(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3容器には、前記第1軸に沿って並ぶ複数の前記ピペットチップの列が、平面視において前記第1軸と交わる第2軸に沿って複数設けられている、請求項2に記載の核酸分析装置。
前記第1容器設置部に設置された前記第1容器の前記第1軸と交わる第2軸の方向における幅の範囲と、前記第2容器設置部に設置された前記第2容器の前記第2軸の方向における幅の範囲とが重なる、請求項1ないし8の何れか一項に記載の核酸分析装置。
前記第2容器設置部に設置された前記第2容器の前記注入口が、前記第1軸と交わる第2軸の方向において、前記第2軸の方向における前記第1容器の幅の略中央に位置付けられる、請求項1ないし9の何れか一項に記載の核酸分析装置。
複数の前記第2容器設置部にそれぞれ設置された前記第2容器の前記注入口が前記第2軸に沿って並ぶように、複数の前記第2容器設置部が配置されている、請求項11または12に記載の核酸分析装置。
前記分注ユニットは、前記複数の第1容器設置部に対してそれぞれ設定された分注経路を通って各第1容器設置部に設置された前記第1容器において前記試薬の分注を行う、請求項11ないし13の何れか一項に記載の核酸分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
実施形態1は、核酸抽出から、リアルタイムPCR、核酸増幅反応の検出、核酸分析までを自動的に行う装置に本発明を適用したものである。
【0011】
図1に示すように、核酸分析装置100は、板部材101と、分注ユニット140と、温度調節部150、160と、磁力印加部170と、移送ユニット180と、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240と、を備える。
図1において、XYZ軸は、互いに直交している。X軸正方向は後方を示し、Y軸正方向は左方向を示し、Z軸正方向は鉛直下方向を示している。以下の図面においても、XYZ軸は、
図1に示すXYZ軸と同じである。X軸は第1軸に対応し、Y軸は第2軸に対応する。実施形態1では、X軸とY軸は垂直に交わるが、完全に垂直に交わらなくてもよい。
【0012】
板部材101は、XY平面に平行である。板部材101には、3つの第1容器設置部110と、3つの第2容器設置部120と、3つの第3容器設置部130とが設けられている。板部材101には、1つの第1容器設置部110と、1つの第2容器設置部120と、1つの第3容器設置部130とがX軸に沿って並ぶ列が、平面視において3つ設けられている。言い換えれば、平面視において、3つの第1容器設置部110がY軸に沿って配置され、3つの第2容器設置部120がY軸に沿って配置され、3つの第3容器設置部130がY軸に沿って配置されている。
【0013】
第1容器設置部110は、第1容器10を設置するための設置部である。第1容器設置部110は、板部材101に形成された開口111と、板部材101の鉛直下側にある支持板112と、により構成される。平面視において、開口111は、第1容器10の外形よりも僅かに大きい輪郭を有し、支持板112は、開口111の後方側に設けられている。第1容器10は、
図2(a)に示す第1容器10の下端部10bが支持板112により鉛直上方向に支持され、第1容器10の側面が開口111に支持されることにより、第1容器設置部110に設置される。核酸の分析を開始する際には、第1容器10が、第1容器設置部110に設置される。第1容器設置部110に設置された第1容器10は、X軸方向に長い形状を有する。
【0014】
図1と
図2(a)に示すように、第1容器10は、反応部11と、試薬収容部12と、試薬収容部13a〜13hと、混合部14a〜14dと、試薬収容部15と、廃液収容部16と、を備える。反応部11と、試薬収容部12と、試薬収容部13a〜13hと、混合部14a〜14dと、試薬収容部15と、廃液収容部16は、上方が開放するように第1容器10に設けられており、液体を収容可能なウェルである。試薬収容部12、13a〜13hは、核酸抽出用の試薬を予め収容している。試薬収容部12と、試薬収容部13a〜13hと、廃液収容部16の上方は、アルミシール10aにより封止されている。試薬収容部15には、第1容器10が第1容器設置部110に設置される際に、試薬が収容される。
【0015】
具体的には、試薬収容部12は、予め、磁性粒子と磁性粒子保存液とを含む試薬を収容しており、試薬収容部13a〜13hは、それぞれ予め、可溶化液、プロテイナーゼK、オイル、溶出液、抽出用試薬の原液、第2洗浄液の原液、希釈液の原液、および第1洗浄液の原液を収容している。第1容器10を用いた核酸の抽出については、追って
図13を参照して説明する。
【0016】
第1容器10は、第1容器10の複数の試薬収容部がX軸に沿って配置されるように第1容器設置部110に設置される。第1容器10が第1容器設置部110に設置されると、反応部11と試薬収容部12もX軸に沿って配置される。
【0017】
図1に示すように、第2容器設置部120は、第2容器20を設置するための設置部である。3つの第2容器設置部120は、それぞれ、3つの第1容器設置部110のX軸正方向側に配置されている。これにより、第2容器設置部120は、第1容器設置部110に設置された第1容器10のX軸正方向側に配置される。第2容器設置部120は、板部材101の上面と、板部材101の上面に設置された3つのピン121と、により構成される。第2容器20は、後述する第2容器20の被係合部27aが3つのピン121に係合することにより、第2容器設置部120に設置される。3つの第2容器設置部120にそれぞれ配置された第2容器20の注入口21がY軸に沿って並ぶように、第2容器設置部120が配置されている。
【0018】
第2容器20は、注入口21と、23個の収容部22と、注入口21と23個の収容部22とを接続する23個の流路23と、を備える。第2容器20は、中心位置に注入口21が配置され、中心位置から一定径の外周側の位置に周方向に一定間隔で23個の収容部22が配置された円盤状の容器である。第2容器20の中心位置は、後述するように第2容器20が回転される際の回転中心となる。すなわち、23個の収容部22は、第2容器20の回転中心から一定径の位置に周方向に並んで配置されている。なお、実施形態1では、第2容器20は円盤状の容器とされたが、第2容器20は必ずしも円盤状の容器でなくてもよい。
【0019】
図2(b)に示すように、具体的には、第2容器20は、上面部24と、突部25と、下面部26と、鍔部27と、を備える。突部25は、第2容器20の中心位置に配置されている。突部25は、第2容器20の端部に向かって鉛直方向の厚みが狭められ、第2容器20の中心位置を通る鉛直方向に平行な直線を中心軸として軸対称である。突部25は、上面部25aと斜面部25bを備える。上面部25aの上面は、水平面に平行である。注入口21は、上面部25aに形成されており、鉛直方向に平行な孔である。
【0020】
上面部24は、透光性を有する部材により構成されている。上面部24の上面は、水平面に平行な面となっており、上面部24の下面には、収容部22および流路23をそれぞれ形成するための凹部および溝が形成されている。上面部24の下面に薄膜状のABS樹脂が貼り付けられることにより、収容部22と流路23が形成される。下面部26は、熱伝導性が高い薄膜状のアルミにより構成される。下面部26は、上面部24の下面に貼り付けられたABS樹脂に対して、下側から貼り付けられている。
【0021】
鍔部27は、上面部24の外側に形成された水平面に平行な平板である。鍔部27には3箇所の被係合部27aが形成されている。被係合部27aは、切欠である。被係合部27aは、後述する容器設置部210の係合部214に係合される。被係合部27aは、容器設置部210の係合部214に係合されればよく、切欠に代えて、孔、凹部、突起などでもよい。
【0022】
注入口21には、X軸負側に位置する第1容器10において抽出された、核酸を含む抽出液が注入される。収容部22は、抽出液中の核酸を増幅するための試薬をあらかじめ収容している。第2容器20は、注入口21から注入された抽出液と、収容部22の試薬とを反応させるための反応容器である。
【0023】
実施形態1では、核酸の増幅を行うための第2容器20に複数の収容部22が設けられており、X軸負方向側に配置された第1容器10において抽出された核酸に対して、収容部22の数だけ核酸の分析を同時に行うことができる。これにより、分析の効率を向上できる。また、たとえば、第2容器20に1つの収容部が設けられる場合、複数の分析を行うためには抽出された核酸に対して複数の第2容器20を設置する必要がある。しかしながら、実施形態1によれば、抽出された核酸に対して1つの第2容器20を設置するだけで、複数の分析を並行して行うことができる。よって、核酸分析装置100の設置面積を抑制できる。
