特許第6946782号(P6946782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6946782表示制御方法、表示制御プログラムおよび表示制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6946782
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月6日
(54)【発明の名称】表示制御方法、表示制御プログラムおよび表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20210927BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210927BHJP
   G09F 23/00 20060101ALI20210927BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20210927BHJP
   B65D 25/20 20060101ALN20210927BHJP
【FI】
   G06F13/00 510G
   G06Q30/02 398
   G09F23/00 Z
   G09F19/00 Z
   !B65D25/20 Q
【請求項の数】10
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-129804(P2017-129804)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-12478(P2019-12478A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2020年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 智史
(72)【発明者】
【氏名】井上 寛
(72)【発明者】
【氏名】郷田 誠
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−532804(JP,A)
【文献】 特開2014−241048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 30/02
G09F 23/00
G09F 19/00
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付け、
容器または該容器の表示部の位置情報と該容器または該容器の表示部の識別情報と前記容器で提供する飲食物の情報とを取得すると、前記位置情報に応じて登録された前記画像において、前記飲食物の情報に基づいた画像を該識別情報に対応付けられた送信先に送信し、
前記容器の前記表示部に前記画像を表示させる、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入に係る情報にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の購入履歴に関する情報を取得し、前記購入履歴にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入の有無にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者が前記対象商品を購入したか否かに関する情報を取得し、前記購入したか否かに関する情報にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入エリアにも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者が前記対象商品を購入した購入エリアに関する情報を取得し、前記購入エリアにも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記受け付ける処理は、前記画像を、購入金額にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の購入金額に関する情報を取得し、前記購入金額にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記受け付ける処理は、前記画像を、同伴者にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の同伴者に関する情報を取得し、前記同伴者にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記受け付ける処理は、前記画像を、移動対象物との相対位置にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記移動対象物の位置情報を取得し、前記移動対象物の前記位置情報に基づいて前記容器と前記移動対象物との相対位置を算出し、前記相対位置にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記受け付ける処理は、前記画像を、イベントの進行状況にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記イベントの進行状況を取得し、前記進行状況にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【請求項9】
容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付け、
容器または該容器の表示部の位置情報と該容器または該容器の表示部の識別情報と前記容器で提供する飲食物の情報とを取得すると、前記位置情報に応じて登録された前記画像において、前記飲食物の情報に基づいた画像を該識別情報に対応付けられた送信先に送信し、
前記容器の前記表示部に前記画像を表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項10】
容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける受付部と、
容器または該容器の表示部の位置情報と該容器または該容器の表示部の識別情報と前記容器で提供する飲食物の情報とを取得すると、前記位置情報に応じて登録された前記画像において、前記飲食物の情報に基づいた画像を該識別情報に対応付けられた送信先に送信する送信部と、
前記容器の前記表示部に前記画像を表示させる表示部と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法、表示制御プログラムおよび表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テーマパークなどの施設の運営者が施設を訪れる来訪客に情報を発信するには、様々な方法がある。例えば、来訪客のモバイル端末へ情報をプッシュするプッシュ通知がある。また、SNS(Social Networking Service)を利用した情報の配信がある。また、個々の来訪客のメールアドレスへのメールマガジンの配信がある。さらに、紙媒体の広告や掲示板に掲載された情報の発信がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−168481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、施設に来訪する来訪客に情報を発信する従来の技術では、不特定多数への情報の発信であるため、施設の各エリアを訪れる個々の来訪客に対して状況に応じた情報を発信することが困難であるという問題がある。
【0005】
1つの側面では、施設の各エリアを訪れる個々の来訪客に対して状況に応じた情報を発信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、表示制御方法は、容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付け、容器または該容器の表示部の位置情報と該容器または該容器の表示部の識別情報とを取得すると、前記位置情報に応じて登録された前記画像を該識別情報に対応付けられた送信先に送信し、前記容器の前記表示部に前記画像を表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
1つの態様によれば、施設の各エリアを訪れる個々の来訪客に対して状況に応じた情報を発信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係る表示制御サーバを含む表示制御システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、実施例1に係るIoT容器の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、実施例1に係る表示制御サーバの構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、実施例1に係る容器管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、実施例1に係る配信管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、実施例1に係る配信ルールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7A図7Aは、IoT容器の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図7B図7Bは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。
図7C図7Cは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。
図7D図7Dは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。
図7E図7Eは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。
図7F図7Fは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。
