特許第6947809号(P6947809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6947809端末機器の状態を確定する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947809
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】端末機器の状態を確定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/27 20180101AFI20210930BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20210930BHJP
   H04W 48/00 20090101ALI20210930BHJP
【FI】
   H04W76/27
   H04W52/02
   H04W48/00 110
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-500393(P2019-500393)
(86)(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公表番号】特表2019-532529(P2019-532529A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】CN2016098351
(87)【国際公開番号】WO2018045513
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2019年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ニン
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103763748(CN,A)
【文献】 CMCC,Discussion on UE states in NR[online],3GPP TSG-RAN WG2#95 R2-165211,2016年08月12日,[検索日2020.11.17], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_95/Docs/R2-165211.zip>, 2節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器の状態を確定する方法であって、
端末機器が送信対象データのデータ量を確定するステップと、
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量に基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定し、前記端末機器に必要とされる状態は、第1の状態および第2の状態を含み、前記第1の状態において、前記端末機器および第1のアクセスネットワーク機器は前記端末機器のコンテキスト情報を保存し、前記端末機器は前記第1のアクセスネットワーク機器の属するアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行わず、セルの再選択プロセスを実行し、前記第2の状態において、前記端末機器の属するアクセスネットワーク機器により、前記端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御するステップと
前記端末機器の現時点の状態が前記端末機器に必要とされる状態と異なる場合に、前記端末機器が状態の切り替えを行うことを確定するステップと、
前記端末機器が、前記第1のアクセスネットワーク機器に前記端末機器の前記状態の切り替えに関する設定を行うことを要求する切り替え要求メッセージを前記第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップと、
前記端末機器が、前記第1のアクセスネットワーク機器が前記切り替え要求メッセージに基づき送信した、前記第1のアクセスネットワーク機器が前記状態の切り替えに関する設定を完了することを表す設定完了メッセージを受信するステップと、
前記端末機器が前記設定完了メッセージに基づき、前記状態の切り替えを行うステップと
を含むことを特徴とする端末機器の状態を確定する方法。
【請求項2】
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量に基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定する前に、前記方法はさらに、
前記端末機器が第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定するステップを含み、
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量に基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量および前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量および前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、
前記端末機器が前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、
前記1回で伝送可能なデータ量が前記送信対象データのデータ量より小さい場合に、前記端末機器は、前記端末機器に前記第2の状態が必要とされることを確定することと、
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量および前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、
前記端末機器が前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、
前記端末機器が前記1回で伝送可能なデータ量に基づき、前記送信対象データのデータ量の送信時間および/または送信回数を確定することと、
前記送信時間が第1の閾値より大きく、および/または前記送信回数が第2の閾値より大きい場合に、前記端末機器は、前記端末機器に前記第2の状態が必要とされることを確定することと
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記端末機器が前記利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することは、
前記端末機器が前記利用可能な上りリンク伝送リソースおよび利用可能な最大送信出力、現時点の伝送損失、利用可能な最高の符号化変調レベルのうちの少なくとも一つに基づき、前記1回で伝送可能なデータ量を確定すること、
を含むことを特徴とする請求項または請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記端末機器が前記第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する前に、前記方法はさらに、
前記端末機器が、前記第1のアクセスネットワーク機器に対して前記端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを前記第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップ
を含み、
前記端末機器が前記第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定することは、
前記端末機器が前記第1のアクセスネットワーク機器による割り当てに基づき、前記利用可能な上りリンク伝送リソースを確定すること
を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量に基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、
前記送信対象データのデータ量が第3の閾値より大きい場合に、前記端末機器は、前記端末機器に前記第2の状態が必要とされることを確定すること
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記端末機器が前記端末機器に前記第2の状態が必要とされることを確定することは、
第1の時間帯内の各時点での前記送信対象データのデータ量が持続的に前記第3の閾値より大きい場合に、前記端末機器が前記端末機器に前記第2の状態が必要とされることを確定すること
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記端末機器が前記送信対象データのデータ量に基づき、前記端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、
前記送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、前記端末機器が前記端末機器に前記第1の状態が必要とされることを確定すること
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記端末機器が前記端末機器に前記第1の状態が必要とされることを確定することは、
第2の時間帯内の各時点での前記送信対象データのデータ量が持続的に前記第4の閾値より小さい場合に、前記端末機器が前記端末機器に前記第1の状態が必要とされることを確定すること
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記送信対象データは、前記端末機器が物理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層およびアプリケーション層のうちの少なくとも一つの層にキャッシュするデータであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
端末機器の状態を確定する装置であって、
