特許第6948336号(P6948336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6948336経皮的手術器具及び駆動ツールの無菌結合用装置並びに当該結合を実行する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948336
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】経皮的手術器具及び駆動ツールの無菌結合用装置並びに当該結合を実行する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20210930BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   A61B10/02 110B
   A61B17/16
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-543193(P2018-543193)
(86)(22)【出願日】2017年2月22日
(65)【公表番号】特表2019-512285(P2019-512285A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】FR2017050391
(87)【国際公開番号】WO2017144816
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2020年2月21日
(31)【優先権主張番号】1651435
(32)【優先日】2016年2月22日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516001627
【氏名又は名称】フュメクス,ローラン
(73)【特許権者】
【識別番号】516001638
【氏名又は名称】マッセグリア,ティエリ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フュメクス,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】マッセグリア,ティエリ
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0129456(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/154188(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/046531(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02−90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップリングピース(52)を備えた端部(51)を有する経皮的手術器具用の回転駆動ツール(5)との当該経皮的手術器具の無菌結合用装置であって、前記装置は、
円形の第1開口部(12)と、前記駆動ツール(5)を外被(1)に導入させる第2開口部(13)とを備えており、前記第1開口部(12)は、前記駆動ツールが前記外被(1)内に配置される時に前記カップリングピース(52)が前記第1開口部(12)と向かい合うように位置するように、前記外被(1)の壁に配置されている、柔軟な前記外被(1)と、
前記経皮的手術器具との結合のための円筒形遠位部(32)及び前記駆動ツール(5)との結合のための近位部(31)を有するとともに、その遠位部(32)の端部(323)が前記外被(1)の外部に配され、その近位部(31)が前記外被(1)の内部に配されるようにして前記第1口部(12)を通り前記外被(1)を貫通するように構成されたコネクタピース(3)と、
前記コネクタピースを挿入するように意図され、前記第1口部(12)と向かい合うように位置するように前記外被(1)内面に配置される導管を形成する管状リング(2)と、を有しており、前記リング(2)はその一方の端によって前記外被(1)に堅く連結されており、その他方の端部(213)は前記外被を前記駆動ツール(5)の壁と堅く連結するように構成されており、前記導管は、前記コネクタピース(3)が軸方向で適位置に保持されつつ、前記リング(2)の内部でその軸に関して自由に回転できるように構成されており、
前記外被(1)、前記リング(2)及び前記コネクタピース(3)は、前記第1口部(12)の領域において気密バリアを形成するために相互作用する手段を有しており、前記バリアは前記コネクタピース(3)の回転を妨げないように構成されている、ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記コネクタピース(3)の前記遠位部(32)は、管状の形状を有するとともに、前記経皮的手術器具の近位端部を受け入れるように構成された凹部(323)を有しており、前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)の端部は、前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)に嵌着できるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リング(2)は、前記リングを前記外被(1)の内壁に固定する管状(21)の端部にある円板形フランジ(22)を有しており、前記フランジは中心が前記管状(21)の対称軸に位置している中心開口部(222)を有しており、前記リング前記フランジは前記第1開口部(12)の中心もまた前記管状(21)の対称軸と合致するように前記外被(1)の内壁に固定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタピース(3)はさらに、その外面に配置され前記遠位部(32)と前記近位部(31)とを区切る環状突出部(34)を有しており、前記環状突出部(34)の外径は、機能上の遊隙を除き、前記リング(2)の前記管状部(21)の内径に実質的に等しく、且つ前記フランジ(22)の前記開口部(222)の直径よりも大きく、前記コネクタピース(3)が前記リング(2)内で前記管状部(21)の対称軸(23)と実質的に一致する軸に沿って摺動でき、前記環状突出部(34)が前記フランジ(22)の内壁に当接するまで前記フランジ(22)を貫通できるようになっており、前記コネクタピースの対称軸(33)は引き続き前記環状突出部(34)によって前記管状部(21)の前記対称軸(23)と実質的に一致して維持され、前記フランジ、前記リングの前記管状部(21)の内壁及び前記環状突出部はバッフルを形成し、流体又は固体が前記第1開口部(12)によって前記外被の内部と外部との間で通過し得る可能性を制限することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記柔軟外被(1)の前記第1開口部(12)は前記コネクタピース(3)の遠位部(32)の円筒体(321)の外径よりもわずかに小さい直径を有しており、前記直径は、前記コネクタピースが前記外被(1)の内部からこの開口部(12