(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な例示的な実施形態を、いくつかの例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下により完全に記載する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載する例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、この説明が徹底的かつ完全であるように、そして、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。図面では、層および領域のサイズおよび相対的サイズが、明確にするために誇張されている場合がある。
【0015】
ある要素または層が別の要素または層の「上に」ある、「接続されている」または「結合している」という場合、その他の要素または層の直接上にあるか、接続されているか、結合していてもよく、または介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素または層の「直接上に」ある、「直接接続されている」または「直接結合されている」という場合、介在する要素や層は存在しない。全体を通して同一の参照番号は同様の要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「および/または」は、1つまたは複数の列挙した関連項目の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0016】
また、第1、第2、第3等の用語を、様々な要素、成分、領域、層および/またはセクションを記載するために本明細書で使用し得るが、これらの要素、成分、領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって制限されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素、成分、領域、層、またはセクションを別の要素、成分、領域、層またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下に述べる第1の要素、成分、成分、層またはセクションは、本発明の概念の教示から逸脱することなく、第2の要素、成分、領域、層またはセクションと呼ぶことができる。
【0017】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明示されない限り、複数形を含むことも意図する。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」および/もしくは「含む(comprising)」または「含む(includes)」および/もしくは「含む(including)」は、記載された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0018】
さらに、図に示すように、本明細書では、「下部」または「底部」および「上部」または「頂部」等の相対用語を、1つの要素と別の要素の関係を説明するために使用することができる。相対用語は、図面に描かれている向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図の1つのデバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下部」側にあると記載された要素は、その他の要素の「上部」側に向けられることになる。したがって、例示的な用語「下部」は、図の特定の向きに応じて、「下部」および「上部」の向きの両方を包含することが可能である。同様に、図の1つのデバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下方」または「下」と記載された要素は、その他の要素の「上」に向けられることになる。したがって、「下方」または「下」という例示的な用語は、上下両方の向きを包含することが可能である。
【0019】
本明細書中で使用する場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、記載された特徴、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、成分、および/またはそれらの群の追加を排除しないことが、さらに理解されよう。
【0020】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と整合する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味では解釈されない(本明細書で明示的にそのように定義されない限り)ことが、さらに理解されよう。
【0021】
可視スペクトルにおいて光透過性であり、導電性であり、ITOまたはATOの代わりに用いることが可能なシロキサン粒子組成物は、ITO/ATO以外の任意の導電膜または層の代用品としても、望ましい。半導体デバイスならびにマイクロエレクトロニクスおよびオプトエレクトロニクスのデバイス、例えばディスプレイは、至るところで導電層を利用する。特に、限定するわけではないが、スマートフォン、タブレット、ラップトップおよびノートブック、コンピュータモニター用の抵抗性または静電容量性のタッチスクリーン、ならびにデジタルカメラ、カムコーダー、携帯ゲームデバイス、パーソナルマルチメディアプレイヤー、電子書籍リーダー、プリンター、車載ディスプレイ、GPS/PNDナビゲーションデバイス等のタッチスクリーン、ならびに、小売、商業、および産業環境におけるタッチスクリーン等のタッチスクリーンディスプレイである。
【0022】
しかしながら、このような製品の非タッチスクリーン版も、本明細書に開示するシロキサン粒子材料の恩恵を受けることができる。
【0023】
図1aに見られるように、簡略化した液晶セル10の拡大図を示す。
図1に示すように、12a、および12bは偏光子であり、14aおよび14bはガラス基板である。また、18aおよび18bも示すが、これは、ラビング配向層(PVA、PVK、またはポリイミドなど)であり、この間にあるのはツイステッドネマチック液晶層である。層16aおよび16bはシロキサン粒子層(これは伝統的にはITO層だった)である。層16aまたは16bの一方をITO層とし、もう一方の層をシロキサン粒子層とすることができる。好ましくは、層16aと16bの両方がシロキサン粒子材料である。LCD画素は、パッシブマトリックスまたはアクティブマトリックスとすることが可能であり、幅広い設計のうちいずれかを有し得る。例えば、同じガラス基板上に、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)型LCD画素内に両電極を形成することが可能である。また、VA LCDパネル(MVAまたはPVA)も可能である。LCD画素のタイプに関わらず、光を画素内に(LCOSの場合は画素上に)導くにはバックライティングが必要であり、これは、典型的にはLEDバックライトにより提供される。しかしながら、厳密な画素設計とは無関係に、それらに共通するのは、LCDの画素アレイ中のLCD画素を活性化させるためのLCD回路として作用する、パターン化された導電性かつ光透過性の層であり、前記パターン化された導電性かつ光透過性の層は、本明細書に開示するシロキサン粒子組成物より形成される。
【0024】
抵抗型タッチスクリーンでは、可撓性で透明な頂部基板(例えば、ポリエステルなどのプラスチック膜)が、間にエアギャップを挟んで、より剛性の底部基板(例えば、ガラス基板)から間隔を空けて配置される。可撓性の頂部基板と底部基板は、両方とも、本明細書に開示する導電性シロキサン粒子膜で均一にコーティングされ得る。ユーザの指が可撓性の頂部基板に接触すると、それは底部基板に接触するように撓む。接触点での電圧が測定されて、接触点の位置が計算される。
【0025】
静電容量型タッチパネルでは、ディスプレイ(例えば、LCDまたはLED画素のアレイ)に、ガラス、ポリエステル、アクリル等の任意の適切な材料とすることができる追加の基板が接続される。基板は、本明細書に開示する導電性シロキサン粒子材料をパターン化して形成された導電性ラインのマトリックスを有する。アセンブリ全体を囲うように頂部のカバーレンズが接合される。ユーザの指がカバー基板に接触すると、接触点に最も近い電極の測定静電容量が増加し、そこで静電容量の変化が測定され、これを用いて接触場所が計算され得る。表面静電容量例または投影静電容量例の両方が、本明細書に開示する導電性材料を組み込み得る。
【0026】
図1bに見られるように、例示的な静電容量式タッチディスプレイ1の断面を示す。1bに示されるように、9は、液晶ディスプレイ層(液晶材料、カラーフィルタ、支持基板等)の簡略図である。その上には、ガラス、ポリエステル、アクリル等の任意の適切な材料とすることができる光透過性基板8が配置されている。基板8上には導電性パターン7があるが、これは、
図1bの平面外に延びる線であり、本明細書に開示する導電性シロキサン粒子材料で作成される。これらの導電性バンドは、ディスプレイの全長にわたって延びている。導電性バンド上に形成されるのはキャパシタ層−絶縁層6であり、これは、導電性バンド7の間の空間を埋めて上に絶縁層を形成するように堆積され得る。この絶縁性層は、粒子を有さない、または、電気絶縁層を提供するように選択された粒子、例えばセラミック粒子(例えば、酸化物粒子もしくは窒化物粒子)を有する、本明細書に開示のシロキサン材料とすることが可能である。導電性バンド7および誘電体層6の両方が、可視光に対して透過性であるべきであり、好ましくはそれぞれがその入射可視光を少なくとも70%、ただし、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、少なくとも92.5%、または少なくとも95%透過する。
【0027】
図1bにさらに見られるように、パターン化された導電性バンド5の追加の層を設ける。この場合、導電性バンドは、誘電体層5の反対側のバンド7に垂直に(さもなければ平行ではなく)伸びるストリップとして形成する。導電性ライン5は、ディスプレイの駆動ラインとすることが可能であり、導電性ライン7は、センシングラインとすることが可能である。また、上部光透過性基板3も示すが、これは、ガラス、ポリエステル、アクリル、または可視スペクトルの光に対して透過性である他の適切な材料とすることができる。基板3は、接着剤4により接着するが、接着剤4も、可視光に対して透過性であるべきであり、基板3は、中に粒子を有するまたは有さない、本明細書に開示するシロキサン材料で作成することが可能である。デバイス内の多数の層に同一のまたは類似の材料を利用することは、CTEおよび屈折率のマッチングを助け、デバイスの全体的な光学的品質および耐用年数品質を改善し得る。
【0028】
導電性バンド5(または導電性バンド7)の間の領域は空気または本明細書に開示するシロキサン材料などの誘導体材料とすることもできるし、該領域は、シロキサン材料および導電性を失うように開発された導電性粒子(ナノワイヤを含む)(以下でさらに論じる)を含む場合もある。領域9はLCD画素以外のディスプレイ画素(プラズマ、LED等)とすることができることと、導電性シロキサン粒子材料は、インセルタッチディスプレイなどを有する液晶ディスプレイ9内に組み込まれ得ることに注意されたい。オンセル、インセル、およびアウトセルタッチディスプレイは、全て、本明細書に開示する導電性シロキサン材料を使用することが可能である。
【0029】
至るところで言及するように、導電性材料は、マイクロ粒子またはナノ粒子などの粒子とすることが可能であり、この導電性を提供する充填剤材料は、また、ナノワイヤまたはナノチューブとすることが可能である。10:1超、例えば、25:1超、50:1超、またはさらには100:1超のアスペクト比を有するような、高アスペクト比の細長い構造、例えばナノワイヤまたはナノチューブが有益である。粒子(またはナノワイヤ等)は、表面処置をして、またはせずに、シロキサン材料に提供することが可能である。最初に表面処理する場合、表面はカルボン酸、PVPまたはPVAなどの有機材料でコーティングすることが可能であり、表面は、アミン、チオール、シランまたはそれらの組み合わせとなる。
【0030】
