(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報と、この複数の個体情報に一対一で対応し、これにより多数の患者の薬を区別して収納する複数の収納機構と、
上記多数の患者の中の1つの個体を検出する第一の検出手段と、
上記複数の個体情報と、上記第一の検出手段で検出された1つの個体の検出情報とを照合する第一の照合手段と、
上記収納機構への薬を収納するモードと、上記収納機構から薬を取り出すモードとのいずれかを選択する選択手段と、
この選択手段で上記収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者のうち、指定された患者に対応した1つの収納機構の薬を収納可能とする第一の制御手段と、
上記選択手段で上記収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者の一人が指定されたとき、他の患者の指定を禁止し、上記患者の全てが指定されないとき、上記患者の一人の指定を可能とする第一の禁止手段と、
上記選択手段で上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記第一の照合手段の一致結果に応じて、上記複数の収納機構のうち、上記対応する1つの収納機構の薬を取り出し可能とする第二の制御手段と、
上記選択手段で上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記複数の収納機構の1つが薬の取り出しを可能とされたとき、上記第一の検出手段の検出を禁止し、上記複数の収納機構の全てが薬の取り出しを禁止されたとき、上記第一の検出手段の検出を可能とする第二の禁止手段とを備えたことを特徴とする投薬装置。
第一の検出手段で検出され、上記第一の照合手段で照合される1つの個体の検出情報が、上記予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報に無いことを検出する第三の検出手段と、
第三の検出手段の検出結果に応じて、各個体を識別する個体情報が無いことを報知することを特徴とする請求項2記載の投薬装置。
予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報と、この複数の個体情報に一対一で対応し、これにより多数の患者の薬を区別して収納する複数の収納機構に対し、
上記多数の患者の中の1つの個体を検出する処理と、
上記複数の個体情報と、上記検出された1つの個体の検出情報とを照合する処理と、
上記収納機構への薬を収納するモードと、上記収納機構から薬を取り出すモードとのいずれかを選択する処理と、
この収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者のうち、指定された患者に対応した1つの収納機構の薬を収納可能とする処理と、
上記収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者の一人が指定されたとき、他の患者の指定を禁止し、上記患者の全てが指定されないとき、上記患者の一人の指定を可能とする処理と、
上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記照合の一致結果に応じて、上記複数の収納機構のうち、上記対応する1つの収納機構の薬を取り出し可能とする処理と、
上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記複数の収納機構の1つが薬の取り出しを可能とされたとき、上記検出を禁止し、上記複数の収納機構の全てが薬の取り出しを禁止されたとき、上記検出を可能とする処理とを、コンピュータに実行させる投薬の制御のためのコンピュータプログラム。
予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報と、この複数の個体情報に一対一で対応し、これにより多数の患者の薬を区別して収納する複数の収納機構を備えたコンピュータに対し、
上記多数の患者の中の1つの個体を検出し、
上記複数の個体情報と、上記検出された1つの個体の検出情報とを照合し、
上記収納機構への薬を収納するモードと、上記収納機構から薬を取り出すモードとのいずれかを選択し、
この収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者のうち、指定された患者に対応した1つの収納機構の薬を収納可能とし、
上記収納機構への薬を収納するモードが選択された場合、上記多数の患者の一人が指定されたとき、他の患者の指定を禁止し、上記患者の全てが指定されないとき、上記患者の一人の指定を可能とし、
上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記照合の一致結果に応じて、上記複数の収納機構のうち、上記対応する1つの収納機構の薬を取り出し可能とし、
上記収納機構から薬を取り出すモードが選択された場合、上記複数の収納機構の1つが薬の取り出しを可能とされたとき、上記検出を禁止し、上記複数の収納機構の全てが薬の取り出しを禁止されたとき、上記検出を可能とすることを特徴とする投薬方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)投薬装置1の構造
図1は、投薬装置1の収納機構2群を示す。この収納機構2群は、多数または複数、例えば39個の収納機構2(引出し)を備えており、病院などの医療設備の多数または複数の患者の個体/生体情報に一対一で対応している。
【0010】
図2に示すように、この収納機構2(引出し)それぞれには、多数または複数の患者に投与される薬が区別してそれぞれ収納される。1つの収納機構2(引出し)は、箱形であり、手前から奥に向かって3列に分かれるように仕切りが設けられ、手前一列は4行に分かれるように仕切りが設けられている。