メモリ、プロセッサ、および前記メモリに格納されて前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムを含み、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されることを特徴とする端末機器の状態を確定する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、通信分野に関し、詳しく言えば、端末機器の状態を確定する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、端末機器にはアイドルモード(いわゆる待機状態)と接続モードの2つの基本的な動作モードがある。接続モードにおいて、端末機器は、無線リソース制御(Radio Resource Control、略称RRC)によって進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network、略称UTRAN)に接続される。
【0003】
動作モードがアイドルモードである端末機器は、データを受信または送信する必要がある時に、上位のシグナリング接続を確立する接続モードに切り替えてデータの伝送を行う。したがって、端末機器がデータの伝送を行う時の状態は、端末機器の電力消費およびシステムの性能に影響を与え、不要な状態の切り替えにより端末機器のシグナリングオーバーヘッドおよび電力消費を増加させる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、シグナリングオーバーヘッドを低減し、端末機器の電力消費を削減して、システムの効率を向上させるために、端末機器の状態を確定する方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の第1の態様として、端末機器の状態を確定する方法を提供する。前記方法は、端末機器が送信対象データのデータ量を確定するステップと、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するステップとを含む。
【0006】
具体的には、端末機器が第1のアクセスネットワーク機器にデータを送信する必要がある時に、当該端末機器は送信対象データのデータ量を確定し、当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0007】
したがって、本願発明は、端末機器が送信対象データのデータ量に基づき、必要とされる状態を確定して、当該端末機器に必要とされる状態においてデータの伝送を行うことにより、不要な切り替えプロセスを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減し、端末機器の電力消費を削減して、システムの効率を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、第1の状態において、当該端末機器が第1のアクセスネットワーク機器と接続することを保持し、当該端末機器および当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器のコンテキスト情報を保存し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器の属するアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行わず、セルの再選択プロセスを実行し、第2の状態において、当該端末機器の属するアクセスネットワーク機器により、当該端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御する。
【0009】
なお、当該第1の状態において、当該端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行わないため、当該アクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器およびコアネットワーク機器は当該端末機器の移動を検出することができず、すなわち当該端末機器の移動性ネットワーク側を知ることができず、当該第2の状態において、端末機器が1つのセルから別のセルに移動する時に、当該端末機器の属するアクセスネットワーク機器により端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御することにより、アクセスネットワーク機器は、当該端末機器が異なるアクセスネットワーク機器がカバーする範囲の間に移動することを検出することができる。
【0010】
また、本願発明において、第1の状態および第2の状態は、「非アクティブ状態」および「アクティブ状態」、またはアイドル状態、データ接続状態およびこれから登場する通信システムにあり得るその他の状態とすることができ、本願発明はこれについて限定しない。
【0011】
本願発明の第1の態様の第1種の可能な実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前に、当該方法はさらに、当該端末機器が第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定するステップを含み、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定することを含む。
【0012】
具体的には、当該端末機器が送信対象データのデータ量および利用可能な上りリンク伝送リソースを確定し、送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースを総合的に考慮して、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0013】
したがって、第1の状態にある端末機器にとって、利用可能な上りリンク伝送リソースが送信対象データを伝送するために十分である場合に、当該端末機器は、第1の状態を引き続き保持することができ、第2の状態にある端末機器にとって、第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースが送信対象データを伝送するために不十分である場合に、当該端末機器は第2の状態を保持することにより、不要な状態の切り替えを避け、切り替えに伴うシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0014】
本願発明の第1の態様における前記可能な実施形態に基づく、第1の態様の第2種の可能な実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該端末機器は、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することとを含む。
【0015】
具体的には、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器が1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量と送信対象データのデータ量を比較する。当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該利用可能な上りリンク伝送リソースは、これらの送信対象データを1回でベアラできないため、当該端末機器は、前記送信対象データの送信を1回で完了するために、第2の状態が必要とされることを確定する。
【0016】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、第1の態様の第3種の可能な実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、当該端末機器が当該1回で伝送可能なデータ量に基づき、当該送信対象データのデータ量の送信時間および/または送信回数を確定することと、当該送信時間が第1の閾値より大きく、および/または当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器は、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することとを含む。
【0017】
これにより、端末機器により送信対象データを伝送する送信時間および/または送信回数を算出し、当該送信時間および/または送信回数に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が非常に大きいか、または利用可能な伝送リソースが非常に少ない場合に、第1の状態における送信時間が非常に長いか、または送信回数が非常に多いことを避けることにより、端末機器の電力消費を削減するとともに、ユーザ体験を向上させることができる。
【0018】
好ましくは、当該方法がさらに、当該送信時間が当該第1の閾値以下であり、および/または当該送信回数が当該第2の閾値以下である場合に、当該端末機器が当該第1の状態が必要とされることを確定するステップを含む。
【0019】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第4種の実施形態において、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースおよび利用可能な最大送信出力、現時点の伝送損失、利用可能な最高の符号化変調レベルのうちの少なくとも一つに基づき、当該1回で伝送可能なデータ量を確定することを含む。
【0020】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第5種の実施形態において、当該端末機器が当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する前に、当該方法はさらに、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップを含み、当該端末機器が当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定することは、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器による割り当てに基づき、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを確定することを含む。