【0024】
第2容器設置部120に設置された第2容器20の注入口21が、平面視においてY軸方向において、Y軸方向における第1容器10の幅の略中央に位置付けられる。これにより、第1容器10と第2容器20がコンパクトに配置されることになり、核酸分析装置100の設置面積を抑制できる。
【0025】
図1に示すように、第3容器設置部130は、第3容器30を設置するための設置部である。第3容器設置部130は、板部材101に形成された開口131と、板部材101の鉛直下側にある支持板132と、により構成される。平面視において、開口131は、第3容器30の外形よりも僅かに大きい輪郭を有する。支持板132には開口132aが形成されている。第3容器30は、第3容器30の胴部が開口132aに通され、
図3(a)に示す第3容器30の外周に形成された鍔部の下面30aが、支持板132により鉛直上方向に支持されることにより、第3容器設置部130に設置される。核酸の分析を開始する際には、第3容器30が、第3容器設置部130に設置される。
【0026】
図1と
図3(a)に示すように、第3容器30は、1本の穿刺用チップ31と、7本のピペットチップ32と、を保持している。穿刺用チップ31は、第1容器10のアルミシール10aに突き刺して、アルミシール10aの下側にある収容部の上方を開放させるためのチップである。ピペットチップ32は、鉛直方向に貫通する孔を有している。
図3(a)、(b)に示すように、分注ユニット140の吸引部141がピペットチップ32の真上から下降されると、吸引部141の下端にピペットチップ32が装着される。そして、吸引部141が上昇することにより、ピペットチップ32が第3容器30から抜き取られる。穿刺用チップ31についても、同様に吸引部141の下端に装着される。吸引部141には、吸引部141の下端から液体を吸引および吐出できるように、孔141aが形成されている。
【0027】
図1に戻り、分注ユニット140は、第1容器10に収容された抽出液を、第1容器10から第2容器20の注入口21に移送する。
図3(c)に示すように、分注ユニット140は、吸引部141と、ポンプ142と、上下移送部143と、前後移送部144と、左右移送部145と、を備える。吸引部141は、穿刺用チップ31とピペットチップ32を着脱可能である。吸引部141は、ノズルにより構成される。ポンプ142は、吸引部141の孔141aと接続されている。ポンプ142は、吸引部141に陽圧および負圧を付与して、吸引部141の下端に装着されたピペットチップ32を介して液体を吸引および吐出させる。
【0028】
上下移送部143は、Z軸に沿って延びたレール143aと、図示しないステッピングモータと、を備える。上下移送部143は、ステッピングモータを駆動して、レール143aに沿って吸引部141をZ軸方向に移送する。前後移送部144は、X軸に沿って延びたレール144aと、図示しないステッピングモータと、を備える。レール144aは、X軸に沿って吸引部141を移動させるためのレールである。前後移送部144は、ステッピングモータを駆動して、レール144aに沿って上下移送部143をX軸方向に移送する。左右移送部145は、Y軸に沿って延びたレール145aと、図示しないステッピングモータと、を備える。レール145aは、Y軸に沿って吸引部141を移動させるためのレールである。左右移送部145は、ステッピングモータを駆動して、レール145aに沿って前後移送部144をY軸方向に移送する。
【0029】
吸引部141、上下移送部143と、前後移送部144と、左右移送部145とにより、核酸分析装置100の内部においてXYZ軸に沿って移動可能となる。分注ユニット140は、抽出液をX軸に沿って第1容器10から第2容器20へと移送する。具体的には、分注ユニット140は、吸引部141に装着されたピペットチップ32により、第1容器10から抽出液を吸引する。その後、分注ユニット140は、抽出液を吸引した第1容器10のX軸正方向側に配置されている第2容器20の注入口21にピペットチップ32を移動させる。そして、分注ユニット140は、注入口21から抽出液を第2容器20に吐出する。
【0030】
図1に示すように、第1容器10には、X軸に沿って並ぶ複数の試薬収容部の列が、平面視においてY軸方向に2つ設けられている。具体的には、第1容器10には、試薬収容部13a、13c、13e、13gの列と、試薬収容部13b、13d、13f、13hの列とが設けられている。分注ユニット140は、X軸方向およびY軸方向にピペットチップ32を移動させて、試薬収容部13a〜13hから試薬を吸引する。これにより、第1容器10において、全ての試薬収容部がX軸方向に並ぶ場合に比べて、第1容器10のX軸方向における長さを圧縮できる。よって、核酸分析装置100内のレイアウトをコンパクトに構成できる。
【0031】
分注ユニット140は、3つの第1容器設置部110に対してそれぞれ設定された分注経路を通って、各第1容器設置部110に設置された各第1容器10において試薬の分注を行う。すなわち、1つの分注ユニット140が、3つの第1容器設置部110に対して分注動作を行う。同様に、1つの分注ユニット140が、3つの第2容器設置部120に対して分注動作を行う。このように、各容器に対して共通の1つの分注ユニット140が用いられると、複数の分注ユニットが用いられる場合に比べて、核酸分析装置100内のレイアウトをコンパクトに構成できる。
【0032】
図1に示すように、温度調節部150、160は、平面視において、第1容器設置部110の開口111内の前方位置に配置されている。
図4(a)に示すように、温度調節部150は、ヒートブロック151とヒータ152を備え、第1容器設置部110に設置された第1容器10の反応部11を加温する。ヒートブロック151には、反応部11の形状と略同じ形状の孔151aが形成されている。反応部11が加温される場合、温度調節部150が上方へ移動され、孔151aに反応部11が収容される。この状態で、ヒータ152の熱がヒートブロック151を介して反応部11に伝達される。反応部11の加温が終了すると、温度調節部150は下方へ移動される。
【0033】
同様に、温度調節部160は、ヒートブロック161とヒータ162を備え、第1容器設置部110に設置された第1容器10の試薬収容部12を加温する。試薬収容部12が加温される場合、温度調節部160が上方へ移動され、孔161aに試薬収容部12が収容される。この状態で、ヒータ162の熱がヒートブロック161を介して試薬収容部12に伝達される。試薬収容部12の加温が終了すると、温度調節部160は下方へ移動される。
【0034】
図1に示すように、磁力印加部170は、板部材101の鉛直下側に配置されており、Y軸方向に移動可能に構成されている。
図4(b)、(c)に示すように、磁力印加部170は、支持部171と、2つの磁石172と、を備える。磁力印加部170が用いられる場合には、
図4(a)に示すように、温度調節部160が鉛直下方向に退避される。そして、
図4(c)に示すように、磁力印加部170が、第1容器設置部110に設置された第1容器10の試薬収容部12に近付けられる。これにより、
図4(b)に示すように、試薬収容部12内に含まれていた磁性粒子が、
図4(c)に示すように、磁石172に引き寄せられ、試薬収容部12のX軸負側の壁面およびY軸負側の壁面に吸着する。
【0035】
図1に示すように、移送ユニット180は、ハンド部181と、ハンド部181をY軸方向に沿って移動するための機構と、を備える。移送ユニット180は、第2容器設置部120と回転部200の位置との間で、第2容器20を把持して移送する。移送ユニット180は、抽出液が注入され、第2容器設置部120に設置されている第2容器20を回転部200の位置に移送する。移送ユニット180は、ハンド部181により第2容器20を把持して移送することに代えて、吸着部により第2容器20の上面部24の上面を吸着して移送してもよい。
【0036】
回転部200は、容器設置部210と回転駆動部220を備える。容器設置部210には、第2容器20が設置される。回転部200は、流路23を介して遠心力により抽出液を収容部22に送るために、抽出液が注入された第2容器20を回転させる。具体的には、回転駆動部220は、後述する容器設置部210の第1外側面212に駆動力を付与することで第2容器20が設置された容器設置部210を回転させ、容器設置部210を回転させることにより第2容器20を回転させて、注入口21から注入された抽出液を、流路23を介して遠心力により収容部22に送る。第1温度調節部230は、収容部22で核酸増幅反応が生じるように、回転部200により回転され、容器設置部210に設置された第2容器20の温度を調節する。第1温度調節部230は、ペルチェ素子により構成される。