【0011】
このような仕切りによって、収納機構2(引出し)の奥に薬が一週間分、または数週間分収納され、手前に薬が一日分、または毎食分/毎回分収納される。この場合、薬の収納期間等の収納形式はどのような形式でもよい。
【0012】
図3及び
図4に示すように、各収納機構2(引出し)の奥の投薬装置1に固定されたブラケット8内にはソレノイド3が固定され、このソレノイド3のプランジャー4は電源投入でソレノイド3内に没し、電源切断でソレノイド3外に出るようになっている。プランジャー4の先端には「L字形」のロックアーム5の一方の先端が互いに回動可能に連結されている。
【0013】
このロックアーム5の「L字形」の折れ曲り部分には回動軸6が設けられロックアーム5が回動可能に支持され、ロックアーム5の他の先端には、コイルバネ7の一端が係止され、このコイルバネ7の他端は上記ブラケット8に固定されている。
【0014】
上記収納機構2(引出し)の奥外面には、「L字形」の係合突起11が形成され、
図3に示すように、この係合突起11には上記ロックアーム5の先端から上方に突設されている円柱状の係合ポール12が係合しており、収納機構2が投薬装置1から跳び出さないように保持される。
【0015】
上記ブラケット8は「コ字状」で、上記ロックアーム5及びソレノイド3の上であって、この「コ字状」の両側の平行な板面には、一対の長孔が形成され、この長孔内に押出しブロック16の両側面の突起がスライド可能に嵌め込まれ、「凸形」の押出しブロック16の動きが規制され、押出しブロック16がブラケット8内を動くようになっている。
【0016】
図5は押出しブロック16等を示す。押出しブロック16の奥面とブラケット8内面との間には、コイルバネ17が設けられ、圧縮された状態で内蔵されている。「凸形」の押出しブロック16の前端面は、上記収納機構2の係合突起11の奥外面に当接している。
【0017】
したがって、コイルバネ17の付勢によって、押出しブロック16は収納機構2(引出し)の方へ付勢され、されに収納機構2は投薬装置1の外へ押し出されるように付勢されている。しかし、上記係合ポール12が係合突起11に係合していて、収納機構2は押し出されない。
【0018】
ここで、
図4に示すように、プランジャー4がソレノイド3内に没して係合ポール12が係合突起11から外れると、押出しブロック16はコイルバネ17の力で押し出され、押出しブロック16は収納機構2(引出し)を押し出す。これにより、収納機構2(引出し)が開けられて、少し跳び出した収納機構2をさらに引いて薬を取り出すことができる。
【0019】
また、収納機構2(引出し)を手で押し込むと、ロックアーム5はコイルバネ7の付勢によって元に戻り、収納機構2(引出し)が閉じられて開かず、薬を間違えることがなくなる。このとき、係合突起11の先端がカーブしているので、ロックアーム5の係合ポール12はスムーズに係合突起11の先端を滑って係合状態となる。
【0020】
また、収納機構2(引出し)が引き出された状態では、ロックアーム5の係合ポール12が、押出しブロック16の凸状の先端の突起の側面に当接するので、ソレノイド3のプランジャー4が開放されても、ロックアーム5は元に戻らず、
図4の状態を保持する。上記押出しブロック16の中央の長孔には、上記ロックアーム5の回動軸6が係合して、回動軸6の動く範囲が規制されている。
【0021】
図6に示すように、上記ロックアーム5の回動軸6には付勢アーム21が固定され、上記回動軸6は連結棒22によって、上下の他の収納機構2(引出し)のロックアーム5…の回動軸6…と連結されている。この互いに連結された、縦の13個の収納機構2(引出し)…のロックアーム5が、
図3及び
図4に示すような、一斉に収納機構2(引出し)の開放/禁止が可能となる。
【0022】
この場合、上記付勢アーム21がロックアーム5を、
図4のように、開放状態に回動させ、また
図3に示すように、禁止状態に復帰させる。この連結された連結棒22の上端は、投薬装置1から外に露出しており、緊急時または故障時に、この露出した連結棒22に工具などを取り付けて手動で連結棒22を回動させることができる。このような連結棒22の露出は3列の収納機構2(引出し)に沿って3箇所存在する。
【0023】
(2)全体回路
図7は、投薬装置1の中の全体回路を示し、投薬のデータ処理装置、投薬方法を実現するための装置、投薬のためのコンピュータプログラムを実行する装置、投薬装置1の全体回路を示す。この全体回路は、複数の投薬装置1の中の1つに設けられているが、複数または全部の投薬装置1の中に設けられてもよい。このような
図7の投薬装置1の全体回路、電源回路、バッテリー等は、投薬装置1の背面下方から出し入れできる基盤(図示せず)上などに設けられている。
【0024】
この全体回路は、コントローラ31(中央処理演算装置であるCPU、ROM、RAMなど)を中心に、アドレス信号及びデータ信号が双方向に伝達されるアドレス/データバスライン32を介して入力部33、出力部34、インターフェース部35、情報記憶部36、プログラム/データ記憶部37等と電気的に有線または無線で接続されて構成されている。
【0025】
入力部33は、上記投薬装置1、静脈認証装置41、メイン設定スイッチ、サブ設定スイッチ、各種センサ、場合によってキーボ−ド、マウス、タッチパネル、デジタイザ、タブレットなどの文字入力装置などからなっている。文字入力装置からは、文章データのほか、上記患者または管理者の静脈データ、患者のデータ、管理者のデータなどの各種データを処理するためのコマンド、設定・指示データ、その他の情報が入力される。
【0026】
