(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的とするところは、磁場によって信号が誘導されるコイル構造とは無関係に、車両を適切に無線充電することができる車両、車両充電装置、車両充電システム及び車両充電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両充電装置は、第1コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第2コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第2コイルの他端末と選択的に接続される第3コイルと、一端末が前記第2コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続されて前記第3コイルと交差するように設けられた第4コイルと、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記第1コイルの一端末と前記第2コイルの一端末とを電気的に接続するか、又は前記第1コイルの一端末と前記第3コイルの一端末とを電気的に接続する第1スイッチをさらにを含むことを特徴とする。
【0008】
前記第1スイッチは、前記第1コイルの一端末と前記第3コイルの一端末とが電気的に接続されると、前記第2コイルの一端末と前記第4コイルの一端末とを電気的に接続することを特徴とする。
【0009】
前記第1コイルの他端末と前記第2コイルの他端末とを電気的に接続するか、又は前記第1コイルの他端末と前記第4コイルの他端末とを電気的に接続する第2スイッチをさらに含むことを特徴とする。
【0010】
前記第2スイッチは、前記第1コイルの他端末と前記第4コイルの他端末とが電気的に接続されると、前記第2コイルの他端末と前記第3コイルの他端末とを電気的に接続することを特徴とする。
【0011】
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに制御信号を伝送する制御部をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、ユーザの操作又は予め定義された設定に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの動作を制御することを特徴とする。
【0013】
前記予め定義された設定は車両に設けられ、前記第1コイルないし第4コイルのうちの少なくとも1つに流れる電流によって充電される信号誘導部のコイル構造を含むことを特徴とする。
【0014】
前記制御部は、前記第1スイッチが前記第1コイルの一端末と前記第2コイルの一端末とを電気的に接続するように制御し、前記第2スイッチが前記第1コイルの他端末と前記第2コイルの他端末とを電気的に接続するように制御することを特徴とする。
【0015】
前記車両充電装置は、車両と通信可能な通信部をさらに含むことを特徴とするができる。
【0016】
前記通信部は、前記車両の信号誘導部に誘導された電気的信号の電圧に関する情報を受信し、前記制御部は、前記電圧に関する情報に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの動作を決定することを特徴とする。
【0017】
前記制御部は、受信した前記電圧が基準値を超えると、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの動作を維持するように決定することを特徴とする。
【0018】
前記制御部は、受信した前記電圧が基準値を超えないと、前記第1スイッチが前記第1コイルの一端末と前記第3コイルの一端末とを電気的に接続して前記第2コイルの一端末と前記第4コイルの一端末とを電気的に接続するように制御し、前記第2スイッチが前記第1コイルの他端末と前記第4コイルの他端末とを電気的に接続して前記第2コイルの他端末と前記第3コイルの他端末とを電気的に接続するように制御することを特徴とする。
【0019】
また、車両充電システムは、印加された電気的信号に対応する磁場を発生させる車両充電装置と、前記磁場によって電流が誘導される信号誘導部が設けられた車両と、を含み、前記車両充電装置は、第1コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第2コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続されて他端末が前記第2コイルの他端末と選択的に接続される第3コイルと、一端末が前記第2コイルの一端末と選択的に接続されて他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第4コイルと、を含むことを特徴とする。
【0020】
前記車両充電装置及び車両は互いに通信可能であって、前記車両は、前記信号誘導部の構造に関する情報及び前記信号誘導部に誘導された電気的信号の電圧のうちの少なくとも1つを前記車両充電装置に伝達することを特徴とする。
【0021】
前記第1コイルの一端末は、前記信号誘導部の構造によって前記第2コイルの一端末と接続されるか、又は前記第3コイルの一端末と接続されることを特徴とする。
【0022】
前記信号誘導部は、円形構造又は8字形構造のコイルを含むことを特徴とする。
【0023】
また、車両は、車両の少なくとも1つの位置に設けられた第1コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第2コイルと、一端末が前記第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第2コイルの他端末と選択的に接続される第3コイルと、一端末が前記第2コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第4コイルを含むことを特徴とする。
【0024】
また、車両は、車両充電装置の充電コイルから生成された磁場により誘導電流が流れる信号誘導部と、前記信号誘導部の誘導電流又は誘導起電力の大きさを測定する測定部と、前記誘導電流又は誘導起電力の大きさと予め定義された値とを比較し、前記誘導電流又は誘導起電力の大きさが予め定義された値より小さい場合、コイル構造変更命令を生成する制御部と、前記コイル構造変更命令を前記車両充電装置に伝送する通信部を含むことを特徴とする。
【0025】
また、車両の充電方法は、車両の信号誘導部の構造を判断する段階と、前記信号誘導部の構造が第1構造の場合、車両充電装置に設けられた第1コイルの両端末を第2コイルの両端末とそれぞれ接続する段階と、前記信号誘導部の構造が第2構造の場合、第1コイルの一端末を第3コイルの一端末に接続し、第1コイルの他端末を第4コイルの他端末に接続し、第2コイルの一端末を第4コイルの一端末に接続し、第2コイルの他端末を第3コイルの他端末に接続し、前記第3コイル及び前記第4コイルが互いに交差して設けられた段階を含むことを特徴とする。
