(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上面に回路線が備えられ、方向性なく折り畳み可能な軟性材質、及び、前記回路線を通じて流れる電気を絶縁させる電気絶縁性材質として形成され、250℃を超える温度に耐えられる繊維で構成されたメインシートと、
前記回路線と電気的に接続されるように、前記メインシートに実装されるLEDモジュールと、
前記メインシートの上面に付着される前面シートと、
を含む折り畳み可能な回路線とLEDが備えられ、
前記回路線は、導電糸で構成され、
前記LEDモジュールには、互いに異なる色温度を有する、第1LEDと第2LEDとが備えられ、前記第1LEDを中心にして第1LEDの左右に、それぞれ通電用接着物が収容される、第1接着物収容ホールが備えられ、前記第2LEDを中心にして第2LEDの左右に、それぞれ通電用接着物が収容される、第2接着物収容ホールが備えられるように構成され、
前記LEDモジュールは、前記第1LEDと第2LEDとの間に縫製ホールが備えられ、前記縫製ホールを通して、前記メインシートにLEDモジュールを結わえ付ける縫製ラインを更に含み、
単一の前記LEDモジュール(200)は、前記第1LED(210)と前記第2LED(220)とが、それぞれ独立して電気を提供されうるように、4本の導電糸に接続され、前記第1LED(210)と前記第2LED(220)は、それぞれ2本の導電糸に接続され、
前記4本の導電糸は、互いに重なり合わずに、互いに平行に、第1〜4導電糸が、この順に配置されて形成され、
前記第1導電糸を通じて第1通電用接着物(410)に流入した電気は、前記第1LED(210)及び第2通電用接着物(420)を順次通過した後、前記第4導電糸に伝達され、前記第2導電糸を通じて第3通電用接着物(430)に流入した電気は、第2LED(220)、第4通電用接着物(440)を、順次通過した後、前記第3導電糸に伝達される、折り畳み可能な回路線とLEDが備えられた照明装置。
前記回路線とLEDモジュールとの間に備えられ、前記回路線とLEDモジュールを電気的に接続し、LEDモジュールを回路線に固定させる通電用接着物を、更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳み可能な回路線とLEDが備えられた照明装置。
前記メインシートは芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、ポリイミド繊維、ノボロイド繊維、炭素繊維、フッ素繊維、又はこれらの混紡で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳み可能な回路線とLEDが備えられた照明装置。
前記メインシートと前面シートとの間に備えられるとともに、メインシートに実装されたLEDモジュールが嵌合され得るように、LEDモジュールと対応する位置にLEDモジュール内挿ホールが形成された、固定シートを、更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳み可能な回路線とLEDが備えられた照明装置。
【背景技術】
【0002】
光が不十分な場所での撮影や、少し変わった雰囲気の演出のために、映画や映像分野では照明が広く用いられている。このとき、照明はその使用用途に応じて多様な種類及び形態で提供されている。一例として、写真、動画撮影のために屋外撮影又はフォトスタジオで用いられている照明はその光源として、蛍光ランプ(fluorescent lamp)やハロゲンランプ(halogen lamp)、放電ランプ(discharge lamp)、メタルハライドランプ(metal halide lamp)などを採用している。
【0003】
一般に広く用いられる照明装置は、支持台と前記支持台の上部に設けられた平らなハウジングを基本構成とし、平らなハウジング内には単数又は複数のランプが設けられ、ランプの光を開放された方向に集光して照射できるようにハウジングの先端に集光板が設けられることもできる。
【0004】
しかし、一般的な照明装置に用いられるランプは、大半が200W〜2kWの電力消費量の多い製品であり、その寿命も3、000〜9、000時間程度しか利用できないだけでなく、放送及び写真撮影中にはランプの状態による演出において大きく差がある。
【0005】
従って、照明装置に用いられるランプは、使用時間が残っている状態であっても一定時間使用すると、色温度が変わり得るため、ランプの交換周期をランプの基準使用時間よりも更に短くせざるを得ない場合が多く、これによりランプの交換コストが高くなる恐れがある。
【0006】
そして、ハロゲンランプを用いる照明装置は、使用時に、光と共に強い輻射熱が発生するため、放送撮影や写真撮影中に被写体の皮膚が損傷する恐れがあり、強い熱によって、照明装置が誤作動又は破損する恐れもある。
【0007】
