(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る一態様の無線通信デバイスは、通信用の第1周波数を有する高周波信号を送受信するための無線通信デバイスであって、第1電極と、前記第1電極と間隔を空けて配置された第2電極と、前記第1電極および第2電極をそれぞれ両端とするループパターンと、前記ループパターンと接続するアンテナパターンと、前記第1電極と容量結合する第3電極と、前記第2電極と容量結合する第4電極と、前記第1周波数よりも高い第2周波数におけるインピーダンスが容量性であるRFICと、前記第3電極と前記第4電極との間に、互いに並列にそれぞれ接続された第1電流経路および第2電流経路と、を備え、前記RFICは、前記第1電流経路内に含まれ、前記第2電流経路の第2周波数におけるインピーダンスは誘導性である。
【0014】
この態様の無線通信デバイスは、第1電流経路および第2電流経路と、を備え、RFICは、第1電流経路内に含まれ、第2周波数におけるインピーダンスが容量性であり、第2電流経路の第2周波数におけるインピーダンスは誘導性である。したがって、第2周波数の電磁波をアンテナパターンが受信すると、第3電極および第4電極間で、第2電流経路を通って電流が流れるので、第1電流経路に高電圧が印加されるのを防止することができる。したがって、第2周波数の電磁波によって、RFICに電圧が印加されるのを抑制することができ、RFICが破壊されるのを防止することができる。したがって、第2周波数の電磁波を照射された後でも、無線通信デバイスはICが破壊されることなく通信可能である。
【0015】
また、本発明に係る一態様の無線通信デバイスは、通信用の第1周波数を有する高周波信号を送受信するための無線通信デバイスであって、第1電極と、前記第1電極と間隔を空けて配置された第2電極と、前記第1電極および第2電極をそれぞれ両端とするループパターンと、前記ループパターンと接続するアンテナパターンと、前記第1電極と容量結合する第3電極と、前記第2電極と容量結合する第4電極と、前記第3電極と前記第4電極との間に、互いに並列にそれぞれ接続された第1電流経路および第2電流経路と、前記第1電流経路および前記第2電流経路で構成された、前記第1周波数で共振し、前記第1周波数よりも周波数の高い第2周波数で、短絡となるインピーダンス特性を有する第1共振回路と、前記ループパターンおよび前記第2電流経路で構成された、前記第1周波数で共振する第2共振回路と、前記第1電流経路に含まれるRFICと、を備え、前記アンテナパターンと前記第2共振回路とで、前記第2周波数または前記第2周波数よりも高い周波数で共振する。
【0016】
この態様の無線通信デバイスは、第1共振回路および第2共振回路が共に、第1周波数の高周波信号に対して、並列共振することでRFICの両端の電圧が高くなるので、通信特性が良好である。また、第1周波数よりも周波数の高い第2周波数または第2周波数よりも高い周波数の電磁波に対して、アンテナパターンと第2共振回路とで構成される回路は共振するので、第2周波数では誘導性のインピーダンス特性を有するが、第1共振回路はRFIC側からインピーダンスを見ると、短絡となるインピーダンス特性を有し、ほとんど電位差を発生しない。また、第1共振回路と第2共振回路において、第2電流経路を共に含んでいるので、第2周波数の電磁波に対して、第2電流経路で電流が流れるので、RFICが含まれる第1電流経路に高電圧が印加されるのを防止することができ、RFICが破壊されるのを防止することができる。したがって、第2周波数または第2周波数よりも高い周波数の電磁波を照射された後でも、無線通信デバイスはICが破壊されることなく通信可能である。
【0017】
また、前記アンテナパターンは、前記第2周波数の電磁波の2分の1波長の電気的長さを有してもよい。これにより、アンテナパターンの放射抵抗値を最大にすることができ、アンテナパターン、ループパターン、第1電流経路および第2電流経路の導体抵抗との比を大きくすることで無効電流を大きくして、電磁波エネルギーをロスなく再放射することができる。したがって、アンテナパターン、ループパターン、第1電流経路および第2電流経路に流れる実効電流を低減することができ、これらからの発熱量を低減することができる。
【0018】
前記ループパターンのパターン幅は、前記アンテナパターンのパターン幅よりも大きくてもよい。これにより、アンテナパターンよりもループアンテナの導体抵抗を低減することができ、第2周波数の電磁波が照射されてもアンテナパターンに印加される電圧よりもループアンテナに印加される電圧の方を小さくすることができる。
【0019】
前記RFICは、前記第1周波数におけるインピーダンスが容量性でもよい。
【0020】
前記アンテナパターンと前記ループパターンと前記第2電流経路とで構成される回路は、前記第2周波数で共振する共振回路でもよい。
【0021】
前記第1電流経路と前記第2電流経路とで構成される回路は、前記第2周波数で非共振な回路でもよい。
【0022】
前記アンテナパターンは、平面視で、前記RFICの中心を通る中心線に対して線対称でもよい。
