【文献】
輸出入在庫販売管理システム(外貨・貿易システム),[online],株式会社サンプランソフト,2015年,https://www.sunplan.co.jp/system/01.html,[2020年11月24日検索],インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
本実施形態は、売上諸掛を含む利益管理機能に関するものである。売上に紐付く諸掛である売上諸掛は、本来売上原価には算入されない販売管理費として処理される。本実施形態では、売上に紐付けて諸掛計上入力することで、取引別の諸掛までを含んだ利益管理が可能となる。
【0016】
例えば、売上が100,000円、売上原価が60,000円、及び、粗利(粗利益)が40,000円の取引において、売上諸掛が10,000円の場合、売上諸掛を含んだ利益は30,000円となる。
【0017】
本実施形態では、諸掛についての按分方法は、金額、数量を元にしてもよく、他に基準量という枠を設けて係数等を指定することができるようにしてもよい。例えば、食品では、ブランド等の高級品を判断する係数とすることができる。また、布団では、面積を係数とすることができる。
【0018】
従来は、売上諸掛について利益管理の要素に含めて管理できなかった。また、金額や数量といった定量的な判断基準でしか按分ができなかった。しかしながら、商社、卸売業、小売業等、売上に経費を伴う運用を行う業界ではこのような利益管理が重要であり、本実施形態に係る利益管理処理は有用である。
【0019】
本実施形態は、売上諸掛まで含んで売上を利益管理するために、売上諸掛(債務データ)を売上に紐付けし、実績表に出力することが特徴である。更に、本実施形態に係る利益管理処理は、売上諸掛明細の金額内訳を「売上按分明細」に保持することができる。併せて、売上明細番号まで保持することにより、例えば、どの商品にどの経費がどれだけ掛ったかを紐付けすることができる。また、本実施形態は、粗利率が特定の値を割り込む場合に警告を出すために、指定した粗利率を割り込む一覧表を出力することが特徴である。また、本実施形態は、数量、金額に対する係数按分管理を行うために、商品マスタデータテーブルに基準量を設け、按分時に係数管理することが特徴である。
【0020】
[2.構成]
ここでは、本実施形態の利益管理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。なお、本実施形態の構成はあくまでも一例であり、本発明は、本実施形態の構成で実現することに限定されるものではない。また、構成に関する以下の説明において、重複する説明を省略する場合がある。
【0021】
図1は、本実施形態に係る利益管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。利益管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、利益管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
利益管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。利益管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
制御部102は、利益管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、利益管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、利益管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述するテーブルやファイル等は、サーバ200に格納されてもよい。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、売上ヘッダデータファイル106a、売上明細データファイル106b、売上諸掛ヘッダデータファイル106c、売上諸掛明細データファイル106d、売上按分明細データファイル106e、商品マスタデータテーブル106f、売上実績表データファイル106g、集計データファイル106h、及び、粗利率警告一覧データファイル106iを有する。
図2は、本実施形態に係る利益管理処理において作成されるデータに関するデータ構造(データセット)の一例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、売上ヘッダデータファイル106aは、売上No.(番号)、売上日、得意先、及び、納入先についての情報を含むレコードを格納する。
【0028】
売上明細データファイル106bは、売上番号、売上明細番号、商品CD(コード)、数量(売上数量)、売上単価、及び、売上金額についての情報を含むレコードを格納する。
【0029】
売上諸掛ヘッダデータファイル106cは、売上諸掛番号、及び、売上番号についての情報を含むレコードを格納する。
【0030】
売上諸掛明細データファイル106dは、売上諸掛番号、諸掛明細番号、仕入先、計上日、経費、及び、諸掛金額についての情報を含むレコードを格納する。
【0031】
売上按分明細データファイル106eは、売上諸掛番号、諸掛明細番号、按分行番号、売上番号、売上明細番号、及び、按分された諸掛金額についての情報を含むレコードを格納する。
【0032】
商品マスタデータテーブル106fは、商品、及び、基準量についての情報を含むレコードを格納する。基準量とは、売上諸掛金額を按分する際の基準とする、商品の分類(例えば、食品、布団など)に応じた係数等である。
【0033】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、画面又はモニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を画面114又はモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。
【0034】
