
【0203】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はプロトン化されたカチオン性アミノ部分を含有する。ポリマーが、水中、組成物中、若しくは組成物のコアセルベート相中で可溶性のままであり、かつ対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はそうでなければ、製品の性能、安定性若しくは審美性を過度に損なうことがない限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併せて使用してもよい。このような対イオンの非限定的な例としては、ハライド(例えば、クロリド、フルオリド、ブロミド、ヨーダイド)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0204】
このようなポリマーの非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0205】
本組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双極性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の帯電物質と共に形成することもできる。
【0206】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0207】
非イオン性ポリマー。本発明の組成物は、非イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含んでもよい。1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書で有用である。以下の一般式を有するものが有用である:
【0208】
【化18】
(式中、R
95は、H、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。)
【0209】
コンディショニング剤、特にシリコーンが、組成物中に含まれ得る。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。本組成物に使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般的にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合しなければならず、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。
【0210】
本組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分であるべきである。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均サイズ、他の成分の種類及び濃度、並びに他の同様の要因によって変動し得る。
【0211】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01〜約10%の範囲に及ぶ。好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定的な例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、同第5,106,609号、同第4,152,416号、同第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、同第6,607,717号、同第6,482,969号、同第5,807,956号、同第5,981,681号、同第6,207,782号、同第7,465,439号、同第7,041,767号、同第7,217,777号、米国特許出願公開第2007/0286837(A1)号、同第2005/0048549(A1)号、同第2007/0041929(A1)号、英国特許第849,433号、ドイツ特許第10036533号、(これらは全て参照として本明細書に組み込まれる)、「Chemistry and Technology of Silicones」(New York:Academic Press(1968))、ゼネラルエレクトリックシリコーンゴム製品データシートSE30、SE33、SE54、及びSE76、「Silicon Compounds」(Petrarch Systems,Inc.(1984))、並びにEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第15巻、第2版、pp204−308,John Wiley&Sons,Inc.(1989年)に記載されている。
【0212】
有機コンディショニング油。本発明の組成物はまた、単独のコンディショニング剤として、又はシリコーン(本明細書に記述される)などの他のコンディショニング剤と組み合わせたコンディショニング剤としてのいずれかで、約0.05〜約3%の少なくとも1つの有機コンディショニング油を含んでもよい。好適なコンディショニング油としては、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルが挙げられる。衛生剤。本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)及びこれらの亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体を除放するように設計されているもののうちの1つ以上などの、衛生及び/又は悪臭効果をもたらすための成分を含んでもよい。
【0213】
プロバイオティクス。当該組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているものなどのプロバイオティクスを含んでもよい。
【0214】
起泡促進剤。高い起泡性が望ましい場合、当該組成物は、好ましくは、泡起泡促進剤を含んでもよい。好適な例は、好ましくは1%〜10%の濃度で組み込まれるC
10〜C
16アルカノールアミン又はC
10〜C
14アルキルサルフェートである。C
10〜C
14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような起泡促進剤の典型的な種類の例である。このような起泡促進剤を上述のアミンオキシド、ベタイン及びスルタインなどの高起泡性補助界面活性剤と共に使用することも有益である。必要に応じて、MgCl
2、MgSO
4、CaCl
2、CaSO
4などの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、典型的には、0.1%〜2%の濃度で添加して、追加の泡をもたらし、グリース除去能を強化させてもよい。
【0215】
抑泡剤。泡の形成を低減又は抑制する化合物を本発明の組成物に配合してもよい。泡の抑制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されている、いわゆる「高濃度洗浄プロセス」、並びにフロントローディング方式の洗濯機において特に重要であり得る。広範な材料を抑泡剤として使用してよく、抑泡剤は当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430〜447頁(John Wiley & Sons,Inc.、1979年)を参照されたい。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素、例えばパラフィン、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えば、ステアロン(stearone))、N−アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、及び二級アルコールが挙げられる。特に有用なシリコーン抑泡剤は、ジフェニル含有シリコーンに基づく。