【0026】
前記車両の信号誘導部の構造を判断する段階は、ユーザから前記車両の信号誘導部の構造に関する入力情報を受信し、入力情報に基づいて前記車両の信号誘導部の構造を判断する段階と、予め定義された設定に基づいて前記車両の信号誘導部の構造を判断する段階とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0027】
また、車両の充電方法は、車両充電装置の磁場発生部の第1スイッチ及び第2スイッチが動作して磁場発生部が第1構造又は第2構造に設定される段階と、車両から前記車両に設けられた信号誘導部の電圧に関する情報を受信する段階と、
前記信号誘導部の電圧が基準値を超えると、前記磁場発生部が前記第1構造又は前記第2構造を維持する段階と、前記信号誘導部の電圧が基準値を超えないと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが動作し、前記磁場発生部の構造を第1構造から第2構造に変換するか、又は前記磁場発生部の構造を第2構造から第1構造に変換する段階を含むことを特徴とする。
【0028】
前記第1構造は車両充電装置に設けられた第1スイッチ及び第2スイッチが第1コイルの両端末を第2コイルの両端末とそれぞれ接続して設定され、前記第2構造は第1コイルの一端末を第3コイルの一端末に接続し、第1コイルの他端末を第4コイルの他端末に接続し、第2コイルの一端末を第4コイルの一端末に接続し、第2コイルの他端末を第3コイルの他端末に接続して設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の車両、車両充電装置、車両充電システム及び車両充電方法によれば、磁場によって信号が誘導されるコイル構造とは無関係に車両を適切に無線充電することができる。
また、車両及び車両充電装置のうちの少なくとも1つのコイル構造を多様に変換することができるので、互い異なるコイル構造の車両を同一の車両充電装置を用いて充電するか、又は同一の車両が互いに異なったコイル構造の車両充電装置を用いて充電することができる。
また、車両のコイル構造に対応して互い異なった複数の充電装置を設ける必要がないので、充電インフラの建設コストを節減する効果が得られる。
さらに、車両充電装置のコイル構造とは無関係に、車両のコイル構造を適切に変化させることで、車両のバッテリを充電可能とするか、又はより迅速に充電可能とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、
図1〜
図13を参照しながら車両、車両充電システム及び車両充電装置の一実施形態について説明する。
図1は、車両充電システムの一実施形態を説明するための図であり、
図2は車両充電システムの一実施形態におけるブロック図である。
図1及び
図2に示すように、車両充電システム1は、信号誘導部110及びバッテリ130を含む車両100と、信号誘導部110に誘導電流が流れるようにすることで車両100を充電させる車両充電装置200とを含む。
車両100は道路や線路を走行可能に設けられているもので、例えば、二輪ないし四輪自動車、建設機械や列車などを含む。ここで四輪自動車は、セダンのような一般の乗用車だけでなく、トラックやバスなどのような大型車両も含む。
車両100は充電区域290に移動して充電区域290に停車又は駐車することができる。車両100が充電区域290に位置する場合、車両100に設けられたバッテリ130は車両充電装置200及び信号誘導部110によって充電される。車両充電区域290は駐車場や車両充電所の一区域を含む。また、車両充電区域290は、その他に車両100の充電のために設けられた各種場所を含む。
【0032】
一実施形態によれば、車両100は、信号誘導部110とバッテリ130を含む。
信号誘導部110は、車両100の一地点に設けられる。例えば、車両100が充電区域290に停車する際に、信号誘導部110が車両充電装置200の磁場発生部210に隣接するように配置されるように車両100底面に設けられる。
信号誘導部110は、コイルを用いて実現することができる。コイルは、外形上に所定構造を有する。例えば、コイルは、円形構造でもよく、コイルの一部が折曲して形成された三角形構造、四角形構造、又はそれ以上の多角形構造で実現されてもよい。以下、説明の便宜上、円形構造は、三角形構造、四角形構造、又はそれ以上の多角形構造を含むものとして定義する。他の例として、コイルは、一例に8字形構造を有していてもよい。8字形構造のコイルは、1つのループコイルの中端を捩ることにより実現することができ、又は円形のコイル2つを互いに並べて配置して実現してもよい。
また、信号誘導部110は、
図3に示すように、可変構造のコイルを用いて実現してもよい。なお、これについては後述する。
【0033】
上述のように、コイルは車両100の底面に配置することができ、この場合、コイルは充電区域290の底面と平行であるか、又はこれに近似するように車両100の底面に配置してもよい。
信号誘導部110が車両充電装置200の磁場発生部210によって生成された磁場に露出されると、電磁誘導現象によって信号誘導部110には磁場の変化に対応する電流が流れることになる。信号誘導部110に流れる電流は、導線や回路を経由してバッテリ130に伝達される。
バッテリ130は、電気エネルギを蓄電して車両100の各部品に必要な電気エネルギを供給するように設けられる。
【0034】
例えば、バッテリ130は車両100のモータ(図示せず)に電気エネルギを供給し、モータは供給された電気エネルギを機械エネルギに変換した後、変速機などを介して車両100の車輪に伝達する。これにより車両100は走行に必要な動力を獲得できる。また、バッテリ130は、車両100内に設けられた各種電磁装置、一例として、車両用表示装置や計器盤などに電気エネルギを供給する。その他にもバッテリ130は、車両100の多様な部品に必要な電気エネルギを供給する。
バッテリ130は、例えば、リチウムチタンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、リチウムイオンバッテリ又はリチウムエアバッテリのようなリチウム系バッテリや、鉛バッテリや、ニッケルカドミウムバッテリや、ナトリウム塩化ニッケルバッテリなど多様な種類のバッテリのうちの少なくとも1つを用いて実現することができる。
【0035】
バッテリ130には、信号誘導部110で誘導された電流が印加されバッテリ130は充電される。