シロキサン組成物の適用に溶媒は必要ないが、非常に薄い層が望ましい場合には、堆積層の厚さを最小にするため、シロキサン材料を低粘度液体として提供するように、有機溶媒、非極性または極性(プロトン性または非プロトン性)を添加することが望ましい場合がある。組成物の一部であるシロキサンポリマーの分子量を低下させるか、または組成物中のシロキサンポリマーの代わりにモノマー(例えば、第1、第2および/または第3の化合物)を使用することにより、粘度を低下させることが可能であり、これは、所望であれば、膜厚を最小化する助けとなり得る。界面活性剤およびシロキサン組成物がUV光に当たると反応可能になるようにするUV感受性添加剤を加えることが可能である。アクリレートとして官能性反応性基を選択することは、UV光下での重合を助け得る。任意選択的に、UV処置または熱処置時に、元素金属、例えば、純銀等に還元される硝酸銀、ハロゲン化銀、酢酸銀、銀カルボン酸などの金属塩(または他の金属の他の金属塩)が、粒子も加えて、または加えないで、可能である。金属塩を加える場合、好ましくは、それは、UVまたは熱時に、またはより好ましくは金属主表面においてその純金属形態に還元される、セシウムカルボン酸塩などの低仕事関数金属である。また、シロキサン粒子層の上に追加の層を提供することが可能であるが、これは、低(または高)電気仕事関数の薄いコーティングである。
【0031】
本明細書に開示する膜は、LCDディスプレイでの使用に限定されず、多種多様の用途を有し、例えば、パターン化可能な導電性透明層が望ましい場所、例えばLEDディスプレイおよび光起電力セルなどにおいて用いられる。
図2に見られるように、簡略化した有機発光ダイオード21(OLED)の拡大図を示す。基板24aおよび24bは、ガラスまたは他の適切な材料である。28は正孔輸送層発光層(例えば、MEH−PPV−(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−−1,4−フェニレンビニレン]))である。
図2の25は、シーラントまたは接着剤である一方、27は陰極(例えば、GaIn)である。層26aおよび26bの少なくとも一方が、本明細書に開示のシロキサン粒子層である。26aまたは26bのいずれかをITO層とすることが可能である(そして、先行技術では、典型的には、両方ともITO層だった)。しかしながら、26aと26bの両方をシロキサン粒子材料で形成し、26bがOLED画素の陽極として作用することが好ましい。
図1のLCD例のように、シロキサン粒子層は、好ましくは、導電性で、可視光に対し光透過性であり、光透過性基板上にまたはその近くに配置される場合は、同様に、好ましくは、可視光に対し透過性である。また、基板24aのみが、可視光に対し光透過性である一方、基板24bは光透過性ではないということも可能である(基板24bは、一種のamoled画素などの薄膜トランジスタアレイを上に形成したアモルファスシリコンまたは多結晶シリコン基板とすることができる。一例では、陽極を、ガラス基板上にシロキサン粒子材料で形成し、陰極を他のガラス基板上に異なる材料より形成する。別の例では、陽極をシリコン基板上のTFT領域内に形成し、陰極を対向するガラス基板上に、本明細書に開示するシロキサン粒子組成物より形成する。他の例では、陽極と陰極の両方を、シロキサン粒子材料で形成する。シロキサン粒子材料は、従来のOLEDディスプレイに適切であるが、シロキサン材料の曲げ性により、脆性ITOでは容易ではない、可撓性OLEDディスプレイ(または他の可撓性ディスプレイパネル)にも適切である。
【0032】
図3に示すように、p型半導体の基板31およびn型シリコン半導体のエミッタ層32を有するシリコン太陽電池30の簡略図を示す。p−n接合部を、層31と32の間の境界面に形成する。日光35が太陽電池に入射すると、光起電力効果によりn型シリコン半導体のエミッタ層32に生成される電子と、p型シリコン半導体の基板31に生成される正孔は、n型シリコン半導体とp型シリコン半導体に引き寄せられ、それぞれ、エミッタ層32の頂部電極33と底部電極34にそれぞれ移動する。頂部電極33および底部電極34が互いに接続すると、電流が回路37により流れ、電気負荷36に電力を供給する。使用する光起電力材料は、薄膜非晶シリコン層、カドミウムテルライド、銅インジウムガリウムセレン化物、または色素増感太陽電池材料とすることが可能である。また、半導体材料を従来の結晶シリコン基板とすることも可能である。
【0033】
慣習的には、銀ペースト組成物を用いて、好ましくはパターン化された頂部電極103を形成し、アルミニウムペースト組成物を用いて、底部電極104を形成する。しかしながら、好ましくは電極34および36の一方または両方を、本明細書に開示するシロキサン粒子組成物で形成する。
【0034】
図4に示すのは、有機光起電力太陽電池41である、基板44aおよび44bは、ガラスまたは他の適切な材料である。48は、正孔輸送層(例えば、PEDOT:PSS−(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)))であるのに対し、49は電子および正孔輸送ポリマーの混合液層、例えば、PCBM:MDMO−PPV(メタノ[60]フラーレン[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル:ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−p−フェニレンビニレン])である。
図4の45はシーラントまたは接着剤である一方、47は陰極(例えば、GaIn)である。層46aおよび46bの少なくとも一方が、本明細書に開示するシロキサン粒子層である。46aまたは46bのいずれかをITO層とすることが可能である(そして、先行技術では、典型的には、両方ともITO層だった)。しかしながら、46aおよび46bの両方をシロキサン粒子材料で形成し、46bがOLED画素の陽極として機能することが好ましい。
【0035】
図5に見られるように、導電部分53および例えばPEDOT:PSS部分52の金属グリッド層を上に形成された基板51を有する、有機光起電力セルを示す。その上に配置するのは、例えば、PEDOT:PSS層55、ならびに、活性層56および金属層58である。金属層は、例えば、Al層またはアルミニウム粒子を含むようなシロキサン粒子層とすることが可能である。導電部分53は、本明細書で開示するシロキサン粒子材料、例えば、銀粒子を含むものとすることが可能である。
図6に見られるように、基板61は、その上に、導電部分63および例えばPEDOT:PSS部分62で形成された金属グリッド層を有する。上に配置されるのは、例えばPEDOT:PSS層64、ならびに、電子輸送層65および活性層66である。別の、例えばPEDOT:PSS層67、および、追加のパターン化金属層69も示す。
図5と同様に、
図6の金属グリッド層/パターン化導電層の両方を、本明細書で開示するシロキサン粒子材料で形成して、好ましくは、導電性かつ光透過性の材料を提供することが可能である。粒子は、銀、または、光起電力セル内のこの導電部分の所望の特徴を提供する別の適切な金属粒子とすることが可能である。当然、他の光起電力設計および材料も可能である。
【0036】
上記に開示する粒子に加え、シロキサンナノワイヤ組成物を用いて、所望の導電性、光透過性、および光パターン化可能な特性を提供することが可能である。ナノワイヤは、任意の適切なナノワイヤとすることが可能だが、好ましくは、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、ニッケル、白金等の導電性金属を含む金属ナノワイヤである。用語「ナノワイヤ」を本明細書で用いるが、ナノ構造は空洞である(「ナノチューブ」)ことも可能である。または、ナノワイヤは、多数の金属の合金で形成することも、1つまたは複数の金属外層に被覆された1つまたは複数の金属内層を有する多層とすることもできる。一例では、ナノワイヤは、銅の内層と銀の外層を有し、任意選択的にニッケルの介在層を有する。ナノワイヤは、また、半導体材料で作成することも、上記のように、窒化物、炭化物、または酸化物化合物とすることも、粒子に関連して上記した任意の適切な材料で作成することもできる。ナノワイヤは、液体金属ナノクラスタ触媒を用いるなどの気相液相固相合成により、または、ナノワイヤを液体中で成長させる液相合成により、作成することができる。
【0037】
図7a〜7dに見られるように、UVパターン化可能な堆積方法を示す。
図7aでは、ガラス、石英、サファイア、ポリマー、半導体などの任意の適切な基板である基板70を提供する。基板70上に、本明細書で開示し、好ましくは上記で開示したように粒子を含むシロキサン組成物を堆積する。シロキサン粒子組成物は、液体またはゲルなどの流体として堆積することが可能であり、好ましくはシリンジ堆積またはスクリーン印刷などのプロセスによって供給する。スピンオン、ディップ、インクジェット、カーテン、ドリップ、ローラー、グラビア、逆オフセット、押出コーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、フレキソグラフィック等の他の堆積方法も使用することができる。また、基板70は、ウエハから個片化されていてもされていなくてもよく、その代わりに、ウエハ全体、または、ディスプレイパネルもしくは太陽電池等に使用される大きなガラスシートのような大きなシートから切断された一部であってもよい。ロールツーロールプロセスで大きなシートに堆積させることが可能である。さらに、基板70を支持基板にウエハレベルで接着させ、両方の基板を共に個々のダイに個片化することが可能である。ディスプレイまたは光起電力セルの場合、ロールツーロールプロセスに組み込むことが可能な堆積方法が好ましい。
【0038】
図7bに見られるように、マスク75をシロキサン層に隣接して配置し、UV光をマスクの開口を通じてシロキサン層に供給する。UV光は、露光領域72aのシロキサン層を硬化させ、硬くする一方、未露光領域72bは、柔らかいままである(
図7c)。
図7dに見られるように、現像液を使用して、未露光領域72bを除去し、パターン72aを所定の位置に残す。シロキサン材料72を最初に適用した後のソフトベークおよび未露光領域72bを除去した後のハードベーク等、様々なベークまたは乾燥ステップを使用することができる。
【0039】
上記のようにシロキサン材料を直接パターン化するためにマスクを使用する代わりに、その上に堆積されたフォトレジスト層を介してシロキサン材料をパターン化することも可能である。そのようなプロセスでは、シロキサン層の堆積およびソフトベークの後に、フォトレジスト層をその上に堆積する。フォトレジストは、任意の適切なフォトレジスト材料とすることが可能であり、これには、露光されたフォトレジストの一部がフォトレジスト現像液に対し可溶性になり、露光されていないフォトレジストの一部は現像液に対し不溶性のままであるポジ型フォトレジストが含まれる。または、露光されたフォトレジストの一部がフォトレジスト現像液に対し不溶性になり、露光されていないフォトレジストの一部は現像液に対し可溶性であるネガ型フォトレジストを用いることが可能である。任意の適切なフォトレジスト、例えば、SU−8、PMMA、DNQ/Novolac、PMGI等を用いることが可能である。使用するフォトレジストの種類に関係なく、パターンをフォトレジスト材料内に形成すると、パターンは、最終的にパターン化されたシロキサン層を形成するように、下にあるシロキサン材料をパターン化するためのマスクとして機能する。
【0040】
先に述べたように、シロキサン粒子層は、好ましくは導電性で、光透過性であり、パターン化可能である。しかしながら、商業的なおよび他のデバイスにおける発熱という一般的問題を鑑み、放熱用のシロキサン粒子層を提供することも可能である。そのため、シロキサン層は、光透過性で、パターン化され、またはされず、導電性ではないような、熱伝導層として提供することが可能である。電気絶縁性材料である粒子(本明細書で言及するような種々の窒化物、酸化物など)を、その熱伝導性だが電気絶縁性であるという特性のために、選択することが可能である。当然、基板が光透過性でないか、または、デバイス内の位置が可視スペクトルにおいて高光透過性を必要としない場合、熱伝導性かつ電気絶縁性の層は、選択された粒子(種類、量、および大きさ)に応じて、光反射性である場合も光吸収性である場合もある。
【0041】
シロキサン組成物は、本明細書で開示するようなカップリング剤、硬化剤、酸化防止剤、接着促進剤等を含み得る。特に、シロキサン材料は、入射UV光の適用時に反応する反応性基をSi−O骨格上に含む。現像液は、任意の適切な現像液、例えば、TMAH、KOH、NaOH等とすることが可能である。選択したシロキサン材料および選択したナノワイヤの種類(材料、アスペクト比等)に応じて、現像液プロセスは、ナノワイヤを不活性化し、ナノワイヤを、劣化および低導電性状態にすることが可能である。露光領域にあるようなこのような劣化ナノワイヤは、それに隣接する所望の導電性領域に干渉することなく、基板50上に留まり得る。また、UV光の代わりにレーザーパターン化を用いてシロキサン材料をパターン化することも可能である。
【0042】
図8に見られるように、導電性シロキサン材料のメッシュを提供する、または、さもなければ、導電性である部分と電気絶縁性である他の部分を有する領域を提供する、代わりのプロセスを示す。
