(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊星歯車ブラケット及び前記遊星歯車固定ディスクは、いずれも前記遊星歯車ハウジング内に位置し、前記遊星歯車ブラケット及び前記遊星歯車固定ディスクは、それぞれ前記遊星歯車ハウジングの内歯の両側に当接して前記遊星歯車ハウジングの軸方向において位置決めされる、
ことを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯機。
前記遊星歯車ブラケットの前記一側面には、複数の遊星歯車取り付けベースが設けられ、且つ各々の前記遊星歯車取り付けベースには、遊星歯車固定軸が設けられ、複数の前記遊星歯車は、それぞれ回転可能であり、且つ複数の前記遊星歯車固定軸に1対1で対応するように取り付けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯機。
複数の前記取り付けボス及び複数の前記遊星歯車は、前記遊星歯車ブラケットの周方向に交互して設けられ、各々の前記取り付けボスには、位置決めカラムが設けられ、前記遊星歯車固定ディスクには、複数の位置決め孔が設けられ、複数の前記取り付けボスにおける位置決めカラムは、複数の前記位置決め孔に1対1で対応するように嵌合する、
ことを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯機。
前記遊星歯車ケースの内周壁と前記遊星歯車ハウジングの外周壁の一方には、フランジが設けられ、且つ、他方には、係合溝が設けられ、前記フランジは、前記係合溝に嵌合し、
前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの外周壁に複数設けられ、各々の前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの軸方向に延びており、且つ複数の前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの周方向に間隔を空けて設けられ、前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの内周壁に複数設けられ、各々の前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの軸方向に延びており、且つ複数の前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの周方向に間隔を空けて設けられ、
複数の前記フランジは、複数の前記係合溝に1対1で対応するように嵌合する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
前記遊星歯車ケースには、貫通孔が設けられ、前記第2軸は、前記貫通孔に挿通され、前記第2軸は、それに嵌めて設けられ且つ前記貫通孔内に設けられる第2軸側軸受けにより支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
前記シュート嵌合部の断面と前記シュートの最小断面とは、互いに合わせた円形であり、前記ブリッジ部の断面は長方形であり、且つ面積が前記シュート嵌合部の断面積未満である、
ことを特徴とする請求項11に記載のドラム式洗濯機。
前記ブリッジ部には、複数の横方向補強リブ及び複数の縦方向補強リブが設けられ、各々の前記横方向補強リブは、前記ブリッジ部の幅方向に延びており、且つ複数の前記横方向補強リブは、前記ブリッジ部の長さ方向に間隔を空けて設けられ、各々の前記縦方向補強リブは、前記ブリッジ部の長さ方向に延びており、且つ複数の前記縦方向補強リブは、
前記ブリッジ部の幅方向に間隔を空けて設けられ、各々の前記縦方向補強リブは、それぞれ複数の前記横方向補強リブに連結され、
前記シュート嵌合部には、複数の軸方向補強リブが設けられ、各々の前記軸方向補強リブは、前記シュート嵌合部の軸方向に延びており、且つ複数の前記軸方向補強リブは、前記シュート嵌合部の周方向に間隔を空けて設けられ、
前記シュート内には、支持摺動溝が設けられ、前記伝動部は、前記支持摺動溝に摺動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項11に記載のドラム式洗濯機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。このため、本開示は、ドラム式洗濯機を提案し、該ドラム式洗濯機は、洗濯方式の多様化を実現でき、且つ性能が安定的であり、耐用年数が長いなどの利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機は、外槽と、前記外槽内に回転可能に設けられる内筒と、前記内筒内に回転可能に設けられる撹拌器と、スピンドルを介して前記内筒に伝動可能に接続され、前記スピンドルによりトルクが前記内筒に伝達される駆動器と、前記スピンドル及び前記撹拌器それぞれに伝動可能に接続され、前記スピンドルのトルクを前記撹拌器に伝達する遊星歯車部材と、を備える。
【0007】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機は、駆動器を設けることにより、駆動器でスピンドルを回転駆動して内筒を回転させ、また、内筒内に撹拌器がさらに設けられ、遊星歯車部材でスピンドルのトルクを撹拌器に伝達して撹拌器を回転駆動し、それによって、撹拌器の回転と内筒の回転を互いに組み合わせてさまざまな洗濯方式、たとえば、撹拌器及び内筒のいずれかの単独回転又は撹拌器と内筒の同時回転、たとえば、撹拌器及び内筒の同一方向における回転又は反対方向における回転を実現することができ、それによって、ドラム式洗濯機の洗濯方式を多様化させる。
【0008】
さらに、駆動器がスピンドルを介して内筒を駆動するので、駆動器により負荷の大きな部材が直接駆動され、動力の伝達段数が減少し、動力伝送がさらに直接行われ、このため、体積が大きく且つ衣類及び水が収納された内筒が安定的に駆動され、一方、スピンドルと撹拌器との間に遊星歯車部材が設けられ、遊星歯車部材を介してスピンドルのトルクが撹拌器に伝達され、駆動器で撹拌器が間接的に駆動され、撹拌器での負荷が内筒での負荷よりはるかに小さいので、パルセータを備える関連技術におけるドラム式洗濯機に比べて、遊星歯車部材に作用する負荷が大幅に減少し、動力を安定的に伝達してドラム式洗濯機の性能の安定性向上に寄与するだけでなく、遊星歯車部材が破壊されるリスクを低減させ、ドラム式洗濯機の耐用年数を延ばす。
【0009】
したがって、本開示の実施例によるドラム式洗濯機は、洗濯方式の多様化を実現でき、且つ性能が安定的であり、耐用年数が長いなどの利点を有する。
【0010】
本開示の一実施例によれば、前記遊星歯車部材は、第1状態と第2状態を切り替え可能であり、前記遊星歯車部材が前記第1状態にあるとき、前記遊星歯車部材は、前記スピンドルのトルクを同一方向に前記撹拌器に伝達することで、前記撹拌器と前記内筒を同一方向に回転させ、前記遊星歯車部材が前記第2状態にあるとき、前記遊星歯車部材は、前記スピンドルのトルクを反対方向に前記撹拌器に伝達することで、前記撹拌器と前記内筒を反対方向に回転させる。
【0011】
好ましくは、前記撹拌器と前記内筒が反対方向に回転するとき、前記撹拌器の回転数が前記内筒の回転数未満である。
【0012】
好ましくは、前記撹拌器と前記内筒が同一方向に回転するとき、前記撹拌器の回転数が前記内筒の回転数に等しい。
【0013】
本開示の一実施例によれば、前記遊星歯車部材は、遊星歯車ユニットを備え、前記遊星歯車ユニットは、遊星歯車キャリアと、それぞれ前記遊星歯車キャリアに回転可能に取り付けられ、且つそれぞれ前記スピンドルと噛み合う複数の遊星歯車と、複数の前記遊星歯車の外側に嵌めて設けられ且つ複数の前記遊星歯車それぞれと噛み合い、前記撹拌器に伝動可能に接続される遊星歯車ハウジングと、を備え、前記遊星歯車キャリアの自由回転が許容されるとき、前記遊星歯車部材は、前記第1状態にあり、前記遊星歯車キャリアが制動されるとき、前記遊星歯車部材は前記第2状態にある。
【0014】
本開示のさらなる実施例によれば、前記遊星歯車キャリアは、一側面に複数の前記遊星歯車がそれぞれ回転可能に取り付けられ、前記一側面には、複数の取り付けボスが設けられる遊星歯車ブラケットと、前記複数の取り付けボスに取り付けられる遊星歯車固定ディスクと、を備える。
【0015】
好ましくは、前記遊星歯車ブラケット及び前記遊星歯車固定ディスクは、いずれも前記遊星歯車ハウジング内に位置し、前記遊星歯車ブラケット及び前記遊星歯車固定ディスクは、それぞれ前記遊星歯車ハウジングの内歯の両側に当接して前記遊星歯車ハウジングの軸方向において位置決めされる。
【0016】
好ましくは、前記遊星歯車ブラケットの前記一側面には、複数の遊星歯車取り付けベースが設けられ、且つ各々の前記遊星歯車取り付けベースには、遊星歯車固定軸が設けられ、複数の前記遊星歯車は、それぞれ回転可能であり、且つ複数の前記遊星歯車固定軸に1対1で対応するように取り付けられる。
【0017】
好ましくは、複数の前記取り付けボス及び複数の前記遊星歯車は、前記遊星歯車ブラケットの周方向に交互して設けられ、各々の前記取り付けボスには、位置決めカラムが設けられ、前記遊星歯車固定ディスクには、複数の位置決め孔が設けられ、複数の前記取り付けボスにおける位置決めカラムは、複数の前記位置決め孔に1対1で対応するように嵌合する。
【0018】
本開示の一実施例によれば、前記遊星歯車部材は、遊星歯車ケースをさらに備え、前記遊星歯車ユニットは、前記遊星歯車ケース内に設けられ、前記遊星歯車ハウジングは、前記遊星歯車ケースを介して前記撹拌器に伝動可能に接続される。
