【文献】
Journal of Molecular Endocrinology,2014年07月08日,Vol. 53,pp. 165-174
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フレーバ組成物を含むペットフード製品であって、前記フレーバ組成物が、3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸からなる脂肪酸受容体GPR120のアゴニストを含み、ネコ用ペットフード製品又はイヌ用ペットフード製品であるペットフード製品。
前記フレーバ組成物が、前記ペットフード製品中に、約10pM〜約1M、約0.01ppm〜1,000ppm、又は約0.01%w/w〜約10%w/wの濃度で存在することを特徴とする、請求項1に記載のペットフード製品。
【図面の簡単な説明】
【0034】
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図1-1】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-2】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-3】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-4】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-5】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-6】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-7】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-8】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-9】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-10】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-11】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-12】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-13】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-14】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-15】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-16】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-17】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-18】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-19】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-20】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-21】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-22】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-23】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-24】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-25】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-26】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-27】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-28】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-29】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-30】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-31】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-32】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-33】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図1-34】実施例1に記載される化合物の3つの異なる用量についてのインビトロにおけるfGPR120受容体活性レベル
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図2-1】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-2】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-3】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-4】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-5】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-6】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-7】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-8】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-9】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-10】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-11】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-12】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-13】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-14】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-15】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-16】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-17】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-18】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-19】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-20】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図2-21】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-22】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-23】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-24】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-25】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-26】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-27】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-28】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-29】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
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図2-30】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図2-31】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図2-32】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図2-33】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図2-34】実施例1に記載される化合物のfGPR120のインビトロ活性化についての用量反応曲線
【
図3-1】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-2】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-3】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-4】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-5】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-6】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図3-7】fGPR120活性を増加させる、実施例1並びに
図1及び2に記載される化合物の化学構造。各化合物における炭素原子の数は「L」と記された欄に示され、各化合物における二重結合の数は「S」と記された欄に示されている。
【
図4A】化合物3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸(TUG891としても知られる)のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図4Aは、結合性化合物の構造を示す。
【
図4B】化合物3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸(TUG891としても知られる)のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図4Bは、fGPR120に結合する化合物のモデルを示す。
【
図4C】化合物3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸(TUG891としても知られる)のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図4Cは、結合性化合物と相互作用する推定上のfGPR120アミノ酸残基を示す。
【
図5A】化合物4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図5Aは、結合性化合物の構造を示す。
【
図5B】化合物4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図5Bは、fGPR120に結合する化合物のモデルを示す。
【
図5C】化合物4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図5Cは、結合性化合物と相互作用する推定上のfGPR120アミノ酸残基を示す。
【
図6A】化合物エイコサペンタエン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図6Aは結合性化合物の構造を示す。
【
図6B】化合物エイコサペンタエン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図6BはfGPR120に結合する化合物のモデルである。
【
図6C】化合物エイコサペンタエン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図6Cは、結合性化合物と相互作用する推定上のfGPR120アミノ酸残基を示す。
【
図7】受容体に化合物が結合するときのfGPR120のArg99の位置を示す、エイコサペンタエン酸、3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸、及び4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸のオーバーレイ
【
図8A】塩橋がオレイン酸のカルボキシル基とfGPR120のArg99との間に形成される、化合物オレイン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図8Aは、結合性化合物の構造を示す。
【
図8B】塩橋がオレイン酸のカルボキシル基とfGPR120のArg99との間に形成される、化合物オレイン酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図8Bは、結合性化合物と相互作用する推定上のfGPR120アミノ酸残基が示されている、fGPR120に結合する化合物のモデルを示す。
【
図9A】塩橋がリノール酸のカルボキシル基とfGPR120のArg99との間に形成される、化合物リノール酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図9Aは、結合性化合物の構造を示す。
【
図9B】塩橋がリノール酸のカルボキシル基とfGPR120のArg99との間に形成される、化合物リノール酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図9Bは、fGPR120に結合する化合物のモデルを示す。
【
図9C】塩橋がリノール酸のカルボキシル基とfGPR120のArg99との間に形成される、化合物リノール酸のfGPR120への結合のインシリコモデリング。
図9Cは、結合性化合物と相互作用する推定上のfGPR120アミノ酸残基を示す。
【
図10】配列番号:1として特定されるfGPR120受容体のアミノ酸配列
【
図11A】アゴニストモードにおけるリガンドによるfGPR120の活性化についてのインビトロ細胞アッセイで決定された、リン酸二水素ドデシルについての用量反応曲線
【
図11B】PAMモードにおけるリガンドによるfGPR120の活性化についてのインビトロ細胞アッセイで決定された、リン酸二水素ドデシルについての用量反応曲線
【
図12A】実施例3に記載される、fGPR120の活性化についてのインビトロ細胞アッセイにおける、対照α−リノレン酸についての用量反応曲線
【
図12B】実施例3に記載される、fGPR120の活性化についてのインビトロ細胞アッセイにおける、ATPについての用量反応曲線
【発明を実施するための形態】
【0035】
今日まで、さまざまなネコ用ペットフード製品のおいしさを増加及び/又は増強可能なフレーバ改質剤が、依然として必要とされている。本願は、少なくとも1つの化合物を含むフレーバ組成物に関する。フレーバ組成物は、おいしさを増加させるために使用することができ、及び/又は、栄養的に完全なペットフードなどのさまざまなペットフード製品の味を増強又は改変することができる。フレーバ組成物はさらに、アミノ酸、ヌクレオチド、及びフラノン(各々の全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2013年10月31日出願の国際出願第PCT/EP2013/072788号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072789号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072790号、及び2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072794号の各明細書に記載される)、ヌクレオチド誘導体(その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65046号明細書に記載される)、及び/又は、膜貫通化合物(その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65036号明細書に記載される)を含む、化合物の組合せを含んでよく、さまざまな供給系フォーマットにおけるペットフード製品に添加することができる。
【0036】
1.定義
本明細書に用いられる用語は、本発明の文脈において、及び各用語が用いられる特定の文脈において、概して、当技術分野における通常の意味を有する。ある特定の用語は、以下に、又は本明細書の他の部分に記載されており、本発明の組成物及び方法、並びにそれらの製造及び使用方法を説明する追加的なガイダンスを実施者に提供する。