)に挿入される時に、前記第1開口部(12)の縁端部が変形して、前記外被(1)の外部に向くとともに前記コネクタピース(3)の前記遠位部(32)の前記円筒体(321)の外面を取り囲む環状折曲部(14)を成すように規定されており、この折曲部は、前記リング(2)のフランジ(22)、前記リング(2)の前記管状部(21)の内壁及び前記コネクタピース(3)の前記環状突出部(34)によって形成される前記バッフルと相互作用して、前記外被(1)の前記第1開口部(12)の領域において前記気密バリアを成すシールを構成することを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動ツール(5)の本体前記カップリングピース(52)を備えた前記端部(51)が円錐形を有していることにより、前記管状リング(2)の端部は、前記駆動ツールの前記端部(51)が前記リング(2)に挿入された時に、この挿入が前記駆動ツール(5)の前記端部(51)での前記リングのきつい係合をもたらし、前記駆動ツール(5)に対する前記外被(1)のあらゆる並進及び/又は回転移動を阻止するように寸法設定された円錐形開口部(211)を有していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ツール(5)の前記本体の前記端部(51)の壁がウェッジを形成する縦方向突出部(512)を有することにより、前記管状リング(2)の内壁は、前記ウェッジ(512)を受け入れるように寸法設定された縦方向切欠き部(212)を有しており、前記ウェッジ/切欠き部組立体は前記駆動ツール(5)に対する前記外被(1)の回転移動を阻止する相補的手段を形成することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)が六角形の後部区域(523)及び円錐台形の前端部(522)を備えた空洞(521)を形成することにより、前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)は、前記カップリングピース(52)の六角形断面の前記空洞(521)に最小限の遊隙で挿入され得るように寸法設定された六角形断面のオス要素を形成しており、前記近位部(31)の外壁は、前記壁に形成されるとともに前記カップリングピース(52)の前記前端部(522)と相互作用するように設計されていて、使用中に2つの要素の同軸度が維持されるのを保証する、円錐台状区域(315)を有することを特徴とする、上記請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)の前記空洞(521)の内壁が前記後部区域(523)の領域に面取りした溝(524)を有することにより、前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)の体(311)は、前記面取りした溝(524)に嵌着できて、前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)の前記本体(311)がスナップ嵌め動作により前記カップリングピース(52)に固定されるのを保証するように設計された面取りしたボス(312)を有することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)によって形成される前記空洞が、前記空洞の底部を形成し対称軸が前記カップリングピース(52)の一般対称軸と一致する円筒形止まり穴(526)を有することにより、前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)の前記本体(311)はその端部に、その長さに沿って切込みが入っており、前記円筒形止まり穴(526)へのその挿入が最小限の遊隙で生じるように直径が規定されている、円柱形端部要素(33)を有することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記コネクタピース(3)の前記近位部(31)の前記本体(311)の前記端部要素(33)の外壁は、前記端部要素(33)の断面の直径が前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)の前記穴(526)の直径よりも局所的に大きくなるように、且つ前記コネクタピースの前記近位部(31)の前記本体(311)の前記端部要素(33)の係合が遊隙を伴わずに生じるように、肥厚部を成すボス(332)を有することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記凹部(323)は六角形を有しており、前記経皮的手術器具の前記近位端部は六角形断面のコネクタピースを有することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項13】
前記コネクタピース(3)の前記遠位部(32)の前記円筒体(321)はインジケータリング(6)を受け入れるための環状溝(322)を有しており、前記インジケータリングは、結合が得られた時に、前記外被(1)の前記第1開口部(12)の領域における前記気密バリアが有効であれば、前記インジケータリングが医師に見えるように前記円筒体(21)に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記管状リング(2)は一体品として形成されていることを特徴とする、上記請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記管状リング(2)は前記外被(1)の内面に配置され、その一方の前記端によって前記外被(1)に堅く連結されており、それにより前記駆動ツールを前記外被(1)内に配置する時に前記管状リング(2)の全体が前記外被(1)の内部に配置されることを特徴とする、上記請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
生検器具及び前記生検器具のための駆動ツールの無菌結合を請求項1乃至11、13乃至15のいずれか1項に記載の結合装置によって実行する方法であって、当該方法は、
前記外被(1)を裏返す予備ステップであって、前記リング(2)を前記他方の端部(213)が前記外被(1)の前記第2開口部(13)によって前記外被から出て来るまで前記外被(1)の内部に押し入れることによって実行される当該予備ステップと、
助手が前記駆動ツール(5)の前記カップリングピース(52)を前記コネクタピース(3)の前記近位(31)に2つの要素の一方が他方の内部に係合するまで配置する第1ステップと、
医師が裏返された前記外被(1)を保持し差し出すとともに、前記外被(1)の前記リング(2)に前記駆動ツール(5)の前記部(51)を導入していた前記助手が前記駆動ツール(5)を放すと、前記駆動ツールは引き続き裏返された前記外被により前記医師が保持しているので、前記駆動ツールの重量のために前記外被(1)はその裏返されていない元の形態をある程度回復する第2ステップと、
前記医師が前記駆動ツール(5)に触れることなく、前記駆動ツール(5)を封入するように前記外被(1)の形を直し終えた後、前記外被(1)の前記第2開口部(13)を密封して閉じる第3ステップと、
