特許第6948462号(P6948462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杉金光電(蘇州)有限公司の特許一覧

特許6948462接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板
<>
  • 特許6948462-接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板 図000005
  • 特許6948462-接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948462
(24)【登録日】2021年9月22日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板
(51)【国際特許分類】
   C09J 163/00 20060101AFI20210930BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   C09J163/00
   G02B5/30
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-515129(P2020-515129)
(86)(22)【出願日】2018年9月20日
(65)【公表番号】特表2020-533469(P2020-533469A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(86)【国際出願番号】KR2018011109
(87)【国際公開番号】WO2019059667
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年3月13日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0122407
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521241281
【氏名又は名称】杉金光電(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ソンウク・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ウ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ウク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ユンキョン・クォン
【審査官】 青鹿 喜芳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−209126(JP,A)
【文献】 特表2013−543524(JP,A)
【文献】 再公表特許第2014/058042(JP,A1)
【文献】 特開2012−241053(JP,A)
【文献】 特開2013−213214(JP,A)
【文献】 特開2015−143352(JP,A)
【文献】 特開2013−185133(JP,A)
【文献】 特開2014−129431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、芳香族エポキシ化合物、および脂環式エポキシ化合物を含む接着剤組成物において、
前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンは20〜50重量部であり、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンは2〜8重量部であり、前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)は2〜8重量部であり、前記芳香族エポキシ化合物は7〜38重量部であり、前記脂環式エポキシ化合物は10〜50重量部含まれるものである、接着剤組成物。
【請求項2】
前記芳香族エポキシ化合物は、ノボラック系エポキシ、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、臭素化ビスフェノール系エポキシ、フェニルグリシジルエーテル、o−クレシル(Cresyl)グリシジルエーテル、およびノニルフェニルグリシジルエーテルからなる群より選択された1種以上である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記接着剤組成物は、脂肪族エポキシ化合物をさらに含むものである、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記脂肪族エポキシ化合物は、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、および2−エチルヘキシルグリシジルエーテルからなる群より選択された1種以上である、請求項3に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記脂肪族エポキシ化合物は1〜30重量部含まれるものである、請求項3又は4に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記脂環式エポキシ化合物は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、およびビスエポキシシクロペンチルエーテルからなる群より選択された1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に備えられ、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物を用いて形成された接着剤層と、
前記接着剤層上の少なくとも一面に備えられた保護フィルムとを含む偏光板。
【請求項8】
前記接着剤層の厚さは、0μm超過〜20μm以下である、請求項7に記載の偏光板。
【請求項9】
前記保護フィルムは、アクリル系フィルムである、請求項7又は8に記載の偏光板。
【請求項10】
表示パネルと、
