特許第6947881号(P6947881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6947881
(24)【登録日】2021年9月21日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/42 20060101AFI20210930BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   B29C33/42
   B29C45/37
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-118182(P2020-118182)
(22)【出願日】2020年7月9日
(65)【公開番号】特開2021-54051(P2021-54051A)
(43)【公開日】2021年4月8日
【審査請求日】2020年7月9日
(31)【優先権主張番号】特願2019-177531(P2019-177531)
(32)【優先日】2019年9月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】江頭 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】埼玉 大輔
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−086924(JP,U)
【文献】 実開昭53−115170(JP,U)
【文献】 特開2003−053787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00−33/76
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部の一面を形成し略矩形の板状に
形成された板部本体と、この板部本体から一体的に立ち上げられているリブと、を含む樹脂成形品において、
前記板部本体の辺のうち前記開口に隣接している辺を開口辺とした場合に、
前記リブは、少なくとも一つの前記開口辺に沿って少なくとも前記開口辺の中央上を含むように形成され、
前記リブの高さは、両端部の高さが最も低く設定され
前記リブの先端を起点として、前記リブに対して略垂直に延びる延出部をさらに有することを特徴とする樹脂成形品。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂成形品であって、
前記開口辺の中央上における前記リブの高さから前記両端部における前記リブの高さの差を、前記リブの一方の端部から他方の端部までの長さで除した値を湾曲率とした場合に、前記湾曲率は、0.01以上である。
【請求項3】
略矩形の板状に形成された板部本体と、この板部本体から一体的に立ち上げられているリブと、を含む樹脂成形品において、
前記板部本体は、互いに対向する1組の長辺と、互いに対向し前記長辺よりも短い1組の短辺と、を有し、
前記リブは、少なくとも一つの前記長辺に沿って少なくとも前記長辺の中央上を含むように形成され、
前記リブの高さは、両端部の高さが最も低く設定され
前記リブの先端を起点として、前記リブに対して略垂直に延びる延出部をさらに有することを特徴とする樹脂成形品。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂成形品であって、
前記リブの上端は、全体が湾曲したアーチ状を呈している。
【請求項5】
角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部と、
この本体部を形成する4枚の略矩形の板である板部本体と、
4枚の前記板部本体のうちの互いに対向する2枚の前記板部本体の一辺であって、前記板部本体によって形成された開口に隣接して延びる開口辺に亘って一体的に立ち上げられているリブと、
これらのリブを結ぶように、残り2枚の前記板部本体から一体的に立ち上げられている第2のリブと、を有し、
前記リブは、前記第2のリブよりも長く、且つ、前記開口辺の中央が最も高く、両端部が最も低くなるようアーチ状に形成され、
前記リブの高さが最も高い部位における最高高さと、前記リブの高さが最も低い部位における最低高さとの差を、前記リブの長さで除した値を湾曲率とした場合に、湾曲率は、0.01以上となるように設定されていることを特徴とする樹脂成形品。
【請求項6】
請求項5に記載の樹脂成形品であって、