前記医師が前記経皮的手術器具のネクタピースを前記コネクタピース(3)の前記端部(323)に挿入することによって前記経皮的手術器具を適位置に嵌着する第4ステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記結合装置をその前記外被(1)がすでに裏返された状態で無菌包装において前記医師に届けることにより、前記予備ステップが前記結合装置の包装の時点で独立して実行されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮的手術器具の一般分野に関する。より詳しくは、例えば、生検目的で骨髄及び骨組織の試料を採取するために身体の表皮及び軟部組織部分を貫通するように意図された経皮的手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
経皮的手術の分野及び、より詳しくは経皮的骨生検の分野において、軟部組織部分に引き続き関係する骨の皮質物質を穿通して、骨又は骨空洞に含まれた有機物質の試料(骨髄、骨検体)を採取するのを可能にする各種器具の使用が知られている。
【0003】
これらの器具は一般に、骨生検針又は骨髄生検針として知られており、一般に生検カニューレと組み合わせたトロカール又はアクセス針からなる。ある程度鋭利であるトロカール又はアクセス針によって医師は、器具を軟部組織部分に貫通した後、骨生検を実行するように意図した区域に届くように関係する骨に穴をあけることが可能である。
【0004】
これらのトロカールは一般に中空の外管を有しており、その端部はある程度鋭利であり、骨に穿孔するように先細りにされた端部を有するロッドがその内部で摺動し、このロッドはおそらく、空洞に位置する組織の試料を採取する構成になっている。
【0005】
そうした器具は一般にハンドルによって手動で使用され、ハンドルは穿孔ロッドの近位端部(骨と接触しない端部)と永続的又は非永続的に堅く連結され、医師が回転させて骨に穴をあける。実際のところ、医師は、トロカールの外管の端部を骨と接触させてから、ハンドルを回転させてロッドの端部に骨を穿通させる。
【0006】
このように、特許文献1は、骨生検を目的とし、その遠位端部が螺旋状の刃先を備えた2つの部分に分かれているとともに、鋭利にされたロッドがその内部で摺動する外管を含むトロカールを記載している。この形式の器具は、ハンドルによって手動で使用するように意図されている。
【0007】
医師が直接作動させるハンドルによる当該トロカールの手動使用は、医師が骨の穿孔を精緻に制御するのを可能にする伝統的な操作技法である。しかし、状況によっては、特に骨の硬さのために針を骨の壁に穿通させるのにより大きな強度が要求される場合、時として患者のためにも医師のためにも、過剰な力を加えることなくロッドに骨を穿通させるために、ドリルといった駆動ツールを利用できることがより好適である。
【0008】
従って、単純なハンドルによっても、又は駆動ツールによっても等しく好適に作動できる穿孔ロッドを有するトロカールを医師が利用できるようにすることは、著しく有利である。
【0009】
そうした可能性によって医師は有利には、外科手術を手動で開始し、その後、骨の硬さが要求する場合には、穿孔ロッドを変更する必要なく、それゆえ骨への進入点を見失う危険を伴うことなく、自動回転駆動装置によって穿孔を完了し得る。
【0010】
しかしそれはインタフェース装置の利用可能性を必要とし、その装置は、ハンドルに対してと同じくトロカールの端部に装着するとともに、駆動ツールのエンドピースが脱着可能に固定できるインタフェース要素をその反対端部に有することによって、その端部の一方で、トロカールの手動使用のために医師が使用するハンドルに交替できるものである。
【0011】
ここに構想された装置はこのように、トロカールをツールによって回転駆動できる結合要素として機能する。
【0012】
この種の装置は、他の機能のうちでも特に、トロカールに対する駆動ツールの相対的に精確な軸方向配置を保証できなければならず、そうできない場合は、トロカールの穿通精度が悪影響を受け得ることになる。
【0013】
インタフェース装置が(無菌であり一般に使い捨て品目である)トロカールの端部と(当然、再使用でき一般に非滅菌品目である)ドリル形式の器材との連結を保証するように意図されている限り、当該可能性はまた、そうした接触が他方による一方の汚染を生じ得るのでトロカールと駆動ツールとのあらゆる接触を回避しながら、駆動ツールをトロカールの端部に取付け前記トロカールを回転駆動させるための手段とインタフェース装置とが容易に関係づけられ得ることも要求する。
【0014】
こうして、特許文献2は、トロカールの近位端部に取付けられる六角オス要素と、オス要素が係合する六角メス要素からなり、全体はスナップ嵌め動作によって脱着可能な様態で結合される、単純な構造のインタフェースシステムを記載している。
【0015】
この文献はまた、当該の回転駆動手段に従って、六角メス要素がハンドルに直接統合されるのか(トロカールの手動回転の場合)、又は回転駆動ツール(ドリル)の出力軸に直接取付けられたインタフェース装置の端部に統合されるかどちらになるかの方法も記載している。
【0016】
両方の場合に、六角メス要素は有利には、類似の形態的特徴(オス要素及びメス要素の多角形部分)を保持し、それによりトロカールの端部はハンドル又はツールの端部に等しく好適に係合できる。
【0017】
このように前記特許出願は、等しく好適にハンドル又は回転駆動ツールとなり得る、その作動手段にトロカールを連結可能な単純で安価なインタフェースシステムを記載している。確立される連結は、作動装置が担う回転軸とトロカールの軸との精確な軸方向アライメントを可能にする解放可能な連結である。しかし、前記出願に記載された結合装置は、そのままでは作動装置とトロカールとの間の無菌結合を可能にしない。
【0018】
特許文献3は、無菌バッグによって無菌ドリルビットを非滅菌ドリルに連結するための解決策を提供する手段を記載している。リングが固定される無菌バッグは、ドリルを収容するように意図されており、無菌環境において使用可能なようにドリルを包装できるようにする。
【0019】
ドリルビットとドリルの連結領域には、ドリルビットの本体をシールするリングに収容されたOリングシールによって気密性が付与される。気密性はシールの圧縮によって得られる。
【0020】
しかしこの解決策は、シールがドリルビットにこすれるために、バッグそれ自体が回転させられることになり、回転によって、ドリルの回転を妨げ得るという短所を有する。
【0021】
特許文献4は、無菌バッグに収容された非滅菌ドリルを、バッグと堅く連結されたカプラーによって無菌生検器具に連結可能なシステムを記載している。カプラーはリングを有しており、リングは並進が阻止されているが回転は自由であり、そこにバッグが溶接される。この解決策は、リングがその機能上の遊隙のために不純物を通過させ得ることから、完全な気密性を許さない。さらに、カプラーの構造を考慮すると、当該装置は、こすれ合い動作によってバッグが回転駆動させられ、それゆえドリルの回転を妨げる危険性を排除していない。
【0022】
