特許第6945997号(P6945997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6945997
(24)【登録日】2021年9月17日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】グラフト調製システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/08 20060101AFI20210927BHJP
   A61B 17/82 20060101ALI20210927BHJP
【FI】
   A61F2/08
   A61B17/82
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-247545(P2016-247545)
(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-113555(P2017-113555A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】14/977,882
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アダム・シー・ガスタフソン
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0222792(US,A1)
【文献】 特開2015−188761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/08
A61B 17/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線と、第1及び第2の端部と、を有する、細長い支持レールと、
離間配置した関係で該長手方向軸線に沿って位置付けられ、該支持レールから横方向に延在している、複数のリーフセグメントと、を備え、
それぞれのリーフセグメントは、該支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有し、
それぞれのリーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの該取り付け端部と該末端部との間に配設された屈曲部分において屈曲可能であり、
それぞれのリーフセグメントは、内側表面及び外側表面を有し、該リーフセグメントの少なくとも該屈曲部分に沿って屈曲して靭帯グラフト保持構成となるように構成され、該靭帯グラフト保持構成では、該リーフセグメントの該末端部が、該リーフセグメントの該取り付け端部に近接して、該リーフセグメントの該内側表面によって画定される靭帯グラフト受容チャネルを有するホルダを形成する、靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項2】
前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記支持レールから延在する第1のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に平行な方向に前記第1のリーフセグメントから延在する第1及び第2の支持パネルを有し、該第1及び第2の支持パネルは、該第1のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設され、該第1及び第2の支持パネルのそれぞれは、連結部分を介して、該第1のリーフセグメントに連結され、該第1及び第2の支持パネルはそれぞれ、内側表面及び外側表面を有し、該連結部分のあたりで屈曲するように構成され、該第1及び第2の支持パネルの該内側表面は、前記靭帯グラフト保持構成において、前記リーフセグメントの前記外側表面と嵌合する、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項3】
それぞれのリーフセグメントは、前記第1及び第2の支持パネルの前記内側表面に形成された相補的な第2の嵌合機構と嵌合するように構成されている少なくとも1つの第1の嵌合機構を有する、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の嵌合機構は、少なくとも1つの雌型受容部を含み、前記第2の嵌合機構は、雄型部材を含む、請求項3に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項5】
前記屈曲部分は、一体丁番である、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項6】
前記細長い支持レールは、縫合糸スパインに連結された複数の巻線を有する縫合糸スパインを前記細長い支持レールに隣接して据え付けるように構成されている、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項7】
前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記支持レールから延在する第1のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に垂直な方向に前記第1のリーフセグメントから延在する第1の離間配置要素及び相補的な第2の離間配置要素を有し、該第1及び第2の離間配置要素は、前記第1のリーフセグメントの前記屈曲部分の両側に配設されている、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項8】
前記ホルダが形成される際、前記第1及び第2の離間配置要素が嵌合するように構成されている、請求項7に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項9】
前記支持レールの前記第1の端部に隣接して前記支持レールから延在する、最後のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に垂直な方向に該最後のリーフセグメントから延在する第3の離間配置要素及び相補的な第4の離間配置要素を有し、該第3及び第4の離間配置要素は、該最後のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設されている、請求項1に記載の靭帯グラフト調製ホルダ。
【請求項10】
靭帯グラフト受容構成を有する靭帯グラフトホルダを備え、該靭帯グラフトホルダは、
長手方向軸線と、第1及び第2の端部と、を有する、細長い支持レールと、
離間配置した関係で該長手方向軸線に沿って位置づけられ、該支持レールから横方向に延在する、複数の可撓性リーフセグメントと、
該長手方向軸線に沿って該支持レールに隣接して取り外し可能に据え付けられる縫合糸スパインと、
縫合糸から形成され、該縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置される複数の巻線であって、それぞれの巻線は、該縫合糸スパインに連結し、隣接するリーフセグメント間を取り外し可能に通過する、複数の巻線と、を備え、
それぞれのリーフセグメントは、該支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有し、
靭帯グラフトホルダが靭帯グラフト保持構成となって、該リーフセグメントの該末端部及び該リーフセグメントの該取り付け端部を互いにより近接して位置づけて、靭帯グラフト受容チャネルを画定する際に、該リーフセグメントは、円弧様形状をなすように屈曲する、靭帯グラフトホルダ構成体。
【請求項11】
前記靭帯グラフトホルダが前記靭帯グラフト保持構成になる際に、前記靭帯グラフト受容チャネルは、前記靭帯グラフト受容チャネルの中で靭帯グラフトを受容及び保持するように構成されている、請求項10に記載の靭帯グラフトホルダ構成体。
【請求項12】
前記複数の巻線を形成する前記縫合糸は、前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記縫合糸スパインから延在し、靭帯グラフトが前記靭帯グラフト受容チャネル内に位置づけられる際に前記複数の巻線を前記靭帯グラフトに固着させるために引き抜かれるように構成されている、少なくとも1つの末尾部を有する、請求項10に記載の靭帯グラフトホルダ構成体。
【請求項13】
前記巻線は、前記靭帯グラフト受容チャネルの内側表面に沿う十字交差パターンを形成する、請求項10に記載の靭帯グラフトホルダ構成体。
【請求項14】
前記複数のリーフセグメントに連結された少なくとも1つの支持構造体を更に含む、請求項10に記載の靭帯グラフトホルダ構成体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの支持構造体は、前記リーフセグメントの外側表面に嵌合する第1及び第2の支持パネルを含み、該第1及び第2の支持パネルは、互いに隣接し、該リーフセグメントのほぼ中点の両側に配設されている、請求項14に記載の靭帯グラフトホルダ構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グラフト調製のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靭帯は、体内のある骨を別の骨に接続する一片の線維性組織である。靭帯は、外傷又は事故の結果として損傷(例えば、分離、分裂又は断裂)を受ける場合が多い。損傷した靭帯は、関節の適切な動きを妨げ、著しい痛みを引き起こす場合がある。損傷した靭帯は、多様な処置を使用して、置換又は治療することができるが、多様な処置は、修復させる特定の靭帯及び損傷の程度に応じて選択される。靭帯が損傷すると、靭帯は自身で再生しないので、再建手術が必要となる場合がある。外傷、疲労、老化、及び/又は事故の結果として損傷する場合が多い靭帯の一例は、脛骨の頂部と大腿骨の底部との間に延在する前十字靭帯(ACL)である。損傷したACLにより、膝関節の不安定性、関節炎、及び相当な痛みが引き起こされる場合がある。
【0003】
ACLの治療は典型的には、靭帯グラフト置換処置の使用を伴うが、これは、通常、脛骨を通って上昇して大腿骨の中に骨孔を穿孔することを伴う。その後、人工靭帯又は腱などの採取されたグラフトであってもよい靭帯グラフトは、(「脛骨骨孔」と称される場合がある)骨孔の脛骨部分を通過し、関節の内部を横切り、(「大腿骨骨孔」と称される場合がある)骨孔の大腿骨部分の中に上昇して入る。その後、天然の靭帯(natural ligament)が結合している部位において、靭帯グラフトの一端は、大腿骨骨孔内で固定することができ、グラフトの他端は、脛骨骨孔内で固定することができる。
