(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態を説明する。
図1は、この発明の光学システムを説明する概念図である。
この光学システムは「赤外領域に吸収波長を有する検出ガスの有無を検出」するシステムである。
光学システムは、図の如く、赤外光光源10、照射手段12、受光手段14、検出手段16、表示手段18および制御手段20を有している。
説明の具体性のため、以下の説明においてはCO
2ガス(2酸化炭素ガス)を「検出ガス」として検出の対象とする場合を想定する。
CO
2ガスは吸収波長:4.26μmを有する。
周知の如く「赤外光」は、赤外光領域に波長を有する電磁波である。赤外光領域は「可視光の波長領域の上限よりも長波長側の波長領域」で、一般に、近赤外光、中赤外光、遠赤外光に分類される。近赤外光の波長域は「0.7〜2.5μm」、中赤外光の波長領域はその上限が必ずしも一義的には特定されていないが「2.5〜4.6μm程度」であり、これより長波長の領域の赤外光が遠赤外光であるとされる。
説明中の検出ガスであるCO
2ガスの吸収波長は上記の如く4.26μmであるから、検出に用いる赤外光は「中赤外光」である。
【0008】
このような赤外光を放射する赤外光光源10としては、市販の各種の赤外線レーザ光源(一般に、半導体レーザである。)を好適に用いることができる。
以下において、赤外光光源10は「赤外線レーザ光源」を想定する。
なお、赤外光光源10は複数の発光源(赤外線レーザ光源等)を有することができる。
また、以下において、前記「測定空間領域」を「検出空間領域」ともいう。
【0009】
赤外光光源10は、制御手段20により点滅を制御され、点灯状態では赤外光11を放射する。放射された赤外光は照射手段12によって検出空間領域100に、照射赤外光13として照射される。即ち、説明中の光学システムでは、検出空間領域100内における検出ガス(CO
2ガス)が検出対象である。
【0010】
照射手段12による「検出空間領域100への赤外光照射の態様」は、以下の2方式が可能である。
第1の方式は、半導体レーザである赤外光光源10からの「発散性の赤外光」を照射赤外光13として検出空間領域100を照射する方式である。
この場合には、赤外光光源10が照射手段12を兼ねることになる。勿論、プリズムやミラーを用いて、赤外光の照射方向を調整することも、レンズや曲面ミラーを用いて、赤外光光源10からの発散性の光束を適当な発散角に調整することもできる。これらの場合には、上記凹リズムやミラー、レンズや曲面ミラー等の光学素子が照射手段12を構成することになる。
第2の方式は、照射赤外光13を「赤外光ビーム」として、この赤外光ビームにより検出空間領域を2次元的に走査する方式である。
説明中の例では半導体レーザによる赤外線レーザ光源を想定しているので、赤外光光源10から放射される赤外光レーザは「発散性」である。照射光を赤外光ビームとする場合には、この発散性の赤外光レーザを集光レンズあるいは凹面ミラーで「ビーム状」の光束形態とし、このビーム状の赤外光レーザを「2次元偏向手段」で偏向させる。
【0011】
偏向手段としては、MEMSとして形成された周知の偏向手段を用いることができる。
【0012】
MEMSによる偏向手段は、2次元偏向機能を持つ場合と、1次元的な偏向機能を持つ場合があるが、前者の場合であれば単一の偏向手段により2次元的な偏向を行うことができる。後者の場合であれば、2つの偏向手段を組み合わせて、2方向の偏向を行うようにできる。
別の例として、回転多面鏡(所謂ポリゴンミラー)を2つ組み合わせて、2次元的な偏向を行うようにすることもできる。
【0013】
上に説明した例では「前記集光レンズもしくは凹面ミラーと偏光手段」が照射手段12を構成する。
検出空間領域100を照射した赤外光13Aは受光手段14により受光される。検出手段16は、受光手段14の受光内容である受光信号14Aに応じて「検出空間領域100における被検ガスの有無」を検出する。