図8図8は、実施例1に係る表示制御処理のシーケンスの例を示す図である。
図9図9は、実施例1に係る表示制御システムの用途の一例を示す図である。
図10図10は、実施例2に係る表示制御サーバを含む表示制御システムの構成を示す機能ブロック図である。
図11図11は、実施例2に係る表示制御サーバの構成を示す機能ブロック図である。
図12図12は、実施例2に係る容器管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図13図13は、実施例2に係る配信管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図14図14は、実施例2に係る配信ルールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図15図15は、実施例2に係る表示制御処理のシーケンスの例を示す図である。
図16図16は、実施例2に係る表示制御システムの用途の一例を示す図である。
図17図17は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。
図18図18は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。
図19図19は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。
図20図20は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する表示制御方法、表示制御プログラムおよび表示制御装置の各実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
[操作管理装置の構成]
図1は、実施例1に係る表示制御サーバを含む表示制御システムの構成を示す機能ブロック図である。実施例1に係る表示制御サーバ1は、例えば、IoT(Internet of Things)容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける。また、表示制御サーバ1は、IoT容器または該IoT容器の表示部の位置情報と、IoT容器または該IoT容器の表示部の識別情報とを取得すると、位置情報に応じて登録された画像を識別情報に対応付けられた送信先に送信する。そして、表示制御サーバ1は、IoT容器の表示部に画像を表示させる。すなわち、表示制御サーバ1は、IoT容器の表示部に、IoT容器を利用する利用者の位置に応じた画像などの情報を自動的に表示させる。ここでいうIoT容器とは、通信機能および表示機能を備える容器のことをいい、実施例1では、ポップコーンなどのテイクアウト用の飲食物を販売する店舗で提供される飲食物の容器のことをいう。
【0011】
図1に示すように、実施例1に係る表示制御システム9は、表示制御サーバ1と、IoT容器2と、端末3とを有する。
【0012】
表示制御サーバ1は、IoT容器2とネットワーク6を介して相互に通信可能に接続される。ここでいうネットワーク6は、例えば、Wi−Fi(登録商標)であるが、これに限定されず、キャリア網などその他の通信網であっても良い。また、IoT容器2は、端末3とネットワーク7を介して相互に通信可能に接続される。ここでいうネットワーク7は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などのBluetoothであるが、これに限定されず、IoT容器2と端末3とが通信可能に接続されれば良い。なお、表示制御サーバ1の構成は、後述するものとする。
【0013】
IoT容器2は、通信機能、表示機能およびバーコードを備える容器である。例えば、IoT容器2は、表示制御サーバ1から送信された画像を表示部に表示することが可能な容器である。また、IoT容器2は、他のIoT容器2と区別するためにバーコードを持つ容器である。かかるバーコードは、表示機能に表示されていても良いし、容器の側面に付けられていても良い。かかるバーコードは、後述するIoT容器ID(IDentifier)に対応する。なお、IoT容器2は、テイクアウト用の飲食物の容器であると説明したが、これに限定されず、マグカップやタンブラーなどを含む飲料の容器であっても良いし、皿や椀などを含む飲食物の容器であっても良い。なお、IoT容器2の構成は、後述するものとする。
【0014】
端末3は、来訪客用の端末の一例である。端末3は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話機であるが、これに限定されず、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯可能なパーソナルコンピュータなどの端末であっても良い。一例として、端末3は、施設固有のアプリケーション画面を表示したり、施設固有のアプリケーションからIoT容器2の表示部に表示される画像を取り込んだり、参照したりできればその他の種類の端末であっても良い。なお、端末3にインストールされる施設固有のアプリケーションのことを「モバイルアプリ」という場合がある。
【0015】
[IoT容器の構成]
図2は、実施例1に係るIoT容器の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、IoT容器2は、通信部21と、表示部22とを有する。
【0016】
通信部21は、ネットワーク6(図1参照)を介して表示制御サーバ1と通信を行う。また、通信部21は、ネットワーク7(図1参照)を介して端末3と通信を行う。通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。
【0017】
表示部22は、表示制御サーバ1から送信される画像を表示する。表示部22は、例えば、電子ペーパーであるが、これに限定されず、IoT容器2に取り付けられるとともに画像を表示できれば、その他の種類の表示機器であっても良い。
【0018】
[表示制御サーバの構成]
図3は、実施例1に係る表示制御サーバの構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、表示制御サーバ1は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。
【0019】
通信部11は、ネットワーク6(図1参照)を介してIoT容器2と通信を行う。通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。
【0020】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)などの電子回路に対応する。そして、制御部12は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここでは、制御部12は、サーバアプリによって処理を実行するものとする。制御部12は、登録部121と、受信部122と、記録部123と、送信部124とを有する。なお、送信部124は、表示部の一例である。
【0021】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。記憶部13は、容器管理テーブル131と、配信管理テーブル132と、配信ルールテーブル133と、画像134とを有する。なお、容器管理テーブル131は、記憶部の一例である。
【0022】
容器管理テーブル131は、IoT容器2を管理する。ここで、容器管理テーブル131のデータ構造を、図4を参照して説明する。
【0023】
図4は、実施例1に係る容器管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、容器管理テーブル131は、IoT容器ID131aと、アドレス131bと、位置情報131cと、利用時間131dとを対応付けて記憶する。IoT容器ID131aは、IoT容器2またはIoT容器2の表示部22の識別情報を示す。アドレス131bは、IoT容器2のアドレスを示す。アドレス131bは、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスであるが、これに限定されず、IoT容器2の宛先を示すアドレスであれば良い。位置情報131cは、IoT容器2が位置する位置情報を示す。ここでいう位置情報は、例えば、IoT容器2が接続されるWi−Fiのアクセスポイントの設置位置に関する情報から取得することができる。一方で、かかる位置情報はアクセスポイントの設置位置に関する情報に限られず、例えば、IoT容器2にGPS(Global Positioning System)センサを別途設け、かかるGPSセンサから得られる位置情報を用いても良い。利用時間131dは、来訪客がIoT容器2を利用している時間を示す。
【0024】
一例として、IoT容器ID131aが「c000001」である場合に、アドレス131bとして「a0:b2:d3:7F:60:b5」、位置情報131cとして「エリア1」が記憶されている。
【0025】
図3に戻って、配信管理テーブル132は、各IoT容器2に配信した画像の情報を管理する。ここで、配信管理テーブル132のデータ構造を、図5を参照して説明する。
【0026】
図5は、実施例1に係る配信管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、配信管理テーブル132は、IoT容器ID132aと、配信画像132bと、時刻132cとを対応付けて記憶する。IoT容器ID132aは、IoT容器2またはIoT容器2の表示部22の識別情報を示す。IoT容器ID132aは、容器管理テーブル131のIoT容器ID131aに対応する。配信画像132bは、IoT容器2に配信された画像を識別する情報を示す。画像を識別する情報には、例えば、画像の名称や画像の番号を含んでも良い。時刻132cは、配信画像132bが示す画像が配信された時刻を示す。
【0027】
一例として、IoT容器ID132aが「c000001」である場合に、配信画像132bとして「イベント情報35」、時刻132cとして「yyyy.mm.dd.hh.mm.ss0」が記憶されている。また、IoT容器ID132aが「c000001」である場合に、配信画像132bとして「キャラクターB」、時刻132cとして「yyyy.mm.dd.hh.mm.ss1」が記憶されている。
【0028】
