特許第6947405号(P6947405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社高尾の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947405
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210930BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2018-220003(P2018-220003)
(22)【出願日】2018年11月26日
(65)【公開番号】特開2020-81358(P2020-81358A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2020年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】福原 弘修
(72)【発明者】
【氏名】中谷 竜二
(72)【発明者】
【氏名】水野 嘉中
(72)【発明者】
【氏名】本田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】森下 悟
【審査官】 井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−135453(JP,A)
【文献】 特開2018−075283(JP,A)
【文献】 特開2018−166999(JP,A)
【文献】 特開2018−061565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果を示す結果図柄を、第1特別図柄の変動表示を経て確定表示する第1特別図柄表示装置と、
第2始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果を示す結果図柄を、第2特別図柄の変動表示を経て確定表示する第2特別図柄表示装置と、
前記第1特別図柄表示装置若しくは前記第2特別図柄表示装置に前記特別図柄判定の結果が当りであること示す結果図柄が確定表示された後に大入賞口を開放させる当り遊技を開始させる当り遊技実行手段と、
遊技状態を、前記当り遊技を実行する当り遊技状態、通常遊技状態、若しくは、該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段と、
を備え、
所定の発射威力未満で発射された遊技球が流下する可能性が高い第1遊技領域と、前記所定の発射威力以上で発射された遊技球が流下する可能性が高い第2遊技領域とに、遊技球を打ち分けて発射可能であり、前記第1遊技領域に前記第1始動口を配置し、前記第2遊技領域に前記第2始動口、前記大入賞口を配置するとともに、
前記第2始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果が、前記第1始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果よりも、遊技者にとって有利な結果となる可能性が高い遊技機であって、
前記特別図柄判定の結果が前記当りである場合のみにしか実行されない特殊演出を、当該判定結果が表示される前に実行する特殊演出実行手段と、
前記通常遊技状態において、前記特別図柄判定の結果が当りであることを示す結果図柄が確定表示された後に前記第2遊技領域への遊技球の発射を促す報知を実行する右打ち報知手段と、
前記第2遊技領域に設けられた遊技球検出手段に遊技球が検出されたことに起因して、注意報知を実行する注意報知手段と、を備え、
前記注意報知手段は、前記遊技状態設定手段が前記遊技状態を前記通常遊技状態に設定され、前記右打ち報知手段により前記第2遊技領域への遊技球の発射を促す報知が行われていない場合であっても、前記特殊演出が実行された後から前記特別図柄判定の結果が当りであることを示す結果図柄が確定表示される前の所定期間において、前記遊技球検出手段によって遊技球が検出されても前記注意報知を実行しないようにしたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、本発明を「弾球遊技機(パチンコ機)」に対して好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
通常、弾球遊技機は、第1始動口と、第2始動口と、大入賞口とを遊技領域に備え、第1始動口若しくは第2始動口に遊技球が入球することに起因して、特別図柄に関する当否判定(以下、特別図柄判定ということがある)を実行する。そして、特別図柄判定の判定結果が大当りになることに基づき、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行する。
また、この種の弾球遊技機は、移行可能な遊技状態として、通常の状態で特別図柄判定を行う通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態で特別図柄判定を行う特別遊技状態(時短状態、確変状態等)と、大当り遊技を行う大当り遊技状態と、を備える。
【0003】
かかる弾球遊技機の多くにおいて、遊技領域が「遊技球の発射強度が弱いと到達する可能性が高い左打ち領域(第1遊技領域)」と、「遊技球の発射強度が強いと到達する可能性が高い右打ち領域(第2遊技領域)」とを備える。そして、移行する遊技状態に応じて遊技球の発射強度を調節し、遊技球の到達位置を調整する設計となっている。
つまり、遊技者に対して、「通常遊技状態には発射強度を弱めさせ、遊技球を左打ち領域に到達させる所謂「左打ち」を実行させ、大当り遊技中(大当り遊技状態)及び特別遊技状態(確変状態、時短状態など)には発射強度を強めさせ、遊技球を「右打ち領域」に到達させる所謂「右打ち」を実行させる」仕様となっている。
【0004】
より具体的には、(1)第1始動口への入球に起因して行われる特別図柄に関する当否判定(以下、第1特別図柄判定ということがある)よりも第2始動口への入球に起因して行われる特別図柄に関する当否判定(以下、第2特別図柄判定ということがある)の方が遊技者にとって有利な判定結果が出るようする。また、(2)通常遊技状態時における第2始動口への入球による当否判定(第2特別図柄判定)の判定結果が出るまでの時間を、第1始動口への入球による当否判定(第1特別図柄判定)の判定結果が出るまでの時間よりも長くし、第2始動口への入球による遊技効率を低くする。しかも、(3)第1始動口を遊技球が左打ちされた際に入球し易い位置に配置し、第2始動口及び大入賞口を右打ちされた際に入球し易い位置に配置する仕様(遊技盤の盤面構成)とする。
【0005】
また、通常遊技状態時において、「弾球遊技機の仕様に反し、右打ちを行う行為」を防止するための構成が種々提案されている。つまり、通常遊技状態において右打ちされたことを検出すると警告音を出力する弾球遊技機等が提案されている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−202246号公報
【特許文献2】特開2018−89089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、遊技球を左打ちしている状態で大当り遊技が開始された場合には、遊技球の発射強度を強くし、遊技球の右打ちを開始することが必要となるが、大入賞口の開放が既に行われているにも関わらず、そのことに気が付くまでに時間がかかる遊技者が多数存在する。特に、最近の弾球遊技機には、リーチ演出から続く演出を大当り遊技中も継続して行うことで(長い時間を利用して)、ストーリー性を持った演出を行い、遊技者を楽しませるといった機種も多く存在するが、この機種においては、遊技者が大入賞口の開放に気付くことが遅れる可能性が高くなる。
【0008】
このように、大入賞口が開放されているにも係わらず、そのことに気が付かないと大入賞口の開放時間には最大開放時間が定められているので、遊技者は、本来、得られるはずの賞球が得られない可能性がある等、種々の不利益を被る可能性もある。特に、遊技球を通過させることが所定の利益を得るための条件となる特定領域(例えば、「大当りラウンドを次のラウンドへの移行条件である継続口」に繋がる領域、「大当り遊技終了後に高確率状態に移行させるための確変口」に繋がる領域等)が、大入賞口内に設けられている場合には、大入賞口の開放を見逃し、特定領域に遊技球を通過させることができなかった場合には、更なる不利益を被る可能性もある。
【0009】
一方、かかる不利益を避けたい遊技者としては、特別図柄判定の判定結果が大当りとなることを確信した段階で、無駄球を覚悟しつつ、早めに右打ちを行うことがある。
しかし、上記特許文献1及び特許文献2の弾球遊技機によると、以下のような問題を生ずる。
つまり、大当り遊技を開始する前の遊技状態が通常遊技状態である場合には、右打ちを行うと上記のように、大音量の警告音が出力されてしまい、遊技者としては不正を行ったわけでもないのに警告を受け、不快に感じるといった問題を生ずることがある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、仕様に反し、正当な遊技を進行する上で特に必要とならない右打ちを防止しつつ、遊技者に不快感を与えない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の遊技機は、
第1始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果を示す結果図柄を、第1特別図柄の変動表示を経て確定表示する第1特別図柄表示装置と、
第2始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果を示す結果図柄を、第2特別図柄の変動表示を経て確定表示する第2特別図柄表示装置と、
前記第1特別図柄表示装置若しくは前記第2特別図柄表示装置に前記特別図柄判定の結果が当りであること示す結果図柄が確定表示された後に大入賞口を開放させる当り遊技を開始させる当り遊技実行手段と、
遊技状態を、前記当り遊技を実行する当り遊技状態、通常遊技状態、若しくは、該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に設定可能な遊技状態設定手段と、
を備え、
所定の発射威力未満で発射された遊技球が流下する可能性が高い第1遊技領域と、前記所定の発射威力以上で発射された遊技球が流下する可能性が高い第2遊技領域とに、遊技球を打ち分けて発射可能であり、前記第1遊技領域に前記第1始動口を配置し、前記第2遊技領域に前記第2始動口、前記大入賞口を配置するとともに、
前記第2始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果が、前記第1始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定の結果よりも、遊技者にとって有利な結果となる可能性が高い遊技機であって、
前記特別図柄判定の結果が前記当りである場合のみにしか実行されない特殊演出を、当該判定結果が表示される前に実行する特殊演出実行手段と、
前記通常遊技状態において、前記特別図柄判定の結果が当りであることを示す結果図柄が確定表示された後に前記第2遊技領域への遊技球の発射を促す報知を実行する右打ち報知手段と、
前記第2遊技領域に設けられた遊技球検出手段に遊技球が検出されたことに起因して、注意報知を実行する注意報知手段と、を備え、
前記注意報知手段は、前記遊技状態設定手段が前記遊技状態を前記通常遊技状態に設定され、前記右打ち報知手段により前記第2遊技領域への遊技球の発射を促す報知が行われていない場合であっても、前記特殊演出が実行された後から前記特別図柄判定の結果が当りであることを示す結果図柄が確定表示される前の所定期間において、前記遊技球検出手段によって遊技球が検出されても前記注意報知を実行しないようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明によると、当該遊技機に想定した遊技仕様に反した遊技(通常遊技状態時における、利益目的の右打ち)を防止しつつ、遊技者が不利益を被ることを防止するための行為(正当な遊技を進行する上で許容できる右打ち)によって、遊技者に不快な思いをさせないようにすることが出来る。
【0013】
つまり、特別図柄の変動中に特殊演出が出現すると、遊技者は結果図柄が確定表示される前に、追って大当り遊技が開始されることを確信する。そして、この確信した時点の遊技状態が、たとえ通常遊技状態であっても、無駄球を覚悟しつつ、早めに右打ちを開始し、大当り遊技の開始に備えることとしても、注意報知を実行されることがない。このため、特殊演出の出現後に右打ちを行っても、遊技者に不快感を与えない。なお、本発明において、当り遊技を実行する当り遊技状態では、第1特別図柄判定や第2特別図柄判定が実行されない。
【0014】
本発明において「当り」は、(a)大当りのみであっても、(b)大当りの他に、特別図柄判定が大当りでない場合に生じ得る小当りを含んでもよい。そして、前者(a)の場合においては、当り遊技として大当り遊技を実行し、後者(b)の場合においては、当り遊技として大当り遊技と、大当り遊技よりも有利度が低い小当り遊技を実行する。また、大当り遊技を実行する遊技状態が大当り遊技状態であり、小当り遊技を実行する遊技状態が小当り遊技状態である。
本発明の「特別遊技状態」とは、特別図柄判定(第1特別図柄判定や第2特別図柄判定)を、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態で実行可能な遊技状態である。
具体的には、「特別遊技状態」として、例えば、(a)特別図柄判定(第1特別図柄判定や第2特別図柄判定)の判定結果が大当りとなる確率を通常確率から、該通常確率よりも高い確率(高確率)に変動させる確率変動手段、(b)第2特別図柄判定の単位時間当りの実行頻度を高くする第2特別図柄判定頻度向上手段とのうち、少なくとも一方が作動する状態等を例示できる。なお、第2特別図柄判定頻度向上状態としては、(1)「第2始動口」が、遊技球が入球困難若しくは入球不能な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化する場合において、当該開放時間を延長する開放延長手段、(2)特別図柄の変動時間を短縮する動短縮手段と、のうちの少なくとも一方が作動する状態を例示できる。なお、本明細書において、開放延長手段及び変動短縮手段の双方が作動する状態を「時短状態」という。
【0015】
本発明において、「第2始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定(第2特別図柄判定)の結果が、第1始動口に遊技球が入球した際に抽出した数値データをもとに行われる特別図柄判定(第1特別図柄判定)の結果よりも遊技者にとって有利な結果となる可能性が高いこと」とは、例えば、(1)第2特別図柄判定の判定結果が大当りとなった場合には、第1特別図柄判定の判定結果が大当りとなった場合よりも、獲得可能な賞球数が多い大当り遊技が選択される確率が高いこと、(2)第2特別図柄判定の判定結果が小当りとなる確率が、第1特別図柄判定の判定結果が小当りとなる確率よりも高いこと(第1特別図柄判定の判定結果が小当りとなる確率が「ゼロ」であることを含む)、(3)第2特別図柄判定の判定結果が大当りとなった場合には、第1特別図柄判定の判定結果が大当りとなった場合よりも、大入賞口内の「通過することが所定の利益を得るための条件となる特定領域(確変口、継続口等)」を通過させることが容易な大当り遊技(確変口、継続口等に入球し易い開放パターンで大入賞口を開放させる大当り遊技)を実行する可能性を高くすること、等を例示できる。或いは、(1)〜(3)のうちの2個若しくは3個の組み合わせを例示できる。
【0016】
また、本発明において、第2始動口は、常時入球可能な構成であってもよいし、普通図柄が当り図柄で確定表示された場合のみ入球可能な構成であってもよい。後者の場合には、普通図柄判定の起因となる普通図柄作動ゲートを少なくとも第2遊技領域に配置する構成となる。
【0017】
本発明では、通常遊技状態時における第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄に比べて長くすると、仕様に反した「無用の右打ち」を防止するために効果的となる。蓋し、通常遊技状態時において、第2始動口に遊技球を入球させて遊技を進行する効率を、第1始動口に遊技球を入球させて遊技を進行する効率よりも低くすることで、通常遊技状態時に第2始動口に遊技球を入球させる行為を抑制することができるからである。特に、通常遊技状態時に第2始動口に遊技球を入球させた場合において、第2特別図柄の変動時間を極めて長い時間(例えば、平均変動時間1分以上)にすると、第2始動口に遊技球を入球させる行為をより確実に抑制することができる。
【0018】
