(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スライド手段は、前記トレイと前記収納部の底部との間に配置されて前記トレイを支持するとともに、前記トレイを前記開口部から所定位置まで突出させるガイドトレイを備え、
前記ガイドトレイは、前記トレイを通じて付加された外力によって前記収納部に出し入れされることを特徴とする請求項1に記載のウォーターサーバ。
前記スライド手段は、前記トレイに接触して前記開口部に対する出し入れの方向を規制するとともに前記トレイの傾きを抑えるレール部と、該レール部の一部に備えられて少なくとも前記トレイが前記開口部から突出する突出量を制限するストッパを備えることを特徴とする請求項1に記載のウォーターサーバ。
前記スライド手段は、前記トレイまたは前記ガイドトレイの一部または全部に接触して前記開口部に対する出し入れの方向を規制するとともに前記トレイまたは前記ガイドトレイの傾きを抑えるレール部と、該レール部の一部に備えられて少なくとも前記トレイが前記開口部から突出する突出量を制限するストッパを備えることを特徴とする請求項2に記載のウォーターサーバ。
前記トレイは、前記原水容器を載置する載置面およびその周縁部分に前記原水容器の載置状態を規制するガイド壁を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のウォーターサーバ。
前記トレイまたは前記トレイと前記収納部の底部との間に配置されるガイドトレイの一部または全部に接触する前記スライド手段に形成されているレール部を通じて、前記トレイまたは前記ガイドトレイの傾きを抑えながら前記トレイを前記開口部の所定方向に引出し、前記レール部の一部に備えられたストッパにより前記トレイを前記開口部から所定量まで突出させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載のウォーターサーバの給水方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウォーターサーバは、一定の容量のタンクに溜めた水を加熱しまたは冷却して供給していき、温水または冷水の供給に応じて原水容器からタンクに水を補充していく。そのため一定量の温水や冷水が供給されると、原水容器の交換作業が必要となる。従来のウォーターサーバでは、たとえば原水容器からタンクに重力を利用して水を補充するために、原水容器を装置本体の上部側に設置する構造が採用されるものがあった。しかしながら、原水容器の交換頻度を下げるなどの目的から原水容器が大型化、すなわち水の容量が多くなると、原水容器の交換作業が困難になる。そのため、装置の下部側に原水容器を配置するものが出てきている。
原水容器を装置の下部側に配置するウォーターサーバは、ポンプなどによって原水容器から水を取り出すため、ポンプに繋がる管路を原水容器に接続させる作業が必要となる。管路と原水容器との接続状態が不十分な場合、正常に水を取り込むことができないほか、原水容器からの水漏れや、管路内に異物が混入するおそれがあるという課題がある。また、原水容器の交換作業では、作業時間を少なくし、かつ作業者が管路に触れるのを防止することで装置内部への雑菌の侵入を抑制する必要がある。
斯かる課題について、特許文献1には開示や示唆はなく、特許文献1に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、原水容器の交換作業の容易化とともに、作業時間の短縮化を図ることにある。
また、本発明の他の目的は、原水容器を設定された位置に配置させて、原水容器とウォーターサーバの取水用の管路とを確実に接続させて、原水容器からの水漏れや装置内部の雑菌の侵入を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のウォーターサーバの一側面は、原水容器から給水するウォーターサーバであって、前記原水容器を収納する収納部を底部に備える筐体と、前記筐体の一面に形成されており、少なくとも前記収納部に対して前記原水容器を出し入れ可能な開口部と、前記収納部内に設置され、前記原水容器を載置させるトレイと、前記開口部を通じて前記収納部に前記トレイを出し入れさせ、給水処理時に突出する取水手段に接続可能な位置に前記原水容器を配置させるスライド手段とを備え
、前記トレイは、前記スライド手段と対向する面の一部を突出させた突出部を備え、前記スライド手段は、所定位置まで突出した前記トレイの前記突出部に係合する係合部を備える。
【0007】
上記ウォーターサーバにおいて、前記スライド手段は、前記トレイと前記収納部の底部との間に配置されて前記トレイを支持するとともに、前記トレイを前記開口部から所定位置まで突出させるガイドトレイを備え、前記ガイドトレイは、前記トレイを通じて付加された外力によって前記収納部に出し入れされてよい。
上記ウォーターサーバにおいて、前記スライド手段は、前記トレ
イに接触して前記開口部に対する出し入れの方向を規制するとともに前記トレ
イの傾きを抑えるレール部と、該レール部の一部に備えられて少なくとも前記トレイが前記開口部から突出する突出量を制限するストッパを備えてよい。
上記ウォーターサーバにおいて、
前記スライド手段は、前記トレイまたは前記ガイドトレイの一部または全部に接触して前記開口部に対する出し入れの方向を規制するとともに前記トレイまたは前記ガイドトレイの傾きを抑えるレール部と、該レール部の一部に備えられて少なくとも前記トレイが前記開口部から突出する突出量を制限するストッパを備えてよい。
【0008】
上記ウォーターサーバにおいて、前記トレイは、前記原水容器を載置する載置面およびその周縁部分に前記原水容器の載置状態を規制するガイド壁を備えてよい。
上記ウォーターサーバにおいて、さらに、前記トレイまたは前記原水容器が前記収納部の所定位置に配置されたことを検出するセンサと、前記センサの検出信号に応じて前記原水容器から水を取り込む給水手段を動作可能にする制御部とを備えてよい。
