特許第6948162号(P6948162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948162
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】棒状体選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20210930BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20210930BHJP
   A23L 7/109 20160101ALI20210930BHJP
【FI】
   B07C5/342
   G01N21/85 Z
   A23L7/109 J
   A23L7/109 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-109140(P2017-109140)
(22)【出願日】2017年6月1日
(65)【公開番号】特開2018-202305(P2018-202305A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(73)【特許権者】
【識別番号】591217229
【氏名又は名称】株式会社旭
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】内山 和也
(72)【発明者】
【氏名】神山 琢磨
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−324101(JP,A)
【文献】 特開2008−081342(JP,A)
【文献】 特開2000−088537(JP,A)
【文献】 特開2012−096910(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0039856(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00−99/00
G01N 21/85
A23L 7/109
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状体を検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出信号に基づいて前記棒状体の良品・不良品を判別する判別手段と、を備える棒状体選別機であって、
棒状体を移送する移送手段と、
前記移送手段の下流側に配設され、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を排出する排出コンベアと、
前記移送手段と前記排出コンベアとの間に配設され、前記判別手段による判別結果に基づいて前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ向けて排除するエジェクタ手段と、
前記排出コンベアの上方であって前記エジェクタ手段よりも下方に配設される誘導部材と、をさらに備え、
前記誘導部材は駆動ローラであり前記判別手段の良品判別結果に基づいて前記排出コンベアの駆動方向に回転駆動され、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を前記排出コンベア側へ誘導し、前記判別手段の不良品判別結果に基づいて前記回転駆動が停止され、前記エジェクタ手段により排除された前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ誘導することを特徴とする棒状体選別機。
【請求項2】
前記エジェクタ手段は排除板であり、上部を支点として前記棒状体の落下軌跡の前後方向に揺動可能に配設される請求項記載の棒状体選別機。
【請求項3】
前記排除板の下端側が前記棒状体の不良品を前記落下軌跡から前記排出コンベア外へ向けて排除する方向に屈折する請求項記載の棒状体選別機。
【請求項4】
棒状体を検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出信号に基づいて前記棒状体の良品・不良品を判別する判別手段と、を備える棒状体選別機であって、
棒状体を移送する移送手段と、
前記移送手段の下流側に配設され、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を排出する排出コンベアと、
前記移送手段と前記排出コンベアとの間に配設され、前記判別手段による判別結果に基づいて前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ向けて排除するエジェクタ手段と、
前記排出コンベアの上方であって前記エジェクタ手段よりも下方に配設される誘導部材と、をさらに備え、
前記エジェクタ手段は排除板であり、上部を支点として前記棒状体の落下軌跡の前後方向に揺動可能に配設され、
前記排除板の下端側が前記棒状体の不良品を前記落下軌跡から前記排出コンベア外へ向けて排除する方向に屈折し、