【0023】
前記アンテナパターンおよび前記ループパターンが形成される基材を備え、前記基材は、前記第2周波数の電磁波が照射されても縮まなくてもよい。
【0024】
前記第1周波数は、UHF帯の周波数でもよい。
【0025】
前記第1周波数は、HF帯の周波数でもよい。
【0026】
前記第2周波数は、電磁波加熱に用いられる周波数でもよい。
【0027】
(発明の概要)
まず、本発明の概要について説明する。本発明の無線通信デバイスとしてのRFIDタグは、通信周波数帯域での高周波信号(無線信号)が送受信可能であり、さらには、電磁波加熱装置である、例えば、「電子レンジ」で使用される加熱周波数の電磁波が、RFIDタグに照射される状況が起こり得る。
【0028】
RFIDタグに含まれる金属製のアンテナパターンにおいて、放射抵抗と金属抵抗との関係により、電子レンジから受信した電磁波のエネルギーは、受信した電磁波をアンテナパターンから再放射するエネルギーと、アンテナパターンにおいて発熱するエネルギーとに分けられる。ここで、アンテナパターンの放射抵抗が大きいと、再放射するエネルギーが大きく、アンテナパターンの金属抵抗が大きいと、アンテナパターンでの発熱量が大きくなる。
【0029】
アンテナパターンの放射抵抗は、アンテナパターンの全長が受信する周波数の電波の1/2波長のときに最大となるので、アンテナパターンがダイポールアンテナの形状のときに最大となる。理想的には、アンテナパターンにおける、放射抵抗と金属抵抗との比において、放射抵抗が金属抵抗よりも大きければ大きいほど、アンテナに入力された電力が放射抵抗によって消費されるエネルギー量が増加し、電子レンジから受信する電磁波エネルギーがより多く再放射され、アンテナパターンでの発熱を抑制することができる。したがって、金属製のアンテナパターンの材料は、抵抗値の小さい金属が選択される。
【0030】
本発明におけるアンテナパターンは、ダイポール形状のアンテナパターンにループパターンが付加された形状をしている。このループパターン上に微小な隙間を形成し、この隙間を挟むように配置されたループパターンの両端の2つ電極にRFICを搭載することで、通信周波数におけるアンテナパターンとRFICとのインピーダンス整合を行っている。
【0031】
しかしながら、電子レンジからの電磁波による過電流がループパターンに発生すると、この電極間の隙間部分において、高電圧が発生する。RFICは容量成分を有するので、電子レンジからの電磁波における周波数では、電極間隙間のインピーダンスを小さくして電圧を低下させることができる。しかしながら、RFIC内の容量素子は耐電圧が1kV程度であるので、一瞬でも放電を起こすような高電圧が印加されると、RFIC内の容量素子が破壊されて動作しなくなる。また、RFICの破壊モードによっては、RFICが抵抗成分を持った状態となりRFICの発熱が発生したり、RFIC両端部や電極間の隙間部分に放電が発生する。
【0032】
そこで、この電極間の隙間部分にRFICと電極との間で容量素子を形成する電極パターンを形成し、このパターンを含む新たなインピーダンス整合回路を付加する。これにより、電子レンジからの電磁波によって電極間の隙間部分に発生する高電圧に対して、容量素子により電極間インピーダンスを小さくして、高電圧が発生しないようにする。この際、容量素子が耐電圧で破壊されないように、耐電圧性の高い誘電体基材を介して容量素子を形成する。
【0033】
また、この容量素子のパターンをインダクタの一部としてインピーダンス整合回路に使用することで、電子レンジによる高電圧は容量素子のパターンに印加されるが、電極間の隙間部分の高電圧は対向する容量素子により容量素子の面全体にかかるようになり、電極間の隙間で放電が発生せず、更に容量素子間に形成するインダクタンスパターン両端の電位差は小さくなる。よってこのインダクタンスパターンを整合回路の一部として構成される整合回路には高電圧がかからないようにすることができる。これにより、通信周波数帯のアンテナパターンとして、RFIC素子とのインピーダンス整合をすることができ、電子レンジによる高電圧がRFICに印加されないRFIDタグを構成することができる。
【0034】
以下、本発明に係る無線通信デバイスの具体的な例示としての実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面において、実質的に同じ機能、構成を有する部材については同一の符号を付して、明細書においてはその説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0035】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、本発明がこの構成に限定されるものではない。また、以下の実施の形態において具体的に示される数値、形状、構成、ステップ、ステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各変形例における構成も同様であり、各変形例に記載した構成をそれぞれ組み合わせてもよい。
【0036】
