【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人 科学技術振興機構「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」「無充電で長期間使用できる究極のエコIT機器の実現」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)〜
図1(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
実施形態に係る磁気記憶装置110aは、導電部材41、磁性素子15及び制御部70を含む。
【0009】
導電部材41は、第1部分41a、第2部分41b及び第3部分41cを含む。第3部分41cは、第1部分41aと第2部分41bとの間に設けられる。
【0010】
磁性素子15は、第1磁性層11、半導体層31、導電層21、第2磁性層11c、及び、非磁性層11nを含む。半導体層31は、第1磁性層11と第3部分41cとの間に設けられる。導電層21は、第1磁性層11と半導体層31との間に設けられる。第2磁性層11cは、第1磁性層11と導電層21との間に設けられる。非磁性層11nは、第1磁性層11と第2磁性層11cとの間に設けられる。例えば、導電層21は、第1磁性層11と接する。導電層21は、半導体層31と接する。
【0011】
第1磁性層11、第2磁性層11c及び非磁性層11nは、積層体11sに含まれる。
【0012】
第2磁性層11cから第1磁性層11への向きをZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。
【0013】
導電部材41において、第1部分41aから第2部分41bへの方向は、例えば、Z軸方向と交差する。この例では、第1部分41aから第2部分41bへの方向は、X軸方向に沿う。
【0014】
制御部70は、第1部分41a、第2部分41b及び第2磁性層11cと電気的に接続される。例えば、制御部70は、配線70aにより、第1部分41aと電気的に接続される。例えば、制御部70は、配線70bにより、第2部分41bと電気的に接続される。例えば、制御部70は、配線70cにより、第1磁性層11と電気的に接続される。
【0015】
この例では、配線70aの電流経路上に第1スイッチSW1が設けられている。配線70bの電流経路上に第2スイッチSW2が設けられている。配線70cの電流経路上に第3スイッチSW3が設けられている。これらのスイッチは、必要に応じて設けられ、省略されても良い。これらのスイッチの動作は、例えば制御部70により、制御される。以下の説明において、上記の第1〜第3スイッチSW1〜SW3は、オン状態(導通状態)である。
【0016】
制御部70の動作により、磁性素子15の電気抵抗が変化する。制御部70の動作により、例えば、積層体11sの電気抵抗が変化する。
【0017】
1つの例において第1磁性層11の磁化の向きは、実質的に固定される。第2磁性層11cの磁化の向きは、第1磁性層11の磁化の向きよりも変化し易い。例えば、制御部70の動作により、第2磁性層11cの磁化の向きが変化すると、第1磁性層11の磁化の向きと、第2磁性層11cの磁化の向きと、の間の角度が変化する。これは、磁気抵抗効果に基づく。第1磁性層11は、例えば、参照層である。第2磁性層11cは、例えば、磁化自由層である。
【0018】
例えば、導電層21に電流が流れると、この電流により、第2磁性層11cにおいて、導電層21からスピン軌道トルクの作用が生じると考えられる。スピン軌道トルクの作用により、第2磁性層11cの磁化の向きが制御できる。
【0019】
1つの例において、導電層21は、例えば、Ta、W、Pt及びAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの材料において、スピン軌道トルクが得られる。
【0020】
導電層21に流れる電流により、磁性素子15(または積層体11s)における電気抵抗に、複数の状態が形成できる。電気抵抗における複数の状態が、磁性素子(または積層体11s)に記憶される記憶状態に対応する。
【0021】
例えば、高抵抗状態が、「1」及び「0」の一方に対応する。例えば、低抵抗状態が、「1」及び「0」の他方に対応する。磁性素子15(または積層体11s)は、1つのメモリセルに対応する。
【0022】
磁気記憶装置110aの例では、半導体層31は、n形半導体領域31n及びp形半導体領域31pを含む。p形半導体領域31pは、n形半導体領域31nと導電層21との間に設けられる。
【0023】
制御部70は、第1動作OP1、第2動作OP2、第3動作OP3及び第4動作OP4を実施する(
図1(a)〜
図1(d)参照)。
【0024】
図1(a)に示すように、第1動作OP1において、制御部70は、第1部分41aを第1電位V1に設定し、第2部分41bを第2電位V2に設定し、第1磁性層11を第3電位V3に設定する。これにより、制御部70は、磁性素子15を第1記憶状態に書き込む。第1電位V1は、第2電位V2よりも高い。第1記憶状態において、磁性素子15(または積層体11s)の電気抵抗は、第1抵抗R1である。
【0025】
第1動作OP1において、第1導電部材41を第1電流I1が流れる。第1電流I1は、第1部分41aから第2部分41bへの向きを有する。
【0026】
この例において、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第3電位V3は、半導体層31において、順バイアスとなる。半導体層31の抵抗は、低い。これにより、第1電流I1の一部が、導電層21に流れる。導電層21に流れる電流の向きは、第1電流I1の向きと同じである。導電層21に流れる電流により、第2磁性層11cの磁化の向きが、この電流に応じた向きになる。これにより、第1記憶状態が形成できる。
【0027】
図1(b)に示すように、第2動作OP2において、制御部70は、第1部分41aを第4電位V4に設定し、第2部分41bを第5電位V5に設定し、第1磁性層11を第6電位V6に設定する。これにより、制御部70は、磁性素子15を第2記憶状態(第2抵抗R2)に書き込む。第2記憶状態は、第1記憶状態とは異なる。第2記憶状態において、磁性素子15(または積層体11s)の電気抵抗は、第2抵抗R2である。第2記憶状態における磁性素子15の電気抵抗(第2抵抗R2)は、第1記憶状態における電気抵抗(第1抵抗R1)とは異なる。第4電位V4は、第5電位V5よりも低い。
【0028】
第2動作OP2において、第1導電部材41を第2電流I2が流れる。第2電流I2は、第2部分41bから第1部分41aへの向きを有する。
【0029】
この例において、第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第6電位V6は、半導体層31において、順バイアスとなる。半導体層31の抵抗は、低い。これにより、第2電流I2の一部が、導電層21に流れる。導電層21に流れる電流の向きは、第2電流I2の向きと同じである。導電層21に流れる電流により、第2磁性層11cの磁化の向きが、この電流に応じた向きになる。これにより、第2記憶状態が形成できる。
【0030】
第5電位V5は、第1電位V1と同じでも良く、第1電位V1と異なっても良い。第4電位V4は、第2電位V2と同じでも良く、第2電位V2と異なっても良い。第6電位V6は、第3電位V3と同じでも良く、第3電位V3と異なっても良い。
【0031】
図1(c)に示すように、第3動作OP3において、制御部70は、第1部分41aを第1電位V1に設定し、第2部分41bを第2電位V2に設定し、第1磁性層11を第7電位V7に設定する。この例において、第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第7電位V7は、第1電位V1と同じでも良い。第7電位V7は、第1電位V1よりも低く、第2電位V2よりも低くても良い。第3動作OP3において、磁性素子15は、第3動作OP3の前の状態である。例えば、第3動作OP3において、磁性素子15は、第3動作OP3の前の状態を維持する。第3動作OP3の前の電気抵抗が、抵抗Rxであるとき、第3動作OP3の後の電気抵抗は、実質的に抵抗Rxである。
【0032】
例えば、第3動作OP3においても、導電部材41に第1電流I1が流れる。第3動作OP3においては、第7電位V7は、半導体層31において、逆バイアスとなる。例えば、半導体層31において、空乏層31Dが生じる。このため、導電部材41を流れる第1電流I1が、導電層21を流れることが抑制される。導電層21からの第2磁性層11cへの作用が実質的に生じない。このため、第2磁性層11cの状態は、実質的に変化しない。
【0033】