【0019】
本開示のさらなる実施例によれば、前記遊星歯車ケースの内周壁と前記遊星歯車ハウジングの外周壁の一方には、フランジが設けられ、且つ、他方には、係合溝が設けられ、前記フランジは、前記係合溝に嵌合する。
【0020】
好ましくは、前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの外周壁に複数設けられ、各々の前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの軸方向に延びており、且つ複数の前記フランジは、前記遊星歯車ハウジングの周方向に間隔を空けて設けられ、前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの内周壁に複数設けられ、各々の前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの軸方向に延びており、且つ複数の前記係合溝は、前記遊星歯車ケースの周方向に間隔を空けて設けられ、複数の前記フランジは、複数の前記係合溝に1対1で対応するように嵌合する。
【0021】
本開示のさらなる実施例によれば、前記遊星歯車部材は、遊星歯車軸受けをさらに備え、前記遊星歯車軸受けは、前記遊星歯車ケース内に設けられ、且つ前記遊星歯車ユニットの外側に位置し、前記遊星歯車軸受けの内輪は、前記スピンドルとともに回転するように前記スピンドルに嵌めて設けられ、前記遊星歯車軸受けの外輪は、前記遊星歯車ケースとともに回転するように前記遊星歯車ケースに連結される。
【0022】
本開示の一実施例によれば、ドラム式洗濯機は、前記遊星歯車キャリアと噛み合う第2軸と、前記第2軸を介して前記遊星歯車キャリアが制動されるか否かを制御する制動器と、を備える。
【0023】
好ましくは、前記スピンドル内には、その軸方向に沿って貫通し前記第2軸が挿通されるキャビティを有する。
【0024】
好ましくは、前記第2軸は、それに嵌めて設けられ且つ前記キャビティ内に設けられる第2軸の軸受けにより支持される。
【0025】
好ましくは、前記遊星歯車ケースには、貫通孔が設けられ、前記第2軸は、前記貫通孔に挿通され、前記第2軸は、それに嵌めて設けられ且つ前記貫通孔内に設けられる第2軸側軸受けにより支持される。
【0026】
本開示の一実施例によれば、前記第2軸には、制動ディスクが伝動可能に接続され、前記制動器は、シュートが設けられた摺動溝ベースと、延出位置と引き込み位置との間で摺動可能に前記シュートに嵌合し、前記延出位置にあるとき、前記制動ディスクと噛み合い、前記引き込み位置にあるとき、前記制動ディスクから離脱する制動ロッドと、前記摺動溝ベースに取り付けられ且つ前記制動ロッドに伝動可能に接続され、前記制動ロッドが前記延出位置と前記引き込み位置との間で移動するように駆動する制動駆動器と、を備える。
【0027】
好ましくは、前記制動ロッドには、位置制限ブロックが設けられ、前記シュート内には、位置制限台が設けられ、前記制動ロッドが前記延出位置にあるとき、前記位置制限ブロックは前記位置制限台に当接する。
【0028】
好ましくは、前記シュート内には、周方向位置決め摺動溝が設けられ、前記位置制限ブロックは、前記周方向位置決め摺動溝に摺動可能に嵌合する。
【0029】
好ましくは、前記制動ロッドは、前記シュートに摺動可能に嵌合するシュート嵌合部と、前記シュート嵌合部の一端に接続され、且つ前記制動駆動器に伝動可能に接続される伝動部と、前記シュート嵌合部の他端に接続されるブリッジ部と、前記シュート嵌合部から離れる前記ブリッジ部の一端に接続され、前記制動ロッドが前記延出位置にあるとき、前記制動ディスクと噛み合い、前記制動ロッドが前記引き込み位置にあるとき、前記制動ディスクから離脱する制動部と、を備える。
【0030】
好ましくは、前記シュート嵌合部の断面と前記シュートの最小断面は、互いに合わせた円形であり、前記ブリッジ部の断面は長方形であり、且つ面積が前記シュート嵌合部の断面積未満である。
【0031】
好ましくは、前記ブリッジ部には、複数の横方向補強リブ及び複数の縦方向補強リブが設けられ、各々の前記横方向補強リブは、前記ブリッジ部の幅方向に延びており、且つ複数の前記横方向補強リブは、前記ブリッジ部の長さ方向に間隔を空けて設けられ、各々の前記縦方向補強リブは、前記ブリッジ部の長さ方向に延びており、且つ複数の前記縦方向補強リブは、前記ブリッジ部の幅方向に間隔を空けて設けられ、各々の前記縦方向補強リブは、それぞれ複数の前記横方向補強リブに連結される。
【0032】
好ましくは、前記シュート嵌合部には、複数の軸方向補強リブが設けられ、各々の前記軸方向補強リブは、前記シュート嵌合部の軸方向に延びており、且つ複数の前記軸方向補強リブは、前記シュート嵌合部の周方向に間隔を空けて設けられる。
【0033】
好ましくは、前記シュート内には、支持摺動溝が設けられ、前記伝動部は、前記支持摺動溝に摺動可能に支持される。
【0034】
本開示のさらなる実施例によれば、前記制動器は、モータである前記駆動器を前記制動ロッドに伝動可能に接続し、前記モータのモータ軸の回転運動を前記シュート内の前記制動ロッドの直線運動に変換する制動カムをさらに備える。
【0035】
好ましくは、前記制動カムには、偏心柱が設けられ、前記制動ロッドには、前記偏心柱が摺動可能に嵌合する直線摺動溝が設けられる。
【0036】
好ましくは、前記直線摺動溝の長さ方向は、前記制動ロッドの直線運動方向に垂直である。
【0037】
好ましくは、前記摺動溝ベースには、前記シュートに連通する通過孔が設けられ、前記制動カムは、前記通過孔を通って前記シュート内に伸びる。
【0038】
好ましくは、前記摺動溝ベースは、制動器ブラケットを介して前記外槽の後壁に取り付けられ、前記制動ディスク及び前記制動器は、いずれも前記外槽の外部に位置する。
【0039】
好ましくは、前記制動器ブラケットには、位置制限摺動溝が設けられ、前記シュートまで延出する前記制動ロッドの部分は、前記位置制限摺動溝に摺動可能に嵌合する。
【0040】
本開示の一実施例によれば、ドラム式洗濯機は、前記駆動器のパワーを検出するための検出装置をさらに備え、前記駆動器のパワーが所定値に達すると、前記制動器は、前記第2軸を介して前記遊星歯車キャリアが自由に回転可能になるように制御する。
【0041】
本開示の一実施例によれば、ドラム式洗濯機は、前記内筒の後壁に取り付けられ、且つ前記内筒の後壁と前記外槽の後壁との間に位置し、前記スピンドルを前記内筒に回動可能に接続するとともに、前記外槽の後壁に回転可能に支持する内筒ブラケットをさらに備える。
【0042】
好ましくは、前記外槽の後壁には、取り付け孔が設けられ、且つ前記取り付け孔内には、スピンドルの軸受け台が設けられ、前記スピンドルは、前記スピンドルの軸受け台内に設けられるスピンドルの軸受けにより回転可能に支持される。
【0043】
好ましくは、前記スピンドルには、スピンドルブッシュが嵌めて設けられ、前記スピンドルブッシュには、スピンドルフランジが嵌めて設けられ、前記内筒ブラケットは、前記スピンドルフランジに接続される。
【0044】
さらに、前記遊星歯車部材には、部材シール部品が嵌めて設けられ、前記部材シール部品は、前記遊星歯車部材と前記スピンドルフランジとの間の隙間をシールする。
【0045】
さらに、前記遊星歯車部材と前記部材シール部品との間には、耐摩耗スリーブが設けられる。
【0046】
根本開示の好適な実施例によれば、前記スピンドルは、プーリに伝動可能に接続され、前記駆動器は、モータであり、且つ前記プーリに張られたベルトを介して前記プーリを回転駆動する。
【0047】
好ましくは、前記プーリ、前記ベルト及び前記駆動器は、いずれも前記外槽の外部に位置し、前記プーリは、前記外槽の後壁と前記スピンドルにおけるロックナットとの間に限定される。
【0048】
本開示の付加的な態様及び利点の一部は、以下の説明において提供され、その一部は、以下の説明により明らかになり、又は本開示の実施により把握できる。
【0049】
本開示の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、以下の図面による実施例の説明において明らかで理解しやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は、図面に示されており、図面を通じて同じ又は類似した符号は、同じ又は類似した素子若しくは同じ又は類似した機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明する実施例は、例示的なものに過ぎず、本開示を解釈するために用いられ、本開示を制限するものとして理解できない。
【0052】
なお、本開示の説明において、「中心」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語により示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本開示の説明の便宜及び説明の簡素化のためであり、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構造及び操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、このため、本開示を制限するものとして理解できない。そのほか、「第1」、「第2」により限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的または暗黙的に含み得る。本開示の説明において、特に断らない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0053】