図3に戻って、配信ルールテーブル133は、配信ルールを管理する。なお、配信ルールテーブル133は、システムの運用前に予め記憶しても良いし、システムの運用中に追加や削除、変更などを行っても良い。ここで、配信ルールテーブル133のデータ構造を、図6を参照して説明する。
【0029】
図6は、実施例1に係る配信ルールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、配信ルールテーブル133は、配信条件133aと、配信画像133bとを対応付けて記憶する。配信条件133aは、画像が配信される条件を示す。配信条件133aは、例えば、来訪客が接近した施設内のマスコットキャラクターや、来訪客が訪れた施設内のエリアに基づいた条件であるが、これに限定されず、その他の条件であっても良い。配信画像133bは、配信条件133aに合致したときに配信される画像を識別する情報を示す。配信画像133bは、配信管理テーブル132の配信画像132bに対応する。
【0030】
一例として、配信条件133aが「キャラクターAに接近」である場合に、配信画像133bとして「キャラクターA」が記憶されている。配信条件133aが「エリア1に来訪」である場合に、配信画像133bとして「イベント情報35」が記憶されている。
【0031】
図3に戻って、画像134は、配信される画像である。以下、複数の画像134を区別するため「画像134a」、「画像134b」と記載する。特に区別せずに説明する場合には、「画像134」と記載する。画像134には、例えば、マスコットキャラクターなどのイラストを記載した画像134aと、メッセージを記載した画像134bとが含まれる。イラストを記載した画像134aには、例えば、アニメの画像が含まれる。メッセージを記載した画像134aには、例えば、イベントの情報や割引の情報、無料クーポンの情報などが含まれる。画像134は、図示しない編集端末を用いて作成されたり、編集されたりし、記憶部13に登録される。なお、画像134には、画像のみならず文字も含まれる。
【0032】
制御部12の登録部121は、画像134を記憶部13に登録する。例えば、登録部121は、システムの運用前や運用中に、編集端末の編集画面によって作成された画像134を受け付けると、画像134を記憶部13に追加する。
【0033】
受信部122は、IoT容器2の利用が開始された場合または購入が完了した場合に、IoT容器2の識別情報と位置情報とを対応付ける。
【0034】
例えば、受信部122は、IoT容器2の利用が開始された場合などにIoT容器2の識別情報を取得すると、以下の処理を行う。受信部122は、取得した識別情報が容器管理テーブル131のIoT容器ID131aに記憶されていない場合には、当該識別情報が示す容器の利用が開始されたタイミングであると判断する。そして、受信部122は、容器管理テーブル131に、IoT容器ID131aとして取得した識別情報、アドレス131bとして識別情報に対応するアドレスおよび利用時間131dとして「0」を対応付けて格納する。なお、識別情報に対応するアドレスは、予めアドレステーブルに保持しておけば良い。
【0035】
また、受信部122は、IoT容器2から位置情報を取得すると、現に容器管理テーブル131に格納したIoT容器ID131aに対応する位置情報131cに当該位置情報を格納する。これにより、受信部122は、IoT容器2の識別情報と位置情報とを対応付けることができる。なお、IoT容器2の識別情報および位置情報を取得するタイミングは、IoT容器2の利用が開始されたタイミングまたは購入が完了したタイミングのどちらでも良い。
【0036】
記録部123は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。例えば、記録部123は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからタイマーを起動する。そして、記録部123は、容器管理テーブル131のIoT容器ID131aに対応する利用時間131dを更新する。
【0037】
送信部124は、IoT容器2に対して個別の画像を送信する。例えば、送信部124は、IoT容器2の識別情報および位置情報と、配信画像の画像番号とを取得すると、記憶部13に登録された画像134の中の取得した画像番号に基づいた画像を、識別情報に対応付けられた送信先のIoT容器2に送信する。これにより、送信部124は、IoT容器2の利用者が訪れた各エリアに応じた固有の画像を表示させることができる。
【0038】
また、送信部124は、IoT容器2のIoT容器ID131aを容器管理テーブル131から取得する。そして、送信部124は、送信した画像の情報を、取得したIoT容器ID131aに対応付けて配信管理テーブル132に格納する。
【0039】
さらに、送信部124は、所定の条件に応じて、IoT容器2に表示させる画像を変更する。例えば、送信部124は、IoT容器2の利用者が訪れたエリアに応じて、IoT容器2に表示させる画像を変更する。一例として、送信部124は、配信ルールテーブル133を参照し、容器管理テーブル131のIoT容器2に対応する位置情報131cが配信条件133aに適合するか否かを判定する。そして、送信部124は、位置情報131cが配信条件133aに適合する場合には、適合した配信条件133aに対応する配信画像133bを、位置情報131cに対応するIoT容器2に対応付けられた送信先のIoT容器2に送信する。これにより、送信部124は、IoT容器2の利用者が訪れたエリアに応じてIoT容器2に提示する画像を変更することができる。
【0040】
[IoT容器の表示部に表示される画像]
次に、IoT容器2の表示部22に表示される画像例を、図7A図7Fを参照して説明する。図7Aは、IoT容器の表示部に表示される画像の一例を示す図である。図7Aに示すように、IoT容器2には、施設のマスコットキャラクターを示す画像が表示されている。ここでは、施設のマスコットキャラクターとしてキャラクターAが表示されている。例えば、送信部124は、配信ルールテーブル133に基づき、IoT容器2の利用者が接近するマスコットキャラクターに応じて、かかるマスコットキャラクターの画像をIoT容器2の表示部22に表示させる。
【0041】
図7B図7Fは、IoT容器の表示部に表示される画像の別の一例を示す図である。図7Bに示すように、IoT容器2には、別のマスコットキャラクターを示す画像が表示されている。ここでは、別のマスコットキャラクターとしてキャラクターBが表示されている。
【0042】
図7Cに示すように、IoT容器2には、イベントの情報を示す画像が表示されている。ここでは、イベントの情報として「15時よりエリア1でXXパレード開催!」が表示されている。例えば、送信部124は、配信ルールテーブル133に基づき、IoT容器2の利用者が訪れるエリアに応じて、イベントの情報を示す配信画像をIoT容器2の表示部22に表示させる。
【0043】
図7Dに示すように、IoT容器2には、別のイベントの情報を示す画像が表示されている。ここでは、別のイベントの情報として「エリア2でこれからキャラクターAに会えるよ!」が表示されている。
【0044】
図7Eに示すように、IoT容器2には、割引の情報を示す画像が表示されている。ここでは、割引の情報として、「10% OFF」が表示されている。例えば、送信部124は、配信ルールテーブル133に基づき、IoT容器2の利用者が訪れるエリアに応じて、割引の情報を示す配信画像をIoT容器2の表示部22に表示させる。
【0045】
図7Fに示すように、IoT容器2には、無料クーポンの情報を示す画像が表示されている。ここでは、無料クーポンの情報として、「ポップコーン1個無料」が表示されている。例えば、送信部124は、配信ルールテーブル133に基づき、IoT容器2の利用者が訪れるエリアに応じて、無料クーポンの情報を示す配信画像をIoT容器2の表示部22に表示させる。
【0046】
[表示制御処理のシーケンス]
図8は、実施例1に係る表示制御処理のシーケンスの例を示す図である。図8では、飲食物を購入した来訪客の移動したエリアが配信ルールに適合した場合に、適合した配信ルールに対応する広告の画像を表示制御サーバ1が特定し、特定した画像を来訪客に対応するIoT容器2に表示させる場合を説明する。なお、図8中の破線で示す処理は、人間が行う処理である。
【0047】
図8に示すように、来訪客は、施設に来訪し、飲食物を注文する(S11,S12)。飲食物の注文を受け付けた施設の従業員は、IoT容器2に付けられたバーコードを施設内の端末でスキャンする(S13)。かかるIoT容器2から読み取られたバーコードが、IoT容器2の識別情報である。IoT容器2に付けられたバーコードの操作を受け付けた施設内の端末は、バーコードを取得し、取得したバーコードを表示制御サーバ1に送信する。
【0048】
バーコードを受け付けた表示制御サーバ1は、バーコードに対応するIoT容器2の施設内での利用の記録を開始する(S14)。すなわち、表示制御サーバ1は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。例えば、表示制御サーバ1は、バーコードが容器管理テーブル131のIoT容器ID131aに記憶されていないので、IoT容器2の利用が開始されたタイミングであると判断する。そして、表示制御サーバ1は、容器管理テーブル131にバーコード、バーコードに対応するアドレス、利用時間としての「0」を対応付けて格納する。そして、表示制御サーバ1は、バーコードに対応したタイマーを起動し、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。
【0049】
識別されたIoT容器2を飲食物とともに受け取った来訪客は、施設内を移動する(S15,S16)。来訪客とともに施設内を移動するIoT容器2は、位置情報を随時表示制御サーバ1に送信する(S17)。表示制御サーバ1は、配信ルールテーブル133を参照し、来訪客が訪れるエリアが配信ルールに適合するか否かを判定する(S18)。例えば、表示制御サーバ1は、配信ルールテーブル133を参照し、容器管理テーブル131のIoT容器2に対応する位置情報131cが配信条件133aに適合するか否かを判定する。
【0050】
来訪客の訪れるエリアが配信ルールに適合しないと判定した場合には(S18;No)、表示制御サーバ1は、処理をS18に移行する。一方、来訪客の訪れるエリアが配信ルールに適合すると判定した場合には(S18;Yes)、表示制御サーバ1は、適合した配信ルールに対応する配信画像を位置情報131cに対応するアドレス131bのIoT容器2に送信する(S19)。
