(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体層は、前記複数の第2活性領域が形成された第1領域と、MISFETを構成するソース及びドレインが形成された第2領域とを有する、請求項1に記載の半導体装置。
前記良品判定を行う工程は、前記第1テストパターンの前記抵抗値を測定した後、この測定した前記抵抗値を、あらかじめ準備しておいた参照範囲と比較しする工程を有し、
比較した前記抵抗値が前記参照範囲内である場合には、前記MISFETは良品と判定される一方、比較した前記抵抗値が前記参照範囲外である場合には、前記MISFETは不良と判定される、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
互いに隣り合って配置される一対の前記第1テストパターン及び前記第2テストパターンは、平面視において、行列状に配列されている、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
前記(a1)工程の後、前記第1テストパターンの前記第3配線パターンと前記第2テストパターンの前記第3配線パターンとの間に設けられたスイッチを切り替えてから、前記(a2)工程を行う、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。なお、以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0012】
(第1実施形態)
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。
【0013】
図1に示されるように、第1実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBを有している。半導体基板SUBは、半導体ウェハWFを切断することにより形成されている。すなわち、本実施形態における半導体基板SUBは、半導体ウェハWFの一部である。より具体的には、半導体ウェハWFは、平面視において、チップ領域CHと、スクライブ領域SCとを有している。チップ領域CHは、半導体素子が形成される領域である。
【0014】
チップ領域CHは、平面視において、スクライブ領域SCに取り囲まれている。このことを別の観点からいえば、スクライブ領域SCは、互いに隣り合う2つのチップ領域CHの間に配置されている。テスト領域TEGは、平面視において、チップ領域CH内に配置されている。テスト領域TEGは、後述する第1テストパターンTP1が形成される領域である。なお、
図2に示されるように、テスト領域TEGは、平面視において、スクライブ領域SC内に配置されていてもよい。半導体ウェハWFは、スクライブ領域SCに沿って切断される。
【0015】
図3及び
図4に示されるように、第1実施形態に係る半導体装置は、層間絶縁膜ILDと、第1テストパターンTP1とをさらに有している。層間絶縁膜ILDは、半導体基板SUB上に形成されている。層間絶縁膜ILDは、例えば、シリコン酸化物(SiO
2)で形成されている。
【0016】
半導体基板SUBは、基材層BULKと、絶縁層BOXと、半導体層SOIとを有している。絶縁層BOXは、基材層BULK上に形成されている。半導体層SOIは、絶縁層BOX上に形成されている。基材層BULKは、例えば、単結晶のシリコン(Si)で形成されている。絶縁層BOXは、例えばシリコン酸化物で形成されている。半導体層SOIは、例えば、単結晶のシリコンで形成されている。
【0017】
第1テストパターンTP1は、第1活性領域AR1と、複数の第2活性領域AR2とを有している。第1活性領域AR1は、基材層BULKに形成されている。第2活性領域AR2は、半導体層SOIに形成されている。より具体的には、第1活性領域AR1は、半導体基板SUBの第1領域R1に位置する基材層BULKに形成されている。第2活性領域AR2は、半導体基板SUBの第3領域R3に位置する半導体層SOIに形成されている。なお、第1領域R1及び第3領域R3は、テスト領域TEGに含まれている。上記のとおり、テスト領域TEGは、チップ領域CHに含まれているため、第1領域R1及び第3領域R3も、チップ領域CH内に位置している。第1活性領域AR1上において、絶縁層BOX及び半導体層SOIは、除去されている。第1活性領域AR1及び第2活性領域AR2の各々は、素子分離膜ISLに取り囲まれることにより絶縁分離されている。素子分離膜ISLは、例えば、シリコン酸化物で形成されるSTI(Shallow Trench Isolation)である。
【0018】
第2活性領域AR2は、平面視において、仮想線L上に配置されている。仮想線Lは、直線である。但し、仮想線Lは、直線に限られるものではない。仮想線Lは、
図5に示されるように、蛇行していてもよい。仮想線Lは、一方端と、他方端とを有している。以下においては、一方端上にある第2活性領域AR2を、第3活性領域AR3ということがある。また、以下においては、他方端上にある第2活性領域AR2を、第4活性領域AR4ということがある。第1活性領域AR1は、平面視において、第3活性領域AR3の隣に配置されている。
【0019】
第1テストパターンTP1は、第1配線パターンWP1と、複数の第2配線パターンWP2と、第3配線パターンWP3とをさらに有している。第1配線パターンWP1、第2配線パターンWP2及び第3配線パターンWP3は、層間絶縁膜ILD上に形成されている。
【0020】
第1テストパターンTP1は、第1コンタクトプラグCP1と、一対の第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3とをさらに有している。第1コンタクトプラグCP1は、第1活性領域AR1上にある層間絶縁膜ILD中に形成されている。第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3は、第2活性領域AR2上にある層間絶縁膜ILD中に形成されている。
【0021】
