(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市場において、試験室内の温度を変化させる際の変化の目標軌跡を設定したいという要望がある。例えば試験室内の温度を開始温度たる摂氏20度から高温環境たる摂氏80度に10分かけて到達させたいという要求がある。言い換えると、特定の温度変化曲線を描いて開始温度から目標温度に到達させたい場合がある。
そこで本出願人は、目標温度に到達するまでの時間を設定することができる環境試験装置を試作した。試作した環境試験装置には入力装置があり、使用者は当該入力装置に対して最終的な到達温度たる摂氏80度と、上昇にかける時間(10分)を入力する。その結果、試験室内の温度は、当初の摂氏20度から目標の摂氏80度に10分の時間をかけて到達する。
【0006】
ここで環境試験装置を使用する場合の試験条件はまちまちであり、例えば試験室内の温度を開始温度たる摂氏20度から高温環境たる摂氏80度に5度/分の温度変化率で到達させたい場合もある。
この様な場合、前記した環境試験装置を使用する作業者は、温度差を温度上昇率で除して、摂氏20度から摂氏80度に到達する時間を演算し、その時間を入力装置に入力することとなる。上記した設例に従うと、温度差は、「80度−20度=60度」であるから、温度上昇に要する時間は、「60度/5度=12(分)」となる。従って作業者は、前記した入力装置に対し、最終的な到達温度たる摂氏80度と、計算によって得た上昇にかかる時間(12分)を入力する。その結果、試験室内の温度は、摂氏20度から5度/分の温度上昇率で上昇し、12分後に摂氏80度に到達する。
【0007】
試作した環境試験装置によると、温度変化にかける時間を作業者が計算し、その時間を入力することにより、実質的に温度変化率の設定を行うことができる。
しかしながら、温度変化率に基づいて温度変化にかける時間を計算することは面倒であり、改善すべきという意見があった。
【0008】
本発明の関連発明の第一の課題は、環境の変化率を直接的に設定可能な環境試験装置を開発するものである。
【0009】
本発明者らは、上記した課題を解決することを目的とし、制御装置のプログラムを変更し、温度変化率を直接的に入力することもできるように改良した。
改良後の環境試験装置では、入力装置に対し、最終的な到達温度たる摂氏80度と、希望する温度変化率(例えば5度/分)を入力する。その結果、試験室内の温度は、摂氏20度から5度/分の温度上昇率で上昇する。試験室内の温度は、結果的に12分後に目標温度たる摂氏80度に到達する。
【0010】
改良した環境試験装置では、試験室の現在の温度から目標温度まで、一定の時間をかけて変化させたい場合には、入力装置に設定温度と必要時間を入力する。一方、試験室の現在の温度から目標温度まで、一定の温度変化率で変化させたい場合には、入力装置に設定温度と温度変化率を入力する。
ところがこの入力方法によると、作業者が目標温度と必要時間と温度変化率の3項目をすべて入力してしまう懸念があった。
【0011】
ここで、開始温度の摂氏20度から目標の摂氏80度まで、5度/分の温度変化率で到達させたい場合に、作業者が目標温度として摂氏80度、必要時間として12分、温度変化率として5度/分を入力したならば、環境試験装置は作業者の希望通りに動作し、試験室内の温度は、5度/分の温度上昇率で上昇し、12分後に目標温度たる摂氏80度に到達する。
【0012】
ところが仮に目標温度を誤って摂氏100度と設定してしまい、誤りに気がついて80度に訂正すると、温度変化率又は必要時間も同時に修正する必要がある。どちらを入力するかは入力者でなければ判らず、修正されないと動作不能の状態に陥ってしまう場合がある。また仮に制御装置に再演算機能や近似式を当てはめる機能が有るならば、作業者が予期しない温度軌跡を描いて試験室内の温度が変わってしまう可能性もある。
また入力に誤りがないかどうかを確認する作業が面倒であり、さらに作業者が、誤りがあるかもしれないと心配し、心理的ストレスを感じてしまう場合もあった。
【0013】
本発明の関連発明は、環境の変化率を直接的に設定可能であり、さらに入力の誤りを起こしにくい環境試験装置を提供することを第二の課題とするものである。
【0014】
即ち本発明の関連発明は、環境の変化率を直接的に設定可能な環境試験装置を開発することを課題とするものである。
また本発明の関連発明は、入力の誤りを起こしにくい環境試験装置を提供するものである。
さらに本発明の関連発明は、同様の課題を解決することができる環境形成装置用制御装置及び環境形成装置用コンピュータプログラム及び熱処理装置を提供することを課題とするものである。
本発明は、変化率情報を入力情報の一つとして目標軌跡を設定した場合に、変化に要する時間が演算されて表示される構成や、時間情報を入力情報の一つとして目標軌跡を設定した場合に、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率が演算されて表示される構成の、環境試験装置、環境形成装置用制御装置及び環境形成装置用コンピュータプログラム及び熱処理装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した課題(関連発明の課題)を解決するための態様(関連発明の態様)は、被試験物を所望の試験環境下に置いて環境試験を行うことが可能な環境試験装置において、環境試験の実施中に試験環境を変化させることが可能であり、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であることを特徴とする環境試験装置である。
【0016】
「環境因子」としては、例えば温度、湿度等の通常の環境試験装置で設定されるものがある。また試験室内の圧力も「環境因子」の一つとして採用することができる。
さらに被試験物に与える外的ショックや、負荷についても「環境因子」の一つである。例えば、被試験物に印加する電圧や電流、被試験物に照射する光線の量や周波数、磁界、放射線も環境因子の一つである。さらにオゾン濃度や二酸化炭素濃度等のガス濃度についても「環境因子」の一つである。
「単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報」とは例えば摂氏5度/分といった具体的数値や、温度変化を表すグラフの傾き等である。
【0017】
上記した態様において、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する際には時間情報の入力が不能となることが望ましい。
