(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の技術においては、通信障害の解消後に出力情報に関するデータ送信が一斉に実行されている。仮に特許文献1の技術をメンテナンスデータの送信技術に適用すると、障害の解消後に一斉にメンテナンスデータが送信される。
【0009】
しかしながら、MFPのメンテナンス用データ(管理用データとも称する)の中には、クラウドサーバへのアップロードが多少遅れても特に不都合を生じないものが存在する一方で、クラウドサーバ(外部装置)へのアップロードが遅れること(外部装置への格納遅延)によって不都合を生じるものも存在する。
【0010】
たとえば、交換対象部品に関するセンシングデータの最新情報に基づき交換時期到来が判定される場合において、当該最新情報のアップロードが遅れると、交換時期到来の判定タイミングが遅れる。その結果、サービスマンが当該交換対象部品を客先に持参するタイミングも遅延するなどの問題が生じ得る。具体的には、交換時期到来の判定タイミングの遅延に起因して、別の用事で或る客先に向かおうとしているサービスマンは、交換対象部品を適時に当該客先に持参できないこと等が生じ得る。たとえば、或る部品の交換で客先に向かおうとしているサービスマンは、当該或る部品とは別の部品の交換時期到来の判定タイミングの遅延に起因して当該別の部品の交換時期到来を知得できず、当該別の部品と或る部品とを1回で(まとめて)当該客先に持参することができないこと等が生じ得る。
【0011】
そこで、この発明は、画像処理装置の管理用データのうちの少なくとも一部のデータの外部装置への格納遅延を抑制することが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像処理装置であって、予め指定された送信予定時刻に前記画像処理装置の管理用データを外部装置に対してネットワークを介して送信することが可能なアップロード制御手段と、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に過負荷状態を有するか否かを、前記送信予定時刻よりも前の所定時点で判定する過負荷判定手段と、を備え、前記アップロード制御手段は、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨が前記所定時点で判定される場合、前記所定時点の後且つ前記送信予定時刻よりも前において前記管理用データの少なくとも一部のデータを前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記管理用データの前記少なくとも一部のデータは、データ種類に応じて決定されることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記アップロード制御手段は、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨が前記所定時点で判定される場合、前記所定時点の後且つ前記送信予定時刻よりも前において前記管理用データのうちの一部のデータである第1のデータを前記外部装置に送信し、且つ、前記過負荷状態の解消後に前記管理用データのうち前記一部のデータとは異なる第2のデータを前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記アップロード制御手段は、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨が前記所定時点で判定される場合、前記所定時点の後且つ前記送信予定時刻よりも前において前記管理用データのうちの一部のデータである第1のデータを前記外部装置に送信し、且つ、前記過負荷状態の解消後に前記管理用データのうちの残余のデータである第2のデータを前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明に係る画像処理装置において、前記第1のデータは、トナー残量データと用紙残量データと交換部品に関するセンシングデータとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項3または請求項4の発明に係る画像処理装置において、前記第2のデータは、ログデータとカウンタデータとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、請求項3から請求項6のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記アップロード制御手段は、前記第1のデータとして決定されるべきデータ種類と前記第2のデータとして決定されるべきデータ種類とを規定するデータテーブルに基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとをそれぞれ決定することを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有するか否かを、前記画像処理装置のジョブ履歴に基づいて、前記送信予定時刻よりも前の前記所定時点で判定することを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有するか否かを、前記画像処理装置の原稿自動送り部に載置されている原稿の量に基づいて、前記送信予定時刻よりも前の前記所定時点で判定することを特徴とする。
【0021】
請求項10の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記送信予定時刻よりも所定期間前の前記所定時点で、ネットワーク通信のために前記画像処理装置の外部の装置との間に形成されているネットワークセッション数が所定値に到達した場合、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨を判定することを特徴とする。
【0022】
請求項11の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記送信予定時刻よりも所定期間前の前記所定時点で、前記画像処理装置にて動作するウエブブラウザにおいて所定のサイトへのアクセス指示が付与された場合、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨を判定することを特徴とする。
【0023】
請求項12の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記送信予定時刻よりも所定期間前の前記所定時点で、前記画像処理装置におけるスキャン解像度設定にて所定程度よりも大きな解像度が設定された場合、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨を判定することを特徴とする。
【0024】
請求項13の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新予定期間内に前記送信予定時刻が含まれている場合、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨を、前記更新予定期間の開始時刻よりも所定期間前の前記所定時点で判定することを特徴とする。
【0025】
請求項14の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷判定手段は、前記画像処理装置を遠隔操作することが可能な遠隔操作装置と前記画像処理装置との間に遠隔操作用の通信セッションが前記送信予定時刻よりも所定期間前の前記所定時点で確立された場合、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨を判定することを特徴とする。
【0026】