【0216】
シリコーン抑泡剤は、典型的には、洗剤組成物の2.0重量%以下の量で用いられるが、更に多い量を用いてもよい。
【0217】
真珠光沢剤。国際公開第2011/163457号に記載の真珠光沢剤を本発明の組成物に配合してよい。
【0218】
真珠光沢剤は、真珠光沢効果を生じさせるために光を反射及び屈折することが可能である結晶性又はガラス状固体の、透明又は半透明の化合物であってよい。典型的には、真珠光沢剤は、それが組み込まれる組成物に不溶性の結晶性粒子である。好ましくは、真珠光沢剤は、薄板又は球体の形状を有する。真珠光沢剤の粒径は通常、200マイクロメートル未満、好ましくは100マイクロメートル未満、より好ましくは50マイクロメートル未満である。無機真珠光沢剤としては、アルミノケイ酸塩及び/又はホウケイ酸塩が挙げられる。好ましいものは、非常に高い屈折率を有するよう処理されたアルミノケイ酸塩及び/又はホウケイ酸塩であり、好ましくはシリカ、金属酸化物、アルミノケイ酸塩及び/又はホウケイ酸塩コーティングしたオキシ塩化物である。より好ましい無機真珠光沢剤は雲母であり、更により好ましくは、BASF Mearlin Superfineなどの、二酸化チタン処理雲母である。
【0219】
当該組成物は、当該組成物の0.005重量%〜3.0重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の100%活性真珠光沢剤を含み得る。真珠光沢剤は、有機又は無機であってよい。当該組成物は、有機及び/又は無機真珠光沢剤を含み得る。
【0220】
有機真珠光沢剤:
当該組成物が有機真珠光沢剤を含むとき、当該組成物の0.05重量%〜2.0重量%、好ましくは0.1重量%〜1.0重量%活性濃度で、100%活性有機真珠光沢剤が含まれる。好適な有機真珠光沢剤としては、エチレングリコールジステアレートなどのアルキレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルが挙げられる。
【0221】
無機真珠光沢剤:
別の実施形態では、当該組成物は無機真珠光沢剤を含んでもよい。当該組成物が無機真珠光沢剤を含むとき、当該組成物の0.005重量%〜1.0重量%、好ましくは0.01重量%〜0.2重量%活性濃度で、100%活性無機真珠光沢剤が含まれる。
【0222】
懸濁粒子
一実施形態では、当該組成物は、約0.01重量%〜約5重量%、あるいは約0.05重量%〜約4重量%、あるいは約0.1重量%〜約3重量%の濃度で複数の懸濁粒子を更に含む。好適な懸濁粒子の例は、米国特許第7,169,741号及び米国特許公開第2005/0203213号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。これら懸濁粒子は、液体コア又は固体コアを含み得る。これら液体コア粒子及び固体コア粒子の詳細な説明、並びに好ましい粒径、粒子形状、粒子密度、及び粒子破裂強度の説明は、米国特許出願第12/370,714号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0223】
好ましい一実施形態では、粒子は、例えば、(変形可能な)ビーズ、封入物、ポリマー粒子様プラスチック、金属(例えば、箔材料、フレーク、グリッター)、(干渉)顔料、鉱物(塩、岩、小石、溶岩、ガラス/シリカ粒子、タルク)、植物性材料(例えば、核又は種、植物繊維、柄、茎、葉又は根)、固体結晶及び液晶などが挙げられるがこれらに限定されない、任意の別個の視覚的に区別可能な物質形態であってよい。球状から板状まで様々な粒子形状が可能である。
【0224】
一実施形態では、懸濁粒子は、気体又は気泡であってよい。この実施形態では、各気泡の直径は、約50〜約2000マイクロメートルであってよく、当該組成物の約0.01体積%〜約5体積%の濃度、あるいは当該組成物の約0.05体積%〜約4体積%の濃度、あるいは当該組成物の約0.1体積%〜約3体積%の濃度で存在してよい。
【0225】
乳白剤
一実施形態では、当該組成物は、乳白剤を含んでもよい。
【0226】
この用語を本明細書で使用するとき、「乳白剤」は、次の系を不透明にするために材料に添加される物質である。好ましい一実施形態では、乳白剤は、Dow Chemicalsから入手可能なAcusolである。Acusol乳白剤は、特定の固形分濃度%の液体形態で提供される。供給されたままのAcusol乳白剤のpHは2.0〜5.0の範囲であり、粒径は0.17〜0.45umの範囲である。好ましい一実施形態では、Acusol OP303B及び301を使用することができる。
【0227】
更に別の実施形態では、乳白剤は無機乳白剤であってもよい。好ましくは、無機乳白剤は、TiO
2、ZnO、タルク、CaCo
3、及びこれらの組み合わせであってもよい。乳白剤−ミクロスフェア複合材料は、事前に選択した比重で容易に形成され、したがって材料が分離する傾向はほとんどない。
【0228】
ヒドロトロープ:当該組成物は、所望により、当該組成物が水と相溶性になるように、有効量、すなわち、約0%〜15%、又は約1%〜10%、又は約3%〜約6%のヒドロトロープを含み得る。本明細書に用いるのに好適なヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0229】
抗酸化剤:当該組成物は、所望により、当該組成物中に存在する抗酸化剤を約0.001〜約2重量%含有していてよい。好ましくは、抗酸化剤は、0.01〜0.08重量%の範囲の濃度で存在する。抗酸化剤の混合物を使用してもよい。
【0230】
抗酸化剤は、Kirk−Othmer(第3巻、424ページ)及びUllmannのEncyclopedia(第3巻、91ページ)に記載されているような物質である。
【0231】
本発明で使用される抗酸化剤の一分類は、以下の一般式を有するアルキル化フェノールである:
【0232】
【化19】
(式中、Rは、C
1〜C
22直鎖又は分岐鎖アルキル、好ましくはメチル又は分岐鎖C
3〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、好ましくはメトキシであり、R
1は、C
3〜C
6分枝鎖アルキル、好ましくはtert−ブチルであり、xは、1又は2である)。ヒンダードフェノール化合物は、この式を有するアルキル化フェノールの好ましい種類である。この種の好ましいヒンダードフェノール化合物は、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0233】
更に、当該組成物で使用される抗酸化剤は、α−、β−、γ−、δ−−トコフェロール、エトキシキン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸及びその塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。エトキシキン(1,2−ジヒドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン)は、Raschig社(商標)によりRaluquin(商標)という名称で販売されていることに留意されたい。
【0234】
当該組成物に使用され得る他の種類の抗酸化剤は、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(Trolox(商標))及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Proxel GXL(商標))である。
【0235】
当該組成物に使用するのに好適であり得る抗酸化剤の更なる分類は、以下の式を有するベンゾフラン又はベンゾピラン誘導体である:
【0236】
【化20】
(式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、アルキルであるか、又はR
1及びR
2は一緒になってC
5〜C
6環状ヒドロカルビル部分を形成してもよく、Bは、存在しないか又はCH
2であり、R
4は、C
1〜C
6アルキルであり、R
5は、水素又は−C(O)R
3であり、R
3は、水素又はC
1〜C
19アルキルであり、R
6は、C
1〜C
6アルキルであり、R
7は、水素又はC
1〜C
6アルキルであり、Xは、−CH
2OH又は−CH
2Aであり、Aは、窒素含有単位、フェニル、又は置換フェニルである)。好ましい窒素含有A単位としては、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0237】
トコフェロールソルベート、ブチル化ヒドロキシル安息香酸(benxoic acids)及びその塩、没食子酸及びそのアルキルエステル、尿酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、並びにジヒドロキシフマル酸及びその塩などの抗酸化剤を使用してもよい。一態様では、当該組成物に使用するための最も好ましい種類の抗酸化剤は、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、α−、β−、γ−、δ−トコフェロール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Proxel GXL(商標))及びこれらの混合物である。
【0238】
本発明の洗浄組成物はまた、抗菌剤を含有してもよい。カチオン性活性成分としては、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチル四級アンモニウム化合物、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジデシル−Nメチル−ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ジオクチルジデシルアンモニウムクロリド(臭素などの無機又は有機対イオンを有する塩化ベンゼトニウム及び四級アンモニウム化合物などの四級種も含む)、炭酸塩、若しくはジアルキルジメチルアンモニウムカーボネートを含む他の部分に加えて、抗菌アミン、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、四級アンモニウム含有化合物の有機塩、若しくは四級アンモニウム含有化合物の無機塩、又はこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0239】
パッケージ。任意の従来のパッケージを用いてよく、本発明に不可欠な染料の色によってもたらされ得るか又は当該染料の色に寄与し得る洗濯ケア組成物の色を消費者が見ることができるように、パッケージは全体的に又は部分的に透明であってよい。パッケージの一部又は全部に、紫外線吸収化合物を含めてもよい。
【0240】
液体の形態である場合、本発明の洗濯ケア組成物は、水性(典型的には2重量%超又は更には5若しくは10重量%超の総含水量、最大で90又は最大で80重量%若しくは70重量%の総含水量)であっても、非水性(典型的には2重量%未満の総含水量)であってもよい。典型的には、本発明の組成物は、界面活性剤、シェーディング染料、及び本組成物の通常液体の成分、例えば、アルコールエトキシレート非イオン性液体、水性液体担体、及び任意の他の通常液体の任意成分と組み合わせられた特定の任意の他の成分(これら成分の一部は通常固体の形態であってもよい)の水溶液又は均一な分散液若しくは懸濁液の形態である。このような溶液、分散液又は懸濁液は、許容可能な相安定性を有する。液体の形態であるとき、本発明の洗濯ケア組成物は、好ましくは、20s−1及び21℃において1〜1500センチポアズ(1〜1500mPa
*s)、より好ましくは100〜1000センチポアズ(100〜1000mPa
*s)、最も好ましくは200〜500センチポアズ(200〜500mPa
*s)の粘度を有する。粘度は、従来法によって測定することができる。粘度は、TA instruments製のAR550レオメータを用いて、直径40mm及びギャップサイズ500μmのプレートスチールスピンドルを用いて測定してよい。20s−1での高剪断粘度、及び0.05−1での低剪断粘度は、21℃における3分間の0.1−1〜25−1の対数剪断速度曲線から得ることができる。本明細書に記載する好ましいレオロジーは、内部構造剤を洗剤成分と共に使用して、又は外部レオロジー変性剤を使用することによって得ることができる。より好ましくは、洗濯ケア組成物、例えば、液体洗剤組成物の高剪断速度における粘度は約100センチポアズ〜1500センチポアズ、より好ましくは100〜1000cpsである。単位用量洗濯ケア組成物、例えば液体洗剤組成物の高剪断速度における粘度は、400〜1000cpsである。洗濯柔軟化組成物などの洗濯ケア組成物の高剪断速度における粘度は、典型的には10〜1000、より好ましくは10〜800cps、最も好ましくは10〜500cpsである。食器手洗い用組成物は、300〜4000cps、より好ましくは300〜1000cpsの高剪断速度粘度を有する。
【0241】
本明細書における液体組成物、好ましくは洗濯ケア組成物は、その成分を任意の従来の順番で組み合わせ、得られた成分の組み合わせを混合、例えば撹拌して、相安定性液体洗濯ケア組成物を形成することによって調製することができる。このような組成物を調製するプロセスでは、例えば、ノニオン性界面活性剤、非界面活性液体キャリア及び他の任意選択的な液体成分などの液体成分の少なくとも大部分、又は更には実質的に全てを含有する液体マトリックスが形成され、当該液体成分は、この液体の組み合わせに剪断撹拌を付与することによって十分に混合されている。例えば、機械的撹拌機による高速撹拌が通常使用され得る。剪断撹拌を維持しつつ、任意のアニオン性界面活性剤及び固体形態の成分の実質的に全てを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であればその時点で増強させてよく、液相内の不溶性固相粒子の溶液又は均質な分散液を形成する。固体形態物質の一部又は全てをこの撹拌混合物に添加した後、含める任意の酵素物質の粒子、例えば、酵素プリルを配合する。上述の組成物調製手順の変形例として、固体成分の1つ以上を、液体成分の1つ以上の微量の部分と予め混合した粒子の溶液又はスラリーとして、撹拌混合物に添加してよい。組成物成分の全てを添加した後、必要な粘度及び相安定特性を有する組成物を形成するのに十分な時間にわたって、混合物の撹拌を継続する。多くの場合、これは約30分〜60分の間の撹拌を伴う。
【0242】
本発明のロイコ着色剤は、広範囲のpH値を有する液体洗濯ケア組成物での使用に好適であることが判明している。例えば、本発明のロイコ着色剤は、10以上のpHを有する液体洗濯ケア組成物での使用に好適であることが判明している。また、本発明のロイコ着色剤は、10未満のpHを有する液体洗濯ケア組成物での使用に好適であることが判明している。したがって、ロイコ着色剤は、10以上及び10以下のpH値を有する洗濯ケア組成物において安定である。
【0243】
パウチ。本発明の好ましい実施形態では、当該組成物は、単位用量の形態、錠剤の形態、又は好ましくは水溶性フィルム(パウチ又はポッドとして知られているもの)内に保持されている液体/固体(任意に顆粒)/ゲル/ペーストの形態のいずれかで提供される。当該組成物は、単一区画パウチに封入しても、又は多区画パウチに封入してもよい。多区画パウチは、欧州特許出願公開第2133410(A)号により詳細に記載されている。本組成物が多区画パウチ内に存在している場合、本発明の組成物は1つ又は2つ以上の区画内に存在してよく、すなわち、染料は1つ以上の区画、任意に全ての区画に存在していてもよい。非シェーディング染料若しくは顔料又はその他の審美剤も、1つ以上の区画で用いてよい。一実施形態では、本組成物は、多区画パウチのうちの一区画に存在する。
