(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6946300
(24)【登録日】2021年9月17日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】押出機中で固体、液体、および気体を分散する装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 48/42 20190101AFI20210927BHJP
B29B 7/42 20060101ALI20210927BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20210927BHJP
B29C 48/395 20190101ALI20210927BHJP
B29C 48/43 20190101ALI20210927BHJP
【FI】
B29C48/42
B29B7/42
B29B7/48
B29C48/395
B29C48/43
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-531538(P2018-531538)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2018-537323(P2018-537323A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2016080926
(87)【国際公開番号】WO2017102808
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】15200372.9
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515266223
【氏名又は名称】コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】COVESTRO DEUTSCHLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ケーニッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、ビーアデル
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−116693(JP,A)
【文献】
特開昭52−134167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/465
B29B 7/42
B29B 7/48
B29C 48/40
B29C 48/395
B29C 48/435
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシャフト(1)および1つのバレル(2)を有する押出機を備える装置であって、
前記シャフト(1)に取り付けられ、複数の割込部を有し、前記シャフト(1)と同時に回転する、少なくとも1つのプレート(4)が存在し、
製品流の方向または製品流と反対の方向のいずれかにおいて前記プレート(4)の直後にあり、同時には回転せず、同様に複数の割込部を有する、プレート(3)を有する配置であり、
前記同時回転するプレート(4)は、前記回転シャフト(1)と接合され、前記バレル(2)の方向にギャップ(14)を呈し、前記同時回転しないプレート(3)は、前記バレル(2)と接合され、前記回転ルートシャフト(1)の方向にギャップ(15)を呈すること; 前記押出機は、複数の回転プレート(4)と複数の非回転プレート(3)との交互の配列を有すること;及び
前記同時回転するプレート(4)と前記バレル(2)との周辺部間の間隔sは、8分割したねじ山の高さgよりも小さく、かつ64分割したねじ山の高さgよりも大きく、gは、前記シャフト(1)と前記バレル(2)とのルート直径間の距離であること
を特徴とする、装置。
【請求項2】
前記回転プレート(4)の厚さとバレル直径との比率は、0.2〜0.02であり、前記非回転プレート(3)の厚さとバレル直径との厚さの比率は、0.2〜0.02であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転プレート(4)および前記非回転プレート(3)とバレル直径との間の軸方向ギャップの比率は、0.01〜0.15であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記回転プレートにおける前記割込部と前記非回転プレートにおける前記割込部は、それぞれ複数の溝として形成され、前記溝は、回転軸線に対して垂直(放射状)に配置され得るか、または回転軸線に対して斜めに配置され得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記非回転プレート(3)における前記溝(7)は、らせん状に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記回転プレート(4)における前記溝(6)の数と前記非回転プレート(3)における前記溝(7)の数は、それぞれ4〜60であることを特徴とする、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記押出機は、かみ合いスクリューシャフトを有する多軸押出機であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記回転プレート(4)の前記溝(6)は、放射状に配置され、前記同時回転しないプレート(3)の前記溝(7)は、ある程度放射状にかつある程度斜めに配置されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置の使用を伴う、プラスチック配合物を押し出す方法。
