(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの電極が3つの接触力センサを更に含み、前記接触力センサが前記少なくとも1つの電極の円周の周りに均等に離間されている、請求項1に記載のカテーテル。
前記システムコントローラが、前記少なくとも1つの接触力センサから信号を更に受信して、アブレーションされる前記組織に対する前記少なくとも1つの電極の接触度を示す、請求項13に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、個々の電極それぞれに関して接触情報を提供するフィードバックコントローラを有する、多電極アブレーションカテーテルを提供することが望ましいであろう。以下に記述されるように、本開示はこれら及び他の目的を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、細長い本体と、細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、少なくとも1つのリング電極に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリとを有する、カテーテルを対象とする。
【0007】
1つの態様では、接触力センサアセンブリは、戻り止めと歪みゲージとを含み、歪みゲージは戻り止めに取り付けられる。更に、歪みゲージは、回路と、回路をシステムコントローラに電気的に接続する少なくとも1つのワイヤとを含む。
【0008】
1つの態様では、戻り止めは、フランジ部分に接続された半円部分を備える。更に、戻り止めは、電極の壁内の対応する形状の開口部内に配設される。
【0009】
1つの態様では、歪みゲージは、第1の取付け部分と第2の取付け部分とを更に備える。この態様では、第1の取付け部分は接触力センサのワイヤを接続するためのものであり、第2の取付け部分は歪みゲージを電極の内壁に固定するためのものである。
【0010】
1つの態様では、少なくとも1つの電極は、電極の壁を通って形成された複数の灌注開口部を備えたRFアブレーション電極を含む。更に、カテーテルは、展開したときに、螺旋形状、輪索、又はバスケットを形成するように構成された、多電極カテーテルであってもよい。更にまた、カテーテルは偏向可能な先端並びに先端電極を含んでもよい。
【0011】
1つの態様では、電極は、電極の円周の周りにそれぞれが均等に離間されている、3つの接触力センサを更に含んでもよい。
【0012】
本開示はまた、オペレータが患者の組織の一部分をアブレーションするための方法を対象とする。その方法は、カテーテルを患者に挿入することを含む。そのカテーテルは、細長い本体と、細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、電極に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリと、少なくとも1つの電極の壁に形成された複数の灌注開口部とを含む。その方法は更に、カテーテルを、複数のセンサから信号を受信することができるシステムコントローラに接続することと、少なくとも1つの電極に電力を供給することと、複数のセンサからの測定値に少なくとも部分的に基づいて、組織をアブレーションするように少なくとも1つの電極への電力を制御することとを含む。
【0013】
1つの態様では、方法はまた、電極と組織との接触を判定することと、少なくとも1つの接触力センサからの測定値に基づいて、電極と組織との接触度を推定することとを含む。
【0014】
本開示はまた、細長い本体と、細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、少なくとも1つのリング電極に動作可能に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリと、少なくとも1つの電極の壁に形成された複数の灌注開口部とを有するカテーテルを備える、組織の一部分をアブレーションするためのシステムを対象とする。システムはまた、複数のセンサから信号を受信し、少なくとも1つの電極に電力を供給し、組織をアブレーションするように少なくとも1つの電極への電力を制御することができる、システムコントローラを含む。更に、システムコントローラは、接触力センサから信号を受信して、アブレーションされる組織に対する少なくとも1つの電極の接触度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、構成、手順、方法、又は構造に限定されず、変化し得ることを理解されたい。したがって、本明細書に記載されている選択肢と同様又は同等の多くの選択肢が本開示の実施又は実施形態において使用され得るが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0017】