【0021】
具体的には、第1のアクセスネットワーク機器が第1の状態において当該端末機器のために上りリンク伝送リソースを保留しない場合に、当該端末機器は、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該リソース要求メッセージに基づき、当該端末機器に利用可能な上りリンク伝送リソースを割り当てると、当該端末機器は、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを利用してデータを伝送することができる。
【0022】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第6種の実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該送信対象データのデータ量が第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器は、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0023】
具体的には、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量と予め設定された第3の閾値を比較し、送信対象データのデータ量が当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に第2の状態が必要とされることを確定することにより、前記送信対象データのデータ量でのデータ伝送を完了することを保証する。
【0024】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第7種の実施形態において、当該端末機器が当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することは、第1の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0025】
これにより、端末機器により第1の時間帯内において送信対象データのデータ量を検出し、当該第1の時間帯における送信対象データ量について持続的に判断して、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が安定しないため状態の切り替えを繰り返すことを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0026】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第8種の実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0027】
具体的には、当該端末機器が送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に第1の状態が必要とされることを確定する。これにより、端末機器が大量のデータを送信しない時に第1の状態にあることを保証し、関連するシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0028】
好ましくは、当該第4の閾値が前記第3の閾値に等しい。
【0029】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第9種の実施形態において、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することは、第2の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0030】
これにより、端末機器により第2の時間帯内に送信対象データのデータ量を検出し、当該第2の時間帯における送信対象データ量について持続的に判断し、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が安定しないため状態の切り替えを繰り返すことを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0031】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第10種の実施形態において、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定した後に、当該方法はさらに、当該端末機器の現時点の状態が当該端末機器に必要とされる状態と異なる場合に、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定するステップを含む。
【0032】
具体的には、当該端末機器が現時点で第1の状態または第2の状態にあり、当該端末機器が送信対象データのデータ量に基づき確定した当該端末機器に必要とされる状態が当該端末機器の現時点の状態と異なる場合に、当該端末機器が状態の切り替えを行い、すなわち現時点の状態から第1の状態または第2の状態に切り替えることを確定する。
【0033】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第11種の実施形態において、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定した後に、当該方法はさらに、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器の当該状態の切り替えに関する設定を行うことを要求する切り替え要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップと、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該切り替え要求メッセージに基づき送信する、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該状態の切り替えに関する設定を完了することを表す設定完了メッセージを受信するステップと、当該端末機器が当該設定完了メッセージに基づき、当該状態の切り替えを行うステップとを含む。
【0034】
具体的には、当該端末機器が状態の切り替えを行うことと確定した後に、第1のアクセスネットワーク機器に切り替え要求メッセージを送信して、第1のアクセスネットワーク機器に状態の切り替えに関する設定を行うことを要求し、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器の状態の切り替えに関する設定を完了した後に、当該端末機器に設定完了メッセージを送信し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器が送信する設定完了メッセージを受信して状態の切り替えを行い、すなわち第1の状態から第2の状態に切り替えるか、または第2の状態から第1の状態に切り替える。
【0035】
好ましくは、当該切り替え要求メッセージに当該送信対象データのデータ量が前記第3の閾値より大きいかもしくは前記第4の閾値より小さいイベントが付随されるか、または当該切り替え要求メッセージに当該送信時間が前記第1の閾値より大きいイベントが付随されるか、または当該切り替え要求メッセージに当該送信回数が前記第2の閾値より大きいイベントが付随される。
【0036】
本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態に基づく、本願発明の第1の態様の第12種の実施形態において、当該送信対象データは、当該端末機器が物理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層およびアプリケーション層のうちの少なくとも一つの層にキャッシュするデータである。
【0037】
なお、前記端末機器と第1のアクセスネットワーク機器との間に交換されるメッセージはいずれも無線リソース制御(Radio Resource Control、略称RRC)メッセージ、MACメッセージ、または物理層メッセージとすることができ、本願発明はこれについて限定しない。
【0038】
本願発明の第2の態様として、本願発明の第1の態様またはその任意の可能な前記実施形態による方法を実行するための、端末機器の状態を確定する装置を提供する。具体的には、当該装置が前記第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態による方法を実行するためのユニットを含む。
【0039】
本願発明の第3の態様として、受信機と、送信機と、メモリと、プロセッサと、バスシステムとを含む、端末機器の状態を確定する装置を提供する。当該受信機、当該送信機、当該メモリおよび当該プロセッサは当該バスシステムによって接続され、当該メモリはコマンドを記憶し、当該プロセッサは当該メモリに記憶されるコマンドを実行することにより、受信機が信号を受信するよう制御し且つ送信機が信号を送信するよう制御し、且つ、当該プロセッサが当該メモリに記憶されるコマンドを実行する時に、当該実行により、当該プロセッサは本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態による方法を実行する。
【0040】
本願発明の第4の態様として、本願発明の第2の態様もしくはその任意の前記可能な実施形態による装置と、アクセスネットワーク機器とを含むか、または本願発明の第3の態様もしくはその任意の前記可能な実施形態による装置と、アクセスネットワーク機器とを含む、端末機器の状態を確定するシステムを提供する。
【0041】
