特許第6948807号(P6948807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6948807超合金の強制的な溶接割れおよびろう付け修復
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948807
(24)【登録日】2021年9月24日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】超合金の強制的な溶接割れおよびろう付け修復
(51)【国際特許分類】
   B23K 31/00 20060101AFI20210930BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20210930BHJP
   F02C 7/00 20060101ALN20210930BHJP
   C22C 19/03 20060101ALN20210930BHJP
   F01D 25/00 20060101ALN20210930BHJP
   F01D 5/28 20060101ALN20210930BHJP
【FI】
   B23K31/00 D
   B23K1/00 330P
   !F02C7/00 D
   !C22C19/03 H
   !F01D25/00 X
   !F01D5/28
   !F02C7/00 C
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-44483(P2017-44483)
(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-200705(P2017-200705A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】15/070,324
(32)【優先日】2016年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・ジェームス・ウィムス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・クリストファー・ランベルト
(72)【発明者】
【氏名】セム・ムラト・エミノグル
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・チャールズ・シューバート
(72)【発明者】
【氏名】ピョートル・アルチュール・クリムチュク
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ガイク
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−283405(JP,A)
【文献】 特開2011−131276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 31/00
B23K 1/00
F02C 7/00
C22C 19/03
F01D 25/00
F01D 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超合金物品(100)内の酸化欠陥(110)を修復する方法(200)であって、当該方法が、
前記超合金物品(100)の除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップと、
融接によ溶接(116)で前記除去部分(112)の一部を充填するステップと、
前記溶接(116)を割るステップと、
割れた溶接(118)及び前記除去部分(112)の残りの部分(114)をろう付け材料(120)で充填するステップと
を含み、前記溶接部(116)を割るステップが、前記溶接部に割れを引き起こすのに十分な速度で前記溶接部(116)の温度を低下させることを含んでおり、前記溶接部(116)を割るステップが、前記溶接部(116)を急冷することを含む、方法。
【請求項2】
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップ、真空炉除去を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記真空炉除去、フッ化物イオン除去を含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップ、機械除去を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップ、化学除去を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記溶接(116)で前記除去部分(112)の一部を充填するステップ、前記超合金物品(100)と同一の溶接材料で前記一を充填するステップを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
超合金物品(100)内の酸化欠陥(110)を修復する方法(200)であって、当該方法が、
前記超合金物品(100)の除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップと、
融接による溶接部(116)で前記除去部分(112)の一部を充填するステップと、
前記溶接部(116)を割るステップと、
割れた溶接部(118)及び前記除去部分(112)の残りの部分(114)をろう付け材料(120)で充填するステップと
を含み、前記溶接(116)を割るステップ誘導加熱によって前記溶接(116)を形成しつつ熱を入力するステップを含む、方法。
【請求項8】
前記溶接(116)を前記ろう付け材料(120)で覆うステップをさらに含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記ろう付け充填溶接(116、120)を加熱処理するステップをさらに含む、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
