(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宅配ロッカー(ストッカ)は、テンキーで入力された番号(キー情報)を入力順に表示する表示部を備える場合がある。この場合、表示部は、入力された番号を所定桁まで表示可能な表示枠が設けられるのが一般的である。しかしながら、この場合、所定桁を超える桁数の番号が入力されると、表示部が入力された全ての番号を表示枠内に表示できなくなり、顧客は、入力した番号を確認できなくなってしまう。
【0005】
本発明は、所定サイズの表示枠内に対するキー情報の表示をその表示数に拘わらず適切に行なうことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のストッカは、
施錠可能な納品庫を有するストッカであって、
操作者の操作に基づいてキー情報を入力する入力部と、
所定サイズの表示枠を有し、前記入力部に入力されたキー情報を入力順に並べて表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記キー情報の表示が前記表示枠内に収まるように該キー情報の表示数に基づいて該キー情報の表示サイズを変更する、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明のストッカは、所定サイズの表示枠を有し、操作者の操作に基づいて入力部により入力されたキー情報を入力順に並べて表示する表示部を備える。表示部は、キー情報の表示が表示枠内に収まるようにキー情報の表示数に基づいてキー情報の表示サイズを変更する。これにより、キー情報の表示数に拘わらずキー情報を所定の表示枠内に適切に表示することができる。
【0009】
こうした本発明のストッカにおいて、前記入力部は、前記キー情報として前記納品庫を解錠するためのパスワードを入力可能であるものとしてもよい。こうすれば、異なる桁数のパスワードの表示にも適切に対応することができる。
【0010】
また、本発明のストッカにおいて、前記表示部は、前記キー情報の表示数が所定数未満の場合には、第1の表示サイズで前記キー情報を表示し、前記キー情報の表示数が前記所定数以上の場合には、前記第1の表示サイズよりも小さい第2の表示サイズで前記キー情報を表示するものとしてもよい。こうすれば、第1の表示サイズと第2の表示サイズとの切り替えによって、表示中のキー情報をより適切に表示枠内に収めることができる。この態様の本発明のストッカにおいて、前記入力部は、操作者の操作に基づいて入力済みのキー情報を削除可能であり、前記表示部は、前記入力済みのキー情報が削除されると、該削除されたキー情報の表示を消去するものであって、前記入力済みのキー情報の表示数が前記所定数以上の状態で該入力済みのキー情報の一部が削除されて表示中のキー情報の表示数が前記所定数未満となると、該表示中のキー情報の表示サイズを前記第2の表示サイズから前記第1の表示サイズに変更するものとしてもよい。こうすれば、入力済みのキー情報の削除にも適切に対応することができる。
【0011】
さらに、本発明のストッカにおいて、前記表示部は、前記表示枠内に表示するキー情報を表示数に拘わらず1行で表示するものとしてもよい。こうすれば、キー情報の視認性を良好なものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1はストッカシステム10の構成の概略を示す構成図である。ストッカシステム10は、図示するように、販売管理システム20と、複数のストッカ40と、ストッカ40を管理するストッカ管理装置30と、を備える。販売管理システム20と複数のストッカ40とストッカ管理装置30は、インターネットなどのネットワーク11,12に接続されている。
【0014】
販売管理システム20は、購入者14(顧客)に商品17を販売するシステムであり、システムを管理する販売管理装置22を備える。販売管理装置22は、例えば、スーパーなど店舗21に設置され、ネットワーク12を介して購入者14の携帯端末15に対して商品17の販売のためのウェブサイトを提供する。
【0015】
ストッカ40(ストッカ40A,40B)は、オフィスやコンビニエンスストア、工場、駅、学校、マンションなどの様々な場所に設置され、販売管理システム20から配送される商品17の購入者14への受け渡しに用いられる。各ストッカ40は、施錠可能な複数(本実施形態では11個)の納品庫41と、表示操作部42と、読取機43,48と、を備える。納品庫41は、商品17等の物品を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉44と、扉44の施錠と解錠を行なうロック機構45と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ46と、扉44の開閉を検出する開閉センサ47と、を備える。表示操作部42は、ストッカ40の前面に配置されたディスプレイ部およびタッチパネル部を備えており、ディスプレイ部により商品17の配達者19および購入者14への各種情報の表示を行ない、タッチパネル部により配達者19および購入者14からの各種操作の入力を行なう。読取機43は、購入者14が納品庫41の解錠に用いるパスワードのコードを読み取るコードリーダであり、ストッカ40の前面に表示操作部42付近に配置されている。読取機48は、店舗から配送される商品17に付された伝票ID18(バーコード)を読み取る手持ち式のバーコードリーダである。