【0004】
損傷する場合が多く、置換する必要があり得る別の靭帯は、後十字靭帯(PCL)である。
【0005】
通常の靭帯再建処置は、損傷した天然の靭帯を置換する予定である患者自身の腱である自己移植片を使用することを伴う。自己移植片は、ハムストリング腱である場合が多いが、(例えば、膝蓋腱などの)他の腱が使用されてもよい。靭帯グラフトはまた、ドナーから取得されてもよい(「同種移植片」)。
【0006】
靭帯の補強及び置換処置は、典型的には、固着する前に、穿孔された骨孔に通過させるためにグラフトを固定し、グラフトを強化するための、多様な手法を使用して、採取された靭帯グラフトを調製することが必要である。調製は、グラフトを洗浄及び測定することと、その後、縫合糸をグラフトの自由端に固着することと、を伴うことができる。このようにして調製されたグラフトは、大腿骨骨孔及び脛骨骨孔に挿入される前に張力を付与され得る。
【0007】
グラフト調製のための既存の手法は、例えば、従来のかがり縫い(whip-stitching)(単純なかがり縫い又はロックステッチは、典型的には、(図示されない)針又は他の縫合糸通過器具をグラフトに通過させて、縫い目を生成することを伴う。かかる手法には、ある欠点がある場合がある。例えば、これらは、負荷がグラフトに付与されると、グラフトに対する損傷及びグラフトの望ましくない過剰な伸びを引き起こす場合がある。これは、グラフトの品質を損ない、靭帯再建処置中、合併症のリスクを生じさせる場合がある。他の既存のグラフト調製手法としては、例えば、ベースボールステッチ(baseball stitching)、ローマンサンダル(roman sandal)縫合法、クラコフ(krackow)及びプルージック(Prusik)結びが挙げられる。
【0008】
グラフト調製に対する従来のアプローチは、労力及び時間がかかる場合があり、再建手術中、大部分の時間を消費する場合があった。グラフトの上に縫合糸を定置することは、複雑な作業である場合があり、かかる手法を使用してグラフトが調製されると、再建処置全体が中断される場合があり、手術費用の増大を引き起こす場合がある。更に、縫合を行う外科医又は他の医療関係者は、感染症を引き起こす可能性がある針刺しによる外傷のリスクを負う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、グラフトを調製するための改良された手法及びデバイスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある態様において、長手方向軸線並びに第1及び第2の端部を有する細長い支持レールと、離間配置した関係で長手方向軸線に沿って位置づけられ、支持レールから横方向に延在している、複数のリーフセグメント(leaf segment)と、を備え得る、グラフト調製ホルダデバイスが提供される。それぞれのリーフセグメントは、支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有することができる。それぞれのリーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの取り付け端部と末端部との間に配設された屈曲部分で屈曲可能であってもよい。また、それぞれのリーフセグメントは、内側表面及び外側表面を有してもよく、少なくともリーフセグメントの屈曲部分に沿って屈曲してグラフト保持構成となるように構成されてもよい。グラフト保持構成では、リーフセグメントの末端部は、リーフセグメントの取り付け端部に近接して、リーフセグメントの内側表面によって画定されたグラフト受容チャネルを有するホルダを形成する。
【0011】
グラフト調製ホルダデバイスは、いかようにも変更することができる。例えば、支持レールの第2の端部に隣接して支持レールから延在する第1のリーフセグメントは、長手方向軸線に平行な方向に第1のリーフセグメントから延在する第1及び第2の支持パネルを有することができる。第1及び第2の支持パネルは、第1のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設されてもよく、それぞれは、連結部分を介して第1のリーフセグメントに連結することができる。第1及び第2の支持パネルのそれぞれは、内側表面及び外側表面を有してもよく、パネルは、連結部分のあたりで屈曲するように構成されてもよく、グラフト保持構成において支持パネルの内側表面は、リーフセグメントの外側表面と嵌合する。別の例として、リーフセグメントのうち1つ又は2つ以上の屈曲部分は、一体丁番であってもよい。更なる例として、細長い支持レールは、縫合糸スパイン(suture spine)に連結された複数の巻線を有する縫合糸スパインを細長い支持レールに隣接して据え付けるように構成されてもよい。
【0012】
それぞれのリーフセグメントは、第1及び第2の支持パネルの内側表面上に形成された相補的な第2の嵌合機構と嵌合するように構成された少なくとも1つの第1の嵌合機構を有してもよい。少なくとも1つの第1の嵌合機構は、少なくとも1つの雌型受容部の形態であってもよく、少なくとも1つの第2の嵌合機構は、少なくとも1つの雄型部材の形態であってもよい。
【0013】
リーフセグメントのうち1つ又は2つ以上は、リーフセグメントに連結されるか、又はリーフセグメントの上に形成される多様な機構を有してもよい。例えば、支持レールの第2の端部に隣接する支持レールから延在する第1のリーフセグメントは、第1の離間配置要素及び相補的な第2の離間配置要素を有してもよい。第1及び第2の離間配置要素は、長手方向軸線に垂直な方向に第1のリーフセグメントから延在してもよく、第1及び第2の離間配置要素は、第1のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設される。ホルダが形成される際、第1及び第2の離間配置要素は、嵌合するように構成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、支持レールの第1の端部に隣接して支持レールから延在する最後のリーフセグメントは、長手方向軸線に垂直な方向に最後のリーフセグメントから延在する第3の離間配置要素及び相補的な第4の離間配置要素を有してもよく、第3及び第4の離間配置要素は、最後のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設されている。
【0015】
他の態様において、グラフト受容構成を有するグラフトホルダを備えることができるグラフトホルダ構成体が提供される。グラフト受容構成において、グラフトホルダは、長手方向軸線と、第1及び第2の端部とを有する、細長い支持レールと、離間配置した関係で長手方向軸線に沿って位置づけられ、前記支持レールから横方向に延在する、複数の可撓性リーフセグメントと、前記長手方向軸線に沿って前記支持レールに隣接して取り外し可能に据え付けられる縫合糸スパインと、縫合糸から形成され、前記縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置される複数の巻線と、を備える。それぞれの巻線は、スパインに連結し、隣接するリーフセグメント間を取り外し可能に通過することができる。それぞれのリーフセグメントは、支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有することができる。グラフトホルダが、グラフト保持構成となって、前記リーフセグメントの末端部及び前記リーフセグメントの取り付け端部を互いにより近くに近接して位置づけて、グラフト受容チャネルを画定する際に、前記リーフセグメントは、円弧様形状をなすように屈曲することができる。
【0016】
グラフトホルダ構成体は、いかようにも変更することができる。例えば、グラフト調製ホルダがグラフト保持構成になる際に、グラフト受容チャネルは、グラフト受容チャネルの中でグラフトを受容及び保持するように構成することができる。別の例では、複数の巻線を形成する縫合糸は、支持レールの第2の端部に隣接して縫合糸スパインから延在し、グラフトがグラフト受容チャネル内に位置づけられる際に、グラフトに複数の巻線を固着させるために引き拔かれるように構成されている、少なくとも1つの末尾部を有することができる。別の例では、巻線は、グラフト受容チャネルの内側表面に沿って十字交差パターンを形成することができる。
【0017】
グラフトホルダ構成体は、複数のリーフセグメントに連結された少なくとも1つの支持構造体を更に含むことができる。少なくとも1つの支持構造体は、リーフセグメントの外側表面に嵌合する第1及び第2の支持パネルを含むことができ、第1及び第2の支持パネルは、互いに隣接し、前記リーフセグメントのほぼ中点の両側に配設されている。
【0018】
他の態様において、グラフトの一部の周囲にグラフトホルダ構成体を位置づけることを含むことができる外科処置用グラフトを調製する方法が提供される。前記グラフトホルダ構成体は、屈曲可能な細長いホルダと、前記ホルダに取り外し可能に連結された縫合糸アセンブリと、を備えることができる。前記屈曲可能な細長いホルダは、長手方向軸線並びに第1及び第2の端部を有する細長い支持レールと、離間配置した関係で長手方向軸線に沿って位置づけられ、前記支持レールから横方向に延在する、複数の可撓性リーフセグメントと、を含むことができる。縫合糸アセンブリは、前記細長い支持レールに隣接して位置づけられた縫合糸スパインと、前記縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置され、前記スパインに連結され、前記リーフセグメント間に形成された横方向のスロットを通過する、複数の巻線と、前記縫合糸スパインから延在する縫合糸末尾部と、を備えることができる。本方法は、前記リーフセグメントによって形成されたグラフト受容チャネルを画定し、前記グラフトの一部の周囲に前記グラフトホルダ構成体を固定するように、前記屈曲可能な細長いホルダの構成を変更することと、前記複数の巻線が、前記グラフトを貫通することなく、前記グラフトの一部の周囲に固定され、前記巻線が、前記グラフトの一部の長さに沿って離間配置されるように、前記末尾部を引き抜いて前記縫合糸アセンブリを前記グラフトの一部に固着させることと、を含む。
