(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態のシート加工機を備えたシート加工装置について、説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態のシート加工機を備えたシート加工装置を示す平面略図である。このシート加工装置1は、少なくとも、給紙部2、シート加工機3、及び排紙部9を、備えている。シート加工装置1は、シート100を、X方向に搬送しながら、シート加工機3で加工して、排紙部9へ排出するようになっている。シート加工機3では、シート100の搬送が加工位置Pで停止されてシート100に加工が施される。シート加工機3は、搬送方向Xに対する直交方向(幅方向W)に沿って、加工を施すようになっている。X方向(搬送方向)への搬送は、少なくとも、シート加工機3の、搬送方向上流側と搬送方向下流側との、適宜の位置に設けられた、搬送ローラ(図示せず)によって、行われるようになっている。なお、以下において、「前」は搬送方向下流側を示し、「後」は搬送方向上流側を示す。
【0014】
[シート加工機]
(全体構成)
図2は、
図1のシート加工機3のII矢視図である。なお、
図2では、シート加工機3は、内部構造を見やすくするために、搬送方向Xの上流側と下流側とに設けられていた表面カバー及びシートガイドが外された状態で、示されている。シート加工機3は、
図1に示されているように、シート加工装置1の装置本体10の受部110内に、上方から着脱自在に設置されて使用されるようになっている。
【0015】
シート加工機3では、天板31と、天板31の両端部から垂下された右側板32及び左側板33と、両側板32、33の下端部を連結した底フレーム34と、によって外枠体30が構成されている。天板31の上面には、シート加工機3を受部110内に設置する際に把持する取手35が、2個設けられている。また、天板31の幅方向の両端には、摘まみネジ36が1個ずつ設けられている。そして、シート加工機3は、受部110内に設置した際に、装置本体10に対して、摘まみネジ36によって、着脱自在に固定できるようになっている。
【0016】
シート加工機3は、加工を施すための加工部4と、シート100に対する加工可能な状態で加工部4を受容する受容部5とを、有している。
【0017】
(加工部)
図3は、加工部4と、加工部4を受容した受容部5と、を示す上方斜視図である。加工部4は、第1加工具4Aと第2加工具4Bとからなっている。
【0018】
図4及び
図5は、第1加工具4A及び第2加工具4Bの、上方斜視図及び下方斜視図である。第1加工具4Aは、第1加工本体41と、取手421と、ハンドル422と、第1識別部43と、干渉部材441、442と、からなっている。第2加工具4Bは、第2加工本体46と、取手471と、ハンドル472と、第2識別部48と、からなっている。
【0019】
図6は、第1加工具4A及び第2加工具4Bの横断面図である。第1加工具4Aの第1加工本体41は、横断面略矩形の細長い棒状部材であり、
図6に示されるように、下面に加工面411を有している。加工面411は、横断面略三角形状に突出しており、その突出先端の長手方向(幅方向W)における所定長さ領域L(
図5)に、クリース凸刃4111を有している。すなわち、第1加工具4Aは、クリース凸刃4111を有する、雄型加工具である。領域Lは加工領域である。また、第1加工本体41の加工面411の長さ方向両端には、下面から下方に突出した干渉部材441、442が設けられている。干渉部材441、442は、加工領域Lの外側に位置している。更に、
図6に示されるように、第1加工本体41の後側面412には、スライド溝4121が、長手方向の全てに渡って且つ上下方向中央に、形成されている。
【0020】
第2加工具4Bの第2加工本体46は、横断面略矩形の細長い棒状部材であり、
図6に示されるように、上面に加工面461を有している。加工面461は、加工の際に凸刃4111を受け入れる凹刃4611を有している。すなわち、第2加工具4Bは、凹刃4611を有する、雌型加工具である。凹刃4611は、加工面461において、長手方向の全てに渡って且つ前後方向中央に、形成されている。また、
図6に示されるように、第2加工本体46の前側面464には、スライド溝4641が、長手方向の全てに渡って且つ上下方向中央に、形成されている。
【0021】
第1識別部43は、板体であり、第1加工本体41の長手方向先端に、第1加工本体41から突出して、固定されている。第1識別部43は、第1加工具4Aの加工面411の加工種類を示す情報と加工面411が下に向いているか上に向いているかを示す情報とを、含んでいる。第2識別部48は、板体であり、第2加工本体46の長手方向先端に、第2加工本体46から突出して、固定されている。第2識別部48は、第2加工具4Bの加工面461の加工種類を示す情報と加工面461が下に向いているか上に向いているかを示す情報とを、含んでいる。
【0022】
(受容部)
図3に示されるように、受容部5は、第1受容体5Aと第2受容体5Bとからなっている。
図7は、第1受容体5A及び第2受容体5Bの上方斜視図である。
図8は、
図7のVIII矢視図である。
図9は、
図8のIX矢視図である。
図10は、
図8のX矢視図である。
【0023】
第1受容体5Aは、第1受容本体51と、後板部52と、前板部53と、からなっている。第1受容本体51は、横断面矩形の細長い板状部材であり、上面511の長手方向両端部に、押圧面部5111、5112を有している。後板部52は、その上部が第1受容本体51の後面に固定されており、前板部53は、その上部が第1受容本体51の前面に固定されている。第1受容体5Aは、第1受容本体51の下方に、少なくとも第1加工具4Aを受容できる受容空間50Aを有している。受容空間50Aは、第1受容本体51の下面513と後板部52の下部と前板部53の下部とによって囲まれた、下開きの空間である。受容空間50Aにおいては、後板部52の内面に多数(ここでは4個)の凸部521が設けられている。凸部521は、上下方向における同じ高さ位置で且つ長手方向に間隔を置いて、設けられている。凸部521と下面513との間の距離H1(
図8)は、第1加工具4Aにおける上面413とスライド溝4121との間の距離H1(
図6)と同じであり、また、第2加工具4Bにおける下面463とスライド溝4641との間の距離H1(
図6)と同じである。なお、凸部521の上下幅は、スライド溝4121、4641の上下幅より僅かに小さい。後板部52の長手方向先端には、内向きの突片522が形成されている。前板部53の長手方向先端には、内向きの突片532が固定されている。突片522、532は、受容空間50Aの長手方向先端を塞ぐように位置しているが、両者の間には、第1識別部43が通過可能な隙間501が設けられている。更に、後板部52の長手方向基端及び前板部53の長手方向基端には、それぞれ、外向きに開いたガイド片523、533が設けられている。
【0024】
第2受容体5Bは、第2受容本体56と、後板部57と、前板部58と、からなっている。第2受容本体56は、横断面矩形の細長い板状部材である。後板部57は、その下部が第2受容本体56の後面に固定されており、前板部58は、その下部が第2受容本体56の前面に固定されている。第2受容体5Bは、第2受容本体56の上方に、少なくとも第2加工具4Bを受容できる受容空間50Bを有している。受容空間50Bは、第2受容本体56の上面561と後板部57の上部と前板部58の上部とによって囲まれた、上開きの空間である。受容空間50Bにおいては、前板部58の内面に多数(ここでは4個)の凸部581が設けられている。凸部581は、上下方向の同じ高さ位置で且つ長手方向に間隔を置いて、設けられている。凸部581と上面561との間の距離H1(
図8)は、凸部521と下面513との間の距離H1(
図8)と同じであり、したがって、第1加工具4Aにおける上面413とスライド溝4121との間の距離H1(
図6)と同じであり、また、第2加工具4Bにおける下面463とスライド溝4641との間の距離H1(
図6)と同じである。なお、凸部581の上下幅は、スライド溝4121、4641の上下幅より僅かに小さい。後板部57の長手方向先端には、内向きの突片572が固定されている。前板部58の長手方向先端には、内向きの突片582が形成されている。突片572、582は、受容空間50Bの長手方向先端を塞ぐように位置しているが、両者の間には、第2識別部
48が通過可能な隙間502が設けられている。更に、後板部57の長手方向基端及び前板部58の長手方向基端には、それぞれ、外向きに開いたガイド片573、583が設けられている。
【0025】
図11は、
