【文献】
RODRIGUES, P. C. A. et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry ,2006年,Vol. 14,pp. 4110-4117
【文献】
KRATZ, F. et al.,Biological & Pharmaceutical Bulletin ,1998年,Vol. 21,pp. 56-61
【文献】
LAU, A. et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry ,1995年,Vol. 3,pp. 1305-1312
【文献】
DAO, K.-L. et al.,Bioconjugate Chemistry,2012年,Vol. 23,pp. 785-795
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
薬剤が、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、7−アセチルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−アセチルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ホルミルカンプトテシン、10−アセチルカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシン、メイタンシノール;アウリスタチンD、アウリスタチンE、アウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンD、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンFメチルエステル、アウリスタチンPYE アウリスタチンPHE、およびドラスタチン10からなる群から選択されるアウリスタチン;α−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン、ε−アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、およびアマヌリン酸からなる群から選択されるアマトキシン;デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC、デュオカルマイシンSA、CC1065、アドゼレシン、ビゼレシン、カルゼレシン;エリブリン;トラベクテジン;ピロロベンゾジアゼピン、アントラマイシン、トメイマイシン、シビロマイシン、DC−81、DSB−120;エポチロン;ブレオマイシン;ダクチノマイシン;プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体からなる群から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
薬剤が、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシノイド;アウリスタチン;エポチロン;ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体からなる群から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要旨
本発明は、治療剤の有効な制御された送達および放出のための送達系を提供する。
本発明は、酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分を含む薬物送達系に関する。本発明は、例えばエステラーゼもしくはアミダーゼによって酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出する、アミド結合、カルバメート結合、および/またはエステル結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、例えばエステラーゼもしくはアミダーゼによって酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出するアミド結合を含む薬物送達系に関する。他の実施形態では、本発明は、酵素的および/または加水分解的に切断されるカルバメート結合を含む薬物送達系に関する。さらなる他の実施形態では、本発明は、酵素的および/または加水分解的に切断されるエステル結合を含む薬物送達系に関する。
【0007】
本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに任意選択で(ii)例えばエステラーゼもしくはアミダーゼによって酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出する、アミド結合、カルバメート結合、および/またはエステル結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに任意選択で(ii)例えばエステラーゼもしくはアミダーゼによって酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出するアミド結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに任意選択で(ii)酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出するカルバメート結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに任意選択で(ii)酵素的に、および/または加水分解的に切断されて治療剤を制御放出するエステル結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに任意選択で(ii)カルボキシルエステラーゼ1および/または2によって選択的に切断されて治療剤を制御放出するアミド結合を含む薬物送達系に関する。一部の実施形態では、本発明は、(i)酸性環境で制御方式により切断されて治療剤を制御放出するヒドラゾン部分、ならびに(ii)カルボキシルエステラーゼ2によって選択的に切断されて治療剤を制御放出するアミド結合を含む薬物送達系に関する。
【0008】
本発明は、式(I)によって表される構造を有する化合物
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌(antimicotic)剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R
1は、存在しないか、もしくは任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
またはR
1は、天然に生じるもしくは天然に生じないアミノ酸であり、
またはR
1は、次式
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
を有しており、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
Rは、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(M
1=Mg
2+、2Na
+、2K
+、2H
+、2NH
4+)、または
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(M
2=Na
+、K
+、H
+、NH
4+)であり、
R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、電子求引基、および水溶性基からなる群から選択され、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、抗体またはその断片、およびその誘導体化断片の誘導体化抗体からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
【0009】
一部の実施形態では、PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、および任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基からなる群から選択されるタンパク質結合基である。
【0010】
一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片と会合している(associated with)。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に共有結合している。一部の実施形態では、PBGは、アルブミンと会合している。他の実施形態では、PBGは、内因性または外因性(exogeneous)アルブミンに共有結合している。他の実施形態では、PGBは、内因性または外因性アルブミンのシステイン−34に共有結合している。
【0011】
本発明は、式(I)によって表される構造を有する化合物
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R
1は、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−Hまたは電子求引基からなる群から選択され、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、および抗体またはその断片からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
【0012】
一部の実施形態では、PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、および任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基からなる群から選択されるタンパク質結合基である。
【0013】
一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片と会合している。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に共有結合している。一部の実施形態では、PBGは、アルブミンと会合している。他の実施形態では、PBGは、内因性または外因性アルブミンに共有結合している。他の実施形態では、PGBは、内因性または外因性アルブミンのシステイン−34に共有結合している。
【0014】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(II)によって表される化合物
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、Y、R
1、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りである]。
【0015】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(III)によって表される構造を有する化合物
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、スペーサー、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りであり、
Z
1は、電子求引基である]。
【0016】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IV)によって表される構造を有する化合物
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りであり、
Z
1は、電子求引基である]。
【0017】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(V)によって表される構造を有する化合物
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、n、Y、R
1、R
2、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りである]。
【0018】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VI)によって表される構造を有する化合物
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、
R
3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH
3、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン(alkali metal ion)、アルカリ性金属イオン(alkaline metal ion)、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Y、R
1、R
2およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0019】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VI)によって表される構造を有する化合物
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R
3は、−OH、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Y、R
1、R
2およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0020】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VII)によって表される構造を有する化合物
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、X、X
1、X
2、X
3、X
4、n、Y、R
1、R
2、R
3、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびPBGは、式(VI)の化合物について定義されている通りである]。
【0021】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VII)によって表される構造を有する化合物
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、X、X
1、X
2、X
3、X
4、n、Y、R
1、R
2、R
3、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0022】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VIII)によって表される構造を有する化合物
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Z
1は、電子求引基であり、
薬剤、X、n、R
2、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0023】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IX)によって表される構造を有する化合物
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、
R
3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH
3、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1、R
2およびPBGは、式(VIII)の化合物について定義されている通りである]。
【0024】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IX)によって表される構造を有する化合物
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R
3は、−OH、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1、R
2およびPBGは、式(VIII)の化合物について定義されている通りである]。
【0025】
一部の実施形態では、X
1、X
2、X
3、およびX
4は、それぞれ独立に、−H、−OH、−CH
3、−F、−Cl、−Br、−I、および−N
3からなる群から選択される。
【0026】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(X)によって表される構造を有する化合物
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、X
1、X
2、X
3、X
4、R
3、X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1およびR
2は、式(IX)の化合物について定義されている通りである]。
【0027】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(X)によって表される構造を有する化合物
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、X
4、R
3、X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1およびR
2は、式(IX)の化合物について定義されている通りである]。
【0028】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン(diacetatoxyalkylanthracycline)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、7−アセチルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−アセチルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ホルミルカンプトテシン、10−アセチルカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシン、メイタンシノール;アウリスタチン(アウリスタチンD、アウリスタチンE、アウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンD、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンFメチルエステル、アウリスタチンPYE アウリスタチンPHE、関連の天然産物ドラスタチン10、およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);アマトキシン(α−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン、ε−アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、およびアマヌリン酸(amanullinic acid)ならびにその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC、デュオカルマイシンSA、CC1065、アドゼレシン、ビゼレシン、カルゼレシン;エリブリン;トラベクテジン;ピロロベンゾジアゼピン、アントラマイシン、トメイマイシン、シビロマイシン、DC−81、DSB−120;エポチロン;ブレオマイシン;ダクチノマイシン;プリカマイシン、マイトマイシン(miromycin)C、およびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0029】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシノイド;アウリスタチン;エポチロン;ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンC、およびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0030】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、−P(O)(OH)
2、−SO
3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0031】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0032】
一部の実施形態では、Z
1は、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1は、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1は、−Cl、−F、および−NO
2からなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。
【0033】
一部の実施形態では、本発明の化合物の
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
部分は、
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0034】
一部の実施形態では、本発明の化合物の
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
部分は、
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0035】
一部の実施形態では、Yは、−C(O)−NH−である。一部の実施形態では、Yは、−C(O)−O−である。一部の実施形態では、Yは、存在しない。
【0036】
一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる)からなる群から選択される。
【0037】
一部の実施形態では、R
1は、
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0038】
一部の実施形態では、R
1は、存在しない。
【0039】
一部の実施形態では、PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基である。一部の実施形態では、PBGは、
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0040】
一部の実施形態では、本発明の化合物の
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
部分は、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0041】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
であり、nは、0または1であり、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、R
2は、式Iについて定義されている通りである。
【0042】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、フェノキシ基、第一級、第二級または第三級アミン基、エーテル基、フェノール基、アミド基、エステル基、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、およびビニル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、−P(O)(OH)
2、−SO
3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0043】
一部の実施形態では、W
1は、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択され、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1は、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択され、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1は、−Cl、−F、および−NO
2からなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。
【0044】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択される。
【0045】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0046】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
であり、mは、1、2、3、4、5、または6である。
【0047】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0048】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される
[式中、SG=
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
Rは、
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
(M
1=Mg
2+、2Na
+、2K
+、2H
+、2NH
4+、Na
+、K
+、NH
4+および/またはH
+)、または
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
(M
2=Na
+、K
+、H
+、および/またはNH
4+)
である]。
【0049】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0050】
一部の実施形態では、薬剤は、α−アマニチンであり、本発明の化合物は、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0051】
一部の実施形態では、薬剤は、アウリスタチンまたはその誘導体であり、本発明の化合物は、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0052】
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に開示の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0053】
ある特定の実施形態では、本発明は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0054】
一部の実施形態では、本発明は、医薬として使用するための化合物および組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の処置に使用するための化合物および組成物を提供する。
【0055】
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の処置のための医薬の製造または調製に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0064】
発明の詳細な説明
本明細書において別段定義されない限り、本願で使用される科学用語および技術用語は、一般に当業者に理解される意味を有する。一般に、本明細書に記載の化学、分子生物学、細胞およびがん生物学、免疫学、微生物学、薬学、ならびにタンパク質および核酸の化学に関連して使用される命名法、およびそれらの技術は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。
【0065】
本願において言及されているすべての刊行物、特許および公開特許出願は、本明細書において参照によって具体的に組み込まれる。矛盾が生じた場合、本明細書の具体的な定義を含めて本明細書が優先する。別段特定されない限り、本発明の各実施形態は、単独で使用することができ、または本発明の任意の1つもしくは複数の他の実施形態と組み合わせて使用できることを理解されたい。
【0066】
本明細書を通して、「含む(comprise)」という用語または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、記載の整数(または構成成分)または整数(または構成成分)の群を包含することを意味するが、任意の他の整数(または構成成分)または整数(または構成成分)の群を排除することは意味しないと理解される。
【0067】
本願を通して、化合物または組成物が、特定の構成成分を有する、含む(including)、または含む(comprising)と説明される場合、このような化合物または組成物は、記載の構成成分から本質的になり得るか、またはそれからなり得ることも企図される。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む(including)、または含む(comprising)と説明される場合、そのプロセスも、記載のプロセスステップから本質的になり得るか、またはそれからなり得る。さらに、ステップの順序またはある特定の動作を実施するための順序は、本明細書に記載の化合物、組成物および方法が操作可能なままである限り、重要ではない。さらに、2つまたはそれ超のステップまたは動作は、同時に実施され得る。
【0068】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によってそうではないと明示されない限り、複数を含む。
【0069】
用語「含まれる(including)」は、「含まれるが、これらに限定されない(including but not limited to)」を意味するために使用される。「含まれる」および「含まれるが、これらに限定されない」は、交換可能に使用される。
【0070】
用語「または」は、本明細書で使用される場合、文脈によってそうではないと明示されない限り、「および/または」を意味すると理解されたい。
【0071】
用語「薬物」、「薬剤」、「治療剤」または「治療上有効な物質」は、薬理学的効果をそれ自体がもたらすか、または当該の生物におけるその変換後にもたらし、したがってこれらの変換に由来する誘導体も含む、任意の化合物を意味するために使用される。本発明による組成物の薬物の薬理学的効果は、単一効果のみ、例えば細胞増殖抑制性効果、または広範な薬理学的作用、例えば同時の免疫抑制効果および消炎効果であってよい。
【0072】