本発明において、「特殊演出」を特別図柄判定(第1特別図柄判定若しくは第2特別図柄判定)の結果が当り(例えば、大当り)の場合に必ず実行することしてもよいし、実行する場合と実行しない場合を備えたりしてもよい。例えば、特別図柄判定(第1特別図柄判定若しくは第2特別図柄判定)の結果が当り(例えば、大当り)の場合に乱数抽選を行い、乱数抽選の結果が当選であると「特殊演出」を実行し、乱数抽選の結果が落選であると「特殊演出」を実行しないこととしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の遊技機によると、仕様に反し、正当な遊技を進行する上で特に必要とならない右打ちを防止しつつ、遊技者に不快感を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】パチンコ機50の正面図。
図2】遊技盤1の正面図。
図3】(a)及び(b)は確変決定装置100の説明図。
図4】パチンコ機50の背面図。
図5】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
図6】パチンコ機50の作動内容、仕様等を示す図表。
図7】(a)及び(b)はパチンコ機50が実行する大当り遊技の内容を示す図表、(c)は第2大入賞口に設けられたシャッターの駆動態様を示すタイムチャート。
図8】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
図9】普図始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャート。
図10】(a)は左打ち検出処理の制御内容を示すフローチャート、(b)はパチンコ機50が移行可能な遊技状態を示す図表。
図11】普図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
図12】普図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャート。
図13】(a)は普図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャート、(b)は普図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャート。
図14】普通図柄遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
図15】(a)は普通図柄遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャート、(b)は普通図柄遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャート。
図16】特図始動入賞確認処理のフローチャート。
図17】特別図柄に関する当否判定処理のフローチャート1。
図18】特別図柄に関する当否判定処理のフローチャート2。
図19】特別図柄に関する当否判定処理のフローチャート3。
図20】特別図柄に関する当否判定処理のフローチャート4。
図21】大当り遊技処理の内容を示すフローチャート1。
図22】大当り遊技処理の内容を示すフローチャート2。
図23】大当り遊技処理の内容を示すフローチャート3。
図24】大当り遊技処理の内容を示すフローチャート4。
図25】(a)演出表示装置に表示される左打ち遊技用表示画面の具体例を示す説明図、(b)演出表示装置に表示される右打ち遊技用表示画面の具体例を示す説明図。
図26】演出表示装置に表示される演出表示例を示す説明図。
図27】演出表示装置に表示される演出表示例を示す説明図。
図28】サブ統合制御装置83が実行する演出態様設定処理を示すフローチャート。
図29】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
図30】(a)は大当り用演出パターン(特殊演出無し)を説明するための図表、(b)は大当り用演出パターン(特殊演出有り)を説明するための図表、(c)は特殊演出の開始時期等を説明するための説明図。
図31】大当り用演出パターンテーブル(特殊演出有り)を説明するための図表。
図32】(a)はサブ統合制御装置83が実行する注意報知開始処理を示すフローチャート、(b)は注意報知開始処理の変形例を説明するための説明図。
図33】(a)はサブ統合制御装置83が実行する注意報知停止処理を示すフローチャート、(b)は注意報知停止始処理の変形例を説明するための説明図。
図34】(a)はサブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート、(b)は演出停止処理の変形例を説明するための説明図。
図35】本発明の特徴を説明するためのタイムチャート。
図36】実施例2のパチンコ機50の遊技の流れを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0022】
(1)実施例1
【0023】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図4に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0024】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0025】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカにより出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0026】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。図2に示すように、遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。本実施例の遊技領域3は、遊技球の所定の強度で発射したときに遊技球が流下する左打ち領域3Lと、前記所定の強度よりも強く発射したときに遊技球が流下する右打ち領域3Rとに分けられる。遊技者は遊技球の発射強度を調整することで、左打ち領域3Lと右打ち領域3Rに打ち分けて発射することが可能となっている。
【0027】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する)の画面6aを臨ませる窓等を備えている。センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。
普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
また、第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
第2始動口12への入球により第2特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。これら乱数に応じて第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄判定)が実行され、大当り又は外れの判定結果が得られる。
【0028】
センターケース5のほぼ直下には、常時入球(入賞)可能な第1始動口11(第1特別図柄に対応する始動口)が配置されている。第1始動口11は、植設された遊技釘及びセンターケース5の成型形状により、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球困難な構成となっているが、左打ち領域3Lを流下した遊技球が入球し易い位置に配置されている。また、第1始動口11は、入球により第1特別図柄の当否判定が実行される起因となる入球口である。
第1始動口11への入球により第1特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第1特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。これら乱数に応じて第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄判定)が実行され、大当り又は外れの判定結果が得られる。
【0029】
なお、本実施例では、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12とがユニット化されているため、普通図柄作動ゲート17を通過し、第2始動口12の近傍に到達した遊技球は、第2始動口12が開放状態であると、第2始動口12に入球し易くなっている。
また、左打ち領域3Lは「第1遊技領域」の具体例を構成し、右打ち領域3Rは「第2遊技領域」の具体例を構成する。そして、遊技球の発射強度が所定未満であると遊技球は左打ち領域3Lを流下し、遊技球の発射強度が所定以上であると、遊技球は右打ち領域3Rを流下する可能性が高い。
【0030】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない一般入賞口である。
【0031】
普通図柄作動ゲート17と、第2始動口12と、第1大入賞口14、第2大入賞口15と、右入賞口34とが右打ち領域3Rに設けられており、右打ち領域3Rを流下する遊技球が入球する可能性が、左打ち領域3Lを流下する遊技球が入球する可能性よりも高くされている。なお、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12とが必ずしもユニット化される必要はなく、右打ち領域3Rにおいて、上方の普通図柄作動ゲート17と下方の第2始動口12を所定の距離を隔てて配置してもよい。
【0032】
また、センターケース5の左側方には、遊技球が左打ち領域3Lに進入すると、高い確率で通過する左打ち検出ゲート17Bが設けられている。そして、第1始動口11、左入賞口31〜33、左打ち検出ゲート17Bには、左打ち領域3Lを流下する遊技球が入球する可能性が、右打ち領域3Rを流下する遊技球が入球する可能性よりも高くされている。なお、本実施例では、左打ち検出ゲート17Bに遊技球が入球しても、普通図柄の当否抽選が実行されないこととしているが(単に遊技球が左打ち領域3Lを流下することを検出する手段とするが)、左打ち検出ゲート17Bへの入球に起因して普通図柄の当否抽選が実行されることとしてもよい。つまり、左打ち検出ゲート17Bを第2の普通図柄作動ゲートとしてもよい。
【0033】
また、本パチンコ機50では、普通図柄作動ゲート17には左打ち領域3Lを流下する遊技球が入球する可能性は無く、左打ち検出ゲート17Bには右打ち領域3Rを流下する遊技球が入球する可能性は無い。
更に、センターケース5に右斜め上部には、可動物5Kが設けられ、特殊演出において(動作可能)駆動可能とされている(図2の一点鎖線K1を参照)。そして、本パチンコ機50では、可動物5Kが演出図柄表示装置6の画面6aの前方まで所定時間移動される演出を、特殊演出の一態様として実行可能である。
また、可動物5Kには、LED・ランプで構成される発光部51Kが設けられている。そして、本パチンコ機50では、発光部51Kを発光される演出も、特殊演出の他態様として実行可能である。
【0034】
第1大入賞口14の右下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄表示装置10と、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。
【0035】
また、第1大入賞口14の右下には、現在の遊技状態を表示するための遊技状態ランプ7Bも配置されている。この遊技状態ランプ7Bは、単一のLEDによって構成され、遊技者に遊技の仕方(遊技球の発射態様、つまり、パチンコ機50の遊技状態が、左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射する状態であるか、右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射する状態であるか)を表示する。例えば、パチンコ機50の遊技状態が、右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射する状態(特別遊技状態若しくは大当り遊技状態)であるときに駆動し(点滅;大当り遊技状態、点灯;特別遊技状態)、左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射する状態(通常遊技状態)であるときに、駆動を停止すること(消灯すること)とされている。
また、通常遊技状態で特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとされた場合、特別図柄の変動中(大当り図柄が確定表示されるまで)には遊技状態ランプ7Bは消灯した状態を維持する。そして、大当り図柄が確定表示され、大当り遊技が開始されると、遊技状態ランプ7Bは点滅状態となる。また、大当り遊技を終了し、特別遊技状態となると遊技状態ランプ7Bは点灯状態となる。
【0036】
また、第1始動口11の下方には、大当り遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(当否判定で当る確率が上昇した状態)となることを決定するための確変決定装置100が配置されている。
ここで、図3(a)及び(b)は、確変決定装置100の詳細を示す正面図である。確変決定装置100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から確変決定装置100内に流れ込む。つまり、第2大入賞口15の内部に設けられたワープ入口から、遊技盤1の裏側に向かった後、ワープ出口101で遊技盤1の表側に至る管状若しくは樋状のワープ経路15Kが設けられている(図2を参照)。
【0037】
そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、排出口103から流出する。
排出口103の下方には、確変状態への移行を決定するための確変口106と、確変口106を閉鎖あるいは開放するシャッター105を備える。
既に述べたように、大当り遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、排出口103から排出されるが、確変口106が閉鎖されているときに排出口103から遊技球が排出されると、該遊技球はシャッター105により、はずれ口104に誘導される(図3(a)参照)。
【0038】
一方、確変口106が開放されているときに排出口103から遊技球が排出されると、確変口106に入球する。この入球した遊技球は、確変口スイッチ106a(遊技球が特定領域に誘導されること検出する検出手段)で検出され、確変口入球フラグがセットされる(図22を参照)。この確変口入球フラグがセットされると大当り遊技終了後に確変状態となることが決定される(図3(b)、図24を参照)。
【0039】
なお、確変決定装置100内に進入した遊技球が確変口106に入球する確率は、大当り遊技の態様によって異なっている。また、第2始動口12への入球に基づいて実行される当否判定(第2特別図柄判定)の結果が大当りとなる場合の方が、第1始動口11への入球に基づいて実行される当否判定(第1特別図柄判定)の結果が大当りとなる場合よりも、遊技球が確変口106に入球する確率が高い大当り遊技を実行する可能性が高くなっている。
【0040】
本パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4参照)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0041】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0042】
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
なお、パチンコ機50には、サブ統合制御装置83に設けられたRAMの内容を保持するバックアップ装置が備えられていない構成となっている。
【0043】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、左打ち検出ゲート17Bに進入した遊技球を検出する左打ち検出スッチ17c、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第2大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ15a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31a〜33a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ34a、確変口106に入球した遊技球を検出する確変口スイッチ106a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
【0044】
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7及び普通図柄保留数表示装置8の点灯や、遊技状態ランプ7Bの駆動(点灯、点滅、消滅)を制御する。
