特許第6947123号(P6947123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6947123-配線部材 図000002
  • 特許6947123-配線部材 図000003
  • 特許6947123-配線部材 図000004
  • 特許6947123-配線部材 図000005
  • 特許6947123-配線部材 図000006
  • 特許6947123-配線部材 図000007
  • 特許6947123-配線部材 図000008
  • 特許6947123-配線部材 図000009
  • 特許6947123-配線部材 図000010
  • 特許6947123-配線部材 図000011
  • 特許6947123-配線部材 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947123
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】配線部材
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/08 20060101AFI20210930BHJP
   H01B 7/04 20060101ALI20210930BHJP
   H01B 7/06 20060101ALI20210930BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   H01B7/08
   H01B7/04
   H01B7/06
   B60R16/02 620J
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-100559(P2018-100559)
(22)【出願日】2018年5月25日
(65)【公開番号】特開2019-204738(P2019-204738A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】池田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−119491(JP,A)
【文献】 特開昭59−027411(JP,A)
【文献】 実開平02−017879(JP,U)
【文献】 特開2016−126961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
H01B 7/04
H01B 7/06
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象部分に対して共通する経路に沿って配設される複数の線状伝送部材と、
前記複数の線状伝送部材を偏平状態に保つベース部材と、
を備え、
前記複数の線状伝送部材が、第1線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材よりも長い第2線状伝送部材とを含み、
前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とが並列状態で前記ベース部材によって保持されており、
前記第1線状伝送部材の他の一部と前記第2線状伝送部材の他の一部とが、前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とは離れた位置で並列状態で前記ベース部材によって保持されており、
前記第1線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さよりも、前記第2線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さが大きく、
前記第1線状伝送部材の前記一部の直線延長上に前記第1線状伝送部材の前記他の一部が延在し、前記第2線状伝送部材の前記一部の直線延長上に前記第2線状伝送部材の前記他の一部が延在している、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記第1線状伝送部材が前記ベース部材によって直線状に保持された直線部を含み、
前記第2線状伝送部材のうち前記直線部に対応する少なくとも一部が曲る状態となった曲げ部とされている、配線部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材であって、
取付対象部分の凹凸表面に沿って並列状に配設可能なように、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材との長さが異なる、配線部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第2線状伝送部材を複数備え、
前記複数の第2線状伝送部材は、前記第1線状伝送部材から離れるのに従って徐々に長くなる、配線部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材によって保持されている、配線部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材に対して非接合状態となっている、配線部材。