用語「アントラサイクリン」は、アントラセンジオン(アントラキノンまたはジオキソアントラセンとも呼ばれる)構造単位を有する、あるクラスの抗新生物性抗生物質を指す。例えば、用語「アントラサイクリン」は、具体的には、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、バルルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、アクラルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、PNU−159682、カルミノマイシン、ミトキサントロン、およびアメタントロンを個々に含むことが意図される。
【0073】
用語「患者」、「被験体」または「個体」は、交換可能に使用され、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語には、哺乳動物、例えばヒト、霊長類、家畜動物(例えば、ウシ、ブタ)、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコ)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)が含まれる。ある特定の実施形態では、患者または被験体は、ヒト患者または被験体、例えば処置を必要とする状態を有するヒト患者である。
【0074】
用語「医薬組成物」は、例えば1種または複数の薬学的に許容される担体、添加剤または溶媒と組み合わされた、ヒトおよび哺乳動物を含む被験体動物における製薬上の使用に適した組成物を指す。またこのような組成物は、賦形剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、および当技術分野で周知の他の材料を含有し得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性成分(複数可)、ならびに添加剤、担体または賦形剤を構成する不活性成分(複数可)、ならびに成分の任意の2種もしくはそれ超の組合せ、複合化もしくは凝集から、または成分の1種もしくは複数の解離から、または成分の1種もしくは複数の他の種類の反応もしくは相互反応から直接的または間接的に生じる任意の生成物を含む組成物を包含する。したがって、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物、ならびに1種または複数の薬学的に許容される添加剤(複数可)、担体(複数可)および/または賦形剤(複数可)を混合することによって作り出された任意の組成物を包含する。
【0075】
用語「薬学的に許容される担体」は、本発明の治療的に有効な物質と一緒に患者に投与することができ、薬剤の薬学的活性を破壊しない、非毒性の担体を指す。用語「添加剤」は、製剤または組成物における、薬学的に活性な成分ではない添加物質を指す。ある特定の実施形態では、「薬学的に許容される」物質は、投与スケジュールに従って剤形において使用される、妥当な損益比に見合う量で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性または他の有害な反応なしに動物またはヒトの細胞、組織または器官と接触させて使用するのに適している。ある特定の実施形態では、医薬組成物の構成成分である「薬学的に許容される」物質は、さらに、組成物のその他の成分(複数可)と適合性がある。ある特定の実施形態では、用語「薬学的に許容される添加剤」、「薬学的に許容される担体」および「薬学的に許容される賦形剤」は、薬学的に許容される不活性な成分、材料、組成物およびビヒクル、例えば液体充填剤、固体充填剤、賦形剤、添加剤、担体、溶媒および被包材料を包含するが、これらに限定されない。また担体、賦形剤および添加剤には、すべての薬学的に許容される分散媒、コーティング、緩衝液、等張剤、安定剤、吸収遅延剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、アジュバント等が含まれる。任意の従来の添加剤、担体または賦形剤が、活性成分と適合性がない場合を除き、本開示は、医薬組成物における従来の添加剤、担体および賦形剤の使用を包含する。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins(Philadelphia、Pennsylvania、2005年);Handbook of Pharmaceutical Excipients、第5版、Roweら編、The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association(2005年);Handbook of Pharmaceutical Additives、第3版、AshおよびAsh編、Gower Publishing Co.(2007年);およびPharmaceutical Preformulation and Formulation、Gibson編、CRC Press LLC(Boca Raton、Florida、2004年)を参照されたい。
【0076】
用語「薬学的に有効な量」、「治療有効量」または「治療上有効な用量」は、患者の疾患を処置するのに有効な量、例えば疾患(例えば、がん)に罹患している患者の全体的な健康に有益な、かつ/または望ましい変化、生理的応答または状態の処置、治癒、阻害または緩和等をもたらすのに有効な量を指す。完全な治療効果は、1回用量の投与では必ずしも生じず、一連の用量を投与した後に初めて生じる場合がある。したがって、治療有効量は、1回または複数回投与で投与され得る。被験体にとって必要な正確な有効量は、例えば、被験体の大きさ、健康および年齢、疾患の性質および程度、投与のために選択された治療または治療の組合せ、ならびに投与形式に依存する。当業者は、日常的な実験方法によって、所与の状況のための有効量を容易に決定することができる。当業者は、がんの処置として、がん細胞を死滅させること、新しいがん細胞の成長を防止すること、腫瘍の退縮を引き起こすこと(腫瘍サイズを低減すること)、転移の減少を引き起こすこと、患者の生命機能を改善すること、患者のウェルビーイングを改善すること、疼痛を低減すること、食欲を改善すること、患者の体重を改善すること、およびそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されないことを認識する。用語「薬学的に有効な量」、「治療有効量」または「治療上有効な用量」は、患者の臨床症状を改善するのに必要な量を指す。本明細書に記載のがんの治療方法または処置方法は、がんの「治癒」と解釈されるべきではなく、または他の方法でがんの「治癒」に限定されるべきではない。
【0077】
本明細書で使用される場合、用語「処置する」または「処置」は、被験体の状態を改善または安定化する様式で、症状、臨床徴候、および状態の根本的な病理を逆行させ、低減し、または停止させることを含む。本明細書で使用される場合、かつ当技術分野で十分に理解されている通り、「処置」として、臨床結果を含めた有益なまたは所望の結果を得るための手法である。有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能であろうと検出不可能であろうと、状態(例えばがん)に関連した1つまたは複数の症状または状態の軽減、回復、または進行の緩徐、疾患の程度の縮小、疾患の安定化(すなわち悪化しない)状態、疾患の進行の遅延または緩徐、病状の回復または緩和、および寛解(部分的であろうと全体的であろうと)が挙げられ得るが、これらに限定されない。また「処置」は、処置を受けていない場合の予測生存期間と比較して生存期間が延長することも意味し得る。例示的な有益な臨床結果は、本明細書に記載されている。
【0078】
被験体に物質、化合物または薬剤を「投与する」または被験体へのそれらの「投与」は、当業者に公知の様々な方法の1つを使用して行うことができる。例えば、化合物または薬剤は、静脈内、動脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、眼、舌下、経口(摂取による)、鼻腔内(吸入による)、脊髄内、脳内、および経皮的に(吸収によって、例えば皮膚管を介して)投与することができる。また化合物または薬剤は、再充填可能なもしくは生分解性ポリマーデバイス、または他のデバイス、例えばパッチおよびポンプ、または化合物もしくは薬剤の延長、緩徐もしくは制御放出をもたらす配合物によって、適切に導入され得る。また投与は、例えば1回、複数回、および/または1つもしくは複数の延長期間にわたって実施することができる。いくつかの態様では、投与は、自己投与を含む直接的投与、および薬物の処方行為を含む間接的投与の両方を含む。例えば、本明細書で使用される場合、薬物を自己投与するように、または他者によっておよび/もしくは患者に薬物処方箋を提供する者によって薬物を投与してもらうように、患者に指示する医師は、患者に薬物を投与するものとする。ある方法が、1種より多くの薬剤または処置様式を伴う治療レジメンの一部である場合、本開示は、それらの薬剤が、同じまたは異なる時間に、同じまたは異なる投与経路によって投与され得ることを企図する。被験体に物質、化合物または薬剤を投与する適切な方法は、例えば被験体の年齢、被験体が投与時に活力がある状態であるか、または活力がない状態であるか(active or inactive)、被験体が投与時に認知障害を有しているかどうか、機能障害の程度、ならびに化合物または薬剤の化学的および生物学的な特性(例えば、可溶性、消化性、バイオアベイラビリティ、安定性および毒性)に依存する。
【0079】
用語「置換」は、化合物骨格の1つまたは複数の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換されている」は、このような置換が、置換された原子および置換基の可能な原子価に従うこと、ならびに置換によって、例えば転位、環化、脱離などによって自然に変換しない安定な化合物が得られることという暗黙の条件を含むことを理解される。本明細書で使用される場合、用語「置換」は、有機化合物のすべての許容できる置換基を含む。広範な一態様では、許容できる置換基として、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。許容できる置換基は、適切な有機化合物について、1つまたは複数であってもよく、同じでも異なっていてもよい。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす、本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容できる置換基を有することができる。置換基には、本明細書に記載の任意の置換基、例えばハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート、またはチオホルメート)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくは複素芳香族部分が含まれ得る。
【0080】
「任意選択の」または「任意選択で」は、後述の状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、したがって本願は、その状況が生じる場合と、生じない場合を含む。例えば、「任意選択で置換されている」という句は、非水素置換基が、所与の原子上に存在しても存在しなくてもよいことを意味し、したがって本願は、非水素置換基が存在する構造と、非水素置換基が存在しない構造を含む。
【0081】
「非置換」と具体的に記載されない限り、本明細書の化学的部分への言及は、置換変異体を含むと理解される。例えば、「アルキル」基または部分への言及は、置換および非置換変異体の両方を暗に含む。化学的部分上の置換基の例として、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメート)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、またはアリールもしくはヘテロアリール部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
用語「アシル」は、当技術分野において認識されており、一般式ヒドロカルビル−C(O)−、好ましくはアルキル−C(O)−によって表される基を指す。
【0083】
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基および分枝鎖アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを指す。好ましい実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格内に30個またはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖ではC
1〜C
30、分枝鎖ではC
3〜C
30)、より好ましくは20個またはそれ未満の炭素原子を有する。ある特定の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチルおよびn−ペンチルである。さらに、用語「アルキル」は、本明細書、実施例および特許請求の範囲を通して使用される場合、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことを意図し、後者は、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を指す。ある特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格内に30個またはそれ未満の炭素原子を有する(例えば、直鎖ではC
1〜C
30、分枝鎖ではC
3〜C
30)。好ましい実施形態では、鎖は、その骨格内に10個またはそれ未満の炭素(C
1〜C
10)原子を有する。他の実施形態では、鎖は、その骨格内に、6個またはそれ未満の炭素(C
1〜C
6)原子を有する。
【0084】
このような置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメート)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、またはアリールもしくはヘテロアリール部分が含まれ得る。
【0085】
用語「アミド」は、本明細書で使用される場合、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
によって表される基を指し、式中、R
XおよびR
Yは、それぞれ独立に、水素もしくはヒドロカルビル基を表し、またはR
XおよびR
Yは、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中4〜8個の原子を有する複素環を完成させる。
【0086】
一部の実施形態では、アミドは、−NH−C(O)−または−C(O)−NH−である。
【0087】
用語「アミン」および「アミノ」は、当技術分野において認識されており、非置換および置換アミンならびにその塩、例えば、
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
によって表され得る部分の両方を指し、式中、R
X、R
Y、およびR
Zは、それぞれ独立に、水素もしくはヒドロカルビル基を表し、またはR
XおよびR
Yは、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中4〜8個の原子を有する複素環を完成させる。
【0088】
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である置換または非置換の単環式芳香族基を含む。好ましくは環は、5〜7員環、より好ましくは6員環である。アリール基には、フェニル、フェノール、アニリン等が含まれる。また用語「アリール」には、2個またはそれ超の環を有する「ポリシクリル」、「多環」、および「多環式」環系が含まれ、その2個またはそれ超の原子は、2個の隣接する環に共通しており、例えば環は、環の少なくとも1つが芳香族である「縮合環」であり、例えば、その他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールであり得る。いくつかの好ましい実施形態では、多環は、2〜3個の環を有する。特定の好ましい実施形態では、多環式環系は、環の両方が芳香族である二環式環を有する。多環の環のそれぞれは、置換されていても置換されていなくてもよい。ある特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3〜10個の原子、好ましくは5〜7個の原子を含有する。例えば、アリール基には、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、およびナフチル、ならびにベンゾ縮合炭素環式部分、例えば5,6,7,8−テトラヒドロナフチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
一部の実施形態では、アリールは、単環式芳香族基である。一部の実施形態では、アリールは、二環式芳香族基である。一部の実施形態では、アリールは、三環式芳香族基である。
【0090】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、飽和脂肪族環のラジカルを指す。好ましい実施形態では、シクロアルキルは、それらの環構造内に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは環構造内に5〜7個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、二環式環は、2個またはそれ超の原子を共通に有することができ、例えば、環は「縮合環」である。適切なシクロアルキルには、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピルが含まれる。
【0091】
一部の実施形態では、シクロアルキルは、単環式基である。一部の実施形態では、シクロアルキルは、二環式基である。一部の実施形態では、シクロアルキルは、三環式基である。
【0092】
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数のハロゲンで置換されているアルキル基を意味する。1個より多くのハロゲンが存在する場合、ハロゲンは、同じでも異なっていてもよい。例えば、ハロアルキル基には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、ハロゲンを意味し、それには、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
【0094】
用語「ヘテロアリール」は、置換または非置換の芳香族の単環構造、好ましくは5〜7員環、より好ましくは5〜6員環を含み、その環構造は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)、好ましくは1〜4個または1〜3個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む。2個またはそれ超のヘテロ原子がヘテロアリール環中に存在する場合、それらは、同じでも異なっていてもよい。また用語「ヘテロアリール」には、2個またはそれ超の環式環を有する「ポリシクリル」、「多環」、および「多環式」環系が含まれ、その2個またはそれ超の炭素は、2個の隣接する環に共通しており、例えば環は、環の少なくとも1つが複素芳香族である「縮合環」であり、例えば、その他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。いくつかの好ましい実施形態では、好ましい多環は、2〜3個の環を有する。ある特定の実施形態では、好ましい多環式環系は、環の両方が芳香族である二環式環を有する。ある特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3〜10個の原子、好ましくは5〜7個の原子を含有する。例えば、ヘテロアリール基には、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、ピリミジン、インドリジン、インドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、カルバゾール、フェノキサジン、キノリン、プリン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
一部の実施形態では、ヘテロアリールは、単環式芳香族基である。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、二環式芳香族基である。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、三環式芳香族基である。
【0096】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」、および「複素環式」は、その環構造が、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子、より好ましくは1つまたは2つのヘテロ原子を含む、置換または非置換の非芳香環構造、好ましくは3〜10員環、より好ましくは3〜7員環を指す。ある特定の実施形態では、環構造は、二環式環を有することができる。一部の実施形態では、二環式環は、2個またはそれ超の原子を共通に有することができ、例えば、環は「縮合環」である。ヘテロシクリル基には、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等が含まれる。
【0097】
用語「ヒドロカルビル」は、本明細書で使用される場合、=Oまたは=S置換基を有していない炭素原子を介して結合している基を指し、典型的に少なくとも1つの炭素−水素結合および主に炭素骨格を有しているが、任意選択でヘテロ原子を含むことができる。したがって、メチル、エトキシエチル、2−ピリジル、およびトリフルオロメチルなどの基は、本願の目的ではヒドロカルビルとみなされるが、アセチル(連結している炭素上に=O置換基を有する)およびエトキシ(炭素ではなく酸素を介して連結している)などの置換基ではない。ヒドロカルビル基には、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
用語「ヒドラゾン部分」または「ヒドラゾン」は、
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
を指す。ヒドラゾン部分の立体化学は、EまたはZであり得る。ヒドラゾンという用語は、本明細書で使用される場合、EおよびZ異性体の両方を含む。
【0099】
本明細書の様々な場所において、本開示の化合物の置換基は、群または範囲で開示されている。本開示は、このような群および範囲のメンバーのそれぞれおよびあらゆる個々の下位の組合せを含むことが、具体的に意図される。例えば、用語「C
1〜C
6アルキル」は、具体的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル等を個々に開示することを意図する。
【0100】
「薬学的に許容される塩」は、金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等)、酸付加塩(例えば、鉱酸、カルボン酸等)、および塩基付加塩(例えば、アンモニア、有機アミン等)を含めた製薬上の使用に適した化合物の塩であるが、これらに限定されない。塩基としてその遊離形態で生じる化合物の酸付加塩形態は、前記遊離塩基形態を、適切な酸、例えば無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等;または有機酸、例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、環式の酸(cyclic)、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸等で処理することによって得ることができる。例えば、WO01/062726を参照されたい。いくつかの薬学的に許容される塩は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences、66巻:1〜19頁(1977年)によって一覧にされている。酸性プロトンを含有する化合物は、適切な有機および無機塩基で処理することによって、それらの治療上活性な、非毒性の塩基付加塩形態、例えば金属塩またはアミン塩に変換することができる。適切な塩基塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩またはイオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩等、有機塩基、例えばN−メチル−D−グルカミンとの塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸、例えばアルギニン、リシン等との塩が含まれる。それとは逆に、前記塩形態は、適切な塩基または酸で処理することによって、遊離形態に変換することができる。化合物およびそれらの塩は、溶媒和物の形態であってよく、それらは本開示の範囲に含まれる。このような溶媒和物には、例えば水和物、アルコラート等が含まれる。例えばWO01/062726を参照されたい。
【0101】
本開示は、さらに、本開示の1つまたは複数の化合物を、薬学的に許容される担体または添加剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。本開示の化合物または医薬組成物は、in vitroまたはin vivoで使用することができる。
【0102】
用語「異性体」は、本明細書で使用される場合、互変異性体、cis−およびtrans−異性体(E(entgegen)、Z(zusammen))、R−およびS−エナンチオマー(前記RおよびS記号は、Pure Appl. Chem.(1976年)、45巻、11〜30頁に記載の規則に従う対応関係において使用される)、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、立体異性体、それらのラセミ混合物、および他のそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。すべてのこのような異性体、ならびにこれらの混合物は、本発明に含まれることが意図される。互変異性体は、本明細書に記載の式に明確に示されていなくても、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本発明の化合物
【0103】
本発明は、式(I)によって表される構造を有する化合物
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、または
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
および
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R
1は、存在しないか、もしくは任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
またはR
1は、天然に生じるもしくは天然に生じないアミノ酸であり、
またはR
1は、次式
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
を有しており、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
Rは、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
(M
1=Mg
2+、2Na
+、2K
+、2H
+、2NH
4+)、または
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
(M
2=Na
+、K
+、H
+、NH
4+)であり、
R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、電子求引基、および/または水溶性基から選択され、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、抗体またはその断片、およびその誘導体化断片の誘導体化抗体からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
【0104】
本明細書に記載の化合物の一部の実施形態では、PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、および任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基からなる群から選択されるタンパク質結合基である。
【0105】
一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片と会合している。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に共有結合している。一部の実施形態では、PBGは、アルブミンと会合している。他の実施形態では、PBGは、内因性または外因性アルブミンに共有結合している。他の実施形態では、PGBは、内因性または外因性アルブミンのシステイン−34に共有結合している。
【0106】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(I)によって表される構造を有する化合物
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R
1は、存在しないか、または任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−Hおよび電子求引基からなる群から選択され、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基および抗体またはその断片からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
【0107】
本明細書に記載の化合物の一部の実施形態では、PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、および任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基からなる群から選択されるタンパク質結合基である。
【0108】
一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片と会合している。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に共有結合している。一部の実施形態では、PBGは、アルブミンと会合している。他の実施形態では、PBGは、内因性または外因性アルブミンに共有結合している。他の実施形態では、PGBは、内因性または外因性アルブミンのシステイン−34に共有結合している。
【0109】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(II)によって表される構造を有する化合物