請求項15の発明は、請求項1から請求項14のいずれかの発明に係る画像処理装置において、前記過負荷状態の現時点での発生の有無を検知する検知手段と、前記過負荷状態の発生が検知された場合、前記過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止する停止手段と、をさらに備え、前記アップロード制御手段は、前記要因ジョブが一時停止されている期間内にて、前記管理用データの前記少なくとも一部のデータを前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0027】
請求項16の発明は、請求項15の発明に係る画像処理装置において、前記停止手段は、前記要因ジョブを一時的に停止すべきか否かを前記要因ジョブの種別に基づいて判定し、前記要因ジョブを一時的に停止すべきである旨が判定されることを条件に前記要因ジョブを一時的に停止する画像処理装置。
【0028】
請求項17の発明は、請求項15または請求項16の発明に係る画像処理装置において、前記アップロード制御手段は、前記過負荷状態の発生が検知された場合、前記要因ジョブが一時停止されている期間内にて、前記管理用データのうちの一部のデータを前記外部装置に送信し、且つ、前記要因ジョブの再開後且つ前記過負荷状態の解消後に前記管理用データのうち前記一部のデータとは異なるデータを前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0029】
請求項18の発明は、画像処理装置の制御方法であって、a)前記画像処理装置の管理用データを外部装置に対してネットワークを介して送信する予定時刻として予め指定された送信予定時刻に前記画像処理装置が過負荷状態を有するか否かを、前記送信予定時刻よりも前の所定時点で判定するステップと、b)前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨が前記所定時点で判定される場合、前記所定時点の後且つ前記送信予定時刻よりも前において前記管理用データの少なくとも一部のデータを前記外部装置に送信するステップと、を備える制御方法。
【0030】
請求項19の発明は、請求項18の発明に係る制御方法において、前記ステップb)において、前記管理用データの前記少なくとも一部のデータは、データ種類に応じて決定されることを特徴とする。
【0031】
請求項20の発明は、請求項18の発明に係る制御方法において、前記ステップb)において、前記画像処理装置が前記送信予定時刻に前記過負荷状態を有する旨が前記所定時点で判定される場合、前記所定時点の後且つ前記送信予定時刻よりも前において前記管理用データのうちの一部のデータである第1のデータが前記外部装置に送信され、且つ、前記過負荷状態の解消後に前記管理用データのうち前記一部のデータとは異なる第2のデータが前記外部装置に送信されることを特徴とする。
【0032】
請求項21の発明は、請求項20の発明に係る制御方法において、前記ステップb)において、前記第1のデータとして決定されるべきデータ種類と前記第2のデータとして決定されるべきデータ種類とを規定するデータテーブルに基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとがそれぞれ決定されることを特徴とする。
【0033】
請求項22の発明は、請求項18から請求項21のいずれかの発明に係る制御方法において、c)前記過負荷状態の現時点での発生の有無を検知するステップと、d)前記過負荷状態の発生が前記ステップc)にて検知された場合、前記過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止するステップと、e)前記要因ジョブが一時停止されている期間内にて、前記管理用データの前記少なくとも一部のデータを前記外部装置に送信するステップと、をさらに備える制御方法。
【0034】
請求項23の発明は、請求項18から請求項21のいずれかの発明に係る制御方法において、c)前記過負荷状態の現時点での発生の有無を検知するステップと、d)前記過負荷状態の発生が前記ステップc)にて検知された場合、前記過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止するステップと、e)前記要因ジョブが一時停止されている期間内にて、前記管理用データのうちの一部のデータを前記外部装置に送信するステップと、f)前記要因ジョブの再開後且つ前記過負荷状態の解消後に前記管理用データのうち前記一部のデータとは異なるデータを前記外部装置に送信するステップと、をさらに備える制御方法。
【0035】
請求項24の発明は、請求項18から請求項23のいずれかの発明に係る制御方法を、前記画像処理装置に内蔵されたコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
請求項1から請求項24に記載の発明によれば、画像処理装置の管理用データのうちの少なくとも一部のデータのクラウドサーバへの格納遅延を抑制することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
<1.第1実施形態>
<1−1.システム構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置管理システム1(1Aとも称する)の構成を示す概略図である。
図1に示されるように、画像処理装置管理システム1は、MFP10とサーバコンピュータ90(たとえばクラウドサーバ)とを備える。
【0040】
MFP10と各サーバコンピュータ(単にサーバとも称する)50とは、ネットワーク108を介して互いに接続される。ネットワーク108は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワーク108に対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。
【0041】
<1−2.MFP10の構成>
図2は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))10の機能ブロックを示す図である。また、
図3は、MFP10の外観を示す正面図である。
【0042】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、
図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、画像処理装置あるいは画像形成装置などとも表現される。
【0043】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0044】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。このMFP10は、電子写真方式のプリンタ(フルカラープリンタ)でもあり、印刷出力部3は、露光部、現像部、転写部、定着部などの各種のハードウエア機構を有している。
【0045】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(たとえば、クラウドサーバ90)との間で各種のデータを授受することが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。
【0046】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0047】
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(
図1参照)が設けられ、当該操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(