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口14の開閉を制御する。更に、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御し、シャッターソレノイド105cを制御することで、シャッターの開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0045】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0046】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0047】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0048】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0049】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0050】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0051】
次に、図6及び図7を用いて、本実施例のパチンコ機50の作動内容、仕様等を説明する。上述したように、本パチンコ機50は、大当り遊技中、第2大入賞口15に遊技球が入球し、さらに、該遊技球が確変決定装置100の確変口106に遊技球が入球すると確変口スイッチ106aで検出される。そして、確変口スイッチ106aが遊技球を検出すると、確変機能が作動し、大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄判定、第2特別図柄判定)の結果が大当りとなる確率が、高い確変状態となる。ここで、本実施例において確変状態は、後述する時短状態と同じ期間(特別図柄の変動回数が100回になるか、次回の大当りを生ずるまで)継続させることしている。なお、本実施例と異なり、確変状態及び時短状態を次回の大当りまで継続させても良い。
【0052】
また、大当り遊技では、1ラウンド目に第2大入賞口15が開放され、2ラウンド目以降に第1大入賞口14が開放されるという開放パターンを実行する。従って、本パチンコ機50は、形式上、全ての大当りで確変機能が作動する可能性があり、名目上の確変割合は、大当りを発生させた当否判定が対象とした特別図柄の種類(第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるか)や、大当り図柄の態様(図柄11〜14、図柄21〜23、図7(a)及び(b)を参照)に関らず一定(100%)となる。
【0053】
本実施例においては、特別図柄の種類及び大当り図柄の態様に係わらず、1ラウンド目(以下、特定ラウンドという)に第2大入賞口15が30秒を限度に開放され、2ラウンド目以降に第1大入賞口14が30秒を限度に開放される。但し、特別図柄の種類及び大当り図柄の態様に応じて、シャッター105の開閉パターンが異なり、確変口15への入球に難易差を生ずるようにしている。
つまり、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄判定)の結果が大当りとなると、1ラウンド目においてシャッター105の開閉パターンとして、確変口15への入球を困難とする第1開放パターンと、入球を容易とする第2開放パターンがそれぞれ50%の割合で選択される(図7を参照)。
第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄判定)の結果が大当りとなると、1ラウンド目においてシャッター105の開閉パターンとして、確変口106への入球を容易とする第2開放パターンが90%、確変口106への入球を困難とする第1開放パターンが10%の割合で選択される。
【0054】
このように、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄判定)の結果が大当りとなる場合の方が、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄判定)の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に確変機能が作動する可能性が高くなっている。
なお、本実施例では、図7(c)に示すように、シャッター105の開閉パターンとして、確変口106への入球を困難とする第1開閉パターン若しくは確変口106への入球を容易とする第2開閉パターンが選択される。ここで、第1開閉パターンは、第2大入賞口15が開放を開始した後、第1所定時間(0.5秒)を経過すると、シャッター105が第2所定時間(0.5秒)開放状態となり、その後、閉鎖状態となる開閉パターンである。また、第2開閉パターンは、第2大入賞口15が開放を開始した後、第1所定時間(0.5秒)を経過すると、シャッター105が第2所定時間(0.5秒)開放状態となり、その後、0.5秒の閉鎖を挟み、第3所定時間(3秒)開放状態となり、その後、閉鎖状態となる開閉放パターンである。
【0055】
このように、本実施例では、シャッター105の開閉パターンに基づいて確変機能が作動の難易を調整したが、第2大入賞口15の開閉パターンに基づいて確変機能が作動の難易を調整してもよい。例えば、特定ラウンド(確変機能を作動させるか否を決するラウンド)を開始すると、所定時間(0.5秒)を経過後、特定ラウンドを終了するまでシャッター105が開放状態となる。但し、特定ラウンドにおいて、第2大入賞口15の開放時間の長短を調整し、第2大入賞口15の開放時間が短いと確変口106への入球が困難となり、第2大入賞口15の開放時間が長いと確変口106への入球が容易となるようにしてもよい。
【0056】
また、本パチンコ機50では、図6に示すように、通常確率(低確率ともいう)における大当りが発生する確率は、第1特図(第1特別図柄)、第2特図(第2特別図柄)とも1/200であり、高確率状態では第1特図、第2特図とも1/50となっている。大当りが発生した直後の遊技状態が高確率状態となる割合(高確率状態突入率、又は確変付与率という)は第1特図が50%、第2特図が90%となっている。また、大当りが発生した直後には、第1特図、第2特図によらず時短機能を作動する。この時短機能を作動する時短状態では、普通図柄抽選で当選(時短状態の当選確率;199/200)した際の第2始動口12は1秒間、2回開放され、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間は1秒となる。また、通常遊技状態において、普通図柄は平均5秒間変動し、10/200の確率(非時短状態の当選確率;10/200)で当選し、第2始動口12は0.3秒間、1回開放される。このように時短状態では、第2始動口12への入賞が容易となるので、入賞容易状態、或いは電サポともいう。
【0057】
また、第1特図の変動時間は時短状態において普図と同様、短縮されるが、第2特図の変動時間は通常遊技状態において長くされる。このため、通常遊技状態においては、第1始動口11に遊技球を入球させる方が第2始動口12に遊技球を入球させる場合よりも、遊技効率(時間効率)が高くなる。このため、通常遊技状態において、遊技者は専ら、左打ちを行い、第1始動口11への入球を狙うこととなる。
【0058】
ここで、本実施例では、時短状態において、普通図柄抽選で当選したときの第2始動口12の開放時間を延長する開放延長手段と、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短縮する変動短縮手段が作動する。
また、本実施例では(1)確率変動手段(確変機能)と、時短手段(時短機能)を作動させる状態と、(2)確率変動手段(確変機能)を作動させないが、時短手段(時短機能)を作動させる状態が「特別遊技状態」である。
本実施例において、特別遊技状態とは、通常遊技状態に比べて有利な状態で当否判定(特別図柄判定)を実行可能な状態であり、遊技者は専ら右打ちにより遊技を進行する。なお、「特別遊技状態」に、(3)確率変動手段(確変機能)を作動させるが、時短手段(時短機能)を作動させない状態(所謂「潜伏確変状態」)を含めることとしてもよい。
【0059】
本実施例において、第1特図(第1特別図柄)に関する当否判定(第1特別図柄判定)の結果が大当りになると、図7(a)に示すように、図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、第1特図に関する大当り図柄が、図柄11〜図14の何れかに決定される。
このうち、図柄11、12は通常時短有り図柄であり、図柄11、12が確定表示されても、大当り遊技において確変口106への入球が困難となる。このため、通常時短有り図柄が確定表示されても、大当り遊技を実行した後、時短機能が作動し、確変機能を作動しない状態(以下、通常確率・時短状態という)となる可能性が高い。
図柄13、14は特定時短有り図柄であり、図柄13、14が確定表示されると、大当り遊技において確変口106への入球が容易となる。このため、特定時短有り図柄が確定表示されると、大当り遊技を実行した後、確変機能及び時短機能が作動する状態(以下、高確率・時短状態という)となる可能性が高い。
【0060】
本実施例において、第2特図(第2特別図柄)に関する当否判定(第2特別図柄判定)の結果が大当りになると、図7(b)に示すように、図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、第2特図に関する大当り図柄が、図柄21〜図柄23の何れかに決定される。
このうち、図柄21は通常時短有り図柄であり、図柄21が確定表示されても、大当り遊技において確変口106への入球が困難となり、大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態となる可能性が高い。
また、図柄22、23は特定時短有り図柄であり、図柄23、23が確定表示されると、大当り遊技を実行した後、高確率・時短状態となる可能性が高い。
但し、特定時短有り図柄(図柄13、14、23、23)が確定表示され、対応する大当り遊技を開始しても、大入賞口(第2大入賞口15)の開放が既に行われているにも関わらず、そのことに気が付くまでに時間がかかる場合には、大当り遊技を実行した後、高確率・時短状態となる可能性が消滅する。つまり、シャッタ−105が開放状態である間に、遊技球を第2大入賞口15に入球させることができないと、大当り遊技を実行した後、通常確率・時短状態となる。
【0061】
通常確率・時短状態は、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になるか、次回の大当りを生ずるまで継続する。また、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になると、時短状態を終了し、通常遊技状態(通常確率・非時短状態)となる。
また、高確率・時短状態も、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になるか、次回の大当りを生ずるまで継続する。また、大当り遊技後の特別図柄の変動回数が100回になると、高確率・時短状態を終了し、通常遊技状態(通常確率・非時短状態)となる。
【0062】
また、上記「図柄11、図柄13」は、大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「6」である「6R大当り」、上記「図柄12、図柄14、図柄22」は大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「8」である「8R大当り」、上記「図柄21、図柄23」は大当り遊技時の大当りラウンドのラウンド数が「10」である「10R大当り」である。
本実施例では、大当り遊技中においてラウンド数が多くなる程、賞球数が多くなり易い構成であるため、第1特別図柄判定の結果が大当りとなる場合よりも、第2特別図柄判定の結果が大当りとなる場合の方が大当り遊技で獲得可能な賞球数が多くなり易い。
なお、本実施例では、何れに大当り図柄が確定表示されても、大当り遊技を実行した後の遊技状態が、特別遊技状態とされたが、大当り図柄の中に大当り遊技を実行した後の遊技状態が通常遊技状態となる大当り図柄を含んでもよい。
【0063】
パチンコ機50では、例えば、以下のようにして遊技が進行する。
パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態である場合(遊技開始時点等)には、開放延長機能は作動していない状態である(非時短状態である)。そして、本パチンコ機50では、普通図柄抽選で当選しない限り第2始動口12には入球しないとともに、開放延長機能が作動しない状態(非時短状態)において普通図柄抽選の当選確率が低く(10/200)、しかも普通図柄抽選で当選しても第2始動口12の開放時間が短い等の理由(図6を参照)で、第2始動口12への入球可能性が低いため、遊技者は専ら左打ちを行い、第1始動口11を狙い打ち、「第1特別図柄判定」の判定結果が大当りとなることが目標となる。そして、「第1特別図柄判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技後に、(1)確変機能及び時短機能(開放延長機能)が作動する状態と、(2)確変機能は作動しないが時短機能(開放延長機能)が作動する状態とが、半々の割合で生ずる可能性が高い(図7を参照)。
一方、「第1特別図柄判定」若しくは「第2特別図柄判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技を実行した後に開放延長機能が作動する(特別遊技状態となる)。そして、開放延長機能が作動すると、普通図柄抽選の当選確率が高く(199/200)なり、しかも普通図柄抽選で当選したときの第2始動口12の開放時間が長くなる等の理由で、第2始動口12に遊技球を入球させることが容易となる(図6を参照)。このため、遊技者は、専ら右打ちを行い、第2始動口12を狙い打ち、「第2特別図柄判定」の判定結果が大当りとなることを目指すことになる。また、「第2特別図柄判定」の判定結果が大当りとなると、大当り遊技後に、高い確率(90%の確率)で確変機能・時短機能が作動する状態となり、低い確率(10%の確率)で確変機能は作動しないが時短機能(開放延長機能)が作動する状態となる可能性が高い。
【0064】
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0065】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0066】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0067】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0068】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0069】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0070】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。その後、当り図柄決定用乱数更新処理(S37)を行う。
なお、当り決定用乱数更新処理及び当り図柄決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0071】
S37に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0072】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0073】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14、第2大入賞口15への入賞、一般入賞口31〜34への入賞及び普通図柄作動ゲート17、左打ち検出ゲート17B、確変口(特定領域106へ)の入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
【0074】
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(4個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0075】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、第1大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0076】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0077】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図8に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0078】
次に、図9を用いて、普通図柄始動入賞確認処理(普図始動入賞確認処理)について説明する。この普通図柄始動入賞確認処理は、図8にメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
普通図柄始動入賞確認処理を起動すると、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、S102の処理に移行し、遊技球の入球がなかった場合(S100:no)、そのままリターンとなる。
【0079】
