特許第6948919号(P6948919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6948919アームレストの調整方法及びアームレスト装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6948919
(24)【登録日】2021年9月24日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】アームレストの調整方法及びアームレスト装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/75 20180101AFI20210930BHJP
【FI】
   B60N2/75
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-218492(P2017-218492)
(22)【出願日】2017年11月13日
(65)【公開番号】特開2019-89400(P2019-89400A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 宏明
(72)【発明者】
【氏名】高松 敦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良隆
(72)【発明者】
【氏名】勝部 健一
(72)【発明者】
【氏名】中村 武
(72)【発明者】
【氏名】田中 大助
(72)【発明者】
【氏名】本間 昭
【審査官】 小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−094899(JP,A)
【文献】 特開2017−132384(JP,A)
【文献】 特開2017−136994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/75
B60N 2/00
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能なアームレストを調整するアクチュエータを制御するコントローラによるアームレストの調整方法であって、
自動運転中に、前記コントローラが、前記アームレストの支持面の車両前後方向における後部の水平方向を基準とした鉛直方向の高さを前部より高くすることを特徴とするアームレストの調整方法。
【請求項2】
車両用シートに着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能なアームレストを調整するアクチュエータを制御するコントローラによるアームレストの調整方法であって、
手動運転から自動運転に切り替える時に、前記コントローラが、前記アームレストの支持面の車両前後方向における後部前部より高くすることを特徴とすアームレストの調整方法。
【請求項3】
車両用シートに着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能なアームレストを調整するアクチュエータを制御するコントローラによるアームレストの調整方法であって、
前記乗員がディスプレイを操作する時に、前記コントローラが、前記アームレストの支持面の車両前後方向における後部前部より高くすることを特徴とすアームレストの調整方法。
【請求項4】
自動運転中の前記支持面が、手動運転時の前記支持面よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項5】
自動運転から手動運転に切り替える時に、前記後部を前記前部より高くすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項6】
前記乗員の入力情報を検出し、
前記検出した入力情報に応じて前記支持面の高さを調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項7】
前記乗員の入力情報を検出し、
前記検出した入力情報に応じて前記支持面の水平面に対する傾斜角を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項8】
前記乗員の入力情報を検出し、
前記検出した入力情報に応じて前記支持面の水平面における回転角を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項9】
前記乗員の入力情報を検出し、
前記検出した入力情報に応じて前記支持面の高さを調整し、
前記調整後の前記支持面の高さを学習し、
前記学習後のアームレストの調整時に、前記学習結果に基づき前記支持面の高さを調整する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項10】
前記乗員の活動状態に応じて、前記支持面の高さを調整することを特徴とする請求項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項11】
前記車両用シートのシートバック角度に応じて、前記支持面の高さを調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項12】
前記乗員の体格を検知し、
前記検知した体格に応じて前記支持面の高さを調整することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項13】
前記アームレストを調整する際に、前記支持面の高さ、前記支持面の水平面に対する傾斜角、前記支持面の前記水平面における回転角の少なくとも2つを、予め設定した関係に基づき連動させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のアームレストの調整方法。
【請求項14】
車両用シートに着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能なアームレストを備えるアームレスト装置であって、