上記ウォーターサーバにおいて、前記取水手段と接続させる原水容器の取水部が垂直方向に向けられてよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のウォーターサーバの給水方法の一側面は、原水容器から給水するウォーターサーバの給水方法であって、底部に収納部を備える筐体の一面に形成された開口部から
スライド手段によりトレイを
所定位置まで引き出して
、前記トレイの前記スライド手段と対向する面の一部を突出させた突出部に前記スライド手段の係合部を係合させ、引き出された前記トレイに原水容器を載置させる工程と、原水容器が載置された
前記トレイを
前記スライド手段により前記開口部を通じて前記収納部に出し入れさせ、給水処理時に突出する取水手段に接続可能な位置に前記原水容器を配置させる工程とを含む。
【0010】
上記ウォーターサーバの給水方法において、前記トレイまたは前記トレイと前記収納部の底部との間に配置されるガイドトレイの一部または全部に接触する前記スライド手段に形成されているレール部を通じて、前記トレイまたは前記ガイドトレイの傾きを抑えながら前記トレイを前記開口部の所定方向に引出し、前記レール部の一部に備えられたストッパにより前記トレイを前記開口部から所定量まで突出させる工程を含んでよい。
上記ウォーターサーバの給水方法において、前記トレイまたは前記原水容器が前記収納部の所定位置に配置されたことを検出する工程と、前記
検出する工程における検出結果に応じて前記原水容器から水を取り込む給水手段を動作可能にする工程とを含んでよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0012】
(1) 原水容器を装置本体の底部側に配置させることで、装置本体の高さに関わらず原水容器の設置・交換作業の負担が軽減される。
(2) 原水容器の給水部を上部に向けて配置させ、装置本体の取水用の管路を原水容器の給水部に対して下向きに突出させることにより、原水容器の交換作業時に水が漏れて装置内部等に付着するのを防止し、装置内部の清浄性の維持が図れる。
(3) 装置本体の設置面に近い高さに突出させたトレイにより、原水容器の向きや配置位置を規制させて載置させることで、原水容器の設置・交換作業の容易化および迅速化を図るとともに、原水容器と装置の取水部との接続性を高めることができる。
【0013】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るウォーターサーバの構成例を示している。
図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
このウォーターサーバ2は、筐体4の収納部6に設置される原水容器8から原水Wを補水し、この原水Wを冷却して生成した冷水CW、または加熱して生成した温水HWを供給する水供給装置の一例である。
筐体4は、たとえば金属やプラスチックなどの材料で構成されており、内部に単一又は複数のタンクや管路および冷却手段やヒータなどの装置および制御装置などを収納する空間を備えるほか、底部側に原水容器8や取水手段を収納する収納部6を備えている。
【0016】
原水容器8は、飲料水などの原水Wをウォーターサーバ2の取水手段を通じて内部のタンク内に給水する手段の一例であり、たとえば一部に原水Wを流出させる給水部10を備えた水容器である。この原水容器8は、たとえば剛性のあるビニールやその他の樹脂材料で形成された容器のみで構成されてもよく、その容器の周囲に紙やプラスチックなどの材料で構成された外装部材を供えてもよい。
原水容器8は、収納部6内に設置されたトレイ12に載置されている。このトレイ12は、収納部6内での原水容器8の配置位置や配置向きなどを規制する手段の一例であり、たとえばウォーターサーバ2の設置高さ、すなわち、筐体4の底板の高さに近い高さに原水容器8を配置させる。トレイ12は、樹脂材料などで構成されている。このトレイ12は、原水容器8を載置する面上に配置位置や配置向きを規制するためのガイド部などを形成すればよい。トレイ12は、原水容器8を載置させたまま収納部6の外部に原水容器8を移送させるスライド手段14に接続されている。
スライド手段14は、筐体4の一部に形成された開口部16を通じてトレイ12および原水容器8を収納部6の内部または外部に出し入れさせるとともに、原水容器8を収納部6内の設定された取水位置に配置させる手段の一例である。スライド手段14は、たとえば筐体4の内壁や底板部に形成してもよく、またはトレイ12と一体化した装置として収納部6内に設置してもよい。これによりトレイ12は、スライド手段14によってウォーターサーバ2が設置された地面に近い高さで開口部16から外部に突出することで、原水容器8を収納部6の外部に搬送する。
【0017】
開口部16は、たとえば筐体4の一面側であって、スライド手段14によって移動するトレイ12および原水容器8を収納部6の内外に出し入れ可能な大きさで形成されている。筐体4には、たとえば開口部16を外部に露出しまたは隠蔽するために、外装部材の一部または全部を開閉可能にした扉を備えてもよい。これによりウォーターサーバ2は、原水容器8の設置・交換時にのみ開口部16を開放させればよく、内部に雑菌が混入するのを防止できる。
【0018】
そのほか、収納部6には、スライド手段14によって収納部6内に移動した原水容器8またはトレイ12の位置を検出するセンサ18や原水容器8から原水Wを取り込むための取水部20、この取水部20を上下方向などに変位させる変位機構部22、変位機構部22を操作するためのレバー(Lever)24、給水管26、給水ポンプ28などを備える。
センサ18は、収納部6内の所定位置に原水容器8やトレイ12が有るか否かを監視する手段の一例であって、たとえば接触の有無を検出する接触センサなどを利用すればよい。センサ18で検出した信号は、たとえばウォーターサーバ2の制御装置70に送信されて、給水ポンプ28の始動制御などに利用されればよい。