【請求項7】
請求項1からから請求項6のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記ベース部材の少なくとも一部が伸長可能な伸長部である、配線部材。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記ベース部材はシート材であり、
前記複数の線状伝送部材は、前記シート材の一方主面に配設された部材である、配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載される部品同士を接続する配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、可撓性を有するシート状の絶縁体と該絶縁体内に形成された扁平な導体と有し、第1の端部及びその反対側の第2の端部各々が2つの車載電子ユニット各々に接続されるフレキシブルフラットケーブルを開示している。フラットケーブルは、並列配置された複数の導体を両側から挟み込む2枚の薄い絶縁フィルムなどからなる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−11910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記フラットケーブルにおいては、複数の導体は並列配置されている。かかるフラットケーブルを、凹凸のある取付対象部分の表面に沿って配設しようとすると、フラットケーブルの一部が当該表面から大きく離れてしまう恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため,第1の態様に係る配線部材は、取付対象部分に対して共通する経路に沿って配設される複数の線状伝送部材と、前記複数の線状伝送部材を偏平状態に保つベース部材と、を備え、前記複数の線状伝送部材が、第1線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材よりも長い第2線状伝送部材とを含む。
【0007】
また、第1の態様は、前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とが並列状態で前記ベース部材によって保持されており、前記第1線状伝送部材の他の一部と前記第2線状伝送部材の他の一部とが、前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とは離れた位置で並列状態で前記ベース部材によって保持されており、前記第1線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さよりも、前記第2線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さが大きく、前記第1線状伝送部材の前記一部の直線延長上に前記第1線状伝送部材の前記他の一部が延在し、前記第2線状伝送部材の前記一部の直線延長上に前記第2線状伝送部材の前記他の一部が延在しているのである。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る配線部材であって、前記第1線状伝送部材が前記ベース部材によって直線状に保持された直線部を含み、前記第2線状伝送部材のうち前記直線部に対応する少なくとも一部が曲る状態となった曲げ部とされているものである。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る配線部材であって、取付対象部分の凹凸表面に沿って並列状に配設可能なように、第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材との長さが異なるものである。
【0010】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材を複数備え、前記複数の第2線状伝送部材は、前記第1線状伝送部材から離れるのに従って徐々に長くなるものである。
【0011】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材によって保持されているものである。
【0012】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材に対して非接合状態となっているものである。
【0013】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記ベース部材の少なくとも一部が伸長可能な伸長部とされているものである。
【0014】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記ベース部材はシート材であり、前記複数の線状伝送部材は、前記シート材の一方主面に配設された部材とされているものである。
【発明の効果】
【0015】
第1の態様によると、取付対象部分の凹凸表面に配線部材を配設する際、第1線状伝送部材が比較的短い経路を通り、第2線状伝送部材が比較的長い経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
【0016】