特許文献5もまた、無菌バッグに収容された非滅菌ドリルを、バッグと一体的に連結されたリング及びリングに取付けられた連結軸によって無菌器具に連結可能なシステムを記載している。リングは互いにねじ留めされた2つの同心フープによって形成され、後者にある開口部の領域にバッグを封入して連結軸がバッグを貫通するようにしている。バッグの外部と内部との間の気密性は、連結軸がリングと相互作用する時にリングと接触するために連結軸の領域に収容された付着シールによって付与される。
【0023】
このシステムの大きな短所は、リングがドリルと堅く連結されるように設計されておらず、その結果、バッグがこすれ合い動作より回転駆動させられ、それゆえドリルの回転を妨げ得るという事実にある。
【0024】
さらに、リング及び連結軸の設計が複雑であり、それはシステム部品の高額な製造及び組立てをもたらす。実際、リング及び連結軸は複数の部品からなり、それらは器具をドリルに取付ける前に、詳しくはフープを一体にねじ留めし、連結軸にボールベアリングを取付けることによって、組立てる必要がある。さらに、シールの設置は、連結軸及びリングに機械加工を行う必要があり、製造コストをさらに増やす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】国際公開第2006/061514号パンフレット
【特許文献2】フランス特許3007636号明細書
【特許文献3】米国特許第6716215号明細書
【特許文献4】米国特許第7850620号明細書
【特許文献5】国際公開第2015/154188号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、無菌バッグを介して無菌ドリルビットを非滅菌ドリルに連結する解決策を提案して、上述の不利益を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
このために、本発明は、カップリングピースを備えた端部を有する前記器具のための回転駆動ツールに経皮的手術器具を無菌結合するための装置に関連している。この装置は、以下を有する。
円形の第1開口部及び、駆動ツールを当該外被に導入させる第2開口部を備えており、第1開口部は、駆動ツールが外被内に配置される時にカップリングピースが第1開口部と向かい合うように位置するように、外被の壁に配置されている、柔軟な外被と、
経皮的手術器具との結合のための円筒形遠位部及び駆動ツールとの結合のための近位部を有するとともに、その遠位部の端部が外被の外部に配され、その近位部が外被の内部に配されるようにして第1口部を通り外被を貫通するように構成されたコネクタピースと、
コネクタピースを挿入するように意図され、第1口部と向かい合うように位置するように外被内面に配置される導管を形成する管状リングとを有しており、前記リングはその一方の端部によって外被に堅く連結されており、その他方の端部は外被を駆動ツールの壁と堅く連結するように構成されており、前記導管は、コネクタピースが軸方向で適位置に保持されつつ、リングの内部でその軸に関して自由に回転できるように構成されている。
【0028】
本発明によれば、外被、リング及びコネクタピースは、第1円形開口部の領域において気密バリアを形成するために相互作用する手段を有しており、前記バリアはコネクタピースの回転を妨げないように構成されている。
【0029】
別個に又は組み合わせて検討可能な各種構成によれば、本発明に従った装置は以下の特徴を有し得る。
【0030】
特定の1特徴によれば、コネクタピースの遠位部は、管状の形状を有するとともに、経皮的手術器具の近位端部を受け入れるように構成された凹部を有しており、コネクタピースの近位部の端部は駆動ツールのカップリングピースに嵌着できるように構成されている。
【0031】
別の特徴によれば、リングは、前記リングを外被の内壁に固定する管状部分の端部にある円板形フランジを有しており、フランジは中心が管状部分の対称軸に位置している中心開口部を有しており、リング及びフランジは第1開口部の中心もまた管状部分の対称軸と合致するように外被の内壁に固定されている。
【0032】
別の特徴によれば、リングが前記特徴を有することにより、コネクタピースはさらに、その外面に配置され遠位部と近位部とを区切る環状突出部を有しており、環状突出部の外径は、機能上の遊隙を除き、リングの管状体の内径に実質的に等しく、且つフランジの開口部の直径よりも大きく、コネクタピースがリング内で管状体の対称軸と実質的に一致する軸に沿って摺動でき、環状突出部がフランジの内壁に当接するまでフランジを貫通できるようになっており、コネクタピースの対称軸は引き続き環状突出部によって管状体の対称軸と実質的に一致して維持され、フランジ、リングの管状体の内壁及びコネクタピースの環状突出部はバッフルを形成し、流体又は固体が第1開口部によって外被の内部と外部との間で通過し得る可能性を制限する。
【0033】
別の特徴によれば、柔軟外被の第1開口部はコネクタピースの円筒形遠位部の外径よりもわずかに小さい直径を有しており、前記直径は、コネクタピースが外被の内部からこの開口部に挿入される時に、前記第1開口部の縁端部が変形して、外被の外部に向くとともにコネクタピースの遠位部の円筒体の外面を取り囲む環状折曲部を成すように規定されており、この折曲部は、リングのフランジ、リングの管状体の内壁及びコネクタピースの環状突出部によって形成されるバッフルと相互作用して外被の第1開口部の領域において気密バリアを成すシールを構成している。
【0034】
別の特徴によれば、駆動ツールの本体がカップリングピースを備えた端部で円錐形をしていることにより、管状リングの端部は、駆動ツールの端部がリングに挿入された時に、この挿入が駆動ツールの端部でのリングのきつい係合をもたらし、駆動ツールに対する外被のあらゆる並進及び/又は回転移動を阻止するように寸法設定された円錐形開口部を有する。
【0035】
別の特徴によれば、ツールの本体の端部の壁がウェッジを形成する縦方向突出部を有することにより、管状リングの内壁は、前記ウェッジを受け入れるように寸法設定された縦方向切欠き部を有しており、ウェッジ/切欠き部組立体は駆動ツールに対する外被の回転移動を阻止する相補的手段を形成する。
【0036】
別の特徴によれば、駆動ツールのカップリングピースが六角形の後部区域及び円錐台形の前端部を備えた空洞を形成することにより、コネクタピースの近位部は、カップリングピースの六角形断面の空洞に最小限の遊隙で挿入され得るように寸法設定された六角形断面のオス要素を形成しており、コネクタピースの近位部の外壁は、前記外壁に形成されるとともにカップリングピースの円錐台状前端部と相互作用するように設計されていて、使用中に2つの要素の同軸度が維持されるのを保証する、円錐台状区域を有する。
【0037】
別の特徴によれば、駆動ツールのカップリングピースの空洞の内壁が六角後部区域の領域に面取りした溝を有することにより、コネクタピースの近位部の本体は、前記面取りした溝に嵌着できて、コネクタピースの近位部の本体がスナップ嵌め動作によりカップリングピースに固定されるのを保証するように設計された面取りしたボスを有する。
【0038】