検出手段16による被検ガスの検出は「検出ガスの吸収波長を波長域に含む赤外光の強度が、被検ガスを透過する際の吸収により減衰する」ことを利用して行われる。
検出手段16には「検出値に対する閾値域」が設定されている。閾値域の最大値を「最大検出値」、最小値を「最小検出値」とする。
検出値が「最大検出値を超える」ときは受光手段14が過大な赤外光を受光している状態であり、この状態は、受光手段14が照射赤外光13以外に太陽光等を受光している状態と考えられる。勿論、この状態では「被検ガスの適正な検出」は行われない。
逆に、検出値が「最小検出値を下回る」ときは、受光手段14に十分な赤外光が受光されていない状態であり、この状態では照射赤外光13に対して、受光手段14が遮光されている状態と考えられ、この状態においても「被検ガスの適正な検出」は行われない。
【0014】
赤外光光源10から適正に放射され、照射手段12により適正に照射され、検出空間領域に「自然状態で通常存在する量のCO
2ガス」が存在している場合(この場合を「基準状態」と称する。)における検出値を「Snr」とする。
空気中に自然に存在するCO
2ガスの濃度は0.038%程度であることが知られており、検出値:Snrは、このガス濃度に対応する。
また「CO
2ガス中毒」を引き起こす濃度は3%より大きいとされている。
【0015】
「検出値」は、基本的には受光手段12が受光する光強度、即ち、受光信号14Aの大小に対応する。
検出値:Snrは、基準状態で受光手段14が受光する最大の受光量に対応するので、上の「最大検出値」である。
検出空間領域内に基準状態より多い検出ガスが存在する場合には、吸収波長成分が吸収されて検出値は「Snrよりも小さく」なる。
【0016】
検出空間領域に「許容限度ぎりぎりの量」の被検ガスが存在する場合の検出値を「Sn」とすると、検出値:Sの範囲が、
Sn≦S≦Snr
の範囲であれば、検出空間領域内に存在する被検ガスは「許容限度内」である。検出値:Snは3%のCO
2ガスの濃度に対応する。
検出値:Sが検出値:Snより小さくなった場合には、被検ガスの存在は許容限度を超えている。検出値:Sが小さくなる原因としては、第1に「被検ガスの存在量が増加」することであるが、それ以外の原因として、受光手段14が受光する赤外光の絶対量が減少することが考えられる。このような原因としては、受光手段14が「検出空間領域内の遮蔽物」により赤外光を遮光されたことが考えられる。
【0017】
この場合の検出値をSminとし、該Sminをもって上述の「最小検出値」とする。
【0018】
逆に、受光手段12が「赤外光光源10から放射された赤外光以外」の赤外光をも受光する場合には、検出値:Sは検出値:Snr(最大検出値)を超えて大きくなる。このような場合として一般に考えられるのは、太陽光が受光手段14を直射する場合である。
【0019】
そこで、検出値:Sに範囲として、以下の場合が考えられる。
(a) S>Snr
(b) S<Smin
(c) Smin≦S<Sn
(d) Sn≦S≦Snr
上記(a)の場合は、受光手段14が太陽光により照射されている場合であり、この場合上記の如く、被検ガスの適正な検出はできない。
上記(b)の場合は、受光手段が何らかの遮蔽物により赤外光を受光できない場合であり、この場合も被検ガスの適正な検出はできない。
【0020】
上記(c)の場合は、検出空間領域内に存在する被検ガス(CO
2ガス)の濃度が許容範囲外(許容限度を超えている)である場合である。
【0021】
上記(d)の場合は、検出空間領域内に存在するCO
2ガスの濃度が「許容範囲内」である場合である。
【0022】
受光手段14と検出手段16は、種々の構成が可能である。
即ち、受光手段14と検出手段16とは「互いに一体化」していてもよい。即ち、受光手段14は検出手段16を兼ねることができる。この場合には、受光手段14が検出機能を有することになる。
勿論、検出手段16は受光手段14と別体であってもよい。この場合、受光手段14は受光信号14Aを検出手段16に送信可能とすることができる。
さて、受光手段14には「移動受光部」が含まれ、この移動受光部は「移動機能」を有する。移動受光部が移動機能を有するとは「移動受光部それ自体が移動機能を有する」ことを意味する。