第1の態様によると、取付対象部分の凹凸表面に配線部材を配設する際、第1線状伝送部材の一部と他の一部との間の部分が最短経路を通り、第2線状伝送部材の一部と他の一部との間の部分が最短経路よりも長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
【0017】
第2の態様によると、第1線状伝送部材の直線部が最短経路を通り、第2線状伝送部材の曲げ部が最短経路よりも長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
【0018】
第3の態様によると、第1線状伝送部材と第2線状伝送部材とを取付対象部分の凹凸表面に沿って並列状に配設できるため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、なるべく短い経路で、当該表面になるべく近づけて配設できる。
【0019】
第4の態様によると、第1線状伝送部材の直線部が最短経路を通り、複数の第2線状伝送部材が第1線状伝送部材から離れるのに従って最短経路よりも徐々に長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
【0020】
第5の態様によると、第2線状伝送部材がベース部材によって保持されているため、第2線状伝送部材の引っ掛かりを抑制できる。
【0021】
第6の態様によると、第2線状伝送部材のうち第1線状伝送部材よりも長い分がベース部材に対して非接合状態となっているため、その部分を取付対象部分の凹凸表面に自由に配設し易い。
【0022】
第7の態様によると、ベース部材を伸長させることによって、当該ベース部材をも凹凸表面になるべく近づけて配設できる。
【0023】
第8の態様によると、シート材に対して複数の線状伝送部材を自由な態様で配設し易い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る配線部材を示す概略平面図である。
図2】絶縁電線をシート材に超音波接合する工程を示す説明図である。
図3】絶縁電線を縫糸によってシート材に縫い付けられた状態を示す説明図である。
図4】配線部材を凹凸表面に沿って配設した状態を示す説明図である。
図5】比較例に係る配線部材を凹凸表面に沿って配設した状態を示す説明図である。
図6】第1変形例に係る配線部材を示す概略平面図である。
図7】第2変形例に係る配線部材を示す概略平面図である。
図8】同上の変形例に係る配線部材を凹凸表面に沿って配設した状態を示す説明図である。
図9】第3変形例に係る配線部材を示す概略平面図である。
図10】同上の変形例に係る配線部材を凹凸表面に沿って配設した状態を示す説明図である。
図11】第4変形例に係る配線部材を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係る配線部材について説明する。図1は、配線部材20を示す概略平面図である。
【0026】
配線部材20は、車両に搭載される部品をつなぐ部材である。配線部材20は、複数の線状伝送部材22、23と、ベース部材28とを備える。
【0027】
線状伝送部材22、23は、電気又は光等を伝送する線状の部材である。ここでは、線状伝送部材22,23は、芯線と芯線を覆う絶縁被覆とを含む絶縁電線22、23である例で説明する。芯線は、1本又は複数本の素線で構成される。素線は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導体で形成される。絶縁被覆は、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)等の樹脂材料が芯線の周囲に押出成形されることで形成される。
【0028】
ベース部材28は、複数の線状伝送部材22、23を、偏平状態に保つ部材である。
【0029】
ここでは、ベース部材28は、シート材28である例で説明する。シート材28を構成する材料は特に限定されるものではないが、シート材28は、好ましくはPVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂を含む材料によって形成される。シート材28は、内部が一様に埋ったシート材であってもよいし、不織シート等であってもよい。シート材28は、金属などの材料を含むこともあり得る。シート材28は、好ましくは、厚み方向において容易に曲る柔軟性を有する。シート材28は、単層であってもよいし、複数層積層されていてもよい。複数層積層されている場合、例えば、樹脂層と樹脂層とが積層されていることが考えられる。また例えば、樹脂層と金属層とが積層されていることが考えられる。
【0030】
図1に示す例では、シート材28は長尺状に形成されているが、シート材28の形状はこれに限られない。シート材28は、絶縁電線22、23の配設経路等に応じた形状に形成されていてもよい。
【0031】
シート材28の一方主面に複数の絶縁電線22、23が配設されている。
【0032】
複数の絶縁電線22、23を、シート材28の主面上で保持する構成は特に限定されるものではない。
【0033】
