(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかる照明システムの他の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの回路ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの他の例の回路ブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの構造を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチが内蔵する基板上の表面レイアウトを示す平面図である。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチが内蔵する基板上の裏面レイアウトを示す平面図である。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの非表示状態を示す正面図である。
【
図9】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの点灯表示状態の一例を示す正面図である。
【
図10】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの点灯表示状態の一例を示す正面図である。
【
図11】本発明の実施の形態にかかる照明スイッチの点灯表示状態の一例を示す正面図である。
【
図12】本発明の実施の形態にかかる照明システムの制御方式の一例(制御データベースを照明コントローラに置く方式)を示す制御シーケンス図である。
【
図13】本発明の実施の形態にかかる照明システムの制御方式の他の例(制御データベースを照明スイッチに置く方式)を示す制御シーケンス図である。
【
図14】本発明の実施の形態にかかる照明システムのカード情報読込処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施の形態にかかる照明システムのカード情報読込処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施の形態にかかる照明システムのカード情報読込処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構築方法(割付操作を設定器とカードスイッチで実施する場合)の一例を示す設定シーケンス図である。
【
図18】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構築方法を説明するための図である。
【
図19】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構築方法(割付操作をカードスイッチで実施する場合)の他の例を示す設定シーケンス図である。
【
図20】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構築方法を説明するための図である。
【
図21】本発明の実施の形態にかかる照明システムの構築方法を説明するための図である。
【
図22】本発明の実施の形態にかかる照明システムで利用する非接触ICカードを特定するためのRFIDフォーマットを示す図である。
【
図23】本発明の実施の形態にかかる照明システムで利用する非接触ICカードを特定するためのRFIDフォーマットを示す図である。
【
図24】本発明の実施の形態にかかる照明空調システムの構成を示すブロック図である。
【
図25】本発明の実施の形態にかかる照明空調システムの他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000の構成を示すブロック図である。ワンフロア内のシステムを例示したものである。実施の形態の特徴的構成の一つとして、公共機関で使用する非接触ICカード5のID情報と照明制御ポイントを対応付け、非接触ICカード5操作により照明器具2a〜2cが操作される。
【0023】
図1に示すように、照明システム1000は、互いに通信線で接続された、照明コントローラ1、複数の照明器具2a〜2c、および照明スイッチ100を備えている。照明スイッチ100は、壁スイッチ3および非接触式リーダ4を備えている。複数の照明器具2a〜2cおよび照明スイッチ100を、まとめて、便宜上「照明制御システム機器6」とも称す。建物内のローカルエリアネットワーク(LAN)13に、照明コントローラ1が接続されている。照明システム1000は、さらに、照明コントローラ1と接続されたルーター7と、ルーター7とイーサネット(登録商標)でネットワーク接続されたハブ(HUB)12と、ユーザが使用するパソコン8と、パソコン8の周辺に設けられたカード情報入力端末9と、を備えている。照明コントローラ1を介して照明器具2a〜2cが制御される。非接触式リーダ4およびカード情報入力端末9は、いわゆる受動型(パッシブ型)のRFID読取装置である。カード情報入力端末9は、セキュリティーカード61の情報を読み取り可能である。セキュリティーカード61は、入退室用セキュリティーカードである。
【0024】
照明システム1000は、非接触式リーダ4に対する非接触ICカード5のかざし方の違いに基づいて照明制御を行う。具体的には、照明システム1000は、制御データベースDBを有している。制御データベースDBは、予め定められた非接触ICカード5の非接触式リーダ4に対する「かざし方の種類」と、予め定められた複数の照明制御の内容と、が対応付けられた対応情報を予め記憶した「記憶部」である。制御データベースDBは、照明システム1000内のいずれかに存在する記憶装置を使用することができ、少なくとも、照明コントローラ1あるいは照明スイッチ100内のマイコン41(
