特許第6947757号(P6947757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6947757真空ブレーカバルブアセンブリおよびその取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947757
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】真空ブレーカバルブアセンブリおよびその取付方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 9/004 20060101AFI20210930BHJP
   G21D 1/00 20060101ALI20210930BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20210930BHJP
   F16K 3/00 20060101ALI20210930BHJP
   F16K 3/12 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   G21C9/004
   G21D1/00 V
   G21C13/00 600
   F16K3/00 Z
   F16K3/12 A
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-564419(P2018-564419)
(86)(22)【出願日】2017年6月9日
(65)【公表番号】特表2019-522795(P2019-522795A)
(43)【公表日】2019年8月15日
(86)【国際出願番号】US2017036906
(87)【国際公開番号】WO2017214600
(87)【国際公開日】20171214
【審査請求日】2020年3月12日
(31)【優先権主張番号】15/177,886
(32)【優先日】2016年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー,ゲイリー・エム
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05898748(US,A)
【文献】 特開2013−245739(JP,A)
【文献】 特開2003−014880(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/085573(WO,A1)
【文献】 特開昭62−273492(JP,A)
【文献】 実開平03−017595(JP,U)
【文献】 特表2016−502113(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0056667(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 9/004
G21D 1/00
G21C 13/00
F16K 3/00
F16K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉格納容器用のブレーカバルブアセンブリ(10)であって、前記ブレーカバルブアセンブリ(10)は、
截頭円錐形状を有するバルブ本体(12)であって、
チャンバを画定する第1の側壁(28)と、
前記第1の側壁(28)の頂部にある第1の開口部(52)と、
前記第1の側壁(28)の底部にある第2の開口部(50)と、
を含む、バルブ本体(12)と、
前記バルブ本体(12)内に入れ子にされるとともに截頭円錐形状を有するバルブインサート本体(14)であって、
第2のチャンバ(60)を画定する第2の側壁(30)と、
前記第2の側壁(30)の底部にある第3の開口部(62)であって、前記バルブ本体(12)の前記第2の開口部(50)が前記第の開口部(62)と整列する、第3の開口部(62)と、
を含む、バルブインサート本体(14)と、
前記バルブインサート本体(14)のもっとも幅広の部分における前記バルブインサート本体(14)の前記第2の側壁(30)の上縁部(15)に配置された蓋(36)であって、前記バルブインサート本体(14)は、圧力が前記蓋(36)に加えられると、前記バルブ本体(12)に対して実質的に垂直に移動するように構成される、蓋(36)と、
を含む、ブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記バルブインサート本体(14)と前記バルブ本体(12)との間の少なくとも1つのシール(26)
をさらに含む、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシール(26)は、非金属シール(26)を含む、請求項2に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記ブレーバルブアセンブリ(10)は2〜10個のシール(26)を含む、請求項2に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記第1の側壁(28)は、隣接するシール(26)間に少なくとも1つの出口(48)を含む、請求項4に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの出口(48)に配置されたセンサポート(70)と、
流体を検出するように構成されるセンサと
をさらに含む、請求項5に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項7】
蒸気およびガスの少なくとも1つを通気またはシール(26)するように構成されたレギュレータ(38)をさらに含む、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記レギュレータ(38)は、バタフライバルブを含む、請求項7に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記蓋(36)から延在するガイドロッド(22)と、
前記ガイドロッド(22)の周りに配置されたガイドブッシングアセンブリ(20)と、をさらに含み、前記ガイドロッド(22)は、前記ガイドブッシング内に実質的に垂直に移動するように構成される、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項10】
バルブハウジング(16)と、
