(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、ティシュペーパーを製造する方法(以下「ティシュ製造方法」と略称する)を実施するための形態を説明する。
この実施形態では、原紙や原紙どうしが重ね合わせられた原紙組(以下「原紙」および「原紙組」をまとめて「原紙等」と称する)の搬送方向を基準に上流および下流を定める。原紙等について、長手方向,幅方向および厚み方向の三方向を定める。長手方向は、原紙等の延在面において帯状に延びる方向である。この長手方向は、搬送方向に沿う。幅方向は、原紙等の延在面において長手方向に直交する方向である。厚み方向は、長手方向および幅方向の何れにも直交する方向である。搬送方向や幅方向に原紙組が裁断あるいは分断されて折り畳まれることで、原紙等からなるティシュペーパーが製造される。
【0012】
[I.一実施形態]
以下に述べる一実施形態では、ティシュ製造方法を説明する前提として、
図1〜
図4を参照してティシュペーパーを製造する装置(以下「ティシュ製造装置」と略称する)の構成を説明する。その後に、
図5を参照して、ティシュ製造方法の構成を説明する。そして、本実施形態のティシュ製造方法による作用および効果を述べる。
【0013】
[1.ティシュ製造装置の構成]
まず、
図1を参照して、ティシュペーパーを製造する過程を概説する。
ティシュペーパーの製造装置は、三つのパートP
1,P
2,P
3に大別される。
第一パートP
1では、
図2に示す抄紙機1によって帯状の原紙Wが抄造される。
第二パートP
2では、
図3に示す積層機3によって第一パートP
1で抄造された複数の原紙Wどうしが重ね合わせられる。原紙Wどうしが重ね合わせられると、複数の原紙Wからなる多層構造の原紙組WPが製造される。ここでは、二層構造(いわゆる「2プライ」)の原紙組WPを例示する。
第三パートP
3では、
図4に示す折畳機5によって第二パートP
2で重ね合わせられた原紙組WPが折り畳まれる。そして、所定の搬送方向寸法に原紙組WPが分断される。
【0014】
第一パートP
1では、抄造された原紙Wがロール状に巻き取られる。第一パートP
1で巻き取られた原紙Wは、第二パートP
2に運搬される。
第二パートP
2では、繰り出された原紙Wどうしが重ね合わせられて原紙組WPがロール状に巻き取られる。この第二パートP
2では、所定の速度(以下「上流搬送速度」と称する)V
Uで原紙等W,WPが搬送される。第二パートP
2で巻き取られた原紙組WPは、第三パートP
3に運搬される。
【0015】
第三パートP
3に運搬されたロール状の原紙組WPは、その外周縁から一部が剥ぎ取られてから繰り出される。この第三パートP
3では、上流搬送速度V
Uよりも遅い所定の速度(以下「下流搬送速度」と称する)V
Dで原紙組WPが搬送される。
本実施形態では、上流搬送速度V
Uが500〜1500[m/分]に設定され、下流搬送速度V
Dが10〜150[m/分]に設定されている。
【0016】
すなわち、第一パートP
1は、最も下流に第一巻取パート15(
図2参照)が設けられる。第二パートP
2は、上流搬送速度V
Uで原紙等W,WPを搬送する上流搬送パートP
20(
図1に矢印で簡略に示す)が設けられ、上流搬送パートP
20の最も上流には第一繰出パート30(
図3参照)が設けられ、上流搬送パートP
20の最も下流に第二巻取パート38(
図3参照)が設けられる。第三パートP
3は、下流搬送速度V
Dで原紙組WPを搬送する下流搬送パートP
30(
図1に矢印で簡略に示す)が設けられ、下流搬送パートP
30の最も上流に第二繰出パート50(
図4参照)が設けられる。さらに、第一パートP
1と第二パートP
2との間に第一運搬パートP
12が設けられ、第二パートP
2と第三パートP
3との間に第二運搬パートP
23が設けられる。
【0017】
上記の三パートP
1,P
2,P
3は種々のパートに細別され、細別されたパートの一部が複数段階に設定されている。
具体的に言えば、原紙組WPをなす原紙Wどうしを係合させる係合パート34,53が二段階に設定されている。これらの係合パート34,53のうち、一方は積層機3の仮係合パート34であり、他方は折畳機5の本係合パート53である。以下、係合パート34,53による原紙Wどうしの係合パターンについて、仮係合パート34の係合パターンを「仮パターン」と称し、本係合パート53の係合パターンを「本パターン」と称する。
そのほか、原紙Wまたは原紙組WPを厚み方向に圧接して平滑化させるカレンダパート14,33も抄紙機1と積層機3とのそれぞれに設けられている。
以下、抄紙機1,積層機3および折畳機5の各構成を述べる。