【0244】
好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。フィルム材料は、例えば、当該技術分野において公知であるとおり、ポリマー材料を注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。また、ポリマーの混合物をパウチ材料として使用してもよい。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーの水溶性が別のポリマーよりも高く、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。また、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も好適である。また、ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解により分解可能な水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することにより得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと、約65〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなど)を含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。本明細書において使用するのに好ましいものは、約60%〜約98%加水分解され、好ましくは約80%〜約90%加水分解され、材料の溶解特性が向上したポリマーである。
【0245】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性又は放出特性を示し得ることである。
【0246】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSol商品整理番号M8630、M8900、H8779として知られているPVAフィルム、並びに米国特許第6166117号及び同第6787512号に記載されているもの、並びに対応する溶解度及び変形特性のPVAフィルムである。
【0247】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤含有成分を含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば、有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0248】
固体形態。上述のように、洗濯ケア組成物は固体形態であってよい。好適な固体形態としては、錠剤及び粒子の形状、例えば、粒状粒子、フレーク又はシートが挙げられる。このような固形形態の洗剤組成物を形成するための種々の技術は当該技術分野において周知であり、本明細書で使用されてもよい。一態様では、例えば、当該組成物が顆粒粒子の形態であるとき、ロイコ着色剤は粒子の形状で提供され、所望により、洗濯洗剤組成物の追加の成分(ただし全てではない)を含む。着色剤粒子は、洗濯洗剤組成物の成分の残部を構成する1つ以上の追加の粒子と組み合わされる。更に、所望により洗濯ケア組成物の追加の成分(ただし全てではない)を含む着色剤は、封入化形状で提供されてもよく、シェーディング染料封入物は、洗濯ケア組成物の成分の実質的な残部を構成する粒子と組み合わされる。
【0249】
使用方法。上記のように調製した本発明の組成物を用いて、布地の洗濯/処理に用いるための水性洗浄/処理溶液を形成することができる。一般的に、このような組成物の有効量を、例えば従来の布地用自動洗濯機内の水に添加して、このような水性洗濯溶液を形成する。次いで、このようにして形成した水性洗浄溶液を、典型的には撹拌下で、その溶液で洗濯/処理しようとする布地と接触させる。水に添加して水性洗濯溶液を形成する有効量の本明細書の液体洗剤組成物は、水性洗浄溶液中に約500〜7,000ppmの組成物を形成するのに十分な量を含み得るか、又は約1,000〜3,000ppmの本明細書の洗濯ケア組成物が水性洗浄溶液に提供される。
【0250】
典型的には、洗浄液は、洗濯ケア組成物を、洗浄液中の洗濯ケア組成物の濃度が0g/L超〜5g/L、又は1g/Lから4.5g/L、又は4.0g/L、又は3.5g/L、又は3.0g/L、又は2.5g/L、又は更には2.0g/L、又は更には1.5g/Lまでになるような量の洗浄水と接触させることによって形成される。布地又は織物製品を洗濯する方法は、トップローディング式又はフロントローディング式自動洗濯機で行ってもよく、又は手洗い洗濯用途で用いてもよい。これら用途では、形成される洗浄液、及び洗浄液中の洗濯洗剤組成物の濃度は、主洗濯サイクルのものである。洗浄液の容積を決定するとき、いかなる任意のすすぎ工程中のいかなる水の投入量も含まない。
【0251】
洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更には6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超えて15リットルまで、又は2リットから12リットルまで、又は更には8リットルまでの水を含み得る。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg〜2kgの布地を当該洗浄液に投入する。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg以上、又は0.05kg以上、又は0.07kg以上、又は0.10kg以上、又は0.15kg以上、又は0.20kg以上、又は0.25kg以上の布地を当該洗浄液に投入する。任意に、50g以下、又は45g以下、又は40g以下、又は35g以下、又は30g以下、又は25g以下、又は20g以下、又は更には15g以下、又は更には10g以下の組成物を水に接触させて、洗浄液を形成する。かかる組成物は、典型的には、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で用いられる。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は通常約5〜約90℃の範囲であり、部位が布地を含む場合、水対布地の比は通常約1:1〜約30:1である。典型的には、本発明の洗濯ケア組成物を含む洗浄液のpHは3〜11.5である。
【0252】
一態様では、任意に上記表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、当該表面又は布地を本明細書に開示する任意の組成物と接触させ、次いで、任意に当該表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程とを含むこのような方法を、任意の乾燥工程と共に開示する。
【0253】
このような表面又は布地の乾燥工程は、家庭環境又は工業環境のいずれかで使用される、一般的な手段のうちの任意の1つにより実行することができる。布地は、通常の消費者による又は業務用の使用条件で洗濯することができる任意の布地を含んでもよく、本発明は、セルロース基材に好適であり、いくつかの態様では、ポリエステル及びナイロンなどの合成織物、並びに合成及びセルロース系の布地及び/又は繊維を含む混紡の布地及び/又は繊維の処理にも好適である。合成布地の例は、ポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えば、ポリコットン布地との混紡布中に存在し得る。溶液のpHは、典型的には、7〜11、より一般的には、8〜10.5である。本組成物は、典型的には、溶液中500ppm〜5,000ppmの濃度で使用される。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水の布地に対する比は、典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0254】