バルブハウジング蓋(18)と、をさらに含み、前記バルブ本体(12)は前記バルブ
ハウジング(16)内に配置される、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記バルブハウジング(16)の壁上の制限または位置スイッチ(46)をさらに含み、前記制限または位置スイッチ(46)は、前記バルブインサート本体(14)が静止状態にある場合に、前記バルブインサート本体(14)の前記上縁部(15)から外側に延在するフランジ(11)または前記バルブインサート本体(14)に接触するように構成される、請求項10に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記バルブインサート本体(14)の前記第2の側壁(30)の底部外面(92)と前記バルブ本体(12)の前記第1の側壁(28)の底部内面(94)との間に配置されたバンパー(44)
をさらに含む、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記バンパー(44)は、前記バルブインサート本体(14)の前記第2の側壁(30)の前記底部外面(92)と、前記バルブ本体(12)の前記第1の側壁(28)の前記底部内面(94)と、の少なくとも一方に取り付けられる、請求項12に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)
【請求項14】
前記蓋(36)は、ドーム形状である、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項15】
前記蓋(36)は、平坦である、請求項1に記載のブレーカバルブアセンブリ(10)。
【請求項16】
原子炉格納容器用の通気管アセンブリであって、前記原子炉はドライウェル(40)およびウェットウェル(42)を含み、前記通気管アセンブリは、
貫通するボア(13)を有するスタンドパイプ(32)であって、前記ドライウェル(40)を通って前記ウェットウェル(42)内に延在し、前記ドライウェル(40)と前記ウェットウェル(42)との間の連通を提供するように構成されたスタンドパイプ(32)と、
前記スタンドパイプ(32)と流体連通しているブレーカバルブアセンブリ(10)と、を含み、前記ブレーカバルブアセンブリ(10)は、
截頭円錐形状を有するバルブ本体(12)であって、
チャンバを画定する第1の側壁(28)と、
前記第1の側壁(28)の頂部にある第1の開口部(52)と、
前記第1の側壁(28)の底部にある第2の開口部(50)と、
を含む、バルブ本体(12)と、
前記バルブ本体(12)内に入れ子にされるとともに截頭円錐形状を有するバルブインサート本体(14)であって、
第2のチャンバ(60)を画定する第2の側壁(30)と、
前記第2の側壁(30)の底部にある第3の開口部(62)であって、前記バルブ本体(12)の前記第2の開口部(50)が前記第の開口部(62)と整列する、第3の開口部(62)と、
を含む、バルブインサート本体(14)と、
前記バルブインサート本体(14)のもっとも幅広の部分における前記バルブインサート本体(14)の前記第2の側壁(30)の上縁部(15)に配置された蓋(36)であって、前記バルブインサート本体(14)は、圧力が前記蓋(36)に加えられると、前記バルブ本体(12)に対して実質的に垂直に移動するように構成される、蓋(36)と、
を含む、通気管アセンブリ。
【請求項17】
ブレーカバルブアセンブリ(10)を取り付ける方法であって、
ブレーカバルブアセンブリ(10)をスタンドパイプ(32)と流体連通するように配置するステップを含み、前記ブレーカバルブアセンブリ(10)は、
截頭円錐形状を有するバルブ本体(12)であって、
チャンバを画定する第1の側壁(28)と、
前記第1の側壁(28)の頂部にある第1の開口部(52)と、
前記第1の側壁(28)の底部にある第2の開口部(50)と、
を含む、バルブ本体(12)と、
前記バルブ本体(12)内に入れ子にされるとともに截頭円錐形状を有するバルブインサート本体(14)であって、
第2のチャンバ(60)を画定する第2の側壁(30)と、
前記第2の側壁(30)の底部にある第3の開口部(62)であって、前記バルブ本体(12)の前記第2の開口部(50)が前記第の開口部(62)と整列する、第3の開口部(62)と、
を含む、バルブインサート本体(14)と、
前記バルブインサート本体(14)のもっとも幅広の部分における前記バルブインサート本体(14)の前記第2の側壁(30)の上縁部(15)に配置された蓋(36)であって、前記バルブインサート本体(14)は、圧力が前記蓋(36)に加えられると、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和するために前記バルブ本体(12)に対して実質的に垂直に移動する、蓋(36)と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原子炉格納容器のドライウェルとウェットウェルとの間の真空ブレーカバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライウェルおよびウェットウェルを含む原子炉は、その間に真空ブレーカバルブを含む。真空ブレーカバルブは、漏れが発生した場合に圧力を下げるように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/085573号
【発明の概要】
