特許第6948424号(P6948424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6948424情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948424
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20210930BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-46333(P2020-46333)
(22)【出願日】2020年3月17日
(65)【公開番号】特開2021-149266(P2021-149266A)
(43)【公開日】2021年9月27日
【審査請求日】2021年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】田中 玲奈
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−240887(JP,A)
【文献】 特開2012−059295(JP,A)
【文献】 特開2020−017267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置で入力されたキーワードを取得し、前記キーワードと前記キーワードの取得日時とを関連付けてキーワード履歴情報として取得するキーワード取得部と、
前記キーワード履歴情報に基づいて、各前記キーワードの直近の所定期間における取得数に基づくトレンド指数を算出するトレンド指数算出部と、
各前記キーワードの取得総数、又は、検索処理部による前記キーワードを用いた検索処理により検索されたコンテンツの総数に基づくボリューム指数を算出するボリューム指数算出部と、
前記トレンド指数を第一軸、及び前記ボリューム指数を第二軸としたトレンドマップを複数のエリアに分割するエリア分割条件を取得する条件取得部と、
前記エリア分割条件に基づいて、複数の前記エリアに対する前記トレンド指数の範囲及び前記ボリューム指数の範囲を設定して前記トレンドマップを分割し、各前記キーワードに対して算出された前記トレンド指数及び前記ボリューム指数に基づいて、前記トレンドマップに各前記キーワードに対応した点であるトレンド点をプロットするマッピング部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記マッピング部は、前記エリア分割条件と、各前記キーワードの前記トレンド指数及び前記ボリューム指数と、に基づいて、前記トレンドマップを複数の前記エリアに分割する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記マッピング部は、前記条件取得部が各前記エリアに属する前記キーワードの数の割合を含む前記エリア分割条件を取得した場合に、各前記キーワードの前記トレンド指数及び前記ボリューム指数に基づいて、各前記エリアにプロットされる前記トレンド点の数が当該エリアに対する前記割合となるように、前記トレンドマップを複数の前記エリアに分割する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記マッピング部は、前記条件取得部が各前記エリアに対する前記トレンド指数の範囲、及び前記ボリューム指数の範囲を含む前記エリア分割条件を取得した場合に、取得した各前記エリアに対する前記トレンド指数の範囲、及び前記ボリューム指数の範囲に基づいて前記トレンドマップを分割する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記キーワード取得部は、前記キーワードとして、前記端末装置により検索処理が実施された場合に取得される検索キーワードを取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータによりトレンドマップを生成する情報処理方法であって、
前記コンピュータは、キーワード取得部、トレンド指数算出部、ボリューム指数算出部、条件取得部、及びマッピング部を備え、
前記キーワード取得部が、端末装置で入力されたキーワードを取得し、前記キーワードと前記キーワードの取得日時とを関連付けてキーワード履歴情報として取得するキーワード取得ステップと、
前記トレンド指数算出部が、前記キーワード履歴情報に基づいて、各前記キーワードの
直近の所定期間における取得数に基づくトレンド指数を算出するトレンド指数算出ステップと、
前記ボリューム指数算出部が、各前記キーワードの取得総数、又は、検索処理部による前記キーワードを用いた検索処理により検索されたコンテンツの総数に基づくボリューム指数を算出するボリューム指数算出ステップと、
前記条件取得部が、前記トレンド指数を第一軸、及び前記ボリューム指数を第二軸とした前記トレンドマップを複数のエリアに分割するエリア分割条件を取得する条件取得ステップと、
前記マッピング部が、前記エリア分割条件に基づいて、複数の前記エリアに対する前記トレンド指数の範囲及び前記ボリューム指数の範囲を設定して前記トレンドマップを分割し、各前記キーワードに対して算出された前記トレンド指数及び前記ボリューム指数に基づいて、前記トレンドマップに各前記キーワードに対応した点であるトレンド点をプロットするマッピングステップと、を実施する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータにより読み取り実行可能な情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーワードに対応した対象のトレンド状況をマッピングする情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットにおいて用いられるキーワードを集計し、現在のトレンドをマッピング表示させるトレンドマップが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1のトレンドマップは、インターネットで用いられるキーワードの検索数を横軸とし、当該キーワードの直近の検索数推移に基づくトレンド指数を縦軸として、各キーワードをマッピング表示したマップである。
【0003】
このようなトレンドマップは、検索数の第一閾値と、トレンド指数の第二閾値とを予め設定し、トレンドマップを4つの象限に分けることで、各キーワードに対応する対象がどのようなトレンド状態であるかを示す。例えば、検索数が第一閾値未満であり、かつ、トレンド指数が第二閾値未満である象限をポテンシャルエリアとする。ポテンシャルエリアには、検索数がまだ少ないが、流行に敏感なユーザが反応していると予測できるキーワードがマッピングされる。検索数が第一閾値未満であり、かつ、トレンド指数が第二閾値以上である象限をネクストブレイクエリアとする。ネクストブレイクエリアには、検索数がまだ少ないが、検索数の上昇率が高く、これからブレイクすると予測できるキーワードがマッピングされる。検索数が第一閾値以上であり、かつ、トレンド指数が第二閾値以上である象限をブレイクエリアとする。ブレイクエリアには、検索数も検索数の上昇率も高く、現在ブレイクしているキーワードがマッピングされる。検索数が第一閾値以上であり、かつ、トレンド指数が第二閾値未満である象限をポピュラーエリアとする。ポピュラーエリアには、検索数が安定して多く、多くのユーザの興味が高いキーワードがマッピングされる。