前記リブの端を起点として、前記リブに対して略垂直に延びる延出部をさらに有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融樹脂を型に流し込んで形成する樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融樹脂を型に流し込んで形成する樹脂成形品が広く用いられている。このような樹脂成形品に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、樹脂成形品は、樹脂の射出中に撓みを検出し、射出されるプラスチック材料の圧力や流量を調整しながら形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−55586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された樹脂成形品を製造するには、プラスチック材料の圧力や流量を調整する制御を行うため、樹脂成形品の製造コストが嵩む。安価でありながら所定の形状に形成された樹脂成形品の提供が望まれる。
【0006】
本発明は、安価でありながら所定の形状に形成された樹脂成形品の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの面によれば、角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部の一面を形成し略矩形の板状に形成された板部本体と、この板部本体から一体的に立ち上げられているリブと、を含む樹脂成形品において、
前記板部本体の辺のうち前記開口に隣接している辺を開口辺とした場合に、
前記リブは、少なくとも一つの前記開口辺に沿って少なくとも前記開口辺の中央上を含むように形成され、
前記リブの高さは、両端部の高さが最も低く設定され
前記リブの先端を起点として、前記リブに対して略垂直に延びる延出部をさらに有することを特徴とする樹脂成形品が提供される。
【0008】
本発明の別の面によれば、略矩形の板状に形成された板部本体と、この板部本体から一体的に立ち上げられているリブと、を含む樹脂成形品において、
前記板部本体は、互いに対向する1組の長辺と、互いに対向し前記長辺よりも短い1組の短辺と、を有し、
前記リブは、少なくとも一つの前記長辺に沿って少なくとも前記長辺の中央上を含むように形成され、
前記リブの高さは、両端部の高さが最も低く設定され
前記リブの先端を起点として、前記リブに対して略垂直に延びる延出部をさらに有することを特徴とする樹脂成形品が提供される。
【0009】
本発明のさらに別の面によれば、角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部と、
この本体部を形成する4枚の略矩形の板である板部本体と、
4枚の前記板部本体のうちの互いに対向する2枚の前記板部本体の一辺であって、前記板部本体によって形成された開口に隣接して延びる開口辺に亘って一体的に立ち上げられているリブと、
これらのリブを結ぶように、残り2枚の前記板部本体から一体的に立ち上げられている第2のリブと、を有し、
前記リブは、前記第2のリブよりも長く、且つ、前記開口辺の中央が最も高く、両端部が最も低くなるようアーチ状に形成され、
前記リブの高さが最も高い部位における最高高さと、前記リブの高さが最も低い部位における最低高さとの差を、前記リブの長さで除した値を湾曲率とした場合に、湾曲率は、0.01以上となるように設定されていることを特徴とする樹脂成形品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、リブの高さは、両端部の高さが最も低く設定されている。全体を同じ高さのリブとした場合に比べて、リブの両端部を低くした場合の方が変位量が小さくなることが分かった。樹脂成形品に両端部が低く設定されたリブを設けることにより、安価でありながら所定の形状に形成された樹脂成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1による樹脂成形品の斜視図である。
図2図2Aは、図1の2A矢視図、図2Bは、比較例による板状の射出成形品について説明する図である。
図3】実施例2による樹脂成形品を用いた空調装置吹出部の斜視図である。
図4図3に示された樹脂成形品の正面図である。
図5図5Aは、実験番号1によるテストピースについて説明する図、図5Bは、実験番号2によるテストピースについて説明する図、図5Cは、実験番号3によるテストピースについて説明する図である。