【0019】
取水部20は、原水容器8の給水部に接続して原水Wを取り込む手段の一例であり、たとえば原水容器8から吸い込む方向にのみ原水Wを流し、逆方向、すなわち原水容器8に対して水や空気が流れ込むのを防止する逆止弁構造を備えてもよい。取水部20は、たとえば原水容器8の給水部の内壁に密着状態で原水容器8の内部に挿入する構造とすることで、原水容器8との接続部分から空気や異物の混入を阻止している。取水部20の原水容器8と接続しない方の端部には、冷水タンク30と繋がる給水管26に接続されている。
変位機構部22は、取水部20の一部と接続されており、たとえば原水容器8の交換処理において、取水部20を変位させる。これにより取水部20は、原水容器8の給水部10に対して接続とその解除が切替えられる。
レバー24は、たとえば取水部20を変位させる変位機構部22への入力操作手段の一例であり、たとえば上下方向の操作に応じて、取水部20を変位させる。このレバー24の操作により変位機構部22が動作することで取水部20が変位し、原水容器8の交換または接続状態が切替えられる。
取水部20は、たとえばレバー24の操作により接続解除位置に変位した場合、図示しないカバー部材または変位機構部22の内部に収納される。このカバー部材または変位機構部22は、たとえば上方に変位した取水部20の先端部の外周の一部または全部を包囲し、または外気と遮断してもよく、少なくとも取水部20の先端部分が収納部6内に露出させないように構成される。
【0020】
<給水・給湯機能の構成例>
このウォーターサーバ2は、たとえば筐体4の上部側、または少なくとも原水容器8を収納する収納部6よりも上側に原水Wを所定温度に調整して供給する給水・給湯機能部を備えている。この給水・給湯機能部には、たとえば上部側に冷水タンク30が配置され、下段に温水タンク32が設置されている。この冷水タンク30および温水タンク32は、それぞれ設定温度に温度管理されて、冷水CWまたは温水HWを貯留する。
【0021】
冷水タンク30には、たとえば原水容器8から取水された水Wが給水管26を通じて流されて、給水管26の給水口34から流入する。冷水タンク30は、たとえば内部にタンク内径よりも小さい径の仕切り板36を備えている。この仕切り板36は、冷水タンク30の中程の高さに配置されており、タンクの底部側に滞留する水とタンクの上部側の水とを仕切る。また、仕切り板36は、中心側に所定の径の開口部38が形成されおり、この開口部38を通じて温水タンク32に繋がる通水管40が接続されている。この通水管40は、冷水タンク30内の水を温水タンク32側に流す管路である。
冷水タンク30の外壁部には冷却装置44の蒸発器(evaporator)42が備えられ、冷水タンク30に供給された原水Wが冷却され、冷水CWに冷水化される。冷却装置44は、冷却器などを含む冷却サイクルを備える。また冷水タンク30には、貯留する冷水CWの温度管理手段として、温度センサ46を備えている、この温度センサ46は、たとえばサーミスタ温度計などを用いればよく、検出した温度は、供給する温水または冷水の温度制御などを行う装置として機能する制御装置70に通知される。
そのほか、冷水タンク30には、給水量を監視するための水位センサ48を備えている。水位センサ48は、たとえば天井側から所定の高さに配置された共通電極と、単数または配置高さを異ならせた複数本の水位電極を利用すればよい。制御装置70は、取り込んだ水位電極の通電状態を示す信号を監視し、所定水位になるまで給水ポンプ28を動作させればよい。
冷水タンク30の底部側には冷水管50が接続され、冷水タンク30内の冷水CWが給水口52側に流される。この冷水管50には、管路途中に冷水電磁弁54が設置されており、冷水電磁弁54の開閉動作により冷水タンク30からの給水のON/OFFや流量が切替えられる。
【0022】
温水タンク32には、外部周囲にヒータ56が巻き付けられ、内部の水を設定温度としてたとえば85〜90〔℃〕に加熱している。このヒータ56は、たとえば電熱式ヒータなどが用いられる。
そのほか温水タンク32には、タンク内の温度を監視する温度センサ58や空焚き安全装置などを備えてもよい。温度センサ58で検出された温度情報は制御装置70に通知され、温水温度管理などに利用される。また空焚き安全装置は、温水タンク32内に水があるか否かを検出する手段であって、たとえば水位センサや水圧センサなどを備えてもよい。
温水タンク32には、たとえば上部側に温水管60が接続され、給水の要求に応じて、温水タンク32内の温水HWが給水口62側に流される。この温水管60には、管路途中に温水電磁弁64が設置されており、温水電磁弁64の開閉動作により温水タンク32からの給水のON/OFFや流量が切替えられる。
【0023】
冷水タンク30と温水タンク32との間には、バイパス管66が備えられている。バイパス管66は、通水管40と並列に設置されており、高温水循環動作時に通水するためのバイパス弁68を備えている。このバイパス弁68は、通常の給水運転時は閉状態に維持されており、冷水タンク30と温水タンク32との間で温水HWや冷水CWのバイパス管66の通水が阻止される。
【0024】
ウォーターサーバ2には、給水制御やその他の機能を制御する制御装置70を備える。この制御装置70は、たとえばマイクロコンピュータであって、図示しないプロセッサやメモリなどで構成される。そして制御装置70は、たとえば給水ポンプ28、冷却装置44やヒータ56などの機能部、温度センサ46、58や水位センサ48、そのほか原水容器8の設置状態を検出するセンサ18やレバー24の操作状態などを監視する監視機能部と接続している。この制御装置70は、各機能部に対して運転動作指示を出力するとともに、各監視機能部から状態情報を収集する。また、制御装置70は、給水および給湯の操作、温度表示、温度設定などの操作手段や状態表示手段を備える操作パネル72と接続している。この操作パネル72には、少なくとも冷水スイッチ、温水スイッチ、ロック解除スイッチなどを備えてもよい。