このように、ハロゲンランプを用いる照明装置は、前述した問題を事前に防ぐための空調施設を別途に伴わなければならないという不便があるため、このような不便を解消すべく、電力効率が高く、発熱が小さい三波長ランプを利用する照明装置が開発された。
【0008】
しかし、放送及び写真撮影用の照明装置は20、000lm(lumen)以上の全光束を必要とするが、前記三波長ランプはこの全光束を満足させないという問題がある。
【0009】
なお、近年は、高効率のLED(Light Emitted Diode:LED)を用いた照明装置が開発された。このようなLEDを用いた照明装置は、従来の照明装置の半分のエネルギー消費率と10倍以上の寿命を有することができ、非常に効率的、且つ、経済的である。
【0010】
但し、このようなLEDを用いた照明装置は概ね固定された四角形状に形成され、高い水準の全光束を維持しなければならないため、数十個のランプや数百個のLEDモジュールが設けられることによって、全体的に大きな外形を有するようになる。
【0011】
従って、運搬時に大型トラックなどの積載空間が広い車両を利用しなければならないという不便が生じ、また、前述した照明装置は外形が固定されているため、拡張が容易ではなく、高い水準の明るさを提供するためには複数個を共に使用しなければならないという問題がある。
【0012】
前述した問題を解消するために、下記の特許文献には方向性なく折り畳み可能な軟性材質の繊維材質で構成されて防炎処理及び防水処理され、上面に回路線が備えられたベース層と、前記回路線と電気的に接続されるように前記ベース層上に実装される複数のLEDと、前記複数のLEDを除いた前記ベースの上面に積層されるようにして接着剤で付着(貼り付けまたは取付)されるブラックシート層と、前記ブラックシート層と前記LEDを覆って封止するように防水性を有する、合成樹脂材質からなる透明カバー層とを含むフレキシブル照明パネルが開示されている。
【0013】
しかし、前述した照明装置は、方向性なく折り畳んだり、巻いて保管できるように構成されているが、複数のLEDがベース層に実装された状態でブラックシート層及び透明カバー層により固定されるため、断線などの問題が発生して故障した場合、ブラックシート層をベース層から分離させ難く、ベース層からブラックシート層を分離させると、複数のLEDがベース層に安定的に実装された状態を維持し難いため、結果として、修理が困難であるという短所があった。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る、折り畳み可能な回路線と、LEDとが備えられた照明装置(以下、「折り畳み式照明装置」と略す)を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置を説明する分解斜視図であり、
図2は、本発明に係る照明装置の導電糸の構造を示す平面図である。
【0026】
図1及び
図2を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、上面に回路線150が備えられたメインシート100と、前記回路線150と電気的に接続されるように前記メインシート100に実装されるLEDモジュール200と、前記メインシート100の上面に付着される前面シート300とを含んでおり、任意選択的に、前記回路線150とLEDモジュール200との間に備えられ、前記回路線150とLEDモジュール200とを電気的に接続し、LEDモジュール200を回路線150に固定させる通電用接着物400を、更に含むことができる。
【0027】
以下、図面を参照して各構成要素別に更に具体的に説明する。
【0028】
図3は、本発明に係るメインシートを示す写真である。
【0029】
図1〜
図3を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、メインシート100を含む。
【0030】
前記メインシート100は、上面に、電気を供給する回路線150が備えられているシートであって、外力により折り畳み可能に、合成繊維で形成されうる。
【0031】
ここで、前記合成繊維は、方向性なく折り畳み可能な軟性材質であり、前記回路線150を通じて流れる電気を絶縁させる電気絶縁性材質であり、250℃を超える温度に耐えられる繊維を意味する。
【0032】
具体的に、前記メインシート100は、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、ポリイミド繊維、ノボロイド繊維、炭素繊維、フッ素繊維、又はこれらの混紡で構成されることが好ましい。
【0033】
前記メインシート100が250℃を超える温度に耐えられる繊維で製造されないと、回転パターンとLEDモジュール200との間に備えられた通電用接着物400が硬化するように、150〜250℃の温度で加熱してから冷却させるリフロー処理(reflow treatment)を行う際、メインシート100が炭化されるか、収縮するという問題が発生し得る。
