特許第6947377号(P6947377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947377
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20210930BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20210930BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20210930BHJP
   A45C 11/20 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   B65D51/24 500
   B65D43/08 200
   B65D77/20 A
   A45C11/20 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-39973(P2017-39973)
(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公開番号】特開2018-144838(P2018-144838A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 忠
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−202937(JP,A)
【文献】 特開2011−037510(JP,A)
【文献】 実開平04−078156(JP,U)
【文献】 特開2017−007670(JP,A)
【文献】 特開2010−269824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
B65D 77/20
A45C 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁部を有する蓋体と、前記蓋体を被着する容器本体とを備えた、合成樹脂シートからなる平面視多角形状の包装用容器であって、前記周壁部を各辺に沿って形成し、前記周壁部の外側に、水平状に張り出す鍔部と、前記鍔部の上面を上方に断面台形状に膨出させ、前記周壁部と適宜間隔の間隙を設けて直線状に並行する支持面部とを備え、前記周壁部の角部周辺における前記鍔部の上面を前記支持面部よりも高さの低い平面状とし、前記間隙を、添付物を収納できる収納部とした包装用容器。
【請求項2】
前記支持面部を前記蓋体の鍔部上に備えた請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記支持面部を前記容器本体の鍔部上に備えた請求項1に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記支持面部を、前記容器の中心に対して対向する位置に備えた請求項1〜3のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に食品などを収納する、合成樹脂から成形された包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当、野菜、果物、お惣菜などの食品は、合成樹脂から成形された包装用容器に収納され、スーパー、コンビニエンスストアやデパートなどの小売店の食品売り場で陳列されていることがよく見られる。
このような包装用容器には、購入後、食品を直ぐに食することができるように、割り箸、スプーン、フォークなどが添付されていることがある。また、おいしく召し上がることができるように、ソース、薬味、ドレッシングなどの調味料等を封入した調味袋が添付されていることもある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、焼きソバ・中華ソバ・スパゲッティ等の食品を収納するための食品包装用容器を構成する容器本体の開口縁部に嵌合されて、この容器本体内の食品を保護するための透明材料からなる蓋であって、この蓋の上面に、前記食品のための薬味や調味料を収納するための収納凹所を形成するとともに、この収納凹所の底部に波形の滑り止めを形成したことを特徴とする食品包装用容器の蓋が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、食品を収容する容器と、容器の上面に嵌合する蓋とを有した弁当容器において、蓋の上面に調味料の設置場所として使用する凹部を形成し、凹部の左右両側の段差を切り欠いてゴムバンド締着用の溝を形成し、凹部の前後両側の段差を切り欠いて箸設置用の溝を形成し、凹部に調味料を置き、その上から前後方向に箸をかけ渡し、箸の中央部分をゴムバンドで締着し、箸と共に調味料を一体保持することを特徴とする弁当容器が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−278047号公報
【特許文献2】特開2001−299430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1又は2には、蓋に箸や調味袋などを収納できる凹部が形成されており、容器に収納した食品とは分離させて収納できるので、取出しやすく使い勝手がよいものである。