【0051】
画像を受け付けたIoT容器2は、表示部22に画像を表示する(S20)。一方、画像を送信した表示制御サーバ1は、IoT容器2に送信した画像の情報を、履歴として配信管理テーブル132に記録する(S21)。例えば、表示制御サーバ1は、IoT容器2のIoT容器ID131aを容器管理テーブル131から取得する。そして、表示制御サーバ1は、送信した画像の情報を、取得したIoT容器ID131aに対応付けて配信管理テーブル132に追加する。
【0052】
この後、来訪客が、IoT容器2とともに施設を退場する(S22)。IoT容器2の退場を受け付けた表示制御サーバ1は、退場したIoT容器2の施設内での利用記録を終了する(S23)。例えば、表示制御サーバ1は、IoT容器2の識別情報に対応したタイマーを停止し、時間経過の記録を終了する。なお、IoT容器2の退場は、例えば、IoT容器2が施設の入口に設置されるアクセスポイントで最後に接続され、その後施設内のいずれのアクセスポイントでもIoT容器2の接続が確認されなくなった段階で認識することができる。
【0053】
[表示制御システムの用途]
図9は、実施例1に係る表示制御システムの用途の一例を示す図である。図9は、テーマパークなどの施設の一例である。表示制御サーバ1は、IoT容器2とWi−Fiで接続されている。そして、IoT容器2は、端末3とBLEで接続されている。図9では、複数の来訪客のうち来訪客Gに着目して説明する。
【0054】
図9に示すように、<1>来訪客Gが施設に来訪し、IoT容器2に入れられた飲食物を購入する。<2>来訪客Gは、IoT容器2を持って施設内を移動し、施設内のエリア1に来訪する。<3>表示制御サーバ1は、エリア1に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報と設定された配信ルールとに基づいて、Wi−Fi経由で対象の識別情報を有するIoT容器2にエリア1に基づいた画像を配信する。<4>対象の識別情報を有するIoT容器2は、エリア1に基づいた画像(例えば、図7Cに示したイベントの情報)を表示する。
【0055】
さらに、<5>来訪客Gは、IoT容器2を持って施設内を移動し、施設内のエリア2に来訪する。<6>表示制御サーバ1は、エリア2に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信し、IoT容器2の位置情報を更新する。そして、表示制御サーバ1は、更新された位置情報と設定された配信ルールとに基づいて、Wi−Fi経由で対象の識別情報を有するIoT容器2にエリア2に基づいた画像を配信する。<7>対象の識別情報を有するIoT容器2は、エリア2に基づいた画像(例えば、図7Dに示したイベントの情報)を表示する。
【0056】
これにより、表示制御システム9は、来訪客の訪れるエリアに応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、来訪客が異なるエリアを訪れた場合、訪れたエリアに応じた適切な画像をIoT容器2に表示することができる。
【0057】
[実施例1の効果]
このようにして、表示制御サーバ1は、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1は、IoT容器2またはIoT容器2の表示部22の位置情報とIoT容器2またはIoT容器2の表示部22の識別情報とを取得すると、位置情報に応じて登録された画像を識別情報に対応付けられた送信先に送信する。表示制御サーバ1は、IoT容器2の表示部22に画像を表示させる。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、施設の各エリアを訪れる個々の来訪客が有するIoT容器2ごとに状況に応じた情報を発信することができる。
【実施例2】
【0058】
[操作管理装置の構成]
図10は、実施例2に係る表示制御サーバを含む表示制御システムの構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、実施例2に係る表示制御システム9は、表示制御サーバ1と、IoT容器2と、端末3と、POS(Point Of Sales)端末4とを有する。なお、実施例1と同じ構成に関しては、適宜説明を省略する。
【0059】
表示制御サーバ1は、POS端末4とネットワーク6を介して相互に通信可能に接続される。また、表示制御サーバ1は、IoT容器2とネットワーク6を介して相互に通信可能に接続される。IoT容器2は、端末3とネットワーク7を介して相互に通信可能に接続される。なお、表示制御サーバ1の構成は、後述するものとする。
【0060】
POS端末4は、施設に来訪する来訪客の顧客情報を識別し、来訪客が購入した飲食物の売買取引を決済する。例えば、POS端末4は、来訪客が提示する施設固有のプリペイドカードまたは後述する来訪客用の端末である端末3に表示される施設固有のアプリケーション画面のバーコードを読み取り、来訪客の顧客情報を識別する。そして、POS端末4は、顧客情報に対して来訪客が購入した飲食物の売買取引を決済する。そして、POS端末4は、来訪客と飲食物の容器であるIoT容器2とを対応させるために、来訪客の顧客情報を表示制御サーバ1に送信する。なお、POS端末4は、決済した決済情報を図示しない記憶部に記憶する。決済情報には、例えば、来訪客の顧客情報、商品名、価格、購買時刻等が含まれる。
【0061】
[表示制御サーバの構成]
図11は、実施例2に係る表示制御サーバの構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように、表示制御サーバ1は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。なお、実施例1と同じ構成に関しては、符号の下2桁を同一にして適宜説明を省略する。
【0062】
通信部31は、ネットワーク6(図10参照)を介してIoT容器2およびPOS端末4と通信を行う。通信部31は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。
【0063】
制御部32は、CPU(Central Processing Unit)などの電子回路に対応する。そして、制御部32は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここでは、制御部32は、サーバアプリによって処理を実行するものとする。制御部32は、登録部321と、受信部322と、記録部323と、送信部324と、解析部325とを有する。なお、送信部324は、表示部の一例である。
【0064】
記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。記憶部33は、容器管理テーブル331と、配信管理テーブル332と、配信ルールテーブル333と、画像334とを有する。なお、容器管理テーブル331は、記憶部の一例である。
【0065】
容器管理テーブル331は、IoT容器2を管理する。ここで、容器管理テーブル331のデータ構造を、図12を参照して説明する。
【0066】
図12は、実施例2に係る容器管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図12に示すように、容器管理テーブル331は、IoT容器ID331aと、アドレス331bと、来訪客ID331cと、位置情報331dと、利用時間331eとを対応付けて記憶する。IoT容器ID331aは、IoT容器2またはIoT容器2の表示部22の識別情報を示す。アドレス331bは、IoT容器2のアドレスを示す。来訪客ID331cは、来訪客の顧客情報を示す。ここでいう顧客情報は、例えば、施設固有のプリペイドカードまたは施設固有のアプリケーション画面のバーコードを示す情報である。位置情報331dは、IoT容器2が位置する位置情報を示す。利用時間331eは、来訪客がIoT容器2を利用している時間を示す。
【0067】
一例として、IoT容器ID331aが「c000001」である場合に、アドレス331bとして「a0:b2:d3:7F:60:b5」、来訪客ID331cとして「1000」、位置情報331dとして「エリア1」が記憶されている。
【0068】
図11に戻って、配信管理テーブル332は、来訪客に配信した画像の情報を管理する。ここで、配信管理テーブル332のデータ構造を、図13を参照して説明する。
【0069】
図13は、実施例2に係る配信管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図13に示すように、配信管理テーブル332は、来訪客ID332aと、配信画像332bと、時刻332cと、配信効果332dとを対応付けて記憶する。来訪客ID332aは、来訪客の顧客情報を示す。来訪客ID332aは、容器管理テーブル331の来訪客ID331cに対応する。配信画像332bは、来訪客に対応付けられたIoT容器2に配信された画像を識別する情報を示す。時刻332cは、配信画像332bが示す画像が配信された時刻を示す。配信効果332dは、配信画像332bに新たな利用または購入の効果があったか否かを示す情報を示す。効果があった場合には、一例として「○」が設定される。なお、配信効果332dの初期値には、一例として「−」が設定される。
【0070】
一例として、来訪客ID332aが「1000」である場合に、配信画像332bとして「イベント情報35」、時刻332cとして「yyyy.mm.dd.hh.mm.ss0」が記憶されている。また、来訪客ID332aが「1000」である場合に、配信画像332bとして「割引11」、時刻332cとして「yyyy.mm.dd.hh.mm.ss1」、配信効果332dとして「○」が記憶されている。
【0071】
図11に戻って、配信ルールテーブル333は、配信ルールを管理する。ここで、配信ルールテーブル333のデータ構造を、図14を参照して説明する。
【0072】
