(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態による情報処理システムの概要
2.構成
2−1.全体構成
2−2.感性サーバ2の構成
3.各実施例
3−1.第1の実施例
3−2.第2の実施例
3−3.第3の実施例
3−4.第4の実施例
4.まとめ
【0015】
<<1.本開示の一実施形態による情報処理システムの概要>>
図1は、本開示の一実施形態による情報処理システムの概要について説明する図である。
図1に示すように、本実施形態による情報処理システムでは、発表者であるユーザの信用力情報(感性値の一例)を、主催者40(評価者)の要求に応じて、信用データベース10から参照できるようにすることで、感性値の第三者利用を可能とし、感性値の利便性を向上させる。
【0016】
信用力情報の開示要求は、例えば主催者端末4aからネットワーク上の信用データベース10に行われる。信用データベース10は、ユーザに対して開示許諾を得た場合に、当該ユーザの信用力情報を主催者端末4aに送信する。
【0017】
ここで、本実施形態では、人物の人となりや信用度を、その人物の日々の行為(モノを含むオブジェクト間のインタラクション)に基づいて数値化し(本明細書では、「感性値」と称す)、信用データベース10(感性値データベース22の一例)に蓄積する。そして、ベンチャーピッチなどのコンテストにおいて、主催者側からの要求に応じてセキュリティを考慮して開示することで、より良い評価を得ることが可能となる。
【0018】
また、ユーザ側としても、ベンチャーピッチ等のアイデア評価において、当日のプレゼンの出来があまりよくなかった場合や、今までやってきた実績が評価者にあまり伝わっていないと思われる場合に、自分の信用情報(感性値)を開示して相手の信頼度を上げたいと思う場合もある。
【0019】
特にシビアなベンチャー投資の可否が決まるような場面においては、信用情報(感性値)の開示が有用となる。なお、信用情報(感性値)を第三者に開示することは、第三者に自分の信用度が知られる一方、悪用される恐れもあり、リスクの大きい行為と言える。したがって、第三者から開示要求がある場合はユーザの許諾を得る等、セキュリティを考慮して開示処理を行う。
【0020】
以上、本開示の一実施形態による情報処理システムについて説明した。続いて、本実施形態による情報処理システムの構成について
図2〜
図3を参照して説明する。
【0021】
<<2.構成>>
<2−1.全体構成>
図2は、本実施形態による情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態による情報処理システムは、ユーザ端末1と、感性サーバ2と、主催者端末4を含む。ユーザ端末1と、感性サーバ2と、および主催者端末4は、ネットワーク3を介して接続し、データの送受信を行い得る。
【0022】
感性サーバ2は、人およびモノを含むオブジェクト間のインタラクションに基づいてそれぞれのオブジェクトの価値を数値化した指標である感性値をユーザ単位で蓄積し(感性値データベース22)、ユーザまたは第三者(コンテストの主催者等)からの要求に応じて、感性値を開示するよう制御する。
【0023】
ユーザ端末1および主催者端末4は、スマートフォン、モバイル端末、HMD(Head Mounted Display)、ウェアラブル端末、PC等の情報処理端末であって、感性サーバ2から受信した情報を表示部に表示したり、ユーザまたは主催者による操作入力情報を感性サーバ2へ送信したりする。
【0024】
<2−2.感性サーバ2の構成>
図3は、本実施形態による感性サーバ2の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、感性サーバ2は、制御部20、通信部21、および感性値データベース22を有する。
【0025】
制御部20は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って感性サーバ2内の動作全般を制御する。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部20は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
【0026】
また、本実施形態による制御部20は、情報管理部201、開示制御部202、本人識別部203、および開示費用算出部204としても機能する。
【0027】