なお、本開示の説明において、特に明確な指定及び制限がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義で理解すべきであり、たとえば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、一体に接続されてもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接連結されてもよく、中間媒介を介して間接的に連結されてもよく、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の意味を理解できる。
【0054】
以下、
図1−
図23を参照しながら、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100を説明する。
【0055】
図1−
図23に示されるように、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100は、外槽1、内筒2、撹拌器4、駆動器(たとえば下記モータ5)及び遊星歯車部材6を備える。
【0056】
内筒2は、外槽1内に回転可能に設けられる。撹拌器4は、内筒2内に回転可能に設けられる。駆動器は、スピンドル31を介して内筒2に伝動可能に接続され、スピンドル31は、駆動器のトルクを内筒2に伝達する。遊星歯車部材6は、スピンドル31及び撹拌器4のそれぞれに伝動可能に接続され、駆動器がスピンドル31を回転駆動するとき、遊星歯車部材6は、スピンドル31のトルクを撹拌器4に伝達して、撹拌器4を回転駆動できる。
【0057】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機100は、駆動器を設けることにより、駆動器でスピンドル31を回転駆動して内筒2を回転させ、内筒2内に撹拌器4がさらに設けられ、遊星歯車部材6でスピンドル31のトルクを撹拌器4に伝達して撹拌器4を回転駆動し、それによって、撹拌器4の回転と内筒2の回転を互いに組み合わせてさまざまな洗濯方式、たとえば、撹拌器4及び内筒2のいずれかの単独回転又は撹拌器4と内筒2との同時回転、また、たとえば撹拌器4と内筒2の同一方向における回転又は反対方向における回転を実現することができ、それによって、ドラム式洗濯機100の洗濯方式を多様化させる。
【0058】
さらに、駆動器がスピンドル31を介して内筒2を駆動するので、駆動器により負荷の大きな部材が直接駆動され、動力伝達の段数がさらに減少し、動力伝送がさらに直接行われ、このため、体積が大きく且つ衣類及び水が収納された内筒が安定的に駆動され、一方、スピンドル31と撹拌器4との間に遊星歯車部材6が設けられ、遊星歯車部材6を利用してスピンドル31のトルクが撹拌器に伝達され、駆動器で撹拌器4が間接的に駆動され、撹拌器4での負荷が内筒2での負荷よりはるかに小さいので、パルセータ(撹拌器)を備える関連技術におけるドラム式洗濯機に比べて、遊星歯車部材6に作用する負荷が大幅に減少し、動力を安定的に伝達してドラム式洗濯機100の性能の安定性向上に寄与するだけでなく、遊星歯車部材6が破壊されるリスクを低減させ、ドラム式洗濯機100の耐用年数を延ばす。
【0059】
したがって、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100は、洗濯方式の多様化を実現でき、且つ性能が安定的であり、耐用年数が長いなどの利点を有する。
【0060】
以下、
図1−
図23を参照しながら、本開示によるドラム式洗濯機100のいくつかの特定の実施例を詳細に説明する。
【0061】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機100の遊星歯車部材6は、第1状態と第2状態を切り替え可能である。
【0062】
遊星歯車部材6が第1状態にあるとき、遊星歯車部材6は、スピンドル31のトルクを同一方向に撹拌器4に伝達することで、撹拌器4と内筒2を同一方向に回転させる。遊星歯車部材6が第2状態にあるとき、遊星歯車部材6は、スピンドル31のトルクを反対方向に撹拌器4に伝達することで、撹拌器4と内筒2を反対方向に回転させる。たとえば、駆動器がスピンドル31を時計回りで回転駆動する場合、遊星歯車部材6が前記第1状態にあるとき、遊星歯車部材6は、スピンドル31のトルクを同一方向に撹拌器4に伝達することで、撹拌器4と内筒2の両方を時計回りで回転させる。遊星歯車部材6が第2状態にあるとき、遊星歯車部材6は、スピンドル31のトルクを反対方向に撹拌器4に伝達することで、撹拌器4を反時計回りで回転させる。
【0063】
一例として、ドラム式洗濯機100は、脱水モードである場合、遊星歯車部材6を第1状態に切り替え、第1状態にある遊星歯車部材6の動力伝達方式で撹拌器4と内筒2を同一方向に回転させ、それによって、高速回転脱水時の衣服の絡み合いや引き裂きなどを回避する。
【0064】
ドラム式洗濯機100は、洗濯モードである場合、遊星歯車部材6を第2状態に切り替え、第2状態にある遊星歯車部材6の動力伝達方式で撹拌器4と内筒2を反対方向に回転させ、衣服及び水を十分に撹拌して、衣服を洗濯するときの洗濯効果を向上させる。
【0065】
当業者にとって明らかなように、遊星歯車部材6の状態切り替えとドラム式洗濯機100の現在のモードとの組み合わせは、上記実施例に制限されず、脱水及び洗濯モードのいずれか一方において、遊星歯車部材6の第1状態と第2状態を組み合わせてもよい。
【0066】
それによって、第1状態と第2状態を切り替え可能な遊星歯車部材6が設けられることにより、撹拌器4と内筒2が同一方向又は反対方向に回転するように撹拌器4の回転方向を調整して、内筒2と連携してさまざまな作業状況に応じた作動モードを実現できる。
【0067】
いくつかの例では、撹拌器4と内筒2が反対方向に回転するとき、撹拌器4の回転数は、内筒2の回転数未満である。つまり、遊星歯車部材6が第2状態にあるとき、動力の変速・減速伝達が実現される。それによって、衣服及び水を十分に撹拌する際に、衣服の絡み合いを回避し、且つ装置全体の安定性及び騒音低減に有利である。
【0068】
いくつかの例では、撹拌器4と内筒2が同一方向に回転するとき、撹拌器4の回転数は、内筒2の回転数に等しい。即ち、遊星歯車部材6が第1状態にあるとき、撹拌器4と内筒2は同期して(同一速度且つ同一方向)回転する。
【0069】
図6−
図11に示されるように、本開示の一実施例によれば、遊星歯車部材6は、遊星歯車ユニット61を備え、且つ遊星歯車ユニット61は、遊星歯車キャリア611、複数の遊星歯車612及び遊星歯車ハウジング613を備える。
【0070】
複数の遊星歯車612は、それぞれ遊星歯車キャリア611に回転可能に取り付けられ、スピンドル31の外側周壁には、噛合歯を有し、複数の遊星歯車612は、それぞれスピンドル31における噛合歯と噛み合う。遊星歯車ハウジング613は、複数の遊星歯車612の外側に嵌めて設けられ、さらに複数の遊星歯車612のそれぞれと噛み合い、撹拌器4に伝動可能に接続される。
【0071】
ただし、遊星歯車ハウジング613の内側周壁には、複数の遊星歯車612と噛み合う噛合歯を有する。それによって、スピンドル31、複数の遊星歯車612、遊星歯車キャリア611及び遊星歯車ハウジング613は、遊星歯車系を構成し、スピンドル31の複数の遊星歯車612と噛み合う軸部は、遊星歯車系の太陽歯車となる。
【0072】
遊星歯車キャリア611の自由回転が許容されるとき、遊星歯車部材6は、第1状態にあり、撹拌器4と内筒2を同一方向に回転させ、遊星歯車キャリア611が制動されるとき、遊星歯車部材6は、第2状態にあり、複数の遊星歯車612は、それぞれ自転し、遊星歯車ハウジング613とスピンドル31は反対方向に回転し、それによって、撹拌器4と内筒2を反対方向に回転させる。それによって、遊星歯車部材6の遊星歯車キャリア611の状態を切り替えることによって、撹拌器4の運転状態を制御して、ドラム式洗濯機100の複数種の作動モードを切り替えられる。
【0073】
それによって、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100は、スピンドル31と撹拌器4の間に遊星歯車部材6を設けることにより、遊星歯車部材6でスピンドル31のトルクを撹拌器4に伝達して撹拌器4を回転駆動し、それによって、撹拌器4の回転と内筒2の回転を互いに組み合わせてさまざまな洗濯方式、たとえば、撹拌器4及び内筒2のいずれかの単独回転又は撹拌器4と内筒2との同時回転、また、たとえば撹拌器4と内筒2の同一方向における回転又は反対方向における回転を実現することができ、それによって、ドラム式洗濯機100の洗濯方式を多様化させる。
【0074】
さらに、遊星歯車部材6を介してスピンドル31のトルクが撹拌器に伝達され、駆動器で撹拌器4が間接的に駆動され、撹拌器4での負荷が内筒2での負荷よりはるかに小さいので、パルセータを備える関連技術におけるドラム式洗濯機に比べて、遊星歯車部材6に作用する負荷が大幅に減少し、動力を安定的に伝達してドラム式洗濯機100の性能の安定性向上に寄与するだけでなく、遊星歯車部材6が破壊されるリスクを大幅に低減させ、ドラム式洗濯機100の耐用年数を延ばす。
【0075】
図8〜
図10に示されるように、遊星歯車キャリア611は、遊星歯車ブラケット6111及び遊星歯車固定ディスク6116を備える。複数の遊星歯車612は、それぞれ遊星歯車ブラケット6111の一側面に回転可能に取り付けられ、遊星歯車ブラケット6111の一側面には、複数の取り付けボス6112が設けられ、遊星歯車固定ディスク6116は、複数の取り付けボス6112に取り付けられ、それによって、遊星歯車ブラケット6111と遊星歯車固定ディスク6116の接続が容易になる。