別の特徴によれば、駆動ツールのカップリングピースによって形成される空洞が、空洞の底部を形成し対称軸がカップリングピースの一般対称軸と一致する円筒形止まり穴を有することにより、コネクタピースの近位部の本体はその端部に、その長さに沿って切込みが入っており、円筒形止まり穴へのその挿入が最小限の遊隙で生じるように直径が規定されている、円柱形端部要素を有する。
【0039】
別の特徴によれば、コネクタピースの近位部の本体の端部要素の外壁は、端部要素の断面の直径が駆動ツールのカップリングピースの穴の直径よりも局所的に大きくなるように、且つコネクタピースの近位部の本体の端部要素の係合が遊隙を伴わずに生じるように、肥厚部を成すボスを有する。
【0040】
別の特徴によれば、コネクタピースの遠位端部は経皮的手術器具の近位端部を受け入れるための六角凹部を有しており、この近位端部は六角形断面のコネクタピースを有する。
【0041】
別の特徴によれば、コネクタピースの遠位部の円筒体はインジケータリングを受け入れるための環状溝を有しており、前記インジケータリングは、結合が得られた時に、外被の第1開口部の領域における気密バリアが有効であれば、インジケータリングが医師に見えるように円筒体に配置される。
【0042】
別の特徴によれば、管状リングは一体品として形成されている。
【0043】
別の特徴によれば、管状リングは外被の内面に配置され、その一方の端部によって外被に堅く連結されており、それにより駆動ツールを外被内に配置する時に管状リングの全体が外被の内部に配置される。
【0044】
本発明はまた、生検器具及び前記器具のための駆動ツールの無菌結合を本発明に従った結合装置によって実行する方法に関連しており、方法は以下のステップを含む。
外被を裏返す予備ステップと、このステップは、リングをその自由端部が外被の第2開口部によって外被から出て来るまで外被の内部に押し入れることによって実行され、
助手が駆動ツールのカップリングピースをコネクタピースの近位端部に2つの要素の一方が他方の内部に係合するまで配置する第1ステップと、
医師が裏返された外被を保持し差し出すとともに、外被のリングに駆動ツールの遠位端部を導入していた助手が駆動ツールを放すと、駆動ツールは引き続き裏返された外被により医師が保持しているので、駆動ツールの重量のために外被はその裏返されていない元の形態をある程度回復する第2ステップと、
医師が駆動ツールに触れることなく、駆動ツールを封入するように外被の形を直し終えた後、外被の第2開口部を密封して閉じる第3ステップと、
医師が前記器具のコネクタピースをコネクタピースの端部に挿入することによって経皮的手術器具を適位置に嵌着する第4ステップ。
【0045】
特定の構成によれば、結合装置をその外被がすでに裏返された状態で無菌包装において医師に届けることにより、予備ステップは結合装置の包装の時点で独立して実行される。
【0046】
本発明の特徴及び利益は、添付図面に関する以下の説明からより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】装置のコネクタピースへの手術器具端部の挿入区域の領域における、本発明に従った結合装置の部分断面図を示す。
図2】生検器具との結合を可能にするコネクタピースを備えた駆動ツールの実施例を図示している概略斜視図を示す。
図3】生検器具との結合を可能にするコネクタピースを備えた駆動ツールの実施例を図示している概略斜視図を示す。
図4】特に図2及び3の駆動ツールに適応した特定の実施形態における本発明に従った結合装置の外被の概略斜視図を示す。
図5図4に対応する実施形態における本発明に従った結合装置の外被のリングを図示している概略斜視図を示す。
図6図4に対応する実施形態における本発明に従った結合装置の外被のリングを図示している概略斜視図を示す。
図7】当該の実施形態における本発明に従った結合装置のコネクタピースの概略斜視図を示す。
図8】当該の実施形態における本発明に従った結合装置のコネクタピースの概略斜視図を示す。
図9】当該の実施形態における本発明に従った結合装置のコネクタピースの概略斜視図を示す。
図10】当該の実施形態における本発明に従った装置の一部を成すように意図されたインジケータリングの概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図において、同じ機能又は構造の要素は常に本文の同じ参照符号によって識別されている点に留意しなければならない。
【0049】
本発明の各種態様を明瞭に解説するために、以下の説明では、本発明に従った結合装置の様々な特徴を、実施例としてみなされる特定の実施形態及び駆動ツールとの生検器具の無菌結合を実行するためのその使用法に基づいて述べる。
【0050】
しかし、本発明の適用範囲は、特許請求の範囲における特徴の組合せによってのみ制限され、決してこれらの例示的な実施形態及び使用例に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0051】
初めに、本発明に従った結合装置の全般的な技術的特徴、機能及び寸法を示した図1に言及する。図1に図示の通り、結合装置は主に以下を備える。
【0052】
回転駆動ツールを、当該環境への導入によって汚染され得ることなく無菌環境において使用できるように封入するように意図された外被1。
【0053】
外被1の内部に収容された回転駆動ツール5の端部と、駆動ツールが駆動されるべく意図され外被の外部に配された手術器具との間の実際の連結を保証するコネクタピース3。この目的で、コネクタピース3は、外被1の壁を貫通するように装置内に構成配置される。
【0054】
図4の概略斜視図によってより詳細に図示されている本発明に従った結合装置の外被1は、駆動ツールを収容する働きをするように意図され、その壁の一方に、(図1で要素3がそれを貫通して示されている)円形開口部12を有する、パウチの形態のバッグ11を有する。
【0055】
バッグ11はまた、駆動ツールをバッグ内部に容易に挿入可能なように寸法設定された第2開口部13(図1には図示せず)も有しており、この開口部は前記開口部を気密式に閉じ直すための閉鎖手段を備えている。
【0056】
外被1はまた、導管211を形成する管状部21をそれ自体が有するリング2を有する。リング2のアセンブリ及び駆動ツール5の本体53が互いに堅く連結されるように、リング2は、駆動ツール5の本体53の端部51に脱着可能に固定できるように構成されている。リング2は、例えばリング内部に配され得る任意の適切な手段によって駆動ツールの本体に固定できる。
【0057】
本発明によれば、リング2は、その端部の一方によって開口部12の領域においてバッグ11の内壁に固定され、開口部12の中心がリングの管状部21の対称軸23と合致するようになっている。詳しくは、管状リング2は、外被1の内面に配置され、その一方の端部22によって外被に堅く連結され、それにより管状リング2の全体は駆動ツールが外被1に配置される時に外被1の内部に配置されることになる。言い換えると、駆動ツールが外被1に配置される時に、管状リング2のいかなる部分又は一部も外被1の外部に配置されない。管状リング2のこの内部配置によって特に、上述した文献国際公開第2015/154188号のように、特に外側部分を有する管状リングに関して、外被1の外部で最小限の空間を占めることが可能になる。