また、本明細書で使用される専門用語が、単に本開示の特定の実施形態を説明するためのものであり、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0018】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的実施形態を説明するよう意図されており、本開示が実施され得る限定的な例示的実施形態を表すようには意図されていない。本説明全体にわたって使用される用語「例示的」とは、「実施例、事例、又は実例としての機能を果たす」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明には、本明細書の例示的な実施形態の徹底した理解を提供するために、具体的な詳細が含まれる。本明細書の例示的実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、本明細書に提示される例示的実施形態の新規性を明確にするために、周知の構造及び装置がブロック図形態で示される。
【0019】
単に便宜上かつ明確にするために、上、下、左、右、上方、下方、上側、下側、裏側、後側、背側、及び前側などの方向を示す用語が、添付図面に関して使用され得る。これら及び同様の方向を示す用語は、いかなる方法によっても本開示の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0020】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0021】
最後に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容が別段の明確に指示しない限り、複数の指示対象を包含する。
【0022】
図1に示されるように、本開示は、標的組織と接触するように適合された先端電極12を含む遠位端区画を備えた、多電極アブレーションカテーテル10を含む。本開示の実施形態によるカテーテル10は、長手方向軸線を有する挿入シャフト又はカテーテル本体14と、長さに沿って配設された複数のリング電極22を有する、カテーテル本体の遠位側にある中間区画16とを含む、細長い本体を備える。リング電極22も、標的組織と接触するように適合されている。
【0023】
一実施形態では、カテーテル10は、単一の先端電極として使用されてもよく、あるいは円弧状に展開されて多電極カテーテルとして使用されてもよい。この実施形態では、中間区画16は、組織を円弧パターンでアブレーションするように電極を位置決めするのに必要な円弧を提供するため、図示されるように、カテーテル本体から軸線を外れて一方向又は二方向で偏向可能であることができる。カテーテル本体14の近位側には制御ハンドル18があり、これによってオペレータが、操舵可能な実施形態が採用された場合に、中間区画14を偏向させることを含めてカテーテルを操作することが可能になる。一例では、制御ハンドル18は、それぞれの方向で偏向させるために時計方向又は反時計方向で旋回される、偏向ノブ20を含んでもよい。他の実施形態では、他の操舵可能な設計が採用されてもよく、例えば、米国特許第6,468,260号、同第6,500,167号、及び同第6,522,933号、並びに2010年12月3日付けの米国特許出願第12/960,286号に記載されているような、複数の制御ワイヤを操作するための制御ハンドルなどが挙げられ、これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0024】
カテーテル本体14は可撓性であり、即ち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性であり、任意の好適な構造のものであって任意の好適な材料で作られてもよい。1つの態様では、ポリウレタン又はPEBAXで作られた外壁は、カテーテル本体14の捩り剛性を増大させるため、当該技術分野において一般に知られているように、ステンレス鋼などの埋込み式編組みメッシュを有してもよく、それにより、制御ハンドル20を回転させると中間区画16がそれに対応する形で回転するようになる。意図される用途に応じて、カテーテル本体14の外径は約8フレンチ(約2,64mm)であってもよく、いくつかの実施形態では7フレンチ(約2,31mm)であってもよい。同様に、カテーテル本体14の外壁の厚さは、中央管腔が任意の所望のワイヤ、ケーブル、及び/又は管を収容可能なように十分に薄くてもよい。カテーテルの有用な長さ、即ち身体に挿入することができる部分は、所望に応じて変化させることができる。例示的な実施形態では、有用な長さは約110cm〜約120cmであってもよい。中間区画16の長さは、有用な長さの比較的小さい部分に相当してもよく、例えば約3.5cm〜約10cmであり、いくつかの実施形態では約5cm〜約6.5cmである。
【0025】