本発明に係る無線通信デバイスが付される商品としては、例えば「コンビニエンスストア」や「スーパーマーケット」などの販売店において取り扱われる全ての商品が対象である。また、セントラルキッチンで調理された調理物も対象である。セントラルキッチンで調理された調理物は、飲食店や各施設において再加熱されて提供される。なお、以下の実施の形態において説明する電磁波加熱装置としては、誘電加熱を行う「電子レンジ」を例として説明するが、本発明おける電磁波加熱装置としては誘電加熱を行う機能を有する加熱装置が対象となる。本発明においては、同じ構成を有する無線通信デバイスが全ての商品に対して付される商品販売システムおよび飲食物提供システムに関するものである。
【0037】
なお、アンテナ基材の比誘電率εr>1の場合、アンテナパターン及び導体パターンの電気的長さは物理的長さに対して長くなる。本明細書において、物理的長さとはアンテナ基材に形成された線路長のことである。また、電気的長さとは、比誘電率や寄生リアクタンス成分による波長の短縮や延長を考慮した長さである。
【0038】
(実施形態1)
次に、本発明に係る無線通信デバイスであるRFIDタグ1の概略構成について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態1の無線通信デバイスであるRFIDタグ1を示す平面図である。
図2は、
図1におけるRFIDタグ1からRFICモジュール5を取り外した状態のRFIDタグ1を示す平面図である。図中において、X−Y−Z座標系は、発明の理解を容易にするものであって、発明を限定するものではない。X軸方向はRFIDタグ1の長手方向を示し、Y軸方向は奥行き(幅)方向を示し、Z軸方向は厚さ方向を示している。X、Y、Z方向は互いに直交する。
【0039】
実施形態1のRFIDタグ1は、第1周波数としての通信周波数(キャリア周波数)を有する高周波信号で無線通信(送受信)するように構成された無線通信デバイスである。RFIDタグ1は、例えば、UHF帯の通信用の周波数を有する高周波信号で無線通信するよう構成されている。ここでUHF帯とは、860MHzから960MHzの周波数帯域である。
【0040】
RFIDタグ1は、誘電体である基材3と、RFICモジュール5と、RFICモジュール5と電気的に接続されるループパターン7と、ループパターン7と直接接続されるアンテナパターン9とを備える。ループパターン7には、一部途切れた隙間部分7aを有する。隙間部分7aは、例えば、1mm程度である。また、RFIDタグ1は、ループパターン7の両端となる第1電極11および第2電極13を備え、第1電極11および第2電極13間に隙間部分7aが形成されている。
【0041】
基材3として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのような可撓性を有するフィルム材料、または、ポリイミドのようなフレキシブル基板が用いられる。基材3は、
図1に示すような矩形に限らず、楕円形や円形であってもよい。
【0042】
基材3の表面には、アルミニウム箔や銅箔などの導電材料の膜体により作製されたループパターン7およびアンテナパターン9が形成されている。アンテナパターン9として、アルミニウムや銅などの抵抗値の小さい金属を用いることで、放射抵抗を高めることができる。
【0043】
アンテナパターン9は、ループパターン7との接続部9cから長手方向外方(−X方向)に向けて延びる第1アンテナパターン9aと、接続部9cから第1アンテナパターン9aと逆方向(+X方向)に延びる第2アンテナパターン9bとを有する。アンテナパターン9は、第1及び第2アンテナパターン9a、9bによりダイポール型アンテナとして構成される。第1及び第2アンテナパターン9a、9bは、例えば、RFICモジュール5の略中心を通る中心線CLに対して線対称な位置関係で配置されている。
【0044】
第1アンテナパターン9aは、複数の折り返し部分を有して蛇行するミアンダ形状の配線パターン9abと、配線パターン9abの外側に、平板状の配線パターン9acとを有する。また、第2アンテナパターン9bも、複数の折り返し部分を有して蛇行するミアンダ形状の配線パターン9bbと、配線パターン9bbの長手方向外側に平板状の配線パターン9bcとを有する。
【0045】
アンテナパターン9の全長、すなわち、第1及び第2アンテナパターン9a、9bの長さをそれぞれ足し合わせた電気的全長は、通信用の第1周波数よりも高い第2周波数の高周波の2分の1波長の長さを有する。このように、第2周波数の高周波がRFIDタグ1に照射された場合を想定して、アンテナパターン9の電気的および物理的全長は、第2周波数の高周波を反射するために設計されている。したがって、第1周波数よりも周波数の高い第2周波数の電波がRFIDタグ1に照射されると、アンテナパターン9は、第2周波数の電磁波に対して2分の1波長の長さを有するので、第2周波数の電磁波を反射することができ、アンテナパターン9に誘導電流がほとんど流れない。この結果、アンテナパターン9に照射される電波のエネルギーが蓄積されて発熱するのを抑制することができる。またアンテナパターン9の全長は、第2周波数の電磁波の2分の1波長よりも長くても放射抵抗は急激に小さくなることは無いので、第1周波数の電磁波の2分の1波長より短く、第2周波数の電磁波の2分の1波長より長くても良い。これによりRFIDタグを商品に貼ることで商品の誘電率によりアンテナ波長が長くなる場合に対応でき、RFIDタグの第1周波数での読み取り特性を考慮して、アンテナパターン9の電気長を変更することができる。