【0019】
方法は、いかようにも変更することができる。例えば、グラフトホルダ構成体は、巻線がグラフトの一部の周囲に固定されると、細長いホルダが縫合糸アセンブリから分離するように構成することができる。別の例として、グラフト受容チャネルを画定するように、前記屈曲可能な細長いホルダの構成を変更することは、それぞれのリーフセグメントを屈曲させることを含む。
【0020】
それぞれのリーフセグメントは、前記支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有することができる。それぞれのリーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの取り付け端部と前記末端部との間に配設された屈曲部分において屈曲可能であることができる。前記方法は、前記リーフセグメントの末端部が前記リーフセグメントの取り付け端部に近接するように、それぞれのリーフセグメントを少なくとも前記リーフセグメントの前記屈曲部分に沿って屈曲させることによって、前記屈曲可能な細長いホルダを形成することを更に含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記グラフトホルダ構成体を前記グラフトの一部の周囲に固定することは、末端のリーフセグメントから延在する第1のスペーサと第2のスペーサとの間に前記グラフトの一部を保持することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
上述した実施形態は、添付の図面と共になされる以下の詳細な説明によって、更に十分に理解されよう。図面は、縮尺で描かれることを意図されない。明確にする目的で、すべての図で必ずしもすべての構成要素にラベル付けしていない場合がある。図面は、以下の通りである。
図1】グラフト調製ホルダデバイスの一実施形態の斜視図である。
図2図1のグラフト調製ホルダデバイスの別の斜視図である。
図3図1のグラフト調製ホルダデバイスの別の斜視図である。
図4】グラフト保持構成において、縫合糸のない、図1のグラフト調製ホルダデバイスの別の斜視図である。
図5A図1のグラフト調製ホルダデバイス及び縫合糸アセンブリを使用して調製されたグラフトホルダ構成体の斜視図である。
図5B図5Aのグラフトホルダ構成体の別の斜視図である。と、
図6A図5Aのグラフトホルダ構成体を使用してグラフトを調製する工程の概略図である。
図6B図5Aのグラフトホルダ構成体を使用してグラフトを調製する工程の概略図である。
図6C図5Aのグラフトホルダ構成体を使用してグラフトを調製する工程の概略図である。
図6D図5Aのグラフトホルダ構成体を使用してグラフトを調製する工程の概略図である。
図6E図5Aのグラフトホルダ構成体を使用してグラフトを調製する工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、本明細書で開示するシステム及び方法の原理の総合的な理解のために、特定の例示的な実施形態について記載される。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者は、本明細書で具体的に説明され、添付図面に示されるシステム及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であり、実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。更に、ある例示的な実施形態に関連して例示又は説明した特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる変形例及び変更例は、記載された実施形態の範囲内に含まれることが意図される。
【0024】
本明細書に記載された実施形態は、概ね、靭帯再建手術又は補強手術のための靭帯グラフトを調製するためのシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態では、屈曲可能なグラフト調製ホルダは、長手方向軸線と、第1及び第2の端部と、を有する細長い支持レールと、離間配置した関係で長手方向軸線に沿って位置づけられ、支持レールから横方向に延在している、複数のリーフセグメントと、を備える。リーフセグメントのそれぞれは、支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有する。リーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの取り付け端部と末端部との間に配設されたリーフセグメントの屈曲部分において屈曲可能である。
【0025】
グラフトホルダ構成体は、グラフト調製ホルダ上に縫合糸アセンブリを取り外し可能に保持することによって形成される。縫合糸アセンブリは、支持レールの長手方向軸線に沿って支持レールに隣接して取り外し可能に据え付けられた縫合糸スパインと、縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置される複数の縫合糸の巻線と、を包含し、それぞれの巻線は、スパインに連結され、隣接するリーフセグメント間を取り外し可能に通過するようになっている。支持構造体は、リーフセグメントに連結されて、ホルダに対して剛性を提供し、グラフト調製中、縫合糸の巻線が不注意に挟まれたり、ないしは別の方法で損傷を受けたりすることから守ることができる。グラフトホルダ構成体は、グラフトに縫合糸を固着させるために必要とされる時間を大幅に減少させる事前展開構成に設置することができる。
【0026】
ホルダがグラフト受容チャネルを画定するグラフト保持構成にホルダ構成体の事前展開構成を変更することによって、グラフトホルダ構成体を使用して、縫合糸アセンブリをグラフトへ送達する。そうするために、リーフセグメントを、少なくともリーフセグメントの屈曲部分に沿って屈曲させて、それぞれのリーフセグメントの取り付け端部と末端部とを互いに近接させる。これによって、グラフト受容チャネルが画定される。グラフト受容チャネルが維持されると(例えば、外科医がグラフト調製ホルダを保持している場合)、縫合糸アセンブリは、縫合糸をグラフトに固着させ、その後、縫合糸をホルダから分離するように操作することができる。
【0027】
本明細書に記載されたシステム及び方法は、多くの利点を有し得る。具体的には、グラフト調製処置全体をより効率的にし、外科医は、迅速なわずか数工程を行うだけで、送達縫合糸アセンブリをグラフトに固着させることができる。グラフトを貫通することなく、縫合糸がグラフトに送達されるので、グラフトに対して損傷を引き起こす危険性が減少する。また、グラフトを調製するために必要な時間が大幅に減少し、これにより、手術が容易になり、患者に対する不便さを軽減することができる。事前に組み付けられた構成体が利用されるので、処置の再現性が改善される。このように、記載されたグラフト調製処置は、簡易化され、さほど労働力を必要としないので、靭帯再建処置の効率性を改善し、従来の時間がかかり、信頼性の低いグラフト調製手法によってもたらされた危険性を軽減することができる。加えて、記載された手法は、手術室の費用節減に役立ち得る。
【0028】
記載された手法は、特定の外科処置において使用されている靭帯グラフトの種類に関わらず、ハムストリング靭帯グラフトを含む多様な靭帯グラフトと共に、多様な異なる外科的状況で使用することができる。本明細書に記載されたシステム及び方法は、多様な関節における靭帯を治療又は置換するためのグラフト用靭帯の調製に関連して利用することができるが、十字靭帯再建処置において特に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたシステム及び方法は、例えば、膝の十字靭帯又は遠位二頭筋の治療のためなどの再建処置のための靭帯グラフトを調製するために利用される。
【0029】
図1図3は、グラフト調製ホルダ100の一実施形態を示す。グラフト調製ホルダ100は、グラフトホルダ構成体を形成するためにデバイス100に縫合糸を装着する前の非組み付け構成において図1図3に図示されている。グラフト調製ホルダ100は、以下で論考するように、縫合糸スパイン及び縫合糸スパインに連結された縫合糸の巻線が装着されて、取り外し可能にスパイン及び巻線を保持するように組み付けられた後に、事前展開構成で外科医によって使用され得る。
【0030】
図示されるように、グラフト調製ホルダ100は、細長い支持レール102と、支持レール102から横方向に延在する複数のリーフセグメント104と、を備える。支持レール102は、長手方向軸線A並びに第1及び第2の端部102a、102bを有する。支持レール102は、以下でより詳細に論考されるように、縫合糸スパインに連結された複数の巻線を有する縫合糸スパインを支持レールに隣接して据え付けるように構成されている。
【0031】
図示された例において、支持レール102から延在する複数のリーフセグメント104は、個々に104a、104b、104c、104d、104eとして標識された5つのリーフセグメントを含む。しかしながら、グラフト調製ホルダは、任意の他の数のリーフセグメントを有してもよいことを理解されたい。リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eは、離間配置した関係で、支持レール102の長手方向軸線Aに沿って位置づけられるので、スロット106a、106b、106c、106dが、隣接するリーフセグメント間に形成される。それぞれのリーフセグメント104は、支持レール102における取り付け端部と、反対側の末端部と、を有する。このように、リーフセグメント104eに関して図3に図示されるように、リーフセグメント104eは、支持レール102における取り付け端部108aと、反対側の末端部108bと、を有する。例えば、以下の図4に図示されるように、リーフセグメントが円弧様形状をなすように屈曲されるグラフト保持構成において、リーフセグメントの末端部は、以下でより詳細に論考されるように、リーフセグメントの取り付け端部により近接して、グラフト受容チャネルを有するホルダを形成している。
【0032】