融接、ミグ(MIG)溶接又はガスタングステンアーク溶接(GTAW)又はタングステン不活性ガス(TIG)溶接を含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記超合金物品(100)、Al及びTiを含有するNi系超合金である、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記Ni系超合金、約3%超のAlと約6%未満のTiとを含有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、高温性能合金、例えば、超合金の修復に関する。
【背景技術】
【0002】
金属および合金の部品は、適用疲労の結果として様々な消耗の事象を受け得る。例えば、割れ、摩滅、腐食、または様々な他の作用が、元の基板材料の分離または消耗を引き起こし得る。消耗した部品を修復するために、充填材を加えて(例えば、溶接またはろう付けして)割れに充填し、摩滅にパッチを与え、または他の方法で失われて腐食したもしくは動作中に欠陥となった材料を交換する。修復した部品にわたってしっかりと均一な機械的特性を与えるために、基板材料と同じまたはほぼ同じである充填材を使用することができる。
【0003】
しかしながら、高温性能合金(ガスタービン部の高温ガス経路構成部品に使用されるニッケル系超合金およびコバルト系超合金など)は、高い融点温度を有し、これはそれらが元の基板材料に施され得る前にかなりのエネルギー印加を必要とする。結果として、そのような充填材を溶融するために使用される溶接装置が生じる大量の熱によって近くの基板材料に影響を及ぼす可能性もある。例えば、熱は、元の基板材料の微細構造へのスランピング、溶融、または他の変化を引き起こし得る。これらの基板材料の変化は、元の構成部品の強度、靱性、および/または他の物理的特性を低下させ得る。代替として、低い融点温度を有する他の充填材が使用されてもよいが、それらは、高温で性能を低下させ、および/または元の基板材料の機械的特性とは次第に異なる機械的特性を有し得る。さらに、充填材は、割れたり、修復の有効性を低下させたりする可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7780059号明細書
【発明の概要】
【0005】
一例によれば、超合金物品内の酸化欠陥を修復する方法は、超合金物品の除去部分を形成するように酸化欠陥のほぼ全部を取り除くステップと、融接によ溶接部(本明細書では単に「溶接」ともいう。)で除去部分の一部を充填するステップと、溶接を割るステップと、割れた溶接および除去部分の残りの部分をろう付け材料で充填するステップとを含む。
【0006】
別の例によれば、AlおよびTiを含有するNi系超合金物品内の酸化欠陥を修復する方法は、超合金物品の除去部分を形成するように酸化欠陥のほぼ全部を取り除くステップであって、真空炉除去、機械除去、および/または化学除去を含む酸化欠陥のほぼ全部を取り除くステップと、融接によって溶接で除去部分の一部を充填するステップと、溶接を形成しつつ熱を入力することによって、または溶接の温度を低下させることによって、または溶接を拘束することによって溶接を割るステップと、ろう付け材料で割れた溶接および除去部分の残りの部分を充填するステップと、溶接をろう付け材料で覆うステップと、ろう付け充填されおよび覆われた溶接を熱処理するステップとを含む。
【0007】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読んだときにより良く理解されよう。ここで、同じ符号は、図面全体を通じて同じ部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】欠陥を含む超合金物品の概略図である。
図2】本開示による修復の中間ステージにおける図1の物品の概略図である。
図3】最終修復ステージにおける図1の物品の概略図である。
図4】本開示による修復方法の概略図である。
図5】本開示による修復可能である様々な超合金を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特段指示がない限り、本明細書中に与えられた図面は、本開示の特徴を例示することが意図されている。これらの特徴は、本開示の1つまたは複数の例を含む多種多様な方法において適用可能であると考えらえる。したがって、図面は、本明細書中に開示された実施形態を実施するために必要とされる当業者によって知られている全ての従来の特徴を含むことは意図されていない。
【0010】
図1を参照すると、超合金で形成された物品100は、取り除かれるべき欠陥110、例えば、割れまたは他の欠陥のあるもしくは望ましくない材料を有し得る。物品100は、ガスタービン構成部品であり得る。超合金は、ニッケル系超合金、または鉄系超合金、またはコバルト系超合金であり得る。欠陥110は、ガスタービン中で物品または構成部品を運転することによって酸化され得る。破線で示された酸化欠陥110を囲む物品100の一部は、物品100を修復するための準備において除去のために特定される。
【0011】
図2を参照すると、欠陥ならびに欠陥を囲む部分は、物品100の除去部分112を与えるために除去プロセスによって取り除かれる。溶接116は、除去部分112内および除去部分112の外側に与えられる。除去部分112の一部114は、溶接で充填されていない。次いで、割れ118が、溶接116に形成される。図3を参照すると、ろう付け材料120が、溶接116の上に、溶接116内の割れ118を通じて、および物品100の除去部分112の未充填部分114の中に与えられる。
【0012】
図4を参照すると、超合金で形成された物品中の欠陥を修復する方法200は、物品から酸化欠陥を取り除き(すなわち、欠陥を含む物品の一部および欠陥を囲む物品の酸化部分を取り除き)、充填材を取り除かれた部分の中に溶接することによって物品を修復することを含む(210)。次いで、溶接分は割られ(220)、ろう付けを施し、熱処理サイクルを実行して溶接割れを閉鎖する(230)。