【0018】
[1−1.抄紙機]
図2を参照して、抄紙機1の構成を詳述する。
抄紙機1は、原料から帯状の原紙Wを抄造するティシュマシンである。
抄紙機1には、原紙Wを抄造する抄紙パート10が設けられ、抄紙パート10で抄造された原紙Wを巻き取る第一巻取パート15も設けられている。
【0019】
抄紙パート10は、原料から湿った状態の原紙W(湿紙)を抄造するワイヤパート11,湿った状態の原紙Wを脱水するプレスパート12,水分が圧搾された原紙Wを乾燥させるドライヤパート13,乾燥した原紙Wを平滑化するカレンダパート14に細別される。カレンダパート14を経た原紙Wが第一巻取パート15で巻き取られる。
以下、抄紙機1の各パート11,12,13,14,15を製造工程順に説明する。
【0020】
〈ワイヤパート〉
ワイヤパート11には、原紙Wの原料であるスラリーを射出するヘッドボックスHが設けられている。スラリーには、パルプ繊維の懸濁した原料液が用いられる。
このワイヤパート11には、フォーミングロールR
Tの外周に一部が巻き掛けられた二種のワイヤベルトB
T,B
Cが設けられている。
【0021】
これらのワイヤベルトB
T,B
Cは、ベルト搬送ロールに巻き掛けられたメッシュ状の無端ベルトである。ワイヤベルトB
T,B
Cのうち一方は、スラリーに対してフォーミングロールR
T側とは反対側(外周側)に巻き掛けられたフォーミングワイヤベルトB
Tである。他方は、スラリーに対してフォーミングロールR
T側(内周側)に巻き掛けられた搬送ワイヤベルトB
Cである。
フォーミングロールR
Tの外周においてワイヤベルトB
T,B
Cどうしの間に射出されたスラリーが脱水されることにより、湿った状態の原紙Wが抄造される。
【0022】
原紙Wは、搬送されるワイヤベルトB
T,B
C上で搬送される際にスラリーから抄造されるため、パルプが搬送方向に沿う配向をなす。そのため、原紙Wは、幅方向に沿っては裂けにくく長手方向に沿っては裂けやすい引き裂き強度の指向性をもつ。
原紙Wは、搬送ワイヤベルトB
Cによって、次のプレスパート12へ搬送される。
【0023】
〈プレスパート〉
プレスパート12には、ベルト搬送ロールに巻き掛けられた吸水性の搬送ベルトB
Aが設けられている。搬送ベルトB
Aには、吸水性をもつ材料(たとえばフェルト)の無端ベルトが用いられる。
搬送ベルトB
Aのうち上流側の部位は、上記した搬送ワイヤベルトB
Cで搬送される原紙Wに対して付勢された状態に設けられる。
【0024】
ベルト搬送ロールのうち、原紙Wを挟んで搬送ワイヤベルトB
Cへ付勢する箇所のロールには、原紙Wを吸引するサクション機構M
Sの内蔵されたサクションロールR
Aが設けられている。サクションロールR
Aによって、原紙Wの搬送経路が搬送ワイヤベルトB
C上から搬送ベルトB
A上に切り替えられる。
原紙Wを挟んだ搬送ワイヤベルトB
Cへの付勢箇所において、原紙Wから水分が圧搾される。このようにして脱水された原紙Wは、搬送ベルトB
Aによって、次のドライヤパート13へ搬送される。
【0025】
〈ドライヤパート〉
ドライヤパート13には、原紙Wを乾燥させる乾燥ロールR
D(「ヤンキーロール」とも称される)が設けられている。
乾燥ロールR
Dには、搬送ベルトB
Aのうち下流側の部位が原紙Wを介して付勢されている。搬送ベルトB
Aで搬送された原紙Wは、回転する乾燥ロールR
Dの外周面上へ張り付くように移行する。乾燥ロールR
Dは、たとえば筒内に導入された蒸気によって筒面が加熱され、その筒面上の原紙Wを乾燥させる。
【0026】
ドライヤパート13には、乾燥した原紙Wを乾燥ロールR
Dから剥離させるドクターブレードD
Dが設けられている。ドクターブレードD
Dは、乾燥ロールR
Dの筒面に対して刃先が突き当てられた姿勢で配置される。ドクターブレードD
Dは、乾燥ロールR
Dから剥離する原紙Wにクレープ(縮緬状の皺)を付与する。
このようにして乾燥ロールR
Dから剥離された原紙Wは、次のカレンダパート14へ搬送される。
【0027】
〈カレンダパート〉
カレンダパート14には、一対のカレンダロールR
Lが設けられている。カレンダロールR
Lは、原紙Wの搬送速度に応じた速度で回転し、搬送される原紙Wを挟み込んだ状態で互いに対向して配置される。カレンダロールR
Lどうしの間で原紙Wが厚み方向に圧接されて平滑化される。
このようにしてカレンダ処理された原紙Wは、次の第一巻取パート15へ搬送される。
【0028】
〈第一巻取パート〉
第一巻取パート15には、原紙Wを巻き取る第一巻取ロールR
W1が設けられている。第一巻取ロールR
W1に帯状の原紙Wが巻き取られて第一原反ロールW
R1が製造される。
