(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948663
(24)【登録日】2021年9月24日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】擁壁及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
E02D 29/02 20060101AFI20210930BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
E02D29/02 303
E02D29/02 309
E02D17/20 103F
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-197826(P2017-197826)
(22)【出願日】2017年10月11日
(65)【公開番号】特開2019-70299(P2019-70299A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2020年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591083901
【氏名又は名称】共和ハーモテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511124862
【氏名又は名称】株式会社総合開発
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森谷 完
(72)【発明者】
【氏名】小田島 勉
(72)【発明者】
【氏名】柴田 英樹
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2018−003476(JP,A)
【文献】
特開2006−112130(JP,A)
【文献】
特開平11−166219(JP,A)
【文献】
特開2017−227097(JP,A)
【文献】
特開2003−082638(JP,A)
【文献】
特開2005−098093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
E02D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にコンクリートブロックを複数段積み上げて形成される擁壁であって、
前記コンクリートブロックは、擁壁の前面部分となる前面部材と、前記前面部材から後方に突き出して前記前面部材を支持する後方突出部材とを備えており、
前記コンクリートブロックの後方には、金網からなり粗粒のドレーン材が充填された石詰籠が配置されており、
前記石詰籠の前面と前記コンクリートブロックとの間の空間に現場打ちコンクリートが充填されており、
前記現場打ちコンクリートによって前記コンクリートブロックと前記石詰籠とが固定されている、擁壁。
【請求項2】
前記現場打ちコンクリートは、前記コンクリートブロックの前記前面部材の後面と、前記後方突出部材との間の空間にも充填されている、請求項1に記載の擁壁。
【請求項3】
前記石詰籠は、前記石詰籠の前記前面から前記コンクリートブロックに向かって伸びる固定補助部材を備えている、請求項1又は2に記載の擁壁。
【請求項4】
前記固定補助部材は、金網、鉄筋及び樹脂製網のうち、少なくとも1種である、請求項3に記載の擁壁。
【請求項5】
前記固定補助部材は、前記石詰籠の底面から連続して伸びている金網である、請求項4に記載の擁壁。
【請求項6】
前面にコンクリートブロックを複数段積み上げて形成される擁壁の形成方法であって、
前記コンクリートブロックは、擁壁の前面部分となる前面部材と、前記前面部材から後方に突き出して前記前面部材を支持する後方突出部材とを備えており、
前記コンクリートブロックを設置する工程Aと、
前記コンクリートブロックの後方であって前記コンクリートブロックから離間した位置に、金網からなる石詰籠を形成する工程Bと、
前記石詰籠に粗粒のドレーン材を充填する工程と、
前記石詰籠の前面と前記コンクリートブロックとの間の空間に現場打ちコンクリートを充填する工程Cと
を含み、前記工程A、前記工程Bおよび前記工程Cを繰り返すことにより前記コンクリートブロックを複数段積み上げる、擁壁の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁及びその形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
擁壁は崖や盛り土の側面が崩れ落ちるのを防ぐために築く壁であって、現在ではコンクリートにより築かれるものが主であり、壁面となる前面部分をコンクリートブロックにより形成するものが多い。
【0003】
擁壁を形成する際には、排水性を確保するためにコンクリートブロックの背面側に砕石等の粗粒のドレーン材を詰め込んでいるが、コンクリートブロックを用いた従来の擁壁の形成方法ではコンクリートブロックと粗粒のドレーン材とは別個のものとして互いに独立に取り扱われていた。
【0004】