情報管理部201は、感性値データベース22に蓄積する感性値の登録、更新、削除等のデータ管理を行う。
【0028】
開示制御部202は、開示要求に応じて、所定の開示制御を行う。例えば開示制御部202は、ユーザから、利用目的と共にユーザ自身の感性値要求を受信した際、当該ユーザに対して当該ユーザの感性値を返信するよう制御する。また、開示制御部202は、ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を受信した場合、当該ユーザに対して、第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信するよう制御し、当該ユーザからの承諾を受信した場合、当該ユーザの感価値を第三者に送信する制御する。具体的な開示制御については、後述する各実施例において具体的に説明する。
【0029】
本人識別部203は、なりすまし防止のため、ユーザや主催者の本人確認を行う。例えば所定のID(暗証番号、ユーザ名等)を用いて本人確認を行ってもよい。
【0030】
開示費用算出部204は、感性値の開示にかかる費用を算出する。
【0031】
(通信部21)
通信部21は、有線または無線によりネットワーク3と接続し、ネットワーク3を介してユーザ端末1や主催者端末4とデータの送受信を行う。通信部21は、例えば有線/無線LAN(Local Area Network)、またはWi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等によりネットワーク3と通信接続する。本実施形態による通信部21は、ユーザ端末1または主催者端末4からユーザの感性値の開示要求を受信したり、要求に応じてユーザの感性値を主催者端末4に送信したりする。
【0032】
(感性値データベース22)
感性値データベース22は、ユーザ毎の感性値を蓄積する。感性値は、人およびモノの全てをオブジェクトと定義した上で、オブジェクト間のインタラクションに基づいてそれぞれのオブジェクトの価値を数値化した新しい指標である。感性値は多次元のベクトルで表現されてもよく、そのベクトルを扱いやすいように次元を落としたり単純なスカラー値にして利用したりしてもよい。また、近年のデバイス小型化、バッテリー技術やネットワーク技術の進歩により、モノ同士を繋げるIoT(Internet of Things)の時代に突入し、モノと人の区別なく、オブジェクト間のインタラクションをセンシングして感性値を算出することが可能となる。オブジェクト間のインタラクションは、例えば、ユーザが他人に行った行為(親切行為、マナーを守る行為、ソーシャルネットワーク上でのやり取りなど)や、物に対して行った行為(購入行為や、掃除、保管等の物を大事にする行為、運転操作など)が想定される。
【0033】
また、感性値データベース22は、記憶部に格納され得る。記憶部は、制御部20が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
【0034】
<<3.各実施例>>
続いて、本実施形態による情報処理システムについて、複数の実施例を用いて具体的に説明する。
【0035】
<3−1.第1の実施例>
まず、第1の実施例について
図4〜
図6を参照して説明する。
【0036】
図4は、第1の実施例においてユーザ自身から開示要求があった場合について説明する図である。例えばベンチャーピッチ等において、当日のプレゼンの出来があまり良くなく、それでもベンチャー出資は何とか受けたいというような場合、自分の感性値を主催者(第三者)に開示して相手に信頼してもらいたいという場合がある。
【0037】
この場合、
図4に示すように、ユーザはユーザ端末1から感性サーバ2に対して感性値の要求を行い(Step1)、感性サーバ2から当該ユーザの感性値が開示される(Step2)。
【0038】
そして、ユーザは、ユーザ端末1から主催者端末4に対して感性値を提示する(Step3)。主催者への提示は、主催者端末4へのデータ送信の他、口頭であってもよいし、書面であってもよい。
【0039】
このように、第1の実施例では、本人が自身の感性値の開示を要求し、ユーザ自身で第三者に開示することが可能となる。
【0040】
一方、第三者がユーザの感性値を開示要求する場合も想定される。
図5は、第1の実施例において第三者から開示要求があった場合について説明する図である。例えば、ベンチャーピッチの主催者側で、誰がベンチャーピッチに参加するかが明らかな場合に、予め発表者(ユーザ)の感性値を知ることが可能である。
