特許第6948819号(P6948819)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6948819-電子機器 図000002
  • 特許6948819-電子機器 図000003
  • 特許6948819-電子機器 図000004
  • 特許6948819-電子機器 図000005
  • 特許6948819-電子機器 図000006
  • 特許6948819-電子機器 図000007
  • 特許6948819-電子機器 図000008
  • 特許6948819-電子機器 図000009
  • 特許6948819-電子機器 図000010
  • 特許6948819-電子機器 図000011
  • 特許6948819-電子機器 図000012
  • 特許6948819-電子機器 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948819
(24)【登録日】2021年9月24日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20210930BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   H05K5/02 B
   G06F1/16 312D
   G06F1/16 312T
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-81434(P2017-81434)
(22)【出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-182130(P2018-182130A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郷路 司
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−335615(JP,A)
【文献】 特開2007−168514(JP,A)
【文献】 特開2016−170540(JP,A)
【文献】 特開2009−152393(JP,A)
【文献】 特開2004−327795(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149337(JP,U)
【文献】 特開2006−126605(JP,A)
【文献】 特開平10−013766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00−5/06
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に操作パネルを備えた本体部と、
前記本体部の下端部から後方に向かって延在する脚部と、
前記脚部の底面に設けられた前側接地部と、
前記脚部の底面に設けられた後側接地部と、
前記脚部の底面において、前記前側接地部よりも前方に設けられた前側突起部と、
前記脚部の底面において、前記後側接地部よりも後方に設けられた後側突起部と、
前記脚部の周縁に沿って設けられた脚部保護部材と、
を備え、
前記前側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記前側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低く、前記後側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記後側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低く、
前記前側突起部及び前記後側突起部は、前記脚部保護部材に設けられた電子機器。
【請求項2】
前面側に操作パネルを備えた本体部と、
前記本体部の下端部から後方に向かって延在する脚部と、
前記脚部の底面に設けられた前側接地部と、
前記脚部の底面に設けられた後側接地部と、
前記脚部の底面において、前記前側接地部よりも前方に設けられた前側突起部と、
前記脚部の底面において、前記後側接地部よりも後方に設けられた後側突起部と、
を備え、
前記前側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記前側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低く、前記後側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記後側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低
前記前側接地部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記後側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも高い電子機器。