このようなトレンドマップにより、ユーザは、現在のトレンドや今後の傾向を知ることが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”Yahoo!検索大賞”、[online]、ヤフー株式会社、[令和2年2月18日検索]、インターネット(URL:https://searchaward.yahoo.co.jp/2018/trendmap/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、非特許文献1に記載のトレンドマップは、トレンド指数や検索数を予め設定された第一閾値や第二閾値を用いた4つの象限に分割したものであり、各キーワードをこれらの予め設定された象限(エリア)のいずれかにマッピングする。
しかしながら、人がトレンド(流行している)と感じる度合いは、人によってそれぞれ異なる。例えば、商品を開発する業者が、様々なキーワードに対する商品を検討する際、多種多様なキーワードに対する商品を開発していずれかがブレイクすればよいと考える場合もあり、確実にブレイクするキーワードに対する商品を開発したいと考える場合もある。前者では、ポテンシャルエリアとネクストブレイクエリアとの境界である第二閾値を低く設定したトレンドマップでキーワードを判定することが好ましく、後者では、逆に第二閾値を高くしてキーワードを判定することが好ましい。このように、ユーザにとってより適正なトレンド状態を示すトレンドマッピングを表示する装置が望まれている。
【0006】
本発明は、キーワードに対応した対象のトレンド状態を適正に表示可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、端末装置で入力されたキーワードを取得し、前記キーワードと前記キーワードの取得日時とを関連付けてキーワード履歴情報として取得するキーワード取得部と、前記キーワード履歴情報に基づいて、各前記キーワードの直近の所定期間における取得数に基づくトレンド指数を算出するトレンド指数算出部と、各前記キーワードの取得総数、又は、各前記キーワードに対するコンテンツの総数に基づくボリューム指数を算出するボリューム指数算出部と、前記トレンド指数を第一軸、及び前記ボリューム指数を第二軸としたトレンドマップを複数のエリアに分割するエリア分割条件を取得する条件取得部と、前記エリア分割条件に基づいて、複数の前記エリアに対する前記トレンド指数の範囲及び前記ボリューム指数の範囲を設定して前記トレンドマップを分割し、各前記キーワードに対して算出された前記トレンド指数及び前記ボリューム指数に基づいて、前記トレンドマップに各前記キーワードに対応した点であるトレンド点をプロットするマッピング部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、トレンドマップにおいて、複数のエリアを表示させる際に、エリア分割条件に基づいて自由に各エリアの範囲を変更することができる。これによって、トレンドマップの各エリアを動的に変化させることができ、トレンドマップを確認するユーザにとって、適切なトレンド状態を示すトレンドマップを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムを示す概略図。
図2】本実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】本実施形態における情報処理方法を示すフローチャート。
図4】本実施形態でデフォルトとして表示させるトレンドマップの生成方法を示すフローチャート。
図5】本実施形態で、デフォルトで生成されるトレンドマップの一例を示す図。
図6】本実施形態のトレンド表示コンテンツの一例を示す図。
図7】本実施形態で、マップ生成条件を変更した場合のトレンドマップの生成方法を示すフローチャート。
図8】各エリアのトレンド点の数を均一にしたトレンドマップの一例を示す図。
図9】各トレンド点のまとまりに応じて各エリアを設定したトレンドマップの一例を示す図。
図10】各エリアの範囲が指定された場合のトレンドマップの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る一実施形態について説明する。
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態の情報処理システムを示す概略図である。
本実施形態の情報処理システムは、図1に示すように、情報処理装置であるサーバ装置10、サーバ装置10に対してインターネットを介して接続された複数の端末装置20及び複数のマップ表示装置30を備える。
本実施形態では、サーバ装置10は、端末装置20で入力されたキーワードを取得し、これらのキーワードに基づいて、キーワードに対応する対象のトレンド状態を示すトレンドマップを生成する。キーワードに対応する対象とは、人がトレンド(流行している)と感じる対象であり、例えば、商品であってもよく、芸能人やアーティスト等の人物であってもよく、スポーツなどの人の行為であってもよい。
また、本実施形態では、インターネットに接続されたマップ表示装置30からサーバ装置10に対して、トレンドマップの表示を要求する要求情報が送信されることで、サーバ装置10は、生成したトレンドマップをマップ表示装置30に返す。マップ表示装置30としては、例えば、マーケティング調査等を行う企業が管理するコンピュータ等が例示できる。なお、一般のユーザが管理する端末装置20を、本発明のマップ表示装置として機能させてもよい。この場合、端末装置20からサーバ装置10に対して、トレンドマップの表示を要求する要求情報を送信することで、サーバ装置10は、生成したトレンドマップをマップ表示装置である端末装置20に返す。
以下、このような情報処理システムの、特にサーバ装置10について詳細に説明する。
【0011】
[サーバ装置10の構成]
図2は、サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
サーバ装置10は、一般的なコンピュータにより構成されており、図2に示すように、通信部11、記憶部12、プロセッサ13等の、コンピュータを構成する各部を備えている。なお、サーバ装置10を構成するコンピュータの数は特に限定されない。例えば、1台のコンピュータによってサーバ装置10が構成されてもよく、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバをサーバ装置10としてもよい。
通信部11は、インターネットに接続され、インターネットを介して端末装置20等の各装置と通信する。
【0012】