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、Y、R
1、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りである]。
【0110】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(III)によって表される構造を有する化合物
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、スペーサー、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りであり、
Z
1は、電子求引基である]。
【0111】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IV)によって表される構造を有する化合物
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りであり、
Z
1は、電子求引基である]。
【0112】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(V)によって表される構造を有する化合物
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、薬剤、PBG、n、Y、R
1、R
2、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(I)の化合物について定義されている通りである]。
【0113】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VI)によって表される構造を有する化合物
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、
R
3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH
3、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Y、R
1、R
2およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0114】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VI)によって表される構造を有する化合物
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R
3は、−OH、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Y、R
1、R
2およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0115】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VII)によって表される構造を有する化合物
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、X、X
1、X
2、X
3、X
4、n、Y、R
1、R
2、R
3、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびPBGは、式(VI)の化合物について定義されている通りである]。
【0116】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VII)によって表される構造を有する化合物
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、X、X
1、X
2、X
3、X
4、n、Y、R
1、R
2、R
3、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびPBGは、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0117】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(VIII)によって表される構造を有する化合物
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Z
1は、電子求引基であり、薬剤、X、n、R
2、PBG、Y、R
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、式(V)の化合物について定義されている通りである]。
【0118】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IX)によって表される構造を有する化合物
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、
R
3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH
3、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1、R
2およびPBGは、式(VIII)の化合物について定義されている通りである]。
【0119】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(IX)によって表される構造を有する化合物
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X
1およびX
2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
X
3およびX
4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、および−N
3からなる群から選択され、
R
3は、−OH、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩から選択され、その塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1、R
2およびPBGは、式(VIII)の化合物について定義されている通りである]。
【0120】
ある特定の実施形態では、X
1、X
2、X
3、およびX
4は、それぞれ独立に、−H、−OH、−CH
3、−F、−Cl、−Br、−I、および−N
3からなる群から選択される。
【0121】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(X)によって表される構造を有する化合物
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する
[式中、R’は、−R
3または−CH
2R
3であり、X
1、X
2、X
3、X
4、R
3、X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1およびR
2は、式(IX)の化合物について定義されている通りである]。
【0122】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(X)によって表される構造を有する化合物
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体を提供する[式中、X
1、X
2、X
3、X
4、R
3、X、n、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、R
1およびR
2は、式(IX)の化合物について定義されている通りである]。
【0123】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、7−アセチルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−アセチルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ホルミルカンプトテシン、10−アセチルカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシン、メイタンシノール;アウリスタチン(アウリスタチンD、アウリスタチンE、アウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンD、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンFメチルエステル、アウリスタチンPYE アウリスタチンPHE、関連の天然産物ドラスタチン10、およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);アマトキシン(α−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン、ε−アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、およびアマヌリン酸ならびにその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC、デュオカルマイシンSA、CC1065、アドゼレシン、ビゼレシン、カルゼレシン;エリブリン;トラベクテジン;ピロロベンゾジアゼピン、アントラマイシン、トメイマイシン、シビロマイシン、DC−81、DSB−120;エポチロン;ブレオマイシン;ダクチノマイシン;プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0124】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシノイド;アウリスタチン;エポチロン;ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0125】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、−P(O)(OH)
2、−SO
3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0126】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0127】
一部の実施形態では、Z
1は、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNから選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1は、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1は、−Cl、−F、および−NO
2からなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。
【0128】
一部の実施形態では、R
2は、メチルである。
【0129】
一部の実施形態では、X
1は、−Hであり、X
2は、−Fであり、X
3は、−Fであり、X
4は、−OHである。
ヒドラゾン部分
【0130】
薬物送達系は、酸に不安定な、切断可能なヒドラゾン部分を含有する。ヒドラゾン部分の切断および薬物放出の半減期は、電子求引性置換基、およびヒドラゾンが結合しているフェニル環上のそれらの位置に従って変わる。フェニル環は、以下の通り置換され得る
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、PBG、R
1、Y、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、本明細書で定義の通りである]。
【0131】
一部の実施形態では、フェニル環は、少なくとも1つの電子求引基を含む。いくつかの好ましい実施形態では、フェニル環は、1位に結合している1個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、2位に結合している1個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、3位に結合している1個の電子求引基を含む。いくつかの好ましい実施形態では、フェニル環は、1位および2位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、1位および3位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、1位および4位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、1位および5位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、2位および3位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、2位および4位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、2位および5位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、3位および4位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、3位および5位に結合している2個の電子求引基を含む。一部の実施形態では、フェニル環は、1位、3位および5位に結合している3個の電子求引基を含む。
【0132】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、−P(O)(OH)
2、−SO
3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0133】
一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択され、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択され、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。一部の実施形態では、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択され、Z
1、Z
2、Z
3およびZ
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0134】
一部の実施形態では、薬物放出の半減期は、約1.5時間、約2.0時間、約2.5時間、約3.0時間、約3.5時間、約4.0時間、約4.5時間、約5.0時間、約5.5時間、約6.0時間、約6.5時間、約7.0時間、約7.5時間、約8.0時間、約8.5時間、約9.0時間、約9.5時間、約10.0時間、約10.5時間、約11.0時間、約11.5時間、約12.0時間、約12.5時間、約13.0時間、約13.5時間、約14.0時間、約14.5時間、約15.0時間、約15.5時間、約16.0時間、約16.5時間、約17.0時間、約17.5時間、約18.0時間、約18.5時間、約19.0時間、約19.5時間、または約20.0時間である。
【0135】
理論に拘泥するものではないが、1位に結合している1個の電子求引基を含むフェニル環は、ヒドラゾン部分を安定にして、酸性条件下で薬物の緩徐および持続放出をもたらす。一部の実施形態では、フェニル環上のヒドラゾン部分の位置に対するフェニル環上の電子求引基の位置によって、薬物放出を制御する方法が提供される。
【0136】
一部の実施形態では、本発明は、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IXおよびXについて本明細書に記載されている、
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
部分を付加するように薬物を修飾することによって薬物放出を制御するための、化合物の生成方法を提供する。
【0137】
本発明の一部の実施形態は、表A(HSAは、ヒト血清アルブミンを表す)に示されている置換パターンを有するコンジュゲートおよび薬物放出の対応する半減期を含む。ネモルビシンの構造は、
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
である。表Aに提示のネモルビシンコンジュゲートは、以下の構造を有する。
【表A-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体から選択される
[式中、SG=
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
Rは、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
(M
1=Mg
2+、2Na
+、2K
+、2H
+、2NH
4+、Na
+、K
+、NH
4+および/またはH
+)、または
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
(M
2=Na
+、K
+、H
+、および/またはNH
4+)
である]。
【0139】
一部の実施形態では、化合物は、
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0140】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0141】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体からなる群から選択される。
【0142】
一部の実施形態では、化合物は、構造
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物15である。
【0143】
一部の実施形態では、化合物15は、ゲムシタビンの失活を防止して、腫瘍への持続的な曝露をもたらす。
薬剤
【0144】
一部の実施形態では、薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、抗炎症剤、ウイルス静止剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、前述のいずれかの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または異性体からなる群から選択される。
【0145】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、7−アセチルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−アセチルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ホルミルカンプトテシン、10−アセチルカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシン、メイタンシノール;アウリスタチン(アウリスタチンD、アウリスタチンE、アウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンD、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンFメチルエステル、アウリスタチンPYE アウリスタチンPHE、関連の天然産物ドラスタチン10、およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);アマトキシン(α−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン、ε−アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、ならびにアマヌリン酸およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC、デュオカルマイシンSA、CC1065、アドゼレシン、ビゼレシン、カルゼレシン;エリブリン;トラベクテジン;ピロロベンゾジアゼピン、アントラマイシン、トメイマイシン、シビロマイシン、DC−81、DSB−120;エポチロン;ブレオマイシン;ダクチノマイシン;プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0146】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシノイド;アウリスタチン;エポチロン;ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される。
【0147】
一部の実施形態では、薬剤は、N−ニトロソ尿素である。
【0148】
一部の実施形態では、薬剤は、アントラサイクリン、例えばドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロンまたはアメタントロンであるが、これらに限定されない。
【0149】
一部の実施形態では、薬剤は、アルキル化剤、例えばクロラムブシル、ベンダムスチン、メルファランまたはオキサザホスホリンであるが、これらに限定されない。
【0150】
一部の実施形態では、薬剤は、代謝拮抗物質、例えば5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オンまたはチオグアニンであるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、代謝拮抗物質は、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有する、ピリミジン、またはプリン類似体である。
【0151】
一部の実施形態では、薬剤は、葉酸アンタゴニスト、例えばメトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、またはプレビトレキセドであるが、これらに限定されない。
【0152】
一部の実施形態では、薬剤は、タキサン、例えばパクリタキセルまたはドセタキセルであるが、これらに限定されない。
【0153】
一部の実施形態では、薬剤は、カンプトテシン、例えばトポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシンまたは7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシンであるが、これらに限定されない。
【0154】
一部の実施形態では、薬剤は、ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンまたはカリケアマイシンであるが、これらに限定されない。
【0155】
一部の実施形態では、薬剤は、メイタンシノイド、アウリスタチン、エポチロン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンC、cis配置白金(II)錯体、または前述のいずれかの誘導体である。
スペーサー
アミド結合
【0156】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、n、XおよびR
2は、本明細書で定義の通りである。
【0157】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、n、XおよびR
2は、本明細書で定義の通りである。
【0158】
一部の実施形態では、nは、0または1である。
【0159】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−(前記C
1〜C
18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH
2CH
2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択される。
【0160】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルである。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、X
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0161】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−である。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0162】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−である。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0163】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているアリールである。一部の実施形態では、Xは、
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−OH、−NO
2、−CN、−OC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルキル、および任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルコキシからなる群から選択される。一部の実施形態では、Xは、
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−OH、−NO
2、−CN、任意選択で置換されている−OC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルキル、および任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルコキシからなる群から選択される。一部の実施形態では、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ−Hである。
【0164】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているヘテロアリールである。
【0165】
一部の実施形態では、Xは、任意選択で置換されているシクロアルキルである。
【0166】
一部の実施形態では、R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、R
5は、任意選択で置換されているアリールである。
【0167】
一部の実施形態では、R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択される。
【0168】
一部の実施形態では、スペーサーは、存在しない。
【0169】
一部の実施形態では、スペーサーは、酵素により切断可能な部分または結合を含む。一部の実施形態では、切断される結合は、ペプチド結合、イミド結合、またはアミド結合である。一部の実施形態では、アミド結合は、エステラーゼおよび/またはアミダーゼによって特に切断可能に設計され得る。一部の実施形態では、スペーサーは、カルボキシルエステラーゼによって選択的に切断されるアミド結合を含む。好ましい実施形態では、スペーサーは、カルボキシルエステラーゼ2によって選択的に切断されるアミド結合を含む。好ましい実施形態では、スペーサーは、以下の通り、アリール環に結合しているアミド結合
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。一部の実施形態では、スペーサーは、以下の通り、アリール環に結合しているアミド結合
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
を含む[式中、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−OH、−NO
2、−CN、−OC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルキル、および任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルコキシからなる群から選択される]。一部の実施形態では、スペーサーは、以下の通り、アリール環に結合しているアミド結合
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
を含む[式中、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−OH、−NO
2、−CN、−OC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6アルキル、任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルキル、および任意選択で置換されているC
1〜C
6ハロアルコキシからなる群から選択される]。一部の実施形態では、Z
5、Z
6、Z
7およびZ
8は、それぞれ−Hである。
【0170】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、フェノキシ基、第一級、第二級または第三級アミン基、エーテル基、フェノール基、アミド基、エステル基、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、およびビニル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)
2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)
2、−OP(O)(OH)(NH
2)、−P(O)(OH)
2、−SO
3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1、W
2、W
3およびW
4の少なくとも1つは、−Hではない。
【0171】
先の実施形態の一部では、W
1は、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択され、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C
1〜C
6アルキル、−NO
2、ハロアルキル、−S(O)
2−C
1〜C
6アルキル、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1は、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択され、W
2、W
3およびW
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO
2、−CF
3、および−CNからなる群から選択される。一部の実施形態では、W
1は、−Cl、−F、および−NO
2からなる群から選択され、Z
2、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO
2、および−CF