【0013】
図1図3を再び参照すると、酸化欠陥110は、機械プロセス、化学プロセス、または機械プロセスと化学プロセスの組み合わせによって除去することができる。酸化欠陥110は、真空炉除去によって除去することもできる。TiおよびAlを含有する超合金で形成されている物品100については、フッ化物イオン除去を使用することができる。例えば、鉄系超合金、ニッケル系超合金、およびコバルト系超合金に対して、水素除去が使用されてもよい。機械除去は、物品100を研磨して酸化欠陥を取り除くことを含むことができる。化学除去は、エッチングを含むことができる。
【0014】
溶接116は、物品100の材料と同じである材料、または物品100の材料と類似する材料で構成することができる。溶接116は、形成中または形成後に割れる場合がある。溶接は、融接によって形成することができる。本明細書中に使用されるとき、用語「融接」は、同様の成分および融点の材料を接合するように溶融することに頼る溶接プロセスを指すが、拡散接着プロセスを含まない。使用できる融接プロセスは、アーク溶接、酸素燃焼溶接、電気抵抗溶接、レーザビーム溶接、電子ビーム溶接、テルミット溶接、およびプラズマ溶接、ならびに定電流、定電圧、および高エネルギービーム溶接プロセスを含む。ミグ(MIG)溶接、例えば、Portage、INのFronius Internationalのコールド金属転写またはコールド金属転写印刷技術、またはガスタングステンアーク溶接(GTAW)、例えば、Runnemede、NJのTIP TIG USAのタングステン不活性ガス(TIG)溶接技術が、使用され得る。図2に示されるように、物品100の除去部分112は溶接されるが、例えば毛管現象によりろう付け材料120によって溶接割れ118を充填することを可能にする未充填部分114を含む。未充填部分114は、溶接116を割るのを容易にもする。ろう付け材料120は、任意の拡散ろう付け合金とすることができる。ろう付け材料120は、高融点材料と低融点材料の組み合わせであってもよい。
【0015】
溶接割れ118は、溶接中の熱入力によって(例えば、誘導を通じて)、または極端な温度の低下(例えば、急冷)によって、または溶接の拘束によって形成することができる。溶接割れ118は、任意の溶接環境、例えば、例えばアルゴン(Ar)豊富環境で形成することができる。溶接割れ118は、従来技術に使用されるようなクロムハロゲン化合物環境内で形成されることを必要としない。除去部分112を形成するために使用されるプロセスが物品100内の欠陥110の酸化のほぼ全部を取り除くので、もたらされる溶接割れ118は、エンジンの動作によって引き起こされる酸化腐食とは本質的に無関係である。したがって、溶接割れ118の表面は、表面張力が低く、ろう付け材料120が液化するときに毛細現象によってろう付け材料120の浸透を促進する。
【0016】
ろう付け溶接は、溶接割れ118の中へのろう付け材料120の充填を促進し溶接116からの残留応力を取り除くために熱処理することができる。熱処理は、溶接割れ118をろう付け材料120で充填し溶接116から残留応力を取り除くのに十分な滞留温度および時間で1つまたは複数のサイクルの間の物品110の加熱およびろう付け溶接を含むことができる。
【0017】
図5を参照すると、ガンマプライム(γ’)超合金を含むNi系超合金は、図示のようにTiおよびAlの量を変化させることを含むことができる。破線は、一般により溶接可能であるNi系超合金(破線の下)と、溶接および/または物品内で発生し得るゆがみ時効割れ性により溶接がより困難であるNi系超合金との間の一般的な境界を表す。本明細書中に開示された方法は、図5に示したNi系超合金およびFeまたはCoに基づく他の超合金のいずかに使用することができるが、図5に示したNi系超合金を溶接するのがより困難であるもの、すなわち、約3%を超えるAl含有量および約6%未満のTi含有量を有するものに特によく適し得る。
【0018】
本明細書中に開示された超合金で形成される物品内の欠陥を修復する方法は、フッ化物イオン除去などの高価な除去プロセスを使用することを減らすまたは無くす。この方法は、修復構造(例えば、ろう付けおよび溶接)の構造、ならびに修復した超合金物品または構成部品を改善もする。従来技術の方法は、溶接修復の割れを防ぐことに注目していたが、本明細書中に開示した方法は、反対の手法をとり、従来技術の方法で可能でなかった改善された修復を形成するために溶接の割れを可能にするまたはもたらす。
【0019】
本明細書および特許請求の範囲を通じて本明細書中に使用される近似の言い回しは、それが関連している基本的な機能が変化するという結果となることなく許容可能に変化し得る任意の量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」および「ほぼ」などの1つまたは複数の用語によって修正される値は、特定された正確な値に限定されない。少なくともいくつかの例では、近似の言い回しは、値を測定する計器の精度に対応し得る。本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限定は、組み合わされおよび/または交換されてもよく、そのような範囲は特定され、文脈上または用語上特段の指示がない限り、この中に含まれる全ての小範囲を含む。
【0020】
本開示の方法により修復可能であるタービン構成部品には、シュラウド、バケット、ブレード、ノズル、ベーン、封止構成部品、バルブステム、ノズルボックス、およびノズル板が挙げられる。
【0021】
