(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948397
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】無線電力伝送装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20210930BHJP
H02M 5/458 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
H02J50/10
H02M5/458
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-541964(P2019-541964)
(86)(22)【出願日】2018年8月22日
(86)【国際出願番号】JP2018030995
(87)【国際公開番号】WO2019054142
(87)【国際公開日】20190321
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】特願2017-176651(P2017-176651)
(32)【優先日】2017年9月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 正人
(72)【発明者】
【氏名】吉江 智寿
【審査官】
杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−217277(JP,A)
【文献】
特開2013−183496(JP,A)
【文献】
特開2014−110733(JP,A)
【文献】
特開2015−228738(JP,A)
【文献】
特開2016−036225(JP,A)
【文献】
特開2017−022804(JP,A)
【文献】
特開2017−060322(JP,A)
【文献】
特開2017−175698(JP,A)
【文献】
特表2011−507481(JP,A)
【文献】
特表2011−507482(JP,A)
【文献】
特表2015−517794(JP,A)
【文献】
特表2015−521019(JP,A)
【文献】
特表2015−529445(JP,A)
【文献】
特表2018−501761(JP,A)
【文献】
特表2020−502972(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3188557(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0006267(US,A1)
【文献】
国際公開第2016/151889(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/10
H02M 5/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電コイルと、
前記送電コイルを駆動するインバータ部と、
前記インバータ部を駆動するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路に対する出力電圧指令値の変更前における前記DC/DC変換回路の出力電力と、前記出力電圧指令値の変更後における前記DC/DC変換回路の出力電力と、の比較結果に基づいて、前記DC/DC変換回路の出力電力が小さくなるように次に変更する前記出力電圧指令値を決定する制御部と、を備える無線電力伝送装置。
【請求項2】
前記DC/DC変換回路および前記インバータ部と並列に接続された電圧検出部と
前記DC/DC変換回路と前記インバータ部の間に直列に接続された電流検出部とをさらに備え、
前記制御部は、前記電圧検出部に測定された電圧値と前記電流検出部に測定された電流値から算出される第1の消費電力値と、前記出力電圧指令値を変更した状態で前記電圧検出部に測定された電圧値と前記電流検出部に測定された電流値から算出される第2の消費電力値とを比較し、前記第2の消費電力値が前記第1の消費電力値以下であるとき、前記出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に前記出力電圧指令値をさらに変更し、前記第2の消費電力値が前記第1の消費電力値より大きいとき、前記出力電圧指令値の変更方向と違う方向に前記出力電圧指令値を変更する、請求項1記載の無線電力伝送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記出力電圧指令値の変更方向と違う方向に前記出力電圧指令値を変更する際、前記第1および第2の消費電力値の差が閾値より大きい場合、前記出力電圧指令値の変更量を前回よりも小さくする、請求項2記載の無線電力伝送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に前記出力電圧指令値をさらに変更する際、前記出力電圧指令値の変更量を前回よりも大きくする、請求項2記載の無線電力伝送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に前記出力電圧指令値をさらに変更する際、当該同じ方向に前記出力電圧指令値を変更する回数が閾値を越えた場合、前記出力電圧指令値の変更量を前回よりも大きくする、請求項2記載の無線電力伝送装置。
【請求項6】
送電コイルと、
前記送電コイルを駆動するインバータ部と、
前記インバータ部を駆動するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路に対する出力電圧指令値の変更前における前記DC/DC変換回路の出力電力と、前記出力電圧指令値の変更後における前記DC/DC変換回路の出力電力と、の比較結果に基づいて、前記DC/DC変換回路の出力電力が小さくなるように次に変更する前記出力電圧指令値を決定する制御部と、を備える無線電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気機器に電力を供給するための技術に関する。