【0025】
<給水処理>
次に、ウォーターサーバの給水処理例について説明する。この給水処理の内容や手順は本発明の給水方法の一例である。
この給水処理では、たとえば以下の処理を行う。
(A)原水容器8の交換時期の到来を契機に、筐体4の開口部16からトレイ12を引き出して原水容器8を載置させる。
(B)原水容器8が載置されたトレイ12をスライド手段14により開口部16を通じて収納部6に収納させる。
(C)給水処理時に突出する取水部20に接続可能な位置に原水容器8を配置させる。
【0026】
なお、原水容器8から供給される原水Wの流れについて、給水管26を通じて冷水タンク30に流れるものに限らず、原水容器8から温水タンク32側に流す構成としてもよい。
【0027】
<第1の実施の形態の効果>
この実施の形態の構成によれば、次のような効果が期待できる。
(1) ウォーターサーバ2の底部側に原水容器8を配置する構成により、原水容器8の設置・交換における作業負荷の低減や作業時の水漏れ、原水容器8の配置時に筐体との接触による損傷などを防止できる。
(2) 原水容器8の給水部10を上方に向けて配置させることで、設置・交換作業時において、原水容器8を所定位置に移動させる途中や、取水部20との接続作業中に接続状態が完全でない場合に、原水容器8から原水Wが漏れ出る可能性を低減することができる。
(3) 原水容器8の給水部10を上方に向けて配置させることで、原水容器8と取水部20との接続状態を作業者が開口部16からの視認し易く、設置・交換作業の安全性が確保できる。
(4) 装置本体の設置面に近い高さに突出させたトレイ12に原水容器8を載置させる構成により、作業者が重量のある原水容器8を高く、かつ長時間保持して持上げることがないので、作業の安全性が高められる。
(5) トレイ12およびスライド手段14によって、荷重の大きな原水容器8が筐体4の底部側に収納され、また開口部16から外部に配置されて、ウォーターサーバ2が低重心化することで、給水利用時や原水容器8の設置・交換作業時などの筐体との接触による転倒などの危険性を低減できる。
(6) トレイ12およびスライド手段14により設定された位置に原水容器8の給水部10が配置されることで、取水部20との接続に過剰な引張り負荷などが生じるのを防止できる。
(7) 原水容器8またはトレイ12が所定位置に配置されたことを契機に、原水容器8との接続位置まで取水部20を変位させる構成により、取水部20に埃などが付着するのを防止でき、衛生的である。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
図2は、第2の実施の形態に係るウォーターサーバの外観構成例を示している。
図2に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。また、
図2において、
図1と同一部分には、同一符号を付している。
このウォーターサーバ2は、たとえば内部に給水機能や給湯機能および制御機能部を収納する筐体4の周囲に設置された外装筐体80と、このウォーターサーバ2の前面下部側の一部を開閉可能にした蓋部82とを備える。外装筐体80の前面上部側には、たとえば給水・給湯操作や温度設定操作などを行う操作パネル72を備えるほか、外装筐体80の所定範囲を凹ませており、その凹ませた部分の天井側に給水口52、62が配置された給水・給湯部84が形成されている。また給水・給湯部84の底部側には、図示しない給水または給湯を受ける容器などを載置する載置部86を備えている。この載置部86には、たとえば容器などで受けなかった水や湯を排水する排水機能を備えてもよい
【0029】
図3は、収納部6内の構成例を示している。
収納部6には、原水容器90やその他の取水手段、給水ポンプ28や給水管26などが収納される。この収納部6は、たとえば冷水タンク30や温水タンク32が設置される筐体上部側と連通させてもよく、または図示しない仕切り板などによって縁切りしてもよい。
収納部6には、原水容器90が収納される。この原水容器90は、たとえば原水Wが封入される内部容器92、その内部容器92の周囲を包囲する原水ケース94を備えており、さらにその原水ケース94の一部を覆う硬質樹脂材料で形成された原水カバー98を備える。内部容器92には、たとえば原水Wを流出させる給水部96が上部方向に向けて備えられている。原水カバー98は、給水部96の周面方向の一部または全部を包囲するように形成されている。
収納部6内において、原水容器90は、トレイ100上に原水ケース94の底部が載置されている。このトレイ100は、たとえば筐体4の底板部102上にガイドトレイ104を介在させて配置されている。この底板部102およびガイドトレイ104は、本開示のスライド手段の一例であり、底板部102に対してガイドトレイ104およびトレイ100が水平方向にスライドするスライド構造である。これにより、トレイ100は、たとえば蓋部82を開状態にしたときに開口部から出し入れ可能となっている。そして、このトレイ100の出し入れによって、ウォーターサーバ2は、ガイドトレイ104を介してトレイ100を収納部6から引き出すことで、原水容器90を新たにトレイ100に設置し、または交換タイミングとなった原水容器90を取替え、トレイ100およびガイドトレイ104を収納部6の内部の所定位置まで運搬させることができる。この収納部6内に原水容器90を配置させる所定位置は、原水容器90の給水部96がウォーターサーバ2の取水部110と係合可能な位置である。
【0030】