【請求項10】
前記押出機は、プラスチック組成物中における気体状、液体、または粉状添加物の分散に使用されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プラスチック組成物は、熱可塑性樹脂またはエラストマーであることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
使用される前記熱可塑性樹脂は、ホモまたはコポリカーボネートを含むか、少なくとも1つのホモまたはコポリカーボネートを含む混合物を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトを有する押出機(extruder)を備える装置に関し、シャフトには、同時(concomitantly)に回転し、複数の割込部(interruption)を有する少なくとも1つのプレートが取り付けられており、また、同時に回転するプレートの直後に配置され、同時に回転せず、同様に複数の割込部を有するプレートが存在する。装置は、固体、液体、および気体の分散に好適であり、分散効果の改善が示されている。本発明はさらに、プラスチック組成物中における固体、液体、および/または気体の分散方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のタイプの押出機が知られている。これらの押出機が簡単な構造であるため、最も頻繁に使用される押出機は、単一の軸がバレルにおいて回転する、単軸スクリュー押出機である(同義語の単軸押出機もまた使用される)。多軸スクリュー押出機(同義語の多軸押出機もまた使用される)は、複数の回転シャフトを有する別のタイプである。同時回転および反回転押出機シャフト、ならびにそれらの組み合わせもまた、本明細書において使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
押出機を用いたプラスチック組成物中の、固体、液体、または気体の分散とは、ポリマーの加工において頻繁に生じる課題である。
【0004】
当業者に周知であるように、不十分な分散には欠点がある。固体が充分に分散していない場合、結果として、材料の消費の増加、および機械的特性の低下のため、例えば少量の分散されていない材料のために、コストが増加する可能性がある。あまり分散されなかった液体は、例えば不十分に分散されているか、または可溶性の液体の場合には、分散処理の後でも依然として遊離形態で存在する。不適切に分散された液体は、製品特性の不均一な分布をもたらすため、例として、ポリマーの一部が高濃度の添加物を有し、別の部分が低濃度の添加物を有する場合、使用特性を損なう可能性がある。液体の一部が押出機の頭部に遊離形態で存在し続けている場合、例として有機液体が、例えばギアポンプのベアリングから抜け出るか、または金型から高圧下に高温で放出される可能性がある。これにより、汚染問題、温液による損傷、液体の蒸発による環境問題、または細かく分割された有機液体が大気中で強熱する場合に火災につながる可能性がある。
【0005】
気体の分散が乏しい可能性のある結果は、プロセスの目的、例えば絶縁材料の製造における不均一な泡または不十分な脱気に依存する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
押出機中における全ての分散プロセスは、同時にエネルギー入力を伴う。エネルギー入力の増加は、一般に、熱的製品劣化またはその他の製品劣化を招き、好ましくない。したがって、重要な技術的目的は、同一のエネルギー入力に対する分散効果の改善であるか、または逆に、同一の分散効果に対するエネルギー入力の低減である。
【0007】
したがって、先行技術から生じる目的は、改善された分散効果および/または低減されたエネルギー入力を有する押出機を備える装置を提供することである。
【0008】
該目的は、シャフトと同時に回転し、割込部を有し、そして製品流(product-flow)の方向または製品流に対してオフセットした方向のいずれかにおいて前記プレートの直後に配置され、同様に割込部を有し、シャフトと同時に回転しないプレートが存在する、少なくとも1つのプレートが取り付けられたシャフトを有する押出機を備える、本発明の装置の供給によって達成されている。
【0009】
驚くべきことに、本発明の装置は、同一のエネルギー入力に対する改善された分散を提供することが分かった。改善された分散が必要とされない限り、または利用可能な範囲で必要とされない限り、エネルギー入力は低減することができる。
【0010】
したがって、本発明の装置を使用することにより、均質化の改善および/またはエネルギー入力の低減を介して、プラスチック組成物の製品品質を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、押出機のシャフトに、シャフトと同時に回転する割込部を有する少なくとも1つのプレートが取り付けられ、その直後に、製品流方向または製品流と反対の方向のいずれかにおいて、それと同時に回転しないプレートであり、同様に割込部を有する、同時に回転しないプレートを有する配列が存在する。本明細書の同時回転プレートは、回転シャフトと接合(bond)され、かつバレルの方向にギャップを呈し、そして同時に回転しないプレートは、バレルと接合され、かつ回転ルートシャフトの方向にギャップを呈する。
【0012】
分散効果を高めるために、このようなプレートの複数の組み合わせを連続して配置することが好ましい。したがって、押出機は、回転するプレートと非回転プレートとを交互に有する。