前記誘導部材は、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を前記排出コンベア側へ誘導し、前記エジェクタ手段により排除された前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ誘導することを特徴とする棒状体選別機。
【請求項5】
前記移送手段は傾斜配置されたシュートであって、前記棒状体は前記シュート上を移送方向に直交する状態で流下し、
前記光学検出手段は前記シュートの下端から落下する前記棒状体を検出可能に配設される請求項1乃至4のいずれかに記載の棒状体選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロングパスタ、棒拉麺、素麺等の棒状乾麺、その他の棒状体から着色やクラック等が発生した不良品を除去する棒状体選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スパゲッティ等のロングパスタや素麺等の棒状食品において、クラックや色むらの発生を検出し、不良品を分別する装置が知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された分別装置は、麺類を搬送する搬送コンベアと、前記麺類におけるクラックの発生量を検出するクラック検出手段を備え、前記搬送コンベアの下流側に回動可能なシュート、前記シュートの下流側に排出コンベアが配置されるものである。
【0004】
特許文献1に記載された分別装置において、前記クラック検出手段で検出されるクラックの発生量が所定値未満である麺類は、前記シュートを介して前記搬送コンベアから前記排出コンベアへ搬送される一方、前記クラックの発生量が所定値以上である麺類は、前記シュートが下方へ回動し、前記搬送コンベアと前記排出コンベアの間に落下空間が形成され、異常品として前記シュートの下方に配置された回収部に落下回収される。
【0005】
特許文献2に記載された分別装置は、パスタを搬送する搬送コンベアと、前記パスタを連続撮影するCCDカメラと、前記カメラにより撮影された画像を処理して局部的に生じた色むらの程度から異色パスタを検出する画像処理装置を備え、前記搬送コンベアの後端部に所定の間隔をとって排出コンベアが配装され、前記搬送コンベアの後端部上方に上下方向に揺動可能で先端に誘導板を垂設してなる揺動部材が設けられるものである。
【0006】
特許文献2に記載された分別装置において、前記搬送コンベアから正常に排出されるパスタは、慣性により自然落下し前記排出コンベアに移載されて次工程に移行する一方、排除すべきと判断された異色パスタは、前記揺動部材が下方へ揺動し、前記揺動部材の先端に垂設される誘導板が前記異色パスタの前に立ちはだかることで、前記搬送コンベアと前記排出コンベアの間に設けた排出ホッパに誘導されて落下回収される。
【0007】
ところで、特許文献1に記載された分別装置は、異常品を分別するためにシュートが下方へ回動し、搬送コンベアと排出コンベアの間に落下空間が形成されるものであり、異常品を前記落下空間に落下させて前記シュートを元の位置に戻すまでに長い時間を要するため、異常品の排除に際し多くの正常品を巻き込んで排除してしまう問題がある。
また、特許文献1に記載された分別装置は、麺類が棒状の長尺物であるために落下空間へ落下する際の姿勢が一定でなく、異常品が排出コンベアの始端側に接触し、前記排出コンベア側に引き込まれて正常品に混入する虞がある。
【0008】
他方、特許文献2に記載された分別装置は、前記揺動部材が下方へ揺動し、前記揺動部材の先端に垂設される誘導板が前記異色パスタの前に立ちはだかるものであり、異色パスタの落下方向を誘導し前記誘導板を退避させるまでの時間が短く、異色パスタの排除に際し正常パスタの巻き込み量を少なくすることができる。
しかしながら、特許文献2に記載された分別装置も、誘導板によって排出ホッパに誘導される異色パスタが排出コンベアの始端側に接触し、前記排出コンベア側に引き込まれて正常パスタに混入する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013−24641号公報
【特許文献2】特開2005−324101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、不良品が排出コンベア側に引き込まれて良品に混入することを防止できる棒状体選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、
棒状体を検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出信号に基づいて前記棒状体の良品・不良品を判別する判別手段と、を備える棒状体選別機であって、
棒状体を移送する移送手段と、
前記移送手段の下流側に配設され、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を排出する排出コンベアと、