3からなる群から選択される。
【0172】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
である[式中、R
2は、本明細書で定義の通りである]。一部の実施形態では、スペーサーは、
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0173】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
であり、mは、1、2、3、4、5、または6である。
【0174】
一部の実施形態では、スペーサーは、
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0175】
一部の実施形態では、R
2は、−H、任意選択で置換されているC
1〜C
12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択される。
【0176】
一態様では、スペーサーは、薬剤の代謝的分解を防止する保護基として作動し、したがって、より高用量の薬剤の使用を標的とすることができる。一部の実施形態では、薬剤は、ゲムシタビンである。
リンカー
【0177】
一部の実施形態では、リンカーは、YおよびR
1を含む。一部の実施形態では、Yは、存在しない。一部の実施形態では、R
1は、存在しない。一部の実施形態では、YおよびR
1の両方が、存在しない。
【0178】
一部の実施形態では、Yは、メチル、エチル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択される。
【0179】
一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルである。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキルであり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0180】
一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−である。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−NH−C(O)R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0181】
一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−である。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの1個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの2個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの3個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの4個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの5個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。一部の実施形態では、R
1は、任意選択で置換されているC
1〜C
18アルキル−C(O)−NH−R
5−であり、前記C
1〜C
18アルキルの6個の炭素原子は、−OCH
2CH
2−で置き換えられる。
【0182】
一部の実施形態では、R
5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択される。
【0183】
一部の実施形態では、本発明の化合物の
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
部分は、
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
タンパク質結合基
【0184】
タンパク質結合基(「PBG」)には、置換もしくは非置換マレイミド基、置換もしくは非置換ハロアセトアミド基、置換もしくは非置換ハロアセテート基、置換もしくは非置換ピリジルチオ基、置換もしくは非置換イソチオシアネート基、置換もしくは非置換ビニルカルボニル基、置換もしくは非置換アジリジン基、置換もしくは非置換ジスルフィド基、置換もしくは非置換アセチレン基、置換もしくは非置換N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、抗体またはその断片が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、タンパク質結合基(「PBG」)には、置換もしくは非置換マレイミド基、置換もしくは非置換ハロアセトアミド基、置換もしくは非置換ハロアセテート基、置換もしくは非置換ピリジルチオ基、置換もしくは非置換イソチオシアネート基、置換もしくは非置換ビニルカルボニル基、置換もしくは非置換アジリジン基、置換もしくは非置換ジスルフィド基、置換もしくは非置換アセチレン基、または置換もしくは非置換N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、タンパク質結合基は、置換または非置換マレイミド基である。一部の実施形態では、タンパク質結合基は、
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、PBGは、C
1〜C
6アルキルまたはハロゲンで置換されている。一部の実施形態では、PBGは、メチル、−Clまたは−Brで置換されている。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片を含む。一部の実施形態では、PBGは、受容体に対して特異性を有するリガンド、例えば低分子量または高分子量化合物、例えば葉酸、ビタミン、ペプチド、糖、天然または変性タンパク質を含む。
【0185】
ジスルフィド基は、交換可能な基としてチオニトロ安息香酸(例えば5’−チオ−2−ニトロ安息香酸)によって活性化され得る。マレイミド、ピリジルジチオ、またはN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基は、適切な場合、アルキル基または上記の水溶性の基によって置換されていてもよい。一般に、タンパク質に結合する基は、タンパク質に結合する特性を備えており、すなわち生理的環境において、共有結合により(「共有結合によってタンパク質に結合する基」)または非共有結合により(「非共有結合によってタンパク質に結合する基」)、タンパク質の表面上の特定のアミノ酸に結合する。マレイミド基、ハロアセトアミド基、ハロアセテート基、ピリジルジチオ基、ジスルフィド基、ビニルカルボニル基、アジリジン基、および/またはアセチレン基は、好ましくは、システインのチオール(−SH)基と反応し、他方、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基および/またはイソチオシアネート基は、好ましくは、タンパク質の表面上のリシンのアミノ基(−NH)と反応する。例えば、タンパク質に結合する基(マレイミド基など)は、アルブミンのシステイン−34に結合することができる。一部の実施形態では、アルブミンは、修飾されていない(例えば、正にも負にも帯電するように修飾されていない)。一部の実施形態では、本明細書に記載のPBGは、本明細書に記載のものなどの抗体またはその断片に結合し得る。
【0186】
本発明において使用される化合物は、1種または複数の薬剤、スペーサー、リンカー、タンパク質結合基、切断可能な部分、すなわちヒドラゾン、アミド結合のいずれかおよびすべての組合せを含む。化合物は、アントラサイクリン、およびアントラサイクリンの放出を制御する方式で切断され得る、酸により切断可能な部分を含み得る。ある特定の実施形態では、治療上有効な物質は、アントラサイクリン、酸により切断可能な部分としてのヒドラゾン(その切断および薬物放出の半減期は、電子求引性置換基およびヒドラゾンが結合しているフェニル環上のそれらの位置に従って変わる)、および共有結合性のタンパク質結合基としてのマレイミド基を含む。他の一部の実施形態では、化合物は、ゲムシタビン、およびゲムシタビンの放出を制御する方式で切断され得る、酸により切断可能な部分を含み得る。他の一部の実施形態では、化合物は、ビンカアルカロイド、およびビンカアルカロイドの放出を制御する方式で切断され得る、酸により切断可能な部分を含み得る。
担体としての抗体
【0187】
がん細胞は、腫瘍の成長および進行においてある役割を果たす、抗原として公知の特異的マーカーを有する。抗原は、しばしば腫瘍表面上に位置するタンパク質である。抗体の重要な特徴は、高い特異性による標的抗原とのそれらの結合能である。しかし、抗原に対する特異的結合に関わらず、抗体には、治療活性がしばしば欠如している(Panowskiら、mAbs、6巻、34〜45頁(2014年);Chariら、Angewandte Chem. Int. Ed.、53巻、3796〜3827頁(2014年))。抗体は、抗原に対する特異性が高いので、薬物送達のための担体として使用することができる。抗体は、治療上有効な物質にコンジュゲートし、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)を形成して、治療上有効な物質を、腫瘍などの標的部位に送達することができる。ACDが抗原に結合すると、抗原−ADC複合体は、エンドサイトーシスを介して内部移行する。ADCは、腫瘍内に到達すると、治療上有効な物質を放出する。ADCを成功させるには、治療上有効な物質、リンカーおよび抗体の選択が重要である。抗原−抗体複合体の内部移行効率は、送達される治療上有効な物質の量に影響を及ぼすので、抗原の選択、結果的に対応する抗体の選択は重要である。さらにADCを有効とするためには、細胞を死滅させるのに必要な薬物の分子の数は、送達され得る薬物の量未満でなくてはならない。したがって、ピコモル範囲で効力を有する強力な薬物が好ましい。最後に、ADCが内部移行すると、リンカーは、切断されて、治療上有効な物質を放出するはずである。好ましいリンカーは、腫瘍の酸性環境下で治療上有効な物質を効率的に制御放出すると同時に、オフターゲット毒性、および治療上有効な物質の使用に関するより狭い治療窓をもたらすおそれがある、血漿中への治療上有効な物質の放出を防止する。本明細書に開示のリンカーは、悪性細胞上に発現した任意の抗原または受容体を対象とする抗体とコンジュゲートすることができる。抗体は、キメラ、ヒト化、ヒトまたは遺伝子組み換えしたまたは化学的に修飾された抗体、例えばチオ抗体(THIOMAB)であってよく、抗体の標的結合能を著しく低減することなく、リンカーを結合させることができる。
【0188】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物のタンパク質結合基(PBG)は、本明細書に記載の抗体またはその断片と会合し、それによってADCを形成する。一部の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に共有結合する。他の実施形態では、PBGは、抗体またはその断片に非共有結合により結合する。
【0189】
ある特定の態様では、本願のPBGは、担体に結合することができる。一部の実施形態では、担体は、ポリペプチド結合剤である。本開示は、ポリペプチド結合剤、例えば抗原を有効に標的とし得る、抗体、抗体の抗原結合ポーション、および非免疫グロブリン抗原結合の足場を部分的に包含する。
【0190】
腫瘍表面上に存在する抗原に結合するモノクローナル抗体は、開示の方法および組成物において使用することができる。
【0191】
一部の実施形態では、抗体は、修飾抗体、または抗原の細胞外ドメインに結合するその抗原結合断片であり得る。
【0192】
一部の実施形態では、抗原の細胞外ドメインに結合する脱免疫化抗体またはその抗原結合断片は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、各可変領域は、抗原の細胞外ドメインに結合する非ヒトまたは親抗体と比較して、フレームワーク領域内に2〜20個の間のアミノ酸置換を有する。
【0193】
一部の実施形態では、脱免疫化抗体またはその抗原結合断片は、抗原の細胞外ドメインに結合する非ヒトまたは親抗体由来の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)を有する。一実施形態では、1〜5個の間の置換が、相補性決定領域(CDR)内に存在する。
【0194】
一部の実施形態では、単鎖抗体、およびキメラ、ヒト化または霊長類化(primatized)(CDR−グラフト化)抗体、ならびに異なる種に由来するポーションを含むキメラまたはCDR−グラフト化単鎖抗体は、抗体の抗原結合ポーションとして使用することができる。これらの抗体の様々なポーションは、従来技術によって化学的に一緒になって接合されるか、または遺伝子操作技術を使用して連続的なタンパク質として調製され得る。例えば、キメラまたはヒト化鎖をコードする核酸を発現させて、連続的なタンパク質を生成することができる。例えば、Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許第0,125,023B1号;Bossら、米国特許第4,816,397号;Bossら、欧州特許第0,120,694B1号;Neuberger, M. S.ら、WO86/01533;Neuberger, M. S.ら、欧州特許第0,194,276B1号;Winter、米国特許第5,225,539号;およびWinter、欧州特許第0,239,400B1号を参照されたい。また、霊長類化抗体に関するNewman, R.ら、BioTechnology、10巻:1455〜1460頁(1992年)を参照されたい。例えば、単鎖抗体に関する、Ladnerら、米国特許第4,946,778号;およびBird, R. E.ら、Science、242巻:423〜426頁(1988年))を参照されたい。
【0195】
さらに、キメラ、ヒト化、霊長類化または単鎖抗体の断片を含む抗体の機能的断片を使用することもできる。対象抗体の機能的断片は、それらが由来する全長抗体の、少なくとも1つの結合機能および/またはモジュレーション機能を保持する。ある特定の実施形態では、機能的断片は、対応する全長抗体の抗原結合機能(例えば、腫瘍に対する特異性)を保持する。
【0196】
例えば、Fv、Fab、Fab’およびF(ab’)
2断片を含むがこれらに限定されない、抗原受容体またはそのポーションに結合することができる抗体断片は、本発明によって包含される。このような断片は、酵素的切断または組換え技術によって生成され得る。例えば、パパインまたはペプシンの切断は、それぞれFabまたはF(ab’)
2断片を作製することができる。1つまたは複数の停止コドンが、天然の停止部位の上流に導入された抗体遺伝子を使用して、様々な切断型で生成された抗体は、本発明によって包含される。例えば、F(ab’)
2重鎖ポーションをコードするキメラ遺伝子は、重鎖のCH
1ドメインおよびヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計することができる。
【0197】
用語「ヒト化免疫グロブリン」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのポーションがヒト起源のものである、異なる起源の免疫グロブリンのポーションを含む免疫グロブリンを指す。したがって、本発明は、抗原(例えば、ヒト抗原)に対して結合特異性を有するヒト化免疫グロブリンを包含し、前記免疫グロブリンは、非ヒト起源(例えば、げっ歯類)の抗原結合領域、およびヒト起源の免疫グロブリンの少なくとも一部(例えば、ヒトフレームワーク領域、ヒト定常領域またはそのポーション)を含む。例えば、ヒト化抗体は、従来技術(例えば、合成)によって化学的に一緒になって接合されるか、または遺伝子操作技術を使用して連続的なポリペプチドとして調製された(例えば、キメラ抗体のタンパク質ポーションをコードするDNAを発現させて、連続的なポリペプチド鎖を生成することができる)、必須の特異性を有するマウスなどの非ヒト起源の免疫グロブリン由来のポーション、およびヒト起源の免疫グロブリン配列(例えば、キメラ免疫グロブリン)由来のポーションを含むことができる。
【0198】
ヒト化免疫グロブリンの別の例は、非ヒト起源のCDR(例えば、非ヒト起源の抗体に由来する1つまたは複数のCDR)、ならびにヒト起源の軽鎖および/または重鎖に由来するフレームワーク領域(例えば、フレームワーク変化を伴うまたは伴わないCDR−グラフト化抗体)を含む1つまたは複数の免疫グロブリン鎖を含有する免疫グロブリンである。
【0199】
一部の実施形態では、抗体は、アンタゴニスト抗体である。本明細書に記載の通り、用語「アンタゴニスト抗体」は、標的の1つまたは複数の機能、例えば結合活性(例えば、リガンド結合)およびシグナル伝達活性(例えば、アミノ酸輸送)を阻害し得る抗体を指す。例えば、アンタゴニスト抗体は、抗原によるグルタミンの輸送を阻害(低減または防止)し得る。
【0200】
一部の実施形態では、抗イディオタイプ抗体も有用である。抗イディオタイプ抗体は、別の抗体の抗原結合部位と会合している抗原決定基を認識する。抗イディオタイプ抗体は、同じ種の動物を免疫することによって二次抗体に対して調製することができ、二次抗体を生成するために使用される動物と同じ株のものであってもよい。例えば、米国特許第4,699,880号を参照されたい。一実施形態では、抗体は、受容体またはそのポーションに対して生じ、次にこれらの抗体を使用して、抗イディオタイプ抗体を生成する。また、このような抗イディオタイプ抗体は、抗原自体には結合しないが、抗原輸送機能の阻害剤であり得る。このような抗イディオタイプ(idotypic)抗体は、アンタゴニスト抗体と呼ぶこともできる。
【0201】
一部の実施形態では、適切な抗体は、従来技術、および全抗体について前述のものと同じ方式で実用性についてスクリーニングされた断片を使用して、断片化することができる。例えば、F(ab)2断片は、ペプシンで抗体を処理することによって作製され得る。得られたF(ab)2断片は、ジスルフィド架橋を還元してFab断片を生成するように処理され得る。
【0202】
一部の実施形態では、適切な抗体は、抗体の少なくとも1つのCDR領域によって付与された抗原ポリペプチドに対して親和性を有する二重特異的な単鎖、ならびにキメラおよびヒト化分子を含むことがさらに意図される。また、単鎖抗体を生成するための技術(米国特許第4,946,778号)を適合させて、単鎖抗体を生成することができる。また、遺伝子導入マウスまたは他の哺乳動物を含む他の生物を使用して、ヒト化抗体を発現させることができる。これらの抗体を作製する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許第0,125,023B1号;Queenら、欧州特許第0,451,216B1号;Bossら、米国特許第4,816,397号;Bossら、欧州特許第0,120,694E1号;Neuberger, M. S.ら、WO86/01533;Neuberger, M. S.ら、欧州特許第0,194,276B1号;Winter、米国特許第5,225,539号;winter、欧州特許第0,239,400B1号;Padlan, E. A.ら、欧州特許出願第0,519,596A1号を参照されたい。また、Ladnerら、米国特許第4,946,778号;Huston、米国特許第5,476,786号;およびBird, R. E.ら、Science、242巻:423〜426頁(1988年))を参照されたい。
【0203】
このようなヒト化免疫グロブリンは、所望のヒト化鎖をコードする遺伝子(例えば、cDNA)を調製するための合成および/または組換え核酸を使用して生成され得る。例えば、ヒト化可変領域をコードする核酸(例えば、DNA)配列を、PCR変異原性方法を使用して構築して、ヒトまたはヒト化鎖をコードするDNA配列、例えば既にヒト化された可変領域由来のDNA鋳型を変えることができる(例えば、Kamman, M.ら、Nucl. Acids Res.、17巻:5404頁(1989年);Sato, K.ら、Cancer Research、53巻:851〜856頁(1993年);Daugherty, B. L.ら、Nucleic Acids Res.、19巻(9号):2471〜2476頁(1991年);ならびにLewis, A. P.およびJ. S. Crowe、Gene、101巻:297〜302頁(1991年)を参照されたい)。また、これらのまたは他の適切な方法を使用して、変異体を容易に生成することができる。一実施形態では、クローン化可変領域を変異誘発することができ、所望の特異性を有する変異体をコードする配列を選択することができる(例えば、ファージライブラリーから;例えば、Krebberら、米国特許第5,514,548号;1993年4月1日公開のHoogenboomら、WO93/06213を参照されたい)。
【0204】
一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。例えば、抗原ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を作製する方法は、検出可能な免疫応答を刺激するのに有効な抗原ポリペプチドを含むある量の免疫原性組成物を、マウスに投与するステップと、そのマウスから抗体生成細胞(例えば、脾臓の細胞)を得て、その抗体生成細胞を骨髄腫細胞と融合させて、抗体を生成するハイブリドーマを得るステップと、その抗体を生成するハイブリドーマを試験して、抗原ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマを同定するステップを含み得る。ハイブリドーマが得られたら、そのハイブリドーマを、細胞培養液中、任意選択でハイブリドーマ由来の細胞が抗原ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成する培養条件下で増殖させることができる。モノクローナル抗体は、細胞培養液から精製することができる。
【0205】
さらに、望ましい抗体を同定するために、抗体をスクリーニングするために使用される技術は、得られた抗体の特性に影響を及ぼすことができる。例えば、ある特定の治療目的のために使用される抗体は、特に細胞型を標的とすることができる。したがって、このタイプの抗体を得るためには、目的の抗原を発現する細胞に結合する抗体をスクリーニングすることが望ましい場合がある(例えば、蛍光活性化細胞選別によって)。同様に、抗体が溶液中で抗原と結合するために使用される場合、溶液結合を試験することが望ましい場合がある。抗体:抗原相互反応を試験して、特に望ましい抗体を同定するために、様々な異なる技術が利用可能である。このような技術には、ELISA、表面プラズモン共鳴法結合アッセイ(例えば、Biacore結合アッセイ、Biacore AB、ウプサラ、スウェーデン)、サンドイッチアッセイ(例えば、ゲイザースバーグ、メリーランド州、IGEN International,Inc.の常磁性ビーズ系)、ウエスタンブロット、免疫沈降アッセイおよび免疫組織化学的検査が含まれる。
医薬組成物
【0206】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0207】
患者に投与される組成物における化合物の総量は、その患者に適した量である。当業者は、個体が異なると、治療的に有効な物質の総量は異なる必要があり得ることを理解される。一部の実施形態では、化合物の量は、薬学的に有効な量である。当業者は、例えば患者の年齢、体重および身体状態などの要因に基づいて、患者を処置するのに必要な組成物における化合物の量を決定することができる。化合物の濃度は、静脈内投与溶液におけるその可溶性、および投与され得る流体の体積に依存する。例えば、化合物の濃度は、注射可能な組成物中、約0.1mg/ml〜約50mg/mlであり得る。一部の実施形態では、化合物の濃度は、約0.1mg/ml〜約25mg/ml、約7mg/ml〜約17mg/ml、約0.1mg/ml〜約5mg/ml、または約0.25mg/ml〜約4.5mg/mlであり得る。特定の実施形態では、化合物の濃度は、約0.1mg/ml、約0.2mg/ml、約0.3mg/ml、約0.4mg/ml、約0.5mg/ml、約0.6mg/ml、約0.7mg/ml、約0.8mg/ml、約0.9mg/ml、約1.0mg/ml、約1.1mg/ml、約1.2mg/ml、約1.3mg/ml、約1.4mg/ml、約1.5mg/ml、約1.6mg/ml、約1.7mg/ml、約1.8mg/ml、約1.9mg/ml、約2.0mg/ml、約2.1mg/ml、約2.2mg/ml、約2.3mg/ml、約2.4mg/ml、約2.5mg/ml、約2.6mg/ml、約2.7mg/ml、約2.8mg/ml、約2.9mg/ml、約3.0mg/ml、約3.1mg/ml、約3.2mg/ml、約3.3mg/ml、約3.4mg/ml、約3.5mg/ml、約3.6mg/ml、約3.7mg/ml、約3.8mg/ml、約3.9mg/ml、約4.0mg/ml、約4.1mg/ml、約4.2mg/ml、約4.3mg/ml、約4.4mg/ml、約4.5mg/ml、約4.6mg/ml、約4.7mg/ml、約4.8mg/ml、約4.9mg/ml、約5.0mg/ml、約5.1mg/ml、約5.2mg/ml、約5.3mg/ml、約5.4mg/ml、約5.5mg/ml、約5.6mg/ml、約5.7mg/ml、約5.8mg/ml、約5.9mg/ml、または約6.0mg/mlであり得る。一部の実施形態では、化合物の濃度は、約7mg/ml、約8mg/ml、約9mg/ml、約10mg/ml、約11mg/ml、約12mg/ml、約13mg/ml、約14mg/ml、約15mg/ml、約16mg/ml、約17mg/ml、約18mg/ml、約19mg/ml、約20mg/ml、約21mg/ml、約22mg/ml、約23mg/ml、約24mg/ml、約25mg/ml、約26mg/ml、約27mg/ml、約28mg/ml、約29mg/ml、または約30mg/mlであり得る。
【0208】
また、本発明の医薬組成物およびキットは、賦形剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、および当技術分野で周知の他の材料を含有することができる。用語「薬学的に許容される」は、活性成分(複数可)の生物活性の有効性を妨害しない非毒性の材料を意味する。担体の特徴は、投与経路に依存する。
【0209】
組成物は、様々な通常のやり方で投与することができる。使用できる例示的な投与経路には、経口、非経口、静脈内、動脈内、皮膚、皮下、筋肉内、局所、頭蓋内、眼窩内、点眼、硝子体内、脳室内、関節内、脊髄内、大槽内、腹腔内、鼻腔内、エアロゾル、中枢神経系(CNS)投与、または坐剤による投与が含まれる。一部の実施形態では、組成物は、非経口投与に適している。これらの組成物は、例えば腹腔内、静脈内、または髄腔内に投与することができる。一部の実施形態では、組成物は、静脈内注射される。一部の実施形態では、再構成された製剤は、エタノールおよび水を含む再構成用の液体で、凍結乾燥させたアントラサイクリン化合物の組成物を再構成することによって調製することができる。このような再構成は、再構成用の液体を添加する工程、および例えば混合物を回旋またはボルテックスすることによって混合する工程を含むことができる。次に、再構成された製剤は、例えば乳酸リンゲル溶液を製剤と混合して、注射可能な組成物を作り出すことによって、注射に適したものにすることができる。当業者は、治療的に有効な物質の製剤または組成物を投与する方法が、処置される患者の年齢、体重および身体状態などの要因、ならびに処置される疾患または状態依存することを理解する。したがって当業者は、個々の場合に応じて患者に最適な投与方法を選択することができる。
【0210】
一部の実施形態では、本発明は、医薬として使用するための化合物および組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患の処置に使用するための化合物および組成物を提供する。
【0211】
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、ならびに細菌、真菌および他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態を処置するための医薬の製造または調製に使用することができる。
【0212】
一部の実施形態では、がんは、血液がんまたは固形腫瘍がんである。一部の実施形態では、がんは、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、または黒色腫から選択される。
【0213】
一部の実施形態では、がんは、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌、肛門癌、星状細胞腫、基底細胞腫、膵臓がん、結合組織腫瘍、膀胱がん、気管支癌、非小細胞気管支癌、乳がん、バーキットリンパ腫、子宮体部癌、CUP症候群、結腸がん、小腸のがん、卵巣がん、子宮内膜癌、胆嚢がん、胆嚢癌、子宮がん、子宮頸がん、頸部、鼻および耳の腫瘍、血液学的新形成、ヘアリー細胞白血病、尿道がん、皮膚がん、神経膠腫、精巣がん、カポジ肉腫、喉頭がん、骨がん、結腸直腸癌、頭部/頸部腫瘍、結腸癌、頭蓋咽頭腫(craniopharyngeoma)、肝臓がん、白血病(eukaemia)、肺がん、非小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃がん、結腸がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓がん、腎細胞癌、乏突起神経膠腫、食道癌、溶骨性癌および骨形成癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎がん、前立腺がん、舌がん、卵巣癌またはリンパ腺がんである。
【0214】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される添加剤、担体および/または賦形剤を含むキットを提供する。
【0215】
一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤が組成物に含まれていてもよい。当業者は、任意の1種の添加剤の選択が、任意の他の添加剤の選択に影響を及ぼし得ることを理解する。例えば、特定の添加剤の選択は、添加剤の組合せによっては望ましくない効果が生じるおそれがあるため、1種または複数の追加の添加剤の使用を避ける場合がある。当業者は、もしあれば、どの添加剤を組成物に含めるかを経験的に決定することができる。添加剤には、共溶媒、可溶化剤、緩衝剤、pH調節剤、増量剤、界面活性剤、被包剤、浸透圧調節剤、安定化剤、保護剤、および粘度調整剤が含まれ得るが、これらに限定されない。一部の実施形態では、組成物中に薬学的に許容される担体を含むことが有益な場合がある。
【0216】