図1参照)を有している。タッチパネル25は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの操作入力を受け付けることが可能である。たとえば、タッチパネル25においては、メニュー画面等の各種の画面(ボタン画像等を含む)等が表示される。操作者は、タッチパネル25内に仮想的に配置されるボタン(ボタン画像で表現されるボタン)を押下することによって、MFP10の各種設定内容を変更することなどが可能である。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。
【0048】
コントローラ(制御部)9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてMFP10にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、ネットワーク等を経由してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0049】
具体的には、
図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と動作制御部14と過負荷判定部15と送信対象データ決定部16とアップロード制御部17と過負荷検知部18とを含む各種の処理部を実現する。
【0050】
通信制御部11は、他の装置(クラウドサーバ90等)との間の通信動作を制御する処理部である。
【0051】
表示制御部13は、表示部6bにおける表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面等を表示部6bに表示させる。
【0052】
入力制御部12は、操作入力部6aに対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部12は、操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。
【0053】
動作制御部14は、MFP10における印刷出力動作、スキャン動作、ファクシミリ通信動作等を制御する制御部である。
【0054】
アップロード制御部17は、予め指定された送信予定時刻に前記画像処理装置のメンテナンス用データ(管理用データ、維持管理用データあるいは保守管理用データなどとも称する)D0(後述)(
図3参照)を外部装置に対してネットワークを介して送信することが可能な処理部である。
【0055】
過負荷検知部18は、MFP10における過負荷状態の現時点での発生の有無を検知する処理部である。過負荷検知部18は、現時点で過負荷状態が発生しているか否かを検知する。なお、過負荷判定部15(次述)は、(現時点ではなく)将来の或る時点で過負荷状態が発生するか否かを判定(推定)する点等において、過負荷検知部18とは異なる処理を実行する。
【0056】
過負荷判定部15は、MFP10が送信予定時刻Ts(
図5参照)に過負荷状態を有する(詳細には、MFP10が送信予定時刻Ts(将来の時刻)に過負荷状態を有する可能性が所定程度よりも高い)か否かに関する判定処理等を実行する処理部である。当該判定処理は、送信予定時刻Tsよりも前の所定時点Td(
図5参照)で判定される。
【0057】
アップロード制御部17は、MFP10が過負荷状態を有する旨が判定されない場合、メンテナンス用データD0(管理用データ)をサーバ90(クラウドサーバあるいは外部装置とも称する)に送信する処理を、予定通り送信予定時刻Tsに開始する。
【0058】
一方、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が所定時点Tdで判定される場合、アップロード制御部17は、所定時点Tdの後且つ送信予定時刻Tsよりも前においてメンテナンス用データD0のうちの少なくとも一部のデータをサーバ90に送信する。
【0059】
ここでは、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が所定時点Tdで判定される場合、アップロード制御部17は、メンテナンス用データD0を複数のデータ(ここではD1,D2)に区分して、各データD1,D2を互いに異なる時点でサーバ90に送信する(
図5参照)。具体的には、アップロード制御部17は、当該所定時点Tdの後且つ送信予定時刻Tsよりも前の時刻Taからメンテナンス用データD0の一部のデータD1(センシングデータ等)をサーバ90に送信し、且つ、(送信予定時刻Tsの後且つ)過負荷状態の解消後にメンテナンス用データD0のうちの残余のデータD2をサーバ90に送信する。換言すれば、送信予定時刻Tsを含む過負荷状態発生期間(時刻Te〜Tb)の前にデータD1が送信され、当該過負荷状態発生期間の後にデータD2が送信される。
【0060】
メンテナンス用データD0の中から一部のデータD1を決定する処理は、送信対象データ決定部16等によって実行される。詳細には、当該一部のデータD1は、データ種類に応じて決定される。たとえば
図3に示すようなデータテーブル210(後述)を参照して、当該一部のデータD1が決定される。
【0061】
メンテナンス用データD0には、
図3のデータテーブル210に示されるように、消耗品情報、カウンタ情報、ログ情報などの各種の情報(データ)が含まれる。換言すれば、メンテナンス用データD0は、複数の種類のデータで構成される。なお、データテーブル210(
図3参照)は、MFP10の格納部5(
図2参照)内に予め格納されている。
【0062】
「消耗品情報」には、トナー残量データ、用紙残量データ、各種部品(ドラムユニット、転写ベルト、廃トナーボックス)のセンシングデータ等が含まれる。各種部品(交換部品)のセンシングデータ(交換部品の使用量を反映したセンシングデータ(交換時期判定用データ))としては、ドラムユニット(感光体ユニット)の回転数、転写ベルトを回転させる回転ローラの回転数、廃トナーボックスの廃トナーの蓄積レベル値等が例示される。
【0063】
「カウンタ情報」には、ジョブカウンタ(各ユーザのジョブ実行回数等)、認証カウンタ(各ユーザの認証回数等)が含まれる。
【0064】
「ログ情報」には、エラーログ、使用ログ等が含まれる。
【0065】
データテーブル210は、一部のデータD1(先行送信データとも称される)として決定されるべきデータ種類と別のデータD2(非先行送信データあるいは不急送信データ)として決定されるべきデータ種類とを規定するデータテーブルである。
図3では、「消耗品情報」に分類される各データ種類(トナー残量データ、用紙残量データ、各交換部品のセンシングデータ)が先行送信データD1として規定されており、「カウンタ情報」および「ログ情報」に分類される各データ種類が非先行送信データD2として規定されている。
図3では、先行送信データD1の送信タイミングは時点Ta(後述)(
図5参照)であり且つ非先行送信データD2の送信タイミングは時点Tb(後述)である旨も規定されている。
【0066】
送信対象データ決定部16は、このようなデータテーブル210に基づいて、メンテナンス用データD0の中から、先行送信データD1と非先行送信データD2とをそれぞれ決定する。
【0067】
なお、ここでは、主にコントローラ9のCPUにてソフトウエアプログラムを実行することによって、上述の各種の動作が実行される態様が例示されているが、これに限定されず、MFP10(詳細には、コントローラ9の内部あるいは外部)にて設けられた専用ハードウエア等を用いて、上述の各種の動作が実行されるようにしてもよい。たとえば、入力制御部12(
図2)と表示制御部13と動作制御部14と過負荷判定部15と送信対象データ決定部16とアップロード制御部17との全部または一部が、1または複数の専用ハードウエアを用いて実現されてもよい。
【0068】
<1−3.サーバ90の構成>