図8aに示すように、基板80上には、誘導体層82を配置する。誘導体層は、任意の適切な絶縁膜とすることが可能であるが、好ましくは、本明細書の粒子を有するまたは有さない、本明細書で開示するシロキサン材料である。粒子が存在する場合、粒子は、導電性を提供しないもの、例えば、セラミック粒子(例えば窒化物、酸化物、または酸窒化物粒子)とすべきである。
図8bに示すように、層82を、UV光などを用いてパターン化する。パターン化は、レーザーパターン化またはホットエンボスなどの他の適切なプロセスを用いることが可能である。いったん層82をマスク85を介してUV光86に露光したら、基板80上に空の領域または溝82bおよび誘導体部分82aが残るように、未露光部分を除去する(
図8c)。その後、基板80上に導電性パターンを提供するように、空の領域に導電性材料を提供する(
図8d)。
【0043】
図8では、導電性材料は、既知の金属インク、または、導電性部分を提供する他の既知の材料とすることが可能であるが、好ましくは本明細書で開示するシロキサン粒子材料である。粒子は、任意の適切な金属粒子(または導電性セラミック粒子)、例えば、銀粒子または層の一つに銀を有する多層粒子とすることが可能である。シロキサン材料を、導電性部分と電気絶縁性部分の両方に用いる場合、一例では、両シロキサンは、同様の、または好ましくは同一の有機置換基(例えば、第1化合物SiR
1aR
24−a(先に述べたように、式中、aは1〜3であり、R
1は反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基である)のR
2基)を有するか、または、同一のモノマーSiR
1aR
24−aを導電性材料および電気絶縁性材料の両方のためのシロキサンポリマーを作成するために用いる。これは、膜の安定性および導電性部分および絶縁性部分のCTE値をより近づけるのに役立つ。また、静電容量タッチスクリーンディスプレイのパターン化導電層の間のコンデンサ部分などの、導電性材料とは異なる層に電気絶縁性材料を配置する例では、同一のR
2基および/または同一の開始モノマーを用いることが可能である。
【0044】
パターン化された導電層を形成する別の方法では、シロキサン材料とは別に、基板上に粒子、例えばナノワイヤを最初に堆積させることが可能である。このような場合、ナノワイヤを有機溶媒または水性溶媒の溶液中で堆積させて、基板上にナノワイヤ「マトリックス」を形成することが可能である。溶媒を除去するための乾燥または他の適切な方法の後、ナノワイヤ「膜」が残る。その上に、本明細書に開示するシロキサン材料を堆積させる。シロキサン材料を、溶媒を用いて堆積させ、シロキサンを更に乾燥および重合(例えば、熱および/またはUV光の適用)して、複合最終硬化シロキサンナノワイヤ層を形成することが可能である。または、シロキサンを、所望の粘度を提供する所望の分子量で、溶媒を添加せずに堆積させ、続いて熱またはUV光を適用してシロキサン材料を硬くおよび硬化させることが可能である。また、この段階でケイ素含有モノマー(例えば、第1の化合物、第2の化合物、または、例えば、任意選択的な第3の化合物、カップリング剤等の他の任意選択的な成分)を提供し、その後、熱および/またはUV光を、ナノワイヤおよび重合シロキサンを含む層に適用することも可能である。これらのシロキサンモノマー、または、シロキサンポリマーを、例えば熱の適用時に焼結または溶解し、ナノワイヤを組み込むのに役立つナノ粒子などの粒子と混ぜて提供することが可能である。当然、ナノチューブまたは他の種類のナノ粒子をナノワイヤの代わりに用いることが可能である。また、パターン化導電層を形成するように、シロキサン膜を光パターン化し、ナノチューブを有する領域を、例えば現像液を用いて、選択的に損傷または除去することも可能である。
【0045】
本明細書に開示の導電層を、第1パターン化導電性シロキサン粒子層および第2導電層(パターン化されている、またはされていない)などの多層として、デバイス内に提供することが可能である。また、同一または同様のシロキサン材料だが、粒子を有さないか、または、導電性を提供しない粒子を有する領域を、同一層内の導電性部分の間に有することも可能である。また、介在誘導体層を、複数の導電シロキサン層の間に提供することも可能である。導電性部分および電気絶縁性部分の両方を、本明細書に開示されるのと同一または同様のシロキサン材料で作成する場合、CTEミスマッチの問題は低減し得る。
【0046】
より具体的には、上記で言及したシロキサン粒子組成物に関連して、シロキサンポリマーが提供される組成物を作成する。好ましくは、ポリマーは、アリール(またはアルキル)置換基および官能性架橋置換基を有する酸化ケイ素骨格を有する。充填剤材料を、シロキサンポリマーと混ぜる。充填剤材料は、好ましくは、100ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下の平均粒子径を有する粒子を含む粒状材料である。熱またはUV光(または他の活性化方法)を組成物に与えると、シロキサンポリマー中の官能性架橋基と反応する触媒を添加する。好ましくは、シロキサンポリマーのように、熱または光を適用した際に同様に反応性である官能性架橋基を有するモノマー(またはオリゴマー)カップリング剤が、組成物に含まれる。組成物の最終用途に応じて、安定剤、酸化防止剤、分散剤、接着促進剤、可塑剤、軟化剤、および他の潜在的成分等の追加の材料を添加することも可能である。溶媒を添加することはできるが、好ましい実施形態では組成物は溶媒を含まず、溶媒を含まない粘性流体であり、そのように保存および輸送される。
【0047】
上述のように、本明細書に開示されるように作成される組成物は、シロキサンポリマーを含む。シロキサンポリマーを作成するために、化学式SiR
1aR
24−a(式中、aは1〜3であり、R
1は反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基である)を有する第1の化合物を提供する。また、化学式SiR
3bR
4cR
54−(b+c)(式中、R
3は架橋性官能基であり、R
4は反応性基であり、R
5はアルキルまたはアリール基であり、b=1〜2であり、c=1〜(4−b)である)を有する第2の化合物も提供する。任意選択の第3の化合物を第1および第2の化合物と共に提供して、一緒に重合する。第3の化合物は、化学式SiR
9fR
10g(式中、R
9は、反応性基であり、f=1〜4であり、R
10はアルキルまたはアリール基であり、g=4−fである)を有し得る。第1、第2および第3の化合物は、任意の順序で提供することができ、上記モノマーの代わりに、これらの化合物のいずれかのオリゴマー的に部分重合した形態を提供することができる。
【0048】
第1、第2および第3の化合物、および以下に記載する任意の化合物は、このような化合物が2つ以上の単一タイプの「R」基、例えば、複数のアリールもしくはアルキル基、または複数の反応性基、または複数の架橋性官能基等を有する場合、多数のR基は、各出現で同じであるかまたは異なるように独立して選択される。例えば、第1の化合物がSiR
12R
22である場合、多数のR
1基は、互いに同じであるかまたは異なるように独立して選択される。同様に、多数のR
2基は、互いに同じであるかまたは異なるように独立して選択される。他に明記されていない限り、本明細書に記載の任意の他の化合物についても同様である。触媒も提供する。触媒は、後述するように、塩基触媒または他の触媒とすることができる。提供する触媒は、第1および第2の化合物を一緒に重合させることが可能であるべきである。上記のように、化合物および触媒の添加の順序は、任意の所望の順序とすることができる。一緒に提供される種々の成分を重合して、所望の分子量および粘度を有するシロキサンポリマー材料を生成する。重合後、カップリング剤、触媒、安定剤、および接着促進剤等の他の任意選択の成分と一緒に、微粒子、ナノ粒子または他の所望の粒子などの粒子を添加する。組成物の成分の組み合わせは、任意の所望の順序で行うことが可能である。
【0049】
より具体的には、一例では、シロキサンポリマーを、第1および第2の化合物を重合することにより作成し、第1の化合物は、化学式SiR
1aR
24−a(式中、aは1〜3であり、R
1は、反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基である)を有し、第2の化合物は、化学式SiR
3bR
4cR
54−(b+c)(式中、R
3は、架橋性官能基であり、R
4は、反応性基であり、R
5は、アルキルまたはアリール基であり、b=1〜2、c=1〜(4−b)である)を有する。
【0050】
第1の化合物は、化合物中のケイ素に結合した1〜3個のアルキルまたはアリール基(R
2)を有し得る。異なるアルキル基の組み合わせ、異なるアリール基の組み合わせ、またはアルキル基とアリール基の両方の組み合わせが可能である。アルキル基の場合、アルキルは好ましくは1〜18個、より好ましくは1〜14個、特に好ましくは1〜12個の炭素原子を含有する。1〜6個の炭素(例えば、2〜6個の炭素原子)などのより短いアルキル基も想定される。アルキル基は、1つまたは複数、好ましくは2つのC1〜C6アルキル基でもって、アルファ位またはベータ位で分岐していてもよい。特に、アルキル基は、メチルおよびハロゲンから選択される1〜3個の置換基を任意選択で有する、1〜6個の炭素原子を含有する低級アルキルである。メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルおよびt−ブチルが特に好ましい。シクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルネンまたはノルボルニルのような環状アルキル基も可能である。
【0051】
R
2がアリール基である場合、アリール基は、環上にハロゲン、アルキルまたはアルケニルから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有するフェニルか、または、環構造上にハロゲンアルキルまたはアルケニルから選択される1〜11個の置換基を任意選択で有するナフチルとすることが可能であり、該置換基は任意選択でフッ素化されている(過フッ素化または部分フッ素化を含む)。アリール基が多芳香族基である場合、多芳香族基は、例えば、1〜8個の置換基を任意選択で有し得るアントラセン、ナフタレン、フェナントレン、テトラセンでもよく、1〜12個の炭素を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、もしくはアリール基によってケイ素原子から任意選択で「離れて」いてもよい。フェニル等の単一環構造も、このようにしてケイ素原子から離れていてよい。
【0052】
シロキサンポリマーは、重合反応、好ましくは第1と第2の化合物の間の塩基触媒重合反応を実施することによって作成する。以下に記載するように、任意選択の追加の化合物を重合反応の一部として含めることが可能である。
【0053】
第1の化合物は、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシル、アミンまたはアシルオキシ基等の任意の適切な反応性基R
1を有することが可能である。例えば、第1の化合物の反応性基が−OH基である場合、第1の化合物のより具体的な例としては、数ある中で、ジフェニルシランジオール、ジメチルシランジオール、ジ−イソプロピルシランジオール、ジ−n−プロピルシランジオール、ジ−n−ブチルシランジオール、ジ−t−ブチルシランジオール、ジ−イソブチルシランジオール、フェニルメチルシランジオールおよびジシクロヘキシルシランジオールなどのシランジオールが挙げられる。
【0054】
第2の化合物は、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシル、アミンまたはアシルオキシ基等の任意の適切な反応性基R
4を有することが可能であり、これは、第1の化合物の反応性基と同じでも異なっていてもよい。基R
5は、全て第2の化合物中に存在する場合、独立して、第1の化合物中の基R
2のようなアルキルまたはアリール基である。アルキルまたはアリール基R
5は、第1の化合物の基R
2と同じであっても異なっていてもよい。
【0055】
第2の化合物の架橋反応性基R
3は、酸、塩基、ラジカルまたは熱触媒反応によって架橋することができる任意の官能基とすることが可能である。これらの官能基は、例えば、任意のエポキシド、オキセタン、アクリレート、アルケニルまたはアルキニル基とすることが可能である。
【0056】
エポキシド基の場合、それは、酸、塩基および熱触媒反応を用いて架橋され得る3つの環原子を有する環状エーテルとすることが可能である。これらのエポキシド含有架橋基の例は、いくつか挙げるなら、グリシドキシプロピルおよび(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基である。
【0057】