【0046】
次に、
図3から
図6を参照して、RFICモジュール5の構成について説明する。
図3は、RFICの透視平面図であり、
図4は、
図3における矢視IVの断面図である。
図5はRFICモジュールの基板に形成されている導体パターンの平面図を示し、
図5aはRFICモジュールの基板の上面に形成された導体パターンの平面図であり、
図5bは基板の下面に形成された導体パターンの上から見た透視平面図である。
図6は、
図3における矢視VIの断面図である。
【0047】
図3に示すように、RFICモジュール5は、両面テープまたは合成樹脂等の粘着剤15を介して第1電極11および第2電極13のそれぞれの上面に貼り合わされる。
【0048】
図4に示すように、RFICモジュール5は、基板21と、基板21に搭載されるRFIC23とを備える。基板21は、例えば、ポリイミド等のフレキシブル基板である。RFIC23が実装された基板21の上面には保護膜25が形成されている。保護膜25は、例えば、ポリウレタン等のエラストマや、エチレン酢酸ビニル(EVA)のようなホットメルト剤である。基板21の下面にも、保護フィルム27が貼り付けられている。保護フィルム27は、例えば、ポリイミドフィルム(カプトンテープ)等のカバーレイフィルムである。したがって、基板21、保護膜25、保護フィルム27のいずれもが柔軟性を有するので、RFICモジュール5全体も柔軟性を有する。
【0049】
図5を参照する。基板21の上面には、第5電極33、第6電極35、第1インダクタンス素子L1の主要部の導体パターンL1a、および、第2インダクタンス素子L2の主要部の導体パターンL2aが形成されている。第5電極33は導体パターンL1aの一端と接続され、第6電極35は導体パターンL2aの一端と接続されている。これらの導体パターンは、例えば、銅箔をフォトリソグラフィによってパターニングしたものである。
【0050】
基板21の下面には、ループパターン7の第1電極11および第2電極13にそれぞれ容量結合される第3電極29および第4電極31が形成されている。また、基板21の下面には、第1インダクタンス素子L1の一部の導体パターンL1b、第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3a、L3b(二点鎖線で囲む導体パターン)、L3cが形成されている。これらの導体パターンも、例えば、銅箔をフォトリソグラフィによってパターニングしたものである。
【0051】
第1インダクタンス素子L1の一部の導体パターンL1bの一端と第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3aの一端とが第3電極29と接続されている。同様に、第2インダクタンス素子L2の導体パターンL2bの一端と第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3cの一端とが第4電極31と接続されている。第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3aの他端と、導体パターンL3cの他端との間には、導体パターンL3bが接続されている。
【0052】
第1インダクタンス素子L1の導体パターンL1bの他端と、第1インダクタンス素子L1の導体パターンL1aの他端とは、ビア導体V1を介して接続されている。同様に、第2インダクタンス素子L2の導体パターンL2bの他端と、第2インダクタンス素子L2の導体パターンL2aの他端とは、ビア導体V2を介して接続されている。
【0053】
基板21の上面に形成された第5電極33および第6電極35にRFIC23が搭載されている。つまり、RFIC23の端子23aが第5電極33に接続されて、RFIC23の端子23bが第6電極35に接続されている。
【0054】
第1インダクタンス素子L1と第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3aとは、基板21の異なる層にそれぞれ形成され、かつ、それぞれのコイル開口が重なる関係に配置されている。同様に、第2インダクタンス素子L2および第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3cとは、基板21の異なる層にそれぞれ形成され、かつ、それぞれのコイル開口が重なる関係に配置されている。さらに、RFIC23は、基板21の面上で、第2インダクタンス素子L2および第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3cと、第1インダクタンス素子L1および第3インダクタンス素子L3の導体パターンL3aとの間に、位置する。