静脈認証装置41からは、患者または管理者の各個体を識別する個体情報、つまり患者または管理者の手のひらの静脈の形状が識別され静脈データが入力され、コントローラ31によって照合されたり、情報記憶部36に記憶されたりする。情報記憶部36には、患者または管理者の静脈データが記憶され照合される。
【0027】
したがって、上記静脈データは、情報記憶部36に予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報、または管理者の個体を識別する個体情報となる。上記静脈認証装置41は、多数の患者の中の1つの個体を検出する、または上記管理者の個体を検出する。そして、上記静脈認証装置41は、上記複数の個体情報と、上記検出された1つの個体の検出情報とを照合する、または管理者の個体情報と、上記検出された管理者の検出情報とを照合することになる。
【0028】
出力部34は、上記ソレノイド3…、61…、場合によって携帯電話、タブレット、ディスプレイ、プリンタなどから構成されており、上記静脈データ、患者のデータ、管理者のデータなどの各種データ、種々の情報の入力画面、制御画面、出力画面などが表示画面に表示/印刷されるなどの出力処理が行われる。この出力部34のソレノイド3…、61…群には、静脈認証装置41で入力され情報記憶部36で記憶された静脈データに応じたソレノイド3、61のみを起動させて、上記収納機構2(引出し)のいずれを開放するかを示す/開くデータなどが出力される。
【0029】
インターフェース部35は、LANの入力ジャック、出力ジャックなどの送受信回路などからなり、外部入力装置と外部出力装置とからなる外部装置が接続される。このインターフェース部35のLANの入力ジャック、出力ジャックを通じて、その他のデータ、コマンド、設定・指示データ、その他の情報、プログラムが送受される。
【0030】
プログラム/データ記憶部37(内部記憶媒体/手段)はフラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、CD−ROMなどROM等の不揮発性メモリと、RAM、キャッシュメモリ、ハードディスク、磁気カード、磁気ディスク、CD−RAM、DVD(デジタルビデオディスク)等が用いられた一時記憶メモリという大別して2種類の記憶装置(記憶手段)から構成されている。
【0031】
そして、プログラム/データ記憶部37のROMには、投薬装置1(全体回路)で実行されるプログラムや各種処理に使用される汎用データが記憶される。このプログラムは後述するフローチャートに対応している。また、プログラム/データ記憶部37の一時記憶メモリには、プログラム処理中のデータの一時的な蓄積等、つまりワーキングメモリ若しくはキャッシュメモリとして用いられる。
【0032】
また、情報記憶部36(外部記憶補助媒体/手段、補助記憶媒体)は、磁気ディスク、光ディスク、フレキシブルディスク(プロッピィーディスク)、磁気ドラム、磁気テープ、メモリカード、CD−RAM、CD−ROM、DVDなどの大量情報記憶/保存メディアとそれらのメディアへの情報書き込み/読み出し装置等(ドライブ装置、インターフェイス回路)から構成されている。
【0033】
なお、場合によって、投薬装置1は、情報記憶部36のROM内に予め記憶されたプログラムによって単一の処理が行われる専用装置とされ、情報記憶部36に保存されたプログラムが、適宜、プログラム/データ記憶部37のRAM内に呼び込まれて起動される汎用のコンピュータ装置とされる。この場合は、情報記憶部36には、コントローラ31によって実行される基本ソフト(オペレーティングソフト)、システムソフト、応用プログラムを含む各プログラムが保存されている。
【0034】
そして、投薬装置1の電源立ち上げ時、または新たなプログラムの起動時等において、情報記憶部36から読み出され、プログラム/データ記憶部37のRAM等に一時的に保存されると共に、コントローラ31によって実行される。つまり、投薬装置1によって実行されるプログラムが、情報記憶部36に保存されており、適宜読み出されてコントローラ31によって実行される。
【0035】
この場合、新たなプログラムへの変更は、情報記憶部36内に保存されているプログラム自体が置き換えられるか、若しくはプログラムの保存されているCD−ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことで行われる。
【0036】
また、プログラム/データ記憶部37のEPROMに保存されたプログラムを専用に実行するコンピュータ装置の場合には、同じように、CD−ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことに呼応してEPROM等の書き換えが行われるか、またはROM自体の交換によって達成される。
【0037】
なお、このプログラムの新規置き換えは、場合によって、上記インターフェース35を通じて、インターネット回線、電話回線、公衆回線またはLAN回線を介して接続されている他のコンピュータなどの外部装置から送られてくる。つまり、コンピュータ装置(全体回路)で実行されるプログラムが、情報記憶部36に対して直接的に交換されたり、インターネットなどの通信網を介して国内外の外部装置から送られてきたもので交換されたりする。
【0038】
したがって、場合によって、投薬装置1(全体回路)において実行されるプログラムが、起動の度毎に、国内外の外部装置から送られてくる。つまり、投薬装置1の情報記憶部36に応用プログラムが保存されておらず、国内外の外部装置から送られてくるプログラムを実行する端末装置の役目のみが、本発明の投薬装置(全体回路)に与えられる。さらには、国内外の外部装置からプログラムとそのプログラムによって処理されるデータが共に送られてきて、そのプログラムによってデータ処理がなされた後、その結果が国内外の外部装置に送り返される。