図3参照)が備えるメモリを用いることができる。照明システム1000は、非接触式リーダ4で読み取られたかざし方が、予め設定された「かざし方の種類」のいずれかに該当した場合に、制御データベースDBに記憶された対応情報に従って、該当するかざし方に対応する照明制御を行う。「照明制御」は、具体的には、照明器具2a〜2cの点灯操作と消灯操作が含まれており、調光率を設定する調光操作も含まれてもよい。照明器具2a〜2cは、非接触式リーダ4で読み取られたかざし方に応じて照明器具2a〜2cの点灯と消灯とを切り替えるようになっている。
【0025】
非接触式リーダ4に対して非接触ICカード5をかざす際の「かざし方の違い」つまり「かざし方の種類」には、少なくとも下記の具体例が含まれる。「かざし続ける時間の長短」により、かざし方の違いを認識しても良い。長くかざしたときに点灯して短くかざしたときに消灯してもよく、あるいはその逆でも良い。「繰り返しかざした回数」により、かざし方の違いを認識しても良い。かざした回数が多いときに点灯してかざした回数が少ないときに消灯してもよく、あるいはその逆でも良い。また、かざし方で調光制御を行うモードであれば、長くかざすと調光率が増加つまり明るくされてもよく短くかざすと調光率が低下つまり暗くされるように調光制御されてもよく、あるいはその逆でもよい。同様に、かざした回数が多いときには明るくされてかざした回数が少ないときには暗くされる、という調光制御としてもよく、あるいはその逆でも良い。「かざし方の違い」に基づいた照明制御を行うので、1つの記憶媒体を用いて実現可能な照明制御の種類を増やすことができる。
【0026】
さらに、非接触式リーダ4に対して非接触ICカード5をかざす際の「かざし方の違い」つまり「かざし方の種類」には、非接触ICカード5を非接触式リーダ4に対してかざす際の「スライド方向」が含まれていてもよい。例えば、壁などに取り付けられた非接触式リーダ4に対して、上から下つまり天井側から床側へと非接触ICカード5を移動させるかざし方を第1スライド方向として識別し、逆に、下から上つまり床側から天井側へと非接触ICカード5を移動させるかざし方を第2スライド方向として、非接触式リーダ4がスライド方向を識別してもよい。この第1、2スライド方向に、それぞれ異なる照明制御を割り当ててもよく、例えば第1スライド方向で点灯し第2スライド方向で消灯するという割り当てを行ってもよく、あるいはその逆であってもよい。同様に、非接触式リーダ4に対して、右から左へと非接触ICカード5を移動させるかざし方を第3スライド方向とし、逆に左から右へと非接触ICカード5を移動させるかざし方を第4スライド方向として、非接触式リーダ4がスライド方向を識別してもよい。第1、2スライド方向と同様に、この第3、4スライド方向に、それぞれ異なる照明制御を割り当ててもよい。また、縦方向のスライドと横方向のスライドとを区別するように非接触式リーダ4がスライド方向を識別してもよく、縦方向のスライドと横方向のスライドとにそれぞれ異なる照明制御を割り当てても良い。さらに、斜め方向のスライドを区別できるようになっていてもよく、例えば非接触式リーダ4に対して右上から左下へと移動するスライドと、非接触式リーダ4に対して左上から右下へと移動するスライドとを、区別できるようにしても良い。このように、非接触式リーダ4に対して一つの方向への往路と復路とを異なるかざし方として認識してもよく、異なる複数の方向へと非接触ICカード5を移動させたときにそれぞれを異なるかざし方として認識してもよく、さらにこれらの認識方法を組み合わせても良い。なお、このようなスライド方向を区別するための技術の一例としては、例えば、非接触型ICカードやRFタグなどの可搬記録媒体の記録内容を読み書きするリーダライタのアンテナコイルの形状を、上下にあるいは左右に非対称な形状(三角形、偏心形、分割形など)とする技術がある。この結果として、可搬記録媒体のリーダライタへのかざし方(かざす方向やかざす速度)の違いにより生じる、リーダライタのアンテナコイルにおける入力インピーダンスの変化のパターンを、アンテナコイルからの反射電力を測定した結果に基づいて判別する。これにより、可搬記録媒体のリーダライタへのかざし方を識別することが可能とされる。
【0027】
上記をまとめると、実施の形態における「かざし方の違い」つまり「かざし方の種類」には、「かざし続ける時間の長短」、「繰り返しかざした回数」、および「スライド方向」の少なくとも1つが含まれている。「かざし続ける時間の長短」、「繰り返しかざした回数」、および「スライド方向」のうち、2つ以上のかざし方判別方法を組み合わせてもよく、3つのかざし方判別方法を全て適用しても良い。非接触式リーダ4で認識させるかざし方の種類を増やすことで、複数のかざし方それぞれに異なる照明操作を割り当てることが可能となる。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態にかかる照明システムの他の構成を示すブロック図である。複数のフロアを持つビルディング全体のシステムを例示したものである。
図2に示す照明システム1001が有する特徴的構成の一つとして、ユーザが使用するパソコン8a,8bに非接触式リーダ8a1,8b1が取付けられている。照明システム1001では、非接触ICカード読み取り機である非接触式リーダ8a1,8b1に非接触ICカード5をかざすことにより、イントラネットを介して自己の照明制御ポイントを操作することができる。
【0029】
照明システム1001では、複数の照明コントローラ1a〜1dそれぞれに、照明制御システム機器6a〜6dが接続されている。照明制御システム機器6a〜6dの構成は、
図1に示した照明制御システム機器6と同様である。
