(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945980
(24)【登録日】2021年9月17日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】曲動転がり案内ユニット及びそのスライダへの転動体の装填方法
(51)【国際特許分類】
F16C 29/06 20060101AFI20210927BHJP
【FI】
F16C29/06
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-168812(P2016-168812)
(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公開番号】特開2018-35860(P2018-35860A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】松井 雅士
【審査官】
西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−241437(JP,A)
【文献】
特開2005−069343(JP,A)
【文献】
特開2005−009537(JP,A)
【文献】
特開2005−257036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周側と外周側の両側面に第1軌道溝がそれぞれ形成された長尺状の軌道レール,前記軌道レールに跨架して転動体を介して摺動自在なスライダから成り,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝がそれぞれ形成され且つ前記第2軌道溝と前記第1軌道溝との間に形成される軌道路に沿ってそれぞれ延びるリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する一対の方向転換路が形成されたエンドキャップ,並びに前記軌道路,前記リターン路及び一対の前記方向転換路で構成される循環路を転走する複数の前記転動体を有していることから成る曲動転がり案内ユニットにおいて,
前記エンドキャップは,前記軌道レールの上方に位置する上部,及び前記上部の両側部から前記軌道レールの前記側面に沿ってそれぞれ垂下すると共に幅方向内側に突出するすくい部を備えた袖部から形成され,
前記エンドキャップは,前記袖部に形成された前記方向転換路の外周壁面が形成されたエンドキャップ本体,及び前記エンドキャップ本体のケーシング側端面に接して前記方向転換路の内周壁面が形成されたスペーサから構成され,
前記エンドキャップ本体には,前記上部の中央部に形成された給脂孔,前記給脂孔と前記方向転換路とをそれぞれ連通する給脂溝,及び前記給脂孔から前記エンドキャップ本体の前記上部の下面に達するスリットが形成され,
前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔には前記スリットを塞ぎ前記給脂溝と連通する給脂路が形成された給脂プラグが嵌着され,
前記給脂プラグは,前記給脂プラグを前記エンドキャップ本体の所定位置に位置決めするため前記エンドキャップに形成された前記給脂溝又は前記スリットと嵌合する位置決め突起を備えていることを特徴とする曲動転がり案内ユニット。
【請求項2】
前記給脂プラグは,外形が前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔に嵌合可能な円筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項3】
前記給脂プラグに形成されている前記給脂路は,一方の端面に形成された給脂口,前記給脂口から他方の端面に貫通する孔部,及び前記他方の端面に位置する前記孔部から前記外形にわたり前記エンドキャップ本体のそれぞれの前記給脂溝に連通する一対の連通溝が形成され,前記他方の端面が前記スペーサの端面に当接して前記孔部の端部が封止されて前記給脂路が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項4】
前記エンドキャップを構成する前記スペーサは,前記エンドキャップ本体に接して配設され,前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔及び前記給脂溝が密封されて前記給脂路が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項5】
前記エンドキャップの端面にそれぞれ配設されたエンドシールは,前記給脂孔に対応する位置に形成される貫通孔を備えているシール部材,及び前記貫通孔の位置で二分割されて前記シール部材にそれぞれ固着された芯金から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項6】