本願発明の第5の態様として、本願発明の第1の態様またはその任意の前記可能な実施形態による方法を実行するためのコマンドを含むコンピュータプログラムを記憶するための、コンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本願の実施例に係る発明を明瞭に説明するために、本項では、実施例または従来技術において用いる図面を簡単に説明する。当然ながら、以下の説明に係る図面は、本願発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な作業を行うことなく、これらの図面からその他の図面を得ることもできる。
図1】本願発明の実施例における一つの応用場面の概略図である。
図2】本願発明の実施例による端末機器の状態を確定する方法を示すフローチャートである。
図3】本願発明の実施例による端末機器の状態を確定する装置を示すブロック図である。
図4】本願発明の実施例による端末機器の状態を確定するシステムを示すブロック図である。
図5】本願発明の実施例による端末機器の状態を確定する装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本項では、本願発明の実施例における図面を参照しながら、実施例による発明を明瞭でかつ完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本願発明の全ての実施例ではなく、その一部に過ぎない。当業者がこれらの実施例に基づき、創造的な作業を行うことなく得られるその他の全ての実施例は、いずれも本願発明の保護範囲に含まれる。
【0044】
本願の実施例に係る発明は、汎欧州デジタル移動電話(Global System of Mobile communication、略称GSM)システム、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、略称CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、略称WCDMA)システム、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、略称GPRS)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、略称LTE)システム、LTE周波数分割複信(Frequency Division Duplex、略称FDD)システム、LTE時分割複信(Time Division Duplex、略称TDD)、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System、略称UMTS)、またはワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、略称WiMAX)通信システムや、これから登場する通信システム等に用いることができる。
【0045】
本願発明の実施例において、端末機器は、ユーザ機器(User Equipment、略称UE)、端末機器、移動局(Mobile Station、略称MS)、移動端末(Mobile Terminal)、またはこれから登場する第5世代移動通信(以下、5Gと略称する)対応端末機器と呼ぶことができる。当該端末機器は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、略称RAN)により1つ以上のコアネットワークと通信を行うことができる。例えば、端末は、携帯電話(またはセルラーホンと呼ぶ)または移動端末を備えるコンピュータ等とすることができ、またはポータブル式、ポケット式、ハンドヘルド式、もしくはコンピュータに内蔵される移動機器、車載移動機器とすることもでき、無線アクセスネットワークと音声および/またはデータを交換する。
【0046】
本願発明の実施例におけるアクセスネットワーク機器は、移動機器との通信に用いることができる。アクセスネットワーク機器は、グローバル移動体通信(Global System of Mobile communication、略称GSM)もしくは符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、略称CDMA)システムにおいて動作する基地局(Base Transceiver Station、略称BTS)、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、略称WCDMA)システムにおいて動作する基地局(NodeB、略称NB)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、略称LTE)システムにおいて動作する進化型基地局(Evolutional NodeB、略称eNBまたはeNodeB)、または中継局やアクセスポイント、車載機器、ウェアラブル端末および5Gネットワーク対応のアクセスネットワーク機器等とすることができる。
【0047】
コアネットワーク機器は、モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity、略称MME)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、略称S−GW)、またはパケットデータゲートウェイ(PDN Gateway、略称P−GW)とすることができ、本願発明はこれについて限定しない。
【0048】
本願発明の理解を助けるために、実施例の説明を行う前に、以下のいくつかの概念を紹介する。
【0049】
アイドルモードには、アイドル(Idle)状態しかない。Idle状態において、UEの全ての接続はアクセス層において遮断される。UTRANでアイドルモードにおけるUEのためにコンテキストを作成しないため、特定のUEをアドレッシングしたい場合に、一つのセルにおいて全てのUEまたは同一のページング時間帯をモニタリングする複数のUEにページングメッセージを送信しなければならない。
【0050】
接続モードには、CELL−PCH(セルページングチャネル状態)、URA−PCH(UTRAN登録領域ページングチャネル状態)、CELL−FACH(セルフォワードアクセスチャネル状態)およびCELL−DCH(セル専用チャネル状態)の4つの状態がある。そのうちCELL−DCHは、上位のシグナリング接続のための接続モードであり、「アクティブ状態」と呼ぶこともできる。
【0051】
図1は、本願発明における一つの応用場面の概略図である。図1によると、端末機器がアクセスネットワーク機器(Access Network、略称AN)2のセル2に滞留し、端末機器がサービス接続要求を開始する時に、AN2はコアネットワーク機器(Core Network、略称CN)と接続を確立する。これと同時に、AN2は設定されたコンテキスト情報をCNに伝送し、CNは記憶された端末機器のアクセス履歴情報に基づき、アクセスネットワーク機器セットを確定し、AN3がアクセスネットワーク機器セットに属することを確認する場合に、CNはAN3とネットワーク接続を確立し、且つAN3に端末機器のコンテキスト情報を送信し、AN3は当該コンテキスト情報に基づき、ネットワークと通信を行う。これにより、端末機器はAN3がカバーするセルとAN2がカバーするセルとの間にシームレスに移動することができ、すなわち端末機器がアクセスネットワーク機器セットにおけるアクセスネットワーク機器がカバーする範囲に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行う必要がなく、すなわちネットワークに報知しない。
【0052】
なお、本願発明の実施例において、端末機器が当該少なくとも一つのアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内にアクセスネットワーク機器の切り替えを行わずに移動する状態を「非アクティブ状態」と呼ぶことができる。すなわち、端末機器のRRC接続およびベアラは、当該アクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲において保留され、端末機器のアクセス層における挙動はコアネットワーク機器に報知されない。
【0053】
また、本願発明の実施例では、当該非アクティブ状態の名称について限定しない。例えば、アクセスネットワーク機器セットに1つのアクセスネットワーク機器しかない場合に、「アイドル状態」と呼ぶこともできる。
【0054】
非アクティブ状態にある端末機器の場合に、当該端末機器がデータの伝送を行う必要がある場合に、アクティブ状態に切り替えて、アクティブ状態においてデータを送信することもできるが、または当該非アクティブ状態において利用可能な上りリンク伝送リソースを用いてデータの伝送を行うこともできる。端末機器がデータの伝送を行う時の状態は、端末機器の電力消費およびシステムの性能に影響を与え、不要な状態の切り替えにより、端末機器のシグナリングオーバーヘッドおよび端末機器の電力消費を増加させる恐れがある。
【0055】
図2は、本実施例による端末機器の状態を確定する方法200を示すフローチャートである。図2には、端末機器の状態を確定する方法のステップまたは操作が示されるが、これらのステップまたは操作は例示的なものに過ぎず、本実施例では、その他の操作を実行するか、または図2の各操作に変形を加えることもできる。当該方法200は、端末機器が送信対象データのデータ量を確定するステップS210と、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するS220とを含む。
【0056】
好ましくは、第1の状態において、当該端末機器が第1のアクセスネットワーク機器と接続することを保持し、当該端末機器および当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器のコンテキスト情報を保存し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器の属するアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行わず、セルの再選択プロセスを実行し、第2の状態において、当該端末機器の属するアクセスネットワーク機器により、当該端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御する。