試験法
本明細書の試験方法で使用される布地見本は、Testfabrics,Inc.(West Pittston,PA)から入手され、100%木綿のStyle 403(2”×2”に切断)及び/又はStyle 464(4”×6”に切断)、並びに増白されていない多繊維布地、具体的にはStyle 41(5cm×10cm)である。
【0255】
乾燥布地見本におけるL
*、a
*、b
*、K/S、及び白色度指数(WI CIE)の値を含む全ての反射スペクトル及び色測定値は、4つの分光光度計のうちの1つを用いて得られる:(1)Konica Minolta 3610d反射分光光度計(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.,Ramsey,NJ,USA;D65光源、10°観察者、UV光除外)、(2)LabScan XE反射分光光度計(HunterLabs,Reston,VA;D65光源、10°観察者、UV光除外)、(3)Color Eye(登録商標)7000A(GretagMacbeth,New Windsor,NY,USA;D65光、UV除外)、又は(4)Color i7分光光度計(X−rite,Inc.,Grand Rapids,MI,USA;D65光、UV除外)。
【0256】
別途記載のない限り、布地に照射する場合、指定された乾燥後の布地を、最高キャビネット温度37℃、最高ブラックパネル温度(BPTブラックパネル形状)57℃、及び35%RH(相対湿度)に設定された、タイプSホウケイ酸塩内側フィルタ(部品番号20277300)及び外側フィルタ(部品番号20279600)を備えたAtlas Xenon Fade−Ometer Ci3000+(Atlas Material Testing Technology,Mount Prospect,Illinois,USA)において、0.77W/m
2@420nmの照射量の模擬太陽光に曝露する。別途記載のない限り、照射は、規定の持続時間にわたって連続的である。
【0257】
I.洗浄溶液からのロイコ結合体効率の測定方法
使用前の綿スワッチ(スタイル464)を、49℃の増白剤なし重質液体洗濯洗剤(水溶液中で1.55g/L)で2回洗浄することによってストリップする。試験対象の各ロイコ結合体の濃縮原液を、エタノール又は50:50のエタノール:水から選択される溶媒、好ましくはエタノール中で調製する。
【0258】
綿布のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)の値は全て、乾燥スワッチ上において、Konica−Minolta 3610d反射分光光度計を用いて測定する。
【0259】
ベース洗浄液は、AATCCヘビーデューティ液体洗濯洗剤無増白剤(5.23g/1.0L)を脱イオン水に溶解することによって調製される。4枚のもぎとり綿布見本(stripped cotton swatches)を一緒に計量し、2枚の10mmのガラスマーブルと共に250mLの三角フラスコに入れる。試験される各洗浄溶液について、合計3つのこのようなフラスコを準備する。ベース洗浄溶液にロイコ結合体原液を投与して、所望の2.00×10
−6当量/Lの洗浄濃度のロイコ結合体を有する洗浄溶液を得る。
【0260】
10.0:1.0液:布地(w/w)比を提供するのに十分なこの洗浄溶液のアリコートを、3つの250mL三角フラスコのそれぞれに入れる。各フラスコに1000gpg硬度の原液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終洗浄硬度を得る。
【0261】
フラスコをModel75リストアクションシェーカー(Burrell Scientific,Inc.(Pittsburg,PA))上に置き、最大設定で12分攪拌した後、洗浄溶液を吸引除去し、用いられた洗浄溶液量と等価のすすぎ水(0gpg)を添加する。各フラスコに1000gpg硬度の原液を投入して、6gpg(3:1 Ca:Mg)の最終すすぎ硬度を得た後、更に4分間撹拌する。すすぎ水を吸引によって除去し、布地見本を1分間脱水し(Mini Countertop Spin Dryer、The Laundry Alternative Inc.(Nashua,NH))、次いで、135°Fに設定された食品脱水機内に入れて、暗所で2時間乾燥させる。この乾燥手順に続いて、布地の特性を測定する前に、サンプルを暗所に保管するか、又は様々な時間にわたって光に曝露することができる。
【0262】
消費者の習慣は世界中で大きく異なるため、使用される方法は、条件にわたってロイコ化合物の効果を測定できることを可能にしなければならない。このような条件の1つは、乾燥後の光への曝露である。いくつかのロイコ化合物は、暗所貯蔵下では明所貯蔵下のように大きな効果を示さないため、各ロイコ化合物は、最適な効果を決定するために両方の条件の設定下で試験されなければならない。したがって、方法Iは、測定が行われる前に、様々な時間増分で、乾燥した布地を擬似太陽光に曝露することを含み、LCE値は、以下に記載される曝露時間のセットから得られた最大値に設定される。
【0263】
A.乾燥後の暗所条件
乾燥後、測定時点間では、布地を室温で暗所に保管する。綿布のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)の値は、2時間の乾燥期間の終了後に時間t=0、6、24及び48時間において測定する。各ロイコ着色剤(それぞれ4つのスワッチを有する3つのフラスコ)に対して生成された12個のスワッチの値を平均して、各時点tにおけるL
*、a
*、b
*、及びWI CIEのサンプル値に到達する。
【0264】
対照処理のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)の値を得るために、上記手順を以下の例外と共に記載どおりに繰り返す:(1)対照ベース洗浄溶液を、脱イオン水中のAATCC増白剤なし重質液体洗濯洗剤(5.23g/1.0L)を使用して調製し、(2)乾燥期間後に測定された、対照例に対して生成された12個のスワッチの値を平均して、L
*、a
*、b
*、及びWI CIEのサンプル値に到達し、t=0における対照値はまた、t=6、24及び48時間の対照値としても使用する。
【0265】
洗濯ケア配合物中のロイコ着色剤のロイコ着色剤効率(LCE)は、以下の等式を使用して、各時点tで収集されたデータに基づいて計算される。
LCE
t=DE
*=((L
*c−L
*s)
2+(a
*c−a
*s)
2+(b
*c−b
*s)
2)
1/2
式中、下付き文字c及びsは、それぞれ、対照例、すなわち、AATCC増白剤なし重質液体洗濯洗剤で洗浄された布地、及びサンプル、すなわち、ロイコ着色剤を含有する洗濯ケア配合物で洗浄された布地を指し、LCE
tを計算するために使用される値は、対応する時点t(0、6、24又は48時間)でのものである。
【0266】
各洗浄溶液(それぞれ4つのスワッチを備える3つのフラスコ)に対して生成された12個のスワッチのWI CIE値を平均し、以下の等式を用いて洗浄時の白色度指数の変化を計算する。
ΔWI=WI CIE(洗浄後)−WI CIE(洗浄前)
【0267】
洗濯ケア配合物(ΔWI
サンプル)及びAATCC増白剤なしHDL(ΔWI
対照例)について別個の値が存在する。2つの配合物間の白色度の変化は、以下の等式によって与えられる。