上記した課題(関連発明の課題)を解決するための具体的な態様は、被試験物を所望の試験環境下に置いて環境試験を行うことが可能な環境試験装置において、前記環境試験の実施中に前記試験環境を変化させることが可能であり、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記時間情報の入力が不能となることを特徴とする環境試験装置である。
【0018】
本態様の環境試験装置では、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能である。しかしながら変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する際には時間情報の入力が不能となる。そのため時間情報が加わることによる齟齬が起きにくい。
「環境変化にかける時間に関する時間情報」とは変化に要する時間(例えば12分)や、変化の開始時刻と終了時刻である。開始時刻が既知である場合には終了時刻だけを入力してもよい。
【0019】
上記した各態様において、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、時間情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、時間情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する際には変化率情報の入力が不能となることが望ましい。
上記した課題(関連発明の課題)を解決するための具体的な態様は、被試験物を所望の試験環境下に置いて環境試験を行うことが可能な環境試験装置において、前記環境試験の実施中に前記試験環境を変化させることが可能であり、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記変化率情報の入力が不能となることを特徴とする環境試験装置である。
【0020】
本態様の環境試験装置では、時間情報によっても変化の目標軌跡を設定することができる。この場合には変化率情報の入力が不能となる。そのため変化率情報が加わることによる齟齬が起きにくい。
【0021】
同様の課題(関連発明の課題)を解決するためのもう一つの態様は、環境因子の総変化量に関する変化量情報と、環境変化にかける時間に関する時間情報と、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、前記変化量情報と前記時間情報の組み合わせによって変化の目標軌跡を設定する変化量・時間設定方法と、前記変化量情報と前記変化率情報の組み合わせによって前記変化の目標軌跡を設定する変化量・変化率設定方法とによって前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記変化量・変化率設定方法によって前記変化の目標軌跡を設定する場合には前記時間情報の入力が不能となることを特徴とする環境試験装置である。
【0022】
「総変化量に関する変化量情報」とは、例えば変化前の環境状態と目標の環境状態であり、前記した設例に従えば、開始温度の摂氏20度と、目標温度たる摂氏80度である。開始温度は既知である場合が多いから、目標温度だけを入力するものであってもよい。また両者の偏差たる60度を入力するものであってもよい。
また本態様の環境試験装置では、変化量情報と変化率情報の組み合わせによって変化の目標軌跡を設定することができる。この場合には時間情報の入力が不能となる。そのため時間情報が加わることによる齟齬が起きにくい。
また本態様の環境試験装置では、変化量情報と時間情報の組み合わせによっても変化の目標軌跡を設定することができる。
【0023】
変化させる環境因子は温度であることが望ましい。
【0024】
上記した各態様において、変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定した場合には変化に要する時間が演算されて表示されることが望ましい。
上記した各態様において、前記変化率情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定した場合には変化に要する時間が演算されて表示されることが望ましい。
【0025】
上記した各態様において、環境変化にかける時間を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、環境変化にかける時間を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する場合には環境因子の変化率が演算されて表示されることが望ましい。
上記した各態様において、前記環境変化にかける時間を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する場合には前記環境因子の変化率が演算されて表示されることが望ましい。
【0026】
制御装置に関する態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置を動作させる環境形成装置用制御装置であって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に環境調整機器を制御することを特徴とする環境形成装置用制御装置である。
制御装置に関する一つの態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置を動作させる環境形成装置用制御装置であって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記変化率情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記時間情報の入力が不能となることを特徴とする環境形成装置用制御装置である。
制御装置に関するもう一つの態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置を動作させる環境形成装置用制御装置であって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記時間情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記変化率情報の入力が不能となることを特徴とする環境形成装置用制御装置である。
【0027】
ここで「環境形成装置」とは、例えば環境試験装置等の温度、湿度、圧力、光等の試験環境を作る装置や、オーブン等の温度環境を作る装置の総称である。