前記表示パネルの一面または両面に備えられた請求項7〜9のいずれか1項に記載の偏光板とを含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板に関する。
【0002】
本出願は、2017年9月22日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2017−0122407号の出願日の利益を主張し、その内容はすべて明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
偏光板は、通常、二色性染料またはヨウ素で染色されたポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、以下、「PVA」という)系樹脂からなる偏光子の一面または両面に接着剤を用いて保護フィルムを積層した構造で用いられてきた。従来は、偏光板保護フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC、triacetyl cellulose)系フィルムが主に使用されてきたが、このようなTACフィルムの場合、高温、高湿環境で変形しやすいという問題点があった。したがって、最近は、TACフィルムを代替できる多様な材質の保護フィルムが開発されており、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)、シクロオレフィンポリマー(COP、cycloolefin polymer)、アクリル系フィルムなどを単独または混合して使用する方策が提案された。
【0004】
この時、前記偏光子と保護フィルムとを付着させるのに用いられる接着剤としては、主に、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる水系接着剤が使用されている。しかし、前記水系接着剤の場合、保護フィルムとして、TACではない、アクリル系フィルムやCOPフィルムなどを使用する場合には、接着力が弱いことから、フィルムの素材によってその使用が制限される問題点がある。また、前記水系接着剤の場合、素材による接着力不良の問題以外にも、PVA素子の両面に適用される保護フィルムの素材が異なる場合、水系接着剤の乾燥工程による偏光板のカール(curl)発生の問題および初期光学物性の低下などの問題が発生する。さらに、前記水系接着剤を使用する場合、乾燥工程が必ず必要であり、このような乾燥工程で透湿率、熱膨張などの差が発生して不良率が高くなる問題点がある。前記のような問題点を解決するための代案として、水系接着剤の代わりに非水系接着剤を使用する方策が提案された。
【0005】
現在まで提案された偏光板用非水系接着剤は、硬化方式によって、ラジカル硬化型接着剤と陽イオン硬化型接着剤とに分けられる。陽イオン硬化型接着剤の場合、多様な素材のフィルムに対して優れた接着力を有するという利点があるが、遅い硬化速度および低い硬化度によって製造工程上多くの欠点がある。このような陽イオン硬化型接着剤の問題点を解決するために、アクリルアミド系化合物を主成分とするラジカル硬化型接着剤が提案された。しかし、アクリルアミド系化合物を主成分とするラジカル硬化型接着剤の場合、陽イオン硬化型接着剤に比べて硬化速度が速いとはいえ、高湿雰囲気では硬化速度が遅くなり、接着力が低下する問題点がある。一方、偏光板の製造工程は、ポリビニルアルコールフィルムの膨潤、染着、延伸などが水溶液上で行われる湿式工程を含むため、水分含有量が高く、よって、前記アクリルアミド系接着剤を偏光板に適用するためには、接着剤の塗布前に偏光子を熱風乾燥したり、プラズマなどの表面処理をしたりするなどの追加の工程が行われなければならない。
【0006】
したがって、別途の処理なく偏光板に適用できるように、高湿環境でも硬化速度および接着力が低下しない接着剤の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、接着剤組成物、これを用いて形成された接着剤層を含む偏光板を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の一実施態様は、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、芳香族エポキシ化合物、および脂環式エポキシ化合物を含む接着剤組成物において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンは20〜50重量部であり、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンは2〜8重量部であり、前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)は2〜8重量部であり、前記芳香族エポキシ化合物は7〜38重量部であり、前記脂環式エポキシ化合物は10〜50重量部含まれるものである接着剤組成物を提供する。
【0009】
また、本明細書の一実施態様は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に備えられ、前述した接着剤組成物を用いて形成された接着剤層と、前記接着剤層上の少なくとも一面に備えられた保護フィルムとを含む偏光板を提供する。
【0010】
さらに、本明細書の一実施態様は、表示パネルと、前記表示パネルの一面または両面に備えられた前述した偏光板とを含む画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本明細書の一実施態様に係る接着剤組成物は、耐水性に優れ、高い温度の浸水でも安定的に接着力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書の一実施態様に係る偏光板の積層構造を示すものである。
図2】本明細書の一実施態様に係る偏光板の積層構造を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本明細書について詳細に説明する。