図2に示すように、複数の照明コントローラ1a〜1dは、HUB12を介して、テナントのイントラネットに接続されている。ルーター7を介して、各パソコン8a,8bがハブ接続されている。また、各パソコン8a,8bには非接触ICカード5の情報を読み取る非接触式リーダ8a1、8b1が接続されている。非接触式リーダ8a1、8b1は、非接触式リーダ4と同じく、非接触ICカード5の読み取りが可能であり、いわゆる受動型(パッシブ型)のRFID読取装置である。LAN13には、HUB12を介してビル監視設備10およびセキュリティ設備11が接続されている。LAN13には、各照明コントローラ1a〜1d、ビル監視設備10、およびセキュリティ設備11が接続され、様々な連携が可能となっている。セキュリティ設備11のカード情報入力端末9a〜9dが、各フロアに設置されている。カード情報入力端末9a〜9dを介して、セキュリティ設備11が、各テナントの入退室のセキュリティ管理および全員退出時の施錠管理を行っている。なお、変形例として、カード情報入力端末9a〜9dがセキュリティ機能を担わないようにしてもよく、カード情報入力端末9a〜9dが非接触ICカード5を読み取り可能なリーダとされていてもよい。
【0030】
照明コントローラ1a〜1dは、照明制御システム機器6a〜6dが設置された部屋に設けられたパソコン8a,8bの周辺に設けられた非接触式リーダ8a1,8b1とも通信を行う。照明コントローラ1a〜1dは、非接触式リーダ8a1,8b1の読み取り結果に応答して、照明制御を行う。具体的には、照明コントローラ1a〜1dは、非接触ICカード5の読み取りを行う非接触式リーダ8a1,8b1による読み取りの成否、非接触式リーダ8a1,8b1による読み取り情報、および非接触式リーダ8a1,8b1に対する非接触ICカード5のかざし方の違いのうち少なくとも1つに基づいて、照明制御システム機器6a〜6dを制御する。
【0031】
照明システム1001は、複数の照明制御システム機器6a〜6dを備えている。パソコン8a、8bが複数設けられ、複数のパソコン8a、8bがネットワーク接続されている。照明コントローラ1a〜1dは、複数の照明器具2a〜2cを区別する情報と非接触ICカード5から非接触式リーダ8a1,8b1で読み取られる情報とがひもづけられた照明区別情報を予め記憶していてもよい。照明コントローラ1a〜1dは、非接触式リーダ8a1,8b1の読み取りがあったとき、照明区別情報の中で該当する照明制御システム機器6a〜6dに対して、点灯、消灯、あるいは調光などの予め定めた照明制御を行うようにしてもよい。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の回路ブロック図である。照明スイッチ100は、マイコン41と、マイコン41と照明コントローラ1との間の通信を行うための受信回路46および送信回路47と、通信線から電源を取出す電源回路45と、受信回路46、送信回路47および電源回路45を通信線に接続する端子台44を備えている。照明スイッチ100は、マイコン41に接続された壁スイッチ3と、マイコン41に接続された非接触式リーダ4とを備えている。
図6〜
図7で後述するように、壁スイッチ3および非接触式リーダ4は第1基板52に一体的に形成されており、具体的には、壁スイッチ3は第1基板52が有する基板本体53の表面53aに設けられており、非接触式リーダ4は第1基板52が有する基板本体53の裏面53bに設けられている。壁スイッチ3は、複数のスイッチ操作部49を備えマイコン41にスイッチ操作を伝達するスイッチ装置48と、複数の発光素子(具体的にはLED素子)51を備えマイコン41の指示に従って点灯するLED表示部50と、を備えている。スイッチ装置48は、一例として、静電容量式スイッチとする。非接触式リーダ4は、マイコン41に接続したいわゆるRFID制御回路であるRF制御IC42と、RF制御IC42と接続したアンテナ部43とを備えている。RF制御IC42は、非接触ICカード5に対する電源供給および信号送受信を行うものである。RF制御IC42は、アンテナ部43を介して非接触ICカード5に対して高周波信号により電源を供給する機能と、アンテナ部43を介して非接触ICカード5との間でカードID情報をやり取りする通信機能とを備えている。RF制御IC42およびアンテナ部43の具体的構成は、既に公知の非接触型通信技術、RFID技術を用いればよいので、これ以上の説明は省略する。壁スイッチ3の操作にタクタイルスイッチ(プッシュスイッチ)を用いないことで、機械構造に起因する短期寿命を避けることができるという利点がある。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の他の例の回路ブロック図である。
図4には、変形例としての照明スイッチ104が図示されている。照明スイッチ104は、静電容量式スイッチであるスイッチ装置48の代わりに、プッシュボタン149を備えるタクタイルスイッチ148を用いたものである。
【0034】
図5は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の構造を示す斜視図である。照明スイッチ100は、表面4f1と裏面4f2とを有し可視光透過性を有するカバープレート4fと、カバープレート4fの表面4f1に取り付けられ可視光透過性を有する表面カバー4eと、カバープレート4fの裏面4f2に重ねて設けられた第1基板52および第2基板56と、第2基板56に実装された端子台44と、第1基板52、第2基板56および端子台44を覆うようにカバープレート4fの裏面4f2に設けられたケース4gと、を備えている。一例としては、表面カバー4eとカバープレート4fの少なくとも一方が、例えば乳白色などの色の付いた半透明材料、例えば着色半透明樹脂材料などで形成されていても良い。これにより照明スイッチ100の内部構造が表面カバー4e側からは見えないようにされていてもよい。ただし、必ずしも半透明である必要は無く、表面カバー4eとカバープレート4fの両方が透明であり照明スイッチ100の内部構造が表面カバー4e側から見えるようになっていてもかまわない。