本国際出願は、2017年9月14日に日本国出願第2017−176651号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2017−176651号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気機器に電力を供給するための技術が知られている。たとえば、日本国公開特許公報「特開2017−22804号公報」(特許文献1)には、送電装置及びその制御方法が開示されている。特許文献1によると、送電装置は、受電装置に対して無線電力伝送を行うための送電アンテナに与える出力電圧をえるために、入力電圧を変換するDC/DC変換器と、受電装置の消費電力に基づきDC/DC変換器の目標出力電圧を決定し、該決定した目標出力電圧の値をDC/DC変換器に指示する制御部とを有する。制御部は、決定した目標出力電圧がDC/DC変換器の入力電圧と等しい電圧を含む所定範囲内にある場合、DC/DC変換器に指示する目標出力電圧を、所定範囲外の値に補正する。
【0003】
また、日本国公開特許公報「特開2014−110733号公報」(特許文献2)には、ワイヤレス電力伝送装置が開示されている。特許文献2によると、ワイヤレス電力伝送装置は、給電コイルと、電源回路と、受電コイルと、コンデンサと、負荷回路と、を備え、電源回路は、電源と、電圧変換回路と、電圧変換回路の入力側又は出力側を流れる電流の電流値を検出する電流検出回路と、を含み、電圧変換回路は、電源から供給される入力電圧を変圧する電圧変換部と、電圧変換部に接続される変圧制御部とを有し、変圧制御部は、電流検出回路によって検出された検出電流値に基づいて、電圧変換部の変圧する電圧値を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2017−22804号公報(2017年1月26日公開)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開2014−110733号公報(2014年6月12日公開)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、効率的に給電することができる無線電力伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に従うと、送電コイルと、送電コイルを駆動するインバータと、インバータを駆動するDC/DC変換回路と、DC/DC変換回路に対する出力電圧指令値を変更することにより、DC/DC変換回路の出力電力が小さくなるように出力電圧指令値を決定する制御部と、を備える無線電力伝送装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本開示によれば、効率的に給電することができる無線電力伝送装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態にかかる無線電力伝送装置の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる送電部と受電部とを示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施の形態にかかる電圧の変化と消費電力の変化とを示すイメージ図である。
【
図5】第2の実施の形態にかかる制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施の形態にかかる制御部の第2の処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施の形態にかかる制御部の第3の処理を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施の形態にかかる制御部の第4の処理を示すフローチャートである。
【
図9】第3の実施の形態にかかる制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図10】第3の実施の形態にかかる制御部の第2の処理を示すフローチャートである。
【
図11】第4の実施の形態にかかる制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<無線電力伝送装置100の全体構成>
【0010】
本実施の形態にかかる無線電力伝送システム1の全体構成について説明する。
図1を参照して、無線電力伝送システム1は送電装置(無線電力伝送装置)100と受電装置200とを備える。送電装置100は電源110と、出力電圧可変DC/DCコンバータ120と、インバータ130と、送電部140と、制御回路部150(制御部)と、出力電圧可変DC/DCコンバータ120と並列に接続された電圧検出部160と、出力電圧可変DC/DCコンバータ120とインバータ130の間で直列に接続された電流検出部170とを含む。
【0011】
インバータ130は、所定の伝送周波数(例えば、ISM(Industrial、Scientific and Medical)バンドである13.56MHz)を有する交流電圧を生成し、送電部140へ出力する。出力電圧可変DC/DCコンバータ120は、制御回路部150からの制御信号に基づいて、インバータ130の出力する電圧を調整する。送電部140は、受電部210へ非接触で電力伝送するための共振回路を備えている。送電部140は、伝送周波数を有する交流電圧にて駆動されることで電磁界を生成する。送電部140は、その生成された電磁界を介して、受電部210へ非接触で電力伝送する。制御回路部150は、CPU(central processing unit)やメモリなどを含み、送電装置100の各部を制御する。
【0012】
受電装置200は受電部210と、整流部220と、DC/DCコンバータ230と負荷240を備える。受電部210は、非接触で電力を受電するための共振回路を備えている。DC/DCコンバータ230は負荷240への出力電圧が所定値になるように電圧変換する。
【0013】
図2を参照して、本実施の形態においては、送電部140は送電用のコイル142とキャパシタ141とを含む、直列共振回路を形成する。受電部210も受電用のコイル212とキャパシタ211とを含む。
【0014】
ここで、磁気共鳴方式の無線電力伝送システムは、送電側アンテナの共振周波数と、受電側アンテナの共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し無線で電力伝送を行うものであり、電力伝送距離を数十cm〜数mとすることが可能であることが大きな特徴の一つである。無線電力伝送システムの変化しうるパラメータには、受電側の負荷電力と送受電アンテナの位置関係がある。加えて受電側に接続されるDC/DCコンバータの変換効率は負荷電力依存性があるので変化しうるパラメータでもある。更に送受電アンテナの抵抗成分もバラツキを含むので変化しうるパラメータである。