【0057】
なお、本実施例において、第1の状態および第2の状態は、前記「非アクティブ状態」および「アクティブ状態」、またはアイドル状態、データ接続状態およびこれから登場する通信システムにあり得るその他の状態とすることができ、本実施例はこれについて限定しない
【0058】
具体的には、端末機器が第1のアクセスネットワーク機器にデータを送信する必要がある時に、当該端末機器は送信対象データのデータ量を確定し、当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0059】
したがって、本実施例は、端末機器が送信対象データのデータ量に基づき、必要とされる状態を確定して、当該端末機器に必要とされる状態においてデータの伝送を行うことにより、不要な切り替えプロセスを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減し、端末機器の電力消費を削減して、システムの効率を向上させることができる。
【0060】
好ましい実施例として、当該送信対象データは、当該端末機器が物理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層およびアプリケーション層のうちの少なくとも一つの層にキャッシュするデータである。
【0061】
具体的には、当該送信対象データが、当該端末機器がキャッシュするデータの一部またはその全てとすることができる。なお、当該端末機器がキャッシュするデータは、各層において存在してもよい。1層目は、基地局とMSとの間における伝送および受信のための無線リンクを提供し、物理層とすることができる。2層目は、シグナリングメッセージの正確な伝送および受信を確保し、重複の検出も行われ、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、略称PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control、略称RLC)層、メディアアクセス制御(Media Access Control、略称MAC)層等とすることができる。3層目は、制御メッセージの伝送を行い、アプリケーション層等とすることができる。本実施例はこれについて限定しない。
【0062】
また、当該端末機器は、さまざまな方式で当該端末機器に必要とされる状態を確定することができる。好ましくは、当該端末機器が送信対象データのデータ量のみに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するか、または当該端末機器が送信対象データのデータ量および利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定し、本実施例はこれについて限定しない。
【0063】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前に、当該方法はさらに、当該端末機器が第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定するステップを含み、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定することを含む。
【0064】
具体的には、当該端末機器が送信対象データのデータ量および利用可能な上りリンク伝送リソースを確定し、送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースを総合的に考慮して、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。なお、当該第1の状態は、当該端末機器の現時点の状態とすることができる。
【0065】
したがって、第1の状態にある端末機器にとって、利用可能な上りリンク伝送リソースが送信対象データを伝送するために十分である場合に、当該端末機器は、第1の状態を引き続き保持することができ、第2の状態にある端末機器にとって、第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースが送信対象データを伝送するために不十分である場合に、当該端末機器は第2の状態を保持することにより、不要な状態の切り替えを避け、切り替えに伴うシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0066】
なお、当該端末機器はさまざまな方式により、当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定することもできる。
【0067】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該端末機器は、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することとを含む。
【0068】
具体的には、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器が1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量と送信対象データのデータ量を比較する。当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該利用可能な上りリンク伝送リソースは、これらの送信対象データを1回でベアラできないため、当該端末機器は、前記送信対象データの送信を1回で完了するために、第2の状態が必要とされることを確定する。
【0069】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定するステップは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することと、当該端末機器が当該1回で伝送可能なデータ量に基づき、当該送信対象データのデータ量の送信時間および/または送信回数を確定することと、当該送信時間が第1の閾値より大きく、および/または当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器は、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することとを含む。
【0070】
具体的には、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器が1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該端末機器が1回で伝送可能なデータ量および送信対象データのデータ量に基づき、これらの送信対象データの送信を完了するために要する送信時間および/または送信回数を算出し、当該送信時間および/または送信回数と予め設定された閾値を比較し、当該送信時間が第1の閾値より大きく、および/または当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器は、当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0071】
これにより、端末機器により送信対象データを伝送する送信時間および/または送信回数を算出し、当該送信時間および/または送信回数に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が非常に大きいか、または利用可能な伝送リソースが非常に少ない場合に、第1の状態における送信時間が非常に長いか、または送信回数が非常に多いことを避けることにより、端末機器の電力消費を削減するとともに、ユーザ体験を向上させることができる。
【0072】
なお、当該端末機器は送信時間のみを算出し、当該送信時間が第1の閾値より大きい場合に、当該端末機器に第2の状態が必要とされることを確定するか、または当該端末機器は送信回数のみを算出し、当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器に第2の状態が必要とされることを確定するか、または当該端末機器は送信時間および送信回数の両方を算出し、当該送信時間が第1の閾値より大きく且つ当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器に第2の状態が必要とされることを確定することができる。本実施例はこれについて限定しない。
【0073】
また、当該第1の閾値および当該第2の閾値は、第1のアクセスネットワーク機器が予め当該端末機器に設定することもできるが、プロトコルにおいて取り決めることもでき、本実施例はこれについて限定しない。
【0074】
好ましい実施例として、当該方法はさらに、当該送信時間が当該第1の閾値以下であり、および/または当該送信回数が当該第2の閾値以下である場合に、当該端末機器が当該第1の状態が必要とされることを確定するステップを含む。
【0075】
なお、第1の状態において、利用可能な上りリンク伝送リソースを用いて送信する時に、送信対象データの送信時間および/または送信回数が予め設定された閾値より小さい場合に、当該端末機器は、引き続き当該第1の状態にあることを確定し、すなわち当該端末機器は状態の切り替えを行わず、現時点の状態(すなわち第1の状態)において前記利用可能な上りリンク伝送リソースを用いてデータの伝送を行うことができる。
【0076】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定することは、当該端末機器が当該利用可能な上りリンク伝送リソースおよび利用可能な最大送信出力、現時点の伝送損失、利用可能な最高の符号化変調レベルのうちの少なくとも一つに基づき、当該1回で伝送可能なデータ量を確定することを含む。
【0077】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する前に、当該方法はさらに、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップを含み、当該端末機器が当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定することは、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器による割り当てに基づき、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを確定することを含む。