【0035】
図6は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100が内蔵する第1基板52の表面レイアウトを示す平面図である。
図6には、第1基板52が有する基板本体53の表面53aが図示されており、この表面53がカバープレート4fの裏面4f2に重なる。基板本体53の表面53aには、スイッチ操作部49および発光素子51が形成されている。スイッチ操作部49は、カバープレート4fの裏面4f2に設けられ、カバープレート4fの表面4f1における予め定めた位置への接触または押圧を検知する。スイッチ操作部49は静電容量式スイッチなので、機械的式スイッチと比べて長寿命である。発光素子51は、カバープレート4fの裏面4f2側におけるスイッチ操作部49の隣に設けられている。一例として、発光素子51は、赤色と緑色の二色に切替可能な発光素子を含むものとする。非接触式リーダ4がカバープレート4fの裏面4f2側に設けられているので、カバープレート4fの表面4f1に非接触ICカード5が近接したときに非接触ICカード5に対する読み取りを行う。なお、
図6に示す端子部55a、55bは、基板本体53における表面53aと後述する
図7に示す裏面53bとを貫通して設けられている。
【0036】
図7は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100が内蔵する第1基板52の裏面レイアウトを示す平面図である。
図7には、第1基板52が有する基板本体53の裏面53bが図示されている。基板本体53の裏面53bには、裏面53bの周縁をなぞるようにコイル状に設けられたアンテナ部43と、裏面53bにおけるアンテナ部43の内側の領域に実装されたRF制御IC42およびマイコン41と、が設けられている。マイコン41は、端子部55a、55bを介して、基板本体53の表面53aに設けられたスイッチ操作部49および発光素子51と接続している。マイコン41は、非接触式リーダ4による読み取りの成否、非接触式リーダ4による読み取り情報、および非接触式リーダ4に対する非接触ICカード5のかざし方の違いのうち少なくとも1つに基づいて照明制御を行うための制御プログラムを内蔵メモリに記憶している。
【0037】
カバープレート4fは、発光素子51の光を透過する非透明材料からなる。マイコン41は、非接触式リーダ4による読み取りがあったときに、複数の発光素子51のうち予め定められた発光素子51を点灯させる。具体例の詳細は、
図9〜
図11で説明する。
【0038】
スイッチ操作部49は、機械式スイッチ、あるいは非機械式スイッチのどちらでもよい。カバープレート4fは、柔軟性を有し、スイッチ操作部49は、カバープレート4fが押されたときに反応する機械式スイッチであってもよい。圧力を感知する方式、単純な押しボタンスイッチなどでもよい。非機械式スイッチは、電子式スイッチあるいは光学式スイッチである。非機械式スイッチは、静電容量スイッチであってもよい。様々な方式を用いることができ、マトリクス・スイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などの様々な方式が採用可能である。静電容量方式は、表面型静電容量方式、あるいは投影型静電容量方式のどちらでもよい。照明スイッチ100は、液晶部を備えないで構成しても良い。
【0039】
スイッチ操作部49の静電スイッチパターンと非接触式リーダ4のアンテナ部43のパターンを同一の第1基板52に設けており、互いに干渉を避ける構造としている点は特徴の一つである。照明スイッチ100は、スイッチ操作部49を静電容量式スイッチとして、LED表示部50を含めてフラットな構造とした点も特徴の一つである。ユーザの操作を受け付ける表面カバー4eの前面は凹凸の無い平面である点も特徴の一つである。この平面が丸みを帯びて滑らかな曲面に変形されてもよく、その場合はカバープレート4fおよび第1基板52も湾曲した曲面体となる。壁スイッチ3の操作にタクタイルスイッチ、プッシュスイッチなどを用いずに、静電スイッチとRFIDの読み込み機能を備えている点も特徴の一つである。
【0040】
照明スイッチ100は、照明コントローラ1を介して間接的に照明器具1の照明制御、具体的には点灯、消灯、および調光などを行ってもよく、照明コントローラ1を介さずに直接に照明器具2a〜2cの照明制御、具体的には点灯、消灯、および調光などを行っても良い。
【0041】
実施の形態で使用される照明スイッチ100の構造は、上記のものに限定されず、1個口スイッチの中に、非接触スイッチ機能(非接触式リーダ4)と、従来の操作ボタンおよびLED表示を組み合わせた各種の構造を用いてもよい。
【0042】
4つのスイッチ操作部49をまとめて1つのスイッチ操作部49で操作できるモードを備えても良い。
【0043】
非接触ICカード5のID情報と壁スイッチ情報を非接触式リーダ4に持たせたものであってもよい。通常の壁スイッチ3と非接触ICカード5のID情報読み取り機能を一体化し、通常の壁スイッチ操作も実施できるものであってもよい。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の非表示状態を示す正面図である。実施の形態では、一例として、非接触ICカード5によるカード操作が行われる前には、LED表示部50は消灯とされている。
【0045】
図9は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の点灯表示状態の一例を示す正面図である。非接触ICカード5によるカード操作が行われると、LED表示部50が点灯し、表面カバー4e上に複数の発光領域4p1〜4p8が現れる。実施の形態では、照明器具2a〜2cの状態に応じて、LED表示部50の点灯状態が相違させられている。照明器具2a〜2cが消灯の場合、緑のLEDが点灯し、赤のLEDは消灯のままである。照明器具2a〜2cが点灯の場合、赤のLEDが点灯し、緑のLEDは消灯のままである。なお、赤と緑は逆にしてもよい。