サーバ90は、複数のMFP10から送信されてくるメンテナンス用データD0を格納するサーバである。予防保全において、サーバ90は、当該サーバ90内に格納されたメンテナンス用データD0(特に交換部品に関するセンシングデータ)を用いて、MFP10の交換部品の交換時期を自動的に算出し、サービスマンに交換時期到来等を通知する。また、遠隔診断において、サービスマンは、サーバ90内に格納されたメンテナンス用データD0(特に当該部品に関するセンシングデータ)を閲覧してMFP10の交換部品の交換時期を判断する。いずれの場合も、当該交換時期の到来後において、サービスマンはMFP10の設定場所に移動して交換部品の交換作業を実行する。上述のように、交換部品のセンシングデータに関する最新情報のアップロードが遅れると、交換時期到来の判定タイミングが遅れる。したがって、当該交換部品のセンシングデータは、早期にサーバ90に格納されること(換言すれば、早期に更新されること)が好ましい。
【0069】
トナー残量データおよび用紙残量データに関しても同様である。トナー交換作業および用紙補充作業をサービスマンが実行する場合等において、トナー残量データおよび用紙残量データに関する最新情報のアップロードが遅れると、トナー交換作業および用紙補充作業の時期到来の判定タイミングが遅れる。したがって、トナー残量データおよび用紙残量データも、早期にサーバ90に格納されることが好ましい。
【0070】
このように、サーバ90にアップロードされたメンテナンス用データD0は、MFPのメンテナンス(予知保全および遠隔診断等を含む)を行うために用いられる。
【0071】
なお、カウンタデータおよびログデータも、MFPの管理用データ(メンテナンス用データ)として利用される。ただし、カウンタデータおよびログデータに関する即時送信(即時更新)の要求度合いは、交換部品のセンシングデータの即時送信の要求度合いよりも小さい。このような事情を考慮し、データテーブル210(
図3参照)においては、「消耗品情報」(交換部品のセンシングデータを含む)は、先行送信データD1として規定され、「カウンタ情報」および「ログ情報」は、非先行送信データD2として規定されている。
【0072】
<1−4.動作>
MFP10は、基本的には、予め指定された時刻Ts(送信予定時刻あるいは指定送信時刻などとも称する)に、MFP10に関するメンテナンス用データD0(管理用データ)をサーバ90に対してネットワーク108(
図1参照)を介して送信することが可能である。MFP10からサーバ90へのメンテナンス用データD0の送信は、1日に1回〜数回の予定開始時刻Ts(たとえば毎日3回(午前9時00分、午後12時30分および午後20時00分)等)にて実行され得る。
【0073】
ただし、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する場合には、当該過負荷状態に起因してメンテナンス用データD0(特に交換対象部品のセンシングデータ等)の送信遅延が発生するなどの問題が生じ得る。
【0074】
そこで、この実施形態では、MFP10が送信予定時刻Ts(
図5参照)に過負荷状態を有するか否かを、MFP10が事前に(詳細には送信予定時刻Tsよりも前の所定時点Tdにて)判定する。そして、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が事前判定時点Tdで判定される場合、事前判定時刻Tdの後且つ送信予定時刻Tsよりも前(非過負荷状態)においてメンテナンス用データD0の少なくとも一部のデータがサーバ90に送信される。
【0075】
詳細には、事前判定時刻Tdの後且つ送信予定時刻Tsよりも前(時刻Ta)において、メンテナンス用データD0の一部のデータ(先行送信データ)D1(
図3および
図5参照)がMFP10からサーバ90に送信される。また、送信予定時刻Ts後且つ当該過負荷状態の解消後(時刻Tb(
図5参照))において、メンテナンス用データD0のうちの残余のデータD2(
図3参照)がMFP10からサーバ90に送信される(
図5参照)。
【0076】
以下では、このような動作について
図4および
図5を参照しながら詳細に説明する。
図4は、第1実施形態に係るMFP10の動作を示すフローチャートであり、
図5は、当該動作に関するタイミングチャートである。
【0077】
まず、ステップS11では、MFP10は、事前判定時点Tdの到来を検出する。ここでは、送信予定時刻Ts(たとえば12時30分)よりも一定時間(たとえば、35分)前の時刻Td(たとえば11時55分)が到来したか否かが判定される。事前判定時点Tdの到来が検出されると、ステップS12に進む。なお、事前判定時点Tdにおいては、MFP10の過負荷状態が過負荷検知部18によって検知されていない(MFP10が過負荷状態を有していない)ものとする。
【0078】
ステップS12において、MFP10は、当該MFP10が送信予定時刻Ts(将来の時刻)に過負荷状態を有する(詳細には、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する可能性が所定程度よりも高い)か否かを、判定する。
【0079】
ここでは、MFP10は、当該MFP10が送信予定時刻Ts(
図5参照)に過負荷状態を有するか否かを、当該MFP10のジョブ履歴に基づき、送信予定時刻Tsよりも前の時点Tdにて(事前に)判定する。
【0080】
図6は、MFP10のジョブ実行履歴を示す図である。
図6の棒グラフでは、1時間ごとのジョブ実行数が示されている。詳細には、1時間ごと且つ曜日別のジョブ実行数(各曜日における時間別ジョブ実行数の平均値)が示されている。具体的には、
図6においては、(本日と同じ曜日である)月曜日の1時間ごとのジョブ実行数(複数の月曜日に関する平均値)が示されている。特に、午後12時00分から午後1時00分(13時00分)までの1時間のジョブ実行数は所定のレベルLv以上である状況が示されている。
【0081】
MFP10は、このようなジョブ履歴情報に基づき、送信予定時刻Ts(12時30分)を含む時間帯(12:00〜13:00)にてMFP10が過負荷状態を有する可能性が高いと判断し、当該MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨を判定する。
【0082】
一方、仮に送信予定時刻Tsの所属時間帯におけるジョブ実行数が所定のレベルLvを超えていない場合には、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有しない旨が判定される。なお、当該ジョブ実行数(履歴ジョブ数)と所定のレベルLvとの等号成立時には、何れの判定結果が採用されてもよい。
【0083】
次のステップS13では、ステップS12の判定処理結果(推定処理結果)に基づく分岐処理が行われる。
【0084】
MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有しない旨がステップS12にて判定される場合には、ステップS13からステップS21に進む。ステップS21では、MFP10は、予定通り、送信予定時刻Tsにメンテナンス用データD0を一斉にサーバ90に送信する。
【0085】
一方、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨がステップS12にて判定される場合には、MFP10は、送信予定時刻Tsにおけるメンテナンス用データD0の一斉送信動作(ステップS21参照)を行わず、ステップS13からステップS15に進む。
【0086】
ステップS15では、MFP10は、メンテナンス用データD0のうち先行して送信すべき一部のデータD1をまず決定する。
【0087】
この実施形態では、メンテナンス用データD0は、その緊急性に応じて2つのグループG1,G2に分類される。1つのグループG1は、所定レベルよりも高い緊急性を有するデータ(その送信即時性の要求が一定レベルよりも高いデータ)で構成されるグループである。他の1つのグループG2は、当該所定レベルよりも低い緊急性を有するデータで構成されるグループである。グループG1には、「消耗品情報」が含まれる。一方、グループG2には、「カウンタ情報」および「ログ情報」が含まれる。