【0037】
このとき、収容部22において、抽出液に含まれる核酸が、収容部22に予め収容されている試薬と混合される。収容部22は、核酸の検出標的部位において変異が生じている検出標的核酸を増幅させる試薬と、検出標的核酸に結合する蛍光プローブを含む試薬と、を予め収容している。蛍光プローブは、蛍光物質を含んでいる。蛍光プローブが検出標的核酸に結合すると、検出標的核酸が蛍光物質により標識される。蛍光プローブが検出標的核酸に結合している場合には、蛍光プローブの蛍光物質に励起光が照射されると、蛍光物質から蛍光が生じる。他方、蛍光プローブが検出標的核酸に結合していない場合には、蛍光プローブの蛍光物質に励起光が照射されても、蛍光物質からは蛍光は生じない。
【0038】
第1温度調節部230により温度調節されることにより収容部22において核酸増幅反応が生じる。核酸に検出標的核酸が含まれる場合には、収容部22において検出標的核酸が増幅し、核酸に検出標的核酸が含まれない場合には、収容部22において検出標的核酸は増幅しない。したがって、検出標的核酸が増幅している場合には、増幅した検出標的核酸が蛍光プローブの蛍光物質により標識されるため、収容部22に励起光が照射されると増幅量に応じて蛍光が生じることになる。
【0039】
回転部200は、温度調節された各収容部22を、順次、検出部240による検出位置に位置付けるように、各収容部22を移送する。具体的には、回転駆動部220は、容器設置部210を回転させて、容器設置部210に設置された第2容器20の収容部22を、決められた順番にしたがって順次検出位置に位置付ける。
【0040】
検出部240は、回転部200により検出位置に位置付けられた収容部22で生じる核酸増幅反応を検出する。具体的には、検出部240は、核酸増幅反応による増幅産物の量を示す蛍光信号の強度を検出する。
【0041】
図1と
図5に示すように、検出部240は、検出ヘッド241と、光ファイバ243を介して検出ヘッド241に接続された光学ユニット242と、を備える。検出部240は、第2容器20の収容部22に光を照射して核酸増幅反応を検出する。検出ヘッド241は、収容部22に光を照射し、第2容器20の収容部22に対向するよう配置されている。光学ユニット242は、光源242aと、ダイクロイックミラー242bと、集光レンズ242cと、光検出器242dと、を備える。
【0042】
光源242aは、所定波長の励起光を出射する。光源242aから出射される励起光は、蛍光プローブが検出対象物質と結合している場合に、蛍光プローブの蛍光物質を励起して蛍光を生じさせる。ダイクロイックミラー242bは、光源242aから出射された励起光を反射し、蛍光プローブの蛍光物質から生じる蛍光を透過する。集光レンズ242cは、ダイクロイックミラー242bにより反射された励起光を集光して光ファイバ243へと導く。また、集光レンズ242cは、光ファイバ243から集光レンズ242cへ出射される蛍光を集光してダイクロイックミラー242bへと導く。光検出器242dは、ダイクロイックミラー242bを透過した蛍光を受光し、受光した蛍光の強度を測定して蛍光の強度に応じた電気信号を出力する。
【0043】
こうして、後述する解析部401は、検出部240の光検出器242dにより検出された蛍光の電気信号から、各収容部22で生じる核酸増幅反応を示す複数の時系列データを生成する。そして、解析部401は、時系列データに基づいて、各収容部22において検出対象物質が含まれるか否かを判定し、後述する表示部403に判定結果等を表示する。こうして、核酸の分析が終了する。
【0044】
ここで、
図1に示すように、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240は、平面視において同じ位置に配置されている。すなわち、上側から見た場合に、回転部200の一部と、第1温度調節部230の一部と、検出部240の一部とが、互いに重なっている。このように、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240とが、平面視において同じ位置に配置されると、第2容器20に対する温度調節および検出を円滑に行うことができるため、第2容器20の各収容部22に対してリアルタイムPCRを行うことができる。また、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240とを、核酸分析装置100内においてコンパクトに配置できる。
【0045】
回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240は、第1容器設置部110と第2容器設置部120とを繋ぐ直線上とは異なる位置にある。また、移送ユニット180は、第2容器設置部120に設置された第2容器20を、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240の位置に移送する。これにより、分注ユニット140が第1容器設置部110と第2容器設置部120とを繋ぐ直線上を動く場合に、分注ユニット140の移動経路が、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240の位置と重ならないため、分注ユニット140を円滑に駆動できる。
【0046】
回転駆動部220は、第2容器20が設置された容器設置部210の第1外側面212に駆動力を付与することで容器設置部210を回転させ、検出部240は、容器設置部210に設置された第2容器20の上側に配置され、第1温度調節部230は、容器設置部210に設置された第2容器20の下側に配置される。これにより、簡素な構成で、温度調節を精度よく行いながらPCR反応をリアルタイムに検出できる。
【0047】
なお、第1温度調節部230と検出部240は、それぞれ、容器設置部210に設置された第2容器20を上下に挟む位置に配置されればよく、検出部240は、容器設置部210に設置された第2容器20を第1温度調節部230との間で上下に挟むようにして、収容部22で生じる核酸増幅反応を検出すればよい。たとえば、検出部240が、容器設置部210に設置された第2容器20の下側に配置され、第1温度調節部230が、容器設置部210に設置された第2容器20の上側に配置されてもよい。
【0048】
図6と
図7(a)、(b)に示すように、容器設置部210は、内側面211と、第1外側面212と、第2外側面213と、3つの係合部214と、3つの弾性部材215と、を備える。容器設置部210の形状は、上下が開放された円筒状である。なお、容器設置部210は、必ずしも円筒状でなくてもよい。容器設置部210は、後述する第1外側面212と溝213aが円筒状であればよく、それ以外の部分が角張った形状を有していてもよい。また、容器設置部210の形状は、必ずしも上下が開放されていなくてもよい。たとえば、容器設置部210は、熱伝導性の高い底面部を備えてもよい。この場合、容器設置部210の底面部を介して、第2容器20の下面部26の下面が、第1温度調節部230により温度調節されてもよい。
【0049】
内側面211と、第1外側面212と、第2外側面213は、円筒状である。第1外側面212には、ギア部212aが形成されている。第2外側面213には、第2外側面213の全周に亘って、鉛直方向に一定幅の溝213aが形成されている。また、核酸分析装置100は、第2外側面213に当接して容器設置部210の回転をガイドするガイド部250を備える。ガイド部250は、第2外側面213の溝213aに嵌まる3つのガイド部材251を備える。ガイド部材251は、ローラにより構成される。溝213aにガイド部材251が嵌まることで、容器設置部210は、水平面内における位置と鉛直方向における位置とが固定された状態で回転可能となる。
【0050】
なお、第2外側面213に、溝213aに代えて、第2外側面213の全周に亘って、鉛直方向に一定幅の突部が形成されてもよい。この場合、たとえば、第2外側面213の突部の上下を挟む2つのローラが、第2外側面213の外周に複数配置されればよい。
【0051】
図7(a)、(b)に示すように、容器設置部210の内側面211の下方には、内側面211の全周に亘って水平面に平行な棚が設けられている。係合部214と弾性部材215は、内側面211の下方の棚に配置されている。係合部214は、第2容器20の被係合部27aの径よりも僅かに小さい径を有する円柱状の形状を有する。弾性部材215は、板バネにより構成される。第2容器20は、内側面211に挿入されて容器設置部210に設置される。具体的には、係合部214が、第2容器20の被係合部27aに係合し、弾性部材215が、第2容器20の鍔部27の下面を支持することにより、第2容器20が容器設置部210に設置される。