取水部110は、たとえば載置された原水容器90に対して接近させ、または離間させる変位機構部112を備える。この変位機構部112には、たとえば取水部110と接続され、上下方向への操作に応じて取水部110を所定位置に配置させるハンドル114を備えている。取水部110は、たとえば先端側から一定の長さ部分が給水部96内部に挿入されて原水Wを取り込む構成である。取水部110は、中空な筒状であり、先端部分が原水容器90内に配置されて、使用前の原水容器90の開口部を封止する図示しない封止手段を押圧する突出部を備える。取水部110は、たとえば原水Wを取り込む取水孔が単数または複数形成されている。取水部110の内部は、たとえば取り込んだ原水Wを給水管26側に流す方向に沿って内径を異ならせた通水部や、取り込んだ原水Wを原水容器90側に流さない逆止部を備えてもよい。このような構成により、給水ポンプ28の動作により取水部110の内部が負圧となることで、貯留する原水Wを取り込んで給水管26側に流す。このような取水に伴って原水容器90の内部容器92が収縮し体積が減少する。
変位機構部112は、たとえばハンドル114の長辺方向の中央部分を挟むように配置されたアーム116、アーム116と略平行に配置されたガイド部118を備える。
アーム116は、取水部110と連通しており、ハンドル114の先端側が押し下げられると、この先端部分が力点、ガイド部118とハンドル114とを固定支持した支持部120を支点としたレバー(てこ)となる。そしてハンドル114とアーム116とを固定した支持部122が作用点となって、アーム116を介して取水部110が押し下げられる。
そのほか、収納部6には、たとえば取水部110を露出させない露出カバーを備えてもよい。
【0031】
次に、スライド手段について説明する。
<トレイ100の構成>
図4は、トレイの構成例を示している。この
図4に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
トレイ100は、たとえば
図4のAに示すように、原水容器90を載置可能な大きさの載置面部130を備えている。この載置面部130は、少なくとも原水容器90の原水ケース94の底面積と同等またはそれよりも大きな面積に設定されるとともに、その載置面の少なくとも一部または全部が原水ケース94の底部の形状を収納可能な形状となっている。またトレイ100は、載置面部130の周縁の一部または全部にガイド壁132が立設されている。このガイド壁132の側面には、たとえば載置面部130側に向けて一定の長さで突出した複数のリブ134を備えており、載置された原水容器90の原水ケース94の側面に接触する。このようにガイド壁132は、リブ134を介して原水ケース94の周縁に接触させることで、トレイ100に対する原水容器90の載置位置や載置向きを規制するほか、収納部6に対する出し入れ操作時の振動や衝撃によって原水容器90がトレイ100から離脱するのを防止している。この実施の形態のトレイ100は、たとえば底面部が八角形の形状の原水ケース94の一面とその面の両側の面の一部を保持するために、載置面部130を包囲する5面にガイド壁132を備えている。
【0032】
さらに、トレイ100には、たとえば載置面部130の一部であって、背部側に近い位置に複数の車輪136を備えるほか、その背部側の両端側を所定の長さW1で突出させた翼部138を備えている。これによりトレイ100の背部側の幅W2は、載置面部130の幅W3よりも両側の翼部138の突出量(W1+W1)分広くなっている。
この翼部138は、たとえば
図4のBに示すようにガイド壁132の高さ方向に沿って所定の長さで形成されている。また翼部138は、ガイド壁132の所定の高さにおいてトレイ100の背部側に壁部を備えるとともにトレイ100の前面方向に開放部を備えた係合凹部140が形成されている。
またトレイ100には、たとえば載置面部130よりも低い位置に、載置面部130に平行に形成され、トレイ100の前面方向に突出した係合凸部142を備えている。この係合凸部142は、たとえばトレイ100の下に配置されるガイドトレイ104の一部と係合する本発明の突出部の一例であり、トレイ100がガイドトレイ104上をスライドして、所定位置まで突出したときにトレイ104の一部に係合するように、トレイの中央よりも背部側にずらした位置に形成される。
そのほか、トレイ100の背面側には、たとえば
図4のCに示すように、載置するガイドトレイ104の車輪156(
図5)または収納部6の底板部102に設置される車輪170(
図6)と接触させる複数のガイドレール144、146を備える。また、トレイ100には、ガイドトレイ104と重なったときにガイドトレイ104上に設置された車輪154に接触し、かつ収納する収納レール148を備える。
【0033】
<ガイドトレイ104の構成>
図5は、ガイドトレイ104の構成例を示している。この
図5に示す構成はガイドトレイ104の一例である。
ガイドトレイ104は、たとえば
図5に示すように、上面側にトレイ100を載置可能な大きさの載置面部150を備えている。この載置面部150は、少なくともトレイ100の載置面部130と同等またはそれよりも大きな面積に設定されている。載置面部150は、たとえば少なくとも一部または全部が原水ケース94の底部の形状と同じ形状となっている。またガイドトレイ104は、たとえば載置面部150の周縁の一部または全部にガイド壁152が立設されており、載置面部150上にトレイ100が重なったときに、トレイ100の周面部にガイド壁152を接触させて、トレイ100の変位を規制する。
【0034】
ガイドトレイ104には、たとえば載置面150に複数の車輪154、156を備える。車輪154は、たとえば載置面部150の幅方向の中心側であって、かつ収納部6の背部側に設置されている。また車輪156は、たとえばガイドトレイ104の前後方向に対して中央側であり、かつ載置面部150の幅方向の両端にそれぞれ配置されている。車輪154は、載置されるトレイ100のスライドにより、収納レール148に接触する。車輪156は、トレイ100のガイドレール144に接触する。この車輪154、156は、一部が載置面部150を貫通して底部側に突出しており、収納部6の底板部102上に接触する。