【0055】
RFICモジュール5内において、基板21の上面及び下面を通る第1電流経路CP1と基板21の下面を通る第2電流経路CP2とが形成されている。第1電流経路CP1は、第3電極29から分岐点N1、導体パターンL1b、導体パターンL1a、RFIC23、導体パターンL2a、導体パターンL2b、分岐点N2、を通って第4電極31に至る。第2電流経路CP2は、第3電極29から分岐点N1、導体パターンL3a、導体パターンL3b、導体パターンL3c、分岐点N2を通って第4電極31に至る。ここで、導体パターンL1aとビア導体V1を介して接続している導体パターンL1bで構成される第1インダクタンス素子L1と、導体パターンL2aとビア導体V2を介して接続している導体パターンL2bで構成される第2インダクタンス素子L2に流れる電流の巻き方向は逆になっており、第1インダクタンス素子L1で発生する磁界と第2インダクタンス素子L2で発生する磁界はお互いに打ち消し合っている。第1電流経路CP1及び第2電流経路CP2は、それぞれ、第3電極29と第4電極31との間で、互いに並列に形成されている。
【0056】
次に、
図7を参照して、RFIDタグ1の回路構成について説明する。
図7はRFIDタグ1の回路図である。
【0057】
RFICモジュール5内において、通信周波数の電波と電子レンジからの電磁波とでは、RFICモジュール内に流れる電流経路が変化する。第1電流経路CP1は、LC並列共振回路である第1共振回路RC1の一部であり、通信周波数の電波に対してマッチングしているので、通信周波数の電波をアンテナパターン9が受信すると、ループパターン7を経てRFIC23に電流が流れる。また、第1電流経路CP1は、容量性のRFIC23を有するので、電子レンジの周波数に対して容量性である。
【0058】
第3インダクタンス素子L3は、電子レンジの周波数に対して誘導性であるので、電子レンジの周波数に対しては、インピーダンスが容量性の第1電流経路CP1よりも、インピーダンスが誘導性の第2電流経路CP2の方に過電流が流れやすい。したがって、電子レンジの周波数の電磁波が照射されても、
図8に示すように、分岐点N1、N2間で第2電流経路CP2により過電流が流れるので、RFIC23の容量間に高電圧が印加されるのを防止することできる。この結果、電子レンジからの電磁波がRFIDタグ1に照射されても、RFIC23が破壊されるのを防止することができ、RFIDタグ1が付けられた商品が電子レンジにより加熱された後でも、RFIDタグ1と通信することができる。
【0059】
また、RFIDタグ1の回路構成は、別の見方をすると、以下のようにも説明することができる。
図7に示すように、RFIDタグ1は、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが形成されている。第1共振回路RC1は、第1インダクタンス素子L1、RFIC23、第2インダクタンス素子L2、および、第3インダクタンス素子L3で構成されるループ回路である。
【0060】
第2共振回路RC2は、容量C1、第3インダクタンス素子L3、容量C2、第4、第5、第6インダクタンス素子L4、L5、L6で構成されるループ回路である。容量C1は、第1電極11、第3電極29、粘着剤15、および保護フィルム27で構成される。容量C2は、第2電極13、第4電極31、粘着剤15、および保護フィルム27で構成される。第4、第5、第6インダクタンス素子L4、L5、L6は、それぞれループパターン7のインダクタンス成分である。なお、
図7において、第7インダクタンス素子L7は、第1アンテナパターン9aのインダクタンス成分であり、第8インダクタンス素子L8は、第2アンテナパターン9bのインダクタンス成分である。
【0061】
第1共振回路RC1は、通信周波数における電波に対してインピーダンス整合してLC並列共振するように設計されている。これにより、アンテナパターン9が電子レンジの加熱周波数に対するダイポールアンテナであっても、通信周波数でRFICとマッチングしており、通信周波数におけるRFIDタグ1の通信距離を確保することができる。また、第1共振回路RC1は、通信周波数よりも高い周波数の電子レンジからの電磁波に対して共振しないように設計されている。
【0062】
第2共振回路RC2は、通信周波数における電波とインピーダンス整合して共振するように設計されており、アンテナパターン9と共に電子レンジからの電磁波または電子レンジの周波数よりも高い周波数で共振するように設計されている。第2共振回路RC2はループ回路であるので、電子レンジからの電磁波が照射された場合、容量C1及び容量C2の電位差が大きくなるが、第3インダクタンス素子L3の両端では大きな電位差が発生せず、第3インダクタンス素子L3と第1インダクタンス素子L1及び第2インダクタンス素子L2を介して接続しているRFIC23の両端に高電圧が印加されないので、RFIC23が破壊されない。また、第2共振回路RC2は、インダクタンス成分と容量成分とで回路構成されているので、電子レンジからの電磁波が照射されても発熱として電磁波エネルギーが消費されるのを抑制することができる。
