特許第6948139号(P6948139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948139
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】モバイル用電磁駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20210930BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   H04N5/225 700
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-72606(P2017-72606)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-173581(P2018-173581A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松久 治可
(72)【発明者】
【氏名】江原 悠介
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−014701(JP,A)
【文献】 特開2016−014705(JP,A)
【文献】 特開2015−232682(JP,A)
【文献】 特開2010−145575(JP,A)
【文献】 特開2010−152037(JP,A)
【文献】 特開2013−231924(JP,A)
【文献】 特開2017−049343(JP,A)
【文献】 米国特許第08805176(US,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0064471(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器用の電磁駆動装置であって、
ベース部材と、
該ベース部材に取り付けられる駆動用のコイルと、
マグネットが取り付けられ、前記ベース部材に移動自在に支持される可動部材と、
前記ベース部材に設けられ、前記マグネットの位置を検出する位置センサとを備え、
前記コイルは、多層の絶縁層間に巻線を平面配置した平面基板コイルであり、前記絶縁層の一部に前記位置センサが接続される配線と端子部を備え
前記位置センサは、前記平面基板コイルに予め実装された状態で前記ベース部材に組付けられている
ことを特徴とするモバイル用電磁駆動装置。
【請求項2】
前記平面基板コイルは、厚さ方向に段部が形成されており、
前記位置センサは、前記段部に入り込むように半落としの状態で前記平面基板コイルに予め実装されている
ことを特徴とする請求項1記載のモバイル用電磁駆動装置。
【請求項3】
前記位置センサは、前記平面基板コイルに上載せされた状態で予め実装されている
ことを特徴とする請求項1記載のモバイル用電磁駆動装置。
【請求項4】
前記ベース部材は、前記平面基板コイルと回路基板とを半田で接続するための半田逃がし凹部を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のモバイル用電磁駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載されたモバイル用電磁駆動装置を備えた撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載されたモバイル用電磁駆動装置又は請求項5に記載の撮像装置を備えた携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル用電磁駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末やウエアラブル電子機器などのモバイル機器には、各種の電磁駆動装置が用いられている。特に、様々なモバイル機器にはカメラユニットが搭載されており、そのカメラユニットには、AF(Autofocus)やOIS(Optical Image Stabilizer)の駆動を行うレンズ駆動装置が用いられている。
【0003】
レンズ駆動装置などの電磁駆動装置は、ベース部材に駆動用のコイルが取り付けられ、ベース部材に対して移動自在に支持される可動部材に、マグネットが取り付けられた、ムービングマグネット式の装置が一般に知られている。このような電磁駆動装置は、ベース部材に、駆動用のコイルと、このコイルへの通電を行うための配線部材や端子部材が設けている。また、前述したAFやOISの制御を行うために、可動部材に取り付けられたマグネットの位置を検出する位置センサがベース部材に設けられている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−14705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の電磁駆動装置は、ベース部材上に駆動用のコイルと位置センサが設けられ、さらにそれらに通電するための配線がベース部材上に設けられる。このため、ベース部材上での配線構造及び端子構造が複雑になる。モバイル機器に搭載される電磁駆動装置は、省スペース化の高い要求によって、ベース部材の支持面積が小さいので、ベース部材上の狭いスペースに、複雑な配線構造や端子構造を設けることが困難な問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に対処することを課題としており、モバイル用の電磁駆動装置において、ベース部材に複雑な配線構造や端子構造を設けること無く、駆動用のコイルと位置センサをベース部材に配備できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明によるモバイル用電磁駆動装置は、以下の構成を具備するものである。