【0052】
図6と
図7(a)に示すように、回転駆動部220は、モータ221と伝達ギア222、223を備える。また、回転駆動部220は、容器設置部210の第1外側面212に形成されたギア部212aを構成要素として含む。モータ221は、ステッピングモータである。
図7(a)に示すように、伝達ギア222、223は、モータ221の駆動軸221aと、第1外側面212のギア部212aとを連結する。具体的には、伝達ギア222の中心は、モータ221の駆動軸221aに接続されている。伝達ギア222は、伝達ギア223の上方のギア部に噛み合っている。第1外側面212のギア部212aは、伝達ギア223の下方のギア部に噛み合っている。伝達ギア223の上方にあるギア部の径は、伝達ギア223の下方にあるギア部の径よりも小さい。
【0053】
このように、駆動軸221aの回転がギア部212aに伝達されると、伝達ギア223が加速ギアとして機能するため、駆動軸221aの回転速度よりも、容器設置部210の回転速度を高めることができる。
【0054】
なお、モータ221の駆動力を容器設置部210に伝達する手段として、駆動軸221aの外周と第1外側面212の外周とに架けられたベルトが用いられてもよい。ベルトが用いられる場合、ベルトと駆動軸および第1外側面212との間にかかる摩擦力が小さいとベルトが滑るため、駆動軸221aと第1外側面212とを遠ざける必要がある。しかしながら、この場合、核酸分析装置100の設置面積が増大してしまう。したがって、上記のように、モータ221の駆動力が、伝達ギア222、223およびギア部212aにより容器設置部210に伝達されるのが望ましい。
【0055】
図6に示すように、核酸分析装置100は、回転部200と、第1温度調節部230と、検出部240の位置に、付勢部300を備える。付勢部300は、容器設置部210に設置された第2容器20に対して第1温度調節部230と反対側に配置される。具体的には、容器設置部210に設置された第2容器20の上方に配置される。また、付勢部300は、容器設置部210に設置された第2容器20を第1温度調節部230に向けて付勢する。
【0056】
付勢部300は、移動機構310と、支持体320と、押さえ部材330と、を備える。移動機構310は、モータ311と、ベルト312と、ギア313と、支持部314と、バネ315と、支持部材316と、レール317と、を備える。モータ311は、ステッピングモータである。ベルト312は、モータ311の駆動軸とギア313を接続している。ギア313は、回転可能となるよう核酸分析装置100内の部材に設置されている。支持部314は、ギア313の回転に合わせて上下に移動するようギア313に設置されている。バネ315の上端は、支持部314の下面に設置され、バネ315の下端は、支持部材316の上面に設置されている。支持部材316は、レール317に沿って移動可能となるようレール317に設置されている。レール317は、核酸分析装置100内の部材に設置され、鉛直方向に延びている。
【0057】
支持体320は、支持部材316の下面に設置されている。押さえ部材330は、支持体320の下端に設置されている。モータ311の駆動軸が回転すると、ギア313が回転され、支持部314が上下に移動する。支持部314が上下に移動すると、支持部314の移動に合わせて、バネ315を介して、支持部材316と、支持体320と、押さえ部材330が上下に移動する。これにより、押さえ部材330は、容器設置部210に設置された第2容器20の第1温度調節部230と反対側の面を押さえることが可能となる。具体的には、押さえ部材330は、容器設置部210に設置された第2容器20の上面部24の上面を押さえることができる。
【0058】
検出部240の検出ヘッド241と光学ユニット242のうち、検出ヘッド241が、容器設置部210に設置された第2容器20に対して第1温度調節部230と反対側に配置されている。検出ヘッド241は、押さえ部材330を支持して上下に移動する支持部材316に支持されている。なお、検出部240全体が、支持部材316に支持されてもよい。
【0059】
図8は、移動機構310の一部と、支持体320と、押さえ部材330と、容器設置部210と、容器設置部210の真上に位置付けられた第2容器20とを、第2容器20の注入口21を通るYZ平面に平行な平面で切断した切断面を示す図である。
【0060】
図8に示すように、支持体320は、鉛直方向に貫通する孔320aを有している。支持体320は、孔320a内に、軸受部321と、支持部材322と、軸部材323と、受け部材324と、断熱部材325と、を備える。軸受部321は、孔320aに固定されている。支持部材322は、鉛直方向を回転の中心として回転可能となるよう軸受部321に支持されている。
【0061】
軸部材323は、支持部材322の回転軸に一致するように、支持部材322の下端に設置されている。軸部材323は、下端部分の軸の径が注入口21よりも僅かに小さくなるよう構成されている。これにより、軸部材323が第2容器20の注入口21に嵌まるようになり、注入口21からの液体の逆流が抑制される。また、軸部材323は、容器設置部210に設置された第2容器20の注入口21に係合して、第2容器20の回転軸を規定する軸規定部である。受け部材324は、軸部材323の周囲を囲むように支持部材322の下面に設置されている。受け部材324は、フッ素ゴムにより構成される。受け部材324は、平面視において、中央部分に上下に貫通する孔を備えた円形状であり、下面の外周部分が下方向に盛り上がっている。
【0062】
付勢部300は、第2温度調節部340を備える。第2温度調節部340は、支持体320の下面に、断熱部材325を介して設置されている。第2温度調節部340は、容器設置部210に設置された第2容器20の温度を調節する。具体的には、第2温度調節部340は、ヒータであり、第2容器20の上面部24の上面を加温することにより、第2容器20を加温する。
【0063】
押さえ部材330は、第2温度調節部340の下面および支持体320の下面に設置されており、押さえ部材330の外形の径は、支持体320の外形の径よりも大きい。押さえ部材330は、第2容器20の23個の収容部22に重なる領域を押さえ、収容部22に対応する位置に上下に貫通する孔331を有する。検出部240は、孔331を介して収容部22に対する検出を行う。平面視において、押さえ部材330の中央には、押さえ部材330を上下に貫通する孔332が形成されている。
【0064】
第1温度調節部230は、容器設置部210に設置された第2容器20の下面部26の下面のうち、第2容器20の中心位置から少なくとも収容部22が配置された径方向の位置までの全領域をカバーする温度調節面を有する。すなわち、第1温度調節部230の径は、少なくとも、収容部22が並ぶ円の径以上に設定される。これにより、収容部22の温度調節を円滑に行うことができる。
【0065】
第2容器20が容器設置部210に設置されると、鍔部27の下面が弾性部材215により支持され、第2容器20の下面部26の下面が、第1温度調節部230の上面から離間する。すなわち、弾性部材215は、第2容器20を第1温度調節部230から遠ざける。この状態から、第2容器20に対する温度調節を行う場合には、付勢部300は、弾性部材215による付勢に抗して、容器設置部210に設置された第2容器20を第1温度調節部230に向かう方向に移動させる。具体的には、支持部314が下方向に移動されることにより、押さえ部材330が第2容器20を下方向に押さえ付け、第2容器20の下面部26の下面が第1温度調節部230の上面に接する状態とされる。
【0066】
下面部26の下面が第1温度調節部230の上面に接した後、さらに支持部314が下方向に移動されることにより、
図9(a)に示すように、バネ315が縮む。そして、支持部材316、支持体320、および押さえ部材330を介して、第2容器20が第1温度調節部230に押し付けられる。このように、押さえ部材330が第2容器20に当接して第2容器20を押さえ付けるときの押さえ部材330の位置を、以下「第1位置」と称する。押さえ部材330が第1位置に位置付けられた状態で、第1温度調節部230と第2温度調節部340が、第2容器20に対して温度調節を行う。なお、第1位置と、後述する第2位置および第3位置とは、後述する記憶部402記憶されており、制御部405が付勢部300を駆動する際に、記憶部402から読み出される。
【0067】
第2容器20に対する温度調節の際には、第2容器20の内部の空気や液体の膨張により、注入口21から液体が逆流し飛散することが想定される。しかしながら、