【0058】
さらに、管状リング2は一体品で形成できる。従って、外被1との管状リング2の連結は、複数の部品を組立てなければならないリングに比べて容易になる。この第1実施例では、管状リング2を外被1に堅く連結するために1つの部品だけを取扱えばよい。
【0059】
コネクタピース3は、(図1の軸23と一致する)その縦軸31周りの回転対称を有する細長い形状の要素である。それは、本発明に従った結合装置の各種要素の組立て中に、リング2の内部を貫通することによって開口部12を通じてバッグ11の壁を貫通するように配置される。
【0060】
コネクタピース3は、コネクタピース3が適位置に入れられた時に少なくとも部分的に外被11の外部に配されるように意図された円形断面部分321を有する円筒形遠位部32と、外被1の内部で位置を占める近位部31とを有する。
【0061】
従って、本発明によれば、遠位部32の端部はコネクタピース3と手術器具の端部との間の機械的インタフェースを成すように構成されているのに対し、近位部31の端部はコネクタピース3と駆動ツール5のカップリングピース52との間の機械的インタフェースを成すように構成されている。採用されるインタフェース構成に応じて、近位部31の端部は、当該の回転駆動ツール5のカップリングピース52に固定されるように構成される。
【0062】
また本発明によれば、これらのインタフェースは阻止手段を備えており、この手段は、操作中及び、医師によるいずれの動作もない時に、一方でコネクタピースと手術器具との間の、他方でコネクタピースと駆動ツールとの間の機械的結合を維持するのを可能にする。
【0063】
また本発明によれば、インタフェースは同様に、経皮的手術器具、本発明に従った装置のコネクタピース及び回転駆動ツールのカップリングピースそれぞれの対称軸を同一直線上に保つための手段を備えている。
【0064】
コネクタピース3は、リング2の内寸を考慮しながら、リング2内部で自由に回転できるように構成され寸法設定される。
【0065】
それはさらに並進阻止手段34を有しており、この手段はリング2と相互作用してリング内部でのその並進移動を制限するように構成されており、それによりコネクタピースは開口部12を通じてバッグ11から完全に出てくることができない。
【0066】
本発明の好ましい実施形態において、阻止手段34は同様に、コネクタピース3がリング2で適位置にある時に、その対称軸31がリング2の管状部21の対称軸23と実質的に一致する位置にコネクタピースを維持するように構成配置されている。
【0067】
遠位部32の直径は、その一部について、外被1の壁に形成された開口部12の直径よりもわずかに大きくなるように規定されるので、それにより、開口部12へのコネクタピースの遠位部の端部の挿入が開口部の弾性変形につながり、遠位部32の円形断面部分321の外壁の周りで折曲部14を形成する。この折曲部は有利には、外被の第1開口部12の領域に配置されるシールを成す。このように、外被1の外部と内部との間の気密性は外被1自体によってもたらされる。これによって結合装置は、付着シールの追加を伴うことも、その組立を可能にする製造ステップを伴うこともなく、機能できる。そうした外被1によって直接もたらされる気密性により、特に機械加工した溝の内部に取付けられる付着シールによって気密性が付与されるシステムに対して、製造及び組立に関わる困難は低減する。
【0068】
図2乃至10は、本発明の主要な技術的特徴だけでなく付加的な技術的特徴もより詳細に示しており、排他的ではないが特に、例証としてみなされる1実施形態に関して示している。
【0069】
この実施形態は特に、図2及び3に図示したようなカップリングピースを有する特定の回転駆動ツールとの生検器具の無菌結合に適応する。
【0070】
図2−2a及び3−3aに図示された駆動ツール5の実施例は、ツール5の本体53に関して回転自在に取付けられたカップリングピース52が出てくる円錐形端部51を備えた(図式的に示した)本体53を有する。
【0071】
図示した例示的実施形態に対応する好ましい実施形態において、駆動ツールの本体53の端部51は、その壁に縦方向ウェッジ512を有する。
【0072】
一般に、カップリングピース52は、その一部について、本発明に従った結合装置のコネクタピース3と機械的に結合できるように構成されている。
【0073】
駆動ツールが始動すると、取付けられている駆動ツール5の駆動軸54(図1を参照)によって回転駆動されるこのカップリングピース52は、それが回転駆動させるように意図された手術器具の端部との機械的インタフェースを成すように構成されている。
【0074】
ここで検討する例示的実施形態において、カップリングピース52は、六角形の後部区域523及び円錐台形の前端部522を有する内壁を備えた空洞521の形態をしている。
【0075】
さらに、六角後部区域523の領域における空洞521の内壁には、面取りした溝524が形成されている。
【0076】
カップリングピース52は同様に、コネクタピースの底部を形成するとともにその対称軸がカップリングピース52の一般対称軸と一致している円筒形止まり穴526を有する。
【0077】
それはさらに、カップリングピース52の内壁の六角後部区域523を形成する面の反対側に配設された面を有する六角形断面の外壁525を有する。そうした構成配置は、カップリングピース52を正しい向きに配するための視覚的インジケータとして有利に機能し、コネクタピース3の端部への駆動手段5の挿入を助ける。
【0078】
図4は、本発明に従ったリング2を備えた外被1の概略斜視図を示す。
【0079】
上述の通り、外被1は、駆動ツール5を収容するように意図されたパウチの形態をしているとともに、開口部12を隔てた反対側のその壁に(点線で示す)リング2が固定されたバッグ11を有する。
【0080】
開口部12は好ましくは図4に図示したようにバッグ11の壁に配置されて、当該ツールをバッグ11に導入する時にリング2の管状部21への駆動ツール5の端部51の挿入を助けるようになっていることを指摘しておく。
【0081】
図5及び6に図示の通り、この例示的実施形態におけるリング2は管状体21及び端フランジ22を有しており、管状体21は内部導管211を形成し、その中に回転駆動ツール5の本体の端部51が係合してリング2及び器具5の本体の端部51が互いに機械的に結合するようになっている。
【0082】
円板形フランジ22は、外被1の壁と接触してリング2の管状体21の端部に配される。それは、好ましくは円形であるとともにその中心が管状体21の対称軸23に位置する中心開口部222を有する。
【0083】
その後、リング2は、開口部12の中心がリングの管状体21の対称軸と合致するように、開口部12の領域においてその端フランジ22を介してバッグ11の内壁に固定される。
【0084】
好ましくは、開口部222の断面は内部導管211の断面よりも小さく、それによりフランジの壁は、管状体21の端部で円形当接部を成す内部カラーを形成する。
【0085】
現在の例示的実施形態において、導管211は、図2−2a及び3−3aに示すように、回転駆動ツール5の本体53の端部51の円錐形状と相互作用する円錐形状を有する。
【0086】