図2は、本発明の別の実施形態による多電極カテーテル100の別の実施形態を示している。この実施形態では、カテーテル100は、長手方向軸線を有する挿入シャフト又はカテーテル本体114と、カテーテル本体の遠位側にある中間区画116とを含む、細長い本体を備える。この実施形態では、
図1の実施形態とは対照的に、全ての電極がカテーテルの遠位先端の近位側に位置している。ここでは、一連のリング電極122が中間区画116の長さに沿って配設されている。リング電極122は、標的組織と接触するように適合されている。この実施形態では、中間区画116は、治療部位で展開されると螺旋形状を形成する。この実施形態では、リング電極122は、活性化されると螺旋状の損傷パターンを形成する。この実施形態の他の全ての態様は、
図1に例示した実施形態に関して上述したものと同様である。この実施形態では、カテーテルは8(約2.64mm)、9(約2.97mm)、11(約3.63mm)、又は12(約3,96mm)フレンチである。
【0026】
次に
図3を参照すると、接触力センサ130を含むリング電極の一実施形態が示されている。
図4〜7は、接触力センサアセンブリ130の詳細を例示している。
図3に戻ると、リング電極は、
図1及び2にそれぞれ例示した電極12又は122であってもよい。簡潔にするため、リング電極はリング電極122と呼ばれるが、当該技術分野で知られている任意のリング電極が本発明に適合されてもよい。リング電極122は、複数の灌注開口部126を有する細長く全体的に円筒状の部分124として構成される。灌注開口部126は、アブレーションされる際に組織を灌注するのに使用され得る。電極122の外殻は、灌注液を供給するためにカテーテル本体114(図示なし)の長さに沿って延在している管腔と流体連通している、内部キャビティ128を画定する。複数の灌注開口部126は、電極122の表面にわたって実質的に均等に分布されており、それらを通して、キャビティに入りこれを充填している流体が電極122の外部に出て、電極122及び電極122に隣接した環境を所望に応じて冷却することができる。電極122の外殻は、パラジウム、白金、金、イリジウム、並びに、Pd/Pt(例えば、パラジウム80%/白金20%)及びPt/Ir(例えば、白金90%/イリジウム10%)を含むこれらの組み合わせ及び合金など、任意の好適な導電性材料で作られてもよい。
【0027】
リング電極122内には、接触力センサ130が配設される。接触力センサアセンブリ130は、戻り止め132と歪みゲージ134とを含む。
図7は、戻り止め132の一実施形態を示している。この実施形態では、戻り止め132は、半円の接触部分138と、接触部分138に接続されたフランジ部分140とを含む。接触部分138は、本質的にドーム型であり、リング電極122の外殻内に位置する開口部136を通って突出する。開口部136によって、更に詳細に後述するように、血管又は器官の管腔との接触によって力を受けたときに、戻り止めが径方向で移動することができる。
図4に最も良く示されるように、フランジ部分140は、リング電極132の外殻の内壁142と、歪みゲージ134の上面144との間に配設される。フランジ部分140は、戻り止めがリング電極122内に配設された状態を保つアンカーとして作用する。あるいは、フランジ部分140は除去されてもよく、接触部分は歪みゲージ134に直接接着される。戻り止め132は、アセタールポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリカーボネート、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)など、任意の好適な材料で作られてもよい。別の実施形態では、戻り止め132はポリマー製のボールとして作られ、補完的な形状の開口部136がボール状の戻り止めを電極内で保持する。当業者であれば、戻り止め及びそれに対応する開口部の形状は、上述の円形から変更されてもよいことを認識するであろう。一例では、戻り止めは細長いドーム状の楕円であって、それに対応する開口部が電極の外殻内にあってもよい。
【0028】
図4に示されるように、歪みゲージ134は、電極122の内壁142に取り付けられた細長い構造体である。歪みゲージ134は、歪み速度が既知であれば、ポリアミド、又はニチノールなどの金属などの任意の好適な材料で作られてもよい。次に
図6を参照すると、歪みゲージ134の形状は、リング電極122の内壁142に対して補完的な曲率半径を有するが、ポリイミドなどの柔軟な材料を使用することができ、それがリング電極の内壁の形状に適応する。歪みゲージ134は、第1の取付け部分146と第2の取付け部分148とを含む。歪みゲージ134は、接着、はんだ付け、又は溶接など、当該技術分野において知られている任意の方法によって、電極122に取り付けられる。一実施形態では、歪みゲージ134は、はんだ付けパッド150で歪みゲージ134を電極122にはんだ付けすることによって取り付けられる。他の実施形態では、はんだ付けの代わりに、歪みゲージは、歪みゲージを電極に抵抗溶接するのに使用される、露出金属面の領域を含む。