以下の説明では、半製品(中間体)の第一原反ロールW
R1について、装置構造をなすロールとの混同を防ぐため、「第一原反ロールW
R1」を「第一原反W
R1」と略称する。
【0029】
[1−2.積層機]
図3を参照して、積層機3の構成を詳述する。
積層機3は、原紙Wどうしを重ね合わせるプライマシンである。積層機3では、二つの第一原反W
R1,W
R1が設置され、第一原反W
R1,W
R1から繰り出された原紙Wどうしが積層される。このようにして、二つの原紙Wから二層構造の原紙組WPが製造される。
【0030】
積層機3には、上述した上流搬送パートP
20,第一繰出パート30,カレンダパート33,仮係合パート34および第二巻取パート38のほか、原紙Wどうしを重ね合わせる積層パート32と、原紙Wが重ね合わせられた原紙組Wを裁断する上流裁断パート36とが設けられている。
ここでは、積層パート32の下流側にカレンダパート33が設定され、カレンダパート33の下流側に仮係合パート34が設定されている。また、仮係合パート34の下流側に上流裁断パート36が設定されている。この上流裁断パート36は、第二巻取パート38よりも上流側のみに設定されている。
以下、積層機3の各パート30,32,33,34,36,38を製造工程順に説明する。
【0031】
〈第一繰出パート〉
第一繰出パート30では、それぞれに第一原反W
R1の設置された二つの第一繰出ロールR
U1,R
U1が設けられ、第一繰出ロールR
U1の第一原反W
R1から各原紙Wが繰り出される。
このように繰り出された原紙Wは、次の積層パート32へ搬送される。
【0032】
〈積層パート〉
積層パート32には、外周の一部に二つの原紙Wが重畳して巻き回される積層ロールR
Pが設けられている。積層ロールR
Pで二つの原紙Wが重ね合わせられる。
このようにして重ね合わせられた原紙組WPについては、外側を向く二面(主面)のうち一方を第一面F
1(一方の原紙Wのオモテ面F
F)とし、他方を第二面F
2(他方の原紙Wのオモテ面F
F)とする。言い換えれば、ウラ面F
Bどうしを対面させた原紙Wを互いに重ね合わせて、二枚の原紙Wから原紙組WPが積層される。
上記のように積層された原紙組WPは、次のカレンダパート33へ搬送される。
【0033】
〈カレンダパート〉
カレンダパート33では、抄紙機1のカレンダパート14と同様に、原紙組WPが厚み方向に圧接されて平滑化される。このカレンダパート33には、二組のカレンダロールR
L1,R
L2が設けられ、原紙組WPに対して二段階にカレンダ処理を施す。
このようにカレンダ処理された原紙組WPは、次の仮係合パート34へ搬送される。
【0034】
〈仮係合パート〉
仮係合パート34には、原紙組WPの一部を厚み方向に係合させる係合ロールR
C0が設けられている。係合ロールR
C0には、凸ロールR
C01および受ロールR
C02が設けられている。凸ロールR
C01の外周には凸部が設けられ、この凸部が受ロールR
C02の外周に突き当てられて受け止められる。凸ロールR
C01および受ロールR
C02は、原紙組WPの搬送速度に応じた速度で回転し、原紙組WPを挟んで互いに対向して配置される。
【0035】
凸ロールR
C01の凸部が原紙組WPを介して受ロールR
C02の外周に突き当てられることにより、原紙組WPが厚み方向に交絡した状態となる。言い換えれば、原紙組WPの二層が互いに噛み込んだ状態となり、二層構造の層どうしが一体的に係合する。
受ロールR
C02の外周が金属製であり、凸ロールR
C01の凸部が原紙組WPに対して受ロールR
C02側に突出しにくい構造が採用されている。そのため、仮係合パート34で係合処理された原紙組WPは、凸ロールR
C01側の一部(たとえば搬送方向に沿う線状の部位)が凹設され、受ロールR
C02側はほぼ平坦状をなす。このような係合構造は、「クリンパ」や「コンタクタエンボス」とも称され、キッチンペーパーやトイレットロールなどに採用されている両面に凹凸をもつエンボスとは構造的に相異する。
【0036】
この仮係合パート34は、詳細を後述する折畳機5の本係合パート53に対して「係合領域」および「係合タイミング」が相異する。
係合領域に関しては、仮係合パート34では任意の箇所に設定可能であるのに対し、本係合パート53ではティシュペーパーとなった製品(以下「ティシュ製品」と略称する)の端縁に対応する所定の箇所に設定される。
【0037】
係合タイミングに関しては、仮係合パート34では一時的に原紙Wどうしを係合させるのに対し、本係合パート53では常に原紙Wどうしを係合させる。
詳細に言えば、仮係合パート34では、積層機3の第二巻取パート38で第二原反ロールW