第1コンタクトプラグCP1は、絶縁層BOX及び半導体層SOIを介さずに、第1活性領域AR1と電気的に接続されている。一対の第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3は、それぞれ、複数の第2活性領域AR2と電気的に接続されている。
【0022】
第1配線パターンWP1は、第1コンタクトプラグCP1及び第3活性領域AR3に電気的に接続された第2コンタクトプラグCP2と電気的に接続されている。複数の第2配線パターンWP2は、それぞれ、第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3を介して、平面視において互いに隣り合って配置される2つの第2活性領域AR2と電気的に接続される。第3配線パターンWP3は、第4活性領域AR4に電気的に接続された第3コンタクトプラグCP3と電気的に接続されている。
【0023】
第1配線パターンWP1、第2配線パターンWP2及び第3配線パターンWP3は、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金等で形成されている。第1コンタクトプラグCP1、第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3は、例えば、タングステン(W)で形成されている。
【0024】
第1実施形態に係る半導体装置は、
図4に示されるように、トランジスタTrをさらに有している。トランジスタTrは、例えば、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)である。トランジスタTrは、チップ領域CHに形成されている。トランジスタTrは、ソース領域SRと、ドレイン領域DRAと、ウェル領域WRと、ゲート絶縁膜GOと、ゲート電極GEとで構成されている。
【0025】
ソース領域SR及びドレイン領域DRAは、半導体基板SUBの第2領域R2に位置する半導体層SOIに形成されている。なお、第2領域R2は、チップ領域CH内に位置している。ソース領域SR及びドレイン領域DRAに挟み込まれている部分の半導体層SOIは、トランジスタTrのチャネル領域を構成している。ウェル領域WRは、半導体ウェハWFの第2領域R2に位置する基材層BULKに形成されている。ソース領域SRの導電型及びドレイン領域DRAの導電型は、第1導電型である。他方、ウェル領域WRの導電型は、第2導電型である。第2導電型は、第1導電型の反対の導電型である。例えば、第1導電型がn型である場合、第2導電型はp型である。
【0026】
ゲート絶縁膜GOは、チャネル領域上に形成されている。ゲート電極GEは、ゲート絶縁膜GO上に形成されている。ゲート絶縁膜GOは、例えば、シリコン酸化物で形成されている。ゲート電極GEは、例えば、不純物がドープされた多結晶のシリコンで形成されている。
【0027】
ソース領域SRは、第1部分SRaと、第2部分SRbとを有している。ドレイン領域DRAは、第1部分DRAaと、第2部分DRAbとを有している。第1部分SRaは、第2部分SRbよりもチャネル領域側に形成されている。第1部分DRAaは、第2部分DRAbよりもチャネル領域側に形成されている。第1部分SRa中における不純物濃度は、第2部分SRb中における不純物濃度よりも低い。第1部分DRAa中における不純物濃度は、第2部分DRAb中における不純物濃度よりも低い。すなわち、ソース領域SR及びドレイン領域DRAにおいては、LDD構造(Lightly Doped Diffusion)が形成されている。
【0028】
ゲート電極GEの側方かつ第1部分SRa及び第1部分DRAaの上方には、サイドウォールスペーサSWSが形成されている。サイドウォールスペーサSWSは、例えば、シリコン酸化物で形成されている。サイドウォールスペーサSWSは、シリコン酸化物の膜とシリコン窒化物の膜とが積層されることにより形成されていてもよい。
【0029】
なお、ソース領域SR上にある層間絶縁膜ILD中には、ソース領域SRに電気的に接続されているコンタクトプラグが形成されており、ドレイン領域DRA上にある層間絶縁膜ILD中には、ドレイン領域DRAに電気的に接続されているコンタクトプラグが形成されている。
【0030】
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を、
図6に示される工程図(プロセスフロー)に沿って説明する。
【0031】
まず、
図7に示されるように、素子分離膜形成工程S1においては、素子分離膜ISLの形成が行われる。素子分離膜形成工程S1においては、第1に、半導体ウェハWF(基板)の表面に異方性のエッチング処理により溝が形成される。なお、異方性のエッチング処理は、例えば、フォトレジストパターンをマスクとしたドライエッチングやRIE(Reactive Ion Etching)である。素子分離膜形成工程S1においては、第2に、溝に素子分離膜ISLを構成する材料が埋め込まれる。素子分離膜形成工程S1においては、当該溝からはみ出した素子分離膜ISLを構成する材料をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等で除去される。
【0032】
次に、
図8に示されるように、除去工程S2においては、後の工程において第1活性領域AR1が形成される基材層BULK上の絶縁層BOX及び半導体層SOIが、除去される。基材層BULK及び絶縁層BOXの除去は、例えば、等方性のエッチング処理により行われる。等方性のエッチング処理は、例えばウェットエッチングである。
【0033】
次に、
図9に示されるように、第1イオン注入工程S3においては、後の工程においてその上方にトランジスタTrを構成するゲート電極GEが形成される基材層BULKに対して(第2領域R2に位置する基材層BULKに対して)、ウェル領域WRの形成が行われる。ウェル領域WRの形成は、例えばフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとするイオン注入により行われる。なお、ウェル領域WRの導電型がp型である場合、イオン注入により、例えばホウ素(B)が注入される。他方で、ウェル領域の導電型がn型である場合、イオン注入により、例えばヒ素(As)、リン(P)が注入される。