車両100は、一実施形態によれば、保存部120、車両制御部150及び通信部170のうちの少なくとも1つをさらに含む。保存部120、車両制御部150及び通信部170は、互いに導線や回路、又は無線通信装置を用いて互いに通信可能に設けられる。保存部120、車両制御部150及び通信部170のうちの一部は設計者の選択によって省略可能である。
車両制御部150は、車両100の各種動作を制御することができるように設けられている。例えば、車両制御部150は、通信部170又は保存部120などの動作を制御するか、車両100内に設けられた表示装置や、計器盤や、各種放送受信装置などの動作を制御することができる。また車両制御部150は、モータの固定子に印加される電流の大きさを調節することで、モータの動作を多様に制御することができる。
【0036】
車両制御部150は、信号誘導部110に誘導された誘導電流又は誘導起電力が適切であるか否かを判断する。もし、信号誘導部110が可変構造のコイルを用いて実現されて誘導電流又は誘導起電力が適切でない場合であれば、制御部150は信号誘導部110に制御信号を伝送して信号誘導部110がコイル構造を変更するように制御する。もし、車両充電装置200の磁場発生部210が可変的な場合であれば、制御部150は、コイル構造変更命令を生成し、生成されたコイル構造変更命令が充電管理部280に伝送されるようにしてもよい。
また、信号誘導部110が可変構造のコイルを用いて実現された場合、車両制御部150は、充電管理部280が伝送した充電コイル220のコイル構造に関する情報を受信し、受信した情報に基づいて信号誘導部110に制御信号を伝送して信号誘導部110がコイル構造を変更するように制御してもよい。
【0037】
車両制御部150は、少なくとも1つの半導体チップ及び関連部品を用いて実現されるプロセッサを採用して実現してもよい。プロセッサは、中央処理装置(CPU、 Central Processing Unit)や、マイクロコントロールユニット(MCU、 Micro Control Unit)を含んでいてもよい。また、各種演算及び処理を行うために別に設けられた多様な種類のプロセッサが制御部70として採用されてもよい。
保存部120は、車両100の動作に必要な多様なデータを一時的、又は非一時的に保存するように設けられる。例えば、保存部120は、信号誘導部110の誘導電流及び誘導起電力の比較に用いられる基準値を保存することができる。保存部120は、車両制御部150に保存されたデータを伝達することができ、車両制御部150は、伝達されたデータに基づいて車両100に関連した各種制御信号を生成することができる。
【0038】
保存部120は、半導体保存装置や、磁気ドラム保存装置や、磁気ディスク保存装置など多様な種類の保存装置を用いて実現することができる。
保存部120は、主記憶装置及び補助記憶装置のうちの少なくとも1つを含むことができ、主記憶装置は、SRAMやDRAMのようなラム(RAM)を採用して実現することができる。補助記憶装置は、ソリッドステートドライブ(SSD、 Solid State Drive)や、ハードディスクドライブ(HDD、 Hard Disc Drive)や、コンパクトディスク、レーザディスク、磁気テープ、光磁気ディスク及び/又はフロッピーディスクのように、データを保存可能な多様な保存媒体を用いて実現することができる。
通信部170は、車両100外部に設けられた通信装置、一例として、充電管理部280の通信部281と通信可能に設けられている。通信部170は、通信チップとアンテナなどを用いて実現することができる。
【0039】
例えば、通信部170は、車両制御部150で生成した制御信号を通信可能な形態に変換した後、車両100の外部に放射して充電管理部280の通信部281に伝送することができる。また、通信部170は、充電管理部280から伝送される信号を受信してもよい。通信部170によって受信した信号は、実施形態によって、車両制御部150及び信号誘導部110のうちの少なくとも1つに伝達することができる。
通信部170は、所定の無線通信技術を用いて、充電管理部280の通信部281と通信を行うことができる。無線通信技術は、近距離通信技術及び移動通信技術のうちの少なくとも1つを用いて実現することができる。ここで、近距離通信技術は、ワイファイ(Wi−Fi)、ワイファイダイレクト(Wi−Fi Direct)、ジグビー(zigbee)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、低電力ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標) Low Energy)又は近距離無線通信(NFC、Near Field Communication)などを用いていてもよい。また、移動通信技術は、3GPP、3GPP2又はWiMAX系列などの各種移動通信標準を採用してもよい。
【0040】
車両100は、信号誘導部110の誘導電流や、誘導起電力(すなわち、電圧)や、又はバッテリの充電電圧を測定するための測定部151をさらに含む。測定部151は、通常の電流測定器や電圧測定器などを用いて実現できる。測定部151は、少なくとも1つの回路や導線を介して、信号誘導部110、信号誘導部110とバッテリ130を接続する回路や導線及びバッテリ130のうちの少なくとも1つと直接的、又は間接的に接続できるように設けられる。
測定部151で測定された誘導起電力や、バッテリ130の充電電圧や、誘導電流の大きさは、車両制御部150に伝達される。車両制御部150は、誘導起電力や、バッテリ130の充電電圧や、誘導電流の大きさの受信に応じて、保存部120から基準値を獲得し、測定された誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさと基準値とを互いに比較することができる。
【0041】
測定した誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさが基準値より小さい場合は、車両制御部150は適切に充電が行われてないと判断し、コイル構造変更命令を生成して通信部170に伝達する。通信部170は、コイル構造変更命令を通信可能な形態に変換した後、充電管理部280の通信部281に伝送する。測定した誘導起電力や誘導電流の大きさが基準値より大きい場合は、車両制御部150は充電が適切に行われていると判断する。判断結果は、必要に応じて車両100の通信部170及び充電管理部280の通信部281を経由して充電管理部280の制御部283に伝達される。
誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさと比較される基準値は、設計者の選択によって任意に定義される。基準値は、信号誘導部110のコイルの形態や、材料や、断面積や、又は全体的な大きさ、バッテリ130の種類などによって多様に定義することができる。