例えば、絶縁電線22、23とシート材とを接合する構成として、溶着する構成を採用することができる。つまり、絶縁電線22、23とシート材とのうち少なくとも一方が樹脂材料を有し、この樹脂材料が溶けて相手側に接合される。ここでは絶縁被覆と、樹脂製のシート材とが共に溶けて相互に接合されている。この場合、絶縁被覆と、樹脂製のシート材とは同じ樹脂材料を含むことが好ましい。
【0034】
具体的には、例えば、図2に示すように、絶縁電線22、23とシート材28とを超音波接合用のチップ40とアンビル42との間に挟み込んで、絶縁電線22、23をシート材28に超音波溶着してもよい。この場合、絶縁電線22、23とシート材28とは、それらの少なくとも一方が溶けた接合部29を介して接合される。
【0035】
絶縁電線22、23とシート材28とは、上記超音波溶着の他、加熱加圧溶着、熱風溶着、高周波溶着など種々の溶着方法によって溶着することができる。
【0036】
電線とシート材とが、熱又は溶剤等によって少なくとも一方の樹脂が溶かされて接合されていてもよい。係る接合構成としては、溶着、融着、溶接等の公知の接合構成等を用いることができる。
【0037】
絶縁電線22、23とシート材28とは、接着剤、両面テープ等によって接合されていてもよい。
【0038】
また、図3に示すように、絶縁電線22、23が縫糸29Bによってシート材28に縫い付けられて接合されていてもよい。
【0039】
複数の線状伝送部材22、23である絶縁電線22、23は、取付対象部分に対して共通する経路に沿って配設される。例えば、図4に示すように、取付対象部分10が、直方体状部分12の一側面に円筒状部分14が連なる形状であったとする。そして、配線経路Pが直方体状部分12の上面から直方体状部分12の一側面の上部を経て円筒状部分14の外周面の上部に沿って設定されているとする。絶縁電線22、23は上記配線経路Pに沿って配設される。複数の絶縁電線22、23は、上記配線経路Pに沿って配設可能な位置でシート材28の一主面に保持されている。
【0040】
複数の線状伝送部材22、23としての複数の絶縁電線22、23は、第1線状伝送部材としての第1絶縁電線22と、第2線状伝送部材23としての第2絶縁電線23とを含む。第2絶縁電線23は、第1絶縁電線22よりも長く設定されている。
【0041】
上記第1絶縁電線22の長さと第2絶縁電線23の長さの差は、第1絶縁電線22と第2絶縁電線23とを取付対象部分10の凹凸表面11に沿って並列状に配設可能な大きさに設定されるとよい。
【0042】
図4に示す例で考えると、第1絶縁電線22は、円筒状部分14の外周面のうち円筒状部分14の中心軸上方に沿った部分に配設されるため、第1絶縁電線22のうち直方体状部分12の一側面の上部に沿って配設される部分の長さは比較的短い。これに対して、第2絶縁電線23は、第1絶縁電線22の両側に離れた位置で円筒状部分14の外周面に沿って配設される。このため、第2絶縁電線23のうち直方体状部分12の一側面の上部に沿って配設され、円筒状部分14の外周面に達する部分の長さは比較的長くなる。図4においては、第2絶縁電線23の上記経路長は、第1絶縁電線22の経路長よりも経路長差d長くなる。
【0043】
そこで、第2絶縁電線23は、第1絶縁電線22よりも経路長差d分、長く設定されている。これにより、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23を共通する配線経路Pに沿って配設する際に、並列状で、凹凸表面11に沿って配設することができる。
【0044】
より具体的には、複数の絶縁電線22、23は、1つの第1絶縁電線22と、複数(ここでは2つ)の第2絶縁電線23とを含む。なお、第1線状伝送部材の一例である第1絶縁電線22は、複数設けられていてもよい。また、第2線状伝送部材の一例である第2絶縁電線23は、1つのみであってもよいし、3本以上設けられていてもよい。
【0045】
第1絶縁電線22の一部22aと複数の第2絶縁電線23の一部23aとが並列状態でシート材28によって保持されている(例えば、図1の右側部分)。また、第1絶縁電線22の他の一部22bと複数の第2絶縁電線23の他の一部23bとが、第1絶縁電線22の一部22aと複数の第2絶縁電線23の一部23aとは離れた位置で、並列状態でシート材28によって保持されている(例えば、図1の左側部分)。
【0046】
第1絶縁電線22の前記一部22aと前記他の一部22bとは、第1絶縁電線22の延在方向において離れた位置に有り、第2絶縁電線23の前記一部23aと前記他の一部23bとは、第2絶縁電線23の延在方向において離れた位置に有る。ここでは、第1絶縁電線22の前記一部22aの直線延長上に前記他の一部22bが延在し、第2絶縁電線23の前記一部23aの直線延長上に前記他の一部23bが延在している。第1絶縁電線22の前記一部22aと前記他の一部22bとの間の部分22cの長さよりも、第2絶縁電線23の前記一部23aと前記他の一部23bとの間の部分23cの長さが大きく(ここでは経路長差d分大きく)設定されている。
【0047】
ここでは、第1絶縁電線22の上記間の部分22cは、その両端にある前記一部22aと前記他の一部22bとの間において直線状に延在する状態で、シート材28に接合されている。この部分22cは、シート材28に接合されていなくてもよい。
【0048】