前記移送手段と前記排出コンベアとの間に配設され、前記判別手段による判別結果に基づいて前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ向けて排除するエジェクタ手段と、
前記排出コンベアの上方であって前記エジェクタ手段よりも下方に配設される誘導部材と、をさらに備え、
前記誘導部材は、前記移送手段の端部から落下する前記棒状体の良品を前記排出コンベア側へ誘導し、前記エジェクタ手段により排除された前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ誘導することを特徴とする。
【0012】
本発明は、
前記誘導部材が駆動ローラであり、前記判別手段の良品判別結果に基づいて前記排出コンベアの駆動方向に回転駆動され、前記判別手段の不良品判別結果に基づいて前記回転駆動が停止され
【0013】
本発明は、
前記エジェクタ手段が排除板であり、上部を支点として前記棒状体の落下軌跡の前後方向に揺動可能に配設され
【0014】
本発明は、
前記排除板の下端側が前記棒状体の不良品を前記落下軌跡から前記排出コンベア外へ向けて排除する方向に屈折す
【0015】
本発明は、
前記移送手段が傾斜配置されたシュートであって、前記棒状体が前記シュート上を移送方向に直交する状態で流下し、
前記光学検出手段が前記シュートの下端から落下する前記棒状体を検出可能に配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の棒状体選別機は、排出コンベアの上方であってエジェクタ手段よりも下方に配設される誘導部材を備え、前記誘導部材が、移送手段の端部から落下する棒状体の良品を排出コンベア側へ誘導し、エジェクタ手段により排除された前記棒状体の不良品を前記排出コンベア外へ誘導するので、不良品が排出コンベア側に引き込まれて良品に混入することを防止できる。
【0017】
本発明の棒状体選別機は、前記誘導部材が駆動ローラであり、判別手段の良品判別結果に基づいて前記排出コンベアの駆動方向に回転駆動され、前記判別手段の不良品判別結果に基づいて前記回転駆動が停止されることとすれば、棒状体の良品については前記ローラの回転力により前記排出コンベア側へ確実に誘導することができ、棒状体の不良品については前記ローラの回転駆動が停止されるため前記排出コンベア外へ確実に誘導し落下させることができる。
【0018】
本発明の棒状体選別機は、エジェクタ手段が排除板であり、上部を支点として棒状体の落下軌跡の前後方向に揺動可能に配設されることとすれば、移送手段の端部から落下する際の落下軌跡から棒状体の不良品を簡単かつ確実に排除できる。また、前記棒状体の不良品を前記落下軌跡から排除した後は前記排除板を短時間で元の位置に戻すことができるので、不良品の排除に際しての良品の巻き込み量を少なくすることができる。
【0019】
本発明の棒状体選別機は、排除板の下端側が棒状体の不良品を落下軌跡から排出コンベア外へ向けて排除する方向に屈折することとすれば、不良品の排除に際しての良品の巻き込み量をさらに少なくすることができる。
【0020】
本発明の棒状体選別機は、移送手段が傾斜配置されたシュートであって、棒状体が前記シュート上を移送方向に直交する状態で流下し、光学検出手段が前記シュートの下端から落下する前記棒状体を検出可能に配設されることとすれば、棒状体を移送方向に平行する状態で移送する場合に比べて処理能力が向上するとともに、装置をコンパクトに小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態における棒状体選別機の要部側断面図。
図2図1の要部拡大図。
図3】棒状体の良品が良品排出コンベア上へ落下する様子の説明図。
図4】棒状体の不良品が排除板によって排除される様子の説明図。
図5】ガイドローラが棒状体の良品を誘導する様子の説明図。
図6】ガイドローラが棒状体の不良品を誘導する様子の説明図。
図7】仕切板が棒状体の良品を誘導する様子の説明図。
図8】仕切部材が棒状体の不良品を誘導する様子の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態における棒状体選別機の内部構造を説明する要部側断面図を示す。図2は本発明の実施の形態における棒状体選別機の要部拡大図を示す。
本発明の実施の形態における棒状体選別機1は、原料供給部2、シュート3、光学選別部4を備える。ここでは、棒状体の一例としての棒状乾麺を原料とする場合を例として説明する。
【0023】
前記原料供給部2は、原料としてロングパスタ、棒拉麺、素麺等の棒状乾麺を貯留する原料ホッパ21と前記原料ホッパ21から棒状乾麺を繰り出す振動フィーダ22を有する。前記振動フィーダ22はロングパスタの供給方向に向けて前方へ緩やかに傾斜する。前記振動フィーダ22はバイブレータ等を有する第1振動発生装置24に載置固定され、前記第1振動発生装置24における振動数等を調整することで棒状乾麺の移動量等を制御する。
【0024】