【請求項3】
前記前側接地部及び前記後側接地部は、球状部を備えた請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記前側接地部の硬度及び前記後側接地部の硬度は、前記前側突起部の硬度及び前記後側突起部の硬度よりも低い請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書開示の発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卓上に設置される電話機等の小型機器のがたつきを容易に防止することを目的とした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ゴムなど弾力部材からなる台脚を備えることで、カウンターなどの上に安定的に据え付けられる表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、電気機器の振動並びにがたつきを防止する脚部構造が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−269654号公報
【特許文献2】実開平5−40988号公報
【特許文献3】特開2004−327795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今、前面側に操作パネルを備えた本体部の下端部から後方に向かって延在する脚部を備えた電子機器が知られている。このような電子機器は、例えば、飲食店における注文等に使用されることが想定される。このような用途に用いられる電子機器は、例えば、卓上に設置された状態で操作パネルが操作される。
【0005】
ところが、このような電子機器において、ディスプレイや、バッテリー等の重量物は、本体部に装備されることが多く、この場合、電子機器全体の重心位置は、本体部に位置する。このため、操作パネルが操作される際、電子機器が傾いてしまう可能性がある。また、電子機器を卓上等に設置するときのバランスが取り辛いことがある。このような問題を解決するために、例えば、脚部に錘を装着することで安定性を確保することも考えられるが、電子機器全体の重量増となるため、好ましくない。
【0006】
また、特許文献1乃至3の提案をこのような電子機器に適用することも可能であると考えられるが、その使用態様を考慮すると、改良の余地を有していた。
【0007】
1つの側面では、本明細書開示の電子機器は、前面側に操作パネルを備えた本体部を有する電子機器の安定性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書開示の電子機器は、前面側に操作パネルを備えた本体部と、前記本体部の下端部から後方に向かって延在する脚部と、前記脚部の底面に設けられた前側接地部と、前記脚部の底面に設けられた後側接地部と、前記脚部の底面において、前記前側接地部よりも前方に設けられた前側突起部と、前記脚部の底面において、前記後側接地部よりも後方に設けられた後側突起部と、を備え、前記前側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記前側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低く、前記後側突起部の前記脚部の前記底面からの高さは、前記後側接地部の前記脚部の前記底面からの高さよりも低い。
【発明の効果】
【0009】
本明細書開示の電子機器によれば、前面側に操作パネルを備えた本体部を有する電子機器の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施形態の電子機器の斜視図である。
図2図2(A)〜(F)は実施形態の電子機器の6面図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は平面図、図2(C)は底面図、図2(D)は右側面図、図2(E)は左側面図、図2(F)は背面図である。
図3図3は実施形態の電子機器の分解斜視図である。
図4図4(A)〜(F)は実施形態の電子機器が備える本体部保護部材の6面図であり、図4(A)は正面図、図4(B)は平面図、図4(C)は底面図、図4(D)は右側面図、図4(E)は左側面図、図4(F)は背面図である。
図5図5(A)〜(C)は実施形態の接地部の3面図であり、図5(A)は正面図、図5(B)は平面図、図5(C)は底面図である。
図6図6(A)〜(F)は実施形態の電子機器が備える脚部保護部材の6面図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は平面図、図6(C)は底面図、図6(D)は右側面図、図6(E)は左側面図、図6(F)は背面図である。
図7図7は前側突起部、前側接地部、後側接地部及び後側突起部の配置を模式的に示す説明図である。
図8図8は実施形態の電子機器の後側接地部周辺の断面図である。