【0004】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、原子炉格納容器用のブレーカバルブアセンブリに関する。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、原子炉格納容器用のブレーカバルブアセンブリは、バルブ本体を含む。バルブ本体は、チャンバを画定する第1の側壁と、第1の側壁の頂部にある第1の開口部と、第1の側壁の底部にある第2の開口部と、を含む。第2の開口部は、バルブ本体の第1の開口部と連通している。ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブ本体内に入れ子にされたバルブインサート本体を含むことができる。バルブインサート本体は、第2のチャンバを画定する第2の側壁と、第2の側壁の底部にある第3の開口部と、を含む。ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体の側壁の上縁部に配置された蓋を含むことができる。バルブインサート本体は、バルブ本体に対して実質的に垂直に移動するように構成される。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体とバルブ本体との間に少なくとも1つのシールを含む。少なくとも1つのシールは、非金属OリングなどのOリングを含むことができる。ブレークバルブアセンブリは、インサートまたはバルブ本体上に2〜10個のシールを含むことができる。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、第1の側壁は、隣接するシール間に少なくとも1つの出口を含むことができる。ブレーカバルブアセンブリはまた、少なくとも1つの出口に配置されたセンサを含むことができる。センサは、流体、ガス、および/または蒸気を検出または試験するように構成されている。
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリは、蒸気およびガスのうちの少なくとも1つを通気するように構成されたレギュレータまたは試験構成を含むことができる。レギュレータは、バタフライバルブを含むことができる。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリは、蓋から延在するガイドロッドと、ガイドロッドの周りに配置されたガイドブッシングアセンブリと、を含むことができる。ガイドロッドは、ガイドブッシング内で実質的に垂直に移動するように構成することができる。ガイドロッドは試験に使用することができる。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブハウジングおよびバルブハウジング蓋を含むことができる。バルブ本体は、バルブハウジング内に配置することができる。
【0011】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリは、バルブハウジングの壁上にある制限スイッチを含むことができる。制限スイッチは、バルブインサート本体が静止(閉)状態にある場合に、バルブインサート本体の上部外縁部から外側に延在するフランジに接触するように構成することができる。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体の第2の側壁の底部外面とバルブ本体の第1の側壁の底部内面との間に配置されたバンパーを含むことができる。バンパーは本体またはインサート上にあってもよい。
【0013】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブ本体およびバルブインサート本体は、それぞれ、概ね截頭円錐形状であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、バルブ本体およびバルブインサート本体は、それぞれ、概ね円筒形状であってもよい。蓋は、概ね平坦またはドーム形状であってもよい。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、原子炉格納容器用の通気管アセンブリに関する。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、原子炉用の通気管アセンブリであって、原子炉はドライウェルおよびウェットウェルを含み、通気管アセンブリは、貫通するボアを有するスタンドパイプを含む。スタンドパイプは、ドライウェルを通ってウェットウェル内に延在し、ドライウェルとウェットウェルとの間の連通を提供するように構成される。通気管アセンブリはまた、スタンドパイプと流体連通するブレーカバルブアセンブリを含む。ブレーカバルブアセンブリは、バルブ本体と、バルブ本体内に入れ子にされたバルブインサート本体と、を含むことができる。バルブ本体は、チャンバを画定する第1の側壁と、第1の側壁の頂部にある第1の開口部と、第1の側壁の底部にある第2の開口部と、を含むことができる。バルブインサート本体は、第2のチャンバを画定する第2の側壁と、第2の側壁の底部にある第3の開口部と、を含むことができる。第2の開口部は、バルブ本体の第1の開口部と連通している。ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体の側壁の上縁部に配置された蓋を含むことができる。バルブインサート本体は、バルブ本体に対して実質的に垂直に移動するように構成される。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、原子炉格納容器内の圧力を緩和する方法に関する。
【0017】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、原子炉内の圧力を緩和する方法は、ブレーカバルブアセンブリを介して1つまたは複数の蒸気およびガスを放出するステップを含むことができる。ブレーカバルブアセンブリは、バルブ本体と、バルブ本体内に入れ子にされたバルブインサート本体と、を含む。バルブ本体は、チャンバを画定する第1の側壁と、第1の側壁の頂部にある第1の開口部と、第1の側壁の底部にある第2の開口部と、を含むことができる。バルブインサート本体は、第2のチャンバを画定する第2の側壁と、第2の側壁の底部にある第3の開口部と、を含むことができる。第2の開口部は、バルブ本体の第1の開口部と連通している。ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体の側壁の上縁部に配置された蓋を含むことができる。バルブインサート本体は、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和するためにバルブ本体に対して実質的に垂直に移動する。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ブレーカバルブアセンブリを取り付ける方法に関する。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリを取り付ける方法は、ブレーカバルブアセンブリをスタンドパイプと流体連通するように配置するステップを含むことができる。ブレーカバルブアセンブリは、バルブ本体と、バルブ本体内に入れ子にされたバルブインサート本体と、を含むことができる。バルブ本体は、チャンバを画定する第1の側壁と、第1の側壁の頂部にある第1の開口部と、第1の側壁の底部にある第2の開口部と、を含む。第2の開口部は、バルブ本体の第1の開口部と連通している。バルブインサート本体は、第2のチャンバを画定する第2の側壁と、第2の側壁の底部にある第3の開口部と、を含む。ブレーカバルブアセンブリはまた、バルブインサート本体の側壁の上縁部に配置された蓋を含む。バルブインサート本体は、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和するためにバルブ本体に対して実質的に垂直に移動する。