【0076】
いくつかの例では、遊星歯車ブラケット6111及び遊星歯車固定ディスク6116は、いずれも遊星歯車ハウジング613内に位置し、遊星歯車ブラケット6111及び遊星歯車固定ディスク6116は、それぞれ遊星歯車ハウジング613の内歯の両側に限定され、遊星歯車ハウジング613の内歯の歯端により遊星歯車ハウジング613の軸方向において位置決めされる。遊星歯車ブラケット6111は、複数の遊星歯車612を位置決めして取り付けることができ、遊星歯車ブラケット6111と遊星歯車固定ディスク6116の組み合わせ構造によって複数の遊星歯車が遊星歯車ブラケット6111と遊星歯車固定ディスク6116との間に限定され、構造のモジュール化組立が実現され、構造がよりコンパクトになり、組み立てがより簡便になる。
【0077】
いくつかの例では、遊星歯車固定ディスク6116は、遊星歯車ハウジング613内に設けられ、ファスナーによって遊星歯車ブラケット6111に固着され、接続の信頼性が高い。
【0078】
いくつかの例では、遊星歯車ブラケット6111の一側面には、複数の遊星歯車取り付けベース6114が設けられ、各々の遊星歯車取り付けベース6114には、遊星歯車固定軸6115が設けられ、複数の遊星歯車612は、それぞれ回転可能であり、且つ複数の遊星歯車固定軸6115に1対1で対応するように取り付けられる。ここでの「1対1で対応する」とは、遊星歯車612の数が遊星歯車取り付けベース6114の数に等しく、遊星歯車取り付けベース6114ごとに1つの遊星歯車612が設けられるとして理解できる。
【0079】
いくつかの具体例では、遊星歯車取り付けベース6114には、挿着孔が設けられ、遊星歯車固定軸6115の一端は、遊星歯車取り付けベース6114の挿着孔に挿着され、遊星歯車固定軸6115の他端は、遊星歯車固定ディスク6116の制限孔6118に配置され、それによって、遊星歯車612は、位置決めして取り付けられる。
【0080】
いくつかの例では、遊星歯車ブラケット6111の一側面には、複数の取り付けボス6112及び複数の遊星歯車取り付けベース6114が設けられ、複数の取り付けボス6112及び複数の遊星歯車取り付けベース6114は、遊星歯車ブラケット6111の周方向に交互して設けられ、それによって、複数の取り付けボス6112及び複数の遊星歯車612は、遊星歯車ブラケット6111の周方向に交互して設けられる。
【0081】
さらに、各々の取り付けボス6112には、位置決めカラム6113が設けられ、遊星歯車固定ディスク6116には、複数の位置決め孔6117が設けられ、複数の取り付けボス6112における位置決めカラム6113は、複数の位置決め孔6117内に1対1で対応するように締まり嵌めし又は溶接されることで、遊星歯車固定ディスク6116は、複数の取り付けボス6112に支持され、それによって、遊星歯車固定ディスク6116と遊星歯車ブラケット6111の組立や接続を簡素化させる。
【0082】
図7、
図8及び
図11に示されるように、本開示のさらなる実施例によれば、遊星歯車部材6は、遊星歯車ケース62をさらに備え、遊星歯車ユニット61は、遊星歯車ケース62内に設けられ、それにより、遊星歯車部材6のモジュール化の設計が実現される。遊星歯車ハウジング613は、遊星歯車ケース62を介して撹拌器4に伝動可能に接続され、たとえば、遊星歯車ケース62と撹拌器4は、ネジにより組み立てられ、遊星歯車ハウジング613、遊星歯車ケース62及び撹拌器4は固定して接続され、それにより、同期運転が実現され、遊星歯車部材6を介したスピンドル31のトルクの撹拌器4への伝達に寄与する。
【0083】
いくつかの例では、遊星歯車ケース62の内周壁及び遊星歯車ハウジング613の外周壁の一方には、フランジ6131が設けられ、遊星歯車ケース62の内周壁及び遊星歯車ハウジング613の外周壁の他方には、係合溝621が設けられ、フランジ6131は係合溝621内に嵌合し、遊星歯車ケース62と遊星歯車ハウジング613が固定して接続されることが確保される。
【0084】
いくつかの好適例では、遊星歯車ハウジング613の外周壁には、複数のフランジ6131が設けられ、各々のフランジ6131は、遊星歯車ハウジング613の軸方向に延びており、複数のフランジ6131は、遊星歯車ハウジング613の周方向に間隔を空けて設けられる。
【0085】
それに対応して、遊星歯車ケース62の内周壁には、複数の係合溝621が設けられ、各々の係合溝621は、遊星歯車ケース62の軸方向に延びており、複数の係合溝621は、遊星歯車ケース62の周方向に間隔を空けて設けられ、複数のフランジ6131は、複数の係合溝621内に1対1で対応するように嵌合し、このようにして、遊星歯車ハウジング613と遊星歯車ケース62を接続するとともに、遊星歯車ハウジング613と遊星歯車ケース62の周方向における位置決めを確保し、遊星歯車ハウジング613と遊星歯車ケース62の同期運転を実現できる。
【0086】
ただし、複数のフランジ6131と複数の係合溝621の設置位置は、交換可能であり、たとえば、複数のフランジ6131は、すべて遊星歯車ケース62の内周壁に設けられ、複数の係合溝621は、すべて遊星歯車ハウジング613の外周壁に設けられ、若しくは、複数のフランジ6131の一部は、遊星歯車ハウジング613の外周壁に設けられ、残りは、遊星歯車ケース62の内周壁に設けられ、それに対応して、複数の係合溝621もそれぞれ遊星歯車ハウジング613の外周壁及び遊星歯車ケース62の内周壁に設けられ、このようにして、簡便に接続できる。
【0087】
図7、並びに
図1、
図21及び
図23に示されるように、本開示のさらなる実施例によれば、遊星歯車部材6は、遊星歯車軸受け63をさらに備え、遊星歯車軸受け63は、遊星歯車ケース62内に設けられ、且つ遊星歯車ユニット61の外側に位置し、遊星歯車軸受け63の内輪は、スピンドル31とともに回転するようにスピンドル31に嵌めて設けられ、遊星歯車軸受け63の外輪は、遊星歯車ケース62とともに回転するように遊星歯車ケース62に連結され、遊星歯車軸受け63を設けることにより、スピンドル31に対する遊星歯車ケース62の回転が確保される。
【0088】
本開示の一実施例によれば、ドラム式洗濯機100は、第2軸32及び制動器7をさらに備え、第2軸32は、遊星歯車キャリア611と噛み合い、制動器7は、第2軸32を介して遊星歯車キャリア611が制動されるか否かを制御する。
【0089】
いくつかの例では、第2軸32の側周壁には、スプラインが設けられ、即ち、第2軸32は、スプライン軸となり、遊星歯車キャリア611には、第2軸32のスプラインと嵌合するスプライン溝が設けられ、第2軸32と遊星歯車キャリア611は、スプラインとスプライン溝の嵌合により固定して接続され、第2軸32と遊星歯車キャリア611の同期動作が確保される。
【0090】
制動器7が第2軸32を制動すると、遊星歯車キャリア611は、制動されるため回転できなくなり、制動器7が第2軸32から離脱すると、遊星歯車キャリア611は、自由状態となる。したがって、制動器7を設けることによって、第2軸32の運転状態を切り替えることで、遊星歯車部材6を第1状態と第2状態の間で切り替え、第1状態と第2状態を切り替える遊星歯車部材6は、撹拌器4と内筒2を同一方向又は反対方向に回転するように撹拌器4の回転方向を調整して、内筒2と連携してさまざまな作業状況に応じた作動モードを実現できる。
【0091】
いくつかの例では、スピンドル31内には、その軸方向に沿って貫通し第2軸32が挿通されるキャビティ311を有する。たとえば、スピンドル31の中心軸線と第2軸32の中心軸線は平行し且つ重なり、スピンドル31は、第2軸32に対して回転可能であり、それによって内筒2と撹拌器4のそれぞれを回転駆動し、ドラム式洗濯機100の正常な作動を確保する。
【0092】
いくつかの好適例では、第2軸32は、それに嵌めて設けられ且つキャビティ311内に設けられる第2軸の軸受け3211により支持される。具体的には、スピンドル31のキャビティ311内には、少なくとも2つの第2軸の軸受け3211が設けられ、第2軸32は、少なくとも2つの第2軸の軸受け3211を貫通してスピンドル31のキャビティ311に支持され、且つスピンドル31に対して回転可能である。
【0093】
いくつかの例では、遊星歯車ケース62には、第2軸32が挿通される貫通孔622が設けられ、第2軸32は、それに嵌めて設けられ且つ貫通孔622内に設けられる第2軸側軸受け3212により支持される。それによって、遊星歯車ケース62の一端は、第2軸側軸受け3212を介して第2軸32に支持され、遊星歯車ケース62の他端は、遊星歯車軸受け63を介してスピンドル31に支持され、それによって、遊星歯車部材6を位置決めして取り付けるとともに、第2軸32及びスピンドル31に対する遊星歯車ケース62の回転を確保する。
【0094】
図12〜
図21に示されるように、いくつかの例では、第2軸32には、制動ディスク322が伝動可能に接続され、制動器7が制動ディスク322に嵌合するとき、第2軸32は制動され、それによって、遊星歯車キャリア611の制動を実現し、制動器7が制動ディスク322から離脱するとき、第2軸32は遊星歯車キャリア611と自由状態となる。
【0095】
さらに、
図13〜