図示された例において、リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eは、支持レール102の長手方向軸線Aに平行な軸線に沿って測定される異なる幅を有し、リーフセグメント104aの幅は、リーフセグメント104b、104cの幅より小さく、リーフセグメント104d、104eの幅は、リーフセグメント104aの幅より小さい。リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eの幅は、スロット106a、106b、106c、106dの間の距離を画定し、今度は、この距離により、縫合糸が装着された際に、グラフト調製ホルダ100を使用して、グラフトへ送達される縫合糸の巻線間の距離が画定される。このように、スロット106c、106dを通って延在する縫合糸の巻線は、スロット104a、104bを通って延在する縫合糸の巻線より互いに近接して形成され得る。当業者は、リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eが単なる例示として図1図3に図示され、これらが、同一の幅を有してもよく、又はさまざまに多様である幅を有してもよいことを理解するだろう。長手方向軸線Aに垂直な軸線に沿って測定されるリーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eの長さは、同一であってもよく、又は略同一であってもよい。
【0033】
リーフセグメント104のうち1つ又は2つ以上は、縫合糸保持要素を有してもよい。例えば、図2及び図3に示すように、リーフセグメント104eは、縫合糸スパインを取り外し可能に保持するように構成されたクリート105を有するので、縫合糸スパインは、使用中、ピンと張り、ホルダからグラフトの一部へスパイン及びスパインに連結された巻線を送達する間、スパインに付与される負荷に耐えることができる。同時に、クリート105により、ホルダから縫合糸スパインを容易に取り外しすることができる。当業者が理解するように、リーフセグメント104eは、追加的に又は代替的に他の縫合糸保持要素を有してもよい。更に、図示された例においては存在しないが、他のリーフセグメントが、1つ又は2つ以上の縫合糸保持要素を有してもよい。
【0034】
スロットを通って延在する縫合糸の巻線を保持するように構成された隣接するリーフセグメント間のスロット106a、106b、106c、106dは、多様な異なる構成を有することができる。図示された例において、リーフセグメント104は、スロットの幅が縫合糸の巻線をスロットの中に保持するために適切である(例えば、十分に狭い)ように構成されている。それぞれのスロットの形状は、スロットの長さに沿って多様である。例えば、図1図3に図示されるようにスロット106a、106b、106c、106dは、支持レール102に隣接した円形部分107a、107b、107c、107dを有し、円形部分により、グラフトホルダ構成体の中へグラフト調製ホルダ100を組み付け中、円形部分に取り付けられた縫合糸を有する針(又は別の縫合糸通過デバイス)を容易に通すことができる。部分107a、107b、107c、107dは、他の形状を有してもよく、これらの部分の大きさは多様であってもよいことを理解されたい。スロットの両端は、グラフト調製構成体の組み付け中、スロットの中の縫合糸を容易に誘導し、縫合糸がスロットの移行部で捕捉されることを防ぐことができる(複数の)傾斜面、例えば、面取り面の形態であってもよい。
【0035】
また、図示されるように、部分107a、107b、107c、107dから遠く離れて配設されたスロットの部分は、より狭く、スロットの長さにわたってほぼ均一である。図示されるように、スロット106a及び106bは、円形部分107a、107bからある距離をおいて狭くなり、この距離は、それぞれの円形部分107c、107dからスロット106c及び106dの狭い部分までの距離より小さい。このように、図3に図示されるように、スロット106c及び106dは、円形部分107c、107dからリーフセグメント104d、104eの末端部に向かって延在するより広い細長い部分109a、109bを有する。スロットのかかる構成により、グラフト調製ホルダ100上に取り外し可能に保持された縫合糸をより容易にグラフトの一部に送達することができる。
【0036】
上で示されたように、リーフセグメント104のそれぞれは、支持レール102に隣接する取り付け端部、及び反対側の末端部を有する。図示された例において、リーフセグメント104は、可撓性であるので、これらは屈曲可能である。それぞれのリーフセグメント104は、リーフセグメントの取り付け端部と末端部との間に配設された少なくとも屈曲部分110において屈曲可能である。図3は、リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eがそれぞれ屈曲部分110a、110b、110c、110d、110e、を有することを示す。屈曲部分110a、110b、110c、110d、110eは、支持レール102の長手方向軸線Aに平行か、又はおよそ平行であり得る同一の軸線に沿って配設されるように、屈曲部分110a、110b、110c、110d、110eは、それぞれのリーフセグメントのおよそ中間部分に形成される。
【0037】
屈曲部分110a、110b、110c、110d、110eは、リーフセグメントが配設される平面と異なる平面に沿って配設されるように形成されてもよい。例えば、図1は、リーフセグメントの屈曲部分が、それぞれの屈曲部分から両側に配設されたリーフセグメントの他の2つの部分から離れる方向に内側に配設されることを示している。図示された例において、屈曲部分110a、110b、110c、110d、110eのそれぞれは、一体丁番の形態である。しかしながら、当業者が理解するように、屈曲部分は、他の様式で形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、リーフセグメントの屈曲部分は、リーフセグメントの残部とは異なる材料から形成されてもよく、かつ/又は屈曲部分は、リーフセグメントの残部を形成する材料の特性とは異なる特性を有してもよい。
【0038】
リーフセグメント104は、内側表面及び外側表面を有する。図示された例において、図4において図示され、以下でより詳細に論考されるように、リーフセグメントが屈曲して、グラフト受容チャネルを有するホルダを形成する場合、内側表面は、グラフト受容チャネルを画定するリーフセグメントの表面である。したがって、外側表面は、屈曲したリーフセグメントによって形成されたホルダの外側表面を形成する反対側の表面である。図1は、リーフセグメント104eの外側表面112oと標識されているリーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eの外側表面を示す。図2及び図3は、リーフセグメント104eの内側表面112iと標識されているリーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eの内側表面を示す。
【0039】
グラフト調製ホルダ100はまた、リーフセグメントの上に固定されて、ホルダに剛性を提供することができる支持構造体を備えることができ、ホルダは、グラフト調製ホルダ100がスパイン、及びスパインに連結され、グラフトの一部にわたって保持される、巻線の形態で縫合糸が装着される際に形成されて、縫合糸をグラフトの一部へ送達することができる。支持構造体の別の有利な機能は、縫合糸送達処置中、縫合糸の巻線が損傷しないように(例えば、挟まれないように)保護することである。
【0040】
支持構造体は、多様な異なる構成を有してもよく、リーフセグメントに連結してもよく、又はリーフセグメントから分離したままであってもよい。本明細書に図示された例において、支持構造体は、支持レール102の第2の端部102bに隣接する支持レール102から延在する第1のリーフセグメント104aから延在する第1及び第2の支持パネル114a、114bの形態であってもよい。リーフセグメントの逆順が代替的に使用することができるので、リーフセグメント104aは、単なる例示として、「第1の」リーフセグメントと称されることを理解されたい。図1図3に図示されるように、第1及び第2の支持パネル114a、114bは、支持レール102の長手方向軸線Aに平行な方向にリーフセグメント104aから延在するので、第1及び第2の支持パネル114a、114bは、リーフセグメント104aの屈曲部分110aの両側に配設される。支持パネル114a、114bは、支持パネル114aの外縁が支持レール102の長手方向軸線Aと実質的に一致する軸線に沿って延在するように形成されてもよく、支持パネル114bの外縁もまた、リーフセグメントの末端部を通って延在する軸線に実質的に沿って延在する。長手方向軸線Aに平行な軸線に沿って測定される、支持パネル114a、114bの長さは、リーフセグメントの組み合わされた幅と同一であるか、又はおよそ同一であるので、支持パネルは、以下で論考されるように、リーフセグメントに折り重なることができる。
【0041】
第1及び第2の支持パネルの114a、114bのそれぞれは、それぞれの連結部分116a、116bを介してリーフセグメント104aに連結される。連結部分116a、116bは、支持パネル114a、114bがリーフセグメント104に向かって屈曲可能であるヒンジとして作用するように構成されている。連結部分116a、116bは、多様な構成を有してもよい。図示された例において、連結部分116a、116bは、矩形のパネルの形態である。図示された例において、連結部分116a、116bは、一体丁番の形態であってもよい。しかしながら、多様な幅を有し得る連結部分116a、116bの他の実装が追加的に又は代替的に使用されてもよい。更に、いくつかの実施において、支持パネルは、リーフセグメントに連結されていない分離した要素であってもよい。
【0042】
図示されるように、長手方向軸線Aに垂直な軸線に沿って測定された、連結部分116a、116bの幅は、支持パネル114a、114b及びリーフセグメント104の幅より小さい。連結部分116aの両側に形成され、図2に図示される、凹部115a、115bなどの、連結部分116a、116bによって形成された凹部は、支持パネル114a、114bの外縁からずれ、縫合糸の巻線の隙間を形成している。凹部115aは、開口を通って延在し、ホルダが形成されると、ホルダから出るための縫合糸の尾部のための開口を提供する。更に、歯117は、リーフセグメント104aの長さに沿って、リーフセグメント104aの上に任意選択的に形成されてもよく、歯は、凹部115aの中へ延在して、縫合糸の尾部を適所に保持するために使用される。縫合糸保持要素が凹部115aの中で形成されてもよく、又は凹部115aは、縫合糸保持要素が一切なくてもよいことを理解されたい。