オキセタン基の場合、それは、酸、塩基および熱触媒反応を用いて架橋され得る4つの環原子を有する環状エーテルとすることが可能である。このようなオキセタン含有シランの例としては、いくつか挙げるなら、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、または3−(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0058】
アルケニル基の場合、そのような基は、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜14個、特に好ましくは2〜12個の炭素原子を有し得る。エチレン性、すなわち2個の炭素原子が二重結合で結合した基は、好ましくは、分子中のSi原子に対して2位以上に位置する。分岐アルケニルは、好ましくは、1つ以上、好ましくは2つの、C1〜C6アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、任意選択でフッ素化または過フッ素化されたアルキル、アルケニルもしくはアルキニル基でもって、アルファ位またはベータ位で分岐している。
【0059】
アルキニル基の場合、それは、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜14個、特に好ましくは2〜12個の炭素原子を有し得る。エチリン基、すなわち2個の炭素原子が三重結合で結合した基は、好ましくは、分子中のSiまたはM原子に対して2位以上に位置する。分岐アルキニルは、好ましくは、1つ以上、好ましくは2つの、C1〜C6アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、任意選択で過フッ素化されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基でもって、アルファまたはベータ位で分岐している。
【0060】
チオール基の場合、それは、炭素結合スルフヒドリル基を含有する任意の有機硫黄化合物とすることができる。チオール含有シランの例は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。
【0061】
第2の化合物の反応性基は、アルコキシ基とすることが可能である。アルコキシ基のアルキル残基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびt−ブトキシ基等の1〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ基を含む。第2の化合物の特定の例は、数ある中で、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、または3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン等のシランである。
【0062】
第3の化合物は、一緒に重合される第1および第2の化合物と共に提供することができる。第3の化合物は、化学式SiR
9fR
10g(式中、R
9は、反応性基であり、f=1〜4であり、R
10はアルキルまたはアリール基であり、g=4−fである)を有し得る。このような例の1つはテトラメトキシシランである。他の例としては、数ある中で、フェニルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン
、アリルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
【0063】
第1および第2の化合物の重合は、酸触媒を用いて行うことができるが、塩基触媒が好ましい。第1の化合物と第2の化合物の間の塩基触媒重合において使用される塩基触媒は、任意の適切な塩基性化合物とすることが可能である。これらの塩基性化合物の例は、数ある中で、トリエチルアミンのような任意のアミンおよび水酸化バリウム、水酸化バリウム一水和物、水酸化バリウム八水和物等の任意のバリウム水酸化物である。他の塩基性触媒としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、アンモニア、過塩素酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、イミダゾールまたはn−ブチルアミンが挙げられる。1つの特定の例において、塩基触媒はBa(OH)
2である。塩基触媒は、第1および第2の化合物を合わせたものに対して、0.5重量%未満、または0.1重量%未満等のより低い量で提供することができる。
【0064】
重合は、溶融相または液体媒体中で行うことが可能である。温度は約20〜200℃、典型的には約25〜160℃、特に約40〜120℃の範囲である。概して、重合は周囲圧力で行われ、最高温度は使用する任意の溶媒の沸点によって設定される。重合は還流条件で行うことができる。他の圧力および温度も可能である。第1の化合物と第2の化合物のモル比は、95:5〜5:95、特に90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80とすることができる。好ましい例では、第1の化合物と第2の化合物(または第2の化合物と、重合反応に関与する他の化合物(以下参照))のモル比は、少なくとも40:60、さらには45:55またはそれ以上である。
【0065】
一例では、第1の化合物は反応性基として−OH基を有し、第2の化合物は反応性基としてアルコキシ基を有する。好ましくは、添加される第1の化合物の量の−OH基の総数は、第2の化合物の反応性基、例えば、アルコキシ基の総数以下であり、好ましくは、第2の化合物(または第2の化合物と、アルコキシ基を添加された任意の他の化合物、例えば、本明細書で言及するような、重合反応に関与する添加テトラメトキシシランまたは他の第3の化合物)の反応性基の総数未満である。アルコキシ基がヒドロキシル基の数を上回ると、−OH基の全てまたは実質的に全てが反応し、アルコキシシランがメトキシシランであればメタノール、アルコキシシランがエトキシシランであればエタノールなどの−OH基がシロキサンから除去される。第1の化合物の−OH基の数と第2の化合物の反応性基(好ましくは−OH基以外)の数は実質的に同じとすることが可能であるが、第2の化合物の反応性基の総数は、第1の化合物の−OH基を10%以上、好ましくは25%以上上回ることが好ましい。いくつかの実施形態では、第2の化合物の反応性基の数は、第1の化合物の−OH基の数を40%以上、またはさらには60%以上、75%以上、または100%以上も上回る。選択された化合物に依存する重合反応のメタノール、エタノールまたは他の副生成物は、重合後に除去され、好ましくは乾燥室で蒸発させる。
【0066】
得られたシロキサンポリマーは、任意の所望の(重量平均)分子量、例えば500〜100,000g/molを有する。分子量は、この範囲の下限側(例えば、500〜10,000g/mol、またはより好ましくは500〜8,000g/mol)でもよいし、オルガノシロキサン材料は、この範囲の上限側(10,000〜100,000g/mol、またはより好ましくは15,000〜50,000g/mol等)の分子量を有してもよい。低分子量のポリマーオルガノシロキサン材料を、より高分子量のオルガノシロキサン材料と混ぜることが望ましい場合もある。
【0067】
次に、得られたシロキサンポリマーを、ポリマーの所望の最終用途に応じて追加の成分と組み合わせることができる。好ましくは、シロキサンポリマーを、100ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満などの50ミクロン未満の平均粒子径の粒子を有する粒子状充填剤などの充填剤と組み合わせて組成物を形成する。シロキサン材料の所望の最終用途に応じて、触媒、または硬化剤、1つもしくは複数のカップリング剤、分散剤、酸化防止剤、安定剤、接着促進剤、および/または他の所望の成分などの追加の成分を、組成物の一部とすることができる。一例では、酸化表面をその金属形態へ還元することができる還元剤が含まれる。還元剤は、シロキサン粒子材料とそれが堆積または付着する表面との間の電気的接続を向上させるように、粒子が表面酸化を有する金属粒子である場合は、粒子から酸化を除去し、および/または、金属結合パッドもしくは酸化された他の金属もしくは導電性領域などから酸化を除去することが可能である。還元剤または安定剤としては、エチレングリコール、ベータ−D−グルコース、ポリエチレンオキシド、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ポリアクリル酸ナトリウム(PSA)、ポリアクリル酸を有するベータシクロデキストリン、ジヒドロキシベンゼン、ポリビニルアルコール、1,2−プロピレングリコール、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、ヒドロキノン類、没食子酸、ピロガロール、グリオキサール、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド、脂肪族ジアルデヒド類、パラホルムアルデヒド、錫粉末、亜鉛粉末、ギ酸が挙げられる。安定剤などの添加剤、例えば、(以下に記載するような)Irganox(登録商標)などの抗酸化剤またはジアジン誘導体を添加することも可能である。
【0068】
架橋シリコンまたは非シリコン系樹脂およびオリゴマーを用いて、シロキサンポリマー間の架橋を高めることが可能である。添加する架橋オリゴマーまたは樹脂の機能は、シロキサンポリマーの機能により選択される。例えば、エポキシ系アルコキシシランを、シロキサンポリマーの重合時に使用する場合、エポキシ官能性オリゴマーまたは樹脂を用いることができる。エポキシオリゴマーまたは樹脂は、任意のジ、トリ、テトラ、またはより大きい官能性エポキシオリゴマーまたは樹脂とすることができる。これらのエポキシオリゴマーまたは樹脂の例としては、いくつか挙げるなら、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ビス2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ビスグリシドキシプロピル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジグリシジル 1,2−シクロヘキサンカルボシキレートが挙げられる。
【0069】
最終配合物に添加される硬化剤は、シロキサンポリマー中の官能基の硬化プロセスを開始および/または加速することが可能な任意の化合物である。これらの硬化剤は、熱および/またはUV活性化され得る。上述したように、シロキサンポリマーの架橋性基は、好ましくは、エポキシド、オキセタン、アクリレート、アルケニルまたはアルキニル基である。硬化剤は、シロキサンポリマーの架橋性基に基づいて選択される。
【0070】
一実施形態では、エポキシおよびオキセタン基向けの硬化剤は、活性がブロックされたまたは減少したことを示す第1級および/または第2級アミンなどの窒素含有硬化剤から選択することが可能である。定義「活性がブロックされたまたは減少したことを示す第1級または第2級アミン」は、化学的または物理的なブロックにより樹脂成分と反応することができないまたは非常に低い反応性しか持たないが、例えば、高温でそれを溶解することにより、鞘またはコーティングの除去により、圧力または超音波または他のエネルギータイプの作用により、アミンの解放後、その反応性を復活させて、樹脂成分の硬化反応を開始することができるアミンを意味する。
【0071】
熱活性化可能な硬化剤の例としては、少なくとも1つの有機ボランまたはボランと、少なくとも1つのアミンとの錯体が挙げられる。アミンは、有機ボランおよび/またはボランを錯化し、所望であれば分解して有機ボランまたはボランを遊離させることが可能な任意のタイプのアミンとすることができる。アミンは、様々な構造、例えば任意の第1級アミンもしくは第2級アミン、または、第1級アミンおよび/もしくは第2級アミンを含有するポリアミンを含み得る。有機ボランは、アルキルボランから選択することが可能である。これらの特に熱に好ましいボランの例は、三フッ化ホウ素である。適切なアミン/(有機)ボラン錯体は、King Industries、AiR Products、およびATO−Tech等の商業的供給元から入手可能である。
【0072】
エポキシ基向けの他の熱活性化硬化剤は、高温で強酸を放出してエポキシの架橋反応を触媒することが可能な熱酸発生剤である。これらの熱酸発生剤は、例えば、BF
4−、PF
6−、SbF
6−、CF
3SO
3−および(C
6F
5)
4B
−のタイプの錯アニオンを有するスルホニウムおよびヨードニウム塩のような任意のオニウム塩とすることが可能である。これらの熱酸発生剤の市販例は、King Industries製のK−PURE CXC−1612およびK−PURE CXC−1614である。
【0073】