【0035】
さらに、載置面部150には、載置したトレイ100の車輪136と接触させてトレイ100のスライド方向を規制するスライドレール158を備えるとともに車輪136を貫通させる貫通孔164、収納部6の底板部102に設置される車輪170を貫通させる貫通孔160を備える。そのほか載置面部150には、幅方向に対して中央またはそれに近い位置であって、かつガイドトレイ104の前後方向に対して所定位置に、ガイドトレイ104の背面方向に突出した係合凸部162を備えている。この係合凸部162は、トレイ100に形成された係合凸部142に対して対向方向に突出しており、トレイ100がガイドトレイ104上をスライドして、所定位置まで突出したときに係合凸部142と係合する本発明の係合部の一例である。
【0036】
<収納部6内の構成例>
図6は、収納部6の構成例について、開口部16側から示している。
図6に示す構成は一例である。
収納部6には、たとえば
図6に示すように、底板部102上であって、開口部16側に複数の車輪170を備えている。この車輪170は、ガイドトレイ104の貫通孔160を貫通してトレイ100のガイドレール146に接触する。これにより、車輪170は、原水容器90の設置・交換作業時にガイドトレイ104の貫通孔160に摺動させることで、スライド方向を規制するとともに、トレイ100のガイドレール146に接触して、トレイ100のスライド方向を規制する。
また収納部6には、筐体の両側面であって、底板部102に近い高さに、所定長さのガイドレール172が形成されている。このガイドレール172は、トレイ100の両端に突出した係合凹部140の一部に接触させ、または係合凹部140の配置位置の近傍に配置される。ガイドレール172は、たとえば開口部16側から収納部6の内側に向けて所定の長さで形成されている。このガイドレール172の長さは、たとえばトレイ100がスライドする距離と同等またはそれに近い値に設定すればよい。またガイドレール172は、開口部16側の端部に、ガイドレール172の上側と平行に設置した係合片により、係合凹部140に係合させる溝部174を形成している。この溝部174は、トレイ100が収納部6から所定量突出したときに、係合凹部140と係合することで、スライド手段の一部であって、トレイ100の突出量を規制するストッパの一例である。またこの溝部174は、たとえば係合した係合凹部140の上部側に係合片が配置されることで、係合凹部140が上下方向に変位するのを阻止する。これにより溝部174は、この係合凹部140を介してトレイ100の傾きを阻止している。
そのほか、収納部6内には、たとえば内部の側面部に単一または複数の突出部176を備えるほか、底板部102にガイドトレイ104の車輪154と接触するガイドレール178を備える。突出部176は、たとえば収納部6の内部にスライドしたトレイ100またはガイドトレイ104のいずれか、もしくは両方に接触して、スライドを静止させるためのストッパとして機能するほか、内部に接触を検出するセンサ18を備えている。これによりトレイ100やガイドトレイ104を収納部6内の所定位置に配置させることができるほか、原水容器8が所定位置に配置されたことを検出することができる。
また、ガイドレール178は、ガイドトレイ104のスライド位置やその方向を規制する手段の一例である。
【0037】
<原水容器8の収納または引出し状態例について>
図7は、収納部内に原水容器90が収納されている状態例を示している。
原水容器90が収納部6内に配置されている場合、たとえば
図7に示すように、収納部内6でトレイ100およびガイドトレイ104は、底板部102上に積層状態となっている。このとき、底板部102の車輪170は、ガイドトレイ104の貫通孔160の先端部に貫通し、トレイ100のガイドレール146の先端部分に配置されている。また、トレイ100の車輪136がガイドトレイ104の貫通孔164を貫通し、スライドレール158の背部側で接触している。ガイドトレイ104の車輪154は、トレイ100の収納レール148内に収納されている。ガイドトレイ104の車輪156は、トレイ100のガイドレール144の前側で接触している。
またトレイ100の係合凸部142とガイドトレイ104の係合凸部162とは離間している。
このような構成により、トレイ100とガイドトレイ104、および底板部102とトレイ100およびガイドトレイ104は、車輪とガイドレールとが収納部6の開口部16に対して前後の端部側で接触することで、トレイ100やガイドトレイ104のスライドを規制し、これらが収納部6の内側の所定位置に配置される。そして、これにより原水容器90がたとえば取水部110の直下に配置される。
【0038】
ウォーターサーバ2は、たとえば
図8に示すように、原水容器90の設置・交換処理においてトレイ100およびガイドトレイ104を収納部6から引き出した場合、各車輪が接触するスライドレールまたはガイドレール上をスライドして変位する。これにより、たとえばガイドトレイ104の車輪154は、トレイ100の収納レール148(
図4のC)から離脱し、底板部102のガイドレール178の前面側まで変位する。トレイ100の車輪136は、ガイドトレイ104のスライドレール158の前面側まで変位する。また、底板部102に設置された車輪170は、ガイドトレイ104の貫通孔160を貫通し、トレイ100のガイドレール146の背部側に接触している。
さらに、トレイ100の係合凹部140は、収納部6内のガイドレール172の上部に沿って開口部16側に変位するとともに、その端部側にある溝部174に係合している。
トレイ100は、たとえば
図9に示すように、ガイドトレイ104よりも前方に突出することで、トレイ100に形成された係合凸部142がガイドトレイ104の係合凸部162と重なり合って係合する。このようにトレイ100の係合凸部142がガイドトレイ104の係合凸部162の背面側で係合することで、ガイドトレイ104がトレイ100の一部を上から抑えることになり、載置面130が傾くのを防止できる。