図9図9は前側突起部、前側接地部、後側接地部及び後側突起部の配置を模式的に示す説明図である。
図10図10は電子機器のタッチパネルが操作されるときに作用する力Fを模式的に示す説明図である。
図11図11(A)、図11(B)は前側突起部、前側接地部、後側接地部及び後側突起部の配置の変形例を示す説明図である。
図12図12は前側突起部及び後側突起部の形状の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、実際には存在する構成要素が省略されていたり、寸法が実際よりも誇張されて描かれていたりする場合がある。なお、本明細書において、電子機器1の前側及び後側は、図1等に示すように設定されているものとする。
【0012】
(実施形態)
まず、図1乃至図7を参照して実施形態の電子機器について説明する。図1は実施形態の電子機器の斜視図である。図2(A)〜(F)は実施形態の電子機器の6面図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は平面図、図2(C)は底面図、図2(D)は右側面図、図2(E)は左側面図、図2(F)は背面図である。図3は実施形態の電子機器の分解斜視図である。図4(A)〜(F)は実施形態の電子機器が備える本体部保護部材の6面図であり、図4(A)は正面図、図4(B)は平面図、図4(C)は底面図、図4(D)は右側面図、図4(E)は左側面図、図4(F)は背面図である。図5(A)〜(C)は実施形態の接地部の3面図であり、図5(A)は正面図、図5(B)は平面図、図5(C)は底面図である。図6(A)〜(F)は実施形態の電子機器が備える脚部保護部材の6面図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は平面図、図6(C)は底面図、図6(D)は右側面図、図6(E)は左側面図、図6(F)は背面図である。図7は前側突起部、前側接地部、後側接地部及び後側突起部の配置を模式的に示す説明図である。
【0013】
本実施形態における電子機器1は、通信端末装置である。電子機器1は、例えば、飲食店におけるメニューの注文や、カラオケボックス等における選曲の用途に用いることができる。
【0014】
電子機器1は、本体部10と脚部30を備える。本体部10は、それぞれ樹脂製の前側ケース11と後側ケース12を組み合わせることで形成される本体筐体を備える。本体部10は、液晶パネル支持部13によって支持された液晶パネル14を備える。また、本体部10は、液晶パネル14に重ねた状態で設置されたタッチパネル15を備える。タッチパネル15は、操作パネルの一例である。タッチパネル15は、本体部10の前面側に配置されている。なお、操作パネルは、例えば、押込み式のボタンを備えたパネルであってもよい。
【0015】
本体部10は、内部に基板16を備える。また、本体部10は、アンテナ17を備える。これにより、電子機器1は、通信端末装置としての機能を実現している。本体部10には、バッテリーカバー19に覆われたバッテリー18が装備されている。
【0016】
本体部10の周縁には、本体部保護部材20が装着されている。本体部保護部材20は、電子機器1の衝撃吸収部材(ダンパー)として機能するものであり、従来周知の素材を用いて形成することができる。本実施形態における本体部保護部材20は、ウレタンエラストマーによって形成されている。図4(A)乃至図4(F)を参照すると、本体部保護部材20は、上縁部201、右側縁部202及び左側縁部203を備えており、概ね矩形の本体部10の下端縁を除く3つの辺縁に装着されるようになっている。
【0017】
脚部30は、本体部10の下端部から後方に向かって延在している。脚部30は、それぞれ樹脂製の上側カバー31と下側カバー32を備える。上側カバー31は、その前端側がネジ33によって本体部10に接続される。これにより、脚部30は、後方に向かって延在するように本体部10の下端部に固定される。下側カバー32は、ネジ34によって上側カバー31に固定されている。ネジ34は、下側カバー32の底面側から上方に向かって挿し込まれている。
【0018】
下側カバー32の底面、すなわち、脚部30の底面30aには、前側接地部35と後側接地部36が設けられている。前側接地部35及び後側接地部36は、それぞれ、2か所ずつ設けられている。具体的に、前側接地部35は、左右方向に並列させて2か所に設けられており、後側接地部36も同様に、左右方向に並列させて2か所に設けられている。電子機器1が卓上面50(図8参照)に設置されたとき、電子機器1は、前側接地部35及び後側接地部36の合計4点が設置した状態で設置される。
【0019】
図5(A)乃至図5(C)を参照すると、前側接地部35は、平面視において円形であり、底部に球状部35aを備えている。電子機器1が卓上面50に設置されるとき、球状部35aが卓上面50に当接する。前側接地部35は、従来周知の弾性を備えた素材によって形成することができる。本実施形態では、前側接地部35は、シリコンゴムによって形成されている。前側接地部35は、例えば、円柱形状等であってもよいが、球状部35aを備えることで、卓上面50への引っ掛かりを抑制することができる。
