【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
表示装置を取付部材を介してインストルメントパネルに取付けるようにした表示装置の取付構造であって、
前記取付部材は、車室内側から操作される固定具によってインストルメントパネルに固定されており、
前記表示装置は、前記固定具を車室内側から覆う使用位置と該使用位置から変位されて該固定具が車室内側に臨む待避位置とをとり得るように、該取付部材に対して変位可能に取付けられており、
前記表示装置は、前記待避位置から前記使用位置に向けて変位されたときに前記インストルメントパネルに嵌合されて該使用位置を保持させるための嵌合部を有している、
ようにしてある。
【0008】
上記解決手法によれば、表示装置を待避位置とすることにより、固定具を車室内側から操作して、表示装置を取付部材と共にインストルメントパネルに対して取付、取外しを行うことができ、表示装置に対するサービス性を向上させることができる。また、表示装置を使用位置としたときは、固定具が表示装置によって覆われて車室内側から目視されることがなく、外観上の見栄えの点で好ましいものとなる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記インストルメントパネルの背面側に、車幅方向に延びるクロスカービームに固定された補強ブラケットが配設され、
前記固定具が、前記補強ブラケットと前記取付部材とで前記インストルメントパネルを挟持した状態で、該補強ブラケットに対して固定されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、補強ブラケットを利用して、表示装置を取付部材と共にインストルメントパネルにしっかりと固定することができる。また、インストルメントパネルの取付けをもしっかりと行うことができる。
【0010】
前記嵌合部が、係止爪部として構成され、
前記取付部材および前記インストルメントパネルに、前記係止爪部が挿通される挿通孔が形成され、
前記補強ブラケットに、前記各挿通孔を挿通された前記係止爪部が嵌合される係止孔が形成されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、係止爪部を利用して、表示装置を使用位置に確実に保持させることができる。また、係止爪部の係止孔に対する嵌合と嵌合解除は比較的容易なので、表示装置を使用位置と待避位置との間で容易に姿勢変更させる上で好ましいものとなる。
【0011】
前記表示装置は、前記取付部材に対して、車幅方向に延びる揺動軸線を中心として前後方向に揺動可能に取付けられ、
前記表示装置は、
その上端部が前記使用位置から
車両の前側に向けて揺動されることにより前記待避位置とされる、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、表示装置の揺動を利用して、使用位置と待避位置との間での姿勢変更を行うことができる。
【0012】
前記揺動軸線の設定位置が、前記取付部材の上端部とされている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、表示装置を、取付部材との干渉を防止しつつ、使用位置と待避位置との間で姿勢変更させる上で好ましいものとなる。
【0013】
前記使用位置にある前記表示装置の上端部に対して、
車両の前下方に向かう所定以上の荷重が作用したときに、前記嵌合部の嵌合が解除されて該表示装置が前記待避位置に向けて揺動される、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、前方衝突時に乗員の頭部が表示装置に当接されたときの衝撃緩和の上で好ましいものとなる。
【0014】
前記表示装置は、前記取付部材に対して、上下方向にスライド可能に取付けられ、
前記表示装置は、前記使用位置から上方に向けてスライドされることにより前記待避位置とされる、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、表示装置を上下方向のスライド動を利用し
て、使用位置と待避位置との間での姿勢変更を行うことができる。
【0015】
前記取付部材は、上下方向に延びる縦壁部と該縦壁部の下端部から
車両の後方へ延びる底壁部とを有する断面略L字状に形成され、
前記インストルメントパネルは、前記底壁部の後端部を
車両の後方から覆うように上方に向けて膨出された膨出部を有している、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、取付部材の後端エッジ部が乗員から目視されることの防止と、後端エッジ部に乗員の手指が触れてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。