【0037】
本明細書で用いられる場合、特許請求の範囲及び/又は本明細書において用語「含む(comprising)」と併せて使用する場合の語句「a」又は「an」の使用は、「1つ」を意味しうるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又はそれ以上」の意味とも一致する。さらにまた、用語「有する」、「含有する」、「包含する」及び「備える」などは、互いに置き替え可能であり、当業者は、これらの用語が制約のない(open ended)用語であることを認識している。
【0038】
用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値についての許容される誤差範囲内を意味し、これは、一部には、値の測定又は決定方法、すなわち、測定系の限界に応じて決まる。例えば、「約」は、当技術分野における1回の実施当たり、3以内又は3を超える標準偏差を意味しうる。あるいは、「約」は、所与の値の最大で20%、好ましくは最大で10%、さらに好ましくは最大で5%、及び、さらになお好ましくは最大で1%の範囲を意味しうる。あるいは、特に生物学的な系又はプロセスに関して、該用語は、ある値の10倍以内(within an order of magnitude)、好ましくは5倍以内、さらに好ましくは2倍以内を意味しうる。
【0039】
本明細書で用いられる場合、「味」とは、対象の味蕾における受容体細胞の活性化又は抑制によって引き起こされる感覚を指す。ある特定の実施形態では、味は、甘味、酸味、塩味、苦味、コク味及び旨味からなる群より選択されうる。ある特定の実施形態では、味は、「味物質」によって対象に引き起こされる。ある特定の実施形態では、味物質は、合成の味物質である。ある特定の実施形態では、味物質は天然源から調製される。
【0040】
ある特定の実施形態では、「味」は、遊離脂肪酸の味を含みうる。例えば、その内容がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、Cartoni et al., J. of Neuroscience, 30(25): 8376-8382(2010)を参照。ある特定の実施形態では、遊離脂肪酸の味は、例えば受容体GPR120など、対象の味蕾における受容体細胞の活性化又は抑制によって引き起こされる感覚であり、脂肪の多い食物の食感及び嗅覚の知覚、例えば、粘性の、滑りやすい、油分の多い、口中を覆う又はクリーミーな食感を伴う食物とは別である。
【0041】
本明細書で用いられる場合、「味覚プロファイル」とは、例えば、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味及び遊離脂肪酸の味のうちの1つ以上など、味の組合せを指す。ある特定の実施形態では、味覚プロファイルは、同一又は異なる濃度で組成物中に存在する1つ以上の味物質によって生じる。ある特定の実施形態では、味覚プロファイルとは、例えば、対象によって又は当技術分野で知られている任意のアッセイによって検出される、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味及び遊離脂肪酸の味など、味又は味の組合せの強度のことを指す。ある特定の実施形態では、味覚プロファイルにおける味物質の組合せを改質、変更又は変化させることによって、対象の感覚的経験を変化させることができる。
【0042】
本明細書で用いられる場合、「フレーバ」とは、例えば、味(味覚)、匂い(嗅覚)、触感(触覚)及び温度(熱)刺激のうちの1つ以上など、1つ以上の感覚刺激を指す。ある特定の非限定的な実施形態では、フレーバに晒される対象の感覚的経験は、特定のフレーバについての特徴的経験として分類されうる。例えば、フレーバは、限定はしないが、花、柑橘系、ベリー系、ナッツ、キャラメル、チョコレート、ペッパー、スモーキー、チーズ、肉風味などのフレーバとして、対象によって特定されうる。本明細書で用いられる場合、フレーバ組成物は、液体、溶液、乾燥粉末、噴霧、ペースト、懸濁液及びそれらの任意の組合せから選択されうる。フレーバは、天然組成物、人工組成物、ネイチャーアイデンティカル、又はそれらの任意の組合せでありうる。
【0043】
本明細書で置き換え可能に用いられる場合、「芳香」及び「匂い」とは、刺激に対する嗅覚応答のことを指す。例えば及び限定はしないが、芳香は、嗅覚系の匂い受容体によって知覚される芳香族物質によって生じうる。
【0044】
本明細書で用いられる場合、「フレーバプロファイル」とは、例えば、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味、コク味及び遊離脂肪酸の味などの味、及び/又は嗅覚、触覚及び/又は熱刺激などの感覚刺激の組合せのことを指す。ある特定の実施形態では、フレーバプロファイルは、対象の感覚的経験の一因となる1つ以上のフレーバを含む。ある特定の実施形態では、フレーバプロファイルにおける刺激の組合せの改変、変更又は変化は、対象の感覚的経験を変化させうる。
【0045】
本明細書で用いられる場合、例えば「本願のフレーバ組成物又はそれらの組合せを食品と混和する」などの「混和」とは、フレーバ組成物又はフレーバ組成物の個々の成分が、完成した製品に混合又は添加される、若しくは、製品形成の間に製品の成分の幾つか又はすべてと混合されるプロセス、あるいは、これらの工程の幾つかの組合せを指す。混和するという文脈で用いられる場合、用語「製品」とは、製品又はその成分のことを指す。この混和する工程は、フレーバ組成物を製品に添加する、フレーバ組成物を製品に噴霧する、フレーバ組成物を製品上にコーティングする、製品をフレーバ組成物中に懸濁する、フレーバ組成物を製品上に塗布する、フレーバ組成物を製品に貼り付ける、製品をフレーバ組成物とともにカプセル封入する、フレーバ組成物を製品と混合する、各工程、及びそれらの任意の組合せから選択されるプロセスを含みうる。フレーバ組成物は、液体、エマルション、乾燥粉末、噴霧、ペースト、懸濁液及びそれらの任意の組合せでありうる。
【0046】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物の化合物は、ペットフード製品中に存在する前駆体化合物から、例えば、殺菌、レトルト処理及び/又は押出成形などペットフード製品の加工の間に生成されうる。非限定的な例では、組成物は、ペットフード製品の加工の間に1つ以上のトリグリセリドから遊離した遊離脂肪酸でありうる。ある特定の実施形態では、遊離脂肪酸は、トリグリセリドの熱、酸、及び/又は酵素処理の間に生成されうる。ある特定の実施形態では、トリグリセリドは、ペットフードを生産するために加工される、肉(例えば、鶏肉、牛肉、豚肉、魚肉、及び/又は獣脂)及び/又は植物(例えば、植物油及びヒマワリ油などの油)の供給源中に存在する。
【0047】
本明細書で用いられる場合、「ppm」は、パーツ・パー・ミリオン(parts-par-million)を意味し、重量に関連するパラメータである。パート・パー・ミリオン(part-par-million)は、1グラム当たりのマイクログラムであり、つまり、10ppmで存在する成分は、凝集混合物1グラムあたり、その特定の成分が10マイクログラム存在することとなる。
【0048】
本明細書で用いられる場合、「おいしさ」とは、動物がある特定の食品を食べる全般的な意欲のことを称しうる。ペットフード製品の「おいしさ」の増加は、動物が「健康量」のペットフードを食べることを確実にするための愛玩動物によるペットフードの享受及び受容の増加につながりうる。本明細書で用いられる、ペットフードの「健康量」という用語は、愛玩動物が、「Mars Petcare Essential Nutrient Standards」に記載されるように、微量栄養素、主要栄養素及びカロリーの観点から、その一般的な健康全般に寄与する摂取を維持又は達成可能にする量のことを指す。ある特定の実施形態では、「おいしさ」とは、1つの食品が別の食品に対して上回る、動物の相対的な嗜好性を意味しうる。例えば、動物が、2つ以上の食品のうちの1つについて嗜好性を示す場合、好ましい食品は、より「おいしく」、「増強されたおいしさ」を有する。ある特定の実施形態では、1つの食品を1つ以上の他の食品と比較した相対的なおいしさは、例えば食品の相対的な消費による、例えば、対照比較、自由選択的な比較等、又はおいしさを示す嗜好性の他の適切な評価において、決定されうる。おいしさは、「2ボウル試験」又は「対比試験(versus test)」と呼ばれる試験など、動物が両方の食品に平等にアクセス可能な標準的な試験プロトコルによって決定されうる。このような嗜好性は、動物の感覚から生じうるが、とりわけ、味、後味、匂い、口当たり及び/又は食感に関連しうる。
【0049】
用語「ペットフード」又は「ペットフード製品」は、猫、犬、モルモット、ウサギ、鳥及び馬などの愛玩動物による消費を対象とした製品又は組成物を意味する。例えば、限定はしないが、愛玩動物は、飼い猫(Felis domesticus)などの「飼い(domestic)」猫でありうる。ある特定の実施形態では、愛玩動物は、例えば、イヌ(Canis lupus familiaris)などの「飼い」犬でありうる。「ペットフード」又は「ペットフード製品」としては、任意の食物、餌、スナック、栄養補助食品、液体、飲料、おやつ、玩具(チュアブル型及び/又は消費型の玩具)、及び食事代替品又は食事置換品が挙げられる。
【0050】
本明細書で用いられる場合、「栄養的に完全な」とは、例えば、愛玩動物の栄養の分野における第一人者又は監督官庁に基づいた適切な量及び割合で、意図されるペットフード製品の受益者に必要とされる既知の栄養素のすべてを含むペットフード製品を指す。したがって、このような食物は、補助栄養供給源を追加せずに、生命を維持するための食物摂取の唯一の供給源としての役目を果たすことが可能である。
【0051】
本明細書で用いられる場合「フレーバ組成物」とは、動物又はヒトにおける、天然又は合成の味物質、フレーバ剤、味覚プロファイル、フレーバプロファイル及び/又は食感プロファイルの味、匂い、フレーバ及び/又は食感を、増強、拡大、強化、低下、抑制、又は誘発することを含めて調節する、少なくとも1つの化合物又はそれらの生物学的に許容される塩を指す。ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、化合物又はそれらの生物学的に許容される塩の組合せを含む。ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、1つ以上の賦形剤を含む。
【0052】
本明細書で用いられる場合、用語「調節する」又は「改変する」とは、受容体の特定の活性の量、質又は効果における増加又は低下、及び/又は、受容体の発現、活性又は機能における増加又は低下を指す。「調節因子」とは、本明細書で用いられる場合、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、並びに、断片、変異体及び模倣体を含むそれらの相同体について、インシリコ、インビトロ及び/又はインビボのアッセイを使用して特定される化合物の抑制又は活性化を指す。
【0053】
「抑制剤」又は「アンタゴニスト」とは、本明細書で用いられる場合、対象とする受容体又は経路の生物活性及び/又は発現を、低減、低下、阻害、防止、活性化遅延、不活化、鈍感化、又は下方制御する、調節化合物を指す。
【0054】
「誘発剤」、「活性剤」又は「アゴニスト」とは、本明細書で用いられる場合、対象とする受容体又は経路を、増加、誘発、刺激、解放、活性化、促進、活性化増強、敏感化、又は上方制御する、調節化合物を指す。
【0055】
本明細書で用いられる場合、用語「ベクター」及び「発現ベクター」とは、適切な大きさの別のDNA配列断片が組み込まれうる、線形又は円形のいずれかのDNA分子を指す。このようなDNA断片は、該DNA配列断片によってコードされる遺伝子の転写をもたらす追加的なセグメントを含みうる。追加的なセグメントとしては、プロモーター、転写終結因子、エンハンサー、内部リボソーム進入部位、非翻訳領域、ポリアデニル化シグナル、選択可能なマーカー、複製開始点などが挙げられうるが、それらに限られない。発現ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルスベクター、及び酵母人工染色体に由来することが多い。ベクターは、幾つかの供給源に由来するDNA配列を含む組み換え分子であることが多い。
【0056】
用語「動作可能に連結された」とは、例えば発現ベクターなど、DNA配列に適用される場合には、それらの意図された目的を達成するためにそれらが協働して機能するように、それらの配列が配置されることを示し、すなわち、プロモーター配列は、連結されたコード配列を終結シグナルまで進行する、転写の開始を可能にする。
【0057】
用語「核酸分子」及び「ヌクレオチド配列」とは、本明細書で用いられる場合、各ヌクレオチド上の3’及び5’末端がホスホジエステル結合によって結合されている、ヌクレオチドの一本鎖又は二本鎖の共有結合した配列を指す。核酸分子は、デオキシリボヌクレオチド塩基又はリボヌクレオチド塩基を含んでよく、また、合成的にインビトロで製造、あるいは天然源から単離されうる。
【0058】
本明細書において互いに置換可能に用いられる用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、「アミノ酸配列」及び「タンパク質」とは、少なくとも2つのアミノ酸の結合から形成される分子を指す。1つのアミノ酸残基と次のアミノ酸残基との結合は、アミド結合であり、時折、ペプチド結合とも称される。ポリペプチドは、天然源からの単離、組み換え発現系での発現、化学合成又は酵素合成を含む、当技術分野で知られている適切な方法によって得られうる。用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然のアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマー、並びに、天然のアミノ酸ポリマー及び非天然のアミノ酸ポリマーに適用されうる。
【0059】
用語「アミノ酸」とは、本明細書で用いられる場合、天然及び合成のアミノ酸、並びに、天然のアミノ酸に似た様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体のことを指す。天然のアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるアミノ酸、並びに、後に改変されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸及びO−ホスホセリンなどである。アミノ酸類似体及び誘導体とは、天然のアミノ酸と同じ基本的化学構造を有する化合物、すなわち、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド及びメチオニンメチルスルホニウムなど、炭素が水素、カルボキシル基、アミノ基及びR基と結合している化合物のことを指しうる。このような類似体は、改変されたR基(例えばノルロイシン)又は改変されたペプチド骨格を有しうるが、天然のアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持しうる。アミノ酸模倣体とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然のアミノ酸に似た様式で機能する化合物を意味する。
【0060】
本明細書において互いに置換可能に用いられる用語「単離された」又は「精製された」とは、それが生来的に関連していた成分から取り出された、核酸、ポリペプチド、又は他の生物学的部分を指す。用語「単離された」とは、分子が、自然界に見られる、又は、同一の種類の他の生物学的なマクロ分子の実質的不存在下において存在する、有機体全体から分離した、個々のポリペプチドのことを称しうる。ポリヌクレオチドに関して、用語「単離された」とは、通常は天然においてそれと関連する配列の全部または一部を持っていない核酸分子;又は、天然に存在するが、それらに関連する異種配列を有する配列;又は染色体から切り離された分子のことを称しうる。
【0061】
本明細書で用いられる場合、用語「組み換え」は、核酸分子の説明に用いることができ、その起源又は操作の理由から、天然ではそれに関連するポリヌクレオチドに全部又は一部が関連していない、ゲノム、RNA、DNA、cDNA、ウイルス、半合成又は合成起源のポリヌクレオチドのことを指す。
【0062】
用語「融合」とは、本明細書で用いられる場合、遺伝子的又は化学的方法によって異なるペプチド又はタンパク質セグメントの結合を指し、ペプチド又はタンパク質セグメントの結合末端は、互いに直接隣接してもよく、あるいは、アミノ酸残基又は他の結合基などのリンカー又はスペーサー部分によって分離されていてもよい。
【0063】
2.脂肪酸受容体
本明細書に開示される主題は、本開示の方法に使用するための脂肪酸受容体を提供する。本開示の脂肪酸受容体としては、限定はしないが、ネコ、イヌ及びヒトの脂肪酸受容体などの哺乳動物の脂肪酸受容体が挙げられうる。
【0064】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示の脂肪酸受容体は、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載される核酸によってコードされる。ある特定の非限定的な実施形態では、本開示の脂肪酸受容体は、国際公開第2014/199114号に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0065】
ある特定の非限定的な実施形態では、脂肪酸受容体は、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載される、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体ヌクレオチド配列を含む。