【0020】
後側接地部36も前側接地部35と同様にシリコンゴムによって形成されており、前側接地部35とほぼ同様の形状を備えている。従って、後側接地部36も球状部36aを備えている。これにより、卓上面50への引っ掛かりを抑制することができる。ただし、後側接地部36の高さは、前側接地部35の高さよりも僅かに低く成形されている。本実施形態では、後側接地部36の方が前側接地部35よりも0.5mm程度低くなるように成形されている。これについては、後に詳述する。
【0021】
前側接地部35及び後側接地部36は、下側カバー32を上側カバー31に固定するためのネジ34の頭部を覆うように脚部30の底面30aに装着されている。本実施形態では、前側接地部35及び後側接地部36の装着に接着材を用いているが、両面テープ等を用いることもできる。
【0022】
脚部30の周縁には、脚部保護部材37が装着されている。脚部保護部材37は、電子機器1の衝撃吸収部材(ダンパー)として機能するものであり、従来周知の素材を用いて形成することができる。本実施形態における脚部保護部材37は、ウレタンエラストマーによって形成されている。図6(A)乃至図6(F)を参照すると、脚部保護部材37は、後縁部371、右側縁部372及び左側縁部373を備えており、概ね矩形の脚部30の前端縁を除く3つの辺縁に装着されるようになっている。
【0023】
脚部保護部材37には、前側突起部37aと後側突起部37bが設けられている。具体的に、右側縁部372及び左側縁部373に前側突起部37aがそれぞれ設けられ、後縁部371に後側突起部37bが設けられている。
【0024】
ここで、図7を参照すると、前側突起部37aは、脚部30の底面30aにおいて、前側接地部35よりも前方に設けられる。また、後側突起部37bは、脚部30の底面において、後側接地部36よりも後方に設けられる。本実施形態では、前側突起部37a及び後側突起部37bが設けられた脚部保護部材37を脚部の周縁に装着することで、このような位置関係を実現している。前側突起部37aは、電子機器1の前方への転倒を抑制することができる。また、後側突起部37bは、電子機器1の公報への転倒を抑制することができる。前側突起部37a及び後側突起部37bは、下側カバー32に形成するようにしてもよい。
【0025】
以上が、電子機器1の本体部10及び脚部30の概略構成である。
【0026】
ここで、図8乃至図10を参照しつつ、各部の寸法の関係等についてより詳細に説明する。図8を参照すると、後側接地部36は、下側カバー32の下面、すなわち、脚部30の底面30aに設けられた凹部30a1に接着されている。図示されていない前側接地部35についても同様に脚部30の底面30aに接着されている。図9を参照すると、底面30aを基準とした前側接地部35の高さh1は、底面30aを基準とした後側接地部36の高さh2よりも高く設定されている。これにより、図10に示すように、卓上面50に設置された電子機器1が、若干後傾した姿勢となり、安定した状態を維持することができる。具体的に、本実施形態では、後側接地部36の方が前側接地部35よりも0.5mm程度低くなるように成形されている。
【0027】
電子機器1は、液晶パネル14やバッテリー18のような重量物が本体部10に設けられていることから、電子機器1の重心位置は、本体部10内に位置しています。すなわち、電子機器1の重心位置は、電子機器1の前側寄りに位置しています。そこで、卓上面50に設置する前側接地部35と後側接地部36の高さ関係により、電子機器1の姿勢を後傾させることで、電子機器1を安定させることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、前側接地部35自体の高さを後側接地部36自体の高さよりも0.5mm程度高く成形することで、電子機器1の姿勢を後傾とさせているが、脚部30の底面30aの形状によって後傾の姿勢としてもよい。例えば、脚部30の底面30aの前側接地部35の装着部に台座部を設け、その高さによって、後傾の姿勢を作り出すようにしてもよい。要は、前側接地部35と後側接地部36とが卓上面50に接地した状態で、電子機器1の姿勢を後傾とすることができれば、その手段は問わない。
【0029】
電子機器1が卓上面50で後傾の姿勢となると、タッチパネル15が多少上方を向き、その操作がしやすくなる。また、タッチパネル15が操作されるときに、本体部10に後方に押される力が作用しても、後側接地部36がその力を受け止めることができ、電子機器1の安定した状態を維持することができる。
【0030】