記憶部12は、サーバ装置10を制御するための各種情報や情報処理プログラムを記録する。
また、記憶部12は、キーワード履歴情報を記録するキーワード履歴データベース(キーワード履歴DB121)、キーワードの分析結果に基づいたトレンド情報を記録するトレンドデータベース(トレンドDB122)、及び、ユーザ情報を記録するユーザデータベース(ユーザDB123)等のデータベースを備えている。
なお、ここでは、サーバ装置10の記憶部12に、キーワード履歴DB121、トレンドDB122、及びユーザDB123等の各種データベースや情報が記録される例を示すが、サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに、これらの情報が記録される構成としてもよい。
【0013】
キーワード履歴DB121は、キーワードと、当該キーワードの入力日時と、キーワードの取得先を示す取得先情報と、対象サービス情報と、等を含むキーワード履歴情報が記録されている。
キーワードは、端末装置20において使用された文字列である。ここで、本実施形態では、キーワードとして、端末装置20において所定のアプリケーションが実行され、当該アプリケーションにより、情報を検索する検索処理が実施された際に入力される検索キーワードを例示する。
入力日時は、端末装置20においてキーワードが入力された日時である。端末装置20でキーワードに基づいた検索処理が実施されたタイミングで、端末装置20からサーバ装置10にキーワードが送信される場合、サーバ装置10がキーワードを取得した日時であってもよい。
取得先情報は、キーワードの取得先である端末装置20を特定する情報であり、例えば、端末装置20を操作するユーザを識別するユーザIDが記録されている。
対象サービス情報は、端末装置20において所定のアプリケーションによって検索処理が実施された際の検索キーワードの送信先の検索対象サービスである。例えば、端末装置20において、コンテンツを表示させるウェブブラウザ(例えば、Internet Explorer(登録商標)、Safari(登録商標)等)により、コンテンツの検索を提供する検索コンテンツ(ポータルサイトやSNS等)にアクセスして検索処理が実施された場合、当該検索コンテンツが検索対象サービスとなる。また、端末装置20において、複数のユーザが投稿した投稿コンテンツを閲覧するSNS(例えば、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)等)のアプリケーションを実施し、投稿コンテンツの検索処理を実施した場合、当該SNSが検索対象サービスとなる。
【0014】
トレンドDB122は、トレンド情報が記録されており、当該トレンド情報は、キーワード履歴情報に基づいて、各キーワードの分析結果が実施され、トレンドマップが生成されることで、トレンドマップ毎に記録される。
このトレンド情報には、トレンドマップの基準日、キーワード、当該キーワードの検索総数、当該キーワードの一定期間毎の検索数(期間検索数)、当該キーワードに対するトレンド指数、当該キーワードに対するボリューム指数、及び、生成されたトレンドマップ等が記録される。
【0015】
基準日は、いつの時点のトレンド状態であるかを示す情報であり、例えば、トレンドマップの生成日時であってもよく、トレンドマップの表示を要求するマップ表示装置30の操作者が指定した日時等であってもよい。
キーワードは、トレンドマップに表示されるキーワードである。このキーワードとしては、トレンド状態を判定するトレンド判定期間内のキーワード履歴情報の全てのキーワードであってもよく、所定の検索数以上のキーワードであってもよい。トレンド判定期間として、特に指定がない場合では、キーワード履歴DB121の全てのキーワード履歴情報のキーワードを対象としてもよい。また、トレンド判定期間が、例えば1ヶ月間等と指定される場合は、基準日からトレンド判定期間前までのキーワード履歴情報のキーワードが対象となる。
【0016】
検索総数は、対象となるキーワードを用いた検索処理が実施された総数である。
期間検索数は、例えば、1年毎、1ヶ月毎、1週間毎等の所定期間(上昇率判定期間)におけるキーワードの検索数である。上昇率判定期間は、例えば、トレンド判定期間毎に設定され、トレンド判定期間よりも短い期間となる。例えば、トレンド判定期間が1年である場合、上昇率判定期間を1ヶ月とし、トレンド判定期間が1ヶ月である場合、上昇率判定期間を1週間とする。なお、本実施形態では、トレンド判定期間の長さに対して、上昇率判定期間の長さが予め設定される例を示すが、例えば、マップ表示装置30の操作者が、上昇率判定期間の長さを指定してもよい。
【0017】
トレンド指数は、対象となるキーワードの検索上昇率を示すスコアである。このトレンド指数は、例えば、直近の上昇率判定期間における期間検索数を、当該上昇率判定期間における全キーワードの期間検索数の合計(合計期間検索数)で割ることで求められる。なお、トレンド指数の算出方法としてこれに限定されない。例えば、直近の上昇率判定期間における期間検索数の検索推移数(時系列に沿った2つの期間での期間検索数の差)であってもよく、当該検索推移数を、連続する2つの上昇率判定期間の合計期間検索数の和で割った値としてもよく、検索上昇率に基づいたスコアであれば他の算出方法であってもよい。
【0018】
ボリューム指数は、対象となるキーワードの検索総数、又は、当該キーワードに対応したコンテンツの数に基づいたスコアである。本実施形態では、ボリューム指数として、キーワードの検索総数に基づいたスコアを例示する。このボリューム指数は、例えば、対象となるキーワードの検索総数を、トレンド判定期間内の全てのキーワードの検索総数の合計(合計検索総数)で割った数であってもよく、検索総数そのものであってもよい。
【0019】
トレンドマップは、トレンド指数を縦軸とし、ボリューム指数を横軸とした2軸マップに対して、各キーワードに対応した点(トレンド点)をプロットした図である。このトレンドマップは、トレンド指数の範囲、及びボリューム指数の範囲によって複数のエリアに分割されており、各キーワードに対応したトレンド点は、いずれかのエリア内にプロットされる。
トレンドマップの詳細は後述するが、本実施形態では、トレンドマップが、ポテンシャルエリア、ネクストブレイクエリア、ブレイクエリア、及びポピュラーエリアの4つのエリアに分割される例を示す。
【0020】
ユーザDB123は、複数のユーザのユーザ情報を記録する。
ユーザ情報としては、ユーザを識別するユーザID、ユーザ属性、行動履歴、拠点情報、位置履歴等を含む。
ユーザ属性は、ユーザの性別や年齢層等の個人情報、ユーザの趣味、特技、職業等のユーザの様々な詳細な情報である。
行動履歴は、ユーザの行動を示す履歴情報であり、行動日時と行動内容とが関連付けられて記録されている。例えば、行動履歴としては、商品の売買履歴や、インターネット上での検索履歴、コンテンツの閲覧履歴等が挙げられる。
拠点情報は、ユーザが拠点とする位置情報であり、例えば、居所や職場等の住所や経緯度が記録される。