図1(d)に示すように、第4動作OP4において、制御部70は、第1部分41aを第4電位V4に設定し、第2部分41bを第5電位V5に設定し、第1磁性層11を第8電位V8に設定する。この例において、第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第8電位V8は、第5電位V5と同じでも良い。第8電位V8は、第4電位V4よりも低く、第5電位V5よりも低くても良い。第4動作OP4において、磁性素子15は、第4動作OP4の前の状態である。例えば、第4動作OP4において、磁性素子15は、第4動作OP4の前の状態を維持する。第4動作OP4の前の電気抵抗が、抵抗Rxであるとき、第4動作OP4の後の電気抵抗は、実質的に抵抗Rxである。
【0034】
例えば、第4動作OP4においても、導電部材41に第2電流I2が流れる。第4動作OP4においては、第8電位V8は、半導体層31において、逆バイアスとなる。例えば、半導体層31において、空乏層31Dが生じる。このため、導電部材41を流れる第2電流I2が、導電層21を流れることが抑制される。導電層21からの第2磁性層11cへの作用が実質的に生じない。このため、第2磁性層11cの状態は、実質的に変化しない。
【0035】
上記の第1動作OP1及び第2動作OP2は、例えば、アクティブ状態である。上記の第3動作OP3及び第4動作OP4は、例えば、ディアクティブ状態である。後述するように、複数のメモリセル(複数の磁性素子15)が設けられる場合において、選択メモリセルにおいて、第1動作OP1及び第2動作OP2のいずれかが実施される。非選択メモリセルにおいて、第3動作OP3及び第4動作OP4のいずれかが実施される。
【0036】
半導体層31の導通/非導通状態により、記憶動作が制御できる。実施形態によれば、安定した動作が可能な磁気記憶装置が提供できる。例えば、上記のスイッチの少なくとも一部を省略しても安定した動作が得られる。
【0037】
上記のアクティブ状態またはディアクティブ状態の切り替えにおいて、半導体層31における電導状態の作用に加え、例えば、電圧による磁気異方性変化の作用が生じても良い。
【0038】
上記のように、半導体層31が、上記のn形半導体領域31n及びp形半導体領域31pを含む場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0039】
図2(a)〜
図2(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置110bについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0040】
磁気記憶装置110bにおいて、半導体層31は、n形半導体領域31n及びp形半導体領域31pを含む。p形半導体領域31pは、n形半導体領域31nと導電部材41との間に設けられる。
【0041】
この場合も、制御部70は、第1〜第4動作OP1〜OP4を実施する(
図2(a)〜
図2(d)参照)。
【0042】
この場合は、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第1動作OP1により、第1記憶状態(第1抵抗R1の状態)が書き込まれる。第2動作OP2により、第2記憶状態(第2抵抗R2の状態)が書き込まれる。第3動作OP3及び第4動作OP4においては、前の状態が維持される。
【0043】
磁気記憶装置110a及び110bにおいて、半導体層31によりトンネルダイオードが形成されても良い。この場合、第3動作OP3及び第4動作OP4において、空乏層31Dが形成されなくても良い。以下に説明するp形半導体及びn形半導体を含む任意の構成において、トンネルダイオードが形成されても良い。
【0044】
図3(a)〜
図3(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置111aについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0045】
磁気記憶装置111aにおいて、半導体層31は、第1n形半導体領域31na及び第2n形半導体領域31nbを含む。第2n形半導体領域31nbは、第1n形半導体領域31naと導電層21との間に設けられる。第1n形半導体領域31naにおけるn形不純物の濃度は、第2n形半導体領域31nbにおけるn形不純物の濃度よりも高い。第1n形半導体領域31naは、高濃度n形領域31nHである。第2n形半導体領域31nbは、低濃度n形領域31nLである。
【0046】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0047】
図4(a)〜
図4(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置111bについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0048】
磁気記憶装置111bにおいて、半導体層31は、第1n形半導体領域31na及び第2n形半導体領域31nbを含む。第2n形半導体領域31nbは、第1n形半導体領域31naと導電層21との間に設けられる。第1n形半導体領域31naにおけるn形不純物の濃度は、第2n形半導体領域31nbにおけるn形不純物の濃度よりも低い。第1n形半導体領域31naは、低濃度n形領域31nLである。第2n形半導体領域31nbは、高濃度n形領域31nHである。
【0049】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0050】
図5(a)〜
図5(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置112aについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0051】
磁気記憶装置112aにおいて、半導体層31は、第1p形半導体領域31pa及び第2n形半導体領域31pbを含む。第2p形半導体領域31pbは、第1p形半導体領域31paと導電層21との間に設けられる。第1p形半導体領域31paにおけるp形不純物の濃度は、第2p形半導体領域31pbにおけるp形不純物の濃度よりも低い。第1p形半導体領域31paは、低濃度p形領域31pLである。第2p形半導体領域31pbは、高濃度p形領域31pHである。
【0052】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0053】
図6(a)〜
図6(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置112bについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0054】
磁気記憶装置112bにおいて、半導体層31は、第1p形半導体領域31pa及び第2p形半導体領域31pbを含む。第2p形半導体領域31pbは、第1p形半導体領域31paと導電層21との間に設けられる。第1p形半導体領域31paにおけるn形不純物の濃度は、第2p形半導体領域31pbにおけるp形不純物の濃度よりも高い。第1p形半導体領域31paは、高濃度p形領域31pHである。第2p形半導体領域31pbは、低濃度p形領域31pLである。
【0055】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0056】
上記の磁気記憶装置110a、110b、111a、111b、112a及び112bにおいて、第3動作OP3及び第4動作OP3において、例えば、空乏層31Dが形成される。これにより、ディアクティブ状態が得られる。
【0057】
上記の例では、半導体層31における順バイアス特性が用いられる。実施形態においては、半導体層31において強い逆バイアスが印加されても良い。これにより、例えばアバランシェ降伏が生じ、導通/非導通の制御が可能である。この場合には、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、上記と逆になる。実施形態において、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、任意に設定しても良い。
【0058】
図7(a)〜
図7(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置113aについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0059】
磁気記憶装置113aにおいて、半導体層31は、n形である。導電部材41の仕事関数は、導電層21の仕事関数よりも低い。
【0060】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0061】