前記シュート3は、振動シュート31と、該振動シュート31の先端側に微小な隙間を介して配設される固定シュート32を有する。前記振動シュート31及び前記固定シュート32は棒状乾麺の移送方向に向けて急傾斜状に配置される。前記振動シュート31は第2振動発生装置37に載置固定され、前記第2振動発生装置37における振動数等を調整することで棒状乾麺の移送量等を制御する。前記固定シュート32は両側部が筐体に固定支持され、当該シュート3下端から落下するロングパスタの放出位置を一定の位置に固定する。
【0025】
前記光学選別部4は、棒状乾麺の落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置41a,41b、前記光学検出装置41a,41bの検出信号に基づいて前記棒状乾麺の良品・不良品を判別する図示しない判別装置を有する。
【0026】
前記各光学検出装置41a,41bは、CCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵するCCDカメラ等の撮像手段411a,411b、前記棒状乾麺の検出位置を照明するLED光源等の照明手段412a,412b、前記検出位置において前記撮像手段により前記棒状乾麺を撮像する際の背景となるバックグラウンド413a,413bを有する。
【0027】
前記光学選別部4は、前記シュート3下端から落下する前記棒状乾麺の落下軌跡上に始端側が位置するよう前記シュート3の移送方向の下流側に配設される良品排出コンベア42、前記良品排出コンベア42の終端側に配設されて良品乾麺が落下する良品排出カスケードシュート43及び前記良品排出カスケードシュート43から落下する良品乾麺を回収する良品回収箱44を有する。
【0028】
また、前記光学選別部4は、前記判別装置の判別結果に基づいて不良品を前記落下軌跡から前記良品排出コンベア42外へ向けて排除する排除板45、前記排除板45により排除された不良品乾麺が落下する不良品排出カスケードシュート46及び前記不良品排出カスケードシュート46から落下する不良品乾麺を回収する不良品回収箱47を有する。前記排除板45は、下端側が前記不良品を前記落下軌跡から排除する方向に屈折し、上部を支点として前記棒状乾麺の落下軌跡の前後に揺動可能に配設される。
【0029】
前記光学選別部4は、前記良品排出コンベア42の始端側上方であって前記排除板45よりも下方に配設されるガイドローラ48をさらに有する。前記ガイドローラ48は、前記棒状乾麺の落下軌跡近傍であって回転軸が前記落下軌跡よりも前記シュート3側、即ち不良品が排除される側に位置するように配設される。前記ガイドローラ48はモータ等により回転駆動される駆動ローラであり、前記判別装置の良品判別信号に基づいて前記良品排出コンベア42の駆動方向と同じ方向に回転駆動され、前記判別装置の不良品判別結果に基づいて前記回転駆動が停止される。
【0030】
次に、本発明の実施の形態における棒状体選別機の作用について説明する。
図3は棒状体の良品が良品排出コンベア上へ落下する様子の説明図を示す。図4は棒状体の不良品が排除板によって排除される様子の説明図を示す。図5はガイドローラが棒状体の良品を誘導する様子の説明図を示す。図6はガイドローラが棒状体の不良品を誘導する様子の説明図を示す。
【0031】
本発明の実施の形態における棒状体選別機1は、原料供給部2において、原料となる棒状乾麺が紙面に垂直な向きとなるよう前記原料ホッパ21に積層状態に貯留され、前記振動フィーダ22の操出方向に直交する状態で順次前記振動フィーダから繰り出される。
【0032】
前記振動フィーダ22から前記シュート3へ繰り出された棒状乾麺は、前記振動シュート31の表面を移送方向に直交する状態で流下する。その際、前記棒状乾麺は、前記振動シュート31の振動作用により積層状態が解消されながら前記振動シュート31の表面を流下し、前記固定シュート32の下端である一定の位置から放出され、所定の落下軌跡に沿って前記落下方向に直交する状態で落下する。
【0033】
前記シュート3の下端から所定の落下軌跡に沿って落下方向に直交する状態で落下する棒状乾麺は、前記検出位置において一対の光学検出装置41a,41bにおける前記撮像手段411a,411bにより撮像される。前記撮像手段411a,411bにより撮像された棒状乾麺は、図示しない前記判別装置において撮像信号における光量や色成分の信号レベルがしきい値と比較され、着色やクラックの発生等が検出されて良品と不良品のいずれかに判別される。
【0034】
前記判別装置において良品に判別された棒状乾麺は、図3に示すように、前記所定の落下軌跡に沿って前記良品排出コンベア42の始端側に向けて落下し、前記良品排出コンベア42上を搬送されて終端側から前記良品排出カスケードシュート43へ落下し、前記良品回収箱44に回収される。
【0035】
また、前記判別装置において不良品に判別された棒状乾麺は、図4に示すように、前記判別装置から送られる不良品の排除信号に基づいて、前記排除板45の揺動駆動により前記所定の落下軌跡から前記良品排出コンベア42と反対側へ向けて排除され、前記不良品排出カスケードシュート46へ落下し、前記不良品回収箱47に回収される。