図3のXI−XI断面図であり、加工部4が受容部5に受容された状態を示している。第1加工具4Aの第1加工本体41のスライド溝4121には、凸部521が嵌入している。すなわち、第1加工本体41は、スライド溝4121を多数の凸部521に対してスライドさせながら、受容空間50Aに受容される。第1加工本体41は、長手方向先端が突片522、532(
図8)に衝突する所まで、挿入されている。第1識別部43は、隙間501を通って突出している。第2加工具4Bの第2加工本体46のスライド溝4641には、凸部581が嵌入している。すなわち、第2加工本体46は、スライド溝4641を多数の凸部581に対してスライドさせながら、受容空間50Bに受容される。第2加工本体46は、長手方向先端が突片572、582(
図8)に衝突する所まで、挿入されている。第2識別部48は、隙間502を通って突出している。
【0026】
図2に示されるように、第1受容体5Aは、第1受容本体51の長手方向先端が右側板32に上下スライド可能に支持され、長手方向基端が左側板33に上下スライド可能に支持されており、これによって、外枠体30内に上下動可能に保持されている。第1受容体5Aと天板31との間には、スプリング71が介設されており、これにより、第1受容体5Aは常に上方へ付勢されている。スプリング71は、搬送方向の上流側及び下流側に2個ずつ設けられている。第2受容体5Bは、第1受容体5Aの下方において、第2受容本体56の長手方向先端が右側板32に上下スライド可能に支持され、長手方向基端が左側板33に上下スライド可能に支持されており、これによって、外枠体30内に上下動可能に保持されている。第2受容体5Bと底フレーム34との間には、スプリング72が介設されており、これにより、第2受容体5Bは常に下方へ付勢されている。スプリング72は、搬送方向の上流側及び下流側に2個ずつ設けられている。
【0027】
(加工部と受容部との関係)
図12は、加工部4と受容部5との関係を示す略図である。
図12(a)は、
図11の略図である。
図12(a)では、第1受容体5Aに、第1加工具4Aが加工面411(凸刃4111)を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4Bが加工面461(凹刃4611)を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4Aのスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4Bのスライド溝4641に嵌入している。これを「第1加工態様」と称する。
【0028】
そして、本実施形態では、
図12(b)に示される「第2加工態様」も採用できる。
図12(b)では、第1受容体5Aに、第2加工具4Bが凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4Aが凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。
図12(b)は、
図13の略図である。なお、この場合においては、第2加工具4Bは、凹刃4611を下に向けた状態で、スライド溝4641を第1受容体5Aの凸部521に対してスライドさせながら、第1受容体5Aの受容空間50Aに受容され、第1加工具4Aは、凸刃4111を上に向けた状態で、スライド溝4121を第2受容体5Bの凸部581に対してスライドさせながら、第2受容体5Bの受容空間50Bに受容される。
【0029】
なお、第1加工態様における第1加工具4Aの加工面411の高さ位置と第2加工態様における第2加工具4Bの加工面461の高さ位置とは、同じであり、また、第1加工態様における第2加工具4Bの加工面461の高さ位置と第2加工態様における第1加工具4Aの加工面411の高さ位置とは、同じである。すなわち、第1加工具4Aと第2加工具4Bとは、上下寸法が略同一である。
【0030】
(押圧機構)
図2に示されるように、シート加工機3は、第1受容体5Aの上方に、第1受容体5Aを下方に押圧するための押圧機構6を、備えている。押圧機構6は、幅方向Wに延びた回転軸61と、回転軸61に固定された偏心カム62と、を有している。回転軸61は、装置本体10側のモータ(図示せず)に連動するように設けられている。偏心カム62は、ここでは、回転軸61の両端に、設けられている。偏心カム62は、第1受容体5Aの第1受容本体51の押圧面部5111、5112に、当接している。押圧機構6は、回転軸61と共に偏心カム62を回転させることによって、第1受容本体51すなわち第1受容体5Aを下降させ、すなわち第1受容体5Aに受容されている第1加工具4Aを下降させ、クリース凸刃4111を凹刃4611内に押し込むようになっており、それによって、シート加工機3は、クリース加工を行うようになっている。
【0031】
(位置調整機構)
第2受容体5Bは、上述したように、スプリング72によって常に下方へ付勢されているが、モータ(図示せず)に連動するカム機構65によって、押し上げられるようになっている。これにより、第2受容体5Bすなわち第2受容体5Bに受容されている第2加工具4Bは、その上下位置が調整可能となっている。
【0032】
(加工部検知機構)
図2に示されるように、シート加工機3は、右側板32の外側に加工部検知機構7を備えている。加工部検知機構7は、第1加工具4Aの第1識別部43の情報と第2加工具4Bの第2識別部48の情報とを検知するようになっている。加工部検知機構7は、
図14に示されるように、第1受容体5Aの先端側に配置された第1受容体用センサー7Aと、第2受容体5Bの先端側に配置された第2受容体用センサー7Bと、を有している。
【0033】
第1受容体用センサー7Aは、上下に配置された2対のセンサー7A1、7A2を有している。センサー7A1は、上側に配置されており、発光部711と受光部712とを有しており、センサー7A2は、下側に配置されており、発光部713と受光部714とを有している。第1受容体用センサー7Aは、識別部から、
図15に示されるような検知結果を得ることができるようになっている。すなわち、(a)「OFF」−「OFF」、(b)「OFF」−「ON」、(c)「ON」−「OFF」、及び(d)「ON」−「ON」の4通りの検知結果を得ることができる。第1受容体用センサー7Aによる検知結果を「第1検知結果」と称する。
【0034】
第2受容体用センサー7Bは、上下に配置された2対のセンサー7B1、7B2を有している。センサー7B1は、上側に配置されており、発光部715と受光部716とを有しており、センサー7B2は、下側に配置されており、発光部717と受光部718とを有している。第2受容体用センサー7Bも、識別部から、
図15に示されるような検知結果を得ることができるようになっている。すなわち、(a)「OFF」−「OFF」、(b)「OFF」−「ON」、(c)「ON」−「OFF」、及び(d)「ON」−「ON」の4通りの検知結果を得ることができる。第2受容体用センサー7Bによる検知結果を「第2検知結果」と称する。
【0035】
そして、加工部検知機構7は、第1受容体用センサー7Aによる第1検知結果と第2受容体用センサー7Bによる第2検知結果との組み合わせからなる「加工部検知結果」を得るようになっている。
【0036】
例えば、
図16は、
図12(a)の第1加工態様の場合における、第1及び第2識別部43、48と第1及び第2受容体用センサー7A、7Bとの位置関係を示す斜視図である。
図12(a)の第1加工態様では、
図15(c)に示されるように、第1識別部43が第1受容体用センサー7Aによって検知されて、センサー7A1による「ON」とセンサー7A2による「OFF」とからなる第1検知結果が得られるとともに、
図15(d)に示されるように、第2識別部48が第2受容体用センサー7Bによって検知されて、センサー7B1による「ON」とセンサー7B2による「ON」とからなる第2検知結果が得られ、その結果、
図12(a)に示されるように、両者の組み合わせからなる「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。この加工部検知結果を「第1態様検知結果」と称する。また、
図12(b)の第2加工態様では、第1加工具4Aが上下反転された状態で第2受容体5Bに受容されており、第2加工具4Bが上下反転された状態で第1受容体5Aに受容されているので、
図15(d)に示されるように、第2識別部48が第1受容体用センサー7Aによって検知されて、センサー7A1による「ON」とセンサー7A2による「ON」とからなる第1検知結果が得られるとともに、
図15(b)に示されるように、第1識別部43が第2受容体用センサー7Bによって検知されて、センサー7B1による「OFF」とセンサー7B2による「ON」とからなる第2検知結果が得られ、その結果、