【0034】
次に、
図10に示されるように、ゲート絶縁膜形成工程S4においては、ゲート絶縁膜GOの形成が行われる。ゲート絶縁膜GOの形成は、例えば半導体ウェハWFの表面を熱酸化することにより行われる。
【0035】
次に、
図11に示されるように、ゲート電極形成工程S5においては、ゲート電極GEの形成が行われる。ゲート電極GEは、第2領域R2に位置する半導体層SOIの表面上にあるゲート絶縁膜GO上に形成される。ゲート電極形成工程S5においては、第1に、ゲート絶縁膜GO上にゲート電極GEを構成する材料が成膜される。ゲート電極形成工程S5においては、第2に、成膜されたゲート電極GEを構成する材料が、フォトリソグラフィ及び異方性のエッチング(ここでは、ドライエッチング)によりパターンニングされる。なお、上記のとおり、ゲート電極GEを構成する材料は、例えば、不純物がドープされた多結晶のシリコンである。また、このパターニングされたゲート電極GEをマスクとして、ゲート絶縁膜GOが、パターニングされる。
【0036】
次に、
図12に示されるように、エピタキシャル成長工程S6においては、第2領域R2に位置する半導体層SOIのうちのゲート電極GEから露出している部分の表面上に、エピタキシャル成長法を用いて、エピタキシャル層EPIが形成される。また、エピタキシャル成長工程S6においては、第1領域R1に位置する半導体層SOIの表面上にも、エピタキシャル成長法を用いて、エピタキシャル層EPIが形成される。以降の工程においては、エピタキシャル層EPIは、半導体層SOIの一部をなす。
【0037】
なお、ゲート電極形成工程S5の後、エピタキシャル成長工程S6の前には、ゲート電極GEの側方にダミーサイドウォールスペーサDSWが形成される。ダミーサイドウォールスペーサDSWは、
図12中において点線で示されている。なお、ダミーサイドウォールスペーサDSWは、エピタキシャル成長工程S6の後、第2イオン注入工程S7の前に除去される。
【0038】
図13に示されるように、第2イオン注入工程S7においては、第1部分SRa及び第1部分DRAaの形成が行われる。また、第2イオン注入工程S7においては、不純物領域IRが形成される。不純物領域IRは、主として、第3領域R3に位置するエピタキシャル層EPIに形成される。第1部分SRa、第1部分DRAa及び不純物領域IRの形成は、ゲート電極GEをマスクとするイオン注入により行われる。このイオン注入は、第2領域R2に位置するエピタキシャル層EPI及び半導体層SOIと、第3領域R3に位置するエピタキシャル層EPI及び半導体層SOIに対して行われる。すなわち、第1領域R1をマスク(図示しない)で覆った状態で、第2領域R2及び第3領域R3に対して不純物を注入する。なお、第1部分SRa、第1部分DRAa及び不純物領域IRの導電型がn型である場合には、イオン注入により、例えばヒ素、リンが注入される。他方で、第1部分SRa、第1部分DRAa及び不純物領域IRの導電型がp型である場合には、イオン注入により、例えばホウ素が注入される。
【0039】
次に、
図14に示されるように、サイドウォールスペーサ形成工程S8においては、サイドウォールスペーサSWSの形成が行われる。サイドウォールスペーサ形成工程S8においては、第1に、ゲート絶縁膜GO及びゲート電極GEを覆うように、サイドウォールスペーサSWSを構成する材料(絶縁性部材)がCVD等で成膜される。なお、上記のとおり、サイドウォールスペーサSWSを構成する材料は、例えば、シリコン酸化物の膜又はシリコン酸化物の膜及びシリコン窒化物の膜の積層膜である。サイドウォールスペーサSWSの形成においては、第2に、ゲート電極GEの上面が露出するように、成膜されたサイドウォールスペーサSWSを構成する材料がエッチバックされる。
【0040】
次に、
図15に示されるように、第3イオン注入工程S9においては、第1活性領域AR1、第2活性領域AR2、第2部分SRb及び第2部分DRAbの形成が行われる。第1活性領域AR1、第2活性領域AR2、第2部分SRb及び第2部分DRAbは、ゲート電極GE及びサイドウォールスペーサSWSをマスクとするイオン注入により形成される。このイオン注入は、第1領域R1に位置する基材層BULKと、第2領域R2に位置するエピタキシャル層EPI及び半導体層SOIと、第3領域R3に位置するエピタキシャル層EPI及び半導体層SOIに対して行われる。なお、第2部分SRb、第2部分DRAb、第1活性領域AR1及び第2活性領域AR2の導電型がn型である場合、イオン注入により、例えばヒ素、リンが注入される。他方で、第2部分SRb、第2部分DRAb、第1活性領域AR1及び第2活性領域AR2の導電型がp型である場合には、イオン注入により、例えばホウ素が注入される。また、第3イオン注入工程S9で注入する不純物の濃度は、上記の第2イオン注入工程S7で注入する不純物の濃度よりも高い。
【0041】
次に、
図16に示されるように、シリサイド膜形成工程S10においては、シリサイド膜SILの形成が行われる。シリサイド膜SILの形成においては、第1に、チタン(Ti)、コバルト(Co)等が半導体ウェハWF上に成膜される。第2に、成膜されたチタン、コバルト等の膜に対して、熱処理が行われる。これにより、半導体層SOI、基材層BULK及びゲート電極GEに含まれるシリコンとチタン、コバルト等とが反応し、シリサイド膜SILが第1活性領域AR1上、第2活性領域AR2上、ソース領域SR上、ドレイン領域DRA上及びゲート電極GE上に形成される。なお、未反応のチタン、コバルト等は、エッチングで除去される。
【0042】
なお、図示されていないが、シリサイド膜形成工程S10の後、層間絶縁膜形成工程S11の前に、半導体ウェハWF上にコンタクトストッパ膜が形成される。コンタクトストッパ膜の形成は、コンタクトストッパ膜を構成する材料をCVD等で成膜することにより行われる。コンタクトストッパ膜は、例えば、シリコン窒化物で形成される。