【0041】
この場合、
図5に示すように、主催者が主催者端末4から感性サーバ2に対して感性値の要求を行うと(Step11)、感性サーバ2は感性値の開示通知(第三者から開示が要求されている旨を通知)をユーザ端末1に行う(Step12)。
【0042】
次いで、当該開示通知に応じてユーザが開示許諾を行うと(Step13)、感性サーバ2は、感性値を主催者端末4に開示する(Step14)。
【0043】
このように、第三者が感性値の開示を要求した場合は、セキュリティを考慮し、ユーザ本人に開示要求があったことを通知し、許諾が得られた場合に第三者に開示するようにする。
【0044】
以上説明した第1の実施例の動作処理について、
図6を参照して具体的に説明する。
図6は、第1の実施例による感性サーバ2の開示制御処理を示すフローチャートである。
【0045】
図6に示すように、まず、感性サーバ2は、感性値要求があった場合に(ステップS103/Yes)、情報管理部201により、感性値データベース22に対象ユーザの感性値情報があるか否かの確認を行う(ステップS106)。感性値要求には、感性値の利用目的が含まれている。例えば、ユーザによる、「〇〇のベンチャーピッチで出資を受けたい」という利用目的や、第三者(主催者)による、「対象者がベンチャーピッチの発表者であって、出資の審査のために当該対象者の感性値開示を確認したい」という利用目的が想定される。
【0046】
次に、開示要求がユーザ自身からの場合(ステップS109/Yes)、開示制御部202は、当該ユーザの感性値を感性値データベース22から抽出し、ユーザに開示(感性値情報をユーザ端末1に送信)する(ステップS112)。この際、本人識別部203により本人確認が行われ得る。
【0047】
一方、開示要求がユーザからではない場合(ステップS109/No)、開示制御部202は、ユーザに第三者(ここでは、「ベンチャーピッチの主催者」)からの感性値開示要求があったことを、理由(利用目的)と共に通知する(ステップS115)。ユーザは、感性サーバ2からの通知をユーザ端末1で確認し、感性値の開示の可否を感性サーバ2に返信する。
【0048】
次いで、ユーザから開示の許諾があった場合(ステップS118/Yes)、開示制御部202は、主催者に感性値の開示を行うよう制御する(ステップS121)。具体的には、開示制御部202は、主催者端末4に、要求されたユーザの感性値情報を送信する。
【0049】
一方、ユーザから開示の許諾がない場合(ステップS118/No)、開示制御部202は、ユーザから開示不可の回答があった(許諾されなかった)旨を主催者に通知する(ステップS124)。
【0050】
このように、第1の実施例では、ユーザからの要求があれば感性値を返信し、主催者からの要求があれば、ユーザの許諾を得た上で主催者に感性値を返信するよう制御することで、感性値の第三者利用を実現する。
【0051】
<3−2.第2の実施例>
まず、第2の実施例について
図7〜
図11を参照して説明する。感性値(信用情報)の開示には、感性値の収集(すなわち、インタラクションの収集および感性値の算出)、感性値の維持管理、セキュリティ対策(不正アクセスの防止)、開示の処理負担等のコストが発生するため、本実施例では、開示を行う際に費用が発生することを前提とする。
【0052】
図7は、第2の実施例においてユーザ自身から開示要求があった場合について説明する図である。第1の実施例と同様に、例えばベンチャーピッチ等において、当日のプレゼンの出来があまり良くなく、それでもベンチャー出資は何とか受けたいというような場合、自分の感性値を主催者(第三者)に開示して相手に信頼してもらいたいという場合がある。
【0053】
この場合、
図7に示すように、ユーザがユーザ端末1から感性サーバ2に対して感性値の要求を行うと(Step21)、感性サーバ2から感性値開示にかかる費用の請求額が提示される(Step22)。感性値開示にかかる費用は、感性サーバ2の開示費用算出部204により算出され得る。
【0054】
次いで、ユーザが支払許諾を行うと(Step23)、感性サーバ2は、当該ユーザの感性値を開示する(Step24)。
【0055】
そして、ユーザは、ユーザ端末1から主催者端末4に対して感性値を提示する(Step25)。
【0056】
このように、第1の実施例では、本人が自身の感性値の開示を要求した場合に、開示費用の支払いを許諾すれば、感性値の開示を受けることが可能となる。