図12(b)に示されるように、両者の組み合わせからなる「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。この加工部検知結果を「第2態様検知結果」と称する。
【0037】
(制御部)
制御部8は、シート加工機3の全体の作動を制御するようになっているが、
図17のブロック図に示されるように、特に、可否判定部81と加工制御部82とを有している。
【0038】
(1)可否判定部81
可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果に基づいて、加工の可否を判定するようになっている。すなわち、可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果が加工可能である加工態様を示している場合には「可」と判定し、そうでない場合には「否」と判定するようになっている。ここでは、可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果が第1態様検知結果又は第2態様検知結果である場合には「可」と判定し、第1態様検知結果及び第2態様検知結果のいずれでもない場合には「否」と判定するようになっている。
【0039】
(2)加工制御部82
加工制御部82は、加工部検知機構7の加工部検知結果に基づいて、加工作業を制御するようになっている。本実施形態では、シート加工機3の少なくとも搬送方向下流側に設けられた搬送ローラ対において、上側の搬送ローラよりも下側の搬送ローラの方が硬度が高くなるように形成されている。したがって、第1加工態様でシート100に加工を施した場合、クリース加工された部分が搬送ローラで挟まれることにより、押しつぶされやすい。そのため、第1加工態様の場合には、クリース加工部分が押しつぶされることを見越して少し深くクリース加工を施すために、第2加工態様の場合に比して、第1加工具4Aと第2加工具4Bとの相対的な押圧力を増大することが好ましい。すなわち、加工部検知機構7の加工部検知結果が第1態様検知結果である場合には、第2加工態様の場合に比して、第1加工具4Aに対する第2加工具4Bの押圧力が増大するように、位置調整機構を制御するようになっている。
【0040】
(作用効果)
前記構成のシート加工機3ひいてはシート加工装置1によれば、次のような作用効果を発揮できる。
【0041】
(1)第1受容体5Aが第1加工具4Aを、及び、第2受容体5Bが第2加工具4Bを、加工可能な状態で受容でき、よって、第1加工態様を実現でき、また、第1受容体5Aが第2加工具4Bを、及び、第2受容体5Bが第1加工具4Aを、加工可能な状態で受容でき、よって、第2加工態様を実現できるので、第1加工態様によって、シートの表面にクリース加工を施すことができ、第2加工態様によって、シートの裏面にクリース加工を施すことができる。すなわち、前記構成のシート加工機3によれば、シートを表裏反転させることなく、シートの表面又は裏面に、それぞれの加工態様によって加工を施すことができる。したがって、作業性を向上できる。
【0042】
(2)第1加工具として、第1種及び第2種の2種類の第1加工具4A1、4A2を用意し、第2加工具として、第1加工具4A1、4A2に対応した第2加工具4B1、4B2を用意すれば、シートを表裏反転させることなく、シートの表面又は裏面に、2種類の内から選択した加工種類で、それぞれの加工態様によって加工を施すことができる。
【0043】
例えば、
図12に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A2と2種類の第2加工具4B1、4B2とを使用する場合について、説明する。第1加工具4A1及び第2加工具4B1は、上述した第1加工具4A及び第2加工具4Bと同じである。
図12(a)及び
図12(b)は、第1加工具4A1と第2加工具4B1とによる第1加工態様及び第2加工態様である。シート加工機3は、第1加工態様又は第2加工態様によって、上述したように、シートを表裏反転させることなく、シートの表面又は裏面に、クリース加工を施すことができる。
【0044】
第1加工具4A2は、第1加工具4A1のクリース凸刃4111よりも幅狭のクリース凸刃4112を有しており、その他は第1加工具4A1と同じである。第2加工具4B2は、第1加工具4A2の凸刃4112に対応した凹刃4612を有しており、その他は第2加工具4B1と同じである。第2加工具4B2の凹刃4612は、第2加工具4B1の凹刃4611よりも幅狭である。
図12(c)及び
図12(d)は、第1加工具4A2と第2加工具4B2とによる第3加工態様及び第4加工態様である。第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A2が凸刃4112を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B2が凹刃4612を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A2のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B2のスライド溝4641に嵌入している。第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B2が凹刃4612を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A2が凸刃4112を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B2のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A2のスライド溝4121に嵌入している。したがって、第3加工態様によれば、シートの表面に幅狭のクリース加工を施すことができ、第4加工態様によれば、シートの裏面に幅狭のクリース加工を施すことができる。すなわち、シート加工機3は、第3加工態様又は第4加工態様によって、シートを表裏反転させることなく、シートの表面又は裏面に、幅狭のクリース加工を施すことができる。
【0045】
以上のように、
図12に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A2と2種類の第2加工具4B1、4B2とを使用する場合には、シートを表裏反転させることなく、シートの表面又は裏面に、2種類すなわち幅の異なる加工種類の内から選択した加工種類の幅で、それぞれの加工態様によってクリース加工を施すことができる。
【0046】
なお、この場合においては、
図12(c)の第3加工態様では、
図15(b)に示されるように、第1識別部43が第1受容体用センサー7Aによって検知されて、センサー7A1による「OFF」とセンサー7A2による「ON」とからなる第1検知結果が得られるとともに、
図15(a)に示されるように、第2識別部48が第2受容体用センサー7Bによって検知されて、センサー7B1による「OFF」とセンサー7B2による「OFF」とからなる第2検知結果が得られ、その結果、
図12(c)に示されるように、両者の組み合わせからなる「OFF」−「ON」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。この加工部検知結果を第3態様検知結果と称する。また、
図12(d)の第4加工態様では、
図15(a)に示されるように、第2識別部48が第1受容体用センサー7Aによって検知されて、センサー7A1による「OFF」とセンサー7A2による「OFF」とからなる第1検知結果が得られるとともに、
図15(c)に示されるように、第1識別部43が第2受容体用センサー7Bによって検知されて、センサー7B1による「ON」とセンサー7B2による「OFF」とからなる第2検知結果が得られ、その結果、
図12(d)に示されるように、両者の組み合わせからなる「OFF」−「OFF」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。この加工部検知結果を第4態様検知結果と称する。そして、可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果が第1、第2、第3、又は第4態様検知結果である場合には「可」と判定し、第1、第2、第3、及び第4態様検知結果のいずれでもない場合には「否」と判定するようになっている。
【0047】