【0046】
なお、
図8において非接触ICカード5によるカード操作前にはLED表示部50を消灯しているが、変形例として、カード操作前にLED表示部50を暗めに点灯させておいてもよい。カード操作があった場合に、カード操作前よりもLED表示部50の明るさを増大させて
図9の状態を作り出してもよい。
【0047】
図10は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の点灯表示状態の一例を示す正面図である。カード操作によりLED赤、緑の両方が点滅するモードである。このモードは、例えば、点灯と消灯のいずれかの操作をユーザに促すための表示状態として用いることができる。後述する
図16のステップS140で使用しても良い。
【0048】
図11は、本発明の実施の形態にかかる照明スイッチ100の点灯表示状態の一例を示す正面図である。点灯操作があった場合を示しており、このときにはLED表示部50の赤のLEDが点灯される。
【0049】
非接触式リーダ4で読み取り成否または非接触式リーダ4で読み取られた情報に基づいて、照明スイッチ100の表示状態を変更してもよい。具体的には、非接触式リーダ4の読み取りが有効であった場合に限り、照明スイッチ100に「スイッチ操作部49の表示」、具体的には壁スイッチ3のLED表示部50の点灯(例えば点滅モード)により
図10の操作待ち点灯状態を発生させてもよい。非接触式リーダ4で読み取られた情報に基づいて、照明スイッチ100のうち、「今回読み取った非接触ICカード5に照明制御権限が付与された照明器具」を操作するためのスイッチ操作部49と組になる発光素子51のみを点灯させるようにしてもよい。これにより、必要な照明器具にのみ照明制御を行わせることができる。
【0050】
図12〜
図16を用いて、実施の形態にかかる照明器具2、照明システム1000および照明スイッチ100の動作を説明する。
【0051】
照明スイッチ100および照明システム1000では、照明コントローラ1が非接触ICカード5の読み取りを行う非接触式リーダ4と通信し、非接触式リーダ4による読み取り情報に基づいて複数の照明器具2a〜2cの中から照明スイッチ100の操作が適用される照明器具を選択する。
【0052】
図12は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の制御方式の一例(制御データベースDBを照明コントローラ1に置く方式)を示す制御シーケンス図である。
【0053】
(シーケンスS1)
まず、非接触式リーダ4に非接触式ICカード5がかざされると、カード読み取り通知および読み取ったカードID情報が、照明コントローラ1に送信される。照明コントローラ1は、予め記憶された制御データベースDBにアクセスして、照明器具2a〜2cの照明制御を行う。制御データベースDBには、建物に設置される複数の照明器具2a〜2cと、予め登録された「媒体情報」とが、互いにひもづけられた状態で登録されている。「媒体情報」とは、非接触式リーダ4が読み込みを予定する非接触ICカード5のカードID情報のことであり、後述する「照明システムの構築方法」によって制御データベースDBに予め登録されている。「媒体情報」は、後述する
図22および
図23に示すように、製造IDなどの、特別なセキュリティ解除を行わなくとも読み取りが可能な情報とすることで、汎用性を高めることができる。今回読み取られたカードID情報が、予め登録された媒体情報のいずれかに合致した場合には、その合致した媒体情報にひもづけられた照明器具に対して、壁スイッチ3の操作が適用される。具体的な制御ルーチンの一例は
図16で後述する。なお、非接触式リーダ4への非接触ICカード5のかざし方によって照明制御が行われる機能が搭載されている場合には、さらに、後述する
図14および
図15に従って処理が行われることで、非接触ICカード5のかざし方の種類に応じた照明制御が実行される。
【0054】
従来の液晶壁スイッチでは、操作エリア分のボタンが必要であり自分のボタンを探すのに手間取ったり、液晶スイッチのボタン数、配置に制限がある。そこで、実施の形態では、一般的に使用されているRFIDのセキュリティがかかっていないカードID情報を照明スイッチ100の非接触式リーダ4で読み取れるようにし、予め割り当てられたカードID情報と照明グループ情報の割当関係に従って、照明器具2a〜2cを制御できるようにしている。これにより、入退室用個人認証セキュリティーカードなどの専用カードのみならず非接触通信機能を備える様々なICカード、ICタグを用いることができるという高い汎用性が得られる。入退室用個人認証セキュリティーカードについても一般的な非接触ICカードと同じく製造IDなどの情報を持っていることが想定されるので、入退室用個人認証セキュリティーカードとそれ以外の非接触ICカードとを共通の照明システム1000、10001に使用できるという高い汎用性が得られる。
【0055】
図12では、一例として「グループ制御」を行う例を示している。グループ制御とは、複数の照明器具をまとめてグループ化した状態で、グループごとに照明制御を行うものである。実施の形態では説明を簡単にするために照明器具2a〜2cという3つの照明器具を例示しているが、数十個の照明器具を含む1つの照明システムが提供されても良く、数個〜十数個などの多数の照明器具を1グループにまとめつつ複数のグループがそれぞれ制御されるようにしてもよい。照明コントローラ1が照明器具2a〜2cにグループ制御を行うための制御信号を送る。照明器具2a〜2cから、指定された点灯状態となったことを報告する状態通知が照明コントローラ1に送信される。その後、照明コントローラ1は、グループ状態変化通知をビル監視設備10に送信すると共に、壁スイッチ3および非接触式リーダ4に対して壁スイッチ表示制御を行う。