図8(a)〜
図8(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置113bについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0062】
磁気記憶装置113bにおいて、半導体層31は、n形である。導電部材41の仕事関数は、導電層21の仕事関数よりも高い。
【0063】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0064】
磁気記憶装置113a及び113bにおいて、例えば、導電部材41と半導体層31との間の界面、または、半導体層31と導電層21との間の界面にショットキーバリアが形成される。このとき、上記のような仕事関数の関係と、上記のような電位の関係により、アクティブ状態とディアクティブ状態とを切り替えることができる。
【0065】
図9(a)〜
図9(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置114aについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0066】
磁気記憶装置114aにおいて、半導体層31は、p形である。導電部材41の仕事関数は、導電層21の仕事関数よりも低い。
【0067】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0068】
図10(a)〜
図10(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置114bについて、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
【0069】
磁気記憶装置114bにおいて、半導体層31は、p形である。導電部材41の仕事関数は、導電層21の仕事関数よりも高い。
【0070】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0071】
磁気記憶装置114a及び114bにおいて、例えば、導電部材41と半導体層31との間の界面、または、半導体層31と導電層21との間の界面にショットキーバリアが形成される。このとき、上記のような仕事関数の関係と、上記のような電位の関係により、アクティブ状態とディアクティブ状態とを切り替えることができる。
【0072】
上記の磁気記憶装置113a、113b、114a、及び114bにおいて、第3動作OP3及び第4動作OP3において、例えば、空乏層31Dが形成される。これにより、ディアクティブ状態が得られる。
【0073】
上記の例では、半導体層31と導電部材51との間、または、半導体層31と導電層21との間の界面に生じるショットキーバリアにおける順バイアス特性が用いられる。実施形態においては、強い逆バイアスが印加されても良い。これにより、例えばアバランシェ降伏が生じ、導通/非導通の制御が可能である。この場合には、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、上記と逆になる。実施形態において、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、任意に設定しても良い。
【0074】
(第2実施形態)
図11(a)〜
図11(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
実施形態に係る磁気記憶装置120aは、半導体部材51、磁性素子15及び制御部70を含む。
【0075】
半導体部材51は、第1部分51a、第2部分51b及び第3部分51cを含む。第3部分51cは、第1部分51aと第2部分51bとの間に設けられる。
【0076】
磁性素子15は、第1磁性層11、導電層21、第2磁性層11c及び非磁性層11nを含む。導電層21は、第1磁性層11と第3部分51cとの間に設けられる。第2磁性層11cは、第1磁性層11と導電層21との間に設けられる。非磁性層11nは、第1磁性層11と第2磁性層11cとの間に設けられる。
【0077】
この例においても、制御部70は、第1〜第4動作OP1〜OP4を実施する。
【0078】
図11(a)に示すように、第1動作OP1において、制御部70は、第1部分51aを第1電位V1に設定し、第2部分51bを第2電位V2に設定し、第1磁性層11を第3電位V3に設定する。これにより、制御部70は、磁性素子15を第1記憶状態(第1抵抗R1の状態)に書き込む。第1電位V1は、第2電位V2よりも高い。
【0079】
図11(b)に示すように、第2動作OP2において、制御部70は、第1部分51aを第4電位V4に設定し、第2部分51bを第5電位V5に設定し、第1磁性層11を第6電位V6に設定する。これにより、磁性素子15を第1記憶状態とは異なる第2記憶状態(第2抵抗R2の状態)に書き込む。第4電位V4は、第5電位V5よりも低い。
【0080】
図11(c)に示すように、第3動作OP3において、制御部70は、第1部分51aを第1電位V1に設定し、第2部分51bを第2電位V2に設定し、第1磁性層11を第7電位V7に設定する。磁性素子15は、第3動作OP3の前の状態である。例えば、磁性素子15は、第3動作OP3の前の状態を維持する。
【0081】
図11(d)に示すように、第4動作OP4において、制御部70は、第1部分51aを第4電位V4に設定し、第2部分51bを第5電位V5に設定し、第1磁性層11を第8電位V8に設定する。磁性素子15は、第4動作OP4の前の状態である。例えば、磁性素子15は、第4動作OP4の前の状態を維持する。
【0082】
磁気記憶装置120aにおいて、半導体部材51は、n形導電性を有する。
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、例えば、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、例えば、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0083】
第1動作OP1において、半導体部材51を第1電流I1が流れる。上記のような第3電位V3の印加により、第1電流I1の一部が、導電層21に流れる。これにより、第2磁性層11cの磁化が制御できる。
【0084】
第2動作OP2において、半導体部材51を第2電流I2が流れる。第2電流I2の向きは、第1電流I1の向きと逆である。上記のような第6電位V3の印加により、第2電流I2の一部が、導電層21に流れる。これにより、第2磁性層11cの磁化が制御できる。
【0085】
第3動作OP3及び第4動作OP4において、例えば、半導体部材51に空乏層51Dが形成される。これにより、第1電流I1または第2電流I2が導電層21を流れることが抑制される。これにより、第2磁性層11cの磁化の向きが実質的に変化しない。
【0086】
半導体部材51と導電層21との間における導通/非導通状態により、記憶動作が制御できる。実施形態によれば、安定した動作が可能な磁気記憶装置が提供できる。例えば、上記のスイッチの少なくとも一部を省略しても安定した動作が得られる。
【0087】
磁気記憶装置120aにおいて、第1動作OP1及び第2動作OP2は、例えば、アクティブ状態である。第3動作OP3及び第4動作OP4は、例えば、ディアクティブ状態である。アクティブ状態またはディアクティブ状態の切り替えにおいて、半導体層31における電導状態の作用に加え、例えば、電圧による磁気異方性変化の作用が生じても良い。
【0088】
図12(a)〜
図12(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
以下、磁気記憶装置120bについて、磁気記憶装置120aとは異なる部分について説明する。
【0089】
磁気記憶装置120bにおいては、半導体部材51は、p形導電性を有する。
【0090】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V8以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0091】
この場合も、半導体部材51と導電層21との間における導通/非導通状態により、記憶動作が制御できる。
【0092】
図13(a)〜
図13(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
以下、磁気記憶装置121aについて、磁気記憶装置120aとは異なる部分について説明する。
【0093】
磁気記憶装置121aにおいては、半導体部材51は、n形導電性を有する。磁性素子15は、p形の半導体層31(p形半導体領域31p)をさらに含む。この半導体層31は、第3部分51cと第2磁性層11cとの間に設けられる。磁気記憶装置121aにおいては、例えば、pn接合が形成される。