(3)2種類の第1加工具4Aすなわち2種類の雄型加工具を用意している場合において、第1受容体5A及び第2受容体5Bの両方に、第1加工具4Aをスライドさせながら装着しようとすると、互いの干渉部材441又は442が干渉し合うこととなる。その結果、操作者は、第1受容体5A及び第2受容体5Bの両方に雄型加工具を装着しようとしていることに気付かされる。したがって、第1受容体5A及び第2受容体5Bの両方に雄型加工具のみを装着してしまうのを、防止できる。
【0048】
(4)
図2に示されるように、ハンドル422とハンドル472とは、互いに幅方向Wに少しずれて位置している。すなわち、両者は、上下に重ならないように位置している。したがって、ハンドルの外輪郭が加工具の上端又は下端よりも上下に突き出していたとしても、ハンドル同士が干渉することはないので、ハンドルが加工具の上下作動を妨げることはない。
【0049】
以下に、上述した実施形態に対する種々の変形例について、説明する。なお、同じ又は相当する構成要素には、同じ引用符号を付している。
【0050】
(変形例1)
図18に示されるように、1種類の第1加工具4A3と、2種類の第2加工具4B1、4B2とが、使用されている。第1加工具4A3は、下面である加工面411にクリース凸刃4111を有しており、上面である加工面413にクリース凸刃4112を有しており、更に、両側面の同じ位置にスライド溝4121、4141を有している。その他は、上述した実施形態と同じである。なお、
図18では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0051】
図18(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A3が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B1が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A3のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図18(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0052】
図18(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B1が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A3が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A3のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図18(b)の第2加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0053】
図18(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A3が凸刃4112を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B2が凹刃4612を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A3のスライド溝4141に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B2のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図18(c)の第3加工態様では、「OFF」−「ON」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0054】
図18(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B2が凹刃4612を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A3が凸刃4112を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B2のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A3のスライド溝4141に嵌入している。そして、
図18(d)の第4加工態様では、「OFF」−「OFF」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0055】
(変形例2)
図19に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A2と、1種類の第2加工具4B3とが、使用されている。第2加工具4B3は、上面である加工面461に凹刃4611を有しており、下面である加工面463に凹刃4612を有しており、更に、両側面の同じ位置にスライド溝4621、4641を有している。その他は、上述した実施形態及び変形例と同じである。なお、
図19では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0056】
図19(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A1が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B3が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B3のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図19(a)の第1加工態様では、「ON」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0057】
図19(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B3が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A1が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B3のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図19(b)の第2加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0058】
図19(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A2が凸刃4112を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B3が凹刃4612を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A2のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B3のスライド溝4621に嵌入している。そして、
図19(c)の第3加工態様では、「OFF」−「OFF」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0059】
図19(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B3が凹刃4612を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A2が凸刃4112を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B3のスライド溝4621に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A2のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図19(d)の第4加工態様では、「ON」−「OFF」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0060】
(変形例3)
図20に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A4と、2種類の第2加工具4B1、4B4とが、使用されている。第1加工具4A4は、加工面411にミシン刃4113を有しており、その他は第1加工具4A1と同じである。第2加工具4B4は、加工面461が平面状のミシン受刃であり、その他は第2加工具4B1と同じである。なお、