図6】実験における変位量について説明する図である。
図7図7Aは、実験番号4によるテストピースについて説明する図、図7Bは、実験番号5によるテストピースについて説明する図、図7Cは、実験番号6、7、10−25によるテストピースについて説明する図である。
図8図8Aは、実験番号8によるテストピースについて説明する図、図8Bは、実験番号9によるテストピースについて説明する図である。
図9】実験番号26−28によるテストピースについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例1>
【0013】
図1及び図2Aを参照する。図には、車両の後部に搭載されるライセンスプレート10が示されている。ライセンスプレート10は、射出成形によって形成された樹脂成形品10ということができる。以下、ライセンスプレート10を樹脂成形品10という。
【0014】
樹脂成形品10は、略矩形の板状に形成された板部本体20と、この板部本体20から一体的に立ち上げられているリブ30と、を有する。
【0015】
板部本体20は、中央に略矩形状の穴21が開けられている。板部本体20は、互いに対向する1組の長辺22、22と、互いに対向し長辺22、22よりも短い1組の短辺23、23と、を有している。
【0016】
図2Aを参照する。リブ30は、一方の長辺22(図面手前の長辺22)に沿って形成されている。リブ30は、長辺22の中央CL上を含むように形成されている。リブ30の長辺に沿った方向の長さは、L1である。リブ30は、上面が略円弧状に形成されることにより、全体が略アーチ状に形成されている。リブ30の高さは、中央CL上がH1で最も高く、両端部32、32の高さがH2で最も低く設定されている。
【0017】
長辺22の中央CL上におけるリブ30の高さH1から両端部32、32におけるリブ30の高さH2の差を、リブ30の一方の端部32から他方の端部32までの長さL1で除した値を湾曲率とした場合に、湾曲率は、0.01以上であることが好ましい。つまり、(H1−H2)/L1≧0.01、が成り立つことが好ましい。
【0018】
図2Bを参照する。図2Bには、比較例による板状の射出成形品101が示されている。板状の射出成形品101は、二重鎖線で示される平面に対して、δだけ撓むことが分かった。換言すれば、二重鎖線は、射出成形品101の理想の形状である。実際の射出成形品は、これに対して、δだけ撓んでいる。このδを変位量という。
【0019】
図2Aを参照する。樹脂成形品10のリブ30の高さは、両端部32、32の高さが最も低く設定されている(H2)。リブがない場合や全体を同じ高さのリブとした場合に比べて、リブ30の両端部32、32を低くした場合の方が変位量δ(図2B参照)が小さくなることが分かった。樹脂成形品10に両端部32、32が低く設定されたリブ30を設けることにより、安価でありながら所定の形状に形成された樹脂成形品10を提供することができる。
【0020】
リブ30の上端は、全体が湾曲したアーチ状を呈している。これにより、さらに変位量を小さくすることができた。
【0021】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
【0022】
図3を参照する。図3には、車両において乗員に対向して設けられる空調装置吹出部40が示されている。空調装置吹出部40は、車室前方に設けられたダッシュボードに嵌め込まれ、冷風や温風の車室内への吹出口として用いられる。
【0023】
空調装置吹出部40は、略角筒状に形成された筒体50に、風向きを変えるためのフィン42、43や、これらのフィン42、43の方向を調整するための操作ノブ44が設けられてなる。
【0024】
筒体50は、射出成形によって形成された樹脂成形品50ということができる。以下、筒体50を樹脂成形品50という。
【0025】
図4を併せて参照する。樹脂成形品50は、角筒状に形成され両端が開口している本体部60と、この本体部60から一体的に立ち上げられているリブ80と、このリブ80の先端を起点として本体部60から離れるように本体部60に略平行に形成されている延出部53と、を有している。
【0026】
本体部60は、略矩形板状の4つの板部本体70によって構成されている。本体部60の上面を構成する板部本体70は、互いに対向する1組の長辺72、72と、互いに対向し長辺72、72よりも短い1組の短辺73(左側の短辺73のみが示されている。)と、を有している。長辺72、72は、開口60aに隣接している開口辺72、72ということもできる。換言すれば、本体部60は、長辺72と開口辺72とが一致している。