【0034】
一方、前記回路線150は、金属箔膜又は導電糸で構成されうるが、リフロー処理時に断線しないように、導電糸で構成されることが好ましい。ここで、導電糸には、銀糸、銅とニッケルの合金糸、銅糸、ステンレス糸、又はこれらの合糸などを用いることができる。
【0035】
図1を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、放熱シート500を更に含むことができる。
【0036】
前記放熱シート500は、LEDモジュール200から発生した熱が速やかに排出され得るようにメインシート100の裏面に取り付けられるものであって、このような放熱シート500には、熱を拡散させることができる素材であれば如何なるものを用いても構わず、織物地や合成繊維地を用いることができる。例えば、放熱シート500としては、生産原価の削減のためにアルミニウムコーティング地、銀膜コーティング地などを用いることができる。
【0037】
このような放熱シート500は、アルミニウム、銅、銀など適用される素材によって、前面シート300により反射された光を、再び前面シート300の方向に反射させる反射シートとしての役割も果たすことができる。
【0038】
また、放熱シート500は、メインシート100の裏面をカバーできるように、メインシート100と同一の大きさに形成されうる。
【0039】
特定の態様として、本発明に係る放熱シート500は、ナイロン210d R/Sで形成された第1シートと、前記メインシート100と向かい合う第1シートの前面に形成された銀膜コーティング、及び、前記第1シートの背面に形成されたポリシクロヘキサン-1,4-テレフタル酸ジメチル(PCT;Polycyclohexylenedimethylene terephthalate)コーティングで構成されうる。
【0040】
必要に応じて、放熱シート500は、ポリエステルなどのように放熱機能だけでなく、防水機能も有する素材で形成されうる。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態に係るLEDモジュールを説明する斜視図であり、
図6は、本発明に係るLEDモジュールが実装されたメインシートを示す写真である。
【0042】
図1及び
図4を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、LEDモジュール200を含む。
【0043】
前記LEDモジュール200は、回路線150に電気的に接続され、回路線150を通じて外部から供給された電気エネルギーでもって光を生成するものであり、このために、メインシート100に実装される。
【0044】
このようなLEDモジュール200には、互いに異なる色温度を有する第1LED210と第2LED220とが備えられうる。例えば、第1LED210としては2500K〜3500Kの色温度を有するLEDを用いることができ、第2LED220としては、4500K〜6500Kの色温度を有するLEDを用いることができる。
【0045】
また、互いに異なる色温度を有する第1LED210と第2LED220は、互いに独立して回路線150に配列される代わりに、単一のLEDモジュール200に、共に備えられる。従って、本発明では、互いに異なる色温度を有する、第1LED210と第2LED220とを別途に管理する必要がないので、部品の管理が簡便であり、回路線150に第1LED210と第2LED220をそれぞれ独立して配列する従来技術と対比すると、製作時間も短縮させうる。
【0046】
このために、単一のLEDモジュール200は、第1LED210と第2LED220とがそれぞれ独立して電気を提供されうるように、
図1に示すように、4本の導電糸に接続され、第1LED210と第2LED220は、それぞれ2本の導電糸に接続される。
【0047】
なお、LEDモジュール200は、
図4に示すように、前記第1LED210を中心にして第1LED210の左右に、それぞれ通電用接着物400が収容される第1接着物収容ホール230が備えられ、前記第2LED220を中心にして第2LED220の左右に、それぞれ通電用接着物400が収容される第2接着物収容ホール240が備えられるのでありうる。
【0048】
そして、LEDモジュール200には、前記第1LED210と第2LED220との間に、縫製ホール250が備えられうる。このような縫製ホール250を通して、前記メインシート100にLEDモジュール200を結わえ付ける縫製ラインが備えられる。ここで、縫製ラインは、メインシート100と同一の繊維で構成されることが好ましい。
【0049】
また、LEDモジュール200は、
図4に示すように、縫製ホール250を中心に前後方向に第1陥没凹部260'と第2陥没凹部260”が備えられうる。具体的に、第1、2陥没凹部260'、260”は、第1接着物収容ホール230と第2接着物収容ホール240との間を繋ぐラインに垂直であるライン線の上に配置される。このような第1陥没凹部260'と第2陥没凹部260”は、縫製ラインがLEDモジュール200に密着する空間を提供して、縫製ラインにより、LEDモジュール200がメインシート100に安定的に固定され得るようにする。