【0088】
データテーブル210(
図3参照)には、上述のように、一部のデータD1(先行送信データ)として決定されるべきデータ種類と他のデータ(ここでは残余のデータ)D2として決定されるべきデータ種類とが規定されている。そして、MFP10は、当該データテーブル210に基づいて、メンテナンス用データD0の中から、送信予定時刻Tsよりも前に(過負荷状態の発生前に)送信すべきデータD1と、送信予定時刻Tsよりも後に(過負荷状態の解消後に)送信すべきデータD2とをそれぞれ決定する。
【0089】
具体的には、グループG1に分類されるデータ(消耗品情報に関するデータ)が、データD1として決定される。また、グループG2に分類されるデータ(カウンタ情報およびログ情報に関するデータ)が、データD2として決定される。このように、データD1,D2は、それぞれ、データ種類に応じて決定される。なお、データD1のデータ量は、データD2のデータ量よりも小さいことが好ましい。
【0090】
そして、MFP10は、ステップS15においてメンテナンス用データD0のうち一部のデータD1を直ちに送信する。具体的には、時刻Tdの直後の時刻Ta(
図5および
図6参照)からデータD1の送信を開始する。ここにおいて、データD1の送信は、過負荷状態の発生時点Teの開始前に終了することが好ましい。逆に言えば、時刻Tdは、送信予定時刻Ts(より詳細には、送信予定時刻Tsを含む時間帯の始期Te(過負荷状態が発生し得る時点Te)よりも十分に前の時刻(データD1の送信に十分な時間前の時刻)に設定されることが好ましい。たとえば、送信予定時刻Tsが12時30分である(過負荷状態が発生し得る時点Teが12時00分である)場合において、データD1の送信に2分程度を要するときには、時刻Tdは、時刻Teの5分前の11時55分に設定されればよい(
図6参照)。
【0091】
データD1の送信完了後において、MFP10は、自装置の過負荷状態が解消したことを検知する(ステップS17)と、ステップS18に進む。たとえば、過負荷状態の時間帯(12:00〜13:00を含む時間帯)から非過負荷状態の時間帯に遷移したことが検出されると、ステップS18に進む。なお、ここでは、時間帯の遷移に基づいて過負荷状態の解消が検知されているが、これに限定されず、MFP10の実際の負荷状態を検出しておき、その検出結果に基づいて過負荷状態の解消が検知されてもよい。
【0092】
ステップS18(過負荷状態の解消後)において、MFP10は、メンテナンス用データD0のうちの残余のデータD2をサーバ90に送信する。具体的には、MFP10は、過負荷状態の解消後の時点Tb(たとえば、13時00分)からデータD2の送信を実行する。
【0093】
以上のような動作においては、送信予定時刻Tsの前の時刻Tdにおいて過負荷状態に関する事前判定処理が行われる(ステップS12)。そして、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有する旨が当該時刻Tdにて判定される場合、時刻Tdの後且つ送信予定時刻Tsよりも前(過負荷状態の発生前)においてメンテナンス用データD0の少なくとも一部のデータ(ここではデータD1のみ)がサーバ90に送信される(ステップS15)。したがって、メンテナンス用データの少なくとも一部のデータ(消耗品情報を含むデータD1等)のクラウドサーバへの格納遅延を抑制することが可能である。
【0094】
なお、上記実施形態においては、一部のデータD1が送信予定時刻Ts(過負荷状態)よりも前に送信され(ステップS15)、残余のデータD2が過負荷状態解消後に送信されている(ステップS18)が、これに限定されない。たとえば、当該少なくとも一部のデータとして、データD1を含む全てのメンテナンス用データD0が送信されてもよい。
【0095】
ただし、時刻Td(Ta)から時刻Te(
図5参照)までの期間長とメンテナンス用データD0のデータ量との関係にも依るが、上述のように、一部のデータD1が送信予定時刻Tsに先行して送信され、残余のデータD2が過負荷状態解消後に送信されることが好ましい。メンテナンス用データD0のうちの当該一部のデータD1(所定レベルよりも高い緊急性を有するデータ)のみがまず送信されることによれば、データD1とデータD2との双方の送信に比較的長い時間を要する場合であっても、当該一部のデータD1の送信が過負荷状態の発生時刻Teまでに完了される可能性を高めることができる。また、残余のデータD2(特に所定レベルよりも低い緊急性を有するデータ)(端的に言えば、不急のデータ)は、過負荷状態の解消後に(MFP10に余力が存在する状態にて)送信されることが好ましい。これによれば、過負荷状態にてデータD2が送信される場合に比べて、効率的な送信が行われ得る。
【0096】
また、上記実施形態においては、曜日別のジョブ履歴における同じ曜日のジョブ履歴が利用されているが、これに限定されず、日別のジョブ履歴における前月同日のジョブ履歴(たとえば、本日が10月15日の場合、9月15日のジョブ履歴)等が利用されてもよい。
【0097】
<1−5.第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態においては、MFP10のジョブ履歴に基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有するか否かが事前判定(推定)されているが、これに限定されず、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有するか否かが、他の各種の基準に基づいて事前判定(推定)されてもよい。
【0098】
<ADFの原稿量に基づいて負荷判定>
たとえば、スキャンジョブ実行のためにMFP10のADF(Auto Document Feeder:原稿自動送り装置(原稿自動送り部))に載置されている原稿の量に基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有するか否かが事前判定(推定)されてもよい。
【0099】
詳細には、送信予定時刻Tsの所定時間前(たとえば5分前)の時刻Td(
図5参照)において、ADFに載置されている原稿の重量が所定値(たとえば、100グラム)を超えている場合には、さらにスキャン設定操作が完了した後の時刻Te(たとえば、時刻Tdの2分後)から過負荷状態(画像読取処理を含むスキャンジョブの実行状態)が発生すると推定される。また、当該ADFに載置されている原稿に対する画像読取処理を含むスキャンジョブの実行には、相当程度の期間TM(たとえば10分)を要する。時刻Teからの期間TMに送信予定時刻Tsが属している場合には、時刻Teから開始されるスキャンジョブの実行中に送信予定時刻Tsが到来してしまう。
【0100】
そこで、時刻TdにてADFに載置されている原稿の重量が所定値を超えている場合、スキャン設定操作完了後の時点Teからのスキャン処理期間TMに送信予定時刻Tsが属しているとみなして、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有する旨が時刻Tdにて判定されればよい。そして、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、過負荷状態の発生前にデータD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。また、データD2の送信は、過負荷状態の解消後の時刻Tbにて開始されればよい。この際、ADFに載置されていた原稿に関する当該スキャンジョブが完了した時点で、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定し、当該解消判定時点TbからデータD2の送信を行えばよい。なお、これに限定されず、MFP10は、当該スキャンジョブの完了時刻を推定し、推定した完了時刻(推定完了時点)にて過負荷状態が解消した旨を判定してもよい。