【0027】
リブ80は、前方側の開口辺72に沿って開口辺72の上部の全体に亘って形成されている。リブ80の長辺に沿った方向の長さは、L1である。リブ80は、上面が略円弧状に形成されることにより、全体が略アーチ状に形成されている。リブ80の高さは、中央CL上がH1で最も高く、両端部82、82の高さがH2で最も低く設定されている。
【0028】
リブ80の湾曲率は、0.01以上であることが好ましい。つまり、(H1−H2)/L1≧0.01、が成り立つことが好ましい。
【0029】
下側の板部本体70の前側の開口辺72にも同様にリブ80が形成されている。左右の板部本体70の前端には、一体的に第2のリブ55、55が形成されている。上下のリブ80、80は、第2のリブ55、55によって接続されている。リブ80、80及び第2のリブ55、55は、連続して一体的に形成されている。
【0030】
延出部53は、リブ80、80及び第2のリブ55、55に対して略垂直に延びている。延出部53は、リブ80、80及び第2のリブ55、55の先端から周方向に連続して形成されている。
【0031】
なお、リブ80は、長辺且つ開口辺72に沿って全体に亘って形成されることが望ましいが、少なくとも開口辺72の中央上を含むように形成されていればよい。
【0032】
加えて、本体部60は、一端が底部によって閉じられていてもよい。この場合には、リブ80は、板部本体70の開口60a側の端部に形成される。つまり、リブ80は、開口辺72に沿って形成される。
【0033】
樹脂成形品50のリブ80の高さは、両端部82、82の高さが最も低く設定されている(H2)。リブがない場合や全体を同じ高さのリブとした場合に比べて、リブ80の両端部82、82を低くした場合の方が変位量δ(図2B参照)が小さくなることが分かった。樹脂成形品50に両端部82、82が低く設定されたリブ80を設けることにより、安価でありながら所定の形状に形成された樹脂成形品50を提供することができる。
【0034】
リブ80の上端は、全体が湾曲したアーチ状を呈している。これにより、さらに変位量を小さくすることができる。
【0035】
リブ80、80の先端を起点として、リブ80、80に対して略垂直に延びる延出部53をさらに有する。これにより、変位量をさらに小さくすることができる。
【0036】
なお、樹脂成形品50を製造する際には、ゲートを介してキャビティに樹脂を注入する。ゲートの位置は、キャビティのフランジに対応する位置に臨んでも良いし、フランジに対応する位置からオフセットされた遠い位置であってもよい。
【0037】
<実験例>
本発明者らは、樹脂成形品について実験を行った。本発明者らの行った実験について、以下、表及び図面を参照して説明する。
【0038】
【表1】
【0039】
図5Aを参照する。実験番号1では、略矩形板状の樹脂成形品101を形成した。樹脂成形品101は、射出成形によって形成した。樹脂成形品101の長さL0は、120mmである。板厚T0は、2.5mmである。板状の樹脂成形品101であるため、開口(図4、符号60a参照)は、形成されていない。リブ(図4、符号80参照)は、形成しなかった。このため、リブの最も高い位置における高さであるリブ最高高さは0mm、リブの最も低い位置における高さであるリブ最低高さは0mm、リブ最高高さとリブ最低高さの差である高低差は0mmである。第2のリブ(図4、符号55参照)も、形成しなかった。このため、第2のリブの幅である第2のリブ幅は0mmであった。延出部(図4、符号53参照)は、形成しなかった。リブの高低差を、リブの一方の端部から他方の端部までの長さで除した湾曲率は、0であった。
【0040】
図6を参照する。二重鎖線で示す平板に対して、実験番号1の樹脂成形品101の変位量δは、0.35mmであった。これは、基準となる1.5mmよりも変位していなかったので、評価は○である。
【0041】
ところで、板状の樹脂成形品101は、運搬の際や組み立ての際、さらに組立後において大きく撓む。このため、樹脂成形品の面にリブを立てて、強度を高めることが好ましい。このとき、リブを形成した場合であっても、変位量が小さいことが望まれる。本発明者らは、どのようにリブを形成すれば変位量が小さくなるかについて、さらに実験を行った。
【0042】