図9(a)に示すように、押さえ部材330が第1位置に位置付けられると、突部25の上面部25aに受け部材324が押し付けられ、軸部材323が注入口に挿入される。これにより、注入口21の上部が受け部材324および軸部材323によって封じられた状態となるため、注入口21から逆流する液体の飛散を防ぐことができる。
【0068】
次に、第2容器20を回転させて、注入口21から注入された抽出液を収容部22に送る場合には、
図10(a)、(b)に示すように、押さえ部材330が、第2容器20の上面部24に僅かに接触するよう位置付けられる。このとき、押さえ部材330は、弾性部材215によって支持されている第2容器20の上面部24の上面を僅かに押さえ付け、弾性部材215は、僅かに縮んだ状態となる。これにより、
図9(a)、(b)の状態から容器設置部210が高速回転され、第2容器20が高速回転されても、第2容器20の鉛直方向の動きが抑制される。第2容器20を高速回転させる場合の押さえ部材330の位置を、以下「第2位置」と称する。第2位置は、第1位置よりも第1温度調節部230から離れる位置であって、第2容器20の鉛直方向における移動を規制する位置である。押さえ部材330が第2位置に位置付けられた状態で、回転駆動部220が、容器設置部210を高速で回転させることにより、第2容器20を高速で回転させる。
【0069】
押さえ部材330が第2位置に位置付けられると、軸部材323が、注入口21に挿入され、受け部材324が突部25の上面部25aに接する状態となる。この状態で第2容器20が高速回転されると、軸部材323と受け部材324が回転し、軸部材323と受け部材324が設置された支持部材322が回転する。これにより、第2容器20が高速回転される際に、第2容器20の回転軸が規定され、第2容器20の回転が円滑に行われる。
【0070】
次に、第2容器20の収容部22で生じる核酸増幅反応を検出する場合には、
図11(a)、(b)に示すように、第2容器20の下面部26が第1温度調節部230の上面に押し付けられることなく、僅かに接する状態とされる。このときの押さえ部材330の位置を、以下「第3位置」と称する。第3位置は、第1位置と第2位置との間の位置であり、より具体的には、第1位置から僅かに上方向に移動した位置である。押さえ部材330が第3位置に位置付けられた状態で、検出部240が、第2容器20の収容部22に対する核酸増幅反応の検出を実行する。
【0071】
押さえ部材330が第3位置に位置付けられると、第2容器20は、弾性部材215により上方向に押し上げられ、押さえ部材330により下方向に押し下げられる。これにより、鉛直方向における第2容器20の位置が所定の位置となるため、検出ヘッド241から孔331を通って照射位置に照射される励起光の焦点位置を、収容部22において所望の鉛直方向の位置に位置付けることができる。
【0072】
図12に示すように、核酸分析装置100は、上述したように、分注ユニット140と、移送ユニット180と、回転部200と、検出部240と、付勢部300と、を備える。また、核酸分析装置100は、解析部401と、記憶部402と、表示部403と、入力部404と、制御部405と、インターフェース406と、温度調節部407と、駆動部408と、センサ部409と、を備える。
【0073】
解析部401は、CPUにより構成される。解析部401は、入力部404を介して開始指示を受け付けると、核酸分析処理を開始するよう制御部405に指示信号を送信する。解析部401は、検出部240により検出された蛍光の電気信号から、第2容器20の各収容部22で生じる核酸増幅反応を示す複数の時系列データを生成する。解析部401は、生成した時系列データに基づいて、核酸の検出標的部位が変異した検出標的核酸について陽性または陰性の判定を行う。
【0074】
記憶部402は、RAM、ROM、ハードディスク等により構成される。表示部403は、ディスプレイにより構成される。入力部404は、キーボードやマウス等により構成される。核酸分析装置100は、表示部403と入力部404に代えて、タッチパネル式のディスプレイにより構成される表示入力部を備えてもよい。
【0075】
制御部405は、CPUまたはマイクロコンピュータにより構成される。制御部405は、インターフェース406を介して、分注ユニット140と、移送ユニット180と、回転部200と、検出部240と、付勢部300と、温度調節部407と、駆動部408と、センサ部409と、を制御する。温度調節部407は、温度調節部150、160と、第1温度調節部230と、第2温度調節部340と、を含む。駆動部408は、核酸分析装置100内に配された各種の駆動部を含む。センサ部409は、核酸分析装置100内に配された各種のセンサを含む。
【0076】
次に、核酸分析装置100の処理について説明する。
【0077】
核酸分析装置100による検体の分析を行う際には、オペレータは、新しい第1容器10を第1容器設置部110に設置し、第1容器10の反応部11に検体を収容させる。実施形態1の検体は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織切片である。オペレータは、試薬収容部15にエタノールを収容させる。また、オペレータは、新しい第2容器20を、第2容器設置部120に設置する。新しい第2容器20は、各収容部22に、互いに異なる検出標的核酸を増幅および蛍光標識させるための試薬を収容している。また、オペレータは、新しい第3容器30を第3容器設置部130に設置する。
【0078】
なお、核酸分析装置100は、3つの検体について並行して核酸分析を行うことができる。上述したように、核酸分析装置100は、X軸方向に沿って並ぶ第1容器設置部110と、第2容器設置部120と、第3容器設置部130とを含む組を3つ備え、1つの検体について1つの組が用いられる。オペレータは、複数の検体について並行して核酸分析を行う場合、複数の組に対して第1容器10と、第2容器20と、第3容器30とを設置する。以下、1つの組において核酸分析する手順について説明する。
【0079】
図13に示すように、核酸の分析が開始されると、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、吸引部141の下端に穿刺用チップ31を装着する。制御部405は、分注ユニット140を駆動して、穿刺用チップ31をアルミシール10aに突き刺すことにより、第1容器10の、試薬収容部12と、試薬収容部13a〜13hと、廃液収容部16の上部を開放させる。ステップS11において、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、第1容器10において抽出液を精製する。以下の分注では、吸引部141に対する適宜ピペットチップ32の装着および交換が行われ、ピペットチップ32を介して吸引部141により液体の吸引および吐出が行われる。
【0080】
ステップS11において、具体的には、制御部405は、以下のような制御を行う。制御部405は、試薬収容部13aの可溶化液を反応部11へ分注する。これにより、FFPE切片が浸漬される。制御部405は、温度調節部150を上方へ移動させ、ヒータ152により反応部11を加温する。これにより、パラフィンが融解する。
【0081】
次に、制御部405は、試薬収容部13bのプロテイナーゼKを反応部11へ分注し、試薬収容部13cのオイルを反応部11へ分注する。試薬収容部13cのオイルは、ミネラルオイルである。続いて、制御部405は、温度調節部150により反応部11の温度を調節する。これにより、反応部11内の蛋白が分解され、細胞から核酸が抽出される。
【0082】
次に、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12に近付ける。これにより、試薬収容部12内の磁性粒子が、試薬収容部12の壁面に集められる。そして、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12内の磁性粒子保存液を、廃液収容部16に移す。そして、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12から遠ざける。続いて、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部15のエタノールと、試薬収容部13eの抽出用試薬とを、混合部14cへ分注し、混合部14cに収容されたエタノールと抽出用試薬との混合液を、試薬収容部12へ分注する。
【0083】