【0013】
図1は、バレル(2)およびそこに接合したプレート(3)を有する押出機シャフト(1)、ならびにシャフト(1)およびそこに接合したプレート(4)、ならびに回転の軸(5)を介した部位を例として示す。
【0014】
好ましい実施形態において、同時に回転するプレートの割込部は、プレートの周辺部まで続く。すなわち、同時に回転するプレートの周辺部が中断される。割込部は、谷径まで伸び得る溝として構成されることが好ましいが、必ずしもそうする必要はない。
図2は、シャフト(1)(左辺)に接合し、同時に回転するプレート(4)におけるこのタイプの溝(6)、およびバレル(2)に接合し、同時に回転しないプレート(3)における溝(7)を例として示す。シャフトと共に回転する部品は、いずれの場合にも、対角線的に斜線で示されている。バレル(2)を有する非可動部品は、垂直的に斜線で示されている。溝(6、7)は、U字形状またはV字形状であってもよい。
【0015】
隅肉(8、9)は、溝(6、7)を互いに分離している。
【0016】
ねじ山の高さ(flight depth)gは、本発明において、バレルとシャフトの谷径との間の距離として定義される(
図2の詳細を示す、
図8を参照のこと)。
【0017】
同時に回転するプレートの周囲とバレルとの間の間隔sは、g/2より小さくなければならない。sは、好ましくはg/4より小さく、特に好ましくはg/8より小さい。間隔sは、g/256より大きく、好ましくはg/128より大きく、特に好ましくはg/64より大きい。
【0018】
バレル直径に対する回転プレートの厚さの比率は、好ましくは0.2〜0.02、特に好ましくは0.15〜0.03、非常に特に好ましくは0.1〜0.04である。
【0019】
バレル直径に対する非回転プレートの厚さの比率は、好ましくは0.2〜0.02、特に好ましくは0.15〜0.03、非常に特に好ましくは0.1〜0.04である。
【0020】
2枚のプレートとバレル直径との軸方向ギャップの比率は、好ましくは0.01〜0.15、特に好ましくは0.02〜0.1、非常に特に好ましくは0.03〜0.08である。
【0021】
1つのシャフトに取り付けられたスクリューシャフトが噛み合っている噛み合い型多軸押出機の好ましい変形例において、割込部を有する同時回転プレート、ならびに同時に回転しないプレートおよび同時に回転するプレートの両方が存在し、いずれの場合においてもギャップを無視し、谷径と外壁との間の自由断面の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を覆う。これは、
図3の二軸押出機および
図4の十二軸押出機の例として示されている。以下の図において:
・プレートが同時に回転するルートシャフト(10)は、水平な斜線で示されている
・プレートが同時に回転しないルートシャフト(11)は、垂直な斜線で示されている
・同時に回転するプレート(12)は、左から右へ上向きの斜線で示されている
・同時に回転しないプレート(13)は、右から左へ上向きの斜線で示されている。
【0022】
図7は、二軸スクリュー押出機において、同時に回転するプレート(4)および同時に回転しないプレート(3)の配置の例として、断面図を示す。バレル(2)、およびそこに接合された非回転プレート(3)は、ここでは垂直な斜線で示されている。各回転スクリュー(1)は、そこに結合されたプレート(4)と共に、別々に対角線的な斜線で示されている。
【0023】
本明細書において以下、「溝」と言及する場合、この用語は、同時に回転するプレート上の溝(6)だけでなく、固定されたプレート上の溝(7)も意味する。
【0024】
好ましい実施形態において、回転プレートの割込部および非回転プレートの割込部は、それぞれ溝として構成されている。回転軸に垂直な断面において、溝は、放射状または斜めに配置することができる。溝の基部は、好ましくは、製品によって洗い流されないノッチ応力および角を回避するために、丸みのある形状を有する。
【0025】
多軸押出機の好ましい実施形態において、回転軸のプレート上の溝(6)が放射状(回転軸に対して垂直方向)に配置され、同時に回転しないプレート上の溝(7)は、
図5に示すように、格子間領域の被覆に寄与するために、回転軸に対してある程度放射状に、およびある程度斜めに配置されている。
【0026】
回転方向に垂直な突出部の溝の縁は、回転プレート(4)およびバレル(2)の間、ならびにそれぞれ、固定されたプレート(3)およびルートシャフト(1)間に残存する、ギャップ(14)に対して、好ましくは平行であるか、または開口している。これらは、特に、
図2に例として示すように、ギャップに向かって開口することが好ましい。
【0027】
溝(7)は、
図6において溝の例として示されているように、回転軸に対して垂直に、または回転軸に対して一定の角度で走っていてもよい。溝のエッジが回転軸に対して垂直に配置されていない場合、これらは好ましくは螺旋状に配置される。運搬の好ましい方向は、螺旋の高さによって設定することができる。
【0028】
回転プレート(4)および非回転プレート(3)の円周上に分布する溝(6、7)の数は、好ましくはそれぞれ4〜60、特に好ましくはそれぞれ8〜40、非常に特に好ましくはそれぞれ12〜30である。
【0029】
隅肉(8、9)は、矩形の断面を有していてもよく、または丸い角を有していてもよく、または円形(環状、楕円形、もしくは同様のもの)の断面を有していてもよい。
【0030】
本発明はさらに、本発明の装置におけるプラスチック組成物を押し出す方法を提供する。
【0031】