【0043】
図1図3は、元来の、すなわち、非組み付け構成のグラフト調製ホルダ100を示す。グラフト調製ホルダ100は、図4及び図5で図示され、以下でより詳細に論考されるように、リーフセグメント104を少なくとも屈曲部分で屈曲させることによって、その構成をグラフト保持構成に変更することができるように設計されている。上で示されるように、第1及び第2の支持パネル114a、114bの機能は、リーフセグメント104をより剛性にすることによって、リーフセグメント104を支持し、グラフト保持構成において縫合糸を保護することである。図1図3に図示されるように、第1及び第2の支持パネル114a、114bは、内側表面118i、120i及び外側表面118o、120oを有し、支持パネル114a、114bのそれぞれは、それぞれの連結部分116a、116bを中心に屈曲可能であるので、図4及び図5に図示されるように、支持パネル114a、114bの内側表面118i、120iは、グラフト保持構成においてリーフセグメント104の外側表面と嵌合する。
【0044】
リーフセグメント104及び支持パネル114a、114bは、グラフト保持構成においてこれらを嵌合させる機構を有してもよい。例えば、図1図3に図示されるように、それぞれのリーフセグメント104は、第1及び第2の支持パネル114a、114bの内側表面118i、120iの上に形成された少なくとも1つの相補的な第2の嵌合機構と嵌合するように構成された少なくとも1つの第1の嵌合機構を有する。図示された実施形態において、リーフセグメント104のそれぞれは、リーフセグメント104eにおいて、4つの雌型受容部、例えば、雌型受容部又は開口122a、122b、122c、122dを有する。雌型受容部は、リーフセグメント104b、104c、104d、104eにおいて形成された貫通開口であってもよく、又はリーフセグメント104aにおいて形成されるような、止まり開口(blind opening)であってもよい。リーフセグメント104に形成された開口は、支持パネル114a、114b上に形成された相補的な雄型部材と嵌合する。このように、図示された例において、支持パネル114a、114bのそれぞれは、リーフセグメントにおける対応する開口と嵌合するように構成された突起の形態の雄型部材を有する。例えば、リーフセグメント104eに形成された開口122a、122b、122c、122dは、第1及び第2の支持パネル114a、114bの内側表面118i、120i上に形成された突起124a、124b、124c、124dと嵌合することができる。雄型部材及び雌型受容部は、止まり開口又は貫通開口及び相補的な突起とは異なる他の形態であってもよい。
【0045】
記載されたホルダは、支持パネル114a、114bをリーフセグメント104と嵌合させるために使用される特別な種類の機構に限定されないので、第1及び第2の嵌合要素は、他の多様な構成を有してもよいことを理解されたい。それぞれのリーフセグメントは、上述した4つとは異なり得る(例えば、1つ、2つ、3つ、又は5つ以上であってもよい)任意の好適な数の嵌合要素を有してもよい。嵌合機構は、リーフセグメントと一体的に形成されてもよく、これらは、リーフセグメントに連結されてもよい。また、第1及び第2の嵌合要素は、雄型部材及び雌型受容部とは異なる種類であってもよい。
【0046】
支持パネル114a、114bの外側表面118o、120oは、表面形状(例えば、突出部、隆起部、膨隆部、溝、突起部など)を有してもよく、表面形状は、外側表面にわたって均一又は不均一なパターンを形成してもよく、グラフト調製ホルダ100の組み付け構成において把持用表面を形成する。このように、図2及び図3に図示し、また、図5Bに図示されるように、支持パネル114a、114bの外側表面118o、120oは、小さい突出部のような表面形状を有する。任意の他の表面形状が追加的に又は代替的に形成されてもよい。更に、いくつかの実施において、表面形状が全く形成されなくてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、リーフセグメントと嵌合して、セグメントをより剛性に、より保持し易くなるように構成された支持構造体は、本明細書に記載された第1及び第2の支持パネル114a、114bと異なっていてもよい。例えば、支持構造体は、ホルダ又はリーフセグメント104と可逆的に嵌合するように構成された他の構造の形態であってもよい。ホルダは、リーフセグメントを固定的に覆って適合するか、又はリーフセグメントに嵌合して、他の方法でリーフセグメントに剛性を提供することができる。
【0048】
グラフト調製ホルダ100は、任意の好適な材料から形成されてもよく、多様な材料は、当業者に周知である。材料の非限定的な例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アセタール、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)が挙げられる。当業者は、グラフト調製ホルダ100が任意の他の材料又は材料の組み合わせから形成することができることを理解するだろう。グラフト調製ホルダ100は、当該技術分野において既知の(複数の)他の手法を使用して、成形又は形成することができる。
【0049】
図1図3に図示されるように、ホルダが形成される前のグラフト調製ホルダ100の元来の構成において、それぞれのリーフセグメントの取り付け端部は、図3に図示されるように、リーフセグメントの末端部から、リーフセグメントの長さに実質的に等しい距離を置いて配設される。上で示されたように、リーフセグメント104a、104b、104c、104d、104eは、リーフセグメントの屈曲部分に少なくとも沿って、グラフト保持構成に屈曲するように構成されている。かかるグラフト保持構成において、図4に図示されるように、リーフセグメントの末端部は、リーフセグメントの取り付け端部に近接しているので、リーフセグメントの内側表面によって画定されるグラフト受容チャネル202を有するグラフトホルダ200を形成する。
【0050】
図4に図示されるように、ホルダ200は、支持パネル114a、114bをリーフセグメント104と嵌合させ、結果として生じた構造体を(この例では、手作業で)屈曲することによって形成される。図示されるように、ホルダ200は、リーフセグメントを屈曲させて、取り付け端部及び末端部をくっつけると、ほぼ円筒形状の断面を有する、略矩形形状である。しかしながら、略矩形のホルダ200は、単なる例示として示され、本明細書に記載された実施形態による送達縫合糸アセンブリを担持するホルダは他の構成を有してもよいことを理解されたい。使用中、ホルダ200は、縫合糸スパイン及びホルダ上に取り外し可能に保持されたスパインに連結された縫合糸の巻線を有することとなるので、図4は、説明の目的のためだけに、縫合糸を有さないホルダ200示すことに留意するべきである。
【0051】
図示された実施形態において、リーフセグメントは、ホルダの形成を容易にするように嵌合可能である離間配置要素を備える。例えば、離間配置要素は、リーフセグメントから形成されたグラフトホルダ内のグラフト受容チャネルの外壁を画定することができる。離間配置要素はまた、グラフト受容チャネルを通って延在するグラフトの一部を保持するように構成されてもよい。
【0052】
離間配置要素は、多様な構成を有してもよい。図2及び図3に図示されるように、支持レール102の第2の端部102bに隣接する支持レール102から延在する第1のリーフセグメント104aは、第1の離間配置要素126及び相補的な第2の離間配置要素128を有する。第1及び第2の離間配置要素126、128は、支持レール102の長手方向軸線Aに垂直な方向にリーフセグメント104aから延在し、第1及び第2の離間配置要素126、128は、リーフセグメント104aの屈曲部分110aの両側に配設されている。ホルダが形成される場合、第1及び第2の離間配置要素126、128は、嵌合するように構成されている。例えば、図示された実施形態において、第2の離間配置要素128は、第1の離間配置要素126に面する表面に3つの隆起部及び2つの溝を有し、第1の離間配置要素126は、第2の離間配置要素128に面する表面に2つの隆起部及び1つの溝を有する。図4に図示されるように、リーフセグメントが屈曲し、第1及び第2の離間配置要素126、128がより近くにくっつくと、第1の離間配置要素126の溝は、第2の離間配置要素128の中間隆起部を溝の中に受容する。
【0053】
この例では、第1及び第2の離間配置要素126、128は、第2の離間配置要素128がより大きい表面を有するように大きさが異なる。しかしながら、記載された手法は、第1及び第2の離間配置要素126、128の任意の特定の構成に限定されるわけではないことを理解されたい。このように、離間配置要素は、他の大きさ及び構成であってもよく、他の多様な方法で嵌合するように構成されてもよい。
【0054】
グラフト調製ホルダ100は、他の離間配置要素を有してもよい。このように、図2及び図3に図示されるように、支持レール102の第1の端部102aに隣接する支持レール102から延在するリーフセグメント104eは、第3の離間配置要素130及び相補的な第4の離間配置要素132を有する。第3及び第4の離間配置要素130、132は、長手方向軸線Aに垂直な方向に最後のリーフセグメント104eからから延在し、第3及び第4の離間配置要素130、132は、最後のリーフセグメント104eの屈曲部分110eの両側に配設される。第3及び第4の離間配置要素130、132は、多様な構成、例えば、本実施形態において記載されるように、実質的に同一の構成及び大きさを有する突起の形態であってもよい。図4に図示されるように、ホルダ200は、グラフト受容チャネル202を形成するために、第1及び第2の離間配置要素126、128がホルダ200の一方の端部で嵌合し、第3及び第4の離間配置要素130、132がホルダ200の他方の反対側の端部で嵌合するように形成される。リーフセグメントのうち1つ又は2つ以上が他の種類の離間配置要素を追加的に又は代替的に有することを当業者は理解するだろう。また、リーフセグメントのうち1つ又は2つ以上は、グラフト保持構成において、ホルダの形成を容易にする他の要素を有してもよい。