しかし、調味袋の多くは扁平状であり、このような調味袋を凹部に寝かせて置いてあるため掴みにくく、調味袋を使用する際に取出しにくいことがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、調味袋、箸などの添付物を取り出しやすく収納することができる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態の包装用容器は、周壁部を有する蓋体と、前記蓋体を被着する容器本体とを備えた、合成樹脂シートからなる平面視多角形状の包装用容器であって、前記周壁部を各辺に沿って形成し、前記周壁部の外側に、水平状に張り出す鍔部と、前記鍔部の上面を上方に断面台形状に膨出させ、前記周壁部と適宜間隔の間隙を設けて直線状に並行する支持面部とを備え、前記周壁部の角部周辺における前記鍔部の上面を前記支持面部よりも高さの低い平面状とし、前記間隙を、添付物を収納できる収納部としたことを特徴とする。
【0009】
このようにすることにより、周壁部と支持面部との間隙を収納部とし、収納部にソースなどの調味袋や箸などの添付物を収納することができるため、添付物を周壁部に立て掛けて置くことができ、調味袋などの添付物を掴みやすく取出しやすくすることができる。
また、支持面部に指を掛けて容器を持ち上げることにより、指掛かりがよいため、容器が持ち上げやすくなる効果もある。
【0010】
上記包装用容器は、支持面部を蓋体の鍔部上に備えたり、容器本体の鍔部上に備えたりすることができる。このようにすることにより、蓋体と容器本体の嵌合を様々な形態にすることができる。例えば、外嵌合にする場合は、支持面部を蓋体の鍔部上に備えることが好ましく、内嵌合にする場合は、支持面部を容器本体の鍔部上に備えることが好ましい。
【0011】
上記実施形態の包装用容器は、支持面部を包装用容器の中心に対して対向する位置に備えることができる。このようにすることにより、複数の調味袋などの添付物を収納することができる。また、容器のバランスがよくなり容器が傾きにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の包装用容器を示す斜視図である。
図2図1の包装用容器に調味袋を収納した状態を示した部分拡大斜視図である。
図3図1の包装用容器の部分拡大端面図である。
図4図1の包装用容器の一変形例を示した部分拡大斜視図である。
図5図1の包装用容器の他の変形例を示した部分拡大斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態の包装用容器を示す斜視図である。
図7図6の包装用容器の部分拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の包装用容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
本発明の一実施形態の包装用容器10は、図1などに示すように、蓋体1と、それを被着する容器本体6とからなり、食品を収容することができるとともに添付物を収納することができるものである。
添付物とは、包装用容器に収容した食品を食するのにあたり必要なものであり、ソース、薬味、ドレッシングなどの調味料等を封入した調味袋、箸、スプーン、フォーク、ナイフなどである。
【0015】
蓋体1は、例えば、シート厚0.10mm〜4.0mm、好ましくは0.15mm〜2.0mmの合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。
合成樹脂シートとしては、特に限定するものではないが、発泡樹脂シート、非発泡樹脂しーとのいずれでもよく、例えば、ポリエチレン系樹脂シートやポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートや耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを挙げることができる。なかでも、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどが好ましい。
また、合成樹脂シートとして、積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、合成樹脂シートにフィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
熱成形としては、例えば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0016】
蓋体1は、透明乃至半透明、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように、透明乃至半透明であることが好ましい。
【0017】
蓋体1は、本実施形態では、平面視矩形状の天面部2の周縁から垂下乃至下方に傾斜する周壁部3を備え、周壁部3の下端部から外方に張り出す鍔部4が全周に渡り備えてある。
【0018】
天面部2は、本実施形態では、平面視矩形状にしてある。これに限定されるものではなく、平面視円形状、平面視正方形乃至長方形状、平面視六角形状など様々な形状にすることができる。また、天面部2は、本実施形態では水平面状に形成してあるが、これに限定されるものではなく、傾斜状、凹み状、膨らみ状など様々な形状にすることができ、天面部2と周壁部3とをなだらかに一体的にしたドーム状などに形成することもできる。
【0019】
周壁部3は、本実施形態では、天面部2の周縁から下方に向かい拡開する傾斜状に形成してあり、容器長辺側の面は、中央部付近がやや緩やかな傾斜としてあり、容器短辺側の面は、緩やかな傾斜と急な傾斜が交互に表れる左右対称状に形成してある。
【0020】