自動運転中に、前記アームレストの支持面の車両前後方向における後部の水平方向を基準とした鉛直方向の高さが前部より高いことを特徴とするアームレスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アームレストの調整方法及びアームレスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アームレストを回動自在とし、不使用時にアームレスト収納部に組み込み、必要時にはアームレストを前倒しして使用する車両用シートが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−18958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のアームレストでは、乗員の体格によっては乗員の肘部を適切に支持(サポート)できない場合があった。
【0005】
本発明は、乗員の体格に拠らずに乗員の肘部を適切に支持することができるアームレストの調整方法及びアームレスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両用シートに着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能なアームレストの支持面の車両前後方向における後部を前部より高くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗員の体格に拠らずに乗員の肘部を適切に支持することができるアームレストの調整方法及びアームレスト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るアームレスト装置及び車両用シートの一例を示す側面図である。
図2図1の上面図である。
図3】本発明の実施形態に係るアームレストの動作を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係るアームレストの図3に引き続く動作を示す側面図である。
図5】本発明の実施形態に係るアームレストの図4に引き続く動作を示す側面図である。
図6図5の上面図である。
図7】本発明の実施形態に係るアームレスト装置の一例を示すブロック図である。
図8】「第1モード」のアームレストの位置を示す側面図(その1)である。
図9図8の上面図である。
図10】「第1モード」のアームレストの位置を示す側面図(その2)である。
図11図10の上面図である。
図12】「第2モード」のアームレストの位置を示す側面図である。
図13】「第3モード」のアームレストの位置を示す側面図である。
図14】活動状態とアームレスト高さの関係を表すグラフである。
図15】X軸及びZ軸方向の適した肘部の位置を表すグラフである。
図16】Y軸及びZ軸方向の適した肘部の位置を表すグラフである。
図17】本発明の実施形態に係るアームレストの調整方法の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施形態に係るアームレストの調整処理の一例を示すフローチャートである。
図19】本発明のその他の実施形態に係る車両用シートの一例を示す側面図である。
図20図19の上面図である。
図21】本発明のその他の実施形態に係る車両用シートの他の一例を示す側面図である。
図22図21の車両用シートの動作を示す側面図である。
図23】本発明のその他の実施形態に係る車両用シートの他の一例を示す側面図である。
図24図23の車両用シートの動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
本明細書において、「自動運転」とは、乗員が関与せずに車両の操舵、制動及び駆動のすべてが自動的に制御される運転を意味する。また、「手動運転」とは、車両の操舵、制動及び駆動の全てを運転者が操作する運転の他、車両の操舵、制動及び駆動の一部が自動的に制御される運転を含む。
【0011】
(アームレスト装置)
本発明の実施形態に係るアームレスト装置は、車両に搭載される。本発明の実施形態に係るアームレスト装置は、図1及び図2に示すように、車両用シート(1,2,3)の側面に配置されたアームレスト(4,5)を備える。図1及び図2において、X軸は車両前後方向(水平方向)を示し、Y軸は車幅方向(シート幅方向)を示し、Z軸は鉛直方向(高さ方向)を示す。
【0012】
車両用シート(1,2,3)は、乗員が着座するシートクッション1と、シートクッション1の後部に下端が連結され、乗員の背面を支持するシートバック2と、シートバック2の上端に連結され、乗員の頭部を支持するヘッドレスト3とを備える。アームレスト(4,5)は、シートクッション1に固定され、シートクッション1の車両前後方向のスライドに連動して車両前後方向に移動可能である。なお、アームレスト(4,5)が車両用シート(1,2,3)と分離し、センターコンソール等に固定されていてもよい。
【0013】
アームレスト(4,5)は、車両用シート(1,2,3)に着座した乗員の肘部又は前腕部を支持可能である。アームレスト(4,5)は、肘部及び前腕部の両方を支持してもよく、乗員の肘部及び前腕部の少なくとも一方を支持可能であってもよい。アームレスト(4,5)は、車両前後方向を長手方向として延伸する基体5と、基体5の上部に配置され、車両前後方向を長手方向として延伸する板状の支持部4を備える。基体5の車両前後方向における前部に段差部が設けられ、前部が後部よりも低くなっている。支持部4は基体5の段差部に配置されて、基体5の上面と支持部4の上面がなす支持面(サポート面)が一致している。
【0014】