【0055】
上で論考されるように、図1図3におけるグラフト調製ホルダ100などのグラフト調製ホルダを使用して、グラフトに送達される縫合糸を取り外し可能に担持するためのグラフトホルダ構成体を形成することができる。図5A及び図5Bは、グラフト調製ホルダ100と、縫合糸アセンブリであって、縫合糸スパイン302と、縫合糸から形成され、縫合糸スパイン302に沿って長手方向に離間配置した、複数の巻線304と、を含む、縫合糸アセンブリと、から形成された、グラフトホルダ構成体300を示す。縫合糸スパイン302は、支持レール102の長手方向軸線Aに沿って細長い支持レール102に隣接して取り外し可能に据え付けられている。巻線304のそれぞれは、(例えば、スパイン302を通過することによって)スパイン302に連結し、隣接するリーフセグメント104間を取り外し可能に通過し、その結果、巻線は、隣接するリーフセグメント104間のスロット106a、106b、106c、106d内に保持される。上で示されたように、スロットは、スロットの構成により(例えば、縫合糸を挟むことによって)スロットの中に配設された縫合糸の巻線を保持することができる。縫合糸がグラフト調製ホルダ100上に組み付けられた後、支持パネルは、リーフセグメントに嵌合される。結果として生じるグラフト調製ホルダは、任意の好適な大きさであってもよい。例えば、グラフト調製ホルダは、長さおよそ30mm、幅およそ15mmであってもよい。しかしながら、当業者が理解するように、グラフト調製ホルダは、他の好適な長さ及び幅を有してもよい。
【0056】
グラフトホルダ構成体300は、縫合糸306をグラフトホルダ100に連結することによって形成することができる。(図示されない)アセンブリシステムを使用して、縫合糸306をグラフトホルダ100に連結して、グラフトホルダ構成体300を組み立てることができる。アセンブリシステムを使用して、元来の構成におけるグラフト調製ホルダ100(図1図3)を取り外し可能に保持することができる。具体的には、グラフト調製ホルダ100は、連結されてもよく、ないしは別の方法で、図1図3に図示されるように延在する支持パネル114a、114を有するアセンブリを伴ってもよい。細長い縫合糸スパイン302は、支持レール102に隣接して据え付けられてもよく、図5Aに図示されるように、スパイン302の第1及び第2の端部302a、302bは、支持レール102の第1及び第2の端部102a、102bに隣接する。縫合糸スパイン302は、1つ又は2つ以上の好適な保持機構を使用して、ホルダ100を伴って保持され得る。例えば、図示された例において、図1図3において図示されるように、リーフセグメント104のうちリーフセグメント104eは、縫合糸スパインを取り外し可能に保持するように構成されたクリート105を有する。ホルダ100の中にスパイン及び/又巻線を取り外し可能に保持するために、任意の他の保持機構がホルダ100上に追加的に又は代替的に形成されてもよい。
【0057】
スパイン302は任意の好適な長さであってもよいことを当業者理解するだろう。図5A及び図5Bに図示した例において、スパイン302は、支持構造体がリーフセグメントと嵌合した後に形成されたホルダとおよそ同一の長さを有するか、又はホルダを越えてわずかに延在してもよい。
【0058】
縫合糸306は、針又は他の縫合糸通過要素に連結されてもよく、縫合糸306は、スパイン302を通過することができ、スパインの第2の端部302bから出発する。このように、縫合糸306の第1の尾部307aは、支持レール102の第2の端部102bに隣接してホルダから延在する。組み付け中、スパイン302は、支持レール102に沿って据え付けられてもよく、縫合糸306がスロット106a、106b、106c、106dの円形部分107a、107b、107c、107dを通過すると、縫合糸306はそれによってスパイン302を通過する。
【0059】
いくつかの実施形態では、縫合糸306は、所望の様式でホルダに装着された2つのパス(pass)において、グラフト調製ホルダ100を通過してもよく、グラフト調製ホルダ100の周囲を通過してもよい。第1のパスにおいて、縫合糸306は、円形部分107a、107b、107c、107dのそれぞれを通過し、リーフセグメントの内側表面に沿ってリーフセグメントのそれぞれの長さを横断し、スロット106a、106b、106c、106dのそれぞれの部分を通過し、その後、リーフセグメントの外側表面に沿って隣接するリーフセグメントの長さを横断し、最後に、次の円形部分を連続的に通過する。離間配置機構(例えば、ロッド又は他の要素)は、縫合糸がスロットの中へ落ちることを防ぐためにアセンブリ構造体を伴って使用されてもよい。例えば、取り外し可能なロッドを使用して、縫合糸をリーフセグメントの末端部に近接して保持することができる。巻線がホルダの周囲に生成される間、離間配置機構により、縫合糸に張力を付与することができる。ロッドは、アセンブリ構造体内の適切な開口に取り外し可能に挿入されてもよく、ないしは別の方法で、アセンブリ構造体と一時的に連結されてもよい。
【0060】
巻線304が外側表面から離間配置されるように、縫合糸装着中、離間配置機構(例えば、ロッド又は他の要素)をまた使用して、リーフセグメントの外側表面からある距離で縫合糸306を保持することができる。離間配置機構の特定の構成にかかわらず、かかる機構により、均一に巻線を形成することができるので、巻線は、およそ同一の長さを有し、グラフトをチャネルに通過させるために適切な大きさを有する縫合糸「チャネル」を一緒に形成することができる。例えば、多様な離間配置機構(例えば、異なる直径のロッド)を使用して、直径約3mm〜約12mmの範囲のグラフトに適切な巻線を生成するために、グラフト調製ホルダに関連させて縫合糸を離間配置することができる。しかしながら、当業者は、離間配置機構又は(アセンブリ構造体伴うか、又は伴わないかのいずれか一方の)他の要素を使用して、任意の大きさのグラフトのためのホルダに取り外し可能に連結される巻線を生成することができることを理解するだろう。
【0061】
上で論考されるように、使用されるアセンブリ構造体及び離間配置要素の構成に関わらず、巻線は、巻線がグラフトに適合するように、かつホルダから取り外し可能となるようにグラフト調製ホルダの周囲に生成される。
【0062】
縫合糸装着処置の第1のパスの後、縫合糸の巻線は、スパイン302の第2の端部302bから第1の端部302aへ、スパイン302に沿って、グラフト調製ホルダ100の周囲に形成される。このように、縫合糸306は、スパイン302の第1の端部302aから延在する。
【0063】
縫合糸装着処置の第2のパスにおいて、縫合糸306は、スパイン302の第1の端部302aからスパイン302の第2の端部302bへ、同様であるが、反対方向に、スパイン302を通って、グラフト調製ホルダ100の周囲を通過する。したがって、縫合糸は、スロット106d、106c、106b、106aの円形部分107d、107c、107b、107aをこの順番で通過する。第1のパスにおいて記載されたように、縫合糸は、円形部分を通過し、スパイン302を通過する。第2のパスの間、アセンブリ構造体の離間配置要素は、グラフト調製ホルダ100を伴い続けて、図5Aに図示されるように、所望の様式で離間配置し、スロットの中に保持された、均一の巻線を生成させることを支援する。縫合糸装着処置の第2のパスの間、図5Aに図示されるように、巻線は、巻線が第1のパスにおいて生成された巻線と一緒に、リーフセグメントの内側表面に沿って、十字交差様パターンを形成するように形成される。巻線が形成される際、縫合糸306がスパイン302の第2の端部302bに到着した後で、縫合糸306の第2の尾部307bは、支持レール102の第2の端部102bに隣接して延在する。このように、第1及び第2の尾部307a、307bは、図5Aに図示されるように、互いに隣接して配設される。
【0064】
巻線304は、巻線304が、スパイン302に連結されることによって、かつ隣接するリーフセグメント間のスロットの中で保持されることによって、グラフト調製ホルダ100を伴って取り外し可能に保持されるように形成される。巻線304は、スロットの構成及びグラフト調製ホルダの構成によりスロット内で保持される。具体的には、巻線が完了した後、支持パネル114a、114bは、連結部分116a、116bにおいて屈曲し、「折れ曲がる」ので、パネルの内側表面は、リーフセグメント104の外側表面に近接する。その後、支持パネル114a、114bは、リーフセグメントに嵌合して、適正な構成で縫合糸の巻線を維持し、グラフト調製ホルダから巻線が早期に解放されないよう防ぐ。支持パネル114a、114bは、リーフセグメントに安定性を提供するので、セグメントは、グラフト構成体の使用中、曲がらず、又は互いに対して移動しない。
【0065】
上で示されたように、それぞれのリーフセグメント104は、第1及び第2の支持パネル114a、114bの内側表面118i、120i上に形成された少なくとも1つの相補的な第2の嵌合機構と嵌合するように構成された少なくとも1つの第1の嵌合機構を有する。例えば、図示された実施形態において記載されるように、リーフセグメント104のそれぞれは、支持パネル114a、114b上に形成された相補的な雄型部材と嵌合するように構成された雌型受容部を有する。図5Aに図示されるように、支持パネル114a、114b上に形成された雄型部材124b、124c、124d(雄型部材124aは見えない)は、リーフセグメント104eに形成された(図5Aに標識されない)相補的な雌型受容部と嵌合する。図示された例において、支持パネル114a、114bは、同一の嵌合機構を使用して、他のリーフセグメント104a、104b、104c、104dと嵌合する。しかしながら、記載された手法は、この点において非限定的であるので、支持パネル及びリーフセグメントは、他の多様な機構を使用して嵌合することができることを当業者は理解するだろう。別の変形例として、2種以上の第1の嵌合機構及び2種以上の第2の嵌合機構が使用されてもよい。
【0066】
図5Bは、縫合糸スパイン及び巻線がホルダ100に連結され、支持パネル114a、114bがリーフセグメント104に嵌合された場合の、図示された支持パネル114a、114bの外側表面118o、120oを有して形成されたグラフトホルダ構成体300を示す。支持パネル114a、114bは、リーフセグメントのほぼ中点の両側に配設される。
