特許第6946957号(P6946957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6946957
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20210930BHJP
   H04N 1/40 20060101ALI20210930BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   H04N1/60
   H04N1/40 006
   G06T1/00 510
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-219579(P2017-219579)
(22)【出願日】2017年11月15日
(65)【公開番号】特開2019-92050(P2019-92050A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚野 俊樹
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−285414(JP,A)
【文献】 特開2013−001049(JP,A)
【文献】 特開2014−155124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46−1/62
H04N 1/40−1/409
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定された場合に、前記プリンターの色再現性の調整を推奨する推奨部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定した場合に、前記指定された色に傾向があるか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部による前記指定された色に傾向があるか否かの判定結果に基づいて、推奨する調整内容を切り替える請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記推奨部は、前記判定部により前記指定された色に傾向があると判定された場合に、前記指定された色の傾向に基づいて推奨する調整内容を切り替える請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上ではないと判定した場合に、前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合は、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上ではないと判定した場合に、前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部により前記調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合に、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する推奨部と、
を備える制御装置。
【請求項7】
前記推奨部により推奨される調整を前記プリンターに自動的に実行させる制御部を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記指定された色の調整値の傾向に応じて調整したトーンカーブを前記プリンターに自動的に適用させる制御部を備える請求項4又は6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、更に、前記プリンターに前記調整したトーンカーブを適用させて前記印刷対象の画像データに基づく確認画像を印刷させる請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する推奨部と、
を備える制御装置。
【請求項11】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定された場合に、前記プリンターの色再現性の調整を推奨する推奨部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合に、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する推奨部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する推奨部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーがプリンターにより出力された印刷画像を目視確認し、修正したい色があった場合に、その色をジョブのプレビュー画像上で指定して手動で調整値を入力する指定色調整が行われている。
【0003】
指定色調整に係る技術として、例えば、特許文献1には、ユーザーが指定した色の調整により影響する色を表示し、影響範囲から除外したい色が選択されると、選択された色を影響範囲から除外する技術が記載されている。また、例えば、特許文献2には、入力された画像データに対し、ユーザーが修正前の色と修正後の色、及び修正が及ぼす範囲を指定する修正操作を加えることにより補正量を求め、求めた補正量により色変換用テーブルを修正する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−235405号公報
【特許文献2】特開2000−13628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指定色調整では、指定した色がユーザーの所望した色になるまでユーザーが手動で調整値の入力と印刷を繰り返す必要がある。従来、プリンターの色再現性の調整が適切に行われていない場合であっても、ユーザーが指定色調整で無理な色調整を行っている場合があり、手間と時間がかかっていた。
【0006】
本発明の課題は、ユーザーが無理な指定色調整を行うことを回避して、指定色調整にかかる手間と時間を低減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定された場合に、前記プリンターの色再現性の調整を推奨する推奨部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定した場合に、前記指定された色に傾向があるか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部による前記指定された色に傾向があるか否かの判定結果に基づいて、推奨する調整内容を切り替える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記推奨部は、前記判定部により前記指定された色に傾向があると判定された場合に、前記指定された色の傾向に基づいて推奨する調整内容を切り替える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上ではないと判定した場合に、前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合は、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記判定部は、前記指定された色の数が予め定められた閾値以上ではないと判定した場合に、前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定し、