支持部4の長さL2は基体5の長さL1よりも短く、例えば200mm程度であるが、適宜設定可能である。支持部4とシート幅方向の中心線LCとの距離D1は例えば245mm程度であるが、適宜設定可能である。乗員のヒップポイントP1から支持部4の支持面(支持部4が水平時の支持部4の上面)までの高さ(支持高さ)H1は例えば150mm程度であるが、適宜設定可能である。乗員のヒップポイントP1は車両用シート(1,2,3)の形状や任意の乗員モデル等から適宜設定可能である。乗員モデルとしては、例えば米国成人男性の50パーセンタイルのダミー人形であるAM50が使用可能である。
【0015】
本発明の実施形態に係る車両用シートは、図1に示すようにアームレストセンサ21、シートスライドセンサ22及びシートバックセンサ23を備える。シートスライドセンサ22は、例えばシートクッション1に内蔵されたリニアセンサ等で構成され、シートクッション1の車両前後方向のスライド位置を検出する。
【0016】
シートバックセンサ23は、例えばシートバック2に内蔵されたロータリエンコーダ等で構成され、鉛直方向に対してシートバック2の車両後方に傾斜する角度をシートバック角度(リクライニング角度)として検出する。ここで、鉛直線LAと、乗員のヒップポイントP1と肩部とを結ぶ直線(トルソライン)LBとのなす角度(トルソ角)θ1をシートバック角度に相当するものとする。
【0017】
アームレストセンサ21は、例えばアームレスト(4,5)の支持部4に内蔵されており、支持部4の支持面の高さH1や、支持部4の支持面が水平面(車両前後方向)に対してなす傾斜角θ2(図4参照。)、支持部4の長手方向の水平面における回転角θ3(図6参照。)を検出する。
【0018】
本発明の実施形態に係るアームレスト装置は、高さアクチュエータ31、傾斜角アクチュエータ32及び回転角アクチュエータ33を備える。高さアクチュエータ31は、例えば基体5の後部に取り付けられており、アームレスト(4,5)を昇降してアームレスト(4,5)の支持面の高さH1を調整する。傾斜角アクチュエータ32は、例えば支持部4に取り付けられており、支持部4の車両前後方向における位置、及び支持部4の車両前後方向に対する傾斜角θ2(図4参照。)を調整する。回転角アクチュエータ33は、例えばアームレスト(4,5)の支持部4に取り付けられており、支持部4の長手方向の水平面における回転角θ3を調整する。高さアクチュエータ31、傾斜角アクチュエータ32及び回転角アクチュエータ33の種類は特に限定されず、モータ等を用いて構成することができる。本発明の実施形態に係る車両用シートは、シートバック角度θ1を調整するシートバックアクチュエータ34を更に備えていてもよい。
【0019】
次に、図1図6を参照して、本発明の実施形態に係るアームレスト(4,5)の動作の一例を説明する。まず、図1及び図2に示すように、高さアクチュエータ31が、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1を150mm程度まで高くする。次に、図3に矢印で示すように、傾斜角アクチュエータ32が、支持部4の傾斜角θ2又は回転角θ3を調整時において支持部4と基体5との干渉を防止するため等に、支持部4を車両前方にスライドするように移動させる。支持部4のスライド距離D2は例えば80mm程度であるが、適宜設定可能である。
【0020】
次に、図4に矢印で示すように、傾斜角アクチュエータ32が鉛直方向に支持部4の後部を押し上げて、支持部4の車両前後方向における後部の支持面の高さを前部の支持面の高さよりも高くする。即ち、アームレスト(4,5)の支持面の水平面に対する角度を傾斜角θ2として定義し、その傾斜角θ2を、車両前後方向における支持面の後部を支持面の前部より高くするように調整する。基体5の車両前後方向における後部の支持面に対する支持部4の後端部の支持面の高さH2は、例えば60mm程度であるが、適宜設定可能である。また、支持部4の傾斜角θ2は、例えば10°〜40°程度であるが、適宜設定可能である。
【0021】
次に、図5及び図6の矢印で示すように、回転角アクチュエータ33が、支持部4の車両前後方向における前部がシート幅方向の中心線LC側に近づくように、鉛直方向における回転角アクチュエータ33の位置を中心軸とし、水平面において支持部4の前部を内側に回転させる。支持部4の車両前後方向に対する回転角θ3は例えば20°程度であるが、適宜設定可能である。支持部4の前端部とシート幅方向の中心線LCとの距離D3は例えば190mm程度であるが、適宜設定可能である。
【0022】
なお、図1図6において、支持部4の水平面に対する傾斜角θ2を調整後、水平面における回転角θ3を調整する場合を例示したが、水平面における回転角θ3を調整後に、支持部4の水平面に対する傾斜角θ2を調整してもよい。或いは、水平面における回転角θ3の調整と、支持部4の水平面に対する傾斜角θ2の調整とを同時に連動させて行ってもよい。その場合、水平面における回転角θ3の調整と、支持部4の水平面に対する傾斜角θ2の調整との、動作開始タイミングと動作終了タイミングの少なくとも一方を一致させてもよい。
【0023】
本発明の実施形態に係るアームレスト装置は、乗員の活動状態に応じてアームレスト(4,5)の支持面の位置、角度及び形状等を調整することにより、乗員の肘部を適切に支持(サポート)することができる。本発明の実施形態に係るアームレスト装置は、図7に示すように、処理回路10、センサ20、入力装置24、モード選択スイッチ25、自動運転スイッチ26、アームレストアクチュエータ30及びシートバックアクチュエータ34を備える。
【0024】
センサ20は、アームレストセンサ21、シートスライドセンサ22及びシートバックセンサ23を備える。アームレストセンサ21により検出されたアームレストの位置情報、シートスライドセンサ22により検出されたシートクッション1のスライド位置、及びシートバックセンサ23により検出されたシートバック角度θ1は処理回路10に出力される。アームレストアクチュエータ30は、処理回路10によりそれぞれ制御される高さアクチュエータ31、傾斜角アクチュエータ32及び回転角アクチュエータ33を備える。