【0016】
ストッカ40は、制御部52と、記憶部53と、通信部58と、を備える。制御部52は、装置全体の制御を司るものであり、CPUやROM、RAMなどにより構成される。記憶部53は、処理プログラムなどの各種アプリケーションプログラムや各種データを記憶するものである。記憶部53には、例えば、商品17を収容した納品庫41の納品庫番号と、その商品17の伝票ID18と、その納品庫41を解錠するためのパスワードとを含む納品情報54などが記憶されている。通信部58は、ネットワーク11などを用いてストッカ管理装置30などの他の外部機器と通信を行なうものである。
【0017】
ストッカ管理装置30は、例えば、ストッカシステム10を提供する提供会社に設置されており、ストッカシステム10の管理運営を行う情報処理装置として構成されている。ストッカ管理装置30は、制御部32と、記憶部33と、通信部38と、を備える。制御部32は、装置全体の制御を司るものであり、CPUやROM、RAMなどにより構成される。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データを記憶するものである。記憶部33には、ストッカ情報34や履歴情報35などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム10が有するストッカ40の識別番号や配置場所などの情報が含まれる。履歴情報35には、ストッカ40に納品された商品17の伝票ID18や、納品庫41の使用状況である納品情報及び受取情報などが含まれる。また、使用状況には、例えば、未使用、納品状態、受取完了状態などが含まれる。通信部38は、ネットワーク11などを用いてストッカ40などの外部機器と通信を行うものである。
【0018】
次に、こうして構成されたストッカシステム10の動作、特に、購入者14による商品17の発注から受取までの動作について説明する。購入者14は、携帯端末15を操作して店舗21が提供するウェブサイトにアクセスし、希望する商品17や自身の会員ID、受け取りを希望するストッカ40などの情報を入力して、商品17の発注を行なう。商品17の発注が行なわれると、販売管理装置22は、入力された情報に伝票ID18を付与して発注情報として管理する。また、販売管理装置22は、発注情報のうち会員IDや伝票ID18、受取希望のストッカ40の情報をストッカ管理装置30へ送信する。これらの情報を受信したストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40が備える各納品庫41の使用状況を調べて空き納品庫が存在するか否かを判定する。ストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40に空き納品庫が存在すると判定すると、受取希望のストッカ40の空き納品庫を配送先に決定し、配送先の納品庫41を解錠するためのパスワードを対応する会員IDのメールアドレスに送信すると共に伝票ID18をパスワードと対応付けて受取希望のストッカ40へ送信する。ここで、パスワードは、本実施形態では、店舗21から指定されたものが設定される場合と、ストッカ管理装置30(あるいはストッカ40)が生成したものが設定される場合とがある。この場合、店舗21(販売管理装置22)から指定されたパスワードとストッカ管理装置30(あるいはストッカ40)が生成したパスワードとが重ならないように、両者のパスワードは、異なる桁数で設定される。例えば、ストッカ管理装置30(あるいはストッカ40)は、乱数を用いて6桁のパスワードをランダムに生成し、店舗21(販売管理装置22)は、7桁以上24桁以下でパスワードを指定可能とした。一方、ストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40に空き納品庫が存在しないと判定すると、受取希望のストッカ40に空きがない旨を販売管理装置22へ通知する。販売管理装置22は、受取希望のストッカ40に空きがない旨の通知を受けた場合、これを購入者14に通知して、商品17の発注をキャンセルさせたり、購入者14に対して受取希望のストッカ40を別のストッカ40に変更させたりする。
【0019】
店舗21の作業者は、発注情報を確認し、発注された商品17に伝票ID18を示すバーコードを貼り付けるなどの配送準備を行なって配達者19に商品17の配送指示を行なう。配達者19は、配送準備が完了した商品17を受取希望のストッカ40に配送して納品庫41に納品する。この際、配達者19は、読取機48を用いて商品17に貼り付けられた伝票ID18を入力して納品庫41を解錠する。
【0020】