【0039】
また、コンピュータ装置で実行されるプログラムは、場合によって、OSなどの基本プログラムを基に、応用プログラムが実行されるような、一般的なコンピュータシステムによるプログラムであり、OSを含む統一化された一つのプログラムのみが実行される専用のコンピュータシステムである。よって、それらの統一化されたプログラムが国内外の外部装置から与えられるし、応用プログラムまたは基本プログラムまたはプログラムの一部のみが国内外の外部装置から送られてきて実行される。
【0040】
なお、場合によって、本コンピュータ装置に予め別のオペレーティングシステム、システムプログラム(OS)、その他のプログラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、その他のプログラムとともに実行される。このプログラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールされ実行されるときに、別のプログラムとともにまたは単独で請求項(特許請求の範囲)または末尾の他の発明の効果の各請求項に記載された処理・機能を実行させる。
【0041】
また、場合によって、このプログラムの一部または全部が本装置以外の1つ以上の国内外の別装置に記憶されて実行され、本装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行される。これらの通信手段はインターネット通信システムなどである。
【0042】
上記出力部34の中の表示画面は、通常は投薬装置1の上面に置かれ、投薬装置1と一体不可分である。むろん、表示画面は投薬装置1から分離して取扱い可能となっていてもよい。静脈認証装置41は、投薬装置1から分離して取扱い可能となっており、静脈認証装置41だけを投薬装置1から分離して患者のもとまで持参して認証できる。静脈認証装置41は投薬装置1に一体不可分でもよい。
【0043】
(3)全体処理
図8は、コントローラ31によって実行される全体処理(投薬処理)のフローチャートを示す。
図8の処理は電源投入または当該プログラム実行の所定処理によって開始され、まず、イニシャライズ処理が実行され(ステップ01)、上記情報記憶部36、プログラム/データ記憶部37のエラーチェック、その他の初期化が行われる。
【0044】
次いで、選択すべきモードが全て表示される(ステップ02)。この選択されるモードは、管理者登録変更モード、患者登録変更モード、薬投入・変更(収納)モード、薬配布(供給、取出し)モード、メンテナンスモードの5つのモードであり、この5つのモードのいずれかが選ばれるまで表示が継続され待機される(ステップ02、03)。キー操作、タッチ操作、タブレット操作などによって、5つのモードのいずれかが選択されれば、当該モードに応じた処理が実行される(ステップ04)。
【0045】
上記管理者登録変更モードでは、本投薬装置1が使用される、病院の名前、病院の写真、本投薬装置1の識別情報などの登録、管理者の静脈データの登録、管理者の従業員番号(識別コードなど)、有効期限、その他の情報が情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶される。
【0046】
病院の名前、病院の写真などは、当該病院を他の病院から識別するための情報である。本投薬装置1の識別情報は、複数の投薬装置1から本投薬装置1を区別するための情報であり、自動的に付与される。管理者の静脈データ、管理者の従業員番号(識別コードなど)は、他の管理者(看護師、医師、従業員など)から特定の管理者を識別するための情報である。
【0047】
管理者の静脈データは、上記静脈認証装置41から入力されて情報記憶部36に記憶されたり、情報記憶部36から読み出されて表示されたり照合されたりする。上記有効期限は、定期的に投薬装置1をチェックするための有効期限、薬の有効期限などである。これらの情報の一部は省略されてもよいし、管理者の氏名、顔写真データ、携帯番号、その他の情報が付加されてもよい。
【0048】
上記患者登録変更モードでは、本投薬装置1に薬が収納される、病院の名前、病院の写真、本投薬装置1の識別情報などの登録、患者の静脈データの登録、患者の番号(識別コードなど)、部屋番号、収納機構番号(引出し番号)、その他の情報が情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶される。
【0049】
病院の名前、病院の写真などは、当該病院を他の病院から識別するための情報である。本投薬装置1の識別情報は、複数の投薬装置1から本投薬装置1を区別するための情報であり、自動的に付与される。患者の静脈データ、患者の番号(識別コードなど)は、他の患者から特定の患者を識別するための情報である。
【0050】
収納機構番号(引出し番号)は、上記収納機構2(引出し)の1つ1つを区別/識別しており、上記収納機構2(引出し)に一対一で対応し、各患者にも一対一で対応し、これにより多数の患者の薬を区別して各患者の薬を収納することができる。
【0051】
患者の静脈データは、上記静脈認証装置41から入力されて情報記憶部36に記憶されたり、情報記憶部36から読み出されて表示されたり照合されたりする。上記部屋番号は、患者の病室の部屋番号などである。これらの情報の一部は省略されてもよいし、患者の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、携帯番号、健康保険番号、社会保険番号、カルテ番号、顔写真データなど、その他の情報が付加されてもよい。
【0052】
上記メンテナンスモードでは、管理者の一覧や、患者の一覧が表示されたり、情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37の記憶情報の表示、部品交換、修理、その他の情報変更などが実行される。