【0094】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、例えば、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、例えば、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0095】
このような電位の制御により、pn接合の導通/非道通が制御できる。例えば、第3動作OP3及び第4動作OP4において、空乏層51Dが形成される。半導体部材51を流れる電流が、導電層21に流れることが抑制される。
【0096】
図14(a)〜
図14(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
以下、磁気記憶装置121bについて、磁気記憶装置121aとは異なる部分について説明する。
【0097】
磁気記憶装置121bにおいては、半導体部材51は、p形導電性を有する。磁性素子15は、n形の半導体層31(n形半導体領域31n)をさらに含む。半導体層31は、第3部分51cと第2磁性層11cとの間に設けられる。磁気記憶装置121bにおいては、例えば、pn接合が形成される。磁気記憶装置121bにおけるpn接合の積層順は、磁気記憶装置121aのそれと逆である。
【0098】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V8以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0099】
図15(a)〜
図15(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
以下、磁気記憶装置122aについて、磁気記憶装置120aとは異なる部分について説明する。
【0100】
磁気記憶装置122aにおいては、半導体部材51は、n形部材領域51n及びp形部材領域51pを含む。p形部材領域51pは、n形部材領域51nと磁性素子15との間に設けられる。
【0101】
第1磁性層11に電圧が印加されていない場合、例えば、p形部材領域51pには空乏層51Dが形成されている(例えば、
図15(c)に例示する状態)。このとき、
図15(a)に示すように、第1磁性層11に正の電圧を印加することで、半導体部材51のうちの、磁性素子15と重なる部分において、空乏層51Dが局所的に消える(
図15(a)参照)。これにより、第1電流I1の一部が導電層21に流れる。これにより、情報の書き込みが実施できる。
【0102】
このように、この場合は、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、例えば、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、例えば、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0103】
図16(a)〜
図16(d)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
以下、磁気記憶装置122bについて、磁気記憶装置120aとは異なる部分について説明する。
【0104】
磁気記憶装置122bにおいては、半導体部材51は、p形部材領域51p及びn形部材領域51nを含む。n形部材領域51nは、p形部材領域51pと磁性素子15との間に設けられる。
【0105】
第1磁性層11に電圧が印加されていない場合、例えば、n形部材領域51nには空乏層51Dが形成されている(例えば、
図16(c)に例示する状態)。このとき、
図16(a)に示すように、第1磁性層11に正の電圧を印加することで、半導体部材51のうちの、磁性素子15と重なる部分において、空乏層51Dが局所的に消える(
図16(a)参照)。これにより、第1電流I1の一部が導電層21に流れる。これにより、情報の書き込みが実施できる。
【0106】
この場合は、第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V8以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0107】
上記において、半導体部材51を含む領域におけるpn接合における順バイアス特性が用いられる。実施形態においては、強い逆バイアスが印加されても良い。これにより、例えばアバランシェ降伏が生じ、導通/非導通の制御が可能である。この場合には、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、上記と逆になる。実施形態において、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、任意に設定しても良い。
【0108】
(第3実施形態)
図17(a)〜
図17(d)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
実施形態に係る磁気記憶装置130aは、半導体部材51、磁性素子15及び制御部70を含む。
【0109】
半導体部材51は、第1部分51a、第2部分51b及び第3部分51cを含む。第3部分51cは、第1部分51cと第2部分51bとの間に設けられる。
【0110】
磁性素子15は、第1磁性層11、第2磁性層11c及び非磁性層11nを含む。第2磁性層11cは、第1磁性層11と第3部分51cとの間に設けられる。非磁性層11nは、第1磁性層11と第2磁性層11cとの間に設けられる。
【0111】
この例では、半導体部材51に流れる電流により、第2磁性層11cの磁化の向きが制御される。
【0112】
この例において、半導体部材51は、例えば、インジウム、錫及び酸素を含む化合物、インジウム、亜鉛及び酸素を含む化合物、InGaAs、GaAs及びGaSeよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの材料においては、大きなスピンホール効果が得られる。半導体部材51を流れる第1電流I1または第2電流I2により、磁性素子15の電気抵抗の差(記憶情報)が書き込まれる。
【0113】
磁気記憶装置130aにおいても、例えば、磁気記憶装置120aに関して説明した動作が行われる。
【0114】
磁気記憶装置130aにおいては、例えば、半導体部材51は、n形導電性を有する。
【0115】
この場合、第3電位V3は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第6電位V6は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。第7電位V7は、例えば、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第8電位V8は、例えば、第4電位V4以下であり、第5電位V5以下である。
【0116】
図18(a)〜
図18(d)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
実施形態に係る磁気記憶装置130bにおいては、例えば、半導体部材51は、p形導電性を有する。これ以外の磁気記憶装置130bの構成は、磁気記憶装置130aの構成と同じである。
【0117】
第3電位V3は、第1電位V1以下であり、第2電位V2以下である。第6電位V6は、第4電位V4以下であり、第5電位V8以下である。第7電位V7は、第1電位V1よりも高く、第2電位V2よりも高い。第8電位V8は、第4電位V4よりも高く、第5電位V5よりも高い。
【0118】
磁気記憶装置130a及び130bに、強い逆バイアスが印加されても良い。これにより、例えばアバランシェ降伏が生じ、導通/非導通の制御が可能である。この場合には、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、上記と逆になる。実施形態において、第7電位V7及び第8電位V8の電位(極性)は、任意に設定しても良い。
【0119】
第3実施形態において、半導体部材51のスピンホール角は、0.1を超えることが好ましい。例えば、効率的な書き込みが実施できる。
【0120】
(第4実施形態)
図19(a)〜
図19(f)は、第4実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図19(a)〜
図19(f)に示すように、磁気記憶装置120aA、120bA、121aA、121bA、130aA及び130bAにおいては、半導体部材51は、第1部材領域51P及び第2部材領域51Qを含む。第2部材領域51Qは、第1部材領域51Pと磁性素子15との間に設けられる。これ以外の構成は、例えば、磁気記憶装置120a、120b、121a、121b、122a及び122bと同様である。