一部の実施形態では、可溶化剤が組成物に含まれていてもよい。可溶化剤は、化合物または添加剤を含めた組成物の構成成分のいずれかの可溶性を増大するのに有用となり得る。本明細書に記載の可溶化剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な可溶化剤として単に提示されている。ある特定の実施形態では、可溶化剤として、エチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ならびに任意の薬学的に許容されるそれらの塩および/または組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0217】
組成物のpHは、製剤または組成物にとって望ましい特性をもたらす任意のpHであり得る。望ましい特性には、例えば化合物の安定性、他のpHにおける組成物と比較して化合物の保持量の増大、および濾過効率の改善が含まれ得る。一部の実施形態では、組成物のpHは、約3.0〜約9.0、例えば約5.0〜約7.0であり得る。特定の実施形態では、組成物のpHは、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1、または6.5±0.1であり得る。
【0218】
一部の実施形態では、組成物に1種または複数の緩衝剤を含むことによってpHを緩衝することが有益となり得る。ある特定の実施形態では、緩衝剤は、例えば、約5.5、約6.0、または約6.5のpKaを有することができる。当業者は、適切な緩衝剤が、そのpKaおよび他の特性に基づいて組成物に含まれるように選択され得ることを理解する。緩衝剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の緩衝剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、本発明の製剤または組成物に使用され得る例示的な緩衝剤として単に提示されている。ある特定の実施形態では、緩衝剤として、Tris、Tris HCl、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムとリン酸カリウムの組合せ、Tris/Tris HCl、重炭酸ナトリウム、リン酸アルギニン、塩酸アルギニン、塩酸ヒスチジン、カコジル酸塩、コハク酸塩、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、マレイン酸塩、bis−tris、リン酸塩、炭酸塩、ならびに任意の薬学的に許容されるそれらの塩および/または組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0219】
一部の実施形態では、pH調節剤が組成物に含まれていてもよい。組成物のpHの調整は、例えば化合物の安定性もしくは可溶性に対して有益な効果を有することができ、または組成物を非経口投与に適したものにするのに有用であり得る。pH調節剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載のpH調節剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的なpH調節剤として単に提示されている。pH調節剤として、例えば酸および塩基を含むことができる。一部の実施形態では、pH調節剤には、酢酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0220】
一部の実施形態では、増量剤が組成物に含まれていてもよい。増量剤は、組成物に体積を加え、特に増量剤がなければ凍結乾燥ペレットを見ることが困難である場合に、組成物の可視化の一助にするために、凍結乾燥組成物において一般に使用される。また増量剤は、医薬組成物の活性構成成分(複数可)の吹き飛びを防止する助けにすることができ、かつ/または組成物の凍結保護の一助にすることができる。増量剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の増量剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な増量剤として単に提示されている。
【0221】
例示的な増量剤として、糖類、モノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド、糖アルコール、アミノ酸、および糖酸、ならびにそれらの組合せが含まれ得る。糖類増量剤には、単糖類、二糖類または多糖類、デンプン、アルドース、ケトース、アミノ糖、グリセルアルデヒド、アラビノース、リキソース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、グルコース、フルクトース、メチルa−D−グルコピラノシド、マルトース、ラクトン、ソルボース、エリトロース、トレオース、アラビノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルコサミン、ガラクトサミン、アラビナン、フルクタン、フカン、ガラクタン、ガラクツロナン、グルカン、マンナン、キシラン、イヌリン、レバン、フコイダン、カラギーナン、ガラクトカロロース(galactocarolose)、ペクチン、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、キサンチンガム、スクロース、トレハロース、デキストラン、およびラクトースが挙げられるが、これらに限定されない。糖アルコール増量剤として、アルジトール、イノシトール、ソルビトール、およびマンニトールが挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸増量剤として、グリシン、ヒスチジン、およびプロリンが挙げられるが、これらに限定されない。糖酸増量剤として、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、グルコン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、グルカル酸、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、ノイラミン酸、ペクチン酸、およびアルギン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0222】
一部の実施形態では、界面活性剤が組成物に含まれていてもよい。界面活性剤は、一般に、液体組成物の表面張力を低減する。界面活性剤は、容易に濾過できるように改善するなどの有益な特性をもたらし得る。また界面活性剤は、乳化剤および/または可溶化剤として作用し得る。界面活性剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の界面活性剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、本発明の製剤または組成物に使用され得る例示的な界面活性剤として単に提示されている。含まれ得る界面活性剤として、ソルビタンエステル、例えばポリソルベート(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80)、リポポリサッカライド、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400およびPEG3000)、ポロキサマー(すなわち、プルロニック)、エチレンオキシドおよびポリエチレンオキシド(例えば、Triton X−100)、サポニン、リン脂質(例えば、レシチン)、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0223】
一部の実施形態では、被包剤が組成物に含まれていてもよい。被包剤は、分子を封鎖し、それらを安定化もしくは可溶化する助けにすることができる。被包剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の被包剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な被包剤として単に提示されている。組成物に含まれ得る被包剤として、ジメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびトリメチル−β−シクロデキストリン、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0224】
一部の実施形態では、浸透圧調節剤が組成物に含まれていてもよい。液体組成物の浸透圧は、例えば非経口投与によって患者に組成物を投与する場合、考慮すべき重要な点である。したがって、浸透圧調節剤を使用して、組成物を投与に適したものにする助けにすることができる。浸透圧調節剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の浸透圧調節剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な浸透圧調節剤として単に提示されている。浸透圧調節剤として、イオン性または非イオン性であり得、浸透圧調節剤には、無機塩、アミノ酸、糖類、糖、糖アルコール、および糖類が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な無機塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムが挙げられ得る。例示的なアミノ酸は、グリシンである。例示的な糖には、糖アルコール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、グルコース、スクロース、ラクトース、およびマンニトールが含まれ得る。
【0225】
一部の実施形態では、安定化剤が組成物に含まれていてもよい。安定化剤は、組成物における化合物の安定性を増大する助けになる。安定性の増大は、例えば化合物の分解を低減しまたはその凝集を防止することによって生じ得る。理論に拘泥するものではないが、安定性を増強する機構は、化合物を溶媒から封鎖し、または治療的に有効な物質のフリーラジカル酸化を阻害することを含み得る。安定化剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の安定化剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な安定化剤として単に提示されている。安定化剤として、乳化剤および界面活性剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0226】
一部の実施形態では、保護剤が組成物に含まれていてもよい。保護剤は、薬学的に活性な成分(例えば、治療的に有効な物質または化合物)を、望ましくない条件(例えば、凍結もしくは凍結乾燥によって引き起こされる不安定性、または酸化)から保護する薬剤である。保護剤として、例えば凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、および抗酸化剤が挙げられ得る。凍結保護剤は、組成物がその凝固点未満の温度に曝露される場合、活性医薬品成分(例えば、アントラサイクリン化合物)の効力の喪失を防止するのに有用である。例えば、凍結保護剤は、製剤を凍結させた後、静脈内(IV)投与のために希釈できるように、再構成された凍結乾燥製剤に含まれ得る。凍結保護剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の凍結保護剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な凍結保護剤として単に提示されている。凍結保護剤として、溶媒、界面活性剤、被包剤、安定化剤、粘度調整剤、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。凍結保護剤として、例えばジサッカライド(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、およびトレハロース)、ポリオール(例えば、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、およびズルシトール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール)が挙げられ得る。
【0227】
凍結乾燥保護剤は、組成物の構成成分を安定化するのに有用である。例えば、治療的に有効な物質は、凍結乾燥保護剤で凍結乾燥させた後に再構成することができる。凍結乾燥保護剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の凍結乾燥保護剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な凍結乾燥保護剤として単に提示されている。凍結乾燥保護剤として、溶媒、界面活性剤、被包剤、安定化剤、粘度調整剤、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な凍結乾燥保護剤は、例えば糖およびポリオールであり得る。トレハロース、スクロース、デキストラン、およびヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンは、凍結乾燥保護剤の非限定的な例である。
【0228】
抗酸化剤は、組成物の構成成分の酸化を防止するのに有用である。酸化は、薬物生成物を凝集させ、または薬物生成物の純度もしくはその効力に他の有害効果をもたらすおそれがある。抗酸化剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の抗酸化剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な抗酸化剤として単に提示されている。抗酸化剤は、例えばアスコルビン酸ナトリウム、クエン酸塩、チオール、メタ重亜硫酸塩、およびそれらの組合せであり得る。
【0229】
一部の実施形態では、粘度調整剤が組成物に含まれていてもよい。粘度調整剤は、液体組成物の粘度を変化させる。粘度調整剤は、液体組成物の濾過され易さにおいて粘度が重要な役割を演じるため、有益となり得る。組成物は、凍結乾燥および再構成の前に、または再構成の後に濾過することができる。粘度調整剤は、当技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載の粘度調整剤は、網羅的な一覧を構成するものではなく、組成物に使用され得る例示的な粘度調整剤として単に提示されている。粘度調整剤には、溶媒、可溶化剤、界面活性剤、および被包剤が含まれる。組成物に含まれ得る例示的な粘度調整剤として、N−アセチル−DL−トリプトファンおよびN−アセチル−システインが挙げられるが、これらに限定されない。
処置方法
【0230】
本明細書に記載の化合物および組成物は、様々な臨床適用に有用である。
【0231】
本発明の化合物および組成物は、腫瘍成長の延長阻害または長期阻害を誘導することができる。ある特定の実施形態では、腫瘍成長の延長阻害または長期阻害は、いかなる体重減少も骨髄毒性も伴わない。
【0232】
また本開示は、がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される、患者の状態または疾患を処置する方法であって、患者に、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0233】
一部の実施形態では、がんは、血液がんまたは固形腫瘍がんである。一部の実施形態では、がんは、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、または黒色腫から選択される。
【0234】
一部の実施形態では、がんは、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌、肛門癌、星状細胞腫、基底細胞腫、膵臓がん、結合組織腫瘍、膀胱がん、気管支癌、非小細胞気管支癌、乳がん、バーキットリンパ腫、子宮体部癌、CUP症候群、結腸がん、小腸のがん、卵巣がん、子宮内膜癌、胆嚢がん、胆嚢癌、子宮がん、子宮頸がん、頸部、鼻および耳の腫瘍、血液学的新形成、ヘアリー細胞白血病、尿道がん、皮膚がん、神経膠腫、精巣がん、カポジ肉腫、喉頭がん、骨がん、結腸直腸癌、頭部/頸部腫瘍、結腸癌、頭蓋咽頭腫、肝臓がん、白血病、肺がん、非小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃がん、結腸がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓がん、腎細胞癌、乏突起神経膠腫、食道癌、溶骨性癌および骨形成癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎がん、前立腺がん、舌がん、卵巣癌またはリンパ腺がんである。
変更および改変
【0235】
本明細書に記載されているものの変更、改変、および他の実施は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって行われる。したがって、本発明は、上記の説明または以下の実施例に限定されるべきではない。
例証
【0236】
ここで、本発明の態様は広く記載されているが、これらは、以下の実施例を参照することによってより容易に理解され、これらの実施例は、本発明のある特定の特徴および実施形態を単に例示する目的で含まれ、制限するものではない。
均等物
【0237】
当業者は、ごく日常的な実験方法を使用して、本明細書に記載の化合物、組成物およびその使用方法に対する数々の均等物を認識し、または確認することができる。このような均等物は、本発明の範囲に含まれるとみなされる。
【実施例】
【0238】
(実施例1)
ヒト異種移植非小細胞肺がんモデルLXFE397におけるゲムシタビンおよびアルブミン結合ゲムシタビンホスフェート化合物15の評価。
雌性NMRIヌードマウスに、イソフルラン麻酔剤の下で、ヒトLXFE397(扁平上皮癌、分化度:低)を含む片側性腫瘍移植片を左側腹部内に皮下移植し、腫瘍が触知できるようになり、体積50〜150mm
3に達するまで置いた。動物をケージ内で飼育し、ケージ内の温度を25±1℃、相対湿度を45〜65%、ケージ内の換気回数を1時間当たり60回に維持した。動物に、Harlan Laboratories製のオートクレーブ済みTeklad Global 19%タンパク質押出し食(T.2019S.12)を与え、滅菌濾過した酸性(pH2.5)水道水を飲めるようにし、その水を週2回交換した。食餌および水は、自由に摂取させる。動物を、治療の前に、群の腫瘍体積の同等の中央値および平均を考慮して、無作為化する(1群当たりマウス8匹)。動物を、平日に1日2回、土曜および日曜に1日1回、日常的にモニタする。0日目に開始して、動物を週2回秤量する。個々の動物の相対的体重(RBW)は、X日目の個々の絶対的体重(BWx)を、無作為化した日の個々の体重で割ることによって算出する。腫瘍体積は、無作為化した日(0日目)および次に週2回、カリパスを用いて二次元測定することによって決定する。腫瘍体積は、以下の等式に従って算出する:
腫瘍体積[mm
3]=a[mm]×b
2[mm
2]×0.5(式中、「a」は、理想的な楕円体となった腫瘍の最大直径であり、「b」は、垂直直径である)。X日目の個々の腫瘍の相対的体積(RTVx)は、X日目のそれぞれの腫瘍(Tx)の絶対的体積[mm
3]を、無作為化した日の同じ腫瘍の絶対的体積で割ることによって算出する。スケジュールは、動物福祉方針によって許容される程度まで適用される。個々のマウスが腫瘍体積>2000mm
3になったら終了する。化合物15の原液を、2つの処置群のために以下の通り調製した。
1)マウス8匹、平均体重40g:24mg/kgのゲムシタビン等価物≡78.48mg/kg≡3.14mg/マウス。試料調製:154mgを秤量して20mLのバイアルに入れ、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液14.7mL、pH7に溶解させた。3.6mLの4つの一定分量を、それぞれ10mLのバイアルに入れた。液体窒素で凍結させ、凍結乾燥させ(>48時間)、栓をした。
2)マウス8匹、平均体重40g:36mg/kgのゲムシタビン等価物≡117.7mg/kg≡4.71mg/マウス。試料調製:231mgを秤量して20mLのバイアルに入れ、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液14.7mL、pH7に溶解させた。3.6mLの4つの一定分量を、それぞれ10mLのバイアルに入れた。液体窒素で凍結させ、凍結乾燥させ(>48時間)、栓をした。
処置日に、凍結乾燥試料を、5%グルコースを含有する20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7に溶解させ、静脈内注射した。ビヒクル(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0)、ゲムシタビン(5%D−グルコースに溶解させた;用量240mg/kg)および化合物15(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0に溶解させた;24mg/kgのゲムシタビン等価物)の静脈内投与を、1日目、8日目、15日目および22日目に行った。23日目に、対照群のマウス3匹およびゲムシタビン処置群のマウス2匹は、腫瘍体積が2000mm
3を超えたことにより、屠殺しなければならなかった。体重変化(BWC)対対照:ゲムシタビン(23日目)およそ−6%;化合物15(27日目)約0.5%。NSLC異種移植モデルLXFE397における腫瘍成長発生は、体重減少が同等であり、少ないことによって示される等毒性(equitoxic toxicity)で、ゲムシタビン用量の10分の1でゲムシタビンに対する化合物15の優れた抗腫瘍有効性を示す(p<0.05)。
図1を参照されたい。
【0239】
図1は、NSLC異種移植モデルLXFE397における腫瘍成長に対する化合物15およびゲムシタビンの効果を示す。
(実施例2)
【0240】
ヒト非小細胞癌異種移植モデルLXFE937におけるゲムシタビンおよびアルブミン結合ゲムシタビンホスフェート化合物15の評価。
雌性NMRIヌードマウスに、イソフルラン麻酔剤の下で、ヒトLXFE937腫瘍片を含む片側性腫瘍移植片を左側腹部内に皮下移植し、腫瘍が触知できるようになり、体積約100mm
3に達するまで置いた。動物をケージ内で飼育し、ケージ内の温度を25±1℃、相対湿度を45〜65%、ケージ内の換気回数を1時間当たり60回に維持した。動物に、Harlan Laboratories製のオートクレーブ済みTeklad Global 19%タンパク質押出し食(T.2019S.12)を与え、滅菌濾過した酸性(pH2.5)水道水を飲めるようにし、その水を週2回交換した。食餌および水は、自由に摂取させた。動物を、治療の前に、群の腫瘍体積の同等の中央値および平均を考慮して、無作為化した(1群当たりマウス8匹)。動物を、平日に1日2回、土曜および日曜に1日1回、日常的にモニタした。0日目に開始して、動物を週2回秤量した。個々の動物の相対的体重(RBW)は、X日目の個々の絶対的体重(BWx)を、無作為化した日の個々の体重で割ることによって算出する。腫瘍体積は、無作為化した日(0日目)および次に週2回、カリパスを用いて二次元測定することによって決定する。腫瘍体積は、以下の等式に従って算出する:
腫瘍体積[mm
3]=a[mm]×b
2[mm
2]×0.5(式中、「a」は、理想的な楕円体となった腫瘍の最大直径であり、「b」は、垂直直径である)。X日目の個々の腫瘍の相対的体積(RTVx)は、X日目のそれぞれの腫瘍(Tx)の絶対的体積[mm
3]を、無作為化した日の同じ腫瘍の絶対的体積で割ることによって算出する。スケジュールは、動物福祉方針によって許容される程度まで適用される。個々のマウスが腫瘍体積>2000mm
3になったら終了する。化合物15の原液を、2つの処置群のために以下の通り調製した。
1)マウス8匹、平均体重40g:2×18mg/kgのゲムシタビン等価物(週2回投与;0日目、3日目、7日目、10日目等で4週間)≡58.4mg/kg≡2.35mg/マウス。試料調製:115.5mgを秤量して10mLのバイアルに入れ、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液7.35mL、pH7に溶解させた。1.86mLの4つの一定分量を、それぞれ10mLのバイアルに入れた。液体窒素で凍結させ、凍結乾燥させ(>48時間)、栓をした。
処置日に、凍結乾燥試料を、5%グルコースを含有する20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7に溶解させ、静脈内注射した。ビヒクル(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0)、ゲムシタビン(5%D−グルコースに溶解させた;用量240mg/kg)の静脈内投与を、1日目、8日目、15日目および22日目に行い、化合物15(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0に溶解させた;18mg/kgのゲムシタビン等価物)の静脈内投与を、0日目、3日目、7日目、10日目、14日目、17日目、21日目および24日目に行った。
体重変化(BWC)対対照は、同等であり、ゲムシタビン処置群ではおよそ+10%であり、化合物15で処置した群ではおよそ+2%であった。ゲムシタビン処置群の腫瘍は、治療の約20日後に再成長し始めて、治療の約50日後には平均腫瘍体積が約700mm
3に達し、ゲムシタビン処置群のマウス2匹は、腫瘍体積が2000mm
3を超えたことにより、78日目〜85日目の間に屠殺しなければならなかった。それとは対照的に、完全な腫瘍寛解が、15で処置した群の治療終了の約60日後に観測された。したがって、ヒト非小細胞癌異種移植モデルLXFE937における腫瘍成長発生は、同等の体重増加によって示される等毒性で、ゲムシタビン用量のおよそ7分の1でゲムシタビンに対する化合物15の優れた抗腫瘍有効性を示す(p<0.05)。
図2および3を参照されたい。
【0241】
図2は、ヒト非小細胞癌異種移植モデルLXFE937における、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の腫瘍成長曲線を示す。
【0242】
図3は、ヒト非小細胞癌異種移植モデルLXFE937における、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の体重変化曲線を示す。
(実施例3)
【0243】
ヒト卵巣癌異種移植モデルOVXF899におけるゲムシタビンおよびアルブミン結合ゲムシタビンホスフェート化合物15の評価。
雌性NMRIヌードマウスに、イソフルラン麻酔剤の下で、ヒトOVXF899腫瘍片を含む片側性腫瘍移植片を左側腹部内に皮下移植し、腫瘍が触知できるようになり、体積約200mm
3に達するまで置いた。動物をケージ内で飼育し、ケージ内の温度を25±1℃、相対湿度を45〜65%、ケージ内の換気回数を1時間当たり60回に維持した。動物に、Harlan Laboratories製のオートクレーブ済みTeklad Global 19%タンパク質押出し食(T.2019S.12)を与え、滅菌濾過した酸性(pH2.5)水道水を飲めるようにし、その水を週2回交換した。食餌および水は、自由に摂取させた。動物を、治療の前に、群の腫瘍体積の同等の中央値および平均を考慮して、無作為化した(1群当たりマウス8匹)。動物を、平日に1日2回、土曜および日曜に1日1回、日常的にモニタした。0日目に開始して、動物を週2回秤量する。個々の動物の相対的体重(RBW)は、X日目の個々の絶対的体重(BWx)を、無作為化した日の個々の体重で割ることによって算出する。腫瘍体積は、無作為化した日(0日目)および次に週2回、カリパスを用いて二次元測定することによって決定する。腫瘍体積は、以下の等式に従って算出する:
腫瘍体積[mm
3]=a[mm]×b
2[mm
2]×0.5(式中、「a」は、理想的な楕円体となった腫瘍の最大直径であり、「b」は、垂直直径である)。X日目の個々の腫瘍の相対的体積(RTVx)は、X日目のそれぞれの腫瘍(Tx)の絶対的体積[mm
3]を、無作為化した日の同じ腫瘍の絶対的体積で割ることによって算出する。スケジュールは、動物福祉方針によって許容される程度まで適用される。個々のマウスが腫瘍体積>2000mm
3になったら終了する。化合物15の原液を、2つの処置群のために以下の通り調製した。
マウス8匹、平均体重40g:2×18mg/kgのゲムシタビン等価物(週2回投与;1日目、4日目、8日目等で4週間)≡58.4mg/kg≡2.35mg/マウス。試料調製:115.5mgを秤量して10mLのバイアルに入れ、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液7.35mL、pH7に溶解させた。1.86mLの4つの一定分量を、それぞれ10mLのバイアルに入れた。液体窒素で凍結させ、凍結乾燥させ(>48時間)、栓をした。
処置日に、凍結乾燥試料を、5%グルコースを含有する20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7に溶解させ、静脈内注射した。ビヒクル(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0)、ゲムシタビン(5%D−グルコースに溶解させた;用量240mg/kg)の静脈内投与を、1日目、8日目、15日目および22日目に行い、化合物15(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0に溶解させた;18mg/kgのゲムシタビン等価物)の静脈内投与を、1日目、4日目、8日目、11日目、15日目、18日目、22日目および25日目に行った。
体重変化(BWC)対対照は、同等であり、ゲムシタビン処置群ではおよそ+5%であり、化合物15で処置した群ではおよそ+10%であった。ゲムシタビン処置群の腫瘍は、治療の約10日後に再成長し始めて、治療の50日後には平均腫瘍体積が約2000mm
3に達し、ゲムシタビン処置群のマウス3匹は、腫瘍体積が2000mm
3を超えたことにより、74日目に屠殺しなければならなかった。それとは対照的に、完全な腫瘍寛解が、15で処置した群の治療終了の50日後に観測された。したがって、卵巣癌異種移植モデルOVXF899における腫瘍成長発生は、同等の体重増加によって示される等毒性で、ゲムシタビン用量のおよそ7分の1でゲムシタビンに対する化合物15の優れた抗腫瘍有効性を示す(p<0.05)。
図4、5および6を参照されたい。
【0244】
図4は、ヒト卵巣OVXF癌異種移植モデルにおける、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の腫瘍成長曲線を示す。
【0245】
図5は、ヒト卵巣OVXF癌異種移植モデルにおける、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の体重変化曲線を示す。
【0246】
図6は、卵巣がんOVXF899異種移植モデルにおける化合物15またはゲムシタビンを用いる処置後の、個々の腫瘍体積の散布図を示す。