さらに、エポキシおよび/またはオキセタン含有ポリマーに関して、例えば、無水物、アミン、イミダゾール、チオール、カルボン酸、フェノール、ジシアンジアミド、尿素、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、トリ−アリールスルホニウム塩、ジ−アリールヨードニウム塩、およびジアゾニウム塩等の、接着剤配合物の硬化に関与するかまたは促進するように設計された硬化剤、共硬化剤、触媒、開始剤または他の添加剤を使用することが可能である。
【0074】
アクリレート、アルケニルおよびアルキニル架橋性基に対し、硬化剤は、熱活性化またはUV活性化され得る。熱活性化の例は、ペルオキシドおよびアゾ化合物である。ペルオキシドは、不安定な酸素−酸素単結合を含有する化合物であり、これは均等開裂によって反応性ラジカルに容易に分割される。アゾ化合物は、窒素ガスと2つの有機ラジカルに分解され得るR−N=N−R官能基を有する。これらの場合の両方において、ラジカルはアクリレート、アルケニルおよびアルキニル結合の重合を触媒することが可能である。ペルオキシドおよびアゾ化合物の例は、いくつか挙げるなら、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、ジフェニルジアゼン、ジエチルアゾジカルボキシレート、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)である。
【0075】
光開始剤は、光に当てられるとフリーラジカルに分解し、それゆえ、アクリレート、アルケニルおよびアルキニル化合物の重合を促進することが可能な化合物である。これらの光開始剤の市販例は、BASF製のIrgacure(登録商標)149、Irgacure184、Irgacure369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure784、Irgacure819、Irgacure907、Irgacure1700、Irgacure1800、Irgacure1850、Irgacure2959、Irgacure1173、Irgacure4265である。
【0076】
硬化剤を系に組み込む1つの方法は、硬化剤または硬化剤として作用することが可能な官能基をシランモノマーに結合させることである。したがって、硬化剤は、シロキサンポリマーの硬化を促進する。シランモノマーに結合したこれらの種類の硬化剤の例は、いくつか挙げるなら、γ−イミダゾリルプロピルトリエトキシシラン、γ−イミダゾリルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−(トリメトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、および3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0077】
接着促進剤は、組成物の一部とすることが可能であり、硬化生成物と、生成物が適用された表面との間の接着性を高めることが可能な任意の適切な化合物とすることが可能である。最も一般的に使用される接着促進剤は、アルコキシシランおよび1〜3個の官能基を有する官能性シランである。ダイアタッチ製品に使用される接着促進剤の例は、オクチルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、または3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとすることが可能である。
【0078】
形成される重合シロキサンは、ケイ素含有出発物質に応じた有機官能基を有する、[Si−O−Si−O]
n繰り返し骨格(つまり、式[Si−O−Si−O]の繰り返し単位骨格)を有するだろう。しかしながら、[Si−O−Si−C]
nまたはさらには[Si−O−Me−O]
n(Meは金属である)骨格を達成することも可能である。式中、nは、典型的には1〜1,000,000、特に1〜100,000、例えば、1〜10,000またはさらには1〜5,000もしくは1〜1,000の整数である。
【0079】
[Si−O−Si−C]骨格を得るために、式R
23−aR
1aSiR
11SiR
1bR
23−bを有する化学物質を、上述のような第1、第2および第3の化合物もしくはこれらの任意の組み合わせまたは1000g/mol未満の分子量を有するそのオリゴマーと共に重合することが可能であり、式中、aは1〜3であり、bは1〜3であり、R
1は上で説明したような反応性基であり、R
2はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコール、カルボン酸、ジカルボン酸、アリール、ポリアリール、多環式アルキル、ヘテロ環式脂肪族、ヘテロ環式芳香族基であり、R
11は、独立して、アルキル基またはアリール基である。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,2−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシルシリル)エタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシルシリル)エタン、1,3−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)プロパン、1,3−ビス(トリメトキシルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシルシリル)プロパン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ブタン、1,4−ビス(トリメトキシルシリル)ブタン、1,4−ビス(ジメトキシメチルシリル)ブタン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ブタン、1,4−ビス(トリエトキシルシリル)ブタン、1,5−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ペンタン、1,5−ビス(トリメトキシルシリル)ペンタン、1,5−ビス(ジメトキシメチルシリル)ペンタン、1,5−ビス(メトキシジメチルシリル)ペンタン、1,5−ビス(トリエトキシルシリル)ペンタン、1,6−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリメトキシルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(ジメトキシメチルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(メトキシジメチルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリエトキシルシリル)ヘキサン、1,4−ビス(トリメトキシルシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシルシリル)ナフタレン、ビス(トリメトキシルシリル)アントラセン、ビス(トリメトキシルシリル)フェナントレン、ビス(トリメトキシルシリル)ノルボルネン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼン、および1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンである。
【0080】
[Si−O−Si−C]骨格を得るための一実施形態では、式R
53−(c+d)R
4dR
3cSiR
11SiR
3eR
4fR
53−(e+f)を有する化合物を、本明細書で記載するような第1、第2、および第3の化合物もしくはこれらの任意の組み合わせ、または1000g/mol未満の分子量を有するそれらのオリゴマーと一緒に重合させ、式中、R
3は架橋性官能基であり、R
4は反応性基であり、R
5はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコール、カルボン酸、ジカルボン酸、アリール、ポリアリール、多環式アルキル、ヘテロ環式脂肪族、ヘテロ環式芳香族基であり、R
12は独立してアルキル基またはアリール基であり、c=1〜2、d=1〜(3−c)、e=1〜2、f=1〜(3−e)である。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,2−ビス(エテニルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(エチニルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(エチニルジメトキシ)エタン、1,2−ビス(3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシリル]エタン、1,2−ビス(プロピルメタクリレートジメトキシシリル)エタン、1,4−ビス(エテニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシリル]ベンゼン、1,4−ビス(プロピルメタクリレートジメトキシシリル)ベンゼンである。
【0081】
一実施形態では、分子式R
1aR
2bR
33−(a+b)Si−O−SiR
22−O−SiR
1aR
2bR
33−(a+b)(式中、R
1は上で説明したような反応性基であり、R
2は、上で説明したようなアルキルまたはアリールであり、R
3は上で説明したような架橋性官能基であり、a=0〜3、b=0〜3である)を有するシロキサンモノマーを、先に言及したシランと重合させるか、または最終配合物に添加剤として添加する。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,3,3,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,1、5,5−テトラエトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジビニル−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジメチル−3,3−ジイソプロピルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジエトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ビス(メルカプトプロピル)−1,1,5,5−テトラメトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジビニル−1,1,5,5−テトラメトキシ−3−フェニル−3−メチルトリシロキサン、1,5−ジビニル−1,1,5,5−テトラメトキシ−3−シクロヘキシル−3−メチルトリシロキサン、1,1,7,7−テトラメトキシ−1,7−ジビニル−3,3,5,5−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,7,7−テトラエトキシ−3,3,5,5−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラエトキシ−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−(3−グリシドキシプロピル)−3、3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−(3−グリシドキシプロピル)−3,3−ジフェニルトリシロキサンである。
【0082】
(上記のようなシロキサン材料の重合後に)組成物に添加される添加剤は、式R
1aR
2bSiR
34−(a+b)を有するシラン化合物とすることが可能であり、式中、R
1はヒドロキシル、アルコキシまたはアセチルオキシのような反応性基であり、R
2はアルキルまたはアリール基であり、R
3は、エポキシ、オキセタン、アルケニル、アクリレートまたはアルキニル基のような架橋性化合物であり、a=0〜1、b=0〜1である。このような添加剤の例は、トリ−(3−グリシドキシプロピル)フェニルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]フェニルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)フェニルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)フェニルシラン、テトラ−(3−グリシドキシプロピル)シラン、テトラ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]シラン、テトラ−(3−メタクリロキシプロピル)シラン、テトラ−(3−アクリロキシプロピル)シラン、トリ−(3−グリシドキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]p−トリルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−(3−グリシドキシプロピル)ヒドロキシルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]ヒドロキシルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)ヒドロキシルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)ヒドロキシルシランである。