S102の処理では遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。この通常遊技状態は、当該パチンコ機50の遊技状態が基本的な遊技状態である場合(始業時の遊技状態)であり、図10(b)に示すように、特別遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグ)が解除され(値が「0」とされ)、大当り遊技状態を示すフラグ(大当りフラグ)が解除され(値が「0」とされ)た状態である。
【0080】
この通常遊技状態は、通常の状態で「特別図柄に関する当否判定」を実行する状態であり、特別遊技状態は通常遊技状態よりも有利な状態で「特別図柄に関する当否判定」を実行可能な状態である。そして、特別遊技状態を終了するか、パチンコホールの始業時(当該パチンコ機50への電源投入時)に通常遊技状態とされる。また、大当り遊技状態となると(大当りフラグがセットされると)、「特別図柄に関する当否判定」を実行不能な状態となるため、解除(値が0)とされる。
また、図10(b)に示すように、本実施例では、特別遊技状態として、確変フラグ及び時短フラグの値が「1」である状態と、確変フラグの値が「0」で時短フラグの値が「1」である状態を予定している。そして、特別遊技状態若しくは大当り遊技状態である場合には、S102の否定判定を経て、S110の処理に移行する。
【0081】
つまり、普通図柄作動ゲート17に遊技球を通過させる行為は、遊技球を右打ちすることで可能となる行為であるが、特別遊技状態若しくは大当り遊技状態において行う右打ちは、当該パチンコ機50の仕様に合致する行為である。このため、特別遊技状態若しくは大当り遊技状態で、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過しても、後述する「注意報知」の契機となる処理(S104〜S108)をスキップして、S114の処理に移行することとしている。
【0082】
S102の処理で肯定判定される場合には(S102:yes)、報知準備フラグの値が「1」である否かを判定する(S104)。ここで、報知準備フラグとは通常遊技状態で、既に普通図柄作動ゲート17に遊技球を通過させる行為(当該パチンコ機50の仕様に反する行為)を実行済みであることを示すフラグであり、通常遊技状態で普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると値が「1」とされる。
S104の処理で肯定判定される場合(S104:yes)には、そのままS108の処理に移行し、S104の処理で否定判定される場合(S104:no)には、報知準備フラグの値を「1」とした後(S106)、S108の処理に移行する。
【0083】
S108の処理では、右打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う(S108)。このS108の処理を経てS114の処理に移行する。ここで、S108の処理は、当該パチンコ機50の仕様に反する行為(通常遊技状態で普通図柄作動ゲート17に遊技球を通過させる行為)が実行されたことをサブ統合制御装置83に示す処理である。
ここで、本実施例では、通常遊技状態において、普通図柄作動ゲート17に遊技球を通過される度(当該パチンコ機50の仕様に反する行為が行われる度)に、右打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信するが、普通図柄作動ゲート17に所定数(例えば、5球)の遊技球が通過すると右打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信することとしてもよい。
【0084】
また、S102の処理で否定判定される場合(S102:no)、つまり、特別遊技状態若しくは大当り遊技状態と判定される場合(S102:no)、報知準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S110)。そして、S110の処理で肯定判定される場合には(S110:yes)、報知準備フラグの値を「0」とした後、S114の処理に移行し、S110の処理で否定判定される場合には(S110:no)、そのままS114の処理に移行する。
【0085】
S114の処理では普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S114)。否定判定の場合には(S114:no)、S116の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、図5では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S118)、本処理を終了(リターン)する。
【0086】
また、S100の処理で普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球がなかったと判定される場合(S100:no)及び普通図柄の保留記憶が満杯であった場合には(S114:yes)の場合には、そのままリターンとなる。
【0087】
次に、図10(a)を用いて、左打ち検出処理について説明する。この左打ち検出処理は、図8に示すメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
左打ち検出処理を起動すると、左打ち検出ゲート17Bへの入球があるか否かを判定し(S200)、入球があれば(S200:yes)、S202の処理に移行し、遊技球の入球がなかった場合(S200:no)、そのままリターンとなる。
【0088】
S202の処理では報知準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する。S202の処理で否定判定される場合には(S202:no)、そのままリターンとなる。一方、肯定判定される場合には(S202:yes)、報知準備フラグの値を「0」とした後(S204)、左打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行い(S208)、リターンとなる。
つまり、前述のS108の処理で当該パチンコ機50の仕様に反する「右打ち」が実行されたと判定された場合において、当該パチンコ機50の仕様に合致する「左打ち」が実行されたことを示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。なお、本実施例では、通常遊技状態において、左打ち検出ゲート17Bを遊技球が通過すると、左打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信するが、左打ち検出ゲート17Bを所定数(例えば、5球)の遊技球が通過すると、左打ち検出コマンドをサブ統合制御装置83に送信することとしてもよい。
【0089】
次に、図11〜15を用いて、普通図柄当否判定処理(普図当否判定処理)について説明する。この普通図柄当否判定処理は、図8に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
図11に示すように、普通図柄当否判定処理が起動すると、第2始動口12を開放させるための普通電動役物が作動中であるか否かを判定する(S120)。普通電動役物が作動中である場合には(S120:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物が作動していない場合には(S120:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S122)。変動中でなければ(S122:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S124)。
【0090】
確定図柄が表示中でなければ(S124:no)、普通図柄の保留記憶があるか否かを判定し(S126)、普通図柄の保留記憶があれば(S126:yes)、普通図柄の保留記憶数をデクリメントし(S128)、S130に移行する。なお、普通図柄の保留記憶がなければ(S126:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0091】
S130では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、時短フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。このS130で肯定判断であれば(S130:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S132)、図12のS140に移行する。否定判断された場合(S130:no)は、S136にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し、図12のS140へと移行する。ここで、時短フラグが1とは、現在のパチンコ機50が、普通図柄確率変動機能が作動する遊技状態であることを意味する。
【0092】
なお、本実施例では時短状態でない場合(時短フラグが「0」)において、普通図柄の当り確率を10/200に設定し、時短状態(時短フラグが「1」、普通図柄確率変動機能が作動する開放延長状態)において、普通図柄の当り確率を199/200に設定している。よって、普通図柄確率変動機能が作動する開放延長状態に移行すると、普通図柄の当否判定の結果が当りとなる可能性が高くなっている(図6を参照)。
【0093】
図12のS140では普通図柄の当りか否かを判定し、当りであれば(S140:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S144)、変動パターンを決定する(S146)。
その後、普通図柄当り設定処理を行い(S148)、S152に移行する。一方、普通図柄が当りでなければ(S140:no)、外れの変動パターンを決定し(S150)、S152に移行する。
【0094】
なお、本実施例の普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選で当り又はハズレと判定されるか否かに関係なく、パチンコ機50の遊技状態が非時短状態(非開放延長状態)であれば常に5秒であり、パチンコ機50の遊技状態が時短状態(開放延長状態)であれば常に1秒である。
【0095】
S152に移行すると、普通図柄表示装置7が変動開始すると共にサブ統合制御装置83へ普通図柄変動開始コマンドを送信し(S152)、普通図柄遊技処理に移行する。なお、普通図柄変動開始コマンドには、上述の普図当否判定の結果を示すデータが含まれる。具体的には当り、外れのいずれかを示すデータと、変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる。
【0096】
ここで、本実施例における普通図柄当り設定処理(S148)では、普通電動役物(第2始動口12)を、時短フラグの値が「1」である場合において1秒で2回開放する開放パターン、時短フラグの値が「0」である場合において0.3秒で1回開放する開放パターンが設定される。
【0097】
図11に戻り、更に説明する。図11のS122において、普通図柄が変動中の場合には(S122:yes)、図13(a)に示すS156に移行する。S156では、図柄変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S156:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S158)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S156:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0098】
図11のS124において、確定図柄表示中の場合には(S124:yes)、図13(b)に示すS160に移行する。S160で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S160:yes)、確定図柄の表示を終了し(S162)、普通図柄の当りの組合せであるか否かを判定する(S164)。普通図柄の組合せが当りである場合には(S164:yes)、普通図柄当り開始演出処理を行い(S168)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S160:no)、普通図柄の組合せが外れである場合は(S164:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0099】
次に、普通図柄遊技処理について、図14及び図15を用いて説明する。先ず、図14のS170において、普通電動役物が作動中であるか否かを判定する(S170)。普通電動役物が作動中の場合には(S170:yes)、普通電動役物が開放中か判定する(S172)。一方、普通電動役物が作動中ではない場合には(S170:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
普通電動役物が開放中でなければ(S172:no)、普通図柄当り終了演出中か判定し(S174)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S174:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか確認し(S176)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S176:yes)、普通電動役物開放処理(S178)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S178)は、上述したS148で設定した普通電動役物の開放パターンに基づいて普通電動役物を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
【0100】
図14のS172の処理で普通電動役物が開放中であれば(S172:yes)、図15(a)のS180に移行する。そして、普通電動役物に10個(規定数)の入球があったか否かの判定する(S180)。規定数に達した場合には(S180:yes)、普通電動役物閉鎖処理(S184)を行い、普通図柄当り終了演出処理を実行して(S186)、終了となる。一方、普通電動役物に10個(規定数)の入球がない場合には(S180:no)、普通電動役物の開放時間が終了となったか否かを判定する(S182)。肯定判定の場合には(S182:yes)、S184に移行する。なお、否定判定の場合には(S182:no)、そのまま終了となる。
【0101】
図14のS174の処理で普通図柄当り終了演出中であれば(S174:yes)、図15(b)に示すS190に移行し、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S190)。普通図柄当り終了演出時間が経過していれば(S190:yes)、普通図柄当り終了コマンド送信の処理(S192)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普通図柄当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普通図柄当り終了演出時間が経過していない場合には(S190:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0102】
次に、図16を用いて、特別図柄に関する始動入賞確認処理(特図始動入賞確認処理)について説明する。この特図始動入賞確認処理は、図8に示すメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特図始動入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。肯定判断なら(S300:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S302)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S300:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0103】
第1保留記憶が満杯でなければ(S302:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる。既に4個の第1保留記憶があれば(S302:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS310へ移行する。
【0104】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S300:no)もS310に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S310:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S312)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S310:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0105】