δΔWI=ΔWI
サンプル−ΔWI
対照例
【0268】
B.乾燥後の明所条件
乾燥後の特定の綿布を、15分、30分、45分、60分、75分、90分、120分、及び240分間にわたり模擬太陽光に曝露する。綿布のL
*、a
*、b
*、及び白色度指数(WI CIE)値を、各曝露期間後にスワッチ上で測定する。各曝露時点におけるLCE及びΔWI値の計算は、上記の方法I.A.に記載されているとおりであり、サンプル及び対照例の洗濯ケア配合物のLCE値及びΔWI値は、列挙した曝露時間のセットから得られる最大値に設定される。
【0269】
II.相対色相角を求める方法(AATCC対照例基準)
上記の方法Iに従って処理された綿布にロイコ着色剤によってもたらされる相対色相角は、以下のように求められる。
a)各溶液からの12のスワッチのa
*値及びb
*値を平均し、以下の式を使用してΔa
*及びΔb
*を求める。
Δa
*=a
*s−a
*c及びΔb
*=b
*s−b
*c
式中、下付き文字c及びsは、それぞれ、AATCC増白剤なし重質液体洗剤(対照例)で洗浄された布地、及びロイコ着色剤(サンプル)を含有する洗濯ケア配合物で洗浄された布地を指す。
b)Δa
*及びΔb
*の両方の絶対値が<0.25である場合、相対色相角(Relative Hue Angle、RHA)は計算されない。Δa
*又はΔb
*のいずれかの絶対値が≧0.25である場合、RHAは以下の式の1つを用いて求められる:
Δb
*≧0の場合、RHA=ATAN2(Δa
*,Δb
*)
Δb
*<0の場合、RHA=360+ATAN2(Δa
*,Δb
*)
【0270】
相対色相角は、乾燥後の暗所における評価又は乾燥後の明所における評価のいずれかでデータが収集される各時点について計算することができる。請求項の要件を満たすためにこれら時点のいずれを使用してもよい。
【0271】
III.ロイコ着色剤及びその酸化形態の表面張力値の測定方法。
試験対象の材料は、本発明によるロイコ着色剤、又はロイコ着色剤の第2の有色状態を表す染料(例えば、トリアリールメタン染料)のいずれかである。合計250〜255mgの試験対象材料を4オンスのガラス瓶に秤量し、50.0mLの脱イオン水(Barnstead B−Pure System、約17.27オーム)を磁気撹拌棒と共に加える。瓶に蓋をし、瓶を磁気撹拌プレート上に置き、混合物を22.0℃で1時間撹拌する。その後、撹拌を停止し、混合物を1時間静置したまま放置する。その時間の終わりに、10.0mLの溶液を注射器内に引いて、次いで注射器にガラス繊維Acrodisc(登録商標)フィルタを取り付け、アリコートを20mLシンチレーションバイアルに濾過する。VWR LabMax Pipettorを使用して、45.0マイクロリットルの濾過された溶液を96ウェルプレートの8つの別個のウェルのそれぞれに供給するように移液する。これらの溶液を、Kibron Delta 8 Tensiometerを用いて約22.0℃で試験し、8つの測定された複製の平均値をmN/mの表面張力値として報告する。
【実施例】
【0272】
染色:2つの洗濯ケア配合物を、AATCC Standard HE増白剤なし重質液体洗剤を使用して調製した。配合物Hと表記される、第1の配合物は、0.15重量%のLiquitint V200(従来の色調剤)を含有した。配合物HLと表記される、第2の配合物は、0.075重量%のLiquitint V200及び0.03重量%のロイコ着色剤B(以下に示す構造)を含有した。ロイコ着色剤(Lecuo colorant)Bは、以下にトリフェニルメタン染料Dとして表される、約0.25モル%の完全酸化ロイコを含んでいた。
【0273】
【化21】
ロイコ着色剤B(a+a’+b+b’=5.0)
【0274】
【化22】
トリアリールメタン染料D(a+a’+b+b’=5.0、対イオンは図示せず)
【0275】
配合物H及びHLのアリコート(5.0mL)を3種類の異なる布地に適用し、処理された布地を周囲条件で18時間にわたり一晩静置した。その後、布地を小型洗濯機で洗浄し(2.0ガロンのシンシナティ市営水道水、95°Fで12分間の洗浄、60°Fで4分間のすすぎ)、中熱、永久プレス設定を用いて強制空気乾燥機で乾燥させた。布地を乾燥後2時間経ってから測定して、2つの配合物の相対的な染色程度を評価した。染色を48時間の時点で視覚的に評価し、有意な変化は認められなかった。比較配合物Hで観察された染色を基準にして指数化された配合物HLの染色を以下に表す。100以下の指数値は、染色が、配合物Hの染色と同等であるか、又はそれよりも目立たないことを示す。
【0276】
【表1】
【0277】
洗濯ケア配合物HLは、綿(CW120及び綿テリー織り、TestFabricsから購入)上で比較配合物と同等の染色を与えるが、ナイロン/ライクラ上では、従来の色相染料のみを含有する比較配合物よりも著しく少ない染色を与える。
【0278】
白色度の利益:洗濯ケア配合物H及びHL(上述のように調製した)を使用して洗浄試験を実行して、配合物が、消費者供給された着古された綿布地に、及びきれいな、ストリップされた新しい綿布地にもたらした改善された白色度の程度を決定した。
【0279】
この試験を、ストリップされた綿布地に対して、本明細書に見出されるように方法I.A.に従って実行した。次いで、ストリップされた綿を、2つの異なる消費者供給された着古された白いTシャツ布地(St.Vincent DePaulの4×6”のTシャツスワッチ、重度黒ずみ;J&R Coordinating Services,Cincinnati,OH,USAから購入)に代えて、記載したように試験を再度行った。これらのTシャツのスワッチは、洗浄前に、以下の表2に示すようなL
*、a
*、b
*及びWI CIEの値を有した。消費者供給された着古された白いTシャツを試験するとき、2つの異なるTシャツのそれぞれから3つの複製を各洗浄フラスコに入れた。
【0280】
【表2】
【0281】
方法I.A.に従って組成物中で洗浄された、ストリップされた綿布と消費者供給された着古された白いTシャツ布地との両方についての白色度指数(ΔWI)の変化を、各インスタンスでの計算のために乾燥後の2時間及び48時間の時点で測定されたWI CIE値を使用して、方法に提供される等式に従って計算した。洗浄試験の結果を以下の表3に示す。
【0282】
【表3】
aストリップされた、100%綿、Style403、Test Fabrics,Inc.。
bSt.Vincent DePaulの4×6”のTシャツスワッチ、重度黒ずみ。
【0283】
表3のデータは、配合物HLが、新しいきれいな綿を基準にして着古された消費者の綿に白色度をもたらすことについて、比較配合物Hから得られるバイアスよりも一貫してより大きなバイアスを有することを示している。色相染料とロイコ組成物との組み合わせを含む配合物は、改善された全体的な白色度の利益を提供し、新品の綿衣類の色完全性を損なうことなく従来の色調剤のみを含む配合物よりも優れた利益を着古された綿にもたらす。更に、従来の色相染料及びロイコ組成物との組み合わせは、強化された白色化を乾燥後にのみ提供するのではなく、白色度の利点は、上の48時間のデータに示されるように経時的にも有意に増加する。したがって、本発明の洗濯ケア配合物は、配合物の全体的な色を減少させ、同等の又は更には改善された前処理時の染色を維持しながら、洗濯ケア配合物が必要とされる場所(黄変を示す傾向がある着古された綿)に効果的に付着すると同時に、色調整が必要とされることも所望されることもない新しいきれいな布地への付着を回避する、明確な利点を消費者に提供する。
【0284】
最終製品の色。ロイコ着色剤は一般に、洗濯ケア組成物の原色を変化させないが、場合によっては、保管時のそのゆっくりとした変換は、最終製品の外観に知覚可能な変化をもたらし得る。ロイコ化合物を含む配合物の通常の寿命全体にわたって消費者が許容できる最終製品の色を維持するために、様々な異なる戦略が配合者によって活用され得る。当業者には既知であるが、これらの戦略のいくつかを以下に簡潔に説明する。