【0029】
歪みゲージ134は、戻り止め132に印加される半径方向の力を測定する、埋込み回路152を更に含む。回路152は、更に詳細に後述するように、ワイヤを介してシステムコントローラに電気的に接続される。好適なワイヤが、第1の取付け部分146で歪みゲージに接続される。実際には、戻り止め132は、半径方向力を受けると歪みゲージ134を係合する。組織との接触によって戻り止め132に径方向で力が加えられると、戻り止め132が歪みゲージ134を押し下げて、歪みゲージがその長手方向軸線に沿って伸長する。歪みゲージが伸長すると、歪みゲージ内に埋め込まれた回路152を通る電流がシステムコントローラに電気信号を送って、半径方向の力が戻り止めに作用していることが示される。このフィードバックを用いて、施術者は、電極が組織と接触しているか否かを判定する。薄肉区画144は、第2の取付け部分148に位置する歪みゲージの内部回路類のワイヤを、リング電極の外部に至らせるのに使用され、その場合、ワイヤは第1の取付け部分146で終端する。
【0030】
次に
図8を参照すると、本発明による少なくとも1つの接触力センサを有するリング電極の別の実施形態が示されている。この例では、リング電極160は、リング電極160の周りでそれぞれ径方向で約120°離間された、3つの接触力センサアセンブリ162を含む。この実施形態では、力センサは均等に離間されているが、他の実施形態では、力センサは互い違いであってもよい。リング電極は、リング自体及びリングの内表面に沿って取り付けられた歪みゲージが偏向できるように、リングの直径の周りに刻まれたレリーフ164を更に含む。この実施形態では、戻り止めは不要である。当業者であれば、接触力センサアセンブリの数は、施術者が使用しているカテーテルの目的に応じて、1つから複数まで変動してもよいことを認識するであろう。例えば、カテーテルが複数方向で偏向可能である場合、リング電極は、偏向方向に対向する各方向に対して接触力センサを含んでもよい。
【0031】
認識されるように、上述のカテーテルは、明瞭にするために記載又は例示されてない追加の構造を含む。例えば、アブレーションカテーテル10は、電極12、22に通電するのに使用されるRFコイルを受け入れる導管など、アブレーションに必要な構造体を含む。他の導管が、もし電極アセンブリ又は他のカテーテル10の遠位部分が処置中に外れた場合にそれらを回収するのを容易にするために安全ワイヤを経路指定及び/又は固着することを含む、任意の好適な目的に使用されてもよい。安全ワイヤは、ベクトラン(商標)又は他の好適な材料から形成されてもよい。他の実施形態では、1つ以上の導管は、
図1〜8に関連して上述した接触力感知システムに加えて、患者の解剖学的構造内におけるカテーテル10の遠位端の配置を視覚化するのを支援するため、マッピングシステムと併せて使用されてもよい、電磁位置センサを収容してもよい。
【0032】
従来のRFアブレーションカテーテルに比べて、本開示の技法は、顕著な利点をもたらす。接触力感知カテーテルは、上述したように、組織との接触を実証することができ、どの程度の力が検出されているかを示す。一般的に、記録された力は、0グラム、即ち組織との接触なしから、最大50グラムの力が検出される。好ましくは、記録された力は約30グラムである。それに加えて、多電極カテーテルの接触力センサはそれぞれ、各電極が組織と接触しているか否かに関して個別のフィードバックを提供する。提供されたフィードバック情報を用いて、施術者は、治療部位で所望のアブレーションを達成するのに必要な調節を行うことができる。
【0033】
アブレーション処置における多電極カテーテル10使用は、当業者に知られている技法に従うことができる。
図9は、本発明の一実施形態による、腎臓及び/又は心臓のカテーテル法及びアブレーションのためのシステム200を示す概略絵図である。システム200は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)製造のCARTO(商標)マッピングシステム、及び/又はSmartAblate若しくはnMarq RF発生器に基づいてもよい。このシステムは、カテーテル10の形態の侵襲性プローブと、制御及び/又はアブレーションコンソール202とを備える。心臓病専門医、電気生理学技師、又は介入放射線医などのオペレータ204は、大腿アクセスアプローチ又は橈骨アクセスアプローチなどを介して、患者206の体内にアブレーションカテーテル10を挿入し、これによって、カテーテル10の遠位端、特に電極12が、患者206の心臓208の心腔などの所望の位置の組織に係合する。カテーテル10は、一般的に、その近位端にある好適なコネクタによってコンソール202に接続される。コンソール202は、電極22が係合した位置で、カテーテルを介して組織210をアブレーションするための高周波電気エネルギーを供給する、RF発生器208を備える。