【0057】
一方、第三者がユーザの感性値を開示要求する場合も想定される。
図8は、第2の実施例において第三者から開示要求があった場合について説明する図である。例えば、ベンチャーピッチの主催者側で、誰がベンチャーピッチに参加するかが明らかな場合に、予め発表者(ユーザ)の感性値を知ることが可能である。
【0058】
この場合、
図8に示すように、主催者が主催者端末4から感性サーバ2に対して感性値の要求を行うと(Step31)、感性サーバ2は感性値の開示通知(第三者から開示が要求されている旨を通知)をユーザ端末1に行う(Step32)。
【0059】
次いで、当該開示通知に応じてユーザが開示許諾を行うと(Step33)、感性サーバ2は、感性値開示可否(許諾された/不可であった)を主催者端末4に通知すると共に、開示にかかる費用の請求額を提示する(Step34)。
【0060】
次に、主催者が支払いを許諾すると(Step35)、感性サーバ2は、当該ユーザの感性値を主催者に開示する(Step36)。
【0061】
このように、第2の実施例では、第三者が感性値の開示を要求した場合、開示費用を第三者に請求する。
【0062】
以上説明した第2の実施例の動作処理について、
図9を参照して具体的に説明する。
図9は、第2の実施例による感性サーバ2の開示制御処理を示すフローチャートである。
【0063】
図9に示すように、まず、感性サーバ2は、感性値要求があった場合に(ステップS203/Yes)、情報管理部201により、感性値データベース22に対象ユーザの感性値情報があるか否かの確認を行う(ステップS206)。感性値要求には、感性値の利用目的が含まれている。
【0064】
次に、開示要求がユーザ自身からの場合(ステップS209/Yes)、開示費用算出部204は、開示費用の請求額を算出し、ユーザに提示する(ステップS212)。ここで、開示費用の請求画面の一例を
図10に示す。
図10に示すように、請求画面30がユーザ端末1に表示され、ユーザは請求額を確認した上で、支払いを許諾する場合は「Yes」を選択する。なお
図10に示す請求額は一例であって、本実施例はこれに限定されない。
【0065】
次いで、ユーザが支払いを許諾した場合(ステップS215/Yes)、開示制御部202は、当該ユーザの感性値を感性値データベース22から抽出し、ユーザに開示(感性値情報をユーザ端末1に送信)する(ステップS218)。
【0066】
一方、開示要求がユーザからではない場合(ステップS209/No)、開示制御部202は、ユーザに第三者(ここでは、「ベンチャーピッチの主催者」)からの感性値開示要求があったことを、理由(利用目的)と共に通知する(ステップS221)。ユーザは、感性サーバ2からの通知をユーザ端末1で確認し、感性値の開示の可否を感性サーバ2に返信する。
【0067】
次に、ユーザから開示の許諾があった場合(ステップS224/Yes)、開示費用算出部204は、開示費用の請求額を算出し、主催者に請求額を提示する(ステップS227)。ここで、開示費用の請求画面の一例を
図11に示す。
図11に示すように、請求画面31がユーザ端末1に表示され、主催者は請求額を確認した上で、支払いを許諾する場合は「Yes」を選択する。なお
図11に示す請求額は一例であって、本実施例はこれに限定されない。また、ユーザからの要求があった場合と、主催者から要求があった場合の開示費用は、
図10および
図11に示すように、異なる額にしてもよい。例えばユーザ自身で感性値の証明書を取得して主催者に提示する方がシステム側としてはステップが少なく、主催者から開示の要求があった場合は、重要な感性値を第三者に開示することになるため、ユーザへの許諾を得るためのステップが必要になり手間がかかる。したがって、ユーザ自身が感性値を要求する場合よりも主催者側から感性値を要求する場合の方が高くなるようにしてもよい。費用が多少かかっても、対象の人物がどのような人物であるかの情報が欲しい場合、主催者は支払いを許諾する。
【0068】
次いで、主催者が支払いを許諾した場合(ステップS230/Yes)、開示制御部202は、主催者に感性値の開示を行うよう制御する(ステップS233)。
【0069】
一方、主催者が支払いを許諾しなかった場合(ステップS230/No)、開示制御部202は、主催者が費用負担を断ったことをユーザに通知する(ステップS236)。
【0070】