【0043】
次に、
図17に示されるように、層間絶縁膜形成工程S11においては、層間絶縁膜ILDの形成が行われる。層間絶縁膜形成工程S11においては、第1に、半導体ウェハWF上に層間絶縁膜ILDを構成する材料がCVD等で成膜される。層間絶縁膜形成工程S11においては、第2に、成膜された層間絶縁膜ILDを構成する材料が、CMP等により平坦化される。なお、上記のとおり、層間絶縁膜ILDを構成する材料は、例えばシリコン酸化物である。
【0044】
次に、
図18に示されるように、コンタクトプラグ形成工程S12においては、第1コンタクトプラグCP1、第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3の形成が行われる。コンタクトプラグ形成工程S12においては、第1に、ドライエッチングやRIE等の異方性のエッチングにより、層間絶縁膜ILD中にコンタクトホールが形成される。コンタクトプラグ形成工程S12においては、第2に、第1コンタクトプラグCP1〜第3コンタクトプラグCP3を構成する材料(導電性部材)が、コンタクトホール中に埋め込まれる。なお、第1コンタクトプラグCP1〜第3コンタクトプラグCP3を構成する材料は、上記のとおり、例えばタングステンである。コンタクトプラグ形成工程S12においては、第3に、コンタクトホールからはみ出した第1コンタクトプラグCP1〜第3コンタクトプラグCP3を構成する材料が、CMP等により除去される。
【0045】
コンタクトプラグ形成工程S12においては、ソース領域SRに電気的に接続されるコンタクトプラグ及びドレイン領域DRAに接続されるコンタクトプラグも、同様に形成される。
【0046】
次に、配線パターン形成工程S13においては、第1配線パターンWP1、第2配線パターンWP2及び第3配線パターンWP3の形成が行われる。配線パターン形成工程S13においては、第1に、第1配線パターンWP1〜第3配線パターンWP3を構成する材料が成膜される。配線パターン形成工程S13においては、第2に、成膜された第1配線パターンWP1〜第3配線パターンWP3を構成する材料が、例えばフォトリソグラフィ及びドライエッチングやRIE等の異方性のエッチングによりパターンニングされる。
【0047】
以上により、
図4に示される半導体装置の構造が形成される。すなわち、第1テストパターンTP1及びトランジスタTrが形成された半導体ウェハWFが準備される。
【0048】
検査工程S14においては、トランジスタTrの良品判定が行われる。検査工程S14においては、第1に、第1配線パターンWP1と第3配線パターンWP3との間で電流を流すことにより第1テストパターンTP1の抵抗値が測定される。
【0049】
検査工程S14においては、第2に、測定された第1テストパターンTP1の抵抗値と参照範囲とが比較される。参照範囲は、例えば、全ての第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が正常に形成されている場合の抵抗値の97%以上103%以下の範囲である。
【0050】
測定された第1テストパターンTP1の抵抗値が参照範囲内にあれば、トランジスタTrは正常に形成されたものと判定される。他方で、測定された第1テストパターンTP1の抵抗値が参照範囲外であれば、トランジスタTrが正常に形成されなかったものと判定される。
【0051】
切断工程S15においては、半導体ウェハWFの切断が行われる。半導体ウェハWFの切断は、例えばダイシングブレード又はレーザを用いて行われる。以上により、半導体ウェハWFが、複数の第1実施形態に係る半導体装置に個片化される。
【0052】
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の効果を説明する。
第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)は、エピタキシャル層EPIの成長不良が生じた際に、半導体層SOI及び絶縁層BOXを突き抜け、基材層BULKに達するように形成されてしまう場合がある。
【0053】
基材層BULKに達するように形成された第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)は、基材層BULKを介して、第1コンタクトプラグCP1と電気的に接続される。そのため、第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が基材層BULKに達するように形成された場合、第1テストパターンTP1の抵抗値は、第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が正常に形成されている場合の第1テストパターンTP1の抵抗値と異なる値となる。
【0054】
第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が基材層BULKに達するように形成されている場合、ソース領域SR及びドレイン領域DRAに接続されているコンタクトプラグも、基材層BULKに達するように形成されている可能性が高い。そのため、第1実施形態に係る半導体装置によると、第1テストパターンTP1の抵抗値を測定し、それを参照範囲と比較することにより、トランジスタTrが正常に形成されているかの判定を行うことができる。
【0055】
さらに、第1実施形態に係る半導体装置においては、第1テストパターンTP1の抵抗値を測定することにより、どの第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が基材層BULKに達するように形成されているのかを判定することができる。
【0056】