【0121】
第2部材領域51Qは、例えば、Pt、Pd、Au、Ag、C、Co、Ni、Se、Rh、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Rb、Sr、Y、I、Cs、Ba、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuよりなる群から選択された少なくとも1つの第1元素を含む。第1元素は、例えば、重元素である。第2部材領域51Qにおける第1元素の濃度は、第1部材領域51Pにおける第1元素の濃度よりも高い。
【0122】
第2部材領域51Qにおける第1元素の濃度が高いことで、例えば、第2部材領域51Qに深い準位が形成される。これにより、例えば、動作電圧を調整することができる。例えば、動作速度を改善することができる。
【0123】
例えば、半導体部材51を流れる電流(第1電流I1または第2電流I2)のスピンを効率よく導電層21に伝達できる。
【0124】
第1部材領域51Pにおける第1元素の濃度が低いことで、例えば、半導体部材51の抵抗を低くすることができる。
【0125】
(第5実施形態)
図20(a)〜
図20(j)及び
図21(a)〜
図21(h)は、第5実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
これらの図に示すように、磁気記憶装置110aB、110bB、111aB、111bB、112aB、112bB、113aB、113bB、114aB、114bB、120aB、120bB、121aB、121bB、122aB、122bB、130aB及び130bBは、化合物層25を含む。これ以外の構成は、第1〜第2実施形態に関して説明した構成が適用できる。
【0126】
化合物層25は、例えば、第2磁性層11cと第3部分(第3部分41cまたは第3部分51c)との間に設けられる。化合物層25は、Si、Al、Hf、Mg、Ca、Sr、Ti、V、Nb、Cr、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Ta、W、Ir、Bi、Cs、St、La及びCeよりなる群から選択された少なくとも1つの第1元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つの第2元素を含む。
【0127】
化合物層25の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、0.1nm以上4nm以下である。化合物層25は、例えば、絶縁性である。化合物層25は、例えば、トンネル絶縁膜として機能する。化合物層25により、例えば、フェルミレベルのピニングが抑制できる。これにより、例えば、動作電圧をより広い範囲で調整することができる。例えば、伝導特性を調整することができる。
【0128】
磁気記憶装置110aB、110bB、111aB、111bB、112aB、112bB、113aB、113bB、114aB及び114bBにおいては、化合物層25は、導電層21と半導体層31との間に設けられる。
【0129】
磁気記憶装置120aB、120bB、122aB及び122bBにおいては、化合物層25は、導電層21と半導体部材51との間に設けられる。
【0130】
磁気記憶装置121aB及び121bBにおいては、化合物層25は、導電層21と半導体層31との間に設けられる。
【0131】
磁気記憶装置130aB及び130bBにおいては、化合物層25は、第2磁性層11cと半導体部材51との間に設けられる。
【0132】
(第6実施形態)
図22(a)〜
図22(j)及び
図23(a)〜
図23(f)は、第6実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
これらの図に示すように、磁気記憶装置110aC、110bC、111aC、111bC、112aC、112bC、113aC、113bC、114aC、114bC、120aC、120bC、121aC、121bC、122aC及び122bCにおいては、導電層21のX軸方向に沿う長さが、第2磁性層11cのX軸方向に沿う長さよりも長い。X軸方向は、第1部分41a(または第1部分51a)から第2部分41b(または第2部分51b)への方向に対応する。
【0133】
導電層21のX軸方向に沿う長さが、第2磁性層11cのX軸方向に沿う長さよりも長いことで、例えば、導電層21を流れる電流が第2磁性層11cに与える影響が大きくなる。例えば、書き込み動作がより効率的になる。
【0134】
第6実施形態において、例えば、第2磁性層11cの端を規準にした導電層21の突出量は、例えば、5nm以上である。
【0135】
図22(a)に示すように、例えば、導電層21は、第1端部e1及び第2端部e2を含む。第1端部e1から第2端部e2への方向は、X軸方向に沿う。第1端部e1のX軸方向における位置は、第1部分41aのX軸方向における位置と、第2端部e2のX軸方向における位置と、の間にある。例えば、第2磁性層11cは、第3端部e3及び第4端部e4を含む。第3端部e3から第4端部e4への方向は、X軸方向に沿う。第3端部e3のX軸方向における位置は、第1端部e1のX軸方向における位置と、第4端部e4のX軸方向における位置と、の間にある。第1端部e1のX軸方向における位置と、第3端部e3のX軸方向における位置と、の間のX軸方向に沿う距離d1は、例えば、5nm以上である。
【0136】
第2磁性層11cの端を規準にして導電層21が突出することで、第2磁性層11cは、導電層21を流れる電流の向きが均一化された領域に対向する。例えば、書き込み動作がより効率的になる。距離d1が5nm以上であると、例えば、書き込み動作がより効率的になる。上記の距離d1は、第6実施形態に係る他の磁気記憶装置にも適用して良い。
【0137】
(第7実施形態)
図24(a)〜
図24(d)は、第7実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置131について、磁気記憶装置110aとは異なる部分の例について説明する。
磁気記憶装置131において、半導体層31の代わりに、積層膜35が設けられている。積層膜35は、導電部材41の第3部分41cと、導電層21と、の間に設けられる。例えば、第1磁性層11と第3部分41cとの間に積層膜35が設けられ、第1磁性層11と積層膜35との間に導電層21が設けられる。
【0138】
この例では、積層膜35は、第1膜35a、第2膜35b及び第3膜35cを含む。第2膜35bは、第1膜35aと第3部分41cとの間に設けられる。第3膜35cは、第2膜35bと第3部分41cとの間に設けられる。第1膜35a及び第3膜35cは、例えば、金属膜である。第3膜35cは、絶縁膜である。例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)ダイオードが形成される。MIMの非線形特性により、上記の第1〜第4動作OP1〜OP4が得られる。
【0139】
図25(a)〜
図25(d)は、第7実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置132について、磁気記憶装置131とは異なる部分の例について説明する。
磁気記憶装置132においては、積層膜35は、第1膜35a及び第2膜35bを含む。第2膜35bは、第1膜35aと第3部分41cとの間に設けられる。第1膜35aは、例えば、金属膜である。第2膜35bは、絶縁膜である。導電部材41は、金属を含む。例えば、導電部材41及び積層膜35により、MIMダイオードが形成される。MIMの非線形特性により、上記の第1〜第4動作OP1〜OP4が得られる。
【0140】
(第8実施形態)
図26(a)〜
図26(d)は、第8実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置133について、磁気記憶装置113aとは異なる部分の例について説明する。
磁気記憶装置133において、半導体層31及び導電層21が設けられる。磁気記憶装置133においては、Z軸方向(第1磁性層11から第2磁性層11cへの方向)と交差する方向において、半導体層31の少なくとも一部は、導電層21の一部と、導電層21の別の一部と、の間にある。この例では、少なくともX軸方向において、半導体層31の少なくとも一部は、導電層21の一部と、導電層21の別の一部と、の間にある。磁気記憶装置133においては、半導体層31と導電層21とが対向する面積が増える。例えば、半導体層31と導電層21との接触面積が増える。これにより、より効率的な書き込み動作が実施できる。
【0141】