位置履歴は、ユーザの移動履歴であり、例えば端末装置20に搭載された測位センサーによって検出される位置の履歴である。この位置履歴には、ユーザの位置と、当該位置にユーザが居た日時とが関連付けられて記録されている。
【0021】
プロセッサ13は、CPU等の演算回路、RAM等の記録回路により構成される。プロセッサ13は、記憶部12に記録されている情報処理プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
そして、プロセッサ13は、情報処理プログラムを読み込み実行することで、図2に示すように、キーワード取得部131、トレンドマップ生成部132、マップ出力部133等として機能する。
【0022】
キーワード取得部131は、キーワード(検索キーワード)、入力日時、取得先情報、検索対象サービス等を含むキーワード履歴情報を取得し、キーワード履歴DB121に蓄積記憶する。例えば、サーバ装置10が検索サービスを提供する検索サーバである場合、キーワード取得部131は、端末装置20からキーワード履歴情報を取得してもよい。また、端末装置20が、所定のアプリケーションを用いた検索処理が実施された場合に、キーワード履歴情報をサーバ装置10に送信するように設定されていてもよく、周期的にサーバ装置10にキーワード履歴情報を送信する履歴送信プログラムが導入されていてもよい。
或いは、キーワード取得部131は、検索処理を行う検索サーバからキーワード履歴情報を取得してもよい。例えば、端末装置20において、ウェブブラウザを用いて検索コンテンツにアクセスして検索処理を実施した場合、検索コンテンツを提供する検索サーバからキーワード履歴情報を取得してもよい。同様に、端末装置20において、SNSへの投稿や閲覧を行うアプリケーションにより検索処理が実施された場合、SNSが提供する検索サーバからキーワード履歴情報を取得してもよい。
【0023】
トレンドマップ生成部132は、図2に示すように、条件取得部132A、対象抽出部132B、トレンド指数算出部132C、ボリューム指数算出部132D、及びマッピング部132Eを備える。
条件取得部132Aは、トレンドマップの生成を行うためのマップ生成条件を取得する。このマップ生成条件には、エリア分割条件が含まれる。
エリア分割条件は、横軸(第二軸)をボリューム指数、縦軸(第一軸)をトレンド指数とした2軸座標図であるトレンドマップを、複数(本実施形態では4つ)のエリアに分割するための条件である。このエリア分割条件は、例えば、マップ表示装置30や端末装置20から取得される。
また、マップ生成条件としては、上記のエリア分割条件以外に、例えば、キーワードを入力したユーザのユーザ属性(性別、年齢層等)、キーワードを入力したユーザの居所、キーワードが入力された位置、キーワードが入力された期間、キーワードが入力された検索対象サービス等が含まれてもよい。
【0024】
対象抽出部132Bは、マップ生成条件に基づいて、キーワード履歴DB121から、トレンド状態を分析するキーワードを抽出する。例えば、マップ生成条件として、「ユーザ属性:女性」が含まれる場合、対象抽出部132Bは、ユーザ属性として「女性」が記録されたユーザ情報を抽出し、当該ユーザ情報のユーザIDを取得先情報として含むキーワード履歴情報を抽出する。また、マップ生成条件として、「検索対象サービス:ポータルサイトY」が含まれる場合、対象抽出部132Bは、対象サービス情報に「ポータルサイトY」を含むキーワード履歴情報を抽出してトレンド情報を生成する。
【0025】
トレンド指数算出部132Cは、抽出されたキーワード履歴情報の各キーワードに対するトレンド指数を算出する。
ボリューム指数算出部132Dは、抽出されたキーワード履歴情報の各キーワードに対するボリューム指数を算出する。
マッピング部132Eは、エリア分割条件、トレンド指数、及びボリューム指数に基づいて、トレンドマップを複数のエリアに分割し、キーワードに対応した点(トレンド点)をトレンドマップにプロットして、トレンドマップを生成する。
マップ出力部133は、マップ表示装置30又は端末装置20からトレンドマップの表示要求を受信すると、トレンドマップをマップ表示装置30又は端末装置20に送信する。
なお、各機能構成の詳細な動作については後述する。
【0026】
[端末装置20及びマップ表示装置30の構成]
端末装置20は、ユーザが管理するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等により構成されている。また、マップ表示装置30は、マーケティング調査等を実施したい企業や店舗などが管理するコンピュータであり、端末装置20と同様に、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等により構成されている。なお、上述したように、端末装置20を本発明のマップ表示装置として機能させてもよい。
端末装置20及びマップ表示装置30の具体的な構成の図示は省略するが、端末装置20及びマップ表示装置30は、一般的なコンピュータが有する基本的な構成を有する。すなわち、端末装置20及びマップ表示装置30は、操作者の操作を受け付ける入力操作部、画像情報を表示させるディスプレイ、各種情報を記録する記録装置、各種情報を演算処理する演算回路(CPU等)を備えている。
【0027】
[情報処理方法]
次に、本実施形態の情報処理システムでのトレンドマップの生成及び表示方法について、特に、サーバ装置10での情報処理方法を中心に説明する。
図3は、本実施形態における情報処理方法を示すフローチャートである。
サーバ装置10のキーワード取得部131は、トレンドマップを生成及び表示するために、まず、端末装置20で入力されたキーワードに関するキーワード履歴情報を取得、つまり、キーワード、入力日時、取得先情報、及び対象サービス情報を取得する(ステップS1:キーワード取得ステップ)。また、キーワード取得部131は、取得したキーワード履歴情報をキーワード履歴DB121に蓄積する。
このステップS1では、キーワード取得部131は、端末装置20から任意のタイミングで送信されるキーワード履歴情報を取得してもよく、任意のタイミングで検索サーバから送信されるキーワード履歴情報を取得してもよい。任意のタイミングとしては、例えば、端末装置20においてユーザがキーワードを入力して検索処理を実施したタイミングであってもよく、検索サーバが端末装置20からキーワードを受信したタイミングであってもよい。また、端末装置20や検索サーバにおいて、キーワード履歴情報を蓄積しておいて、周期的(例えば、予め設定された時刻)に蓄積されたキーワード履歴情報をサーバ装置10に送信してもよい。或いは、端末装置20や検索サーバにおいて、キーワード履歴情報を蓄積し、所定数のキーワード履歴が蓄積されたタイミングで、これらのキーワード履歴情報をサーバ装置10に送信してもよい。
【0028】
また、サーバ装置10のトレンドマップ生成部132は、キーワード履歴DB121に蓄積されたキーワード履歴情報に基づいて、トレンドマップを生成する(ステップS2)。