【0066】
ある特定の非限定的な実施形態では、脂肪酸受容体は、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載される、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体アミノ酸配列を含む。
【0067】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される主題における使用のための脂肪酸受容体は、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体ヌクレオチド配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む受容体を含みうる。
【0068】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される主題における使用のための脂肪酸受容体は、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体アミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む受容体を含みうる。
【0069】
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、単離された又は精製された脂肪酸受容体及び/又は変異体並びにそれらの断片の使用を提供する。本開示の主題はまた、配列変異体の使用も包含する。ある特定の実施形態では、変異は、脂肪酸受容体のヌクレオチド配列のコード領域及び非コード領域のいずれか又は両方に生じうる。変異体は、有機体における同一の遺伝子座によってコードされる実質的に相同なタンパク質、すなわち対立遺伝子多型を含みうる。変異体はまた、例えば、ネコなどの有機体における他の遺伝子座に由来するが、脂肪酸受容体に対して実質的な相同を有するタンパク質、すなわち相同体も包含する。変異体はまた、脂肪酸受容体に対して実質的に相同であるが別の有機体に由来するタンパク質、すなわち、相同分子種も含みうる。変異体はまた、化学合成によって生成された、脂肪酸受容体に対して実質的に相同なタンパク質も含む。変異体はまた、組み換え法によって生成された、脂肪酸受容体に対して実質的に相同なタンパク質も含む。
【0070】
本開示の主題はまた、脂肪酸受容体又はそれらの断片を含む融合タンパク質も提供する。ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質は、それによって脂肪酸受容体アゴニストの結合を検出可能にする、キャリア、標識、安定化配列又は機構などの官能基である、検出マーカーを含みうる。標識の非限定的な実施形態としては、FLAGタグ、Hisタグ、MYCタグ、マルトース結合タンパク質及び当技術分野で知られている他のものが挙げられる。本明細書に開示される主題はまた、このような融合タンパク質をコードする核酸、融合タンパク質をコードする核酸を含むベクター、及び、このような核酸又はベクターを含む宿主細胞も提供する。ある特定の実施形態では、融合は、脂肪酸受容体のアミノ末端(N−末端)又は脂肪酸受容体のカルボキシ末端(C−末端)で生じうる。
【0071】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される脂肪酸受容体は、例えば、開示される主題の方法に用いられる場合に、配列のN−末端及び/又はC−末端に追加的なアミノ酸を含みうる。ある特定の実施形態では、追加的なアミノ酸は、スクリーニングの目的でポリペプチドを固定化し易くすることができる、又は、生物活性を検出し易くするために、上記のように、ポリペプチドを融合タンパク質の一部分とすることを可能にしうる。
【0072】
3.脂肪酸受容体結合性化合物
本開示は、脂肪酸受容体、例えばGPR120受容体の活性を調節することができる少なくとも1つの化合物を含むフレーバ組成物に関する。ある特定の実施形態では、組成物は遊離脂肪酸を含む。本明細書に開示される化合物は、培養において細胞によって発現されたネコGPR120受容体(fGPR120)を活性化する化合物の能力が決定されたインビトロアッセイを通じて、及び/又は、fGPR120に結合する化合物の能力がインシリコにおいて決定されたインシリコアッセイを通じて、特定された。フレーバ組成物は、ペットフード製品のおいしさ、味又はフレーバを増強又は改変するのに用いられうる。フレーバ組成物は、例えば、本明細書及び、各々の全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2013年10月31日出願の国際出願第PCT/EP2013/072788号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072789号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072790号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072794号に記載される、1つ以上の化合物及び/又は1つ以上のアミノ酸及び/又は1つ以上のヌクレオチド及び/又は1つ以上のフラノン;及び/又は、本明細書及び、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65046号に記載される1つ以上のヌクレオチド誘導体;及び/又は、本明細書及び、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65036号に記載される1つ以上の膜貫通化合物の組合せなどの化合物の組合せを含んでよく、このフレーバ組成物は、さまざまな供給系フォーマットにおいてペットフード製品組成物に添加することができる。
【0073】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸受容体調節化合物は、以下の化合物から選択される:
(5Z,8Z,11Z,14Z)−イコサ−5,8,11,14−テトラエン酸(アラキドン酸としても知られる);
(5Z,8Z)−イコサ−5,8−ジエン酸;
4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸;
(11Z)−オクタデカ−11−エン酸(cis−バクセン酸としても知られる);
(9E)−ヘキサデカ−9−エン酸(パルミテライジン酸としても知られる);
トリデカ−12−エン酸(12−トリデセン酸としても知られる);
S−ファルネシルチオ酢酸;
(10Z)−ペンタデカ−10−エン酸((10Z)−10−ペンタデセン酸としても知られる);
10(E),12(Z)−共役リノール酸((10Z,12Z)−10,12−オクタデカジエン酸としても知られる);
(10Z,13Z)−ノナデカ−10,13−ジエン酸;
(9Z,11E)−オクタデカ−9,11−ジエン酸;
cis−7−ヘキサデセン酸;
ドデカン酸(ラウリン酸としても知られる);
(9Z)−テトラデカ−9−エン酸(ミリストレイン酸としても知られる);
(11Z,14Z,17Z)−イコサ−11,14,17−トリエン酸(ジホモ−α−リノレン酸(20:3(n−3))としても知られる);
(6Z,9Z,12Z)−オクタデカ−6,9,12−トリエン酸(γ−リノレン酸としても知られる);
(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン酸(ジホモリノール酸(20:2(n−6))としても知られる);
(9Z)−ヘキサデカ−9−エン酸(パルミトレート、(Z)−パルミトレイン酸としても知られる);
12−メトキシドデカン酸;
(8Z,11Z,14Z)−イコサ−8,11,14−トリエン酸;
(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン酸(リノール酸としても知られる);
(10Z)−ヘプタデカ−10−エン酸;
ピノレン酸;
(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸(α−リノレン酸としても知られる);
トリデカン酸(トリデシル酸としても知られる);
テトラデカン酸(ミリスチン酸としても知られる);
(9Z)−オクタデカ−9−エン酸(オレイン酸としても知られる);
GW 9508(4−[[(3−フェノキシフェニル)メチル]アミノ]ベンゼンプロパン酸としても知られる);
(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン酸(エイコサペンタエン酸としても知られる);
3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸(TUG 891及び4−[(4−フルオロ−4’−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メトキシ]−ベンゼンプロパン酸としても知られる);
(10E)−ペンタデカ−10−エン酸;
(9E)−テトラデカ−9−エン酸(ミリストレートとしても知られる);
(6Z,9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−6,9,12,15−テトラエン酸;
(5Z,8Z,11Z)−イコサ−5,8,11−トリエン酸(ミード酸としても知られる);及び
リン酸二水素ドデシル。
【0074】
本開示はまた、本明細書に記載の化合物の塩、立体異性体、及び食べられる形態も提供する。
【0075】
ある特定の実施形態では、化合物は、飽和脂肪酸である。
【0076】
ある特定の実施形態では、化合物は、不飽和又は多価不飽和脂肪酸である。
【0077】
ある特定の実施形態では、化合物は、構造R−Xを含み、式中、
Xは、カルボキシル基又は、限定はしないが、ホスフェート;ボロン酸;ホスホエステル;ホスホジエステル;ホスフィン酸;スルホンアミド;マロン酸;2−スルホ酢酸;スルホン酸;ヒドロキサム酸;テトラゾール;ヒドロキシ尿素;ホスホラミド、C(O)OCH
2CH(OH)OP(O)(OR
1)(OR
2)[式中、R
1及びR
2は、H、低級アルキル(C
1〜C
6)、及びPhから各々独立して選択される];又は、当技術分野で知られているカルボキシレート基についての任意の他の生物学的等価置換など、カルボキシレートの生物学的等価置換であり;
Rは、約C
2〜約C
40、又は約C
4〜約C
35、又は約C
6〜約C
30、又は約C
8〜約C
28、又は約C
10〜約C
26、又は約C
12〜約C
24、又は約C
14〜約C
22、又は約C
16〜約C
20の炭素長を有する炭化水素鎖である。ある特定の実施形態では、炭化水素鎖は、約C
14〜約C
22の炭素長を有する。
【0078】
ある特定の実施形態では、炭化水素鎖は、非置換であるか、又は、H、CH
3、C
1〜C
20、COOH、SO
3H、CHO、C(O)R
1、C=CR
1R
2、C=NOH、OP(O)(OR
1)(OR
2)、OR
1、SR
1、CN、COOR
1、CONR
1R
2、NO
2、NHOH、F、Cl、Br、I、及びNR
1R
2[式中、R
1、R
2は、H及び分岐又は非分岐の低級アルキル(例えば、C
1〜C
6)から各々独立して選択される]のうちの1つ以上で置換されうる。
【0079】
ある特定の実施形態では、炭化水素鎖は、例えば、炭化水素鎖に沿って単結合と交互に位置する、0〜8つの二重結合を含む。ある特定の実施形態では、化合物は、(E)異性体である。ある特定の実施形態では、化合物は、(Z)異性体である。ある特定の実施形態では、二重結合は、必要に応じて、水素、メチル、又は、例えば、約C
1〜C
12の炭素長を有するアルキルなどの低級アルキル基のうちの1つ以上で置換されうる。
【0080】
ある特定の実施形態では、炭化水素鎖中の炭素の1つ以上は、酸素、硫黄、窒素、ケトン、スルホン、スルホキシド、アミド、尿素、又はスルホンアミドで置換される。
【0081】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、炭化水素鎖に結合した1つ以上の負に荷電した基を含む。ある特定の実施形態では、負に荷電した基は、例えば、カルボキシル基、若しくは、限定はしないが、ホスフェート、ボロン酸、ホスホエステル、ホスホジエステル、ホスフィン酸、スルホンアミド、マロン酸、2−スルホ酢酸、スルホン酸、ヒドロキサム酸、テトラゾール、ヒドロキシ尿素、ホスホラミド、又は当技術分野における実施者に知られたカルボキシレートについての任意の他の生物学的等価置換など、カルボキシレートの生物学的等価置換を含む。
【0082】
ある特定の実施形態では、化合物は脂肪酸を含む。ある特定の実施形態では、脂肪酸は、例えば、メチルエステル又はエチルエステルなどの脂肪酸エステルを含まない。
【0083】
ある特定の実施形態では、化合物は、GPR120の位置99のアルギニン(すなわちArg99)と相互作用するカルボキシル基を含む。ある特定の実施形態では、カルボキシル基は、Arg99と塩橋を形成する。ある特定の実施形態では、化合物の炭化水素鎖は、GPR120脂肪酸結合ドメインに存在する他のGPR120アミノ酸残基と疎水性の相互作用を形成する。
【0084】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造を有する式Iの化合物を含み、
【0086】
式中、Rは、例えば、約C
1〜約C
40、又は約C
4〜約C
35、又は約C
6〜約C
30、又は約C
8〜約C
28、又は約C
10〜約C
26、又は約C
12〜約C
24、又は約C
14〜約C
22、又は約C
16〜約C
20の炭素長を有する置換又は非置換の炭化水素鎖など、炭化水素鎖である。ある特定の実施形態では、炭化水素鎖は、約C
14〜約C
22の炭素長を有する。置換としては、限定はしないが、上述のものを挙げることができ、例えば、炭化水素鎖は、H、CH
3、C
1〜C
20、COOH、SO
3H、CHO、C(O)R
1、C=CR
1R
2、C=NOH、OP(O)(OR
1)(OR
2)、OR
1、SR
1、CN、COOR
1、CONR
1R
2、NO
2、NHOH、F、Cl、Br、I、及びNR
1R
2[式中、R
1、R
2は、H又は分岐又は非分岐の低級アルキル(例えば、C
1〜C
6)から各々独立して選択される]のうちの1つ以上で置換されうる。
【0087】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造を有する式IIの化合物を含み、
【0089】
式中、
Xは、(C)R
1R
2、O、S、C(O)、又は化学結合であり;
X
1は、(C)R
1R
2、O、S、又はN(R
1)であり;
Yは、COOH、SO
3H、−OP(O)(OH)
2、又はテトラゾールであり;
Wは、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R
1)(R
2)、CHO、CONR
1R
2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF
3、OCH
3、CH
3、NO
2、又はOEtであり;
Z
1及びZ
2は、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R
1)(R
2)、CHO、CONR
1R
2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF
3、OCH
3、CH
3、NO
2、及びOEtから各々独立して選択され;
R
1及びR
2は、H及び分岐又は非分岐のC
1〜C
6低級アルキルから各々独立して選択され;
n
1は、0〜4であり;
n
2は、0〜2であり;
n
3は、0〜4である。
【0090】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造を有する式IIIの化合物を含み、
【0092】
式中、
Xは、(C)R
1R
2、O、S、C(O)、又は化学結合であり;
X
1は、(C)R
1R
2、O、S、又はN(R
1)であり;
Yは、COOH、SO
3H、−OP(O)(OH)
2、又はテトラゾールであり;
Wは、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R
1)(R
2)、CHO、CONR
1R
2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF
3、OCH
3、CH
3、NO
2、又はOEtであり;
Rは、CH
3、又は(R
4)(R
5)X
2であり;
R
1及びR
2は、H及び分岐又は非分岐のC
1〜C
6低級アルキルから各々独立して選択され;
R
4及びR
5は、H、アリール、及び分岐又は非分岐の低級アルキル(C
1〜C
10)から各々独立して選択され;
n
1は、0〜4であり;
n
2は、0〜2であり;
n
3は、1〜12(分岐又は非分岐のC
2〜C
20)であり;
X
2は、C又はNである。
【0093】
ある特定の実施形態では、本開示の脂肪酸受容体調節因子は、例えば、限定はしないが、酢酸塩又はギ酸塩などの脂肪酸受容体調節因子の塩を含む。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体調節因子の塩は、イオン結合を介してカチオン(+)(例えば、限定はしないが、Al
3+、Ca
2+、Na
+、K
+、Cu
2+、H
+、Fe
3+、Mg
2+、NH
4+及びH
3O
+)と結合する、アニオン(−)(例えば、限定はしないが、Cl
−、O
2−、CO
32−、HCO
3−、OH
−、NO
3−、PO
43−、SO
42−、CH
3COO
−、HCOO
−及びC
2O
42−)を含む。他の実施形態では、脂肪酸受容体アゴニストの塩は、イオン結合を介してアニオン(−)と結合するカチオン(+)を含む。ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、化合物のナトリウム塩又はカリウム塩を含む。