【0042】
他の実施形態によれば、測定部151で測定された誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさは、通信部170に伝達され、通信部170は、誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさを充電管理部280に伝達することができる。充電管理部280の制御部283は、受信した誘導起電力、バッテリ130の充電電圧又は誘導電流の大きさに基づいて第1スイッチ230及び第2スイッチ240のうちの少なくとも1つに対する制御信号を生成することができる。
車両充電装置200は、
図1及び
図2に示すように、磁場発生部210と充電管理部280を含む。
磁場発生部210は、磁場を発生させて車両100の信号誘導部110に、磁場に対応する電流が流れるようにする。磁場発生部210から発生する磁場は、電源印加部285により印加される電流によって変更される。
磁場発生部210は、充電コイル(
図3の220)を用いて実現することができる。
【0043】
信号誘導部110が円形構造又は8字形構造のコイルを用いて実現され、磁場発生部210が変形可能な充電コイル220を用いて実現された場合、信号誘導部110の円形又は8字形構造のコイルは、磁場発生部210の変形可能な充電コイル220より相対的に小さい大きさを有することができる。すなわち、信号誘導部110の円形又は8字形構造のコイルの全体の幅及び/又は長さは、磁場発生部210の変形可能な充電コイル220の全体の幅及び/又は長さより相対的に小さくてもよい。
磁場発生部210は充電区域290に設けられ、充電区域290の底面と平行であるか、又はこれに近似するように充電区域290に設けられる。磁場発生部210は、充電区域290に埋め立てられて設けられてもよい。また、他の実施形態によれば、磁場発生部210は充電区域290の底面の上部に設けられてもよい。磁場発生部210が充電区域290の底面の上部に設けられた場合、磁場発生部210の毀損を防止するために、磁場発生部210は金属や合成樹脂などの材質で生産された別途のハウジング(図示せず)内部に収納されて充電区域290に設けられてもよい。
なお、磁場発生部210の詳細な実施形態については後述する。
【0044】
充電管理部280は、磁場発生部210を動作させるか、又は磁場発生部210が適切に車両100を充電するように制御する機能を行うことができる。
充電管理部280は、
図1に示すように、充電区域290及び/又は充電区域290周辺の所定位置に設けられる。
充電管理部280は、充電区域290や周辺位置に埋め立てられて設けてもよい。他の実施形態によれば、充電管理部280は充電区域290や周辺位置の底面上部で外部に露出されるように設けてもよい。
充電管理部280が外部に露出して設けられた場合、充電管理部280は、ユーザインタフェース(図示せず)をさらに含んでいてもよい。ユーザインタフェースは、入力部(図示せず)及び/又は出力部(図示せず)を含むことができる。入力部は、充電に関連した各種情報や命令をユーザから受信できるように設けられる。例えば、入力部は、車両100の信号誘導部110の構造に関する情報をユーザから受信してもよい。入力部は、物理ボタンや、タッチスクリーンや、バーコードリーダや、又はその他の多様な入力装置を用いて実現することができる。出力部は、車両100の充電に関連した各種情報を視覚的、又は聴覚的に出力することができる。出力部は、液晶ディスプレイ(LCD、 Liquid Crystal Display)や、有機発光ダイオード(LED、 Light Emitting Diode)ディスプレイなどのような各種ディスプレイパネルを用いて実現してもよい。
【0045】
図2に示すように、充電管理部280は、通信部281、制御部283、電源印加部285及び保存部287を含む。これらの281、283、285、287のうちの一部は、実施形態によって省略できる。
通信部281は、車両充電装置200外部に設けられた通信部、一例として車両100の通信部170と通信できるように設けられている。
例えば、通信部281は、車両100の通信部170からコイル構造変更命令を受信するか、測定された誘導電流及び/又は誘導起電力の大きさに関する情報を受信することができる。また、他の例として、通信部281は、磁場発生部210の構造に関する情報を車両100の通信部170に伝送することができる。
通信部281は、車両100の通信部170の説明と同じく又は同様に、多様な無線通信技術を用いて通信を行うことができる。
制御部283は、充電管理部280の全般的な動作を制御することができる。
制御部283は、磁場発生部210を制御して磁場発生部210の構造が変更されるようにするか、又は磁場発生部210の構造が維持されるようにしてもよい。この場合、制御部283は、車両100に設けられた信号誘導部110の構造と磁場発生部210の構造が同一であるか、又は互いに対応するように磁場発生部210の構造を維持又は変更することができる。
【0046】
制御部283は、車両100から伝送されたコイル構造変更命令を解釈し、磁場発生部210に対する制御信号を生成して磁場発生部210の構造を変更してもよい。
また、他の実施形態によれば、制御部283は、車両100から伝送された誘導電流、誘導起電力又はバッテリ130の充電電圧の大きさを予め定義した基準値と比較し、比較結果に基づいて磁場発生部210の構造を維持又は変更するか否かを決定することができる。もし、比較結果誘導電流、誘導起電力又はバッテリ130の充電電圧が予め定義された基準値を超えると、制御部283は、現在の磁場発生部210の構造を維持することができる。逆に、誘導電流、誘導起電力又はバッテリ130の充電電圧が予め定義された基準値より小さければ、制御部283は、磁場発生部210の構造変更に対する制御信号、一例として、第1構造に関連した制御信号や第2構造に関連した制御信号に対応する制御信号を生成し、生成された制御信号を磁場発生部210、一例として、第1スイッチ230及び第2スイッチ240に伝送し、磁場発生部210の構造が変更されるようにしてもよい。
【0047】
また他の実施形態によれば、制御部283は、ユーザの入力部の操作によって車両100の信号誘導部110の構造が入力されると、現在の磁場発生部210の構造を判断し、現在の磁場発生部210の構造と入力された車両100の信号誘導部110の構造とを比較することができる。現在の磁場発生部210の構造と入力された車両100の信号誘導部110の構造とが互いに同一であるか、又は対応可能なものであれば、制御部283は、現在の磁場発生部210の構造を維持することができる。逆に、現在の磁場発生部210の構造と入力された車両100の信号誘導部110の構造とが互いに異なれば、磁場発生部210の構造変更に対する制御信号を生成し、磁場発生部210が構造を変更するように制御することができる。