このステップS2で生成するトレンドマップは、サーバ装置10がインターネット上に公開する所定のトレンド表示コンテンツに対して、マップ表示装置30(又は端末装置20)がアクセスした際に、デフォルトとして表示させるトレンドマップである。このステップS2は、一定周期(例えば1ヶ月毎)に実施されてもよく、一定数のキーワード履歴情報が蓄積される毎に実施されてもよい。
【0029】
図4は、デフォルトとして表示させるトレンドマップの生成方法を示すフローチャートである。
このステップS2では、条件取得部132Aは、記憶部12に記録されたデフォルトマップ生成条件を読み込む(ステップS21)。デフォルトマップ生成条件は、例えばユーザ属性や位置の指定がなく、予め設定されたデフォルトトレンド判定期間(例えば1年)、デフォルト上昇率判定期間(例えば1ヶ月)を分析対象期間とし、エリア分割条件として、トレンドマップを予め設定されたトレンド指数閾値及びボリューム指数閾値で4つエリア(ポテンシャルエリア、ネクストブレイクエリア、ブレイクエリア、ポピュラーエリア)に分割する旨の条件である。
次に、対象抽出部132Bは、デフォルトマップ生成条件に基づいて、キーワード履歴DB121から、キーワード履歴情報を抽出する(ステップS22)。例えば、デフォルトマップ生成条件として、ユーザ属性及び位置の指定がない場合、現在日時(ステップS2の実施タイミング)から直近のデフォルトトレンド判定期間前(例えば1年前)までのキーワード履歴情報を抽出する。なお、デフォルトトレンド判定期間が設定されていなくてもよく、この場合、全てのキーワード履歴情報を抽出対象としてもよい。
【0030】
この後、トレンド指数算出部132Cは、抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、各キーワードのトレンド指数を算出する(ステップS23:トレンド指数算出ステップ)。トレンド指数算出部132Cによるトレンド指数の算出は、上述したように、直近の上昇率判定期間における期間検索数を、当該上昇率判定期間における全キーワードの期間検索数の合計(合計期間検索数)で割ることで求めてもよく、その他の方法を用いてもよい。
また、ボリューム指数算出部132Dは、抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、各キーワードのボリューム指数を算出する(ステップS24:ボリューム指数算出ステップ)。ボリューム指数算出部132Dによるボリューム指数の算出は、上述したように、例えば、キーワードの検索総数を、トレンド判定期間内の全てのキーワードの検索総数の合計(合計検索総数)で割ってもよく、その他の方法を用いて算出してもよい。ステップS23及びステップS24は順番が入れ替わってもよく、同時に実施されてもよい。
【0031】
そして、マッピング部132Eは、デフォルトマップ生成条件に基づいて、4つのエリアを分割したトレンドマップを生成する(ステップS25:マッピングステップ)。
具体的には、マッピング部132Eは、デフォルトマップ生成条件に含まれるエリア分割条件に基づいてトレンドマップを生成する。
図5は、デフォルトで生成されるトレンドマップ50Aの一例を示す図である。
マッピング部132Eは、図5に示すように、例えば、縦軸をトレンド指数、横軸をボリューム指数とした2軸座標図を、予め設定されたデフォルトトレンド指数閾値(例えば、ステップS23で算出されたトレンド指数の最大値の半値)及びデフォルトボリューム指数閾値(例えば、ステップS24で算出されたボリューム指数の最大値の半値)を用いて4象限に分割、つまり、ポテンシャルエリア51、ネクストブレイクエリア52、ブレイクエリア53、ポピュラーエリア54の4つのエリアに分割する。そして、各キーワードのトレンド指数及びボリューム指数に基づいて、各キーワードに対応したトレンド点55を2軸座標図にプロットし、トレンドマップ50Aを生成する。
なお、マッピング部132Eは、各トレンド点55の近傍に対応するキーワードを示してもよく、各キーワードに対して、当該キーワードの詳細内容を示すコンテンツへのリンク情報を付与してもよい。
【0032】
ステップS25の後、トレンドマップ生成部132は、生成したデフォルトのトレンドマップ50Aを含むトレンド情報を、トレンドDB122に記録する。
【0033】
一方、マップ表示装置30において、ブラウザ等の所定のアプリケーションを実行され、マップ表示装置30の操作者によってサーバ装置10にアクセスする旨の操作が実施されると、マップ表示装置30は、図3に示すように、サーバ装置10にトレンドマップの表示を要求する要求情報を送信する(ステップS11)。なお、図3では、マップ表示装置30が要求情報を送信する例を示すが、上述したように、端末装置20が本発明のマップ表示装置であってもよく、この場合、端末装置20からサーバ装置10に要求情報が送信される。以降のマップ表示装置30で実施される処理についても同様であり、端末装置20において実施されてもよい。
マップ出力部133は、要求情報を受信すると、トレンドマップを含むトレンド表示コンテンツを、アクセス元のマップ表示装置30に出力する(ステップS3)。これにより、マップ表示装置30は、ディスプレイにトレンド表示コンテンツを表示させる(ステップS12)。
【0034】
図6は、トレンド表示コンテンツ40の一例を示す図である。
図6に示すように、トレンド表示コンテンツ40は、例えば、マップ表示領域41、ランキング表示領域42、期間選択領域43、絞り込み領域44、分割条件設定領域45、及び、検索履歴表示領域46等を含む。
マップ表示領域41は、トレンドマップが表示される表示領域である。マップ表示装置30(又は端末装置20)が、初めてトレンド表示コンテンツ40を表示する場合、マップ表示領域41には、ステップS2で生成されたデフォルトのトレンドマップ50Aが表示される。
【0035】
ランキング表示領域42は、トレンド指数が上位となる所定数(例えば3つ)のキーワード、及び当該キーワードに関する情報が表示される。キーワードに関する情報として、例えば、キーワードの説明等が表示されてもよく、当該キーワードの検索数の推移や過去のランキングが表示されてもよい。
【0036】
期間選択領域43は、トレンド判定期間の変更により、分析対象のキーワードの抽出条件を変更するための入力を行う部分である。期間選択領域43として、上昇率判定期間の変更を行うための入力部が設けられてもよい。
絞り込み領域44は、キーワードを入力したユーザのユーザ属性や、キーワードが入力された地域等の絞り込みにより、分析対象のキーワードの抽出条件を変更するための入力を行う部分である。
【0037】
分割条件設定領域45は、ポテンシャルエリア51、ネクストブレイクエリア52、ブレイクエリア53、及びポピュラーエリア54の4つのエリアのエリア分割条件を変更するための入力を行う部分である。
本実施形態で示す例では、分割条件設定領域45に、各エリアに対するトレンド点55のプロット数を均一にする旨の均一選択ボタン451、各エリアをトレンド点の分布状態に応じて分割する差分割選択ボタン452、各エリアのトレンド指数の範囲、ボリューム指数の範囲を任意の範囲に設定する旨の範囲入力欄453等が表示される。