このことを、第2活性領域AR2の数を5として具体的に説明すると、以下のとおりとなる。第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)、当該第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)に接続される配線パターン、当該第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)に接続される第2活性領域AR2により、単位抵抗が構成されるものとする。
【0057】
この単位抵抗は、仮想線Lの一方端側から順に、R
1〜R
10とされる。基材層BULKに達するように形成された第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)と第1コンタクトプラグCP1との間の抵抗値を、R
BULKとする。
【0058】
全ての第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が正常に形成された場合の第1テストパターンTP1の等価回路が
図19に示されており、一方端側から5番目にあるコンタクトプラグ(第2コンタクトプラグCP2)が基材層BULKに達するように形成された場合の等価回路が
図20に示されている。
【0059】
仮想線Lの一方端からl番目(l:10以下の自然数)のコンタクトプラグが基材層BULKに達するように形成された場合、第1テストパターンTP1の抵抗値であるR
TP1は、以下の式により表すことができる。
【0061】
上記の式において、R
1〜R
10を50Ω、R
BULKを2000Ωとして計算すると、第1テストパターンTP1の抵抗値であるR
TP1として、表1に示される抵抗値が得られる(以下において、このような表を参照表という)。
【0063】
表1に示されるように、第1テストパターンTP1の抵抗値は、どの第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が基材層BULKに達するように形成されているかにより、互いに異なる抵抗値を示す。そのため、表1のような参照表をあらかじめ準備しておき、第1テストパターンTP1の抵抗値をそれと比較することにより、どの第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)が基材層BULKに達するように形成されているかを特定することができる。そのため、第1実施形態に係る半導体装置によると、不良箇所を容易に特定することができる。
【0064】
なお、上記においては、第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3のいずれかが基材層BULKに達するように形成される場合を例として説明したが、2以上のコンタクトプラグが基材層BULKに達するように形成される場合においても、同様の計算を行って参照表をあらかじめ作成することにより、不良箇所の特定が可能である。
【0065】
第1実施形態に係る半導体装置において、仮想線Lが蛇行している場合、第1テストパターンTP1を相対的に狭いスペースに形成することが可能となる。
【0066】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0067】
第2実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILDと、第1テストパターンTP1と、トランジスタTrとを有している。この点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と共通している。
【0068】
しかしながら、
図21〜
図23に示されるように、第2実施形態に係る半導体装置において、
図5に示される蛇行した第1テストパターンTP1は、第5活性領域AR5と、第6活性領域AR6と、第4コンタクトプラグCP4と、第5コンタクトプラグCP5と、第4配線パターンWP4と、第5配線パターンWP5とをさらに有している。この点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なっている。
【0069】
第5活性領域AR5及び第6活性領域AR6は、基材層BULKに形成されている。第5活性領域AR5及び第6活性領域AR6上において、絶縁層BOX及び半導体層SOIは、除去されている。第5活性領域AR5及び第6活性領域AR6は、素子分離膜ISLに取り囲まれることにより、絶縁分離されている。
【0070】
第5活性領域AR5は、平面視において、仮想線Lの一方端と他方端との間にある第2活性領域AR2(以下においては、この第2活性領域AR2を、第7活性領域AR7ということがある)の隣に配置されている。第6活性領域AR6は、平面視において、仮想線Lの一方端と他方端との間にある第7活性領域AR7以外の第2活性領域AR2(以下においては、この第2活性領域AR2を、第8活性領域AR8ということがある)の隣に配置されている。
【0071】
第4コンタクトプラグCP4は、第7活性領域AR7上にある層間絶縁膜ILD中に形成されている。第5コンタクトプラグCP5は、第8活性領域AR8上にある層間絶縁膜ILD中に形成されている。第4コンタクトプラグCP4は、第7活性領域AR7と電気的に接続されている。第5コンタクトプラグCP5は、第8活性領域AR8と電気的に接続されている。
【0072】
第4配線パターンWP4及び第5配線パターンWP5は、層間絶縁膜ILD上に形成されている。第4配線パターンWP4は、第7活性領域AR7に電気的に接続されている第2コンタクトプラグCP2と電気的に接続されている。第5配線パターンWP5は、第8活性領域AR8に電気的に接続されている第2コンタクトプラグCP2と電気的に接続されている。
【0073】
第4コンタクトプラグCP4及び第5コンタクトプラグCP5は、第1コンタクトプラグCP1〜第3コンタクトプラグCP3と同一の材料で形成されている。第4配線パターンWP4及び第5配線パターンWP5は、第1配線パターンWP1〜第3配線パターンWP3と同一の材料で形成されている。
【0074】
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0075】