【0053】
(4)薬投入・変更(収納)モード
図9は、上記薬投入・変更(収納)モードの処理のフローチャートを示す。この薬投入・変更(収納)モードでは、投薬装置1に新たな薬が投入または変更され収納される。
【0054】
まず、薬投入・変更(収納)モードの表示がなされ(ステップ11、12、13)、管理者の静脈データが静脈認証装置41から入力され(ステップ13)、情報記憶部36に記憶されている管理者の静脈データ群の中に一致するものがあれば(ステップ14)、情報記憶部36の中の患者の一覧のデータ、例えば上記全患者の氏名、年齢、性別、収納構番号(引出し番号)などが表示される(ステップ15)。
【0055】
ここで、表示された全患者の中から、薬を新たに投入または変更する患者をカーソル移動またはクリックなどで選択すると(ステップ16、17)、この患者に対応する収納機構2(引出し)のソレノイド3、61のプランジャー4,62が起動され(ステップ18)、対応する1つの収納機構2(引出し)のみが開けられる。
【0056】
これにより、開けられた収納機構2(引出し)に、新たな薬が供給され、収納機構2(引出し)内に収納される。この場合、薬を供給する患者に対応した収納機構2(引出し)のみが開けられるので、患者を間違えることなく、また薬を間違えることなく、薬を供給できる。
【0057】
また、複数の患者の一覧が提示されて(ステップ15)、この中の特定の患者が指定されたとき(ステップ17)、上記複数の収納機構2(引出し)のうち、この指定された収納機構2(引出し)のみが薬の収納を可能とされ(ステップ18)、他の収納機構2(引出し)の薬の収納が禁止される(ステップ18→19の繰り返し、ステップ15〜17へ行かず)。
【0058】
これにより、薬を患者に配布するとき以外に、薬を収納機構に収納するときも、複数の患者の間で薬を取り違えることがなくなり、患者・薬を取り違えないで薬を患者に配布する準備ができる。
【0059】
このとき、当該患者の顔写真、氏名、年齢、性別、収納構番号(引出し番号)など、当該患者の個体情報のみが、表示されてもよい。次いで、収納機構2(引出し)を押して閉めると(ステップ19)、プランジャー4、62に設けられたセンサ(図示せず)でこの閉じられたことが検出され、上記ステップ15〜17に戻る。これにより、別の患者の薬が投入または変更され収納される。
【0060】
上記ステップ14で、一致するものがなければ、エラー表示が一定時間、例えば10秒間表示され、上記ステップ11〜13に戻る(ステップ20)。これに対して、上記管理者登録変更モードが選択されて、管理者の静脈データの登録などが情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶されることになる。
【0061】
上記ステップ11またはステップ15では、例えば薬投入・変更(収納)モードの終了する?の表示もされ、上記ステップ12またはステップ16で薬投入・変更(収納)モードの終了が指示されれば(ステップ12、16)、上記ステップ02〜03の処理に戻る。なお、上記ステップ19の後にステップ11〜13に戻ってもよい。
【0062】
なおステップ11〜14の管理者の認証処理は省略可能である。またステップ11〜19の薬投入・変更(収納)モードの処理も省略可能である。この場合、薬が新たに供給されるときには、手作業で薬が供給されることになる。
【0063】
(5)薬配布(供給、取出し)モード
図10は、上記薬配布(供給、取出し)モードの処理のフローチャートを示す。この薬配布(供給、取出し)モードでは、各患者に薬が配布され供給され取り出される。
【0064】
まず、薬配布(供給、取出し)モードの表示がなされ(ステップ31、32、33)、管理者の静脈データが静脈認証装置41から入力され(ステップ33)、情報記憶部36に記憶されている管理者の静脈データ群の中に一致するものがあれば(ステップ34)、患者の静脈データを入力してくださいなどというメッセージが表示される(ステップ35)。
【0065】
ここで、特定の患者の静脈データが静脈認証装置41から入力され(ステップ36、37)、情報記憶部36に記憶されている患者の静脈データ群の中に一致するものがあれば(ステップ38)、この患者に対応する収納機構2(引出し)のソレノイド3、61のプランジャー4、62が起動され(ステップ39)、対応する1つの収納機構2(引出し)のみが開けられる。これにより、特定の患者に対応した1つの収納機構2(引出し)が開けられ、他の患者の薬と間違えずに薬を取り出すことができる。
【0066】
このとき、他の収納機構2(引出し)のソレノイド3、61のプランジャー4、62は起動せず、他の収納機構2(引出し)の薬の取り出しは禁止され、上述のとおり多数・複数の収納機構2(引出し)のうち、ステップ36で静脈認証のされた患者に対応する収納機構2(引出し)の薬のみを取り出し可能とされる。
【0067】
次いで、収納機構2(引出し)を押して閉めると(ステップ40)、プランジャー4、62に設けられたセンサ(図示せず)でこの閉じられたことが検出され、上記ステップ35〜37に戻る。これにより、別の患者へ薬が配布(供給、取出し)される。
【0068】
また、これにより、収納機構2(引出し)全てが閉じられて全ての薬の取り出しが禁止されたとき、上記ステップ35〜38の多数の患者の中の1つの個体を検出することが可能となる。収納機構2(引出し)の少なくとも1つが開けられて唯一の薬の取り出しが可能とされたとき、この開けられている収納機構2(引出し)の開放が保持され、ステップ39→40の繰り返しが実行され、上記ステップ35〜38には行かないので、上記ステップ35〜38の多数の患者の中の1つの個体を検出することが禁止される。