【0083】
添加剤は、また、主ポリマーマトリックスと反応しても反応しなくてもよく、それゆえ、可塑剤、軟化剤、またはシリコーンのようなマトリックス修飾剤として作用する、任意の有機ポリマーまたはシリコーンポリマーとすることが可能である。添加剤は、また、SiOx、TiOx、AlOx、TaOx、HfOx、ZrOx、SnOx、ポリシラザン等の無機重縮合物とすることが可能である。
【0084】
粒子状充填剤は、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、銀めっき銅、銀めっきアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマス−スズ合金、銀めっき繊維、ニッケルめっき銅、銀およびニッケルをめっきした銅、金めっき銅、金およびニッケルをめっきした銅などの導電性材料とすることができ、またはそれは、金、銀−金、銀、ニッケル、スズ、白金、チタンめっきポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリスチレンもしくはシリコーンなどとすることができるが、これらに限定されない。充填剤は、また、シリコン、n型またはp型ドープシリコン、GaN、InGaN、GaAs、InP、SiC等の半導体材料とすることが可能だが、これらに限定されない。さらに、充填剤は、量子ドットまたは表面プラズモン粒子または燐光体粒子とすることが可能である。Ge、GaP、InAs、CdSe、ZnO、ZnSe、TiO2、ZnS、CdS、CdTe等の他の半導体粒子または量子ドットも可能である。
【0085】
充填剤は、金、銀、銅、白金、パラジウム、インジウム、鉄、ニッケル、アルミニウム、炭素、コバルト、ストロンチウム、亜鉛、モリブデン、チタニウム、タングステン、銀めっき銅、銀めっきアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマス−スズ合金、銀めっき繊維、銀めっき合金、またはこれらの組み合わせから選択されるような、任意の適切な金属または半金属である粒子とすることが可能である。半金属およびメタロイドと同様に、遷移金属粒子(初期遷移金属であれ後期遷移金属であれ)である金属粒子が想定される。ヒ素、アンチモン、テルル、ゲルマニウム、シリコン、およびビスマス等の半金属またはメタロイドの粒子が想定される。
【0086】
または、あるいは、粒子は、シリカ、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、シリカで被覆された窒化アルミニウム、硫酸バリウム、三水和アルミナ、窒化ホウ素等の非導電性材料とすることができる。充填剤は、粒子またはフレークの形態とすることが可能であり、マイクロサイズまたはナノサイズとすることが可能である。充填剤は、金属の窒化物、酸窒化物、炭化物およびオキシ炭化物であるセラミック化合物粒子を含み得、または、半金属も可能である。特に、充填剤は、ケイ素、亜鉛、アルミニウム、イットリウム、イッテルビウム、タングステン、チタンシリコン、チタン、アンチモン、サマリウム、ニッケル、ニッケルコバルト、モリブデン、マグネシウム、マンガン、ランタニド、鉄、インジウムスズ、銅、コバルトアルミニウム、クロム、セシウムまたはカルシウムの酸化物であるセラミック粒子である粒子とすることが可能である。
【0087】
炭素を含み、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、ダイヤモンド、炭窒化ケイ素、炭窒化チタン、カーボンナノバッドおよびカーボンナノチューブから選択される粒子も可能である。充填剤の粒子は、炭化鉄、炭化ケイ素、炭化コバルト、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、炭化クロム、炭化チタンまたは炭化モリブデンなどの炭化物粒子とすることが可能である。その代りに、粒子は、窒化アルミニウム、窒化タンタル、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化銅、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化鉄、窒化ケイ素、窒化インジウム、窒化ガリウムまたは窒化炭素などの窒化物粒子とすることが可能である。
【0088】
最終用途に応じて、任意の適切なサイズの粒子を使用することが可能である。多くの場合、100ミクロン未満、好ましくは50未満またはさらには20ミクロンの平均粒子径を有する小粒子が使用される。1ミクロン未満、または、例えば、1〜500nm、例えば200nm未満、例えば1〜100nm、もしくはさらには10nm未満のサブミクロン粒子も想定される。他の例では、5〜50nm、または15〜75nm、100nm未満、または50〜500nmの平均粒子径を有する粒子を提供する。細長いウィスカー、シリンダー、ワイヤおよび他の細長い粒子、例えば、アスペクト比が5:1以上または10:1以上のもののように、実質的に球形または四角い、または平らな円盤状(滑らかなエッジもしくは粗いエッジ付き)の外観を有するフレークなどの、細長くない粒子も可能である。ナノワイヤおよびナノチューブなどの非常に高いアスペクト比を有する非常に細長い粒子も可能である。ナノワイヤまたはナノチューブの高アスペクト比は、25:1以上、50:1以上、またはさらには100:1以上とすることが可能である。ナノワイヤまたはナノチューブの平均粒子径は、長さが最大で数センチメートルと非常に長いため、最小寸法(幅または直径)を基準とする。本明細書で使用する場合、「平均粒子径」という用語は、粒子の50体積%がその値よりも小さい直径を有する、累積体積分布曲線のD50値を指す。
【0089】
粒子は、本明細書の他で言及した粒子の混合物とすることが可能であり、200nm超の平均粒子径を有する粒子の第1群が、200nm未満の平均粒子径を有する粒子の第2群と共に提供され、例えば、前記第1群は500nm超の平均粒子径を有し、第2群は100nm未満の平均粒子径を有する(例えば1ミクロン超の第1群の平均粒子径、50nm未満またはさらには25nm未満の第2群の粒子径)。より小さい粒子の融点はより大きい粒子よりも低く、プラスミクロンサイズを有する同じ材料の粒子または塊よりも低い温度で溶解または焼結する。一例では、より小さい粒子は1ミクロン未満の平均粒子径を有し、同じ材料の混合平均温度未満の温度で溶解または焼結する。選択した粒子材料および平均粒子径に応じて、溶解温度および焼結温度は異なるだろう。
【0090】
一例として、非常に小さい銀ナノ粒子は120℃未満で溶解し、さらに低い温度で焼結する。したがって、所望であれば、より小さい粒子は、シロキサンポリマー材料の完全なる架橋および硬化の前に、より大きい粒子と結合した溶解または焼結粒子の網を形成するように、ポリマー硬化温度と等しいまたはより低い溶解温度または焼結温度を有することが可能である。一例では、より小さい粒子が、130℃未満の温度で、例えば120℃未満でより大きい粒子と共に溶解もしくは焼結し、またはさらには、110℃未満で焼結する一方、シロキサン材料はより高い温度で実質的に架橋し、例えば、110℃未満で焼結または溶解するが、110℃超で実質的に重合するか、または、例えば、120℃(もしくは130℃)未満で実質的に焼結または溶解するが、120℃(もしくは130℃)超で実質的に重合する。シロキサン材料の実質的な重合の前により小さい粒子を焼結または溶解することは、形成される金属「ラチス」のより大きな相互接続性を可能にし、これは、硬化層の最終導電性を高める。より小さい粒子を実質的に焼結または溶解する前に実質的に重合することは、形成される金属「ラチス」の量を減少させ、最終硬化層の導電性を低下させる。当然、より小さい平均粒子径、例えば、サブミクロン径の粒子のみを提供することも可能であり、これは、大量の同じ材料(または、例えば、1ミクロン超の平均粒子径を有する同じ粒子)と比較し、より低い焼結点および融点という利点をさらに達成することが可能である。
【0091】
充填剤とシロキサンポリマーとの結合を高めるために、カップリング剤を使用することが可能である。このカップリング剤は、充填剤とポリマーの間の接着力を増大させ、そのため最終生成物の熱伝導率および/または導電率を高めることが可能である。カップリング剤は、式R
13hR
14iSiR
15jを有する任意のシランモノマーとすることができ、式中、R
13は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アセチルまたはアセチルオキシのような反応性基であり、R
14はアルキルまたはアリール基であり、R
15は、エポキシ、無水物、シアノ、オキセタン、アミン、チオール、アリル、アルケニルまたはアルキニルを含む官能基であり、h=0〜4、i=0〜4、j=0〜4、h+i+j=4である。カップリング剤は、最終生成物を調製する際に充填剤、シロキサンポリマー、硬化剤、および添加剤と直接混ぜてもよく、充填剤粒子を、粒子と混ぜる前にカップリング剤で処理してもよい。
【0092】
粒子を最終配合で使用する前にカップリング剤で処理する場合、アルコール溶液からの沈着、水溶液からの沈着、充填剤へのバルク沈着および無水液相沈着のような異なる方法を用いることが可能である。アルコール溶液からの沈着では、アルコール/水溶液を調製し、その溶液のpHをわずかに酸性(pH4.5−5.5)に調整する。この溶液にシランを加え、数分間混ぜて部分的に加水分解させる。次に、充填剤粒子を添加し、その溶液を室温から還流温度まで種々の時間混ぜる。混合後、粒子を濾過し、エタノールですすぎ、オーブン中で乾燥させてカップリング剤で表面処理された粒子を得る。水溶液からの沈着は、アルコール溶液からの沈着と比較し同様であるが、アルコールの代わりに、純水が溶媒として使用される。官能化アミンを使用しない場合は、酸によりpHを再び調整する。粒子を水/シラン混合物と混ぜた後、粒子を濾過し、すすぎ、乾燥させる。バルク堆積法とは、シランカップリング剤を水やpH調整を用いずに、溶媒と混ぜる方法である。充填剤粒子を、スプレーコーティングのような異なる方法を用いてシランアルコール溶液でコーティングし、次いでオーブン中で乾燥させる。
【0093】
無水液相沈着では、シランをトルエン、テトラヒドロフランまたは炭化水素のような有機溶媒と混ぜ、充填剤粒子をこの溶液中で還流させ、余分な溶媒を真空または濾過によって除去する。その後、オーブン中で粒子を乾燥させることもできるが、時には、それは、還流条件下で粒子と充填剤の間の直接反応のために必要でない。
【0094】
このようなシランカップリング剤の例は、いくつか挙げるなら、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、1−トリメトキシシリル−2(p,m−クロロメチル)フェニルエタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレア、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランである。
【0095】
添加される粒子のタイプに応じて、シロキサン−粒子硬化最終生成物は、最終的な熱またはUV硬化後の熱伝導率が0.5ワット/メートルケルビン(W/(m・K))より大きいような熱伝導性の層または膜となり得る。選択された粒子のタイプに応じて、より高い熱伝導率の材料が可能である。シロキサン組成物中の金属粒子は、2.0W/(m・K)より大きい、例えば4.0W/(m・K)より大きい、またはさらには10.0W/(m・K)より大きい熱伝導率を有する硬化最終膜となり得る。最終用途に応じて、50.0W/(m・K)より大きい、またはさらには100.0W/(m・K)より大きいなどの、より高い熱伝導率が望ましい場合がある。しかし、他の用途では、粒子は、所望であれば、低熱伝導率を有する材料になるように選択することができる。
【0096】
最終硬化生成物は、好適には200Ω/□未満、より好適には100Ω/□未満、例えば50Ω/□未満などの堆積薄膜シート抵抗などの、低電気抵抗率を有し得る。しかしながら、材料の所望の最終用途のいくつかは、本明細書で言及するように、電気抵抗率が高い場合がある。
【0097】
