特許第6948455号(P6948455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948455
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】スクリュー圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20210930BHJP
   F16H 55/17 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   F04C18/16 A
   F16H55/17 A
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-504199(P2020-504199)
(86)(22)【出願日】2018年7月17日
(65)【公表番号】特表2020-530082(P2020-530082A)
(43)【公表日】2020年10月15日
(86)【国際出願番号】IB2018055268
(87)【国際公開番号】WO2019043469
(87)【国際公開日】20190307
【審査請求日】2020年2月7日
(31)【優先権主張番号】62/550,889
(32)【優先日】2017年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】2018/5153
(32)【優先日】2018年3月13日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】メーウセン ヴィム
(72)【発明者】
【氏名】フェレルスト ビョルン
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−031687(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202812067(CN,U)
【文献】 米国特許第04174643(US,A)
【文献】 実開昭53−057307(JP,U)
【文献】 特開2008−303968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/16
F16H 55/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロータ(4)及び第2のロータ(5)を備えるスクリュー圧縮機であって、前記ロータ(4、5)の各々は、同期歯車(13、14)を備え、前記スクリュー圧縮機(1)は、電動機(12)と、前記第1のロータ(4)又は前記第2のロータ(5)を駆動するための1又は2の駆動歯車(9、10)と、をさらに備え、
前記同期歯車(13、14)又は前記駆動歯車(9、10)のうちの少なくとも一方は、歯車メッシュ(15)を支持するリム(16)と対応する歯車ハブ(18)との間にスポーク(17)を備えている
前記各スポーク17の間の空間19が空の部屋が形成されるようにカバーされている、
ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
【請求項2】
前記スクリュー圧縮機(1)は、前記第1のロータ(4)又は前記第2のロータ(5)を駆動するための一つだけの駆動歯車(10)を備える、
請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項3】
最大直径を有する前記同期歯車(13、14)又は前記駆動歯車(9、10)は、前記歯車メッシュ(15)を支持する前記リム(16)と対応する前記歯車ハブ(18)との間に前記スポーク(17)を備える、
請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項4】
前記スポーク(17)を有する前記駆動歯車(9、10)又は前記同期歯車(13、14)のうちの少なくとも1つは、前記歯車(9、10、13、14)の軸(20)と所定角度をなす歯車メッシュ(15)を備えたヘリカル歯車(9、10、13、14)である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項5】
前記駆動歯車(9、10)の一方は、前記電動機(12)に取り付けられ、当該駆動歯車(9、10)は、前記歯車メッシュ(15)を支持する前記リム(16)と対応する前記歯車ハブ(18)との間に前記スポーク(17)を備える、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項6】
前記スポーク(17)はビーム形でありかつ一定断面積を有する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項7】
前記スポーク(17)の間の空間(19)の表面は、前記歯車(9、10、13、14)の前記軸(20)に沿って見ると、前記スポーク17の表面よりも3倍より大きい、
請求項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項8】
前記スポーク(17)の間の空間(19)の表面は、前記歯車(9、10、13、14)の前記軸(20)に沿って見ると、前記スポーク17の表面よりも4倍より大きい、
請求項4に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項9】
前記スポーク(17)の間の空間(19)の表面は、前記歯車(9、10、13、14)の前記軸(20)に沿って見ると、前記スポーク17の表面よりも5倍よりも大きい、