前記推奨部は、前記判定部により前記調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合に、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する推奨部と、
を備える。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記推奨部により推奨される調整を前記プリンターに自動的に実行させる制御部を備える。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項4又は6に記載の発明において、
前記指定された色の調整値の傾向に応じて調整したトーンカーブを前記プリンターに自動的に適用させる制御部を備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、
前記制御部は、更に、前記プリンターに前記調整したトーンカーブを適用させて前記印刷対象の画像データに基づく確認画像を印刷させる。
【0016】
請求項10に記載の発明は、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置であって、
前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記指定された色の調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する推奨部と、
を備える。
【0017】
請求項11に記載の発明のプログラムは、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の数が予め定められた閾値以上であると判定された場合に、前記プリンターの色再現性の調整を推奨する推奨部、
として機能させる。
【0018】
請求項12に記載の発明のプログラムは、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の調整値に傾向があると判定された場合に、前記プリンターのトーンカーブ調整を推奨する推奨部、
として機能させる。
【0019】
請求項13に記載の発明のプログラムは、
印刷対象の画像データに基づいてプリンターにより出力された印刷画像における色調整の対象となる色の指定及び前記指定された色の調整値の入力を受け付けて、前記指定された色及び前記入力された調整値に基づいて前記印刷対象の画像データに色調整を行う制御装置に用いられるコンピュータを、
前記指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定する判定部、
前記判定部により前記指定された色の調整影響範囲が重複していると判定された場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨する推奨部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザーが無理な指定色調整を行うことを回避して、指定色調整にかかる手間と時間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態における色調整システムの全体構成例を示す図である。
図2図1のPCの機能的構成を示すブロック図である。
図3図1のプリンターの機能的構成を示すブロック図である。
図4】指定色調整画面の一例を示す図である。
図5】指定色調整処理の流れを示すフローチャートである。
図6】設定画面の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態における色調整システムの全体構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0023】
<第1の実施形態>
(色調整システム100の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る色調整システム100の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る色調整システム100は、PC(Personal Computer)1とプリンター2とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介して接続されて構成されている。
【0024】
(PC1の構成)
PC1は、ユーザー操作に応じて印刷対象の画像データに対する指定色調整を行い、指定色調整後の画像データをプリンター2に出力して印刷を行わせたり、プリンター2に各種調整を行わせたりする制御装置である。
【0025】
図2は、PC1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、PC1は、制御部11、操作部12、表示部13、記憶部14、通信部15等を備えて構成され、各部はバス16を介して接続されている。
【0026】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成される。制御部11のCPUは、操作部12の操作に応じて、記憶部14に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部11は、指定色調整アプリケーション141との協働により指定色調整処理(図5参照)を実行することにより、判定部、制御部として機能する。また、表示部13との協働により推奨部として機能する。
【0027】
操作部12は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0028】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、CPU11からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0029】