【0285】
黄変成分。組成物は、洗剤組成物が熟成するにつれて黄変する1つ以上の成分を含んでもよい。黄変成分は、保管中にロイコ化合物の酸化によって形成され得る任意の青色染料に対する補色として機能し得る。好適な黄変剤は、無色、又はほぼ無色の状態から始まり、洗濯組成物中の光、酸素、又は他のトリガへの経時的な曝露と共に黄色に変化する。好適な黄変剤は、混合直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LABS)界面活性剤、アルコールエトキシサルフェート(AES)界面活性剤、l−又はD−ヒスチジン一塩酸塩、4−ヒドロキシニトロベンゼンのエステル(例えば、4−アセトキシニトロベンゼン)、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、又は上記の組み合わせからなる群から選択され得る。他の好適な黄変剤としては、少なくとも約8のpKaを有する少なくとも1つの−NH
2基を有するジアミン又はトリアミンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいジアミンの例としては、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、4−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジメタンアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン−メタンアミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいジアミン又はトリアミンは、米国特許第9,487,739号及び同第9,631,163号に開示されているものなど、親油性である有機ポリエーテルアミン組成物であり得る。好適な黄変剤は、塩、遊離酸、又は遊離アミンとして洗剤配合物に添加されてもよい。
【0286】
一態様では、好適な黄変成分は、以下に3つの成分について示されるように、AATCC標準参照液体洗濯洗剤中に5000ppmの成分を溶解させることによって識別され得る。洗剤サンプルをバイアルに入れ、50℃のオーブンに保管した。AATCCを対照例として使用し、Δb
*を経時的に記録した。洗剤サンプルのδΔb
*を一定期間にわたって追跡した。δΔb
*は、以下の等式によって1週間及び2週間の時点で計算される。
δΔb
*サンプル=b
*サンプル−b
*AATCC
【0287】
【表4】
【0288】
3つ全ての成分は、δΔb
*によって示されるように、洗剤中で経時的に黄変した。当業者であれば、経時的な黄変の程度を制御して所望の状態に到達するために、黄変成分の同一性及び濃度が必要に応じて調整され得ることは認識するであろう。
【0289】
経時的に退色する青色染料。組成物は、洗剤組成物が熟成するにつれて退色する又は色強度が減少する1つ以上の青色染料を含んでもよい。最初から配合物に組み込まれる青色染料は、典型的には、保管中にロイコ化合物の酸化によって形成され得る青色染料の色と同様の色を有する。経時的に退色する傾向のある任意のこのような染料の使用濃度は、退色することにより失われる色の量が、ロイコ化合物の一部の変換によって得られる色で相殺されるようなものであり得る。正味の効果は、配合物が、経時的にほぼ同様の量の青色の色成分を維持するといったものであり、いくらかの青色は退色するが、その分は別の青色の形成によって補充される。好適な出発染料は、青色の状態から始まり、洗濯組成物中の光、酸素、又は他のトリガへの経時的な曝露と共に色強度が低下する。この点で使用され得る好適な染料としては、チアゾリウム類のモノアゾ染料など、加水分解を遅らせる傾向がある青色のモノアゾ染料、及び、場合によっては、ロイコ化合物の変換から形成されるトリアリールメタン染料を含む、いくつかのトリアリールメタン染料が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、配合者は、合理的に安定な量の青色の色寄与が製品の期待される関連寿命全体にわたって配合物中に留まるように、初期青色染料の同一性及びその濃度を調整し、更に、退色、及びロイコの酸化形態への変換を早めること又は遅らせることのいずれかを行うために配合を変更し得ることを理解する。いくつかの青色染料の退色を以下の実施例1及び2に示す。
【0290】
実施例1:液体洗剤中の酸化ロイコ染料の退色
液体洗剤を、以下の表に示すような組成で調製した。
【0291】
液体洗剤Iの組成(8.2〜8.5の最終pH)
【0292】
【表5】
【0293】
等量の洗剤Iのサンプルを、赤色の滅菌済み標準スクリューキャップ(VWRから入手可能、カタログ番号82051−072)を取り付けた6つの別個の標準的な50mLのポリスチレンGreiner Bio−One CellStar細胞培養フラスコに入れた。設定量の完全に酸化されたロイコ染料(代表的な構造を以下に染料Aとして示す)をこれらフラスコのうちの5つに添加して、様々な濃度の染料を有する5つのサンプル(洗剤I−1〜I−5)を作製し、一方、第6のフラスコは、染料を添加せず、対照例としての役割を果たした(洗剤I−6)。
【0294】
【化23】
染料A(帯電平衡する対イオンは図示せず)
【0295】
サンプルを25℃で139日間保管し、色読み取り値を断続的に取得した。個々のサンプル洗剤及び対照洗剤の所与の時間t(保管日数)でのb
*値を使用して、以下の等式に従ってΔb
*値を計算する。
Δb
*=b
*サンプル−b
*対照例
【0296】
結果を以下に示す。表4aは絶対Δb
*値を与え、表4bは、0日目に取られた元のΔb
*値の百分率として計算された同一の数を提供し、これは洗剤中に残っている染料Aの%を表す。
%染料残留量=[(Δb
*)
t/(Δb
*)
0]×100
【0297】
【表6】
【0298】
【表7】
【0299】
データは、対応する前駆体ロイコ染料の第2の色状態である、完全に酸化された染料Aが、液体洗剤中で経時的にゆっくりと退色することを示している。染料濃度が高いほど、最初に添加された染料のより低い割合が経時的に退色するが、退色する染料Aの絶対量は、濃度が高いほどより大きくなり、その結果、染料の濃度を増加させることを組み込んだ元の出発色の調整は、配合者が、経時的に退色する色の絶対量を調整することを可能にし、全体的な最終製品の色を経時的に微調整することを可能にする。
【0300】
実施例2:液体洗剤中のチアゾリウムアゾ染料の退色
組み込まれる退色性染料は、完全酸化形態、すなわち、第2の色状態のロイコ染料に限定されるものではない。他の染料が目的を同等に果たすことがあり、いくつかの態様では、好ましいこともある。このような染料の非限定的な実例は、チアゾリウムアゾ染料、例えば、以下に示す染料B及び染料Cから選択され得る(米国特許第7,674,757号を参照されたい)。
【0301】
【化24】
【0302】
液体洗剤を、以下の表に示すような組成で調製した。
【0303】
【表8】
1ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド骨格鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド骨格鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40〜60であり、50のエチレンオキシド単位当たり1個以下のグラフト点である。
2以下の一般構造を有する化合物:R
2(CH
3)−N+−C
xH
2x−N+−(CH
3)R
2[式中、R=(C
2H
4O)
nC
2H