【0014】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0015】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本明細書の一実施態様において、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、芳香族エポキシ化合物、および脂環式エポキシ化合物を含む接着剤組成物において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンは20〜50重量部であり、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンは2〜8重量部であり、前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)は2〜8重量部であり、前記芳香族エポキシ化合物は7〜38重量部であり、前記脂環式エポキシ化合物は10〜50重量部含まれるものである接着剤組成物を提供する。
【0017】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンは20〜50重量部であり、より好ましくは30〜40重量部であり、前記含有量範囲を満足する場合、分子内の長いアルキル鎖(エチルヘキシル基)のアンカー効果(anchor effect)によって接着力が向上する。前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンの含有量が、接着剤組成物全体100重量部に対して、20重量部未満で含まれると、接着力の向上に寄与することができず、50重量部超過時には、接着剤組成物のガラス転移温度が低くなって耐久性が弱くなる。
【0018】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンおよび前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)はそれぞれ2〜8重量部であり、より好ましくは3〜7重量部である。本明細書の接着剤組成物が前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたは前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)を含まない場合、接着力と耐久性が低下する。また、前記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが前記含有量範囲を満足する場合、ヒドロキシ基の水素結合で接着力が向上し、前記3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)が前記含有量範囲を満足する場合、高いガラス転移温度によって耐久性が向上する。
【0019】
具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの含有量が、接着剤組成物全体100重量部に対して、2重量部未満で含まれると、接着力の向上に寄与することができず、8重量部超過時には、接着力の低下だけでなく、接着剤組成物のガラス転移温度が低くなって耐久性が弱くなる。3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)の含有量が、接着剤組成物全体100重量部に対して、2重量部未満で含まれると、耐久性が弱くなり、8重量部超過時には、接着力が低下する。
【0020】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記芳香族エポキシ化合物は7〜38重量部であり、好ましくは10〜30重量部であり、好ましくは15〜30重量部であり、より好ましくは20〜25重量部である。前記含有量範囲を満足する場合、前記芳香族エポキシ化合物のベンゼン環が接着剤の疎水性を増加させて耐水性が向上する。具体的には、芳香族エポキシ化合物の含有量が、接着剤組成物全体100重量部に対して、7重量部未満で含まれると、耐水性の改善効果が大きくなく、38重量部超過時には、粘度が高くなって工程性が悪くなる。
【0021】
また、前記3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、および3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)の3種の化合物を使用する場合、前記オキセタンのうち1つのオキセタン化合物をそれぞれ使用したり、2種の化合物を使用する場合より、3種をすべて使用する場合、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタンのアンカー効果による基材との物理的結合と3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの水素結合で基材との接着力がより向上する。さらに、3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)が接着組成物のガラス転移温度を上昇させて耐久性が向上する。特に、前記3種をすべて使用する場合、2種の化合物を使用する場合より、接着力と耐久性が向上する。
【0022】
本明細書の一実施態様において、前記芳香族エポキシ化合物は、ノボラック系エポキシ、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、臭素化ビスフェノール系エポキシ、フェニルグリシジルエーテル、o−クレシル(Cresyl)グリシジルエーテル、およびノニルフェニルグリシジルエーテルからなる群より選択された1種以上であり、前記芳香族エポキシ化合物は、エポキシ基を2個を有するものがより好ましい。したがって、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテルなどのジエポキシ化合物が耐水性および耐久性において優れた効果を有する。
【0023】