記憶部14は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置により構成され、制御部11で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
【0030】
本実施形態において、記憶部14には、後述する指定色調整処理を実行するための指定色調整アプリケーション141や、印刷対象の画像データに色変換処理、ラスタライズ処理、スクリーニング(網点化)処理等の各種画像処理を施してプリンター2に出力するプログラム等が記憶されている。
【0031】
また、記憶部14には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色成分の値からなる印刷対象の画像データをプリンター2の色再現特性に応じて色変換するための色変換プロファイル142が記憶されている。
【0032】
ここで、色変換プロファイル142について説明する。
一般的に、CMYKやRGBの表色系は、入出力デバイスの色再現特性に依存している。例えば、同じCMYKの画像データをそのまま異なるプリンターで印刷した場合、プリンターによって異なる色で再現されてしまう。そこで、入出力デバイスの色再現特性を調整するために、印刷対象の画像データに色変換処理が実行される。色変換プロファイル142は、この色変換処理に用いられるプロファイルであり、ICC(International Color consortium)により定義されたプロファイルである。本実施形態において、色変換プロファイル142は、例えば、印刷対象の画像データが表すCMYK値が共通色空間であるL*a*b*のどの色値を示すものであるかを記述したプロファイルと、共通色空間であるL*a*b*で表現された色に対応するプリンター2のCMYK値を記述したプロファイルとにより構成されている。
【0033】
また、記憶部14には、画像編集アプリケーションにより編集された画像データや、通信部15により外部装置から送信された画像データが記憶されている。
【0034】
通信部15は、LAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードで構成され、通信ネットワークNを介してプリンター2等の外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0035】
(プリンター2の構成)
プリンター2は、PC1から受信した色変換後の画像データ(CMYK値)に基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色成分の出力色により、用紙上に画像を印刷する。
【0036】
図3は、プリンター2の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、プリンター2は、制御部21、操作部22、表示部23、記憶部24、通信部25、画像処理部26、プリント部27、インラインセンサー28等を備えて構成され、各部はバス29を介して接続されている。
【0037】
制御部21は、CPU、RAM等を備えて構成される。制御部21のCPUは、操作部22の操作に応じて、記憶部24に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0038】
操作部22は、操作キーや表示部23の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部21に出力する。
【0039】
表示部23は、LCDを備え、制御部21からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0040】
記憶部24は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置により構成され、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
例えば、記憶部24には、PC1から送信された印刷対象の画像データに基づいてプリント部27に印刷を行わせるためのプログラムや、多次元キャリブレーション、一次元キャリブレーション、最高濃度調整、グレーバランスキャリブレーション、トーンカーブ調整等の、プリンター2の色再現性を調整するためのプログラム等が記憶されている。
【0041】
通信部25は、LANカード等の通信制御カードで構成され、通信ネットワークNを介してPC1等の外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0042】
画像処理部26は、印刷対象の画像データに対し、多次元キャリブレーション、一次元キャリブレーション、最高濃度調整、グレーバランスキャリブレーション、トーンカーブ調整等により生成されたLUT(Look Up Table)やカーブを適用した各種補正処理や、圧縮・伸張処理等の画像処理を施してプリント部27に出力する。
【0043】
プリント部27は、画像処理部26から入力された画像データに基づいて、電子写真方式又はインクジェット方式により用紙に画像を印刷する。プリント部27により用紙に印刷された画像を印刷画像と呼ぶ。
【0044】
インラインセンサー28は、用紙搬送方向のプリント部27の下流側に設けられ、プリント部27により用紙に印刷された画像を光学的に読み取って、その読み取り値(測色値)を制御部21に出力する。
【0045】
(色調整システム100の動作)
次に、本実施形態における動作ついて説明する。
PC1において、操作部12により画像データの印刷が指示されると、制御部11は、印刷対象の画像データに色変換プロファイル142を適用した色変換処理等の画像処理を施して、通信部15によりプリンター2に送信する。プリンター2においては、通信部25により画像データを受信すると、受信した画像データに画像処理部26により画像処理を施して、画像処理済みの画像データに基づいてプリント部27により用紙に画像を印刷して出力する。
【0046】
ユーザーが印刷画像を目視確認し、修正したい色が存在した場合、ユーザーは、指定色調整画面131において修正したい色の指定及び調整値の入力を行って色調整を行うことができる。
図4は、指定色調整画面131の一例を示す図である。図4に示すように、指定色調整画面131には、プレビュー画像領域131aと、調整点表示領域131bと、計算結果領域131cと、調整値入力領域131dと、調整後表示領域131eと、印刷ボタン131fと、確定ボタン131gと、が設けられている。
【0047】