【0067】
任意の好適な材料を含む縫合糸が、記載されたグラフト調製手法のために使用することができる。いくつかの実施形態では、巻線を形成する縫合糸306及びスパイン302を形成する縫合糸は、多様な外科用縫合糸を含み、典型的には、DePuy Mitekから市販されているOrthocord(商標)縫合糸、Ethiconから入手可能なEthibond(商標)縫合糸などの、サイズ0〜サイズ5を含む。いくつかの実施において、サイズ2の縫合糸が使用することができる。Orthocord(商標)縫合糸は、約55〜65パーセントが生体吸収性のPDS(商標)ポリジオキサノンであり、残りのパーセントが超高分子量のポリエチレンであり、Ethibond(商標)縫合糸は、主に高強度のポリエステルである。縫合糸はまた、高分子量(High-Molecular Weight:HMW)ポリエチレン縫合糸又は共ブレード(co-braid)(例えば、単繊維ポリプロピレン、ナイロン、又は他の共ブレード)を有するHMWポリエチレン縫合糸を含む。いくつかの実施形態では、例えば、Ethiconから入手可能なMonocryl(登録商標)などのモノフィラメント縫合糸が利用されてもよい。別の例として、やはりEthiconから入手可能なVicryl(登録商標)(90%のグリコリド及び10%のL−ラクチドから製造されるコポリマー)などの吸収性縫合糸が使用されてもよい。縫合糸は、特定の外科処置及び/又は外科医の嗜好によって決まり得る任意の好適な量及び種類の生体吸収性材料を含んでもよい。
【0068】
記載された手法と共に使用される(複数の)縫合糸は、縫合糸の一部が縫合糸自身に糸通しをされるのに適切な厚さ及び構造を有してもよい。縫合糸は、縫合糸が貫通されても、縫合糸の十分な強度及び構造的一体性を維持することができるように、(例えば、編組むこと、織ること、編織ること、絡ませることを使用して、かつ/又は任意の他の手法を使用して)好適に組み合わせることができる複数の縫い糸を有してもよい。
【0069】
本明細書において使用される場合、グラフトホルダ構成体300は、屈曲可能なグラフト調製ホルダ100と、縫合糸スパイン302に連結された巻線304を有する縫合糸スパイン302を含む縫合糸アセンブリと、を備える。図5Bに図示されるように、縫合糸306の尾部307a、307bは、構成体300の凹部115a(図2)から延在する。使用中、グラフトは、外科医によって図5A及び図5Bに図示するようなグラフトホルダ構成体300の中に置かれて、グラフトを補強し、グラフト及び縫合糸アセンブリを含む構成体を生成する。図6A図6Eは、グラフト600へグラフトホルダ構成体300を送達し、グラフト600の上に縫合糸アセンブリ602を固着させる方法の一実施形態を示す。縫合糸アセンブリ602は、図5A及び図5Bに図示されるスパイン302及び巻線304などの、スパインと、スパインに連結された巻線と、を含む。
【0070】
グラフト600は、既知のグラフト調製手法を使用して調製することができる靭帯グラフトであってもよい。グラフト600は、病変若しくは損傷している靭帯を有する患者(「自家移植片」)からか、又はドナー(「同種移植片」)からかいずれか一方で得ることができる。グラフト600は、1つ又は2つ以上の腱ストランド(tendon strand)又は他の種類のグラフトを含み得る。グラフト600は、記載された手法により、グラフトに縫合糸を固着する前に他の好適な方法で洗浄され、サイズ決めされ、加工されてもよい。
【0071】
図6Aに図示されるように、グラフトホルダ構成体300は、グラフト600の近位端600pに隣接するグラフト600の一部の上に最初に配設することができる。グラフトの遠位部分600dもまた、図6Aに示されている。しかしながら、グラフト600の一部のみが図示され、グラフト600の実際の遠位端は、図6A図6Eに図示される遠位端より近位端600pから遠く離れて位置することを理解されたい。本明細書において使用される場合、「近位」端は、グラフト600を調製する外科医の手に最も近いグラフト600の端部として規定することができる。「遠位」部分又は「遠位」端は、例えば、(図示されない)好適なグラフト調製機器を使用して固定することができるグラフト600の反対端として規定することができる。あるいは、場合によっては、グラフト600の遠位端は、グラフト600が摘出されているドナーの部位に付着し続けてもよく、グラフト600は、その部位から分離されることなく再建手術のために調製される。
【0072】
図6Aは、事前展開構成においてグラフト600を伴った、図5A及び図5Bでも図示される、第1及び第2の端部300a、300bを有するグラフトホルダ構成体300を示す。グラフトホルダ構成体300は、屈曲可能な細長いホルダ100(図1図4)を備える。このように、グラフトホルダ構成体300の構成要素は、繰り返しを避けるために図6Aに関連して記載されない。更に、グラフトホルダ構成体300の構成要素のすべてが、図6Aで見られるわけではなく、標識されているわけではない。図6Aに図示されるように、グラフトホルダ構成体300は、グラフトの近位端600pに隣接するグラフト600の一部の周囲に位置づけることができる。図示された例において、近位端600pを、グラフトホルダ構成体300の第2の端部300bからグラフト受容チャネル604に至るまで通過させることによって、グラフト600は、リーフセグメント104の内側表面によって画定されているグラフト受容チャネル604を通過される。グラフトホルダ構成体300は、グラフト600の端部に隣接して位置づけられる。図6A図6Eに図示された例において、グラフトホルダ構成体300は、グラフト600の上にグラフトの近位端600pに隣接して位置づけられる。しかしながら、グラフト600の両端は、典型的には、靭帯再建又は他の処置のために調製されている。したがって、縫合糸がグラフトに固着されるときに近位端と称されたグラフト600の端部は、縫合糸がグラフトの反対端に適用されると、遠位端と称することができる。
【0073】
グラフトホルダ構成体300がグラフト600を伴った後、屈曲可能なグラフト調製ホルダ100は、事前展開構成からグラフト保持構成へその構成を変えるように操作される。具体的には、上で示されたように、グラフト調製ホルダ100は、リーフセグメントを屈曲させるように操作されるので、リーフセグメントは、円弧様形状をなし、リーフセグメントの取り付け端部及び末端部は、グラフト受容チャネル604を画定するホルダを形成するために、互いにより近接する。かかるホルダの一例は、説明の目的だけのために、ホルダ200として、縫合糸アセンブリを有さずに図4に図示されている。
【0074】
グラフト保持構成におけるグラフト調製ホルダ構成体300は、図6Bに図示されている。リーフセグメントが少なくともリーフセグメントの屈曲部分に沿って屈曲すると、すなわち、例えば、外科医の手が図6Bに図示されるようにグラフト調製ホルダ100を「掴む」と、ほぼ円筒状構成を有するグラフト受容チャネル604が形成される。グラフトホルダ構成体300は、グラフトクランプ締め送達システムとして機能する。支持パネル又は(複数の)他の支持構造体は、十分な剛性をホルダに提供するので、不要な変形を引き起こす危険性を有することなく、ホルダをしっかり把持することができる。上述したように、支持パネルの外側表面(又は追加的に若しくは代替的に使用される場合、他の支持構造体)は、ユーザの手によって容易に支持構造体を把持することができる表面形状を有することができる。
【0075】
グラフト保持構成において、グラフト調製ホルダ100の第1及び第2の離間配置要素126、128は、離間配置要素間でグラフト600をクランプ締めするためにくっつけられる。グラフト600が、外科医の片方の手によって保持され、グラフトホルダ構成体300を伴ってこのような方法に保たれているときに、外科医の他方の手は、縫合糸306の第1及び第2の尾部307a、307bを保持することができる。このように、ただ1人のユーザによって縫合糸アセンブリをグラフトへ送達することができ、これにより、縫合糸送達プロセスを非常に簡潔かつ簡易にすることができる。更に、グラフトがクランプ締めされるので、止血鉗子又は他の同様の器具などの更なるクランプ締め用器具に対する必要性を削減又は排除することができる。
【0076】
その後、尾部307a、307bは、操作され、例えば、構成体300から離れる方向に、すなわち、図6Bの矢印610によって図示される方向に、外科医に向かって近位に引き抜かれる。尾部307a、307bが引き抜かれると、縫合糸アセンブリ602の巻線は、ホルダ100から分離し、図6Cに図示されるように、グラフト600の一部に固着する。尾部307a、307bは、交互に引かれてもよく、縫合糸のそれぞれの部分によって形成された巻線は、その結果、交互に締め付けられる。しかしながら、実施形態が、グラフトの周囲の巻線を固定するための尾部307a、307bを操作する特定の方法に限定されないので、尾部307a、307bは、代替的に又は追加的に同時に引き拔かれてもよい。
【0077】
縫合糸の尾部が上述されたように適切に操作されると、巻線は、ホルダ100に取り外し可能に連結され、ホルダから解放されるように構成されている。上で論考されるように、隣接するリーフセグメント間に形成されたスロット106a、106b、106c、106dは、十分に狭いので、巻線は、張力が縫合糸の尾部307a、307bに付与されて、巻線がスロットを貫通し、この結果、リーフセグメントから分離するまで、スロット内で保持される。図3に戻って、図示された例において、スロット106c及び106dは、リーフセグメント104d、104eの末端部に向かって円形部分107c、107dから延在する広めの細長い部分109a、109bを有する。外科医が縫合糸の尾部を引き抜いて、巻線をホルダから分離すると、それによって巻線に付与された負荷が増大し、細長い部分109a、109bは、より有利な角度で縫合糸の尾部を引き抜くことができる。しかしながら、上述するように、記載された手法は、スロットの任意の特定の構成に限定されるわけではなく、他の機構を使用して、ホルダ上の巻線の保持及びその後のホルダからの巻線の分離を容易にすることができることを理解されたい。
【0078】