制御部283は、保存部287に保存された車両充電のためのコイル構造に関する標準に関する情報や、地域情報を閲覧し、現在の磁場発生部210の構造が標準に適合するか、又は特定地域の車両100に用いられる信号誘導部110の構造と同一であるか対応する場合には、現在の磁場発生部210の構造が維持されるようにする。逆に、現在の磁場発生部210の構造が標準に適合しないか、又は特定地域の車両100の信号誘導部110の構造と互いに異なる場合には、制御部283は、磁場発生部210の構造を変更するための制御信号を生成する。
【0048】
車両充電装置200の磁場発生部210のコイル220の構造が可変的でない場合は、制御部283は、通信部281を制御して磁場発生部210の構造に関する情報を車両100に伝送できるようにしてもよい。車両100の信号誘導部110のコイル構造が可変的である場合は、車両100の制御部150は、信号誘導部110の構造が磁場発生部210のコイル220の構造と同一であるか、又は対応するように、信号誘導部110のコイル構造を維持するか、又はコイル構造を変更することができる。
制御部283は、車両制御部150と同様に、プロセッサを用いて実現可能であって、プロセッサは、中央処理装置やマイクロコントローラユニットを含むことができる。
保存部287は、充電管理部280の動作に必要な各種データを一時的又は非一時的に保存することができる。例えば、保存部287は、誘導電流又は誘導起電力の大きさと比較される基準値を保存することができる。また、保存部287は、車両充電のためのコイル構造に関する標準に関する情報や、車両充電装置200が設けられた地域に関する情報をさらに保存してもよい。
【0049】
保存部287は、上述のように、半導体保存装置や、磁気ドラム保存装置や、磁気ディスク保存装置など多様な保存装置を用いて実現することができる。
電源印加部285は、外部の電源、一例として、常用電源9から電力を受け、磁場発生部210に電気的信号を印加することができる。電源印加部285は、必要に応じて供給された電力に対するフィルタリングを行うか、印加された電圧を昇圧するか、又は降圧するか、又は交流電流の周波数を変更するように、磁場発生部210の適切な動作のために必要な多様な動作を行うことができる。
【0050】
以下、車両充電装置200のコイル220について具体的に説明する。以下に説明するコイル220の構造及び動作は、同一又は一部変形を経て車両100の信号誘導部110に適用してもよい。
図3は、車両充電装置のコイルの一実施形態を示す図である。
磁場発生部210は、充電コイル220を用いて実現することができ、充電コイル220は、
図3に示すように、第1コイル221と、第2コイル223と、第3コイル225と、第4コイル227と、第1スイッチ230と、第2スイッチ240とを含む。
第1コイル221は、一端末が第1スイッチ230と接続され、他端末が第2スイッチ240と接続されるように設けられる。第1コイル221は、設計者の選択により多様な形状を有することができる。例えば、第1コイル221は、少なくとも一回以上折曲された図形、一例として、一辺が存在しない四角形の形状を有していてもよく、又は半円の形状を有していてもよい。
【0051】
第2コイル223は、一端末が第1スイッチ230と接続され、他端末が第2スイッチ240と接続されるように設けられる。第2コイル223は、設計者の選択によって多様な形状を有することができる。、第2コイル223は、第1コイル221と対称な形状を有していてもよい。第1コイル221と第2コイル223の両端末周辺は直線又はそれと類似に設けられ、これらは互いに平行であるか、又は略平行に設けられる。
第3コイル225は、一端末が第1スイッチ230と接続され、他端末が第2スイッチ240と接続されるように設けられる。第3コイル225は、直線又は曲線の形状を有することができる。第3コイル225は、実施形態によって、第1コイル221及び第2コイル223の各端の周辺と直交するか、又は近似に直交するように設けられていてもよい。
第4コイル227は、一端末が第1スイッチ230と接続され、他端末が第2スイッチ240と接続されるように設けられる。第4コイル227は、直線又は曲線の形状を有することができる。第4コイル227も、実施形態によって、第1コイル221及び第2コイル223の端末の周辺と直交するか、又は略直交するように設けられていてもよい。
【0052】
第4コイル227は、第3コイル225と少なくとも1つの地点で交差するように設けられる。この場合、第3コイル225と第4コイル227との間の短絡を防止するために、第3コイル225と第4コイル227は一定距離離隔されていてもよく、又は所定の絶縁体により被覆されていてもよい。実施形態によって、第3コイル225と第4コイル227との間に別途の絶縁体がさらに配置されていてもよい。
第1スイッチ230及び第2スイッチ240は、必要に応じて、それぞれのコイル221ないし217が互いに接続されるようにするか、又は接続されないようにすることで、充電コイル220が互い異なった複数の構造、一例として、第1構造又は第2構造を有するようにしてもよい。
【0053】
設計者の選択によって、第1スイッチ230及び第2スイッチ240は対称的に配置されてもよい。
第1スイッチ230は、
図4に示すように、第1コイル221と第2コイル223とを接続するようにするか、又は
図5に示すように、第1コイル221と第3コイル225とを接続し、第2コイル223と第4コイル227とを接続するように設けられる。この場合、第1スイッチ230により第1コイル221の一端末は、第2コイル223の一端末及び第3コイル225の一端末のうちのいずれか1つと選択的に接続でき、第2コイル223の一端末は、第1コイル221の一端末及び第4コイル227の一端末のうちのいずれか1つと選択的に接続できる。
【0054】
第2スイッチ240は、
図4に示すように、第1スイッチ230とは互いに異なった位置に配置され、第1コイル221と第2コイル223を接続するようにするか、又は
図5に示すように、第1コイル221と第3コイル225とを接続し、第2コイル223と第4コイル227を接続するように設けられる。言い替えれば、第1スイッチ230により第1コイル221の他端末は、第2コイル223の他端末及び第4コイル227の他端末のうちのいずれか1つと選択的に接続され、第2コイル223の他端末は、第1コイル221の他端末及び第3コイル225の他端末のうちのいずれか1つと選択的に接続されることができる。
第1スイッチ230及び第2スイッチ240は、制御部283の制御によりそれぞれのコイル221ないし217を相互接続させるか、又は接続させないようにする。