鍔部4は、本実施形態では、周壁部3の下端部から外方に張り出すように水平状に形成してあり、容器短辺側の鍔部4の上面には、周壁部3と適宜間隔の間隙を設けて支持面部5が設けてある。また、鍔部4の外縁部には、垂下乃至下方に傾斜する嵌合面部41が形成してあり、嵌合面部41の四隅部及び各辺の中央部には、内側に凹ませた筋溝状の嵌合部42が形成してあり、後述する容器本体6の鍔部61に外嵌合できるように形成してある。
【0021】
蓋体1は、本実施形態では容器本体6の鍔部61の縁部に外嵌合できるように形成してあるが、これに限定されるものではなく、内嵌合、内外嵌合などできるように形成してもよく、また、嵌合面部41を設けず、容器本体6の鍔部61に重ね合わせて接着テープなどで固着できるようにしてもよい。
【0022】
支持面部5は、容器短辺側の両鍔部4の上面に周壁部3と間隙を設けるようにして上方に突出させて形成してあり、この間隙を収納部8としてある。
【0023】
支持面部5は、本実施形態では、容器短辺側の両鍔部4に設けてあるが、これに限定されるものではなく、長辺側の鍔部4に設けてもよく、鍔部4の全体に複数設けてもよい。また、支持面部5は、容器10の対向する位置に設けるのが好ましく、これにより左右のバランスを保つことができる。
【0024】
支持面部5は、本実施形態では、正面視横長台形状に形成してある。これに限定されるものではなく、正面視矩形状や正面視アーチ状乃至半円状などに形成してもよい。図4には、一変形例の支持面部51が示され、支持面部51は、鍔部4の上面に正面視縦長台形状に形成してあり、適宜間隔で2ヶ所設けた形態としてある。また、図5には、他の変形例の支持面部52が示され、支持面部52は、鍔部4の上面に正面視半円形状に形成してあり、適宜間隔で3ヶ所設けた形態としてある。なお、図5は、箸袋に封入された箸71を収納した状態を示してある。
【0025】
支持面部5の高さ(鍔部4の上面を基準として最高点までの高さ)は、周壁部3の高さ(鍔部4の上面を基準として最高点までの高さ)を1とした場合、0.1〜1.5、特に0.2〜1にするのが好ましい。支持面部5は、周壁部3と略同一高さ或いは周壁部3よりも高くしておけば、収納した調理袋7などが容器10から脱落しにくくなるため好ましい。
【0026】
収納部8は、図2又は図3に示すように、調味料などを封入した調味袋7などの添付物を収納することができ、調味袋7の一縁部を底部として縦置きし、挟み込みできるように形成することが好ましい。収納部8の間隔は、特に限定するものではないが、添付物が脱落しない程度、具体的には最大箇所で、3mm〜50mm、特に4mm〜30mmにするが好ましく、最小箇所で、1mm〜10mm、特に1.5mm〜5mmにするのが好ましい。なお、この間隔は、水平方向におけるものである。
【0027】
容器本体6は、蓋体1を被着できる形態であればどのような形態でもよいが、本実施形態では、食品などを収容できる収容部62を有し、収容部62の上端縁から外方に張り出した鍔部61を全周に渡り備えてある。
容器本体6は、蓋体1と同様の材料を用い、同様の製法により作製することができる。蓋1と容器本体6とは同じ材料でも相違する材料としてもよい。
【0028】
容器本体6は、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように透明乃至半透明であることが好ましい。容器本体6を有色、蓋体1を透明など相違させてもよい。
【0029】
包装用容器10に、ソース、薬味、ドレッシングなどの調味料等を封入した調味袋7を備え付けるには、蓋体1を容器本体6に嵌合させ、図3に示すように、調味袋7の一縁部を下向きにし、支持面部5と周壁部3との間隙の収納部8に挟み込ませ、周壁部3に立て掛けるようにして収納すれば、図2に示すように、包装用容器10に調味袋7を備え付けることができる。
【0030】
調味袋7を使用する際は、調味袋7の上側の隅部を摘み持ち上げればよく、取出しやすいものである。
調味袋7以外にも、箸、スプーン、フォーク、ナイフなどを挟み込ませてもよい。
この状態で、さらに、接着テープなどを用いて調味袋7を補助的に固定してもよい。このようにすることにより、調味袋7の脱落を防ぐことができ、単に接着テープを用いて蓋体に調味袋7を固定するよりも収納部8があるため接着テープの使用量を削減することができる。
【0031】
支持面部5は、鍔部4の上面に突出させて形成してあるため、蓋1の剛性を高める効果もある。また、支持面部5は指が掛かりやすいため、蓋体1又は包装用容器10を持ち上げやすくするという効果もある。
【0032】
図6には、他の実施形態の包装用容器10Aが示してある。
包装用容器10Aは、容器本体6Aに内嵌合できる蓋体1Aを備え、容器本体6Aの鍔部61Aに支持面部5Aを備えた構成としてある。他の構成は、上記形態と同じであるため詳しい説明は省略する。
【0033】
包装用容器10Aは、図7に示すように、蓋体1Aを容器本体6Aに嵌合させることにより、支持面部5Aと蓋体1Aの周壁部3Aとの間に間隙ができ、この間隙を収納部8Aとすることができる。収納部8Aに調味袋7などを挟み込ませて収納することができる。
包装用容器10Aは、上記形態の包装用容器10と同じく、調味袋7を使用する際は、調味袋7の上側の隅部を摘み持ち上げればよく、取出しやすいものである。
【0034】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。例えば、蓋体1と容器本体6をヒンジなどで一体的に形成した、いわゆるフードパックなども含まれるものである。
【符号の説明】
【0035】
10包装用容器
1蓋体
2天面部
3周壁部
4鍔部
41嵌合面部
42嵌合部
5支持面部
6容器本体
61鍔部
62収容部
7調味袋
8収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7