続いて、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、反応部11の試料溶液を試薬収容部12へ移動させ、試薬収容部12内で吸引と吐出を繰り返すことにより、試薬収容部12内の試料溶液を攪拌する。続いて、制御部405は、温度調節部160を駆動して、試薬収容部12の温度を調節する。これにより、核酸が磁性粒子に補足される。続いて、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12に近付ける。これにより、試薬収容部12内の磁性粒子が、試薬収容部12の壁面に集められる。そして、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12の上清を吸引して、吸引した液体を廃液収容部16に移す。そして、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12から遠ざける。
【0084】
次に、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部15のエタノールと、試薬収容部13hの第1洗浄液の原液とを、混合部14bへ分注し、混合部14bに収容されたエタノールと第1洗浄液との混合液を、試薬収容部12へ分注する。続いて、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12内の試料溶液を攪拌する。続いて、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12に近付ける。そして、制御部405は、分注ユニット140を制御して、試薬収容部12の上清を吸引して、吸引した液体を廃液収容部16に移す。そして、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12から遠ざける。
【0085】
同様に、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部15のエタノールと、試薬収容部13fの第2洗浄液の原液とを、混合部14dへ分注し、混合部14dに収容されたエタノールと第2洗浄液との混合液を、試薬収容部12へ分注する。続いて、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12内の試料溶液を攪拌する。続いて、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12に近付ける。そして、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12の上清を吸引して、吸引した液体を廃液収容部16に移す。そして、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12から遠ざける。こうして、試薬収容部12内の不純物が洗浄される。
【0086】
なお、実施形態1では不純物の洗浄が行われたが、不純物の洗浄は省略されてもよい。すなわち、第2容器20の注入口21には、不純物の除去が行われないままの抽出液が注入されてもよい。
【0087】
次に、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部13dの溶出液を試薬収容部12へ分注し、試薬収容部12内の試料溶液を攪拌する。続いて、制御部405は、温度調節部160を駆動して、試薬収容部12の温度を調節する。これにより、試薬収容部12内の核酸が、磁性粒子から溶出する。
【0088】
次に、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12に近付ける。これにより、試薬収容部12内の磁性粒子が、試薬収容部12の壁面に集められる。続いて、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、試薬収容部12の試料溶液を混合部14aに移す。そして、制御部405は、磁力印加部170を試薬収容部12から遠ざける。続いて、制御部405は、試薬収容部13gの希釈液の原液を混合部14aへ分注し、混合部14aの試料溶液を攪拌する。これにより、混合部14aの試料の濃度が調整され、抽出液が完成する。
【0089】
ステップS12において、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、混合部14aの抽出液を、第2容器設置部120に設置された第2容器20の注入口21に注入する。ステップS13において、制御部405は、移送ユニット180を駆動して、第2容器設置部120に設置された第2容器20を容器設置部210へ移送し、容器設置部210にセットする。ステップS14において、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図10(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第2位置に位置付け、回転部200を駆動して、第2容器20を高速で回転させて、第2容器20に遠心力を付与する。このとき、回転部200は、4500rpmで5秒間、第2容器20を回転させる。なお、注入口21に注入された抽出液を、流路23を通って収容部22へと送るためには、第2容器20の回転速度は、1000rpm以上であるのが望ましい。
【0090】
ステップS15において、制御部405は、移送ユニット180を駆動して、回転部200により回転された第2容器20を第2容器設置部120に移送する。ステップS16において、制御部405は、分注ユニット140を駆動して、回転部200により回転され、第2容器設置部120に移送された第2容器20の注入口21に、試薬収容部13cのオイルを注入する。
【0091】
続いて、ステップS17において、制御部405は、移送ユニット180を駆動して、オイルが注入された第2容器20を回転部200の位置に再び移送し、容器設置部210にセットする。ステップS18において、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図10(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第2位置に位置付け、回転部200を駆動して、第2容器20を高速で回転させて、第2容器20に遠心力を付与する。このとき、回転部200は、4500rpmで3秒間、第2容器20を回転させる。これにより、第2容器20の流路23の空気が、注入口21から注入されたオイルと置換することになる。
【0092】
次に、ステップS19〜S25において、核酸増幅反応の検出および核酸分析を行う。実施形態1では、BNAクランプPCRの原理に基づいて、検出および分析を行っている。なお、検出および分析の原理は、BNAクランプPCRに限らず、たとえばPCR+Invaderであってもよい。
【0093】
ステップS19において、制御部405は、第2容器20の内部にある気泡を注入口21から抜く。具体的には、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図9(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第1位置に位置付ける。そして、制御部405は、第1温度調節部230と第2温度調節部340の温度を94℃まで上昇させた後、第2温度調節部340をオフして第1温度調節部230の温度を57℃まで下降させる。これにより、第2容器20の温度が、94℃付近まで上昇させられた後、57℃付近まで下降させられる。
【0094】
その後、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図10(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第2位置に位置付け、回転部200を駆動して、第2容器20を高速で回転させる。このとき、回転部200は、4500rpmで5秒間、第2容器20を回転させる。これにより、第2容器20に遠心力が付与され、第2容器20内の気泡が注入口21から抜かれる。
【0095】
図14(a)に示す例では、第1温度調節部230と第2温度調節部340の温度が約96℃まで上昇させられた後、第2温度調節部340がオフされ、第1温度調節部230の温度が約57℃まで下降させられている。これにより、第2容器20の温度が94℃付近まで上昇した後、58℃付近まで下降している。その後、区間T0において、第1温度調節部230の温度が僅かに上昇され、第2容器20が気泡を抜くために回転部200により回転されている。
【0096】
図13に戻り、ステップS20において、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図9(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第1位置に位置付ける。そして、制御部405は、第1温度調節部230と第2温度調節部340の温度を第1温度まで上昇させた後、第2温度調節部340をオフして第1温度調節部230の温度を第1温度よりも低い第2温度まで下降させることにより、第2容器20の温度調節を実行する。実施形態1では、第1温度は、たとえば94℃であり、第2温度は、たとえば57℃である。これにより、第2容器20の温度が、94℃付近まで上昇させられた後、57℃付近まで下降させられる。