制御部102は、利益管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、機能概念的に、設定部102a、按分計算部102b、粗利率警告部102c、集計部102d、作成部102e、及び、表示画面制御部102fを備える。また、制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0035】
設定部102aは、売上入力、及び、売上諸掛入力が行われると、入力された情報に
基づいて、各種設定(例えば、入力画面で選択された項目に対応するファイルや画面表示の設定など)を行う。
【0036】
按分計算部102bは、売上明細を識別する番号、商品、数量、売上単価、売上金額、及び、諸掛金額についての情報を含むデータセットに基づいて、売上金額に紐付いた売上諸掛金額を算出し、売上諸掛金額を、商品にまつわる所定の按分基準に従って、商品ごとに按分した金額を算出する按分計算を行う。所定の按分基準とは、例えば、商品の数量又は商品の売上金額等が挙げられる。また、按分計算部102bは、商品ごとの基準量に基づいて按分した金額を算出してもよい。
【0037】
粗利率警告部102cは、売上金額、売上原価、及び、諸掛金額に基づいて、商品ごとに粗利益及び粗利益率を算出し、算出された粗利益率が所定の閾値以下である商品について警告する。例えば、粗利率警告部102cは、集計データファイル106hに基づいて、粗利率を基準にレコードを並べ替えることができ、所定の粗利率を割った商品については、粗利率警告一覧データファイル106iによって警告することができる。
【0038】
集計部102dは、売上、売上原価、及び、売上諸掛等の各種データを集計する。
【0039】
作成部102eは、入力された情報、データファイル、並びに、按分計算部102b、粗利率警告部102c、及び、集計部102dによって算出された数値等に基づいて、各種データファイル等を作成する。例えば、売上入力に基づいて、売上ヘッダデータファイル106a、及び、売上明細データファイル106bを作成する。また、売上諸掛入力に基づいて、売上諸掛ヘッダデータファイル106c、売上諸掛明細データファイル106d、及び、売上按分明細データファイル106e等を作成する。更に、
図6に示す売上実績表抽出条件入力画面で入力された抽出条件に従って、売上ヘッダデータファイル106a、売上明細データファイル106b、売上諸掛ヘッダデータファイル106c、売上諸掛明細データファイル106d、及び、売上按分明細データファイル106e等に基づいて、並びに、粗利率警告部102cが算出した粗利及び粗利率(%)に基づいて、売上実績表データファイル106gを作成する。また、集計部102dが各種データを集計して算出した数値に基づいて、集計データファイル106hを作成する。更に、粗利率警告部102cが算出した数値に基づいて、粗利率警告一覧データファイル106iを作成する。
【0040】
表示画面制御部102fは、例えば、
図3に示すメイン画面、
図4に示す明細入力画面、
図5に示す売上諸掛入力画面、及び、
図6に示す売上実績表抽出条件入力画面等の各種入力画面の表示制御を行う。画面構成の詳細な説明については後述する。
【0041】
[3.画面構成]
ここでは、本実施形態における画面の構成の一例について、
図3から
図6を参照して説明する。
【0042】
図3は、メイン画面(例えばWeb画面)の表示の一例を示す図である。メイン画面では、売上入力を行う。
【0043】
図4は、明細入力画面(例えばWeb画面)の表示の一例を示す図である。明細入力画面では、売上諸掛明細入力を行う。
【0044】
図5は、売上諸掛按分入力画面(例えばWeb画面)の表示の一例を示す図である。売上諸掛按分入力画面では、売上諸掛按分入力を行う。
図5に示すように、売上諸掛按分入力画面の領域MA1では、諸掛金額は、外貨諸掛金額及び邦貨諸掛金額を表示することができ、按分結果を変更することも可能である。また、領域MA2に示すように、按分結果をそれぞれ表示することができる。なお、ここでは、数量按分の例を示している。
【0045】
図6は、売上実績表抽出条件入力画面(例えばWeb画面)の表示の一例を示す図である。売上実績表抽出条件入力画面では、売上実績表抽出条件入力を行う。
図6に示すように、売上実績表抽出条件入力画面の領域MB1では、原価包含区分として、売上原価のみ、又は、売上原価と売上諸掛本体金額を含むかを選択することができる。
【0046】
[4.処理]
本実施形態に係る各処理の一例について、
図7等を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係る利益管理処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0047】
図7に示すように、
図3に示したメイン画面にて売上入力が行われると、ステップSA1で、設定部102aは、売上入力に基づいて各種設定を行い、作成部102eは、売上ヘッダファイル106a及び売上明細データファイル106bを作成する。
【0048】
図8は、売上ヘッダデータファイル106aの一例を示す図である。
図8に示すように、売上ヘッダデータファイル106aは、売上番号、売上日、得意先、及び、納入先についての情報を含むレコードを格納する。具体的には、売上ヘッダデータファイル106aは、例えば、売上番号「UR00000001」、売上日「2016/5/1」、得意先○○商事」、及び、納入先「△△現場」を含むレコードが格納される。
【0049】
図9は、売上明細データファイル106bの一例を示す図である。
図9に示すように、売上明細データファイル106bは、売上番号、売上明細番号、商品、数量、売上単価、及び、売上金額についての情報を含むレコードを格納する。具体的には、売上明細データファイル106bは、例えば、1行目に、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「1」、商品「商品A」、数量「10」、売上単価「5,000」、及び、売上金額「50,000」を含むレコードが格納される。また、2行目に、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「2」、商品「商品B」、数量「20」、売上単価「2,000」、及び、売上金額「40,000」を含むレコードが格納される。また、3行目に、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「3」、商品「商品C」、数量「20」、売上単価「2,000」、及び、売上金額「60,000」を含むレコードが格納される。