【0069】
なお、収納機構2(引出し)が開けられているとき、さらに同じ患者または異なる患者の別の収納機構2(引出し)が開けられてもよい。これは、複数の収納機構2(引出し)にわたって入用な薬が収納された場合、同部屋の患者の薬も併せて取り出す場合などに有効である。この場合、ステップ40が省略され、ステップ39の後にステップ35に戻る。
【0070】
上記ステップ34で、一致するものがなければ、エラー表示が一定時間、例えば10秒間表示され(ステップ41)、上記ステップ31〜33に戻る。これに対して、上記管理者登録変更モードが選択されて、管理者の静脈データの登録などが情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶されることになる。
【0071】
上記ステップ38で、一致するものがなければ、エラー表示が一定時間、例えば10秒間表示され(ステップ42)、上記ステップ35〜37に戻る。これに対して、上記患者登録変更モードが選択されて、患者の静脈データの登録などが情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶されることになる。
【0072】
上記ステップ32またはステップ36では、例えば薬配布(供給、取出し)モードの終了する?の表示もされ、上記ステップ32またはステップ36で薬配布モードの終了が指示されれば(ステップ32、36)、上記ステップ02〜03の処理に戻る。
【0073】
なお、上記ステップ40の後にステップ31〜33に戻ってもよい。この場合、患者への薬の配布ごとに管理者の静脈認証も実行される。また、管理者が交代するごとにステップ33、34の静脈認証が実行されてもよい。この場合、管理者が交代するごとに、所定の操作によって、または管理者の識別コードのセンサ感知によって、ステップ31〜33の処理に移行することになる。
【0074】
なおステップ31〜34の管理者の認証処理は省略可能である。このステップ31〜34の管理者の認証処理があるので、管理者の照合の一致結果に応じて、上記特定の患者のみへの薬の配布(供給、取出し)を可能とされる。
【0075】
上記ステップ34、38、14の処理では、検出され照合される1つの個体の静脈データつまり検出情報が、上記予め情報記憶部36またはプログラム/データ記憶部37に記憶された多数の患者または管理者の静脈データつまり各個体を識別する複数の個体情報に無いことが検出される。そして、上記ステップ41、42、19の処理では、この検出結果に応じて、患者または管理者の静脈データつまり各個体を識別する個体情報が無いことが報知される。
【0076】
上記ステップ14、34、38、39、18、19、39、40などで、そのときの時刻が、上記管理者情報、上記患者情報などとともに記憶される。そのための時計回路も備えられる。このような時計回路は、現在の時刻をカウントするほか、インターネット、電波受信などを通じて、現在時刻の情報が入手される。これにより、管理者または患者の静脈認証の時刻、薬を投入した時刻が記録される。
【0077】
(6)第二実施形態
図11〜
図13は第二実施形態を示す。上記収納機構2(引出し)の奥面/背面の両端には、ガイド板51、51が延出されている。このガイド板51、51は、収納機構2(引出し)の両側面が延出され、先端/奥端は尖っており、下縁及び奥縁は外側へ折れ曲がり、これに投薬装置1本体からの複数のピン(図示せず)が上下から係合している。
【0078】
したがって、収納機構2(引出し)は、複数のピンに沿ってスライドして出し入れ可能となっている。収納機構2(引出し)がスライドして出されたとき、このガイド板51、51の折れ曲った先端/奥縁はピン(図示せず)に当接して、収納機構2(引出し)が抜け落ちない。収納機構2(引出し)の奥面中央外側には、引き留め凹フック52が突設されている。この引き留め凹フック52は水平な「コ字状」で、中央が凹んでいる。
【0079】
この引き留め凹フック52の後方の、投薬装置1の背面内側には、板状の支持プレート53が縦向きに固定されている。この支持プレート53の下方には水平方向に前後に延びる長孔54が形成され、この長孔54に沿ってプッシュブロック55の突起(図示せず)が水平方向に前後スライド可能となるように規制される。
【0080】
プッシュブロック55の前縁は上記引き留め凹フック52の奥外面に当接している。またプッシュブロック55の奥縁と投薬装置1の背面内側との間には、コイルバネ56が挟まれて介在され、プッシュブロック55及び引き留め凹フック52、さらには収納機構2(引出し)が押し出されるように付勢される。
【0081】
前後に長いロックレバー57の中央付近にはスプリングピン58が設けられ、このスプリングピン58によってロックレバー57が上記支持プレート53中央に搖動可能に支持される。ロックレバー57の手前先端はフック状/鉤状のロックフック59になっていて、このロックフック59は上記引き留め凹フック52内に係合して収納機構2(引出し)が押し出されるのを防止している。
【0082】
上記ロックレバー57の奥側先端は、投薬装置1背面からも突出してロックボタン60となっており、このロックボタン60を押し下げると、ロックレバー57が引き留め凹フック52から外れ、コイルバネ56の付勢によって、引き留め凹フック52がプッシュブロック55によって押され、収納機構2(引出し)が押し出され開けられる。
【0083】
上記ロックレバー57の上にはソレノイド61が横向きに固定され、このソレノイド61のプランジャー62は手前に出没可能であり、当該プランジャー62の先端はスプリングピン63によって上記ロックレバー57の上方に互いに回動可能に連結されている。このロックレバー57の上方奥面と上記ソレノイド61の手前面との間にはコイルバネ64が挟まれて介在され、ロックレバー57のロックフック59が引き留め凹フック52内に係合するように付勢される。