前記給脂プラグに形成された前記孔部は,前記給脂溝に向かって縮径するテーパ孔部,及び前記テーパ孔部の先端よりも小さい細孔部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項7】
前記給脂プラグに形成された前記孔部は,ストレートな形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項8】
前記軌道レールは円弧状及び/又は無端のリング状の形状に形成され,前記ケーシングは前記軌道レールの前記形状に対応して内周側より外周側の長手方向寸法が長く形成され,前記エンドキャップは内周側と外周側の前記上部及び前記袖部の長手方向寸法が同一に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の曲動転がり案内ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の前記曲動転がり案内ユニットにおいて,一方の前記エンドキャップ本体の前記袖部間を拡開して前記軌道レールに跨架させて前記給脂孔に前記給脂プラグを嵌着し,前記エンドキャップ本体の一方のケーシング側の前記端面に前記スペーサと前記ケーシングを配設し,次いで,前記リターン路と前記軌道路と前記一方の前記方向転換路に前記転動体を装填すると共に,他方の前記エンドキャップ本体の前記袖部間を拡開して前記軌道レールに跨架させて前記給脂孔に前記給脂プラグを嵌着し,前記他方の前記エンドキャップ本体の前記方向転換路に前記転動体を装填し,前記他方の前記エンドキャップ本体の一方の前記端面に前記スペーサを配設して前記ケーシングに前記他方の前記エンドキャップ本体を固定することを特徴とするスライダへの転動体の装填方法。
【請求項10】
前記エンドキャップの端面にエンドシールをそれぞれ配設する場合には,前記エンドキャップ本体の他方の前記端面に前記エンドシールを配設して前記ケーシングに一方の前記エンドキャップ本体と前記エンドシールを配設し,前記エンドキャップ本体の前記他方の端面に前記エンドシールを配設して前記ケーシングに他方の前記エンドキャップ本体と前記エンドシールを配設することを特徴とする請求項9に記載のスライダへの転動体の装填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,無端の軌道レール上を複数の転動体を介して相対移動するスライダから成る曲動転がり案内ユニット及びそのスライダへの転動体の装填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,曲動転がり案内ユニットは,曲線状の軌道レールに沿って転動体を介してスライダを曲線運動案内させるものであり,工作機械,搬送装置,産業用ロボット,トランスファマシン,組立装置,半導体製造装置などの相対運動する摺動部分に使用されるようになった。ところが,曲動転がり案内ユニットは,従来から多くの提案がなされているが,充分な商品化までに至っていないのが現状である。
【0003】
本出願人は先に曲動転がり案内ユニットを開発して先に特許出願した。該曲動転がり案内ユニットは,一定の曲率で曲線状に延びる軌道レールを摺動するスライダをバランス良く且つ小型化して構成し,スライダの仕様に応じて同じ仕様のエンドキャップを適用可能にしたものである。スライダを構成するケーシングの両端面は,ケーシングの長さが異なる場合であっても,常に,軌道レールの曲率中心を通り軌道レールを垂直に断面する垂直面内にあるように形成される。方向転換路を備えたエンドキャップは,仕様の共通化が可能である。直線状に形成される各リターン通路は,ケーシングの内側に寄せて形成されているので,ケーシングは,軌道レールの径方向に余分な肉厚部分が形成されず,径方向にバランス良く且つ小型化して構成することができる(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,曲線運動案内装置として,組立作業を容易にかつ正確にでき,しかも剛性が大きく正確な無限曲線案内を行い得るものが知られている。該曲線運動案内装置は,無端状に成形された無端リング状の軌道レールに多数の転動体を介して移動ブロックを取り付けたものであり,無端状の軌道レールの一部に移動ブロックを組み付けるため,軌道レールの一部を切断して切断部を形成し,この切断部の軌道レールの端面同士をずらすことによって,軌道レールの切断部を通じて移動ブロックを軌道レールに着脱可能としたものである(例えば,特許文献2参照)。
【0005】