【0097】
続いて、ステップS21において、制御部405は、付勢部300を駆動して、
図11(a)、(b)に示すように押さえ部材330を第3位置に位置付け、回転部200を駆動して、収容部22が検出部240の検出位置に位置付けられるよう、第2容器20を回転させる。ステップS22において、制御部405は、押さえ部材330を第3位置に維持した状態で検出部240を駆動して、収容部22で生じる核酸増幅反応を検出する。具体的には、検出部240は、押さえ部材330の孔331を介して収容部22に励起光を照射し、収容部22から生じた蛍光を光検出器242dにより受光する。制御部405は、光検出器242dが出力する電気信号に基づいて蛍光強度を取得し、取得した蛍光強度を記憶部402に記憶させる。
【0098】
ステップS23において、制御部405は、全収容部22の検出が完了したか否かを判定する。全収容部22の検出が完了していない場合、制御部405は、処理をステップS21に戻す。この場合、ステップS21において、制御部405は、押さえ部材330を第3位置に位置付けた状態で、回転部200を駆動して、未だ検出が完了していない隣りの収容部22が検出位置に位置付けられるよう、収容部22の周方向のピッチだけ第2容器20を回転させる。そして、上述したように、ステップS22において、押さえ部材330の孔331を介して核酸増幅反応の検出が行われる。
【0099】
このように、付勢部300が押さえ部材330を第3位置に位置付けた状態で回転駆動部220が収容部22の周方向のピッチだけ第2容器20を回転させる動作と、付勢部300が押さえ部材330を第3位置に維持した状態で検出部240が収容部22に対する核酸増幅反応を検出する動作と、が繰り返される。そして、周方向に並ぶ全ての収容部22から順次、核酸増幅反応が検出される。このように、押さえ部材330が第3位置に位置付けられた状態が維持されると、第2容器20の下面部26の下面が第1温度調節部230の上面に接する状態が維持される。これにより、第2容器20の温度を適正に維持できる。
【0100】
なお、実施形態1では、第2容器20が一定方向に回転されながら、順次隣りの収容部22が検出位置に位置付けられたが、隣り合わない収容部22が、順次検出位置に位置付けられてもよい。たとえば、第1の収容部22の検出が終わった場合に、第1の収容部22から時計方向に2つ進んだ位置の第2の収容部22が検出位置に位置付けられ、第2の収容部22の検出が終わった場合に、第2の収容部22から反時計方向に1つ戻った位置の第3の収容部22が検出位置に位置付けられてもよい。
【0101】
全収容部22の検出が完了すると、ステップS24において、制御部405は、サイクル数が所定サイクル数に到達したか否かを判定する。ここで、サイクルとはステップS20〜S23からなる処理のことである。所定サイクル数は、たとえば55サイクルである。すなわち、ステップS24では、ステップS20〜S23からなる1回のサイクルが、合計で所定サイクル数だけ行われたか否かが判定される。サイクル数が所定サイクル数に到達していない場合、制御部405は、処理をステップS20に戻す。そして、制御部405は、ステップS20〜S23からなるサイクルを再度実行する。
【0102】
図14(a)に示す例では、1つのサイクルにおいて、第1温度調節部230と第2温度調節部340の温度が約102℃まで上昇させられた後、第2温度調節部340がオフされ、第1温度調節部230の温度が約57℃まで下降させられている。これにより、第2容器20の温度が95℃付近まで上昇した後、58℃付近まで下降している。その後、区間T1において、第1温度調節部230の温度が僅かに上昇され、全ての収容部22から順次、核酸増幅反応が検出されている。なお、
図14(a)の例のように、核酸増幅反応の検出の際には、第1温度調節部230の温度が僅かに上昇させられると、第1温度調節部230の温度が58℃付近で一定とされる場合に比べて、第2容器20の温度を一定に設定しやすくなる。
【0103】
図13に戻り、サイクル数が所定サイクル数に到達すると、ステップS25において、解析部401は、各収容部22における検出標的核酸の有無を判定し、判定結果等を表示部403に表示する。こうして、1つの検体についての核酸分析の処理が終了する。なお、1つの検体についての核酸分析の処理が終了すると、制御部405は、移送ユニット180を駆動して、容器設置部210に設置された第2容器20を、第2容器設置部120に移送する。移送された第2容器20は、しかる後に廃棄される。
【0104】
次に、ステップS25における判定処理について詳述する。
【0105】
解析部401は、
図14(b)に示すように、1つの収容部22から取得される全サイクルの蛍光強度を示す時系列データに基づいて、グラフを作成する。
図14(b)には、全サイクル数が59である例が示されている。収容部22に検出標的核酸が含まれる場合、上記のように繰り返しサイクル処理が行われると、収容部22に予め収容されている試薬により、徐々に検出標的核酸が増幅する。これにより、サイクル数の経過とともに、励起される蛍光強度が大きくなる。他方、収容部22に検出標的核酸が含まれない場合、上記のように繰り返しサイクル処理が行われたとしても、検出標的核酸が増幅することはない。これにより、サイクル数の経過にかかわらず、蛍光強度は低い値に維持される。
【0106】
続いて、
図15(a)に示すように、解析部401は、サイクル数と蛍光強度のグラフにおいて、記憶部402に記憶されている蛍光強度の閾値Lshを設定する。解析部401は、蛍光強度が閾値Lshに到達したときのサイクル数Nc1を取得する。すなわち、解析部401は、サイクル数と蛍光強度のグラフにおいて、蛍光強度の立ち上がりタイミングを取得する。
【0107】
そして、
図15(b)に示すように、予め検量線を用いて取得され記憶部402に記憶されている、立ち上がりサイクル数と変異量のグラフにおいて、サイクル数Nc1に対応する変異量DM1を取得する。そして、取得したDM1が記憶部402に記憶されているカットオフ値以上である場合、解析部401は、この収容部22に検出標的核酸が有ると判定する。他方、取得したDM1が記憶部402に記憶されているカットオフ値未満である場合、解析部401は、この収容部22に検出標的核酸がないと判定する。
【0108】
解析部401は、収容部22に検出標的核酸が有ると判定した場合、検体に対するこの検出標的核酸の判定を陽性とし、収容部22に検出標的核酸がないと判定した場合、検体に対するこの検出標的核酸の判定を陰性とする。
【0109】
次に、ステップS25における表示処理について詳述する。
【0110】
実施形態1の核酸分析装置100は、特にDNAの分析を行う。実施形態1では、がん関連遺伝子の一種であるKRASの変異の有無が判定される。たとえば、
図16(a)に示すように、大腸がんに関連したKRASの複数の検出標的核酸が、C1〜C8が示す8つの収容部22において検出される。この場合、C1〜C8が示す収容部22には、それぞれ、対応する検出標的核酸を増幅する試薬と、対応する検出標的核酸を標識する蛍光プローブを含む試薬とが、予め収容される。
【0111】
そして、上述したように、各収容部22において核酸増幅反応の検出が行われると、解析部401は、
図16(b)に示すように、収容部22ごとにサイクル数と蛍光強度のグラフを作成する。
図16(b)に示す例では、C2が示す収容部22において、サイクル数の増加に伴って蛍光強度が増加し、C1、C3〜C8が示す収容部22おいては、蛍光強度は増加していない。この場合、解析部401は、C2が示す収容部22に対応する検出標的核酸の判定を陽性とし、C1、C3〜C8が示す収容部22に対応する検出標的核酸の判定を陰性とする。
【0112】
解析部401は、
図17に示すように、リスト510とグラフ領域520とを含む画面500を、表示部403に表示する。リスト510は、検体ごとに、各収容部22に対応する検出標的核酸の判定結果を一覧にして表示する。グラフ領域520は、リスト510において選択された検体について、各収容部22に基づくグラフを表示する。
【0113】
以上のように、核酸分析装置100による処理が開始されると、検体から核酸を抽出する処理と、各収容部22で生じる核酸増幅反応の検出と、検出標的核酸の有無を示す判定とが、自動で行われる。これにより、検体や容器のセットなどの最小限の手順を行うだけで、核酸分析を行うことができる。
【0114】