このような従来の方法では、粗粒のドレーン材からの土圧力がコンクリートブロックにかかるため、コンクリートブロックが倒れないようにその重量を大きくする必要があった。この問題を解決するために、特許文献1では、少なくともその一部に現場打コンクリートを充填することによって、上下、左右に一体化される複数のコンクリートブロックと、前記コンクリートブロックの各々の背面を囲うように、前記コンクリートブロックの各々の少なく共一部に取付けられた複数の枠材と前記背面と前記枠材とで構成される空間の各々に充填された裏込め材とを備えた、コンクリート積みブロック擁壁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−98093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたコンクリート積みブロック擁壁は施工に難があるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前面のコンクリートブロックと背面側のドレーン材とが一体に連結されていて施工が容易である擁壁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の擁壁は、前面にコンクリートブロックを複数段積み上げて形成される擁壁であって、前記コンクリートブロックは、擁壁の前面部分となる前面部材と、前記前面部材から後方に突き出して前記前面部材を支持する後方突出部材とを備えており、前記コンクリートブロックの後方には、金網からなり粗粒のドレーン材が充填された石詰籠が配置されており、前記石詰籠の前面と前記コンクリートブロックとの間の空間に現場打ちコンクリートが充填されており、前記現場打ちコンクリートによって前記コンクリートブロックと前記石詰籠とが固定されている構成を有している。粗粒のドレーン材とは、土砂よりも粒径が大きく透水性がよいものであり、例えば礫、石、岩石の破砕物(砕石)、コンクリートの破砕物などを挙げることができる。現場打ちコンクリートとは、擁壁の施工現場において硬化前のコンクリートを打設し硬化させるものである。
【0009】
前記現場打ちコンクリートは、前記コンクリートブロックの前記前面部材の後面と、前記後方突出部材との間の空間にも充填されていることが好ましい。
【0010】
前記石詰籠は、前記石詰籠の前記前面から前記コンクリートブロックに向かって伸びる固定補助部材を備えていることが好ましい。
【0011】
前記固定補助部材は、金網、鉄筋及び樹脂製網のうち、少なくとも1種であってもよく、前記石詰籠の底面から連続して伸びている金網であることが好ましい。
【0012】
本発明の擁壁の形成方法は、前面にコンクリートブロックを複数段積み上げて形成される擁壁の形成方法であって、前記コンクリートブロックは、擁壁の前面部分となる前面部材と、前記前面部材から後方に突き出して前記前面部材を支持する後方突出部材とを備えており、前記コンクリートブロックを設置する工程Aと、前記コンクリートブロックの後方であって前記コンクリートブロックから離間した位置に、金網からなる石詰籠を形成する工程Bと、前記石詰籠に粗粒のドレーン材を充填する工程と、前記石詰籠の前面と前記コンクリートブロックとの間の空間に現場打ちコンクリートを充填する工程Cとを含み、前記工程A、前記工程Bおよび前記工程Cを繰り返すことにより前記コンクリートブロックを複数段積み上げる構成を有している。
【発明の効果】
【0013】
コンクリートブロックとその後方に配置された粗粒のドレーン材が充填された石詰籠との間の空間に現場打ちコンクリートを充填して、コンクリートブロックと石詰籠とを固定しているので、コンクリートブロック、石詰籠及び現場打ちコンクリートの三者が一体となった擁壁が土圧力に抗する構造となり、コンクリートブロックの設計の自由度を高めることができるとともに、三者を一体にすることが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る擁壁の模式的な断面図である。
【
図2】実施形態に係る擁壁の1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す側面図である。
【
図3】実施形態に係る擁壁の、擁壁面に沿った端部における1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す側面図である。
【
図4】実施形態に係る擁壁の1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す平面図である。
【
図5】実施形態に係る擁壁の1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す正面図である。
【
図6】実施形態に係る擁壁の形成方法を示す第1の図面である。
【
図7】実施形態に係る擁壁の形成方法を示す第1の図面である。
【
図8】実施形態に係る擁壁の形成方法を示す第1の図面である。
【
図9】実施形態に係る擁壁の形成方法を示す第1の図面である。
【
図10】別の実施形態に係る擁壁の模式的な断面図である。
【
図11】別の実施形態に係る擁壁の1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す側面図である。
【