【0050】
特定の様態として、本発明に係るLEDモジュール200は、
図5に示すように、第1LED210を中心にして第2LED220の反対側に収容された第1通電用接着物410が、第1LED210に電気的に接続されており、第2LED220を中心にして第1LED210の反対側に収容された第2通電用接着物420が、第1LED220に電気的に接続される。
【0051】
そして、LEDモジュール200は、第1LED210を中心にして第2LED220と同一の側に収容された第3通電用接着物430が、第2LED220に電気的に接続されており、第2LED220を中心にして第1LED210と同一の側に収容された第4通電用接着物440が、第2LED220に電気的に接続される。
【0052】
従って、
図1に示すように、第1導電糸を通じて第1通電用接着物410に流入した電気は、第1LED220、第2通電用接着物420を、順次通過した後、内部閉曲線(内側ループ)構造を有する第3導電糸に伝達される。そして、第2導電糸を通じて第3通電用接着物430に流入した電気は、第2LED210、第4通電用接着物440を、順次通過した後、外部閉曲線(外側ループ)構造を有する第4導電糸に伝達される。
【0053】
また、任意の第1LEDモジュールを通過して第3導電糸に伝達された電気は、前記第1LEDモジュールに上下方向から隣接する、第2LEDモジュールに収容された第1通電用接着物410に伝達されるのであり、第1LEDモジュールを通過して第4導電糸に伝達された電気は、第2LEDモジュールに収容された第3通電用接着物430に伝達される。
【0054】
このように、第1LEDモジュールに閉曲線構造を有する導電糸でもって接続された第2LEDモジュール、前記第2LEDモジュールに閉曲線構造を有する導電糸でもって接続された第3LEDモジュール、前記第3LEDモジュールに閉曲線構造を有する導電糸でもって接続された第4LEDモジュール、前記第4LEDモジュールに閉曲線構造を有する導電糸でもって接続された第5LEDモジュール、前記第5LEDモジュールに閉曲線構造を有する導電糸でもって接続された第6LEDモジュールは、何れも、第1LEDモジュールに直列に接続(Aグループ)される。
【0055】
なお、第1LEDモジュールを通過して第1導電糸に伝達された電気は、前記第1LEDモジュールに左右方向から隣接する、第7LEDモジュールに収容された第1通電用接着物410に伝達されるのであり、第1LEDモジュールを通過して第2導電糸に伝達された電気は、第7LEDモジュールに収容された、第3通電用接着物430に伝達される。
【0056】
このように、第1LEDモジュールに、直線構造を有する導電糸で接続された第7LEDモジュール(Bグループ)、前記第7LEDモジュールに、直線構造を有する導電糸でもって接続された第8LEDモジュール(Cグループ)、前記第8LEDモジュールに、直線構造を有する導電糸でもって接続された第9LEDモジュール、前記第9LEDモジュールに、直線構造を有する導電糸でもって接続された第10LEDモジュールなどは、何れも、第1LEDモジュールと並列に接続される。
【0057】
図1を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、通電用接着物400を更に含むことができる。
【0058】
前記通電用接着物400は、回路線150とLEDモジュール200との間に備えられるものであって、前記回路線150とLEDモジュール200とを電気的に接続し、LEDモジュール200を回路線150に固定させる機能を提供する。
【0059】
前記通電用接着物400は金、銀、鉛、亜鉛、銅、錫、又はこれらの混合物で構成されうる。必要に応じて、通電用接着物400としてはクリーム半田(solder paste or solder cream)を用いることができる。このようなクリーム半田は、電子部品の半田付け過程に用いられる公知となった構成であるので、具体的な説明は省略する。
【0060】
具体的に、通電用接着物400は、回転パターンとLEDモジュール200との間に備えられる、通電用接着物400のパターンが形成されたフォトマスクによって、リソグラフィ(Lithography)を行って回路線150に塗布される。
【0061】
このような通電用接着物400は、それぞれのLEDモジュール200が回路線150に固定された状態を維持するように、回路線150とLEDモジュール200との間に結合力を提供するのであるため、任意の第1LED210モジュール200が損傷して交換が必要な場合、前面シート300をメインシート100から分離しても、回路線150に配列された複数のLEDモジュール200は、回路線150から離脱せず、何れも初期位置を維持する。