【0020】
本明細書における非限定的な実施形態の各種の特徴および利点は、添付図面と共に詳細な説明を検討すると、より明らかになるであろう。添付図面は、例示を目的として提供されているに過ぎず、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものではない。添付の図面は、特に明示されない限り、必ずしも縮尺どおりに描かれていないと考えるべきである。明確にするために、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態による、スタンドパイプに結合されたブレーカバルブアセンブリの断面図である。
図2】少なくとも1つの例示的な実施形態によるブレーカバルブの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が、本明細書に開示されている。しかし、本明細書に開示する特定の構造および機能の詳細は、例示的な実施形態を説明するための代表例に過ぎない。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替的な形態で実現させることができ、本明細書に説明される例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0023】
したがって、例示的な実施形態は、様々な変更および代替形態が可能であるが、それらの例示的な実施形態は、図面で例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての変更、等価物、および代替物をカバーするものであることを理解されたい。図面の説明の全体を通して、類似する符号は類似する要素を指す。
【0024】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に(on)ある」、「接続される(connected to)」、「結合される(coupled to)」、または「覆う(covering)」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接的に上にあり、接続され、結合され、または覆ってもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上にある」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しない。本明細書の全体を通して、類似する符号は類似する要素を指す。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つもしくは複数のすべての組み合わせを含む。
【0025】
本明細書では、各種の要素、部品、領域、層および/またはセクションを第1、第2、第3などの用語を使用して記述するが、それらの要素、部品、領域、層、および/またはセクションが、これらの用語により限定されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、部品、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。よって、以下で議論される第1の要素、部品、領域、層、またはセクションが、例示的な実施形態の教示から逸脱することなしに、第2の要素、部品、領域、層、またはセクションと呼ばれることもある。
【0026】
空間的に相対的な用語(例えば、「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」など)は、本明細書では、図に示すような、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述するための説明を容易にするために用いることができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用または動作中の装置の様々な向きを含むことを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置が上下逆さまにされた場合、他の要素または特徴の「下方」または「真下」にあると記述される要素は、他の要素または特徴の「上方」に位置するようになる。よって、「下方(below)」という用語は、上および下の両方の方向を含むことができる。装置を、それ以外の方向に向ける(90度回転させる、または他の方向に回転させる)ことができ、したがって、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈される。
【0027】
本明細書で用いられる用語は、種々の例示的な実施形態の説明だけを目的とし、例示的な実施形態の限定を意図していない。本明細書で用いられるように、文脈上で別途明確に指示されていない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(the)」は複数形も含むものとする。「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組の存在または追加を除外しないことがさらに理解されよう。
【0028】
本明細書では、例示的な実施形態について、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略的な図示である断面図を参照して記述する。したがって、例えば製造技術および/または公差の結果としての図示の形状からの変形が想定される。よって、例示的な実施形態は、本明細書に示す領域の形状に限定されるとみなされるものではなく、例えば製造により生じる、形状の変更を含むことが予定される。