図5Bを参照する。実験番号2では、略矩形状の板102と、この板102の長さ方向に亘って形成された略長方形のリブ103と、を有する樹脂成形品104を形成した。リブ103の長さL0は、120mm、板厚T0は、2.5mmである。リブ103の形状は、略長方形であり、リブ最高高さH3及びリブ最低高さは、共に5mmである。このため、高低差は0mmである。第2のリブ、及び、延出部は形成しなかった。湾曲率は、0であった。実験番号2の樹脂成形品104は、変位量が1.6mmであり、基準となる1.5mmよりも変位していたため、評価は×であった。
【0043】
図5Cを参照する。実験番号3では、略矩形状の板105と、この板105の長さ方向に亘って形成された略長方形のリブ106と、を有する樹脂成形品107を形成した。リブ106の長さL0は、120mm、板厚T0は、2.5mmである。リブ106の形状は、中央の高さが最も高いアーチ状である。リブ最高高さH3は、中央で5mm、リブ最低高さH4は、両端部で3mmである。リブ最高高さとリブ最低高さの差である、高低差は2mmである。第2のリブ、及び、延出部は形成しなかった。リブの高低差を、リブの一方の端部から他方の端部までの長さで除した湾曲率は、0.017であった。実験番号3の樹脂成形品107は、変位量が1.4mmであり、基準となる1.5mmよりも小さかったので評価は〇であった。
【0044】
図5Bを併せて参照する。実験番号2による樹脂成形品104と、実験番号3による樹脂成形品107とでは、リブ103、106の形状が互いに異なっている。両端部を中央よりも低く形成した実験番号3による樹脂成形品107の方が、変位量が小さかった。
【0045】
図7Aを参照する。実験番号4では、両端が開口している角筒状の樹脂成形品110を形成した。長さL5が141mmの略長方形状のリブ111を形成した。板厚T5は、2mm、開口高さH5は、26mmである。リブ最高高さH6は、5mmであり、リブ最低高さも同じである。高低差は、0mm、第2のリブ112の幅である第2のリブ幅W6は、5mmである。延出部113が形成されているため、延出部の有無は、有である。湾曲率は、0。実験番号4の樹脂成形品は、変位量が0.3mmであり、評価は〇であった。
【0046】
図7Bを参照する。実験番号5の樹脂成形品114は、リブ115の後ろに補強リブ116が形成されている。その他の条件は、実験番号4と同じである。実験番号5の樹脂成形品114は、変位量が0.16mmであり、評価は〇であった。
【0047】
図7Cを参照する。実験番号6の樹脂成形品117は、アーチ形状のリブ118を形成した。リブ最高高さH6は7mm、リブ最低高さH7は5mm、高低差は2mm、湾曲率は0.014である。その他の条件は、実験番号4と同じである。実験番号6の樹脂成形品117は、変位量が0.05mmであった。変位量が0.15mm以下であり、特に好ましい。このため、評価は◎である。
【0048】
実験番号5と実験番号6とを比較すると、これらは、リブ形状が異なる。リブの両端部を中央よりも低く形成した実験番号6では、補強リブを形成した実験番号5よりも変位量が小さかった。
【0049】
実験番号7の樹脂成形品は、実験番号6の樹脂成形品117とは、延出部113を形成しない点において異なる。その他の条件については、実験番号6と同じである。実験番号7の樹脂成形品は、変位量が0.12mmであり、評価は◎であった。
【0050】
図8Aを参照する。実験番号8の樹脂成形品120は、リブ121が略五角形に形成されている。リブ121は、最高高さH6とされている中央から最低高さH7とされている両端部まで直線的に延びている。その他の条件については、実験番号6と同じである。実験番号8の樹脂成形品は、変位量が0.09mmであり、評価は◎であった。
【0051】
図8Bを参照する。実験番号9の樹脂成形品122は、リブ123が略六角形に形成されている。リブ122は、最高高さH6とされている部分が左右に延び、両端部近傍から最低高さH7となる両端部まで斜めに延びている。その他の条件については、実験番号6と同じである。実験番号9の樹脂成形品は、変位量が0.12であり、評価は◎であった。
【0052】
実験番号6、8、9は、それぞれリブの形状を変えて実験を行った。リブをアーチ形状にした実験番号6において変位量が最も小さかった。
【0053】
【表2】
【0054】
実験番号10〜18では、実験番号7の樹脂成形品に対して、リブの最高高さを変更した樹脂成形品を形成して実験を行った。このため、実験番号7の条件に対して、リブ最高高さ、高低差、湾曲率が異なる。その他の条件については、実験番号7と共通する。共通する条件については、説明を省略する。
【0055】
実験番号10では、リブ最高高さが5.5mm、高低差0.5mm、湾曲率0.004であった。実験番号10の樹脂成形品は、変位量が0.16mmであり、評価は〇であった。