また、第2絶縁電線23の上記間の部分23cは、上記直線部22cと対応する部分である。つまり、第2絶縁電線23の上記間の部分23cは、上記直線部22cの隣に存在する部分である。この部分23cの少なくとも一部、ここでは、全体が曲る状態となった曲げ部23cとされている。ここでは、曲げ部23cは、第1絶縁電線22から離れる側に凸となるように湾曲した状態で、シート材28に接合されている。なお、シート材28の両側部は当該曲げ部23cに対応する部分で外方に弧状に張出している。
【0049】
この配線部材20を取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設する際には、例えば、次のようにするとよい。
【0050】
まず、配線部材20のうち第1絶縁電線22の一部22a及び第2絶縁電線23の一部23aを保持する部分を直方体状部分12の上面に沿って配設する。配線部材20のうち第1絶縁電線22の他の一部22b及び第2絶縁電線23の他の一部23bを保持する部分を円筒状部分14の外周面に沿って配設する。
【0051】
また、配線部材20のうち第1絶縁電線22の上記間の部分22c及び第2絶縁電線23の上記間の部分23cを保持する部分を、直方体状部分12の一側面であって円筒状部分14の上方部分に沿って配設する。この際、第1絶縁電線22の上記間の部分22c及び第2絶縁電線23の上記間の部分23cを、直方体状部分12の上面の縁から前記一側面に沿って真下に延在させるようにする。すると、第1絶縁電線22の上記間の部分22cは、直方体状部分12の上面の縁から前記一側面に沿って円筒状部分14に達するように配設される。また、第2絶縁電線23の上記間の部分23cは、第1絶縁電線22の上記間の部分22cよりも長いため、直方体状部分12の上面の縁から前記一側面に沿って円筒状部分14の頂上部分からやや下側の表面部分に達するように配設される。
【0052】
なお、シート材28のうち第1絶縁電線22の上記間の部分22cと第2絶縁電線23の上記間の部分23cとの間隔は、シート材28のうち第1絶縁電線22の一部22aと第2絶縁電線23の一部23aとの間隔、及び、第1絶縁電線22の他の一部22bと第2絶縁電線23の他の一部23bとの間隔よりも広い。
【0053】
上記のように第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23を取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設した状態では、それらがほぼ並列姿勢で延在することになるため、シート材28のうち第1絶縁電線22の上記間の部分22cと第2絶縁電線23の上記間の部分23cとの間の部分は、余った状態となって皺28aとなることが想定される。シート材28を凹凸表面11になるべく沿わせるようにするため、シート材28を、皺を作ったり、弛ませたり、折込んだりするとよい。
【0054】
上記配線部材20を取付対象部分10に保持した状態に保つ構成としては、一般的な車両固定用のクランプを用いた構成、粘着テープ、結束バンド等の結束部材を用いた構成、両面テープ、接着剤等を用いた構成等が想定される。特に、配線部材20を円筒状部分の外周面に沿った状態に保つ部品としては、粘着テープ、結束バンド等の結束部材を用いることができる。
【0055】
図5は比較例に係る配線部材50を示す説明図である。この配線部材50では、シート材58に対して複数の絶縁電線52が並列状態で保持されている。この配線部材50を上記と同様に取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設すると、両端に配置された絶縁電線52については長さが足りないので、直方体状部分12の一側面及び円筒状部分14の外周面に沿って配設することが困難であり、円筒状部分14の外周面から浮いた状態となることがわかる。配線部材50が凹凸表面11から浮いてしまうと、その浮いた分がデッドスペースとなってしまう。これに対して、上記実施形態では、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23を含む配線部材20を、凹凸表面11になるべく近づけるように配設することができ、凹凸表面11の上方にデッドスペースが生じ難い。
【0056】
以上のように構成された配線部材20によると、取付対象部分10の凹凸表面11に配線部材20を配設する際、比較的短い第1絶縁電線22が比較的短い経路を通り、比較的長い第2絶縁電線23が比較的長い経路を通るように、配線部材20を当該凹凸表面11に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、取付対象部分10の凹凸表面11に配設する際に、当該凹凸表面11になるべく近づけて配設することができる。このため、当該凹凸表面11から配線部材20が浮き難くなり、デッドスペースをなるべく少なくすることができる。
【0057】