【0028】
制御プログラムに関する態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置の制御装置を動作させるコンピュータプログラムであって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に環境調整機器を制御することを特徴とする環境形成装置用コンピュータプログラムである。
一つの制御プログラムに関する態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置の制御装置を動作させるコンピュータプログラムであって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記変化率情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記時間情報の入力を不能とすることを特徴とする環境形成装置用コンピュータプログラムである。
もう一つの制御プログラムに関する態様(関連発明の態様)は、環境調整機器を備えた環境形成装置の制御装置を動作させるコンピュータプログラムであって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報に基づいて変化の目標軌跡を設定し、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記時間情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定する際には前記変化率情報の入力を不能とすることを特徴とする環境形成装置用コンピュータプログラムである。
【0029】
熱処理装置に関する態様(関連発明の態様)は、被処理物を載置する熱処理室と、熱処理室内を昇温する加熱装置を有し、熱処置室内の被処理物を加熱処理する熱処理装置において、加熱処理の実施中に熱処理室内の温度を変化させることが可能であり、単位時間あたりの温度の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、変化率情報を入力情報の一つとして熱処理室内の温度変化の目標軌跡を設定することが可能であることを特徴とする熱処理装置である。
一つの熱処理装置に関する態様(関連発明の態様)は、被処理物を載置する熱処理室と、当該熱処理室内を昇温する加熱装置を有し、当該熱処理室内の当該被処理物を加熱処理する熱処理装置において、前記加熱処理の実施中に前記熱処理室内の温度を変化させることが可能であり、単位時間あたりの温度の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報を入力情報の一つとして前記熱処理室内の温度変化の目標軌跡を設定することが可能であり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記温度変化の目標軌跡を設定する際には前記時間情報の入力が不能となることを特徴とする熱処理装置である。
もう一つの熱処理装置に関する態様(関連発明の態様)は、被処理物を載置する熱処理室と、当該熱処理室内を昇温する加熱装置を有し、当該熱処理室内の当該被処理物を加熱処理する熱処理装置において、前記加熱処理の実施中に前記熱処理室内の温度を変化させることが可能であり、単位時間あたりの温度の変化量に関する変化率情報を入力可能であり、当該変化率情報を入力情報の一つとして前記熱処理室内の温度変化の目標軌跡を設定することが可能であり、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記温度変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記温度変化の目標軌跡を設定する際には前記変化率情報の入力が不能となることを特徴とする熱処理装置である。
本発明の課題を解決するための態様は、次の通りである。
(1)被試験物を所望の試験環境下に置いて環境試験を行うことが可能な環境試験装置において、前記環境試験の実施中に試験環境を変化させることが可能であり、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、前記変化に要する時間が演算されて表示されることを特徴とする環境試験装置。
(2)変化率入力部と、時間設定部と、を有し、前記変化率情報の設定条件を確定させると、前記演算された前記変化に要する時間が前記時間設定部に表示されることを特徴とする上記態様の環境試験装置。
(3)被試験物を所望の試験環境下に置いて環境試験を行うことが可能な環境試験装置において、前記環境試験の実施中に試験環境を変化させることが可能であり、前記変化にかける時間に関する時間情報を入力情報の一つとして前記変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率が演算されて表示されることを特徴とする環境試験装置。
(4)変化率入力部と、時間設定部と、を有し、前記時間情報の設定条件を確定させると、前記演算された前記変化率が前記変化率入力部に表示されることを特徴とする上記態様の環境試験装置。
(5)設定表示部を有し、前記設定表示部に前記演算された値が表示されることを特徴とする上記いずれかの態様の環境試験装置。
(6)環境調整機器と表示部とを備えた環境形成装置を動作させる環境形成装置用制御装置であって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力情報の一つとして環境変化の目標軌跡を設定することが可能であって、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、前記環境変化に要する時間を演算して前記表示部に表示することを特徴とする環境形成装置用制御装置。
(7)環境調整機器と表示部とを備えた環境形成装置を動作させる環境形成装置用制御装置であって、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力情報の一つとして環境変化の目標軌跡を設定することが可能であって、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、環境因子の変化率を演算して前記表示部に表示することを特徴とする環境形成装置用制御装置。