本明細書は、最良の形態を含む本開示の実施形態を開示するために例を用いており、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行するなど当業者が本開示の実施形態を実施することを可能にもする。本明細書中に記載された実施形態の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が想到する他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を含む場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言からわずかに異なる同等な構成要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0022】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
超合金物品(100)内の酸化欠陥(110)を修復する方法(200)であって、
前記超合金物品(100)の除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップと、
融接によって溶接(116)で前記除去部分(112)の一部を充填するステップと、
前記溶接(116)を割るステップと、
割れた溶接(118)および前記除去部分(112)の残りの部分(114)をろう付け材料(120)で充填するステップと
を含む方法。
[実施態様2]
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップは、真空炉除去を含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様3]
前記真空炉除去は、フッ化物イオン除去を含む、実施態様2記載の方法。
[実施態様4]
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップは、機械除去を含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様5]
前記機械除去は、研摩を含む、実施態様4記載の方法。
[実施態様6]
前記除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップは、化学除去を含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様7]
前記化学除去は、エッチングを含む、実施態様6記載の方法。
[実施態様8]
前記溶接(116)で前記除去部分(112)の前記一部を充填するステップは、前記超合金物品(100)と同じである溶接材料で前記一部(112)を充填するステップを含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様9]
前記溶接(116)を割るステップは、前記溶接が形成された後に前記溶接(116)を割るステップを含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様10]
前記溶接(116)を割るステップは、前記溶接(116)を形成しつつ熱を入力するステップを含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様11]
前記溶接(116)を割るステップは、誘導加熱を含む、実施態様10記載の方法。
[実施態様12]
前記溶接(116)を割るステップは、前記溶接中に割れを引き起こすのに十分な速度で前記溶接(116)の温度を低下させるステップを含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様13]
前記溶接(116)を割るステップは、前記溶接(116)を急冷するステップを含む、実施態様12記載の方法。
[実施態様14]
前記溶接(116)を前記ろう付け材料(120)で覆うステップ
をさらに含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様15]
前記ろう付け充填溶接(116、120)を加熱処理するステップ
をさらに含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様16]
融接は、ミグ(MIG)溶接、またはガスタングステンアーク溶接(GTAW)を含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様17]
融接は、タングステン不活性ガス(TIG)溶接を含む、実施態様16記載の方法。
[実施態様18]
前記ろう付け材料(120)は、高融点材料と低融点材料の組み合わせを含む、実施態様1記載の方法。
[実施態様19]
AlおよびTiを含有するNi系超合金物品(100)内の酸化欠陥(110)を修復する方法(200)であって、
前記超合金物品(100)の除去部分(112)を形成するように前記酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップであって、真空除去、機械除去、および/または化学除去を含む酸化欠陥(110)のほぼ全部を取り除くステップと、
融接によって溶接(116)で前記除去部分(112)の一部を充填するステップと、
前記溶接(116)を形成しつつ熱を入力することによって、またはもしくは前記溶接(116)の温度を低下させることによって、または前記溶接(116)を拘束することによって前記溶接(116)を割るステップと、
ろう付け材料(120)で前記割れた溶接(118)および前記除去部分(112)の残りの部分(114)を充填するステップと、
前記溶接(116)を前記ろう付け材料(120)で覆うステップと、
前記ろう付け充填されおよび覆われた溶接(116)を熱処理するステップと
を含む方法。
[実施態様20]
前記Ni系超合金は、約3%より多くのAlと約6%未満のTiとを含有する、実施態様19記載の方法。
[実施態様21]
融接によって前記溶接(116)で充填するステップは、ミグ(MIG)溶接、またはガスタングステンアーク溶接(GTAW)を含む、実施態様19記載の方法。
【符号の説明】
【0023】
100 物品
110 欠陥、酸化欠陥
112 除去部分
114 一部、未充填部分
116 溶接
118 割れ、溶接割れ
120 ろう付け材料
図1
図2
図3
図4
図5