R2(ロール)の外周縁に巻き取られる原紙組WPをなす原紙Wのみを互いに係合させる。すなわち、原紙組WPの巻回が終了する直前からその終了までの間に限って、仮係合パート34による係合が実施される。反対に言えば、原紙組WPが巻回されはじめたばかりのときや巻回終了までに余裕があるときには、仮係合パート34による原紙Wどうしの係合は実施されない。
【0038】
そのほか、仮係合パート34は、後述する折畳機5の本係合パート53に対して「係合パターンの視認性」が相異してもよい。具体的に言えば、本係合パート53よりも仮係合パート34のほうが視認性の高いパターンで原紙組WPをなす原紙Wどうしを係合させてもよい。つまり、仮パターンのほうが本パターンよりも視認性が高く設定されてもよい。
ここでいう「パターン」とは、柄あるいは模様といった狭義のパターンに限らず、原紙Wどうしを係合させる領域(たとえば柄や模様を付す領域)や原紙Wどうしを係合させる深さ(厚み方向の寸法)をも含む広義のパターンを意味する。
【0039】
仮パターンとしては、以下のパターン例1〜3が挙げられる。
・パターン例1:本パターンよりも広い範囲が係合される仮パターン
・パターン例2:本パターンよりも目立つ柄や模様で係合される仮パターン
・パターン例3:本パターンよりも係合深さが大きい仮パターン
上記のように仮係合処理された原紙組WPは、次の上流裁断パート36へ搬送される。
【0040】
〈上流裁断パート〉
上流裁断パート36には、長手方向に沿って原紙組WPを裁断するスリッタS
Uが設けられている。スリッタS
Uは、裁断箇所の幅方向位置に応じたさまざまな幅方向寸法に原紙組WPを断裁することができる。たとえば、原紙組WPに対して幅方向位置が調節可能に設けられた刃(カッタ)および刃受けロールがスリッタS
Uに設けられる。
【0041】
上流裁断パート36では、原紙組WPの裁断寸法が所定の幅方向寸法に設定されている。
「所定の幅方向寸法」とは、折畳機5(
図4参照)に設置される原紙組WPの幅方向寸法を意味する。この幅方向寸法としては、ティシュ製品のうち端辺(長辺または短辺)の寸法(以下「規格幅寸法」と称する)やこの整数倍の寸法が挙げられる。ここでは、原紙組WPを裁断するパートとして上流裁断パート36が積層機3に一段階(一箇所)だけ設定されていることから、上流裁断パート36による原紙組WPの裁断寸法が規格幅寸法に設定されている。
上記のように裁断された各原紙組WPは、次の第二巻取パート38へ搬送される。
【0042】
〈第二巻取パート〉
第二巻取パート38には、第一巻取パート15と同様に、原紙組WPを巻き取る第二巻取ロールR
W2が設けられている。第二巻取ロールR
W2に帯状の原紙組WPが巻き取られて第二原反ロールW
R2が製造される。なお、第二原反ロールW
R2についても、装置構造をなすロールとの混同を防ぐため、「第二原反W
R2」と略称する。
この第二巻取パート38では、複数の第二原反W
R2が同軸に配置され、これらの第二原反W
R2が同心に巻回される。
【0043】
[1−3.折畳機]
図4を参照して、折畳機5の構成を詳述する。
折畳機5は、原紙組WPを折り畳むインターフォルダである。折畳機5には、いわゆるマルチスタンド方式のインターフォルダ(「多連機」とも称される)が採用されており、製品状態で包装される枚数(ティシュ箱に収容される枚数)に応じた多数の第二原反W
R2が設置される。
【0044】
折畳機5には、上述した下流搬送パートP
30,第二繰出パート50および本係合パート53に加えて、原紙組WPを折り畳む折畳パート56,折り畳まれた原紙組WPを分断する分断パート57,分断された原紙組WPの包装パート58が設けられている。
この折畳機5には、原紙組WPの搬送を案内する二種のガイドパート51,52も設定されている。一種は、第二繰出パート50で第二原反W
R2から繰り出された原紙組WPの搬送方向を搬入方向D
Iから搬出方向D
Oに変化させて、原紙組WPの搬送を案内する方向ガイドパート51である。もう一種は、第二繰出パート50で第二原反W
R2から繰り出された原紙組WPを厚み方向に圧着しつつ、原紙組WPの搬送を案内する綴ガイドパート52である。
【0045】
ここでは、第二繰出パート50の下流側に方向ガイドパート51が設定され、方向ガイドパート51の下流側に綴ガイドパート52が設定されている。また、綴ガイドパート52の下流側に本係合パート53が設定されている。そして、本係合パート53の下流側に折畳パート56が設定されている。
【0046】
一台の第二繰出パート50には二つの第二原反W
R2が設置(たとえば並設)され、二つの第二原反W