(8)環境調整機器と表示部とを備えた環境形成装置の制御装置を動作させるコンピュータプログラムであって、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力情報の一つとして環境変化の目標軌跡を設定することが可能であって、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記環境変化の目標軌跡を設定した場合には、前記変化に要する時間を演算して前記表示部に表示することを特徴とする環境形成装置用コンピュータプログラム。
(9)環境調整機器と表示部とを備えた環境形成装置の制御装置を動作させるコンピュータプログラムであって、環境変化にかける時間に関する時間情報を入力情報の一つとして環境変化の目標軌跡を設定することが可能であって、前記目標軌跡に従う様に前記環境調整機器を制御するものであり、前記時間情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、環境因子の変化率を演算して前記表示部に表示することを特徴とする環境形成装置用コンピュータプログラム。
(10)被処理物を載置する熱処理室と、当該熱処理室内を昇温する加熱装置を有し、当該熱処理室内の当該被処理物を加熱処理する熱処理装置において、前記加熱処理の実施中に前記熱処理室内の温度を変化させることが可能であり、単位時間あたりの温度の変化量に関する変化率情報を入力情報の一つとして前記熱処理室内の温度変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記変化率情報を前記入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、前記温度変化に要する時間が演算されて表示されることを特徴とする熱処理装置。
(11)被処理物を載置する熱処理室と、当該熱処理室内を昇温する加熱装置を有し、当該熱処理室内の当該被処理物を加熱処理する熱処理装置において、前記加熱処理の実施中に前記熱処理室内の温度を変化させることが可能であり、温度変化にかける時間に関する時間情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、前記時間情報を入力情報の一つとして前記目標軌跡を設定した場合には、温度の変化率が演算されて表示されることを特徴とする熱処理装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明の関連発明の環境試験装置、環境形成装置用制御装置及び環境形成装置用コンピュータプログラムは、環境の変化率を直接的に入力して環境変化の目標軌跡を設定することが可能である。
本発明の関連発明の熱処理装置についても同様の効果が期待でき、加熱温度の変化率を直接的に入力して温度変化の目標軌跡を設定することが可能である。
また本発明の関連発明の環境試験装置は、入力の誤りを起こしにくいという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の環境試験装置1の基本構成は、
図1に示すようであり、断熱壁2で形成される断熱槽3を有している。そして当該断熱槽3の一部に試験室5が形成されている。試験室5は、被試験物18を設置する空間である。
環境試験装置1は、さらに空調機器(環境調整機器)17と送風機10を備えている。空調機器17は、加湿装置6、冷却装置7及び加熱装置8によって構成されている。
【0033】
環境試験装置1には、試験室5と環状に連通する空調通風路15があり、当該空調通風路15に前記した空調機器17と送風機10が内蔵されている。
【0034】
空調通風路15は、断熱槽3の一部に形成され、空気吹き出し部16と空気導入部25の2箇所で試験室5と連通している。
そのため送風機10を起動すると、試験室5内の空気が空気導入部25から空調通風路15内に導入される。そして空調通風路15が通風状態となり、空調機器17に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、空気吹き出し部16から試験室5内に調整後の空気が吹き出される。
また空調通風路15の空気吹き出し部16の近傍に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。
温度センサー12と湿度センサー13の信号は、制御装置(環境形成装置用制御装置)30に入力される。そして 制御装置30で、温度センサー12と湿度センサー13の各検出値と各設定値が比較される。
環境試験装置1を使用する際には、送風機10を運転して空調通風路15内を通風状態とし、温度センサー12及び湿度センサー13の検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器17を制御する。
【0035】
即ち送風機10を運転することによって、空気導入部25から試験室5内の空気が空調通風路15に導入され、空調通風路15内の空調機器17を通過して温度・湿度が整えられる。そして温度・湿度が調整された空気が、空気吹き出し部16から試験室5に戻され、試験室5内に所望の温度・湿度の環境が作られる。
【0036】
本実施形態の環境試験装置1は、試験室5内に温度変化する環境を人工的に作り、被試験物18に対し、この環境下において熱等の環境因子によるストレスを与え、被試験物の変化を観察することができる。
【0037】
本実施形態の環境試験装置1では、試験室5内の温度を変化させる際の変化の目標軌跡を設定することができる。即ち本実施形態の環境試験装置1では、試験条件の一つとして、試験室5内の温度の変化の軌跡を設定することができる。
【0038】
試験条件は、制御装置(環境形成装置用制御装置)30に入力される。また制御装置30には、空調機器17を制御して試験室5内の環境を設定された温度プロファイルを描いて変化させるための環境形成装置用コンピュータプログラム60が格納されている。
【0039】
以下、この構成について説明する。
本実施形態の環境試験装置1では、試験室5内の温度環境が設定可能で、ステップごとに設定温度や昇降の条件、維持時間等が切り替わる。
温度変化の目標軌跡(プロファイル)は、限定されるものではないが、設例として、表1に示す条件で設定温度、温度変化の勾配設定、設定時間を変えるものとして説明する。設例では、試験室5内の湿度設定は行わないこととする。
【0041】
表1に示す条件に従って、温度変化曲線を描くと、
図2(a)の通りである。
試験開始直後の設定温度は摂氏20度であり、設定温度を変化させることなく5時間の間その設定温度を維持する(ステップ1)。