請求項4に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項10】
前記スポーク(17)を有する前記歯車(9、10、13、14)は、所定材料の一体品で作られている、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項11】
前記スポーク(17)を有する前記歯車(9、10、13、14)は、鋼又は鋳鉄で作られている、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項12】
前記電動機(12)と前記第1のロータ及び第2のロータ(4、5)との間には弾性継手が存在しない、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項13】
前記電動機(12)は、3000rpmを超える回転速度に達することができる高速電動機である、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項14】
前記駆動歯車(9、10)の伝達比は最大6である、
請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項15】
前記同期歯車(13、14)のうちの一方は、前記駆動歯車(9、10)としても機能する、
請求項14に記載のスクリュー圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクリュー圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルフリースクリュー圧縮機要素において、漏洩を最小にして圧縮空気発生量を最大にするために2つのロータを高速で駆動することが知られている。雄又は雌ロータのいずれかの第1のロータが駆動され、第1のロータは2つの所謂同期歯車によって第2のロータを駆動する。
【0003】
多くの場合、第1のロータは、ギヤボックスによって駆動される。従来の誘導電動機を1500rpmで使用する場合、オイルフリースクリュー圧縮機要素を駆動するのに必要な高速を実現するために伝達比の大きなギヤボックスが必要である。伝達比の大きなギヤボックスは大型で高価であり、相当のエネルギー損失が生じる。
【0004】
また、電動機がオイルフリースクリュー圧縮機要素を直接駆動する所謂直接駆動方式を利用することも可能である。この場合、高価な電動機制御システムが必要であり、電動機を高速に制御するために必要な高周波スイッチングに関連する損失が相当大きくなる。
【0005】
従って、オイルフリースクリュー圧縮機要素を駆動するために小型ギヤボックスを備えた高速電動機を使用することがより安価でエネルギー効率が良い。
【0006】
しかしながら、大型ギヤボックスを用いる従来の解決策に比べて、小型ギヤボックスを用いる高速電動機を使用すると振動問題を生じる傾向がある。大型ギヤボックスを用いると、ギヤボックスの大きなブルギヤは慣性が大きいので、例えばオイルフリースクリュー圧縮機要素で生じてギヤボックスを通して伝わる振動を阻止することができる。
【0007】
小型ギヤボックスを備えた高速電動機を使用する場合の振動を防ぐための解決策はすでに知られており、たわみ継手が使用される。これにより、電動機と第1のロータとの間の位置合わせを容易にするだけでなく、振動減衰を可能にすることが可能になる。
しかしながら、これらの公知の装置にはいくつかの欠点がある。
【0008】
1つの欠点は、たわみ継手は追加費用がかかり、その結果としてギヤボックスのサイズも大きくなる。
さらに、たわみ継手は、可撓性材料が経時的に劣化するので摩損及び断裂する傾向があり、可撓性ギヤボックスは定期的に交換する必要がある。
【0009】
さらに、たわみ継手の減衰性は多くのエネルギーを吸収するのでギヤボックスのエネルギー効率が低くなる。
【0010】
米国特許第3,371,549号明細書には、熱可塑性材料で作られた歯車が説明されており、歯車は、リムがハブに対して偏心して配置され得るように変形可能である。このような歯車は振動に対応できるが、スクリュー圧縮機などの高速用途に適応されるには非常に弱い。
【0011】
米国特許第4,174,643号明細書には、ハブとリムとの間にブラケットを備えた歯車が説明されており、ブラケットの間の空間は吸音材で満たされており、ブラケットの共鳴に由来する音を吸収するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第3,371,549号明細書
【特許文献2】米国特許第4,174,643号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、高速電動機を備えたオイルフリースクリュー圧縮機用のギヤボックス、及び振動問題に関してより堅牢な小型ギヤボックスを提供することで、上記及び他の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の対象は、第1及び第2のロータを備えるスクリュー圧縮機であり、各ロータは、同期歯車を備えており、さらにスクリュー圧縮機は、電動機と、第1又は第2のロータを駆動するための1又は2以上の駆動歯車とを備え、同期歯車又は駆動歯車のうちの少なくとも1つは、歯車メッシュを支持するリムと対応する歯車ハブとの間にスポークを備える。
【0015】
1つの利点は、歯車のうちの少なくとも1つがスポークを備えることで、ギヤボックスをより堅固にすることができる。