図20では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0061】
図20(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A1が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B1が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図20(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0062】
図20(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B1が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A1が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図20(b)の第2加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0063】
図20(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B4が加工面461を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図20(c)の第3加工態様では、「OFF」−「ON」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0064】
図20(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B4が加工面461を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A4がミシン刃4113を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図20(d)の第4加工態様では、「OFF」−「OFF」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0065】
(変形例4)
図21に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A4と、2種類の第2加工具4B1、4B4とが、使用されている。なお、
図21では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0066】
図21(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A1が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B1が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図21(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0067】
図21(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B1が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A1が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B1のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A1のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図21(b)の第2加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0068】
図21(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B4が加工面461を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図21(c)の第3加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。なお、この第3加工態様では、第1受容体5Aに第2加工具4B4が加工面461を下に向けた状態で受容され、第2受容体5Bに第1加工具4A4がミシン刃4113を上に向けた状態で受容されてもよい。
【0069】
なお、
図21(d)の第4加工態様は、加工具の無い状態を示しており、「OFF」−「OFF」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0070】
(変形例5)
図22に示されるように、1種類の第1加工具4A4と、1種類の第2加工具4B5とが、使用されている。第2加工具4B5は、上面の加工面461に凹部4613であるミシン受刃を有しており、下面の加工面463が平面状のミシン受刃であり、更に、両側面にスライド溝4621、4641を有している。なお、
図22では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0071】
図22(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B5が凹部4613を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B5のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図22(a)の第1加工態様では、「ON」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0072】
図22(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B5が凹部4613を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A4がミシン刃4113を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B5のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図22(b)の第2加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0073】
図22(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B5が加工面463を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B5のスライド溝4621に嵌入している。そして、
図22(c)の第3加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0074】
図22(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B5が加工面463を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A4がミシン刃4113を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B5のスライド溝4621に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図22(d)の第4加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0075】
なお、本変形例において、第1加工態様及び第2加工態様は、ミシン刃4113の先端が第2加工具4B5の加工面461の凹部4613の底面に接触することなくミシン目加工するようになっているので、第3加工態様及び第4加工態様に比して、ミシン刃4113の摩耗を抑制することができる。また、第3加工態様及び第4加工態様は、シート100を第2加工具4B5の加工面463に押し当てた状態でミシン目加工するので、第1加工態様及び第2加工態様に比して、シート100のミシン目加工部分が、第2加工具4B5側に膨らむことを抑制することができる。
【0076】
(変形例6)
図23に示されるように、2種類の第1加工具4A4、4A5と、1種類の第2加工具4B4とが、使用されている。第1加工具4A5は、加工面411にマイクロミシン刃4114を有しており、その他は第1加工具4A1と同じである。なお、
図23では、第1受容体5A及び第2受容体5Bは、