【0062】
このように、本発明のLEDモジュール200は、前面シート300などにより動きが制限されて、回路線150に配列された初期位置を持続的に維持するという代わりに、通電用接着物400により、メインシート100に固定される。
【0063】
換言すると、メインシート100を除いた他のシート構造物によって、LEDモジュール200がメインシート100に配列された初期位置を維持するという場合には、修理のために他のシート構造物を分離すると、LEDモジュール200は、メインシート100に固定されず、外力により初期位置を離脱する問題が発生しやすい恐れがある。同様に、照明装置の折り畳みの過程を通じてメインシート100と前面シート300との間の付着力が低下し、特定区間で前面シート300がメインシート100から剥がれると、該当区間に配列されたLEDモジュール200も、メインシート100から分離されるという問題が発生し得る。
【0064】
図8は、本発明に係る照明装置の製造方法を説明する順序図である。
【0065】
図1及び
図8を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置は、前面シート300を含む。
【0066】
前記前面シート300は、メインシート100に実装されたLEDモジュール200と、メインシート100に備えられた回路線150とを保護するために、メインシート100の前面に付着されるものであって、LEDモジュール200から発光した光が透過できるシートで形成される。
【0067】
具体的に、前面シート300は、外力によりメインシート100と共に折り畳まれるように、ポリ塩化ビニール(polyvinyl chloride:PVC)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene2,6-naphthalate:PEN)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate:PBT)、ポリプロピレン(polypropylene:PP)、ポリエチレン(polyethylene:PE)、高密度ポリエチレン(highdensity polyethylene:HDPE)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene:LDPE)、又は直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene:LLDPE)などの合成繊維を用いることができる。
【0068】
このような前面シート300は、回路線150とLEDモジュール200の動きを制限するので、外部から衝撃が加えられても、回路線150の移動によって短絡(short-circuit)が発生するのを防止できる。
【0069】
必要に応じて、本発明に係る前面シート300は、前記LEDモジュール200から発光される光を、軟らかく拡散させて被写体に照射されるようにする、拡散シートとして構成されることが好ましい。
【0070】
また、前面シート300は、メインシート100の全面をカバーできるように、メインシート100と同一の大きさに形成されうる。
【0071】
第1実施形態として、本発明に係る前面シート300は、ナイロン40d R/Sで形成された第2シート、及び、前記第2シートの両面に形成された光沢防水加工層で構成されうる。
【0072】
第2実施形態として、本発明に係る前面シート300はPoly185で形成された第2シート、及び前記第2シートの両面に形成されたポリウレタンコーティング層で構成されうる。
【0073】
第3実施形態として、本発明に係る前面シート300はポリフィラ50又はダブルリップで形成された第2シート、及び前記第2シートの両面に形成されたポリウレタンコーティング層で構成されうる。
【0074】
一方、前記前面シート300は、その縁に沿って固定フレームが挿入され得るように係止ループが形成されうる。このような係止ループは、前面シート300の各隅にのみ形成されてもよく、固定フレームが内挿され得るように、前面シート300の縁に沿って形成されてもよい。
【0075】
本発明に係る照明装置は、使用用途によって大型の発光面積が必要な場合に、各照明装置を互いに繋ぎ合わすことができるように、前面シート300の前面の縁、メインシート100の裏面の縁、又はこれらの何れにも、脱着手段(図示せず)が備えられうる。このような脱着手段としては、面ファスナ(ベルクロ(登録商標))が用いられるうる。
【0076】
本発明に係る折り畳み式照明装置は、固定シート(図示せず)を更に含むことができる。
【0077】
前記固定シートは、メインシート100と前面シート300との間に備えられるものであって、メインシート100の上面に、接着剤などの付着手段によって付着されうる。
【0078】