図14は、実施例2に係る配信ルールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図14に示すように、配信ルールテーブル333は、配信条件(1)333aと、配信条件(2)333bと、配信画像333cとを対応付けて記憶する。配信条件(1)333aおよび配信条件(2)333bは、画像が配信される条件を示す。配信条件(1)333aは、例えば、来訪客が訪れた施設内のエリアや、来訪客が接近した施設内のキャラクターに基づいた条件である。配信条件(2)333bは、例えば、施設内で来訪客が商品を購入した購入金額や購入履歴、商品の購入エリア、来訪客の同伴者、イベントの進行状況などに基づいた条件である。なお、配信条件(1)333aおよび配信条件(2)333bは、これらに限定されず、その他の条件であっても良い。配信画像333cは、配信条件(1)333aおよび配信条件(2)333bに合致したときに配信される画像を識別する情報を示す。配信画像333cは、配信管理テーブル332の配信画像332bに対応する。
【0073】
一例として、配信条件(1)333aが「エリア1に来訪」、配信条件(2)333bが「購入金額1万円以上」である場合に、配信画像333cとして「無料クーポン100」が記憶されている。配信条件(1)333aが「エリア2に来訪」、配信条件(2)333bが「子ども同伴」である場合に、配信画像333cとして「キャラクターB」が記憶されている。なお、実施例2では、配信ルールテーブル333に登録されている配信条件は2つ(配信条件(1)333a、配信条件(2)333b)であるが、配信ルールテーブル333に登録することができる配信条件は2つに限られず、いくつ登録されていても良い。
【0074】
図11に戻って、画像334は、配信される画像である。登録部321は、画像334を記憶部33に登録する。
【0075】
受信部322は、IoT容器2の利用が開始された場合または購入が完了した場合に、IoT容器2と来訪客および位置情報とを対応付ける。
【0076】
例えば、受信部322は、POS端末4から来訪客の顧客情報を取得すると、容器管理テーブル331に格納したIoT容器ID331aに対応する来訪客ID331cに当該顧客情報を格納する。また、受信部322は、IoT容器2から位置情報を取得すると、容器管理テーブル331に格納したIoT容器ID331aに対応する位置情報331dに当該位置情報を格納する。これにより、受信部322は、IoT容器2の識別情報と、来訪客の顧客情報および位置情報とを対応付けることができる。なお、来訪客の顧客情報を取得するタイミングは、IoT容器2の利用が開始されたタイミングまたは購入が完了したタイミングのどちらでも良い。
【0077】
記録部323は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。
【0078】
送信部324は、IoT容器2に対して個別の画像を送信する。例えば、送信部324は、IoT容器2の識別情報、顧客情報および位置情報と、配信画像の画像番号とを取得すると、記憶部33に登録された画像334の中の取得した画像番号に基づいた画像を識別情報に対応付けられた送信先のIoT容器2に送信する。これにより、送信部324は、IoT容器2の利用者の顧客情報と、利用者が訪れた各エリアとに応じた画像を表示させることができる。
【0079】
また、送信部324は、IoT容器2の識別情報に対応付けられた来訪客の来訪客ID331cを容器管理テーブル331から取得する。そして、送信部324は、送信した画像の情報を、取得した来訪客ID331cに対応付けて配信管理テーブル332に格納する。
【0080】
また、送信部324は、所定の条件に応じて、IoT容器2に表示させる画像を変更する。例えば、送信部324は、IoT容器2の利用者が訪れたエリアや利用者の顧客情報に応じて、IoT容器2に表示させる画像を変更する。一例として、送信部324は、配信ルールテーブル333を参照し、容器管理テーブル331のIoT容器2に対応する位置情報331dが配信条件(1)333aに適合するか否かを判定する。また、送信部324は、配信ルールテーブル333を参照し、容器管理テーブル331のIoT容器2に対応する来訪客ID331cの顧客情報が配信条件(2)333bに適合するか否かを判定する。そして、送信部324は、位置情報331dが配信条件(1)333aに適合し、かつ来訪客ID331cの顧客情報が配信条件(2)333bに適合する場合には、適合した配信条件(1)333aおよび配信条件(2)333bに対応する配信画像333cを、位置情報331dおよび来訪客ID331cに対応するIoT容器2に対応付けられた送信先のIoT容器2に送信する。これにより、送信部324は、IoT容器2の利用者が訪れたエリアおよび利用者の顧客情報に応じて、IoT容器2に提示する画像を変更することができる。
【0081】
解析部325は、IoT容器2に表示された画像を利用して、新たな利用または購入が行われたか否かを解析する。例えば、解析部325は、POS端末4により蓄積された決済情報および配信管理テーブル332に蓄積された情報に基づいて、配信画像に新たな利用または購入の効果があったか否かを解析する。
【0082】
一例として、端末3が、モバイルアプリからIoT容器2の表示部22に表示される画像を取り込んだり、参照したりできる場合とする。かかる場合には、解析部325は、POS端末4から来訪客の顧客情報とモバイルアプリで参照された配信画像の画像情報とを取得すると、配信管理テーブル332の顧客情報に対応する配信画像に、取得した画像情報が設定されているか否かを判定する。そして、解析部325は、配信管理テーブル332の顧客情報に対応する配信画像に、取得した画像情報が設定されていれば、この配信画像に新たな利用または購入の効果があったと解析できる。そして、解析部325は、配信管理テーブル332のこの配信画像に対応する配信効果332dに効果があったことを示す「○」を設定する。なお、解析部325による解析は、例えば、来訪客が新たに飲食物を購入したり、新たに施設内の店舗を利用したりする場合が想定される。
【0083】
また、別の一例として、解析部325は、ある来訪客に対して、配信画像332bが配信された時刻332cの後に、同じ来訪客の決済情報に購買履歴が有るか否かで判断しても良い。具体的には、送信部324が、配信ルールテーブル333に基づき、来訪客のIoT容器2に「ポップコーンのおかわり100円」という割引情報の画像を送信する。配信管理テーブル332には、来訪客に対応付けて送信した時刻332cおよび送信された割引情報の画像情報が格納される。解析部325は、この時刻332cの後に、決済情報に同じ来訪客がポップコーンを100円で購入した履歴が記録されていれば、配信画像に新たな利用または購入の効果があったと解析できる。なお、解析部325による解析は、リアルタイム処理で行われても良いし、バッチ処理で行われても良い。これにより、解析部325は、配信画像の何らかの効果を解析することができる。
【0084】
[表示制御処理のシーケンス]
図15は、実施例2に係る表示制御処理のシーケンスの例を示す図である。図15では、飲食物を購入した来訪客の移動したエリアおよび顧客情報が配信ルールに適合した場合に、適合した配信ルールに対応する広告の画像を表示制御サーバ1が特定し、特定した画像を来訪客に対応するIoT容器2に表示させる場合を説明する。なお、図15中の破線で示す処理は、人間が行う処理である。
【0085】
図15に示すように、来訪客は、施設に来訪し、飲食物を注文する(S31,S32)。飲食物の注文を受け付けた施設の従業員は、IoT容器2に付けられたバーコードを施設内の端末でスキャンする(S33)。かかるIoT容器2から読み取られたバーコードが、IoT容器2の識別情報である。IoT容器2に付けられたバーコードの操作を受け付けた施設内の端末は、バーコードを取得し、取得したバーコードを表示制御サーバ1に送信する。
【0086】
バーコードを受け付けた表示制御サーバ1は、バーコードに対応するIoT容器2の施設内での利用の記録を開始する(S34)。すなわち、表示制御サーバ1は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。例えば、表示制御サーバ1は、バーコードが容器管理テーブル331のIoT容器ID331aに記憶されていないので、IoT容器2の利用が開始されたタイミングであると判断する。そして、表示制御サーバ1は、容器管理テーブル331にバーコード、バーコードに対応するアドレス、利用時間としての「0」を対応付けて格納する。そして、表示制御サーバ1は、バーコードに対応したタイマーを起動し、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過を記録する。
【0087】
また、来訪客は、所持する端末3にインストールされたモバイルアプリにより決済する(S35)。なお、決済は、モバイルアプリの代わりにモバイルアプリと連携済みのプリペイドカードで行われても良い。そして、従業員は、モバイルアプリ画面のバーコードを施設内の端末でスキャンする(S36)。かかるモバイルアプリ画面から読み取られたバーコードが、来訪客の顧客情報である。
【0088】
モバイルアプリ画面のバーコードのスキャン操作を受け付けたPOS端末4は、バーコードを取得し、来訪客を示す顧客情報を識別する(S37)。そして、POS端末4は、決済処理を行う(S38)。そして、POS端末4は、取得した顧客情報を表示制御サーバ1に送信する。
【0089】
顧客情報を受け付けた表示制御サーバ1は、顧客情報と、利用が開始されたIoT容器2とを対応付ける(S39)。例えば、表示制御サーバ1は、容器管理テーブル331のIoT容器ID331aに対応する来訪客ID331cに顧客情報を格納する。
【0090】
識別されたIoT容器2を飲食物とともに受け取った来訪客は、施設内を移動する(S40,S41)。来訪客とともに施設内を移動するIoT容器2は、位置情報を随時表示制御サーバ1に送信する(S42)。表示制御サーバ1は、配信ルールテーブル333を参照し、来訪客が訪れるエリアおよび来訪客の顧客情報が配信ルールに適合するか否かを判定する(S43)。例えば、表示制御サーバ1は、配信ルールテーブル333を参照し、容器管理テーブル331のIoT容器2に対応する位置情報331dが配信条件(1)333aに適合するか否かを判定する。さらに、表示制御サーバ1は、配信ルールテーブル333を参照し、容器管理テーブル331のIoT容器2に対応する来訪客ID331cの顧客情報が配信条件(2)333bに適合するか否かを判定する。
【0091】