図12と同じであるので図示を省略している。
【0077】
図23(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B4が加工面461を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図23(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0078】
図23(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B4が加工面461を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A4がミシン刃4113を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図23(b)の第2加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0079】
図23(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A5がマイクロミシン刃4114を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B4が加工面461を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A5のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入している。そして、
図23(c)の第3加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0080】
図23(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B4が加工面461を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A5がマイクロミシン刃4114を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B4のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部581が第1加工具4A5のスライド溝4121に嵌入している。そして、
図23(d)の第4加工態様では、「ON」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0081】
(変形例7)
図24に示されるように、2種類の第1加工具4A4、4A6と、2種類の第2加工具4B6、4B7とが、使用されている。第1加工具4A6は、加工面411にクリース凸刃4111を有しており、後側面の上下方向中央にスライド溝4121を有しており、前側面にスライド溝4141を有している。スライド溝4141は中央より高い位置(上面413側に寄った位置)にある。第2加工具4B6は、上面である加工面461にクリース凹刃4611を有しており、下面である加工面463にクリース凹刃4612を有しており、後側面にスライド溝4621、4622を有しており、前側面にスライド溝4641、4642を有している。スライド溝4621、4641は上下方向中央にあり、スライド溝4622は中央より低い位置(加工面463側に寄った位置)にあり、スライド溝4642は中央より高い位置(加工面461側に寄った位置)にある。第2加工具4B7は、上面である加工面461にミシン受刃4613を有しており、後側面の中央より低い位置(下面463側に寄った位置)にスライド溝4623を有している。第2受容体5Bは、加工具のスライド溝に嵌入する凸部582を、第1受容体5Aの凸部521と同じ後側であって中央より低い位置に、有している。
【0082】
図24(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A6が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B6が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A6のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B6のスライド溝4622に嵌入している。そして、
図24(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果(第1態様検知結果)が得られる。
【0083】
図24(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B6が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A6が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B6のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第1加工具4A6のスライド溝4141に嵌入している。そして、
図24(b)の第2加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果(第2態様検知結果)が得られる。
【0084】
図24(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A6が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B6が凹刃4612を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A6のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B6のスライド溝4642に嵌入している。そして、
図24(c)の第3加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果(第3態様検知結果)が得られる。
【0085】
図24(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B6が凹刃4612を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A5が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B6のスライド溝4621に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第1加工具4A6のスライド溝4141に嵌入している。そして、
図24(d)の第4加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果(第4態様検知結果)が得られる。
【0086】
図24(e)の第5加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B7が凹部4613を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B7のスライド溝4623に嵌入している。そして、
図24(e)の第5加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果(第5態様検知結果)が得られる。
【0087】
なお、
図24(f)の第6加工態様は、加工具の無い状態を示しており、「OFF」−「OFF」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0088】
可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果が第1、第2、第3、第4、又は第5態様検知結果である場合には「可」と判定し、第1、第2、第3、第4、及び第5態様検知結果のいずれでもない場合には「否」と判定するようになっている。
【0089】
なお、本変形例において、第1加工態様と第3加工態様とは、クリース凹刃の幅が異なるだけであるので、加工部検知結果は同じになるように設定されている。ちなみに、凹刃の幅が異なると、クリース加工部分の輪郭の鮮明さが異なる。具体的には、凹刃が幅狭であると輪郭は鮮明になり、凹刃が幅広であると輪郭はぼやける。使用者は何れかを任意に選択すればよい。第2加工態様と第4加工態様も同様である。
【0090】
(変形例8)
図25に示されるように、2種類の第1加工具4A1、4A4と、2種類の第2加工具4B1、4B4とが、使用されている。但し、第1加工具と第2加工具とは、一体化されている。