このような構成は、半導体層31及び導電層21が設けられる任意の構成に適用しても良い。
【0142】
図27(a)〜
図27(d)は、第8実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
磁気記憶装置134について、磁気記憶装置120aとは異なる部分の例について説明する。
磁気記憶装置134において、導電部材51及び導電層21が設けられる。磁気記憶装置133においては、Z軸方向(第1磁性層11から第2磁性層11cへの方向)と交差する方向において、導電部材51の少なくとも一部は、導電層21の一部と、導電層21の別の一部と、の間にある。この例では、少なくともX軸方向において、導電部材51の少なくとも一部は、導電層21の一部と、導電層21の別の一部と、の間にある。磁気記憶装置134においては、導電部材51と導電層21とが対向する面積が増える。例えば、導電部材51と導電層21との接触面積が増える。これにより、より効率的な書き込み動作が実施できる。
【0143】
このような構成は、導電部材51及び導電層21が設けられる任意の構成に適用しても良い。
【0144】
(第9実施形態)
図28は、第9実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図28に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置210は、半導体部材51、複数の磁性素子及び制御部70を含む。複数の磁性素子は、例えば、第(i−1)磁性素子15(i−1)、第i磁性素子15(i)、及び、第(i+1)磁性素子15(i+1)などを含む。例えば、第i磁性素子15(i)は、例えば、磁性素子15などに対応する。
【0145】
第(i−1)磁性素子15(i−1)、第i磁性素子15(i)、及び、第(i+1)磁性素子15(i+1)のそれぞれの第1磁性層11に、スイッチSW(i−1)、スイッチSW(i)、及び、スイッチSW(i+1)の1つの端部がそれぞれ電気的に接続される。スイッチSW(i−1)、スイッチSW(i)、及び、スイッチSW(i+1)の別の端部は、配線70c(i−1)、配線70c(i)、及び、配線70c(i+1)にそれぞれ接続される。スイッチSW(i−1)、スイッチSW(i)、及び、スイッチSW(i+1)のそれぞれのゲートは、配線70WLに接続される。
【0146】
半導体部材51は、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を介して、配線70a及び配線70bに接続される。
【0147】
制御部70は、配線70c(i−1)、配線70c(i)、配線70c(i+1)、配線70WL、配線70a及び配線70bと電気的に接続される。制御部70は、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2のそれぞれと電気的に接続される。制御部70は、上記の第1〜第4動作OP1〜OP4を実施する。制御部70により、上記のスイッチが制御され、複数の磁性素子の電位が制御される。例えば、半導体部材51のうちの複数の磁性素子に対向する部分の導電性が制御される。安定した動作が実施できる。
【0148】
磁気記憶装置210において、半導体部材51に代えて、導電部材41が設けられても良い。
【0149】
(第10実施形態)
図29は、第10実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図29に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置220は、複数の半導体部材(半導体部材51及び半導体部材51Aなど)、複数の配線(配線61及び配線61Aなど)、及び、複数の磁性素子(磁性素子15、及び、磁性素子15A〜15Cなど)が設けられる。複数の半導体部材と、複数の配線と、の間に、複数の磁性素子の1つが設けられる。
【0150】
半導体部材51及び半導体部材51Aは、X軸方向に沿って延びる。配線61及び配線61Aは、X軸方向及びZ軸方向を含む平面と交差する。配線61及び配線61Aは、Y軸方向に沿って延びる。磁気記憶装置220は、例えば、クロスポイント型の磁気記憶装置である。複数の半導体部材は、互いに実質的に平行である。複数の配線は、互いに実質的に平行である。
【0151】
磁気記憶装置220においては、スイッチが省略できる。高密度の磁気記憶装置が得られる。
【0152】
磁気記憶装置220において、半導体部材(半導体部材51)の代わりに、導電部材41が設けられても良い。
【0153】
磁気記憶装置220において、複数の半導体部材、複数の配線、及び、複数の磁性素子は、第1層18aに設けられる。磁気記憶装置220は、第2層18bをさらに含んでも良い。制御部70は、例えば、第2層18bに設けられる。
【0154】
複数の半導体部材及び複数の配線は、接続部CPにより、第2層18bの制御部70と電気的に接続される。
【0155】
制御部70は、例えば、デコーダ75D、センスアンプ75SA及び入出力部75I/Dなどを含む。
【0156】
(第11実施形態)
図30は、第11実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
磁気記憶装置230は、部材55と、第1磁性素子(例えば、磁性素子15A)、及び、第2磁性素子(例えば磁性素子15B)と、制御部70と、を含む。部材55は、例えば、上記の導電部材41または半導体部材51に対応する。磁性素子15A及び磁性素子15Bは、上記の任意の磁性素子15に対応する。
【0157】
部材55は、第1部分55a〜第5部分55eを含む。第1部分55aと第4部分55dとの間に第2部分55bがある。第1部分55aと第2部分55bとの間に第3部分55cがある。第2部分55bと第4部分55dとの間に第5部分55eがある。
【0158】
例えば、第1〜第5端子T1〜T5が設けられる。第1端子T1は、第1部分55aと電気的に接続される。第2端子T2は、第4部分55dと電気的に接続される。第3端子T3は、第2部分55bと電気的に接続される。第4端子T4は、第1磁性素子(磁性素子15A)と電気的に接続される。第5端子T5は、第2磁性素子(磁性素子15B)と電気的に接続される。
【0159】
制御部70は、例えば、第1書き込み動作、第2書き込み動作及び読み出し動作を実施する。第1書き込み動作において、制御部70は、第1端子T1から第3端子T3に向けた第1電流、及び、第2端子T2から第3端子T3に向けた第2電流を供給する。第2書き込み動作において、制御部70は、第3端子T3から第1端子T1に向けた第3電流、及び、第3端子T3から第2端子T2に向けた第4電流を供給する。第1書き込み動作により、2つの磁性素子の組みにおいて、1つの抵抗状態が得られる。第2書き込み動作により、2つの磁性素子の組みにおいて、別の1つの抵抗状態が得られる。第1書き込み動作は、例えば、「1」及び「0」の一方の書き込み動作に対応する。第2書き込み動作は、例えば、「1」及び「0」の他方の書き込み動作に対応する。
【0160】
読み出し動作において、制御部70は、第4端子T4と第5端子T5との間(第1磁性層11と第2磁性層12との間)に電圧を印加し、第3端子T3(第2部分21b)の電位を検出する。複数の抵抗状態において、第3端子T3(第2部分21b)の電位が異なる。第3端子T3(第2部分21b)の電位を検出することで、複数の抵抗状態(複数の記憶状態)が検出できる。
【0161】
実施形態において、第1磁性層11及び第2磁性層11cは、例えば、強磁性層である。第1磁性層11及び第2磁性層11cは、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0162】
非磁性層11nは、例えば、第1元素及び第2元素を含む。第1元素は、例えば、Mg、Ca、Sr、Ti、V、Nb、Al、Si、Cr、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Ir、Bi、Cs、St、La及びCeよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2元素は、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。非磁性層11nは、例えば、MgOを含む。非磁性層11nは、トンネルバリア層である。
【0163】
1つの例において、非磁性層11nと第2磁性層11cとは、互いに接する。非磁性層11nと第2磁性層11cとの間に別の層が設けられても良い。1つの例において、第1磁性層11と第2磁性層11cとは、互いに接する。第1磁性層11と第2磁性層11cとの間に別の層が設けられても良い。
【0164】
上記の実施形態において、磁性層は、面内磁化膜を含んでも良く、垂直磁化膜を含んでも良い。