また同時に、トレイ100は、たとえば
図10に示すように、係合凹部140が収納部6内の溝部174内に係合することで、背部側の両端がウォーターサーバ2の外装筐体80によって固定支持されるので、突出時には、トレイの先端部を一定の高さに浮かせた状態で維持することができる。これにより、荷重のある原水容器90がトレイ100上に載置された場合でも、トレイ100の先端部がウォーターサーバ2を設置する床面に接触するのを防止でき、床面が損傷するのを防止できる。
【0039】
<トレイ100の収納処理について>
図11は、原水容器を収納部内に配置する状態例を示している。
トレイ100は、たとえば
図11に示すように、載置面130上に原水容器90が載置されると、収納部6側に向けてスライドして原水容器90を所定位置まで搬送させる。このとき、トレイ100には、たとえば直接または原水容器90を介して載置面130に外力Fが付加される。そしてトレイ100は、付加された外力Fから車輪136、170とスライドレール158、ガイドレール146によって収納部6の方向にスライドする動力を抽出する。そして、トレイ100は、ガイドトレイ104の載置面上を変位し、背部側まで達すると、トレイ100のガイド壁132がガイドトレイ104のガイド壁152に接触する。これによりガイドトレイ104は、ガイド壁152を通じて外力Fが付加され、収納部6方向に向けてスライドを開始する。
【0040】
なお、この実施の形態において、外装筐体80内において、収納部6よりも上に設置される冷水や温水の供給機能、ウォーターサーバ2の制御機能、その他原水Wの供給管路などについては、第1の実施の形態と同様に構成すればよく、説明を省略する。
【0041】
<第2の実施の形態の効果>
この実施の形態の構成によれば、第1の実施の形態に示す効果に加え、次のような効果が期待できる。
(1) トレイ100とガイドトレイ104および収納部6の底板部102とを複数の車輪とスライドレールおよびガイドレールで接触させることで、トレイ100およびガイドトレイ104のスライド方向および配置位置を規制でき、原水容器90を所定位置に配置することができる。
(2) トレイ100を収納部6から突出したときに、係合凸部や係合凹部によってガイドトレイ104と外装筐体80と一体化させることで、トレイ100の先端部分を所定の高さに浮かせた状態に維持でき、ウォーターサーバ2を設置する床面の損傷を防止できる。
【0042】
〔第3の実施の形態〕
図12は、第3の実施の形態に係るウォーターサーバの収納部内の構成例を示している。
図12に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。また、
図12において、
図1、
図3等と同一部分には、同一符号を付している。
【0043】
このウォーターサーバ2は、たとえば
図12に示すように、原水容器90を載置するトレイ180をスライドさせて、外装筐体80内に形成された収納部6に出し入れする構成例である。また、収納部6の開口部16側には、たとえばスライドするトレイ180の一部に係合してそのスライド位置を規制する係合部181を備えている。
なお、原水容器90や取水部を変位させる変位機構部112、および図示しない温水・冷水供給機能、原水Wを汲み上げる管路や給水ポンプの構成は、第1の実施の形態と同様であればよい。
【0044】
<トレイ180の構成>
図13は、トレイの構成例を示している。
トレイ180は、たとえば
図13のAに示すように、原水容器90を載置する載置面部182やこの載置面部182の周縁の一部または全部に立設したガイド壁184を備えている。このガイド壁184の側面には、たとえば載置面部182側に向けて突出した複数のリブ186を備えており、載置された原水容器90の原水ケース94の側面に接触する。このようにガイド壁184は、リブ186を介して原水容器90の載置位置や載置向きを規制するほか、収納部6に対する出し入れ操作時の振動や衝撃によって原水容器90がトレイ180から離脱するのを防止している。この実施の形態のトレイ180は、たとえば四角形の載置面部182であって、各辺の中央側に、その辺よりも短いガイド壁184を備えている。
【0045】
トレイ180には、たとえば載置面部182の一部であって、収納部6の背部に近い位置に複数の車輪188を備えるほか、その背部側の両端側を所定の長さで突出させた凸部190を備えている。またトレイ180には、たとえば背部側の側面に突出され、収納部6内の所定の位置に接触させる接触部材191を備えるほか、前部側には、原水容器90の交換作業者が把持してトレイ180をスライドさせる把持部187を備えてもよい。
また、トレイ180の背面側には、たとえば
図13のBに示すように、収納部6内の底板部102上に配置される車輪200(
図14)と接触させるガイドレール192を備えるほか、中央またはそれに近い位置に突出した係合凸部194を備える。
【0046】
<収納部6内の構成例>
図14は、収納部6の構成例について、開口部16側から示している。
図14に示す構成は一例である。
収納部6には、たとえば
図14のAに示すように、底板部102上であって、開口部16側に複数の車輪200を備えている。この車輪200は、トレイ180のガイドレール192に接触する。これにより、車輪200は、原水容器90の設置・交換作業時にトレイ180のガイドレール192に接触して、トレイ180のスライド方向を規制する。
収納部6には、たとえば底板部102上に所定長さのガイドレール202を備えている。このガイドレール202には、たとえば底板部102との間に所定の高さの溝部204が形成されている。また、ガイドレール202は、たとえば開口部16側から収納部6の背部側に向けて所定の長さで形成されるとともに、開口部16側の端部に、溝部204に対して立設されたストッパ壁206を備える。