【0063】
以上のように、実施形態1のRFIDタグ1は、例えば900MHz帯の通信用の第1周波数を有する高周波信号を送受信するための無線通信デバイスである。RFIDタグ1は、第1電極11と、第1電極11と間隔を空けて配置された第2電極13と、第1電極11および第2電極13をそれぞれ両端とするループパターン7と、ループパターン7と接続するアンテナパターン9と、第1電極11と容量結合する第3電極29と、第2電極13と容量結合する第4電極31と、電子レンジの周波数におけるインピーダンスが容量性であるRFIC23と、第3電極29と第4電極31との間に、互いに並列にそれぞれ接続された第1電流経路CP1と第2電流経路CP2と、を備える。RFIC23は、第1電流経路CP1に含まれ、第2電流経路CP2の電子レンジの周波数におけるインピーダンスは誘導性である。これだけの構成により、通信用の周波数よりも高い電子レンジの周波数の電磁波がRFIDタグ1に照射されても、第1電極11と第3電極29および第2電極13と第4電極31間でそれぞれ容量成分を有するので、第1電極11と第2電極13との間の隙間部分7aに高電圧が発生するのを低減することができる。さらには、第3電極29と第4電極31との間には、第1電流経路CP1と第2電流経路CP2とが並列接続されているので、電子レンジの周波数の電磁波による電圧が第3電極29と第4電極31との間に印加されたとしても、インピーダンスが誘導性の第2電流経路CP2にほとんどの電流が流れるので、第1電流経路CP1にはほとんど電圧が印加されず、RFIC23に電圧が印加されるのを低減することができる。この結果、RFIDタグ1が付された商品が電子レンジで加熱された後も、RFIDタグ1は破壊されることなく、通信することができるので、加熱後も商品情報を保持したり、加熱終了のデータをRFIDタグ1に書き込むことも可能となる。
【0064】
また、アンテナパターン9は、第2周波数の電磁波の2分の1波長の電気的長さを有する。これにより、アンテナパターン9の導体抵抗が放射抵抗に比べて非常に小さいので、照射された第2周波数の電磁波のほとんどを反射しアンテナパターン9が加熱されるのを低減することができる。
【0065】
ループパターン7のパターン幅は、アンテナパターン9のパターン幅よりも大きくてもよい。これにより、ループパターン7の導体抵抗をアンテナパターン9の導体抵抗よりも低減することができ、ループパターン7に高電圧が印加されるのを低減することができる。なお、ループパターン7の導体抵抗をアンテナパターン9の導体抵抗よりも小さくするために、パターン幅ではなく、ループパターン7の厚みをアンテナパターン9の厚みよりも大きくしてもよいし、ループパターン7とアンテナパターン9とで別の金属材料を用いてもよい。
【0066】
RFIC23は、第1周波数におけるインピーダンスが容量性である。
【0067】
ループパターン7及び第2電流経路CP2で構成される回路(すなわち、第2共振回路RC2)と、アンテナパターン9とで構成される回路は、第2周波数で共振する共振回路である。これにより、第2周波数の電磁波が照射されると、アンテナパターン9とループパターン7と第2電流経路CP2とで構成される回路に電流が流れる。
【0068】
第1電流経路CP1と前記第2電流経路CP2とで構成される回路、すなわち第1共振回路RC1は、第2周波数で非共振な回路であり、第2周波数でRFIC23側からインピーダンスを見ると、短絡となるインピーダンス特性を有し、ほとんど電位差を発生しない。ここで、「短絡」とは、完全に短絡な状態だけでなく、ほぼ短絡した状態も含まれる。これにより、第2周波数の電磁波が照射されても、第1電流経路CP1に過電流が流れるのを抑制することができる。
【0069】
アンテナパターンは、平面視で、前記RFICの中心を通る中心線に対して線対称である。
【0070】
また、アンテナパターン9はミアンダ形状に延びるミアンダパターンを有する。
【0071】
また、実施形態1のRFIDタグ1は、第1電流経路CP1および第2電流経路CP2で構成された、第1周波数で共振し、第2周波数で、短絡となるインピーダンス特性を有する第1共振回路RC1と、ループパターン7および第2電流経路CP2で構成された、第1周波数で共振する第2共振回路RC2と、第1電流経路CP1に含まれるRFIC23と、を備える。アンテナパターン9と第2共振回路RC2とで、第2周波数または第2周波数よりも高い周波数で共振する。これにより、第1共振回路RC1および第2共振回路RC2が共に、第1周波数の高周波信号に対して、並列共振することでRFICの両端の電圧が高くなるので、通信特性が良好である。また、第1周波数よりも周波数の高い第2周波数または第2周波数よりも高い周波数の電磁波に対して、アンテナパターン9と第2共振回路RC2とで構成される回路が共振するので、第2周波数では誘導性のインピーダンス特性を有するが、第1共振回路RC1はRFIC23側からインピーダンスを見ると、短絡となるインピーダンス特性を有し、ほとんど電位差を発生しない。また、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2において、第2電流経路CP2を共に含んでいるので、第2周波数の電磁波に対して、第2電流経路CP2で電流が流れるので、RFIC23が含まれる第1電流経路CP1に高電圧が印加されるのを防止することができ、RFIC23が破壊されるのを防止することができる。したがって、第2周波数の電磁波を照射された後でも、RFIDタグ1はICが破壊されることなく通信可能である。