【0094】
ある特定の実施形態では、本願の脂肪酸受容体調節因子は、例えば、ネコ又はイヌの脂肪酸受容体などの脂肪酸受容体(GPR120受容体など)のインシリコモデリングを通して特定され、本願の脂肪酸受容体調節化合物は、脂肪酸受容体の結合部位内に適合する構造を含む。ある特定の実施形態では、インシリコでの方法は、本セクション及び本明細書の実施例のセクションに記載されるインシリコの方法を含む。
【0095】
ある特定の実施形態では、本願の脂肪酸受容体調節因子は、インビトロにおける方法を通して特定され、脂肪酸受容体アゴニスト化合物は、インビトロで細胞によって発現される本明細書に開示される脂肪酸受容体を活性化及び/又は調節する。ある特定の実施形態では、インビトロでの方法は、本セクション及び本明細書の実施例のセクションに記載されるインビトロの方法を含む。
【0096】
ある特定の実施形態では、化合物は、他のおいしさ増強剤なしに、フレーバ組成物中に含まれる。ある特定の実施形態では、化合物は、例えば、異なる受容体(例えば、旨味受容体)上の異なる活性部位を活性化する本明細書に記載されるヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、アミノ酸、フラノン及び膜貫通化合物などの1つ以上の追加的なおいしさ増強剤とともに、1つ以上のフレーバ組成物中に含まれる。
【0097】
4.脂肪酸受容体調節化合物を特定する方法
本開示はさらに、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節する化合物を特定する方法を提供する。例えば及び限定はしないが、調節因子は、アゴニスト又はアンタゴニストでありうる。本明細書に開示される主題は、上記開示される脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節する化合物を特定するためのインシリコ及びインビトロにおける方法を提供する。
【0098】
4.1 インシリコにおける方法
本明細書に開示される主題はさらに、脂肪酸受容体と相互作用する可能性のありうる化合物、及び/又は、例えば、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体などの脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節することができる化合物を特定するインシリコにおける方法を提供する。
【0099】
ある特定の実施形態では、本方法は、脂肪酸受容体の三次元の構造(3D)を予測する工程、及び、推定上の脂肪酸受容体調節化合物(すなわち試験化合物)を用いて予測された3D構造をスクリーニングする工程を含みうる。本方法はさらに、推定上の化合物と受容体のアミノ酸との相互作用の可能性を解析することによって、推定上の化合物が、受容体の結合部位と相互作用するかどうかを予測する工程をさらに含みうる。本方法はさらに、化合物の3D構造が受容体の3D構造の結合部位内に適合するかどうかを決定することによって、脂肪酸受容体に結合することができる試験化合物、及び/又は、脂肪酸受容体の生物活性を調節することができる試験化合物を特定する工程を含みうる。
【0100】
ある特定の実施形態では、本開示の方法に使用するための脂肪酸受容体は、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載されるアミノ酸又はヌクレオチド配列、若しくはそれらの断片又は変異体を含みうる。
【0101】
本開示の方法を使用して試験されうる化合物(例えば、脂肪酸受容体調節因子の可能性のあるもの)の非限定的な例としては、当技術分野で知られているペプチド、塩、アミノ酸及び脂肪酸化合物など、任意の小化合物又は任意の生物学的実体(entity)が挙げられる。ある特定の実施形態では、試験化合物は、小化学分子(small chemical molucule)でありうる。
【0102】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の構造モデルは、相同性モデリングのテンプレートとして、他のGPCRの結晶構造を使用して構築されうる。例えば及び限定はしないが、構造モデルは、グループAのGPCRの結晶構造を使用して生成されうる。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の構造モデルは、GPCRの既知の結晶構造、又はGPCRの既知の結晶構造の組合せをベースとしうる(例えば、各々の全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、Rasmussen, S.G. et al., (2011) Nature 477:549-555;Wu, B. et al., (2010) Science 330:1066-1071;及び、Wu, H. et al., (2012) Nature 485:327-332を参照)。例えば及び限定はしないが、脂肪酸受容体の膜貫通ドメインの構造モデルは、タンパク質データベース(PDB)ID番号4DJH、3OE6、及び/又は3SN6を有する結晶構造に基づいて生成されうる。
図4〜6、8及び9は、本開示のインシリコの方法に使用されうる脂肪酸受容体の構造モデルを示している。当技術分野で知られている任意の適切なモデリングソフトウェアが使用されうる。ある特定の実施形態では、Modellerソフトウェアパッケージ(Accelrys社、BIOVIA、Dassault Systemes)は、三次元タンパク質構造の生成に使用されうる。
【0103】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体に結合する化合物を特定するインシリコにおける方法は、試験化合物が、本明細書に記載される脂肪酸受容体相互作用ドメインの1つ以上のアミノ酸と相互作用するかどうかを決定する工程を含む。
【0104】
本開示のインシリコの方法によって特定される化合物は、本明細書に開示されるインビトロの方法を使用してさらに試験されうる。
【0105】
4.2 脂肪酸受容体の結合部位
本願は、例えば、ネコ、イヌ又はヒトの脂肪酸受容体などの脂肪酸受容体の活性を調節する化合物のスクリーニング方法を提供し、該化合物は、脂肪酸受容体の1つ以上のアミノ酸と相互作用する。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の結合部位は、受容体の、例えば、7−膜貫通(7TM)ドメインなどの膜貫通ドメイン内にアミノ酸を含み、本明細書に記載されるインシリコモデリングを使用して、受容体の相互作用マップを生成することによって特定されうる。1つの非限定的な例では、膜貫通相互作用マップにおけるアミノ酸の存在は、残基がリガンド結合環境の近くにあり、リガンドと相互作用することを意味する。
【0106】
ある特定の実施形態では、化合物と、本明細書に記載される脂肪酸受容体の1つ以上のアミノ酸との相互作用は、水素結合、共有結合、非共有結合、塩橋、物理的相互作用、及びそれらの組合せのうちの1つ以上を含みうる。相互作用はまた、当技術分野で知られているリガンド受容体相互作用の任意の相互作用特性であってもよい。このような相互作用は、例えば、部位特異的突然変異導入、x線結晶構造解析、x線又は他の分光学的方法、核磁気共鳴(NMR)、架橋評価、質量分析又は電気泳動、クライオ電子顕微鏡、既知のアゴニストに基づいた置換分析、構造決定及びそれらの組合せによって決定されうる。ある特定の実施形態では、相互作用は、例えば、分子ドッキング、分子モデリング、分子シミュレーション、又は当業者に既知の他の手法を使用して、例えば、化合物を本明細書に記載されるネコ又はイヌの脂肪酸受容体結合ポケット内へドッキングするなどの理論的手法によって、インシリコにおいて決定される。
【0107】
ある特定の実施形態では、相互作用は水素結合相互作用である。
【0108】
ある特定の実施形態では、相互作用は疎水性相互作用である。
【0109】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性を調節する本明細書に記載される方法に従って特定される化合物は、例えば、7つの膜貫通ドメイン(7TM)など、脂肪酸受容体の膜貫通ドメインにおける1つ以上のアミノ酸と相互作用する。ある特定の実施形態では、化合物と相互作用するアミノ酸は、例えば、ネコ脂肪酸受容体を含む脂肪酸受容体など、脂肪酸受容体のヘリックス2のPHE88、VAL95、VAL98及びARG99;ヘリックス3のPHE115、MET118、SER119、GLY122、SER123;ヘリックス5のTRP207、PHE211、VAL212、ASN215;ヘリックス6のTRP277、ILE280、ILE281、ILE284;及びヘリックス7のTRP299、PHE303、PHE304、VAL307、THR310、PHE311のアミノ酸、あるいは、イヌの脂肪酸受容体又はヒトの脂肪酸受容体の対応するアミノ酸のうち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又はそれ以上を含む。
【0110】
ある特定の実施形態では、ネコ脂肪酸受容体の活性を調節する組成物を特定する方法は、(a)試験薬を、例えば配列番号:1のアミノ酸配列を含むネコ脂肪酸受容体などの脂肪酸受容体と接触させる工程、(b)試験薬と、ヘリックス2のPHE88、VAL95、VAL98及びARG99;ヘリックス3のPHE115、MET118、SER119、GLY122、SER123;ヘリックス5のTRP207、PHE211、VAL212、ASN215;ヘリックス6のTRP277、ILE280、ILE281、ILE284;及びヘリックス7のTRP299、PHE303、PHE304、VAL307、THR310、PHE311;並びにそれらの組合せからなる群より選択される脂肪酸受容体の相互作用部位における1つ以上のアミノ酸との相互作用を検出する工程、及び、(c) 1つ以上のアミノ酸と相互作用する試験薬を組成物として選択する工程を含む。
【0111】
ある特定の実施形態では、本方法は、工程(a)の後に脂肪酸受容体の活性を決定し、脂肪酸受容体の活性を増加させる試験薬を組成物として選択する工程をさらに含む。
【0112】
ある特定の実施形態では、本方法は、脂肪酸受容体を、例えばアゴニストなどのリガンドと接触させ、アゴニストが脂肪酸受容体を活性化する能力を増加又は増強する試験薬を組成物として選択する工程をさらに含む。
【0113】
4.3 インビトロにおける方法
本明細書に開示される主題はさらに、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節可能な化合物を特定するためのインビトロにおける方法も提供する。
【0114】
本明細書に開示される方法に使用するための脂肪酸受容体は、単離又は組み換え脂肪酸受容体、又は、本明細書に開示される脂肪酸受容体を発現する細胞を含みうる。ある特定の実施形態では、本開示の方法に使用するための脂肪酸受容体は、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載されるアミノ酸又はヌクレオチド配列、又はそれらの断片又は変異体を有しうる。
【0115】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節する化合物を特定する方法は、試験化合物の不存在下及び/又は存在下で脂肪酸受容体の生物活性を測定する工程を含む。ある特定の実施形態では、本方法は、可変濃度の試験化合物の存在下で脂肪酸受容体の生物活性を測定する工程を含みうる。本方法は、試験化合物の不存在下での脂肪酸受容体の活性及び/又は発現と比較して、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現の調節を結果的に生じる試験化合物を特定する工程をさらに含みうる。
【0116】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って特定される化合物は、化合物が存在しない場合の脂肪酸受容体の生物活性と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、又はそれ以上、脂肪酸受容体の生物活性を増加させる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って特定される化合物は、化合物が存在しない場合の脂肪酸受容体の生物活性と比較して、少なくとも約30%、脂肪酸受容体の生物活性を増加させる。
【0117】
ある特定の実施形態では、本方法は、2つ以上、3つ以上又は4つ以上の試験化合物を組み合わせて分析する工程をさらに含みうる。ある特定の実施形態では、2つ以上、3つ以上又は4つ以上の試験化合物は、例えばアミノ酸と小化合物など、異なる分類の化合物に由来しうる。例えば及び限定はしないが、本方法は、1つ以上のアミノ酸試験化合物の存在下での脂肪酸受容体の生物活性及び/又は発現における1つ以上の小化学試験化合物の影響を分析する工程を含みうる。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現における化合物の影響を特定するための方法は、1つ以上のヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体試験化合物の存在下での脂肪酸受容体の生物活性及び/又は発現における試験化合物の影響を分析する工程を含む。
【0118】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節する化合物を特定する方法は、化合物が、例えばアゴニスト又はアンタゴニストとして、受容体を直接的に調節するかどうかを決定する工程を含む。ある特定の実施形態では、本方法は、化合物が、例えば、受容体活性の活性化又は抑制における他の化合物の影響を増強又は低減することにより、受容体の活性を(例えば、アロステリック調節因子として)間接的に調節するかどうかを決定する工程を含む。
【0119】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性及び/又は発現を調節する化合物を特定する方法は、細胞株において脂肪酸受容体を発現する工程、及び、試験化合物の存在及び/又は不存在下における受容体の生物活性を測定する工程を含む。本方法は、試験化合物の不存在下での受容体の活性と比較して、試験化合物の存在下での受容体の活性化に相違があるかどうかを決定することによる、受容体の活性を調節する試験化合物を特定する工程をさらに含みうる。ある特定の実施形態では、推定上の脂肪酸受容体調節因子の選択性は、他のGPCR又は味覚受容体、例えば、旨味、CaSR、T1R等の受容体における影響を比較することによって評価されうる。
【0120】
本開示の方法における受容体の活性化は、標識化合物及び/又は標識剤の使用を通して検出されうる。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性は、限定はしないが、cAMP、cGMP、IP3、DAG又はカルシウムなどの二次伝達物質の検出によって決定されうる。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の活性は、細胞内カルシウムレベルの検出によって決定されうる。モニタリングは、カルシウム感受性の蛍光染料によってなど、発光又は蛍光検出によるものでありうる。ある特定の実施形態では、細胞内カルシウムレベルは、例えば、カルシウム4などの蛍光カルシウムインジケーター等の細胞染色を使用して決定されうる。ある特定の実施形態では、細胞内カルシウムレベルは、例えば、カルモジュリンなどのカルシウム結合性タンパク質に結合するカルシウムレベルを測定することによって決定されうる。代替的に及び/又は加えて、脂肪酸受容体の活性は、脂肪酸受容体の1つ以上の下流のタンパク質標的のリン酸化、転写レベル及び/又はタンパク質レベルの検出によって決定されうる。
【0121】
本開示の方法に使用される細胞株は、脂肪酸受容体を発現可能な任意の細胞型を含みうる。本開示の方法に使用可能な細胞の非限定的な例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、アフリカミドリザルの腎臓細胞(COS細胞)、アフリカツメガエル卵細胞、HEK−293細胞及びマウス3T3線維芽細胞が挙げられる。ある特定の実施形態では、本方法は、CHO−K1細胞において脂肪酸受容体を発現する工程を含みうる。ある特定の実施形態では、本方法は、HEK−293細胞において脂肪酸受容体を発現する工程を含みうる。ある特定の実施形態では、本方法は、COS細胞において脂肪酸受容体を発現する工程を含みうる。ある特定の実施形態では、細胞は、脂肪酸受容体を構成的に発現する。別の実施形態では、細胞による脂肪酸受容体の発現は誘発性である。
【0122】
ある特定の実施形態では、細胞は、カルシウム結合型発光タンパク質を発現し、該発光タンパク質は、カルシウムに結合すると発光する。ある特定の実施形態では、カルシウム結合性発光タンパク質は、タンパク質クライティンを含む。ある特定の実施形態では、クライティンは組み換えクライティンである。ある特定の実施形態では、クライティンは、例えば、クリティア・グレガリア(Clytia gregarium)から単離されたクライティンなど、単離されたクライティンを含む。ある特定の実施形態では、カルシウム結合型発光タンパク質は、例えば、オワンクラゲ(Aequorea victoria)から単離されたイクオリンなど、組み換えイクオリン又は単離されたイクオリン等のタンパク質イクオリンを含む。ある特定の実施形態では、カルシウム結合型発光タンパク質は、例えば、オベリア・ロンギシマ(Obelia longissima)から単離されたオベリンなど、組み換えオベリン又は単離されたオベリン等のタンパク質オベリンを含む。
【0123】