前記脂環式エポキシ系化合物は、エポキシ基が脂肪族炭化水素環を構成する隣接する2個の炭素原子の間に形成されているエポキシ系化合物を意味し、これらに限定されるものではないが、例えば、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビスエポキシシクロペンチルエーテル、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル−5,6−エポキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル)、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダノキシル]エタンシクロペンテニルフェニルグリシジルエーテル、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノールのε−カプロラクトン(1〜10モル)付加物と、多原子価(3〜20価)アルコール(GR、TMP、PE、DPE、ヘキサペンタエリトリトール)のエステル化化合物などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、特に3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを使用することが好ましい。
【0024】
本明細書の一実施態様において、前記脂環式エポキシ化合物は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、およびビスエポキシシクロペンチルエーテルからなる群より選択された1種以上である。
【0025】
本明細書の一実施態様において、前記脂環式エポキシ化合物は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
【0026】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記脂環式エポキシ化合物は10〜50重量部含まれ、好ましくは20〜40の場合、接着力および耐久性が向上する。
【0027】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物は、脂肪族エポキシ化合物をさらに含む。脂肪族エポキシ化合物と脂環式エポキシ化合物を同時に含む場合、脂環式エポキシの場合、速い硬化速度と高いガラス転移温度を有しているが、粘度が高くて接着剤の配合に多量を添加することができない。また、脂肪族エポキシは、脂環式エポキシに比べて硬化速度およびガラス転移温度が低いが、脂環式エポキシとともに使用することにより、接着剤の粘度を低下させて工程性を確保することができ、接着剤の接着力および硬化速度、ガラス転移温度などを好適に調節することができる。
【0028】
本明細書の一実施態様において、前記接着剤組成物全体100重量部に対して、前記脂肪族エポキシ化合物は1〜30重量部含まれる。
【0029】
前記脂肪族エポキシ系化合物は、分子内に脂肪族鎖もしくは脂肪族環を含むエポキシ系化合物を意味し、これらに限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0030】
本明細書の一実施態様において、前記脂肪族エポキシ化合物は、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、および2−エチルヘキシルグリシジルエーテルからなる群より選択された1種以上である。
【0031】
本明細書の一実施態様によれば、前記接着剤組成物は、追加的に、陽イオン開始剤、ラジカル開始剤、光増感剤などを含むことができる。
【0032】
本明細書の一実施態様に係る陽イオン開始剤は、活性エネルギー線によって酸(H+)を発生させる化合物で、本発明で使用可能な陽イオン開始剤は、スルホニウム塩(Sulfonium salt)またはヨードニウム塩(Iodonium salt)が含まれていることが好ましい。スルホニウム塩(Sulfonium salt)またはヨードニウム塩(Iodonium salt)が含まれた光酸発生剤の具体例としては、ジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(Diphenyl(4−phenylthio)phenylsulfonium hexafluoroantimonate)、ジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(Diphenyl(4−phenylthio)phenylsulfonium hexafluorophosphate)、(フェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート((phenyl)[4−(2−methylpropyl)phenyl]−Iodonium hexafluorophosphate)、(チオジ−4,1−フェニレン)ビス(ジフェニルスルホニウム)ジヘキサフルオロアンチモネート((Thiodi−4,1−phenylene)bis(diphenylsulfonium)dihexafluoroantimonate)、および(チオジ−4,1−フェニレン)ビス(ジフェニルスルホニウム)ジヘキサフルオロホスフェート((Thiodi−4,1−phenylene)bis(diphenylsulfonium)dihexafluorophosphate)からなる群より選択された1種以上が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0033】
本明細書の一実施態様に係るラジカル開始剤は、ラジカル重合性を促進して硬化速度を向上させるためのもので、前記ラジカル開始剤としては、当該技術分野で一般的に使用されるラジカル開始剤が制限なく使用可能である。
【0034】
本明細書の一実施態様に係る光増感剤は、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、アントラセン系化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書の一実施態様において、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に備えられ、前述した接着剤組成物を用いて形成された接着剤層と、前記接着剤層上の少なくとも一面に備えられた保護フィルムとを含む偏光板を提供する。
【0036】
図1は、本明細書の一実施態様に係る偏光板の積層構造を示すものである。前記図1には、偏光子1の一面に接着剤層2を備え、前記接着剤層上の一面に保護フィルム3が備えられた偏光板の構造が例示されている。
【0037】