また,スタッド形トラックローラに給油プラグを用いたものが知られている。該給油プラグとして,既存のスタッド形トラックローラの給油穴にもほとんど設計変更をせずに容易に取り付けることができ,潤滑剤の再給油を容易に確実に行うことができ,コンパクトで製作が容易であり,低コストのものである。該給油プラグは,スタッドの給油穴に嵌合する外径が円筒形状の大径部と小径部とを一体構造に形成し,大径部と小径部には,軸心に沿って延び,大径部から小径部へ給油ノズルが挿入可能に構成されている注入孔が形成されている。給油プラグは,給油時に使用するグリースガンの形状に合せて,給油プラグの内面をテーパ状に形成し,グリースガン先端外面に密着させて給油時の漏れを防止している(例えば,特許文献3参照)。
【0006】
また,直動案内ユニットとして,エンドシールに潤滑剤注入孔を形成したものが知られている。該直動案内ユニットは,シールに潤滑剤注入孔を形成し,潤滑剤注入器を潤滑剤注入孔に挿入して潤滑剤注入孔を通じて潤滑剤を注入するものである。給脂終了後に,シールから潤滑剤注入器を抜くと,細孔の潤滑剤注入孔が閉塞し,グリースが流出しないようになっている(例えば,特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−241437号公報
【特許文献2】特開平8−21441号公報
【特許文献3】特開2005−257036号公報
【特許文献4】実開平6−58234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来,曲動転がり案内ユニットは,軌道レールが一定の曲率或いは不規則に曲がって無端状態に延びているため,従来の直動転がり案内ユニットに用いられるスライダと同様の構造を適用することができない。即ち,従来の曲動転がり案内ユニットでは,軌道路が軌道レールと同様に曲線状に延びていること,リターン通路を形成するためにスライダに対して径方向内側及びその外側において無駄な肉厚を必要とすることが起因して,スライダをバランス良く且つ小型化することが困難な構造であった。また,曲動転がり案内ユニットとしては,軌道レールの曲率仕様の変更又はスライダの全長仕様の変更に応じて,異なる仕様のエンドキャップを用意することは,部品点数が増加すると共に管理が煩雑になるという点で問題があった。そこで,曲動転がり案内ユニットとしては,一定の曲率で曲線状に延びる軌道レールを摺動するスライダをバランス良く且つ小型化して構成し,軌道レールの曲率仕様及びスライダの全長仕様が異なっても同じ仕様のエンドキャップを適用することができ,部品管理を簡単に行うことができるものを如何にすれば提供できるかの問題があった。
【0009】
また,曲動転がり案内ユニットについて,軌道レールを無端タイプに形成すると,スライダを軌道レールに装着することができない。即ち,スライダは,概して,ケーシング,その両端に取り付けられたエンドキャップ,及びエンドキャップの端面のエンドシールから構成されている。ケーシングは,上部とその両側部から垂下する一対の袖部から形成され,袖部間が軌道レールの幅以上の凹部に形成されているので,軌道レールに跨架して装着することが容易にできる。しかしながら,エンドキャップは,上部とその両側部から垂下する一対の袖部から形成されているが,袖部には,軌道路から方向転換路へ転走する転動体をガイドするため内側方向に延びるすくい爪を備えたすくい部がそれぞれ形成されているので,すくい部間が軌道レールの幅よりも狭くなっており,エンドキャップを軌道レールにそのままでは跨架することができない構造になっている。そこで,上記特許文献1に開示されているように,エンドキャップの上部中央に形成された給脂孔からエンドキャップ下面にまで延びるスリットを形成し,エンドキャップを給脂孔が形成された上部の薄肉部を外力によって弾性変形させて,エンドキャップの袖部間を拡開させて,軌道レールに跨架して装着していた。しかしながら,給油器を用いてスライダに潤滑剤を給油する際に,給油器のノズルをエンドキャップの給油孔に挿入して潤滑剤を給油すると,給油孔から延びるスリットを通じて潤滑剤が漏洩するという問題があった。
【0010】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,無端状の軌道レールにスライダを装着することを可能にしたものであり,エンドキャップの袖部に設けられている軌道レール側に突出するすくい部間が軌道レールの幅よりも狭くなっている領域をエンドキャップを弾性変形させることによって袖部間を拡開させ,エンドキャップを軌道レールに跨架して配設させることを可能にし,スライダへの潤滑剤の給脂時に潤滑剤がスリットを通じて漏洩しないようにするため,給脂孔に給脂プラグを嵌着したものであり,エンドキャップを弾性変形させるために,エンドキャップにその上部の幅方向中央部に形成された給脂孔から軌道レールに対向する下面へ延びるスリットを形成し,給脂時に潤滑剤がスリットを通じて漏洩させないために,エンドキャップの給脂孔に給脂プラグを位置決め嵌着し,給脂プラグの孔部に給油器のノズルを挿通してスライダに潤滑剤を給脂する構造に構成したものであり,軌道レールにエンドキャップを跨架させる時に,エンドキャップを給脂孔の上部の薄肉部に外力によって弾性変形させてエンドキャップの袖部間即ちすくい部間を拡開させ,軌道レールへのエンドキャップの跨架を可能にし,軌道レールの任意の所望な位置でスライダを跨架配設することができ,更にスライダへの転動体の組み込みを容易にしたことを特徴とする曲動転がり案内ユニット及びそのスライダへの転動体の装填方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は,内周側と外周側の両側面に第1軌道溝がそれぞれ形成された長尺状の軌道レール,前記軌道レールに跨架して転動体を介して摺動自在なスライダから成り,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝がそれぞれ形成され且つ前記第2軌道溝と前記第1軌道溝との間に形成される軌道路に沿ってそれぞれ延びるリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する一対の方向転換路が形成されたエンドキャップ,並びに前記軌道路,前記リターン路及び一対の前記方向転換路で構成される循環路を転走する複数の前記転動体を有していることから成る曲動転がり案内ユニットにおいて,
前記エンドキャップは,前記軌道レールの上方に位置する上部,及び前記上部の両側部から前記軌道レールの前記側面に沿ってそれぞれ垂下すると共に幅方向内側に突出するすくい部を備えた袖部から形成され,
前記エンドキャップは,前記袖部に形成された前記方向転換路の外周壁面が形成されたエンドキャップ本体,及び前記エンドキャップ本体のケーシング側端面に接して前記方向転換路の内周壁面が形成されたスペーサから構成され,
前記エンドキャップ本体には,前記上部の中央部に形成された給脂孔,前記給脂孔と前記方向転換路とをそれぞれ連通する給脂溝,及び前記給脂孔から前記エンドキャップ本体の前記上部の下面に達するスリットが形成され,
前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔には前記スリットを塞ぎ前記給脂溝と連通する給脂路が形成された給脂プラグが嵌着され
,
前記給脂プラグは,前記給脂プラグを前記エンドキャップ本体の所定位置に位置決めするため前記エンドキャップに形成された前記給脂溝又は前記スリットと嵌合する位置決め突起を備えていることを特徴とする曲動転がり案内ユニットに関する。
【0012】
また,前記給脂プラグは,外形が前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔に嵌合可能な円筒形状に形成されている
。
【0013】
また,前記給脂プラグに形成されている前記給脂路は,一方の端面に形成された給脂口,前記給脂口から他方の端面に貫通する孔部,及び前記他方の端面に位置する前記孔部から前記外形にわたり前記エンドキャップ本体のそれぞれの前記給脂溝に連通する一対の給脂溝部が形成され,前記他方の端面が前記エンドキャップの前記スペーサの端面に当接して前記孔部の前記エンドキャップ側端部が封止されて前記給脂路が形成されている。
【0014】
また,前記エンドキャップを構成する前記スペーサは,前記エンドキャップ本体に接して配設され,前記エンドキャップ本体に形成された前記給脂孔及び前記給脂溝が密封されて前記給脂路が形成されている。
【0015】
また,前記エンドキャップの前記端面にそれぞれ配設されたエンドシールは,前記給脂孔に対応する位置に形成される貫通孔を備えているシール部材,及び前記貫通孔の位置で二分割されて前記シール部材にそれぞれ固着された芯金から構成されている。
【0016】
また,前記給脂プラグに形成された前記孔部は,前記給脂溝に向かって縮径するテーパ孔部,及び前記テーパ孔部の先端よりも小さい細孔部に形成されている。或いは,前記給脂プラグに形成された前記孔部は,ストレートな形状に形成されている。
【0017】
また,この曲動転がり案内ユニットは,前記軌道レールが円弧状及び/又は無端のリング状の形状に形成され,前記ケーシングが前記軌道レールの前記形状に対応して内周側より外周側の長手方向寸法が長く形成され,前記エンドキャップが内周側と外周側の前記上部及び前記袖部の長手方向寸法が同一に形成されている。
【0018】