R2が設置された一台の第二繰出パート50から二組のティシュペーパーが製造される。すなわち、製品状態で包装されるティシュペーパー(一箱のティシュペーパー)における総組数の半数と同台数の第二繰出パート50が設置される。
ガイドパート51および52,本係合パート53ならびに折畳パート56は、第二繰出パート50と同様に、多数の箇所に設けられる。一方、分断パート57および包装パート58は、折畳機5の下流において一箇所に設けられる。
【0047】
そのほか、第二繰出パート50で原紙組WPを繰り出す前準備として、第二原反W
R2の外周縁から原紙組WPが剥ぎ取られる。たとえば、オペレータによって手動で第二原反W
R2の外周縁から原紙組WPが剥ぎ取られることで、積層機3から折畳機5への運搬時や設置時に付着しうる汚れやキズなどが取り除かれ、ティシュ製品の品質が確保される。
以下、折畳機5の各パート50,51,52,53,56,57,58を製造工程順に説明する。
上流側のパート50,51,52,53,56については
図4(A)を参照し、下流側のパート56,57,58については
図4(B)を参照して詳述する。
【0048】
〈第二繰出パート〉
第二繰出パート50では、第二原反W
R2が設置された第二繰出ロールR
U2が設けられ、第二繰出ロールR
U2の第二原反W
R2から原紙組WPが繰り出される。
このように繰り出された原紙組WPは、次の方向ガイドパート51へ搬送される。
【0049】
〈方向ガイドパート〉
方向ガイドパート51には、原紙組WPの搬送方向を変化させる方向ガイドロールR
Eが設けられている。方向ガイドロールR
Eに搬入される原紙組WPの搬送方向が搬入方向D
Iである。一方、方向ガイドロールR
Eから搬出される原紙組WPの搬送方向が搬出方向D
Oである。
【0050】
搬出方向D
Oは、第二原反W
R2の巻径(径方向の厚み寸法)によらず一定である。これに対し、原紙組WPの繰り出しに伴って第二原反W
R2の巻径が小さくなるにつれて、搬入方向D
Iは変化する。
ここでは、
図4(A)に実線で例示するように、大径の第二原反W
R2から繰り出される原紙組WPの搬入方向D
Iは斜め下向きである。この搬入方向D
Iは、原紙組WPが繰り出されるにつれて第二原反W
R2が小径になり、
図4(A)に二点鎖線で例示するように、水平方向に対する傾斜角度が小さくなる。なお、搬出方向D
Oは、鉛直上方に対してやや傾斜した方向に設定されている。
【0051】
上記の二方向D
I,D
Oのなす角度は、方向ガイドロールR
Eの配置箇所によって鋭角に制限されている。言い換えれば、搬入方向D
Iと搬出方向D
Oとのなす角度を鋭角に制限する位置に方向ガイドロールR
Eが配置される。ここでは、第二原反W
R2の設置された第二繰出ロールR
U2よりも下方に方向ガイドロールR
Eが配置されている。
このように案内された原紙組WPは、次の綴ガイドパート52へ搬送される。
【0052】
〈綴ガイドパート〉
綴ガイドパート52には、一対の綴ロールR
Bが設けられている。綴ロールR
Bは、下流搬送速度V
Dに応じた速度で回転し、搬送される原紙組WPを挟み込んだ状態で互いに対向して配置される。綴ロールR
Bどうしの間で原紙組WPをなす原紙Wの厚み方向への綴じ状態が保持される。
このように原紙Wどうしの綴じ状態が保持された原紙組WPは、次の本係合パート53へ搬送される。
【0053】
〈本係合パート〉
本係合パート53は、積層機3の仮係合パート34と同様に、原紙組WPの一部を厚み方向に係合させる係合ロールR
Cが設けられ、係合ロールR
Cを構成する凸ロールR
C1および受ロールR
C2によって原紙組WPをなす原紙Wどうしが係合させられる。
この本係合パート53は、上述したように、ティシュ製品の端縁に対応する所定の箇所で原紙組WPをなす原紙Wどうしを係合させる。このようにして、いわゆる「エッジエンボス」が原紙組WPに成形される。
上記のように本係合処理された原紙組WPは、次の折畳パート56へ搬送される。
【0054】
〈折畳パート〉
折畳パート56には、折畳機構として折板Pを用いて原紙組WPを折り畳む機構(折板式,原紙組WPの折畳形態はポップアップ方式)が採用されている。この折畳パート56には、原紙組WPを折り畳む折板Pのほか、種々の搬送ロールが設けられている。
上記の折畳パート56は、第一面F
1が外側の状態であって第二面F
2が内側の状態で原紙組WPを折り畳み、折板Pによる折り目を原紙組WPの搬送方向に沿って形成する。
このように折り畳まれた原紙組WPは、並設された他の第二繰出パート50,ガイドパート51,52および本係合パート53を経て折り畳まれた他の原紙組WPと積み重ねられ、搬送ベルトB
Iによって、次の分断パート57へ搬送される。
【0055】
〈分断パート〉
分断パート57には、幅方向に沿って原紙組WPを裁断するカッタCが設けられている。このように裁断された原紙組WPは、長手方向に亘る連続が分断される。
上記のカッタCは、裁断タイミング(ここでは上下動の制御間隔)に応じてさまざまな搬送方向寸法に原紙組WPを断裁することができる。たとえば、カッタCの裁断間隔が長いほど、裁断後に原紙組WPが搬送される距離が延びることから、搬送方向寸法の長い原紙組WPが切り分けられる。
【0056】
原紙組WPの分断寸法は、所定の搬送方向寸法に設定されている。
「所定の搬送方向寸法」とは、完成したティシュペーパーのうち、上述した規格幅寸法に裁断された端辺に対して直交する端辺の寸法を意味する。具体的に言えば、ティシュペーパーのうち、ティシュ箱の長手方向に沿う端辺の長さとして設定された寸法が、所定の搬送方向寸法に設定される。
このように分断パート57で分断された枚葉状の原紙組WPは、包装前のティシュペーパーであり、次の包装パート58へ搬送される。
【0057】
〈包装パート〉
包装パート58では、分断パート57で分断された原紙組WPを包装用のカートン59(ティシュ箱)に収容する。
このように包装が完了すると、箱入りのティシュペーパーが完成する。
【0058】
[2.ティシュ製造方法の構成]
つぎに、上述した装置を用いてティシュペーパーを製造する方法を述べる。
このティシュ製造方法では、ティシュ製造装置の構成で上述した各種のパートにおいて、その名称のうち「パート」を「工程」に置換した工程が実施される。たとえば、第二パートP
2の積層パート32では第二工程の積層工程が実施され、第三パートP
3の折畳パート56では第三工程の折畳工程が実施される。
以下、
図5を参照して、ティシュ製造方法の各工程について順を追って説明する。
【0059】
本方法では、はじめに、抄紙機1の製法に対応する第一工程(ステップS10およびS15)が実施される。それから、抄紙機1で巻き取られた第一原反W
R1を積層機3へ運搬する第一運搬工程(ステップS20)が実施される。
その後、積層機3の製法に対応する第二工程(ステップS30〜S38)が実施される。それから、積層機3で巻き取られた第二原反W
R2を折畳機5へ運搬する第二運搬工程(ステップS40)が実施される。
そして、折畳機5の製法に対応する第三工程(ステップS50〜S58)が実施される。
【0060】
第一工程では、抄紙パート10の製法に対応する抄造工程(ステップS10)が実施される。この抄造工程では、原料のスラリーから湿った状態の原紙Wを乾燥させ、乾いた状態の原紙Wが製造される。
そして、第一巻取パート15で原紙Wを巻き取る第一巻取工程(ステップS15)が実施される。
【0061】
第二工程では、第一繰出パート30で原紙Wを繰り出してから第二巻取パート20で原紙組WPを巻き取るまで、原紙等W,WPを上流搬送速度V
Uで搬送させる上流搬送工程(ステップS30〜S38)が実施される。
この第二工程では、第一繰出パート30で原紙Wを繰り出す第一繰出工程(ステップS30)が実施される。つづいて、積層パート32においてウラ面F
Bどうしを対面させて原紙Wを互いに重ね合わせる積層工程(ステップS32)が実施される。
【0062】
それから、カレンダパート33で原紙組WPを圧接して平滑化するカレンダ工程(ステップS33)が実施される。
その後に、仮係合パート34で原紙組WPをなす原紙Wどうしを任意の箇所で係合させる仮係合工程(ステップS34)が実施される。この仮係合工程は、第二原反W
R2の外周縁に巻き取られる原紙組WPをなす原紙Wのみを互いに係合させる。つまり、仮係合工程は、常に実施されるのではなく一時的に実施される。
【0063】
ついで、上流裁断パート36で原紙組WPを所定の幅方向寸法に裁断する上流裁断工程(ステップS36)が実施される。ここでは、規格幅寸法の2倍〜10倍の寸法で原紙組WPが二つに裁断される。
そして、第二巻取パート20で原紙組WPを第二原反W
R2に巻き取る第二巻取工程(ステップS38,巻取工程)が実施される。この第二巻取工程では、同軸に配置された複数の第二原反W
R2が巻き取られる。
【0064】
第三工程では、第二繰出パート50で原紙組WPを繰り出してから分断パート57で折り畳まれた原紙Wが所定の搬送方向寸法に分断されるまで、原紙組WPを下流搬送速度V
Dで搬送させる下流搬送工程(ステップS50〜S56)が実施される。
なお、本実施形態の第三工程では、第二繰出パート50で原紙組WPを繰り出す前に、第二原反W
R2の外周縁から原紙組WPを剥ぎ取る剥取工程(ステップS48)も実施される。
【0065】
この第三工程では、第二繰出パート50で原紙Wを繰り出す第二繰出工程(ステップS50,繰出工程)が実施される。その後、方向ガイドロールR