【0091】
更に、加工部検知機構7は、1対のセンサー7A1(又は7A2)のみと、1対のセンサー7B1(又は7B2)のみと、を有している。そして、センサー7A1(又は7A2)は、識別部から、
図26に示されるような検知結果を得ることができるようになっている。すなわち、(a)「ON」及び(b)「OFF」の2通りの検知結果を得るようになっている。センサー7B1(又は7B2)も同じである。
【0092】
図25(a)の第1加工態様では、第1加工具4A1が凸刃4111を下に向けた状態で、且つ、第2加工具4B1が凹刃4611を上に向けた状態で、両加工具が一体化されている。そして、
図25(a)の第1加工態様では、「ON」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0093】
図25(b)の第2加工態様では、第2加工具4B1が凹刃4611を下に向けた状態で、且つ、第1加工具4A1が凸刃4111を上に向けた状態で、両加工具が一体化されている。そして、
図25(b)の第2加工態様では、「OFF」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0094】
図25(c)の第3加工態様では、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で、且つ、第2加工具4B4が加工面461を上に向けた状態で、両加工具が一体化されている。そして、
図25(c)の第3加工態様では、「ON」−「ON」という加工部検知結果が得られる。
【0095】
なお、
図25(d)の第4加工態様は、加工具の無い状態を示しており、「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0096】
(変形例9)
図27に示されるように、3種類の第1加工具4A4、4A6、4A7と、2種類の第2加工具4B6、4B8とが、使用されている。第1加工具4A7は、クリース凸刃4112がクリース凸刃4111より幅狭である点のみが第1加工具4A6とは異なっている。第2加工具4B8は、上面である加工面461に凹部であるミシン受刃4613を有しており、下面である加工面463が平面状のミシン受刃となっており、後側面の中央より低い位置(加工面463側に寄った位置)にスライド溝4623を有しており、前側面の中央より高い位置(加工面461に寄った位置)にスライド溝4643を有している。また、第1受容体5A及び第2受容体5Bは変形例7と同じである。
【0097】
更に、加工部検知機構7において、第1受容体用センサー7Aは3対のセンサー7A1、7A2、7A3を有しており、第2受容体用センサー7Bも3対のセンサー7B1、7B2、7B3を有している。そして、第1受容体用センサー7Aは、識別部から、
図28に示されるような検知結果を得ることができるようになっている。すなわち、(a)「OFF」−「OFF」−「OFF」、(b)「ON」−「OFF」−「OFF」、(c)「OFF」−「ON」−「OFF」、(d)「OFF」−「OFF」−「ON」、(e)「ON」−「ON」−「OFF」、(f)「OFF」−「ON」−「ON」、(g)「ON」−「OFF」−「ON」、及び(h)「ON」−「ON」−「ON」の8通りの検知結果を得るようになっている。第2受容体用センサー7Bも同じである。
【0098】
図27(a)の第1加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A6が凸刃4111を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B6が凹刃4611を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A6のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B6のスライド溝4622に嵌入している。そして、
図27(a)の第1加工態様では、「ON」−「ON」−「ON」−「ON」−「ON」−「OFF」という加工部検知結果(第1態様検知結果)が得られる。
【0099】
図27(b)の第2加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B6が凹刃4611を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A6が凸刃4111を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B6のスライド溝4641に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第1加工具4A6のスライド溝4141に嵌入している。そして、
図27(b)の第2加工態様では、「OFF」−「ON」−「ON」−「ON」−「ON」−「ON」という加工部検知結果(第2態様検知結果)が得られる。
【0100】
図27(c)の第3加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A7が凸刃4112を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B6が凹刃4612を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A7のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B6のスライド溝4642に嵌入している。そして、
図27(c)の第3加工態様では、「ON」−「OFF」−「ON」−「OFF」−「ON」−「ON」という加工部検知結果(第3態様検知結果)が得られる。
【0101】
図27(d)の第4加工態様では、第1受容体5Aに、第2加工具4B6が凹刃4612を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第1加工具4A7が凸刃4112を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第2加工具4B6のスライド溝4621に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第1加工具4A7のスライド溝4141に嵌入している。そして、
図27(d)の第4加工態様では、「ON」−「ON」−「OFF」−「ON」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果(第4態様検知結果)が得られる。
【0102】
図27(e)の第5加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B8が凹部4613を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B8のスライド溝4623に嵌入している。そして、
図27(e)の第5加工態様では、「OFF」−「ON」−「OFF」−「ON」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果(第5態様検知結果)が得られる。
【0103】
図27(f)の第6加工態様では、第1受容体5Aに、第1加工具4A4がミシン刃4113を下に向けた状態で受容されており、第2受容体5Bに、第2加工具4B8が加工面463を上に向けた状態で受容されている。すなわち、第1受容体5Aでは、凸部521が第1加工具4A4のスライド溝4121に嵌入しており、第2受容体5Bでは、凸部582が第2加工具4B8のスライド溝4643に嵌入している。そして、
図27(f)の第6加工態様では、「OFF」−「ON」−「OFF」−「OFF」−「OFF」−「ON」という加工部検知結果(第6態様検知結果)が得られる。
【0104】
なお、
図27(g)の第7加工態様は、加工具の無い状態を示しており、「OFF」−「OFF」−「OFF」−「OFF」−「OFF」−「OFF」という加工部検知結果が得られる。
【0105】
可否判定部81は、加工部検知機構7の加工部検知結果が第1、第2、第3、第4、第5、又は第6態様検知結果である場合には「可」と判定し、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6態様検知結果のいずれでもない場合には「否」と判定するようになっている。
【0106】
(変形例10)
図29のシート加工機3では、加工部4を一体的に着脱できるようになっている。具体的には、