スポークを有する歯車を使用することで、歯車は、捩りに対してより可撓性になり、振動、特に捩り振動の伝達を効果的に防止する。
【0016】
これは、軸と捩り振動との間に強結合が存在するヘリカル歯を有する歯車を使用する場合に特に重要である。
本発明によるスポークを有する歯車を電動機に取り付けることで、電動機及び圧縮機のロータ上の軸方向並びに捩り振動を低減することができる。
【0017】
ヘリカル歯を有する歯車は、良好な稼働挙動を示すと共に、軸方向の力を伝達することができこれは軸受の軸方向荷重を改善することができることを意味するので、ストレートカット歯を有する歯車よりも好まれる場合が多い。
【0018】
スポークを用いて歯車の可撓性を調節することで、駆動系の共鳴に関するモード形を調節することができる。このようにして、節点を捩り振動が他の自由度(軸方向及び/又は横方向)をおそらく引き起こすことができる場所に動かすことができる。従って、スポークを有する歯車の位置は(捩り、軸方向、及び場合によっては横方向運動の間の関連)、典型的には捩り振動の腹(antinode)となり得る。その結果、歯車上に捩り回転が存在せず、捩り振動によって軸方向及び横方向運動が引き起こされない。
【0019】
可撓性継手を取り除くことで、剛性のある駆動系は、異なる軸上に配置された構成要素の様々な許容誤差、特に歯車自体の寸法に非常に敏感になる。歯車のスポークを用いて駆動系の剛性を低下させることで、この敏感度は大きく低下して、これらの許容誤差によって引き起こされた誘発振動が大幅に低下することになる。
【0020】
本発明の好ましい特徴によれば、最大直径の同期歯車又は駆動歯車は、歯車メッシュを支持するリムと対応する歯車ハブとの間にスポークを備える。
これは、最大で最も重い歯車は、非常に軽量に作ること、従って大量の材料を節約することができるだけでなく、最大の歯車(一般に振動に最良に適用できる)が、スポークを設けることで、振動に適用するのにさらにいっそう効果的になるという利点を有する。
【0021】
本発明の特徴をより良く示すことを意図して、以下、添付図面を参照して、非限定的に、本発明のスクリュー圧縮機のいくつかの好ましい実施形態を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のスクリュー圧縮機を概略的に示す。
図2図1の圧縮機装置の駆動歯車を示す。
図3図2のラインIII−IIIの断面を示す。
図4図1の変形例を概略的に示す。
図5図2の変形例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の圧縮機要素2を備えたスクリュー圧縮機1を概略的に示す。圧縮機要素2は、ハウジング3を備え、ハウジング内には、2つのロータ4、5が軸6、7の軸受を用いて取り付けられている。これらのロータ4、5は所謂スクリューロータ、すなわち雄スクリューロータ4及び雌スクリューロータ5であり、相互に協調的に回転するローブ(lobe)8を備える。
【0024】
例えば、雄スクリューロータ4は5つのローブ8、雌スクリューロータ5は3つのローブ8を有する。
【0025】
もちろん、ロータ4、5が異なる数のローブ8を有すること、又はスクリュー圧縮機1が2以上の当該圧縮機要素を備えることが可能である。
【0026】
ロータ5のうちの1つの軸7の一端7aには、第1の駆動歯車9が設けられており、これは第2の駆動歯車10と係合でき、この第2の駆動歯車10は、電動機12の軸11上に取り付けられている。この場合、第1の駆動歯車9は、雌スクリューロータ5上に取り付けられるが、雄スクリューロータ4上に取り付けることも可能である。
【0027】
電動機12は高速電動機であり、少なくとも3000rpmの回転速度に達することができる。
【0028】
この高速に起因して、電動機12上の第2の駆動歯車10は、例えば最大1500rpmの回転速度の電動機12の場合よりも小径とすることができる。さらに、結果的に、2つの駆動歯車9、10の間の伝達比が最大6であることを保証することが可能である。
【0029】
さらに、雌スクリューロータ5の軸7の他端7b及び雄スクリューロータ4の軸6の対応する端部6bには所謂、同期歯車13、14が取り付けられている。
【0030】
図1に明瞭に示すように、電動機12と雌スクリューロータ5との間には弾性継手は存在しない。
【0031】
電動機12と雌スクリューロータ5との間の伝達は、駆動歯車9、10によって完全に保証される。
【0032】
全体として、スクリュー圧縮機1は、4つの歯車、すなわち2つの駆動歯車9、10及び2つの同期歯車13、14を備える。
【0033】
一般的に、この駆動歯車9及び10は、関連のリム16上にヘリカル歯15を備える。しかし、ストレートカット歯を備えた実施形態も可能である。
【0034】
一般的に、この同期歯車13及び14は、関連のリム16上にストレートカット歯を備える。また、同期歯車に関してはヘリカル歯を備えた実施形態も可能である。
【0035】
一般的に、これらのヘリカル歯の所謂らせん角度は、20から35度の値であるが、本発明はこの範囲に限定されない。
【0036】
図2及び図3に示すように、この駆動歯車9、10の一方はスポーク17を備え、これは歯車メッシュ15を支持するリム16と駆動歯車9、10の歯車ハブ18との間に取り付けられる。
【0037】
この場合、電動機12に取り付けられた第2の駆動歯車10がこのようなスポーク17を備える。当然、他の又は複数の別の歯車9、13、14がこのスポーク17を備えることは除外されない。
【0038】