【0038】
検索履歴表示領域46は、トレンド表示コンテンツを表示したマップ表示装置30(又は端末装置20)において、過去に表示したトレンドマップのマップ生成条件を表示及び選択する部分である。
【0039】
図6に示すようなトレンド表示コンテンツ40が表示されたマップ表示装置30において、期間選択領域43、絞り込み領域44、分割条件設定領域45、及び、検索履歴表示領域46が操作されることで、マップ表示装置30は、操作内容に応じた条件変更情報をサーバ装置10に送信する(ステップS13)。
例えば、マップ表示装置30の操作者が期間選択領域43を操作することで、マップ表示装置30は、トレンド判定期間や基準日を変更する旨の条件変更情報を送信する。また、操作者が、絞り込み領域44を操作することで、キーワードを入力したユーザの属性や、キーワードが入力された地域、キーワードを入力したユーザの拠点等によって、マップ表示装置30は、絞り込み検索を行う旨の条件変更情報を送信する。さらに、操作者が、分割条件設定領域45を操作することで、マップ表示装置30は、トレンドマップの各エリアの領域を変更する旨の条件変更情報を送信する。これらの、期間選択領域43、絞り込み領域44、及び分割条件設定領域45は、同時に複数の項目を操作することができ、変更後に操作者が「検索ボタン」を選択することで、複数のマップ生成条件を含む条件変更情報が、マップ表示装置30からサーバ装置10に送信される。
或いは、操作者は、検索履歴表示領域46に表示された過去のマップ生成条件を選択してもよく、当該過去のマップ生成条件を選択することで、当該マップ生成条件への変更を要求する条件変更情報が、マップ表示装置30からサーバ装置10に送信される。
【0040】
サーバ装置10のトレンドマップ生成部132は、条件変更情報を受信すると(ステップS4:条件取得ステップ)、新たに取得したマップ生成条件に基づいて、トレンドマップを生成する(ステップS5)。
図7は、マップ生成条件が指定された場合のトレンドマップの生成方法を示すフローチャートである。
【0041】
このステップS5では、条件取得部132Aは、ステップS4で受信した条件変更情報に含まれるマップ生成条件を読み込む(ステップS51)。
次に、対象抽出部132Bは、マップ生成条件に基づいて、ステップS22と同様、キーワード履歴DB121から、キーワード履歴情報を抽出する。例えば、マップ表示装置30から、マップ生成条件として、キーワードを入力したユーザの属性、キーワードを入力した検索対象サービスが指定されている場合は、取得先情報に対応するユーザIDが記録されているキーワード履歴情報、対象サービス情報に対応する検索対象サービスが記録されているキーワード履歴情報を抽出する。
【0042】
この後、ステップS23と同様、トレンド指数算出部132Cは、抽出されたキーワード履歴情報に基づいて各キーワードのトレンド指数を算出する。また、ステップS24と同様、ボリューム指数算出部132Dは、抽出されたキーワード履歴情報に基づいて、各キーワードのボリューム指数を算出する。
そして、マッピング部132Eは、マップ生成条件に基づいてトレンドマップを生成する(ステップS52:マッピングステップ)。
このステップS52は、ステップS25と同様であるが、マッピング部132Eは、マップ生成条件として、新たなエリア分割条件が含まれる場合に、当該エリア分割条件に基づいて、トレンドマップのエリアを分割する。
【0043】
図8は、各エリアのトレンド点の数を均一にしたトレンドマップ50Bの一例を示す図である。
例えば、マップ表示装置30での操作で均一選択ボタン451が選択されている場合、マッピング部132Eは、図8のような、各エリアに含まれるトレンド点55の数が均一になるトレンドマップ50Bを生成する。ここで述べる均一とは、各エリアに含まれるトレンド点55の数が同一となる場合の他、略同一となる場合も含む。
この場合では、デフォルトのトレンドマップ50Aにおいて、ポテンシャルエリア51に含まれるトレンド点55の数N、ネクストブレイクエリア52に含まれるトレンド点55の数N、ブレイクエリア53に含まれるトレンド点55の数N、ポピュラーエリア54に含まれるトレンド点55の数Nが、全トレンド点を4で割った平均Nとなるように、各エリアのトレンド指数の範囲及びボリューム指数の範囲を設定、つまり、エリア間の境界を移動させる。例えば、N〜Nのうちの値が最小となる最小エリアに対してもっと近い位置にプロットされている他のエリアのトレンド点が、最小エリアに含まれるように、最小エリアのトレンド指数の範囲又はボリューム指数の範囲を拡大する。これを繰り返すことで、全てのエリアのトレンド点を均一にする。
【0044】
図9は、各トレンド点のまとまりに応じて各エリアを設定したトレンドマップ50Cの一例を示す図である。
マップ表示装置30での操作で差分割選択ボタン452が選択されている場合、マッピング部132Eは、図9のように、各エリアの分布中心の差に基づいて、各エリア間の境界を設定したトレンドマップ50Cを生成する。
この場合、マッピング部132Eは、例えば、デフォルトのトレンドマップ50Aにおいて、各エリアに属するトレンド点の分布中心(トレンド指数の平均、ボリューム指数の平均)を算出し、ポテンシャル中心P1(t,v)、ネクストブレイク中心P2(t、v)、ブレイク中心P3(t、v)、ポピュラー中心P4(t、v)を求める。そして、ポテンシャル中心P1とネクストブレイク中心P2とのトレンド指数の平均(t+t)/2を、ポテンシャルエリア51とネクストブレイクエリア52の境界とし、ポテンシャル中心P1とポピュラー中心P4とのボリューム指数の平均(v+v)/2を、ポテンシャルエリア51とポピュラーエリア54の境界とする。同様に、ネクストブレイク中心P2とブレイク中心P3とのボリューム指数の平均(v+v)/2を、ネクストブレイクエリア52とブレイクエリア53の境界とする。また、ブレイク中心P3とポピュラー中心P4とのトレンド指数の平均(t+t)/2を、ブレイクエリア53とポピュラーエリア54の境界とする。
【0045】
図10は、マップ表示装置30の操作者が各エリアの範囲を指定したトレンドマップ50Dの一例を示す図である。
マップ表示装置30での操作で範囲入力欄453にエリアのトレンド指数の範囲、及びボリューム指数の範囲が入力された場合、マッピング部132Eは、図10のように、各エリアの境界を、入力された範囲に従って設定する。一部のエリアの境界のみが指定されていてもよく、また、トレンド指数及びボリューム指数のいずれか一方のみの範囲が指定されてもよい。さらに、本例では、範囲入力欄453に数値を入力することで、各エリアのトレンド指数の範囲、及びボリューム指数の範囲が入力されるが、マップ表示領域41に表示されるトレンドマップの境界を直接移動させる操作を行うことで、トレンド指数やボリューム指数の範囲が指定されてもよい。
図10の例は、ポテンシャルエリア51のトレンド指数閾値Qt1及びボリューム指数閾値Qv1、ネクストブレイクエリア52のボリューム指数閾値Qv2、ブレイクエリア53のトレンド指数閾値Qt3が入力された場合のトレンドマップ50Dである。