【0101】
<ネットワークセッション数に基づいて負荷判定>
あるいは、ネットワーク通信のためにMFP10の外部の装置との間に形成されているネットワークセッション数に基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有するか否かが事前判定(推定)されてもよい。詳細には、送信予定時刻Tsの所定時間前(たとえば1分〜数分前)の時刻Td(
図5参照)において、当該ネットワークセッション数が所定数N1に到達した場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定されてもよい。当該所定数N1としては、MFP10が過負荷状態に到達するときのセッション数N2(たとえば10個)よりも1個〜数個少ない値(たとえば8個)が予め定められればよい。
【0102】
当該ネットワークセッション数が所定数N1に到達した場合、暫時経過後には(換言すれば、送信予定時刻Tsの到来時点にて)当該ネットワークセッション数が値N2に到達する可能性が一定程度以上存在する。そこで、時刻Tdにて当該ネットワークセッション数が所定数N1に到達した場合には、MFP10は、MFP10が送信予定時刻Tsにて過負荷状態を有する旨を時刻Tdにて判定(みなし判定)する。
【0103】
そして、この場合、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、ネットワークセッション数が増大して値N2に到達する前(すなわち過負荷状態の発生前)にデータD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。
【0104】
また、過負荷状態の解消後の時刻Tbにて、データD2の送信が開始されればよい。詳細には、(送信予定時刻Tsの後に、)当該ネットワークセッション数が値N2よりも小さな値に戻った時点(あるいは当該ネットワークセッション数が値N1よりも小さな値に戻った時点)にて、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定すればよい。
【0105】
<所定サイトへのブラウザ遷移時に負荷判定>
あるいは、MFP10に内蔵されるウエブブラウザを用いて特定サイト(比較的大きなデータ通信量を伴うアクセスが予想されるサイト(動画閲覧サイト等))に対するアクセス指示が付与されたことに基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態(動画の再生状態)を有する旨が判定されてもよい。詳細には、送信予定時刻Tsの所定時間前(たとえば1分〜数分前)の時刻Td(
図5参照)において、特定サイトへのアクセスが受け付けられた場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されてもよい。
【0106】
この場合、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、当該サイト(ホームページ)に対する最初のアクセス後に表示される複数の動画の中からユーザの所望の動画が指定されて当該動作の再生が開始される前(すなわち過負荷状態の発生前)にデータD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。
【0107】
また、過負荷状態の解消後の時刻Tbにて、データD2の送信が開始されればよい。この際、(送信予定時刻Tsの後且つ)当該特定サイト(動画閲覧サイト等)へのアクセスが完了した時点(ブラウザの終了時点あるいは特定サイトへのアクセスの終了時点)にて、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定すればよい。
【0108】
<高精細スキャン指定操作時に負荷判定>
あるいは、MFP10におけるスキャン解像度の設定操作にて所定程度よりも大きな(高精細の)解像度が設定されたことに基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態(高精細画像のスキャン処理実行状態)を有する旨が判定されてもよい。詳細には、送信予定時刻Tsの所定時間前(たとえば1分〜数分前)の時刻Td(
図5参照)において、スキャン解像度の設定操作にて1200dpi以上の解像度(換言すれば、所定程度以上の画素数)が設定された場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されてもよい。
【0109】
この場合、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、スキャン解像度設定処理後に実行される高精細スキャン処理が開始される前(すなわち過負荷状態の発生前)にデータD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。
【0110】
また、過負荷状態の解消後の時刻TbにてデータD2の送信が開始されればよい。この際、(送信予定時刻Tsの後且つ)当該スキャン処理が完了した時点にて、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定すればよい。
【0111】
<リモートパネル操作時に負荷判定>
あるいは、MFP10を遠隔操作することが可能な遠隔操作装置70(
図7参照)とMFP10との間に遠隔操作用の通信セッションが確立されたことに基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態(遠隔操作実行状態)を有する旨が判定されてもよい。詳細には、送信予定時刻Tsの所定時間前(たとえば1分〜数分前)の時刻Td(
図5参照)において、遠隔操作装置70とMFP10との間に遠隔操作用の通信セッションが確立された場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されてもよい。
図7は、この変形例に係るシステム構成等を示す図である。
【0112】
なお、遠隔操作装置70は、タブレット端末等によって構成され、その表示画面に操作パネル部6cの画面と同じ又は類似する操作画面を表示する。当該操作画面は、MFP10から送信される画像データ等を用いて表示される。このような遠隔操作においては、画像データの転送処理等を伴うため、MFP10における処理負荷が所定程度よりも大きくなる(すなわち、MFP10は過負荷状態を有する)。このような事情を考慮して、時刻Td(
図5参照)において、遠隔操作装置70とMFP10との間に遠隔操作用の通信セッションが確立された場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されることが好ましい。
【0113】
MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が時刻Tdにて事前判定される場合、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、遠隔操作用の通信セッションの確立後に実行される遠隔操作(画像データの伝送処理および当該画像データに基づく操作画面の表示操作等を伴う遠隔操作)が開始される前(すなわち過負荷状態の発生前)に、データD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。
【0114】
また、過負荷状態の解消後の時刻Tbにて、データD2の送信が開始されればよい。この際、(送信予定時刻Tsの後且つ)クライアント70による遠隔操作が終了した時点(遠隔操作用の通信セッションが解消された時点等)にて、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定すればよい。