移動受光部は「受光手段自体」であることができ、また、「検出手段と一体化した受光手段自体」であることもできる。
また、受光手段14を、移動受光部としてリフレクタと固定受光部を有するように構成し、リフレクタが受光した赤外光を固定受光部に向けて反射するように構成することもできる。
【0023】
検出手段16による検出結果は検出信号16Aとして表示手段18に送られ、表示手段18は検出結果を表示する。
上記赤外光光源10、照射手段12、受光手段14、検出手段16、表示手段18は、これらが上述した機能を実現するように制御手段20の制御を受ける。制御手段20は、マイクロコンピュータやプロセッサユニットとして構成されるが、例えば、外部コンピュータ内に設けられていてもよい。表示手段18は制御手段20の一部として、制御手段20に一体化されていてもよい。
【0024】
制御手段20は、検出された検出値が前記閾値域から外れたとき、受光手段14を制御して前記移動機能により「検出値が閾値域内となる位置」に移動受光部を移動させる。
移動受光部として移動するのは、受光手段14である場合や「検出手段16と一体化して検出手段を兼ねた受光手段」であることもある。また、検出手段とは別体の受光手段であることもあり、さらには、受光手段の一部をなすリフレクタであることもある。
【0025】
以下、具体的な実施の形態を説明する。
図2は、光学システムの実施の1形態を説明図として示す図である。
この実施の形態では、光学システムは「室内におけるCO
2ガスの有無」の検出に用いられる。
図2において、符号10A、10Bは赤外線レーザ光源、符号12A、12Bはカップリングレンズ、符号12Cはミラー部材、符号14は移動受光部、符号16A、16Bは受光素子、符号18はディスプレイ、符号200は制御部、符号SDは遮蔽物、符号FLは床、符号NSLは「ノイズとなる太陽光」を示している。
赤外線レーザ光源10A、10Bは「中赤外光を放射する赤外光発光源」であり、これらは「赤外光光源」を構成する。この例のように、赤外光光源は「2以上の発光源」により構成されることもできるが、これに限らず「単一の発光源」として構成することができることは言うまでもない。
【0026】
赤外線レーザ光源10A、10Bは制御部200により点滅を制御され、点灯すると発散性の赤外光を放射する。赤外線レーザ光源10A、10Bから放射された発散性の赤外光は、それぞれカップリングレンズ12A、12Bにより発散性を抑制され、ミラー部材12Cのミラー面に入射する。
【0027】
ミラー部材12Cは、図の如く「2つの凸の反射面」を楔面状に組み合わせてなり、カップリングレンズ12A、12Bを介して赤外線レーザ光源10A、10Bから入射するレーザ光束を発散させ、図の如く「錐体状に照射」する。このように錐体状に照射された床FL上の空間部分が測定空間領域100である。
即ち、この実施の形態において、カップリングレンズ12A、12Bとミラー部材12Cは「照射手段」を構成し、発散性の赤外光により測定空間領域100を照射する機能を有する。
【0028】
床FLには、移動受光部14が置かれている。
移動受光部14は、
図2(b)、(c)に示すようにリフレクタ140を有する。移動受光部14はまた、
図2(c)に示すように移動制御駆動手段141と通信手段142を内蔵し、回転体143を有する。通信手段142は、この実施の形態においては制御手段200からの無線信号を受信する。
移動制御駆動手段141は、制御部200と通信する通信手段142を介して制御手段200の制御を受け、回転体142の回転を駆動制御し、移動受光部14を床FL上で2次元方向に移動させる。
移動受光体14の上面に設けられたリフレクタ140は「拡散反射性」を有し、入射する光を拡散させて反射する。リフレクタ140により拡散反射された反射赤外光は、一部がミラー部材12Cの反射面に戻り、反射されると、赤外線レーザ光源10A、10Bの近傍に固定的に配置された受光素子16A、16Bに入射して受光される。即ち、受光素子16A、16Bは「固定受光部」である。