また,この発明は,前記曲動転がり案内ユニットにおいて,一方の前記エンドキャップ本体の前記袖部間を拡開して前記軌道レールに跨架させて前記給脂孔に前記給脂プラグを嵌着し,前記エンドキャップ本体の一方のケーシング側の前記端面に前記スペーサと前記ケーシングを配設し,次いで,前記リターン路と前記軌道路と前記一方の前記方向転換路に前記転動体を装填すると共に,他方の前記エンドキャップ本体の前記袖部間を拡開して前記軌道レールに跨架させて前記給脂孔に前記給脂プラグを嵌着し,前記他方の前記エンドキャップ本体の前記方向転換路に前記転動体を装填し,他方の前記エンドキャップ本体の一方の前記端面に前記スペーサを配設して前記ケーシングに他方の前記エンドキャップを固定することを特徴とするスライダへの転動体の装填方法に関する。更に,前記エンドキャップの前記端面にエンドシールをそれぞれ配設する場合には,前記エンドキャップ本体の他方の前記端面に前記エンドシールを配設して前記ケーシングに前記一方の前記エンドキャップと前記エンドシールを配設し,前記エンドキャップ本体の前記他方の端面に前記エンドシールを配設して前記ケーシングに他方の前記エンドキャップと前記エンドシールを配設するものである。
【発明の効果】
【0019】
この曲動転がり案内ユニットは,上記のように構成したので,従来のエンドキャップ本体の上部中央に形成した給脂孔からエンドキャップ本体の上部の下面に達するスリットを形成するだけで,エンドキャップ本体のすくい部の内幅が軌道レールの幅よりも大きく弾性変形可能になり,軌道レールの上部からエンドキャップ本体を組み込むことができ,更に給脂孔に給脂路を形成した給脂プラグを嵌着することによって,給油器からのスライダへの給脂の際に潤滑剤がスリットから漏洩することを防止することができ,従来のエンドキャップを容易に利用することが可能になった。スリットは,従来のエンドキャップ本体に形成した給脂孔の下部の1ケ所に形成しただけなので,エンドキャップは,軌道レールの上部から組み込んだ後に元の位置に復元してケーシングの両端面にそれぞれ取付けねじを増やすことなく,簡単に装着可能に構成されている。また,スライダは,軌道レールの上部の任意の所望な位置で組込み可能即ち跨架配設できると共に,軌道レールの任意の位置に装着されているスライダを軌道レールから簡単に取り外すこともでき,しかも,スライダへの給脂が所望に応じて可能に構成されているので,例えば,無端状の軌道レールに,すでに取付け完了したスライダ間に新たなスライダを追加することも可能に構成されている。更に,給脂プラグは,エンドキャップ本体の給脂孔に嵌入し,位置決め突起をエンドキャップ本体の給脂溝又はスリットに嵌合するだけで,給脂プラグの連通溝がエンドキャップ本体の給脂溝に合致してスムーズな給脂路が簡単に形成可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明による曲動転がり案内ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるスライダの領域を拡大した斜視図である。
【
図3】
図2の線分A−Aにおける曲動転がり案内ユニットを示す断面図である。
【
図4】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるスライダを示す分解斜視図である。
【
図5】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるエンドキャップ本体をケーシング側から見た背面図である。
【
図6】
図5のエンドキャップ本体を示す正面図である。
【
図7】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるエンドキャップの給脂孔に給脂プラグを嵌着した状態をケーシング側から見たエンドキャップ本体を示す背面図である。
【
図8】
図7のエンドキャップの線分B−Bにおける給脂プラグに給油器のノズルを嵌挿した状態のエンドキャップを示す断面図である。
【
図9】エンドキャップに給脂プラグを嵌着する状態を説明する斜視図である。
【
図10】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるエンドシールの一例を示す正面図である。
【
図11】
図10のエンドシールを示すケーシング側から見た背面図である。
【
図12】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるエンドキャップの給脂孔に嵌着する給脂プラグを示し,(A)は給脂プラグの背面図,(B)は給脂プラグの側面図,及び(C)は(B)における線分C−Cの給脂プラグを示す断面図である。
【
図13】給脂プラグの給脂口に挿入されるノズルを備えた給油器を示す側面図である。
【
図14】給脂プラグの別のタイプを示し,(A)は給脂プラグの背面図,(B)は給脂プラグの側面図,及び(C)は(B)における線分D−Dにおける孔部を示す断面図である。
【
図15】給脂プラグの更に別のタイプを示し,(A)は給脂プラグの背面図,及び(B)は(A)における線分E−Eにおける給脂プラグを示す断面図である。
【
図16】
図1の曲動転がり案内ユニットにおけるエンドシールの別の例を示し,(A)はエンドシールの正面図,(B)はエンドシールの背面図,及び(C)は(A)における線分F−Fのエンドシールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,図面を参照して,この発明による曲動転がり案内ユニット及びそのスライダへの転動体の装填方法の実施例を説明する。この発明による曲動転がり案内ユニットは,