5時間が経過するとステップ2に移行し、設定温度が摂氏80度に変更される。当初温度の摂氏20度から新たな目標温度の摂氏80度までに至る間は、5度/分の割合で温度を上昇させる。5度/分の割合で温度を上昇させる場合、当初温度の摂氏20度から設定温度の摂氏80度に至るまでに要する時間は12分である。
【0042】
試験室5内の温度が摂氏80度に至るとステップ3に移行し、設定温度を摂氏80度に維持して5時間の間、その環境を維持する。
5時間が経過するとステップ4に移行し、設定温度が摂氏20度に変更される。当初温度(開始温度)の摂氏80度から設定温度の摂氏20度までに至る間は、5度/分の割合で温度を降下させる。5度/分の割合で温度を降下させる場合、当初温度の摂氏80度から設定温度の摂氏20度に至るまでに要する時間は12分である。
【0043】
試験室5の環境設定は、
図1の制御装置30に付属する表示パネル(操作画面)又は別個の入力装置31を使用して行われる。入力装置31は例えばパーソナルコンピュータであり、LANやインターネット等の公知の通信手段によって環境試験装置1と接続されている。入力装置31は前記した様にパーソナルコンピュータであり、キーボード28等を使用して所定の入力を行うものとして説明するが、タッチパネルや音声等の他の入力方法を採用するものであってもよい。
また、環境試験装置1自体の操作画面(表示パネル)で設定を行うものであってもよい。
【0044】
入力装置31等を操作することにより、
図3に示す入力画面32が呼び出される。
入力画面32は、ステップ表示部33と、設定項目表示部35がある。また設定項目表示部35に対応する設定部36乃至43がある。さらに入力画面32には、グラフ表示部50と設定表示部51がある。
ステップ表示部33は、現在設定されるステップが示されている。所定の操作によって設定すべきステップが変わり、入力画面32が切り替わる。
設定項目表示部35は、設定すべき項目名が表示されている部分である。本実施形態では、設定項目として、「温度設定」「勾配制御」「変化率」「湿度設定」「勾配制御」「湿度制御」「さらし時間制御」「□時間□分□秒」がある。
【0045】
「温度設定」に対する温度設定部36は、キーボード28等を操作して設定温度を数字で入力する部分である。
「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、設定温度を一定の変化率で変化させるか否かを設定し、さらにその温度変化の目標軌跡の設定方法を選択する部分である。
本実施形態の環境試験装置1では、温度変化の目標軌跡を設定する方法として、変化量・時間設定方法による設定と、変化量・変化率設定方法による設定を選択することができる。
ここで前者の変化量・時間設定方法は、時間情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する方法であり、到達目標温度(設定温度)と、到達目標温度に至るまでに要する時間との組み合わせによって温度変化の目標軌跡を設定する方策である。後者の変化量・変化率設定方法は、変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定する方法であり、到達目標温度(設定温度)と、変化率情報の組み合わせによって温度変化の目標軌跡を設定する方策である。
【0046】
「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、キーボード28等を操作することにより、「なし」、「あり」、「あり(変化率)」の3種類の表示が切り替わるように構成されている。
変化量・時間設定方法を採用する場合には、温度勾配選択部37に「あり」と表示させる。変化量・変化率設定方法を採用する場合は、温度勾配選択部37に「あり(変化率)」と表示させる。設定温度を変化させるが温度変化にかかる時間は指定しない場合や、設定温度を一定温度に保って変化させない場合には、「なし」と表示させる。
【0047】
「変化率」に対する変化率入力部38は、キーボード28等を操作して一分当たりの温度変化等の変化率を数字で入力する部分である。
本実施形態の環境試験装置1では、温度変化の目標軌跡の入力方法として、変化量・変化率設定方法を採用し、温度勾配選択部37に、「あり(変化率)」と表示された場合にのみ「変化率」を設定可能であり、他の方法を選択した場合にはキーボード28等が無効になり、「変化率」を設定することができない。
即ち前記した様に「勾配制御」に対する温度勾配選択部37で設定温度を一定温度に保って変化させない方策を採用した場合や、変化量・時間設定方法を採用した場合には、変化率入力部38に対してはキーボード28等による入力が無効となり、設定することができない。
【0048】
「湿度設定」に対する湿度設定部39は、キーボード28等を操作して設定湿度を数字で入力する部分である。
「勾配制御」に対する湿度勾配選択部40は、設定湿度を一定の変化率で変化させるか否かを設定し、さらにその設定方法を選択するように構成されている。
本実施形態では、湿度に関しては、変化量・時間設定方法による設定のみを行うことができ、変化量・変化率設定方法による設定手段は採用されていないが、変形例として変化量・変化率設定方法による設定手段を採用してもよい。
【0049】
「勾配制御」に対する湿度勾配選択部40は、キーボード28等を操作することにより、「なし」、「あり」の2種類の表示が切り替わるように構成されている。
変化量・時間設定方法を採用する場合には、湿度勾配選択部40に「あり」と表示させる。設定湿度を変化させるが湿度変化にかかる時間を指定しない場合や、設定湿度を一定湿度に保って変化させない場合には、「なし」と表示させる。
【0050】
「湿度制御」に対する湿度制御入切部41は、湿度制御を行うか否かを選択する部分である。湿度制御入切部41には、「ON」「OFF」の表示があり、いずれかを選択することとなる。
【0051】
「さらし時間制御」に対する計時条件選択部42は、キーボード28等を操作することにより「ON」「OFF」を選択できる。ただし勾配制御が「あり」もしくは「あり(変化率)」の場合、「さらし時間制御」は「ON」にすることはできない。計時条件選択部42が「ON」の場合、試験室5内の検知温度が設定温度に到達したと判定してからステップの計時を始める。計時条件選択部42が「OFF」の場合、ステップが開始すると同時に計時を始める。
【0052】
「□時間□分□秒」に対する時間設定部43は、キーボード28等を操作することにより、設定時間を数値で入力する部分である。時間設定部43は、ステップが実行される時間を設定する部分である。