(実施例4)
【0247】
ヒト膵癌異種移植モデルPanc11159におけるゲムシタビンおよびアルブミン結合ゲムシタビンホスフェート化合物15の評価
雌性NMRIヌードマウス(nu/nu)に、片側性Panc11159腫瘍片を皮下移植し、腫瘍が触知できるようになり、体積約200mm
3に達するまで置いた。動物をケージ(Macrolonタイプ−IIワイヤー−メッシュ)内で飼育し、ケージ内の温度を22±1℃、相対湿度を50±10%に維持した。明暗時間:人為的;12時間の暗/12時間の明リズム(明は06.00〜18.00時間)。マウスの健康を、実験の開始時および実験中1日2回調査した。識別:耳標およびケージラベル。動物に、Ssniff NM、ゾースト(Soest)、ドイツを与え、オートクレーブ済みの酸性(pH4.0)飲料を飲めるようにした。食餌および水は、自由に摂取させた。動物を、治療の前に、群の腫瘍体積の同等の中央値および平均を考慮して、無作為化する(1群当たりマウス10匹)。
体重変化の測定は、1週2回または3回実施した。腫瘍直径(中央値および中間)は、カリパスを用いて週2回または3回測定した。腫瘍体積は、V=(長さ×(幅)2)/2に従って算出した。相対的腫瘍体積(RTV)の算出のために、各測定日の腫瘍体積を、最初の処置日と関連付けた。化合物15の原液を、2つの処置群のために以下の通り調製した。
マウス10匹、平均体重30〜40g:2×18mg/kgのゲムシタビン等価物(週2回投与で4週間)≡58.4mg/kg≡2.35mg/マウス。試料調製:115.5mgを秤量して10mLのバイアルに入れ、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液7.35mL、pH7に溶解させた。1.86mLの4つの一定分量を、それぞれ10mLのバイアルに入れた。液体窒素で凍結させ、凍結乾燥させ(>48時間)、栓をした。
処置日に、凍結乾燥試料を、5%グルコースを含有する20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7に溶解させ、静脈内注射した。ビヒクル(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0)、ゲムシタビン(5%D−グルコースに溶解させた;用量240mg/kg)の静脈内投与を、36日目、43日目、50日目、57日目に行い、化合物15(20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、5%D−グルコース−pH7.0に溶解させた;18mg/kgのゲムシタビン等価物)の静脈内投与を、36日目、40日目、43日目、47日目、50日目、54日目、57日目および60日目に行った。
体重変化(BWC)対対照は、同等であり、ゲムシタビン処置群および化合物15で処置した群ではどちらもおよそ+3%であった。
ゲムシタビン処置群の腫瘍体積は、85日目に2倍になったが、15で処置した群の腫瘍体積は、わずかな退縮または安定な疾患を実証した。したがって、ヒト膵癌異種移植モデルPanc11159における腫瘍成長発生は、同等の体重増加によって示される等毒性で、ゲムシタビン用量のおよそ7分の1でゲムシタビンに対する化合物15の優れた抗腫瘍有効性を示した(p<0.05)。
図7および8を参照されたい。
【0248】
図7は、膵臓がんPanc11159異種移植モデルにおける、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の腫瘍成長曲線を示す。
【0249】
図8は、膵臓がんPanc11159異種移植モデルにおける、対照群、ゲムシタビン処置群、および化合物15で処置した群の体重変化曲線を示す。
(実施例5)
【0250】
ネモルビシンの置換マレイミドベンゾイルヒドラゾン誘導体の合成のための一般手順
典型的に、ネモルビシン(1当量)および置換マレイミド安息香酸ヒドラジドトリフルオロ酢酸塩(2当量)の混合物に、無水メタノールを室温(RT)で添加し、反応混合物をRTで撹拌した。TLCによって示される通り、反応が完了した後、ネモルビシンの置換マレイミドベンゾイルヒドラゾン誘導体を、イソプロパノールおよびジイソプロピルエーテルの混合物と共に沈殿または結晶化させることによって、赤色の固体として単離し、得られた生成物を高真空下で乾燥させた。
【0251】
ネモルビシンのアルブミン結合置換マレイミドベンゾイルヒドラゾン誘導体の放出研究のための一般手順
典型的に、ネモルビシンの置換マレイミドベンゾイルヒドラゾン誘導体を、20:80のEtOH/5%−グルコースに溶解させ、4mMリン酸緩衝液、pH7.4中、システイン34位が完全に還元されているヒト血清アルブミン(HSA)に添加し、37℃で2時間インキュベートした。アルブミン薬物コンジュゲートを、Sephadex G−25を使用して単離し、150mMのNaClを含有する4mMリン酸緩衝液、pH7.4で溶出した。ネモルビシンアルブミンコンジュゲートの純度を、RP−HPLCによって測定し分析し、試料中のアントラサイクリンの含量を、分光光度法によって決定した。pH5.0における薬物放出研究では、50mM酢酸ナトリウム緩衝液でpH5.0に調整したそれぞれのネモルビシンヒト血清アルブミン(HSA)コンジュゲートの200μM溶液を、RP−HPLCを用いることによってモニタし、ネモルビシンの放出を495nmで決定した。結果を表Aに提示する。
(実施例6)
【0252】
方法A:化合物15の調製
化合物15は、下記の通り、スキーム1に示されている通り調製することができる。
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
4−アセチル−N−(1−((2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ベンズアミド(B)の合成
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
4−アセチル安息香酸(8.25g、50.30mmol)のCH
2Cl
2(165mL)中撹拌溶液に、塩化オキサリル(8.31mL、95.57mmol)およびDMF(触媒量)を0℃で添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を高真空下で濃縮乾固させて、4−アセチルベンゾイルクロリドを淡黄色の固体として得た。粗製材料を、任意のさらなる精製なしに、次のステップでそのまま使用した。収量:9.15g、99.67%。ゲムシタビン塩酸塩(15g、50mmol)のピリジン(150mL)中撹拌溶液に、クロロトリメチルシラン(31.6mL、250mmol)を30分かけて0℃で滴下添加した[約1.0mL/分]。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。4−アセチルベンゾイルクロリド(9.12g、50mmol)を、反応混合物に15分かけて少しずつ添加した(3つのポーション、約3.04g/5.0分)。得られた混合物を、45℃で16時間撹拌した。次に、エタノール(150mL)を先の反応混合物に添加し、30分間撹拌した。その後、脱塩水(75mL)を添加し、さらに5時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮乾固させ、残渣を氷水(300mL)でクエンチした。得られた固体を、ワットマン濾紙(11μm)を介して濾過し、高真空下で5時間乾燥させた。粗製生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。粗製塊をCH
2Cl
2に溶解させ、シリカゲル(60〜120メッシュ、60g)上に吸着させ、60×12.5cmのフラッシュカラムで60〜120メッシュのシリカゲルおよび溶離剤として石油エーテル中60%酢酸エチル約20Lを使用して精製した。得られた固体を、メタノール(100mL)で洗浄し、濾過し、高真空下で5時間乾燥させて、4−アセチル−N−(1−((2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ベンズアミド(B)を白色の固体として得た。収量:5.2g、12.71mmol、25.42%。
【0254】
中間体(C)の合成
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
50mlのフラスコ中、塩化ホスホリル1.816mL(19.54mmol)をリン酸トリメチル12.2mLに添加した。無色透明の溶液を氷浴中で冷却し、その後(B)2g(4.89mmol)を添加した。懸濁液は、約15分後に透明になり、得られた淡黄色の溶液を、氷浴中で撹拌した。2時間後、反応混合物5μLを、ジエチルエーテルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液の1:1混合物1mlに注意深く添加した。有機相中の乳懸濁液は、完全に混合すると消散した。水相50μLを除去し、ミリポア(Millipore)水150μLで希釈し、LC−MSによって分析した。約2.5時間後、反応混合物を、氷浴で冷却した1000mLのエルレンマイヤーフラスコ中、ミリポア水140mL、飽和NaHCO
3140mLおよびジエチルエーテル600mLの混合物に、間欠的に振とうしながら滴下添加した。混合物を、1000mLの分液漏斗に移し、十分に振とうした。水相を、さらなるジエチルエーテル400mLで洗浄した。水相(pH7〜8)を単離し、フリット漏斗(細孔径3)を介して濾過し、500mLのフラスコに入れ、濃HClでpH4の酸性にした。混合物を、8つの50mLのFalcon管(各約40mL)に移し、次に冷蔵庫内で終夜4℃で保存した。懸濁液を遠心分離し(3220rpm/30分)、上清をピペットで除去し、残渣を凍結乾燥させた。収量:(4.195g/175%、理論値:2.393g)。固体をメタノール275mLに溶解させ、次にテトラヒドロフラン75mLを添加し、混合物を5℃で3日間保存した。溶媒を真空中で約150mLまで除去し、次にテトラヒドロフラン60mLを添加して、白色の沈殿物を形成し、それを濾過し、テトラヒドロフラン/メタノール(1:1)20mlで洗浄した。(C)を白色の固体として濾液から単離した。収量:3g。
【0255】
リンカー(A)の合成
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
4−アミノ−2−ニトロ安息香酸(4.62g、25.36mmol)を、氷浴中、1:2のジメチルホルムアミド/ジクロロメタン混合物120mL中カルバジン酸tert−ブチル(5.04g、38.14mmol)、HOBt水和物(5.297g、34.6mmol)およびEDC(4.84g、25.25mmol)と共に15分間撹拌し、次に室温で終夜撹拌した。TLC(CHCl
3/メタノール、9:1)によって、26時間後に反応の完了が示される。粗製生成物を、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物を黄色の泡状物質(6.2g、82%)として得た。250mLのフラスコ中、4−アミノ−2−ニトロカルバゼート(2.827g、9.54mmol)を、テトラヒドロフラン80mLに溶解させた。その撹拌溶液に、テトラヒドロフラン30mLに溶解させた6−マレイミドカプロン酸塩化物(2.41g、10.5mmol)を添加した。THF40mLと混合したトリエチルアミン(1.455mL、10.5mmol)を、滴下漏斗を使用して1時間かけて混合物に滴下添加した。得られた淡褐色の懸濁液を、室温で15時間撹拌した。TLC(CHCl
3/メタノール、9:1)によって、反応の完了が示された。粗製生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl
3/メタノール、9:1)によって精製して、純粋な生成物を黄色の固体として得た(3g、64%)。生成物(3g、6.13mmol)を、ジクロロメタン10mLに懸濁させ、氷浴で冷却した。トリフルオロ酢酸10mLを、滴下漏斗を使用して、冷却した撹拌混合物に30分かけて滴下添加した。3時間後、黄色の溶液のTLC(CHCl
3/メタノール、9:1)によって、BOC基の完全な切断が示される。すべての溶媒を減圧下で除去し、残渣を高真空下で終夜乾燥させた。残渣を、最小量のテトラヒドロフランに溶解させ、1:1のジイソプロピルエーテルおよびn−ヘキサン混合物中で沈殿させ、次に5℃で終夜保存した。クリーム色の沈殿物を、遠心分離によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させて、リンカーA2.5g(81%)をベージュ色の固体として得た。
【0256】
化合物15の合成
【化127】
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(C)を溶解させ(2つの50mLのFalcon管中、それぞれ無水メタノール30mLに2×375mg(1.226mmol))、遠心分離し(3220rpm、10分)、上清をリンカー(A)(1.235g、2.452mmol)に添加し、250mLのフラスコ中、無水メタノール20mLに懸濁させた。さらなるメタノール40mLおよびアセトニトリル2mLを添加し、淡黄色の濁った溶液を室温で撹拌した。15時間後、反応混合物のTLC(RP−18、アセトニトリル/NaH
2PO
4、30:70)によって、(C)の完全な消費が示される。混合物を約30mLまで蒸発させ、50mLのFalcon管に移し、5℃で保存した(1時間)。沈殿物を遠心分離(3220rpm、10分)によって収集し、上清(3×10mL)を、3つの50mLのFalcon管中、冷却したジイソプロピルエーテル/イソプロパノール(3×30mL)の3:1混合物に添加し、5℃で終夜保存した。沈殿物を遠心分離(3220rpm、15分)によって収集し、ジエチルエーテル5mlで洗浄し、高真空下で風乾させて、903mg(理論値1.055gの85.6%)の化合物15を黄色の固体として得た。粗製生成物を、1つの50mLのFalcon管中で合わせ、テトラヒドロフラン(6×10〜15mL)で洗浄し、各洗浄ステップ後に遠心分離した(3220rpm、10分)。最後に、生成物をジエチルエーテル5〜10mLで3回洗浄し、高真空下で風乾させて、694.4mg(66%)の化合物15を黄色がかった固体として得た。
【0257】
pH7.0および5.0におけるHSA化合物15のpH依存性の安定性
pH7.0における安定性(4mMのリン酸緩衝液、150mMのNaCl):化合物15を、完全に還元されたHSA(ヒト血清アルブミン)の溶液に添加し、HPLCによってシステイン−34位への完全な結合を確認した。得られた化合物15のHSAコンジュゲートの200μM溶液を、37℃でインキュベートし、1時間ごとにHPLCによって分析した。1時間当たりおよそ0.18%の(C)が放出された。pH5.0における安定性(1MのHClで調整した、4mMのリン酸緩衝液、150mMのNaCl):化合物15のHSAコンジュゲートを、pH7.0で調製し(先を参照)、1MのHClを添加することによってpH5.0に調整した。得られた化合物15のHSAコンジュゲートの200μM溶液を、37℃でインキュベートし、1時間ごとにHPLCによって分析した。(C)の放出の半減期(t
1/2)は、およそ13時間である。
【0258】
方法B:化合物15の調製。化合物15は、以下の代替方法によって調製することができる。
【0259】
4−アセチル−N−(1−((2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ベンズアミド(B)の合成
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル4−アセチルベンゾエートの合成:窒素雰囲気下で、4リットルの3つ口丸底フラスコに、4−アセチル安息香酸(1.0当量、487.8mmol、80.00g)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(1.1当量、536.6mmol、61.75g)、および無水THF(1.80L)を充填した。IKA Eurostarデジタルオーバーヘッド撹拌装置(190rpmで出力制御)を使用して、定速で反応溶液の内容物を撹拌した。溶液を、氷浴(60分)を使用して冷却した。次に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.1当量、536.6mmol、110.71g)の無水THF(720mL)中溶液を、窒素中で撹拌しながら滴下添加した(90分間かけて)(添加漏斗を、無水THF、2×5mLで洗浄した)。DCCを添加して約30分間後に、反応混合物は、N,N’−ジシクロヘキシル尿素(DCU)が白色の沈殿物として形成したことにより濁った。反応混合物を0℃でさらに2時間撹拌しながら、氷を氷浴に連続的に添加した。次に、反応混合物を、氷浴を除去せずに室温にゆっくり温めて、25時間30分後にHPLC分析によってカルボン酸の完全な消費が示されるまで、反応させた。固体材料を、吸引濾過によって除去した。固体を、乾燥THF(4×100mL)で洗浄し、合わされた画分を、真空中で40℃において蒸発乾固させた。残渣を、乾燥ジクロロメタン(400mL)に溶解させ、溶液を4℃で15時間保存し、次に再び濾過した。固体を、予冷した乾燥ジクロロメタン(2×20mL)ですすいだ。溶媒を真空中で30℃において除去し、残渣を乾燥DCM(750mL)に再溶解させ、有機層を、冷却した5%NaOH水溶液(2×400mL)で洗浄した。有機層を、蒸留H
2O(400mL)で洗浄し、次に硫酸ナトリウム(約20g)で乾燥させ、吸引濾過し、真空中で30℃において濃縮して、標題化合物を得た。化合物を高真空下で24時間乾燥させて、(100.2g、79%)をオフホワイト色の固体として得た(HPLC
250nm>95.9%)。
【0260】
(B)の合成:ゲムシタビン(1.0当量、76.02mmol、20.00g)を、THF(532mL)に添加し、蒸留水(45.6mL)を一度に添加すると、微細懸濁液が形成され、その懸濁液は、5分間の還流(67℃)後に透明溶液になった。次に、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル4−アセチルベンゾエート(1.05当量、79.82mmol、20.84g)のTHF(229mL)中溶液を、カニューレを介して6分間かけて滴下添加した。添加が完了した後、反応混合物を、16時間還流させながら(67℃)撹拌した。16時間後、HPLC(PDA266nm)およびLC−MS分析によって、およそ20%の未反応出発材料のゲムシタビンが示された。HPLC分析(PDA266nm)によれば、反応溶液は、53.8%の生成物、33.6%の全極性不純物、および12.6%の全非極性不純物を含有していた。このバッチの生成物の精製では、粗製生成物の連続的な選択的洗浄ステップを用いて、任意の望ましくない極性および非極性不純物を除去した。そのプロセスは、極性および非極性不純物を選択的に溶解する異なる溶媒を用いるスラリー洗浄ステップを含んでおり、それらの溶媒には、生成物が理想的には不溶性であり、またはごくわずかに可溶性である。したがって、16時間後、淡黄色の反応溶液を室温にし、溶媒を真空下で40℃において蒸発させて、粘着性の残渣を得た。
第1の精製ステップを適用して、水を用いて洗浄し、その後濾過し、さらに水で洗浄することによって極性不純物を除去した。したがって、水(300mL)を先の粗製生成物に添加し、白色の微細懸濁液が得られるまで、フラスコの内容物を室温で摩砕した(30分)。次に、得られた懸濁液を、50℃で15分間撹拌し、フィルタ漏斗(Por.4)を介して濾別し、水で洗浄して(2×25mL)、非晶質固体(固体1)を得、それを真空下で15時間乾燥させて、26.34gを得た。この固体(固体1)のHPLC分析(266nm)によって、純度91.9%、合計で3.7%の極性不純物および4.4%の非極性不純物が示された。
第2の精製ステップを適用して、スラリーを水およびクロロホルム(2:1、v/v)の混合物で洗浄することによって、固体1から非極性不純物および残りの極性不純物を除去した。したがって、水(200mL)を、固体1を含有するフラスコに注ぎ、得られた懸濁液を50℃で5分間撹拌し、室温に冷却し(0.5時間)、室温でクロロホルム(100mL)を用いてスラリー状にし、均質になるまで10分間撹拌した。次に、混合物を沈降させ(およそ5分)、不均質な混合物を、フィルタ漏斗(Por.4)を介して濾別し、冷水(2×15mL)で洗浄して、非晶質固体(固体2)を得、次にそれを高真空下で24時間乾燥させて、標題化合物(23.60g、76%)を白色の固体として得た(HPLC(266nm)>94.21%)。濾過した固体2のHPLC分析(266nm)によって、純度94.2%、合計で1.7%の極性不純物および4.1%の非極性不純物が示された。
化学式:C
18H
17F
2N
3O
6、算出値[M+H]
+410.12、実測値[M+H]
+410.15
【0261】
中間体(C)の合成
オキシ塩化リン(4.2当量、102.6mmol、9.59mL)を、冷却した(0℃、氷水浴)リン酸トリメチル(60mL)に添加し、透明溶液を0℃で20分間保った。次に、固体(B)(1.0当量、24.42mmol、10.00g)を、3回に分けて添加した(3g、3g、および4g)。約20分後、反応混合物は均質になり、淡黄色に変化し、0℃で3.5時間保った。3時間後、HPLCおよびLC−MS分析によって、およそ99%の変換が示された。リン酸化が完了したら(3.5時間)、混合物を、フリット漏斗を介して濾過し、次に、冷却し(0℃)、激しく撹拌し、新しく調製した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(NaHCO
3)およびジエチルエーテル(450mL、300mL)の混合物に30分間滴下した。透明な水相が得られるまで(内部温度15℃)、撹拌を、0℃で10分間および室温で60分間継続した。
有機層を除去し、水層をジエチルエーテル(1×300mL)で洗浄した。水相は、部分的に乳化したままであり、その後、さらなる飽和NaHCO
3を添加すると、脱乳化状態に達した。飽和NaHCO
3330mLを添加して、乳化液滴を破壊する一助にし、相を分離した。合わされた水性抽出物(780mL)を、室温で撹拌し、濃HCl(およそ19mL)でpH4.0に調整し、溶液を、均一に分割して、50mL容量のFalcon管(合計16)に入れ、4℃で2.5日間保存した。この期間が経過した後、白色の固体沈殿物が形成され、分析の前に、以下のステップを行った:
・試料を、10℃および4,000rpmで20分間遠心分離した。
・上清(水相)を、デカンテーションによって除去し、合わせ、真空中で50℃において乾燥させ、得られた固体を、高真空下で17時間乾燥させた。
・非晶質沈殿物を、メタノール(400ml)に再溶解させた。溶液を、1リットルの丸底フラスコに移し、溶媒を、真空下で40℃において蒸発させて、白色の固体を得(固体1、10.96g)、それを高真空下でさらに20時間乾燥させた。
固体のHPLC分析95.4%(220nm)。
化学式:C
18H
18F
2N
3O
9P、算出値[M−H]
+488.07、実測値[M−H]
+488.55
【0262】
リンカー(A)の合成
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル2−(4−アミノ−2−ニトロベンゾイル)ヒドラジン−1−カルボキシレートの合成:4−アミノ−2−ニトロ安息香酸(1.0当量、164.7mmol、30.00g)を、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの混合物(1:1;720mL)に溶解させ、塩−氷浴を用いて6℃に冷却し、次にカルバジン酸tert−ブチル(1.5当量、247.1mmol、32.65g)、HOBt(1.1当量、181.2mmol、27.93g)およびEDC−HCl(1.0当量、164.7mmol、31.64g)を添加し、反応混合物を氷上で90分間撹拌し、その後、氷浴を除去し、溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物中に最初に残っていた固体は、撹拌すると、最初の2時間以内に溶解した。反応溶液を16時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去した(水浴:40℃)。粗製物(暗褐色の粘性油状物)を、ジクロロメタン(600mL)中2%n−ブタノールに溶解させ、飽和NH
4Cl(2×600mL)、飽和NaHCO
3(1×600mL)、および蒸留水(1×600mL)で洗浄した。次に、有機層を硫酸ナトリウム、Na
2SO
4(200g)で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して(水浴:40℃)、標題化合物を褐色の泡状物質として得た(純度:98.4%、HPLCによる(220nm);収量:30.42g(62%)。化学式:C
12H
16N
4O
5、算出値[M+Na]
+:319.10、実測値[M+Na]
+:319.08。
6−マレイミドカプロン酸塩化物の合成:乾燥ジクロロメタン(250mL)を、6−マレイミドカプロン酸(1.0当量、236.6mmol、49.97g)を含有する1リットルの1つ口丸底フラスコに、室温で撹拌しながら一度に添加して、黄色の溶液を得た。少量の不溶性不純物を、濾紙(MN 617 1/4、Φ185mm)を介して濾過し、その後、乾燥DCM(25mL)ですすぐことによって除去した。その溶液に、室温で反応溶液を撹拌しながら滴下漏斗を介して、シュウ酸塩化物(1.1当量、259.6mmol、22.50mL)を滴下添加した(2時間かけて)。注意:添加プロセス中にガス発生が観測された。反応混合物を室温で撹拌し、7時間30分後にHPLC分析によって6−マレイミドカプロン酸の完全な消費が示されるまで、反応させた。反応時間中に、反応溶液の色は、暗黄色に変化した。シュウ酸塩化物の添加が完了して5時間30分後に、溶媒を真空中で30℃において除去した。次に、得られた暗黄色の油状物を、高真空下で20時間乾燥させた。得られた淡褐色がかった固体を、ヘラで粉砕し、高真空下でさらに20時間乾燥させて、(53.35g、98%)を淡褐色がかった固体として得た(HPLC(220nm)>97.6%、メチルエステルとして)。
Boc−保護されたリンカーAの合成:6−マレイミドカプロン酸塩化物(1.1当量、216.6mmol、49.70g)の乾燥THF(382mL)中溶液を、tert−ブチル2−(4−アミノ−2−ニトロベンゾイル)ヒドラジン−1−カルボキシレート(1.0当量、196.9mmol、58.34g)の乾燥THF(580mL)中溶液に、室温において一度に添加した。透明な反応混合物を、室温で10分間撹拌した。次に、DIPEA(1.1当量、216.6mmol、37.7mL)の乾燥THF(120mL)中溶液を、室温で穏やかに撹拌しながら、滴下漏斗を介して滴下添加した(1時間かけて)。HPLCによって示される通り、反応が完了した後、反応混合物を4℃で14時間保存した。次に、溶媒を減圧下で除去して、暗褐色の粘性油状物を得、次にそれを、KL2振とう機(およそ150rpm;Edmund Buehler GmbH、ヘッヒンゲン、ドイツ)を使用して室温で10分間振とうしながら、DCM(450mL)に溶解させた。この溶液を、2Lの分液漏斗に移し、丸底フラスコを追加のDCM(450mL)ですすぎ、次にそれを分液漏斗に添加した。有機相を、5%HCl(900mL)、飽和NaHCO
3水溶液(900mL)および1MのNaH
2PO
4(900mL)で逐次的に洗浄した。水を用いる後処理の後、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣を高真空下で16時間乾燥させて、標題化合物(79.25g)を淡褐色の泡状物質を得た。粗製生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製して、31.21g、HPLC純度99.6%(220nm)を得た。化学式:C
22H
27N
5O
8、算出値[M+Na]
+:512.18、実測値[M+Na]
+:512.04。
リンカーAの合成:保護されたリンカー(1.0当量、30.60mmol、15.06g)を、250mLの1つ口丸底フラスコに入れ、氷浴中で10分間予冷した。予冷したTFA(26当量、784mmol、60mL)を、磁気撹拌棒で撹拌しながら(250rpm)一度に添加した。混合物を、HPLC分析によって、保護されたリンカーの完全な消費が示されるまで、氷浴による冷却下で45分間さらに撹拌した。室温またはそれ超の温度におけるTFAの除去によって、リンカーAの二量体化が生じることが見出されたので、TFAを、低温(氷浴)において高真空下で除去した。TFAの除去を容易にするために、トルエンを添加溶剤として選択した。トルエン(30mL)を、反応溶液に0℃で添加し、次にTFA−トルエン混合物を、0℃で、(注意:1)高真空を注意深く制御し、2)溶液がトラップに急速に移動するのを回避するために、溶液は撹拌しない)高真空下で除去した。液体窒素で冷却した空の2つ口丸底フラスコ(500mL)を、縮合TFAおよびトルエンのための追加の冷却トラップとして使用した。TFAの除去中、混合物が時々発泡し、溶液の一部は、接続管の内側に溢れた。30分後、TFA−トルエン混合物のほとんどが除去され、油性残渣が得られた。TFAをさらに除去するために、別のトルエン30mLをフラスコに添加し、TFAを、前述の通り除去した。80分後、このプロセスを、さらなるトルエン20mLを添加した後に反復した。110分後、追加の冷却トラップを除去し、ワックス様の物質を高真空システムに直接接続した。3時間30分後、氷浴を除去し、油性残渣を、室温でさらに30分間乾燥させて、泡状物質を得た。泡状物質様の残渣を、N,N−ジメチルホルムアミド、DMF(30mL)に溶解させ、DMF溶液をジイソプロピルエーテル/メタノール混合物(45:5、1.5L)に室温で激しく撹拌しながら滴下添加することによって、生成物を沈殿させた。別のDMF2mLを使用して、反応フラスコをすすいだ。沈殿物を、フリットフィルタ(Por.4)を介して吸引によって濾過し、生成物(濾過ケーキ)を乾燥させずにジイソプロピルエーテル(3×200mL)で洗浄した。n−ペンタン200mLを用いる最終的な洗浄ステップの後、ケーキを吸引乾燥させた。黄色がかった固体を、フラスコに収集し、高真空下で18時間乾燥させた。生成物を−20℃で保存した。収量:10.94g(91.8%)。純度(3回の測定の平均):99.0%(220nm)、98.7%(247nm)。算出値[M+H]
+390.14、実測値[M+H]
+390.12。
【0263】
化合物15の合成