図1〜
図4に示すように,概して,内周側と外周側の両側面13,14に軌道溝11(第1軌道溝)がそれぞれ形成された長尺状の軌道レール1,軌道レール1に跨架して転動体であるボール10を介して摺動自在なスライダ2から構成されている。また,スライダ2は,軌道レール1の軌道溝11に対向して軌道溝12(第2軌道溝)がそれぞれ形成され且つ軌道溝11と軌道溝12との間に形成される軌道路15に沿ってそれぞれ延びるリターン路16が形成されたケーシング3,ケーシング3の両端面19にそれぞれ取り付けられ且つ軌道路15とリターン路16とを連通する円弧形状の方向転換路17が形成されたエンドキャップ4,エンドキャップ4の両端面8にそれぞれ配設され且つ軌道レール1の対向面にリップ部58を備えたエンドシール7,並びに軌道路15,リターン路16及び一対の方向転換路17で構成される循環路を転走する複数のボール10を有している。軌道レール1には,ベッドや他の機器のベース等に取り付けるための上面23から底面へ貫通する取付け用孔37が長手方向に複数個形成されている。ケーシング3には,各種の機器,ワーク,取付体等の相手部材(図示せず)を取り付けるための取付け用ねじ穴24が上面35に複数個(
図3では4個)形成されている。ケーシング3に形成されたリターン路16には,ケーシング3に長手方向に形成された嵌挿孔45にスリーブ46を嵌挿し,スリーブ46の通し孔で形成されている。スリーブ46は,潤滑剤が含浸された多孔質成形体から形成されており,リターン路16を転走するボール10を給油することができる潤滑部材を構成している。スライダ2は,ケーシング3にエンドシール7とエンドキャップ4とが一体に固定されたものである。即ち,スライダ2は,固定ねじ36をエンドシール7の取付け用孔62,エンドキャップ本体5の取付け用孔61及びスペーサ6の取付け用孔63に通してケーシング3の取付けねじ穴40に螺入することによって,ケーシング3にエンドキャップ4とエンドシール7とが一体に固定されたものである。また,この曲動転がり案内ユニットの実施例では,例えば,軌道レール1は,
図1に示すように,無端のリング状の形状,又は図示していないが円弧状の形状に形成されている。ケーシング3は,
図1,
図2及び
図4に示すように,軌道レール1の形状に対応して内周側より外周側の長手方向寸法が長くなって扇形に形成されている。また,エンドキャップは,
図1,
図2,
図4及び
図9に示すように,内周側と外周側の上部25及び袖部26の長手方向寸法が同一であって断面長方形の形状に形成されている。この曲動転がり案内ユニットは,ケーシング3が軌道レール1の形状に対応して扇形に形成されていることによって,スライダ2が軌道レール1上をスムーズに往復摺動可能に構成されている。
【0022】
図5〜
図9に示すように,エンドキャップ4は,軌道レール1の上方に位置する上部25,及び上部25の両側部27から軌道レール1の側面13,14に沿って垂下する一対の袖部26から形成されている。エンドキャップ4には,方向転換路17が形成された位置にケーシング3側の端面9から突出した接続凸部59が設けられている。接続凸部59は,ケーシング3に形成された嵌挿孔45に嵌合し,ケーシング3に形成されているリターン路16を形成するスリーブ46の端面53に当接し,リターン路16が方向転換路17にスムーズに連通している。即ち,ケーシング3に形成された嵌挿孔45に挿通されたスリーブ46は,その端面53が接続凸部59に当接して方向転換路17とリターン路16とがスムーズに連通するように形成されている。エンドキャップ4の袖部26に形成された方向転換路17の外周壁面28が形成されたエンドキャップ本体5,及びエンドキャップ本体5のケーシング側端面9に接して方向転換路17の内周壁面29が形成されたスペーサ6から構成されている。エンドキャップ4とエンドシール7とは.エンドキャップ本体5に形成された位置決め用の凸部56がエンドシール7に形成された位置決め用の凹部57に嵌合することによって,エンドキャップ4に対してエンドシール7が位置決めして組み立てられる。方向転換路17は,エンドキャップ本体5にスペーサ6が全面接触固定されることによって,外周壁面28と内周壁面29とが整合して形成されている。また,エンドキャップ4を構成するスペーサ6は,エンドキャップ本体5に接して配設され,エンドキャップ本体5に形成された給脂孔22及び給脂溝32を密封されている。エンドキャップ本体5の袖部26間には,軌道レール1の幅以上の凹部が形成されている。しかしながら,エンドキャップ本体5の袖部26には,軌道路15から方向転換路17へ転走するボール10をガイドするため軌道レール1の軌道溝11へ内側方向に延びて突出するすくい爪38を備えたすくい部39がそれぞれ形成されているので,エンドキャップ4のすくい部39間が軌道レール1の幅よりも狭くなっている。それ故に,エンドキャップ4は,軌道レール1にそのままの状態では跨架配設することができない。