【0029】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義される用語を含む用語は、関係のある技術分野の脈絡におけるそれらの意味と合致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で特に定義されない限り、理念化された意味、または過度に形式的な意味で解釈されることはないことがさらに理解されよう。
【0030】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ブレーカバルブアセンブリに関する。
【0031】
図1は、少なくとも1つの例示的な実施形態による、スタンドパイプに結合されたブレーカバルブアセンブリの断面図である。
【0032】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図1に示すように、ブレーカバルブアセンブリ10は、スタンドパイプ32と連通している。スタンドパイプ32は、両端にフランジ11を有することができる。スタンドパイプ32はまた、それを貫通して延在する管状のボア13を含むことができる。スタンドパイプ32は、ドライウェル40をウェットウェル42から分離するドライウェル床34を貫通して延在する。スタンドパイプ32は、ドライウェル40とウェットウェル42との間の粒子、例えば水、蒸気、および非凝縮物の輸送を容易にする。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10は、バルブ本体12と、バルブ本体内に入れ子にされたバルブインサート本体14と、蓋36と、を含む。バルブ本体12は、バルブインサート本体14が入れ子にされるチャンバを画定する第1の側壁28を含む。バルブ本体12は、第1の側壁28の頂部にある第1の開口部52を含む。バルブ本体12はまた、第1の側壁28の底部にある第2の開口部50を含むことができる。第2の開口部50は、バルブ本体12の第1の開口部52と連通している。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブインサート本体14は、第2のチャンバ60を画定する第2の側壁30を含む。バルブインサート本体14はまた、第2の側壁30の底部にある第3の開口部62を含む。バルブインサート本体14がバルブ本体12内に入れ子にされると、第3の開口部62は、バルブ本体12内の第2の開口部50と連通し、かつ/または整列する。
【0035】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、バルブインサート本体14の側壁30の上縁部15に配置された蓋36を含むことができる。
【0036】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブインサート本体14は、バルブインサート本体14の蓋36に圧力が加えられると、バルブ本体12に対して実質的に垂直に移動するように構成される。バルブインサート本体14の蓋36に圧力が加えられると、バルブインサート本体14は、バルブ本体12に対して数インチ上方に移動して、バルブ本体12とバルブインサート本体14との間に通路(図示せず)を形成することができる。蒸気、ガスおよび/または液体は、バルブ本体12とバルブインサート本体14との間の通路を通って移動し、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和する。
【0037】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、バルブインサート本体14とバルブ本体12との間に少なくとも1つのシール26を含むことができる。少なくとも1つのシール26は、非金属Oリングまたはシールを含むことができる。例えば、シール26は、ケイ素Oリングであってもよい。ブレークバルブアセンブリ10は、2〜10(例えば、約3〜約8、約4〜約7、または約5〜約6)のシール26を含むことができる。シール26は、スタンドパイプ32の開口部をシールするのを助けることができる。
【0038】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10は、液体、蒸気、および/またはガスの少なくとも1つを通気するように構成されたレギュレータ38を含むことができる。レギュレータ38は、バタフライバルブを含むことができる。多すぎる液体、蒸気、および/またはガスがスタンドパイプ32を通過して圧力を上昇させると、レギュレータ38が開き、圧力が均等化され、液体、蒸気、および/またはガスがバルブインサート本体14のチャンバ60に入る。その後に、圧力が高すぎると、蓋36に圧力が加えられ、バルブインサート本体14がバルブ本体12に対して垂直に上昇し、その結果、液体、蒸気および/またはガスがバルブ本体12とバルブインサート本体14との間を逃げることができる。圧力が緩和されると、バルブインサート本体14は、バルブ本体12内の定位置に落下する。レギュレータ38は、インサート24の漏れが検出された場合にも閉じることができる。
【0039】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10は、蓋36に取り付けられた、および/または蓋36から延在するガイドロッド22を含むこともできる。ガイドブッシングアセンブリ20は、ガイドロッド22の周りに配置されてもよい。ガイドロッド22は、バルブインサート本体14がバルブ本体12に対して上昇するときに、ガイドブッシング20内で実質的に垂直に移動するように構成することができる。ガイドロッド22は、ブレーカバルブアセンブリ10の開閉中にバルブインサート本体14がバルブ本体12内に位置決めされるのを助ける。ガイドロッド22はまた、試験のために使用されてもよい。
【0040】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、バルブハウジング16およびバルブハウジング蓋18を含むことができる。バルブ本体12は、バルブハウジング16内に配置されてもよい。バルブハウジング16は、ステンレス鋼および/または他の金属および/または他の耐熱材料で形成することができる。バルブハウジング16は、内部に穴および/または穿孔を含むことができ、かつ/またはメッシュ材料で形成することができる。したがって、バルブハウジング16は、バルブ本体12を保護するが、液体、蒸気および/またはガスの放出を可能にする。