即ち、
図2の実施の形態では、「受光手段」が、固定受光部とリフレクタとを有し、リフレクタ140は移動受光部14に一体化され、受光した赤外光を拡散反射し、拡散反射された赤外光の一部は固定受光部16A、16Bに受光される。
受光素子16A、16Bは例えば「アバランシェ受光素子」であり制御部200によりオンオフを制御される。
【0029】
オン状態において受光素子16A、16Bが発生させる「受光信号」は制御部200に入力する。制御部200は受光素子16A、16Bから入力される受光信号の和を前述の「検出値:S」とする。
【0030】
制御部200には前述の閾値:Smin、Snrが設定されるとともに、規定値:Snが設定されており、制御部200は検出値:Sと上記Smin、Snr、Snとの大小を比較する機能を有している。
【0031】
この比較の結果は前述の如く、次の(a)〜(d)の何れかになる。
(a) S>Snr
(b) S<Smin
(c) Smin≦S<Sn
(d) Sn≦S≦Snr
これら(a)〜(d)のうち、(a)の場合は、受光手段が太陽光NSLの照射を受けている場合であり、説明中の実施の形態では、太陽光NSLが測定空間領域100を含む室内で乱反射されてリフレクタ140を照射し、反射された赤外光が受光素子16A、16Bに受光される場合である。この場合、制御部200は「適正な検出ができない」と判断し、移動受光部14の通信手段142を介して、移動制御駆動手段141を制御し、移動受光部14を床FL上で移動させる。
移動受光部14の移動は「直進」と「回転」により行われる。「直進」は、移動受光部14に対して一定の方向へ、所定距離直進的に変位させることにより行われる。この直進変位の際に、移動受光部14が壁等の障害物に当接して移動を妨げられた場合には、移動受光部14は、所定の角度(例えば30度)回転させられたのち、直進移動させられる。 直進と回転により「元の位置から一定の距離」を移動したら、制御部200は、上述のプロセスを繰り返し、検出値:Sが「閾値:Snrより小さくなっているか」を判定し、検出値:Sが閾値:Snrより小さくなるまで、移動受光部14の移動を繰り返す。
【0032】
このようにして「太陽光NSL」の影響を除去することができる。
一方、測定空間領域100内に遮蔽物SDがあるような場合に、移動受光部14が赤外光に対して陰になると、検出値:Sは小さくなって閾値:Sminを下回り上記(b)の状態になると、適正な検出を行うことができなくなるので、この場合も制御部200は上記と同様にして、検出値:Sが閾値:Sminより大きくなるまで移動受光部14を移動させる。
このように、移動受光部14を床FL上で変位させて、検出値:Sが閾値:Sminより大きく、閾値:Snrより小さくなるようにして適正な検出を行うことができる。
適正な検出が行われる状態では、検出値:Sは、上記(c)または(d)を満足するので、制御部200は「その検出結果」を表示手段であるディスプレイ18に表示する。
「表示の態様」は適宜であるが、例えば、検出値:Sに対応するCO
2ガスの濃度と、その濃度が許容範囲内であるか、許容限度を超えるものであるかを表示する。
【0033】
1例として、検出値:Sに対応する濃度が例えば「4%」である場合であれば、この濃度においては「CO
2ガス中毒」の恐れがあるので、ディスプレイ18には、例えば以下のような内容を表示する。
「CO
2ガス濃度:4% CO
2ガス中毒の恐れがあります。」
また、検出値:Sが上記(d)の場合、例えば濃度が「2%」である場合には、検出空間領域100内に存在するCO
2ガスの濃度が「許容範囲内」であるので、この場合であれば、ディスプレイ18には、例えば以下のような内容を表示する。
「CO
2ガス濃度:2% CO
2ガス中毒の恐れはありません。」
このようにして、太陽光NSLや遮蔽物SDの影響を除去して、検出空間領域100内のCO
2ガスの適正な検出を行うことができる。
【0034】
図3に、実施の別形態を示す。繁雑を避けるため、混同の恐れが無いと思われるものについては
図2におけると同一の符号を付した。