【0072】
上記のように構成されているので、実施形態1のRFIDタグ1が付された商品を電磁波加熱装置(電子レンジ)において誘電加熱した場合においても、RFIDタグ1における放電の発生が大幅に抑制されており、商品における発火を抑制することができる。実際に
図1の構造のRFIDタグ1を、業務用電子レンジ(1800W)で1分間の誘導加熱しても発火することは無かった。また誘導加熱後にRFIDタグの読み取り試験をしたところ、読み取りが可能であった。
【0073】
次に、実施形態1の変形例1を説明する。
図9は、実施形態1の変形例1における無線通信デバイスであるRFIDタグを示す平面図である。実施形態1の変形例1におけるRFIDタグ1Aは、実施形態1のRFIDタグ1から第1アンテナパターン9aおよび第2アンテナパターン9bからそれぞれ平板状の配線パターン9ac、9bcを省略した構成である。その他の構成は実施形態1のRFIDタグ1と実質的に同じである。このような構成であっても、実施形態1のRFIDタグ1と同様の効果を得ることができる。
【0074】
次に、実施形態1の変形例2を説明する。
図10は、実施形態1の変形例2における無線通信デバイスであるRFIDタグを示す平面図である。実施形態1の変形例2におけるRFIDタグ1Bは、実施形態1のRFIDタグ1から第1アンテナパターン9aおよび第2アンテナパターン9bからそれぞれ平板状の配線パターン9ac、9bcを省略し、ミアンダパターンの先端部をそれぞれの折り返し部分9ad、9bdの間に配置した構成である。また、ループパターン7とアンテナパターン9とが2カ所で接続されている。また、ループパターン7は、ループパターン7とアンテナパターン9との接続部9cから階段状に延びた段状部7bを有する。その他の構成は実施形態1におけるRFIDタグ1と実質的に同じである。このような構成であっても、実施形態1のRFIDタグ1と同様の効果を得ることができる。
【0075】
次に、実施形態1の変形例3を説明する。
図11は、実施形態1の変形例3における無線通信デバイスであるRFIDタグを示す平面図である。実施形態1の変形例3におけるRFIDタグ1Cのループパターン7は、実施形態1の変形例2におけるRFIDタグ1Bのループパターン7に、段状部7bが形成されておらず、アンテナパターン9との接続部9cから直線状に延びている。その他の構成は実施形態1におけるRFIDタグ1と実質的に同じである。このような構成であっても、実施形態1のRFIDタグ1と同様の効果を得ることができる。実際に
図11の構造のRFIDタグ1Cを、業務用電子レンジ(1800W)で1分間の誘導加熱しても発火することは無かった。また誘導加熱後にRFIDタグの読み取り試験をしたところ、読み取りが可能であった。
【0076】
(実施形態2)
以下、本発明に係る実施形態2の無線通信デバイスであるRFIDタグ1Dについて、
図12および
図13を参照して説明する。
図12は、実施形態2のRFICモジュール5Dを示す平面図である。
図13は、実施形態2のRFICモジュール5Dの側面図である。
【0077】
実施形態2のRFIDタグ1Dに関しては、実施形態1のRFIDタグ1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態2の説明において、前述の実施形態1と同様の構成、作用および機能を有する要素には同じ参照符号を付し、重複する記載を避けるため説明を省略する場合がある。実施形態2のRFIDタグ1Dは、以下に説明する点以外の構成については、実施形態1のRFIDタグ1と同様の構成である。
【0078】
実施形態2のRFIDタグ1Dは、実施形態1のRFICモジュール5と異なる回路構成のRFICモジュール5Dを備える。実施形態2のRFICモジュール5Dも実施形態1と同様に2つの電流経路を有する。RFICモジュール5Dは、基板21を間に、第1電極11と対向して基板21の上面に形成された導体パターン37と、第2電極13と対向して基板21の上面に形成された導体パターン39とを備える。第1電極11と導体パターン37との間には容量C1が形成され、第2電極13と導体パターン39との間には容量C2が形成される。
【0079】
第1電流経路CP1には、導体パターン37から、第1インダクタンス素子L1、RFIC23、第2インダクタンス素子L2、導体パターン39と、直列で接続されている。第1電流経路CP1と並列に形成された第2電流経路CP2では、導体パターン37から、第3インダクタンス素子L3を介して導体パターン39に直列で接続されている。
【0080】