第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、素子分離膜形成工程S1と、除去工程S2と、第1イオン注入工程S3と、ゲート絶縁膜形成工程S4と、ゲート電極形成工程S5と、エピタキシャル成長工程S6と、第2イオン注入工程S7と、サイドウォールスペーサ形成工程S8と、第3イオン注入工程S9とを有している。第1実施形態に係る半導体装置の製造方法は、シリサイド膜形成工程S10と、層間絶縁膜形成工程S11と、コンタクトプラグ形成工程S12と、配線パターン形成工程S13と、検査工程S14と、切断工程S15とをさらに有している。この点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と共通している。
【0076】
しかしながら、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、除去工程S2、第3イオン注入工程S9、コンタクトプラグ形成工程S12及び配線パターン形成工程S13の詳細に関して、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なっている。
【0077】
第2実施形態に係る半導体装置の製造方法では、除去工程S2において、後の工程において第5活性領域AR5及び第6活性領域AR6が形成される基材層BULK上の絶縁層BOX及び半導体層SOIも、併せて除去される。第3イオン注入工程S9においては、第5活性領域AR5及び第6活性領域AR6も、併せて形成される。
【0078】
また、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法では、コンタクトプラグ形成工程S12において、第4コンタクトプラグCP4及び第5コンタクトプラグCP5も、併せて形成される。第2実施形態に係る半導体装置の製造方法では、配線パターン形成工程S13において、第4配線パターンWP4及び第5配線パターンWP5も、併せて形成される。
【0079】
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の効果を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0080】
第2実施形態に係る半導体装置においては、第4配線パターンWP4と第3配線パターンWP3との間で電流を流すことにより、第4配線パターンWP4と第3配線パターンWP3との間における第1テストパターンTP1の抵抗値(以下においては、第1の抵抗値ということがある)を測定することができる。また、第2実施形態に係る半導体装置においては、第5配線パターンWP5と第3配線パターンWP3との間で電流を流すことにより、第5配線パターンWP5と第3配線パターンWP3との間における第1テストパターンTP1の抵抗値(以下においては、第2の抵抗値ということがある)を測定することができる。
【0081】
第1の抵抗値は、第1の参照範囲と比較される。第1の参照範囲は、第7活性領域AR7に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第7活性領域AR7との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が全て正常に形成された場合の、第4配線パターンWP4と第3配線パターンWP3との間における第1テストパターンTP1の抵抗値の97%以上103%以下の範囲である。
【0082】
第1の抵抗値が第1の参照範囲内にある場合には、第7活性領域AR7に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第7活性領域AR7との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が、全て正常に形成されたと判定することができる。他方で、第1の抵抗値が第1の参照範囲外にある場合には、第7活性領域AR7に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第7活性領域AR7との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3のいずれかが、基材層BULKに達するように形成されていると判定することができる。
【0083】
同様にして、第2の抵抗値は、第2の参照範囲と比較される。第2の参照範囲は、第8活性領域AR8に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第8活性領域AR8との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が全て正常に形成された場合の第5配線パターンWP5と第3配線パターンWP3との間における第1テストパターンTP1の抵抗値の97%以上103%以下の範囲である。
【0084】
第2の抵抗値が第2の参照範囲内にある場合、第8活性領域AR8に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第8活性領域AR8との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が、全て正常に形成されたと判定することができる。他方で、第2の抵抗値が第2の参照範囲外にある場合には、第8活性領域AR8に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3、第4活性領域AR4に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3並びに第4活性領域AR4と第8活性領域AR8との間にある第2活性領域AR2に電気的に接続される第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3のいずれかが、基材層BULKに達するように形成されていると判定することができる。