【0056】
(シーケンスS2)
シーケンスS2は、ビル監視設備10からの指示があったときのシーケンスである。ビル監視設備10からグループ制御を指示する信号が照明コントローラ1に送信されると、照明コントローラ1は照明器具2a〜2cにグループ制御を行う。その後、照明コントローラ1に状態通知が返信されると、照明コントローラ1は、グループ状態変化通知をビル監視設備10に送信すると共に、壁スイッチ3および非接触式リーダ4に対して壁スイッチ表示制御を行う。
【0057】
(シーケンスS3)
シーケンスS2は、セキュリティ設備11の施錠情報(施錠信号)によりテナントの照明器具2a〜2cを消灯制御する例である。カード情報入力端末9に非接触ICカード5がかざされると、セキュリティ設備11からテナント施錠信号が照明コントローラ1に通知される。照明コントローラ1は、テナント施錠信号に応答して、施錠されるフロアあるいは部屋に設置された全ての照明器具(ここでは照明器具2a〜2cの全て)を消灯させる。なお、カード情報入力端末9は、各フロアの特定の場所に設けられていても良いし、ビルエントランスなどに設けられていてもよい。
【0058】
上記のシーケンスS1〜S3の全てを1つの照明システム1000、1001に適用しても良いし、これらのうち1つあるいは2つのシーケンスのみを適用しても良い。
【0059】
図13は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の制御方式の他の例(制御データベースDBを非接触式リーダ4に置く方式)を示す制御シーケンス図である。
図13に示すように、非接触ICカード5のID情報と照明制御ポイントの情報すなわち制御データベースDBを、照明コントローラ1ではなく非接触式リーダ4に持たせてもよい。
【0060】
なお、
図12および
図13に示すように制御データベースDBに従って複数の照明器具2a〜2cを個別制御するモードのほかにも、例えば、共用スペースに設置された照明器具に対しては、ID情報に関係なく全ての非接触ICカード5の操作を受付ける「共用モード」を備えたものであってもよい。
【0061】
図14および
図15は、「かざし方の違い」に基づいた照明制御を行う制御ルーチンを示す。
図14は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001のカードID情報読込処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに基づく制御プログラムが、マイコン41に予め記憶されている。非接触ICカード5を使用して照明を点灯する場合に、ICカード5のタッチ回数で点灯/消灯するようにしてもよい。つまり、非接触ICカード5を非接触式リーダ4に近づける回数により照明器具2a〜2cのオンオフを決定してもよい。一例として、1回操作の場合には点灯操作として認識し、2回操作の場合には消灯操作として認識しても良い。他の例として、2回のデータ読み取りの間隔が0.5秒未満の場合点灯操作とし、2回のデータ読み取りの間隔が0.5秒以上の場合消灯してもよい。
【0062】
具体的には、
図14のルーチンでは、まず、カードID情報の読み込みが行われる(ステップS100)。次に、正しく読み込みが行われたか否かが判定される(ステップS102)。読み込みが不正確であった場合には、LED表示部50をエラー表示させるために点滅させた後、今回のルーチンが終了する。正しく読み込みが行われたときには、続いて、ID検出回数が判定される(ステップS104)。このステップでは、例えば1秒などの予め定めた時間内に、複数回のカードID情報の読み込みがあったか否かが判定される。具体的には、前回のカードID情報の読み込みから、予め定めた時間が経過する前に、再びカードID情報の読み込みがあったか否かが判定される。回数が1回であると判定された場合には、オン制御情報をID情報に付加し(ステップS114)、正しく操作が行われたことを示すためにLED表示部50を点灯させ(ステップS116)、照明コントローラ1に対してオン制御情報およびID情報を通知して(ステップS110)、今回のルーチンが終了する。回数が2回であると判定された場合には、オフ制御情報をID情報に付加し(ステップS106)、正しく操作が行われたことを示すためにLED表示部50を点灯させ(ステップS108)、照明コントローラ1に対してオフ制御情報およびID情報を通知して(ステップS110)、今回のルーチンが終了する。
【0063】
図15は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001のカードID情報読込処理の他の例を示すフローチャートである。
図15のルーチンでは、非接触ICカード5のタッチ間隔に基づいて点灯/消灯を行うものである。非接触ICカード5を非接触式リーダ4に近づけている時間の長さに応じて、照明器具2a〜2cのオンオフを決定してもよく、タッチ操作が速いと点灯操作と認識し、タッチ操作が遅いと消灯操作と認識するようにしても良い。
【0064】
具体的には、非接触式リーダ4は、予め設定されたサンプリング周期で、繰返し、非接触ICカード5に対する読み取り動作を継続している。非接触ICカード5を非接触式リーダ4にゆっくりとかざした場合、サンプリング回数つまりサンプリングデータ数が多くなる。非接触ICカード5を非接触式リーダ4にかざして離すという動作を素早く行った場合、ゆっくりとかざした場合よりもサンプリング回数つまりサンプリングデータ数が少なくなる。この違いを利用して、タッチ操作が速いと点灯操作と認識し、タッチ操作が遅いと消灯操作と認識するようにしてもよい。一例として、データ読み取り開始からデータ読み取り終了までの時間長が、1秒などの予め定めた時間以上である場合にはオフ操作と認識し、この予め定めた時間未満である場合にはオン操作と認識してもよい。具体的には、