Eで搬送方向を搬入方向D
Iから搬出方向D
Oに変化させて原紙組WPの搬送を案内する方向ガイド工程(ステップS51)が実施される。それから、綴ロールR
Bで厚み方向に圧着しながら原紙組WPの搬送を案内する綴ガイド工程(ステップS52)が実施される。
その後、本係合パート53で原紙組WPをなす原紙Wどうしをティシュ製品の端縁に対応する所定の箇所で係合させる本係合工程(ステップS53)が実施される。
【0066】
つづいて、折畳パート56で原紙組WPを折り畳む折畳工程(ステップS56)が実施される。
その後、折畳パート57で折り畳まれた原紙組WPを所定の搬送方向寸法に裁断して分断する分断工程(ステップS57)が実施される。
そして、包装パート58で原紙組WP(ティシュペーパー)をカートン59に包装する包装工程(ステップS58)が実施される。
このような手順でティシュペーパーが製造される。
【0067】
[3.作用および効果]
本実施形態で開示するティシュ製造方法は、上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
以下、係合工程,裁断工程,その他の工程の順に、それぞれの工程に関する作用および効果を詳述する。
【0068】
[3−1.係合工程]
まず、係合工程に関する作用および効果を述べる。
(1)本製法によれば、仮係合工程で原紙Wどうしが係合された原紙組WPが第二巻取工程後に第二繰出工程で繰り出されることから、繰り出された原紙組WPをなす原紙Wどうしの厚み方向や幅方向への位置ズレを抑えることができる。この位置ズレによる皺やヨレの発生も抑えることができる。
よって、製造されるティシュペーパーの品質を高めることができる。
【0069】
(2)裁断された原紙組WPは、幅方向寸法の減少による摩擦力や張力の変化が生じうることから、上記した速度変動をはじめ、搬送される経路や原紙Wどうしの位置といった各種の状態が不安定になるおそれがある。
これに対し、上流裁断工程よりも上流側に仮係合工程が設定され、上流裁断工程で裁断される前の原紙組WPをなす原紙Wどうしが係合させられる。このことから、安定した状態で原紙組WPを裁断することができる。
【0070】
(3)ところで、原紙Wどうしが重ね合わせられた原紙組WPは、第二繰出工程で第二原反W
R2から繰り出されはじめは原紙組WPの搬送が不安定なのに対し、繰り出しが進捗すると安定する傾向がある。
上記した繰り出されはじめの原紙組WPは、第二原反W
R2の外周縁に巻き取られた原紙組WPに対応し、この外周縁に巻き取られる原紙組WPをなす原紙Wのみが仮係合工程で互いに係合させられる。このことから、安定搬送に資する原紙Wどうしの係合は、仮係合工程によって一時的に付される。そのため、原紙組WPを安定して搬送させる係合を必要なタイミングだけで実施することができ、仮係合工程を実施する係合ロールR
C0の長寿命化に寄与する。
【0071】
ティシュ製品の機能として必要な原紙Wどうしの係合は本係合工程で常に実施されるのに対し、上記のようにしてティシュペーパーを製造するうえで好ましい係合が仮係合工程で一時的に実施される。よって、ティシュ製品となる原紙組WPへの仮係合工程による係合が抑えられ、製品機能として不要な係合を抑えることができる。更に言えば、原紙Wを重ねて係合することにより穴が開く(破損する)といった不具合を抑えることができる。
【0072】
(4)仮係合パート34で係合された原紙組WPが第二原反W
R2に巻回されることから、第二原反W
R2から繰り出す原紙組WPが正しい原紙Wの組み合わせか否か(すなわち積層機3で重ね合わせられた原紙Wからなる原紙組WPか否か)の確認作業にかかる負荷を軽減させることができる。さらに、本係合パート53よりも仮係合パート34のほうが視認性の高いパターンで原紙組WPをなす原紙Wどうしを係合させれば、繰り出す原紙組WPが正しい組み合わせか否かを視覚的に確認することができる。そのため、第二原反W
R2からの原紙組WPの繰り出しを準備するオペレータによる適切な作業に資する。
【0073】
(5)仮係合工程で係合させる原紙Wどうしがカレンダ工程で圧接して平滑化されていることから、仮係合工程の係合品質を高めることができる。たとえば、毛羽立った原紙どうしが重ね合わせられた原紙組はその原紙どうしを係合させにくい。これに対し、毛羽立ちがカレンダ工程で抑制された原紙組WPは、その原紙Wどうしを良好に係合させることができる。
【0074】
[3−2.裁断工程]
ついで、裁断工程に関する作用および効果を述べる。
紙粉の発生をともなう上流裁断工程が巻取工程よりも上流側に設定されることから、第二繰出工程よりも下流側に裁断工程が設定された製法と比較して、ティシュ製品への紙粉の付着や混入を抑えることができる。