また、第1絶縁電線22の一部22aと複数の第2絶縁電線23の一部23aとが並列状態でシート材28によって保持されており、第1絶縁電線22の他の一部22bと複数の第2絶縁電線23の他の一部23bとが、並列状態でシート材28によって保持されている。これらの部分については、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23の経路差が生じ難い部分(上記例では直方体状部分12の上面、円筒状部分の外周面)等に沿って配設するのに適する。また、第1絶縁電線22の前記一部22aと前記他の一部22bとの間の部分22cの長さよりも、第2絶縁電線23の前記一部23aと前記他の一部23bとの間の部分23cの長さが大きく設定されている。この部分については、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23の経路差が生じ得る部分(上記例では直方体状部分12の一側面から円筒状部分の外周面に至る部分)に配設するのに適する。すなわち、第1絶縁電線22の一部22aと他の一部22bとの間の部分22cが比較的短い経路を通り、第2絶縁電線23の一部23aと他の一部23bとの間の部分23cが比較的長い経路を通るように、配線部材20を取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設することができる。
【0058】
また、第1絶縁電線22がシート材28によって直線状に保持された直線部22cを含み、第2絶縁電線23のうち直線部22cに対応する少なくとも一部が、曲る状態となった曲げ部23cとされているため、直線部22cを比較的短い経路に沿って直線状に配設し易く、また、曲げ部23cをより直線に近い状態に延しつつ、比較的長い経路に沿って配設することができる。これにより、偏平な配線部材20を、取付対象部分10の凹凸表面11に配設する際に、当該表面11になるべく近づけて配設できる。
【0059】
第1絶縁電線22と第2絶縁電線23の長さの差は、取付対象部分10の凹凸表面11に沿って並列状に配設可能なように、異なっているとよい。これにより、第1絶縁電線22と第2絶縁電線23とを取付対象部分10の凹凸表面11に沿って並列状に配設できるため、偏平な配線部材20を、取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設でき、かつ、各絶縁電線22、23の経路をなるべく短くできる。
【0060】
もっとも、第1絶縁電線22と第2絶縁電線23が凹凸表面11に沿って並列状態で配置されず、それらの少なくとも一方が蛇行等して曲っていてもよい。
【0061】
また、第2絶縁電線23の曲げ部23cがシート材28に接合されているため、第2絶縁電線23がシート材28から浮いた状態となって他の部材に引っ掛かってしまうことが抑制される。
【0062】
また、シート材28はシート材28であり、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23がシート材28の一方主面に配設された部材であるため、シート材28に対して第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23を自由な態様で配設し易い。例えば、上記のように、第2絶縁電線23を湾曲させた状態でシート材28に保持したり、後述する第2変形例のように、第2絶縁電線23を部分的にシート材28に対して非接合状態としたりし易い。
【0063】
<変形例>
上記実施形態では、第1絶縁電線22の一側に1つの第2絶縁電線23が設けられ、他側に1つの第2絶縁電線23が設けられる例で説明した。図6に示す第1変形例に係る配線部材120のように、第1絶縁電線22の少なくとも一方の側部に、第2絶縁電線23に対応する第2絶縁電線123A、123Bが複数設けられていてもよい。この場合、複数の第2絶縁電線123A、123Bは、第1絶縁電線22から離れるのに従って徐々に長く設定されてもよい。
【0064】
図6に示す例では、第1絶縁電線22の一側に2つの第2絶縁電線123A、123Bが設けられ、他側にも2つの第2絶縁電線123A、123Bが設けられている。第2絶縁電線123Bは、第2絶縁電線123Aよりも、第1絶縁電線22から離れた位置に設けられている。第2絶縁電線123Bのうち上記間の部分23cに対応する間の部分123Bcは、第2絶縁電線123Aのうち上記間の部分23cに対応する間の部分123Acよりも長く設定されており、部分123Acよりも長い弧を描いている。
【0065】
このため、上記取付対象部分10の凹凸表面11のように、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線123A、123Bを配線経路Pに沿って配設する際に、第1絶縁電線22の配設箇所から離れるのに従って、第2絶縁電線123A、123Bの経路が徐々に長くなってしまうような場合においても、上記実施形態と同様に、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線123A、123Bを配線経路Pに沿って、凹凸表面11になるべく近づけて配設することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、第2絶縁電線23の前記曲げ部23cをシート材28に接合した例を説明した。図7に示す第2変形例に係る配線部材220のように、第2絶縁電線23に対応する第2絶縁電線223のうち、第1絶縁電線22よりも長い部分である中間部分223cがシート材28に対して非接合状態となっていてもよい。つまり、第2絶縁電線223のうちの一部223aがシート材28に対して接合された状態となっており、他の一部223bもシート材28に対して接合された状態となっており、これらの間の中間部分223cがシート材28に対して非接合状態となっていて、シート材28から遊離可能な状態となっている。なお、第1絶縁電線22の前記間の部分22cも、シート材28に接合されていなくてもよい。