図30に示されるように、第1加工具4Aの第1加工本体41と第2加工具4Bの第2加工本体46とが、少なくとも長手方向基端部において連結部材91によって連結されることにより、一体化されており、左側板33の開口330を通して出し入れできるようになっている。この一体化された加工部4は、開口330を通して取り出した後に、上下反転させて、開口330を通して受容部5に装着できる。また、取手421、471を第1、第2加工本体41、46から取り外すことで、連結部材91による第1加工本体41と第2加工本体46との連結を解除することができる。そして、他の種類の加工本体に、容易に取り換えることができる。例えば、クリース加工用の加工本体からミシン目加工用の加工本体に、容易に取り換えることができる。
【0107】
この構成によれば、加工部4の着脱作業及び加工部4の上下反転作業を、容易に行うことができる。また、加工部4の加工種類の変更を、容易に行うことができる。
【0108】
(変形例11)
図31のシート加工機3では、加工部4を一体的に着脱できるようになっている。具体的には、第1加工具4Aと、第2加工具4Bとが、長手方向先端部の連結部材92と基端部の連結部材93とによって連結されることにより、一体化されており、1本の取っ手491と1個のハンドル492を把持して、左側板33の開口330を通して出し入れできるようになっている。この一体化された加工部4は、開口330を通して取り出した後に、上下反転させて、開口330を通して外枠体30(
図2)に装着できる。また、他の種類の加工部4に、容易に取り換えることができる。例えば、クリース加工用の加工部4からミシン目加工用の加工部4に、容易に取り換えることができる。
【0109】
この構成によれば、加工部4の着脱作業及び加工部4の上下反転作業を、容易に行うことができる。また、加工部4の加工種類の変更を、容易に行うことができる。なお、加工態様は、
図25に示されるように設定できる。
【0110】
(変形例12)
図32のシート加工機3では、加工部4を一体的に着脱できるようになっている。具体的には、第1受容体51Aが右側板32に固定され、第2受容体51Bが左側板33に固定されている。そして、第1加工具4Aと第2加工具4Bとは、長手方向先端部が、第1受容体51Aにより上下スライド可能に支持され、長手方向基端部が第2受容体51Bにより上下スライド可能に支持され、これによって、外枠体30内に装着される。第1加工具4Aと第2加工具4Bとは、長手方向先端部の連結部材92と長手方向基端部の連結部材93とによって連結されることにより、一体化されており、天板31が取り外された外枠体30から上方向へ出し入れできるようになっている。また、外枠体30は、装置本体10に固定されており、天板31は、
図32において図示省略している摘みネジ36によって、装置本体10に対して、着脱自在に固定できるようになっている。この一体化された加工部4は、外枠体30から上方向へ取り出した後に、上下反転させて、外枠体30内に上から装着できる。
【0111】
第1加工具4Aと第2加工具4Bとの間には、スプリング401が設けられており、第1加工具4Aと第2加工具4Bとは、常時、互いに離間する方向へ付勢されている。押圧機構6は、第2加工具4Bの下側に配置されている。また、天板31には、第1受容体51Aに上方から当接する調整ダイヤル66が設けられており、第1加工具4Aは、調整ダイヤル66によって高さ位置が調整されるようになっている。更に、天板31の裏面には、センサー7C、7Dが設けられている。センサー7C、7Dは、第1加工具4Aが上側に位置している場合には、第1加工具4Aに設けられた検出板43Aを検知して、「ON」−「OFF」という検知結果を得るようになっており、第2加工具4Bが上側に位置している場合には、第2加工具4Bに設けられた検出板48Aを検知して、「ON」−「ON」という検知結果を得るようになっている。
【0112】
この構成によれば、加工部4の着脱作業及び加工部4の上下反転作業を、容易に行うことができる。
【0113】
(変形例13)
図33〜
図36は、受容部5への加工部4の取付作業を補助する取付補助部材を、備えたシート加工装置1を示している。左側斜視図である
図33及び右側斜視図である
図34に示されるように、ここでは、2台のシート加工機3が装置本体10に固定されている。
図35は、
図33の要部拡大図である。
図36は、
図34の要部拡大図である。装置本体10は、加工部4を出し入れするための開口120を有しており、開口120内に、取付補助部材95を有している。
【0114】
取付補助部材95は、加工具を第1受容体5Aに取り付ける際に加工本体をスライドさせながら第1受容体5Aに向けて方向付ける上側板部材951と、加工具を第2受容体5Bに取り付ける際に加工本体をスライドさせながら第2受容体5Bに向けて方向付ける下側板部材952と、を有している。
【0115】
上側板部材951は、幅方向Wに沿って且つ第1受容体5Aに向けて延びた、テーパ部9511及び水平部9512を有している。テーパ部9511は、上方から下方に傾斜している。水平部9512には、加工本体が幅方向Wから外れないように規制する下向きの側板部9513が形成されている。
【0116】
下側板部材952は、幅方向Wに沿って且つ第2受容体5Bに向けて延びた、テーパ部9521及び水平部9522を有している。テーパ部9521は、下方から上方に傾斜している。水平部9522には、加工本体が幅方向Wから外れないように規制する上向きの側板部9523が形成されている。
【0117】
この構成によれば、加工具を第1受容体5A及び第2受容体5Bに容易に取り付けることができる。
【0118】
なお、取付補助部材95は、第1受容体5Aのみ又は第2受容体5Bのみに対応して、設けられてもよい。
【0119】
また、取付補助部材95は、装置本体10ではなく、シート加工機3に設けられてもよい。その場合は、例えば、取付補助部材95は、左側板33の外側に設けられる。
【0120】
(変形例14)
上述した実施形態及び変形例では、上面だけでなく下面にも加工面を有する加工具を使用する場合があるが、上面及び/又は下面だけでなく側面にも加工面を有する加工具を使用してもよい。その場合には、加工具は、上下前後に回転変位させることによって、加工面とされた側面を上又は下に向けた状態で、受容部に装着する。この場合、使用する加工具は、上下寸法だけでなく、前後寸法も、略同一であり、すなわち、横断面正方形状を有している。これにより、受容体において、加工具を前後に回転変位させて、前側面又は後側面を下に向けて、加工を行うことができる。
【0121】
例えば、一方の加工具が、上面、下面、及び両側面の、全てに、平面状のミシン受け刃を有している場合には、他方の加工具のミシン刃と接触して摩耗したミシン受け刃を、加工具を回転変位させることによって、摩耗していない他のミシン受け刃に、容易に変更できる。
【0122】
(変形例15)
受容部5が、第1受容体5Aのみ又は第2受容体5Bのみからなっている。
【0123】
(変形例16)
加工具のスライド溝に嵌入する凸部が、上述のように断続的に設けられたものではなく、長手方向に連続したものである。
【0124】
(変形例17)
第1加工具4A及び/又は第2加工具4Bが、3種類以上用意されている。
【0125】
(変形例18)
第1加工具4A及び/又は第2加工具4Bが、横断面多角形状、例えば、横断面正六角形状又は横断面正八角形状を有しており、任意の多数の面に加工面を有しており、任意の加工面を下に向けるように回転変位させた状態で受容体に受容できるようになっている。
【0126】
(変形例19)
図37に示されるように、装置本体10が、開口120を開閉するシャッタ121を備えている。シャッタ121は、ノブ122を掴んで手動で開閉作動させるようになっている。装置本体10は、シャッタ121が閉じると押されるスイッチ123を、備えており、スイッチ123が押されている時のみ、シート加工機3の作動を許容するようになっている。シャッタ121の内面には、樹脂製の薄板124が貼付けられている。
【0127】
本変形例によれば、次のような効果を発揮できる。
(a)シート加工機3の作動中において、加工具4A、4Bが受容体から抜け出ようとするのをシャッタ121によって防止できる。
(b)加工具4A、4Bが受容体から少しだけ抜け出して、加工具4A、4Bのハンドル422、472がシャッタ121に干渉しても、ハンドル422、472は樹脂製の薄板124と擦れ合うだけであるので、シート加工機3における加工具4A、4Bの上下作動に支障は生じない。
(c)スイッチ123により、シャッタ121が閉じている時のみシート加工機3は作動するので、シャッタ121が開いた状態でシート加工機3が作動するのを防止でき、よって、作業者の安全を確保できる。