【0023】
この発明による曲動転がり案内ユニットは,特に,エンドキャップ本体5には,上部25の中央部に形成された給脂孔22,給脂孔22と方向転換路17とを連通する給脂溝32,及び給脂孔22からエンドキャップ本体5の上部25の下面に達するスリット31が形成されており,エンドキャップ本体5に形成された給脂孔22にはスリット31を塞ぎ給脂溝32と連通する給脂路となる孔部33が形成された給脂プラグ20Aが嵌着されていることを特徴としている。エンドキャップ4は,上部25の中央に形成された給脂孔22から下面30まで延びるスリット31が形成されているので,給脂孔22の上側の上部25は薄肉に形成されている。エンドキャップ4は,給脂孔22の上方の薄肉の上部25を中心に弾性変形させて屈曲させることができ,それによって,エンドキャップ4を軌道レール1に跨架配設させることができる。また,エンドシール7には,軌道レール1の軌道溝11へ内側方向に延びている突出部60が形成されている。そこで,エンドシール7を軌道レール1に跨架配設するには,エンドシール7は,そのシール部材41が合成ゴムで薄肉に形成されているので,ひねりながら軌道レール1に嵌め込んで跨架させることができる。
【0024】
また,給脂プラグ20Aは,一実施例として,
図7〜
図9及び
図12に示すように,潤滑剤を給脂するための給脂路を構成する孔部33が形成され,エンドキャップ本体5に形成された給脂溝32と嵌合して給脂プラグ20Aをエンドキャップ本体5の所定位置に位置決めする位置決め突起34を備えている。また,給脂プラグ20Aは,NBR(ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体)等の合成ゴム材料によって円筒形に形成されている。位置決め突起34は,エンドキャップ本体5に形成された給脂溝32に嵌入し,その底面は給脂溝32に連通する連通溝52を形成する。給脂プラグ20Aに形成されている給脂路となる孔部33は,例えば,
図8に示すように,潤滑剤注入器である給油器50のノズル51が嵌挿される開口部であるテーパ孔部47と,テーパ孔部47に連通し且つ潤滑剤が逆流を抑制できるサイズに形成された細孔部48と,細孔部48とエンドキャップ本体5に形成された給脂溝32とを連通する連通溝52から構成されている。給油器50は,一端に潤滑剤供給源に接続する接続部54を備え,他端に給脂プラグ20Aの給脂口21に装着するノズル51を備えている。給脂プラグ20Aは,注油器即ち給油器50を嵌着する給脂口21がテーパ孔部47に形成されている。テーパ孔部47は,例えば,給油器50のノズル51の先端角より小さく形成することにより,挿入されたノズル51の外面をテーパ孔部47のテーパ面に密着させることができ,潤滑剤の注入時にテーパ孔部47とノズル51との間から潤滑剤が漏出することを防止することができる。また,給脂プラグ20Aに形成する孔部33に細孔部48を形成した場合には,エンドシール7に形成する貫通孔43は,給脂プラグ20Aの細孔部48で潤滑剤の逆流が防止されるので,小さく形成しなくてもよく,
図10及び
図11に示す実施例では,幅方向に長径となる長孔に形成されている。エンドシール7の貫通孔43を長孔に形成されているので,スライダ2におけるエンドシール7の位置を軌道レール1の幅方向に微調整でき,幅の異なる軌道レール1に対しても同じエンドシール7を適用でき,部品の共通化に寄与できる。
【0025】
また,この発明による給脂プラグは,別の実施例として,
図14に示すように,ストレートな孔部44が形成された給脂プラグ20Bに形成することができる。給脂プラグ20Bに形成された孔部44がストレートの場合には,潤滑剤をスムーズに給油することができる。給脂プラグ20Bに形成する孔部44をストレートに形成した場合には,
図16に示すように,エンドシール7に形成する貫通孔43を小さく形成した細孔部である細孔64に形成して潤滑剤の逆流を防止する構造に構成することが好ましい。
図16に示すエンドシール7に形成した細孔64は,通常時はほとんど閉塞した状態であり,細孔64に給油器50の先端の細いノズル51を,細孔64に弾性させて挿通し,潤滑剤を給脂でき,給油器50を細孔64から抜き取れば,細孔64が閉塞状態になるように形成されている。
【0026】
或いは,給脂プラグは,更に別の実施例として,