図2は、本明細書の一実施態様に係る偏光板の積層構造を示すものである。前記図2には、偏光子1の両面に第1接着剤層4および第2接着剤層5を備え、前記第1接着剤層上の一面に第1保護フィルム6を備え、前記第2接着剤層上の一面に第2保護フィルム7が備えられた偏光板の構造が例示されている。
【0038】
前記偏光子は特に制限されず、当該技術分野でよく知られた偏光子、例えば、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムを用いることができる。前記偏光子は、PVAフィルムにヨウ素または二色性染料を染着させて製造されるが、その製造方法は特に限定されない。本明細書において、偏光子は、保護フィルムを含まない状態を意味し、偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含む状態を意味する。
【0039】
次に、前記接着剤層は、前述した本明細書の実施態様に係る接着剤組成物を用いて形成されたもので、当該技術分野でよく知られた方法によって形成される。例えば、偏光子または保護フィルムの一面に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成した後、偏光子と保護フィルムとを貼り合わせた後、硬化させる方法で行われる。この時、前記塗布は、当該技術分野でよく知られた塗布方法、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ブレードコーティングなどの方法で行われる。
【0040】
一方、前記硬化は、光硬化、より具体的には、紫外線、可視光線、電子線、X線などの活性エネルギー線を照射して行われる。例えば、紫外線照射装置(Metal halide lamp)を用いて、10〜2500mJ/cm程度の紫外線を照射する方法で行うことができる。
【0041】
あるいは、前記硬化は、熱硬化、より具体的には、60℃以上の硬化温度での熱硬化によって行われてもよい。この時、必要に応じて、熱硬化時の硬化速度を速くするために、組成物に公知のアミン系開始剤を追加的に添加してもよい。
【0042】
あるいは、前記硬化は、前記光硬化後、熱硬化を追加的に行うものであってもよいし、熱硬化後、光硬化を追加的に行うものであってもよい。
【0043】
本明細書の一実施態様によれば、前記接着剤層の厚さは、0μm超過〜20μm以下である。
【0044】
具体的には、0μm超過10μm以下が好ましく、0.1〜10μmまたは0.1〜5μmのものがさらに好ましい。接着剤層の厚さが薄すぎる場合には、接着剤層の均一度および接着力が低下し、接着層の厚さが厚すぎる場合には、偏光板の外観にシワの寄る問題が発生することがあるからである。
【0045】
本明細書の一実施態様によれば、前記保護フィルムは、偏光子を支持および保護するためのもので、当該技術分野で一般的に知られている多様な材質の保護フィルム、例えば、セルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP、cycloolefin polymer)フィルム、アクリル系フィルムなどが制限なく使用可能である。なかでも、光学特性、耐久性、経済性などを考慮する時、アクリル系フィルムを使用するものが特に好ましい。
【0046】
一方、本明細書において、使用可能なアクリル系フィルムは、(メタ)アクリレート系樹脂を主成分として含む成形材料を押出成形によって成形して取得することができる。この時、前記(メタ)アクリレート系樹脂は、(メタ)アクリレート系単位を含む樹脂を主成分とするもので、(メタ)アクリレート系単位からなるホモポリマー樹脂だけでなく、(メタ)アクリレート系単位以外に他の単量体単位が共重合された共重合体樹脂、および前記のような(メタ)アクリレート系樹脂に他の樹脂がブレンドされたブレンド樹脂も含む概念である。
【0047】
一方、前記(メタ)アクリレート系単位は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系単位であってもよい。ここで、前記アルキル(メタ)アクリレート系単位は、アルキルアクリレート系単位およびアルキルメタクリレート系単位をすべて意味するもので、前記アルキル(メタ)アクリレート系単位のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、炭素数1〜4のものがさらに好ましい。
【0048】
また、前記(メタ)アクリレート系単位と共重合可能な単量体単位としては、スチレン系単位、マレイン酸無水物系単位、マレイミド系単位などが挙げられる。この時、前記スチレン系単位としては、これらに限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレンなどがその例に挙げられ;前記マレイン酸無水物系単量体としては、これらに限定されるものではないが、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、シクロヘキシルマレイン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物などがその例に挙げられ;前記マレイミド系単量体としては、これらに限定されるものではないが、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどがその例に挙げられる。これらは、単独でまたは混合して使用可能である。
【0049】
前記アクリル系フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂とその他の重合体、添加剤などを任意の適切な混合方法によって十分に混合して熱可塑性樹脂組成物を製造した後、これをフィルム成形して製造するか、または(メタ)アクリレート系樹脂と、その他の重合体、添加剤などを別途の溶液で製造した後、混合して均一な混合液を形成した後、これをフィルム成形することもできる。また、前記アクリル系フィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムのうちのいずれであってもよい。延伸フィルムの場合には、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルムの場合には、同時二軸延伸フィルムまたは逐次二軸延伸フィルムのうちのいずれであってもよい。