来訪客の訪れるエリアおよび来訪客の顧客情報が配信ルールに適合しないと判定した場合には(S43;No)、表示制御サーバ1は、処理をS43に移行する。一方、来訪客の訪れるエリアおよび来訪客の顧客情報が配信ルールに適合すると判定した場合には(S43;Yes)、表示制御サーバ1は、適合した配信ルールに対応する配信画像を位置情報331dおよび来訪客ID331cに対応するアドレス331bのIoT容器2に送信する(S44)。
【0092】
画像を受け付けたIoT容器2は、表示部22に画像を表示する(S45)。一方、画像を送信した表示制御サーバ1は、IoT容器2に送信した画像の情報を、履歴として配信管理テーブル332に記録する(S46)。例えば、表示制御サーバ1は、IoT容器2の識別情報に対応付けられた来訪客の顧客情報を容器管理テーブル331から取得する。そして、表示制御サーバ1は、送信した画像の情報を、顧客情報に対応付けて配信管理テーブル332に追加する。
【0093】
[表示制御システムの用途]
図16は、実施例2に係る表示制御システムの用途の一例を示す図である。なお、図16図18に示す例は、テーマパークなどの施設の一例である。表示制御サーバ1は、IoT容器2とWi−Fiで接続されている。そして、IoT容器2は、端末3とBLEで接続されている。図16では、複数の来訪客のうち来訪客Gおよび来訪客Hに着目して説明する。
【0094】
図16に示すように、<1>施設内での購入金額が0円である来訪客Gが、IoT容器2を持って施設内を移動して、施設内のエリア1に来訪する。<2>表示制御サーバ1は、エリア1に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gの購入金額と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にエリア1および購入金額(この場合0円)に基づいた画像を配信する。<3>IoT容器2は、エリア1および購入金額(この場合0円)に基づいた画像(例えば、図7Cに示したイベントの情報)を表示する。
【0095】
一方で、<4>施設内での購入金額が2万円である来訪客Hが、IoT容器2を持って施設内を移動し、施設内のエリア1に来訪する。<5>表示制御サーバ1は、エリア1に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gの購入金額と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にエリア1および購入金額(この場合2万円)に基づいた画像を配信する。<6>IoT容器2は、エリア1および購入金額(この場合2万円)に基づいた画像(例えば、図7Fに示した無料クーポンの情報)を表示する。
【0096】
これにより、表示制御システム9は、来訪客の購入金額に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、購入金額が多い優良顧客に対して、無料クーポンなどの付加価値を持つ広告を配信することができる。
【0097】
なお、かかる来訪客の購入金額に関する情報は、POS端末4に登録されている来訪客の顧客情報から取得することができる。さらに、POS端末4に登録されている来訪客の顧客情報から取得することができる情報は、来訪客の購入金額に関する情報に限られない。
【0098】
例えば、表示制御サーバ1は、来訪客の顧客情報から、かかる来訪客が所定の商品を購入したか否かに関する情報(例えば、ポップコーンを購入したという情報)を取得する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gが所定の商品を購入したか否かに関する情報と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2に位置情報および所定の商品を購入したか否かに基づいた画像を配信する。そして、IoT容器2は、位置情報および所定の商品を購入したか否かに基づいた画像(例えば、「ポップコーンおかわり100円」)を表示する。これにより、表示制御システム9は、来訪客が所定の商品を購入したか否かに応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、来訪客が購入した商品に関連する広告を配信することができる。
【0099】
また、例えば、表示制御サーバ1は、来訪客の顧客情報から、かかる来訪客の購入履歴に関する情報(例えば、キャラクターAに関するグッズをこれまで多数購入したという情報)を取得する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gの購入履歴に関する情報と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2に位置情報および購入履歴に基づいた画像を配信する。そして、IoT容器2は、位置情報および購入履歴に基づいた画像(例えば、キャラクターAに関する新発売グッズの情報)を表示する。これにより、表示制御システム9は、来訪客の購入履歴に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、これまでの購入実績から、かかる来訪客が関心を示す可能性の高い商品に関する広告を配信することができる。
【0100】
また、例えば、表示制御サーバ1は、来訪客の顧客情報から、かかる来訪客が所定の商品を購入したエリアに関する情報(例えば、キャラクターBに関するグッズをエリア2で購入したという情報)を取得する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gが所定の商品を購入したエリアに関する情報と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2に位置情報および所定の商品を購入したエリアに基づいた画像を配信する。そして、IoT容器2は、位置情報および所定の商品を購入したエリアに基づいた画像(例えば、エリア2におけるキャラクターBに関連するアトラクションの情報)を表示する。これにより、表示制御システム9は、来訪客が所定の商品を購入したエリアに応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、所定の商品を購入したエリアから、来訪客がかかるエリアで興味を引く可能性のある広告を配信することができる。
【0101】
図17は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。図17では、複数の来訪客のうち来訪客Gおよび来訪客Hに着目して説明する。
【0102】
図17に示すように、<1>同伴者のいない来訪客Gが、IoT容器2を持って施設内を移動して、施設内のエリア2に来訪する。<2>表示制御サーバ1は、エリア2に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Gの同伴者と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にエリア2および同伴者(この場合同伴者無し)に基づいた画像を配信する。<3>IoT容器2は、エリア2および同伴者(この場合同伴者無し)に基づいた画像(例えば、図7Dに示したイベントの情報)を表示する。
【0103】
一方で、<4>子どもを同伴する来訪客Hが、IoT容器2を持って施設内を移動して、施設内のエリア2に来訪する。<5>表示制御サーバ1は、エリア2に入ったIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報および来訪客Hの同伴者と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にエリア2および同伴者(この場合子ども同伴)に基づいた画像を配信する。<6>IoT容器2は、エリア2および同伴者(この場合子ども同伴)に基づいた画像(例えば、図7Bに示したキャラクターBの画像)を表示する。
【0104】
これにより、表示制御システム9は、来訪客の同伴者に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、子どもを同伴する来訪客に対して、子どもに人気のあるマスコットキャラクターに関する画像を配信することができる。
【0105】
なお、来訪客の同伴者に関する情報は、例えば、POS端末4に登録されている来訪客の顧客情報から取得しても良いし、飲食物とともにIoT容器2を購入する際に、施設従業員が来訪客の同伴者を確認してから入力されても良い。
【0106】
図18は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。図18では、複数の来訪客のうち来訪客Gに着目して説明する。
【0107】
図18に示すように、<1>IoT容器2を持った来訪客Gが施設内を移動し、同じく施設内を移動するキャラクターAに接近する。<2>表示制御サーバ1は、IoT容器2から位置情報および識別情報を受信し、キャラクターAから位置情報を受信して、IoT容器2とキャラクターAとの相対位置を算出する。そして、IoT容器2とキャラクターAとが所定の距離以内に近接した場合に、表示制御サーバ1は、設定された配信ルールに基づいて、接近するキャラクターAに基づいた画像を対象の識別情報を有するIoT容器2に配信する。<3>IoT容器2は、接近するキャラクターAに基づいた画像(例えば、図7Aに示したキャラクターAの画像)を表示する。<4>端末3は、IoT容器2から、接近するキャラクターAに基づいた画像(例えば、図7Aに示したキャラクターAの画像)を取得する。
【0108】
これにより、表示制御システム9は、来訪客に接近する移動対象物に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、来訪客がマスコットキャラクターに接近した場合、接近したマスコットキャラクター(例えば、キャラクターA)に応じた適切な画像をIoT容器2に表示することができる。また、表示制御システム9は、来訪客に接近する移動対象物に応じて、来訪客が有する端末3に適切な画像を保存させることができる。
【0109】
なお、上述の移動対象物は施設のマスコットキャラクターに限られず、例えば、施設でのパレードなどのイベントの際に登場するフロート(山車)などであっても良い。
【0110】
図19は、実施例2に係る表示制御システムの用途の別の一例を示す図である。図19は、サッカー場などのスポーツ会場の一例である。
【0111】