【0078】
具体的には、第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器のために上りリンク伝送リソースを保留しない場合に、当該端末機器は、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該リソース要求メッセージに基づき、当該端末機器に利用可能な上りリンク伝送リソースを割り当てると、当該端末機器は、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを利用してデータを伝送することができる。
【0079】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該送信対象データのデータ量が第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器は当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0080】
具体的には、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量と予め設定された第3の閾値を比較し、送信対象データのデータ量が当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に第2の状態が必要とされることを確定することにより、前記送信対象データのデータ量でのデータ伝送を完了することを保証する。
【0081】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することは、第1の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0082】
具体的には、当該端末機器が、送信対象データのデータ量が当該第3の閾値を超える時に、タイマを起動して第1の時間帯内の各時点での送信対象データのデータ量を検出し、当該第1の時間帯内の各時点での送信対象データのデータ量が持続的に当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器が送信対象データのデータ量が非常に大きく、第1の状態において送信すると送信効率が非常に低いことを確定し、当該端末機器に第2の状態が必要とされ、第2の状態においてデータの送信を行うことを確定する。
【0083】
これにより、端末機器により第1の時間帯内において送信対象データのデータ量を検出し、当該第1の時間帯における送信対象データ量について持続的に判断して、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が安定しないため状態の切り替えを繰り返すことを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0084】
なお、当該第3の閾値および当該第1の時間帯は、第1のアクセスネットワーク機器が予め当該端末機器に設定することもできるが、プロトコルにおいて取り決めることもでき、本実施例はこれについて限定しない。
【0085】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前記ステップは、当該送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0086】
具体的には、当該端末機器が送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に第1の状態が必要とされることを確定する。これにより、端末機器が大量のデータを送信しない時に第1の状態にあることを保証し、関連するシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0087】
好ましくは、当該第4の閾値が前記第3の閾値に等しい。
【0088】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することは、第2の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器が当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定することを含む。
【0089】
具体的には、当該端末機器が送信対象データのデータ量が当該第4の閾値より小さい場合に、タイマを起動して第2の時間帯内の各時点での送信対象データのデータ量を検出し、当該第2の時間帯内の各時点での送信対象データのデータ量が持続的に当該第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器が送信対象データのデータ量が非常に小さく、端末機器を第2の状態に保持する必要はないことを確定し、当該端末機器に第1の状態が必要とされることを確定する。
【0090】
これにより、端末機器により第2の時間帯内に送信対象データのデータ量を検出し、当該第2の時間帯における送信対象データ量について持続的に判断し、当該端末機器に必要とされる状態を確定することにより、送信対象データのデータ量が安定しないため状態の切り替えを繰り返すことを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0091】
なお、当該第4の閾値および当該第2の時間帯は、第1のアクセスネットワーク機器が予め当該端末機器に設定することもできるが、プロトコルにおいて取り決めることもでき、本実施例はこれについて限定しない。
【0092】
好ましい実施例として、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定した後に、当該方法はさらに、当該端末機器の現時点の状態が当該端末機器に必要とされる状態と異なる場合に、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定するステップを含む。
【0093】
具体的には、当該端末機器が現時点で第1の状態または第2の状態にあり、当該端末機器が送信対象データのデータ量に基づき確定した当該端末機器に必要とされる状態が当該端末機器の現時点の状態と異なる場合に、当該端末機器が状態の切り替えを行い、すなわち現時点の状態から第1の状態または第2の状態に切り替えることを確定する。
【0094】
好ましい実施例として、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定した後に、当該方法はさらに、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器の当該状態の切り替えに関する設定を行うことを要求する切り替え要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信するステップと、当該端末機器が、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該切り替え要求メッセージに基づき送信する、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該状態の切り替えに関する設定を完了することを表す設定完了メッセージを受信するステップと、当該端末機器が当該設定完了メッセージに基づき、当該状態の切り替えを行うステップとを含む。
【0095】
具体的には、当該端末機器が状態の切り替えを行うことと確定した後に、第1のアクセスネットワーク機器に切り替え要求メッセージを送信して、第1のアクセスネットワーク機器に状態の切り替えに関する設定を行うことを要求し、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器の状態の切り替えに関する設定を完了した後に、当該端末機器に設定完了メッセージを送信し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器が送信する設定完了メッセージを受信して状態の切り替えを行い、すなわち第1の状態から第2の状態に切り替えるか、または第2の状態から第1の状態に切り替える。
【0096】
なお、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器の状態の切り替えに関する設定を行うことは、以下の2つのケースに分類することができる。当該端末機器が第1の状態から第2の状態に切り替えることを要求する場合に、当該第1のアクセスネットワーク機器は、当該端末機器のコンテキスト情報を確定し、且つ当該端末機器と上位のシグナリング接続を確立して関連する測定情報の設定を行うことを確定する。当該端末機器が当該第2の状態から当該第1の状態に切り替えることを要求する場合に、当該第1のアクセスネットワーク機器は第2の状態において当該端末機器に利用可能な上りリンク伝送リソースを設定し且つ当該端末機器に報知し、当該第1のアクセスネットワーク機器は、当該端末機器が当該第1の状態において当該利用可能な上りリンク伝送リソースを用いてデータを伝送するために、当該端末機器の上位のシグナリング接続、ベアラおよび関連するコンテキスト情報を保留する。
【0097】
好ましい実施例として、当該切り替え要求メッセージに当該送信対象データのデータ量が前記第3の閾値より大きいかもしくは前記第4の閾値より小さいイベントが付随されるか、または当該切り替え要求メッセージに当該送信時間が前記第1の閾値より大きいイベントが付随されるか、または当該切り替え要求メッセージに当該送信回数が前記第2の閾値より大きいイベントが付随される。
【0098】
また、前記端末機器と第1のアクセスネットワーク機器との間に交換されるメッセージはいずれも無線リソース制御(Radio Resource Control、略称RRC)メッセージ、MACメッセージ、または物理層メッセージとすることができ、本願発明はこれについて限定しない。