次に、購入者14がパスワードを入力してストッカ40の納品庫41から購入した商品17を受け取る際のストッカ40の動作について説明する。
図2は、ストッカ40の制御部52により実行される受取時処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、購入者14からの表示操作部42への操作に基づいて商品17の受け取りが要求されたときに実行される。なお、本実施形態では、パスワードの入力は、購入者14がパスワードのコードを読取機43に読み取らせることにより行なうことができる他、購入者14が表示操作部42でパスワードを手動入力することにより行なうことができる。以下、購入者14がパスワードを手動入力する場合の受取時処理について説明する。
【0021】
受取時処理が実行されると、制御部52は、まず、パスワード入力画面を表示操作部42に出力し(ステップS100)、入力桁数Nを値0に初期化する(ステップS110)。
図3は、パスワード入力画面60の一例を示す説明図である。パスワード入力画面60は、図示するように、0〜9までの各番号に対応する数字キー61や、入力した番号を1つ削除する削除キー62、入力した番号を入力順に表示する表示枠63、入力したパスワード(暗証番号)を確定させる確認ボタン64などが設けられている。
【0022】
続いて、制御部52は、数字キー61が入力されたか否か(ステップS120)、削除キー62が入力されたか否か(ステップS130)、をそれぞれ判定する。制御部52は、数字キー61が入力されたと判定すると、入力桁数Nを値1だけインクリメントして(ステップS140)、ステップS170の処理に進む。一方、制御部52は、削除キー62が入力されたと判定すると、現在の入力桁数Nが値1以上であるか否かを判定し(ステップS150)、入力桁数Nが値1以上であると判定すると、入力桁数Nを値1だけデクリメントして(ステップS160)、ステップS170の処理に進み、入力桁数Nが値1以上でない、即ち値0であると判定すると、ステップS210の処理に進む。
【0023】
次に、制御部52は、入力桁数Nが閾値Nref(例えば16桁)未満であるか否かを判定する(ステップS170)。制御部52は、入力桁数Nが閾値Nref未満であると判定すると、表示サイズを通常サイズに設定し(ステップS180)、設定した表示サイズで表示内容を更新して(ステップS200)、ステップS210の処理に進む。一方、制御部52は、入力桁数Nが閾値Nref以上であると判定すると、表示サイズを縮小サイズに設定し(ステップS190)、設定した表示サイズで表示内容を更新して(ステップS200)、ステップS210の処理に進む。なお、ステップS200の処理は、数字キー61が入力されると、対応する番号の表示を表示枠63内の入力済みの番号のうち右端の番号の右隣に追加する処理となり、削除キー62が入力されると、表示枠63内に表示されている入力済みの番号のうち右端の番号の表示を消去する処理となる。ここで、本実施形態では、通常サイズは、表示枠63内に例えば15桁のパスワードを1行で表示したときに枠一杯となる表示サイズであり、縮小サイズは、通常サイズよりも小さく、表示枠63内に例えば24桁のパスワードを1行で表示したときに枠一杯となる表示サイズである。
図4は、入力済みパスワードの表示の様子を示す説明図である。
図4(a)に示すように、表示枠63に15桁のパスワードが通常サイズで表示されている状態を考える。この場合、新たに「7」の数字キー61が入力されると、入力桁数Nが16桁(閾値Nref)以上となるから、表示サイズが通常サイズから縮小サイズに変更されて新たに入力された「7」の番号を追加した16桁のパスワードが表示される(
図4(b)参照)。また、「5」の数字キー61が追加入力されると、縮小サイズのまま「5」の番号が追加された17桁のパスワードが表示される(
図4(c)参照)。そして、削除キー62が入力されると、最後に追加した「5」の番号が消去されて16桁の表示となり(
図4(d)参照)、さらに、削除キー62が入力されると、「7」の番号が消去されて15桁の表示となり、表示サイズは縮小サイズから通常サイズへ戻される(
図4(e)参照)。
【0024】
このように、制御部52は、パスワード(キー情報)の入力桁数Nに応じて表示枠63に表示する入力済みのパスワードの表示サイズを通常サイズと縮小サイズとに切り替えるのである。これにより、閾値Nref(例えば16桁)以上の桁数のパスワードの表示に対応するために入力済みのパスワードを常時縮小サイズで表示するものに比して、本実施形態のストッカ40は、閾値Nref未満の桁数のパスワードを通常サイズで表示できるため、入力済みのパスワードの視認性を良好とすることができる。一方、入力済みのパスワードの桁数に拘わらず常時通常サイズで表示すると共に閾値Nref以上の桁数のパスワードが入力されたときに可視範囲(15桁分)を移動させるものは、全体のパスワードを購入者14に視認させることができない。これに対して、本実施形態のストッカ40は、閾値Nref以上の桁数のパスワードを縮小サイズで表示するため、閾値Nref以上の桁数のパスワード全体を購入者14に視認させることができる。