また本実施形態では、時間設定部43は、温度変化の目標軌跡の入力方法として、変化量・時間設定方法を採用した場合に当初温度から目標温度に至るまでにかける時間を設定する欄でもある。
本実施形態の環境試験装置1では、変化量・時間設定方法を採用し、温度勾配選択部37で、「あり」を選択した場合に、変化にかける時間を時間設定部43に設定することができる。
【0053】
前記した様に「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、設定温度を一定の変化率で変化させるか否かを設定し、さらにその目標軌跡を入力するための設定方法を選択することができるが、変化量・変化率設定方法を選択した場合には、時間設定部43に対してはキーボード28等による入力が無効となり、時間設定部43に時間を設定することはできない。
また本実施形態では、目標軌跡を入力する方法として変化量・変化率設定方法を選択し、且つ変化率入力部38に変化率を入力すると、目標温度に達するまでに要する時間が自動計算され、時間設定部43に表示される。ただしこの場合にはキーボード28等を操作しても時間設定部43の表示を変えることはできない。
【0054】
グラフ表示部50は、設定された条件に対応する環境変化の軌跡を自動的にグラフ表示する部分である。
設定表示部51は、設定済のステップの設定値を表示する部分である。本実施形態では、3欄の表示欄52、53、55があり、3ステップの設定が表示される。
【0055】
次に、前記した表1の条件に沿って、具体的に入力する手順を説明する。
最初に
図4に示すステップ1の画面を表示する。表1の条件によると、試験開始直後の設定温度は摂氏20度であり、設定温度を変化させることなく5時間の間その設定温度を維持させる。
そのため、ステップ1では、
図4の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字20を入力する。
ステップ1では、設定温度を変化させないので、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、「なし」を選択する。
「変化率」に対する変化率入力部38には何も入力しない。またキーボード28等を操作しても入力無効となり、変化率入力部38に数値を入力することはできない。
【0056】
設例では、湿度制御を行わないので「湿度設定」に対する湿度設定部39及び「勾配制御」に対する湿度勾配選択部40には何も入力しない。また「湿度制御」に対する湿度制御入切部41では、「OFF」を選択する。湿度制御入切部41で「OFF」を選択すると、
図4に示す様に「湿度設定」に対する湿度設定部39の欄に「OFF」が表示される。なお他のステップにおいても同様であり、「湿度設定」に対する湿度設定部39及び「勾配制御」に対する湿度勾配選択部40には何も入力せず、「湿度制御」に対する湿度制御入切部41では、「OFF」を選択する。
【0057】
「さらし時間制御」に対する計時条件選択部42では、「OFF」を選択する。「□時間□分□秒」に対する時間設定部43は、ステップの時間として「時間」欄に5を入力し、「分」欄及び「秒」欄に00を入力する。
「確定次項」を選択すると、グラフ表示部50に、設定された条件に対応する環境変化の目標軌跡が表示され、画面がステップ2の画面に切り替わる。
画面がステップ2に変更されると、設定表示部51の第一表示欄52に設定済のステップ1の設定値が表示される。
【0058】
表1の条件によると、ステップ2の条件は、現行の温度を摂氏80度に変更し、且つ開始温度の摂氏20度から目標温度の摂氏80度までに至る間、5度/分の割合で温度を上昇させるものである。
そのためステップ2では、
図5の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字80を入力する。
ステップ2では、5度/分の割合で設定温度に近づけて行くので、目標軌跡を設定する方策は変化量・変化率設定方法を採用するべきであり、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37で「あり(変化率)」を選択する。
【0059】
「変化率」に対する変化率入力部38に数字5を入力すると、変化率入力部38には5.0℃/minと表示される。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42及び時間設定部43に対しては、キーボード28等の操作が無効となり、「ON」「OFF」の選択はできない。また時間の設定もできない。
ただし、各設定条件を確定させると、目標温度に達するまでに要する時間が自動計算され、
図5(b)の様に時間設定部43に表示される。具体的には、12分の表示が行われる。
【0060】
「確定次項」を選択すると、グラフ表示部50に、設定された条件に対応する環境変化の目標軌跡が表示され、グラフ表示部50に、ステップ1に続いてステップ2の環境変化の目標軌跡が表示される。さらに画面がステップ3の画面に切り替わる。
画面がステップ3に変更されると、
図6に示すように設定表示部51の第二表示欄53に設定済のステップ2の設定値が表示される。
【0061】
表1の条件によると、ステップ3の条件は、設定温度を摂氏80度に維持して5時間の間その状態を保持する。
そのため、ステップ3では、
図6の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字80を入力する。
ステップ3では、設定温度を変化させないので、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37では、「なし」を選択する。
「変化率」に対する変化率入力部38には何も入力しない。またキーボード28等を操作しても入力無効となり、変化率入力部38に数値を入力することはできない。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42では、「OFF」を選択する。時間設定部43では、時間として「時間」欄に5を入力し、「分」欄及び「秒」欄に0を入力する。
「確定事項」を選択すると、画面がステップ4に変更される。
画面がステップ4に変更されると、
図7(a)に示すように設定表示部51の第二表示欄53に設定済のステップ3の設定値が表示される。
グラフ表示部50に、ステップ2に続いてステップ3の環境変化の目標軌跡が表示される。
【0062】
表1の条件によると、ステップ4の条件は、現行の温度を摂氏20度に変更し、且つ当初温度の摂氏80度から目標温度の摂氏20度までに至る間は、5度/分の割合で温度を降下させるものである。