図4は、車両充電装置の各スイッチの動作を説明するための第1図である。
図5は、
図4に示すように、スイッチが動作する場合、車両充電装置のコイルから発生した磁場の一例を示す図であり、
図6は、
図4に示すように、スイッチが動作する場合、車両充電装置のコイルから発生した磁場の他の一例を示す図である。
【0055】
例えば、
図4に示すように、第1スイッチ230は、第1コイル221の一端末と電気的に接続された第1切換部231と第2コイル223の一端末と電気的に接続された第2切換部233とを含む。また、第2スイッチ240は、第1コイル221の他端末と電気的に接続された第3切換部241と第2コイル223の他端末と電気的に接続された第4切換部243とを含む。
制御部283からコイル220の第1構造に関連した制御信号が第1スイッチ230及び第2スイッチ240に入力されると、第1スイッチ230の第1切換部231及び第2切換部233は互いに電気的に接続され、これにより第1コイル221の一端末と第2コイル223の一端末とは電気的に接続される。また、第2スイッチ240の第3切換部241及び第4切換部243は互いに電気的に接続され、これにより第1コイル221の他端末と第2コイル223の他端末も電気的に接続される。
【0056】
この場合、第1コイル221及び第2コイル223は、第3コイル225及び第4コイル227と互いに電気的に接続されない。よって、
図5及び
図6に示すように、電流I1、I2が第3コイル225及び第4コイル227には流れず、第1コイル221及び第2コイル223だけに流れることになる。
これにより充電コイル220は、
図5及び
図6に示すように、円形構造の充電コイル220aと同一となる。
電源印加部285に印加された電流I1、I2は交流電流であってもよい。よって、円形構造の充電コイル220aでは互いに逆方向の電流I1、I2が電流I1、I2の大きさを変更しながら順に流れることになる。第1電流I1が流れる場合に円形構造の充電コイル220aでは、
図5に示すように、第1電流I1の変化に対応して第1方向の磁場B11が生成される。第2電流I2が流れる場合に円形構造の充電コイル220aでは、
図6に示すように、第2電流I2の変化に対応して第1方向の逆方向である第2方向の磁場B12が生成される。
【0057】
図7は、車両充電装置の各スイッチの動作を説明するための第2図であり、
図8は、
図7に示すようにスイッチが動作する場合に車両充電装置のコイルから発生する磁場の一例を示す図である。
図9は、
図7に示すようにスイッチが動作する場合に車両充電装置のコイルから発生する磁場の他の一例を示す図である。
もし、制御部283からコイル220の第2構造に関連した制御信号が第1スイッチ230及び第2スイッチ240に伝達されると、第1スイッチ230の第1切換部231は、第3コイル225と電気的に接続され、これにより第1コイル221の一端末と第3コイル225の一端末とが電気的に接続される。第1スイッチ230の第2切換部233は、第4コイル227と電気的に接続され、第2コイル223の一端末と第4コイル227の一端末とが電気的に接続される。
また、第2スイッチ240の第3切換部241は、第4コイル227と電気的に接続されて第1コイル221の他端末と第4コイル227の他端末とが電気的に接続され、第4切換部243は、第3コイル225と電気的に接続されて第2コイル223の他端末が第3コイル225の他端末と電気的に接続される。
【0058】
したがって、第1コイル221、第2コイル223、第3コイル225及び第4コイル227は、全てが互いに電気的に接続され、電源印加部285から印加された電流が第1コイル221、第2コイル223、第3コイル225及び第4コイル227を全て経由して流れることになる。
この場合、充電コイル220は、
図8及び
図9に示すように、8字形構造の充電コイル220bと同一となる。
電源印加部285から印加された電流I1、I2は交流電流であってもよく、8字形構造の充電コイル220bには、互いに逆方向の電流I3、I4が大きさを変更しながら順に流れることになる。8字形構造の充電コイル220bは、2つの円形コイルが第1区域及び第2区域に並べて配置されたように磁場B21ないしB24を生成する。
第3電流I3が流れる場合、8字形構造の充電コイル220bの第1区域では、第1方向の磁場B21が生成され、第2区域では、第1方向の逆方向である第2方向の磁場B22が生成される。もし、第3電流I3と逆方向に第4電流I4が流れると、8字形構造の充電コイル220bの第1区域では、第3電流I3が流れる場合とは逆に第2方向の磁場B23が生成されて第2区域では第1方向の磁場B24が生成される。
【0059】
このように第1スイッチ230及び第2スイッチ240の動作により充電コイル220は第1構造の充電コイル220aを実現してもよく、また第2構造の充電コイル220bを実現してもよい。
したがって、信号誘導部110が特定の構造や形状のコイル、一例として円形構造のコイルや8字構造のコイルを有する場合でも、信号誘導部110の構造に対応して磁場発生部210のコイル構造220の形状を変更することで、磁場発生部210から発生した磁場によって信号誘導部110に適切な誘導電流が流れる。
【0060】
以上、第1スイッチ230が第1切換部231及び第2切換部233を含み、第2スイッチ240が第3切換部241及び第4切換部242を含む実施形態について説明したが、第1スイッチ230及び第2スイッチ240の構造がこれに限定されない。第1スイッチ230及び第2スイッチ240は、それぞれ上述のように、それぞれのコイル(221ないし227)が接続されるように形成された回路構造を用いて実現してもよく、この場合にトランジスタなどの回路部品が用いられてもよい。また第1スイッチ230及び第2スイッチ240は、設計者の任意的選択によって互いに同じ構造を有していてもよく、又は互い異なった構造を有していてもよい。
図3ないし
図9を参照しながら説明した磁場発生部210の構造及び構成は、信号誘導部110においても同一であるか、又は一部変形を介して適用することができる。
言い替えれば、信号誘導部110は、例えば
図3に示すように、配置された複数のコイルと複数のスイッチを含むことができ、複数のコイルのそれぞれは複数のスイッチの動作により互いに接続されるか、又は互いに接続が遮断される。
【0061】
より具体的に、信号誘導部は、第1コイルと、一端末が第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が第1コイルの他端末と選択的に接続される第2コイルと、一端末が第1コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が第2コイルの他端末と選択的に接続される第3コイルと、一端末が前記第2コイルの一端末と選択的に接続され、他端末が前記第1コイルの他端末と選択的に接続される第4コイルと、第1コイルを第2コイル及び第3コイルのうちのいずれか1つと接続し、第2コイルを第1コイル及び第4コイルのうちのいずれか1つと接続する第1スイッチと、第1コイルを第2コイル及び第4コイルのうちのいずれか1つと接続し、第2コイルを第1コイル及び第3コイルのうちのいずれか1つと接続する第2スイッチとを含む。