プレビュー画像領域131aには、印刷画像のプレビュー画像が表示される。ユーザーは、操作部12により、プレビュー画像上の調整したい色の点(調整点)を指定(例えば、クリック)することで、調整対象の色を指定することができる。プレビュー画像領域131aにおいて調整点が指定されると、指定された調整点の色及びそのCMYK値が調整点表示領域131bに表示される。プレビュー画像上から複数の調整点が指定されると、調整点表示領域131bには、各調整点に対応する複数行の色及びCMYK値が表示される。調整点の指定が終了し、表示された中から操作部12により所望の行が選択されると、その行の色が調整値の入力対象となる。ユーザーは調整点表示領域131bの各行を順次選択し、調整値を入力する。
【0048】
調整点表示領域131bにおいて、いずれかの行が選択されると、計算結果領域131cに、選択された調整点に対応する色のCMYK値を色変換プロファイル142により色変換した値(理論値)及び色見本が表示される。調整値入力領域131dからCMYK値の調整値が入力されると、入力された調整値を計算結果に加算した値及びその色見本が調整後表示領域131eに表示される。ユーザーは調整点表示領域131bの各行を順次選択し、各調整点に対応する調整値を入力する。
【0049】
印刷ボタン131fが押下されると、入力された調整値に基づいて仮修正された色変換プロファイル142に基づいて印刷対象の画像データに色変換が行われ、プリンター2により仮印刷が行われる。ユーザーは、色調整後の印刷画像を確認することができる。確定ボタン131gが押下されると、入力された調整値が確定され、確定された調整値に基づいて色変換プロファイル142が修正される。この修正された色変換プロファイル142を印刷対象の画像データに適用して色変換処理を行うことで、印刷対象の画像データに色調整を行うことができる。
なお、指定色調整画面131により指定された色や確定前の入力された調整値は、それらを削除する操作や指定色調整画面131を閉じる操作が行われるまで制御部11のRAMに保持される。
【0050】
このようにして、ユーザーは、指定色調整を行うことができる。しかしながら、指定色調整画面131において、一つ一つ調整対象の色を指定し、指定した色に対して一つ一つ調整値を入力し、印刷して確認を行い、満足がいかなければ調整値の再修正を行ったり更なる指定色の追加及び調整値の入力を行ったりを繰り返す指定色調整の作業は、非常に手間と時間がかかる。
また、ユーザーが満足する色で印刷されない原因として、プリンター2において目標となる色再現性を実現できるようにするための調整(色再現性の調整)が十分に行われずにプリンター2の色再現性が低下している場合がある。この場合は、プリンター2の色再現性の調整が行われれば、一つ一つの色を指定して指定色調整をしなくてもユーザーの満足できる色で印刷できる場合がある。
そこで、本実施形態における指定色調整処理では、ユーザーが色調整の対象として指定した色の数や特徴に応じてプリンター2の色再現性の調整を推奨することで、無理な指定色調整を回避して、指定色調整に係る手間と時間を軽減する。
【0051】
図5は、PC1の制御部11により実行される指定色調整処理を示すフローチャートである。指定色調整処理は、操作部12により指定色調整が指示された場合に、制御部11と記憶部14に記憶されている指定色調整アプリケーション141との協働により実行される。
【0052】
まず、制御部11は、表示部13に指定色調整画面131を表示させる(ステップS1)。
次いで、制御部11は、プレビュー画像領域131aに表示された印刷画像のプレビュー画像おいて操作部12により調整したい色(調整点)が指定されるのを待機する(ステップS2)。プレビュー画像領域131aにおいて調整したい色が指定されたと判断されると(ステップS2;YES)、制御部11は、指定された色の数が予め定められた所定の閾値(例えば、10)以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0053】
ステップS3において、指定された色の数が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS3;YES)、制御部11は、プリンター2の色再現性の調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる(ステップS4)。
ここで、調整対象として指定された色の数が所定の閾値以上であるということは、プリンター2により出力された印刷画像にユーザーが満足できない色が多数存在することを表しており、この場合、そもそもプリンター2において色再現性の調整がされておらず、プリンター2の色安定性が低下している可能性が考えられる。そこで、制御部11は、指定された色の数が所定の閾値以上であると判定した場合、プリンター2の色再現性の調整を推奨するメッセージを表示部13に表示させる。このように、ユーザーにプリンター2の色再現性の調整を実施させることで、無理な指定色調整を回避させ、時間と手間を低減することができる。
【0054】
次いで、制御部11は、指定された色に傾向があるか否かを判断する(ステップS5)。例えば、指定された色が単色ベタ(C、M、Y、Kの何れか単色)である、2次色ベタ(C、M、Yの2色を混ぜ合わせた色)である、グレー(無彩色)である等の傾向があるか否かを判断する。
【0055】
指定された色に傾向があると判断した場合(ステップS5;YES)、制御部11は、指定された色の傾向に応じた種類の調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させ(ステップS6)、指定色調整処理を終了する。
ステップS6において、制御部11は、例えば、指定された色が単色ベタである場合、最高濃度調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる。指定された色が2次色ベタである場合、多次元キャリブレーションを推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる。指定された色がグレーである場合、グレーバランスキャリブレーションを推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる。
【0056】
指定された色に傾向がないと判断した場合(ステップS5;NO)、制御部11は、キャリブレーション(一次元キャリブレーション)を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させ(ステップS7)、指定色調整処理を終了する。
【0057】
このように、指定された色の傾向の有無や傾向に応じてプリンター2で実施すべき調整の種類をメッセージ画面で推奨する(メッセージ画面で推奨する調整内容を切り替える)ので、どの調整を実施すべきかをユーザーが容易に認識することができ、指定色調整にかかる手間と時間を低減することが可能となる。
【0058】