【0115】
<ユーザ認証情報に関するデータベースの更新予定期間との関係>
あるいは、ユーザ認証情報(複数のユーザの認証情報)に関するデータベースの更新予定期間に基づいて、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態(データベース更新処理状態)を有する旨が判定されてもよい。詳細には、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新予定期間(たとえば12:20〜12:40)内に送信予定時刻Ts(たとえば12:30)が含まれている場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されてもよい。
【0116】
なお、MFP10には、ユーザ認証情報に関するデータベース(ユーザ認証用のデータベース)が構築されているものとする。当該ユーザ認証情報には、多数(たとえば、数百人)のユーザの認証情報(ユーザIDおよびパスワード等)が含まれることがある。このようなユーザ認証情報に関するデータベースの更新処理中においては、MFP10における処理負荷が所定程度よりも大きくなる(すなわち、MFP10は過負荷状態を有する)。このような事情を考慮して、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新予定期間内に送信予定時刻Tsが含まれている場合、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が判定(みなし判定)されることが好ましい。
【0117】
また、上述の判定処理は、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新処理の開始時刻(更新予定期間の開始時刻)よりも所定時間前の時刻Tdに実行されればよい。より具体的には、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新が12時20分(=Te)に開始され12時40分に終了する予定である場合、上述の判定処理は、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新処理の開始時刻(12時20分)の所定時間前(たとえば1分〜数分前)の時刻Td(たとえば12時15分)に実行されればよい。この場合、当該データベースの更新予定期間(12:20〜12:40)内に送信予定時刻Ts(12時30分)が含まれるので、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が時刻Tdにて判定される。
【0118】
MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨が時刻Tdにて事前判定される場合、時刻Tdとほぼ同じ時刻Taにおいて直ちにデータD1の送信が開始されればよい。これによれば、ユーザ認証情報に関するデータベースの更新処理が開始される前(すなわち過負荷状態の発生前)に、データD1(の全部または一部)を送信することが可能である。したがって、非過負荷状態にてデータD1が送信される可能性を高めることができる。
【0119】
また、過負荷状態の解消後の時刻TbにてデータD2の送信が開始されればよい。この際、(送信予定時刻Tsの後且つ)ユーザ認証情報に関するデータベースの更新処理が完了した時点(あるいは完了予定時点)にて、MFP10は、過負荷状態が解消した旨を判定すればよい。
【0120】
<その他>
また、上記複数の基準(ジョブ履歴、ADFの原稿量、ネットワークセッション数等)のそれぞれに基づく各動作(送信予定時刻Tsにおける過負荷状態の有無の推定処理を含む動作)は、それぞれ単独で行われても良いが、互いに組み合わせて実行されてもよい。時刻Tdとしては、各基準ごとに適切な値が定められればよい。
【0121】
<2.第2実施形態>
上記第1実施形態およびその変形例においては、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨をMFP10が時刻Tdにて判定する態様について例示されている。端的に言えば、過負荷状態の事前判定処理が行われている。
【0122】
ただし、時刻Tdよりも前の時点Tu(
図13参照)から既に過負荷状態が発生している場合(特に、当該過負荷状態が送信予定時刻Ts以降にまで継続する場合)等においては、第1実施形態のように過負荷状態の発生前にデータD1を送信することは困難である。
【0123】
また、時刻Tdから時刻Te(過負荷状態の発生時点)(
図5参照)までの期間が非常に短い場合(たとえば、数百ミリ秒)にも、第1実施形態のように過負荷状態の発生前にデータD1を送信することは困難である。さらには、想定している原因以外の要因によって過負荷状態が発生することもある。この場合にも、第1実施形態のように過負荷状態の発生前にデータD1を送信することが困難な状況が生じ得る。
【0124】
たとえば、パーソナルコンピュータ(印刷指示装置)等から所定解像度以上の解像度(1200dpi)の印刷出力用画像(高解像度画像)を出力すべき旨の印刷ジョブ(高解像度のPCプリントジョブ)が送信されてくることがある。詳細には、MFP10は、高解像度画像の印刷出力である旨等が記述された印刷指示データを受信した直後に当該高解像度画像(印刷出力用画像)の画像データを受信し、印刷指示データと画像データとに基づいて印刷出力を実行する。MFP10は、当該画像データ(高解像度画像データ)の受信開始時点Teから印刷出力完了までの期間において、過負荷状態を有する。ただし、この場合、仮に、印刷指示データに記述された情報(「高解像度画像」)に基づき、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有することを、当該印刷指示データを受信した時刻Tdにて予見できたとしても、当該時刻Tdから、高解像度画像の画像データの受信開始時刻Te(過負荷状態の発生時点)までの期間は非常に短い(たとえば、数百ミリ秒)。したがって、第1実施形態のように過負荷状態の発生前にデータD1の送信を開始することは困難である。
【0125】
これらの事情をも考慮して、第1実施形態に係る動作(上述の事前検出等)に加えて、次述するような動作(具体的には、過負荷状態の事後的な検出処理および当該事後的な検出処理に引き続くデータD1の送信処理(当該過負荷状態の要因のジョブ(要因ジョブとも称する)の中断期間におけるデータD1の送信処理)等)がさらに行われるようにしてもよい。
【0126】
第2実施形態においては、このような改変例について説明する。第2実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0127】
図8は、第2実施形態に係るMFP10(10Bとも称する)の機能ブロックを示す図である。
図8に示されるように、MFP10Bは、そのコントローラ9を用いて、ジョブ実行制御部19をさらに実現する。
【0128】
ジョブ実行制御部19(停止部19とも称される)は、過負荷状態の発生が検知された場合において過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止する処理部である。ジョブ実行制御部19は、過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止することが可能か否かを判定し、当該要因ジョブを一時的に停止することが可能であると判定されるときには、過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止する。また、ジョブ実行制御部19は、一時的に停止されていた要因ジョブを再開する処理をも実行する。