【0025】
入力装置24としては、例えばタッチパネル、スイッチ、音声入力装置等が採用可能であり、車室内に乗員により操作可能に配置されている。入力装置24は、乗員からアームレスト(4,5)の位置、シートスライド位置、シートバック角度θ1等の調整データを設定する入力操作等を受け付ける。なお、モード選択スイッチ25及び自動運転スイッチ26を個別に備えず、入力装置24がモード選択スイッチ25及び自動運転スイッチ26の機能を兼ねていてもよい。
【0026】
自動運転スイッチ26は、車室内に乗員により操作可能に配置されている。自動運転スイッチ26を操作することで、手動運転から自動運転に切り替えることができる。また、自動運転スイッチ26を操作することで、自動運転から手動運転に切り替えることができる。
【0027】
モード選択スイッチ25は、車室内に乗員により操作可能に配置されている。モード選択スイッチ25は、自動運転中における乗員の活動モード(活動状態)を選択する入力操作を受け付ける。ここで、乗員の活動モードは、例えば「第1モード(緊張モード)」、「第2モード(リラックスモード)」、「第3モード(睡眠モード)」に区別できる。「緊張モード」は、乗員が手動運転に復帰し易いように外界を監視したり、仕事をしたりして緊張感を保つ状態に対応する。「緊張モード」のシートバック角度θ1は25°〜35°程度が適している。
【0028】
「リラックスモード」は、「緊張モード」よりも乗員の活動量が低い状態であり、乗員が外界の景色を眺めたり、映画やテレビ番組を見たり、読書したりしてリラックスする状態に対応する。「リラックスモード」のクライニング角度は、「緊張モード」のシートバック角度θ1よりも大きく、35°〜45°程度が適している。「睡眠モード」は、「リラックスモード」よりも乗員の活動量が低い状態であり、乗員が上体を倒して体を休めたり、睡眠したりする状態に対応する。「睡眠モード」のシートバック角度θ1は、「リラックスモード」のシートバック角度θ1よりも大きく、45°〜55°程度が適している。
【0029】
処理回路10は、本発明の実施形態に係るアームレスト装置が行う動作に必要な処理の算術論理演算を行う電子制御ユニット(ECU)等のコントローラであり、例えば、プロセッサ、記憶装置及び入出力インターフェースを備えてもよい。プロセッサには、算術論理演算装置(ALU)、制御回路(制御装置)、各種レジスタ等を含む中央演算処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)等に等価なマイクロプロセッサ等を対応させることができる。処理回路10に内蔵又は外付けされる記憶装置は、半導体メモリやディスクメディア等からなり、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等の記憶媒体を含んでいてもよい。例えば、記憶装置に予め記憶された、本発明の実施形態に係るアームレスト装置の動作に必要な一連の処理を示すプログラムをプロセッサが実行し得る。
【0030】
処理回路10は、論理ブロックを機能的若しくは物理的なハードウェア資源として備える。これらの論理ブロックを、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等で物理的に構成してもよく、汎用の半導体集積回路中にソフトウェアによる処理で等価的に設定される機能的な論理回路等でも構わない。また、処理回路10を構成する論理ブロックは、単一のハードウェアから構成されてもよく、それぞれ別個のハードウェアから構成されてもよい。
【0031】
処理回路10は、乗員の活動状態に応じて、アームレスト(4,5)の目標位置を設定する。処理回路10は、設定した目標位置と、アームレストセンサ21により検出されたアームレスト(4,5)の現在位置とに基づき、アームレスト(4,5)を現在位置から目標位置に移動させる制御量を算出する。処理回路10は、算出した制御量に基づき、高さアクチュエータ31、傾斜角アクチュエータ32及び回転角アクチュエータ33を制御することにより、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状等を調整する。処理回路10は更に、乗員の活動状態に応じて、シートバックアクチュエータ34を制御することにより、シートバック角度θ1を調整してもよい。
【0032】
例えば、モード選択スイッチ25により「緊張モード」が選択された場合、図8及び図9に示すように、ステアリングホイール8の内側から操作可能なディスプレイ9が登場し、乗員M1はディスプレイ9を操作して仕事することができる。或いは、ステアリングホイール8の内側からテーブルが登場し、乗員M1はテーブル上で作業してもよい。
【0033】
処理回路10は、モード選択スイッチ25により選択された「緊張モード」に応じて、図8及び図9に示すように、乗員が仕事するのに適する25°〜35°程度にシートバック角度θ1を調整する。更に、処理回路10は、「リラックスモード」及び「睡眠モード」の場合よりも支持部4の支持面の高さ(H1+H2)を高くする。この際、処理回路10は、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1を150mm程度高くした後、支持部4の車両前後方向における後部の支持面の高さ(H1+H2)を前部よりも60mm程度高くする。更に、処理回路10は、支持部4を水平面において回転角θ3で回転させてロック状態とする。これにより、緊張した状態にある乗員の肘部を適切に支持(サポート)することができる。なお、乗員M1の手動又は入力装置24を介した操作によりシートバック角度θ1が25°〜35°程度に設定された場合、処理回路10は、乗員の活動モードが「緊張モード」であると推定し、図8及び図9に示すように、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整してもよい。