【0008】
モバイル機器用の電磁駆動装置であって、ベース部材と、該ベース部材に取り付けられる駆動用のコイルと、マグネットが取り付けられ、前記ベース部材に移動自在に支持される可動部材と、前記ベース部材に設けられ、前記マグネットの位置を検出する位置センサとを備え、前記コイルは、多層の絶縁層に巻線を平面配置した平面基板コイルであり、前記絶縁層の一部に前記位置センサが接続される配線と端子部を備え、前記位置センサは、前記平面基板コイルに予め実装された状態で前記ベース部材に組付けられていることを特徴とするモバイル用電磁駆動装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るモバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置)の構成例を示した説明図(分解斜視図)である。
図2】本発明の実施形態に係るモバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置)の構成例を示した説明図(平面図)である。
図3】(a)が図2におけるA1−A1断面図、(b)が図2におけるA2−A2断面図である。
図4】ベース部材に平面基板コイルを実装した状態の平面図である。
図5図4の部分平面図である。
図6】(a)が図5におけるR−R図であり、(b)が図5におけるS−S断面図であり、(c)が図5におけるU−U断面図である。
図7図5におけるZ−Z断面図である。
図8】ベース部材に平面基板コイルを実装した状態の他の実施形態のへ面図である。
図9図8の部分平面図である。
図10】(a)が図9におけるP−P断面図であり、(b)が図9におけるQ−Q断面図である。
図11】(a)が図9におけるT−T断面図であり、(b)が図9におけるV−V断面図であり、(c)がベース部材における位置センサ保持部を示す斜視図である。
図12図9におけるA3−A3断面図である。
図13】位置センサの取り付け状態を示した断面図である((a)が平面基板コイルに貫通孔を設けた例、(b)が平面基板コイルに凹部を設けた例、(c)が平面基板コイルの上に取り付けた例)。
図14】(a)がモバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置)を搭載した撮像装置を示した説明図、(b)がモバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置)を搭載した携帯電子機器(携帯情報端末)を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0011】
ここでは、モバイル用電磁駆動装置の一例として、レンズ駆動装置を例にして説明するが、本発明は、これに限らず、同様のベース部材に駆動用のコイルを取り付けるものであれば、各種の電磁駆動装置に適用することができる。なお、図示のX−Y方向は光軸に直交する方向を指しており、Z方向が図示省略したレンズの光軸方向を指している。
【0012】
図1図4に示すように、モバイル用電磁駆動装置の一例であるレンズ駆動装置1は、先ず基本構成として、ベース部材2と、ベース部材2に移動自在に支持される可動部材3を備えている。そして、ベース部材2には、平面基板コイル4が取り付けられており、可動部材3には、マグネット5が取り付けられている。平面基板コイル4は、駆動用のコイル4Aを具備しており、このコイル4Aとマグネット5によって、レンズ駆動装置1の駆動部が構成されている。図示の例では、可動部材3は、平面視矩形の外縁を有する筒状部材であり、その角部内側にマグネット5を保持するマグネット保持部3Aを備えている。
【0013】
ベース部材2は、開口2Aを有しており、開口2Aの周囲にX−Y平面に沿った支持面2Bが設けられ、支持面2Bに平面基板コイル4が支持されている。図示の例では、ベース部材2は、平面視が矩形状の外縁を備えている。
【0014】
可動部材3は、支持ワイヤ6を介してベース部材2に支持されている。支持ワイヤ6は、図示Z方向(光軸方向)に沿って延設されており、その一端がベース部材2側(ベース部材2に設けられている配線部材20)に固定され、他端が可動部材3側(可動部材3に固定されている上板バネ9B.9C)に固定されている。可動部材3は、支持ワイヤ6によって吊り下げ支持されており、支持ワイヤ6の撓みによってX−Y方向(光軸と交差する方向)に移動可能に支持されている。図示の例では、支持ワイヤ6は、複数本(4本)設けられ、平面視矩形の外縁を有するベース部材2の四隅に、支持ワイヤ6の一端が固定され、その外側に可動部材5の可動範囲を制限するストッパ2Cが設けられている。
【0015】
可動部材3には、レンズ枠7が移動自在に支持されている。レンズ枠7は、図示省略したレンズバレルが取り付けられるねじ部7Aを備えた円筒部材であり、外周に設けられるコイル保持部7Bにフォーカスコイル8が巻回されている。レンズ枠7は、筒状部材である可動部材3の内側に配置され、可動部材3に取り付けられたマグネット5とフォーカスコイル8との間に磁気ギャップが形成されている。
【0016】
レンズ枠7は、板バネ9によって光軸方向(図示Z方向)に沿って移動可能に支持されている。板バネ9は、レンズ枠7の下端部7Cと可動部材3の下端部3Bとを弾性的に連結する下板バネ9Aと、レンズ枠7の上端部7Dと可動部材3の上端部3Cとを弾性的に連結する上板バネ9B,9Cを備えている。上板バネ9B,9Cは、左右対称の2部材によって構成されている。