第2保留記憶が満杯でなければ(S312:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S314)。既に4個の第2保留記憶があれば(S312:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S310:no)も、本処理を終了する。
【0106】
また、S300において行われる判定処理、S310において行われる判定処理よりも前に主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力するため、第1保留記憶、第2保留記憶が満杯であっても賞球が払い出されることになる。
【0107】
次に、図17〜20を用いて、特別図柄当否判定処理(特図当否判定処理)について説明する。この特図当否判定処理は、図8に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、図18のS330に移行し、第2保留記憶(上記、図16のS314による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0108】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、図16のS304による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。第1保留記憶がなければ(S334:no)、大当り遊技処理へ移行する。
【0109】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S300若しくはS310で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S300若しくはS310で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S350)、大当りであると判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
【0110】
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1特別図柄判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2特別図柄判定」に相当する。
そして、「第1特別図柄判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、図7(a)に示すように、大当り図柄が「図柄11〜14」のうちの何れかに決定される。
また、「第2特別図柄判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、図7(b)に示すように、大当り図柄が「図柄21〜23」のうちの何れかに決定される。
【0111】
S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図7(a)(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0112】
S350において外れと判定された場合は(S350:no)、ハズレ図柄を決定する(S358)。そして、ハズレ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。なお、ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0113】
S356又はS362に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当りの種類(「通常時短有り図柄を確定表示させることになる通常時短有り大当り」か、「特定時短有り図柄を確定表示させることになる特定時短有り大当り」か)、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる特別図柄変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S364)、大当り遊技処理へ移行する。なお、S364の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0114】
図17のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、図19のS366に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S366:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S366:yes)、確定図柄表示処理(S368)を行なってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0115】
図17のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、図20のS370に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S370:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S370において肯定判定(S370:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S372)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S374)。
【0116】
S374で大当りになる図柄であると判定された場合(S374:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S376)。確変フラグが1であれば(S376:yes)、S378にて確変フラグを0にし、S380に移行する。一方、確変フラグが1でなければ(S376:no)、そのままS380に移行する。
そして、S380では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S380:yes)、S382にて時短フラグを0にし、S384に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。このS384では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS386にて役物連続作動装置を作動させる。
【0117】
続くS388において、第1報知フラグの値を「1」にし、遊技状態ランプ7Bを点滅状態にする。ここで、遊技状態ランプ7Bが点滅状態であるときは、第1報知フラグの値が「1」にされ、遊技状態ランプ7Bが消灯状態にあるとき、第1報知フラグ及び後述する第2報知フラグの値が「0」とされる。なお、S388では、第2報知フラグの値が「1」である場合(遊技状態ランプ7Bが点灯状態)である場合には、第2報知フラグの値を「0」にする。つまり、特別遊技状態で大当りを発生した場合には、点灯状態の遊技状態ランプ7Bが点滅状態に変更される。また、通常遊技状態で大当りを発生した場合には、消灯状態の遊技状態ランプ7Bが点滅状態に変更される。
このように、S388で遊技状態ランプ7Bを点滅状態とされることにより、大当り遊技状態になることが報知される。なお、S388においては、遊技者に右打ちを促すためのコマンド(右打ち促進コマンド)をサブ統合制御装置83に送信してもよい。そして、サブ統合制御装置83は、当該コマンドを受信することに基づいて、演出図柄表示装置6で「右打ちを促す表示」を行うこととしてもよい。
【0118】
S388を行うと、続くS390において大当り遊技開始処理を行なう。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行なう。
【0119】
S374で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S374:no)、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S392:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S394)。そして、確変回数が0であれば(S394:yes)、S396にて確変フラグを0にしてS398に進む。一方、確変フラグが1でないとき(S392:no)又は確変回数が0ではないとき(S394:no)はそのままS398に移行する。
このS398では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S398:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S400)。そして、時短回数が0であれば(S400:yes)、S404にて時短フラグを0にしてS406を行った後、S408に進む。
また、時短フラグが1でないとき(S398:no)又は時短回数が0ではないとき(S400:no)はそのままS408に移行する。
【0120】
ここで、S406において、第2報知フラグの値を「0」にし、遊技状態ランプ7Bを消灯状態にする。ここで、遊技状態ランプ7Bが消灯状態であるときは、第1報知フラグ及び第2報知フラグの値が「0」にされ、遊技状態ランプ7Bが点灯状態にあるとき、第2報知フラグの値が「0」とされる。
このように、S406で遊技状態ランプ7Bの状態が点灯状態から消灯状態に変更されることにより、特別遊技状態が終了し、通常遊技状態になることが報知される。なお、S406においては、遊技者に左打ちを促すためのコマンド(左打ち促進コマンド)をサブ統合制御装置83に送信してもよい。そして、サブ統合制御装置83は、当該コマンドを受信することに基づいて、演出図柄表示装置6で「左打ちを促す表示」を行うこととしてもよい。
【0121】
S408では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0122】
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図21〜24のフローチャートを用いて説明する。なお、当処理は、当否判定処理に続いて実行される。当処理が起動されるとまずS500にて、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。
肯定判定の場合(S500:yes)には、S502に移行し、否定判定の場合(S500:no)には、当処理を終了(リターン)する。
【0123】
S502では、第2大入賞口15の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S502:yes)には、図22のS520に移行する。一方、S502で否定判定の場合(S502:no)には、S504に移行する。
そして、S504では、第1大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S504:yes)には、図22のS540に移行する。このS504で否定判定の場合(S504:no)には、S506に移行する。
【0124】
S506では、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S506:yes)には、図23のS560に移行する。このS506で否定判定の場合(S506:no)には、S508に移行する。
そして、S508では大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S508:yes)には、図24のS580に移行する。一方、S508で否定判定の場合には(S508:no)、S510に移行する。
【0125】
S510では、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなった後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定する。そして、S510で、否定判定の場合(S510:no)には、当処理を終了し、肯定判定の場合(S510:yes)には、S512に移行する。
S512では、選択された大当り遊技の種類に対応する開放パターンに従い第2大入賞口15を開放させる第2大入賞口開放処理を実行する。次いで、S514で、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S514)、当処理を終了する。
【0126】
ここで、S512は特定ラウンドを開始させる処理であり、この特定ラウンドは今回の大当り遊技を実行後に特別図柄に関する当否判定を高確率で実行するか否かを決定するラウンドである。そして、特定ラウンドが開始するタイミングで(第2大入賞口15を開放するタイミングで)、シャッター105が第1開閉パターン(確変口106への入球を困難とする開閉パターン)、若しくは、第2開閉パターン(確変口106への入球を容易とする開閉パターン)で、開閉動作を行う(図7(c)を参照)。
【0127】
第2大入賞口15の開放中に移行するS520(図22)では、確変口SW106a(特定領域SW106a)からの信号により、確変口106への入球が生じたか否かを判定する。肯定判定の場合(S520:yes)には、確変口入球フラグをセット(S522)し、S524に移行する。一方、S520で否定判定の場合(S520:no)には、そのままS524に移行する。
【0128】
S524では、第2大入賞口15に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合(S524:yes)には、S528に移行し、否定判定の場合(S524:no)には、S526に移行する。
このS526では、第2大入賞口15の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には(S526:no)、当処理を終了する。一方、S526で肯定判定の場合(S526:yes)には、S528に移行し、第2大入賞口15を閉鎖させる第2大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0129】
この第2大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第2大入賞口15が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS530では大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。なお、S530では、第1大当りラウンドを終了し、第2大当りラウンドを開始するまでの大当りインターバル処理を実行する。
【0130】
一方、第1大入賞口14の開放中に移行するS540では、第1大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合(S540:yes)には、S546に移行し、否定判定の場合(S540:no)には、S544に移行する。
このS544では、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には、本処理を終了する。これに対し、S544で肯定判定の場合(S544:yes)には、S546に移行し、第1大入賞口14を閉鎖させる第1大入賞口閉鎖処理を実行する。
第1大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第1大入賞口14が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS548で、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。
【0131】
図21のS506でインターバル中と判定されると(S506:yes)、図23の560に移行する。このS560では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する(S560)。そして、否定判定の場合(S560:no)には、当処理を終了する。
これに対して、S560で肯定判定の場合(S560:yes)には、S562に移行し、開放カウンタが大当りラウンド数に到達しているか否かを判定する。例えば、当該大当り遊技が8R大当りに基づく大当り遊技であれば、開放カウンタが8か否かを判定し、10R大当りに基づく大当り遊技であれば、開放カウンタが10か否かを判定する。
【0132】
S562で肯定判定の場合(S562:yes)には、S564に移行し、S562で否定判定の場合(S562:no)には、S572に移行する。
S564では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行する。そして、続くS566では開放カウンタをクリアし(S566)、当処理を終了する。
一方、S572では、第1大入賞口14を開放させる第1大入賞口開放処理を実行する。そして、続くS574では開放カウンタをインクリメントし(S574)、当処理を終了する。
【0133】