ここで、最高濃度調整は、プリンター2において出力可能な最高濃度を調整するものである。多次元キャリブレーションは、プリンター2において出力されるC、M、Yの2次色の色再現性を調整するものである。グレーバランス調整は、プリンター2において出力される有彩色のグレーバランスを調整するものである。キャリブレーションは、C、M、Y、Kの各色毎の色再現性を調整するものである。いずれの調整においても、プリンター2のプリント部27により複数階調のパッチが設けられたチャート画像を印刷出力し、そのチャート画像をインラインセンサー28により読み取って各パッチの測色値を取得し、取得した測色値に基づいて調整用のLUTやカーブを生成する。
【0059】
一方、ステップS3において、指定された色の数が所定の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS3;NO)、制御部11は、指定された色に対する調整値の入力を受け付ける(ステップS8)。
【0060】
次いで、制御部11は、指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判断する(ステップS9)。
ここで、指定色調整において、指定された色だけを変更すると周囲の色との連続性がくずれてトーンジャンプが起きてしまう。そこで、指定色調整においては、トーンジャンプを防ぐため、指定された色だけでなく、指定された色から所定範囲内にある周囲の色も調整する。この指定された色と併せて調整される周囲の色の範囲を調整影響範囲と呼ぶ。本実施形態では、L*a*b*色空間において、指定した色から所定範囲内(例えば、±3以内)の色も併せて調整する。ステップS9においては、L*a*b*色空間において、或る指定色から所定範囲内に他の指定色の調整影響範囲が含まれている場合に、指定された色の調整影響範囲が重複していると判断する。
【0061】
指定された色の調整影響範囲が重複していると判断した場合(ステップS9;YES)、制御部11は、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させ(ステップS10)、指定色調整処理を終了する。
指定された色の調整影響範囲が重複している場合にそのまま調整を行うと、色調整の結果がおかしくなってしまう。そこで、指定された色の調整影響範囲が重複している場合に、画像編集ソフトに戻って元の画像データを修正することを推奨する。これにより、無理な指定色調整を行わずに画像編集に戻れることで指定色調整にかかる手間や時間を低減することが可能となる。
【0062】
なお、制御部11は、どの指定色の調整影響範囲が重複しているのかをメッセージ画面に併せて表示させることが好ましい。これにより、元の画像のどの色を修正すればよいのかをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0063】
指定された色の調整影響範囲が重複していないと判断した場合(ステップS9;NO)、制御部11は、入力された調整値に傾向があるか否かを判断する(ステップS11)。
例えば、C、M、Y、Kのいずれかの色の値を全体的に増加(減少)する傾向や、C、M、Y、Kのいずれかの色の高階調側(低階調側)の値を増加(減少)する等の傾向があるか否かを判断する。
【0064】
入力された調整値に傾向があると判断した場合(ステップS11;YES)、制御部11は、プリンター2のトーンカーブ調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させ(ステップS12)、指定色調整処理を終了する。
【0065】
例えば、下記の例のように、複数の色の調整値にシアンを増加させる傾向がある場合、シアンのトーンカーブ調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる。
(例)色1の調整値(C,M,Y,K)=(+15,0,0,0)
色2の調整値(C,M,Y,K)=(+10,0,0,0)
色3の調整値(C,M,Y,K)=(+5,0,0,0)
【0066】
ここで、トーンカーブ調整とは、プリンター2におけるC、M、Y、K各色の入出力濃度カーブ(トーンカーブ)を調整するものである。トーンカーブ調整では、トーンカーブの形状を修正することで、トーンカーブの形状を変更した色成分の画像全体における明るさ、コントラスト、色味を変更することができる。
このように、入力された調整値に傾向があると判断した場合、プリンター2のトーンカーブ調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させることで、調整値に傾向がある色を一つ一つ指定色調整にて調整することを回避し、指定色調整にかかる手間と時間を低減することが可能となる。
【0067】
一方、調整値に傾向がないと判断した場合(ステップS11:NO)、制御部11は、操作部12により印刷ボタン131fが押下されたか否かを判断する(ステップS13)。
印刷ボタン131fが押下されたと判断した場合(ステップS13;YES)、制御部11は、印刷対象の画像データを入力された調整値に基づいて色調整した画像データを通信部15によりプリンター2に送信し、確認画像の印刷を行わせる(ステップS14)。
【0068】
次いで、制御部11は、操作部12により確定ボタン131gが押下されたか否かを判断する(ステップS15)。
確定ボタン131gが押下されていないと判断した場合(ステップS15;NO)、制御部11は、ステップS8に戻り、ステップS8以降の処理を繰り返し実行する。
確定ボタン131gが押下されたと判断した場合(ステップS15;YES)、制御部11は、入力された調整値に基づいて色変換プロファイル142を修正し(ステップS16)、指定色調整処理を終了する。
【0069】
指定色調整処理においてプリンター2の色再現性の調整が推奨された場合、ユーザーは、操作部12により推奨された調整を実行するための調整画面を表示部13に表示させて、推奨された調整を実行する。しかし、ユーザーによっては、推奨される調整を手動で実行する手間を省きたい場合がある。
【0070】
そこで、制御部11は、図5に示す指定色調整処理のステップS6、7、12において推奨された調整をプリンター2に自動的に実行させることとしてもよい。例えば、図6に示すように、指定色調整アプリケーション141の設定画面132からプリンター2の調整を自動実行することが選択されると、制御部11は、指定色調整処理で推奨された調整を自動実行する設定を記憶部24に記憶させる。そして、指定色調整処理で推奨された調整を自動実行する設定がされている場合、制御部11は、指定色調整処理のステップS6、7、12においてプリンター2の色再現性の調整を推奨した後、その調整を実行する指示を通信部15によりプリンター2に送信し、推奨された調整を自動的に実行させる。
【0071】