【0017】
平面基板コイル4は、多層の絶縁層を有し、駆動用のコイル4Aを平面配置したものである。コイル4Aは、一つの絶縁層上に平面的に巻線を巻回したものであってもよいし、多層の絶縁層に多段に巻線を巻回したものであってもよい。なお、 本実施の形態における平面基板コイル4は、絶縁層として樹脂を用いているが、他の実施の形態ではこれに限らずフィルム材などが用いられてもよい。
【0018】
矩形外縁を有するベース部材2に支持される平面基板コイル4は、図4に示すように、コイル4Aがベース部材2の四隅に位置するように配置されており、隣り合うコイル4Aの直線部分の向きが互いに交差するように配置されている。4個のコイル4Aは、可動部材3に取り付けられている4個のマグネット5にそれぞれ対向して配備されている。
【0019】
図4に示す例では、 4つのコイル4Aによって、光軸に垂直な2方向に可動枠3を駆動させることができる。すなわち、本実施の形態の駆動部は、駆動軸Daが2軸となっている。また、駆動軸Daとは、推力発生源の中心を通り、駆動用のコイル4Aに通電したときに可動枠3が移動する方向によって示される軸のことである。なお、コイルとマグネットとが1つの場合、駆動軸Daは推力発生源の中心を通るが、複数のコイルまたはマグネットが同一駆動軸のために用いられている場合には、その合力の方向が駆動軸Daになる。
【0020】
平面基板コイル4には、図4に示すように、位置センサ10が実装されている。位置センサ10は、可動部材3に取り付けられるマグネット5の磁界変化を検出して可動部材3の移動位置を検出するものであり、ホール素子などが用いられる。位置センサ10は、4つのマグネット5のうちの2つに対向するように、ベース部材2の角部に対応する位置に配置される。図示の例では、2つの位置センサ10が、隣り合う2つのコイル4Aの巻芯部に、互いの向きが交差するように配置されている。
【0021】
平面基板コイル4は、コイル4Aから引き出された引き出し配線11,12を備えている。引き出し配線11,12のうち、一方の引き出し配線11が入力端子部13に接続され、他方の引き出し配線12が平行配置される相互のコイル4Aを直列に接続している。このように、マグネット5は、可動部材を駆動させ、かつ位置検出用としても用いられている。そして、2つの位置センサ10のそれぞれは、駆動部の駆動軸上に配置されている。
なお、他の実施の形態では、位置検出用の専用マグネットが設けられてもよいし、または駆動とは別の目的で設けられるマグネットが位置検出用に用いられてもよい。
【0022】
また、平面基板コイル4は、絶縁層の一部に、位置センサ10が接続される配線14と端子部15を備えている。図4に示す例では、端子部15は、平面基板コイル4におけるコイル4Aの巻芯部に設けられている。端子部15に接続される配線14は、平面基板コイル4の絶縁層上に延設されて、平面基板コイル4の周縁部に設けた凹状の接続ランド16に接続されている。配線14は、コイル4Aが配置される層とは異なる絶縁層に配置することで、コイル4Aに対して平面的に重なる位置に配置することができる。
【0023】
これに対して、ベース部材2には、配線部材20が設けられている。配線部材20は、例えば、リードフレームであり、樹脂製のベース部材2に一体成形(インサート成形)されている。配線部材20の端部20Aは、ベース部材2の外周部に引き出されており、回路基板との接続端子になっている。配線部材20は、リードフレームに限定されるものではなく、各種の配線構造を採用することができ、例えば、MID(Molded Interconnect Device, 成形回路部品)技術によって形成されたものなどであってもよい。
【0024】
ベース部材2には、配線部材20と平面基板コイル4とを接続するために、端子突起20Pが設けられている。端子突起20Pは、リードフレームなどの配線部材20の一部で構成することもできるし、配線部材20に接続されるピン状部材を支持面2Bに突出させて形成することもできる。また、端子突起20Pは、ベース部材2自体に突起部を設けて、それと一体にMID技術などで形成することもできる。
【0025】
端子突起20Pは、ベース部材2の表面(例えば、支持面2B)から突出するように設けられ、端子突起20Pには平面基板コイル4が側面接続される。これにより、平面基板コイル4と支持面2Bとの間には半田が入り込まない接続構造になる。
【0026】
図5図7によって、端子突起20Pと平面基板コイル4との接続構造を説明する。端子突起20Pは、その一部が、平面基板コイル4の周縁部に設けられる凹状の接続ランド16内に配置されている。また、端子突起20Pは、他の一部が、平面基板コイル4の入力端子部13を貫通するように配置されている。
【0027】
入力端子部13或いは接続ランド16内に配置される端子突起20Pは、図6及び図7に示すように、半田21によって、平面基板コイル4の表面側から入力端子部13或いは接続ランド16に接続される。入力端子部13の孔部或いは接続ランド16の凹部に入る半田21は、端子突起20Pの側面と平面基板コイル4の側面と相互に電気的に接続する。
【0028】
これにより、平面基板コイル4の底面は、ベース部材2の支持面2B上に隙間無く支持されることになり、平面基板コイル4と支持面2Bとの間に半田が介在する接続構造と比較すると、薄厚に構成することができる。また、平面基板コイル4の表面側から、端子突起20Pを視認しながら半田付け作業を行うことができるので、作業性が良く且つ確実な接続が可能になる。