【0099】
図3は、本実施例による端末機器の状態を確定する装置300を示すブロック図である。図3によると、装置300は、確定ユニット310を含み、
確定ユニット310は、当該端末機器の送信対象データのデータ量を確定し、さらに、当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0100】
好ましくは、第1の状態において、当該端末機器が第1のアクセスネットワーク機器と接続することを保持し、当該端末機器および当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器のコンテキスト情報を保存し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器の属するアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行わず、セルの再選択プロセスを実行し、第2の状態において、当該端末機器の属するアクセスネットワーク機器により、当該端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御する。
【0101】
したがって、本実施例は、端末機器が送信対象データのデータ量に基づき、必要とされる状態を確定して、当該端末機器に必要とされる状態においてデータの伝送を行うことにより、不要な切り替えプロセスを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減し、端末機器の電力消費を削減して、システムの効率を向上させることができる。
【0102】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前に、第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定し、当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0103】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0104】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量に基づき、当該送信対象データのデータ量の送信時間および/または送信回数を確定し、当該送信時間が第1の閾値より大きく、および/または当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0105】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースおよび利用可能な最大送信出力、現時点の伝送損失、利用可能な最高の符号化変調レベルのうちの少なくとも一つに基づき、当該1回で伝送可能なデータ量を確定する。
【0106】
好ましくは、当該端末機器がさらに、第1の送信ユニットを含み、
第1の送信ユニットが、当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する前に、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、
確定ユニット310がさらに、当該第1のアクセスネットワーク機器による割り当てに基づき、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する。
【0107】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該送信対象データのデータ量が第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0108】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、第1の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0109】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定する。
【0110】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、第2の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定する。
【0111】
好ましくは、確定ユニット310がさらに、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定した後に、当該端末機器の現時点の状態が当該端末機器に必要とされる状態と異なる場合に、状態の切り替えを行うことを確定する。
【0112】
好ましくは、当該端末機器がさらに、第2の送信ユニット、受信ユニットおよび切り替えユニットを含み、
第2の送信ユニットが、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定した後に、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器の当該状態の切り替えに関する設定を行うことを要求する切り替え要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、
受信ユニットが、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該切り替え要求メッセージに基づき送信する、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該状態の切り替えに関する設定を完了することを表す設定完了メッセージを受信し、
切り替えユニットが、当該設定完了メッセージに基づき、当該状態の切り替えを行う。
【0113】
好ましくは、当該送信対象データが、当該端末機器が物理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層およびアプリケーション層のうちの少なくとも一つの層にキャッシュするデータである。
【0114】
なお、本実施例において、装置300は機能モジュールの形で表現される。本明細書に用いる「ユニット」という用語は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)や電子回路、1つ以上のソフトウェアもしくはファームウェアプログラムを実行するためのプロセッサ(例えば、共有プロセッサ、専有プロセッサもしくはプロセッサグループ等)や、メモリ、組み合わせ論理回路および/または説明される機能をサポートするその他の適切なアセンブリを指すことができる。一つの好ましい実施例において、当業者に自明なように、装置300は、前記実施例における端末機器に特化することができ、また、前記方法に関する実施例にける端末機器に対応する各プロセスおよび/またはステップを実行するために用いることができる。重複を避けるために、ここにおいて贅言しない。
【0115】
図4は、本実施例による端末機器の状態を確定するシステム400を示すブロック図である。図4によると、通信システム400は、装置300と、アクセスネットワーク機器とを含む。
【0116】
なお、装置300は、前記方法に関する実施例における端末機器に対応する各プロセスおよび/またはステップを実行するために用いる。重複を避けるために、ここにおいて贅言しない。一つの好ましい実施例において、当業者に自明なように、装置300を前記実施例における端末機器に特化することができる。
【0117】
図5は、本実施例による端末機器の状態を確定する装置500を示す。装置500は、受信機510と、プロセッサ520と、送信機530と、メモリ540と、バスシステム550とを含む。受信機510、プロセッサ520、送信機530およびメモリ540はバスシステム550によって接続され、メモリ540はコマンドを記憶し、プロセッサ520はメモリ540に記憶されるコマンドを実行することにより、受信機510が信号を受信するよう制御し且つ送信機530が信号を送信するよう制御する。
【0118】
プロセッサ520は、当該端末機器の送信対象データのデータ量を確定し、当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0119】
好ましくは、第1の状態において、当該端末機器が第1のアクセスネットワーク機器と接続することを保持し、当該端末機器および当該第1のアクセスネットワーク機器が当該端末機器のコンテキスト情報を保存し、当該端末機器が当該第1のアクセスネットワーク機器の属するアクセスネットワーク機器セットにおける全てのアクセスネットワーク機器がカバーする範囲内に移動する時に、アクセスネットワーク機器の切り替えを行わず、セルの再選択プロセスを実行し、第2の状態において、当該端末機器の属するアクセスネットワーク機器により、当該端末機器がアクセスネットワーク機器の切り替えを行うよう制御する。
【0120】
したがって、本実施例は、端末機器が送信対象データのデータ量に基づき、必要とされる状態を確定して、当該端末機器に必要とされる状態においてデータの伝送を行うことにより、不要な切り替えプロセスを避け、シグナリングオーバーヘッドを低減し、端末機器の電力消費を削減して、システムの効率を向上させることができる。
【0121】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する前に、第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定し、当該送信対象データのデータ量および当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定する。