例えば、プリンター2の制御部21は、通信部25によりPC1から、最高濃度調整、多次元キャリブレーション、グレーバランスキャリブレーション、キャリブレーション(一次元キャリブレーション)のいずれの実行指示が受信されると、指示された調整を実行する。例えば、制御部21は、指示された調整に応じたチャートをプリント部27により出力させ、出力されたチャートの各パッチをインラインセンサー28により読み取らせる。そして、読み取られた各パッチの測色値に基づいて、指定された調整(LUTやカーブの生成)を行う。また、トーンカーブ調整の実行指示が受信された場合、制御部21は、指定色調整処理で入力された調整値をPC1から取得し、取得した調整値の傾向に基づいて、トーンカーブを調整する。
【0072】
なお、制御部11は、トーンカーブの調整をプリンター2に実行させる際には、併せて印刷対象の画像データをプリンター2に送信し、プリンター2に調整したトーンカーブを適用させて印刷対象の画像データに基づく確認画像を印刷させることとしてもよい。
【0073】
このように、推奨される調整をプリンター2に自動的に実行させることで、推奨される調整を手動で実行する手間を省くことができる。
【0074】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る色調整システム200の全体構成例を示す図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係る色調整システム200においては、第1の実施形態でPC1に記憶されていた指定色調整アプリケーション141及び色変換プロファイル142と、Web(World Wide Web)サーバープログラム143とがプリンター2の記憶部24に記憶され、Webブラウザー144がPC1の記憶部14に記憶されている。その他のPC1とプリンター2の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0075】
色調整システム200において、PC1からWebブラウザー144でプリンター2の指定色調整アプリケーション141のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすると、プリンター2の制御部21は、指定色調整アプリケーション141及びWebサーバープログラム143との協働により、図5に示す指定色調整処理を実行する。指定色調整処理において、指定色調整画面131を表示部13に表示させる際には、制御部21は、Webサーバーとして指定色調整画面131の画面データを通信部25によりPC1に送信し、Webブラウザー144により指定色調整画面131を表示部13に表示させる。そして、指定色調整画面131を介して色調整対象の色の指定やその調整値の入力、印刷や確定の指示等のユーザー操作を受け付ける。また、プリンター調整を推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させる際には、制御部21は、メッセージ画面の画面データを通信部25によりPC1に送信し、Webブラウザー144により指定色調整画面131を表示部13に表示させる。
すなわち、第2の実施形態においては、プリンター2の制御部21と、指定色調整アプリケーション141及びWebサーバープログラム143との協働により、本発明の制御装置が実現される。
【0076】
このように、指定色調整アプリケーション141をプリンター2に記憶しておき、PC1からブラウザーでプリンター2の指定色調整アプリケーション141にアクセスして指定色調整処理を実行させる構成においても、本発明を実施することができ、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、推奨される調整を自動実行する構成としてもよい。また、第2の実施形態では、プリンター2がWebサーバーとしての機能を備え、Webブラウザー144を備えるPC1からの入力を受け付けて指定色調整処理を実行することとしたが、プリンター2とは別途サーバーを備える構成とし、サーバーの制御部が指定色調整アプリケーション141、色変換プロファイル142、Webサーバープログラム143との協働により制御装置を実現することとしてもよい。
【0077】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、上述の実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、上記実施形態では、指定された色の数が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上ではない場合に、指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定し、重複していないと判定した場合に、指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定することとして説明したが、指定された色の数及び/又は指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かの判定を行わずに、指定された色の調整値に傾向があるか否かを判定することとしてもよい。そして、指定された色の調整値に傾向があると判定した場合に、トーンカーブ調整を推奨することとしてもよい。
【0078】
同様に、上記実施形態では、指定された色の数が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上ではない場合に、指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定することとして説明したが、指定された色の数の判定を行わずに、指定された色の調整影響範囲が重複しているか否かを判定することとしてもよい。そして、重複していると判定した場合に、画像編集ソフトに戻って印刷対象の画像データを修正することを推奨するメッセージ画面を表示部13に表示させることとしてもよい。
【0079】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0080】
その他、色調整システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0081】
100、200 色調整システム
1 PC
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
141 指定色調整アプリケーション
142 色変換プロファイル
15 通信部
16 バス
2 プリンター
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 記憶部
25 通信部
26 画像処理部
27 プリント部
28 インラインセンサー
29 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7