【0036】
本発明の実施の形態において、棒状乾麺が良品と判別される場合、前記ガイドローラ48は前記良品排出コンベア42の搬送方向と同じ方向に回転駆動される。したがって、本発明の実施の形態における棒状体選別機1によれば、図5に示すように、良品乾麺が前記良品排出コンベア42の始端側に向けて落下する際に前記ガイドローラ48に当接した場合でも、前記良品乾麺を確実に前記良品排出コンベア42側へ誘導することができる。
【0037】
また、本発明の実施の形態において、棒状乾麺が不良品と判別される場合、前記ガイドローラ48の回転が停止される。したがって、本発明の実施の形態における棒状体選別機1によれば、図6に示すように、不良品乾麺が前記所定の落下軌跡から排除されて前記不良品カスケードシュート46へ落下する際に前記ガイドローラ48に当接した場合でも、前記不良品乾麺を確実に前記不良品排出カスケードシュート46へ誘導し落下させることができる。
【0038】
本発明の実施の形態において、前記ガイドローラ48は、回転軸が棒状乾麺の落下軌跡よりもシュート3側、即ち不良品が排除される側に位置するように配設されることとしたが、良品乾麺を良品排出コンベア42側へ誘導し、不良品乾麺を不良品排出カスケードシュート46へ誘導し落下させて前記良品排出コンベア42側に引き込まれることを防止できるのであれば、前記回転軸の位置を任意に設定することができる。
【0039】
なお、本発明の実施の形態において、シュート3の下端から落下する良品乾麺を良品排出コンベア42側へ誘導し、排除板45により排除された不良品乾麺を前記良品排出コンベア42外へ誘導し前記不良品排出カスケードシュート46へ落下させるガイドローラ48として駆動ローラを用いることとしたが、良品乾麺を良品排出コンベア42側へ誘導し、不良品乾麺を不良品排出カスケードシュート46へ誘導し落下させることができるのであれば固定ローラや回転自在な回転ローラを用いることもできる。また、良品乾麺を良品排出コンベア42側へ誘導し、不良品乾麺を不良品排出カスケードシュート46側へ誘導できるのであれば、ローラに代えて、図7に示すような仕切板49や図8に示すような断面三角形状の仕切部材50等、他の誘導部材を用いることもできる。
【0040】
本発明の実施の形態において、不良品を落下軌跡から排除するエジェクタ手段として、上部を支点として棒状乾麺の落下軌跡の前後方向に揺動可能に配設される排除板45を用いるので、前記不良品を前記所定の落下軌跡から簡単かつ確実に排除することができ、不良品が排出コンベア側に引き込まれて良品に混入することを防止できる。また、前記不良品を前記所定の落下軌跡から排除した後は前記排除板45を短時間で元の位置に戻すことができるので、不良品の排除に際し良品の巻き添え量を少なくすることができる。
【0041】
なお、前記排除板45の下端側は必ずしも屈折する必要はないが、前記排除板45の下端側が不良品を落下軌跡から排出コンベア外へ排除する方向に屈折するものであれば、不良品の排除に際して良品の巻き込み量を少なくする上で好ましい。
【0042】
本発明の実施の形態において、棒状乾麺を光学検出装置で検出する位置に移送する手段として傾斜配置されるシュート3を用いることとしたが、例えば水平配置されるコンベアを用いることもできる。また、その場合、前記棒状乾麺を移送手段上において検出することもできる。
【0043】
本発明の実施の形態において、不良品に判別された棒状乾麺を排除するエジェクタ手段として排除板45を用いることとしたが、エアを用いることもできる。
【0044】
本発明の実施の形態において、棒状乾麺を検出する検出手段として、落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置41a,41bを用いることとしたが、例えば落下軌跡の前後いずれか一方のみに配設される光学検出装置を用いることもできる。
【0045】
本発明の実施の形態では、原料としてロングパスタ、棒拉麺、素麺等の棒状乾麺を例として説明したが、これに限るものでなく、その他の棒状体を原料とすることもできる。
【0046】
本発明の棒状体選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の棒状体選別機は、不良品が排出コンベア側に引き込まれて良品に混入することを防止できるものであり、極めて実用性が高い。
【符号の説明】
【0048】
1 棒状体選別機
2 原料供給部
21 原料ホッパ
22 振動フィーダ
24 第1振動発生装置
3 シュート
31 振動シュート
32 固定シュート
37 第2振動発生装置
4 光学選別部
41a,41b 光学検出装置
42 良品排出コンベア
43 良品排出カスケードシュート
44 良品回収箱
45 排除板
46 不良品排出カスケードシュート
47 不良品回収箱
48 ガイドローラ
49 仕切板
50 仕切部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8