【0062】
上述のように、第1スイッチ及び第2スイッチの動作により信号誘導部110は第1構造のコイル又は第2構造のコイルに切換られる。よって、磁場発生部210が可変不可能な構造のコイル、一例として第1構造のコイル及び第2構造のコイルのうちのいずれか1つで実現された場合でも、信号誘導部110の第1スイッチ及び第2スイッチを動作させるか、又は維持させることで、信号誘導部110のコイル構造が磁場発生部210のコイル構造と同一であるか、又は対応することができる。これにより車両100のバッテリ130は適切に充電可能となる。
【0063】
以下、車両100の信号誘導部110の構造による磁場発生部210の具体的な動作について説明する。
図10は、車両に設けられた信号誘導部の一実施形態を示す図であり、
図11は、
図10に示した実施形態によって車両に設けられた信号誘導部と車両充電装置との間の磁場の一例を示す図である。
図10に示すように、車両100の底面には信号誘導部110が設けられる。車両100がセダンのような乗用車である場合は、信号誘導部110が1つだけ車両100の底面に設けられる。車両100がトラックやバスのように大型車両である場合は、車両100の底面には複数の信号誘導部110が設けられる。
車両100の底面に設けられた信号誘導部110が円形構造のコイル111の場合、第1スイッチ230及び第2スイッチ240は、制御信号によって第1コイル221の両端末と第2コイル223の対応される両端末を互いに接続して磁場発生部210のコイルを、
図5に示すように、第1構造、すなわち円形構造のコイル220aに変換させる。
【0064】
この場合、信号誘導部110が円形構造のコイル111であるか否かは、ユーザがユーザインタフェースを介して入力した情報に基づいて判断してもよく、標準や地域情報を参照して判断してもよく、また信号誘導部110の誘導電流及び/又は誘導起電力の大きさに基づいて判断してもよい。信号誘導部110が円形構造のコイル111であるか否かは、車両制御部150及び充電管理部280の制御部283のうちの少なくとも1つによって実行可能である。
磁場発生部210が円形構造のコイル220aに変換されると、
図11に示すように、磁場発生部210のコイル構造が信号誘導部110のコイル構造と同一となる。
電流が印加されると、磁場発生部210の円形構造のコイル220aの内側と外側には磁場B1、B2が生成される。内側と外側に生成された磁場B1、B2は互いに逆方向を向かくようになる。生成された磁場B1、B2は、電流の印加方向によって略円形構造のコイル111が配置された方向を向くか又は略円形構造のコイル111が配置された方向と逆方向を向く。
【0065】
磁場B1、B2の生成により信号誘導部110の円形構造のコイル111には誘導電流が流れることになる。上述のように、磁場発生部210のコイル構造と信号誘導部110のコイル構造が互いに同一なので、信号誘導部110の円形構造のコイル111には、発生した磁場B1、B2に対応して相対的に適正な大きさの誘導電流及び誘導電圧が誘導される。
これにより、信号誘導部110と電気的に接続されたバッテリ130は、より迅速かつ安定的に充電することができる。
図12は、車両に設けられた信号誘導部の他の実施形態を示す図であり、
図13は、
図12に示した実施形態によって車両に設けられた信号誘導部と車両充電装置との間の磁場の一例を示す図である。
図12に示すように、車両100の底面には8字形構造のコイルを含む少なくとも1つの信号誘導部110が設けられる。8字形構造のコイルは、2つの円形コイル113、115を並べて配置することで、実現してもよい。信号誘導部110は、車両100の大きさによって複数個が車両100の底面に設けられてもよい。
【0066】
このように車両100の底面に設けられた信号誘導部110が8字形構造のコイル111である場合、第1スイッチ230は、制御信号によって第1コイル221の一端末と第3コイル225の一端末とを接続し、第2コイル223の一端末と第4コイル227の一端末とを接続する。第2スイッチ240は、第1コイル221の他端末と第4コイル227の他端末とを接続し、第2コイル223の他端末と第3コイル225の他端末とを接続する。これにより磁場発生部210のコイルは、
図8及び
図9に示すように、第2構造のコイル、すなわち8字形構造のコイル220bに変換される。
磁場発生部210が8字形構造のコイル220bに変換されると、
図13に示すように、磁場発生部210のコイル構造が信号誘導部110のコイル構造と同一となる。
【0067】
磁場発生部210に電流が印加されると、磁場発生部210の第1区域及び第2区域には互いに逆方向の磁場B3、B4がそれぞれ生成され、逆方向の磁場B3、B4によって信号誘導部110のそれぞれの円形コイル113、115には誘導電流が流れる。上述のように、磁場発生部210のコイル構造と信号誘導部110のコイル構造が互いに同一なので、信号誘導部110のそれぞれの円形コイル113、115には相対的に適正な大きさの誘導電流及び誘導電圧が誘導され、バッテリ130の迅速かつ安定した充電を可能とする。
図10ないし
図13において、車両100の信号誘導部110の構造による磁場発生部210の可変する一例を説明したが、これは磁場発生部210の構造による信号誘導部110が可変する場合にも、同一、又は一部変形を有して応用可能である。
【0068】
次に、
図14及び
図15を参照しながら車両充電方法の多様な実施形態について説明する。以下、車両充電方法の多様な実施形態のうちの信号誘導部のコイル構造が固定的であって、磁場生成部のコイル構造が可変的である場合における車両充電方法の多様な実施形態について説明する。しかし、車両充電方法は、後述の実施形態に限定されない。後述の車両充電方法は、信号誘導部のコイル構造が可変的であって、磁場生成部のコイル構造が固定的である場合でも同一、又は一部変形を有して応用可能である。
図14は、車両充電方法の一実施形態を示す図である。
図14における車両充電方法の一実施形態によれば、まず信号誘導部が設けられた車両が充電区域に移動して充電区域に停車又は駐車する(1000)。この場合、車両の信号誘導部と車両充電装置の磁場発生部は、互いに対向するように隣接して配置される。一方、車両充電装置の磁場発生部のコイルは、予め第1構造、一例として円形構造、又は第2構造、一例として8字形構造に設定されてもよい。