【0122】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量が当該送信対象データのデータ量より小さい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0123】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースに基づき、1回で伝送可能なデータ量を確定し、当該1回で伝送可能なデータ量に基づき、当該送信対象データのデータ量の送信時間および/または送信回数を確定し、当該送信時間が第1の閾値より大きく、および/または当該送信回数が第2の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0124】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該利用可能な上りリンク伝送リソースおよび利用可能な最大送信出力、現時点の伝送損失、利用可能な最高の符号化変調レベルのうちの少なくとも一つに基づき、当該1回で伝送可能なデータ量を確定する。
【0125】
好ましくは、送信機530がさらに、当該第1の状態における利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する前に、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器に上りリンク伝送リソースを割り当てることを要求するためのリソース要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、
プロセッサ520がさらに、当該第1のアクセスネットワーク機器による割り当てに基づき、当該利用可能な上りリンク伝送リソースを確定する。
【0126】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該送信対象データのデータ量が第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0127】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、第1の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第3の閾値より大きい場合に、当該端末機器に当該第2の状態が必要とされることを確定する。
【0128】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該送信対象データのデータ量が第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定する。
【0129】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、第2の時間帯内の各時点での当該送信対象データのデータ量が持続的に当該第4の閾値より小さい場合に、当該端末機器に当該第1の状態が必要とされることを確定する。
【0130】
好ましくは、プロセッサ520がさらに、当該端末機器が当該送信対象データのデータ量に基づき、当該端末機器に必要とされる状態を確定した後に、当該端末機器の現時点の状態が当該端末機器に必要とされる状態と異なる場合に、状態の切り替えを行うことを確定する。
【0131】
好ましくは、送信機530がさらに、当該端末機器が状態の切り替えを行うことを確定した後に、当該第1のアクセスネットワーク機器に当該端末機器の当該状態の切り替えに関する設定を行うことを要求する切り替え要求メッセージを当該第1のアクセスネットワーク機器に送信し、
受信機510が、該第1のアクセスネットワーク機器が当該切り替え要求メッセージに基づき送信する、当該第1のアクセスネットワーク機器が当該状態の切り替えに関する設定を完了することを表す設定完了メッセージを受信し
プロセッサ520が、当該設定完了メッセージに基づき、当該状態の切り替えを行う。
【0132】
好ましくは、当該送信対象データが、当該端末機器が物理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層およびアプリケーション層のうちの少なくとも一つの層にキャッシュするデータである。
【0133】
なお、装置500を前記実施例における端末機器に特化することができ、且つ前記方法に関する実施例における端末機器に対応する各ステップおよび/またはプロセスを実行するために用いることができる。好ましくは、メモリ540がリードオンリーメモリおよびランダムアクセスメモリを含み、且つプロセッサにコマンドおよびデータを提供する。メモリの一部に不揮発性ランダムアクセスメモリが含まれてもよい。例えば、メモリは、機器タイプ情報を記憶することもできる。プロセッサ520は、メモリに記憶されるコマンドを実行し、且つ当該プロセッサが当該コマンドを実行する時に、当該プロセッサは、前記方法に関する実施例における端末機器に対応する各ステップを実行することができる。
【0134】
なお、本実施例において、プロセッサ520は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)とすることができ、または汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や、その他のプログラマブル論理部品、論理回路もしくはトランジスタ論理部品、ハードウェアとしての論理部品等とすることもできる。そのうち汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の一般的なプロセッサ等とすることができる。
【0135】
本明細書に用いる「および(且つ)/または」という用語は、関連対象の相関関係を説明するものであり、3種類の関係が存在することを表す。例えば、Aおよび(且つ)/またはBは、Aが単独で存在する場合、AおよびBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合を表すことができる。なお、本明細書に用いる「/」という符号は一般的に、それによって繋がる対象が「または」という関係にあることを表す。
【0136】
なお、本願発明の各種実施例では、前記各プロセスの番号で実行される順番を示すものではなく、各プロセスが実行される順番は、その機能および内部倫理によって決まり、本実施例を実施するプロセスに対して一切限定を加えるものではない。
【0137】
当業者に自明なように、本明細書に開示されている実施例に記載の各例示的なユニットやアルゴリズムおよびステップは、電子ハードウェア、または電子ハードウェアおよびコンピュータソフトウェアの組み合わせにより実施することができる。これらの機能をハードウェアで実行するか、ソフトウェアで実行するかは、該当発明の特定の用途および設計上の制限条件により決まる。当業者であれば、特定の用途ごとに異なる方法を用いて該当機能を実施することができ、このような実施は、本願発明の範囲を逸脱するものではない。
【0138】
当業者に自明なように、本項において説明されるシステム、機器およびユニットの具体的な動作プロセスについては、上記方法に関する実施例の対応するプロセスを参照することができるため、説明の都合上、ここにおいて贅言しない。
【0139】
なお、本願発明のいくつかの実施例に開示されているシステム、機器および方法は、その他の形態により実施することもできる。例えば、本項において説明される装置に関する実施例は、例示的なものに過ぎない。例えば、上記に記載のとおりユニットを設定しているのは、論理機能上の分割に過ぎず、実施する際に別の形態で分割することもでき、例えば、複数のユニットまたは部品を別のシステムを組み合わせもしくは集積させたり、または一部の特徴を反映させず、実行しなかったりしてもよい。また、本項に記載または説明される直接的な接続または通信接続など部品間の接続は、いくつかのインタフェース、装置またはユニットを用いる間接的接続または通信接続とすることもでき、電気的形態、機械的形態またはその他の形態とすることもできる。
【0140】
前記分離される部品として説明されるユニットは、物理的に分離されるものでもよければ、分離されないものであってもよい。ユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもよいが、物理的なユニットでなくてもよい。すなわち、同一の場所に設けられるものであってもよいが、複数のネットワークユニットに配置されるものであってもよい。必要に応じて、一部のユニットだけを用いるか、または全てのユニットを使用して本実施例に係る発明の目的を達成することができる。
【0141】
また、本実施例において、各機能ユニットが1つの処理ユニットに集積されてもよいが、各ユニットが単独で物理的な部品として存在するか、または2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。
【0142】
前記機能は、ソフトウェアの機能ユニットの形で実施され、且つ独立する製品として販売または使用する場合に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。これにより、本願に係る発明の趣旨、すなわち従来技術に対して貢献する発明または当該発明の一部は、ソフトウェア製品の形で実施ことができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、且つ、コンピュータデバイス(パソコン、サーバ、またはネットワーク機器など)に本願発明の各実施例による方法の全てのステップまたはその一部を実行させるためのいくつかのコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read−Only Memory、略称ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、略称RAM)、磁気ディスクまたはコンパクトディスクなど、プロクラムコードを記憶可能なさまざまな媒体を含む。
【0143】
本明細書に記載される内容は、本願発明の具体的な実施形態に過ぎず、本願発明の保護範囲はこれに限定されない。当業者が本願発明に開示される技術範囲において容易に想到し得る変更や置換などは、いずれも本願発明の保護範囲に含まれる。これにより、本願発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載の内容に準拠する。
図1
図2
図3
図4
図5