【0165】
実施形態においては、メモリセルにスイッチング機能が与えられる。例えば、電圧効果が小さい場合でも、所望の選択/非選択動作が行われる。これにより、1つのメモリセルのサイズが小さくできる。例えば、クロスポイント型のメモリ部を設けることができる。例えば、高集積化が可能である。
【0166】
実施形態は、以下の構成(例えば、技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含む導電部材と、
磁性素子と、
制御部と、
を備え、
前記磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第3部分との間に設けられた半導体層と、
前記第1磁性層と前記半導体層との間に設けられた導電層と、
前記第1磁性層と前記導電層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含み、
前記制御部は、第1動作、第2動作及び第3動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1部分を第1電位に設定し、前記第2部分を第2電位に設定し、前記第1磁性層を第3電位に設定して、前記磁性素子を第1記憶状態に書き込み、前記第1電位は、前記第2電位よりも高く、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1部分を第4電位に設定し、前記第2部分を第5電位に設定し、前記第1磁性層を第6電位に設定し、前記磁性素子を前記第1記憶状態とは異なる第2記憶状態に書き込み、前記第4電位は、前記第5電位よりも低く、 前記第3動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第1電位に設定し、前記第2部分を前記第2電位に設定し、前記第1磁性層を第7電位に設定し、前記磁性素子は、前記第3動作の前の状態である、磁気記憶装置。
【0167】
(構成2)
前記半導体層は、
n形半導体領域と、
前記n形半導体領域と前記導電層との間に設けられたp形半導体領域と、
を含み、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成1記載の磁気記憶装置。
【0168】
(構成3)
前記半導体層は、
n形半導体領域と、
前記n形半導体領域と前記導電部材との間に設けられたp形半導体領域と、
を含み、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成1記載の磁気記憶装置。
【0169】
(構成4)
前記半導体層は、
第1n形半導体領域と、
前記第1n形半導体領域と前記導電層との間に設けられた第2n形半導体領域と、
を含み、
前記第1n形半導体領域におけるn形不純物の濃度は、前記第2n形半導体領域における前記n形不純物の濃度よりも高く、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成1記載の磁気記憶装置。
【0170】
(構成5)
前記半導体層は、
第1n形半導体領域と、
前記第1n形半導体領域と前記導電層との間に設けられた第2n形半導体領域と、
を含み、
前記第1n形半導体領域におけるn形不純物の濃度は、前記第2n形半導体領域における前記n形不純物の濃度よりも低く、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成1記載の磁気記憶装置。
【0171】
(構成6)
前記半導体層は、
第1p形半導体領域と、
前記第1p形半導体領域と前記導電層との間に設けられた第2p形半導体領域と、
を含み、
前記第1p形半導体領域におけるp形不純物の濃度は、前記第2p形半導体領域における前記p形不純物の濃度よりも低く、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成1記載の磁気記憶装置。
【0172】
(構成7)
前記半導体層は、
第1p形半導体領域と、
前記第1p形半導体領域と前記導電層との間に設けられた第2p形半導体領域と、
を含み、
前記第1p形半導体領域におけるp形不純物の濃度は、前記第2p形半導体領域における前記p形不純物の濃度よりも高く、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成1記載の磁気記憶装置。
【0173】
(構成8)
前記導電部材の仕事関数は、前記導電層の仕事関数よりも低く、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成1記載の磁気記憶装置。
【0174】
(構成9)
前記導電部材の仕事関数は、前記導電層の仕事関数よりも高く、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成1記載の磁気記憶装置。
【0175】
(構成10)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含む半導体部材と、
磁性素子と、
制御部と、
を備え、
前記磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第3部分との間に設けられた導電層と、
前記第1磁性層と前記導電層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含み、
前記制御部は、第1動作、第2動作及び第3動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1部分を第1電位に設定し、前記第2部分を第2電位に設定し、前記第1磁性層を第3電位に設定して、前記磁性素子を第1記憶状態に書き込み、前記第1電位は、前記第2電位よりも高く、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1部分を第4電位に設定し、前記第2部分を第5電位に設定し、前記第1磁性層を第6電位に設定し、前記磁性素子を前記第1記憶状態とは異なる第2記憶状態に書き込み、前記第4電位は、前記第5電位よりも低く、 前記第3動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第1電位に設定し、前記第2部分を前記第2電位に設定し、前記第1磁性層を第7電位に設定し、前記磁性素子は、前記第3動作の前の状態である、磁気記憶装置。
【0176】
(構成11)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含む半導体部材と、
磁性素子と、
制御部と、
を備え、
前記磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第3部分との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含み、
前記制御部は、第1動作、第2動作及び第3動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1部分を第1電位に設定し、前記第2部分を第2電位に設定し、前記第1磁性層を第3電位に設定して、前記磁性素子を第1記憶状態に書き込み、前記第1電位は、前記第2電位よりも高く、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1部分を第4電位に設定し、前記第2部分を第5電位に設定し、前記第1磁性層を第6電位に設定し、前記磁性素子を前記第1記憶状態とは異なる第2記憶状態に書き込み、前記第4電位は、前記第5電位よりも低く、 前記第3動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第1電位に設定し、前記第2部分を前記第2電位に設定し、前記第1磁性層を第7電位に設定し、前記磁性素子は、前記第3動作の前の状態である、磁気記憶装置。
【0177】
(構成12)
前記半導体部材は、インジウム、錫及び酸素を含む化合物、インジウム、亜鉛及び酸素を含む化合物、InGaAs、GaAs及びGaSeよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成11記載の磁気記憶装置。
【0178】
(構成13)
前記半導体部材は、n形導電性を有し、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成10〜12のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0179】
(構成14)
前記半導体部材は、p形導電性を有し、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成10〜12のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0180】