【0067】
このため、図8に示すように、本配線部材220を、取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設する場合には、シート材28を、皺を作ったり、弛ませたり、折込んだりして、凹凸表面11に沿う形状に変形させると共に、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線223を、そのシート材28の表面上で取付対象部分10の凹凸表面11に沿って配設することができる。このため、第2絶縁電線223を、シート材28の形状に影響されずに、凹凸表面11に自由に配索し易い。
【0068】
また、上記実施形態及び上記各変形例では、シート材28を、皺を作ったり、弛ませたり、折込んだりして凹凸表面11になるべく沿わせることを考えた。図9に示す第3変形例に係る配線部材320のように、シート材28に対応するシート材328の少なくとも一部を、伸長可能な伸長部329としてもよい。伸長部329は、ゴム等で形成された弾性シートによって形成されてもよいし、伸長可能な網によって形成されてもよい。シート材328の一部が伸長部329である場合、その他の伸長困難な部分328aと伸長部329との接合は、縫合、溶着、接着剤による接着等によって行うことができる。伸長部329は、配線経路Pにおいて、複数の絶縁電線間で経路長差が生じる部分に設けられることが好ましいが、当該部分よりも広い領域に設けられてもよいし、シート材の全体が伸長部とされてもよい。
【0069】
図9では、シート材328の延在方向中間部に伸長部329が設けられており、第1絶縁電線22の前記間の部分22c及び第2絶縁電線23の前記間の部分23cが伸長部329に接合されている。ここでは、伸長部329の両側部は外側に凸となるように湾曲する形状とされているが、これは必須ではなく、伸長部の両側部が並行状に延在する形状に形成されていてもよい。
【0070】
この場合、図10に示すように、伸長部329を伸しつつ、シート材328を凹凸表面11になるべく沿って配設することができる。また、これにより、第1絶縁電線22及び第2絶縁電線23をなるべく凹凸表面11に沿って配設することができる。
【0071】
なお、図11に示す第4変形例に係る配線部材420のように、第2絶縁電線23の前記間の部分22cが、伸長部329に対して非接合状態となっていてもよい。また、第1絶縁電線22の前記間の部分22cが伸長部329に対して非接合状態となっていてもよい。
【0072】
第3及び第4変形例によると、シート材328の伸長部329を伸長させることによって、シート材328をなるべく凹凸表面11に近づけて配設することができる。
【0073】
上記実施形態及び各変形例では、線状伝送部材が絶縁電線である例で説明したが、これに限られない。線状伝送部材は、電気又は光等を伝送する線状の部材であってもよい。例えば、線状伝送部材は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。
【0074】
電気を伝送する線状伝送部材としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。
【0075】
また、配線部材は、並列した線状導体(線状伝送部材)をフィルム等の絶縁被覆(ベース部材)で被覆したフレキシブルフラットケーブル(FFC)であってもよいし、樹脂フィルム等の絶縁部材(ベース部材)に印刷回路(線状伝送部材)を形成したフレキシブルプリント回路基板(FPC)であってもよいし、絶縁電線を並列状態で接合したフラットケーブル(絶縁電線内部の芯線自体が線状伝送部材であり、並列状態に接合された絶縁被覆がベース部材)等であってもよい。これらの場合であっても、複数の線状伝送部材の一部を部分的に曲げたり屈曲させたりすることで、複数の線状伝送部材に経路長差を設けた上でベース部材となる部分が厚み方向に曲ったり、折られたり、伸長したりことで、凹凸表面11になるべく沿った状態に配設できれば、上記と同様に適用可能である。
【0076】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0077】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本開示は以下の各態様を開示する。
第1の態様に係る配線部材は、取付対象部分に対して共通する経路に沿って配設される複数の線状伝送部材と、前記複数の線状伝送部材を偏平状態に保つベース部材と、を備え、前記複数の線状伝送部材が、第1線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材よりも長い第2線状伝送部材とを含む。