ある特定の実施形態では、細胞における脂肪酸受容体の発現は、脂肪酸受容体をコードする核酸を細胞内に導入することによって行われうる。例えば及び限定はしないが、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号に記載されるヌクレオチド配列を有する核酸又はそれらの断片が細胞内に導入されうる。ある特定の実施形態では、細胞内への核酸の導入は、形質移入、電気穿孔、微量注射、核酸配列を含むウイルスベクター又はバクテリオファージベクターによる感染、細胞融合、染色体介在性の遺伝子移入、微小核細胞介在性の遺伝子移入、スフェロプラスト融合等が挙げられるがこれらに限られない、当技術分野で知られている任意の方法によって行うことができる。外来遺伝子を細胞内に導入するための多くの技術が当技術分野で知られており(例えば、それらの開示全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、Loeffler and Behr, Meth. Enzymol. 217:599-618(1993);Cohen et al., Meth. Enzymol. 217:618-644(1993);Cline, Pharmac. Ther. 29:69-92(1985)を参照)、開示される主題に従って使用されうる。ある特定の実施形態では、技法は、核酸が細胞によって発現可能であり、かつ、その子孫によって遺伝かつ発現可能になるように、細胞への核酸の安定な移入をもたらすことができる。ある特定の実施形態では、技法は、核酸が細胞によって発現可能であり、細胞の子孫の後続の世代において遺伝可能性及び発現可能性が低下するように、細胞への核酸の一過性移入をもたらすことができる。
【0124】
ある特定の実施形態では、本方法は、脂肪酸受容体に結合する化合物を特定する工程を含みうる。本方法は、脂肪酸受容体を試験化合物と接触させる工程、及び、化合物と脂肪酸受容体との結合を測定する工程を含みうる。例えば及び限定はしないが、本方法は、無細胞系において、単離された又は精製された脂肪酸受容体を提供する工程、及び、無細胞系において、受容体を試験化合物と接触させて、試験化合物が脂肪酸受容体に結合するかどうかを決定する工程を含みうる。ある特定の実施形態では、本方法は、細胞の表面に発現された脂肪酸受容体を試験化合物と接触させる工程、及び、脂肪酸受容体への試験化合物の結合を検出する工程を含みうる。結合は、例えば、標識された試験化合物を使用することによって、直接的に測定されてもよく、あるいは、間接的に測定されてもよい。ある特定の実施形態では、検出は、脂肪酸受容体への化合物の結合によって生じる細胞の生理学的事象、例えば、細胞内カルシウムレベルの増加などを検出する工程を含む。例えば及び限定はしないが、検出は、カルシウム感受性の蛍光染料などの蛍光検出によって、発光の検出によって、又は当技術分野で知られている任意の他の検出方法によって行われうる。
【0125】
ある特定の非限定的な実施形態では、インビトロのアッセイは、細胞由来の(native to)脂肪酸受容体を発現する細胞を含む。天然(native)の脂肪酸受容体を発現するこのような細胞の例としては、例えば、犬(イヌ)及び/又は猫(ネコ)の味細胞(例えば、一次味覚受容体細胞)が挙げられるが、これらに限られない。ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体を発現する犬及び/又は猫の味細胞は、犬及び/又は猫から単離され、インビトロで培養される。ある特定の実施形態では、味覚受容体細胞は、例えば、犬及び/又は猫から単離された細胞が培養において増殖可能になるように不死化されうる。
【0126】
ある特定の実施形態では、細胞における脂肪酸受容体の発現は、細胞のゲノム内に脂肪酸受容体遺伝子を導入するため、又は、細胞由来の脂肪酸受容体遺伝子を編集又は改変するために、例えば、CRISPR遺伝子編集システムを通してなど、遺伝子編集を通して誘発されうる。
【0127】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体に結合する化合物を特定するインビトロにおける方法は、試験化合物が、本明細書に記載される脂肪酸受容体相互作用ドメインの1つ以上のアミノ酸と相互作用するかどうかを決定する工程を含む。
【0128】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体の調節因子として特定される化合物は、それらの調節活性を確認又は定量化するために、インビボアッセイを含むがこれに限られない、他の分析的方法においてさらに試験されうる。
【0129】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、脂肪酸受容体調節因子が、例えば、脂肪酸受容体アゴニストなど、脂肪酸の味を増強する化合物であるかどうかを決定する工程を含みうる。
【0130】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体調節因子を特定する方法は、脂肪酸受容体アゴニストに対する試験化合物の影響を比較する工程を含みうる。例えば、脂肪酸受容体アゴニストと接触した場合の受容体の活性と比較して、受容体の活性を増加させる試験化合物は、脂肪酸受容体調節化合物として(例えば、アゴニストとして)選択されうる。
【0131】
ある特定の実施形態では、脂肪酸受容体調節因子を特定する方法は、受容体がアゴニストと接触した場合に試験化合物が受容体の活性を調節するかどうか、あるいは、試験化合物が、陽性アロステリック調節因子(PAM)の活性を調節可能かどうかを決定する工程を含みうる。受容体における上記アゴニスト又はPAMの影響を増加又は低下させる試験化合物は、脂肪酸受容体調節化合物として(例えば、アロステリック調節因子として)選択されうる。
【0132】
5.フレーバ組成物
ある特定の実施形態では、本開示のフレーバ組成物は、キャットフード製品などのペットフード製品のおいしさを増加させるために用いられうる。フレーバ組成物は、化合物の組合せを含んでよく、また、さまざまな供給系においてペットフード製品に添加されうる。
【0133】
ある特定の実施形態では、本開示は、a)少なくとも1つのペットフード製品又はそれらの前駆体を提供する工程、及びb)ペットフード製品又はそれらの前駆体を、例えば、1つ以上の化合物又はそれらの食物的に許容される塩を含む、少なくとも脂肪酸の味を調節する量の少なくとも1つのフレーバ組成物と混合し、それによって増強されたペットフード製品を形成する工程を含む、脂肪酸の味(例えば、fGPR120を含む、GPR120などの脂肪酸受容体の活性)及び/又はペットフード製品のおいしさを調節する方法に関する。
【0134】
ある特定の実施形態では、本開示のフレーバ組成物は、GPR120受容体の活性を増強することができる、及び/又は、例えば、ウエットペットフード製品、ドライペットフード製品、湿性ペットフード製品、ペット用飲料製品及び/又はスナックペットフード製品を含むペットフード製品など、ペットフード製品のおいしさを増強することができる。
【0135】
ある特定の実施形態では、本開示の1つ以上のフレーバ組成物は、ペットフード製品の味又は味覚プロファイルを改変、増強、又は他の方法で変更するのに有効な量で、ペットフード製品に添加されうる。改変には、例えば猫及び/又は犬などの動物によって決定して、又は、配合試験の事例では、当技術分野で知られている手法による、例えば猫及び/又は犬などの動物の味覚テスターのパネルによって決定して、例えば、ペットフード製品のおいしさを増加又は増強することなどが含まれうる。
【0136】
本開示のある特定の実施形態では、例えば脂肪酸の味などの所望の味を有するペットフード製品を生産するために、例えば化合物を含む、本明細書に記載される少なくとも1つのフレーバ組成物を十分な量で含むペットフード製品が生産されうる。
【0137】
本開示のある特定の実施形態では、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の化合物を含むフレーバ組成物を十分な量で含むペットフード製品が生産されうる。
【0138】
ある特定の実施形態では、本開示の1つ以上のフレーバ組成物のGPR120調節量は、例えば、猫及び/又は犬などの動物によって決定して、又は、配合試験の事例では、当技術分野で知られている手法による動物の味覚テスターのパネルによって決定して、ペットフード製品が、フレーバ組成物なしで調製されたペットフード製品と比較して、おいしさが増加するようにペットフード製品に添加されうる。
【0139】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、ペットフード製品のおいしさを増加、増強、及び/又は改変するのに有効な量でペットフード製品に加えられる。
【0140】
ペットフード製品のおいしさを調節及び/又は改善するためにペットフード製品に混和されるフレーバ組成物の濃度は、例えば、ペットフード製品の特定の種類、どの脂肪酸化合物がペットフード製品中に既に存在するか、及びその濃度、並びに、このような脂肪酸化合物における特定のフレーバ組成物のエンハンサー効果などの変数に応じて、変化しうる。
【0141】
幅広い範囲の濃度のフレーバ組成物が、このようなおいしさの改変をもたらすために用いられうる。本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.01ppm〜約1,000ppmの量で存在する。例えば、限定はしないが、フレーバ組成物は、約0.01ppm〜約750ppm、約0.01ppm〜約500ppm、約0.01ppm〜約250ppm、約0.01ppm〜約150ppm、約0.01ppm〜約100ppm、約0.01ppm〜約75ppm、約0.01ppm〜約50ppm、約0.01ppm〜約25ppm、約0.01ppm〜約15ppm、約0.01ppm〜約10ppm、約0.01ppm〜約5ppm、約0.01ppm〜約4ppm、約0.01ppm〜約3ppm、約0.01ppm〜約2ppm、約0.01ppm〜約1ppm、約0.01ppm〜約1,000ppm、約0.1ppm〜1,000ppm、約1ppm〜1,000ppm、約2ppm〜約1,000ppm、約3ppm〜約1,000ppm、約4ppm〜約1,000ppm、約5ppm〜約1,000ppm、約10ppm〜約1,000ppm、約15ppm〜約1,000ppm、約25ppm〜約1,000ppm、約50ppm〜約1,000ppm、約75ppm〜約1,000ppm、約100ppm〜約1,000ppm、約150ppm〜約1,000ppm、約250ppm〜約1,000ppm、約250ppm〜約1,000ppm、約500ppm〜約1,000ppm又は約750ppm〜約1,000ppm、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0142】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.01ppm〜約500ppm、又は約0.1ppm〜約500ppm、又は約1ppm〜約500ppm、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0143】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.01ppm〜約100ppm、又は約0.1ppm〜約100ppm、又は約1ppm〜約100ppmの量、及びそれらの間の値で存在する。
【0144】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、ペットフード製品中に、約0.01ppm超、約0.1ppm超、約1ppm超、約2ppm超、約3ppm超、約4ppm超、約5ppm超、約10ppm超、約25ppm超、約50ppm超、約75ppm超、約100ppm超、約250ppm超、約500ppm超、約750ppm超、又は約1000ppm超、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0145】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、食品中に、例えばGPR120受容体などの脂肪酸受容体を調節、活性化、及び/又は増強するのに十分な量で存在する。例えば、限定はしないが、化合物は、食品中に、約10pM〜約1M、約1nM〜約1M、約1μM〜約1M、約1mM〜約1M、約10mM〜約1M、約100mM〜約1M、約250mM〜約1M、約500mM〜約1M、約750mM〜約1M、約0.001μM〜約1M、約0.001μM〜約750mM、約0.001μM〜約500mM、約0.001μM〜約250mM、約0.001μM〜約100mM、約0.001μM〜約50mM、約0.001μM〜約25mM、約0.001μM〜約10mM、約0.001μM〜約1mM、約0.001μM〜約100μM又は約0.001μM〜約10μM、及びそれらの間の値の量で存在しうる。
【0146】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約10pM〜約1M、又は約1pM〜約1M、又は約0.1pM〜約1M、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0147】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約10pM〜約0.5M、又は約1pM〜約0.5M、又は約0.1pM〜約0.5M、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0148】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物はペットフード製品と混和され、該フレーバ組成物は、約10pM〜約0.1M、又は約1pM〜約0.1M、又は約0.1pM〜約0.1M、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0149】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は食品と混和され、該フレーバ組成物は、食品の約0.001〜約10%質量/質量(w/w)の量で存在する。例えば、限定はしないが、フレーバ組成物は、約0.001〜約10%w/w、約0.01〜約20%w/w、約0.001〜約1%w/w、約0.001〜約0.1%w/w、約0.001〜約0.01%w/w、約0.01〜約10%w/w、約0.01〜約1%w/w、又は約0.1〜約10%w/w、又は約0.1〜約1%w/w、及びそれらの間の値の量で存在しうる。
【0150】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は食品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.001〜約5%w/w、又は約0.01〜約5%w/w、又は約0.1〜約5%w/w、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0151】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は食品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.001〜約1%w/w、又は約0.01〜約1%w/w、又は約0.1〜約1%w/w、及びそれらの間の値の量で存在する。
【0152】
本願のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は食品と混和され、該フレーバ組成物は、約0.01〜約10%w/wの量で存在する。
【0153】
ある特定の実施形態では、本明細書の化合物は、例えば、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体及び/又はフラノン及び/又はアミノ酸及び/又は膜貫通化合物などの他の化合物とともに、さまざまな比率でブレンドされる、又はブレンドされて、さまざまなフレーバ組成物を形成する。ヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、フラノン、アミノ酸及び膜貫通化合物の非限定的な例は、それらの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2013年10月31日出願の国際出願第PCT/EP2013/072788号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072789号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072790号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072794号、2015年12月10日出願の同第PCT/US15/65046号、2015年12月10日出願の同第PCT/US15/65036号、及び2015年12月10日出願の同第PCT/US15/65067号に開示されている。
【0154】
5.1 ヌクレオチド及びヌクレオチド誘導体
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、並びに、本明細書に記載され、かつ、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65046号による、少なくとも1つのヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体を含む。