(構成15)
前記半導体部材は、n形導電性を有し、
前記磁性素子は、p形の半導体層をさらに含み、
前記半導体層は、前記第3部分と前記第2磁性層との間に設けられ、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成10記載の磁気記憶装置。
【0181】
(構成16)
前記半導体部材は、p形導電性を有し、
前記磁性素子は、n形の半導体層をさらに含み、
前記半導体層は、前記第3部分と前記第2磁性層との間に設けられ、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成10記載の磁気記憶装置。
【0182】
(構成17)
前記半導体部材は、
n形部材領域と、
前記n形部材領域と前記磁性素子との間に設けられたp形部材領域と、
を含み、
前記第3電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高く、
前記第6電位は、前記第4電位よりも高く、前記第5電位よりも高く、
前記第7電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下である、構成10記載の磁気記憶装置。
【0183】
(構成18)
前記半導体部材は、
p形部材領域と、
前記p形部材領域と前記磁性素子との間に設けられたn形部材領域と、
を含み、
前記第3電位は、前記第1電位以下であり、前記第2電位以下であり、
前記第6電位は、前記第4電位以下であり、前記第5電位以下であり、
前記第7電位は、前記第1電位よりも高く、前記第2電位よりも高い、構成10記載の磁気記憶装置。
【0184】
(構成19)
前記半導体部材は、
第1部材領域と、
前記第1部材領域と前記磁性素子との間に設けられた第2部材領域と、
を含み、
前記第2部材領域は、Pt、Pd、Au、Ag、C、Co、Ni、Se、Rh、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Rb、Sr、Y、I、Cs、Ba、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuよりなる群から選択された少なくとも1つの第1元素を含み、
前記第2部材領域における前記第1元素の濃度は、前記第1部材領域における前記第1元素の濃度よりも高い、構成10〜18のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0185】
(構成20)
前記第2磁性層と前記第3部分との間に設けられ、Si、Al、Hf、Mg、Ca、Sr、Ti、V、Nb、Cr、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Sn、Sb、Ta、W、Ir、Bi、Cs、St、La及びCeよりなる群から選択された少なくとも1つ含む化合物層をさらに備えた、構成10〜19のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0186】
(構成21)
前記第1磁性層から前記第2磁性層への方向と交差する方向において、前記導電部材の少なくとも一部は、前記導電層の一部と、前記導電層の別の一部と、の間にある、構成10〜20のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0187】
(構成22)
前記第1磁性層から前記第2磁性層への方向と交差する方向において、前記半導体層の少なくとも一部は、前記導電層の一部と、前記導電層の別の一部と、の間にある、構成1〜9のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0188】
(構成23)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含む導電部材と、
磁性素子と、
制御部と、
を備え、
前記磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第3部分との間に設けられた積層膜と、
前記第1磁性層と前記積層膜との間に設けられた導電層と、
前記第1磁性層と前記導電層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含み、
前記積層膜は、
金属を含む第1膜と、
絶縁性の第2膜と、
を含み、
前記第2膜は、前記第1膜と前記第3部分との間に設けられ、
前記導電材料は、金属を含み、
前記制御部は、第1動作、第2動作及び第3動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1部分を第1電位に設定し、前記第2部分を第2電位に設定し、前記第1磁性層を第3電位に設定して、前記磁性素子を第1記憶状態に書き込み、前記第1電位は、前記第2電位よりも高く、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1部分を第4電位に設定し、前記第2部分を第5電位に設定し、前記第1磁性層を第6電位に設定し、前記磁性素子を前記第1記憶状態とは異なる第2記憶状態に書き込み、前記第4電位は、前記第5電位よりも低く、 前記第3動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第1電位に設定し、前記第2部分を前記第2電位に設定し、前記第1磁性層を第7電位に設定し、前記磁性素子は、前記第3動作の前の状態である、磁気記憶装置。
【0189】
(構成24)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含む導電部材と、
磁性素子と、
制御部と、
を備え、
前記磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第3部分との間に設けられた積層膜と、
前記第1磁性層と前記積層膜との間に設けられた導電層と、
前記第1磁性層と前記導電層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含み、
前記積層膜は、
金属を含む第1膜と、
絶縁性の第2膜と、
金属を含む第3膜と、
を含み、
前記第2膜は、前記第1膜と前記第3部分との間に設けられ、
前記第3膜は、前記第2膜と前記第3部分との間に設けられ、
前記制御部は、第1動作、第2動作及び第3動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1部分を第1電位に設定し、前記第2部分を第2電位に設定し、前記第1磁性層を第3電位に設定して、前記磁性素子を第1記憶状態に書き込み、前記第1電位は、前記第2電位よりも高く、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1部分を第4電位に設定し、前記第2部分を第5電位に設定し、前記第1磁性層を第6電位に設定し、前記磁性素子を前記第1記憶状態とは異なる第2記憶状態に書き込み、前記第4電位は、前記第5電位よりも低く、 前記第3動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第1電位に設定し、前記第2部分を前記第2電位に設定し、前記第1磁性層を第7電位に設定し、前記磁性素子は、前記第3動作の前の状態である、磁気記憶装置。
【0190】
(構成25)
前記制御部は、第4動作をさらに実施し、
前記第4動作において、前記制御部は、前記第1部分を前記第4電位に設定し、前記第2部分を前記第5電位に設定し、前記第1磁性層を第8電位に設定し、前記磁性素子は、前記第4動作の前の状態である、構成1〜24のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
【0191】
実施形態によれば、安定した動作が可能な磁気記憶装置が提供できる。
【0192】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0193】
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶装置に含まれる導電部材、半導体部材、半導体層、導電層、磁性層、非磁性層及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0194】
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0195】
本発明の実施の形態として上述した磁気記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0196】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。