【0050】
図7に戻り、売上諸掛入力が行われると、ステップSA2で、設定部102aは、売上諸掛入力に基づいて各種設定を行い、作成部102eは、売上諸掛ヘッダデータファイル106c、売上諸掛明細データファイル106d、及び、売上按分明細データファイル106eを作成する。
【0051】
図10は、売上諸掛ヘッダデータファイル106cの一例を示す図である。
図10に示すように、売上諸掛ヘッダデータファイル106cは、売上諸掛番号、及び、売上番号についての情報を含むレコードを格納する。具体的には、売上諸掛ヘッダデータファイル106cは、例えば、売上諸掛番号「US00000025」、及び、売上番号「UR00000001」を含むレコードが格納される。
【0052】
図11は、売上諸掛明細データファイル106dの一例を示す図である。
図11に示すように、売上諸掛明細データファイル106dは、売上諸掛明細番号、諸掛明細番号、仕入先、計上日、経費、及び、諸掛金額についての情報を含むレコードを格納する。具体的には、売上諸掛明細データファイル106dは、例えば、1行目に、売上諸掛明細番号「US00000025」、諸掛明細番号「1」、仕入先「××運輸」、計上日「2016/5/31」、経費「荷造運賃」、及び、諸掛金額「30,000」を含むレコードが格納される。また、2行目に、売上諸掛明細番号「US00000025」、諸掛明細番号「2」、仕入先「□□物産」、計上日「2016/5/31」、経費「消耗品」、及び、諸掛金額「6,000」を含むレコードが格納される。
【0053】
続いて、按分計算について説明する。按分計算は、按分計算部102bが、売上諸掛明細データファイル106dに基づいて、諸掛金額を商品の数量又は売上金額で按分して算出し、算出された数値と、売上諸掛明細データファイル106dとに基づき、作成部102eが、売上按分明細データファイル106eを作成する。ここで、按分計算は手動按分も可能である。
【0054】
図12は、売上按分明細データファイル106eの一例を示す図である。
図12に示すように、売上按分明細データファイル106eは、売上諸掛番号、諸掛明細番号、按分行番号、売上番号、売上明細番号、及び、諸掛金額についての情報を含むレコードを格納する。売上按分明細データファイル106eには、売上明細データファイル106bに含まれる各レコードに対して、1行目から3行目には諸掛明細番号「1」について数量按分したレコードが格納され、4行目から6行目には諸掛明細番号「2」について金額按分したレコードが格納される。
【0055】
具体的には、売上按分明細データファイル106eは、例えば、1行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「1」、按分行番号「1」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「1」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「1」の諸掛金額30,000×数量10/総売上数量(10+20+30)=)5,000」を含むレコードが格納される。また、2行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「1」、按分行番号「2」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「2」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「1」の諸掛金額30,000×数量20/総売上数量(10+20+30)=)10,000」を含むレコードが格納される。また、3行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「1」、按分行番号「3」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「3」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「1」の諸掛金額30,000×数量30/総売上数量(10+20+30)=)15,000」を含むレコードが格納される。
【0056】
売上按分明細データファイル106eは、更に、4行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「2」、按分行番号「1」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「1」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「2」の諸掛金額6,000×売上金額50,000/総売上金額(50,000+40,000+60,000)=)2,000」を含むレコードが格納される。また、5行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「2」、按分行番号「2」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「2」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「2」の諸掛金額6,000×売上金額40,000/総売上金額(50,000+40,000+60,000)=)1,600」を含むレコードが格納される。また、6行目に、売上諸掛番号「US00000025」、諸掛明細番号「2」、按分行番号「3」、売上番号「UR00000001」、売上明細番号「3」、及び、諸掛金額「(諸掛明細番号「2」の諸掛金額6,000×売上金額60,000/総売上金額(50,000+40,000+60,000)=)2,400」を含むレコードが格納される。
【0057】
次に、基準量を用いた按分計算について説明する。基準量を用いた按分計算では、商品の数量又は売上金額に対する係数按分管理を行うために、商品マスタデータテーブル106fに基準量を設けておくことで、按分時に係数管理することができる。