【0034】
ここで、図10及び図11に、図8及び図9に示した乗員M1よりも体格の大きい乗員M2が着座している様子を示す。図10及び図11において、シートクッション1のスライド位置は、図8及び図9に示したスライド位置よりも後方に調整されており、アームレスト(4,5)の位置も後方に移動している。アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状は図8及び図9に示した位置及び形状と同一である。
【0035】
図8及び図9に示すように、相対的に体格の小さい乗員M1の肘部は、支持部4の前部側の位置PAで支持されている。一方、図10及び図11に示すように、相対的に体格の大きい乗員M2の肘部は、支持部4の後部側の位置PBで支持されている。位置PBは、位置PAと比較して、車両前後方向において後方で、且つシート幅方向において外側の高い位置である。このように、乗員M1,M2の体格差がある場合にでも、アームレスト(4,5)の調整後の位置及び形状により、乗員M1,M2の体格差を吸収(カバー)して、乗員M1,M2の肘部を適切に支持することができる。
【0036】
また、モード選択スイッチ25により「リラックスモード」が選択された場合、処理回路10は、図12に示すように、シートバック角度θ1を35°〜45°程度に調整する。更に、処理回路10は、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1を、「緊張モード」の場合よりも低く、「睡眠モード」の場合よりも高い120mm程度に調整し、ロック状態とする。アームレスト(4,5)の調整後の位置及び形状により、リラックスした状態にある乗員の肘部及び前腕部を適切に支持することができる。なお、乗員M1の手動又は入力装置24を介した操作によりシートバック角度θ1が35°〜45°程度に設定された場合、処理回路10は、「リラックスモード」であると推定し、図12に示すように、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整してもよい。
【0037】
また、モード選択スイッチ25により「睡眠モード」が選択された場合、処理回路10は、図13に示すように、シートバック角度θ1を45°〜55°程度に調整する。更に、処理回路10は、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1を、「緊張モード」及び「リラックスモード」の場合よりも低い100mm程度に調整し、ロック状態とする。アームレスト(4,5)の調整後の位置及び形状により、睡眠状態にある乗員の肘部及び前腕部を適切に支持することができる。なお、乗員M1の手動又は入力装置24を介した操作によりシートバック角度θ1が45°〜55°程度に調整された場合、処理回路10は、「睡眠モード」であると推定し、図13に示すように、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整してもよい。
【0038】
更に、処理回路10は、自動運転中に、緊急時等に手動運転に切り替える必要がある場合、図8及び図9に示した「緊張モード」に対応するアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状に調整する。図8及び図9に示したアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状によれば、支持部4の車両前後方向における後部の支持面の高さ(H1+H2)が前部の高さよりも高いため、乗員M1の肘部に付与される反力が大きくなり、乗員M1の上体を起こすように作用して、乗員M1が運転操作に復帰し易くなる。
【0039】
更に、処理回路10は、図8及び図9に示した「緊張モード」、図12に示した「リラックスモード」、図13に示した「睡眠モード」のそれぞれのアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を、乗員M1の体格に基づき更に調整してもよい。乗員M1の体格の検出方法は特に限定されず、例えば車内カメラで乗員M1の目線の高さを検出したり、シートクッション1又はシートバック2に内蔵された圧力センサにより乗員M1の背面又は着座面の圧力を検出したり、シートクッション1のスライド位置を検出したり、種々の検出方法が採用可能である。例えば、図8及び図9に示した「緊張モード」において、相対的に小さい乗員M1の場合には、図10及び図11に示した相対的に大きい乗員M2の場合と比較して、支持部4の傾斜角θ2を小さくして支持部4の支持面の高さ(H1+H2)を低くすると共に、支持部4の回転角θ3を大きくしてもよい。
【0040】
更に、処理回路10は、図8及び図9に示した「緊張モード」、図12に示した「リラックスモード」、図13に示した「睡眠モード」のそれぞれのアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状に調整後、入力装置24が乗員M1により変更する入力操作(入力情報)を受け付けた場合には、乗員の入力情報に基づきアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整する。更に、処理回路10は、乗員M1が適すると感じるアームレスト(4,5)の調整後の位置、角度及び形状を学習して、学習結果を記憶装置14に格納する。そして、処理回路10は、学習後の次回以降の活動モードの選択時には、学習した乗員M1が適すると感じるアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状に調整してもよい。
【0041】