なお、実施形態1の核酸分析装置100は、第2容器20に予め収容させる試薬に応じて、KRAS以外にも、BRAF、PIK3CA、NRAS、EGFR、ALK Fusions、ALK Mut.などの変異の有無を判定できる。KRAS、BRAF、PIK3CA、およびNRASの変異の有無は、たとえば大腸がんの診断に有用である。KRAS、BRAF、PIK3CA、NRAS、EGFR、ALK Fusions、およびALK Mut.の変異の有無は、たとえば非小細胞肺がんの診断に有用である。
【0115】
<実施形態2>
実施形態2では、第2容器設置部120に設置された第2容器20の注入口21が、Y軸方向において、Y軸方向における第1容器10の幅の中央から外れた位置に位置付けられる。この場合、
図18(a)、(b)に示すように、第1容器設置部110に設置された第1容器10のY軸方向における幅の範囲と、第2容器設置部120に設置された第2容器20のY軸方向における幅の範囲とが重なるよう、第1容器設置部110と第2容器設置部120とが配置される。
【0116】
図18(a)に示す例では、第2容器20の注入口21が、Y軸方向において、Y軸方向における第1容器10の幅の中央から外れているものの、Y軸方向における第1容器10の幅の範囲内に位置付けられている。
図18(b)に示す例では、第2容器20の注入口21が、Y軸方向において、Y軸方向における第1容器10の幅の範囲外に位置付けられているものの、Y軸方向における第2容器20の範囲と、Y軸方向における第1容器10の範囲とが重なっている。
【0117】
図18(a)、(b)に示すように第2容器設置部120が配置された場合も、第2容器設置部120が第1容器10のX軸正方向側に配置されているため、分注ユニット140の移動を簡素に構成することができ、核酸分析装置100の設置面積を抑制できる。
【0118】
<実施形態3>
実施形態3では、回転部200を構成する容器設置部の形状が、
図19(a)〜(c)に示す形状とされる。
【0119】
図19(a)に示す容器設置部610では、実施形態1の容器設置部210と比較して、3つの係合部214を取り囲んでいた内側面211が省略され、第2外側面213に代えて、鍔部611が形成されている。この場合、実施形態1のガイド部250に代えて、鍔部611を周方向の複数箇所で外側から挟み込む部材により、容器設置部610が、水平面および鉛直方向における位置が固定された状態で回転可能となる。容器設置部610も、上下が開放された筒状に構成されており、実施形態1と同様、第2容器20を設置可能である。
【0120】
図19(b)に示す容器設置部620では、実施形態1の容器設置部210と比較して、内側面211と第2外側面213が省略され、係合部214と弾性部材215が設置された領域が、外側方向に拡大されており、拡大された領域の上面と下面において、周方向に亘って溝621が形成されている。この場合、実施形態1のガイド部250に代えて、上面側の溝621と下面側の溝621に対して、それぞれボールを介して周方向の複数箇所で上下から挟み込む部材により、容器設置部620が、水平面および鉛直方向における位置が固定された状態で回転可能となる。容器設置部620も、上下が開放された筒状に構成されており、実施形態1と同様、第2容器20を設置可能である。
【0121】
図19(c)に示す容器設置部630では、実施形態1の容器設置部210と比較して、鉛直方向において係合部214の位置から上方にも筒状部分が延びている。係合部214の上方に延びる筒状部分は、内側面631および外側面632ともに、水平面による断面が正8角形である。この場合も、第2容器20は、筒状の内側面631に挿入されて容器設置部630に設置される。
【0122】
<実施形態4>
実施形態4では、容器設置部210において第2容器20を高速回転させる場合に、第2容器20の鉛直方向におけるぶれを抑制するために、押さえ部材330に代えて、浮き防止機構700が用いられる。
【0123】
図20(a)に示すように、浮き防止機構700は、支持部710と、支持部710に設置された3つの留め部720と、を備える。3つの留め部720は、浮き防止機構700の中心位置を中心とする円の周方向において異なる位置に配置されている。留め部720は、係合部721と、鍔部722と、おもり部723と、バネ724と、を備える。
【0124】
係合部721は、支持部710の上面側に設置されている。係合部721には、係合部721の内部を上下方向に貫通する図示しない軸が、係合部721に対して回転可能に設置されている。係合部721の軸の上端と下端には、それぞれ、鍔部722とおもり部723が設置されている。鍔部722とおもり部723は、水平面内において係合部721の軸から離れる方向に延びている。バネ724の両端は、係合部721とおもり部723に設置されている。おもり部723は、バネ724に付勢され、浮き防止機構700の内側へ向けられている。このとき、鍔部722は、浮き防止機構700の外側へ向けられている。浮き防止機構700は、第1温度調節部230が支持部710の上に位置するように、容器設置部210の内部に設置される。
【0125】
図20(b)に示すように、容器設置部210に第2容器20を設置する場合、3つの鍔部722は、バネ724により外側に向けられているため、第2容器20は鍔部722に接触することなく浮き防止機構700の上方から挿入可能である。そして、第2容器20の3つの被係合部27aが、3つの係合部721に係合する。これにより、実施形態1と同様、水平面内における移動が抑制された状態で、第2容器20が容器設置部210に設置される。
【0126】
図20(c)に示すように、容器設置部210の回転に応じて、浮き防止機構700が回転すると、おもり部723に遠心力が付与され、3つのおもり部723が浮き防止機構700の外側へ向けられる。これにより、係合部721の軸が回転し、3つの鍔部722が回転する。このとき、
図20(d)に示すように、平面視において、鍔部722が第2容器20の鍔部27に重なっているため、第2容器20の鉛直方向におけるぶれが抑制される。
【0127】
<実施形態5>
図21(a)に示すように、実施形態5では、実施形態1と比較して、支持体320が、軸部材323と受け部材324に代えて、受け部材326を備える。受け部材326は、実施形態1の受け部材324と同様、フッ素ゴムにより構成される。受け部材326は、支持部材322の下面に設置されている。受け部材326は、平面視において円形状であり、下面の外周部分が第2容器20の斜面部25bに沿うように下方向に延びている。
【0128】
図21(b)に示すように、押さえ部材330が第2位置に位置付けられると、受け部材326が突部25に嵌まる。これにより、第2容器20が高速回転されたとしても、注入口21の上部が受け部材326によって封じられた状態となるため、注入口21から逆流する液体の飛散を防ぐことができる。また、受け部材326は、突部25に嵌まるため、第2容器20の回転軸をも規定できる。
【0129】
<他の構成例>
図22に示すように、本構成例では、実施形態1と比較して、第1容器10および第3容器30の設置形態が相違している。すなわち、実施形態1では、第1軸であるX軸に沿って並ぶ試薬収容部13a〜13hの数が、第2軸であるY軸に沿って並ぶ試薬収容部13a〜13hの数よりも多くなるように第1容器10が設置されたが、本構成例では、第2軸であるY軸に沿って並ぶ試薬収容部13a〜13hの数が、第1軸であるX軸に沿って並ぶ試薬収容部13a〜13hの数よりも多くなるように第1容器10が設置される。本構成例では、反応部11、試薬収容部12、試薬収容部13a〜13h、混合部14a〜14d、試薬収容部15、および廃液収容部16が左右方向(Y軸方向)に並ぶように、3つの第1容器10がそれぞれ設置される。
【0130】
また、穿刺用チップ31およびピペットチップ32を保持する3つの第3容器30が、それぞれ、3つの第1容器10の左側(Y軸正側)に設置される。さらに、本構成例では、実施形態1に比べて、第2容器20の設置間隔が広げられている。
【0131】
本構成例の核酸分析装置では、このように第1容器10と第3容器の設置形態が変更されることにより、実施形態1に比べて、前後方向(X軸方向)の幅が圧縮され、左右方向(Y軸方向)の幅が拡張される。また、第1容器10、第2容器20および第3容器30の設置形態の変更に伴い、分注ユニット140および移送ユニット180の移送範囲が変更されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0132】
なお、
図22の構成例では、第3容器30が第1容器10の左側(Y軸正側)に配置されたが、第3容器30が第1容器10の右側(Y軸負側)に配置されてもよい。第1容器10、第2容器20および第3容器30の設置位置は、適宜変更可能である。