つぎに、前側接地部35と前側突起部37aとの高さの関係について説明する。電子機器1が卓上面50に設置されたとき、前側接地部35は卓上面50に接地するが、前側突起部37aは接地しない。このような状態を実現するため、脚部30の底面30aを基準としたときに、前側突起部37aの高さは、前側接地部35の高さよりも低く設定されている。本実施形態では、前側突起部37aの高さは、1mm程度に設定されている。前側接地部35は、電子機器1が卓上面50に設置された状態のときに、電子機器1の自重で0.1mm程度沈み込むが、高さ1mm程度の前側突起部37aは、前側接地部35が卓上面50に接地しても、卓上面50に接触しない。
【0031】
つぎに、後側接地部36と後側突起部37bとの高さの関係について説明する。電子機器1が卓上面50に設置されたとき、後側接地部36は卓上面50に接地するが、後側突起部37bは接地しない。このような状態を実現するため、脚部30の底面30aを基準としたときに、後側突起部37bの高さは、後側接地部36の高さよりも低く設定されている。本実施形態では、電子機器1が卓上面50に設置された状態で、後側接地部36の高さと後側突起部37bの高さとの差が0.3mm程度になるように設定されている。後側接地部36は、電子機器1が卓上面50に設置された状態のときに、電子機器1の自重で0.1mm程度沈み込むが、この状態で、両者の高さの差が0.3mm程度となるように設定されている。
【0032】
つぎに、前側接地部35の硬度及び後側接地部36の硬度について説明する。前側接地部35の硬度及び後側接地部36の硬度は、前側突起部37aの硬度及び後側突起部37bの硬度よりも低い。換言すれば、前側接地部35及び後側接地部36は、前側突起部37a及び後側突起部37bよりも柔らかい。前側接地部35及び後側接地部36は、電子機器1が卓上面50に設置された状態となるときに、卓上面50に接地する。前側接地部35及び後側接地部36は、適度な硬度、適度な柔軟性を備えることで、変形し、卓上面50への接触面積を増すことができる。これにより、安定した状態で卓上面50に設置することができる。また、図10に示すように、タッチパネル15の操作時に本体部10に力Fが加えられても、前側接地部35及び後側接地部36が適度に変形し、脚部30が滑ることを抑制することができる。
【0033】
一方、前側突起部37a及び後側突起部37bは、ある程度の硬度を備えることが求められる。前側突起部37aや後側突起部37bは、電子機器1が転倒しそうになったときに、いわば、転倒防止のストッパーとして機能するものである。このため、前側突起部37a及び後側突起部37bは、前側接地部35の硬度や後側接地部36の硬度よりも高い高度を備え、変形しにくくなっている。特に、本実施形態の前側突起部37aや後側突起部37bは、脚部保護部材37に形成されている。脚部保護部材37は、電子機器1の落下時等の衝撃吸収効果を発揮するものであることから、所望の硬度が確保されている。なお、前側突起部37aや後側突起部37bは、下側カバー32に形成することもできるが、この場合であっても、前側接地部35の硬度及び後側接地部36の硬度が、前側突起部の硬度及び後側突起部の硬度よりも低いとの関係は満たされる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の電子機器1によれば、安定した状態で卓上面50に設置され、また、タッチパネル15の操作時においても、その安定性を維持することができる。また、本実施形態の電子機器1は、前側接地部35、後側接地部36、前側突起部37a及び後側突起部37bを設けることでその安定性を確保しているので、脚部30に錘を装着すること等は不要であるので、安定性の確保を目的とした重量増加もない。
【0035】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、前側接地部35と後側接地部36は、それぞれ2か所ずつ設けられているが、これらの個数は、これに限定されない。例えば、図11(A)に示すように、前側接地部35を1か所、後側接地部36を2か所に設けるようにしてもよい。また、図11(B)に示すように、前側接地部35を2か所、後側接地部36を1か所に設けるようにしてもよい。最低3か所を卓上面50に接地させるようにすれば、電子機器1を安定させることができるからである。
【0036】
また、図12に示すように、後側突起部37bに代えて、左右方向に延びる帯状の後側突起部137bを採用してもよい。すなわち、後側突起部の形状は種々変更することができる。前側突起部についても同様である。
【0037】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 電子機器
10 本体部
13 液晶パネル支持部
14 液晶パネル
15 タッチパネル
16 基板
17 アンテナ
18 バッテリー
20 本体部保護部材
30 脚部
30a 底面
31 上側カバー
32 下側カバー
35 前側接地部
35a 球状部
36 後側接地部
36a 球状部
37 脚部保護部材
37a、137a 前側突起部
37b、137b 後側突起部
50 卓上面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12