5OH、n=20〜30、及びx=3〜8である]、又はそのサルフェート化若しくはスルホネート化変異体である。
3洗剤IIサンプルに組み込まれた染料の濃度に関する値は、以下の表2a及び2bに提供する。
【0304】
以下の表に示されるように、液体洗剤IIを使用して、異なる濃度の審美的青色染料(ABD)を単独で(II−1、対照洗剤)又は染料Bと組み合わせて(II−2)含有する洗剤のサンプル、並びに異なる濃度の染料B(II−3)及び染料A(II−4及び−5)を単独で含有する洗剤のサンプルを調製した。サンプルを25℃で30日間保管し、色読み取り値を保管の開始及び終了時に取得した。上に開示したように計算される、Δb
*及び%染料残留量の両方の値を以下の表5aにまとめてある。
【0305】
同様の方法で、表2bに開示されているような組成を有する、いくつかは染料Cを使用することを含む、第2の一連の洗剤を液体洗剤IIから調製した。サンプルを40℃で30日間保管し、色読み取り値を断続的に取得した。上に開示したように計算される、各時点でのΔb
*及び%染料残留量の両方の値を以下の表5bにまとめてある。
【0306】
【表9】
【0307】
【表10】
【0308】
審美的青色染料のみを含有する洗剤と比較して、審美的染料とチアゾリウムアゾ退色性染料との混合物を含む洗剤は、退色性染料が染料B(II−2)であるか又は染料C(II−7)であるかにかかわらず、青色の濃度の経時的な減少を示しており、30日間で退色性染料の80%+が失われている。この洗剤では、退色の程度は同様であるが、II−7は40℃で、II−2は25℃でそれぞれ保管されていたので、染料Cは、染料Bよりも明らかに安定である。染料B(II−3)であるか又は染料C(II−8)であるかにかかわらず、チアゾリウムアゾ退色性染料のみを含有する洗剤は、染料Aのみを含有する洗剤と同じように、前に液体洗剤Iでも観察された染料の経時的な退色を同様に示している。
【0309】
全ての場合において、このような青色染料の退色を用いて、少量のロイコ着色剤が長期保管中に第2の色状態への変換を受けたときに生じ得る青色の増加を相殺することができ、熟練した配合者が最終製品の色軌道を経時的に制御することを可能にする。配合者は、純粋に審美的である退色性染料を選択してもよく、洗浄中に布地に付着して洗剤の全体的な白色化効果に寄与する退色性染料を使用してもよく、又は所望の消費者体験に応じてこれらの組み合わせを使用してもよい。
【0310】
酸化防止剤(Antixodiants)。酸化防止剤は、いくつかの実施形態では、ロイコが保管時に酸化形態の染料に変換される速度を変更することができるので、特定の酸化防止剤又は酸化防止剤のカクテル及び用いられる濃度の選択は、配合者が、黄変成分からの黄色の色成分の形成速度か、又は保管時の経時的な初期青色染料の退色速度のいずれかと、青色染料の形成速度を経時的にバランスさせることを補助し得る。酸化防止剤及び他の色変化成分の同一性に応じて、例えば、黄変速度又は退色速度は、1つ以上の酸化防止剤の賢明な使用によって変化させられてもよい。
【0311】
最終製品の出発色の調整。上記で概説したアプローチを超えて、製品寿命全体にわたって消費者が許容可能な最終製品色を維持することを望む配合者はまた、保管時の配合物の予想される色軌道を無効にする方向で初期製品色を変化させることを選択し得、その結果、消費者が許容可能な限界内に留まる色空間を通る軌道をもたらす。これは、ロイコ化合物が特定の特性色によって認識される配合物において使用される場合に望ましい場合がある。色印象は、特定の製品属性を消費者に伝えるために重要であり得、消費者は、経時的な有意な色の変化を受け入れる気はあまりない場合がある。例えば、経時的なロイコ着色剤の変換量が色に約−3.0b
*単位を与えると予想され、かつそれには2.0L
*単位の低下も伴うであろう、配合物では、配合者は、貯蔵時間中に、色が、消費者の期待する色の+1.5b
*及び+1.0L
*から変化し、典型的又は慣習的な色を通過し、−1.5b
*及び−1.0L
*単位で終了するように、配合物の出発色を通常よりも1.5b
*単位及び1.0L
*単位高く調整することを選択してもよい。このようにして、色は、消費者が見慣れている色により近い状態に維持される。
【0312】
最終製品のpHの調整。使用されるロイコ着色剤がトリアリールメタンである場合、染料の酸化形態は、実質的に無色であり得るカルビノールなどの付加物を形成するために、水酸化物イオンなどの求核剤による攻撃を受けることが周知である。39.1%の水を除去したこと以外は同じである、液体洗剤I(上記の組成物)のサンプルを調製した。これに、上記の染料Aに対する0.017重量%のロイコ着色剤前駆体を添加した。5つのこのようなサンプルを調製し、これらのうちの4つにNaOH添加でpHを調整して、約8.2〜約12.4の範囲の異なる出発pH値を有する一連の5つの洗剤(I−1〜I−5)を作製した。これらを40℃で保管し、597nm(1.0cmの経路長セル)での吸光度を143日間の保管中に様々な時間においてモニタした。吸光度の値は、染料Aの存在に起因するものである。データを以下の表にまとめる。
【0313】
【表11】
【0314】
洗剤のpHが上昇するにつれて、染料Aのλmaxにおける吸光度の減少により示されるように、洗剤中で測定される色の濃度は減少する。
【0315】
当然のことながら、当業者であれば、このようなアプローチの様々な組み合わせが、製品の期待される寿命全体にわたって消費者受容性を維持する許容可能な出発色を有する配合物に到達するために、配合者によって採用され得ることを認識する。例えば、配合物は、微量の1つ以上の黄変成分、経時的に色強度が減少する初期青色染料、及び製品の寿命にわたって所望の色軌道を達成するように選択された濃度での1つ以上の酸化防止剤の選択を含んでもよい。
【0316】
配合例
以下は、本開示に係る洗浄組成物の例示の実施例であり、限定を意図するものではない。本明細書の配合例におけるホワイトニング剤の重量%組み込みは、ほぼ等しい500g/当量の等価重量を有するホワイトニング剤に基づく。したがって、当業者には理解されるように、重量%濃度は、使用される異なる等価重量のホワイトニング剤を補うように適切に調整されることが意図される。
【0317】
実施例1〜7:重質液体洗濯洗剤組成物。
【0318】
【表12】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素濃度は、原材料として報告される。
【0319】
実施例8〜18:単位用量組成物。
【0320】
これら実施例は、単位用量洗濯洗剤用の様々な処方を提供する。組成物8〜12は、1つの単位容量区画を含む。組成物を封入するために使用されるフィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムである。
【0321】
【表13】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素濃度は、原材料として報告される。
【0322】
以下の実施例では、単位用量は3つの区画を有するが、同様の組成物を2つ、4つ又は5つの区画で作製することもできる。区画を封入するために使用されるフィルムは、ポリビニルアルコールである。
【0323】
【表14】
【0324】
【表15】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づいて、酵素レベルは原材料として報告する。
【0325】
【表16】
【0326】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0327】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0328】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。