第2の態様は、第1の態様に係る配線部材であって、前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とが並列状態で前記ベース部材によって保持されており、前記第1線状伝送部材の他の一部と前記第2線状伝送部材の他の一部とが、前記第1線状伝送部材の一部と前記第2線状伝送部材の一部とは離れた位置で並列状態で前記ベース部材によって保持されており、前記第1線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さよりも、前記第2線状伝送部材の一部と他の一部との間の長さが大きいものである。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る配線部材であって、前記第1線状伝送部材が前記ベース部材によって直線状に保持された直線部を含み、前記第2線状伝送部材のうち前記直線部に対応する少なくとも一部が曲る状態となった曲げ部とされているものである。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、取付対象部分の凹凸表面に沿って並列状に配設可能なように、第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材との長さが異なるものである。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材を複数備え、前記複数の第2線状伝送部材は、前記第1線状伝送部材から離れるのに従って徐々に長くなるものである。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材によって保持されているものである。
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第2線状伝送部材のうち前記第1線状伝送部材よりも長い分が前記ベース部材に対して非接合状態となっているものである。
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記ベース部材の少なくとも一部が伸長可能な伸長部とされているものである。
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記ベース部材はシート材であり、前記複数の線状伝送部材は、前記シート材の一方主面に配設された部材とされているものである。
第1の態様によると、取付対象部分の凹凸表面に配線部材を配設する際、第1線状伝送部材が比較的短い経路を通り、第2線状伝送部材が比較的長い経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
第2の態様によると、取付対象部分の凹凸表面に配線部材を配設する際、第1線状伝送部材の一部と他の一部との間の部分が最短経路を通り、第2線状伝送部材の一部と他の一部との間の部分が最短経路よりも長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
第3の態様によると、第1線状伝送部材の直線部が最短経路を通り、第2線状伝送部材の曲げ部が最短経路よりも長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
第4の態様によると、第1線状伝送部材と第2線状伝送部材とを取付対象部分の凹凸表面に沿って並列状に配設できるため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、なるべく短い経路で、当該表面になるべく近づけて配設できる。
第5の態様によると、第1線状伝送部材の直線部が最短経路を通り、複数の第2線状伝送部材が第1線状伝送部材から離れるのに従って最短経路よりも徐々に長くなる経路を通るように、配線部材を取付対象部分の凹凸表面に沿って配設することができる。このため、偏平な配線部材を、凹凸のある取付対象部分の表面に配設する際に、当該表面になるべく近づけて配設できる。
第6の態様によると、第2線状伝送部材がベース部材によって保持されているため、第2線状伝送部材の引っ掛かりを抑制できる。
第7の態様によると、第2線状伝送部材のうち第1線状伝送部材よりも長い分がベース部材に対して非接合状態となっているため、その部分を取付対象部分の凹凸表面に自由に配設し易い。
第8の態様によると、ベース部材を伸長させることによって、当該ベース部材をも凹凸表面になるべく近づけて配設できる。
第9の態様によると、シート材に対して複数の線状伝送部材を自由な態様で配設し易い。
【符号の説明】
【0078】
20、120、220、320、420 配線部材
22 第1絶縁電線(線状伝送部材)
22a 第1絶縁電線の一部
22b 第1絶縁電線の他の一部
22c 第1絶縁電線の間の部分(直線部)
23、123A、123B、223 第2絶縁電線(線状伝送部材)
23a、223a 第2絶縁電線の一部
23b、223b 第2絶縁電線の他の一部
23c、123Ac、123Bc 第2絶縁電線の間の部分(曲げ部)
28、328 シート材(ベース部材)
223c 第2絶縁電線の間の部分
329 伸長部
P 配線経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11