また、上記ステップS224で、ユーザから開示の許諾がなかった場合(ステップS224/No)、開示制御部202は、ユーザから開示不可の回答があった(許諾されなかった)旨を主催者に通知する(ステップS239)。
【0071】
このように、第2の実施例では、感性値の開示条件に、開示費用の支払いが追加される。
【0072】
<3−3.第3の実施例>
まず、第3の実施例について
図12〜
図15を参照して説明する。本実施例では、主催者側が要求した感性値の開示費用をユーザ側が負担する場合について説明する。
【0073】
図12は、第3の実施例において主催者から開示要求があった場合について説明する図である。
【0074】
図12に示すように、主催者が主催者端末4から感性サーバ2に対して感性値の要求を行うと(Step41)、感性サーバ2は感性値の開示通知(第三者から開示が要求されている旨を通知)をユーザ端末1に行う(Step32)。この際、感性サーバ2は、費用の負担を許諾するか否かをユーザに求める。ユーザとしては、ベンチャーピッチ等において出来る限り自身の信頼性を高めたい場合、主催者側が自身の感性値開示を要求した際の費用負担を代わってもよいと考える場合がある。
【0075】
次いで、当該開示通知に応じてユーザが開示許諾および費用負担の許諾を行うと(Step43)、感性サーバ2は、感性値開示可否(許諾された/不可であった)を主催者端末4に通知すると共に、開示にかかる費用の請求額を提示する(Step44)。この際、感性サーバ2は、ユーザが感性値の費用負担を許諾した場合は、費用額をゼロとして、ユーザが費用を負担する旨の通知を併せて主催者端末4に通知する。
【0076】
次に、主催者が支払いの許諾、またはユーザが負担したことを了解すると(Step45)、感性サーバ2は、当該ユーザの感性値を主催者に開示する(Step46)。
【0077】
このように、第3の実施例では、第三者が感性値の開示を要求した場合の開示費用をユーザが負担することを可能とする。
【0078】
以上説明した第3の実施例の動作処理について、
図13を参照して具体的に説明する。
図13は、第3の実施例による感性サーバ2の開示制御処理を示すフローチャートである。本実施例では、主催者側から開示要求があった場合について説明する。
【0079】
図13に示すように、まず、感性サーバ2は、(主催者側から)感性値要求があった場合に(ステップS303/Yes)、情報管理部201により、感性値データベース22に対象ユーザの感性値情報があるか否かの確認を行う(ステップS306)。感性値要求には、感性値の利用目的が含まれている。
【0080】
次に、開示制御部202は、ユーザに第三者(ここでは、「ベンチャーピッチの主催者」)からの感性値開示要求があったことを、理由(利用目的)と共に通知する(ステップS309)。ユーザは、感性サーバ2からの通知をユーザ端末1で確認し、感性値の開示の可否を感性サーバ2に返信する。
【0081】
次いで、ユーザから開示の許諾があった場合(ステップS312/Yes)、開示費用算出部204は、開示費用の請求額を算出し、ユーザに請求額を提示する(ステップS315)。ここで、
図14に、主催者からの開示要求の費用をユーザが負担するか否かを確認する画面の一例を示す。
図14に示すように、ユーザ端末1の表示部に表示される確認画面33には、感性値の開示可否と、開示する際の費用負担の可否を入力する画面が表示されている。ユーザは、開示を許諾する場合は対応する「Yes」にチェックを入れて、さらに費用負担もする場合は対応する「Yes」にチェックを入れる。なお、ここでは一例として開示の可否と費用負担の可否が同時にユーザに通知されている。
【0082】
続いて、ユーザが費用負担を了承した場合(ステップS318/Yes)、感性サーバ2の開示費用算出部204は、開示費用をユーザ負担とし(ステップS321)、主催者への請求額は「0円」とする(ステップS324)。
【0083】
一方、ユーザが費用負担を了承しなかった場合(ステップS318/No)、感性サーバ2の開示費用算出部204は、開示費用を主催者負担とする(ステップS339)。
【0084】
次に、感性サーバ2の開示制御部202は、主催者に請求額を提示する(ステップS327)。この際、ユーザが費用負担を了承した場合は、主催者への請求額は「0円」となっている。
【0085】
次いで、主催者が請求額の支払い(またはユーザによる費用負担)を承諾した場合(ステップS330/Yes)、感性サーバ2は、開示費用支払いの処理を行い(ステップS333)、開示制御部202により、ユーザの感性値を感性値データベース22から抽出して主催者に開示する(ステップS336)。