【0129】
図9は、第2実施形態に係るMFP10の動作を示すフローチャートである。
図9のフローチャートに係る動作(第2実施形態に係る動作)は、
図4のフローチャートに係る動作(第1実施形態に係る動作)とは別個に且つ並列的に実行される。また、
図9のフローチャートに係る動作は、所定時間Tdが到来した時点で開始される。
【0130】
まず、ステップS31において、MFP10は、自装置にて現時点で過負荷状態が発生しているか否か(過負荷状態の発生の有無)を判定する。この判定処理は、時刻Td(送信予定時刻Tsの所定時間前の時刻)から送信予定時刻Tsまでの期間内において、所定時間間隔(たとえば数秒間隔)で実行される。なお、第2実施形態に係る時刻Tdは、第1実施形態に係る時刻Tdと同じ値(たとえば、送信予定時刻Tsの35分前)に設定されればよい。ただし、これに限定されず、第2実施形態に係る時刻Tdは、第1実施形態に係る時刻Tdとは異なる値であってもよい。また、第2実施形態に係る時刻Tdは、第1実施形態およびその変形例にて例示された複数の基準にそれぞれに対応する複数の時刻Tdのうち最も早期に到来する時刻等に設定されてもよい。
【0131】
過負荷状態の発生がステップS31にて検知される(時刻Tq)と、ステップS32からステップS33に進む。たとえば、時刻Tdよりも前の時点Tuから既に過負荷状態が発生していた場合には、MFP10の(現時点での)過負荷状態が時刻Tdにて検知される(
図10等参照)。あるいは、時刻Tdの後且つ送信予定時刻Tsの前に過負荷状態が発生した場合には、当該過負荷状態の発生直後の時刻Tqに、当該過負荷状態の発生が検知される(
図11参照)。
【0132】
ステップS33では、MFP10は、データテーブル210を参照して、データD1(緊急度「高」のデータ)の存否を判定する。
【0133】
データD1(緊急度「高」のデータ)がメンテナンス用データD0内に存在しない場合、ステップS33からステップS41に進む。ステップS41では、MFP10は、過負荷状態の終了後(解消後)においてメンテナンス用データD0をサーバ90に送信する。
【0134】
一方、データD1(緊急度「高」のデータ)がメンテナンス用データD0内に存在する場合、ステップS33からステップS34に進む。
【0135】
ステップS34では、MFP10は、過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止(中断)すべきか否かを、要因ジョブの種別に基づいて判定する。たとえば、過負荷状態の要因ジョブが「PCプリントジョブ」である場合には、ページ単位等で印刷出力を一時的に停止(中断)すべきである、と判定される。逆に、過負荷状態の要因ジョブが「特定サイトの動画像の閲覧ジョブ(動画像のダウンロード処理および再生処理)」等である場合には、当該要因ジョブを停止すべきでない、と判定される。
【0136】
当該要因ジョブを一時的に停止すべきでないと判定されるときには、ステップS41に進む。ステップS41では、MFP10は、過負荷状態の解消後(当該要因ジョブの完了後等)においてメンテナンス用データD0をサーバ90に送信する。
【0137】
一方、当該要因ジョブを一時的に停止すべきであると判定されるときには、ステップS35に進む。ステップS35では、MFP10は、過負荷状態の要因ジョブ(たとえば、或るPCプリントジョブ)を一時的に停止(中断)する(時刻Tp(
図10等参照))とともに、当該中断直後の時刻Taから、データD1をサーバ90に直ちに送信する。
【0138】
データD1の送信が完了(時刻Tf)した後、ステップS36において、MFP10は、過負荷状態の要因ジョブを再開する(時刻Tf(
図10等参照))。
【0139】
図10(および
図11)に示されるように、当該要因ジョブの再開後に当該要因ジョブの実行が継続される期間中(時刻Tf〜時刻Tb)(過負荷状態)においては、送信予定時刻Tsが到来しても、メンテナンス用データD0(データD1および/またはデータD2等)をサーバ90に送信する処理は行われない。
【0140】
その後、ステップS37において過負荷状態の解消(当該要因ジョブの実行完了等)が検知されると、ステップS38において、MFP10はメンテナンス用データD0のうちの残余のデータD2をサーバ90に送信する。当該データD2の送信処理は、過負荷状態の解消後の時刻Tb(
図10等参照)から開始される。
【0141】
以上のような動作によれば、MFP10は、過負荷状態の発生を検知すると、当該過負荷状態の要因ジョブを一時的に停止する(ステップS35)。より詳細には、過負荷状態の要因ジョブの種類に基づいて、当該要因ジョブを一時的に停止すべきか否かを判定し、当該要因ジョブを一時的に停止すべきであると判定されることを条件に当該要因ジョブを一時的に停止する(ステップS34,S35)。そして、MFP10は、過負荷状態の要因ジョブが一時停止されている期間内にて、メンテナンス用データD0の少なくとも一部のデータ(ここでは、データD1のみ)をサーバ90に送信する(ステップS35)。したがって、MFP10が送信予定時刻Tsに過負荷状態を有する旨を事前検知できない場合においても、データD1のクラウドサーバへの格納遅延を抑制することが可能である。
【0142】
なお、上記第2実施形態では、ステップS31の判定処理(換言すれば、
図9のフローチャートの動作)が時刻Tdから送信予定時刻Tsまでの期間において所定時間間隔で実行されているが、これに限定されない。
【0143】
たとえば、ステップS31の判定処理が時刻Tdのみにおいて実行されてもよい。あるいは、ステップS31の判定処理が、時刻Tdから(送信予定時刻Ts到来後の)所定時点Tr(
図10等参照)までの期間において所定時間間隔で実行されてもよい。時点Trは、メンテナンス用データD0の送信が送信予定時刻Tsから開始される場合において、当該メンテナンス用データD0の送信が完了する時刻(予定時刻)である。
【0144】
また、第2実施形態では、MFP10は、要因ジョブの中断期間においてデータD1のみをサーバ90に送信しているが、これに限定されず、要因ジョブの中断期間においてデータD1のみならずデータD2の全部又は一部をもサーバ90に送信してもよい。
【0145】
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0146】
たとえば、上記第1実施形態においては、データD1が送信予定時刻Tsに先行して送信され(ステップS15)、残余のデータD2が過負荷状態解消後に送信されている(ステップS18)が、これに限定されない。具体的には、先ずデータD1が送信予定時刻Tsに送信され、次にデータD2のうちの一部のデータD21(たとえばジョブカウンタのみ)(
図12参照)が予定通り送信予定時刻Tsに送信され、更にデータD2のうちの残余のデータD22が過負荷状態解消後の時刻Tbに送信されてもよい。
【0147】
ここにおいて、ジョブカウンタ情報を課金情報として用いる場合において、課金情報の締日の締め切り時間が送信予定時刻Tsの直前(あるいは直後)であるとき等においては、当該ジョブカウンタ情報を定刻の送信予定時刻Ts自体に送信することが好ましい。このような場合には、MFP10は、データテーブル210(212)(
図12参照)に基づき、送信予定時刻Tsにおける送信対象データを一部のデータ(たとえば、ジョブカウンタ情報のみ)に絞り込んだ上で、当該一部のデータを当該送信予定時刻Tsに送信してもよい。換言すれば、MFP10は、送信予定時刻Tsよりも前の時刻Taにて送信すべきデータD1と、送信予定時刻Ts後且つ過負荷状態解消後の時刻Tbにて送信すべきデータD22と、送信予定時刻Ts時点にて送信すべきデータD21とを、データテーブル210(212)に基づきそれぞれ決定するようにしてもよい。
【0148】
なお、第2実施形態においても同様である。