ゲムシタビン誘導体(C)(1.0当量、9.29mmol、4.55g)を、無水メタノール(68.9mL)に懸濁させ、その後無水DMSO(45.9mL)を添加し、澄んだ透明溶液を、室温で5分間撹拌した。この期間が経過した後、リンカー(A)(1.0当量、9.29mmol、3.62g)を、3回に分けて添加し、その後1.0当量のTFAを添加した。反応混合物は淡黄色に変化し、室温で撹拌した。HPLC(220nm)およびLC−MS分析によって確認される通り、反応が完了したら(4時間)、混合物を、冷却し(0℃)、新しく調製したtert−ブチルメチルエーテルおよびイソプロパノールの1:3混合物(600mL)に、激しく撹拌しながら2〜3分間かけて滴下添加した。撹拌を、0℃で10分間継続した(内部温度:5℃)。沈殿物を濾過し、冷却THFで4回洗浄し、新しいフリット漏斗に移し、冷却tert−ブチルメチルエーテル(1×100mL、4℃)でスラリー状にした。この最終的な非晶質沈殿物を、250mLの丸底フラスコに移し、高真空下で20時間乾燥させて、標題化合物15を薄い色の固体として得た(4.52g)。HPLC分析96.2%(220nm)、化学式:C
35H
35F
2N
8O
14P、算出値[M−H]
+859.19、実測値[M−H]
+859.40。
(実施例7)
【0264】
化合物16の調製
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
ドキソルビシン・HCl(138μmol)80mgおよびリンカーA(276μmol;2当量)139mgを、無水メタノール20mLに、激しく撹拌しながら室温で溶解させた。反応物を4時間撹拌した。イソプロパノールおよびジイソプロピルエーテルの2:1混合物105mLを用いて沈殿させ、反応物を終夜−20℃で保存した。赤色の沈殿物を遠心分離し(3200×g、10分)、廃棄し、上清を新しい容器に移した。上清を、ジイソプロピルエーテル150mLを用いて再び沈殿させ、終夜−20℃で保存した。赤色の沈殿物を遠心分離し、アセトニトリル8mLで2回洗浄し、イソプロパノール/ジイソプロピルエーテルの1:3混合物40mLで1回洗浄した。次に、得られた生成物を高真空下で乾燥させて、化合物16を赤色の固体として得た。収量:53.9mg(40%)。
【0265】
pH7.0および5.0における化合物16のHSAコンジュゲートの安定性
pH7における安定性(リン酸緩衝液4mM NaCl150mM):化合物16を、完全に還元されたHSA(ヒト血清アルブミン)の溶液に添加し、HPLCによってシステイン−34位への完全な結合を確認した。化合物16の得られたHSAコンジュゲートの200μM溶液を、37℃でインキュベートし、1時間ごとにHPLCを用いて分析した。1時間当たりわずか0.36%の遊離ドキソルビシンが放出された。
pH5における安定性(リン酸緩衝液4mM、塩化ナトリウム150mMおよび酢酸ナトリウム緩衝液50mM):化合物16のHSAコンジュゲートを、pH7で調製し(先を参照)、酢酸ナトリウム緩衝液(50mM)を添加して、pH値を5.0に調整した。pH5.0の、化合物16の得られたHSAコンジュゲートの200μM溶液を、37℃でインキュベートし、1時間ごとにHPLCを用いて分析した。ドキソルビシンの放出の半減期は、およそ9時間であった。
(実施例8)
【0266】
リンカーAに基づくビンブラスチンプロドラッグの合成
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
12’−ホルミルビンブラスチンを、WO2005/055939A2に公開の手順に従って、ビンブラスチンおよびヘキサメチレンテトラミンから調製した。12’−ホルミルビンブラスチン(320mg、336μmol)およびリンカーA(172.3mg、442.5μmol;1.31当量)を、50mLの反応管中、激しく撹拌しながら乾燥MeOH(32mL)に溶解させた。2時間後、ジイソプロピルエーテル(34mL)を添加することによって反応を終了させ、溶液を−20℃で2時間保存した。少量の不純物が沈殿し、それを遠心分離して分別し、廃棄した。上清に、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル混合物(20mL、50:50)を添加し、−20℃で16時間保存した。沈殿物を遠心分離し、CHCl
3/MeOH(90:10)1mLに溶解させ、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(50:50)20mLから再沈殿させ、遠心分離し、AcN/ジエチルエーテル(1:3)8mLで洗浄し、さらに遠心分離した。生成物を、CHCl
3/MeOH(99:1)5mLに溶解させ、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(50:50)20mLから再沈殿させ、遠心分離した。この洗浄ステップを、2回反復した。その後、生成物を高真空下で乾燥させて、白色の固体を得た。
収量:253mg(57%)、純度HPLC:90.1%(220nm)93.0%(310nm)
化学式:C
64H
75N
9O
15、算出値[M+H]
+:1210.55、実測値[M+H]
+:1210.42
(実施例9)
【0267】
リンカーBに基づくビンブラスチンプロドラッグの合成
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
12’−ホルミルビンブラスチンを、WO2005/055939A2に公開の手順に従って、ビンブラスチンおよびヘキサメチレンテトラミンから調製した。
12’−ホルミルビンブラスチン(300mg、315μmol)およびリンカーB(153mg、321μmol;1.02当量)を、乾燥MeOH(25mL)に溶解させ、RTで撹拌した。1時間後、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(23mL、50:50)を添加することによって反応を終了させ、溶液を−20℃で4時間保存した。少量の不純物が沈殿し、それを遠心分離して分別し、廃棄した。次に、上清にジイソプロピルエーテル(20mL)を添加し、−20℃で2時間保存した。
沈殿物を遠心分離し、CHCl
3/MeOH(99:1)1mLに溶解させ、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(50:50)20mLから再沈殿させ、遠心分離し、AcN/ジエチルエーテル(1:3)10mLで洗浄し、さらに遠心分離した。
生成物を、CHCl
3/MeOH(90:1)5mLに溶解させ、ジイソプロピルエーテル20mLから再沈殿させ、遠心分離し、高真空下で乾燥させて、白色の粉末を得た。
収量:251mg(63%)、純度HPLC:90.1%(220nm)94.0%(310nm)
化学式:C
64H
75FN
8O
12、算出値[M+H]
+:1183.55、実測値[M+H]
+:1183.45
【0268】
リンカーBの調製
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
4−アミノ−2−フルオロ安息香酸(8.1g、52.22mmol)、カルバジン酸tert−ブチル(8.28g、62.66mmol)およびN−メチルモルホリン(14.35ml、130.54mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)およびEtOAc7(5ml)中溶液に、1.67MのT3P(酢酸エチル中50%、40.65ml)を、漏斗を介して滴下添加した。混合物をRTで16時間撹拌した。水を添加し、有機層を飽和KHCO
3および水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗製生成物を、MTBE中で摩砕し、濾過し、真空中で乾燥させて、tert−ブチル2−(4−アミノ−2−フルオロベンゾイル)ヒドラジンカルボキシレート9.7g(69%)を白色の固体として得た。化学式:C
12H
16FN
3O
3、算出値[M−H]
+:268.11、実測値[M−H]
+:268.00
tert−ブチル2−(4−アミノ−2−フルオロベンゾイル)ヒドラジンカルボキシレート(9.68g、35.94mmol)、6−マレイミドヘキサン酸(6.6g、31.25mmol)およびN−メチルモルホリン(8.59ml、0.08mol)のテトラヒドロフラン(40ml)およびEtOAc(120ml)中溶液に、1.67MのT3P(酢酸エチル中50%、24.32ml)を添加し、混合物を60℃で48時間撹拌した。水およびEtOAcを添加し、有機層を、飽和KHCO
3、水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗製物を、クロマトグラフィーカラムによって、n−ヘキサン:EtOAc1:1〜1:2を溶離剤として使用して精製した。得られた固体を、MTBE中で摩砕して、N−Boc−O−フルオロリンカー7.5g(51.9%、純度>98%)を白色の固体として得た。化学式:C
22H
27FN
4O
6、算出値[M−H]
+:461.18、実測値[M−H]
+:461.00。
N−Boc−O−フルオロリンカー(7g、15.14mmol)のジクロロメタン(40ml)中懸濁液に、0℃でTFA(40.54ml、0.53mol)を添加した。混合物を、0℃で15分間、RTで15分間撹拌した。溶媒を、真空中で0℃において除去した。粗製生成物を、MTBE/DCM7:1中で摩砕した。固体を濾過し、真空中で乾燥させて、O−Fluorマレイミドリンカー6.5g(90.1%)を白色の固体として得た。純度HPLC96.8%(220nm)。化学式:C
17H
18FN
4O
4、算出値[M−H]
+:361.13、実測値[M−H]
+:361.10。
(実施例10)
【0269】
リンカーCの調製
本発明のリンカーは、以下に示される反応スキームに図示されている方法によって作り出すことができる。
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
fmoc−L−プロリン酸塩化物の合成:Fmoc−L−プロリン(250mg、0.74mmol)を、CH
2Cl
2(4mL)に溶解させた。塩化チオニル(800μL、10.36mmol)を添加し、希釈剤としてメタノールを用いてクエンチし、TLCによるメタノール付加物の形成(CH
2Cl
2:MeOH;9:1)を把握することによってモニタしながら、溶液を還流状態で3時間撹拌した。その後、反応物を真空中で乾燥させて、粗製物250mgを得、次にそれを、任意のさらなる精製なしにその後の反応で使用した。
tert−ブチル2−(2−ニトロ−4−(ピロリジン−2−カルボキシアミド)ベンゾイル)ヒドラジン−1−カルボキシレートの合成:tert−ブチル2−(4−アミノ−2−ニトロベンゾイル)ヒドラジン−1−カルボキシレート(104mg、0.35mmol)のTHF(2mL)中溶液に、(9H−フルオレン−9−イル)メチル(S)−2−(クロロカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレート(250mg、0.70mmol)をTHF(2mL)中溶液として添加し、その後、トリエチルアミン(49μL、0.35mmol)をTHF(200μL)中溶液として滴下添加した。12時間撹拌した後、TLC(CHCl
3/アセトン、7:3)は、出発材料の完全な変換を示した。反応混合物を濾過し、回転蒸発(rotoevaporation)によって真空中で乾燥させた。次に、得られた油状物を、Biotage FCCによって、メタノールおよびクロロホルム勾配を用いて精製して、薄い色の固体279mgを得た。
先の固体の無水CH
2Cl
2(2mL)中溶液に、DBU(10%、200μL)を添加し、混合物をRTで30分間撹拌した。出発材料が消費されるまで、反応をLC/MSによってモニタした。反応混合物を、回転蒸発によって真空中で乾燥させた。次に、得られた油状物を、Biotage FCCによって、メタノールおよびクロロホルム勾配を用いて精製して、標題化合物を褐色の固体として得た(63mg、収率46%、2ステップ)。化学式:C
17H
23N
5O
6、算出値[M+H]
+:394.17、実測値[M+NH]
+:394.14。
(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(スルホ)−D−アラニンの合成:L−システイン酸(500mg、2.95mmol)を、10%Na
2CO
3水溶液(17.5mL)および1,4−ジオキサン(7.5mL)の混合物に懸濁させ、氷浴中で冷却した。N−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミド(1.19g、3.54mmol)を、穏やかな加熱によって1,4−ジオキサン(12.5mL)に溶解させ、その溶液を、滴下漏斗を介して効率的な撹拌を伴って30分かけて添加した。反応混合物を終夜撹拌し、有機溶媒を真空中で除去した。懸濁液をH
2O(10mL)で希釈し、tert−ブチルメチルエーテル(2×10mL)で洗浄し、水相を濃HClでpH3.0の酸性にした。溶液を凍結乾燥させて、fmoc−システイン酸1.02gを吸湿性の白色の固体として得た。この固体を、さらなる精製なしに使用した。化学式:C
18H
17NO
7S、算出値[M−H]
+:390.06、実測値[M−H]
+=390.07。
(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−((S)−2−((4−(2−(tertブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸の合成:火炎乾燥したフラスコ中、fmoc−L−システイン酸(96mg、0.30mmol)を、無水DMSO:CH
2Cl
2:DMFの混合物(1:1:1、3mL)に溶解させた。HATU(114mg、0.30mmol)を添加し、その後HOAt(41mg、0.30mmol)を添加した。5分後、tert−ブチル(S)−2−(2−ニトロ−4−(ピロリジン−2−カルボキシアミド)ベンゾイル)ヒドラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.25mmol)の無水DMF(2mL)中溶液を添加し、その後NMM(55μL、0.50mmol)を滴下添加し、得られた溶液を室温で17時間撹拌した。順相フラッシュクロマトグラフィー(CHCl
3:メタノール勾配)によって、標題化合物(152mg、78%)を得た。化学式:C
35H
38N
6O
12S、算出値[M−CO
2tBu+H]
+:667.18、実測値[M−CO
2tBu+H]
+、667.11。
(R)−2−アミノ−3−((S)−2−((4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸の合成:(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−((S)−2−((4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸(152mg、0.198mmol)の無水CH
2Cl
2(2mL)中溶液に、DBU(10%、200μL)を0℃で添加し、混合物をrtで30分間撹拌した。LC−MS(MeCN中試料)クロマトグラムは、出発材料の完全な変換を示した。有機溶媒を真空下で蒸発させて、油性残渣を得た。この残渣のフラッシュによる精製によって(CHCl
3/メタノール勾配;2〜95%)、標題化合物を褐色の固体として得た(80.4mg、収率75%)。化学式:C
20H
28N
6O
10S、算出値[M+Na]
+567.15、実測値[M+Na]
+567.19。
(R)−3−((S)−2−((4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸の合成:(R)−2−アミノ−3−((S)−2−((4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸(80.4mg、0.14mmol)のTHF(2mL)中溶液に、6−マレイミドカプロン酸塩化物(41.0mg、0.14mmol)をTHF(1mL)中溶液として一度に添加した。rtで5分間撹拌した後、トリエチルアミン(24μL、0.14mmol)のTHF(200μL)中溶液を、10分かけて滴下添加した。褐色の溶液を、rtでさらに3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空下で乾燥させて、褐色の油性残渣を得た。この残渣のフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって(CHCl
3/MeOH勾配、100:0〜2:98)、標題化合物を得た(71mg、65%)。化学式:C
30H
39N
7O
13S、算出値[M−CO
2tBu+H]
+:638.18、実測値[M−CO
2tBu+H]
+:638,02。
(R)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−((S)−2−((4−(ヒドラジンカルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸:氷冷し撹拌した(R)−3−((S)−2−((4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸(71mg、0.09mmol)のCH
2Cl
2(1mL)中溶液に、TFA(293μL、3.83mmol)を添加した。LC−MSが出発材料の消費を示すまで、反応混合物を2時間撹拌した。所望の生成物を、溶媒の蒸発によって反応混合物から得て、さらなる精製なしに使用した。褐色の固体(91mg、微量のTFA)。C
25H
31N
7O
11SのLRMS(ESI)、算出値[M+H]
+:637.18、実測値[M+H]
+:638.07(M+H)。純度:96%(HPLC、220nm)。
(実施例11)
【0270】
ゲムシタビンヒドラジン:(R)−3−((R)−2−((4−(2−((Z)−1−(4−((1−((2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)エチリデン)ヒドラジン−1−カルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸の合成。
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
4−アセチル−N−(1−((2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ベンズアミド(3mg、0.071mmol)およびR)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−((S)−2−((4−(ヒドラジンカルボニル)−3−ニトロフェニル)カルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3−オキソプロパン−1−スルホン酸(5mg、0.078mmol)のメタノール(250μL)中撹拌懸濁液に、TFA(9μL、0.117mmol)を添加した。反応混合物を3日間撹拌し、LC−MSによってモニタした。この時間が経過した後、薄い色の溶液を真空中で濃縮した。順相フラッシュクロマトグラフィー(CHCl3:メタノール勾配)によって、標題化合物(5.6mg、74%)を得た。化学式:C
43H
46F
2N
10O
16S、算出値[M+H]
+:1028.27、実測値[M+H]
+:1029.05。
(実施例12)
【0271】
ネモルビシンヒドラゾンの合成
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
ネモルビシン(3mg、4.7μmol、1当量)を、乾燥MeOH(750μL)に溶解させ、2mLの反応管中、リンカーC(10.5mg、14.0μmol、3当量)に添加した。TFA(1.1μL、2当量)を添加し、反応混合物を終夜撹拌した。反応中、沈殿を観測することができた。16時間後、MeOH(800μL)を添加し、反応混合物を遠心分離した(20000×g、2分)。上清を、2つの新しい2mLの反応管に分けて入れ、それぞれジイソプロピルエーテル1mLを用いてさらに沈殿させた。第2の沈殿物を遠心分離によって分別し、乾燥させ、分析した。
純度:89%(220nm)80%(495nm)
化学式:C
57H
66N
8O
23
S、算出値[M−H]
+:1261.39、実測値[M−H]
+:1261.60
(実施例13)
【0272】
N−(4−アセチルベンゾイル)−MMAE(化合物17)の合成
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
4−アセチル安息香酸(334μmol、2当量)54.9mg、HATU(334μmol、2当量)127mgおよびHOAt(334μmol、2当量)45.6mgを、無水DMF5mLに溶解させ、NMM(2当量)36.7μLを添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。その後、MMAE(167μmol、1当量)120mgおよびNMM(334μmol、2当量)36.7μLの無水DMF5mL中溶液を添加し、撹拌を室温で72時間継続した。反応混合物を、クロロホルム40mLで希釈し、5%HCl溶液10mLで2回洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム溶液10mLで3回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣を、CHCl
32mLに溶解させ、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した(溶媒A:CHCl
3、溶媒B:MeOH、36mL/分、カラム体積(CV)=19mL、勾配:2CV(0%B)、4CV(0〜3%B)、2.4CV(3%B)、2CV(3〜5%B)、3CV(5%B)、1.5CV(5〜9%B)、ZIP(登録商標)Sphere 10g、Biotage(登録商標)Isolera(商標)One)。真空中で乾燥させた後、化合物17(115mg、80%)を無色の泡状物質として得た。HPLC純度:97.5%(220nm)。
【0273】
マレイミドリンカーAを用いるN−(4−アセチルベンゾイル)−MMAEのヒドラゾン(化合物18)の合成
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
化合物17(23.3μmol、1当量)20.6mgのメタノール3mL中溶液に、50mLの反応管中、マレイミドリンカーA(46.6μmol、2当量)23.5mgを添加した。その後、TFA(46.6μmol、2当量)3.7μLを、わずかに濁った反応混合物に添加すると、溶液はすぐに透明になった。室温で4時間撹拌した後、n−ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(1:1)4mLを添加し、その後n−ヘキサン16mLを添加した。形成された沈殿物を遠心分離し(3,220×g、10分)、クロロホルム/メタノール(1:1)1mLに溶解させ、フラッシュクロマトグラフィーを反復して使用して精製した(1.クロマトグラフィー:溶媒A:CHCl
3、溶媒B:MeOH、32mL/分、カラム体積(CV)=19mL、勾配:1CV(1〜5%B)、2CV(5%B)、3CV(5〜8%B)、4CV(8%B)、1CV(8〜9%B)、6CV(9%B)、ZIP(登録商標)Sphere 10g、Biotage(登録商標)Isolera(商標)One、2.クロマトグラフィー:溶媒A:水、溶媒B:アセトニトリル、12mL/分、カラム体積(CV)=21mL、勾配:1CV(10%B)、4CV(10〜50%B)、3CV(50%B)、6CV(50〜80%B)SNAP(登録商標)Ultra C18 12g、Biotage(登録商標)Isolera(商標)One)。真空中で乾燥させた後、化合物18(17.0mg、58%)を無色の粉末として得た。HPLC純度:99.1%(220nm)。
【0274】
トラスツズマブを用いる化合物18のコンジュゲート(化合物19)の合成
市販のトラスツズマブ(Herceptin(登録商標)、Roche)を、WFIで再構成し、pHを、0.5MのTris緩衝液、25mMのEDTA(バッチ体積の4%)でpH8に調整した。mAb溶液を、10mMのPBS、pH7.4で10mg/mlに希釈した。次に、2.25当量のTCEP(tris−(2−カルボキシエチル)ホスフィン)を添加し、混合物を20℃で90分間インキュベートした。その後、混合物のNMA(N,N−ジメチルアセトアミド)含量を5%に調整し、5.5当量の化合物18を添加した。混合物を、20℃で60分間インキュベートした。次に、11当量のNAC(N−アセチルシステイン)を添加することによって、反応をクエンチした。非結合薬物の除去および10mMのPBS、pH7.4への緩衝液の変換を、タンジェンシャルフロー濾過(10ダイアフィルトレーション体積(dia-volume))によって達成した。溶液を濃縮し、タンパク質濃度を決定した。次に、溶液を、10mMのPBS、pH7.4を用いて7.2mg/mLに希釈した。得られたトラスツズマブコンジュゲート(化合物19)は、HICによって決定してDAR4.0を有しており(TOSOH Bioscience、ブチル−NPR 4.6mm ID×3.5cm、2.5μm;移動相A:精製水中3M硫酸アンモニウム、25mMリン酸ナトリウム一塩基性一水和物、pH6.95;移動相B:精製水中25%のイソプロパノールおよび75%の25mMリン酸ナトリウム一塩基性一水和物、pH6.95;流速:0.8mL分
−1、25℃で18分間、系統的勾配を使用)、HPLCによって決定して、0.41%の非結合化合物18を有していた(Waters Xterra MS、C18、3.5μM、2.1×100mm、勾配:移動相A:20mM酢酸アンモニウム、pH7.0±0.1、移動相B:アセトニトリル、勾配:0分:70%A、20分:30%A、25分:10%A、25.1分:70%A、35分:70%A)。
【0275】
pH4.0およびpH7.4における緩衝溶液中化合物19の安定性および放出動態
安定性および放出動態を研究するために、コンジュゲート化合物19を、緩衝溶液中37℃でインキュベートした。したがって、一定分量3mLの化合物19のリン酸緩衝液(10mMのPBS中7.2mg/mL)を、0.5M酢酸を使用してpH4.0の酸性にし、未処理の一定分量3mL(pH7.4)と一緒に37℃の加熱ブロックに入れた。適切な間隔を経た後、両方のpHにおける試料(一定分量50μL)を取り出し、分析まで−20℃で保存した。分析の前に、試料を冷凍庫から取り出し、5MのNaCl7μLならびに冷やしたメタノール93μLを添加した。次に、試料を−20℃で30分間保存し、4℃および200rpmで60分間遠心分離した。その後、上清75μLを精製水75μLで希釈し、混合物をボルテックスし、HPLCを使用して分析した(Waters Xterra MS、C18、3.5μM、2.1×100mm、勾配:移動相A:20mM酢酸アンモニウム、pH7.0±0.1、移動相B:アセトニトリル、勾配:0分:70%A、20分:30%A、25分:10%A、25.1分:70%A、35分:70%A)。化合物17の標準曲線を、2.00μM、1.00μM、0.50μM、0.30μM、0.20μM、0.10μM、0.05μMおよび0.01μMで調製した。214nmにおけるUV定量化のために、2.00〜0.05μMの範囲を使用した。化合物17は、唯一の放出生成物であることが見出された。24時間後、2.7%の化合物17が、pH7.4でADCから放出され、一方で39.6%の遊離化合物17が、pH4.0で観測された。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式(I)の構造を有する化合物
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、または
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
および
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−NH−C(O)−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−C(O)−NH−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R1は、存在しないか、もしくは任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−NH−C(O)R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−C(O)−NH−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
またはR1は、天然に生じるもしくは天然に生じないアミノ酸であり、
またはR1は、次式
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
を有しており、
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
Rは、
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
(M1=Mg2+、2Na+、2K+、2H+、2NH4+)、または
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
(M2=Na+、K+、H+、NH4+)であり、
R2は、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、−H、電子求引基、および/または水溶性基であり、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、抗体またはその断片、およびその誘導体化断片の誘導体化抗体からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
(項目2)
式(I)の構造を有する化合物
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
薬剤は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、サイトカイン、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、消炎薬、抗生物質、鎮痛薬、ウイルス静止剤、抗炎症剤、抗真菌剤、転写因子阻害剤、細胞周期モジュレーター、MDRモジュレーター、プロテアソームまたはプロテアーゼ阻害剤、アポトーシスモジュレーター、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ホルモンまたはホルモン誘導体、抗体またはその断片、治療上または診断上活性なペプチド、放射性物質、発光物質、光吸収物質、および前述のいずれかの誘導体からなる群から選択され、
スペーサーは、存在しないか、
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
nは、0または1であり、