【0034】
コンソール202はまた、磁気位置感知を使用して、患者206の体内におけるカテーテル10の遠位端の位置座標を測定し得る。この目的のため、コンソール202内の駆動回路は、磁場発生器を駆動して患者206の身体内に磁場を発生させる。一般的には、磁場発生器は、患者の体外の既知の位置で患者の胴体の下に配置される、コイルを備える。これらのコイルは、関心領域を包含する既定の作業体積内に磁界を発生させる。カテーテル10の遠位端内の磁場センサ(図示なし)は、これらの磁場に応答して電気信号を発生させる。コンソール202の信号プロセッサは、一般的には場所及び向き両方の座標を含む、遠位端の位置座標を測定するために、これらの信号を処理し得る。この位置感知の方法は、上述のCARTOシステムに実装され、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、PCT特許出願公開WO 96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、それらの開示を全て参照により本明細書に組み込む。
【0035】
コンソール202は、システム200の操作のためのソフトウェアが格納されているメモリ214と通信する処理装置216を備える、システムコントローラ212を含んでもよい。コントローラ212は、汎用コンピュータ処理装置を含む業界標準のパーソナルコンピュータであってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、コントローラの機能の少なくとも一部は、特定用途向け集積回路(ASIC)又は現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)を使用して実施される。コントローラ212は、一般的に、オペレータがシステム200のパラメータを設定することを可能にする、好適な入力周辺装置及びグラフィカルユーザインターフェース(GUI)218を使用して、オペレータ204によって操作される。GUI 218はまた、一般的に、処置の結果をオペレータに対して表示する。メモリ214内のソフトウェアは、例えばネットワークを介して、電子的形態でコントローラにダウンロードされ得る。別の方法として、又はそれに加えて、ソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体など、非一時的な有形媒体上に提供され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の接触力センサは、コンソール202に信号を送って、電極22に対する圧力を示し得る。接触力センサワイヤからの信号が、システムコントローラ212に提供されて、歪みゲージ134から測定値が得られる。かかる信号は、個別の電極それぞれの組織接触の程度を医師に対して提供するのに使用され得る。それに加えて、システムコントローラ212は、多電極のうちどれが、アブレーションされる組織と接触しているかを示す。このフィードバック情報を用いて、施術者は、完全なアブレーションを担保するのに必要な調節を行うことができる。上述したように、本発明は、例えば、輪索、円弧、螺旋、又はバスケット状のリング電極構成を有するものなど、任意の多電極カテーテルに十分に適合している。
【0036】
一般的に、アブレーションの間、RFエネルギーによって患者の組織で熱が発生してアブレーションが引き起こされ、この熱の一部は電極12に反射されて、電極及びその周囲に凝固が生じる。システム200は、灌注開口部26を通してこの領域を灌注し、灌注の流れの速度は灌注モジュール220によって制御され、電極22に送られる電力(RFエネルギー)はアブレーションモジュール222によって制御される。更に、観察された接触力に基づいて、組織と結合されている電極22の表面のパーセンテージを推定することができる。更に別の一例として、カテーテル10の追加のセンサは、心内心電図をシステムコントローラ212に提供してもよく、アブレーションされている組織部位が催不整脈性の電流を伝達しなくなるときを判定するために使用され得る。
【0037】
本明細書の記述は、特定の代表的な実施形態である。ただし、提示された実施形態に関わる当業者には、本開示の原理が他の適用に対して適切に改変することにより容易に拡張可能であることが理解されよう。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 細長い本体と、
前記細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に動作可能に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリと、
を備える、カテーテル。
(2) 前記接触力センサアセンブリが、
戻り止めと、