【0056】
実験番号11では、リブ最高高さが6mm、高低差1mm、湾曲率0.007であった。実験番号11の樹脂成形品は、変位量が0.17mmであり、評価は〇であった。
【0057】
実験番号12では、リブ最高高さが6.5mm、高低差1.5mm、湾曲率0.01であった。実験番号12の樹脂成形品は、変位量が0.12mmであり、評価は◎であった。
【0058】
実験番号13では、リブ最高高さが7.5mm、高低差2.5mm、湾曲率0.018であった。実験番号13の樹脂成形品は、変位量が0.11mmであり、評価は◎であった。
【0059】
実験番号14では、リブ最高高さが8mm、高低差3mm、湾曲率0.021であった。実験番号142の樹脂成形品は、変位量が0.11mmであり、評価は◎であった。
【0060】
実験番号15では、リブ最高高さが8.5mm、高低差3.5mm、湾曲率0.025であった。実験番号15の樹脂成形品は、変位量が0.08mmであり、評価は◎であった。
【0061】
実験番号16では、リブ最高高さが10mm、高低差5mm、湾曲率0.035であった。実験番号16の樹脂成形品は、変位量が0.06mmであり、評価は◎であった。
【0062】
実験番号17では、リブ最高高さが15mm、高低差15mm、湾曲率0.071であった。実験番号17の樹脂成形品は、変位量が0.03mmであり、評価は◎であった。
【0063】
実験番号18では、リブ最高高さが20mm、高低差20mm、湾曲率0.106であった。実験番号18の樹脂成形品は、変位量が0mmであり、評価は◎であった。
【0064】
実験番号19、20では、実験番号6の樹脂成形品に対して、リブの最高高さを変更した樹脂成形品を形成して実験を行った。このため、実験番号6の条件に対して、リブ最高高さ、高低差、湾曲率が異なる。その他の条件については、実験番号6と共通する。共通する条件については、説明を省略する。
【0065】
実験番号19では、リブ最高高さが8mm、高低差3mm、湾曲率0.021であった。実験番号19の樹脂成形品は、変位量が0.06mmであり、評価は◎であった。
【0066】
実験番号20では、リブ最高高さが11mm、高低差6mm、湾曲率0.043であった。実験番号20の樹脂成形品は、変位量が0.03mmであり、評価は◎であった。
【0067】
実験番号21では、実験番号6の樹脂成形品に対して、開口高さを変更した樹脂成形品を形成して実験を行った。その他の条件については、実験番号6と共通する。共通する条件については、説明を省略する。
【0068】
実験番号21では、開口高さが31mmであった。実験番号21の樹脂成形品は、変位量が0.06mmであり、評価は◎であった。
【0069】
実験番号22、23では、実験番号6の樹脂成形品に対して、長さ及びリブ最高高さを変更した樹脂成形品を形成して実験を行った。このため、実験番号6の条件に対して、長さ、リブ最高高さ、高低差が異なる。一方、湾曲率は、同じである。その他の条件についても、実験番号6と共通する。共通する条件については、説明を省略する。
【0070】
実験番号22では、長さが70.5mm、リブ最高高さ6mm、高低差1mmであった。実験番号22の樹脂成形品は、変位量が0.02mmであり、評価は◎であった。
【0071】
実験番号23では、長さが211.5mm、リブ最高高さ8mm、高低差3mmであった。実験番号23の樹脂成形品は、変位量が0.11mmであり、評価は◎であった。
【0072】
実験番号24、25では、実験番号6の樹脂成形品に対して、リブ最高高さ、リブ最低高さ、第2のリブ幅(図7C、符号W6参照)を変更した樹脂成形品を形成して実験を行った。一方、湾曲率は、同じである。その他の条件についても、実験番号6と共通する。共通する条件については、説明を省略する。
【0073】
実験番号24では、リブ最高高さ5mm、リブ最低高さ3mm、第2のリブ幅1mmであった。実験番号24の樹脂成形品は、変位量が0.11mmであり、評価は◎であった。
【0074】
実験番号25では、リブ最高高さ9mm、リブ最低高さ7mm、第2のリブ幅5mmであった。実験番号24の樹脂成形品は、変位量が0.05mmであり、評価は◎であった。
【0075】
図9を参照する。実験番号26〜28では、一端が底部131によって閉じられた樹脂成形品130を用いた。リブ132及び第2のリブ133を形成する場合には、開口している他端に沿って形成した。長さL5は、230mm、板厚は、2.5mm、開口高さH5は、150mmで共通している。また、延出部は形成しなかった。