【0155】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される、少なくとも1つの化合物、並びに、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上のヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体を含む。ヌクレオチドの非限定的な例としては、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、アデノシン一リン酸(AMP)、シチジン一リン酸(CMP)、チミン一リン酸(TMP)、キサントシン一リン酸(XMP)、ウリジン一リン酸(UMP)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0156】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、食品中に、約1pM〜約1M、約1 nM〜約1M、約1μM〜約1M、約1mM〜約1M、約10mM〜約1M、約100mM〜約1M、約250mM〜約1M、約500mM〜約1M、約750mM〜約1M、約1μM〜約1M、約1μM〜約750mM、約1μM〜約500mM、約1μM〜約250mM、約1μM〜約100mM、約1μM〜約50mM、約1μM〜約25mM、約1μM〜約10mM、約1μM〜約1mM、約1μM〜約100μM又は約1μM〜約10μM、及びそれらの間の値の量で存在しうる、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体を含みうる。
【0157】
ある特定の実施形態では、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体は、ペットフード製品の約1mM超又は約2.5mM超の量で存在しうる。ある特定の非限定的な実施形態では、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体は、ペットフード製品の約100mM未満、約50mM未満、約20mM未満又は約10mM未満の量で存在しうる。ある特定の非限定的な実施形態では、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体は、ペットフード製品の約5mMの量で存在する。
【0158】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つのアミノ酸をさらに含む。
【0159】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの膜貫通化合物をさらに含む。
【0160】
5.2 アミノ酸
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、及び、本明細書に記載され、かつ、各々の全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2013年10月31日出願の国際出願第PCT/EP2013/072788号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072789号、2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072790号、及び2013年10月31日出願の同第PCT/EP2013/072794号の各明細書による、少なくとも1つのアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物及び少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上のアミノ酸を含む。
【0161】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の第1のアミノ酸、及び/又は、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の第2のアミノ酸を含む。
【0162】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの第1のアミノ酸、及び少なくとも1つの第2のアミノ酸を含む。
【0163】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも2つの第1のアミノ酸、及び少なくとも1つの第2のアミノ酸を含む。
【0164】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの第1のアミノ酸、及び少なくとも2つの第2のアミノ酸を含む。
【0165】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも2つの第1のアミノ酸、及び少なくとも2つの第2のアミノ酸を含む。
【0166】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの脂肪酸をさらに含む。
【0167】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの膜貫通化合物をさらに含む。
【0168】
第1のアミノ酸の非限定的な例としては、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、システイン、アラニン、チロシン、セリン、メチオニン、アスパラギン、ロイシン及びそれらの組合せが挙げられる。
【0169】
第2のアミノ酸の非限定的な例としては、トレオニン、イソロイシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシプロリン、アルギニン、シスチン、グルタミン、リシン、バリン、オルニチン(orthinine)、タウリン、グルタミン酸ナトリウム(MSG)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0170】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの第1のアミノ酸及び/又は第2のアミノ酸は、単独で又は組み合わせて、ペットフード製品の約1mM〜約1M、又は約250mM〜約1M、又は約5mM〜約500mM、又は約10mM〜約100mM、又は約15mM〜約50mM、又は約20mM〜約40mMの量で存在しうる。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、ペットフード製品の約1M未満、約200mM未満、約100mM未満、約50mM未満、約20mM未満、又は約10mM未満の量で存在しうる。ある特定の実施形態では、第1のアミノ酸及び/又は第2のアミノ酸は、単独で又は組み合わせて、ペットフード製品の約25mMの量で存在しうる。
【0171】
5.3 膜貫通化合物
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、及び、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2015年12月10日出願の国際出願第PCT/US15/65036号、及び下記表1に記載される少なくとも1つの膜貫通化合物を含む。
【0172】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物及び少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の膜貫通化合物を含む。
【0173】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの膜貫通化合物、及び、少なくとも1つのアミノ酸を含む。
【0174】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの膜貫通化合物、少なくとも1つの第1のアミノ酸、及び、少なくとも1つの第2のアミノ酸を含む。
【0175】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、本明細書に記載される、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの膜貫通化合物、並びに、少なくとも1つのヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体を含む。
【0176】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの膜貫通化合物、少なくとも1つのヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体、並びに、少なくとも1つのアミノ酸を含む。
【0177】
本開示のある特定の実施形態では、フレーバ組成物は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの膜貫通化合物、少なくとも1つのヌクレオチド及び/又はヌクレオチド誘導体、少なくとも1つの第1のアミノ酸、並びに、少なくとも1つの第2のアミノ酸を含む。
【0178】
ある特定の実施形態では、本開示の膜貫通化合物は、食品中に、約1pM〜約1M、約1nM〜約1M、約1μM〜約1M、約1mM〜約1M、約10mM〜約1M、約100mM〜約1M、約250mM〜約1M、約500mM〜約1M、約750mM〜約1M、約1μM〜約1M、約1μM〜約750mM、約1μM〜約500mM、約1μM〜約250mM、約1μM〜約100mM、約1μM〜約50mM、約1μM〜約25mM、約1μM〜約10mM、約1μM〜約1mM、約1μM〜約100μM又は約1μM〜約10μM、及びそれらの間の値の量で存在しうる。
【0179】
ある特定の実施形態では、膜貫通化合物は、本明細書に記載される膜貫通化合物の塩、立体異性体、又は食べられる形態でありうる。
【0181】
6.供給系
ある特定の実施形態では、本願のフレーバ組成物は、ペットフード製品における使用のために供給系内に取り込まれうる。供給系は、非水性液体、固体、又はエマルションでありうる。供給系は、概して、フレーバ組成物及び/又はフレーバ組成物が取り込まれるペットフード製品のニーズに適合するように構成される。
【0182】
フレーバ付け組成物は、非水性液体形態で、乾燥形態で、固体形態で、及び/又は、エマルションとして用いられうる。乾燥形態で用いられる場合には、噴霧乾燥などの適切な乾燥手段が用いられうる。あるいは、フレーバ付け組成物は、カプセル封入、又は、不水溶性の材料上に吸収されうる。このような乾燥形態を調製するための実際の技法は当技術分野でよく知られており、本明細書に開示される主題に適用されうる。
【0183】
本明細書に開示される主題のフレーバ組成物は、味、フレーバ及び/又は食感の初期バースト;及び/又は、味、フレーバ及び/又は食感の長引く感覚をもたらすように、当技術分野でよく知られている多くの異なる物理的形態で用いられうる。限定はしないが、このような物理的形態としては、噴霧乾燥、粉末、及びビーズの形態、及びカプセル封入形態、及びそれらの混合など、自由形態(free forms)が挙げられる。
【0184】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物の化合物は、ペットフード製品中に存在する前駆体化合物から、例えば、殺菌、レトルト処理及び/又は押出成形など、ペットフード製品の加工の間に生成されうる。非限定的な例では、組成物は、ペットフード製品の加工の間に1つ以上のトリグリセリドから遊離した遊離脂肪酸でありうる。ある特定の実施形態では、遊離脂肪酸は、トリグリセリドの熱、酸、及び/又は酵素処理の間に生成される。ある特定の実施形態では、トリグリセリドは、ペットフードを生産するために加工される肉(例えば、鶏肉、牛肉、豚肉、魚肉、及び/又は獣脂)及び/又は植物(例えば、植物油及びヒマワリ油などの油)の供給源中に存在する。
【0185】
ある特定の実施形態では、上で述べたように、カプセル封入技法は、フレーバ系を改変するために用いられうる。ある特定の実施形態では、フレーバ化合物、フレーバ成分、又はフレーバ組成物全体は、完全に又は部分的にカプセル封入されうる。カプセル封入材料及び/又は技法は、フレーバ系の改変の種類を決定するために選択されうる。
【0186】
ある特定の実施形態では、カプセル封入材料及び/又は技法は、フレーバ化合物、フレーバ成分、又はフレーバ組成物の安定性を改善するように選択されるが、他の実施形態では、カプセル封入材料及び/又は技法は、フレーバ組成物の放出プロファイルを改変するように選択される。
【0187】
適切なカプセル封入材料としては、アルギン酸塩、ペクチン、寒天、グアーガム、セルロースなどの親水コロイド、タンパク質、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸(polylactidacid)、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体など、及びそれらの組合せが挙げられうるが、それらに限られない。適切なカプセル封入技法としては、噴霧コーティング、噴霧乾燥、噴霧冷却、吸収、吸着、包接錯体(例えば、フレーバ/シクロデキストリン錯体を生成)、コアセルベーション、流動層コーティング、又は、カプセル封入材料とともに原料をカプセル封入するために用いられうる他の方法が挙げられうるが、それらに限られない。
【0188】
フレーバ剤又は甘味剤のためのカプセル封入供給系は、甘味剤又はフレーバ剤のコアを取り囲む脂肪又はワックスの疎水性マトリクスを含みうる。脂肪は、脂肪酸、グリセリド又はポリグリセロール・エステル、ソルビトールエステル、及びそれらの混合物など、通常用いられるあらゆる材料から選択されうる。脂肪酸の例としては、パーム油、パーム核油、ピーナツ油、菜種油、米糠油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、サフラワー油及びそれらの組合せなど、水素添加された及び部分的に水素添加された植物油が挙げられるがこれらに限られない。グリセリドの例としては、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられるがこれらに限られない。
【0189】
ワックスは、天然及び合成のワックス及びそれらの混合物からなる群より選択されうる。非限定的な例としては、パラフィンワックス、ペトロラタム、カーボワックス、微結晶ワックス、ビーワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ラノリン、ヤマモモワックス、サトウキビワックス、鯨蝋、ライスワックス、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0190】
脂肪及びワックスは、カプセル封入系の約10〜約70質量%の可変の量で、及び、代替的に約30〜約60質量%の量で、個別に又は組み合わせて使用されうる。組み合わせて用いられる場合、脂肪及びワックスは、それぞれ、約70:10〜85:15の比で存在しうる。
【0191】
典型的なカプセル封入されたフレーバ組成物、フレーバ剤又は甘味剤の供給系は、それらの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第4,597,970号及び同第4,722,845号に開示されている。
【0192】
液体供給系としては、炭水化物のシロップ及び/又はエマルションなど、本願のフレーバ組成物の分散を用いた系が挙げられうるが、それらに限られない。液体供給系には、化合物及び/又はフレーバ組成物が溶媒に可溶化された抽出物も含まれうる。固体供給系は、噴霧乾燥、噴霧コーティング、噴霧冷却、流動層乾燥、吸収、吸着、コアセルベーション、錯化、又は任意の他の標準的な技法によって生み出されうる。幾つかの実施形態では、供給系は、食用組成物と相容性であるか、又は食用組成物中で機能するように選択されうる。ある特定の実施形態では、供給系は、脂肪又は油などの油性の材料を含む。ある特定の実施形態では、供給系は、カカオバター、カカオバター代用物、カカオバター代替物、又はカカオバター等価物などの菓子用脂肪を含む。
【0193】
乾燥形態で用いられる場合、噴霧乾燥などの適切な乾燥手段が使用されうる。あるいは、フレーバ付け組成物は、不水溶性の材料などの基材上に吸着又は吸収されてよく、また、カプセル封入されてもよい。このような乾燥形態を調製するための実際の技法は、当技術分野でよく知られている。
【0194】
7.ペットフード製品
本開示の主題のフレーバ組成物は、多種多様なペットフード製品に用いられうる。適切なペットフード製品の非限定的な例としては、本明細書に記載されるウエットフード製品、ドライフード製品、湿性食品(moist food product)、ペットフード補助食品(例えば、ビタミン)、ペット用飲料製品、スナック及びおやつが挙げられる。
【0195】
本明細書に開示される主題のフレーバ付け組成物と、ペットフード製品及び随意的な原料との組合せは、乾燥している場合には、予想外の味を有し、かつ、例えばGPR120脂肪酸受容体の活性を増加させることを通して、例えば、脂肪酸の感覚的経験を与える、フレーバ剤を提供する。本明細書に開示されるフレーバ組成物は、ペットフード製品の配合加工又は包装の前、間、又は後に添加されて差し支えなく、フレーバ組成物の成分は、連続的に又は同時に添加されてよい。ある特定の実施形態では、フレーバ組成物の化合物は、ペットフード製品中に存在する前駆体化合物から、例えば、殺菌、レトルト処理及び/又は押出成形などのペットフード製品の加工の間に生成されうる。非限定的な例では、組成物は、ペットフード製品の加工の間に1つ以上のトリグリセリドから遊離した遊離脂肪酸でありうる。ある特定の実施形態では、遊離脂肪酸は、トリグリセリドの熱、酸、及び/又は酵素処理の間に生成される。ある特定の実施形態では、トリグリセリドは、ペットフードを生産するために加工される、肉(例えば、鶏肉、牛肉、豚肉、魚肉、及び/又は獣脂)及び/又は植物(例えば、植物油及びヒマワリ油などの油)の供給源中に存在する。
【0196】
ある特定の実施形態では、ペットフード製品は、栄養的に完全なドライフード製品である。乾燥した又は低水分含量の栄養的に完全なペットフード製品は、約15%未満の水分を含んでよく、約10〜約60%の脂肪、約10%〜約70%のタンパク質及び約30%〜約80%の炭水化物、例えば食物繊維及び灰分などを含む。