図21のS508で大当り遊技の終了演出中と判定されると(S508:yes)、図24のS580に移行する。
このS580では、大当り遊技の終了演出の時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には(S580:no)、当処理を終了する。
これに対して、S580で肯定判定の場合(S580:yes)には、S582移行し、役物連続作動装置を停止させ、続くS584にて条件装置を停止させ、S586に移行する。ここで、S584では大当りフラグの値が「0」とされる。
【0134】
S586では、確変口入球フラグが1(確変口入球フラグがセットされている)か否かを判定する。そして、S586で肯定判定の場合(S586:yes)には、S588に移行し、当り図柄に応じて先に決定された確変回数と時短回数を設定する。なお、本実施例では、当り図柄が何れであっても、確変回数と時短回数は「100」に設定される。
【0135】
続いて、確変フラグと時短フラグをセットした後(S590)、遊技状態ランプ7Bを点灯状態とし、S592の処理に移行する。このように、遊技状態ランプ7Bを点灯状態とする場合、第1報知フラグの値が「0」とされ、第2報知フラグの値が「1」とされる。
そして、S594において確変口入球フラグをクリア(S594)すると、S604以降の処理に移行する。
【0136】
S586が否定判定された場合には、S596にて、大当り遊技の終了後に時短状態となるか否かを判定する(S596)。
S596で否定判定の場合には(S596:no)、S604に直行する。これに対して、S596で肯定判定の場合には(S596:yes)、S598に移行し、当り図柄に応じて先に決定された時短回数を設定する。なお、本実施例では、当り図柄が何れであっても、S598において時短回数は「100」に設定される。
【0137】
S598に続いて、S600において時短フラグをセットする(S600)。続くS602において、遊技状態ランプ7Bを点灯状態とし、S604の処理に移行する。このように、遊技状態ランプ7Bを点灯状態とする場合、第1報知フラグの値が「0」とされ、第2報知フラグの値が「1」とされる。
【0138】
S604では、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する。続くS606にて大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信し、当処理を終了する。
【0139】
なお、本実施例では、大当り遊技を実行すると一律に特別遊技状態に移行することとしたが、大当り発生時に確定表示された図柄の態様に応じて特別遊技状態に移行しないこととしてもよい。例えば、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄判定)の結果が大当りである場合、大当り図柄として図柄15を決定可能で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄判定)の結果が大当りである場合、大当り図柄として図柄24を決定可能とする。また、図柄15、図柄24を通常時短有無し図柄とし、図柄15若しくは24が確定表示されても、大当り遊技において確変口106への入球が困難となる。そして、通常時短無し図柄が確定表示されても、大当り遊技を実行した後、時短機能及び確変機能を作動しない状態(以下、通常確率・非時短状態という)となる可能性が高くなる。
このように、大当り図柄として図柄15若しくは図24が確定表示することに基づく大当り遊技を実行した後には、S596で否定判定される。そして、S596で否定判定された後、遊技状態ランプ7Bを消灯状態とし、S604の処理に移行する。このとき、第1報知フラグ及び第2報知フラグの値が「0」とされる。
【0140】
次に、本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御等について説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0141】
また、サブ統合制御装置83は、特殊演出において、特殊演出専用の演出表示を行ったり、センターケース5に設けられた可動物5Kの駆動を制御したり、可動物5Kの発光部51Kの発光制御を行ったりする。
更に、図25に示すように、本実施例では、演出図柄表示装置6の画面6aとして、「遊技状態が通常確率状態であるときに出現する左打ち用の画面6a」と、「遊技状態が特別遊技にあるときと、大当り遊技状態であるときに出現する右打ち用の画面6a」を予定している。
また、図25(a)に示すように、「左打ち用の画面6a」は遊技者に遊技球を「左打ち」することを促す画面6aであり、画面6aの地色が「白」とされるとともに、画面6aの下方に左打ち表示LHが出現する。この左打ち表示LHが、左方向を指し示す矢印で構成される。この「左打ち用の画面6a」が出現すると、遊技者は遊技球の発射強度を弱め、発射した遊技球を左打ち領域3Lで流下させ、遊技を進行しようとするのが原則である。
【0142】
また、図25(b)に示すように、「右打ち用の画面6a」は遊技者に遊技球を「右打ち」することを促す画面6aであり、画面6aの地色が「黄色」とされるとともに、画面6aの下方に右打ち表示RHが出現する。この右打ち表示RHが、右方向を指し示す矢印で構成される。この「右打ち用の画面6a」が出現すると、遊技者は遊技球の発射強度を強くし、発射した遊技球を右打ち領域3Rで流下させ、遊技を進行させようとするのが原則である。
【0143】
更に、左打ち用の画面6a及び右打ち用の画面6aには、演出図柄の変動及び停止表示を行う主表示部6Hと、関連演出を表示するための関連事項表示部6Fと、第1保留記憶数表示部6Aと、第2保留記憶数表示部6Bが出現する。なお、図25では、これらの表示部(6H、6F、6A,6B)を重ならないように表示する表示例で例示するが、これらの表示部(6H、6F、6A,6B)を重ね合わせされた状態で表示してもよい。
また、関連事項表示部6Fでは、例えば、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて、演出図柄の変動及び停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。例えば、「特別図柄に関する当否判定の結果」を示唆する演出(味方キャラクタと、敵キャラクタが戦うバトル演出であって、バトルの勝敗等が「当否判定の結果」に呼応する演出)を実行する。
更に、画面6aにおいて関連演出表示部6Fが出現する範囲が拡大すると、主表示部6Hは、画面6aの隅に縮小して表示されることがある。例えば、遊技者に重要なメッセージ(パチンコ機50の仕様に反した右打ちに基づく注意報知等)を表示するとき、主表示部6Hが画面6aの隅に縮小して表示されることがある。
【0144】
特別図柄の当否判定が実行されることに基づき、第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10において特別図柄が開始される。また、特別図柄の変動開始に呼応して、演出図柄表示装置6の主変動表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、主変動表示領域6Hでは、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。なお、本実施例では、演出図柄の変動を主変動表示領域6Hにおいて3桁の構成図柄を表示して行うが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよいし、スクロール方向が横方向であってもよい。ここで、主変動表示領域6Hにおいて、左側に表示され構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0145】
特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合には、主変動表示領域6Hにおいて、演出図柄の外れ図柄を確定表示することとなる変動(以下、外れ変動演出という)が実行される。この外れ演出変動の変動途中においては、「リーチ表示及びそれに続くリーチ演出」が実行される場合と、実行されない場合がある。また、外れ変動演出においては、その変動途中において特殊演出を実行することはない。
【0146】
特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合には、主変動表示領域6Hにおいて、演出図柄の大当り図柄を確定表示することとなる変動(以下、大当り変動演出という)が実行される。この大当り変動演出においては、「リーチ表示及びそれに続くリーチ演出(発展演出等)」が一律に実行される。
また、大当り変動演出においてはその変動途中に特殊演出を実行する場合と、実行しない場合がある。そして、特殊演出を実行するか否かは、大当り変動演出を開始する度に乱数抽選で決定する。また、大当り変動演出において、特殊演出の実行時期はリーチ表示を行った後とされ、特殊演出の種類に応じて実行時期が決定される(後述する)。但し、特殊演出の実行時期はリーチ表示を行う前であってもよい。
【0147】
ここで、リーチ表示とは、図26(b)に示すように、演出図柄表示装置6に表示(変動表示及び確定表示)される演出図柄が複数個である場合において、変動表示の途中で行われる「中間演出表示」である。より具体的には、最終に停止表示される以外の演出図柄(左演出図柄6L及び右演出図柄6R)を停止表示し、最終的に停止表示される演出図柄(中演出図柄6C)が何れであるかによって、大当り図柄(演出図柄)を表示する可能性があることを示す演出的な表示である。そして、リーチ演出とは、「リーチ表示の後、特別図柄の当否判定の結果を示す演出図柄(組み合わせ図柄)を演出図柄表示装置6で確定表示されるまでに実行される演出」である。
このリーチ演出は、演出図柄表示装置6の演関連事項表示部6Fで「煽り演出等」を実行したり、可動物5Kを駆動態様制御したりする等して実行される。
また、特殊演出も、演関連事項表示部6F、スピーカ66、LED・ランプ26、可動物5K、可動物5Kの発光部51Kの少なくとも何れかを用いて実行される。
【0148】
なお、第1保留記憶数表示領域6Aは、画面6aの左側縁側に出現し、第1保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(赤色)a1の個数で表示する。また、第2保留記憶数表示領域6Bは、画面6aの右側縁側に出現し、第2保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(青色)b1の個数で表示する。なお、図25では、保留記憶数表示領域6A、6Bに保留図柄が表示されていることを「黒丸」で示し、表示されていないことを「白丸」で示している。
【0149】
本パチンコ機50において、通常確率状態では、遊技者が左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射する仕様となっているため、当該通常確率状態では第1保留記憶は貯まるが第2保留記憶は貯まり難くなっている。一方、特別遊技状態及び大当り状態では、遊技者が右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射する仕様となっているため、第2保留記憶は貯まるが第1保留記憶は貯まり難くなっている。
【0150】
次に、図26及び図27を用いて本発明に従う演出例を説明する。この演出例は、大当り変動演出に関する演出例である。
本実施例では、図26(a)に示すように、大当り変動演出を開始する際に、その演出途中で特殊演出を実行する否かを乱数抽選で決定する。そして、特殊演出を実行すると決定する場合には、特殊演出の開始時期(リーチ表示後、「3秒」、「5秒」、「7秒」等)と、実行時間(本実施例では、一律に2秒)とが設定される。そして、大当り変動演出の実行時間(特別図柄の変動時間)に対応して特定されるため、特殊演出の開始時期と実行時間とを決定することで、「非報知期間(所定期間)」が決定される。この「非報知期間(所定期間)」は、特殊演出を実行した後、大当り図柄(演出図柄)が確定表示されるまでの期間である。
【0151】
図26(b)に示すように、特殊演出を伴う大当り変動演出においては、リーチ表示の実行時期になると、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。そして、主表示部6Hを画面6aの隅に縮小し、図26(c)に示すように、関連演出表示部6Fにリーチ演出用のキャラク6Pを出現させ、リーチ演出を開始する。そして、図26(d)に示すように、特殊演出の開始時期になると、特殊演出用のキャラク6Qを出現させ、特殊演出を実行する。
そして、図27(e)に示すように特殊演出を終了すると、図27(f)に示すように、「非報知期間(所定期間)」が開始される。この「非報知期間(所定期間)」では、通常遊技状態において右打ちが検出されても、注意報知が実行されない。
【0152】
そして、大当り変動演出の実行時間を経過すると、図27(g)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字で停止表示して、大当り図柄の確定表示が実行される。そして、大当り遊技を実行する。
なお、「非報知期間(所定期間)」は、大当り図柄の確定表示とともに終了する。このように、本実施例では、「非報知期間(所定期間)」の終了時期を大当り図柄の確定表示時期とするが、当該終了時期を大当り図柄の確定表示時期に限定されず、例えば、当該終了時期を確定表示時期よりも早くしたり、遅くしたりすることとしてもよい。
【0153】
また、図26(i)に示すように、特殊演出を伴う大当り変動演出であっても、当該特殊演出が出現する前において、通常遊技状態で右打ちが検出されると注意報知が実行される。例えば、演出図柄表示装置6の画面6aに「左打ちを促すキャラクタ6T」が表示される。ここで、「左打ちを促すキャラクタ6T」として、図26(i)に示すように、「遊技盤1の盤面を模したキャラクタ6Tであって、左打ちの態様(左打ちにおける遊技球の流下位置を示すもの)」を例示することができる。
更に、図26(j)に示すように、特殊演出を伴わない大当り変動演出においては、通常遊技状態で右打ちが検出されると、図27(k)に示すように、注意報知が実行される。
【0154】
次に、図28のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出態様設定処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理は、演出図柄表示装置6の画面6aを前述の左打ち用の画面6aに設定するか、右打ち用の画面6aに設定か否かを選択するためのものである。
本処理を開始すると、左打ち用の画面6aを表示中か否かを判定する(S1000)。
【0155】
S1000の処理で肯定判定されると(S1000:yes)、大当り開始コマンド(図20のS390で送信される「大当り遊技を開始するコマンド」)を受信したか否かを判定する。そして、肯定判定されると(S1005:yes)、S1010に移行し、左打ち用の画面6aを右打ち用の画面6aに変更する処理(S1010)を行う。これにより、遊技者は、遊技球の発射強度を強くすることでき、遊技態様(遊技球の発射態様)を「左打ち領域3Lを狙い遊技球を発射する左打ち遊技」から「右打ち領域3Rを狙い遊技球を発射する右打ち遊技」に切り換えることが容易である。
また、S1005で否定判定されると(S1005:no)、S1008に移行し、遊技状態が特別遊技状態(高確率状態、時短状態)に移行したか否かを判定する(S1008)。つまり、サブ統合制御装置83が、前述の状態指定コマンド(図24のS606を参照)であって、遊技状態が特別遊技状態(高確率状態、時短状態)に移行することを示すものを受信すると、S1008で肯定判定される。
【0156】
S1008で肯定判定されると(S1008:yes)、左打ち用の画面6aを右打ち用の画面6aに変更する処理(S1010)を行い、演出態様設定処理をリターンする。また、S1008で否定判定されると(S1008:no)、そのまま演出態様設定処理をリターンする。
S1000の処理で否定判定される場合には(S1000:no)、右打ち用の画面6aが設定されていることになる。S1000で否定判定される場合には(S1000:no)、遊技状態が特別遊技状態(高確率状態、時短状態)から通常確率状態に移行したか否かを判定する(S1020)。つまり、サブ統合制御装置83が、前述の状態指定コマンド(図20のS408を参照)であって、遊技状態が通常率状態に移行することを示すものを受信すると、S1020で肯定判定される。
【0157】
S1020で肯定判定されると(S1020:yes)、右打ち用の画面6aを左打ち用の画面6aに変更する処理行い(S1025)、演出態様設定処理をリターンする。一方、S1020で否定判定されると(S1020:no)、そのまま演出態様設定処理をリターンする。
【0158】
次に、図29のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1100)。そして、否定判定されると(S1100;no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1100;yes)、S1105の処理に移行し、演出態様を振り分ける際に使用する振分乱数を取得する。