そのほか、底板部102上には、収納部6の内側の中心付近に立設された係止凸部208を備える。
そして、この底板部102上に配置されたトレイ180は、たとえば
図14のBに示すように、溝部204内に凸部190が配置され、凸部190が溝部204に沿って変位することで、収納部6内を水平にスライドすることができる。また、収納部6から突出したトレイ180は、凸部190が溝部204内のストッパ壁206に接触してスライドが制限されるほか、上部側にあるガイドレール202と接触することで、凸部190が上下方向に変位するのが抑えられる。すなわち、トレイ180の載置面182は、背部側の凸部190によって水平状態が維持される。
【0047】
<原水容器90の収納または引出し状態例について>
図15は、収納部内に原水容器90が収納されている状態例を示している。
原水容器90が収納部6内に配置されている場合、たとえば
図15のAに示すように、収納部内6でトレイ180は、底板部102と積層状態になっている。このとき、底板部102の車輪200は、トレイ180のガイドレール192の先端部分に配置されている。また、トレイ180の車輪188は、収納部6の背部側に配置される。また、このときトレイ180の背部側の接触部材191が底板部102の係止凸部208に係合している。
このような構成により、トレイ180と底板部102は、車輪とガイドレールとが収納部6の開口部16に対して前後の端部側で接触することで、トレイ180のスライドを規制し、これらを収納部6の内側の所定位置に配置している。
【0048】
ウォーターサーバ2は、たとえば
図15のBに示すように、原水容器90の設置・交換処理においてトレイ180を収納部6から引き出す場合、収納部6内の溝部204に沿って開口部16側に変位する。
トレイ180は、たとえば収納部6から突出すると、たとえば係合凸部194が底板部102の係合部181と係合することで、トレイ180の先端部が一定の高さに浮いた状態で維持される。これにより、荷重のある原水容器90がトレイ180上に載置された場合でも、トレイ180の先端部がウォーターサーバ2を設置する床面に接触するのを防止でき、床面が損傷するのを防止できる。
【0049】
そのほか、ウォーターサーバ2内には、たとえば
図16のAに示すように、収納部6の内部であって、所定の高さに、原水容器90の一部と同等な形状で形成された係合片210を備えてもよい。この係合片210は、たとえば
図16のBに示すように、トレイ180のスライドによって収納部6内に配置された原水カバー98の一部に接触して原水カバー98を支持する。係合片210は、ウォーターサーバ2の取水部110が上下方向に変位する位置で原水容器90を固定配置させることができる。
【0050】
<第3の実施の形態の効果>
この実施の形態の構成によれば、次のような効果が期待できる。
(1) ウォーターサーバ2の底部側に原水容器90を配置する構成により、原水容器90の設置・交換における作業負荷の低減や作業時の水漏れ、原水容器90の配置時の接触による損傷などを防止できる。
(2) 原水容器90の給水部96を上方に向けて配置させることで、設置・交換作業時において、原水容器90を所定位置に移動させる途中や、取水部110との接続作業中または接続状態が完全でない場合に、原水容器90から原水Wが漏れ出る可能性を低減することができる。
(3) トレイ180および底板部102に形成したスライド手段によって、荷重の大きな原水容器90が筐体80の底部側に収納され、また開口部16から外部に配置されて、ウォーターサーバ2が低重心化することで、給水利用時や原水容器90の設置・交換作業時などの接触に対して転倒などの危険性を低減できる。
(4) 原水容器90またはトレイ180が所定位置に配置されたことを契機に、原水容器90との接続位置まで取水部110を変位させる構成により、取水部110に埃などが付着するのを防止でき、衛生的である。
【0051】
(5) トレイ180と底板部102とを複数の車輪およびガイドレールで接触させることで、トレイ180のスライド方向および配置位置を規制でき、原水容器90を所定位置に配置することができる。
(6) トレイ180を収納部6から突出させたときに、係合凸部や係合部によって筐体80と一体化させることで、トレイ180の先端部分を所定の高さに浮かせた状態に維持でき、ウォーターサーバ2を設置する床面の損傷を防止できる。
【0052】
〔他の実施の形態〕
以上説明した実施形態について、変形例を以下に列挙する。
【0053】
(1) 上記実施の形態では、原水容器8、90を載置したトレイ12、100、180が収納部6内の所定位置まで到達したことをセンサ18で検出したときに給水ポンプ28などの取水動作を可能にすることを示したがこれに限らない。ウォーターサーバ2では、たとえばトレイ12、100、180が所定位置に達したことを検出したときにハンドル114を操作可能にしてもよい。これにより、原水容器8、90が取水可能な位置に達したときにのみ取水部110を収納部6内に露出させることで、ウォーターサーバの清浄性が維持できる。
【0054】
(2) 上記実施の形態では、開口部16から突出したトレイ12、100の先端部が所定の高さで浮いた状態で維持される場合を示したがこれに限らない。トレイ12、100の先端部には、たとえば出し入れ可能に設置され、または着脱可能な脚部を備えてもよい。これにより、トレイ12、100を突出させたときにこの脚部を下方側に突出させることで、トレイ12、100の底部が支持され、重い原水容器8、90の交換作業時にトレイ12、100に歪みが生じるのを防止できる。また、この脚部は、たとえばトレイ12、100を収納部6側に向けてスライドさせるのに連動して、床面から離間する構成としてもよい。
【0055】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。