図14のルーチンS104を
図15のルーチンにおけるステップS124と置換することで、上記機能を実現する。ステップS124では、ID検出時間が1秒以上であるか否かが判定される。データ読み取り開始からデータ読み取り終了までの時間長が検出され、1秒以上であればステップS106へ進み、1秒未満であればステップS114へと進む。これ以外の処理は
図14と同様である。
【0065】
図16は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001のカードID情報読込処理の他の例を示すフローチャートである。
図16のルーチンは、非接触ICカード5による操作と壁スイッチ3の操作を併用している
図14のルーチンS104を
図16のルーチンにおけるステップS140、S142と置換することで、上記機能を実現する。ステップS140では、
図10で例示したように、ゆっくりとした赤LEDおよび緑LEDの点滅が開始される。次に、ステップS142において、壁スイッチ3のオン操作あるいはオフ操作があったか否かが判定される。オフ操作があればステップS106へ進み、オン操作があればステップS114へと進む。これ以外の処理は
図14と同様である。
【0066】
なお、LEDの点滅および点灯は2秒間とし、点滅前の状態に戻してもよい。
【0067】
なお、LED点灯方法の代わりにブザー音を利用してもよい。この場合、LED表示部50の代わりにブザー部を設けて、点灯、消灯、読み込み成功、読み込み失敗、などに応じた異なるブザー音を記憶しておけばよい。
【0068】
図17および
図18を用いて、実施の形態にかかる照明システム1000、1001の構築方法を説明する。照明システム1000、1001の構築方法の概略を説明すると、まず、建物に設置すべき複数の照明器具2a〜2c、非接触ICカード5の読み取りを行う非接触式リーダ4、および制御データベースDBを含む照明システム1000または照明システム1001を準備する。次に、非接触式リーダ4で非接触ICカード5のID情報を読み取り、非接触式リーダ4で読み取られたID情報を複数の照明器具2a〜2cに1つずつ又はグループとしてひもづける。これにより、複数の照明器具2a〜2cに非接触式リーダ4で読み取りを予定するID情報を割り付けたデータベース情報を生成して、制御データベースDBに記憶する。
【0069】
図17は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の構築方法(割付操作を設定器204と非接触式リーダ4で実施する場合)の一例を示す設定シーケンス図である。
図18は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の構築方法を説明するための図である。
図18では、一例として、照明スイッチ100に代えて、
図4で説明した押しボタン式の照明スイッチ104を使用するものとする。
【0070】
まず、設定器204より照明コントローラ1を介して照明スイッチ104内の非接触式リーダ4を割付モードに切り替える(ステップQ1、Q2)。次に、非接触式リーダ4は割付モードになると、照明スイッチ104の全てのLED表示部50が点灯する(ステップQ3)。割り付けたい照明器具グループを選択し(ステップQ4)、非接触ICカード5を非接触式リーダ4に近づけることでカードID情報を読込ませる(ステップQ5)。次に、カードID情報が照明コントローラ1を介して設定器204に通知される(ステップQ6、Q7)。次に、設定器204にて割付操作を実施する(ステップQ8)。照明コントローラ1に照明器具グループ情報とID情報を登録させ(ステップQ81)、非接触式リーダ4側にも同じ情報を登録する(ステップQ82、Q83)。
【0071】
図19は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の構築方法(割付操作を非接触式リーダ4で実施する場合)の他の例を示す設定シーケンス図である。
図20および
図21は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001の構築方法を説明するための図である。
【0072】
まず、割付モードに移行する際は、
図20に示すように、複数のプッシュボタン149のうち任意の2つ以上のプッシュボタンを、1秒以上長押しする(ステップQ10)。照明スイッチ104内の非接触式リーダ4が割付モードになるとLED表示部50の全ての発光素子51が点灯する。
【0073】
次に、
図21に示すように、エリア1のプッシュボタン149を操作すると該当する個別の照明器具2a〜2cが点滅する。エリア1のプッシュボタン149を繰返し押すと、複数の照明器具2a〜2cが順方向に1つずつ選択されていく。エリア2のプッシュボタン149を操作すると該当する照明器具が点滅する。エリア2のプッシュボタン149は、戻りプッシュボタンとして機能してもよい。今回割り当てたい照明器具2bを指定するように順送りスイッチ操作(ステップQ3)が行われ、照明器具2bが選択されたことを示す点滅が生ずる(ステップQ14)。
【0074】
割り付けを行いたい自席の照明器具2bが点滅(一例として3回点滅するものとする)したので、この照明器具2bに対応づけたい非接触ICカード5を近づけることでカードID情報を読込ませる(ステップQ15、Q16)。照明コントローラ1にカードID情報と照明器具情報(照明器具2bの識別情報)が登録される(ステップQ17)。登録が成功すると、照明器具2bが点滅(一例として3回点滅)する(ステップQ18)。これらの作業を繰り返すことで、割付が必要な全ての照明器具に対して、カードID情報が対応付けられる。
【0075】