図16に示すように、制動器7は、摺動溝ベース71、制動ロッド72、及び制動駆動器73を備える。摺動溝ベース71には、シュート711が設けられ、制動ロッド72は、延出位置と引き込み位置との間で摺動可能にシュート711に嵌合し、制動ロッド72は、延出位置にあるとき、制動ディスク322と噛み合い、引き込み位置にあるとき、制動ディスク322から離脱し、制動駆動器73は、摺動溝ベース71に取り付けられ且つ制動ロッド72に伝動可能に接続され、制動ロッド72が延出位置と引き込み位置との間で移動するように駆動する。それによって、制動駆動器73により制動ロッド72をシュート711に沿って移動駆動し、それにより、制動ロッド72と制動ディスク322の噛み合い及び離脱を実現し、簡便に切り替えられる。
【0096】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機用の制動器7は、制動駆動器73で制動ロッド72を延出位置と引き込み位置との間で移動駆動し、制動ロッド72とドラム式洗濯機100の第2軸32における制動ディスク322との噛み合い又は離脱により、第2軸32を自由状態と制動状態の間で切り替え、さらに、遊星歯車部材6を介してスピンドル31のトルクを撹拌器4に伝達して撹拌器4を回転駆動し、それによって、撹拌器4の回転と内筒2の回転を互いにさまざまな洗濯方式を実現することができ、それによって、ドラム式洗濯機100の洗濯方式を多様化させる。
【0097】
さらに、制動器7の部材点数が少ないため、構造がよりコンパクト化する。制動駆動器73で制動ロッド72を移動駆動し、制動ロッド72は、延出位置にあるとき、第2軸32を制動状態に切り替えるように制動ディスク322と噛み合い、引き込み位置にあるとき、第2軸32を自由状態に切り替えるように制動ディスク322から離脱し、したがって、パルセータを備える関連技術におけるドラム式洗濯機に比べて、制動ロッド72は、第2軸32における制動ディスク322に直接作用し、このため、簡便に制御でき、且つ制動ロッド72と第2軸32との間の伝動構造が現象し、動力伝送がより直接行われ、第2軸32の運転状態が安定的に切り替えられ、動力を安定的に伝達してドラム式洗濯機100の性能の安定性を向上させることに有利である。
【0098】
したがって、本開示の実施例によるドラム式洗濯機用の制動器7は、撹拌器4と内筒2の連携作動モードを切り替えることができ、且つ構造がシンプルであり、制御されやすく、安定性に優れるなどの利点を有する。
【0099】
いくつかの具体例では、制動ロッド72には、位置制限ブロック720が設けられ、シュート711内には、位置制限台712が設けられ、シュート711内に位置制限台712を設けて、制動ロッド72における位置制限ブロック720に嵌合させることにより、制動ロッド72の移動路径を制限し、即ち、制動ロッド72を軸方向に制限し、制動ロッド72がシュート711から滑り出て摺動溝ベース71から離脱することを防止し、さらに、制動器7の動作の信頼性を確保する。
【0100】
いくつかの具体例では、シュート711内には、周方向位置決め摺動溝713が設けられ、位置制限ブロック720は、周方向位置決め摺動溝713に摺動可能に嵌合する。シュート711内には、周方向位置決め摺動溝713を設けることにより、制動ロッド72がシュート711に沿って移動するとき、位置制限ブロック720は、周方向位置決め摺動溝713内に移動するようにし、周方向位置決め摺動溝713は、制動ロッド72を周方向位置決めすることができ、回転止めの効果を実現する。
【0101】
図15及び
図16に示されるように、いくつかの例では、制動ロッド72は、シュート嵌合部721、伝動部722、ブリッジ部723及び制動部724を備える。
【0102】
シュート嵌合部721は、シュート711に摺動可能に嵌合し、伝動部722は、シュート嵌合部721の一端に接続され、且つブリッジ部723は、シュート嵌合部721の他端に接続され、即ち、シュート嵌合部721の両端は、それぞれ伝動部722及びブリッジ部723に接続され、制動部724は、シュート嵌合部721から離れるブリッジ部723の一端に接続され、伝動部722は、制動駆動器73に伝動可能に接続され、それによって、駆動器で制動ロッド72を移動駆動し、制動ロッド72が延出位置にあるとき、制動部724は、制動ディスク322と噛み合い、制動ロッド72が引き込み位置にあるとき、制動部724は、制動ディスク322から離脱し、制動ロッド72の構造がシンプルであり、摺動溝ベース71及び制動駆動器73に簡便に接続できる。
【0103】
いくつかの好適例では、シュート嵌合部721の断面とシュート711の最小断面は、互いに合わせた円形であり、ブリッジ部723の断面は長方形であり、且つ面積がシュート嵌合部721の断面積未満である。
【0104】
つまり、ブリッジ部723の断面積は、シュート711の最小断面積未満であり、このため、制動ロッド72とシュート711の内壁面との嵌合面積を減少させることができ、それによって、制動ロッド72とシュートの内壁面との摩擦力を減少し、さらに制動ロッド72の移動阻力を減少する。
【0105】
いくつかの好適例では、ブリッジ部723には、複数の横方向補強リブ7231及び複数の縦方向補強リブ7232が設けられ、各々の横方向補強リブ7231は、ブリッジ部723の幅方向に延びており、且つ複数の横方向補強リブ7231は、ブリッジ部723の長さ方向に間隔を空けて設けられ、各々の縦方向補強リブ7232は、ブリッジ部723の長さ方向に延びており、且つ複数の縦方向補強リブ7232は、ブリッジ部723の幅方向に間隔を空けて設けられ、各々の縦方向補強リブ7232は、それぞれ複数の横方向補強リブ7231に連結される。ブリッジ部723には、複数の横方向補強リブ7231及び複数の縦方向補強リブ7232を設けることにより、ブリッジ部723の構造強度を向上させ、制動器7の使用の信頼性を確保し、さらに、制動器7の耐用年数を延ばす。
【0106】
いくつかの具体例では、シュート嵌合部721には、複数の軸方向補強リブ7211が設けられ、各々の軸方向補強リブ7211は、シュート嵌合部721の軸方向に延びており、且つ複数の軸方向補強リブ7211は、シュート嵌合部721の周方向に間隔を空けて設けられ、それによって、摺動嵌合部の構造強度を向上させ、さらに、制動器7の使用の信頼性を確保する。
【0107】
図13に示されるように、いくつかの例では、シュート711内には、支持摺動溝714が設けられ、伝動部722は、支持摺動溝714に摺動可能に支持される。
【0108】
いくつかの具体例では、シュート711内には、シュート711の内面へ凸出した少なくとも2つの支持リブが設けられ、且つ各々の支持リブは、シュート711の長さ方向に延びており、隣接する2つの支持リブの間に支持摺動溝714が制限され、伝動部722は、支持リブに支持され且つ支持摺動溝714に沿って移動できる。それによって、シュート711内に支持摺動溝714を設けることにより、伝動部722を支持し、位置決めして、回転止めの効果を実現できるだけでなく、制動ロッド72と摺動溝ベース71の摺動嵌合の信頼性を向上させ、駆動器の正常な作動を確保することができる。
【0109】
本開示のまた別の実施例によれば、制動器7は、モータである駆動器を制動ロッド72に伝動可能に接続し、モータのモータ軸の回転運動をシュート711内の制動ロッド72の直線運動に変換でき、制動器7の正常な作動を確保する制動カム74をさらに備える。
【0110】
いくつかの例では、制動カム74には、偏心柱741が設けられ、制動ロッド72には、偏心柱741が摺動可能に嵌合する直線摺動溝725が設けられる。モータが制動カム74を回転駆動するとき、制動カム74の偏心柱741は偏心して回転し、シュート711による限定のため制動ロッド72は、その長さ方向における直線運動しかできないため、偏心柱741は、直線摺動溝725内に摺動するとき、制動ロッド72をシュート711の長さ方向に沿って移動駆動し、回動動作の一貫性に優れて、使用の信頼性が高い。
【0111】
好ましくは、伝動部722は、長さ方向がブリッジ部723及びシュート嵌合部721の長さ方向に垂直であり、直線摺動溝725は、制動ロッド72の伝動部722に設けられ、且つ伝動部722の長さ方向に延びており、それにより、直線摺動溝725の長さ方向は、制動ロッド72の直線運動方向に垂直であり、構造がシンプル且つコンパクトであり、容易に制動カム74に嵌合して上記機能を発揮させる。
【0112】
いくつかの例では、摺動溝ベース71には、シュート711に連通する通過孔715が設けられ、制動カム74の一部は、通過孔715内に設けられて制動駆動器73に接続され、制動カム74の他部は、通過孔715を通ってシュート711内に伸び、それによって、制動カム74の偏心柱741は制動ロッド72の直線摺動溝725に容易に嵌合する。
【0113】
図12に示されるように、いくつかの例では、摺動溝ベース71は、制動器ブラケット75を介して外槽1の後壁に取り付けられ、制動ディスク322は、外槽1の外部に位置し且つ外槽1まで延出する第2軸32の一端に取り付けられ、制動器7は、外槽1の外部に位置して、制動ディスク322と協働し、ドラム式洗濯機100の異なる作動モードの切り替えを実現する。
【0114】
制動ディスク322の側周壁には、周方向に配置されるロック歯があり、制動器7の制動ロッド72は、延出位置と引き込み位置との間で摺動可能であり、制動ロッド72は、延出位置にあるとき、制動ディスク322の隣接する2つのロック歯の間に当接し、制動ロッド72は、引き込み位置にあるとき、制動ディスク322から離脱する。
【0115】
いくつかの具体例では、制動器ブラケット75には、位置制限摺動溝751が設けられ、位置制限摺動溝751は、制動ディスク322の径方向に延びており、シュート711まで延出する制動ロッド72の部分は、位置制限摺動溝751に摺動可能に嵌合し、位置制限摺動溝751は、制動ロッド72を制限して、案内の役割を果たして、制動ロッド72の直線運動を確保することができるだけでなく、制動ロッド72を保護して、移動ときの制動ロッド72の折れを防止することができる。