図15に示すように,スリット31と嵌合して給脂プラグ20Cをエンドキャップ本体5の所定位置に位置決めする位置決め突起34Aを備えている。給脂プラグ20Cは,位置決め突起34Aは,エンドキャップ本体5に形成されたスリット31に嵌入してエンドキャップ4に対して位置決めが達成される。この実施例の給脂プラグ20Cを用いると,位置決め突起34Aを備えた給脂プラグ20A又は20Bを用いた場合に比較して,エンドキャップ本体5に形成した給脂溝32の流路断面積をそのまま確保でき,潤滑剤の給脂がスムーズに達成できる。また,給脂プラグ20Cを用いる場合には,孔部44はストレートの形状であるので,エンドシール7としては,
図16に示す形状のものを使用することが好ましい。
【0027】
また,エンドシール7は,
図10及び
図11に示すように,軌道レール1の上面23との間の隙間を密封するためリップ部58を備え且つ給脂孔22に対応する位置の中央部に貫通孔43が形成されたシール部材41,及びシール部材41の中央部で二分割され且つシール部材41に固着された一対の芯金42から構成されている。エンドシール7のシール部材41に形成された貫通孔43には,潤滑剤注入器である給油器50のノズル51を挿通できるように構成されている。
図10及び
図11に示すエンドシール7を用いた場合には,給脂プラグ20Aとして
図12に示すタイプを使用することが好ましい。給脂プラグ20Aに形成された孔部33は,一実施例として,
図12の(C)に示すように,給脂溝32に向かって縮径するテーパ孔部47,及びテーパ孔部47の先端よりも小さい細孔部48から構成されており,細孔部48は給脂溝32に連通している。或いは,給脂プラグ20Bに形成された孔部33は,別の実施例として,
図14に示すように,ストレートな孔部44から構成され,及びストレートな孔部44が給脂溝32に連通している。上記実施例では,スライダ2にエンドシール7を設けているが,例えば,スライダ2をクリーン環境等で使用する場合には,スライダ2にはエンドシール7を必ずしも設ける必要はないものである。
【0028】
次に,この発明による曲動転がり案内ユニットにおけるスライダ2への転動体の装填方法の実施例について説明する。スライダ2への転動体であるボール10の装填方法は,上記曲動転がり案内ユニットにおいて,一方のエンドキャップ本体5の袖部26間を拡開して軌道レール1に跨架させ,給脂孔22に給脂プラグ20A,20B,又は20Cを嵌着し,エンドキャップ本体5の一方のケーシング3側の端面9にスペーサ6とケーシング3を配設し,エンドキャップ本体5の他方の端面8にエンドシール7を配設してケーシング3に一方のエンドキャップ4とエンドシール7を固定し,次いで,軌道路15と方向転換路17とリターン路16とに転動体であるボール10を装填する。また,他方のエンドキャップ本体5の袖部26間を拡開して軌道レール1に跨架させて給脂孔22に給脂プラグ20A,20B,又は20Cを嵌着し,エンドキャップ本体5の方向転換路17に転動体であるボール10を装填し,他方のエンドキャップ本体5の一方の端面9にスペーサ6を配設すると共に他方のエンドキャップ本体5の他方の端面9にエンドシール7を配設し,ケーシング3に他方のエンドキャップ4とエンドシール7を固定することを特徴としている。エンドキャップ4の端面8にエンドシール7を配設しない場合には,エンドシール7を省略すれば良いものである。即ち,この発明によるスライダ2へのボール10の装填方法は,一方のエンドキャップ本体5の袖部26間を拡開して軌道レール1に跨架させて給脂孔22に給脂プラグ20A,20B,又は20Cを嵌着し,エンドキャップ本体5の一方のケーシング3側の端面9にスペーサ6とケーシング3を配設し,次いで,リターン路16と軌道路15と一方の方向転換路17にボール10を装填すると共に,他方のエンドキャップ本体5の袖部26間を拡開して軌道レール1に跨架させて給脂孔22に給脂プラグ20A,20B,又は20Cを嵌着し,他方のエンドキャップ本体5の方向転換路17にボール10を装填し,他方のエンドキャップ本体5の一方の端面9にスペーサ6を配設してケーシング3に他方のエンドキャップ4を固定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明による曲動転がり案内ユニット及びそのスライダへの転動体の装填方法は,半導体製造装置,精密機械等の各種装置における摺動部に適用して好ましいものである。
【符号の説明】
【0030】
1 軌道レール
2 スライダ
3 ケーシング
4 エンドキャップ
5 エンドキャップ本体
6 スペーサ
7 エンドシール
8,9,19 端面
10 ボール(転動体)
11 軌道溝(第1軌道面)
12 軌道溝(第2軌道面)
13,14 側面
15 軌道路
16 リターン路
17 方向転換路
20A,20B,20C 給脂プラグ
21 給脂口
22 給脂孔
25 上部
26 袖部
27 側部
28 外周壁面
29 内周壁面
30 下面
31 スリット
32 給脂溝
33,44 孔部
34,34A 位置決め突起
38 すくい爪
39 すくい部
41 シール部材
42 芯金
43 貫通孔
45 嵌挿孔
46 スリーブ
47 テーパ孔部
48 細孔部
52 連通溝