図14は、「緊張モード」の一態様である仕事する状態(Working)、「リラックスモード」の一態様である映画を見る状態(Watching)、「睡眠モード」に相当する睡眠状態(Sleeping)のそれぞれにおいて、被験者が適切と感じるヒップポイントP1に対するアームレスト(4,5)の支持面の高さH1を測定した結果を示す。図14から、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1の平均値は、「緊張モード」の一態様である仕事する状態で最も高く、「リラックスモード」の一態様である映画を見る状態で中程度であり、「睡眠モード」に相当する睡眠状態で最も低いことが分かる。
【0042】
図15及び図16は、身長150cm〜180cm程度の複数の被験者が、「緊張モード」に対応する仕事する状態において適切と感じる肘部の位置の測定結果を示す。図15図1及び図2に示したX軸方向及びZ軸方向を含む側面視における肘部の位置を示す。X軸方向及びY軸方向の0mmはヒップポイントP1の位置であり、X軸の負の方向が車両前方を示す。図15に示すように、被験者の体格が大きいほど車両後方で高い位置を適切と感じ、被験者の体格が小さいほど車両前方で低い位置を適切と感じる傾向がある。
【0043】
一方、図16図1及び図2に示したY軸方向及びZ軸方向を含む正面視における肘部の位置を示す。X軸方向及びY軸方向の0mmはヒップポイントP1の位置を示す。図16に示すように、被験者の体格が大きいほどシート幅方向の中心線LCから離れて高い位置を適切と感じ、被験者の体格が小さいほどシート幅方向の中心線LCに近づいて低い位置を適切と感じる傾向がある。
【0044】
(アームレストの調整方法)
次に、図17のフローチャートを参照しながら、本発明の実施形態に係るアームレスト(4,5)の調整方法の一例を説明する。
【0045】
ステップS1において、モード選択スイッチ25が、乗員の活動モードを選択する入力操作を受け付ける。ここでは、乗員の活動モードとして「緊張モード」、「リラックスモード」、「睡眠モード」のいずれかを選択するものとする。また、入力装置24が、乗員によるシートクッション1のスライド位置やシートバック角度θ1等のシート位置を変更する入力操作を受け付ける。
【0046】
ステップS2において、処理回路10が、自動運転スイッチ26がオンかオフかを判定する。自動運転スイッチ26がオフと判定された場合には、手動運転中であるため、処理を完了する。一方、自動運転スイッチ26がオンと判定された場合には、自動運転中であるため、ステップS3に移行する。
【0047】
ステップS3において、アームレストセンサ21は、アームレスト(4,5)の支持面の高さH1、アームレスト(4,5)の傾斜角θ2、アームレスト(4,5)の水平面における回転角θ3等のアームレスト(4,5)の現在位置を検出する。更に、シートスライドセンサ22は、シートクッション1のスライド位置を検出する。シートバックセンサ23は、シートバック角度θ1を検出する。
【0048】
ステップS4において、ステップS1でモード選択スイッチ25により乗員の活動モードが選択された場合、処理回路10は、選択された活動モードに応じて、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整する。或いは、ステップS1でシート位置が変更された場合、処理回路10は、変更されたシート位置に応じて、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整する。
【0049】
ステップS5において、ステップS4のアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状の調整後の所定時間以内に、入力装置24が乗員によるアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を設定する入力操作を受け付けた否かを判定する。アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を設定する入力操作を受け付けなかったと判定された場合には処理を完了する。
【0050】
一方、ステップS5でアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を設定する入力操作を受け付けたと判定された場合には、ステップS6に移行する。ステップS6において、処理回路10は、乗員の入力情報に応じて、アームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整する。その後、ステップS7において、アームレスト(4,5)の調整後の位置、角度及び形状を乗員に適するものとして学習し、学習結果を記憶装置14に記憶する。次回以降の車両用シート(1,2,3)のリクライニング時及びアームレスト(4,5)の調整時には、記憶装置14に記憶された学習結果に基づき、乗員に適したアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状に調整してもよい。
【0051】
次に、図17のステップS4におけるアームレスト(4,5)の調整処理の一例を図18のフローチャートを参照しながら説明する。ステップS11において、処理回路10は、ステップS1でシート位置が変更されたか否(モード選択スイッチ25により活動モードが選択された)かを判定する。シート位置が変更されたと判定された場合、ステップS12に移行し、変更されたシート位置に応じてアームレスト(4,5)の位置、角度及び形状を調整する。
【0052】
一方、ステップS11でシート位置が変更されておらず、モード選択スイッチ25により活動モードが選択されたと判定された場合、ステップS13に移行する。ステップS13において、処理回路10は、選択された活動モードが「緊張モード」であるか否かを判定する。「緊張モード」であると判定された場合、ステップS14に移行する。ステップS14において、処理回路10は、「リラックスモード」及び「睡眠モード」の場合よりも支持部4の支持面の高さ(H1+H2)を高く調整する。更に、支持部4を回転角θ3で回転させる。