【0076】
実験番号26では、リブ及び第2のリブを形成しなかった。実験番号26による樹脂成形品は、変位量が28.49mmであり、評価は×だった。
【0077】
実験番号27では、長方形のリブを形成した。リブ最高高さH6は、10mmであり、リブ最低高さも同じである。高低差は、0mm、第2のリブ133の幅である第2のリブ幅W6は、10mmである。湾曲率は、0。実験番号27の樹脂成形品は、変位量が1.98mmであり、評価は×であった。
【0078】
実験番号28の樹脂成形品130は、アーチ形状のリブ132を形成した。リブ最高高さH6は10mm、リブ最低高さH7は5mm、高低差は5mm、湾曲率は0.022である。実験番号28の樹脂成形品130は、変位量が0.12mmであり、評価は◎である。
【0079】
以上の実験結果から、以下のことが言える。
【0080】
図1及び図2を参照する。略矩形の板状に形成された板部本体20と、この板部本体20から一体的に立ち上げられているリブ30と、を含む樹脂成形品10において、
板部本体20は、互いに対向する1組の長辺22、22と、互いに対向し長辺22、22よりも短い1組の短辺23、23と、を有し、
リブ30は、長辺22に沿って少なくとも長辺22の中央CL上を含むように形成され、
リブ30の高さは、両端部32、32の高さが最も低く設定されている。
【0081】
図3及び図4を参照する。角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部60の一面を形成し略矩形の板状に形成された板部本体70と、この板部本体70から一体的に立ち上げられているリブ80と、を含み、
板部本体70の辺のうち開口60aに隣接している辺を開口辺72とした場合に、
リブ80は、開口辺72に沿って少なくとも開口辺72の中央CL上を含むように形成され、
リブ80の高さは、両端部82、82の高さが最も低く設定されている。
【0082】
開口辺72の中央CL上におけるリブ80の高さH1から両端部82におけるリブ80の高さH2の差を、リブ80の一方の端部82から他方の端部82までの長さL1で除した値を湾曲率とした場合に、湾曲率は、0.01以上であることが好ましい。
【0083】
リブ80の上端は、全体が湾曲したアーチ状を呈していることが好ましい。
【0084】
リブ80の上端を起点として、リブ80に対して略垂直に延びる延出部53をさらに有することが好ましい。
【0085】
また、角筒状に形成され少なくとも一端が開口している本体部60と、
この本体部60を形成する4枚の略矩形の板である板部本体70と、
4枚の板部本体70のうちの互いに対向する2枚の板部本体70の一辺であって、板部本体70によって形成された開口60aに隣接して延びる開口辺72、72に亘って一体的に立ち上げられているリブ80と、
これらのリブ80を結ぶように、残りの2枚の板部本体70から一体的に立ち上げられている第2のリブ55と、を有し、
リブ80は、第2のリブ55よりも長く、且つ、開口辺72の中央が最も高く、両端部が最も低くなるようアーチ状に形成され、
リブ80の高さが最も高い部位における最高高さH1と、リブ80の高さが最も低い部位における最低高さH2との差を、リブ80の長さL1で除した値を湾曲率とした場合に、湾曲率は、0.01以上となるように設定されている。
【0086】
さらには、リブ80の先端及び第2のリブ55の先端を起点として、板部本体70から離れる方向に延びる延出部53をさらに有し、
延出部53は、開口60aを囲うように周方向に連続して形成されていることが好ましい。
【0087】
なお、第2のリブ55、133についても、両端部の高さが最も低く設定されるようアーチ状、五角形状又は六角形状等に形成することができる。また、樹脂成形品は、図9に示したような有底の角筒状であっても良い。
【0088】
尚、本発明による樹脂成形品は、車両に用いられるものを例に説明したが、樹脂部品の用途は車両用に限られるものではない。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の樹脂成形品は、車両に用いられる樹脂部品に好適である。
【符号の説明】
【0090】
10…ライセンスプレート(樹脂成形品)
20、70…板部本体
22…長辺
30、80…リブ
32、82…端部
50…筒体(樹脂成形品)
72…長辺(開口辺)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9