図19に示すように、試合をするチームAおよびチームBのうち、チームAを応援する観客席において、表示制御サーバ1は、チームA側観客席にあるIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報と、別途入力されるイベントの進行状況と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にチームA側観客席に基づいた画像を配信する。IoT容器2は、チームA側観客席と、イベントの進行状況とに基づいた画像(例えば、「後半開始!チームA逆転だ!」)を表示する。
【0112】
一方で、表示制御サーバ1は、チームB側観客席にあるIoT容器2から位置情報および識別情報を受信する。そして、表示制御サーバ1は、受信した位置情報と、別途入力されるイベントの進行状況と、設定された配信ルールとに基づいて、対象のIoT容器2にチームB側観客席に基づいた画像を配信する。IoT容器2は、チームB側観客席と、イベントの進行状況とに基づいた画像(例えば、「チームBリード!今なら応援グッズ10%OFF」)を表示する。
【0113】
これにより、表示制御システム9は、イベントの進行状況に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。例えば、表示制御システム9は、試合の進行が佳境に入った場合、応援するチーム(例えば、チームAやチームB)に応じた適切な画像をIoT容器2に表示することができる。
【0114】
なお、図19に示すように、各実施例が適用される施設は、図18までに示したテーマパークに限られず、ショッピングモールなどの商業施設、スポーツ会場やコンサート会場などのイベント施設などであっても良い。例えば、ショッピングモールなどに各実施例を適用する場合は、かかるショッピングモールに出店している各店舗の広告などを、IoT容器2の位置情報および識別情報に基づいて配信することができる。また、コンサート会場などに各実施例を適用する場合は、コンサート会場の売店やトイレなどの位置情報を、IoT容器2の位置情報および識別情報に基づいて配信することができる。
【0115】
また、表示制御システム9は、IoT容器2の利用が開始されたタイミングからの時間経過に応じて、IoT容器2に表示させる画像を変更しても良い。例えば、送信部324は、配信ルールテーブル333を参照し、容器管理テーブル331のIoT容器2に対応する利用時間331eが配信条件(1)333aまたは配信条件(2)333bに適合するか否かを判定すればよい。これにより、表示制御システム9は、IoT容器2を利用する時間の経過に応じて、IoT容器2に提示する画像を配信することができる。
【0116】
さらに、表示制御システム9は、IoT容器2で提供する飲食物の情報を取得した場合に、かかる飲食物の情報に基づいた画像を対応するIoT容器2に送信しても良い。これにより、表示制御システム9は、来訪客が注文した飲食物が何であるかをIoT容器2に表示させることで、来訪客によって注文された飲食物の種類を来訪客に確認させることができる。
【0117】
[実施例2の効果]
このようにして、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、対象商品の購入に係る情報にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、IoT容器2の利用者の購入履歴に関する情報を取得し、購入履歴にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客の購入履歴に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0118】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、対象商品の購入の有無にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、容器の利用者が対象商品を購入したか否かに関する情報を取得し、購入したか否かに関する情報にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客が所定の商品を購入したか否かに応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0119】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、対象商品の購入エリアにも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、容器の利用者が対象商品を購入した購入エリアに関する情報を取得し、購入エリアにも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客が所定の商品を購入したエリアに応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0120】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、購入金額にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、容器の利用者の購入金額に関する情報を取得し、購入金額にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客の購入金額に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0121】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、同伴者にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、容器の利用者の同伴者に関する情報を取得し、同伴者にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客の同伴者に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0122】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、移動対象物との相対位置にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、移動対象物の位置情報を取得し、移動対象物の位置情報に基づいて容器と移動対象物との相対位置を算出し、相対位置にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、来訪客に接近する移動対象物に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0123】
また、表示制御サーバ1において、IoT容器2の表示部22に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付ける処理は、画像を、イベントの進行状況にも対応付けた登録を受け付ける。表示制御サーバ1において、位置情報に応じて登録された画像を送信する処理は、イベントの進行状況を取得し、進行状況にも基づいて画像を送信先に送信する。かかる構成によれば、表示制御サーバ1は、イベントの進行状況に応じて、来訪客が有するIoT容器2に適切な画像を表示することができる。
【0124】
[その他]
なお、表示制御サーバ1は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置に、上記した制御部12、32および記憶部13、33などの各機能を搭載することによって実現することができる。
【0125】
また、上記実施例では、図示した装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散・統合の具体的態様は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、記憶部13、33を表示制御サーバ1の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしても良い。
【0126】
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図3または図11に示した表示制御サーバ1と同様の機能を実現する操作管理プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0127】
図20に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU203と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置215と、表示装置209を制御する表示制御部207とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラムなどを読取るドライブ装置213と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行う通信制御部217とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するメモリ201と、HDD205を有する。そして、メモリ201、CPU203、HDD205、表示制御部207、ドライブ装置213、入力装置215、通信制御部217は、バス219で接続されている。
【0128】
ドライブ装置213は、例えばリムーバブルディスク211用の装置である。HDD205は、表示制御プログラム205aおよび表示制御関連情報205bを記憶する。
【0129】
CPU203は、表示制御プログラム205aを読み出して、メモリ201に展開し、プロセスとして実行する。かかるプロセスは、表示制御サーバ1の各機能部に対応する。表示制御関連情報205bは、容器管理テーブル131、331と、配信管理テーブル132、332と、配信ルールテーブル133、333と、画像134、334とに対応する。そして、例えばリムーバブルディスク211が、表示制御プログラム205aなどの各情報を記憶する。
【0130】
なお、表示制御プログラム205aについては、必ずしも最初からHDD205に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に当該プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200がこれらから表示制御プログラム205aを読み出して実行するようにしても良い。