【0053】
一方、ステップS13において「緊張モード」ではないと判定された場合、ステップS15に移行し、処理回路10は、選択された活動モードが「リラックスモード」であるか否かを判定する。「リラックスモード」であると判定された場合、ステップS16に移行する。ステップS16において、処理回路10は、支持部4を水平面において回転させずに(回転角θ3=0°)、支持部4の車両前後方向における前部及び後部の支持面の高さH1を一致させる。この際、支持部4の支持面の高さH1を「緊張モード」の場合よりも低く、且つ「睡眠モード」の場合よりも高く調整する。
【0054】
一方、ステップS15において「リラックスモード」ではなく、選択された活動モードが「睡眠モード」であると判定された場合、ステップS17に移行する。ステップS17において、処理回路10は、支持部4を水平面において回転させずに(回転角θ3=0°)、支持部4の車両前後方向における前部及び後部の支持面の高さを一致させる。この際、支持部4の支持面の高さH1を「緊張モード」及び「リラックスモード」の場合よりも低く調整する。
【0055】
本発明の実施形態によれば、アームレスト(4,5)の使用時に、アームレスト(4,5)の車両前後方向の後部を前部より高くすることにより、アームレスト(4,5)を乗員の幅広い体格差を吸収した位置に配置することができ、乗員の体格に拠らずに乗員の腕を適切に支持することができる。この結果、快適な乗車空間を提供することができる。
【0056】
更に、自動運転中に、アームレスト(4,5)の車両前後方向の後部を前部より高くすることにより、自動運転中に乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。更に、自動運転中はハンズオフのため、手動運転中にステアリングホイールを把持する場合よりも姿勢の保持が難しいので、姿勢が崩れやすい。これに対して、自動運転中のハンズオフにおいても乗員の腕を適切に支持できるため、姿勢の支持(サポート)につながり、ひいては快適な自動運転空間の提供につながる。
【0057】
更に、手動運転から自動運転に切り替える時にアームレスト(4,5)の車両前後方向における後部を前部より高くする。これにより、手動運転から自動運転に切り替える時に乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。
【0058】
更に、自動運転中のアームレスト(4,5)の支持面の高さが、手動運転時のアームレスト(4,5)の支持面の高さよりも高い。これにより、自動運転中に乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。
【0059】
更に、乗員がディスプレイ9を操作する時に、アームレスト(4,5)の車両前後方向の後部を前部より高くする。これにより、乗員がディスプレイ9を操作する時に、乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。
【0060】
更に、自動運転から手動運転に切り替える時に、アームレスト(4,5)の車両前後方向の後部を前部より高くする。これにより、自動運転から手動運転に切り替える時に、乗員が運転操作に復帰し易いように乗員の腕を適切に支持することができ、自動運転から手動運転への切り替えに要する負担を抑制することができる。
【0061】
更に、乗員の入力情報を検出し、検出した入力情報に応じて、アームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、アームレスト(4,5)の車両前後方向の傾斜角θ2、及びアームレスト(4,5)の水平面における回転角θ3をそれぞれ調整する。これにより、乗員の要望に応じて、乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。更に、乗員の入力情報を検出し、検出した入力情報に応じて、アームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、アームレスト(4,5)の車両前後方向の傾斜角θ2、及びアームレスト(4,5)の水平面における回転角θ3のうち少なくとも2つを連動して調整してもよい。これにより、乗員の要望に応じて、乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。更に、アームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、アームレスト(4,5)の車両前後方向の傾斜角θ2、及びアームレスト(4,5)の水平面における回転角θ3の3つが連動するため、個別に調整する場合よりも短時間で調整可能となるとともに、調整に対する乗員の違和感を抑制することもできる。
【0062】
更に、自動運転中の乗員の複数の活動モードに応じて、アームレスト(4,5)の車両前後方向の後部を前部より高くなるように調整する。これにより、自動運転中の乗員の複数の活動モードに応じて、乗車中の腕を適切に支持するため、快適な乗車空間を提供することができる。
【0063】
更に、シートバック角度θ1に応じてアームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)を調整する。これにより、シートバック角度θ1に応じて、乗員の腕を適切に支持するため、快適な乗車空間を提供することができる。この際、支持部4の車両前後方向の前部の高さを後部よりも高くすることにより、シートバック角度θ1に応じて、乗員の腕を適切に支持するため、快適な乗車空間を提供することができる。
【0064】