2つの円錐形状の円錐はこの場合、駆動ツール5の本体の端部51が導管211に挿入された時に2つの要素21及び51が互いに嵌合するように画成されており、それにより駆動ツール5の本体の端部51に締結されたリング2が駆動ツールに対して定位置に保たれることになる。
【0087】
ここに述べる実施形態において、管状体21はさらに、駆動ツール5の本体の端部51の外面に配された縦方向ウェッジ512が導管211に導入されるように構成されている。この目的で、導管211の壁は、駆動ツールの本体の端部51を導管211に挿入する時にウェッジ512を受け入れるように意図した縦方向切欠き部212を有する。
【0088】
有利には、導管211の切欠き部212に挿入されたウェッジ512は、駆動ツール5の本体の端部51に対するリング2のあらゆる回転移動を防止する。これによって有利には、外被の気密性を損ない得るリング2の意図しない回転に起因する外被1のねじれ変形のあらゆる危険性が回避される。前記回転は、コネクタピース3が駆動ツール5のカップリングピース52によって回転駆動された時に外被1の開口部12の折曲部14に対するコネクタピース3の本体の摩擦によって誘起され得る。
【0089】
設計の観点から、リング2は、遠位面が溶接又は接着結合によってバッグ11の内壁に固定されるその端フランジ22を介してバッグ11の内壁に固定される。
【0090】
上述の通り、コネクタピース3は、図7乃至9に図示したように、近位部31が継続する管状遠位部32を有する。
【0091】
管状遠位部32は、駆動ツール5が結合することになる経皮的手術器具の端部を受け入れるように意図した収容区域323(空洞)を形成する内部空洞を画成する円形外部断面の円筒体321を有する。
【0092】
本発明によれば、遠位部32の長さは主に、コネクタピース3が適位置にある時に、遠位部32の自由端部325が外被1の外部に位置するように規定される。
【0093】
円筒体321の外径は、その一部について、外被1の壁に形成された開口部12の直径よりもわずかに大きくなるように規定されるので、それによりコネクタピース3の遠位部32の自由端部が開口部12に挿入されると開口部の弾性変形を生じ、円筒体321の外壁の周りで折曲部14を形成し、その折曲部は図1に見ることができる。この折曲部は、外被1によって区切られた非滅菌区域と、無菌と考えられる外部空間とを分離することによって開口部12の領域における外被1の気密性の確保に寄与する。
【0094】
例証としてみなされる実施形態において、空洞323は、経皮的手術器具の端部に配されている固定用突起を係合する開口部324が端部325の領域でその壁に形成されている六角形断面の空洞である。経皮的手術器具のエンドピースはその場合、例えば、任意の回転手段に形成された六角形の壁の円筒空洞に受け入れられるように意図された六角形の基部を備えた円筒形状を有し得る。
【0095】
器具のエンドピースの長さ、空洞の深さ並びに、エンドピース及び空洞の該部分の一般的寸法は主に、生検器具及び回転手段が遊隙を伴わずに互いに連結されるように規定され、それにより医師が前記手段、回転コネクタピースの付いたハンドル又はツールを使用するとその対称軸に関する器具の回転を生じ、器具を実質的に直線の方向で穿通させることになる。
【0096】
近位部31は、その一部について、コネクタピース3と、駆動ツール5の本体の端部に位置するカップリングピース52との間の連結を最小限の遊隙で形成するように構成され寸法設定される。カップリングピース52との連結は近位部の外壁によってもたらされる。
【0097】
本発明によれば、近位部31はさらに、図1に図示の通り、遠位部32の空洞323に延びる内部空洞を画成しており、それにより経皮的手術器具のエンドピースはコネクタピース3内に完全に嵌着できる。この空洞は、駆動ツール5のカップリングピース52と接続するように意図された近位部の端部に向けて閉鎖されている。
【0098】
当該の例示的実施形態において、近位部31の外壁は、図2a及び3aに図示されたカップリングピース52の六角凹部523に最小限の遊隙で挿入されるように寸法設定された六角形断面のオス要素を形成している。
【0099】
その外壁はまた、カップリングピースがコネクタピース3の適位置にある時に駆動ツール5のカップリングピース52の円錐台形の前端部522と相互作用するように、壁に構成配置された円錐台状区域315を有する。円錐台状区域315はその場合、使用中に遊隙を伴うことなく2つの要素3及び52の同軸度を維持するようにカップリングピース52の前端部522に係合する。
【0100】
ここに述べた例示的実施形態において、近位部31の本体311はまた、その端部の領域に円柱形端部要素33を有しており、円柱形端部要素はその長さに沿って切込みが入っており、駆動ツール5のカップリングピース52の底部を形成する円筒形止まり穴526に挿入されるように意図されている。
【0101】
好ましくは、穴526の直径は端部要素33の断面の直径よりもわずかに大きい。
【0102】
しかし、端部要素33の外壁はさらに、端部要素の断面の直径が穴526の直径よりも局所的に大きくなるように肥厚部を成すボス332を有する。それにもかかわらず、切込み331の存在により端部要素33は変形可能となっており、それによりコネクタピース3が駆動ツール5のカップリングピース52と連結された時に、ボス332が穴526の壁にこすりつけられるので、コネクタピース3がカップリングピース52において自由に動く可能性を有利に回避する。
【0103】
さらに、近位部31の本体311はその外壁に面取りしたボス312を有しており、これらは、カップリングピース52の六角後部区域523の領域で空洞521の内壁に形成された面取りした溝524に嵌着でき、コネクタピース3の近位部31の本体311がスナップ嵌め動作によりカップリングピース52に固定されるように構成されている。
【0104】
本発明によれば、面取りしたボス312は面313及び314を有しており、それらは同一であっても異なってもよい。
【0105】
これらの面の傾斜角度の値により、カップリングピース52にコネクタピース3を挿抜する力を調節することが可能になる。約2kgのこの力は、カップリングピース52の六角凹部523の大きさに対する面取りしたボス312の高さによって規定される。
【0106】
これらの面取りしたボス312の数は例えば4個であってよく、本体311の壁の周りに対称的に配置され、カップリングピース52の面取りした溝524に嵌着できる。
【0107】
本発明によれば、コネクタピース3はまた、上述したように、リング2内部でのコネクタピース3の並進移動を制限するようにリング2と相互作用するように構成された阻止手段も有する。
【0108】
現在の例示的実施形態において、阻止手段は、エンドピースの外面に配置され、遠位部32と近位部31との間の境界でコネクタピース3の縦軸に垂直な平面に配された環状突出部34からなる。この突出部は、コネクタピース3がバッグ11の内部から外部へリング2において移動する時に、その行程の最後にエンドピースがリング2のフランジ22の壁に当接するように寸法設定されている。
【0109】
環状突出部34はまた、カップリングピース52への挿入中にコネクタピース3の遠位部32で微粒子が伝わらないように保証するのを可能にする。