図2及び3は、第2の駆動歯車10が、この場合は歯車ハブ18からリム16に延びる8本のスポーク17を備えることを明示する。このように、スポーク17の数及びロータ4、5のローブ8の数の最大公約数は1である。
【0039】
本発明に必須ではないが、実施例のスポーク17は、ビーム形であり一定断面積を有する。
【0040】
各スポーク17の間の空間19の表面は、歯車10の軸20に沿って見ると、すなわち図2で見られるように、スポーク17の表面よりも好ましくは3倍より大きく、より好ましくは4倍より大きく、この場合は5倍よりも大きい。
【0041】
十分な空間19を残すことで、歯車10の低剛性の又は柔軟性のある比較的「弱い」構造が得られるので、歯車10の弾性変形性が高くなる。
【0042】
空間19の表面に加えて、スポーク17の厚さは、剛性が低くなるように歯車の幅に比べて低減される。
【0043】
図3に示すように、この場合、各スポーク17の間の空間19は、制振材21で満たされている。
【0044】
この制振材21は、例えば、ゴム系とすること、又はより一般的にはゴムが結合剤として使用される複合材とすることができる。
【0045】
合成材料、樹脂又は金属メッシュは、制振材21として使用することもできる。
【0046】
図示の実施例において、各スポーク17の間の全ての空間19が制振材21で満たされているが、これは必須ではない。例えば、1又は2以上の空間19は空とすること、又は空間19は、交互に制振材21で満たすこと及び空とすることができる。
【0047】
制振材の目的は、減衰値を大きくして共鳴が生じた場合の追加振動をさらに低減することにある。
【0048】
スクリュー圧縮機1がスポーク17を有する複数の歯車9、10、13、14を備える場合、好ましくは歯車9、10、13、14の少なくとも1つがスポーク17を有する場合、各ポーク17の間の空間19のうちの少なくとも1つは、制振材21で満たされる。制振材21は、歯車9、10、13、14によって、好ましくは充填空間19によっても異なることができことに留意されたい。
【0049】
制振材21に加えて、各スポーク17の間の空間19は図示の実施例ではカバーされている。これは図3に明示されており、図示の実施例において、制振材21を空間19の中に保持するために、この空間はプラスチックシート22又はカバーで覆われている。
【0050】
このシート22又はカバーは、ねじ又は類似品を用いて又はクリックclick)結合によってしっかりとクリック止めすることで、各スポーク17の間に固定することができる。
【0051】
各スポーク17の間の空間19だけをカバーして、言うならば空の部屋が形成されるように制振材21で満たさないこともできる。
【0052】
また、制振材21と同じく、各スポーク17の間の空間19の一部(全てではない)をカバーすることも可能である。
【0053】
空の空間19をカバーする利点は、スポーク17を有する歯車10が回転している場合に、関連の損失(所謂「ワインディングロス」)を伴う不要な旋回(swirl)が生成されない。
【0054】
好ましくは、スポーク17を有する歯車10は、所定材料の一体品で作られている。
スポーク17を有する歯車10が作られる材料は、例えば、鋼又は鋳鉄とすることができるが、これは本発明では必須ではない。
【0055】
スクリュー圧縮機1の動作は非常に単純で以下に示す通りである。
公知の方法で、電動機12は、スクリュー圧縮機1のロータ4、5を駆動することができ、電動機12の軸の回転は、第2の駆動歯車10を介して雌スクリューロータ5の軸7上の第1の駆動歯車9に伝達される。
【0056】
このロータ5の回転は、対応する同期歯車13並びに同期歯車14を回転させることになり、雄スクリューロータ4も回転することになる。
【0057】
このスクリュー圧縮機1の動作の間に、ガスはロータ4、5によって圧縮され、これによって圧縮機要素2内で振動が発生する。
【0058】
脆弱化した第2の駆動歯車10は、一方で自由度の間で連結解除されることによって、他方で場合によって導入された減衰性によってこの振動を低減することができ、例えばギヤボックスを伝わることができる不要な振動が電動機12に損傷を与えることが防止され、又はスクリューロータ4、5自体の軸方向及び/又は横方向運動が引き起こされない。
【0059】
図4は、図1の変形例を示し、この場合、スクリュー圧縮機1は、ロータ5を駆動するために唯一の第2の駆動歯車10のみを備える。この場合、同期歯車13、14は、図1に比べてロータ4、5の反対側に取り付けられているので、一方の同期歯車13は駆動歯車9としても機能する。
【0060】
従って、図4のスクリュー圧縮機1は、3つの歯車10、13、14だけを備えており、電動機12と従動ロータ5との間の動力伝達は、第2の駆動歯車10及び同期歯車13によって保証される。
【0061】
この場合、第2の駆動歯車10は、同様に、例えば図2及び3の歯車10などのスポーク17を有する歯車10である。
その他の点に関して、動作は、図1の圧縮機装置の動作と類似している。
【0062】
図5は、図1の別の実施形態を示し、この場合、歯車10は、歯車ハブ18とリム16との間に12本のスポーク17を備える。
【0063】
各スポーク17の間の空間19は、充填されていないか又はカバーされていない。
換言すると歯車10の各スポーク17の間の空間19は開放されている。
【0064】
本発明は、実施例として記載されかつ図面に示された実施形態に限定されないが、本発明によるスクリュー圧縮機1は、本発明の範疇から逸脱することなく様々な形態及び寸法で実現することができる。
図1
図2
図3
図4
図5