歪みゲージと、を備え、前記歪みゲージは前記戻り止めに動作可能に取り付けられている、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記歪みゲージが、
回路と、
前記回路をシステムコントローラに電気的に接続する少なくとも1つのワイヤと、を更に備える、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記戻り止めが、フランジ部分に動作可能に接続された半円部分を備える、実施態様2に記載のカテーテル。
(5) 前記戻り止めが、前記少なくとも1つの電極の壁内の対応する形状の開口部内に配設されている、実施態様2に記載のカテーテル。
【0039】
(6) 前記歪みゲージが、第1の取付け部分及び第2の取付け部分を更に備え、前記第1の取付け部分は、前記少なくとも1つのワイヤを接続するためのものであり、前記第2の取付け部分は、前記歪みゲージを前記少なくとも1つの電極の内壁に固定するためのものである、実施態様3に記載のカテーテル。
(7) 前記少なくとも1つの電極がRFアブレーション電極を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記少なくとも1つの電極が、前記電極の壁を通って形成された複数の灌注開口部を更に備える、実施態様7に記載のカテーテル。
(9) 前記カテーテルが多電極カテーテルであり、前記電極は、展開したときに螺旋パターンを形成するように構成されている、実施態様7に記載のカテーテル。
(10) 前記カテーテルが多電極カテーテルであり、前記電極は、展開したときに輪索を形成するように構成されている、実施態様7に記載のカテーテル。
【0040】
(11) 前記カテーテルが多電極カテーテルであり、前記電極は、展開したときにバスケットを形成するように構成されている、実施態様7に記載のカテーテル。
(12) 前記少なくとも1つの電極が3つの接触力センサを更に含み、前記接触力センサが前記少なくとも1つの電極の円周の周りに均等に離間されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記カテーテルが偏向可能なカテーテルである、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 前記カテーテルが先端電極を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) オペレータによって患者の組織の一部分をアブレーションするための方法であって、
カテーテルを前記患者に挿入することであって、
細長い本体と、
前記細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に動作可能に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリと、
前記少なくとも1つの電極の壁に形成された複数の灌注開口部と、を備える前記カテーテルを、患者に挿入することと、
前記カテーテルを、複数のセンサから信号を受信し、かつ前記少なくとも1つの電極に電力を供給することができるシステムコントローラに接続することと、
組織をアブレーションするために前記少なくとも1つの電極への前記電力を制御することと、
を含む、方法。
【0041】
(16) 組織をアブレーションするために前記電極への前記電力を制御することが、前記複数のセンサからの測定値に少なくとも部分的に基づいている、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記少なくとも1つの接触力センサからの測定値に基づいて、前記電極と組織との接触を判定することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記少なくとも1つの接触力センサからの測定値に基づいて、前記電極と組織との接触度を推定することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 組織の一部分をアブレーションするためのシステムであって、
カテーテルであって、
細長い本体と、
前記細長い本体の中間部分上に配設された少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つのリング電極に動作可能に接続された少なくとも1つの接触力センサアセンブリと、
前記少なくとも1つの電極の壁に形成された複数の灌注開口部と、
を備える、カテーテルと、
複数のセンサから信号を受信し、前記少なくとも1つの電極に電力を供給し、組織をアブレーションするように前記少なくとも1つの電極への前記電力を制御することができる、システムコントローラと、
を備える、システム。
(20) 前記システムコントローラが、前記少なくとも1つの接触力センサから信号を更に受信して、アブレーションされる前記組織に対する前記少なくとも1つの電極の接触度を示す、実施態様19に記載のシステム。