巻線は、グラフト600を貫通することなく、グラフト600の一部の周囲に固定され、グラフトの一部の長さに沿って離間配置される。巻線304がホルダ100から分離されると、外科医は、図6Cに図示されるようにグラフト受容チャネル604を維持するようにホルダ100を保持し続ける。巻線のすべてがグラフト600に固着されるまで、縫合糸スパイン302は、ホルダ100を伴った状態を維持することができる。その後、ホルダ100の構成は、ホルダ100を「広げる」ように再構成され得るので、図6Dに図示されるように、グラフト受容チャネルをもはや形成しない。その後、縫合糸アセンブリ602をホルダ100から分離することができ、スパイン302及び巻線304は、図6Eに図示されるように、グラフト600に固着する。
【0079】
図示された実施形態は、靭帯再建手術のための前十字靭帯又は後十字靭帯を調製するための手法を提供するが、その手法は、他の靭帯の調製にも同様に適応することができることを理解されたい。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 長手方向軸線と、第1及び第2の端部と、を有する、細長い支持レールと、
離間配置した関係で該長手方向軸線に沿って位置付けられ、該支持レールから横方向に延在している、複数のリーフセグメントと、を備え、
それぞれのリーフセグメントは、該支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有し、
それぞれのリーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの該取り付け端部と該末端部との間に配設された屈曲部分において屈曲可能であり、
それぞれのリーフセグメントは、内側表面及び外側表面を有し、該リーフセグメントの少なくとも該屈曲部分に沿って屈曲してグラフト保持構成となるように構成され、該グラフト保持構成では、該リーフセグメントの該末端部が、該リーフセグメントの該取り付け端部に近接して、該リーフセグメントの該内側表面によって画定されるグラフト受容チャネルを有するホルダを形成する、グラフト調製ホルダ。
(2) 前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記支持レールから延在する第1のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に平行な方向に前記第1のリーフセグメントから延在する第1及び第2の支持パネルを有し、該第1及び第2の支持パネルは、該第1のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設され、該第1及び第2の支持パネルのそれぞれは、連結部分を介して、該第1のリーフセグメントに連結され、該第1及び第2の支持パネルはそれぞれ、内側表面及び外側表面を有し、該連結部分のあたりで屈曲するように構成され、該支持パネルの該内側表面は、前記グラフト保持構成において、前記リーフセグメントの前記外側表面と嵌合する、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
(3) それぞれのリーフセグメントは、前記第1及び第2の支持パネルの前記内側表面に形成された相補的な第2の嵌合機構と嵌合するように構成されている少なくとも1つの第1の嵌合機構を有する、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
(4) 前記少なくとも1つの第1の嵌合機構は、少なくとも1つの雌型受容部を含み、前記少なくとも1つの第2の嵌合機構は、少なくとも1つの雄型部材を含む、実施態様3に記載のグラフト調製ホルダ。
(5) 前記屈曲部分は、一体丁番である、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
【0081】
(6) 前記細長い支持レールは、縫合糸スパインに連結された複数の巻線を有する縫合糸スパインを前記細長い支持レールに隣接して据え付けるように構成されている、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
(7) 前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記支持レールから延在する前記第1のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に垂直な方向に前記第1のリーフセグメントから延在する第1の離間配置要素及び相補的な第2の離間配置要素を有し、該第1及び第2の離間配置要素は、前記第1のリーフセグメントの前記屈曲部分の両側に配設されている、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
(8) 前記ホルダが形成される際、前記第1及び第2の離間配置要素が嵌合するように構成されている、実施態様7に記載のグラフト調製ホルダ。
(9) 前記支持レールの前記第1の端部に隣接して前記支持レールから延在する、最後のリーフセグメントは、前記長手方向軸線に垂直な方向に該最後のリーフセグメントから延在する第3の離間配置要素及び相補的な第4の離間配置要素を有し、該第3及び第4の離間配置要素は、該最後のリーフセグメントの屈曲部分の両側に配設されている、実施態様1に記載のグラフト調製ホルダ。
(10) グラフト受容構成を有するグラフトホルダを備え、該グラフトホルダは、
長手方向軸線と、第1及び第2の端部と、を有する、細長い支持レールと、
離間配置した関係で該長手方向軸線に沿って位置づけられ、該支持レールから横方向に延在する、複数の可撓性リーフセグメントと、
該長手方向軸線に沿って該支持レールに隣接して取り外し可能に据え付けられる縫合糸スパインと、
縫合糸から形成され、該縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置される複数の巻線であって、それぞれの巻線は、該スパインに連結し、隣接するリーフセグメント間を取り外し可能に通過する、複数の巻線と、を備え、
それぞれのリーフセグメントは、該支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有し、
該グラフトホルダがグラフト保持構成となって、該リーフセグメントの該末端部及び該リーフセグメントの該取り付け端部を互いにより近接して位置づけて、グラフト受容チャネルを画定する際に、該リーフセグメントは、円弧様形状をなすように屈曲する、グラフトホルダ構成体。
【0082】
(11) 前記グラフト調製ホルダが前記グラフト保持構成になる際に、前記グラフト受容チャネルは、前記グラフト受容チャネルの中でグラフトを受容及び保持するように構成されている、実施態様10に記載のグラフトホルダ構成体。
(12) 前記複数の巻線を形成する前記縫合糸は、前記支持レールの前記第2の端部に隣接して前記縫合糸スパインから延在し、前記グラフトが前記グラフト受容チャネル内に位置づけられる際に前記複数の巻線を前記グラフトに固着させるために引き抜かれるように構成されている、少なくとも1つの末尾部を有する、実施態様10に記載のグラフトホルダ構成体。
(13) 前記巻線は、前記グラフト受容チャネルの内側表面に沿う十字交差パターンを形成する、実施態様10に記載のグラフトホルダ構成体。
(14) 前記複数のリーフセグメントに連結された少なくとも1つの支持構造体を更に含む、実施態様10に記載のグラフトホルダ構成体。
(15) 前記少なくとも1つの支持構造体は、前記リーフセグメントの外側表面に嵌合する第1及び第2の支持パネルを含み、該第1及び第2の支持パネルは、互いに隣接し、該リーフセグメントのほぼ中点の両側に配設されている、実施態様14に記載のグラフトホルダ構成体。
【0083】
(16) 外科処置のためのグラフトを調製する方法であって、
該グラフトの一部の周囲にグラフトホルダ構成体を位置づけることであって、該グラフトホルダ構成体は、
長手方向軸線並びに第1及び第2の端部を有する細長い支持レールと、離間配置した関係で該長手方向軸線に沿って位置づけられ、該支持レールから横方向に延在する、複数の可撓性リーフセグメントと、を含む、屈曲可能な細長いホルダと、
該ホルダに取り外し可能に連結された縫合糸アセンブリであって、該細長い支持レールに隣接して位置づけられた縫合糸スパインと、該縫合糸スパインに沿って長手方向に離間配置され、該スパインに連結され、該リーフセグメント間に形成された横方向のスロットを通過する、複数の巻線と、該縫合糸スパインから延在する縫合糸末尾部と、を備える、縫合糸アセンブリと、を備える、ことと、
該リーフセグメントによって形成されたグラフト受容チャネルを画定し、該グラフトの該一部の周囲に該グラフトホルダ構成体を固定するように、該屈曲可能な細長いホルダの構成を変更することと、
該複数の巻線が、該グラフトを貫通することなく、該グラフトの該一部の周囲に固定され、該巻線が、該グラフトの該一部の長さに沿って離間配置されるように、該末尾部を引き抜いて該縫合糸アセンブリを該グラフトの該一部に固着させることと、を含む、方法。
(17) 前記グラフトホルダ構成体は、前記巻線が前記グラフトの前記一部の周囲に固定されると、前記細長いホルダが前記縫合糸アセンブリから分離するように構成されている、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記グラフト受容チャネルを画定するように、前記屈曲可能な細長いホルダの構成を変更することは、それぞれのリーフセグメントを屈曲させることを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) それぞれのリーフセグメントは、前記支持レールにおける取り付け端部と、反対側の末端部と、を有し、
それぞれのリーフセグメントは、それぞれのリーフセグメントの該取り付け端部と該末端部との間に配設された屈曲部分において屈曲可能であり、
前記方法は、該リーフセグメントの該末端部が該リーフセグメントの該取り付け端部に近接するように、それぞれのリーフセグメントを少なくとも該リーフセグメントの該屈曲部分に沿って屈曲させることによって、前記屈曲可能な細長いホルダを形成することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記グラフトホルダ構成体を前記グラフトの前記一部の周囲に固定することは、末端のリーフセグメントから延在する第1のスペーサと第2のスペーサとの間に前記グラフトの前記一部を保持することを含む、実施態様16に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E