図12】実施形態に係る擁壁の1段分を構成するコンクリートブロックと石詰籠を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1に係る擁壁の模式的な断面を
図1に示す。
図1は、擁壁100に対して垂直な断面を表している。本実施形態の擁壁100は、前面がコンクリートブロック10により形成されており、崖300側には石詰籠20がコンクリートブロック10から離れた位置に配置されており、コンクリートブロック10と石詰籠20とは現場打ちコンクリート30によって一体として固定されている。石詰籠20には粗粒のドレーン材45が充填されている。
【0017】
コンクリートブロック10及び石詰籠20はそれぞれ複数が積み上げられている。
図1では11段に積み上げられている。各段において前面側にコンクリートブロック10が置かれ、その後方に石詰籠20が離間して配置されて、両者の間に現場打ちコンクリート30が充填されている。なお、現場打ちコンクリート30の一部には、石詰籠20からコンクリートブロック10の前面部分まで排水通路40が設けられており、石詰籠20内を通っていく雨水や地下水等が排水通路40を通ってコンクリートブロック10の前面に現れ、最下段のコンクリートブロック10の前に置かれた排水溝50に流れ込むようになっている。
【0018】
図2に示すように、コンクリートブロック10と石詰籠20は離間して設置されている。石詰籠20からは固定補助部材50がコンクリートブロック10に向かって伸びており、固定補助部材50の先端部分にコンクリートブロック10が載っている。
【0019】
図2から
図5に示すように、コンクリートブロック10は前面部材12とその前面部材12を支持する後方突出部材14とを備えている。前面部材12は擁壁100の前面部分となるもので、前面側の表面には複数の縦溝が形成されている。後方突出部材14は1つのコンクリートブロック10に4つ存在しており、前面部材12から垂直に後方へ且つ鉛直方向に伸びている。なお、
図4,5では、横方向に多数並べられているコンクリートブロック10及び石詰籠20のうち、隣合う2組のみを示しており、それ以外は省略している。
【0020】
石詰籠20は複数の金網パネルを組み合わせて形成されている。ここでは、金網パネルとして溶接金網からなるパネルを用いており、前面パネル21はコンクリートブロック10の前面部材12の前面側表面と略平行となっている。また、後面パネル22は鉛直に配置されている。擁壁100において、擁壁面に沿った水平方向の端部においては、
図3に示すように石詰籠20に側面パネル24が取り付けられている。側面パネル24は矩形の金網パネルを用いており側面を全て塞ぐとともに前側の部分は前面パネル21よりも上側及び前方へ突き出している。隣合う石詰籠20同士の境界には、補強のために枠線からなる中枠部材23が入れられている。なお、これらの金網および枠線は耐食性を有しており、施工後も長期間錆びないで強度を保つ。また、
図12に示すように、2つの中枠部材23の間に、後面パネル22の最上部と底面とを鉤により引っかけて補強する補強部材29を設置している。ここでは前面部材12の下部に排水通路40と連通する排水部16が設けられている。
【0021】
石詰籠20の前面や後面及び側面を構成する金網の網目はドレーン材45が抜け落ちない程度の大きさに設定されている。
【0022】
現場打ちコンクリート30は、コンクリートブロック10と石詰籠20との間に充填されており、コンクリートブロック10の前面部材12の後面と後方突出部材14との間にも充填され、石詰籠20の前面パネル21の網目からその内部に一部侵入している。このような態様により、コンクリートブロック10と石詰籠20とは現場打ちコンクリート30によって強固に固定されている。
【0023】
次に本実施形態の擁壁の形成方法を説明する。
【0024】
まず、固定補助部材50である金網を配置する。この金網は石詰籠20の底面を兼ねている。さらに、この金網の崖側の端部を上方に折り曲げて石詰籠20の後面パネル22を形成しておく。この金網は、擁壁面に沿った水平方向に複数並べて擁壁を形成する範囲に敷き詰める。
【0025】
それからコンクリートブロック10を設置する。コンクリートブロック10は固定補助部材50の先端部分の上に載せられ、また、擁壁面に沿った水平方向に複数並べられる。このようにして固定補助部材50である金網がコンクリートブロック10により固定される。
【0026】
次にコンクリートブロック10から後方に離間した場所に石詰籠20を形成する。固定補助部材50である金網を底面及び後面とし、それに前面パネル21、中枠部材23及び側面パネル24を組み合わせてコイルを用いて連結して石詰籠20を形成する。石詰籠20が出来上がった状態が
図3に示す状態である。なお、金網パネル同士を連結する部材はコイルに限定されず、クリップや専用連結部材、線材で縛る等様々な部材を使用することができる。
【0027】
石詰籠20が形成されたら、その内部に粗粒のドレーン材45(例えば、コンクリート用砕石、クラッシャラン、粒度調整砕石、単粒度砕石、ぐり石、割ぐり石)を充填する。
【0028】
それから石詰籠20の前面とコンクリートブロック10との間の空間にコンクリートを流し込み、現場打ちコンクリート30を充填する(