【0085】
このように、第2実施形態に係る半導体装置によると、形成不良が生じている第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の概略位置を、簡易に特定することができる。
【0086】
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の構成及び第2実施形態に係る半導体装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0087】
第3実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILDと、第1テストパターンTP1と、トランジスタTrとを有している。この点に関して、第3実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と共通している。
【0088】
しかしながら、第3実施形態に係る半導体装置は、
図24に示されるように、第2テストパターンTP2と、スイッチ部SWとをさらに有している。この点に関して、第3実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態に係る半導体装置と異なっている。
【0089】
第2テストパターンTP2は、第1テストパターンTP1と同一の構成である。なお、第3実施形態に係る半導体装置の第1テストパターンTP1は、第1実施形態に係る半導体装置における第1テストパターンTP1と同一であってもよく、第2実施形態に係る半導体装置の第1テストパターンTP1と同一であってもよい。
【0090】
第2テストパターンTP2は、平面視において、第1テストパターンTP1の隣に配置されている。スイッチ部SWは、第1テストパターンTP1及び第2テストパターンTP2に接続されている。スイッチ部SWは、例えば、トランジスタで構成される。
【0091】
より具体的には、スイッチ部SWは、第1状態において第1テストパターンTP1の第3配線パターンWP3に接続され、第2状態において第2テストパターンTP2の第3配線パターンWP3と接続される。スイッチ部SWは、第1状態と第2状態との間の切り替えを行うことができる。第1テストパターンTP1の第1配線パターンWP1と第2テストパターンTP2の第1配線パターンWP1とは、互いに電気的に接続されている。
【0092】
一対の第1テストパターンTP1及び第2テストパターンTP2並びにスイッチ部SWからなる単位構造USは、平面視において行列状に配列されている。各々の単位構造USは、例えばアドレスデコーダ回路(図示せず)により個々に選択可能に構成されている。
【0093】
以下に、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。なお、上記のとおり、第2テストパターンTP2の構成は第1テストパターンTP1と同一であるため、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び第2実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。しかしながら、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、検査工程S14に関しては、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び第2実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なる。
【0094】
第3実施形態に係る半導体装置の製造方法では、検査工程S14において、第1に、スイッチ部SWが第1テストパターンTP1を選択する。第2に、第1テストパターンTP1において、第1配線パターンWP1と第3配線パターンWP3との間で電流を流すことにより、第1テストパターンTP1の抵抗値が測定される。第3に、スイッチ部SWが第2テストパターンTP2を選択する。第4に、第2テストパターンTP2において、第1配線パターンWP1と第3配線パターンWP3との間で電流を流すことにより、第2テストパターンTP2の抵抗値が測定される。第5に、測定された第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値とが比較される。
【0095】
上記の第1の工程ないし第5の工程が、全ての単位構造USについて繰り返される。その結果、全ての単位構造USに関して第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値とが一致している場合には、トランジスタTrが正常に形成されたものと判定される。他方、単位構造USの少なくとも1つにおいて第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値とが一致していなかった場合には、トランジスタTrが正常に形成されなかったものと判定される。
【0096】
なお、第1テストパターンTP1の抵抗値が第2テストパターンTP2の抵抗値97%以上103%以下である場合には、第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値とが一致しているとみなしてもよい。
【0097】
全ての単位構造USのうち、第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値との差の絶対値が最も大きくなる単位構造USに、第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の形成不良が生じていると判定してもよい。
【0098】