【0041】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブハウジング蓋18は、ステンレス鋼および/または他の金属および/または他の耐熱材料で形成することができる。バルブハウジング蓋18は、中実構造であってもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、必要に応じて、原子炉格納容器および/またはブレーカバルブアセンブリの計装をその上に取り付けることができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ガイドロッドブッシング20は、バルブハウジング蓋18に取り付けられ、および/または、バルブハウジング蓋18を貫通して延在することができる。
【0042】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブ本体12およびバルブインサート本体14は、それぞれ、概ね截頭円錐形状であってもよい。バルブ本体およびバルブインサート本体は、それぞれ、概ね円筒形状であってもよい。蓋36は、概ね平坦であってもよいし、概ねドーム形状であってもよい。截頭円錐形状のバルブインサート本体14およびドーム形状の蓋36は、圧力が及ぼされ得る表面積を増大させる。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バルブ本体12およびバルブインサート本体14は、チタンおよび/またはステンレス鋼で形成されるが、他の材料を使用してもよい。
【0044】
図2は、バルブ本体12およびバルブインサート本体14の一部の拡大図である。
【0045】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図2に示すように、バルブ本体12の第1の側壁28は、隣接するシール26間に少なくとも1つの出口48を含むことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、少なくとも1つの出口48に配置された少なくとも1つのセンサポート70を含むことができる。センサポート70は、漏れを示す可能性がある流体、ガス、および/または蒸気を検出するように構成されている。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、バルブハウジング16の内壁90に制限または位置スイッチ46を含むことができる。制限または位置スイッチ46は、バルブインサート本体14が静止状態にあり、圧力がスタンドパイプ32から緩和されていないときに、バルブインサート本体14の上縁部から外側に延在するフランジまたはインサート24に接触するように構成することができる。
【0047】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、制限または位置スイッチ46は、原子炉オペレータが、ブレーカバルブアセンブリ10が静止状態にあるか、および/または圧力を緩和するために開いているか否かを決定することを可能にする。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリ10はまた、バルブインサート本体14の第2の側壁30の底部外面92とバルブ本体12の第1の側壁28の底部内面94との間に配置されたバンパー44を含むことができる。バンパー44は、ケイ素および/またはゴムなどの非金属材料で形成することができる。バンパー44は、バルブインサート本体14とバルブ本体12との間にクッションまたはゴールプロテクションを提供することができる。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、原子炉格納容器は、少なくとも1つのブレーカバルブアセンブリ10を含み、2つ、3つ、またはそれ以上のブレーカバルブアセンブリ10を含むことができる。
【0050】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和する方法に関する。
【0051】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、原子炉格納容器区画内の圧力を緩和する方法は、ブレーカバルブアセンブリ10を介して1つまたは複数の蒸気およびガスを放出するステップを含むことができる。
【0052】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ブレーカバルブアセンブリを取り付ける方法に関する。
【0053】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブレーカバルブアセンブリを取り付ける方法は、ブレーカバルブアセンブリをスタンドパイプと流体連通するように配置するステップを含むことができる。ブレーカバルブアセンブリは、図1および図2に関して上述した構成要素を含むことができる。
【0054】
実施形態の前述の説明は、例示および説明のために提供されたものである。網羅的であること、または開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は一般的にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合には、相互に交換可能であり、特に図示または記載していない場合であっても、選択された実施形態で使用することができる。同じことは、多くの点で変化してもよい。そのような変形は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、そのような変更のすべては、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0055】
10 ブレーカバルブアセンブリ、ブレークバルブアセンブリ
11 フランジ
12 バルブ本体
13 ボア
14 バルブインサート本体
15 上縁部
16 バルブハウジング
18 バルブハウジング蓋
20 ガイドブッシングアセンブリ、ガイドロッドブッシング
22 ガイドロッド
24 フランジまたはインサート
26 シール
28 第1の側壁
30 第2の側壁
32 スタンドパイプ
34 ドライウェル床
36 蓋
38 レギュレータ
40 ドライウェル
42 ウェットウェル
44 バンパー
46 制限または位置スイッチ
48 出口
50 第2の開口部
52 第1の開口部
60 第2のチャンバ
62 第3の開口部
70 センサポート
90 内壁
92 底部外面
94 底部内面
図1
図2