【0029】
また、平面基板コイル4に配線(引き出し配線11,12や配線14)や端子部15を設けることで、ベース部材2における複雑な配線構造や端子構造を省くことができる。これにより、ベース部材2を小型化することができ、小型化されたベース部材2にスペース効率よくコイル4Aと位置センサ10を配置することができる。平面基板コイル4における配線は、多層の絶縁層を利用して多段に配線することができるので、狭い表面積に対して高密度の配線が可能になる。これによって、レンズ駆動装置1の更なる小型化が可能になる。
【0030】
図8図13によって、位置センサ10の接続構造の他の例を説明する。この例では、平面基板コイル4は、その周縁部に端子部17を備えており、位置センサ10が接続される端子部15と端子部17が配線14によって接続されている。そして、端子部17がフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuits)22に接続されている。また、平面基板コイル4の端子部17とFPC22とを半田21で接続するために、ベース部材2には、半田逃がしの凹部2Dが形成されている。
【0031】
ベース部材2の支持面2Bには、平面基板コイル4の端子部15と位置センサ10とを半田21で接続するために、半田逃がしの凹部2Eが形成されている。この凹部2Eには中央に位置センサ10自体を支持するための支持突起2Fが設けられている。位置センサ10を端子部15に接続するには、平面基板コイル4におけるコイル4Aの巻芯部に形成された開口に位置センサ10を配置し、ベース部材2の支持突起2F上に位置センサ10を支持した状態で、端子部15に半田21で接続する。
【0032】
位置センサ10の組み付けは、位置センサ10を平面基板コイル4に予め実装した状態で、平面基板コイル4をベース部材2の支持面2Bに支持することができる。平面基板コイル4への位置センサ10の実装状態は、図13(a)〜(c)に示すような実装例が可能である。図13の(a)に示す例は、平面基板コイル4に貫通孔を設けて、その中に位置センサ10を収め、平面基板コイル4の背面側で接続部15と位置センサ10の端子を半田21で接続している。図13の(b)に示す例は、平面基板コイル4の厚さ方向に段部を形成し、位置センサ10を半落としの状態で、接続部15と位置センサ10の端子を半田21で接続している。図13(c)に示す例は、平面基板コイル4の表面に接続部15を設けて、平面基板コイル4上に位置センサ10を上載せしている。
なお、 その他の例では、端子部15は、コイル4Aの巻芯部以外に設けられてもよい。すわなち、位置センサ10は、平面視においてコイル4Aとは重ならない位置に配置されてもよい。そして、端子部15は、このように配置される位置センサ10の位置に合わせて設けられる。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るモバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置1)は、ベース部材2に支持される平面基板コイル4の絶縁層の一部に位置センサ10が接続される配線14と端子部15を設けているので、ベース部材2に複雑な配線構造や端子構造を設けること無く、駆動用のコイル4Aと位置センサ10をベース部材2に配備することができ、ベース部材2の省スペース化が可能なる。また、平面基板コイル4に位置センサ10の接続部15を設けることで、位置センサ10を組み付ける際の作業性を高めることができ、更には、平面基板コイル4に予め位置センサ10を実装した状態で、ベース部材2に組み付けることができるので、組み立ての作業性を向上することができる。
【0034】
このような、モバイル用電磁駆動装置(レンズ駆動装置1)は、図14(a)に示すような小型の撮像装置100に装備することができ、また、図14(b)に示すような携帯電子機器(携帯情報端末)200のカメラユニットなどに組み込むことができる。これらに組み込まれるモバイル用電磁駆動装置は、組み込まれる機器内での占有スペースを省スペース化できるので、撮像装置100や携帯電子機器200の小型化・薄型化に貢献することができる。
【0035】
また、撮像装置100だけに限らず、モバイル用電磁駆動装置は、VCM(VCM:Voice Coil Motor)を用いる振動モータ(振動アクチュエータ)などが装備することができる。さらに、この振動モータは、携帯電子機器(携帯情報端末)200のバイブレーションユニットに組み込むことができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:レンズ駆動装置,
2:ベース部材,2A:開口,2B:支持面,
2C:ストッパ,2D,2E:凹部,2F:支持突起,
3:可動部材,3A:マグネット保持部,3B:下端部,3C:上端部,
4:平面基板コイル,4A:コイル,5:マグネット,6:支持ワイヤ,
7:レンズ枠,
7A:ねじ部,7B:コイル保持部,7C:下端部,7D:上端部,
8:フォーカスコイル,9:板バネ,9A:下板バネ,9B,9C:上板バネ,
10:位置センサ,11,12:引き出し配線,13:入力端子部,
14:配線,15,17:端子部,16:接続ランド,
20:配線部材,20A:端部,20P:端子突起,21:半田,
22:フレキシブルプリント回路基板(FPC)
100:撮像装置,200:携帯電子機器(携帯情報端末)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14