そのためステップ4では、
図7(a)の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字20を入力する。
ステップ4では、5度/分の割合で設定温度に近づけて行くので、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37では、「あり(変化率)」を選択する。
【0063】
「変化率」に対する変化率入力部38に数字5を入力すると、変化率入力部38には5.0℃/minと表示される。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42は、キーボード28等の操作が無効となり、「ON」「OFF」の選択はできない。また時間設定部43の時間の設定もできない。
ただし、各設定条件を確定すると、目標温度に達するまでに要する時間が自動計算され、
図7(b)の様に時間設定部43に表示される。具体的には、12分の表示が行われる。
「確定次項」を選択すると、グラフ表示部50に、ステップ3に続いてステップ4の環境変化の目標軌跡が表示される。
そして画面がステップ5に変更される。
画面がステップ5に変更されると、設定表示部51の表示がずれ、第一表示欄52にステップ3の設定値が表示され、第二表示欄53にステップ4の設定値が表示される。そして第三表示欄55にステップ5の枠が表示される。
【0064】
表1の条件によると、ステップ5の設定温度は摂氏20度であり、温度変化なく5時間の間その設定温度を維持させる。
そのため、ステップ5では、
図8の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字20を入力する。
「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、「なし」を選択する。
「変化率」に対する変化率入力部38には何も入力しない。またキーボード28等を操作しても入力無効となり、変化率入力部38に数値を入力することはできない。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42では、「OFF」を選択する。時間設定部43では、設定温度を維持する時間として「時間」欄に5を入力し、「分」欄及び「秒」欄に00を入力する。
【0065】
上記した設定を終えた後、所定の開始スイッチを操作すると、表1に示された条件及び
図2(a)のグラフに則った温度プロファイルを描いて試験室5内の環境が変化する。即ち環境形成装置用制御装置たる制御装置30が、環境調整機器たる空調機器17を制御して試験室5内の環境を
図2(a)のグラフに則った温度プロファイルを描いて変化させる。
【0066】
次に表2に示す条件で変化量・時間設定方法として、設定温度、勾配設定、設定時間を変える場合について説明する。
【0068】
表2に示す条件に従って、温度変化曲線を描くと、
図2(b)の通りである。
前記した表1の条件との相違は、ステップ2、ステップ4である。表2の条件では、試験室5内の温度を所定の時間をかけて変化させる。
ステップ1,3,5については表1の場合と同じであるから説明を省略する。
表2に示す条件では、ステップ2で設定温度が摂氏80度に変更される。当初温度の摂氏20度から目標温度の摂氏80度まで、12分の時間をかけて変化させる。ステップ4も同様であり、摂氏80度から目標温度の摂氏20度まで、12分の時間をかけて変化させる。
【0069】
そのため、ステップ2では、
図9(a)の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字80を入力する。
ステップ2では、12分かけて設定温度に近づけて行くので、目標軌跡を設定する方策は、変化量・時間設定方法を採用するべきであり、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37で「あり」を選択する。
【0070】
「変化率」に対する変化率入力部38に関しては、キーボード28等の操作が無効となり、数値を入力することができない。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42は、「OFF」を選択する。時間設定部43には、12分を入力する。
前記した様に「変化率」に対する変化率入力部38にはキーボード28等による入力ができない状態となるが、各設定条件が確定すると、変化率が自動計算され、
図9(b)の様に変化率入力部38に表示される。具体的には、5.0℃/minの表示が行われる。ただし、変化率を自動計算しないものや表示しないものであってもよい。
【0071】
次にステップ4の入力方法について説明する。表2の条件によると、ステップ4の条件は、現行の温度を摂氏20度に変更し、且つ当初温度の摂氏80度から目標温度の摂氏20度まで12分かけて温度を降下させるものである。
そのため、ステップ4では、
図10(a)の様に、「温度設定」に対する温度設定部36に数字20を入力する。
ステップ4では、12分かけて設定温度に近づけて行くので、「勾配制御」に対する温度勾配選択部37は、変化量・時間設定方法を採用するべきであり、温度勾配選択部37で「あり」を選択する。
【0072】
「変化率」に対する変化率入力部38は、キーボード28等の操作が無効となり、数値を入力することができない。
「さらし時間制御」の計時条件選択部42は、「OFF」を選択する。時間設定部43には、12分を入力する。
前記した様に「変化率」に対する変化率入力部38にはキーボード28等による入力ができない状態となるが、各設定条件が確定すると、変化率が自動計算され、
図10(b)の様に変化率入力部38に表示される。具体的には、5.0℃/minの表示が行われる。また、変化率を自動計算しないものや変化率入力部38に変化率を表示しないものであってもよい。
【0073】
上記した実施形態では、各ステップの設定画面で、変化量情報と時間情報の組み合わせによって変化の目標軌跡を設定する変化量・時間設定方法と、変化量情報と変化率情報の組み合わせによって変化の目標軌跡を設定する変化量・変化率設定方法とを選択したが、初期画面等で予めいずれかを選択してもよい。
【0074】
例えば
図11に示す初期画面44に「新規作成1」「新規作成2」の選択項目を作り、一方を選択した場合には各ステップ画面が変化量・時間設定方法専用となり、他方を選択した場合には変化量・変化率設定方法となる様に構成してもよい。
図12は、