【0015】
送受電アンテナの位置関係、負荷電力等が変化した場合においても効率良く無線電力伝送できる技術が求められている。そこで、本実施の形態においては、制御回路部150が、電圧検出部160および電流検出部170の出力信号に基づき、インバータ130への出力電力が最小になるように出力電圧可変DC/DCコンバータ120に対する出力電圧指令値を調整する。
【0016】
より詳細には、制御回路部150は
図3に示すような処理を実行する。すなわち、制御回路部150は出力電圧指令値VtargetをVinitに設定して、出力電圧可変DC/DCコンバータ120の定電圧出力制御を行う(ステップS102)。制御回路部150は、電圧検出部160および電流検出部170からの出力電圧値Voおよび出力電流値Io取得する(ステップS104)。制御回路部150は、出力電圧値Voおよび出力電流値Ioから出力電力値Poを算出し、算出した出力電力値Poを記憶する(ステップS106)。
【0017】
次に、制御回路部150は、出力電圧指令値VtargetをVtaget+ΔVに更新して、出力電圧可変DC/DCコンバータへ120の定電圧出力制御を行う(ステップS108)。この時は、ΔVの符号は正、負どちらでも構わない。制御回路部150は、再度、電圧検出部160および電流検出部170のそれぞれから新たな出力電圧値Vおよび出力電流値Iを取得する(ステップS110)。制御回路部150は、新たな出力電圧値Vおよび出力電流値Iから出力電力値P(第2の消費電力)を算出する(ステップS112)。制御回路部150は、記憶された前回の出力電力値Poと今回の出力電力値Pとを比較する(ステップS114)。
【0018】
制御回路部150は、出力電力値Pが出力電力値Po以下と判定した場合(ステップS114にてYESである場合)、ΔVの符号を反転させない(ステップS116)。即ち、現状のΔVの符号で出力電圧指令値Vtargetを変更していくことで更に出力電力値Pが減少する可能性があると判断する。制御回路部150は、出力電力値Pを更新して記憶する(ステップS120)。
【0019】
一方、制御回路部150は、出力電力値Pが出力電力値Poよりも大きいと判定した場合(ステップS114にてNOである場合)、ΔVの符号を反転させる(ステップS118)。即ち、現状のΔVの符号で出力電圧指令値Vtargetを変更していくことは、出力電力値Pを減少させる方向とは逆の方向であると判断する。制御回路部150は、ステップS120に進む。
【0020】
図4は、出力電圧指令値VtargetをVinitからVinit+3ΔVまで増加させて、Vinit+ΔVまで戻した過程と、それに伴う出力電圧可変DC/DCコンバータ120の出力電力、言い換えるとインバータ130以降の消費電力の遷移を示している。ここではΔVの符号は正とする。
図4に示すように、出力電圧指令値VtargetがVinit+ΔVであるとき、出力電力値P(新たな検出値)と出力電力値Po(記憶値)を比較した結果、出力電力値Pが出力電力値Poより小さくなるので、出力電圧指令値VtargetはΔVが加算されることでVinit+2ΔVに変更される。このように、制御回路部150は、出力電圧指令値Vtargetを、出力電力値Pが最小となるVinit+2ΔVを含めて、Vinit+ΔV→Vinit+2ΔV→Vinit+3ΔV→Vinit+2ΔV→Vinit+ΔV→Vinit+2ΔV・・・、という順で変動させていく。
【0021】
このような出力電圧指令値Vtargetの変動動作により、仮に送電部140と受電部210の位置関係の変化に伴って出力電力値Pが最小になるVtargetが変動したとしても、制御回路部150は、その変動に追従して当該出力電圧指令値Vtargetを探し出すことが可能となる。したがって、最適な変換効率が得られるVtargetで動作する無線電力伝送システムを提供することができる。
【0022】
本実施の形態にかかる無線電力伝送システム1は、インバータ130の入力電力が最小となるインバータ130の動作電圧Vtargetを随時決定することにより、インバータ130、送電部140、受電部210、整流部220、DC/DCコンバータ230で生じる損失を加味した効率的な無線給電を実行するためのVtargetを決定および調節することができる。
【0023】
なお、本実施の形態にかかる無線電力伝送システムは、制御回路部150は、無線電力伝送装置100に内蔵されず、外部のPC等に内蔵された回路によって実現されていてもよい。制御回路150は無線電力装置100に内蔵されない場合は、制御回路部150と無線電力装置100は、有線または無線を介して、制御信号または出力信号を交換してもよい。
<第2の実施の形態>
【0024】
すばやく、最適なVtargetを探すために、制御回路部150は以下のような処理を行ってもよい。
図5に示すように、制御回路部150は、出力電力値Pが出力電力値Poよりも大きいと判定した場合(ステップS114にてNOである場合)、出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値以下(例えば、0.5W〜1.0Wの間で設定)か否かを判断する(ステップS122)。出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値以下である場合(ステップS122にてYESである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させて(ステップS124)、ステップS120に進む。
【0025】
一方、出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値よりも大きい場合(ステップS122にてNOである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させるとともにΔVの値を小さくしてから(ステップS124)、ステップS120に進む。
【0026】
なお、より詳細には、
図6に示すように、制御回路部150は、ΔVの初期値を記憶し、ステップS114にてYESである場合およびステップS122にてYESである場合に、ΔVを初期値に戻す構成であってもよい。あるいは、