図2に示す実施の形態との差異は、受光手段の構成にある。
【0035】
即ち、この実施の形態においては受光手段に含まれる移動受光部14Aは「受光機能と共に検出機能」を有する。
図3(b)、(c)に示すように、移動受光部14Aの上面には、赤外光を受光して受光信号を生成する受光部材145が設けられており、発生する受光信号を検出手段144に入力させるようになっている。
検出手段144は、入力する受光信号を検出値:Sとして上述のSmin、Snr、Snとの大小を比較し、検出値:Sが上記(a)〜(d)の何れかになるかを検出する。
検出器144は検出結果を、通信手段142を介して無線信号として制御部200へ送信する。制御部200は受信した検出結果に応じて、前述の如き検出内容をディスプレイ18に表示する。また、検出結果に応じて必要があるときには、前述の如く適正な検出が可能となる位置へ移動受光部14Aを移動させる。
【0036】
図3に即して説明した実施の形態を以下の如くに変形することもできる。
即ち、
図3(c)に示した検出手段144を、
図2の実施の形態と同様に「制御手段200の一部として構築」し、受光部材145に生ずる受光信号を、通信手段142を介して制御手段200に送信し、制御手段200の有する検出機能により検出を行う。
【0037】
図4に、上に実施の形態を説明した光学システムにおける検出動作をフロー図として示している。
ステップ:S1において検出プロセスが開始されると、赤外光光源が点灯し(ステップ:S2)、照射手段により測定空間領域が照射される。受光手段は、照射された赤外光を受光し、検出手段により検出値:Sとされる(ステップ:S3)。
検出手段は、検出値:Sと前述のSnr、Smin,Snとの大小関係を判定する。即ち、ステップ:S4でSとSnrとの大小関係を判定し、「S>Snr」の場合には、受光手段を移動させ(ステップ:S5)、「S≦Snr」となるまで受光手段の移動と受光・検出とを繰り返す。
【0038】
ステップ:S4で「S≧Snr」である場合にはステップS6に進み、SとSninの大小関係を判定する。「S<Smin」の場合には、ステップ:S5に戻り、「S≦Snr且つS≧Snin」となるまで受光手段を移動させる。
【0039】
「S≦Snr且つS≧Snin」の状態になったら、検出値:Sが「Smin≦S<Sn」であるか(ステップ:S7)、「Sn≦S≦Snr」であるか(ステップ:S9)を判定する。
【0040】
ステップ:S7で「Smin≦S<Sn」である場合には、ステップ:S8で「被検ガスの存在量(濃度:%)」と、この存在量が「許容領域外」である旨の表示を行う。
【0041】
また、ステップ:S9で「Sn≦S≦Snr」である場合には、ステップ:S10で「被検ガスの存在量(濃度:%)」と、この存在量が「許容領域内」である旨の表示を行う。
【0042】
以下、検出続行の有無を判断し(ステップ:S11)、続行の場合はステップ:S3以下を繰り返し、続行しない場合はステップ:S12で検出を終了する。
【0043】
以上、発明の好ましい実施の形態について説明したが、この発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
検出ガスはCO2ガスに限らず、先に例示したCOやH2Sや水蒸気、エチルアルコールガス等の種々のガスを対象とできることは言うまでもない。また、上に説明した例では、CO
2ガスの吸収波長として4.26μmの場合を説明したが、CO
2ガスは14μm〜16μmの波長範囲の吸収領域を有しており、この吸収領域での吸収を利用して検出を行うこともでき、この場合は、赤外光光源として「遠赤外光光源」を用いることができる。
【0044】
また、照射手段による測定空間領域の照射は、上に説明した発散性の光束による照射に限らず「赤外光ビームを2次元的に走査」する照射方式でもよいことは前述の通りである。
【0045】
表示手段は「制御手段と一体化」されていることができる。
【0046】
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。