この後、トレンドマップ生成部132は、条件変更情報に基づいて生成したトレンドマップを含むトレンド情報を、トレンドDB122に記録(蓄積)する。
【0046】
ステップS5の後、マップ出力部133は、トレンド表示コンテンツ40のマップ表示領域41に表示するトレンドマップを、ステップS5で生成したトレンドマップに更新して、条件変更情報を送信したマップ表示装置30に、トレンド表示コンテンツ40を送信する(ステップS6)。
これにより、マップ表示装置30は、更新されたトレンドマップを含むトレンド表示コンテンツ40をディスプレイに表示させる(ステップS14)。
また、マップ表示装置30は、トレンド表示コンテンツ40の表示を終了する旨の操作が実施されたか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15でNOと判定される場合は、ステップS13に戻る。
【0047】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のサーバ装置10は、記憶部12と、プロセッサ13とを備え、プロセッサ13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを読み込むことで、キーワード取得部131、トレンドマップ生成部132として機能する。キーワード取得部131は、端末装置20で入力されたキーワードを取得し、キーワードとキーワードの取得日時とを関連付けてキーワード履歴情報として蓄積する。トレンドマップ生成部132は、条件取得部132A、トレンド指数算出部132C、ボリューム指数算出部132D、マッピング部132Eを備える。条件取得部132Aは、トレンド指数を縦軸、及びボリューム指数を横軸としたトレンドマップを4つのエリアに分割するエリア分割条件を取得する。トレンド指数算出部132Cは、キーワード履歴情報に基づいて、各キーワードの直近の上昇率判定期間における取得数(検索数)に基づくトレンド指数を算出する。ボリューム指数算出部132Dは、各々のキーワードの取得総数(検索総数)に基づくボリューム指数を算出する。そして、マッピング部132Eは、エリア分割条件に基づいて、各エリアに対するトレンド指数の範囲及びボリューム指数の範囲を設定してトレンドマップを分割し、各キーワードに対して算出されたトレンド指数及びボリューム指数に基づいて、トレンドマップに各キーワードに対応したトレンド点55をプロットする。
【0048】
これにより、本実施形態では、トレンドマップにおいて、ポテンシャルエリア51、ネクストブレイクエリア52、ブレイクエリア53、及びポピュラーエリア54を表示させる際に、自由に、各エリアの範囲を変更することができる。例えば、トレンド点の分布に応じて各エリアの範囲を変更したり、マップ表示装置30の操作者の要望に合わせたエリアの範囲を設定したりできる。これによって、トレンドマップの各エリアを動的に変化させることができ、マップ表示装置30の操作者にとって適切なトレンド状態を示すトレンドマップを表示させることができる。
【0049】
本実施形態のサーバ装置10では、マッピング部132Eは、エリア分割条件と、各キーワードのトレンド指数及びボリューム指数と、に基づいて、トレンドマップを複数のエリアに分割する。
つまり、従来のトレンドマップでは、各キーワードのトレンド指数やボリューム指数に基づいたトレンド点の分布とは関係なく、予め設定されたデフォルトトレンド指数閾値、及びデフォルトボリューム指数閾値に基づいて、各エリアの範囲が設定されていた。これに対して、本実施形態では、各キーワードのトレンド指数やボリューム指数に基づいたトレンド点の分布と、エリア分割条件に基づいてトレンドマップの各エリアを変化させる。これにより、上述のように、トレンドマップの各エリアを動的に変化させることができ、マップ表示装置30の操作者にとって、適切なトレンド状態を示すトレンドマップを表示させることができる。
【0050】
本実施形態では、マッピング部132Eは、条件取得部132Aが各エリアに属するキーワードの数を均一にする旨のエリア分割条件を取得した場合に、マッピング部132Eは、各エリアにプロットされるトレンド点の数が均一な各エリアの範囲を設定する。
これにより、各エリアに属するトレンド点の数のばらつきを抑制したトレンドマップを表示することができる。
【0051】
本実施形態では、マッピング部132Eは、条件取得部132Aが各エリアに対するトレンド指数の範囲、及びボリューム指数の範囲を含むエリア分割条件を取得した場合に、取得した各エリアに対するトレンド指数の範囲、及びボリューム指数の範囲に基づいてトレンドマップを分割する。
これにより、マップ表示装置30の操作者が各エリアの範囲を任意に設定することができ、操作者が求めるトレンドマップを適切に表示することができる。
【0052】
本実施形態では、キーワード取得部131は、キーワードとして、端末装置20により検索処理が実施された場合に入力される検索キーワードを取得する。
このような検索キーワードは、各ユーザが興味のある分野のキーワードであることが多く、当該キーワードに関するキーワード履歴情報を蓄積することで、多くのユーザにとって興味があるもの、すなわち、トレンドを好適に分析することができる。
【0053】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
【0054】
[変形例1]
上記実施形態では、1つのトレンド表示コンテンツ40において、マップ表示領域41に1つのトレンドマップのみを表示させる例を示したが、複数のトレンドマップを並べて表示させてもよい。
また、マップ表示領域41に複数のトレンドマップのうちの表示させるトレンドマップを選択する選択ボタンを設け、選択ボタンが選択されることで、トレンドマップを切り替えてもよい。
或いは、複数のトレンドマップを、アニメーション形式の動画で順次切り替えてもよい。
【0055】
例えば、上記実施形態では、キーワード履歴情報は、キーワードが入力された入力日時を含む。したがって、トレンド状態を判断する基準日を複数設定することで、各基準日におけるトレンドマップを生成することができ、これらのトレンドマップを時系列で並べ、動画形式等で表示させてもよい。
具体例を挙げると、トレンドマップ生成部132は、現時点と、現時点から1週間間隔となるタイミング(例えば1週間前、2週間前、及び3週間前)のそれぞれの時点を基準日とする。そして、各時点から1週間前までの期間を上昇率判定期間とし、各時点から1か月前までの期間をトレンド判定期間として、トレンドマップを生成する。そして、トレンド表示コンテンツ40のマップ表示領域41にトレンドマップを表示させる際に、これらのトレンドマップを時系列に沿ってアニメーション表示させたり、トレンドマップの下部に基準日を切り替える選択ボタンを表示させたりする。
【0056】