【0159】
ここで、変動開始コマンドは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図18のS364を参照)。そして、この変動開始コマンドには、特別図柄の当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(大当り種類を示すデータ)が含まれる。
【0160】
なお、後述する実施例2に示すように、特別図柄の当否判定の結果に小当りも含む場合には、変動開始コマンドに特別図柄の当否判定の結果が小当りであることを示すデータと、小当り図柄を指定する図柄指定コマンド(小当り種類を示すデータ)が含まれることもある。
【0161】
サブ統合制御装置83はS1105を実行すると、S1110に移行する。このS1110では、S1105で受信した変動開始コマンドに含まれるデータ(特別図柄に関する当否判定の結果を示す情報)に基づいて、演出開始の契機となった特別図柄の当否判定の結果が、大当りであるか否かを判定する(S1110)。
そして、S1110で否定判定される場合(S1110;no)には、演出パターンテーブル(外れ用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、変動開始コマンドが特定する「特別図柄の変動時間を指定するデータ(変動パターンを示すデータであって、以下、変動パターンデータという)」とに基づいて、外れ演出パターン(演出態様)を決定し(S1130)、S1135の処理に移行する。
【0162】
つまり、変動開始コマンドに含まれるデータが、特別図柄の当否判定の結果が外れであることを示すデータ(以下、外れデータという)である場合には、当該外れデータが、外れ変動演出において「リーチ表示及びリーチ演出(リーチ外れ演出)」を実行することを特定するデータか、「リーチ外れ演出」を実行しないことを示すデータを示す情報も含まれる。
そして、リーチ外れ演出を実行することを特定する情報が含まれる場合には、S1130において、演出パターンテーブル(リーチ有り・外れ用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」とに基づいて、外れ演出パターン(演出態様)を決定する(S1130)。
一方、リーチ外れ演出を実行しないことを特定する情報が含まれる場合には、S1130において、演出パターンテーブル(リーチ無し・外れ用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」とに基づいて、外れ演出パターン(演出態様)を決定する(S1130)。
【0163】
S1130において、リーチ外れ演出を実行するか否かに係わらず、特別図柄の変動パターンが特定する変動時間(変動パターンデータが特定する時間)と同一の時間が、外れ変動演出の実行時間として特定される。また、リーチ外れ演出を実行するか否かに係わらず、S1130を実行するとS1135に移行し、演出図柄の停止図柄(例えば、バラケ目図柄)を設定する処理を行う。(S1135)。そして、S1140の処理に移行する。
【0164】
S1110で肯定判定される場合(S1110;yes)、つまり、変動開始コマンドに含まれるデータが、特別図柄の当否判定の結果が大当りであることを示すデータ(以下、大当りデータという)である場合(S1110;yes)には、S1115の処理に移行する。
S1115の処理では、S1105で抽出した振分乱数を用いて、振分乱数抽選を行い、特殊演出を実行するか否か決定する(S1115)。
ここで、この振分乱数抽選の当選確率を種々選択可能であるが、例えば、当選確率を「80%」とすることができる。つまり、特別に関する当否判定の結果が大当りである場合、一律に特殊演出を実行することとしてもよいが、本実施例では、所定確率(100未満の確率)で特殊演出を実行している。本実施例では、特殊演出が、大当り変動演出において所定確率で出現し、外れ変動演出において出現しない。このため、特殊演出が演出図柄の変動途中に出現する大当り変動演出が実行されていることを事前に報知すること(演出図柄が確定表示される前に事前に報知すること)になるが、特殊演出が出現しない場合も、遊技者は、演出図柄の変動結果が大当りとなるか、外れとなるかに関し、期待感を持って見守ることができる。
【0165】
S1115の処理で否定判定される場合(S1115;no)には、図30(a)に示すように、演出パターンテーブル(大当り・特殊演出無し用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」に基づいて、大当り用の演出パターン(演出態様)を決定する(S1125)。
一方、S1115の処理で肯定判定される場合(S1115;yes)には、図30(b)に示すように、演出パターンテーブル(大当り・特殊演出有り用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」に基づいて、大当り用の演出パターン(演出態様)を決定する(S1120)。
そして、S1120及びS1125の何れを実行しても、演出図柄の停止図柄(例えば、ゾロ目図柄)を設定する処理を行い(S1135)、S1140に移行する。
【0166】
ここで、S1100の処理で変動開始コマンドに含まれるデータに基づいて、「特定時短当りの発生を示す大当り図柄を確定表示させることになる大当りである」と判定される場合には、S1135において特定大当り図柄(奇数のゾロ目図柄)を決定する。また、「通常時短当りの発生を示す大当り図柄を確定表示させることになる大当りである」と判定される場合には、S1135において通常大当り図柄(偶数のゾロ目図柄)を決定する。なお、特別図柄の当否判定結果に小当りを含む場合(後述する実施例2を参照)には、S1135において「大当り図柄」及び「外れ図柄」と異なる小当り図柄(例えば、左から昇順に並ぶ偶数数字で構成される小当り図柄)を決定する
【0167】
そして、S1120、S1125若しくはS1130を経て移行するS1140の処理では、演出を開始し(S1400)、演出開始処理をリターンする。ここで、演出を開始すると、演出中フラグの値を「1」にする。そして、後述するように、演出を停止すると、演出中フラグの値を「0」にする(図34(a)を参照)。
【0168】
次に、図30(c)及び図31を用いて、S1120の処理を説明する。
前述のように、S1120では、演出パターンテーブル(大当り・特殊演出有り用)を参照し、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」に基づいて、大当り用の演出パターン(演出態様)を決定する。
この大当り用の演出パターンでは、大当り変動演出において実行するリーチ演出の種類と、特殊演出の種類と、特殊演出の実行時(開始時)と、特殊演出の実行時間が決定される。
【0169】
この場合、リーチ演出の種類は、S1105の処理で抽出した振分乱数と、「変動パターンデータ」とに基づいて決定される(リーチ演出A〜J)。例えば、変動パターンデータが特定する変動時間(特別図柄の変動時間、演出図柄の変動時間)が長目の場合にはリーチ演出(例えば、リーチ演出B)が決定され、変動時間が短目の場合にはリーチ演出(例えば、リーチ演出A)が決定される。なお、何れのリーチ演出が選択されても、当該リーチ演出の実行時間は、特殊演出を実行し、その後、非報知期間を確保可能な十分な長さ(例えば、15秒以上)とされる。
【0170】
また、S1120では、S1105の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選に応じて、複数の特殊演出から選択する。例えば、図31に示すように、(a)演出表示A(キャラクタAを出現される演出表示A)を伴う特殊演出A1、(b)演出表示Aと可動物5Kの駆動(図2の実線の位置から仮想線の位置に駆動)を伴う特殊演出A2、(c)演出表示Aと、可動物5Kを構成する発光部51Kの発光を伴う特殊演出A3、(d)演出表示B(キャラクタBを出現される演出表示B)を伴う特殊演出B1、(e)演出表示Bと可動物5Kの駆動を伴う特殊演出B2、(f)演出表示Bと発光部51Kの発光を伴う特殊演出B3…、(g)可動物5Kの駆動を伴う特殊演出J1、(h)発光部51Kの発光を伴う特殊演出J2の何れかに決定する。
【0171】
また、図30(c)に示すように、S1120で選択される特殊演出には、実行時間(開始時間)がそれぞれ定められている。例えば、特殊演出A1はリーチ表示後、「3秒」、特殊演出A2はリーチ表示後、「5秒」、特殊演出A3はリーチ表示後、「4秒」…と決定されている。しかも、選択されるリーチ演出毎にリーチ表示を実行する時間ta(変動開始後、何秒か?)が異なり、しかも、特殊演出が開始される時間(tb)が「選択される特殊演出に応じて異なっている。このため、大当り変動演出が開始される毎に特殊演出が開始される時間が変更される可能性が高くなっている。
更に、本実施例では、S1120で何れの特殊演出も継続時間を一定(例えば、3秒)とする。そして、特殊演出を実行した後(特殊演出を終了した後)、大当り図柄(演出図柄)が確定表示されるまでの期間を「非報知期間(所定期間)」としている。このため、非報知期間(td)の長さは、大当り変動演出が開始される毎に異なる可能性がある。
【0172】
次に、図32(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する注意報知開始処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。この注意報知開始処理は、通常遊技状態で「右打ち」を検出した場合に、遊技球の発射態様を「左打ち」に戻すことを示唆する報知である。
【0173】
注意報知開始処理を起動すると、サブ統合制御装置83が右打ちコマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。この右打ちコマンドは、遊技状態が通常遊技状態であるときに、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したことを検出すると(普通図柄作動ゲート17を通過したことを示すコマンドが主制御装置80に入力されると)、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(図9のS108を参照)。
【0174】
S1200で否定判定されると(S1200:no)、そのまま注意報知開始処理をリタンーンし、S1200で肯定判定されると(S1200:yes)、S1205に移行する。
S1205では、サブ統合制御装置83は注意報知中フラグがセットされているか否か(値が「1」であるか否か)を判定する(S1205)。つまり、注意報知を実行中であるか否かを判定する。この注意報知中フラグは、注意報知が開始されるとセット(値が「1」)とされ、注意報知を終了すると解除(値が「0」)とされる。ここで、本実施例において注意報知は、報知時間が終了するか、報知が終了事由(左打ちコマンドが検出されるか、演出図柄が確定表示される)と終了する。
本実施例では、報知時間の終了時間を報知開始から3秒経過後としているが、報知時間を更に長くしてもよい(例えば、特殊演出が実行されない大当り演出演出や、外れ変動演出では、演出図柄が確定表示されるまで)としてもよい。
【0175】
ここで、本実施例において注意報知として、演出図柄表示装置6の画面6aに「左打ちに戻して下さい」という表示と、スピーカ66から「発射ハンドルを左に戻して下さい」という音声(警告音)が出力される態様を例示できる。この態様においては、演出図柄表示装置6の画面6aに遊技盤1の盤面を模した表示と、矢印とで「左打ち」というのは、当該盤面においてセンターケース5よりも左側を狙って遊技球を発射することを示唆する等の遊技球の発射態様を示す示唆が伴うことが望ましい(図26(i)を参照)。
【0176】
S1205で肯定判定される場合には(S1205:yes)、注意報知開始処理をリターンする。一方、S1205で否定判定される場合には(S1205:no)、S1210で非報知期間であるか否かを判定する(S1210)。
ここで、非報知期間は、前述のように、大当り変動演出において特殊演出が実行された後に開始される期間である。このため、(a)大当り変動演出中であっても、特殊演出が実行されない場合、(b)外れ変動演出を実行中の場合、(c)演出図柄の変動を実行していない場合には、S1210で否定判定され、S1215に移行する。つまり、非報知期間でない場合には注意報知を開始する処理と、注意報知中フラグをセットする処理(値を「1」にする処理)を行い、注意報知開始処理をリターンする。
一方、S1210で肯定判定される場合には(S1210:yes)、そのまま注意報知開始処理をリターンする。つまり、非報知期間であれば、意報知中フラグが解除されている状態で右打ちを検出しても、注意報知を実行せずに注意報知開始処理をリターンする。
【0177】
なお、本実施例では、非報知期間外(つまり、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態であり、注意報知を行う報知期間内)において、注意報知中フラグが解除されている状態で、普通図柄作動ゲート17(遊技球検出手段)が1個の遊技球を検出すると注意報知を実行することとしたが、図32(b)に示すように、非報知期間外に複数個の遊技球を検出した場合のみ、注意報知を行うようにしてもよい。また、非報知期間外に1個のみ、遊技球を検出した場合に注意報知は行わないようにしてもよいし、非報知期間外であれば遊技球の検出個数に拘わらず注意報知を行うこととしてもよい。
【0178】
また、図32(b)に示すように、非報知期間外において、普通図柄作動ゲート17(遊技球検出手段)が遊技球を検出する個数に基づいて注意報知の内容が異なってもよい。例えば、遊技球の検出個数が、2〜5の場合には注意報知A(例えば、左打ちに戻して下さいという表示)を行い、遊技球の検出個数が、6以上になると注意報知B(例えば、もう左打ちに戻せという表示)を実行することとしてもよい。
【0179】
次に、図33(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する注意報知停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
注意報知停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83は注意報知中フラグがセットされている(値が「1」である)か否かを判定する(S1250)。
そして、S1250で否定判定される場合には(S1250:no)、注意報知停止処理をそのまま終了し、肯定判定される場合には(S1250:yes)、S1255に移行する。
【0180】
このS1255では、サブ統合制御装置83が左打ちコマンドを受信したか否かを判定する。この左打ちコマンドは、遊技状態が通常遊技状態であり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過した後において、左打ち検出ゲートを遊技球が通過したとき(つまり、注意報知中フラグがセットされた状態で左打ち検出ゲートを遊技球が通過したとき)、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(図10(a)のS208を参照)。
【0181】
S1255で肯定判定されると(S1255:yes)、注意報知を停止する処理と、注意報知中フラグを解除する(値を「0」にする)処理を行った後(S1265)、注意報知停止処理をリターンする。
一方、S1255で否定判定されると(S1255:no)、S1260で注意報知時間を終了したか否かを判定する(S1260)。
このS1260で肯定判定されると(S1260:yes)、S1265の処理を実行した後、注意報知停止処理をリターンする。また、S1260で否定判定されると(S1260:no)、一旦、注意報知停止処理をリターンする。そして、注意報知停止処理を繰り返し実行するうちに、S1260で肯定判定されると(S1260:yes)、S1265の処理を実行した後、注意報知停止処理をリターンする。
なお、後述するように、注意報知を実行した状態で変動停止コマンドを受信すると注意報知を停止する(S1315を参照)。この点に関しては後述する。
【0182】
サブ統合制御装置83が注意報知を停止させた後であっても、再び、サブ統合制御装置83が右打ちコマンドを受信すると、注意報知を実行する。
また、本実施例では、報知時間の終了時間を報知開始から3秒経過とするが報知時間はこれに限定されない。例えば、図33(b)に示すように、報知時間を「外れ変動演出」及び「特殊演出を伴わない大当り変動演出」においては、演出図柄が確定表示される時までとすることができる。
また、図33(c)の実線に示すように、報知時間を「特殊演出を伴う大当り変動演出」においては、特殊演出が開始されるまでとすることもできる。また、図33(c)の破線に示すように、報知時間を「特殊演出を伴う大当り変動演出」においては、所定期間が開始されるまでとすることもできる。
【0183】
次に、図34(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1300)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図19のS368の処理を参照)。