【0197】
ある特定の実施形態では、ペットフード製品は、栄養的に完全なウエットフード製品である。湿った又は高水分含量の栄養的に完全なペットフード製品は、約50%を超える水分を含みうる。ある特定の実施形態では、ウエットペットフード製品は、約40%〜の脂肪、約50%〜のタンパク質及び約10%〜の炭水化物、例えば食物繊維及び灰分などを含む。
【0198】
ある特定の実施形態では、ペットフード製品は、栄養的に完全な湿性食品である。例えば、セミモイスト型又はセミドライ型又はソフトドライ型又はソフトモイスト型の水分、若しくは、中間又は中程度の水分含量の栄養的に完全なペットフード製品は、約15〜約50%の水分を含む。
【0199】
ある特定の実施形態では、ペットフード製品は、ペットフードスナック製品である。ペットフードスナック製品の非限定的な例としては、スナックバー、ペット用噛み物、カリッとしたおやつ(crunchy treats)、シリアルバー、スナック、ビスケット及び甘味製品が挙げられる。
【0200】
ある特定の実施形態では、タンパク質源は、ルピナスタンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質及びそれらの組合せなどの植物源に由来しうる。代替的に又は加えて、タンパク質源は、さまざまな動物源に由来しうる。動物のタンパク質の非限定的な例としては、例えば、筋肉、食肉副産物、肉粉又は魚粉を含む、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、又は魚肉が挙げられる。
【0201】
8.味の特質の測定方法
本開示のある特定の実施形態では、ペットフード製品の味、フレーバ及び/又はおいしさの特質は、フレーバ組成物を食品と混和することによって改変されうるか、あるいは、本明細書に記載される食物調製条件下で生成されうる。ある特定の実施形態では、特質は、食品に混和された又は生成されたフレーバ組成物の濃度を増加又は低下させることによって、増強又は低減されうる。ある特定の実施形態では、改変された食品の味覚特質は、本明細書に記載されるように上昇させることができ、食品に混和された又は生成されたフレーバ組成物の濃度は、評価結果に基づいて増加又は低下されうる。
【0202】
本開示のある特定の実施形態では、味及び/又はおいしさの特質は、異なる濃度におけるインビトロで細胞によって発現されるネコGPR120受容体を活性化する化合物の能力が測定される、インビトロのアッセイを使用して測定されうる。ある特定の実施形態では、受容体の活性化の増加は、化合物の味及び/又はおいしさの特質の増加と相関する。ある特定の実施形態では、組成物は、単独で又は他の化合物と組み合わせて測定される。ある特定の実施形態では、インビトロのアッセイは、本明細書の実施例のセクションに記載されるインビトロのアッセイを含む。
【0203】
本開示のある特定の実施形態では、味及び/又はおいしさの特質は、味覚テスターのパネリストを使用して測定されうる。例えば、限定はしないが、パネルには、ネコのパネリストが含まれうる。ある特定の実施形態では、パネルには、イヌのパネリストが含まれうる。ある特定の実施形態では、ペットフード製品のおいしさは、フレーバ組成物を単独で含むペットフード製品の消費(例えば、1ボウル試験、1点試験法によるランキングなど)によって決定されうる。ある特定の実施形態では、ペットフード製品のおいしさは、フレーバ組成物を含まない又は別のフレーバ組成物を含むペットフード製品に対する、本明細書に開示されるフレーバ組成物を含むペットフード製品の優先的消費(例えば、嗜好性、相違性及び/又は選択性を試験するための2ボウル試験など)によって決定されうる。
【0204】
ある特定の実施形態では、フレーバ組成物のおいしさ及び/又は脂肪酸の味は、フレーバ組成物を含まない又は異なるフレーバ組成物を含むエマルションに対する、本明細書に開示されるフレーバ組成物を含むエマルション(又は、本願の化合物が、例えばゲル又はゼラチンと混和されうる、任意の他の組成物)の優先的消費によって決定されうる。例えば、ゲルのパネルは、単独曝露においてさまざまな濃度の化合物のおいしさを比較するために用いられうる。ある特定の実施形態では、エマルションは、ベースラインのエマルション摂取を増加させ、したがって試験化合物による悪影響の可能性の特定を可能にする、摂食性/陽性の味物質として、例えば、L−ヒスチジンなどのおいしさのエンハンサーを含みうる。
【0205】
各ペットフード製品又はエマルションについての摂取比率は、消費される1つの配給量を全消費量で割った量を測定することによって決定されうる。次に、消費比率(CR)を計算して、1つの配給量の消費を他の配給量に関して比較し、1つの食品又はエマルションの他のものに対する優先的消費を決定することができる。代替的に又は加えて、摂取の差異(g)を用いて、例えば、5%有意水準などの選択された有意水準で、2ボトル試験における2つのエマルション間の摂取における平均差異、又は、2つのボウル試験における2つのペットフード製品間の摂取における平均差異を算定し、95%の信頼区間での摂取の平均差異を決定してもよい。しかしながら、例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、25、又は50%の有意水準など、任意の有意水準を使用して差し支えない。ある特定の実施形態では、エマルション又は食品が占める、試験の間に摂食した全エマルション又は食品のパーセンテージである、動物による1つのエマルション又は食品についての例えばパーセンテージ嗜好性など、パーセンテージ嗜好性スコアを算出してもよい。
【0206】
9.生成方法
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、標準的な化学合成プロセスを使用して生成されうる。ある特定の実施形態では、化学合成プロセスは、少なくとも99.999%、又は少なくとも99%、又は少なくとも95%、又は少なくとも90%、又は少なくとも85又は少なくとも80%の純度を有する化合物をもたらす。ある特定の実施形態では、化合物は、酸、酵素又は酸と酵素の組合せなどを使用するものなど、標準的な加水分解プロセスを使用して調製されうる。
【0207】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、例えばペットフード製品の生産中に、食物調製条件下で生成されうる。例えば、限定はしないが、本開示の化合物は、ペットフード中に存在する前駆体化合物から、例えば、殺菌、レトルト処理及び/又は押出成形などの熱食品加工の間に生成されうる。ある特定の実施形態では、液体及び/又は粉末の嗜好剤(palatant)もまた、例えばドライペットフード製品などのペットフードの味を増強し、ペットフードのおいしさを増加するために添加されうる。嗜好剤は、肉(例えば肝臓)の消化物及び/又は植物消化物であってよく、必要に応じて、当技術分野で知られている他の嗜好剤を含みうる。ある特定の実施形態では、化合物は、ペットフード製品に添加する前に、液体及び/又は粉末の嗜好剤とともに混合されうる又はそれらの中で生成されうる。代替的に又は加えて、化合物は、ペットフード製品に添加した後で、液体及び/又は粉末の嗜好剤と混和されうる又はそれらの中で生成されうる。
【0208】
10.本開示の方法の非限定的な例
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、ペットフード製品を本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物と混和する工程を含む、ペットフード製品のおいしさを増加させる方法を提供し、該化合物は、混和物中に約10pM〜約1Mの濃度で存在する。
【0209】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物を有するペットフード製品を生産する工程を含む、ペットフード製品のおいしさを増加させる方法を提供し、該化合物は、製品中に、約10pM〜約1Mの濃度で存在する。
【0210】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、ペットフード製品を本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物と混和する工程を含む、例えばGPR120受容体の活性を増加することによって、ペットフード製品の脂肪酸の味を増加させる方法を提供し、該化合物は、混和物中に、0.01ppm〜1,000ppmの濃度で存在する。
【0211】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、ペットフード製品を本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物と混和する工程を含む、ペットフード製品のおいしさを増加させる方法を提供し、該フレーバ組成物は、混合物中に約0.01ppm〜1,000ppmの濃度で存在する。
【0212】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、ペットフード製品を本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物と混和する工程を含む、例えばGPR120受容体の活性を増加させることによって、ペットフード製品の脂肪酸の味を増加させる方法を提供し、該フレーバ組成物は、混和物中に約0.001〜約10%w/w、又は約0.01〜約20%w/w、又は約0.01〜約5%w/w、又は約0.01〜約1%w/wの濃度で存在する。
【0213】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、ペットフード製品を本明細書に記載される化合物を含むフレーバ組成物と混和する工程を含む、ペットフード製品のおいしさを増加させる方法を提供し、該フレーバ組成物は、混和物中に、約0.001〜約10%w/w、又は約0.01〜約20%w/w、又は約0.01〜約5%w/w、又は約0.01〜約1%w/wの濃度で存在する。
【実施例】
【0214】
本明細書に開示される主題は、本発明の例として提供される、これらに限定されない、以下の実施例を参照することによってよりよく理解されよう。
【0215】
実施例1−fGPR120受容体を活性化する化合物。
【0216】
本実施例は、インビトロにおける、化合物によるネコGPR120受容体(fGPR120)の活性化について説明する。
【0217】
GPR120アゴニストとして作用しうる化合物を、インビトロでの機能的特性化によって特定した。fGPR120受容体の活性化における化合物の有効性を評価した。
【0218】
方法:fGPR120を安定して発現するCHO−K1細胞を用いて約120の試験化合物をスクリーニングし、fGPR120脂肪酸受容体を活性化する化合物を特定した。カルシウム感受性の蛍光染料を使用する、細胞内カルシウムレベルにおける変化によって、fGPR120受容体の活性化を検出した。fGPR120受容体を発現しない細胞(モック細胞)を対照として使用した。FLIPR(登録商標)Tetraをデータの捕捉に使用した。
【0219】
各化合物を、3つの異なる用量レベル(10、3及び1μM;50、16.7、及び5.6μM;又は100、30及び10μM)におけるfGPR120を活性化する能力について、最初に試験した(
図1)。次に、用量反応曲線を各化合物について生成した(
図2)。以下の特性を決定した:fGPR120アゴニスト対照(α−リノレン酸)と比較して、化合物によって誘発されたfGPR120活性におけるパーセント増加、ATPバックグラウンド対照と比較して、化合物によって誘発されたfGPR120活性のパーセント増加、及び、EC50の達成に必要な化合物の濃度(すなわち、最大活性の50%を達成)。
【0220】
結果:対照と比較してfGPR120の活性を少なくとも30%増加させる34の活性化合物を用いた、fGPR120受容体を発現するCHO−K1細胞、又はfGPR120を発現しないCHO−K1細胞(モック対照細胞)の処理後のfGPR120の活性の変化が
図1及び2に示されている。表2は、対照と比較してfGPR120の活性を少なくとも30%増加させる34の化合物を特定している。
【0221】
【表2】
【0222】
実施例2−インシリコスクリーニングを使用するGPR120アゴニストの特定。
【0223】
部位特異的突然変異導入は、GPR120結合性化合物と相互作用するヒトGPR120のアミノ酸残基を特定するために用いられている(Hudson et al.)。しかしながら、本実施例は、GPR120受容体の推定上の化合物アゴニストを特定するために行われたネコ及びイヌGPR120の計算モデリングについて説明する。GPR120は、受容体のG−タンパク質共役受容体(GPCR)グループAのファミリーに属する。ネコGPR120は、イヌGPR120に対して96%の配列同一性、及び、ヒトGPR120に対して89%の配列同一性を示す(例えば、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、2014年12月18日公開の国際公開第2014/199114号を参照)。
【0224】
GPR120受容体の三次元構造を解析して、受容体の選択的活性化に利用されうるポリペプチド領域を特定するために、計算論的アプローチを行った。GPR120受容体の構造的な相同性モデルを、分類AのGPCRの構造に基づいて生成した。SWISS−MODEL及びGPCR−I−TASSERウェブベース環境において相同性モデルを構築し、Accelrys社のプログラムDiscovery Studio(DS)スイート(BIOVIA、Dassault Systemes)でさらに細分化した。DSのModellerプログラムをモデルの細分化に使用した(その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、Eswar et al., Current Protocols in Bioinformatics, Supplement 15: 5.6.1-5.6.30(2006)を参照)。GPR120と相互作用する化合物を特定するために、「インシリコ」スクリーニングを行った。
【0225】
タンパク質のGPCRグループAファミリーには、多くの解決済みの結晶構造が含まれる。タンパク質データバンク(PDB)から得たGPCRグループAの結晶構造に基づいて、ネコ及びイヌGPR120膜貫通ドメインの相同性モデルを生成した:4DJH(ヒトκオピオイド受容体(Wu, H. et al.))、3OE6(CXCR4ケモカイン受容体(Wu, B. et al.))及び3SN6(β2アドレナリン受容体(Rasmussen et al.))。BioPredict社のドッキングプログラムであるBiodockを使用して、化合物3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸(TUG891としても知られる)(
図4);4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸(
図5);エイコサペンタエン酸(
図6);オレイン酸(
図8);及びリノール酸(
図9)を、インシリコにおいて、ネコGPR120の膜貫通ドメインの活性部位内にドッキングさせた。これらの化合物を、インシリコにおいて、イヌGPR120の膜貫通ドメインの活性部位内にもドッキングさせた。ヒト、ネコ及びイヌのGPCRの活性部位は、構造が類似している。
【0226】
インシリコ結合モデルに基づいて、化合物は、以下のネコGPR120の膜貫通ドメインのアミノ酸と相互作用する可能性を有することが観察された:
ヘリックス2のPHE88、VAL95、VAL98及びARG99;
ヘリックス3のPHE115、MET118、SER119、GLY122、SER123;
ヘリックス5のTRP207、PHE211、VAL212、ASN215;
ヘリックス6のTRP277、ILE280、ILE281、ILE284;
ヘリックス7のTRP299、PHE303、PHE304、VAL307、THR310、PHE311。
【0227】
化合物とネコGPR120活性部位との相互作用の多くは、GPR120の疎水性残基に作用する。加えて、化合物のカルボキシル基とARG99の間には塩橋及び水素結合が存在する。
【0228】
参照文献:
1. Rasmussen, S.G. et al., “Crystal structure of the beta2 adrenergic receptor-Gs protein complex.” (2011) Nature 477: 549-555.
2. Wu, B. et al., “Structures of the CXCR4 chemokine GPCR with small-molecule and cyclic peptide antagonists.” (2010) Science 330: 1066-1071.
3. Wu, H. et al., “Structure of the human kappa-opioid receptor in complex with JDTic.” (2012) Nature 485: 327-332.
4. Brian D. Hudson et al., “The Molecular Basis of Ligand Interaction at Free Fatty Acid Receptor 4 (FFA4/GPR120).” The Journal of Biological Chemistry, 2014 Jul 18;289(29):20345-58.
5. Arnold K, Bordoli L, Kopp J, and Schwede T., “The SWISS-MODEL Workspace: A web-based environment for protein structure homology modelling.” (2006) Bioinformatics., 22,195-201.