また、固定シートは、各LEDモジュール200が嵌合され得るように、各LEDモジュール200と対応する位置に、LEDモジュール内挿ホールが形成され、これにより、メインシート100が折り畳まれても、メインシート100に実装された各LEDモジュール200の動きを遮断して、各LEDモジュール200がメインシート100から分離されるのを遮断する。
【0079】
なお、固定シートは、メインシート100に実装されたLEDモジュール200の高さに対応する厚さに形成され、これにより、LEDモジュールの形成高さによる前面シートの浮き上がりの現象を防止する。
【0080】
このような固定シートは、メインシート100の全面をカバーできるようにメインシート100と同一の大きさに形成されうる。
【0081】
このように、固定シートは、回路線150とLEDモジュール200の動きを制限するため、外部から衝撃が加えられても、回路線150の移動によって短絡(short-circuit)が発生するのを防止でき、外部から回路線150が認識されないように、回路線150の露出を視覚的に遮断できる。
【0082】
必要に応じて、固定シートは、LEDモジュール200から発生した熱を速やかに拡散させることができるように、放熱機能を有する素材で形成されることが好ましい。
【0083】
本発明に係る折り畳み式照明装置は、電源供給手段を更に含むことができる。
【0084】
前記電源供給手段は、外部から供給される電源を回路線150に提供するものであって、前面シート300の前面や、メインシート100の裏面に設けられ、回路線150に電気的に接続される。
【0085】
このような電源供給手段には、電源を供給するバッテリなどに接続されたコンセントが挿入され得る、ソケットが備えられうる。ここで、ユーザはコンセントとソケットの接続と分離によって、LEDモジュール200の点滅を制御できる。
【0086】
必要に応じて、電源供給手段には、外部から供給される電源を遮断するオン/オフボタン(図示せず)が設けられうるのであり、LEDモジュール200の光量と色温度を調節できる調光(dimming)装置600が設けられることもありうる。ここで、調光装置600としては、DMX照明コントローラを用いることができる。
【0087】
このような調光装置は、LEDモジュール200に備えられた第1LED210と第2LED220の明るさを多様に調節して多様な色温度を実現できる。例えば、調光装置は、外部から入力された信号に応じて、第1LED210の明るさを80%にして第2LED220の明るさを20%に制御するか、第1LED210の明るさを20%にして第2LED220の明るさを80%に制御することができる。
【0088】
本発明の一実施形態に係る照明装置は、固定フレーム(図示せず)を更に含むことができる。
【0089】
前記固定フレームは、メインシート100と前面シート300が平らに広げられた状態を維持させるために備えられるものであって、前面シート300の隅や縁に沿って形成された係止ループに挿入される。
【0090】
このような固定フレームは、前面シート300に設けられる構成だけで形成されることもありうるが、本発明の照明装置が、地面から離間した位置に備えられうるようにする、支持台を含むこともできる。このような支持台の形態は、照明装置の使用用途に応じて、多様に変形し得るので、特に限定されない。
【0091】
図8は、本発明に係る照明装置の製造方法を説明する順序図である。
【0092】
図8を参照すれば、本発明に係る折り畳み式照明装置の製造方法は、メインシート100の上面に回路線150を形成する回路線形成段階(S100)と、前記メインシート100の回路線150に一定間隔で通電用接着物を塗布するプリント段階(S200)と、各通電用接着物にLEDモジュール200を実装するLEDモジュール実装段階(S300)と、前記通電用接着物のパターンが硬化するようにリフロー処理する溶融段階(S400)と、メインシート100の前面に前面シート300を付着させる前面シート付着段階(S500)とを含む。
【0093】
前記回路線形成段階(S100)では、方向性なく折り畳み可能な軟性材質、及び、前記回路線を通じて流れる電気を絶縁させる電気絶縁性材質として形成されており、250℃を超える温度に耐えられる繊維で構成された、メインシートの上面に、
図3のように回路線を形成する。ここで、回路線150は、導電糸で構成されうるのであり、コンピュータ刺繍ミシンなどによって、予め設定されたパターンに、回路線150がメインシート100に形成される。
【0094】
前記プリント段階(S200)では、フォトマスクによってリソグラフィを行って、前記回路線に、一定間隔で通電用接着物を塗布する。より具体的に、プリント段階(S200)では、回路線150が備えられたメインシート100の上側に、通電用接着物400のパターンが形成されたフォトマスクを配置し、前記フォトマスクによってリソグラフィ(Lithography)を行って、回路線150に通電用接着物400のパターンをプリントする。
【0095】