【0025】
そして、制御部52は、確認ボタン64が入力されたか否かを判定する(ステップS210)。制御部52は、確認ボタン64が入力されていないと判定すると、ステップS120に戻って、ステップS120〜S200の処理を繰り返す。一方、制御部52は、確認ボタン64が入力されたと判定すると、入力済みのパスワードと現在設定中のパスワードとを照合し(ステップS220)、照合に失敗すると、パスワードエラーと判断して、ステップS100に戻り、照合に成功すると、入力されたパスワードに対応する納品庫41を解錠して(ステップS240)、受取時処理を終了する。納品庫41が解錠すると、購入者14は、納品庫41の扉44を開いて、中にある商品17を取り出すことができる。制御部52は、購入者14による商品17の受け取りが完了したか否かを判定、具体的には物品センサ46および開閉センサ47を用いて納品庫41に物品が存在していない状態で扉44が閉じられたか否かを判定し、受け取りが完了したと判定すると、納品庫41を施錠する。
【0026】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のストッカ40が本発明のストッカに相当し、表示操作部42のタッチパネル部が入力部に相当し、表示操作部42のディスプレイ部が「表示部」に相当する。
【0027】
以上説明した本実施形態のストッカ40は、キー情報(納品庫41を解錠するためのパスワード)を入力可能な数字キー61と、入力したキー情報を入力順に並べて表示する表示枠63とを含む表示操作部42を備える。表示操作部42は、入力されたキー情報の表示が表示枠63内に収まるように、入力済みのキー情報の入力桁数Nが閾値Nref未満のときには、入力済みのキー情報を通常サイズで表示し、入力済みのキー情報の入力桁数Nが閾値Nref以上のときには、入力済みのキー情報を縮小サイズで表示する。これにより、表示操作部42は、同じ表示枠63を用いて異なる桁数のキー情報(パスワード)の入力に対応することができる。
【0028】
また、本実施形態のストッカ40は、入力桁数Nが閾値Nref以上となって表示サイズが通常サイズから縮小サイズに変更された後、入力桁数Nが閾値Nref未満となると、表示サイズを縮小サイズから通常サイズへ戻す。これにより、入力済みのキー情報の削除にも対応して表示サイズを表示枠63に対して適切なサイズにすることができる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0030】
例えば、上述した実施形態では、入力するキー情報として番号(数字)を用いたが、文字や記号などを用いてもよい。
【0031】
また、上述した実施形態では、表示操作部42は、キー情報の入力桁数Nが閾値Nref未満のときには表示サイズを通常サイズに設定し、入力桁数Nが閾値Nref以上のときには表示サイズを通常サイズよりも小さな縮小サイズに設定した。これに対して、表示操作部42は、入力桁数Nが第1閾値Nref1未満のときには表示サイズを通常サイズに設定し、入力桁数Nが第1閾値Nref1以上で且つ第1閾値Nref1よりも大きい第2閾値Nref2未満のときには表示サイズを通常サイズよりも小さい第1縮小サイズに設定し、入力桁数Nが第2閾値Nref2以上のときには表示サイズを第1縮小サイズよりも小さい第2縮小サイズに設定するなど、入力桁数Nに応じて3以上の表示サイズを切り替えるものとしてもよい。また、表示操作部42は、入力桁数Nが閾値Nref以上となると、入力桁数Nが1つ増える度に表示サイズを徐々に小さくするものとしてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、表示操作部42は、数字キー61の入力により入力桁数Nが閾値Nref以上となって入力済みのキー情報の表示サイズを通常サイズから縮小サイズに変更した後、削除キー62の入力により入力桁数Nが閾値Nref未満となると、入力済みのキー情報の表示サイズを縮小サイズから通常サイズへ戻すものとした。これに対して、表示操作部42は、入力桁数Nが閾値Nref以上となって表示サイズを通常サイズから縮小サイズへ変更した後は、入力桁数Nが閾値Nref未満となっても表示サイズを通常サイズに戻さないものとしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、表示枠63は、キー情報を1行で表示するものとしたが、改行を伴って2行以上で表示するものとしてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、表示操作部42のタッチパネル部を用いてキー情報を入力するものとしたが、物理キーを用いてキー情報を入力するものとしてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態では、本発明を納品庫41を解錠するためのパスワードを表示枠63内に表示するものに適用したが、入力されたキー情報を表示枠に表示するものであれば、如何なるキー情報の表示に適用するものとしてもよい。