図11に示す初期画面44で、「新規作成1」を選択し、変化量・時間設定方法に基づいて設定する場合の入力画面の例を示すものである。変化量・時間設定方法に基づいて設定する場合の入力画面には、「変化率」の項目名やこれに対する変化率入力部が無く、「変化率」を入力することができない。
【0075】
「新規作成2」を選択すると変化量・変化率設定方法に基づいて設定する場合の入力画面となる。この場合の入力画面は、
図3の入力画面32と同一である。また他の例として「新規作成2」を選択した際の画面は、変化量・時間設定の欄が無く、これらの設定ができないものであってもよい。
【0076】
以上説明した実施形態によると、変化量・時間設定方法によって変化の目標軌跡を設定する場合には変化率情報の入力が不能となる。また変化量・変化率設定方法によって変化の目標軌跡を設定する場合には時間情報の入力が不能となる。そのため矛盾する設定条件が設定されることが防がれ、予期しない設定条件となることを防ぐことができる。
【0077】
上記した実施形態では、変化量・時間設定方法による変化の目標軌跡の設定と、変化量・変化率設定方法による変化の目標軌跡の設定の双方を行うことができる。即ち上記した実施形態では、単位時間あたりの環境因子の変化量に関する変化率情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することが可能であり、且つ環境変化にかける時間に関する時間情報を入力情報の一つとして変化の目標軌跡を設定することも可能である。
しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、変化量・変化率設定方法によってのみ変化の目標軌跡を設定することもできるものであってもよい。
【0078】
図3乃至
図12に示した入力画面や、入力手順は、あくまでも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
例えば、温度勾配選択部37で「あり(変化率)」を選択した場合であっても、続く変化率入力部38で変化率として「0」を入力した場合には、時間情報の入力を可能としてもよい。このようにすると実質的に変化量・時間設定方法によって変化の目標軌跡を設定することができる様な構成も可能であるし、
図2のステップ1,3,5のような勾配設定を行わない条件を「あり(変化率)」の設定のまま設定することも可能となる。
【0079】
また前記した実施形態では、例えばステップ1やステップ3で、試験室5内の温度を設定温度に保ち、これを一定時間の間保持するが、この様な一定時間の間、一定の環境を保持しない設定をするものであってもよい。例えば
図13(a)のグラフに例示する様な折れ線状の設定軌跡のみを設定し、一定の環境を一定時間保持する設定を行わなくてもよい。
【0080】
なお
図13(a)のグラフは、温度変化勾配をステップ毎に変えながら複数ステップで温度上昇又は下降させる様に設定した場合の温度変化の目標軌跡を表している。
【0081】
また
図13(b)の様に、連続するステップで同じ変化率を設定し、連続するステップを実行する間は、同一の変化率で環境を変化させるものであってもよい。
勿論、一方のステップでは変化量・時間設定方法によって変化の目標軌跡を設定し、前後いずれかのステップにおいては、変化量・変化率設定方法によって変化の目標軌跡を設定し、結果的に連続するステップにおいて、同じ変化率で環境が変化することとなってもよい。
【0082】
以上説明した環境試験装置1は、環境調整機器として空調機器17を有し、試験室5内の温度変化の目標軌跡を設定することができるものである。
【0083】
環境調整機器は、単なる空調機器17に限定されるものではなく、他の付加的環境変更機能を有するものであってもよい。さらには、空調機能を持たず、他の環境変更機能を有するものであってもよい。
【0084】
例えば上記した構成に加えて、環境調整機器たる空調機器17が試験室5内の湿度変化の目標軌跡も設定することができるものとし、さらに目標軌跡も設定方法として変化量・時間設定方法と、変化量・変化率設定方法を選択することができるものであってもよい。変化量・時間設定方法によって湿度変化の目標軌跡を設定する場合には湿度の変化率を入力することが不能となる。また変化量・変化率設定方法によって湿度変化の目標軌跡を設定する場合には時間情報の入力が不能となる。
さらに本発明を圧力変化の目標軌跡を設定することができる環境試験装置に応用することもできる。
例えば密閉された試験室を有し、試験室内の気圧を一定に保つことができる環境試験装置であり、現在の圧力から目標の圧力に至るまでの時間や、変化率を設定することができるものにも本発明を適用することができる。
【0085】
環境調整機器は、被試験物18に電圧や電流を印加するものであったり、被試験物18に光線や放射線を照射するもの、磁界を形成するもの等であって、これらの強度や周波数等を変更することができるものであってもよい。
環境調整機器は、試験室5にオゾンや二酸化炭素濃度等のガスを導入し、その濃度を変更することができるものであってもよい。
【0086】
以上説明した環境試験装置は、試験室5を有し、試験室5内の気温や湿度を調整するものであるが、温度調節された液体中に被試験物を設置する様な構造のものや、温度調節された熱板に被試験物を載置する構造の環境試験装置にも本発明を適用することができる。
【0087】
また
図14に示す様な熱処理装置70に、本発明を適用することができる。熱処理装置70は、前記した環境試験装置1に類似した構造を有するものであり、同一の機能を果たす部材には同一の番号を付している。
熱処理装置70は、高温試験や、被処理物71の加熱、被処理物71の乾燥等を行うオーブンである。
熱処理装置70は、被処理物71を載置する熱処理室72を有している。熱処理装置70は、空調機器17として加熱装置8を持つが冷却装置は無い。
熱処理装置70の温度制御や制御装置30の構成、機能は、前記した環境試験装置1と同一であり、温度変化の目標軌跡を設定する方法として、変化量・時間設定方法による設定と、変化量・変化率設定方法による設定を選択することができる。また前記した環境試験装置1と同様に、さらし時間制御を行うことができる。
【0088】
前記した実施形態の環境試験装置1では、勾配制御が「あり」もしくは「あり(変化率)」の場合、「さらし時間制御」を「ON」にすることができない設定となっている。しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、勾配制御とさらし時間制御を併用することができるものであってもよい。熱処理装置70についても同様である。