【0084】
ソレノイド61に電流が流れて起動されると、プランジャー62がソレノイド61内に引き込まれ、ロックレバー57が引き上げられ、ロックレバー57が引き留め凹フック52から外れ、コイルバネ56の付勢によって、引き留め凹フック52がプッシュブロック55によって押され、収納機構2(引出し)が押し出され開けられる。
【0085】
上記ロックボタン60の押し下げは、停電、収納機構2(引出し)内の薬がつかえたときなど、非常時に行われる。このロックボタン60は、収納機構2(引出し)と同じ数だけ、投薬装置1の背面から露出しており、特定の収納機構2(引出し)を選んで開けることができる。この投薬装置1の背面には保護カバー(図示せず)が着脱自在に取り付けられ、ロックボタン60は普段は使われず非常時のみ保護カバーが外されて使用される。なお、各ロックボタン60が連結されて各収納機構2(引出し)が一斉に開けられてもよい。
【0086】
上述の各実施形態及びこれらの変更形態において、本実施形態で記載されていないことは、他の実施形態の記載されている内容が参照または引用されるし、本実施形態の記載内容も上記第一実施形態にも記載されているものである。本願明細書及び請求の範囲においては、上記複数の実施形態にわたって、構成、動作、作用、工程または機能の各部または一部を入れ替えた実施形態も、上記各実施形態として記載されているものである。
【0087】
(7)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、本投薬装置、投薬方法、投薬のためのコンピュータプログラムは、複数の国、国内外に分散して設けられた装置、プログラムによって、実行されてもよい。
【0088】
各個体を識別する複数の個体情報は、静脈の平面形状または立体形状のほか、指紋、光彩、虹彩、唇、耳、諺文、歩き方、顔の画像、遺伝子、血液型、健康保険番号、社会保障番号、運転免許証番号、住民基本台帳番号、氏名、年齢、生年月日、男女、電話番号、納税者番号、身長、体重、癖、患者固有のパスワード、静止画像、動画像などでもよい。
【0089】
収納機構2(引出し)は、箱形のほか、袋形、升形、扉形、金庫形、直方体、立方体、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、その他の立体形状、これらの組み合わせ複合立体形状、角張った段差のある形状、丸みを帯びた段差のある形状、丸みを帯びた凹凸のある形状、これらの組み合わせ形状、網状、多数の穴があいたもの、これらの中央等に穴があいたもの、これらの複合形などでもよい。
【0090】
上記収納機構2(引出し)は、引出し方式のほか、箱が上下する方式、蓋だけが開閉する方式でもよいし、収納機構2(引出し)の開閉方向は水平方向のほか、垂直方向でもよいし、斜め方向でもよいし、薬の取り出し方向は水平方向のほか、垂直方向でもよいし、斜め方向でもよく、薬を収納、取出しできればどのような方式でもよい。
【0091】
収納機構2(引出し)を開閉する機構は、ソレノイド3、61及びプランジャー4、62のほか、電子錠、バネ機構、エアーシリンダでもよい。バネ機構では、バネ圧で扉、または収納機構2(引出し)が開くように付勢され、係合機構で開かないように留められ、
【0092】
回動式の扉の裏面がソレノイド3、61のプランジャー4、62に連結され、扉の裏に
図3〜
図6、
図12〜13の機構が設けられてもよい。これにより、箱部分以外の扉のみが開閉されて、薬が取り出されてもよい。プランジャー4、62は、収納機構2(引出し)の開放時にソレノイド3、61内に没するものであったが、収納機構2(引出し)の開放時にソレノイド3、61内から出るものでもよい。
【0093】
ソレノイド3、61及びプランジャー4、62の代わりに、駆動源として、電磁ソレノイドのほか、エアーシリダー、直流モータ、交流モータ、リニアモータ、人力、内燃機関、外燃機関、電力、磁力、水力などでもよい。
【0094】
駆動機構は、テコ機構、リンク機構、平歯車、チェーン、傘歯車、ウォーム歯車、ピン歯車、はすば歯車、ピニオンラック機構、クランク機構、プーリ及びベルトの機構、歯車及び歯形ベルトの機構、ロープ車及びベルト車、カム機構など、動力を伝達できれば何でもよい。
【0095】
薬は、錠剤、顆粒、液体状、気体状など、なんでもよく、手でつまむほか、ピンセット、箸などでつまんだり、スプーンなどですくったり、袋などから口に移動するもの、注射器で取り入れるものなどでもよい。
【0096】
収納機構2(引出し)に収納されるのは、薬のほか、注射針、注射器、人工血管、人工関節、カテーテル、メス、鉗子などの医療機器、輸血用血液、移植用臓器、臍帯血、角膜、鼓膜、神経、リンパ液、髪の毛、歯、耳、眼球等の移植用素材などでもよい。この場合、各個体を識別する複数の個体情報は、上記医療機器、移植用素材が使用・移植される患者となる。
【0097】
収納機構2(引出し)に収納されるのは、財布、宝玉、宝石、貴金属、金銭、証券、権利書その他の財産などの貴重品、種々の機械の各種部品、着替えなどの衣服、制服、履物、寝具、食事、食糧、料理でもよい。この機械には、車両などの乗り物、OA機器、電気製品、小型電子機器、玩具、書籍、音楽CD、画像DVDなどがある。各個体を識別する複数の個体情報は、上記貴重品の預入者、上記各種部品の組み立て者、衣服などを着る者、食する者のものとなる。
【0098】
上記ステップ31〜42の薬配布(供給、取出し)処理の中で、上記ステップ15〜19の薬投入・変更(収納)処理と同じ処理が実行されてもよい。これにより、何らかの事情によって患者の静脈認証ができないとき、この患者の収納機構2(引出し)を管理者が開けて薬を配布・供給・取出しできる。