【0110】
それはさらに、外被1の開口部12の領域においてバッフルのシステムを形成するのに寄与し、装置を組立てる時に微粒子が外被1から出て来る危険性を低減する。
【0111】
それはまた、リング2及びコネクタピース3がまさしく同軸に配されるのを保証し、それにより外被11の開口部12の変形がコネクタ要素3の円筒体321の周りに均一に分布する。
【0112】
特定の実施形態において、本発明に従った装置は、図10に図示したようなインジケータリング6を備え得る。
【0113】
装置の他の要素とは異なる色のインジケータリング6は、コネクタピース3の遠位部32の円筒体321の領域に位置する溝322にスナップ嵌めされる。
【0114】
リング6の内径61は、溝322の直径以上である一方、円筒体321の外径よりも小さい。外径62は、その一部について円筒体321の外径よりも大きく、開口部12の領域におけるバッグ11の保持を保証するようになっている。
【0115】
また、インジケータリング6の幅は溝322の幅よりも小さい。
【0116】
色の違いによって医師は、インジケータリング6が見えることを一目で確認でき、それによってバッグが外被の第1開口部12の区域において正しい位置を占めており、前記位置が装置の良好な気密性を保証していることを確認できる。
【0117】
上記の説明が示そうとしている通り、本発明に従った装置の構造はこのように有利には、特に例証としてみなされる好ましい実施形態において、外被1によって区切られ非滅菌材料(特に駆動ツール)を封入可能な空間の区域と、装置が使用される原理的に無菌であるその他の空間との間の気密性を保証することを可能にする。
【0118】
本発明に従った結合装置の技術的特徴を考慮すれば、このようにして有利には、結合操作又は逆の分離操作の間に無菌環境を意図せず汚染する危険性を伴うことなく、駆動ツール5(非滅菌ツール)を、必然的に無菌の生検器具と脱着可能な様態で容易に連結することが可能である。
【0119】
ここで留意しなければならないことは、それらの2つの要素の連結を保証するために相互作用するように意図されている、本発明に従った装置のコネクタピース3と回転駆動ツール5のカップリングピース52とのそれぞれの端部の構造の間に必然的に存在する密接な関係を考慮すれば、本発明は、駆動ツールの閉じ込めを保証することによって必然的に無菌の生検器具への駆動ツール5(非滅菌ツール)の脱着可能な結合をもたらすことを可能にする技術的及び形態的な特徴を有する結合装置だけでなく、駆動ツールによる生検器具の回転を最適な様態で確保するのを可能にする組立体にも関連している。ここで最適な様態とは、駆動ツール及び生検器具を連結する機械的連鎖を形成する様々なインタフェースに存在し得る遊隙を特に制限することを可能にする様態を意味する。
【0120】
従って、本発明はまた当然ながら、生検器具と前記器具のための回転駆動ツールとの間の無菌結合のためのシステムにも関連しており、システムは、上述した結合装置に加え、本発明に記載されたような生検器具を回転駆動手段5に結合するためのカップリングピース52を備えており、カップリングピースは、様々な手段を器具に脱着可能に取付けできるようにし、それにより医師は器具に加え、やはり本明細書に記載したように生検器具に回転駆動ツールを結合するためのカップリングピースを回転させることができる。
【0121】
操作上の観点からすると、本発明に従った結合装置による生検器具及び前記器具のための駆動ツールの無菌結合のための操作は、以下の実施ステップによって説明できる。
【0122】
外被1を裏返す予備ステップ。このステップは、リング2をその自由端部213が外被1の第2開口部13によって外被から出て来るまで外被1の内部に押し入れることによって実行される。
【0123】
助手が駆動ツール5のカップリングピース52をコネクタピース3の近位端部31に2つの要素の一方が他方の内部に係合するまで配置する第1ステップ。滅菌コネクタピースは助手がそれに接触する必要がないように配設されている。
【0124】
滅菌手袋を装着した医師が裏返された外被1を保持し差し出すとともに、コネクタピース3の端部が挿入された駆動ツール5の遠位端部51を外被1のリング2に導入していた助手が駆動ツール5を放す、第2ステップ。駆動ツールは引き続き裏返された外被1により医師が保持している。
【0125】
この時点で、コネクタピース3の円筒形遠位部32の端部は外被1の円筒形の開口部12を貫通しており、その弾性変形を生じさせ、開口部12の領域における外被の気密性を確保している。
【0126】
同時に、駆動ツールの重量のために、外被1はその裏返されていない元の形態をある程度回復する。
【0127】
医師が駆動ツール5に触れることなく外被1の形を直し終え、それにより外被1は駆動ツール5を封入し、引き続き外被1の第2開口部13を前記開口部の領域に配置された閉鎖手段を用いて密封して閉鎖する第3ステップ。
【0128】
医師がコネクタピース3の遠位部32の端部323に当該器具のコネクタピースを挿入することによって経皮的手術器具を適位置に嵌着する第4ステップ。
【0129】
本発明によれば、予備ステップは、本発明に従った結合装置の製造時に独立して実行するか、その場合に装置は外被1がすでに裏返された状態で無菌包装において医師に届けられるか、あるいはまた、使用の直前に医師が実行するかのどちらかでよく、装置はその外被1が裏返されていない状態で無菌包装において届けられる。
【0130】
上記の説明において例証として提示した結合システムを特に考慮すれば、第1段階はこの場合、助手によって実行され、助手は駆動ツール5を保持し、それを六角形の視覚的インジケータ525によって方向づけた後、それをコネクタピース3の遠位部31の端部に摺動させる。前記コネクタピースは、2つの要素がクリック音を発して合わさるまで例えば医療用包装シェル(即ちブリスターパック)において垂直に保持される。
【0131】
第3ステップは例えば医師自身によって実行され、医師は外被1の一端部を保持してから、外被1の返された外壁を摺動させて、指が駆動ツールの本体53と接触しないように確かめて注意しながら外被1がその初期の形状を回復するまで駆動ツール5を封入するように持ち上げる。
【0132】
その後、医師は、外被1の第2開口部13を前記開口部の領域に配置された閉鎖手段を用いて閉鎖し、インジケータリング6がはっきり見えるかどうかを確認する。それが見えない場合は、形成された組立体は不備があると考えられる。
【0133】
上記の説明において例証として提示した結合システムを特に考慮すれば、結合プロセスの最終段階は、医師が外被1で覆われた駆動ツール5により形成された組立体を保持し、引き続き生検器具の六角コネクタピースをコネクタピース3の遠位部32の端部にある六角凹部323に挿入することを含む。
【0134】
最終段階が終了すると、医師にとって、自らの意思で自由に生検器具に連結でき、後に前記器具から取外し、機械的援助を要さずに生検器具を回転させ得る単純なハンドルと取替えられ得る、滅菌回転ツールが利用可能になる。
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