図6)。現場打ちコンクリート30はコンクリートブロック10の後方突出部材14同士の間にも充填される。現場打ちコンリート30は石詰籠20の前面パネル21の網目を通過して石詰籠20の内部に一部侵入して硬化する。そのため石詰籠20と現場打ちコンクリート30とがより強固に固定され、従って現場打ちコンクリート30を介して石詰籠20とコンクリートブロック10とがより強固に固定される。このようにコンクリートが入ってくるように、前面パネル21とドレーン材45との間には不織布等の吸い出しシートは配置しない。
【0029】
以上のようにして最下段(1段目)が出来上がる。
【0030】
次に1段目のコンクリートブロック10、現場打ちコンクリート30および石詰籠20の上に2段目の固定補助部材50である金網を配置する。そして1段目と同じ工程を行うことにより、2段目のコンクリートブロック10を設置し、石詰籠20を形成する(
図7)。
【0031】
それから1段目と同様にして、石詰籠20の内部に粗粒のドレーン材45を充填し、2段目のコンクリートブロック10と石詰籠20との間の空間に現場打ちコンクリート30を充填する(
図8)。このようにして2段目が出来上がる。
【0032】
それから、2段目と同様にして3段目のコンクリートブロック10を設置し、石詰籠20を形成する(
図9)。以上を繰り返していくことにより目的の段数まで積み上げて擁壁100を形成する。
【0033】
本実施形態においては、現場打ちコンクリート30を介して石詰籠20とコンクリートブロック10とが固定されているので、擁壁前面を構成するコンクリートブロック10と排水機能を担当する石詰籠20とが一体となっており、崖側からの土圧をこれら一体として受けることができる。そのため、コンクリートブロック10を必要以上に重くすることはなく、施工がしやすくなり、部材のコスト、施工のコストの両方が下がる。また、固定補助部材50を石詰籠20の底面及び後面と一体にしているので、部材コストが下がるとともに施工時間も短縮できて施工がやりやすくなっている。
【0034】
石詰籠20が排水機能と型枠機能(現場打ちコンクリートの型枠)とを兼用しているので、部材の数を減らすことができ、施工の手間も減らすことができる。また、石詰籠20の前面から現場打ちコンクリートが内部に侵入するように構成されているので、全体での固定・一体性が確保される。
【0035】
(実施形態2)
実施形態2に係る擁壁は
図10に示すように、擁壁100aの地面に対する角度が実施形態1よりも大きいので、それに合わせてコンクリートブロック10aの形状(角度)を実施形態1のコンクリートブロック10から変更しているとともに、石詰籠20aの形状を直方体とし、下の石詰籠20aの直上に積み重ねている。なお、実施形態1では石詰籠20を積み上げる際に後方側に位置をずらせて載せており、階段状に積み上げている。それ以外の構成や形成方法などは実施形態1と同じである。
【0036】
実施形態2に係る擁壁100aも実施形態1に係る擁壁100と同様の効果を奏する。
【0037】
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
【0038】
コンクリートブロックと石詰籠との関係は、1対1であってもそれ以外の関係であってもよい。例えばコンクリートブロック2段と1つの石詰籠とが同じ高さであって、上下方向にコンクリートブロック2つに対して石詰籠が1つ対応していてもよいし、水平方向において複数のコンクリートブロックに対して1つの石詰籠が対応していてもよい。
【0039】
コンクリートブロックの後方突出部材は、形状や数は特に限定されない。前面部材の底部から水平に後方に突き出す形状であっても構わない。
【0040】
石詰籠の構成は上述の構成に限定されない。例えば、金網として菱形金網やパンチングメタルを使用してもよい。また、実施形態1において、直方体形状の石詰籠としてもよい。
【0041】
石詰籠を構成する金網は、防錆処理を施されていることが好ましく、例えば亜鉛アルミ合金めっきを施されていることが好ましい。
【0042】
固定補助部材は金網であってもよいし、線材や樹脂製の棒材や網、ロープ・布などでもよく、石詰籠の底面から伸びていてもよいし、石詰籠の高さ方向のいずれの位置から伸びていてもよく、コンクリートブロックに連結固定されていることが好ましい。固定補助部材が金網の場合は、石詰籠と一体に形成することが好ましいが、石詰籠を形成する際に石詰籠に取り付ける形式で設置してもよい。固定補助部材はコンクリートブロックの下にまで伸びていて、その上にコンクリートブロックが載っていると石詰籠とコンクリートブロックとの一体性が向上し、両者がより強固に固定される。
【0043】
固定補助部材が金網の場合、固定補助部材が石詰籠の底面のみを兼用していてもよい。
【0044】
図11に示すように、矩形ではなく三角形状の中枠部材28を用いてもよい。
【0045】
コンクリートブロック及び石詰籠の最下段は地盤の下に埋め込んで、2段目から地盤上に現れるようにしてもよい。その場合、埋め込まれる最下段の石詰籠は現場打ちコンクリートを充填し、粗粒のドレーン材を詰め込む必要はない。
【符号の説明】
【0046】
10,10a コンクリートブロック
12 前面部材
14 後方突出部材
20,20a 石詰籠
30 現場打ちコンクリート
45 粗粒のドレーン材
50 固定補助部材
100,100a 擁壁