【0116】
本開示の別の実施例によれば、ドラム式洗濯機100は、駆動器のパワーを検出するための検出装置(図示せず)をさらに備え、検出装置により駆動器のパワーが所定値に達したことが検出されると、制動器7は、第2軸32を介して遊星歯車キャリア611が自由に回転できるように制御し、それによって、撹拌器4と内筒2を同一方向に回転させ、内筒2内の衣類の深刻な絡み合いによる引き裂きを回避し、安全性が高い。
【0117】
図1−
図3に示されるように、本開示の一実施例によれば、ドラム式洗濯機100は、内筒2の後壁に取り付けられ、且つ内筒2の後壁と外槽1の後壁との間に位置し、スピンドル31を内筒2に回動可能に接続するとともに、外槽1の後壁に回転可能に支持する内筒ブラケット201をさらに備える。つまり、スピンドル31は、内筒2を直接回転駆動するとともに、遊星歯車部材6を介して撹拌器4を回転させることができ、このようにして、遊星歯車部材6が破損しにくくなる。
【0118】
具体的には、内筒2は、軸方向の両端がそれぞれ開口した内筒本体21、及び内筒本体21の後端に設けられた内筒後蓋22を備え、内筒後蓋22の外周縁には、内筒本体21の軸方向に延びている裾部が形成され、内筒本体21の後端が内筒後蓋22の裾部に接続される。内筒ブラケット201は、接続具(たとえば、ネジ)によって内筒本体21と内筒後蓋22の裾部との接続部に固定され、それによって、内筒2は、内筒ブラケット201に固定され、内筒ブラケット201とともに外槽1に対して回転可能になる。
【0119】
いくつかの例では、内筒ブラケット201は、中心軸部2011及びラック部2012を備え、中心軸部2011は、外槽1の軸方向に延びており、外槽1の後壁に回転可能に支持され、ラック部2012は、中心軸部2011の側周壁に接続され、内筒2は、ラック部2012に取り付けられる。
【0120】
好ましくは、内筒ブラケット201のラック部2012は、内筒2の周方向に分布している複数(たとえば3つ)の接続アームを有し、各々の接続アームは、内筒2の径方向に延びており、さらに各々の接続アームの内方端が中心軸部2011の側周壁に接続され、各々の接続アームの外方端が接続具によって内筒2に接続され、複数の接続アームを用いて内筒2に接続することによって、内筒ブラケット201と内筒2の接続信頼性及び安定性を確保できるとともに、内筒ブラケット201の材料の使用量を減少させ、材料コスト及び重量を低下させ、さらに該ドラム式洗濯機100のコストパフォーマンスを向上させる。ただし、ラック部2012と中心軸部2011は、一体に形成されてもよい。
【0121】
いくつかの例では、外槽1の後壁には、取り付け孔11が設けられ、且つ取り付け孔11内には、スピンドルの軸受け台12が設けられ、スピンドル31は、スピンドルの軸受け台12内に設けられるスピンドルの軸受け314により回転可能に支持される。つまり、外槽1の取り付け孔11内には、スピンドルの軸受け台12及びスピンドルの軸受け台12内に取り付けられるスピンドルの軸受け314が設けられ、スピンドル31は、取り付け孔11の軸方向に延び、且つ取り付け孔11内に伸び、スピンドルの軸受け314を介して外槽1の後壁に取り付けられ、それによって、スピンドル31は、外槽1に対して回転可能である。
【0122】
図4及び
図5、並びに
図1、
図21及び
図23に示されるように、いくつかの例では、スピンドル31には、スピンドルブッシュ316が嵌めて設けられ、スピンドルブッシュ316には、スピンドルフランジ315が嵌めて設けられ、内筒ブラケット201は、スピンドルフランジ315に接続され、このため、簡便且つ確実に接続できる。
【0123】
好ましくは、スピンドルブッシュ316は、スピンドル31に嵌めて設けられ、スピンドルフランジ315は、スピンドルブッシュ316に嵌めて設けられ、内筒ブラケット201は、スピンドルフランジ315にキャスティングされ、たとえば、内筒ブラケット201はアルミ鋳物であってもよく、機械加工によりスピンドル31、スピンドルブッシュ316及びスピンドルフランジ315を一体成形してもよく、この場合、ドラム式洗濯機100の生産効率向上に有利である。
【0124】
いくつかの例では、遊星歯車部材6は、部材シール部品641に嵌めて設けられ、部材シール部品641は、遊星歯車部材6とスピンドルフランジ315との間の隙間をシールし、それにより、遊星歯車部材6とスピンドルフランジ315との間の接続シール性が確保される。
【0125】
さらに、遊星歯車部材6の外周壁には、環状制限リングが設けられ、耐摩耗スリーブ642は、遊星歯車部材6に外嵌され、且つ一端が環状制限リングに当接され、且つ、耐摩耗スリーブ642は、遊星歯車部材6と部材シール部品641との間に位置し、部材シール部品641は、環状として耐摩耗スリーブ642に嵌めて設けられ、内面が耐摩耗スリーブ642にシールして接続され、外面がスピンドルフランジ315及び内筒ブラケット201それぞれにシールして接続される。部材シール部品641と遊星歯車部材6の間に耐摩耗スリーブ642が設けられることにより、耐摩耗スリーブ642が部材シール部品641に嵌合し、寸法精度が確保され、耐摩耗性が向上する。
【0126】
図12に示されるように、本開示の一実施例によれば、スピンドル31は、プーリ312に伝動可能に接続され、駆動器は、モータ5であり、且つモータ5は、プーリ312に張られたベルト3121を介してプーリ312を回転駆動し、即ち、ベルト3121はモータ軸51とプーリ312上に巻設されている。それにより、スピンドル31にプーリ312及びベルト3121が設けられることで、ベルト3121を介してスピンドル31と駆動器は、伝動可能に接続され、衝撃や振動による負荷を緩和させ、スピンドル31の動作を安定化させ、且つ作動を低騒音化させる。
【0127】
いくつかの例では、プーリ312、ベルト3121及び駆動器は、いずれも外槽1の外部に位置し、プーリ312は、外槽1の後壁とスピンドル31におけるロックナット313との間に限定される。つまり、プーリ312は、スピンドル31に固定して接続され、且つ外槽1の後壁とロックナット313との間に位置し、ロックナット313を設けることにより、プーリ312の位置決め及び取り付けが行われ、それにより、駆動器は、ベルト3121を介してプーリ312を回転させ、プーリ312は、スピンドル31を回転させ、プーリ312とスピンドル31の同期回転が実現される。
【0128】
図22及び
図23に示されるように、本開示のまた別の実施例によれば、撹拌器4は、噴水孔41を有し、ドラム式洗濯機100は、給水装置(図示せず)をさらに備え、給水装置は、外槽1及び撹拌器4それぞれに連通し、給水装置は、外槽1内の水を撹拌器4に供給して噴水孔41から内筒2に噴出させる。
【0129】
衣類の洗濯中、給水装置は撹拌器4へ給水し、噴水孔41から内筒2内にある衣類へ噴水することで、衣類を濡らして、衣類への濡らし効果を向上させ、また、撹拌器4は内筒2における水を撹拌し、洗濯方式を多様化させ、さらに衣類洗濯効果を向上させるとともに、洗濯時間の短縮に寄与する。
【0130】
いくつかの好適例では、給水装置は、給水ホース及び給水ポンプを備え、給水ホースは、第1端と第2端を有し、給水ホースの第1端は外槽1に連通し、給水ホースの第2端は撹拌器4に接続され、それによって、外槽1内の水が給水ホースを介して撹拌器4に供給される。ここで、「給水ホースの第2端は撹拌器4に接続される」の「接続」は、広義で理解すべきであり、たとえば、給水ホースは撹拌器4に物理的に接続されてもよく、非物理的に接続されてもよく、給水ホースの第2端からの水が撹拌器4に供給できればよい。
【0131】
それによって、外槽1の内腔における水が給水ホースを介して撹拌器4に供給され、衣類を濡らす役割を果たし、衣類への濡らし効果を向上させる。給水装置を外槽1の内腔に連通させることで、別途の水源を必要とせずに外槽1内の洗濯水で衣類を濡らせるので、水の使用量を減少させる。ただし、循環ポンプが設けられたモデルでは、給水ホースの第1端は、洗濯機内の循環水を利用する代わりに、給水源、たとえば外部の蛇口に直接接続されて給水してもよい。
【0132】
いくつかの具体例では、給水ホースの第1端は、外槽1の内腔の底部に連通する。このように、給水ポンプは、外槽1の内腔の底部における水を撹拌器4に圧送することができ、ドラム式洗濯機100が最低水位を有する洗濯モードである場合にも、給水装置は、撹拌器4へ給水することができ、このため、ドラム式洗濯機100のさまざまな洗濯モードでの濡らし効果及び洗濯効果が確保される。
【0133】
いくつかの例では、撹拌器4内には、集水室42及び分流チャンネル43が設けられ、集水室42は給水装置に連通し、噴水孔41は分流チャンネル43を介して集水室42に連通する。撹拌器4内に集水室42及び分流チャンネル43が設けられることにより、給水装置は水を集水室42及び分流チャンネル43に送り、最終的に噴水孔41から内筒2へ噴水させ、衣類を濡らして、衣類への濡らし効果を向上させ、さらに洗濯効果を向上させる。
【0134】
いくつかの例では、内筒2の内部に向かう撹拌器4の表面には、複数のリブ44が設けられ、各々のリブ44は、撹拌器4の径方向に延び、且つ複数のリブ44は、撹拌器4の周方向に間隔を空けて設けられ、噴水孔41は、リブ44に形成されている。衣類を洗濯する際に、噴水孔41は内筒2の内腔へ噴水し、さらにリブ44は内筒2中の水に渦流を発生させて、衣類を回転、反転させ、それにより衣類の洗濯効果を向上させる。