図7に示すように、制御回路部150は、ステップS114にてYESである場合およびステップS122にてYESである場合に、ΔVの値を大きくする構成であってもよい。あるいは、
図8に示すように、制御回路部150は、ステップS114にてYESである場合にΔVを大きくし、ステップS122にてYESである場合に、ΔVの初期値に戻す構成であってもよい。
<第3の実施の形態>
【0027】
すばやく、最適なVtargetを探すために、制御回路部150は以下のような処理を行ってもよい。
図9に示すように、出力電力値Pが出力電力値Po以下と判定した場合(ステップS114にてYESである場合)、ΔVの符号を反転させずにΔVの値を大きくする(ステップS116)。制御回路部150は、反転フラグをOFFにする(ステップS117)。
【0028】
一方、制御回路部150は、出力電力値Pが出力電力値Poよりも大きいと判定した場合(ステップS114にてNOである場合)、反転フラグがONになっているか否かを判断する(ステップS123)。制御回路部150は、反転フラグがOFFの場合(ステップS123にてNOである場合)、ΔVの符号を反転させるとともにΔVを初期値に戻す(ステップS124)。制御回路部150は、反転フラグをONにする(ステップS125)。
【0029】
反転フラグがONの場合(ステップS123にてYESである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させるとともにΔVの値を小さくする(ステップS126)。制御回路部150は、反転フラグをONにする(ステップS127)。
【0030】
なお、制御回路部150は、
図10に示すように、単に、出力電力値Pが出力電力値Po以下と判定した場合(ステップS114にてYESである場合)、ΔVの符号を反転させずにΔVの値を大きくし(ステップS116B)、出力電力値Pが出力電力値Poよりも大きいと判定した場合(ステップS114にてNOである場合)、ΔVの符号を反転させるとともにΔVの値を小さくしてもよい(ステップS118B)。
<第4の実施の形態>
【0031】
すばやく、最適なVtargetを探すために、制御回路部150は以下のような処理を行ってもよい。本実施の形態においては、制御回路部150は、同一判定を継続した回数を記憶するものである。
図11に示すように、出力電力値Pが出力電力値Po以下と判定した場合(ステップS114にてYESである場合)、制御回路部150は、同一判定を継続した回数が所定回数以下であるか否かを判断する(ステップS132)。
【0032】
同一判定を継続した回数が所定回数以下である場合(ステップS132にてYESである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させずに(ステップS134)、ステップS120に進む。一方、同一判定を継続した回数が所定回数よりも多い場合(ステップS132にてNOである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させずにΔVの値を大きくする(ステップS136)。
【0033】
一方、制御回路部150は、出力電力値Pが出力電力値Poよりも大きいと判定した場合(ステップS114にてNOである場合)、出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値よりも大きいか否かを判断する(ステップS122)。出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値以下である場合(ステップS122にてYESである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させて(ステップS124)、ステップS120に進む。
【0034】
一方、出力電力値Pと出力電力値Poとの差が所望の値よりも大きい場合(ステップS122にてNOである場合)、制御回路部150は、ΔVの符号を反転させるとともにΔVの値を小さくしてから(ステップS124)、ステップS120に進む。
<まとめ>
【0035】
上記の実施の形態においては、送電コイル142と、送電コイル142を駆動するインバータ130と、インバータ130を駆動するDC/DC変換回路120と、DC/DC変換回路120に対する出力電圧指令値を変更することにより、DC/DC変換回路120の出力電力が小さくなるように出力電圧指令値を決定する制御回路部150と、を備える無線電力伝送装置100が提供される。
【0036】
好ましくは、無線電力伝送装置100は、出力電圧可変DC/DCコンバータ120と並列に接続された電圧検出部160と、出力電圧可変DC/DCコンバータ120とインバータ130の間で直列に接続された電流検出部170とをさらに備える。制御回路部150は、電圧検出部160に測定された電圧値と電流検出部170に測定された電流値から算出される第1の消費電力値と、出力電圧指令値を変更した状態で電圧検出部160に測定された電圧値と電流検出部170に測定された電流値から算出される第2の消費電力値とを比較し、第2の消費電力値が第1の消費電力値以下であるとき、出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に出力電圧指令値をさらに変更し、第2の消費電力値が第1の消費電力値より大きいとき、出力電圧指令値の変更方向と違う方向に出力電圧指令値を変更する。
【0037】
好ましくは、制御回路部150は、出力電圧指令値の変更方向と違う方向に出力電圧指令値を変更する際、第1および第2の消費電力値の差が閾値より大きい場合、出力電圧指令値の変更量を前回よりも小さくする。
【0038】
好ましくは、制御回路部150は、出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に出力電圧指令値をさらに変更する際、出力電圧指令値の変更量を前回よりも大きくする。
【0039】
好ましくは、制御回路部150は、出力電圧指令値の変更方向と同じ方向に出力電圧指令値をさらに変更する際、当該同じ方向に出力電圧指令値を変更する回数が閾値を越えた場合、出力電圧指令値の変更量を前回よりも大きくする。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。