さらに、多連機における多数の原反から繰り出された原紙組のそれぞれを裁断する製法では、多くの箇所で裁断にともなう紙粉が発生し、紙粉の付着や混入を招く。これに対し、本製法の上流裁断工程は積層機3で一箇所に設定されることから、紙粉の付着や混入が大幅に抑えられる。
【0075】
あるいは、第二巻取工程よりも上流だけでなく第二繰出工程よりも下流にも裁断工程が設定される製法では、上流および下流のそれぞれにおける裁断箇所の設定や相対的な裁断箇所の位置あわせが必要である。これらのように煩雑な設定や位置あわせが所望の箇所からの裁断箇所のズレを招くおそれがある。これは、ティシュ製品の寸法にばらつきを招くおそれもある。
これに対し、第二巻取工程よりも上流側のみにおいて上流裁断工程が実施されることから、裁断箇所の設定を容易にすることができる。さらに、積層機3において一段階の上流裁断工程が実施されることから、上記した相対的な位置あわせも不要となる。これらより、ティシュ製品の寸法のばらつきを抑えることができる。
よって、製造されるティシュペーパーの品質を高めることができる。
そのほか、第二巻取工程において、裁断された原紙組WPが同軸に配置された複数の第二原反W
R2として巻き取られることから、複数の第二原反W
R2の巻取軸やその巻取動力を共通化することができる。よって、装置コストや制御構成の簡素化に寄与する。
【0076】
[3−3.その他の工程]
最後に、その他の工程に関する作用および効果を述べる。
(1)積層機3における上流搬送工程の上流搬送速度V
Uよりも折畳機5における下流搬送工程の下流搬送速度V
Dのほうが遅いという搬送速度の高低が設定されたもとで、比較的低速の折畳機5に本係合工程が設定される。このことから、本係合工程による原紙Wどうしを確実に係合することができ、ティシュ製品をなす枚葉紙どうしの係合品質を高めることができる。
【0077】
(2)方向ガイド工程で搬入方向D
Iから搬出方向D
Oに変化させて原紙組WPの搬送が案内されることから、折畳機5において繰り出された原紙組WPに印加される張力が保持されやすい。そのため、原紙組WPをなす原紙Wどうしの位置ズレを抑制することができ、皺やヨレの発生も抑制することができる。
このようにして、折畳機5で原紙組WPを安定して搬送することができる。
【0078】
(3)また、綴ガイド工程で厚み方向に圧着されながら原紙組WPの搬送が案内されることから、原紙組WPをなす原紙Wどうしの位置ズレを抑制することができる。この点からも、折畳機5で原紙組WPを安定して搬送することができる。
そのうえ、本係合工程よりも上流側に綴ガイド工程が設定されることから、本係合工程で原紙Wどうしが係合される前の原紙組WPに対して、原紙Wどうしの位置ズレを抑制することができる。たとえば、第二原反W
R2からの繰り出しが進捗して仮係合工程で係合されていない原紙組WPが繰り出されたとしても、綴ガイド工程で原紙Wどうしの位置ズレを抑えることができる。
【0079】
[II.変形例]
上述した実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
【0080】
たとえば、原紙等に薬剤を塗布するパートを追加してもよい。この薬剤としては、保湿剤や芳香剤をはじめ、医療成分,清涼剤,顔料といったさまざまな液剤が挙げられる。保湿剤としては、グリセリンやソルビトールが水溶した保湿液を用いることができる。
上記の塗布パート(塗布工程)は、積層機や折畳機において任意の箇所に設定することができる。塗布パートによる塗布方式としては、グラビア方式やロールコート方式といった公知の方式を採用することができる。
【0081】
また、
図6に示すように、ロータリー式インターフォルダを折畳機5′に用いてもよい。この折畳機5′では、一組の原紙組WP′,WP′が折り畳まれて積み重ねられ、原紙組WP′の幅方向に沿う折り目が形成される。このように一組の原紙組WP′,WP′が設置される折畳機5′によれば、上述したマルチスタンド方式の折畳機5と比べて、折畳パート(折畳工程)よりも上流側の各パート(各工程)の設置数(工程数)が抑えられる。よって、装置コストや装置の設置コストを低減させることができる。
【0082】
そのほか、仮係合パート(仮係合工程)は、一方の面がほぼ平坦状な形態に限らず、両面に凹凸をもつ形態で原紙どうしを係合させてもよい。このようなエンボスを原紙組に成形することで、仮パターンの視認性を高めることができる。
なお、ワイヤパートには長網式,円網式といった他の方式を用いてもよく、ドライヤパートには多筒式(シリンダドライヤ)ロールを用いてもよい。