【0135】
いくつかの具体例では、撹拌器4は、パルセータであり、即ち、該ドラム式洗濯機100の内筒2の底部には、パルセータが設けられる。衣類の洗濯中、衣類を内筒2において繰り返して持ち上げたり落としたりすることで、衣類をきれいに洗濯し、また、パルセータの作用下で、本出願に係るドラム式洗濯機100は、従来のようにビートにより洗濯する(内筒だけが回動する)ことに加えて、パルセータによる衣類への揉み作用を追加し、さらに洗濯効果を高めて、洗濯時間を短縮させる。
【0136】
図21及び
図23に示されるように、別のいくつかの好適例では、第2軸32内には、給水通路320を有し、給水装置は、給水通路320を介して外槽1内の水を撹拌器4に供給する。第2軸32内に給水通路320が設けられることは、第2軸32に水送り機能を付与し、それにより、外槽1内の洗濯水は、給水装置で第2軸32の給水通路320に送られて、最終的に噴水孔41から外槽1内に噴出される。
【0137】
いくつかの例では、外槽1まで延出する第2軸32の一端には、アダプター323が設けられ、給水装置は、アダプター323を介して第2軸32に連結される。外槽1まで延出する第2軸32の一端には、アダプター323が設けられ、それにより、給水通路320の給水端がシールされ、外槽1内の水は、給水装置で給水通路320に送られる。
【0138】
いくつかの具体例では、アダプター323は、外槽1まで延出する第2軸32の一端に外嵌され、且つアダプター323と第2軸32との間には、アダプター軸受け3231が設けられ、アダプター軸受け3231の内輪は、第2軸32に固定して接続され、アダプター軸受け3231の外輪は、アダプター323に固定して接続され、アダプター軸受け3231は、並べて配置された2つのボール軸受けであってもよいし、1つのローラ軸受けであってもよい。それにより、第2軸32及びアダプター323は、アダプター軸受け3231を介して回動可能に接続される。
【0139】
有利には、外槽1まで延出する第2軸32の一端には、アダプターシール部品3232が嵌めて設けられ、アダプターシール部品3232は、アダプター軸受け3231よりも第2軸32の軸方向の中心に遠くなり、アダプターシール部品3232は、第2軸32とアダプター323との間の隙間をシールする。
【0140】
具体的には、外槽1まで延出する第2軸32の一端には、その軸方向に分布するアダプターシール部品3232及びアダプター軸受け3231が嵌めて設けられ、且つアダプターシール部品3232は、アダプター軸受け3231の外側に位置し、アダプターシール部品3232は、第2軸32及びアダプター323それぞれにシールして接続され、このため、アダプター323と第2軸32の外側壁とのシール接続を確保し、第2軸32の給水通路320内の水がスピンドル31のキャビティ311に入ることにより他の部材の正常な作動に影響を与えることを回避する。
【0141】
いくつかの具体例では、アダプター323内には、耐摩耗リング324が設けられ、耐摩耗リング324は、アダプター323の内側に嵌め込まれ、外槽1まで延出する第2軸32の一端は、耐摩耗リング324内に伸び、且つアダプター軸受け3231及びアダプターシール部品3232は、いずれも第2軸32に嵌めて設けられ且つ第2軸32の外側壁と耐摩耗リング324との間に位置する。
【0142】
つまり、耐摩耗リング324は、アダプター323とアダプター軸受け3231との間及びアダプター323とアダプターシール部品3232との間に位置する。アダプター323内には、耐摩耗リング324を設けることにより、アダプター軸受け3231の外輪、アダプターシール部品3232を耐摩耗リング324に嵌合し、それによって、アダプター323の摩耗を減少させて、アダプター323の耐用年数を延ばす。
【0143】
いくつかの例では、第2軸32には、軸シール部品325が嵌めて設けられ、軸シール部品325は、第2軸32に設けられ且つ第2軸側軸受け3212の外側に位置し、即ち、軸シール部品325は、第2軸側軸受け3212よりも第2軸32の軸方向の中心に遠くなり、軸シール部品325は、第2軸32と遊星歯車ケース62との間の隙間をシールし、第2軸32の給水通路320内の水が第2軸32と遊星歯車ケース62との隙間を通ってスピンドル31のキャビティ311及び遊星歯車部材6に侵入することを防止する。
【0144】
以下、
図1−
図23を参照しながら、本開示によるドラム式洗濯機100のいくつかの特定の実施例を詳細に説明する。
【0145】
図1、
図21及び
図23に示されるように、本開示の一特定実施例によるドラム式洗濯機100は、外槽1、内筒2、スピンドル31、第2軸32、駆動器(たとえば下記モータ5)、遊星歯車部材6、及び制動器7を備える。
【0146】
外槽1は、前後方向に延びており且つ先端が開口し、後壁には、その厚さ方向に沿って貫通する取り付け孔11が設けられ、取り付け孔11内には、その軸方向に延びているスピンドルの軸受け台12が設けられる。
【0147】
スピンドル31は、前後方向に延びており、且つその軸方向に延びているキャビティ311を有し、スピンドル31は、間隔を空けて配置された2つのスピンドルの軸受け314を介してスピンドルの軸受け台12内に挿通される。外槽1の後壁内面まで延出するスピンドル31の一端(
図1に示される先端)は、内筒ブラケット201に固定して接続され、外槽1の後壁外面まで延出するスピンドル31の一端(
図1に示される後端)には、ロックナット313が接続され、ロックナット313とスピンドル31の後壁外面との間には、ベルト3121を取り付けるためのプーリ312が設けられ、プーリ312は、ベルト3121を介してモータ5のモータ軸51に伝動可能に接続される。
【0148】
内筒2は、内筒本体21及び内筒後蓋22を備え、内筒本体21は、外槽1の軸方向に延びており且つ両端が開口し、内筒後蓋22は、内筒本体21の後端にシールして接続され、内筒2は、内筒ブラケット201を介して外槽1に回転可能に取り付けられる。内筒ブラケット201は、中心軸部2011、及び中心軸部2011の外側壁に接続されるラック部2012を備え、内筒2は、ラック部2012に支持され、中心軸部2011は、外槽1の後壁に回転可能に支持される。
【0149】
第2軸32は、その軸方向において間隔を空けて設けられた少なくとも2つの第2軸の軸受け3211を介してスピンドル31のキャビティ311に挿通される。第2軸32の両端は、それぞれスピンドル31の両端外まで延出し、スピンドル31外まで延出する第2軸32の一端(
図1に示される先端)は、第2軸側軸受け3212によって遊星歯車部材6と嵌合し、遊星歯車部材6と第2軸32の間には、第2軸側軸受け3212の外側に位置する軸シール部品325がさらに設けられ、それによって、遊星歯車部材6と第2軸32は、シールして接続される。スピンドル31外まで延出する第2軸32の他端(
図1に示される後端)には、制動ディスク322が取り付けられる。
【0150】
撹拌器4は、内筒2の底部に回転可能に設けられ、且つ遊星歯車部材6(たとえば下記遊星歯車ケース62)に嵌合する。
【0151】
以下、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100の遊星歯車部材6を詳細に説明する。
【0152】
遊星歯車部材6は、遊星歯車ユニット61、遊星歯車ケース62及び遊星歯車軸受け63を備える。遊星歯車ケース62は、貫通孔622を有し、遊星歯車ユニット61は、遊星歯車ケース62内に設けられ、遊星歯車軸受け63は、遊星歯車ケース62内に設けられ、且つ貫通孔622と反対する遊星歯車ケース62の一側に位置し、遊星歯車軸受け63は、遊星歯車ケース62内の後部に設けられる。
【0153】
遊星歯車ユニット61は、遊星歯車キャリア611、3つの遊星歯車612及び遊星歯車ハウジング613を備える。遊星歯車キャリア611は、遊星歯車ブラケット6111、遊星歯車固定ディスク6116を備える。遊星歯車ブラケット6111の一側には、複数の取り付けボス6112、複数の遊星歯車取り付けベース6114が設けられ、複数の取り付けボス6112及び複数の遊星歯車取り付けベース6114は、遊星歯車キャリア611の周方向に交互して配置され、各々の遊星歯車取り付けベース6114には、遊星歯車固定軸6115が設けられ、遊星歯車固定軸6115は、一端が遊星歯車取り付けベース6114内に配置され、他端が遊星歯車固定ディスク6116において嵌合に適した制限孔6118内に設けられて、遊星歯車612の取り付けに用いられ、各々の取り付けボス6112には、位置決めカラム6113が設けられ、遊星歯車固定ディスク6116には、位置決めカラム6113と嵌合する位置決め孔6117が設けられ、位置決め孔6117に位置決めカラム6113が溶接されること、又は位置決めカラム6113と位置決め孔6117の締まり嵌めによって、遊星歯車固定ディスク6116は、遊星歯車ブラケット6111に接続される。3つの遊星歯車612は、遊星歯車キャリア611に取り付けられ、且つそれぞれ遊星歯車ハウジング613と噛み合う。
【0154】
遊星歯車ユニット61の遊星歯車ハウジング613には、外面へ凸出したフランジ6131が設けられ、遊星歯車ケース62の内面には、フランジ6131に嵌合する係合溝621が設けられ、それによって、遊星歯車ハウジング613及び遊星歯車ケース62は固定して接続される。
【0155】