【0131】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)容器の表示部に表示させる対象の画像を位置情報に対応付けた登録を受け付け、
容器または該容器の表示部の位置情報と該容器または該容器の表示部の識別情報とを取得すると、前記位置情報に応じて登録された前記画像を該識別情報に対応付けられた送信先に送信し、
前記容器の前記表示部に前記画像を表示させる、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示制御方法。
【0133】
(付記2)前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入に係る情報にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の購入履歴に関する情報を取得し、前記購入履歴にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御方法。
【0134】
(付記3)前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入の有無にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者が前記対象商品を購入したか否かに関する情報を取得し、前記購入したか否かに関する情報にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の表示制御方法。
【0135】
(付記4)前記受け付ける処理は、前記画像を、対象商品の購入エリアにも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者が前記対象商品を購入した購入エリアに関する情報を取得し、前記購入エリアにも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【0136】
(付記5)前記受け付ける処理は、前記画像を、購入金額にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の購入金額に関する情報を取得し、前記購入金額にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【0137】
(付記6)前記受け付ける処理は、前記画像を、同伴者にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記容器の利用者の同伴者に関する情報を取得し、前記同伴者にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【0138】
(付記7)前記受け付ける処理は、前記画像を、移動対象物との相対位置にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記移動対象物の位置情報を取得し、前記移動対象物の前記位置情報に基づいて前記容器と前記移動対象物との相対位置を算出し、前記相対位置にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【0139】
(付記8)前記受け付ける処理は、前記画像を、イベントの進行状況にも対応付けた登録を受け付け、
前記送信する処理は、前記イベントの進行状況を取得し、前記進行状況にも基づいて前記画像を前記送信先に送信する、
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の表示制御方法。
【0140】
(付記9)データを表示可能な特定の対象物の利用が開始された場合または購入が完了した場合に、前記対象物の位置情報を取得し、
取得した前記対象物の位置情報を前記対象物の識別情報に対応付けて記憶し、
記憶した前記位置情報に応じたデータを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【0141】
(付記10)前記取得する処理は、前記対象物の利用者の購入履歴に関する情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記購入履歴にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9に記載の表示制御プログラム。
【0142】
(付記11)前記取得する処理は、前記対象物の利用者が前記対象商品を購入したか否かに関する情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記購入したか否かに関する情報にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9または10に記載の表示制御プログラム。
【0143】
(付記12)前記取得する処理は、前記対象物の利用者が前記対象商品を購入した購入エリアに関する情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記購入エリアにも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の表示制御プログラム。
【0144】
(付記13)前記取得する処理は、前記対象物の利用者の購入金額に関する情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記購入金額にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜12のいずれか一つに記載の表示制御プログラム。
【0145】
(付記14)前記取得する処理は、前記対象物の利用者の同伴者に関する情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記同伴者にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜13のいずれか一つに記載の表示制御プログラム。
【0146】
(付記15)前記取得する処理は、前記移動対象物の位置情報を取得し、
前記表示させる処理は、前記移動対象物の前記位置情報に基づいて前記対象物と前記移動対象物との相対位置を算出し、前記相対位置にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜14のいずれか一つに記載の表示制御プログラム。
【0147】
(付記16)前記取得する処理は、前記イベントの進行状況を取得し、
前記表示させる処理は、前記進行状況にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜15のいずれか一つに記載の表示制御プログラム。
【0148】
(付記17)データを表示可能な特定の対象物の利用が開始された場合または購入が完了した場合に、前記対象物の位置情報を取得する受信部と、
取得した前記対象物の位置情報を前記対象物の識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した前記位置情報に応じたデータを前記対象物に表示させる表示部と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
【0149】
(付記18)前記受信部は、前記対象物の利用者の購入履歴に関する情報を取得し、
前記表示部は、前記購入履歴にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17に記載の表示制御装置。
【0150】
(付記19)前記受信部は、前記対象物の利用者が前記対象商品を購入したか否かに関する情報を取得し、
前記表示部は、前記購入したか否かに関する情報にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17または18に記載の表示制御装置。
【0151】
(付記20)前記受信部は、前記対象物の利用者が前記対象商品を購入した購入エリアに関する情報を取得し、
前記表示部は、前記購入エリアにも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【0152】
(付記21)前記受信部は、前記対象物の利用者の購入金額に関する情報を取得し、
前記表示部は、前記購入金額にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17〜20のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【0153】
(付記22)前記受信部は、前記対象物の利用者の同伴者に関する情報を取得し、
前記表示部は、前記同伴者にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17〜21のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【0154】
(付記23)前記受信部は、前記移動対象物の位置情報を取得し、
前記表示部は、前記移動対象物の前記位置情報に基づいて前記対象物と前記移動対象物との相対位置を算出し、前記相対位置にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17〜22のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【0155】
(付記24)前記受信部は、前記イベントの進行状況を取得し、
前記表示部は、前記進行状況にも基づいて前記データを前記対象物に表示させる、
ことを特徴とする付記17〜23のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【符号の説明】
【0156】
1 表示制御サーバ
11 通信部
12 制御部
121 登録部
122 受信部
123 記録部
124 送信部
13 記憶部
131 容器管理テーブル
132 配信管理テーブル
133 配信ルールテーブル
134 画像
2 IoT容器
21 通信部
22 表示部
3 端末
4 POS端末
6,7 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20