前記LEDモジュール実装段階(S300)では、表面実装器(surface mounter component)を用いて、
図6に示すように、メインシート100の表面に備えられた回路線150に、LEDモジュール200を実装する。
【0096】
前記溶融段階(S400)では、前記LEDモジュール200が実装されたメインシート100を、最高温度が150〜250℃となるようにリフロー処理して、各LEDモジュール200を回路線150に固定させる。より具体的に、溶融段階(S400)では、LEDモジュール200が実装されたメインシート100を、リフロー処理装置に投入した後、150〜250℃の温度で加熱させてから冷却させることで、通電用接着物400を硬化させる。この際、硬化した通電用接着物400は、LEDモジュール200をメインシート100に固定させ、回路線150を通じて輸送される電気をLEDモジュール200に供給する役割を果たす。
【0097】
特定の態様として、本発明に係る溶融段階(S400)は、設定された最高温度に到達するまで、次第に高い温度で、前記LEDモジュールが実装されたメインシートを5分〜10分間加熱する1次加熱過程と、設定された最高温度で、前記LEDモジュールが実装されたメインシートを4分〜6分間加熱する2次加熱過程と、常温に到達するまで前記LEDモジュールが実装されたメインシートを冷却させる冷却過程とを含んで構成されうる。
【0098】
このように、溶融段階(S400)で、1次加熱過程と2次加熱過程によってLEDモジュールが実装されたメインシートを加熱することは、導電糸とLEDモジュールが急激な温度変化に露出して、熱衝撃(クラックの発生、動きの発生)を受けることがないようにするためである。
【0099】
前記前面シート付着段階(S500)では、溶融段階(S400)を通過したメインシート100の前面に、
図7に示すように、前面シート300を粘着方式で付着させる。
【0100】
以下、本発明の具体的な実施例及び実験例によって更に具体的に記述する。但し、本実施例及び実験例は、前述した発明の特定例の理解を促進するためのものであって、これにより権利範囲などが制限的に解釈されてはならない。
【0101】
[実施例]
1.コンピュータ刺繍ミシン[ハスクバーナバイキングRuby Deluxe、svp、中国]を用いて、予め指定されたパターンでもって、アラミド繊維で構成されたメインシートの上面に、回路線を形成した。
【0102】
2.通電用接着物のパターンが形成されたフォトマスクとスクリーンプリンタによって、通電用接着物である錫、銀、銅の混合物を、メインシートの回路線に塗布した。
【0103】
3.前記メインシートに塗布された各通電用接着物に、LEDモジュールを、表面実装器[i-Pulse M20、Yamaha、日本]で実装した。
【0104】
4.LEDモジュールが実装されたメインシートを、リフロー処理装置に投入した後、240℃の温度まで加熱させてから冷却させて、通電用接着物を硬化させた。
【0105】
5.前記メインシートの前面に、前面シートをラミネート方法で付着させて、本発明の照明装置を製作した。
【0106】
[比較例1]
実施例と同一の方法で照明装置を製造し、アラミド繊維で構成されたメインシートの代わりに、防炎されていない綿繊維で構成されたメインシートを用いて照明装置を製作した。
【0107】
[比較例2]
実施例と同一の方法で照明装置を製造し、アラミド繊維で構成されたメインシートの代わりに、防炎処理された綿繊維で構成されたメインシートを用いて照明装置を製作した。
【0108】
[実験例1]
実施例と比較例1、2によって製造された照明装置の色と組織感(texture)を比較した。ここで、実施例と比較例1、2によって製作された照明装置を、
図9〜
図11に示した。
【0109】
図9を参照すれば、アラミド繊維で構成されたメインシートを用いると、240℃の温度下でリフロー処理を施してもメインシートに収縮が発生したり、変色しないことが観察された。
【0110】
図10を参照すれば、防炎処理が行われていない綿繊維で構成されたメインシートを用いると、リフロー処理を行う過程でメインシートが硬化して崩れが生じ、黄色に変色することが観察された。
【0111】
図11を参照すれば、防炎処理された綿繊維で構成されたメインシートを用いると、リフロー処理を行う過程でメインシートが硬化して崩れが生じ、炭化して黒色を呈することが観察された。
【0112】
このように、通電用接着物を使用しない従来のフレキシブル照明装置は、防炎処理された繊維をベース層として用いているが、このようなベース層は、リフロー処理を考慮しない構成であるため、リフロー処理過程で硬化して崩れたり、変色する問題が発生したのに対し、本発明は繊維組織が硬化したり、変色するという問題が発生しなかった。
【0113】
以上、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることが理解できるであろう。