第1テストパターンTP1の抵抗値と第2テストパターンTP2の抵抗値との差の絶対値が最も大きくなる単位構造USにおいて、第1テストパターンTP1の抵抗値と参照抵抗値との差の絶対値及び第2テストパターンTP2の抵抗値と参照抵抗値との差の絶対値とを比較することにより、第1テストパターンTP1及び第2テストパターンTP2のいずれに第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の形成不良が存するかを判定してもよい。より具体的には、前者が大きい場合には第1テストパターンTP1に第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の形成不良があると判定し、後者が大きい場合には第2テストパターンTP2に第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の形成不良があると判定してもよい。
【0099】
ここで、参照抵抗値は、全ての第2コンタクトプラグCP2及び第3コンタクトプラグCP3が正常に形成された場合における第1テストパターンTP1(第2テストパターンTP2)の抵抗値である。
【0100】
以下に、第3実施形態に係る半導体装置の効果を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の効果及び第2実施形態に係る半導体装置の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0101】
第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2は、同一の構成であり、かつ隣り合って配置されているため、共に正常に形成されていれば、実質的に同一の抵抗値を示す。そのため、互いに隣り合う第1テストパターンTP1及び第2テストパターンTP2の抵抗値を測定して比較することにより、第2コンタクトプラグCP2(第3コンタクトプラグCP3)の形成不良の有無を容易に検知することが可能となる。
【0102】
その他、上記実施の形態に記載された内容の一部を、以下に記載する。
[付記1]
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)基材層、前記基材層上に形成された絶縁層、前記絶縁層上に形成された半導体層、その一部が前記基材層に達するように前記半導体層及び前記絶縁層を貫通する溝、並びに前記溝内に形成された絶縁膜、を有し、第1領域、第2領域、及び第3領域を備えた基板を準備する工程;
(b)前記(a)工程の後、前記第1領域における前記半導体層と、前記第1領域における前記絶縁層とを除去し、前記第1領域における前記基材層を露出させる工程;
(c)前記(b)工程の後、前記第2領域における前記半導体層上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程;
(d)前記(c)工程の後、エピタキシャル成長法により、前記第2領域における前記半導体層のうちの前記ゲート電極から露出した部分の表面上、及び前記第3領域における前記半導体層の表面上に、エピタキシャル層を形成する工程;
(e)前記(d)工程の後、イオン注入法により、前記第1領域における前記基材層、前記第2領域における前記エピタキシャル層、及び前記第3領域における前記エピタキシャル層のそれぞれに、第1導電型の不純物領域を形成する工程;
(f)前記(e)工程の後、前記基板上に層間絶縁膜を形成する工程;
(g)前記(f)工程の後、前記第1領域における前記層間絶縁膜に前記第1領域における前記不純物領域に達する第1コンタクトホール、前記第2領域における前記層間絶縁膜に前記第2領域における前記不純物領域にそれぞれ達する一対の第2コンタクトホール及び第3コンタクトホール、並びに前記第3領域における前記層間絶縁膜に前記第3領域における前記不純物領域にそれぞれ達する一対の第4コンタクトホール及び第5コンタクトホールを、それぞれ形成する工程;
(h)前記(g)工程の後、前記第1コンタクトホール、前記第2コンタクトホール、前記第3コンタクトホール、前記第4コンタクトホール、及び前記第5コンタクトホールのそれぞれの内部に導電性部材を埋め込むことで、第1コンタクトプラグ、第2コンタクトプラグ、第3コンタクトプラグ、第4コンタクトプラグ、及び第5コンタクトプラグを形成する工程;
(i)前記(h)工程の後、前記層間絶縁膜上に第1配線パターン及び第2配線パターンを形成し、前記第1コンタクトプラグと前記第4コンタクトプラグに跨るように前記第1コンタクトプラグと前記第4コンタクトプラグに前記第1配線パターンを接続し、前記第5コンタクトプラグに前記第2配線パターンを接続する工程;
(j)前記(i)工程の後、前記第1コンタクトプラグ、前記第4コンタクトプラグ、前記第5コンタクトプラグ、前記第1配線パターン、及び前記第2配線パターンから成るテストパターンのうちの前記第1配線パターンと、前記テストパターンの前記第2配線パターンとの間に電流を流すことにより、前記テストパターンの抵抗値を測定する工程;
(k)前記(j)工程の後、前記(j)工程で測定した前記テストパターンの抵抗値を、別の値と比較し、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁膜、及び前記第2領域における前記エピタキシャル層から成るMISFETを検査する工程。
【0103】
[付記2]
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記基板は、複数のチップ領域と、前記複数のチップ領域のうちの互いに隣り合う2つのチップ領域間に位置するスクライブ領域と、を有し、
前記第2領域は、前記チップ領域内に位置しており、
前記第1領域及び前記第3領域は、前記スクライブ領域内に位置している。
【0104】
[付記3]
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記基板は、複数のチップ領域と、前記複数のチップ領域のうちの互いに隣り合う2つのチップ領域間に位置するスクライブ領域と、を有し、
前記第1領域ないし前記第3領域は、前記チップ領域内に位置している。
【0105】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。