【0086】
一方、主催者が支払いを承諾しなかった場合(ステップS330/No)、感性値の開示は行われない。
【0087】
また、上記ステップS312で、ユーザから開示の許諾がなかった場合(ステップS312/No)、開示制御部202は、ユーザから開示不可の回答があった(許諾されなかった)旨を主催者に通知する(ステップS432)。
【0088】
このように、第3の実施例では、主催者からの感性値開示要求の費用を、ユーザが負担することが可能となる。
【0089】
<3−4.第4の実施例>
まず、第4の実施例につい説明する。本実施例では、感性値の開示費用を、ユーザが自身の感性値で支払うことを可能とする。
【0090】
すなわち、感性サーバ2は、上述した第1〜第3の実施例において、感性値の開示費用をユーザに提示する際に、オプションとして、費用をユーザ自身の感性値で支払う選択を提示する。
【0091】
ここで、
図15に、感性値の開示費用をユーザ自身の感性値で支払う場合について説明する図を示す。
図15に示すように、開示費用の請求額を示す請求画面36には、開示費用の支払い可否の他、支払いを感性値で行うことを選択できる画面が含まれる。
図15では、感性値で支払った場合の感性値の差引分がポイントとして表示される。なお請求画面36は一例であって、
図15に示す例の他、開示費用額(料金)を提示せずに、感性値の差引分ポイントだけ表示してもよいし、差引分を提示せずに感性値で支払うか否かの選択だけを表示するようにしてもよい。
【0092】
ユーザは、開示費用を自身の感性値で支払う場合、「費用を感性値にて支払いますか」の「Yes」にチェックを入れる。この場合、感性サーバ2は、支払い処理において、感性値データベース22に蓄積したユーザの感性値から、支払い分のポイントを減算する。
【0093】
以上説明したように、第4の実施例では、上述した第1〜第3の実施例においてユーザが感性値の開示費用を負担する際に、ユーザ自身の感性値で支払うことをオプションとして選択可能となる。
【0094】
(感性値証明書)
最後に、上記第1〜第4の実施例に共通する、本開示の一実施形態による感性値証明書の一例について
図16を参照して説明する。
図16は、本実施形態による感性値証明書の一例を示す図である。
【0095】
図16に示す例では、主催者側がユーザの感性値開示を要求した場合に、感性サーバ2から開示されるユーザの感性値の提示例を示す。
図16に示すように、証明書画面35には、ユーザの感性値(信用力)の値が表示されている。また、感性値の相対評価が分かるよう、感性値の値に基づくランクも表示され得る。ランク画面351では、全ユーザの感性値ランクのうち、当該ユーザの感性値のランクがどの辺りであるかが示される。これにより、主催者は、ユーザの感性値を把握することが可能となる。
【0096】
<<4.まとめ>>
上述したように、本開示の実施形態による情報処理システムでは、人物の価値の指標となる感性値の第三者利用を可能とすることで、感性値の利便性をより向上させることが可能となる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、上述したユーザ端末1、感性サーバ2、または主催者端末4に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、ユーザ端末1、感性サーバ2、または主催者端末4の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0099】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0100】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
オブジェクト間のインタラクションに基づいてそれぞれのオブジェクトの価値を数値化した指標である感性値をユーザ単位で蓄積する蓄積部と、
ユーザから、利用目的と共に感性値要求を受信し、当該ユーザに対して、当該ユーザの感性値を返信することが可能な通信する通信部と、
ユーザから、利用目的と共に感性値要求を受信した際、当該ユーザに対して当該ユーザの感性値を返信し;
ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を受信した際、当該ユーザに対して、第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信し、当該ユーザからの許諾を受信すると、当該ユーザの感価値を第三者に送信するよう、前記通信部を制御する制御部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記制御部は、
ユーザから、利用目的と共に感性値要求を受信すると、当該ユーザに対して感性値開示要件として費用請求を送信し;
当該ユーザから、費用支払いの許諾を示す情報を受信すると、当該支払い処理完了後に、当該ユーザに感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、
ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を受信すると、当該ユーザに対して、前記第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信し;
当該ユーザからの許諾を示す情報を受信すると、当該第三者に対して、感性値開示要件としての費用請求を送信し;
当該第三者から、費用支払いの許諾を示す情報を受信すると、当該支払い処理完了後に、当該第三者に感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、
ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を受信すると、当該ユーザに対して、前記第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信し;
当該ユーザからの許諾を示す情報を受信すると、当該ユーザに対して、感性値開示要件としての費用請求を送信し;
当該ユーザから、費用支払いの了承を示す情報を受信し、当該支払い処理完了後に、当該第三者に対して、感性値開示要件としての費用請求を実質的に行うことなく、感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、
前記ユーザから、感性値要求の費用支払いを了承しない旨を示す情報を受信すると、前記第三者に対して、感性値開示要件としての費用請求を送信し;
当該第三者から、費用支払いの許諾を示す情報を受信すると、当該支払い処理完了後に、当該第三者に感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、
ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を受信すると、当該ユーザに対して、第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信し;
当該ユーザからの許諾を示す情報を受信すると、当該ユーザに対して、感性値開示要件としての費用請求と、感性値による支払いという2つのオプションを通知し;
当該ユーザから、費用支払い、または感性値による支払いのうちのいずれかの許諾を示す情報を受信すると、当該支払い処理完了後に、当該第三者に対して、感性値開示要件としての費用請求を実質的に行うことなく、感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、
ユーザから、利用目的と共に感性値要求を受信すると、当該ユーザに対して、感性値開示要件としての費用請求と、感性値による支払いという2つのオプションを通知し;
当該ユーザより、費用支払い、または感性値による支払いのうちのいずれかの許諾を示す情報を受信すると、当該支払い処理完了後に、ユーザに感性値を返信するように、前記通信部を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(8)
プロセッサが、
オブジェクト間のインタラクションに基づいてそれぞれのオブジェクトの価値を数値化した指標である感性値をユーザ単位で蓄積部に蓄積することと、
ユーザから、利用目的と共に感性値要求を通信部により受信した際、当該ユーザに対して当該ユーザの感性値を返信し;
ユーザの感性値を要求する第三者から、利用目的と共に感性値要求を前記通信部により受信した際、当該ユーザに対して、第三者からの感性値要求があったことをその利用目的と共に送信し、当該ユーザからの許諾を前記通信部により受信すると、当該ユーザの感価値を第三者に送信するよう、前記通信部を制御することと、
を含む、情報処理方法。