この場合、エリア分割条件として、均一選択ボタン451や、差分割選択ボタン452が選択されている場合、プロットされたトレンド点55の分布状態によって、各エリアの境界も変化し、トレンド状態の変化を視覚的により分かりやすく表示させることができる。
【0057】
[変形例2]
上記実施形態では、トレンド表示コンテンツ40で均一選択ボタン451が選択された場合、マッピング部132Eは、各エリアのトレンド点の数が均等になるように、つまり、各エリアに属するキーワードの数が同じ(又は略同じ)割合となるように、トレンドマップを4つのエリアに分割した。
これに対して、トレンド表示コンテンツ40に各エリアのトレンド点の割合を設定する割合設定部を設けてもよい。この場合、マップ表示装置30の操作者は、例えば、ポテンシャルエリア51に含まれるトレンド点55の数の割合を30%、ネクストブレイクエリア52に含まれるトレンド点55の数の割合を20%、ブレイクエリア53に含まれるトレンド点55の数の割合を10%、ポピュラーエリア54に含まれるトレンド点55の数の割合を40%、等と設定することができる。
これにより、条件取得部132Aは、エリア毎のトレンド点の数の割合、つまり、各エリアに属するキーワードの数の割合を含むエリア分割条件を取得することができ、マッピング部132Eは、各エリアのトレンド点の数の割合が取得したエリア分割条件で指定された割合となるように、各エリアの範囲を設定する。
【0058】
[変形例3]
上記実施形態では、キーワード取得部131は、端末装置20で入力された検索キーワードを取得する例を示したが、これに限定されない。
例えば、キーワード取得部131は、端末装置20からSNS等に投稿された投稿記事を取得し、投稿記事に含まれるキーワードを分析して取得してもよい。また、端末装置20において閲覧されたコンテンツ(ウェブページやSNSの投稿記事)を解析してキーワードを取得してもよい。この場合、コンテンツや投稿記事に最も多く含まれるキーワード、又はコンテンツや投稿記事のタイトルに含まれるキーワードを、キーワード履歴情報に記録するキーワードとして取得する。
【0059】
[変形例4]
上記実施形態では、条件取得部132Aが、マップ表示装置30(又は端末装置20)から受信したマップ生成条件に基づいてトレンドマップを生成し、トレンド表示コンテンツ40のマップ表示領域41を更新した。
これに対して、選択可能なマップ生成条件に対応して、複数のトレンドマップを予め生成しておいてもよい。例えば、ユーザ属性毎のトレンドマップ、地域毎のトレンドマップ等を、複数のエリア分割条件に基づいて予め生成しておいてもよい。
この場合、マップ表示装置30から条件変更情報を受信した場合に、対応するトレンドマップを読み出すだけでよく、マップ表示装置30や端末装置20に即座にトレンドマップを表示させることができる。
【0060】
[変形例5]
キーワード履歴情報として、キーワードのジャンルがさらに記録されていてもよい。
このようなジャンルは、例えば、キーワードと、そのジャンルとを関連付けた辞書データを用い、キーワード取得部131がキーワードを取得した時に、キーワード履歴情報にジャンルを記録してもよい。又は、SNS等の投稿情報に基づいて、キーワードと関連度が高いジャンルを推定してもよい。例えば、多数の投稿情報、及び投稿情報に付されたタグから、キーワードと、そのキーワードに関連するジャンルを抽出し、これを教師データとして機械学習によって、キーワードに対するジャンルを推定するジャンル推定モデルを生成してもよい。
このような場合では、サーバ装置10は、マップ生成条件として、キーワードのジャンルを取得し、ジャンルに対応したトレンドマップを生成することも可能となる。例えば、条件取得部132Aが、「芸能人」とのジャンルを取得した場合、対象抽出部132Bは、ジャンルとして「芸能人」が記録されたキーワード履歴情報を抽出する。これにより、トレンドマップ生成部132は、「芸能人」のトレンドマップを生成することが可能となる。
【0061】
[変形例6]
上記実施形態では、ステップS2において、予め設定されたデフォルトマップ生成条件に基づいてトレンドマップを生成した。これに対して、個々の端末装置20及びマップ表示装置30から最後に取得したマップ生成条件(最後に表示したトレンドマップに対応するマップ生成条件)を、端末装置20及びマップ表示装置30を識別する識別情報とともに記憶部12に記憶しておいてもよい。この場合、ステップS21において、条件取得部132Aは、端末装置20又はマップ表示装置30から、識別情報を取得し、当該識別情報に対応したデフォルトマップ生成条件を読み出す。これにより、デフォルトで表示されるトレンドマップが、端末装置20又はマップ表示装置30において最後にトレンドマップを表示したマップ生成条件に対応したトレンドマップにすることができる。
例えば、最後に表示したトレンドマップのマップ生成条件が、トレンド判定期間を1ヶ月、ユーザ属性が女性、各エリアに属するキーワードの数の割合を均等にする旨のエリア分割条件である場合、次にトレンド表示コンテンツ40を表示させる際、最後に表示したトレンドマップのマップ生成条件と同様のトレンドマップを表示させてもよい。この場合、トレンドマップの基準日のみを現在日時に変更する等してもよい。
【0062】
[変形例7]
上記実施形態では、マッピング部132Eが、トレンドマップを、ポテンシャルエリア51、ネクストブレイクエリア52、ブレイクエリア53、及びポピュラーエリア54の4つのエリアに分割する例を示したが、これに限定されない。
マッピング部132Eは、トレンドマップを、2つまたは3つのエリアに分割してもよく、5つ以上のエリアに分割してもよい。
また、上記実施形態では、各エリアの表示方法として、各エリアを矩形状、又は多角形状の枠で囲って表示する例を示したが、円形または楕円形の枠により各エリアを表示してもよい。
【0063】
[変形例8]
上記実施形態では、ボリューム指数を、各キーワードに関する検索総数に基づいて算出したが、これに限定されない。
例えば、ボリューム指数は、各キーワードに対して検索エンジンによって検索されるコンテンツの数や、SNS等での投稿記事数に基づいて算出されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…サーバ装置(情報処理装置)、12…記憶部、13…プロセッサ、20…端末装置、30…マップ表示装置、40…トレンド表示コンテンツ、41…マップ表示領域、45…分割条件設定領域、50A,50B,50C,50D…トレンドマップ、51…ポテンシャルエリア、52…ネクストブレイクエリア、53…ブレイクエリア、54…ポピュラーエリア、55…トレンド点、121…キーワード履歴DB、122…トレンドDB、123…ユーザDB、131…キーワード取得部、132…トレンドマップ生成部、132A…条件取得部、132B…対象抽出部、132C…トレンド指数算出部、132D…ボリューム指数算出部、132E…マッピング部、133…マップ出力部、451…均一選択ボタン、452…差分割選択ボタン、453…範囲入力欄。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10