「プラスチック組成物」という表現は、変形可能な組成物を意味する。プラスチック組成物の例として、ポリマーメルト、特に熱可塑性樹脂およびエラストマー、ポリマーメルトの混合物、ならびにポリマーメルトと固体、液体、または気体との分散物が挙げられる。
【0032】
本発明の方法は、プラスチック組成物中における、気体、液体、または粉状添加物の分散に使用される。
【0033】
重要なクラスのプラスチック組成物が、ポリマーによって提供される。
【0034】
種々のタイプの固体が、種々の特性をポリマーに提供するために使用される。これらは、例えば、機械的強度、弾性率、導電率、靱性、または色であってもよい。機械的賦形剤はまた、多量のエネルギーおよび/またはその他の資源を消費するプロセスにおけるポリマーの場合、ポリマーが、より少量しか資源を消費しない固体によってある程度置き換えられるという点で、補助を提供することもできる。
【0035】
固形物はしばしば凝集形態で存在し、それらが効果的であり得るためには、分散されなければならない。
【0036】
固体は、微粒子形態で存在していてもよく、例として、炭酸カルシウム、タルク粉末、またはカーボンブラックが挙げられる。例えば、互いに分離されるよう意図されているガラス繊維の束、および炭素繊維でできた束、またはケブラーのようなポリマーで作られた強化繊維である繊維もまた、ここに含めることができる。
【0037】
プラスチック組成物はまた、固体および液体、例えばペーストまたはねり粉からなっていてもよい。これらの場合、混合による固体の組み込み、または固体の分散は、例として、ペーストを生成するか、またはその構成を修正するために役立つ。
【0038】
ポリマー中の液体の分散は、同様に種々の目的に役立ち得る。液体は、例えば、熱安定剤、可塑剤、エキステンダー油、紫外線安定剤、脱酸素剤、架橋もしくはポリマー分解のような化学反応のための開始剤、触媒、触媒のための阻害剤、加硫促進剤、難燃剤、異なるポリマー相との間もしくはポリマーと固体との間で作用する相溶化剤、または加工助剤、例えばポリマー脱気用の水などの、ポリマーに特定の性質を与える、例えば添加物であってもよい。
【0039】
ポリマー中の気体の分散は、同様に種々の目的に役立ち得る。これは、絶縁のための例として使用されるタイプの、ポリマー発泡体の製造における重要なステップである。さらに、分散したガスは、同様にポリマーの脱気に役立ち得る。
【0040】
ポリマーは、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フルオロポリマー、特にポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリレート、特にポリ(メチル)メタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレンコポリマー、特にスチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ならびにポリ塩化ビニルであってもよい。列挙した熱可塑性樹脂から作られた混合物として知られているものを使用することもでき、混合物という用語は当業者によって2つ以上の熱可塑性樹脂の組み合わせを意味すると理解される。本発明の方法は、ポリカーボネートの製造および配合において特に好ましく使用される。
【0041】
使用されるその他の好ましい材料は、ゴムである。好ましく使用されるゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、グッタペルカ、アクリレートゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニルポリエチレンゴムからなる群から、少なくとも1つが挙げられる。列挙した2つ以上のゴムの組み合わせ、または1つ以上のゴムと1つ以上のプラスチックとの組み合わせを使用することも、当然可能である。
【0042】
これらの熱可塑性樹脂およびエラストマーは、純粋な形態で、またはフィラーおよび強化材料との混合物の形態で使用することができ、特定の例としては、ガラス繊維、または互いにもしくはその他のポリマーとの混合物の形態、または従来のポリマー添加物との混合物の形態が挙げられる。
【0043】
本発明の方法の好ましい実施形態において、添加物は、プラスチック組成物、特にポリマーメルト、およびポリマーメルトの混合物に添加される。これらは、ポリマーと一緒に添加された、固体、液体、もしくは溶液の形で押出機に供給され得るか、または添加物の少なくとも一部、もしくは添加物全体が、補助流によって押出機に導入される。
【0044】
添加物は、ポリマーに多種多様な特性を与えることができる。例として、着色剤、顔料、加工助剤、充填剤、酸化防止剤、強化剤、紫外線吸収剤および光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、塩基性安定剤、核剤、安定剤または酸化防止剤として有効なベンゾフランおよびインドリノンを挙げることができるか、または離型剤、難燃添加剤、帯電防止剤、染色剤および溶融安定剤を挙げることができる。例として、カーボンブラック、ガラス繊維、粘土、雲母、グラファイト繊維、二酸化チタン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、イオン性液体、および天然繊維が挙げられる。
【0045】
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、押出機に導入されるプラスチック組成物は、本発明の方法によって少なくともある程度除去された、モノマー、オリゴマーおよび/または溶媒を含んでなる。この実施形態において、ガス状共留剤は、プラスチック組成物中に分散される。共留剤は、好ましくは次の段階で、真空を適用することで除去される。