【0050】
本明細書の一実施態様によれば、表示パネルと、前記表示パネルの一面または両面に備えられた前述した偏光板とを含む画像表示装置を提供する。
【0051】
前記表示パネルは、液晶パネル、プラズマパネル、および有機発光パネルであってもよい。
【0052】
これによって、前記画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、および有機電界発光表示装置(OLED)であってもよい。
【0053】
より具体的には、前記画像表示装置は、液晶パネルと、該液晶パネルの両面にそれぞれ備えられた偏光板とを含む液晶表示装置であってもよいし、この時、前記偏光板のうちの少なくとも1つは、前述した本明細書の一実施態様に係る偏光子を含む偏光板であってもよい。すなわち、前記偏光板は、ヨウ素および/または二色性染料が染着されたポリビニルアルコール系偏光子と、前記ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一面に備えられた保護フィルムとを含む偏光板において、局地的に400nm〜800nmの波長帯域における単体透過度が80%以上の偏光解消領域を有し、前記偏光解消領域の算術平均粗さ(Ra)が200nm以下であり、偏光度が10%以下で、サギング(sagging)が10μm以下であることを特徴とする。
【0054】
この時、前記液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は特に限定されない。例えば、その種類に制限されず、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型、またはPD(polymer dispersed)型のようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用可能である。また、液晶表示装置を構成するその他の構成、例えば、上部および下部基板(例えば、カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類も特に制限されず、この分野で公知の構成が制限なく採用可能である。
【実施例】
【0055】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に述べる実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0056】
<比較例1〜3および実施例1〜5>
下記表1に記載の重量%で接着剤組成物を製造した。
【0057】
− 2021P:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
− CHDMDGE:1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル
− BPF:ビスフェノールFジグリシジルエーテル
− OXT221:3,3’−オキシビス(メチレン)ビス(3−エチルオキセタン)
− OXT101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン
− OXT212:3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチルオキセタン
【0058】
また、比較例1〜3および実施例1〜5で製造された接着剤組成物の接着力および熱衝撃性を測定して、表1に記載した。
【0059】
【表1】
【0060】
前記表1では、本明細書の芳香族エポキシの含有量を満足する場合、接着力および熱衝撃性に優れた効果があることが分かる。
【0061】
<偏光板の剥離力評価方法>
偏光子と高分子フィルムとの剥離力を測定した。剥離実験は、幅20mm、長さ100mmの偏光板を用いて、速度300mm/min、90゜剥離時の剥離力を測定した。剥離力が2N/2cmを超える場合を優秀、1N/2cm〜2N/2cmの場合を良好、1N/2cm未満の場合を悪いと表示した。
【0062】
PVA UP:アクリルフィルムを固定し、PVAフィルムを剥がす場合
ACR UP:PVAフィルムを固定し、アクリルフィルムを剥がす場合
【0063】
<耐水性評価方法>
偏光板をガラス基板にラミネーション(glass lamination)した後に、60℃の恒温槽に浸漬させた。24時間経過後、偏光子と高分子フィルムとの剥離力を測定した。測定方法は、偏光板の剥離力評価と同一である。
【0064】
<熱衝撃性評価方法>
偏光板をガラス基板にラミネーション(glass lamination)し、これを−40℃で30分間放置した後、これを再び70℃で30分間放置することを100回繰り返し行った。その後、偏光板の外観の変形の有無を肉眼で評価した。偏光板の外観において端部にのみ2mm以下のクラックの発生がある場合を優秀、端部以外の5mm以上の短い線状のクラックのみ確認される場合を良好、偏光板の全面に多数のクラックが発生した場合を悪いと表示した。
【0065】
<比較例4〜9、実施例4および6>
下記表2に記載の重量%で接着剤組成物を製造した。
【0066】
また、比較例4〜9、実施例4および6で製造された接着剤組成物の接着力および熱衝撃性を測定して、表2に記載した。
【0067】
【表2】
【0068】
前記表2は、本明細書のオキセタン化合物の含有量を満足する場合、接着力および熱衝撃性に優れた効果があることが分かる。
【0069】
<比較例1、実施例3および6〜8>
下記表3に記載の重量%の接着剤組成物を製造した。
【0070】
− BPA:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
− PGE:フェニルグリシジルエーテル
− t−BPGE:4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル
【0071】
また、比較例1、実施例3および7〜9で製造された接着剤組成物の接着力を測定して、表3に記載した。
【0072】
【表3】
【0073】
前記表3は、本明細書の芳香族エポキシ化合物を含む場合、接着力に優れた効果があることが分かる。
【符号の説明】
【0074】
1:偏光子
2、4、5:接着剤層
3、6、7:保護フィルム
図1
図2