【0058】
まず、商品マスタデータテーブル106fについて説明する。
図13は、商品マスタデータテーブル106fの一例を示す図である。
図10に示すように、商品マスタデータテーブル106fは、商品、及び、基準量についての情報を含むレコードを格納する。具体的には、商品マスタデータテーブル106fは、例えば、1行目に、商品「商品A」、及び、基準量「1.20」を含むレコードが格納される。また、2行目に、商品「商品B」、及び、基準量「1.30」を含むレコードが格納される。また、3行目に、商品「商品C」、及び、基準量「1.50」を含むレコードが格納される。
【0059】
按分計算部102bは、商品マスタデータテーブル106fを参照し、商品マスタデータテーブル106fに含まれる対応する商品ごとの基準量を取得し、売上按分明細データファイル106eに含まれる売上明細番号「1」の諸掛金額に乗算して、それぞれの基準量諸掛金額を算出する。
【0060】
図14は、売上按分明細データファイル106eの一例を示す図である。
図14に示すように、基準量を用いて按分計算した諸掛金額を、
図12に示した売上按分明細データファイル106eの右端の列に「諸掛金額×基準量」として追加する。すなわち、「諸掛金額×基準量」は、1行目には「(諸掛金額5,000×基準量1.20=)6,000」、2行目には「(諸掛金額5,000×基準量1.30=)6,500」、3行目には「(諸掛金額5,000×基準量1.50=)7,500」、4行目には「(諸掛金額2,000×基準量1.20=)2,400」、5行目には「(諸掛金額2,000×基準量1.30=)2,600」、及び、6行目には「(諸掛金額2,000×基準量1.50=)3,000」が格納される。
【0061】
図7に戻り、ステップSA3で、粗利率警告部102cは、売上明細データファイル106b及び売上諸掛明細データファイル106d等に基づいて、粗利及び粗利率(%)を算出し、集計部102dは、売上金額、売上原価、及び、売上諸掛金額を集計する。作成部102eは、粗利率警告部102c、及び、集計部102dが算出した数値に基づいて、集計データファイル106h及び粗利率警告一覧データファイル106iを作成し、更に、商品別に売上実績表データファイル106gを作成する。
【0062】
なお、粗利率(%)は、下記式1によって算出される。
粗利率(%)=粗利/売上金額×100(%)
=(売上金額‐売上原価‐諸掛金額)/売上金額×100(%)…(式1)
【0063】
図15は、売上、売上原価、及び、売上諸掛のデータ集計、並びに、粗利率警告一覧データファイル106iの一例を説明するための図である。
図15に示すように、集計データファイル106hは、売上番号、売上明細番号、商品、数量、売上単価、売上金額、売上原価、諸掛金額、及び、粗利率(%)についての情報を含むレコードを格納する。
【0064】
粗利率警告部102cは、集計データファイル106hに基づいて、粗利率を基準にレコードを並べ替えることができ、所定の粗利率を割った商品については、粗利率警告一覧データファイル106iによって警告することができる。すなわち、警告する粗利率の閾値を30%以下と指定した場合、粗利率が36%である商品Aについては警告の対象外とし、粗利率が21%である商品B及び商品Cについて警告することができる。
【0065】
続いて、売上実績表データファイル106gの表示について説明する。
図16は、売上実績表データファイル106gの表示結果の一例を示す図である。売上実績表データファイル106gは、
図6に示す売上実績表抽出条件入力画面で入力された抽出条件に従って、売上ヘッダデータファイル106a、売上明細データファイル106b、売上諸掛ヘッダデータファイル106c、売上諸掛明細データファイル106d、及び、売上按分明細データファイル106eに基づいて、並びに、粗利率警告部102cが算出した粗利及び粗利率(%)に基づいて、作成される。
図16に示すように、売上実績表データファイル106gの領域MC1には、商品ごとに、総売上金額、粗利額、粗利率、及び、総売上数量を表示することができる。
【0066】
[5.実施形態のまとめ、および他の実施形態]
以上、本実施形態によれば、売上諸掛を売上に紐付けて按分する利益管理を実現することができる。そのため、売上諸掛を按分したデータに基づいて仕訳作成でき、入力ミスや作業負荷を軽減することが可能である。
【0067】
また、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0068】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0069】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0070】
また、利益管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0071】
例えば、利益管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて各装置に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0072】
また、このコンピュータプログラムは、サーバ200に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0073】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0074】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0075】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0076】
また、利益管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、利益管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0077】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。