更に、乗員の体格を検知し、検知した体格に応じてアームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、支持部4の支持面の傾斜角θ2及び回転角θ3を調整することにより、乗員の体格に応じて、乗車中の腕を適切に支持するため、快適な乗車空間を提供することができる。この際、支持部4の車両前後方向の前部の高さを後部よりも高くすることにより、乗員の体格に応じて、乗車中の腕を適切に支持するため、快適な乗車空間を提供することができる。
【0065】
更に、アームレスト(4,5)を調整する際に、アームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、支持部4の支持面の傾斜角θ2及び回転角θ3のうちの少なくとも2つを、例えば図15及び図16に示した傾向から得られる予め設定した関係性(関数)を用いて連動させてもよい。これにより、アームレスト(4,5)の支持面の高さ(H1+H2)、傾斜角θ2及び回転角θ3を連動性を持ってアームレスト(4,5)を調整することができる。
【0066】
更に、乗員による入力情報を検出し、検出した入力情報を学習し、学習後のアームレスト(4,5)の調整の際に、学習結果に基づき、アームレスト(4,5)を調整する。これにより、乗員の要望に応じて、乗員の腕を適切に支持することができ、快適な乗車空間を提供することができる。
【0067】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0068】
本発明の実施形態においては、車両用シート(1,2,3)の車両前方を向いて左側の側面にアームレスト(4,5)が配置された場合を例示したが、車両用シート(1,2,3)の車両前方を向いて右側の側面に配置されていてもよい。アームレスト(4,5)は運転席の乗員により使用されるものでもよく、助手席の乗員により使用されるものでもよい。
【0069】
また、車両用シート(1,2,3)の一方の側面にアームレスト(4,5)が配置された場合を例示したが、図19に示すように、車両用シート(1,2,3)の両方の側面にそれぞれアームレスト(4a,5a)及びアームレスト(4b,5b)が配置されていてもよい。アームレスト(4a,5a)は基体5a及び支持部4aを備え、アームレスト(4b,5b)は基体5b及び支持部4bを備えており、図1及び図2に示したアームレスト(4,5)と同様の構造及び機能を有する。
【0070】
例えば乗員の複数の活動モードが「緊張モード」において、図20に示すように、支持部4a,4bが、シート幅の中心線LCに近づくように回転角θ4,θ5で回転する。回転前の支持部4a,4bとシート幅の中心線LCとの距離D4,D5は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。回転前の支持部4a,4bとシート幅の中心線LCとの距離D4,D5は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。支持部4a,4bの回転角θ4,θ5は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0071】
図19に示すように、車両用シート(1,2,3)の両方の側面にそれぞれアームレスト(4a,5a)及びアームレスト(4b,5b)が配置されている場合には、アームレスト(4a,5a)及びアームレスト(4b,5b)の一方の位置及び形状を調整する時に、アームレスト(4a,5a)及びアームレスト(4b,5b)の他方の位置及び形状を連動させて調整してもよい。例えば、乗員による一方のアームレスト(4a,5a)を調整する入力操作があった場合、他方のアームレスト(4b,5b)も連動させて調整してもよい。
【0072】
本発明の実施形態においては、基体5の前部に段差部を設け、支持部4を段差部に配置することで基体5の上面と支持部4の上面が一致した構造を例示したが、図21に示すように、基体5xの段差部の無い平坦な上面に支持部4xが設けられて、支持部4xの上面が基体5xの上面よりも高い構造であってもよい。この場合も、図22に示すように、支持部4xの高さ(H1+H2)及び傾斜角θ2を調整することができる。
【0073】
本発明の実施形態においては、アームレスト(4,5)が基体5と支持部4を有する構造を例示したが、図23に示すように、基体5と支持部4が一体化したアームレスト4yであってもよい。この場合も、図24に示すように、アクチュエータ3yによりアームレスト4yの支持面の高さ、アームレスト4yの支持面の傾斜角θ2、及びアームレスト4yの支持面の回転角θ3を調整することができる。
【0074】
本発明の実施形態においては、乗員の複数の活動モードとして「緊張モード」、「リラックスモード」、「睡眠モード」の3種類の活動モードを選択する場合を例示したが、活動モードの種類及び数は限定されない。即ち、例示したような「緊張モード」、「リラックスモード」、「睡眠モード」以外の他の種類の活動モードに分類してもよく、2種類以下又は4種類以上の活動モードに分類してもよい。
【0075】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0076】
1…シートクッション
2…シートバック
3…ヘッドレスト
3y…アクチュエータ
4,4a,4b,4x…支持部
4y…アームレスト
5,5a,5b,5x…基体
8…ステアリングホイール
9…ディスプレイ
10…処理回路
14…記憶装置
20…センサ
21…アームレストセンサ
22…シートスライドセンサ
23…シートバックセンサ
24…入力装置
25…モード選択スイッチ
26…自動運転スイッチ
30…アームレストアクチュエータ
31…高さアクチュエータ
32…傾斜角アクチュエータ
33…回転角アクチュエータ
34…シートバックアクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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