6. Zhang, J Yang, R Jang, Y Zhang., “GPCR-I-TASSER: A hybrid approach to G protein-coupled receptor structure modeling and the application to the human genome.” Structure, 23: 1538-1549, 2015 20345-20358, July 18, 2014。
【0229】
実施例3−インビトロスクリーニングを使用する、GPR120の陽性アロステリック調節因子としてのリン酸二水素ドデシルの特定。
【0230】
本実施例は、GPR120アゴニスト及び陽性アロステリック調節因子(PAM)としてのリン酸二水素ドデシルの活性を測定するためのインビトロアッセイについて説明する。
【0231】
方法:fGPR120を安定して発現するCHO細胞を使用して、fGPR120アゴニスト又はPAMとしての活性について、リン酸二水素ドデシルのアッセイを行った。
【0232】
CHO/NatClytin/fGpr120+Gα16(fGpr120)細胞及びCHO/NatClytin/Mock+Gα16(モック)細胞を、5,000細胞/ウェルで播種した。細胞播種の24時間後、細胞に、室温で1時間、標準タイロードバッファ中0.5×Fluo8−NW染料(20μl/ウェル)を負荷した。細胞を、以下のプロトコルに従ったアゴニストモード及びPAMモードで、化合物と接触させた後、「FLIPR」Tetraスクリーニングシステムを使用して蛍光を測定することによって、リン酸二水素ドデシルのCHO細胞によって発現されるfGPR120を活性化する能力を決定した:
1.アゴニストモード:3×リン酸二水素ドデシル(10μl/ウェル)を注入し、蛍光(すなわち、アゴニスト活性)を3分間、測定した。
【0233】
2.PAMモード:3×リン酸二水素ドデシル(10μl/ウェル)を注入し、蛍光を3分間測定した。さらに約1分経過後、3×fGPR120アゴニストを、該アゴニストのEC
20(15μl/ウェル)に対応する濃度で注入し、蛍光(すなわち、PAM活性)を3分間、測定した。fGPR120アゴニストは1.5μMのα−リノレン酸であった。モック対照については、0.2μMのATPをアゴニストとして使用した。
【0234】
「FLIPR」(登録商標)Tetraシステムを使用して測定したΔF/Fの最大値をエクスポートし、データ解析に使用した。PAMのデータ解析については、データを、EC
100(活性100%)及びEC
20(活性0%)の値に対して正規化した。
【0235】
実験に用いられた化合物を、0.01%BSA(脂肪酸非含有)中6×で溶解し、化合物プレート上でバッファと予混合した。細胞の最終的なBSA濃度は0.00167%であった。
【0236】
アゴニストモードの実験についての対照−α−リノレン酸の用量反応曲線(
図12):100μMのα−リノレン酸(fGPR120最大信号)、30μMのATP(最大信号)、バッファ(最小信号)、バッファ+0.01%のBSA(最小信号)。
【0237】
PAMモード実験についての対照−α−リノレン酸(fGpr120)又はATP(モック)の用量反応曲線(
図12):100μMのα−リノレン酸(Gpr120についての最大信号)、1.5μMのα−リノレン酸(EC
20、Gpr120についての最小信号)、30μMのATP(最大信号)、0.2μMのATP(EC
20、最小信号)。
【0238】
結果:
図11に示されるように、リン酸二水素ドデシルは、fGPR120アゴニストの存在下で、PAMとして、fGPR120の活性を調節した。
【0239】
本明細書に開示される主題及びその利点について詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲に定められる本発明の精神および範囲を逸脱することなく、さまざまな変更、置換及び改変がなされうるものと解されたい。さらには、本願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法及び工程の特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者は、本明細書に開示される主題の開示から、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同一の機能を果たす、又は実質的に同一の結果を達成する、既存の又は後に開発される、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又は工程が、本明細書に開示される主題に従って用いられうることを容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又は工程をそれらの範囲内に含むことが意図されている。
【0240】
特許、特許出願、公開公報、製品説明及びプロトコルは、本明細書全体にわたって引用されており、それらの全体が、すべての目的で、ここに参照することによって本明細書に取り込まれる。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
下記構造を含む式IIの化合物を含む、フレーバ組成物であって、
【化7】
式中、
Xは、(C)R1R2、O、S、C(O)、又は化学結合であり;
X1は、(C)R1R2、O、S、又はN(R1)であり;
Yは、COOH、SO3H、−OP(O)(OH)2、又はテトラゾールであり;
Wは、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R1)(R2)、CHO、CONR1R2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF3、OCH3、CH3、NO2、又はOEtであり;
Z1及びZ2は、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R1)(R2)、CHO、CONR1R2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF3、OCH3、CH3、NO2、及びOEtから各々独立して選択され;
R1及びR2は、H及び分岐又は非分岐のC1〜C6低級アルキルから各々独立して選択され;
n1は、0〜4であり;
n2は、0〜2であり;
n3は、0〜4である、
フレーバ組成物。
実施形態2
前記化合物が、3−(4−((4−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)メトキシ)フェニル)プロパン酸、及び4−[[(3−フェノキシフェニル)メチル]アミノ]ベンゼンプロパン酸からなる群より選択されることを特徴とする、実施形態1に記載のフレーバ組成物。
実施形態3
下記構造を含む式IIIの化合物を含む、フレーバ組成物であって、
【化8】
式中、
Xは、(C)R1R2、O、S、C(O)、又は化学結合であり;
X1は、(C)R1R2、O、S、又はN(R1)であり;
Yは、COOH、SO3H、−OP(O)(OH)2、又はテトラゾールであり;
Wは、ハロゲン、COOH、COOMe、CN、N(R1)(R2)、CHO、CONR1R2、アリール、OH、H、−S−アリール、−O−アリール、−N−アリール、CF3、OCH3、CH3、NO2、又はOEtであり;
Rは、CH3、又は(R4)(R5)X2であり;
R1及びR2は、H及び分岐又は非分岐のC1〜C6低級アルキルから各々独立して選択され;
R4及びR5は、H、アリール、及び分岐又は非分岐の低級アルキル(C1〜C10)から各々独立して選択され;
n1は、0〜4であり;
n2は、0〜2であり;
n3は、1〜12、又は分岐又は非分岐のC2〜C20であり;
X2は、C又はNである、
フレーバ組成物。
実施形態4
前記化合物が、4−[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]−4−オキソブタン酸であることを特徴とする、実施形態3に記載のフレーバ組成物。
実施形態5
(5Z,8Z,11Z,14Z)−イコサ−5,8,11,14−テトラエン酸(アラキドン酸としても知られる);
(5Z,8Z)−イコサ−5,8−ジエン酸;
(11Z)−オクタデカ−11−エン酸(cis−バクセン酸としても知られる);
(9E)−ヘキサデカ−9−エン酸(パルミテライジン酸としても知られる);
トリデカ−12−エン酸(12−トリデセン酸としても知られる);
S−ファルネシルチオ酢酸;
(10Z)−ペンタデカ−10−エン酸((10Z)−10−ペンタデセン酸としても知られる);
10(E),12(Z)−共役リノール酸((10Z,12Z)−10,12−オクタデカジエン酸としても知られる);
(10Z,13Z)−ノナデカ−10,13−ジエン酸;
(9Z,11E)−オクタデカ−9,11−ジエン酸;
cis−7−ヘキサデセン酸;
ドデカン酸(ラウリン酸としても知られる);
(9Z)−テトラデカ−9−エン酸(ミリストレイン酸としても知られる);
(11Z,14Z,17Z)−イコサ−11,14,17−トリエン酸(ジホモ−α−リノレン酸(20:3(n−3))としても知られる);
(6Z,9Z,12Z)−オクタデカ−6,9,12−トリエン酸(γ−リノレン酸としても知られる);
(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン酸(ジホモリノール酸(20:2(n−6))としても知られる);
(9Z)−ヘキサデカ−9−エン酸(パルミトレート、(Z)−パルミトレイン酸としても知られる);
12−メトキシドデカン酸;
(8Z,11Z,14Z)−イコサ−8,11,14−トリエン酸;
(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン酸(リノール酸としても知られる);
(10Z)−ヘプタデカ−10−エン酸;
ピノレン酸;
(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸(α−リノレン酸としても知られる);
トリデカン酸(トリデシル酸としても知られる);
テトラデカン酸(ミリスチン酸としても知られる);
(9Z)−オクタデカ−9−エン酸(オレイン酸としても知られる);
(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン酸(エイコサペンタエン酸としても知られる);
(10E)−ペンタデカ−10−エン酸;
(9E)−テトラデカ−9−エン酸(ミリストレートとしても知られる);
(6Z,9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−6,9,12,15−テトラエン酸;
(5Z,8Z,11Z)−イコサ−5,8,11−トリエン酸(ミード酸としても知られる);及び
リン酸二水素ドデシル
からなる群より選択される化合物を含む、フレーバ組成物。
実施形態6
構造R−Xを有する化合物を含むフレーバ組成物であって、式中、
Xは、カルボキシル基であるか、又は、ホスフェート、ボロン酸、ホスホエステル、ホスホジエステル、ホスフィン酸、スルホンアミド、マロン酸、2−スルホ酢酸、スルホン酸、ヒドロキサム酸、テトラゾール、ヒドロキシ尿素、ホスホラミド、及びC(O)OCH2CH(OH)OP(O)(OR1)(OR2)[式中、R1及びR2は、H、低級アルキル(C1〜C6)、及びPhから各々独立して選択される]からなる群より選択されるカルボキシレートの生物学的等価置換であり;
Rは、約C2〜約C40の炭素長を有する置換又は非置換の炭化水素鎖である、
フレーバ組成物。
実施形態7
前記炭化水素鎖が、0〜8つの二重結合を含むことを特徴とする、実施形態6に記載のフレーバ組成物。
実施形態8
1つ以上の二重結合が、水素、メチル、又はC1〜C12アルキルで置換されていてもよいことを特徴とする、実施形態7に記載のフレーバ組成物。
実施形態9
前記炭化水素鎖中の炭素の1つ以上が、酸素、硫黄、窒素、ケトン、スルホン、スルホキシド、アミド、尿素、又はスルホンアミドで置換されていることを特徴とする、実施形態6に記載のフレーバ組成物。
実施形態10
Rが、H、CH3、C1〜C20、COOH、SO3H、CHO、C(O)R1、C=CR1R2、C=NOH、OP(O)(OR1)(OR2)、OR1、SR1、CN、COOR1、CONR1R2、NO2、NHOH、F、Cl、Br、I、及びNR1R2[式中、R1及びR2は、H及び分岐又は非分岐のC1〜C6アルキルから各々独立して選択される]のうちの1つ以上で置換された置換炭化水素鎖であることを特徴とする、実施形態6に記載のフレーバ組成物。
実施形態11
下記構造を含む式Iの化合物を含むフレーバ組成物であって、
【化9】
式中、
Rは、約C1〜約C40の炭素長を有する置換又は非置換の炭化水素鎖であり、
前記炭化水素鎖が置換される場合、該炭化水素鎖は、H、CH3、C1〜C20、COOH、SO3H、CHO、C(O)R1、C=CR1R2、C=NOH、OP(O)(OR1)(OR2)、OR1、SR1、CN、COOR1、CONR1R2、NO2、NHOH、F、Cl、Br、I、及びNR1R2[式中、R1及びR2は、H及び分岐又は非分岐のC1〜C6アルキルから各々独立して選択される]のうちの1つ以上で置換される、
フレーバ組成物。
実施形態12
前記フレーバ組成物が、味覚テスターのパネルによって決定して、前記食品の脂肪酸の味の増加に有効な量で存在することを特徴とする、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のフレーバ組成物を含む食品。
実施形態13
前記フレーバ組成物が、味覚テスターのパネルによって決定して、前記食品のおいしさの増加に有効な量で存在することを特徴とする、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のフレーバ組成物を含む食品。
実施形態14
前記フレーバ組成物が、前記食品中に、約10pM〜約1M、約0.01ppm〜1,000ppm、又は約0.01%w/w〜約10%w/wの濃度で存在することを特徴とする、実施形態12又は13に記載の食品。
実施形態15
前記食品が、ペットフード製品を含むことを特徴とする、実施形態12〜14のいずれか1つに記載の食品。
実施形態16
前記ペットフード製品が、ネコ用ペットフード製品又はイヌ用ペットフード製品であることを特徴とする、実施形態15に記載の食品。
実施形態17
前記ペットフード製品がウエットペットフード製品であることを特徴とする、実施形態16に記載の食品。
実施形態18
前記ペットフード製品が、ドライペットフード製品であることを特徴とする、実施形態16に記載の食品。
実施形態19
食品を、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のフレーバ組成物と混和する工程を含み、前記フレーバ組成物が、味覚テスターのパネルによって決定して、前記食品の脂肪酸の味の増加に有効な量で存在する、食品中の脂肪酸の味覚強度を増加する方法。
実施形態20
前記フレーバ組成物が、前記混和物中に、約10pM〜約1M、約0.01ppm〜1,000ppm、又は約0.01%w/w〜約10%w/wの濃度で存在することを特徴とする、実施形態19に記載の方法。
実施形態21
組成物を、配列番号:1のアミノ酸配列を含むネコ脂肪酸受容体と接触させる工程を含む、ネコ脂肪酸受容体の活性を調節する方法であって、
前記組成物が、
ヘリックス2のPHE88、VAL95、VAL98及びARG99;
ヘリックス3のPHE115、MET118、SER119、GLY122、SER123;
ヘリックス5のTRP207、PHE211、VAL212、ASN215;
ヘリックス6のTRP277、ILE280、ILE281、ILE284;及び
ヘリックス7のTRP299、PHE303、PHE304、VAL307、THR310、PHE311;
並びにそれらの組合せからなる群より選択される、前記ネコ脂肪酸受容体の相互作用部位における1つ以上のアミノ酸と相互作用することを特徴とする、方法。
実施形態22
前記相互作用が、部位特異的突然変異導入、x線結晶構造解析、x線分光法、核磁気共鳴(NMR)、架橋評価、質量分析、電気泳動、置換分析、及びそれらの組合せによって決定されることを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態23
前記相互作用が、インシリコで決定されることを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態24
ネコ脂肪酸受容体の活性を調節する組成物を特定する方法であって、
(a)試験薬を、配列番号:1のアミノ酸配列を含むネコ脂肪酸受容体と接触させる工程、
(b)前記試験薬と、ヘリックス2のPHE88、VAL95、VAL98及びARG99;ヘリックス3のPHE115、MET118、SER119、GLY122、SER123;ヘリックス5のTRP207、PHE211、VAL212、ASN215;ヘリックス6のTRP277、ILE280、ILE281、ILE284;及びヘリックス7のTRP299、PHE303、PHE304、VAL307、THR310、PHE311;並びにそれらの組合せからなる群より選択される、前記ネコ脂肪酸受容体の相互作用部位における1つ以上のアミノ酸との相互作用を検出する工程、及び
(c)前記アミノ酸の1つ以上と相互作用する試験薬を前記組成物として選択する工程
を含む、方法。
実施形態25
工程(a)の後に、前記脂肪酸受容体の前記活性を特定する工程をさらに含む、実施形態24に記載の方法。
実施形態26
脂肪酸受容体リガンドを前記脂肪酸受容体に接触させる工程をさらに含む、実施形態24又は25に記載の方法。
実施形態27
工程(c)が、前記組成物として、前記脂肪酸受容体の前記活性を増加させる試験薬を選択する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態25又は26に記載の方法。
実施形態28
ネコ脂肪酸受容体の活性を調節する組成物を特定する方法であって、
(a)ネコ脂肪酸受容体アゴニストをネコ脂肪酸受容体と接触させ、前記ネコ脂肪酸受容体の前記活性を特定する工程、
(b)試験薬を前記ネコ脂肪酸受容体と接触させ、前記ネコ脂肪酸受容体の前記活性を特定する工程、及び
(c)(b)の活性が(a)の活性より大きい場合に、前記試験薬を前記組成物として選択する工程
を含む、方法。
実施形態29
前記ネコ脂肪酸受容体が、配列番号:1のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、実施形態28に記載の方法。
実施形態30
前記脂肪酸受容体が細胞によって発現され、前記試験薬を前記細胞と接触させることを特徴とする、実施形態24〜29のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31
前記細胞が、カルシウム結合型発光タンパク質を発現することを特徴とする、実施形態30に記載の方法。