【0099】
上記ステップ01〜04の全体処理、上記ステップ11〜14、31〜34の管理者の静脈認証処理、上記ステップ15〜19の薬投入・変更(収納)処理、上記ステップ35〜40の薬配布(供給、取出し)処理の順番は入れ替わってもよく、設定の順番は上記のものに限られないし、これら一部合体されたり分離されたり、一部省略されてもよいし、各ステップが均等の他の処理に置き換えられてもよいし、同等の機能を発揮するハードまたは回路で一部または全部が置き換え可能である。
【0100】
上記
図8〜
図10の各フローチャートにおいては、それぞれの処理の順番は一部入れ変えてもよいし、一部省略されてもよいし、各ステップが均等の他の処理に置き換えられてもよいし、同等の機能を発揮するハードまたは回路で一部または全部が置き換え可能である。
【0101】
上記
図7の全体回路の投薬装置1、収納機構2(引出し)、ソレノイド3、61、プランジャー4、62、ロックアーム5、回動軸6、コイルバネ7、ブラケット8、係合突起11、係合ポール12、押出しブロック16、コイルバネ17、付勢アーム21、連結棒22、コントローラ31、アドレス/データバスライン32、入力部33、出力部34、インターフェース部35、情報記憶部36、プログラム/データ記憶部37、静脈認証装置41、ガイド板51、引き留め凹フック52、支持プレート53、長孔54、プッシュブロック55、コイルバネ56、ロックレバー57、スプリングピン58、ロックフック59、ロックボタン60、スプリングピン63、コイルバネ64の一部または全体は省略されてもよいし、その数が増えても減ってもよいし、一つ、単体でも複数でもよく、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、他のものがさらに付加・積層・混合されてもよいし、それぞれの寸法は上記以外でもよいし、それぞれの寸法の相対的大小は切り換えられてもよいし同じでもよいし、その材質は紙のほか、樹脂製、金属製、木製、集成材製、合成材製、合板製、表面に化粧紙が接着されたもの、竹製、樹脂製、ガラス製、綿製、布製、糸製、繊維製、ゴム製、紙製、セラミック製、カーボン製、硬質ウレタン製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよい。
【0102】
例えば、コントローラ31、情報記憶部36及びプログラム/データ記憶部37が合体されたり、3つ以上に分離されたり、入力部33、出力部34及びインターフェース部35が合体されたり、3つ以上に分離されたりしてもよい。
【0103】
(8)他の発明の効果
[1]予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報と、この複数の個体情報に一対一で対応し、これにより多数の患者の薬を区別して収納する複数の収納機構と、 上記多数の患者の中の1つの個体を検出する第一の検出手段と、 上記複数の個体情報と、上記第一の検出手段で検出された1つの個体の検出情報とを照合する第一の照合手段と、 この第一の照合手段の一致結果に応じて、上記複数の収納機構のうち、上記対応する収納機構の薬のみを取り出し可能とし、他の収納機構の薬の取り出しを禁止する第一の制御手段とを備えたことを特徴とする投薬装置。これにより、複数の患者の間で薬を取り違えることがなくなる。
【0104】
[2]上記複数の収納機構の全てが薬の取り出しを禁止されたとき、上記第一の検出手段の検出を可能とし、 上記複数の収納機構の少なくとも1つが薬の取り出しを可能とされたとき、上記第一の検出手段の検出を禁止することを特徴とする請求項1記載の投薬装置。これにより、複数の収納機構2(引出し)の1つのみが開けられ、複数の収納機構2(引出し)が同時に開けられることがなく、複数の患者の間で薬を取り違えることがなくなる。
【0105】
[3]複数の患者の一覧を提示し、この中の特定の患者が指定されたとき、上記複数の収納機構のうち、上記指定された収納機構のみを薬の収納を可能とし、他の収納機構の薬の収納を禁止する第二の制御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の投薬装置。
【0106】
これにより、薬を患者に配布するとき以外に、薬を収納機構に収納するときも、複数の患者の間で薬を取り違えることがなくなり、患者・薬を取り違えないで薬を患者に配布する準備ができる。
【0107】
[4]上記収納機構は、管理者の個体を識別する個体情報も予め記憶し、 上記管理者の個体を検出する第二の検出手段と、 上記管理者の個体情報と、上記第二の検出手段で検出された管理者の検出情報とを照合する第二の照合手段と、 この第二の照合手段の一致結果に応じて、上記第一の制御手段または第二の制御手段の上記制御を可能とする請求項3記載の投薬装置。
【0108】
これにより、管理者の認証もなくては、薬を供給できないので、有資格者のみを管理者として登録でき、無資格者によってむやみに薬を供給することが防がれ、看護師、医師といった法律で認められた以外の登録を防ぎ、看護師、医師などの法律にのっとった者による薬配布、運用が可能となる。
【0109】
[5]第一の検出手段で検出され、上記第一の照合手段で照合される1つの個体の検出情報が、上記予め記憶された多数の患者の各個体を識別する複数の個体情報に無いことを検出する第三の検出手段と、 第三の検出手段の検出結果に応じて、各個体を識別する個体情報が無いことを報知することを特徴とする請求項4記載の投薬装置。
【0110】
これにより、患者の個体を識別する個体情報がまだ記憶されていないことが報知され、あらためて患者の個体を識別する個体情報を記憶しなくてはならないことが知らされ、あらためて個体情報を登録すれば、薬の供給・配布・取出しが可能となる。