【0184】
そして、否定判定される場合には(S1300:no)、演出停止処理をそのまま終了し、肯定判定される場合には(S1300:yes)、S1305の処理に移行する。このS1305の処理では、演出図柄確定表示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理(つまり、演出図柄確定表示させる処理)と、演出中フラグを解除する処理(演出中フラグの値を「0」とする処理)を行う。
このS1305の処理に続くS1310の処理では、注意報知中フラグがセット(値が「1」である)か否かを判定する(S1310)。具体的には、演出図柄の確定表示を行うときに、未だ注意報知が継続しているか否かを判定する(S1310)。
【0185】
S1310で否定判定される場合には(S1310:no)、そのまま演出停止処理をリターンし、S1310で肯定判定される場合には(S1310:yes)、注意報知中フラグを解除(値を「0」)とした後(S1315)、演出停止処理をリターンする。従って、演出図柄の確定表示する際には注意報知が終了した状態とされる。
なお、図34(b)に示すように、「外れ変動演出」や「特殊演出を伴わない大当り変動演出」を終了する際に注意報知を実行中であり、遊技状態が通常遊技状態である場合には、サブ統合制御装置83が左打ちコマンドを受信しない限り、注意報知を継続させてもよい。
【0186】
以上の実施例1のパチンコ機50では、図35に示すように、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態である場合(つまり、図35において遊技状態ランプ7Bが消灯状態になる場合、図35中の実線矢印Aを参照)において、大当り変動演出が実行される場合であって特殊演出が実行されると(図35中矢印Bを参照)、非報知期間(所定期間)が開始され、当該期間は演出図柄が確定表示されるまで継続する(図35中の実線矢印Cを参照)。そして、演出図柄が大当り図柄で確定表示されると、非報知期間(所定期間)を終了し、大当り遊技を実行する。
【0187】
非報知期間(所定期間)において遊技状態が通常遊技状態(図35中の実線矢印Aを参照)であり、しかも、右打ちコマンドを検出しても(図35中の実線矢印Dを参照)、注意報知が実行されない。つまり、非報知期間(所定期間)は通常遊技状態であり、本来、パチンコ機50に想定した遊技仕様に反した遊技(右打ち)であるが、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることを確信した段階で、無駄球を覚悟しつつ、早めに右打ちを行っても(遊技仕様に反するが、遊技の円滑な進行のため、許容できる右打ちを開始しても)、注意報知が実行されない。このため、不正を行ったわけでもないのに警告を受け、不快に感じるといったという事態を防止できる。
【0188】
従って、実施例1のパチンコ機50によると、当該パチンコ機50に想定した遊技仕様に反した右打ちを防止しつつも、特に必要な場合には早め目の右打ちを開始しても、遊技者が無用な注意報知を受け、遊技者が不快な思いをすることを防止できる。
特に、実施例1のパチンコ機50においては、遊技者が特殊演出に対面すると、遊技状態が通常遊技状態であっても、大当り遊技を開始する前において注意報知を受けること無く、遊技球の発射態様を「左打ち」から「右打ち」に切り換えることができる。よって、例えば、第2大入賞口15が開放状態となる前に、所定数(1個若しくは複数個)の遊技球を第2大入賞口15の近傍に到達させることができることとなり、確定表示される大当り図柄が、特定大当り図柄(特定時短有り図柄)である場合のみならず、通常大当り図柄(通常時短有り図柄)である場合にも、シャッタ−105が開放状態である間に、遊技球を第2大入賞口15に入球させるチャンス(確変口106に入球させるチャンス)を生じさせることができる。このため、実施例1のパチンコ機50によると、遊技興趣を更に向上させることができる。
【0189】
なお、図35に示す場合において特殊演出を終了する前(実行前及び実行中)に右打ちが検出されると(図35中の破線矢印Eを参照)、注意報知が実行される(図35中の破線矢印Fを参照)。
また、大当り遊技を開始したときは、大当り遊技状態であり、大当り遊技状態中の右打ちは、遊技仕様に適合する遊技であるため、注意報知が実行されない。更に、大当り遊技を実行した後は、特別遊技状態となり、特別遊技状態での右打ちは、遊技仕様に適合する遊技であるため、注意報知が実行されない。
【0190】
また、本実施例では、遊技者に遊技の仕方(発射の仕方、どこを狙って発射を行えば良いのか)を示すための遊技状態ランプ7B(現在の遊技状態を示すことで、結果的に適切な発射威力を示すためのランプ)を備える。そして、例えば、右打ちを行う遊技状態(例えば、特別遊技状態、大当り遊技状態)では、主制御装置を表示制御する遊技状態ランプ7Bを駆動状態(特別遊技状態で点灯状態、大当り遊技状態で点滅状態)とし、左打ちを行う遊技状態(通常遊技状態)では消灯状態とした。そして、遊技状態ランプ7Bは、主制御装置80によって表示制御されるものとし、「特殊演出が実行された後の所定期間」であっても右打ちを指示する態様(点滅若しくは点灯)は行わないこととした(図35を参照)。
【0191】
但し、右打ちを行う遊技状態(例えば、特別遊技状態、大当り遊技状態)では、遊技状態ランプ7Bの駆動状態を揃えたり(特別遊技状態及び大当り遊技状態で点灯状態或いは点滅状態)としたり、遊技状態ランプ7Bを所謂「フルカラーLED」で構成し、特別遊技状態と大当り遊技状態とでは、発光色若しくは点滅色を異ならせてもよい。
【0192】
(2)実施例2
実施例2では、図36を用いて、本発明の所謂「1種2種混合機タイプ」への適用した具体例例を簡単に説明する。
実施例2のパチンコ機50も、図2に示す遊技盤1を備えるが、第1大入賞口14を大当り遊技の際に開閉し、第2大入賞口15を小当り遊技の際に開閉することとしている。
【0193】
小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度が低い当り遊技であり、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りとなると、第2大入賞口15が3.0秒に亘り、1回開放状態となる小当り遊技を実行する。そして、実施例1の確変口106が、「実施例2においてはV入球口106」として用いられ、第2大入賞口15が開放状態となり、第1所定時間を経過すると(例えば、0.5秒経過すると)、シャッター105を第2所定時間(例えば、1.0秒)に亘って開放状態とし、V入球口106を当該第2所定時間に亘って開放状態とする。
そして、開放状態のV入球口106に遊技球が入球すると、当該遊技球は特定領域に誘導される。そして、この誘導が予め定めた有効期間内に検出されると(特定領域検出手段(特定領域SW)で検出されると)、役物大当り遊技を実行する。なお、第2大入賞口15に入球した遊技球は約1/3の確率でV入球口106に入球する。以下、有効期間内に特定領域検出手段の誘導を検出することを「V入賞」と称する。
また、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると、第1大入賞口14が30秒に亘って開放状態となる大当りラウンドを複数回行う大当り遊技(図柄大当り遊技)を実行する。
【0194】
実施例2のパチンコ機50では、特別遊技状態として、開放延長機能及び変動短縮機能が作動する時短状態を備えるが、確変機能を備えない。そして、第2始動口12が右打ち領域3Rに配置され、第1始動口11が左打ち領域3Lに配置されているため、特別遊技状態(時短状態)と、当り遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態)では右打ちを行い、通常遊技状態(非時短状態)では左打ちを行う仕様となっている。
【0195】
次に、実施例2において、特別図柄の当否判定、大当り遊技の概要等を説明する。
第1始動口11に入球することに基づいて、第1特別図柄に関する当否判定が実行され、第2始動口12に入球することに基づいて、第2特別図柄に関する当否判定が実行される(SA11、SA12)。そして、第1特別図柄若しくは第2特別図柄に関する当否判定が実行されると、特別図柄の停止図柄(結果図柄)、特別図柄の変動時間が決定される(SA12)。
第1特別図柄若しくは第2特別図柄に関する当否判定の結果が大当りの場合(SA13:yes)、特別図柄を大当り図柄で確定表示した後(SA14)、図柄大当り遊技が実行される(SA15)。
また、第1特別図柄若しくは第2特別図柄に関する当否判定の結果が大当りでなく、小当りである場合(SA13:no、SA16:yes)には、特別図柄を小当り図柄で確定表示した後(SA17)、小当り遊技が実行される(SA18)。
【0196】
また、第1特別図柄若しくは第2特別図柄に関する当否判定の結果が大当りでも、小当りでもない場合(SA13:no、SA16:no)には、外れとなり、外れ図柄が確定表示され(SA23)、特別図柄の変動表示を開始可能な状態となる(SA24)。
更に、小当り遊技を実行している際に、V入賞を生ずると(SA19:yes)、役物大当り遊技が実行され(SA20)、V入賞を生じないと(SA19:no)、特別図柄の変動表示を開始可能な状態となる(SA24)
そして、図柄大当り遊技若しくは役物大当り遊技が実行されると、パチンコ機50の遊技状態は特別遊技状態(開放延長状態)に移行し、以後、特別図柄の変動表示を100回行うか、次回の大当りを発生するまで継続する。
【0197】
実施例2のパチンコ機50においても、実施例1と同様に、遊技状態が通常遊技状態であるとき、大当り変動演出において特殊演出が実行されると、図柄大当り遊技を開始するまでの間、非報知期間とされる。この非報知期間では、右打ちが検出されても注意報知が実行されない。
また、遊技状態が通常遊技状態であるとき、小当りの発生を確定表示することになる演出(以下、小当り変動演出という)の実行途中にも特殊演出を実行することがある。そして、特殊演出を実行すると、小当り遊技を開始するまでの間、非報知期間とされる。そして、非報知期間では、右打ちが検出されても、注意報知が実行されない。
【0198】
この場合も、本来、パチンコ機50に想定した遊技仕様に反した遊技(右打ち)であるが、特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることを確信した段階で、無駄球を覚悟しつつ、早めに右打ちを行っても(遊技仕様に反した遊技を開始しても)、注意報知が実行されない。このため、不正を行ったわけでもないのに警告を受け、不快に感じるといった事態を防止できる。
特に、1種2種混合機タイプでは、通常遊技状態において小当りの発生を確信すると、V入賞を狙って素早く右打ちを開始しても注意報知を受けることがない。従って、役物大当り遊技を実行するチャンスを拡大することができ、遊技興趣を高めることができる。
【0199】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0200】
即ち、遊技球検出手段を普通図柄作動SW17aで構成したが、右打ち領域3Rに専用の検出手段の遊技球検出手段(普通図柄作動SW17aとは別の検出手段)を設けてもよい。また、遊技球検出手段を第2始動口SW12aで構成したり、右打ち領域3Rに設けられたその他の入賞口34のSWで構成してもよい。
また、本実施例では、左打ち検出ゲート17Bを遊技球が左打ち領域3Lに進入したことを検出するための専用の検出手段としたが、左打ち領域3Lに別に設けた第2普通図柄作動ゲート(右打ち領域3Rの普通図柄作動SW17aとは別の普通図柄作動ゲート)を、左打ち検出ゲート17Bとして用いてもよい。また、左打ち検出ゲート17Bを左打ち領域3Lに設けられたその他の入賞口31〜33のSWで構成してもよい。
【0201】
また、各実施例では、遊技者に注意報知をより確実に伝達するため、「左打ちに戻すように促す表示」と「左打ちに戻すように促す音声の出力」で行ったが、注意報知をこれのうちの一方のみで行ってもよい。
更に、各実施例と異なり、遊技球検出手段の信号が直接、サブ統合制御装置83に送信される構成でもあってもよい。
【0202】
また、各実施例では、非報知期間(所定期間)を示す「特殊演出が実行された後」の具体例として、特殊演出が実行された直後に開始する期間を例示したが、非報知期間(所定期間)は必ずしも、特殊演出が実行された直後から開始されなくてもよい。但し、この非報知期間(所定期間)は、大当り判定の結果が報知される前(大当り図柄が確定表示される前)には開始される(つまり、特別図柄の変動中)。また、非報知期間(所定期間)の終了は、大当り遊技の開始と同じタイミングであっても、大当り遊技の開始の直前であってもよい。
【0203】
また、各実施例では、大当り変動演出において特殊演出が実行される場合と、実行されない場合が存在するものとして説明したが、大当り変動演出において一律に特殊演出が実行されることとしてもよい。
更に、各実施例では、通常遊技状態時において、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間よりも長くし、第2始動口12への入球に基づく遊技効率を第1始動口11への入球に基づく遊技効率よりも悪くした。但し、通常遊技状態時において、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間よりも極めて長い時間(例えば、3分)としてもよい。各実施例では、第1特別図柄及び第2特別図柄が同時に変動しないパチンコ機50であったが、同時に変動し得るパチンコ機50である場合には、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間よりも極めて長くされても、第1特別図柄の変動で遊技を進行させることができるため、遊技の進行を阻害することはない。
【0204】
更に、各実施例では、サブ統合制御装置83が特殊演出実行手段、注意報知手段を備えているので、特殊演出が実行された後であるか、所定期間内であるかを把握できるほか、現在の遊技状態も把握できるので、主制御装置80から送られた検出を示す信号を受信時に、注意報知を行うか行わないか判断できる。
【0205】
また、各実施例に示すように、注意報知の終了条件としては、左打ち領域3Lに設けられた左打ち検出ゲート17B(若しくは、第1始動口11や左打ち領域3Lに配置された普通入賞口31〜33等)が遊技球を検出したり、注意報知を開始した後、一定時間が経過たりすること(注意報知の実行時間を経過すること)等を挙げることができる。更に、本発明の遊技機は、「純粋な第2種遊技機(役物大当り遊技を実行するが、図柄大当り遊技を実行しない遊技機)」であってもよい。
【0206】
また、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0207】
ここで各実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「普通図柄作動ゲート」が普通図柄作動ゲート17に相当し、「遊技球検出手段」が普通図柄作動スイッチ17aに相当する。また、「数値データ」が「大当り決定用乱数」に相当する。
「第1遊技領域」が左打ち領域3Lに相当し、「第2遊技領域」が右打ち領域3Rに相当する。また、「第1始動口」が第1始動口11に相当し、「第2始動口」が第2始動口12に相当する。更に、「第1特別図柄表示装置」が特別図柄表示装置9に相当し、「第2特別図柄表示装置」が特別図柄表示装置10に相当する。
【0208】
「第1特別図柄判定」が、「図18において第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定する処理(S350の処理)に相当し、「第2特別図柄判定」が、「図18おいて第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定する処理(S350の処理)に相当する。
「当り遊技実行手段」が、図21図24の大当り遊技処理に相当する。
また、「遊技状態設定手段」が、図20のS384の処理(大当りフラグをセットする処理)、図20のS396(確変フラグを解除する処理)、S404の処理(時短フラグを解除する処理)、図24のS590(確変フラグ及び時短フラグをセットする処理)、S600(時短フラグをセットする処理)に相当する。
「特殊演出実行手段」をサブ統合制御装置83を備える共に図29のS1120の処理を行うと、S1120の処理で決定した大当り演出パターンに従い「特殊演出」が実行される。また、「注意報知手段」が図32(a)のS1215の処理に相当する。
【符号の説明】
【0209】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L;左打ち領域、3R;右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口、12;第2始動口、14;第1大入賞口、15;第2大入賞口、17;普通図柄作動ゲート、17B;左打ち検出ゲート、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36