このような構成であっても、実施形態1のRFIDタグ1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
次に、本発明に係る実施形態2の変形例に係る無線通信デバイスであるRFIDタグ1Eについて、
図14および
図15を参照して説明する。
図14は、実施形態2の変型例におけるRFICモジュール5Eを示す平面図である。
図15は、実施形態2の変型例におけるRFICモジュール5Eの側面図である。
【0082】
実施形態2の変形例におけるRFIDタグ1EのRFICモジュール5Eは、導体パターン37から導体パターン39まで並列に接続された第1電流経路CP1と第2電流経路CP2とが第9インダクタンス素子L9が渦巻き状の導体パターンL9aによって形成されている。導体パターンL9aの一端は導体パターン37に接続され、他端はRFIC23に接続されている。また、導体パターンL9aの他端近傍で、ビア導体V3を介して導体パターン41の一端に接続されている。導体パターン41の他端は、ビア導体V4を介して導体パターン43と接続されている。導体パターン43の一端はRFIC23と接続され、導体パターン43の他端は導体パターン39と接続されている。導体パターン43は、その一部にジャンプ接続部分43aを含む。
【0083】
第1電流経路CP1は、導体パターン37から、導体パターンL9a、RFIC23、および、導体パターン43を経て、導体パターン39に至る。第2電流経路CP2は、導体パターン37から、導体パターンL9a、ビア導体V3、導体パターン41、ビア導体V4、および、導体パターン43を経て、導体パターン39に至る。第1電流経路CP1と第2電流経路CP2とで、導体パターンL9aによる第9インダクタンス素子L9は共有している。このような構成であっても、実施形態1のRFIDタグ1と同様の効果を得ることができる。
【0084】
以上のように、これらの実施の形態によれば、無線通信デバイスが付された商品が、誤って無線通信デバイスが付されたまま電磁波加熱装置において加熱された場合においても、無線通信デバイスにおける放電の発生が抑制されている。また、電磁波加熱装置の周波数においてRFIC素子から見た特性インピーダンスを短絡となるインピーダンスにすることで、RFIC素子の両端にほとんど電位差を発生しないので、RFIC素子が破壊され難くなる。これにより、無線通信デバイスの発火、さらには無線通信デバイスが付された商品における発火を抑制することが可能な安全性および信頼性の高い無線通信デバイスを提供することができる。したがって、本発明は、食品、日用雑貨品などの多種多様な商品を取り扱う販売店や飲食店において、商品または飲食物を加熱後も無線通信デバイスであるRFIDタグ1と通信するシステムを構築することが可能となる。
【0085】
本発明は、上記各実施の形態のものに限らず、次のように変形実施することができる。
【0086】
(1)上記各実施の形態において、基材3の材料として、可撓性のフィルム材料が用いられていたが、これに限られない。基材3は、例えば、難燃性のフィルム材料でもよい。基材3として難燃性フィルムを採用する場合、用いられる難燃性フィルム材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの樹脂材料にハロゲン系難燃材料の添加や、難燃性コーティング材料の塗工を行ったフィルムが用いられる。また、基材3の材料としては、耐熱性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂などの高機能を有する樹脂材料を用いることも可能である。なお、基材3として、これらの難燃性フィルム材料を採用すると、第2の周波数の電磁波を受信したときに縮まないので、ループパターン7およびアンテナパターン9におけるパターン同士の接近および接触を防止することができ、放電の発生および発熱を抑制することができる。
【0087】
(2)上記各実施の形態において、通信用の第1の周波数帯はUHF帯であったがこれに限られない。HF帯の通信用の周波数(キャリア周波数)を有する高周波信号で無線通信するよう構成されていてもよい。この場合、アンテナパターンの全長がHF帯の高周波信号を受信するように設計される。なお、HF帯とは、13MHz以上15MHz以下の周波数帯域である。
【0088】
本発明をある程度の詳細さをもって各実施の形態において説明したが、これらの実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
通信用の第1周波数を有する高周波信号を送受信するための無線通信デバイスであって、第1電極および第2電極をそれぞれ両端とするループパターンと、アンテナパターンと、第1電極、第2電極とそれぞれ容量結合する第3電極、第4電極と、第1周波数よりも高い第2周波数におけるインピーダンスが容量性であるRFICと、第3電極と第4電極との間に、互いに並列にそれぞれ接続された第1電流経路と第2電流経路と、を備え、RFICは、第1電流経路に含まれ、第2電流経路の第2周波数におけるインピーダンスは誘導性である。