ある場合には、特に、組成物が光学的特性を必要とするデバイスに適用される場合は、ある場合には最終硬化シロキサンが光学的吸収特性を有することが望ましい場合もあるものの、材料が可視スペクトル(または最終デバイスが動作するスペクトル)の光に対し透過性が高いことが望ましい、または、可視スペクトル(またはデバイスが動作するスペクトル)の光に対し反射性が高いことが望ましい可能性が高い。透明材料の例として、1〜50ミクロンの厚さを有する最終硬化層は、それに垂直に入射する可視光の少なくとも85%を透過するか、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92.5%、最も好ましくは少なくとも95%を透過するだろう。反射層の一例としては、最終硬化層は、それに入射する光の少なくとも85%を反射することが可能であり、好ましくはそれに90°の角度で入射する光の少なくとも95%を反射することが可能である。
【0098】
本発明の材料はまた、安定剤および/または酸化防止剤を含有し得る。これらの化合物は、熱、光、または原料由来の残留触媒等によって誘発された酸素との反応によって引き起こされる分解から、材料を保護するために添加される。
【0099】
本明細書に含まれる適用可能な安定剤または酸化防止剤の中には、高分子量ヒンダードフェノールおよび硫黄とリンを含有するフェノールなどの多官能性フェノールがある。ヒンダードフェノールは当業者に周知であり、そのフェノール性ヒドロキシル基のすぐ近くに立体的に嵩高い基も含有するフェノール化合物として特徴付けることができる。特に、tert−ブチル基は、概して、フェノール性ヒドロキシル基に対してオルト位の少なくとも1つにおいてベンゼン環に置換されている。ヒドロキシル基の近くにおけるこれらの立体的に嵩高い置換基の存在は、その伸長頻度が遅くし、それに応じてその反応性を低下させるように機能し;こうして、この障害はフェノール化合物にその安定化特性を提供する。代表的なヒンダードフェノールとしては、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン;ペンタエリスリチルテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;4,4’−メチレンビス(2,6−tert−ブチル−フェノール);4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチル−チオ)−1,3,5トリアジン;ジ−n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート;およびソルビトールヘキサ[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオネート]が挙げられる。酸化防止剤の市販例は、例えばBASF社製のIrganox 1035、Irganox 1010、Irganox 1076、Irganox 1098、Irganox 3114、Irganox PS800、Irganox PS802、Irgafos(登録商標) 168である。
【0100】
シロキサンポリマーと充填剤との間の重量比は、生成物の最終用途に応じて100:0〜5:95の間である。シロキサンポリマーと架橋シリコンまたは非シリコン系の樹脂もしくはオリゴマーとの間の比は、100:0〜75:25の間である。シロキサンポリマー量から計算される硬化剤の量は0.1〜20%である。配合物の総量を基準とした接着促進剤の量は、0〜10%である。配合物の総重量を基準とした抗酸化剤の量は、0〜5%である。
【0101】
シロキサン粒子組成物は、様々な領域で使用することが可能である。それは、いくつか挙げるなら、半導体パッケージングにおけるはんだバンプなどはんだ付け、プリンテッド・エレクトロニクス、OLEDの低仕事関数陰極インク、ITO置換インク、金属メッシュおよび他の電極、高解像度光起電ペースト、LMO陰極ペースト、光電池、パワーエレクトロニクスおよびEMI、タッチセンサおよび他のディスプレイ、熱またはUV硬化性封入剤または誘電体の代わりに、エレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクスパッケージング、LEDおよびOLEDのフロントエンドおよびバックエンド処理、3D、光起電性およびディスプレイメタライゼーションにおける接着剤または封入剤として使用することが可能である。
【0102】
硬化機構および触媒の活性化のタイプに応じて、最終配合物は、通常、材料をより高い温度に加熱することによって硬化される。例えば、熱酸発生剤を使用する場合、材料を特定の時間オーブン中に置く。UV光などの電磁放射線による硬化も可能である。
【0103】
第1および第2の化合物の重合から形成されるシロキサンポリマーの分子量は、約300〜10,000g/mol、好ましくは約400〜5000g/mol、より好ましくは約500〜2000g/molである。ポリマーは、好ましくは100ミクロン未満、より好ましくは50ミクロン未満、またはさらには20ミクロン未満の平均粒子径を有する、任意の所望のサイズの粒子と組み合わせる。シロキサンポリマーは10〜90重量%で添加し、粒子は1〜90重量%で添加する。シロキサン材料の最終用途が光学的透明性を必要とする場合、粒子は、より低い重量パーセント、例えば1〜20重量%で添加されるセラミック粒子とすることができる。シロキサン材料を、半導体パッケージなどの導電性が望まれる場所で用いる場合、粒子は、60〜95重量%で添加される金属粒子とすることができる。
【0104】
第1および第2の化合物の重合を行い、粒子と混ぜて50〜100000mPa−sec、好ましくは1000〜75000mPa−sec、より好ましくは5000〜50000mPa−secの粘度を有する粘性流体を形成する。粘度は、ブルックフィールドまたはコール・パーマー(Cole−Parmer)粘度計などの粘度計で測定することが可能であり、これは流体試料中の円盤または円柱を回転させ、誘起された運動に対する粘性抵抗に打ち勝つために必要なトルクを測定する。回転は、1〜30rpm、好ましくは5rpm等の任意の所望の速度とすることが可能であり、好ましくは測定される材料は25℃である。
【0105】
重合後、任意の追加の所望の成分、例えば粒子、カップリング剤、硬化剤等を組成物に添加することが可能である。組成物は、容器に入れた粘性材料として顧客に輸送され、冷蔵または冷凍の必要がなく、周囲温度で輸送することができる。最終製品として、材料は、典型的には熱硬化またはUV硬化されて、固体硬化ポリマーシロキサン層を形成する、上記の様々な用途で適用することが可能である。
【0106】
本明細書に開示される組成物は、好ましくは、任意の実質的な溶媒を含まない。硬化剤または他の添加剤を、重合粘性材料と混ぜるなどのために、溶媒を一時的に添加することができる。このような場合には、例えば、硬化剤を溶媒と混ぜて流体材料を形成し、次いで、それを、粘性シロキサンポリマーと混ぜることが可能である。しかしながら、実質的に溶媒を含まない組成物が、顧客への輸送と、後の顧客のデバイスへの適用に望ましいことから、一時的に添加された溶媒は乾燥チャンバ内で除去する。しかし、組成物は実質的には溶媒を含まないものの、乾燥プロセス中に除去できなかった微量の溶媒が残っていることがある。この溶媒除去は、最終硬化プロセス時の収縮を減少させるとともに、デバイスの寿命期間中の経時的な収縮を最小限に抑えることによって、本明細書に開示する組成物の堆積を助け、ならびにデバイスの寿命期間中の材料の熱安定性を補助する。
【0107】
組成物の最終用途、組成物の所望の粘度、および含まれる粒子を知って、粒子および他の成分を有する組成物に組み込まれた際、続く顧客への送達向けに所望の最終特性が達成されるように、シロキサンポリマー(出発化合物、分子量、粘度等)を微調整することが可能である。組成物の安定性のために、製造から顧客による最終使用までの1週間、またはさらには1ヶ月の期間の後でさえ、分子量または粘度の実質的な変化なく周囲温度で組成物を輸送することが可能である。
【実施例】
【0108】
以下のシロキサンポリマーの例は、説明のために提供しており、限定することを意図するものではない。
【0109】
シロキサンポリマーの粘度をブルックフィールド粘度計(スピンドル14)によって測定した。ポリマーの分子量は、Agilent GPCにより測定した。
【0110】
シロキサンポリマーi:撹拌棒および還流冷却器を備えた500mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(60g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(55.67g、36.7mol%)およびテトラメトキシシラン(17.20g、18.3mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.08gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、1000mPasの粘度および1100のMwを有した。
【0111】
シロキサンポリマーii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(30g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(28.1g、37mol%)およびジメチルジメトキシシラン(6.67g、18mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.035gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、2750mPasの粘度および896のMwを有した。
【0112】
シロキサンポリマーiii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(24.5g、50mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(18.64g、33.4mol%)およびテトラメトキシシラン(5.75g、16.7mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.026gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、7313mPasの粘度および1328のMwを有した。
【0113】
シロキサンポリマーiv:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(15g、50mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(13.29g、38.9mol%)およびビス(トリメトキシシリル)エタン(4.17g、11.1mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.0175gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、1788mPasの粘度および1590のMwを有した。
【0114】
シロキサンポリマーv:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(15g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(13.29g、35mol%)およびビニルトリメトキシシラン(4.57g、20mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.018gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、1087mPasの粘度および1004のMwを有した。
【0115】
シロキサンポリマーvi:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジイソプロピルシランジオール(20.05g、55.55mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(20.0g、33.33mol%)およびビス(トリメトキシシリル)エタン(7.3g、11.11mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.025gをシラン混合物に滴下した。ジ
イソプロピルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、150mPasの粘度および781のMwを有した。
【0116】
シロキサンポリマーvii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジイソブチルシランジオール(18.6g、60mol%)および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(17.32g、40mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.019gをシラン混合物に滴下した。ジ
イソブチルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、75mPasの粘度および710のMwを有した。
【0117】
〔組成物例〕
以下の組成物の例は、例示のために提供するものであり、本発明を限定することを意図しない。
【0118】
組成物例1、銀充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(18.3g、18.3%)、平均径(D50)が4マイクロメートルの銀フレーク(81g、81%)、3−メタクリレートプロピルトリメトキシシラン(0.5g、0.5%)およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.2%)を高せん断ミキサーを用いて混ぜた。組成物の粘度は15000mPsである。
【0119】
組成物例2、アルミナ充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(44.55、44.45%)、平均径(D
50)が0.9マイクロメートルの酸化アルミニウム(53g、53%)、3−メタクリレートプロピルトリメトキシシラン(1g、1%)、Irganox 1173(1g、1%)、およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.45g、0.45%)を3本のロールミルを用いて一緒に混ぜた。組成物の粘度は20000mPsである。
【0120】
組成物例3、BN充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(60g、60%)、平均径(D50)が15マイクロメートルの窒化ホウ素板状体(35g、35%)、Irganox 1173(1.3g、1.3%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(3.4g、3.4%)、およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.3g、0.3%)を3本のロールミルを用いて混ぜた。組成物の粘度は25000mPsである。
【0121】
組成物例4、半透明材料:官能基としてのメタクリレートを有するシロキサンポリマー(89g、89%)、平均径(D50)が0.007マイクロメートルのヒュームドシリカ(5g、5%)、Irganox 1173(2g、2%)およびIrgacure 917光開始剤(4g、4%)を3本のロールミルを用いて混ぜた。組成物の粘度は25000mPsである。
【0122】
組成物例5、透明物質:ジフェニルシランジオール(20.0g、92mmol)、9−フェナントレニルトリメトキシシラン(16.6g、56mmol)、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(9.2g、37mmol)およびメタノール中のBaO(25mg)を、100mLフラスコに入れ、1時間還流した。揮発性物質を減圧下で蒸発させた。透明なポリマー樹脂(37g)が得られた。
【0123】
組成物例6、高屈折率材料:実施例X1に記載したように調製した、高屈折率を有するポリマー樹脂8.6gを、50%の固形分量を有する1,2−プロパンジオールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中のZrO
2ナノ粒子溶液5.7gとブレンドした。光開始剤0.26g(BASF製のDarocur(登録商標) 1173)、接着促進剤としてのオリゴマー状の3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン0.4g、および界面活性剤(BYK Chemie製のBYK−307)20mgを溶液に添加した。
【0124】
得られた材料を、2000rpmで、100mmシリコンウエハの上にスピンコーティングした。膜をホットプレート上で80℃で5分間焼き、3000mJ/cm2の線量でUV硬化した。ポリマー樹脂とZrO2ナノ粒子の重量比を変えることにより、屈折率を調整した。
【0125】
【表1】
【0126】
所望であれば、屈折率を、選択したシロキサン粒子材料に基づいて選択することが可能である。1.20〜2.0の屈折率、例えば、1.4〜1.7または他の所望の数字(1.5〜1.9、1.25〜1.45等)を提供することが可能であり、屈折率は波長632.8nmで測定する。より高い屈折率、例えば、1.6〜2.0などのガラスより高い屈折率を、シロキサンポリマーに重合される金属含有モノマーを提供することにより達成することが可能である。上記のように、[Si−O−Me−O]
n(式中、Meは金属である)骨格を達成することが可能であり、nの意味は、好適には、上記と同じである。数ある中で、チタン、タンタル、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムまたはセレンなどの金属を有する、金属含有モノマーは、屈折率を高める助けとなり得る。このような金属含有モノマーは、先に述べたような第1、第2、または第3の化合物の代わりに、または、それへの追加として、用いることが可能である。
【0127】
また、(上記のシロキサンポリマーへの金属の組み込みの代わりの、またはそれに加えた)粒子の選択に基づいて、屈折率を高めることが可能である。数ある中で、チタン、タンタル、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムまたはセレンの酸化物などの特定の酸化物粒子は、屈折率を高める助けとなり得る。加えて、シロキサンポリマーへの粒子の組み込みを改善するカップリング剤は、屈折率の上昇の助けとなるように選択することが可能である。一例として、カップリング剤は化学式(R
16Ar)
iSiR
1jを有し、式中、i=1または2、j=4−Iであり、R
16は、熱またはUV光の適用時にシロキサンポリマーと架橋する官能性架橋基であり、Arはアリール基であり、R
1は反応性基、例えば、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシル、アミン、またはアクリルオキシ基である。このような化合物は、1つまたは2つのアリール基(このアリール基は架橋性置換基を有する)に結合したシリコン原子を含み、シリコン原子は、また、2つまたは3つの反応性基、好ましくはアルコキシ基に結合している。アリール基は、フェニル、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等とすることが可能であり、R
16官能性架橋基は、エポキシ、アクリレート、ビニル、アリル、アセチレン、アルコール、アミン、チオール、シラノール等とすることが可能である。架橋剤は、また、シリコンの代わりに、金属原子、例えば、チタン、タンタル、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムまたはセレン等を有するように選択することができる。
【0128】
図9に見られるように、本明細書に開示する硬化シロキサン粒子材料の屈折率を光の波長に対しプロットする。各グラフはシロキサン材料の一部として異なる量の粒子―組成物に添加された粒子無しから75%充填まで―を有する。
図9に見られるように、可視スペクトルで1.60以上の屈折率は、粒子を含まずに達成することが可能であり、可視スペクトルで1.70以上の屈折率は、この例の粒子を用いて達成することが可能である。
図10に見られるように、シロキサン材料の透過率%を光の波長に対してプロットする。この図に示すように、粒子無しから75%までの異なる粒子充填をプロットし、可視スペクトルでは、90%超(実際は95%超)の可視光の透過率%を有する。このように、高い粒子%を充填したシロキサン材料でさえ非常に透過性であり、様々な光学用途で有用である。
【0129】
開示された方法および材料に照らすと、安定した組成物が形成される。組成物は、アルキルまたはアリール基および架橋性官能基を有する[−Si−O−Si−O]
n繰り返し骨格を有するシロキサンポリマーである部分と、シロキサン材料と混ざった粒子である別の部分とを有し得、前記粒子は100ミクロン未満の平均粒子径を有し、前記粒子は、金属、半金属、半導体、またはセラミック粒子などの任意の適切な粒子である。顧客に輸送される組成物は、300〜10,000g/molの分子量および5rpm粘度計で1000〜75000mPa−secの粘度を有し得る。
【0130】
粘性(または液体)シロキサンポリマーは、−OH基を実質的に含まず、それゆえ貯蔵寿命が延び、所望であれば周囲温度で保存または輸送することを可能にする。好ましくは、シロキサン材料は、FTIR分析から検出可能な−OHピークを有さない。形成されたシロキサン材料の安定性の増大によって、使用前の貯蔵が可能になり、ここにおいて、貯蔵中の粘度(架橋)の増加は最小限であり、例えば2週間で25%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは室温で保存された2週間で10%未満である。また、保管、輸送、および後の顧客による適用は、溶媒の不在下で(溶媒を除去するための乾燥後に残っている可能性のある微量残渣を除く)すべて実行することができ、最終生成物中で後に形成される層における溶媒捕捉、重合時の収縮、デバイス使用時の経時的な質量損失等の問題を回避する。好ましくは100℃よりも大きな熱またはUV光が適用されなければ、輸送および貯蔵中に実質的な架橋が起こることはない。
【0131】
例えば、熱またはUV光の適用により、組成物が堆積され、重合されると、非常に小さい収縮または質量の減少が観察される。
図11では、x軸は時間(分)であり、左のy軸は出発質量の%での層の質量であり、右のy軸は摂氏温度である。
図11に見られるように、本明細書に開示するシロキサン粒子混合物を、150℃まで急速に加熱し、その後約30分間150℃で保持する。この例では、シロキサン粒子は、フェニル基およびエポキシ基を有するSi−O骨格を有し、粒子は銀粒子である。この時間の間、熱硬化後の質量損失は1%未満である。望ましくは、質量損失は典型的には4%未満であり、概して2%未満であるが、多くの場合、硬化前後のシロキサン粒子組成物の質量の差は1%未満である。硬化温度は概して175℃未満であるが、より高い硬化温度も可能である。典型的には、硬化温度は160℃以下、より典型的には150℃以下である。しかし、125℃以下のようなより低い硬化温度も可能である。
【0132】
図12に見られるように、上記に開示する組成物が、接着剤として、熱伝導層として、封入剤として、パターン化導電層、パターン化誘導体層、透明層、光反射層などとして用いられるか否かに関わらず、いったん組成物が所望のように堆積され、重合され、硬化されると、シロキサン粒子層または塊は、熱的に非常に安定である。一例として、加熱またはUV重合による硬化後のin situ材料を600℃まで昇温速度10℃/分で加熱すると、4.0%未満、好ましくは2.0%未満、例えば1.0%未満の質量損失が200℃と300℃の両方で観測される(典型的には、200℃で0.5%未満の質量損失が観察されるか、または、
図12の例ように、200℃で0.2%未満の質量損失が観察される)。300℃では、
図12の例では1%未満の、または特に0.6%未満の質量損失が観察される。同様の結果は、重合した材料を200℃または300℃で1時間単に加熱するだけで観察され得る。重合した堆積材料を375℃以上で少なくとも1時間加熱することにより、1%未満の質量損失の結果が可能となる。
図12に見られるように、500℃超の温度であっても、5%以下の質量損失が観察される。そのような熱的に安定な材料、特に、低温(例えば、30分間の硬化/焼成時間で175℃未満、好ましくは150℃未満、または130℃未満)で堆積させることが可能であるか、またはUV光により重合させることが可能な、本明細書に開示のものが望ましい。
【0133】
上記は例示的な実施形態を例示するものであり、それを限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的な実施形態について記載したが、当業者であれば、新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更が例示的な実施形態において可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのような変更のすべては、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内に含まれることが意図される。したがって、上記は、様々な例示的な実施形態を例示するものであり、開示した特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、開示された実施形態および他の実施形態に対する変更が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。