Xは、任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−NH−C(O)−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−C(O)−NH−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール;任意選択で置換されているヘテロアリール;および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R5は、任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
Yは、存在しないか、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−C(O)−O−、および−O−C(O)−からなる群から選択され、
R1は、存在しないか、または任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−NH−C(O)R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−C(O)−NH−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる)からなる群から選択され、
R2は、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、−Hおよび電子求引基からなる群から選択され、
PBGは、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基;および抗体またはその断片からなる群から選択されるタンパク質結合基であり、
スペーサーが存在しない場合、薬剤は、スペーサーに隣接する窒素に二重結合によって連結しており、
Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つは、電子求引基である]。
(項目3)
式(II)の構造を有する、項目1または2に記載の化合物
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、薬剤、PBG、Y、R1、Z1、Z2、Z3およびZ4は、項目1または2に記載されている通りである]。
(項目4)
式(III)の構造を有する、項目1または2に記載の化合物
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、薬剤、スペーサー、Z2、Z3、Z4、Y、R1およびPBGは、項目1または2に記載されている通りであり、
Z1は、電子求引基である]。
(項目5)
式(IV)の構造を有する、項目1または2に記載の化合物
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、薬剤、PBG、Y、R1、Z2、Z3およびZ4は、項目1または2に記載されている通りであり、
Z1は、電子求引基である]。
(項目6)
式(V)の構造を有する、項目1または2に記載の化合物
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、薬剤、n、X、R1、R2、Z1、Z2、Z3、Z4、Y、R1、およびPBGは、項目1または2に記載されている通りである]。
(項目7)
式(VI)の構造を有する、項目6に記載の化合物
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
X3およびX4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
R’は、−R3または−CH2R3であり、
R3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH3、−OP(O)(OH)2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、前記塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z1、Z2、Z3、Z4、Y、R1、R2およびPBGは、項目6に記載されている通りである]。
(項目8)
式(VI)の構造を有する、項目6に記載の化合物
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有するピリミジン基またはプリン基であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
X3およびX4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
R3は、−H、−OH、−OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、前記塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Z1、Z2、Z3、Z4、Y、R1、R2およびPBGは、項目6に記載されている通りである]。
(項目9)
式(VII)の構造を有する、項目7または8に記載の化合物
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、R’は、−R3または−CH2R3であり、X、X1、X2、X3、X4、n、Y、R1、R2、R3、Z1、Z2、Z3、Z4およびPBGは、項目7または8に記載されている通りである]。
(項目10)
式(VII)の構造を有する、項目7または8に記載の化合物
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、X、X1、X2、X3、X4、n、Y、R1、R2、R3、Z1、Z2、Z3、Z4およびPBGは、項目7または8に記載されている通りである]。
(項目11)
式(VIII)の構造を有する、項目6に記載の化合物
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、薬剤、X、n、R2、PBG、Y、R1、Z2、Z3およびZ4は、項目6に記載されている通りであり、
Z1は、電子求引基である]。
(項目12)
式(IX)の構造を有する、項目11に記載の化合物
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有し、任意選択でハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基を含有する、ピリミジン基またはプリン基であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
X3およびX4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
R’は、−R3または−CH2R3であり、
R3は、出現するごとに独立に、−OH、−CH3、−OP(O)(OH)2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、アミノ酸、アシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、前記塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、R1、R2およびPBGは、項目11に記載されている通りである]。
(項目13)
式(IX)の構造を有する、項目11に記載の化合物
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、
Mは、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を含有するピリミジン基またはプリン基であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
X3およびX4は、それぞれ独立に、原子価が可能な限り、存在しないか、または−H、−OH、C1〜C6アルキル、ハロゲン、および−N3からなる群から選択され、
R3は、−H、−OH、−OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、アミノ酸またはアシル基、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、前記塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ性金属イオン、アンモニウム、またはアルキル置換アンモニウムイオンを含有し、
X、n、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、R1、R2およびPBGは、項目11に記載されている通りである]。
(項目14)
式(X)の構造を有する、項目12または13に記載の化合物
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、R’は、−R3または−CH2R3であり、X1、X2、X3、X4、R3、X、n、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、R1およびR2は、項目12または13に記載されている通りである]。
(項目15)
式(X)の構造を有する、項目12または13に記載の化合物
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、X1、X2、X3、X4、R3、X、n、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、R1およびR2は、項目12または13に記載されている通りである]。
(項目16)
薬剤が、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、7−アセチルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−アセチルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、10−ホルミルカンプトテシン、10−アセチルカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシン、メイタンシノール;アウリスタチン(アウリスタチンD、アウリスタチンE、アウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンD、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF、モノメチルアウリスタチンFメチルエステル、アウリスタチンPYE アウリスタチンPHE、関連の天然産物ドラスタチン10、およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);アマトキシン(α−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン、ε−アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、およびアマヌリン酸ならびにその誘導体が含まれるが、これらに限定されない);デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC、デュオカルマイシンSA、CC1065、アドゼレシン、ビゼレシン、カルゼレシン;エリブリン;トラベクテジン;ピロロベンゾジアゼピン、アントラマイシン、トメイマイシン、シビロマイシン、DC−81、DSB−120;エポチロン;ブレオマイシン;ダクチノマイシン;プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
薬剤が、N−ニトロソ尿素;ドキソルビシン、2−ピロールピロリノアントラサイクリン、モルホリノアントラサイクリン、ジアセトキシアルキルアントラサイクリン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、PNU−159682、ミトキサントロン;アメタントロン;クロラムブシル、ベンダムスチン、メルファラン、オキサザホスホリン;5−フルオロウラシル、2’−デオキシ−5−フルオリジン、シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、4−アミノ−1−(((2S,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5−フルオロピリミジン−2(1H)−オン、チオグアニン;メトトレキセート、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、プレビトレキセド;パクリタキセル、ドセタキセル;トポテカン、イリノテカン、SN−38、10−ヒドロキシカンプトテシン、GG211、ルルトテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトテシン、7−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミルカンプトテシン、9−ホルミル−10−ヒドロキシカンプトテシン、7−ブチル−10−アミノカンプトテシン、7−ブチル−9−アミノ−10,11,−メチレンジオキソカンプトテシン;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン;カリケアマイシン;メイタンシノイド;アウリスタチン;エポチロン;ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンCおよびcis配置白金(II)錯体;または前述のいずれかの誘導体からなる群から選択される、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
Z1、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、および−CNからなる群から選択され、Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つが、−Hではない、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物。
(項目19)
Z1、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択される、項目18に記載の化合物。
(項目20)
Z1、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO2、および−CF3からなる群から選択される、項目19に記載の化合物。
(項目21)
Z1、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、−P(O)(OH)2、−SO3H、およびその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物。
(項目22)
Z1が、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、および−CNからなる群から選択され、
Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、または−CNから選択される、
項目1から18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目23)
Z1が、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択され、
Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択される、
項目22に記載の化合物。
(項目24)
Z1が、−Cl、−F、および−NO2からなる群から選択され、
Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO2、および−CF3からなる群から選択される、
項目23に記載の化合物。
(項目25)
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
が、
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目26)
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
が、
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目27)
Yが、−C(O)−NH−である、項目1から26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目28)
Yが、−C(O)−O−である、項目1から26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目29)
Yが存在しない、項目1から26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目30)
R1が、任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−NH−C(O)−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);および任意選択で置換されているC1〜C18アルキル−C(O)−NH−R5−(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる)からなる群から選択される、
項目1から29のいずれか一項に記載の化合物。
(項目31)
R1が、
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である、項目30に記載の化合物。
(項目32)
R1が存在しない、項目1から29のいずれか一項に記載の化合物。
(項目33)
R1が、天然に生じるまたは天然に生じないアミノ酸である、項目1および3から29のいずれか一項に記載の化合物。
(項目34)
R1が、
【化167】
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であり、
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
は存在しないか、または
【化169】
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からなる群から選択され、
Rは、
【化170】
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(M1=Mg2+、2Na+、2K+、2H+、2NH4+)、または
【化171】
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(M2=Na+、K+、H+、NH4+)である、
項目1および3から29のいずれか一項に記載の化合物。
(項目35)
前記PBGが、任意選択で置換されているマレイミド基、任意選択で置換されているハロアセトアミド基、任意選択で置換されているハロアセテート基、任意選択で置換されているピリジルチオ基、任意選択で置換されているイソチオシアネート基、任意選択で置換されているビニルカルボニル基、任意選択で置換されているアジリジン基、任意選択で置換されているジスルフィド基、任意選択で置換されているアセチレン基、および任意選択で置換されているN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基からなる群から選択されるタンパク質結合基である、項目1から34のいずれか一項に記載の化合物。
(項目36)
前記PBGが、抗体またはその断片と会合している、項目35に記載の化合物。
(項目37)
前記PBGが、抗体またはその断片と共有結合している、項目35に記載の化合物。
(項目38)
前記PBGが、アルブミンと会合している、項目35に記載の化合物。
(項目39)
前記PBGが、内因性または外因性アルブミンと共有結合している、項目35に記載の化合物。
(項目40)
前記PGBが、内因性または外因性アルブミンのシステイン−34と共有結合している、項目35に記載の化合物。
(項目41)
PBGが、任意選択で置換されているマレイミド基である、項目1から35、37、39および40のいずれか一項に記載の化合物。
(項目42)
PBGが、
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
である、項目1から35、37、39、40、および41のいずれか一項に記載の化合物。
(項目43)
【化173】
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が、
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、項目1から42のいずれか一項に記載の化合物。
(項目44)
スペーサーが、
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
nが、0または1であり、
Xが、任意選択で置換されているC1〜C18アルキル(前記C1〜C18アルキルの任意選択で6個までの炭素原子は、それぞれ独立に、−OCH2CH2−で置き換えられる);任意選択で置換されているアリール、任意選択で置換されているヘテロアリール、および任意選択で置換されているシクロアルキルからなる群から選択され、
R2が、項目1または2に記載されている通りである、
項目1、2、4または16〜43のいずれか一項に記載の化合物。
(項目45)
スペーサーが、
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
R2が、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、W1、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、および−CNからなる群から選択される、
項目1、2、4または16〜44のいずれか一項に記載の化合物。
(項目46)
W1、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択される、項目45に記載の化合物。
(項目47)
W1、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO2、および−CF3からなる群から選択される、項目46に記載の化合物。
(項目48)
スペーサーが、
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
R2が、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、または任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、W1、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、フェノキシ基、第一級、第二級または第三級アミン基、エーテル基、フェノール基、アミド基、エステル基、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、およびビニル基から選択される、
項目1、2、4または16〜44のいずれか一項に記載の化合物。
(項目49)
スペーサーが、
【化180】
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であり、
R2が、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、または任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、W1、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−OP(O)(OH)2、−P(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)2、−OP(O)(OH)(NH2)、−P(O)(OH)2、−SO3H、およびその薬学的に許容される塩から選択される、
項目1、2、4または16〜44のいずれか一項に記載の化合物。
(項目50)
スペーサーが、
【化181】
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であり、
R2が、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
W1が、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、および−CNからなる群から選択され、
W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−H、ハロゲン、−C(O)OH、−C(O)O−C1〜C6アルキル、−NO2、ハロアルキル、−S(O)2−C1〜C6アルキル、および−CNからなる群から選択される、
項目1、2、4または16〜44のいずれか一項に記載の化合物。
(項目51)
W1が、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択され、W2、W3およびW4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−Br、−I、−F、−C(O)OH、−NO2、−CF3、および−CNからなる群から選択される、項目50に記載の化合物。
(項目52)
W1が、−Cl、−F、および−NO2からなる群から選択され、Z2、Z3およびZ4が、それぞれ独立に、−H、−Cl、−F、−NO2、および−CF3からなる群から選択される、項目51に記載の化合物。
(項目53)
スペーサーが、
【化182】
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であり、
R2が、−H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているアリール、および任意選択で置換されているヘテロアリールからなる群から選択される、
項目44に記載の化合物。
(項目54)
スペーサーが、
【化183】
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である、項目53に記載の化合物。
(項目55)
スペーサーが、
【化184】
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であり、mが、1、2、3、4、5、または6である、項目44に記載の化合物。
(項目56)
スペーサーが、
【化185】
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である、項目55に記載の化合物。
(項目57)
X1、X2、X3、およびX4が、それぞれ独立に、−H、−OH、−CH3、−F、−Cl、−Br、−I、および−N3からなる群から選択される、項目7から10および12から56のいずれか一項に記載の化合物。
(項目58)
【化186】
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【化187】
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から選択される、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体
[式中、SG=
【化188】
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であり、
【化189】
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は存在しないか、または
【化190】
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からなる群から選択され、
Rは、
【化191】
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(M1=Mg2+、2Na+、2K+、2H+、2NH4+、Na+、K+、NH4+および/またはH+)、または
【化192】
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(M2=Na+、K+、H+、および/またはNH4+)
である]。
(項目59)
【化193】
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【化194】
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【化195】
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【化196】
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【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【化198】
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【化199】
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から選択される、項目1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体。
(項目60)
【化200】
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から選択される、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体。
(項目61)
【化201】
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から選択される、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体。
(項目62)
項目1から61のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
(項目63)
がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の項目1から61のいずれかに記載の化合物または項目62に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(項目64)
医薬として使用するための、項目1から61のいずれか一項に記載の化合物。
(項目65)
がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の処置に使用するための、項目1から61のいずれか一項に記載の化合物。
(項目66)
がん、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症性疾患、および細菌、真菌または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の処置のための医薬の調製における、項目1から61のいずれか一項に記載の化合物または項目62に記載の組成物の使用。