壁スイッチ3を交換した際の再設定を不要とするために、「カードID情報と照明器具2a〜2cの割付情報」を非接触式リーダ4のみならず照明コントローラ1側にも持たせてもよい(ステップQ20)。非接触式リーダ4に割付け情報が無い場合、または最新の割付情報ではない場合に、照明コントローラ1から割付情報が自動的にダウンロードされるようになっていてもよい。
【0076】
その後、設定操作を完了させるために、通常モード移行スイッチ操作が行われる(ステップQ21)。具体的には、例えば、複数のプッシュボタン149のうち任意の2つ以上のプッシュボタンを、1秒以上長押しすることで通常モードへと移行する。
【0077】
図22および
図23は、本発明の実施の形態にかかる照明システム1000、1001で利用する非接触ICカードを特定するためのRFIDフォーマットを示す図である。実施の形態では、カードの識別として「製造ID(IDm)」を使用する。製造IDとは、非接触式リーダ4が通信相手のカードを識別するためのIDである。ポーリングレスポンスのレスポンスコードが
図22および
図23に示すフォーマットであり、製造IDの上位2バイトの値が製造者コード、次の6バイトがカード識別番号となる。非接触ICカード5は、ISO/IEC14443タイプAカード、ISO/IEC14443タイプBカード、FeliCa(登録商標)カード、ISO/IEC18092(NFC)などの近距離無線通信方式(NFC)の媒体、あるいは、上記各規格と互換性を持つ各種標準規格に準拠した各種のICカード、IDタグを用いることができる。
【0078】
非接触型ICカード5に限らず、様々な「非接触型情報記憶媒体」に変更しても良い。ICチップ内蔵型の形態情報端末、あるいは、これらRFIDタグを内蔵した他の各種の物体を用いることもできる。「非接触型情報記憶媒体」は、照明器具2a〜2cが設置された部屋への入退室に用いる個人認証用ICカードであってもよい。その一方で、「非接触型情報記憶媒体」は、建物または部屋への入退室に用いる個人認証とは異なる他用途を有するものであってもよい。この他用途は、建物又は部屋以外の他の機関で個人認証に用いる利用者識別情報、交通機関の乗り降りに関する定期券またはデポジット買い物用のデポジットなどであってもよい。非接触式リーダ4は、「非接触型情報記憶媒体」に記憶された情報のうちセキュリティロックのかかっていない部分の情報を読み取るものであってもよい。具体的には、上述した「製造ID」を読み取みとるものであってもよい。媒体情報は、「非接触型情報記憶媒体」でセキュリティロックがされていない情報であってもよい。媒体情報は、「非接触型情報記憶媒体」の製造情報であってもよい。非接触ICカード5は、建物の入退室管理とは異なる他用途に用いられるものであってもよい。専用の入隊室管理カード以外のICカードを用いたり、セキュリティロックがかかっていない情報を活用したりすることで、汎用性を高めることができる。
【0079】
図24は、本発明の実施の形態にかかる照明空調システム1002の構成を示すブロック図である。
図24では、照明器具2a〜2cが設置された部屋に設けられた空調機70a〜70dが、空調コントローラを介してLAN71およびハブ12に接続している。照明空調システム1002は、非接触式リーダ4による読み取りの成否、非接触式リーダ4による読み取り情報、および非接触式リーダ4に対する非接触ICカード5のかざし方の違いのうち少なくとも1つに基づいて、照明器具2a〜2cおよび空調機70a〜70cのオンオフ制御を行ってもよい。
図25は、本発明の実施の形態にかかる照明空調システムの他の構成を示すブロック図である。
図25の照明空調システム1003のように、空調コントローラの代わりに、照明コントローラ1a〜1dが空調機70a〜70cを制御しても良い。非接触ICカード5のID情報により、自場所の空調も制御できるものであってもよい。非接触ICカード5のID情報により、照明コントローラ1a〜1d経由にて自場所の空調も制御できるものであてもよい。空調制御においては、対象の空調機70a〜70cに対して複数の照明スイッチ100の壁スイッチ3がそれぞれ割り当てられた場合、OR論理制御にて運転/停止を切り替えるものであってもよい。
【0080】
上記照明スイッチ100を従来の壁スイッチの代わりに使用することで、ドア入り口に集合スイッチを設けなくともよくなる。さらに自分のエリアを選択する手間も省けるので、操作性が飛躍的に向上する。
【0081】
変形例として、複数の非接触式リーダ4を壁スイッチ3に一体化しても良い。非接触ICカード5の読み取りを行う複数の非接触式リーダ4と通信し、複数の非接触式リーダ4のいずれを対象に非接触ICカード5がかざされたかに基づいて異なる照明制御を行うようにしてもよい。複数の非接触式リーダ4は、マイコン41と接続されており、照明スイッチ100の第1基板52の平面方向に並べて配置され、それぞれが個別に非接触ICカード5の読み取りを行う。マイコン41は、複数の非接触式リーダ4の1つに非接触ICカード5がかざされた場合と複数の非接触式リーダ4の他の一つに非接触ICカード5がかざされた場合とで、異なる照明制御を行う。これら複数の非接触式リーダ4それぞれが上述した「かざし方の違い」を認識できるようになっていてもよく、複数の非接触式リーダ4それぞれを用いて異なる内容の「かざし方の違いに基づく照明制御」を別々に実行できるようになっていてもよい。
【0082】
照明システム1000を、照明コントローラ1を備えない照明システムに変形することもできる。この場合には、照明器具2a〜2c自体が、非接触式リーダ4に対する非接触ICカード5のかざし方の違いに基づいて照明制御を行う機能を搭載すればよい。具体的には、照明スイッチ100と照明器具2a〜2cとの間で通信を行うことで、照明器具2a〜2cの点灯装置(図示せず)が内蔵するマイコン等の制御回路に、非接触式リーダ4に対する非接触ICカード5のかざし方の違いに基づいて照明制御を行うための演算処理を実行させればよい。