【0069】
車両が充電区域に駐車又は停車すると、ユーザの操作又は予め定義された設定に基づいて車両の信号誘導部のコイル構造が判断される(1001)。車両のコイル構造の判断は、ユーザが入力した車両のコイル構造に関する情報に基づいて実行されてもよく、予め定義された標準や地域情報のように、予め定義された設定に基づいて実行されてもよい。車両のコイル構造の判断は、車両及び車両充電装置のうちの少なくとも1つによって実行可能である。
車両の信号誘導部のコイル構造が第1構造の場合であれば(1010の「はい」)、磁場生成部の第1スイッチ及び第2スイッチがそれぞれに接続された第1コイルと第2コイルとを互いに接続してコイルを第1構造、すなわち円形構造に変換する(1011)。磁場生成部のコイル構造が第1構造に設定されている場合であれば、第1スイッチ及び第2スイッチは別途の動作を行わず、磁場生成部のコイル構造は第1構造で維持される。
信号誘導部のコイル構造が第2構造であれば(1010の「いいえ」、1020の「はい」)、第1スイッチが動作して第1コイルの一端末と第3コイルの一端末を接続し、第2コイルの一端末と第4コイルの一端末とを接続する。また第2スイッチが動作して第1コイルの他端末と第4コイルの他端末とを接続し、第2コイルの他端末と第3コイルの他端末とを接続する(1021)。
これにより磁場生成部のコイル構造が第2構造、すなわち8字形構造に設定される。
【0070】
磁場生成部のコイル構造が車両の信号誘導部のコイル構造と互いに同一であるか、又は対応する場合、言い替えれば、磁場生成部のコイル構造と車両の信号誘導部のコイル構造が同様に第1構造であるか、又は第2構造であれば、磁場生成部には電流が印加され、信号誘導部には誘導起電力による誘導電流が流れて車両のバッテリに対する充電が開始される(1030)。
バッテリの充電は、バッテリの充電が完了するか(1031)、ユーザがバッテリの充電中断命令を車両充電装置に設けられたユーザインタフェースを介して入力するか、又は車両が充電区域から離脱した場合に終了する。
バッテリの充電が終了すると(1031の「はい」)、磁場生成部に対する電流印加も終了する(1032)。
【0071】
一方、一実施形態によれば、車両のコイル構造が第1構造でもなく、第2構造でもなければ(1020の「いいえ」)、車両充電装置のユーザインタフェースはエラー信号を視覚的又は聴覚的に表示してもよい(1022)。
【0072】
図15は、車両充電方法の他の実施形態を示す図である。
図15に示した車両充電方法によれば、まず信号誘導部が設けられた車両が充電区域に移動して充電区域で停車又は駐車する(1040)。この場合、車両の信号誘導部と車両充電装置の磁場発生部とが互いに隣接するように配置される。
車両が充電区域に停車又は駐車すると、磁場発生部の充電コイルに設けられた第1スイッチ及び第2スイッチは、それぞれに接続された第1コイルと第2コイルを互いに接続し、充電コイルが第1構造、すなわち円形構造を有する(1041)。実施形態によって、第1スイッチは、第1コイルの一端末と第3コイルの一端末とを接続して第2コイルの一端末と第4コイルの一端末とを接続し、第2スイッチは第1コイルの他端末と第4コイルの他端末とを接続して第2コイルの他端末と第3コイルの他端末とを接続し、充電コイルが第2構造、すなわち8字形構造を有するようにしてもよい。
車両充電装置に設けられた磁場発生部の充電コイルが第1構造に設定されるか、又は第2構造に設定されると、充電コイルには電流が印加される(1042)。
【0073】
充電コイルに電流が印加された後、電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧のうちの少なくとも1つが測定される(1043)。
電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧が予め定義された基準値を超えた場合(1043の「はい」)、充電が適切に実行されているものと判断する。言い替えれば、磁場発生部の充電コイル構造と信号誘導部のコイル構造が互いに同一であるか、又は対応されるものと判断する。このような判断は、車両及び車両充電装置のうちの少なくとも1つによって実行可能である。これにより第1スイッチ及び第2スイッチに対する制御信号は生成せず、電流印加が維持される(1044)。
電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧が予め定義された基準値に達していない場合(1043の「いいえ」)、磁場発生部の充電コイル構造が変更される(1050)。
【0074】
例えば、磁場発生部の充電コイルが第1構造に設定された場合であれば、第1スイッチ及び第2スイッチが動作して磁場発生部の充電コイルが第2構造に切換られる。この場合、車両や車両充電装置に設けられた制御部の制御により、第1スイッチは第1コイルの一端末と第3コイルの一端末を接続して第2コイルの一端末と第4コイルの一端末とを接続し、第2スイッチは第1コイルの他端末と第4コイルの他端末とを接続して第2コイルの他端末と第3コイルの他端末とを接続し、充電コイルが第2構造に変換される。
磁場発生部の充電コイルが第2構造に設定された場合は、第1スイッチ及び第2スイッチが動作して磁場発生部の充電コイルが第1構造に切換られる。
この場合、車両や車両充電装置に設けられた制御部の制御により、第1スイッチは、第1コイルの一端末と第2コイルの一端末とを接続し、第1コイルの他端末と第2コイルの他端末とを接続して充電コイルが第1構造に変換されるようにする。
【0075】
磁場発生部の充電コイル構造が変更されると、電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧を予め定義された基準値と再び比較する(1051)。
電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧が予め定義された基準値を超えると(1051の「はい」)、磁場発生部に電流を印加し、これにより車両のバッテリに対する充電が開始される(1052)。
実施形態によって、磁場発生部の充電コイル構造が変更されたにもかかわらず、電流誘導部の誘導電流、誘導起電力及びバッテリの充電電圧が予め定義された基準値より小さければ(1051の「いいえ」)、車両充電装置のユーザインタフェースは、エラー信号を視覚的又は聴覚的に出力してユーザにエラーが発生したことを知らせることができる(1053)。
上述のように、バッテリの充電は、バッテリの充電が完了するか(1045)、ユーザがバッテリの充電中断命令を車両充電装置に入力するか、又は車両が充電区域から離脱した場合のように、予め設定された状況が発生した場合に終了する。
バッテリの充電が終了すると(1045の「はい」)、磁場生成部に対する電流印加は終了する(1046)。