遊星歯車部材6は、第2軸側軸受け3212を介して第2軸32に回転可能に嵌合する。遊星歯車部材6は、遊星歯車軸受け63を介してスピンドル31に回転可能に嵌合する。具体的には、スピンドル31には、スピンドルブッシュ316が嵌めて設けられ、スピンドルブッシュ316には、内筒ブラケット201に接続されるスピンドルフランジ315が設けられ、遊星歯車部材6の外部には、耐摩耗スリーブ642が嵌めて設けられ、耐摩耗スリーブ642には、部材シール部品641が設けられ、部材シール部品641は、遊星歯車部材6と内筒ブラケット201、遊星歯車部材6とスピンドルフランジ315をシールして接続する。
【0156】
以下、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100の制動器7を詳細に説明する。
【0157】
制動器7は、外槽1の後部に設けられ、且つ摺動溝ベース71、制動ロッド72、制動駆動器73、及び制動カム74を備える。
【0158】
摺動溝ベース71は、制動器ブラケット75を介して外槽1の後壁に設けられ、制動器ブラケット75には、制動ディスク322の径方向に延びている位置制限摺動溝751が設けられる。摺動溝ベース71内には、直線状に延びているシュート711、周方向位置決め摺動溝713、及び支持摺動溝714が設けられ、シュート711内には、位置制限台712が設けられ、摺動溝ベース71は、シュート711に連通する通過孔715を有する。
【0159】
制動ロッド72は、延出位置と引き込み位置との間で摺動可能にシュート711に嵌合する。制動ロッド72は、シュート嵌合部721、伝動部722、ブリッジ部723、及び制動部724を備え、シュート嵌合部721の両端は、それぞれ伝動部722、ブリッジ部723に接続され、制動部724は、シュート嵌合部721から離れるブリッジ部723の一端に接続される。
【0160】
シュート嵌合部721は、シュート711に摺動可能に嵌合し、且つシュート嵌合部721の断面とシュート711の最小断面は、互いに合わせた円形であり、シュート嵌合部721には、複数の軸方向補強リブ7211が設けられ、各々の軸方向補強リブ7211は、シュート嵌合部721の軸方向に延びており、且つ複数の軸方向補強リブ7211は、シュート嵌合部721の周方向に間隔を空けて設けられる。
【0161】
伝動部722は、支持摺動溝714に摺動可能に支持される。伝動部722的一側には、位置制限ブロック720が設けられ、位置制限ブロック720は、周方向位置決め摺動溝713に摺動可能に嵌合し、シュート711内に位置制限台712を設けて、制動ロッド72における位置制限ブロック720に嵌合させることにより、制動ロッド72の移動路径を制限し、即ち、制動ロッド72を軸方向に制限し、制動ロッド72がシュート711から滑り出て摺動溝ベース71から離脱することを防止し、さらに、制動器7の動作の信頼性を確保し、伝動部722の他側には、直線摺動溝725が設けられる。
【0162】
ブリッジ部723には、複数の横方向補強リブ7231及び複数の縦方向補強リブ7232が設けられ、各々の横方向補強リブ7231は、ブリッジ部723の幅方向に延びており、且つ複数の横方向補強リブ7231は、ブリッジ部723の長さ方向に間隔を空けて設けられ、各々の縦方向補強リブ7232は、ブリッジ部723の長さ方向に延びており、且つ複数の縦方向補強リブ7232は、ブリッジ部723の幅方向に間隔を空けて設けられ、各々の縦方向補強リブ7232は、それぞれ複数の横方向補強リブ7231に連結される。
【0163】
制動ロッド72が延出位置にあるとき、制動部724は、制動ディスク322と噛み合い、制動ロッド72が引き込み位置にあるとき、制動部724は、制動ディスク322から離脱する。
【0164】
制動カム74は、摺動溝ベース71の通過孔715に取り付けられ、且つ偏心柱741を有し、制動駆動器73は、制動カム74を回転駆動することで、偏心柱741を偏心して回転させ、偏心柱741は、伝動部722における直線摺動溝725に嵌合して、制動ロッド72が直線運動を有するように駆動する。
【0165】
本開示の別の特定実施例によれば、外槽1の後壁まで延出する第2軸32の一端には、給水装置に接続するためのアダプター323が設けられ、アダプター323は、アダプター軸受け3231を介して第2軸32に外嵌され、且つ第2軸32には、アダプター323にシールして接続されるアダプターシール部品3232が外嵌され、アダプターシール部品3232は、アダプター軸受け3231の外側に位置する。
【0166】
さらに、第2軸32内には、その軸方向に延びている給水通路320を有し、給水通路320の一端はアダプター323に連通し、給水通路320の他端は撹拌器4に連通する。撹拌器4は、給水通路320に連通するための集水室42、リブ44により画定された分流チャンネル43及びリブ44に設けられる噴水孔41を有する。
【0167】
給水装置は、給水ホース及び給水ポンプを備え、給水ホースの第1端は外槽1に連通し、給水ホースの第2端は給水通路320に連通し、給水ポンプは、給水ホースに設けられ、給水ポンプの作動時に、外槽1内の水を給水ホース、給水通路320を介して撹拌器4に送る。
【0168】
以下、本開示の実施例によるドラム式洗濯機100の作動過程を詳細に説明する。
【0169】
ドラム式洗濯機100が洗濯モードで運転する場合、制動駆動器73は、制動ロッド72が延出位置まで移動するように駆動し、制動ロッド72の制動部724は、制動ディスク322と噛み合い、制動ディスク322を抱き締めてロックし、第2軸32を移動不能にし、遊星歯車部材6の遊星歯車キャリア611と第2軸32がスプライン構造を介して嵌合するため、遊星歯車キャリア611も固定され、遊星歯車キャリア611に設けられた複数の遊星歯車612は自転しかできない。
次に、モータ5は作動して、ベルト3121を介してプーリ312を順方向に回転させ、さらにスピンドル31、内筒2を順方向に回転するように駆動し、スピンドル31は、複数の遊星歯車612と噛み合い、スピンドル31は、回転するときに複数の遊星歯車612を同時に自転させ、さらに遊星歯車ハウジング613を反対方向に回転させ、遊星歯車ハウジング613が遊星歯車ケース62に接続され、遊星歯車ケース62が撹拌器4に接続されるため、スピンドル31は、遊星歯車部材6を介して撹拌器4を反対方向に回動させる。
【0170】
この過程において、衣類を内筒2において繰り返して持ち上げたり落としたりすることで、衣類をきれいに洗濯し、また、撹拌器4の作用下で、本出願に係るドラム式洗濯機は、従来のようにビートにより洗濯する(内筒だけが回動する)ことに加えて、パルセータによる衣類への摩擦揉み作用を追加し、さらに洗濯効果を高めて、洗濯時間を短縮させる。
【0171】
撹拌器4が噴水孔41を有する場合、給水ポンプは、第2軸32の給水通路320、又は給水ホースを介して撹拌器4へ給水し、噴水孔41から内筒2内の衣類へ噴水させ、衣類を濡らす役割を果たし、衣類への濡らし効果を向上させ、衣類の洗濯効果をさらに向上させる。
【0172】
ただし、ドラム式洗濯機100が洗濯モードである場合、遊星歯車部材6は、スピンドル31の順方向回転を撹拌器4の反対方向回転に伝達し、また、遊星歯車部材6がスピンドル31に伝動可能に接続されるため、スピンドル31を減速させて、撹拌器4の回転速度をスピンドル31の回転速度よりも低くすることができる。ここで「順方向回転」と「反対方向回転」は、相対的な表現であり、具体的な反時計回り又は時計回り回転方向を意味するわけではない。
【0173】
ドラム式洗濯機100が脱水モードで運転する場合、制動駆動器73は、制動ロッド72が引き込み位置まで移動するように駆動し、制動ロッド72の制動部724は、制動ディスク322を解放し、第2軸32を自由状態にする。
【0174】
次に、モータ5は、ベルト3121を介してプーリ312を順方向に回転駆動させるとき、スピンドル31、内筒2を順方向に回転させ、次にスピンドル31は、遊星歯車612を自転させ、遊星歯車ケース62を撹拌器4及び内筒2と同一の方向も同一速度で回転駆動させる。
【0175】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機100では、駆動器を設けることにより、駆動器がスピンドル31を介して内筒2を駆動し、動力伝達の段数がさらに減少し、動力伝送がより直接行われ、内筒2の運転がより安定的になり、スピンドル31と撹拌器4との間に遊星歯車部材6が設けられ、遊星歯車部材6を利用してスピンドル31のトルクが撹拌器4に伝達され、撹拌器4での負荷が内筒2での負荷よりはるかに小さいので、パルセータを備える関連技術におけるドラム式洗濯機に比べて、遊星歯車部材6に作用する負荷が大幅に減少し、遊星歯車部材6の破壊されるリスクを大幅に低減させ、ドラム式洗濯機100の耐用年数を延ばす。
【0176】
本開示の実施例によるドラム式洗濯機100の残りの構成及び操作は、当業者にとって公知するものであるため、ここで詳しく説明しない。
【0177】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「特定例」、又は「いくつかの例」などの説明は、この実施例又は例にて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点は、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、同一の実施例又は例を指すとは限らない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0178】
本開示の実施例を示して説明したが、当業者にとって明らかなように、本開示の原理及び趣旨から逸脱することなく、これらの実施例に対してさまざまな変化、修正、置換及び変形をすることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等同物により限定される。